説明

画像処理装置及び画像処理方法及び画像処理プログラム

【課題】従来1つの検出アルゴリズムを実行して画像データから特定の物体の画像データを検出していたため、特定の物体の画像データを検出できない場合があった。
【解決手段】画像処理装置30は、特定の物体の画像データを検出する第1の検出手順を実行して、第1の画像データ301から上記特定の物体の画像データを検出して、検出した特定の物体の画像データを含む第2の画像データ304を生成する第1の検出実行部37と、第1の検出手順とは異なる第2の検出手順を実行して、第1の画像データ301から上記特定の物体の画像データを検出して、検出した特定の物体の画像データを含む第3の画像データ305を生成する第2の検出実行部38と、第2の画像データ304が含む複数の画素と第3の画像データ305が含む複数の画素との対応する2つの画素から新たな画素を生成して新たな画素を有する特定画像データ302を生成する画像生成部39とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像データに含まれた特定の物体の画像データを検出して、検出した特定の物体の画像データを含む特定画像データを生成する画像処理装置及び画像処理方法及び画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像データに含まれた特定の物体の画像データを検出する技術として、特定の物体の輪郭であるエッジを検出するものがある。エッジを検出する技術として、例えば、Sobel(ゾーベル)フィルタやLaplacian(ラプラシアン)フィルタやCanny(キャニー)フィルタやPrewitt(プレヴィット)法がある。これらの方法は、閾値以上の画素値の勾配差を持つ場合に、その部分をエッジとみなすものである。Sobelフィルタ及びPrewitt法は、空間1次微分(差分)を計算し、輪郭を検出するフィルタである。また、Laplacian(ラプラシアン)フィルタは、空間2次微分(差分)を計算し、輪郭を検出するフィルタである。また、Canny(キャニー)フィルタは、2つの異なるスレッシュホールド(強いエッジと弱いエッジの検出)を使って、弱いエッジも、強いエッジに関連している場合に検出エッジとして出力する。このため、Canny法では、雑音によりエッジと間違えて検出する画素を少なくし、真に弱いエッジを検出できるものである。
上記したこれらの方法に共通することは、閾値以上の画素値の勾配差を持つ場合に、その部分をエッジとみなすものである。Canny法は、2つの閾値を用いるが、SobelフィルタやLaplacianフィルタやPrewitt法は、1つの閾値を用いる。
また、移動平均法による二値化画像を用いてエッジを検出する方法がある(非引用文献1)。
特開2007−26255号公報には、Canny法、Sobel法のいずれか1つを単独で使用して画像データに含まれた特定の物体のエッジを検出することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−26255号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「日本放射線技術学会誌、Vol.63(2007),No.4pp.420−427」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した従来の技術のうち、1つの閾値を使用するSobelフィルタやLaplacianフィルタやPrewitt法を使用してエッジを検出した場合、画像データのコントラスト値(輝度の分布状態)が低い(輝度の差分が小さい)場合には、真のエッジが検出されないという問題がある。
また、2つの閾値を使用するCanny法を使用してエッジを検出した場合、強いエッジ(閾値高)の周りだけに弱いエッジ(閾値低)を適用するが、閾値を適用するアルゴリズム(エッジを検出する検出手順)が、閾値高の場合も閾値低の場合も同じ検出手順を使用しているので、たまたま閾値低未満と判定された画素はたとえエッジの一部であってもエッジとして検出されないという問題がある。
また、上記した従来技術に共通して、閾値よりも大きいと判定されても、その閾値が相対的に低い値の場合は、エッジ過多の結果となり、検出したエッジにはノイズが乗りやすくなる問題がある。逆に、その閾値が相対的に大きい値の場合は、エッジとして検出されにくくなる問題がある。
【0006】
この発明は、かかる問題点を解決する為になされたもので、この発明の目的は、従来の1つの検出手順を用いて画像データから物体のエッジを検出する検出方法では検出できなかったエッジを検出して、精度高く画像データから物体のエッジを検出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る画像処理装置は、第1の画像データを入力装置により入力する入力部と、所定の画像データから特定の物体の画像データを検出する第1の検出手順を処理装置により実行して、上記第1の画像データから少なくとも上記特定の物体の画像データを検出して、検出した特定の物体の画像データを含む第2の画像データを処理装置により生成する第1の検出実行部と、上記第1の検出手順とは異なる第2の検出手順を処理装置により実行して、上記第1の画像データから少なくとも上記特定の物体の画像データを検出して、検出した特定の物体の画像データを含む第3の画像データを処理装置により生成する第2の検出実行部と、上記第1の検出実行部が生成した第2の画像データと、上記第2の検出実行部が生成した第3の画像データとを処理装置により入力して、入力した第2の画像データが含む複数の画素と入力した第3の画像データが含む複数の画素との対応する2つの画素を用いて新たな画素を生成して、生成した新たな画素を有する上記特定画像データを処理装置により生成する画像生成部とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、この発明に係る画像処理装置は、上記画像生成部が、入力した第2の画像データが含む複数の画素と入力した第3の画像データが含む複数の画素との対応する2つの画素の輝度を用いて新たな輝度を有する画素を生成することを特徴とする。
【0009】
また、この発明に係る画像処理装置は、画像データから上記特定の物体の画像データを検出する検出手順であって検出識別情報により識別される検出手順を複数あらかじめ処理装置により記憶装置に記憶する検出手順記憶部と、画像データが含む複数の画素が有する輝度の分布状態を示す輝度分布情報と、上記検出手順記憶部が記憶した複数の検出手順のうち所定の検出手順を識別する第1の検出識別情報と、上記所定の検出手順とは異なる検出手順を識別する第2の検出識別情報とを有する情報を検出情報とし、上記検出情報を複数あらかじめ処理装置により記憶装置に記憶する検出情報記憶部と、上記入力部が入力した第1の画像データに含まれた複数の画素が有する輝度に基づいて、上記第1の画像データの輝度の分布状態を示す算出輝度情報を処理装置により算出する輝度算出部と、上記輝度算出部が算出した算出輝度情報と適合する輝度分布情報を有する検出情報を上記検出手順記憶部が記憶装置に記憶した複数の検出情報から処理装置により読み出し、読み出した検出情報が有する第1の検出識別情報により識別される検出手順を上記第1の検出手順として上記検出手順記憶部から処理装置により読み出し、上記検出情報が有する第2の検出識別情報により識別される検出手順を上記第2の検出手順として上記検出手順記憶部から処理装置により読み出す検出情報読み出し部とを備えたことを特徴とする。
【0010】
また、この発明に係る画像処理装置は、画像データから上記特定の物体の画像データを検出する検出手順であって検出識別情報により識別される検出手順を複数あらかじめ処理装置により記憶装置に記憶する検出手順記憶部と、画像データが含む複数の画素が有する輝度の分布状態を数値で示す輝度分布情報と、上記検出手順記憶部が記憶した複数の検出手順のうち所定の検出手順を識別する検出識別情報とを有する情報を検出情報とし、上記検出情報を複数、上記輝度分布情報を示す数値の大きい順にあらかじめ処理装置により記憶装置に記憶する検出情報記憶部と、上記入力部が入力した第1の画像データに含まれた複数の画素が有する輝度に基づいて、上記第1の画像データの輝度の分布状態を示す算出輝度情報を処理装置により算出する輝度算出部と、上記輝度算出部が算出した算出輝度情報と適合する輝度分布情報を有する検出情報を上記検出手順記憶部が記憶装置に記憶した複数の検出情報から処理装置により読み出し、読み出した検出情報が有する検出識別情報により識別される検出手順を上記第1の検出手順として上記検出手順記憶部から処理装置により読み出し、読み出した検出情報の次に記憶された検出情報を次検出情報として上記記憶装置から読み出し、読み出した次検出情報が有する検出識別情報により識別される検出手順を上記第2の検出手順として上記検出手順記憶部から処理装置により読み出す検出情報読み出し部とを備えたことを特徴とする。
【0011】
また、この発明に係る画像処理装置は、上記第1の検出実行部が実行する第1の検出手順が、上記第1の画像データに含まれた複数の全画素と複数の画素のうち一部の画素とのいずれかの画素の輝度の勾配を求め、求めた輝度の勾配があらかじめ設定された値よりも大きな値の画素を検出することを特徴とする。
【0012】
また、この発明に係る画像処理装置は、上記第2の検出実行部が実行する第2の検出手順が、上記第1の画像データに含まれた複数の全画素と複数の画素のうち一部の画素とのいずれかの画素の輝度の勾配を求め、求めた輝度の勾配が上記あらかじめ設定された値よりも小さな値の画素を検出することを特徴とする。
【0013】
また、この発明に係る画像処理装置は、上記第1の検出実行部が実行する第1の検出手順が、上記特定の物体の輪郭を示すエッジを検出して、上記第2の画像データとして上記検出した特定の物体のエッジを表す画像データを含む画像データを生成し、上記第2の検出実行部が実行する第2の検出手順は、上記特定の物体の輪郭を示すエッジを検出して、上記第3の画像データとして上記検出した特定の物体のエッジを表す画像データを含む画像データを生成することを特徴とする。
【0014】
また、この発明に係る画像処理装置は、上記画像生成部が、上記第2の画像データが含む特定の物体のエッジを表す画像データに含まれた画素からあらかじめ設定された画素数分に対応する領域であって上記特定の物体のエッジを表す画像データの周囲の領域を補完領域とし、上記第3の画像データのうち上記補完領域に対応する領域に含まれる複数の画素が有する輝度と、上記第2の画像データが含む複数の画素との対応する2つの画素の輝度を用いて新たな輝度を有する画素を生成して、生成した新たな画素を有する上記特定画像データを処理装置により生成することを特徴とする。
【0015】
また、この発明に係る画像処理装置は、上記第1の検出実行部が生成した第2の画像データを出力装置により表示装置に表示する表示部を備え、上記入力部は、上記表示部が表示した第2の画像データの少なくとも上記特定の物体の画像データを含む所定の領域を示す領域指定情報を入力させ、入力された上記領域指定情報を入力し、上記第2の検出実行部は、上記入力部が入力した領域指定情報が示す第2の画像データの所定の領域に対応する上記第1の画像データの領域内の画像データから上記第2の検出手順により少なくとも上記特定の物体の画像データを検出して、検出した特定の物体の画像データを含む上記第3の画像データを処理装置により生成することを特徴とする。
【0016】
また、この発明に係る画像処理装置は、上記検出情報記憶部が、複数の所定の画像データごとの画像のタイプを示す複数の画像タイプ情報の各画像タイプ情報に対応させて上記検出情報を処理装置により記憶装置に記憶し、上記入力部は、上記第1の画像データのタイプを示す第1のタイプ情報を入力装置により入力し、上記検出情報読み出し部は、上記入力部が入力した第1のタイプ情報と一致する画像タイプ情報に対応する検出情報であって、かつ、上記算出輝度情報と適合する輝度分布情報を有する検出情報を上記記憶装置から処理装置により読み出すことを特徴とする。
【0017】
この発明に係る画像処理方法は、入力部により、第1の画像データを入力装置により入力する入力工程と、第1の検出実行部により、所定の画像データから特定の物体の画像データを検出する第1の検出手順を処理装置により実行して、上記第1の画像データから少なくとも上記特定の物体の画像データを検出して、検出した特定の物体の画像データを含む第2の画像データを処理装置により生成する第1の検出実行工程と、第2の検出実行部により、上記第1の検出手順とは異なる第2の検出手順を処理装置により実行して、上記第1の画像データから少なくとも上記特定の物体の画像データを検出して、検出した特定の物体の画像データを含む第3の画像データを処理装置により生成する第2の検出実行工程と、画像生成部により、上記第1の検出実行工程により生成した第2の画像データと、上記第2の検出実行工程により生成した第3の画像データとを処理装置により入力して、入力した第2の画像データが含む複数の画素と入力した第3の画像データが含む複数の画素との対応する2つの画素を用いて新たな画素を生成して、生成した新たな画素を有する上記特定画像データを処理装置により生成する画像生成工程とを有することを特徴とする。
【0018】
また、この発明に係る画像処理プログラムは、入力部により、第1の画像データを入力装置により入力する入力処理と、第1の検出実行部により、所定の画像データから特定の物体の画像データを検出する第1の検出手順を処理装置により実行して、上記第1の画像データから少なくとも上記特定の物体の画像データを検出して、検出した特定の物体の画像データを含む第2の画像データを処理装置により生成する第1の検出実行処理と、第2の検出実行部により、上記第1の検出手順とは異なる第2の検出手順を処理装置により実行して、上記第1の画像データから少なくとも上記特定の物体の画像データを検出して、検出した特定の物体の画像データを含む第3の画像データを処理装置により生成する第2の検出実行処理と、画像生成部により、上記第1の検出実行処理により生成した第2の画像データと、上記第2の検出実行処理により生成した第3の画像データとを処理装置により入力して、入力した第2の画像データが含む複数の画素と入力した第3の画像データが含む複数の画素との対応する2つの画素を用いて新たな画素を生成して、生成した新たな画素を有する上記特定画像データを処理装置により生成する画像生成処理とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
この発明に係る画像処理装置は、異なる2つの検出手順によりそれぞれ検出した特定の物体の画像データを含む第2の画像データと第3の画像データとの2つの画像データの対応する2つの画素から新たな画素を生成して、新たな画素を有する特定画像データを生成する。第2の画像データと第3の画像データとは、異なる検出手順によりエッジ検出が行われた画像データであるため、例えば第2の画像データには示されていないエッジが第3の画像データに示されている場合がある。すなわち、1つの検出手順を使用して画像データに含まれた物体のエッジ画像データを検出する方法よりも、精度の高いエッジ検出を画像処理装置のユーザに提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明の画像処理装置を含む画像処理システムの構成図。
【図2】この発明の画像処理装置30の機器構成を示す図。
【図3】この発明の画像処理装置30のハードウェア構成図。
【図4】この発明の画像処理装置30の構成を示すブロック図。
【図5】実施の形態1の画像処理方法の手順を示すフローチャート。
【図6】図5の検出方法選択処理を具体的に説明するフローチャート。
【図7】実施の形態1の検出情報ファイル321が記憶する情報の一例を示す図。
【図8】画像データ301の一例を示す図。
【図9】実施の形態1の第1の検出実行部37が第1の検出手順を実行した結果生成した第2の画像データを示す図。
【図10】実施の形態1の第2の検出実行部38が第2の検出手順を実行した結果生成した第3の画像データを示す図。
【図11】実施の形態1の画像生成部39が生成した特定画像データ302の一例を示す図。
【図12】図9の特定画像データ302を生成する画像生成部39の動作のフローチャート。
【図13】実施の形態2の画像処理装置30の動作を示すフローチャート。
【図14】図13のS6の処理を画像データを用いてイメージで説明する図。
【図15】補完領域の説明を示す図。
【図16】図14の特定画像データ302に対してセグメント除去処理を行った後の画像データを示す図。
【図17】図14の特定画像データ302に対して塗りつぶし処理を行った後の画像データを示す図。
【図18】実施の形態4の検出情報ファイル321が記憶する検出情報を示す図。
【図19】実施の形態4の検出方法選択処理を説明する図。
【図20】実施の形態5の検出情報ファイル321を示す図。
【図21】実施の形態5の別の検出情報ファイル321を示す図。
【図22】実施の形態6の領域指定情報を入力させる画像処理装置30のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0021】
実施の形態1.
この実施の形態では、異なる2つの検出手順によって画像データに含まれた特定の物体の輪郭(以下「輪郭」を「エッジ」と称する)から物体のエッジを検出する画像処理装置の一例を説明する。
図1は、画像処理装置を含む画像処理システムの構成図である。
図1において、画像処理システムは、写真撮像装置10、画像処理装置30、エッジ画像処理装置50をそなえる。これら3つの装置は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等の通信網により接続されている。
写真撮像装置10は、特定の物体を含む所定の物体を写真撮影して、特定の物体の画像データを含む画像データ301を出力する。
画像処理装置30は、写真撮像装置10から通信網を介して画像データ301(第1の画像データの一例)を入力し、入力した画像データ301から異なる2つの検出手順によってそれぞれ第2の画像データと第3の画像データを生成して、第2の画像データと第3の画像データとから特定の物体の画像データを含む特定画像データ302(以下の説明において「特定画像データ」を「エッジ画像データ」とも称する)生成して出力する。写真撮像装置10は、画像を記憶した記憶装置でもよく、写真撮像装置10である記憶装置は画像処理装置30とケーブルや信号線により接続され、画像処理装置30は、ケーブルや信号線を介して記憶装置から画像を入力してもよい。
エッジ画像処理装置50は、画像処理装置30から通信網を介して特定画像データ302を入力し、特定画像データ302に含まれた特定の物体の画像データを編集して、編集した結果を出力する。例えば、編集とは、特定の物体の画像データを背景とは異なる色に着色して強調し、表示装置に表示したり、プリンタ装置により印刷したり、特定の物体の画像データを抽出して、拡大して表示装置に表示したり、プリンタ装置により印刷することである。
【0022】
図2は、画像処理装置30の機器構成を示す図である。
図3は、画像処理装置30のハードウェア構成図である。
なお、エッジ画像処理装置50は、図2、図3に示す構成と同じ構成であるものとする。
図2において、画像処理装置30は、システムユニット900、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(液晶)の表示画面を有する表示装置901、キーボード902(K/B)、マウス903、FDD904(Flexible Disk Drive)、コンパクトディスク装置であるCDD905、プリンタ装置906、スキャナ装置907などのハードウェア資源を備え、これらはケーブルや信号線で接続されている。
システムユニット900は、コンピュータであり、ファクシミリ機932、電話器931とケーブルで接続され、また、ローカルエリアネットワークであるLAN942、ゲートウェイ941を介してインターネット940に接続されている。
エッジ画像処理装置50、写真撮像装置10はそれぞれ、LAN942や、ゲートウェイ941や、インターネット940を介して画像処理装置30と接続されている。
【0023】
図3において、画像処理装置30は、プログラムを実行するCPU911(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置ともいう)を備えている。CPU911は、バス912を介してROM913、RAM914、通信ボード915、表示装置901、キーボード902、マウス903、FDD904、CDD905、プリンタ装置906、スキャナ装置907、磁気ディスク装置920と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。磁気ディスク装置920の代わりに、光ディスク装置、メモリカード読み書き装置などの記憶装置でもよい。
RAM914は、揮発性メモリの一例である。ROM913、FDD904、CDD905、磁気ディスク装置920の記憶媒体は、不揮発性メモリの一例である。これらは、記憶装置あるいは記憶部の一例である。
通信ボード915、キーボード902、スキャナ装置907、FDD904などは、入力部、入力装置の一例である。
また、通信ボード915、表示装置901、プリンタ装置906などは、出力部、出力装置の一例である。
【0024】
通信ボード915は、ファクシミリ機932、電話器931、LAN942等に接続されている。通信ボード915は、LAN942に限らず、インターネット940、ISDN等のWAN(ワイドエリアネットワーク)などに接続されていても構わない。インターネット940或いはISDN等のWANに接続されている場合、ゲートウェイ941は不用となる。
磁気ディスク装置920には、オペレーティングシステムであるOS921、ウィンドウシステム922、プログラム群923、ファイル群924が記憶されている。プログラム群923のプログラムは、CPU911、OS921、ウィンドウシステム922により実行される。
【0025】
上記プログラム群923には、画像処理装置30の備える「〜部」として説明する動作を実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU911により読み出され実行される。
ファイル群924には、以下に述べる実施の形態の説明において、「〜の判定結果」、「〜の計算結果」、「〜の処理結果」、「〜検出結果」として説明するデータや信号値や変数値やパラメータが、「〜ファイル」や「〜データベース」の各項目として記憶されている。
また、以下に述べる実施の形態の説明において説明するフローチャートの矢印の部分は主としてデータ(情報)や信号の入出力を示し、データや信号値は、RAM914のメモリ、FDD904のフレキシブルディスク、CDD905のコンパクトディスク、磁気ディスク装置920の磁気ディスク、その他光ディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disk)等の記録媒体に記録される。また、データ(情報)や信号は、バス912や信号線やケーブルその他の伝送媒体によりオンライン伝送される。
【0026】
また、以下に述べる実施の形態の説明において画像処理装置30の備える「〜部」として説明するものは、ROM913に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェアのみ、或いは、ハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等の記録媒体に記憶される。プログラムはCPU911により読み出され、CPU911により実行される。すなわち、プログラムは、画像処理装置30の備える「〜部」としてコンピュータを機能させるものである。あるいは、画像処理装置30の備える「〜部」の手順をコンピュータに実行させるものである。
【0027】
次に、画像処理装置30の構成の一例を説明する。
図4は、画像処理装置30の構成を示すブロック図である。
画像処理装置30は、入力部31、記憶部32、検出情報記憶部33、検出方法選択部34、第1の検出実行部37、第2の検出実行部38、画像生成部39、検出手順記憶部40、表示部41を備える。
入力部31は、写真撮像装置10から画像データ301(第1の画像データの一例)をLAN942、インターネット940等の通信網を介して通信ボード915等の通信装置により入力する。画像データ301は、特定の物体の画像データを含む画像データである。画像データは、例えばカラー画像或いは白黒画像である。写真撮像装置10は、例えば、カメラ、デジタルカメラ、X線撮影装置等である。
【0028】
記憶部32は、例えば磁気ディスク装置920、RAM914、FDD904、CDD905である。記憶部32は、後述する複数の検出手順を記憶する検出手順ファイル320を備える。検出手順ファイル320は、例えばプログラム群923に備えられている。また、記憶部32は、後述する検出手順を選択するための検出識別情報(以下、検出識別情報を識別情報と称する)と輝度分布情報とを有する検出情報を複数記憶する検出情報ファイル321を備える。検出情報ファイル321は、例えばファイル群924に備えられている。
検出情報記憶部33は、キーボード902やマウス903等の入力装置を介してユーザに入力させた検出情報を、CPU911により検出情報ファイル321に記憶する。或いは、検出情報を予め記憶したFDD904やCDD905からCPU911により検出情報を読み出して検出情報ファイル321に記憶する。
検出手順記憶部40は、キーボード902やマウス903等の入力装置を介してユーザに入力させた検出手順を、CPU911により検出手順ファイル320に記憶する。或いは、検出手順を予め記憶したFDD904やCDD905からCPU911により検出手順を読み出して検出手順ファイル320に記憶する。
【0029】
検出方法選択部34は、輝度算出部35、検出情報読み出し部36を備える。
輝度算出部35は、入力部31が入力した画像データ301を入力して、画像データ301が有する画素の輝度値に基づいて輝度分布状態を示すコントラスト値をCPU911により算出する。
検出情報読み出し部36は、輝度算出部35が算出したコントラスト値に基づいて検出情報ファイル321が記憶する検出情報をCPU911により検索して、コントラスト値と適合する輝度分布情報を有する検出情報をCPU911により読み出す。輝度分布情報は例えば下限の数値(下限値)と上限の数値(上限値)とを有する場合と、所定の数値である場合とがある。前者の場合、コントラスト値が下限値と上限値との範囲に入る場合をコントラスト値と輝度分布情報とが適合するとし、後者の場合、コントラスト値と所定の数値とが一致する場合をコントラスト値と輝度分布情報とが適合するとする。
検出情報読み出し部36は、検出情報が有する識別情報に基づいて、検出手順ファイル320から検出手順をCPU911により読み出す。識別情報とは、検出手順ファイル320から所定の検出手順を読み出すための識別情報であり、例えば、ファイル名や、アドレスである。検出情報読み出し部36は、第1の検出手順と第2の検出手順との2つの異なる検出手順を検出手順ファイル320から読み出す。検出手順ファイル320から2つの手順を読み出す方法は、検出情報ファイル321が記憶する検出情報の構成により異なるため、詳細は後で説明する。
【0030】
第1の検出実行部37は、検出情報読み出し部36が読み出した第1の検出手順と画像データ301とを入力して(第1の検出手順と画像データ301とをデータ303aと呼ぶ)、第1の検出手順をCPU911により実行して画像データ301から特定の物体の画像データを検出し、検出した特定の物体の画像データを含む第2の画像データ304をCPU911により生成する。
第2の検出実行部38は、検出情報読み出し部36が読み出した第2の検出手順と画像データ301とを入力して(第2の検出手順と画像データ301とをデータ303bと呼ぶ)、第2の検出手順をCPU911により実行して画像データ301から特定の物体の画像データを検出し、検出した特定の物体の画像データを含む第3の画像データ305をCPU911により生成する。
【0031】
画像生成部39は、第1の検出実行部37が生成した第2の画像データ304と第2の検出実行部38が生成した第3の画像データ305とをCPU911により入力して、第2の画像データ304が有する複数の画素と第3の画像データが有する複数の画素との対応する2つの画素から新たな画素をCPU911により生成して、複数の新たな画素を有する特定画像データ302をCPU911により生成する。特定画像データ302は、画像データ301に含まれた特定の物体の画像データに注目して特定の物体の画像データが目立つように表した画像である。
画像生成部39は、特定画像データ302を、LAN942、インターネット940等の通信網を介して通信ボード915等の通信装置によりエッジ画像処理装置50に出力する。
【0032】
表示部41は、第1の検出実行部37が生成した第2の画像データ304を表示装置901等の出力装置により表示画面に表示する。
入力部31は、表示部41が表示画面に表示した第2の画像データ304のうち特定の物体の画像データを含む所定の領域を示す領域指定情報402をユーザに入力させる。ユーザは、領域指定情報402を、マウス903やキーボード902等の入力装置を使用して入力する。領域指定情報402は、例えば第2の画像データ304の中の所定の領域の範囲を示す情報であり、第2の画像データ304のX座標とY座標との情報を有する。詳細は、他の実施の形態で説明する。
入力部31は、入力された領域指定情報402を第2の検出実行部38に出力する。
第2の検出実行部38は、第2の検出手順をCPU911により実行して、領域指定情報402により示された領域に対応する第1の画像データ301の領域から特定の物体の画像データを検出して第3の画像データ305を生成する。
領域指定情報402に関する動作については、他の実施の形態で詳細を説明する。
【0033】
また、入力部31は、画像データ301のタイプを示す画像タイプ情報401(第1のタイプ情報の一例)をユーザからマウス903やキーボード902等の入力装置により入力する。
検出方法選択部34は、画像タイプ情報401に基づき第1の検出手順と第2の検出手順とを選択する。
タイプ情報401に関する動作については、他の実施の形態で詳細を説明する。
【0034】
図5は、この実施の形態の画像処理方法の手順を示すフローチャートである。
図5に従い、画像処理装置の画像処理方法、画像処理プログラムを説明する。
入力工程、入力処理
画像処理装置30は、検出方法選択処理に先立ち、入力部31により、画像データ301(第1の画像データの一例)を、写真撮像装置10からLAN942、インターネット940等の通信網を介して通信ボード915等の通信装置により入力する。ここでは一例として写真撮像装置10をX線撮影装置とし、図8のX線画像データを画像データ301の一例とする。すなわち、画像データ301は白黒画像データである。画像データ301は、複数の画素を含み、各画素は輝度値を有する。
【0035】
S1、検出情報読み出し(検出方法選択)工程、検出情報読み出し(検出方法選択)処理
検出方法選択部34は、第1の検出手順と第2の検出手順とを選択する。
第1の検出手順と第2の検出手順とを選択する方法の一例として、第1の検出手順と第2の検出手順とがそれぞれ1つである場合を説明する。第1の検出手順と第2の検出手順とはそれぞれあらかじめ検出手順ファイル320に記憶されている。検出方法選択部34は、検出情報読み出し部36により、検出手順ファイル320から第1の検出手順と、第2の検出手順とをCPU911により読み出す。このとき、第1の検出手順および第2の検出手順を検出手順ファイル320から読み出すためのファイル名やアドレスがあらかじめ記憶部32の検出情報ファイル321に記憶されているものとする。検出情報読み出し部36は、このあらかじめ検出情報ファイル321に記憶されたファイル名やアドレスを用いて検出手順ファイル320から第1の検出手順および第2の検出手順を読み出す。
【0036】
次に、第1の検出手順と第2の検出手順とを選択する別の方法の一例を説明する。
別の方法では、第1の検出手順が複数あり、第2の検出手順も複数ある。検出方法選択部34は、画像データ301を入力して、画像データ301に含まれた複数の画素がそれぞれ有する輝度に基づく輝度分布情報を輝度算出部35により算出して(S2、輝度算出工程、輝度算出処理)、輝度分布情報に基づいて検出情報読み出し部36により検出手順ファイル320から第1の検出手順と第2の検出手順を読み出す(S3、検出情報読み出し工程、検出情報読み出し処理)。
【0037】
ここで、S2,S3の動作を詳細に説明する。
図6は、図5の検出方法選択処理を具体的に説明するフローチャートである。
図6において、輝度算出部35は、画像データ301をCPU911により入力して、画像データ301に含まれた複数の画素の各画素が有する輝度値に基づいて輝度分布情報をCPU911により算出する。輝度分布情報の一例として、以下の式によりコントラスト値を算出する(S21)。コントラスト値の算出式は「(画像データ301に含まれた画素が有する輝度値のうち最大の輝度値−画像データ301に含まれた画素が有する最小の輝度値)/画像データ301に含まれた画素が有する輝度値のうち最大の輝度値」とする。
検出情報読み出し部36は、輝度算出部35が算出したコントラスト値に基づいて、検出情報ファイル321をCPU911により検索する(S31)。
検出情報ファイル321には、図7に示す情報があらかじめ記憶されている。
図7は、検出情報ファイル321が記憶する情報の一例を示す図である。
図7において、検出情報ファイル321は、輝度分布情報の一例であるコントラスト値を複数記憶し、各コントラスト値に対応して第1の検出情報の識別情報と第2の検出情報の識別情報とを記憶する。図7の例では、コントラスト値は、左側が大きく、右に行くほど小さくなるようにあらかじめ設定され記憶されている。また、図7の例では、識別情報として左側に第1の検出情報の識別情報を示し、右側に第2の検出情報の識別情報を示す。例えば、コントラスト値「1.0〜0.75」に対応して第1の検出情報の識別情報「A」と第2の検出情報の識別情報「B」とを記憶する。識別情報「A」、「B」は、検出情報読み出し部36が検出手順を検出手順ファイル320から読み出す際に使用するファイル名やアドレスである。
コントラスト値は、図7の例では範囲をもつ値であるが、1つの値、例えば「0.75」としてもかまわない。
また、図7では、第2の検出手順の識別情報は、右隣の識別情報の第1の検出手順の識別情報と同じであるが、これに限らず、第1の検出手順と異なる検出手順の識別情報であればよい。
【0038】
ここで、コントラスト値と第1の検出手順と第2の検出手順との関係について説明する。
入力した画像データ301のコントラスト値が高い(コントラスト値の値が大きい)ということは、画像データ301に示された画像の濃淡がはっきりしていることが予想でき、画像データに撮影(撮像)された特定の物体の輪郭がはっきりしていることが予想できる。このため、大きい値のコントラスト値に対応する第1の検出手順と第2の検出手順とはそれぞれ、輝度の勾配が大きな箇所を検出して物体のエッジ(輪郭)を検出する検出手順が有効である。
逆に、入力した画像データ301のコントラスト値が低い(コントラスト値の値が小さい)ということは、画像データ301に示された画像の濃淡がぼやけていてはっきりしていないことが予想でき、画像データに撮影(撮像)された特定の物体の輪郭がぼやけていることが予想できる。このため、小さい値のコントラスト値に対応する第1の検出手順と第2の検出手順とはそれぞれ、輝度の勾配が小さな箇所を検出して物体のエッジ(輪郭)を検出する検出手順が有効である。
輝度の勾配を求める対象とする画素は、画像データ301に含まれた全画素を対象とするか、或いは、画像データ301に含まれた複数の画素のうち一部の画素を対象とする。第1の検出手順及び第2の検出手順には、いずれの画素を対象とするかがあらかじめユーザにより設定されている。また、一部の画素を対象とする場合、その一部の画素が画像データ301に含まれたどの画素であるかが、あらかじめユーザにより第1の検出手順及び第2の検出手順に設定されている。また、第1の検出手順には、求めた輝度の勾配があらかじめ設定された値(あらかじめ設定された値を「値a」とする)よりも大きな値の画素を検出することをコンピュータに実行させる手順があらかじめユーザにより設定されている。第2の検出手順には、求めた輝度の勾配が値aよりも小さな値(小さな値を値bとする。値a>値b)の画素を検出することをコンピュータに実行させる手順があらかじめユーザにより設定されている。
図6に示したS31に記載した「エッジ検出度合い小(強いエッジを検出)」は、画像データ301に示された画像の濃淡がはっきりしている場合に検出情報読み出し部36が選択する検出情報を示し、S31に記載した「エッジ検出度合い大(弱いエッジを検出)」は、画像データ301に示された画像の濃淡がぼやけている場合に検出情報読み出し部36が選択する検出情報を示している。
例えば、輝度算出部35が算出したコントラスト値が「0.6」であると、検出情報読み出し部36は図7に示した検出情報ファイル321から「0.6」をコントラスト値の範囲に含んでコントラスト値が適合する(コントラスト値の範囲に含むことを「適合する」と呼ぶ)識別情報「B,C」を読み出す。「B」は第1の検出手順の識別情報であり、「C」は第2の検出手順の識別情報である。検出情報読み出し部36は、「B」の識別情報により識別される第1の検出手順を検出手順ファイル320から読み出す。さらに、検出情報読み出し部36は、「C」の識別情報により識別される第2の検出手順を検出手順ファイル320から読み出す。
【0039】
ここで、検出手順について説明する。検出手順とは、CPU911により実行されるプログラムであり、画像データ301から特定の物体のエッジ(輪郭)を検出する手順(アルゴリズム)をコンピュータのCPU911に実行させるものである。検出手順はあらかじめユーザによりプログラミングされ、CPU911により実行可能なデータ形式に変換され(例えばコンパイル)、検出手順ファイル320に検出手順として記憶される。検出手順ファイル320に記憶された検出手順は、ファイル名やアドレスにより識別され、このファイル名やアドレスが識別情報として検出情報ファイル321に記憶される。
検出手順はCPU911により実行することができるものであれば、プログラミング言語は問わない。例えば、C言語、C++言語等のプログラミング言語により記述されたプログラムであってもよい。
第1の検出手順と第2の検出手順とは、異なる手順(アルゴリズム)により画像データ301から特定の物体のエッジ(輪郭)を検出する。異なる手順(アルゴリズム)とは、従来から物体のエッジ(輪郭)を画像データから検出する複数の方法(フィルタ)から異なる2つの方法(フィルタ)を採用する。例えばSobelフィルタやLaplacianフィルタやPrewitt法やCanny法や移動平均法等の従来からあるエッジ検出方法(フィルタ)のうち第1の検出手順として採用する方法(フィルタ)と第2の検出手順として採用する方法(フィルタ)とを互いに異なる方法とする。上記したそれぞれの方法(フィルタ)は、エッジ検出において異なる利点を持っている。例えば、ここでは、一般的な手法の一つであるSobelフィルタを使用した検出手順を閾値を高くして使用することとする。このように閾値を高くすると、コントラスト値が大きい画像データからエッジを効率よく検出できる。従って、図7のコントラスト値が大きな検出手順の識別情報に、Sobelフィルタを使用した検出手順の識別情報をあらかじめ設定する。
また、コントラスト値が小さい画像データ301から特定の物体のエッジ(輪郭)を検出する手順として、ここでは移動平均法を用いるものとする。従って、図7のコントラスト値が小さい検出手順の識別情報に、移動平均法を使用した検出手順の識別情報をあらかじめ設定する。
検出手順に採用した検出方法によってコントラスト値が大きな画像データ301から特定の物体のエッジ(輪郭)を検出することに向いているか、コントラスト値が小さな画像データ301から特定の物体のエッジ(輪郭)を検出することに向いているかは、ユーザがあらかじめ判断する。そして、判断した結果からユーザが検出情報を作成する。作成した検出情報は、検出情報記憶部33がキーボード902やマウス903等の入力装置を介してユーザに入力させ、検出情報記憶部33は、入力された検出情報をCPU911により検出情報ファイル321に記憶する。
図7において、例えば「B」としてSobelフィルタを使用した検出手順の識別情報を記憶し、「C」として移動平均法を使用した検出手順の識別情報を記憶する。
また、はじめに説明した第1の検出手順と第2の検出手順とが1つずつあらかじめ検出手順ファイル320に記憶されている例では、例えば第1の検出手順としてSobelフィルタを使用した検出手順を記憶し、第2の検出手順として移動平均法を使用した検出手順を記憶する。そして、検出情報ファイル321は、Sobelフィルタを使用した検出手順の識別情報を第1の検出手順の識別情報として記憶し、移動平均法を使用した検出手順の識別情報を第2の検出手順の識別情報として記憶する。
【0040】
図6の説明に戻る。
図6においてS31で検出情報読み出し部36が検出情報ファイル321から、例えば「B,C」との識別情報を有する検出情報を読み出した場合、検出情報読み出し部36は、検出手順ファイル320からさらに、第1の検出手順として、「B」の識別情報により識別される検出手順を読み出し、第2の検出手順として、「C」の識別情報により識別される検出手順を読み出す。第1の検出実行部37は、検出情報読み出し部36が読み出した第1の検出手順(「B」の識別情報により識別される検出手順)をCPU911により実行する。また、第2の検出実行部38は、検出情報読み出し部36が読み出した第2の検出手順(「C」の識別情報により識別される検出手順)をCPU911により実行する。
【0041】
ここで、図5に戻り、S1以降の処理を説明する。
S4、エッジ検出工程1、エッジ検出処理1(第1の検出実行処理)
第1の検出実行部37は、検出情報読み出し部36が読み出した第1の検出手順(「B」の識別情報により識別される検出手順)をCPU911により実行して、特定の物体のエッジ(輪郭)を検出し、検出した特定の物体のエッジ(輪郭)の画像データを含む第2の画像データ304を生成する。
図9は、第1の検出実行部37が第1の検出手順を実行した結果生成した第2の画像データを示す図である。
第1の検出手順は、上記したように強いエッジを検出するため、特定の物体(ここでは右肺の近傍に埋め込まれたペースメーカとリード線を特定の物体とする)のエッジ(輪郭)を検出することになる。第1の検出実行部37は、検出されたペースメーカとリード線とのエッジ(輪郭)と、検出したエッジの内側とを特定の物体の画像データとして図9に示すような第2の画像データ304を生成する。
【0042】
S5、エッジ検出工程2、エッジ検出処理2(第2の検出実行処理)
第2の検出実行部38は、検出情報読み出し部36が読み出した第2の検出手順(「C」の識別情報により識別される検出手順)をCPU911により実行して、特定の物体のエッジ(輪郭)を検出し、検出した特定の物体のエッジ(輪郭)の画像データを含む第3の画像データ305を生成する。
図10は、第2の検出実行部38が第2の検出手順を実行した結果生成した第3の画像データを示す図である。
第2の検出手順は、上記したように弱いエッジを検出するため、特定の物体(ここでは右肺の近傍に埋め込まれたペースメーカとリード線を特定の物体とする)のエッジ(輪郭)の他に骨や筋等のエッジ(輪郭)を検出することになる。第2の検出実行部38は、検出されたペースメーカとリード線とのエッジ(輪郭)と骨や筋等のエッジ(輪郭)と、検出したこれらのエッジの内側とを特定の物体の画像データとして図10に示すような第3の画像データ305を生成する。
【0043】
ここで、図5の説明に戻る。
S6、画像生成工程、画像生成処理
画像生成部39は、第1の検出実行部37が生成した第2の画像データ304と、第2の検出実行部38が生成した第3の画像データ305とをCPU911により入力して、これら2つの画像データの対応する各画素から新たな画素を生成して、新たな画素を含む特定画像データ302を生成する。
例えば、第2の画像データ304と、第3の画像データ305とは、同じ数の画素を含み、縦横の画素数も同じであるとする。すなわち、第2の画像データ304と第3の画像データ305とが(n(横、X座標)×m(縦、Y座標))であると、2つのそれぞれの画像データの対応する画素は、同じ座標(n,m)にある画素となる。
【0044】
図11は、画像生成部39が生成した特定画像データ302の一例を示す図である。
図12は、図11の特定画像データ302を生成する画像生成部39の動作のフローチャートである。
図12において、画像生成部39は、第2の画像データ304に含まれた複数の画素と第3の画像データ305に含まれた複数の画素とについて、対応する画素ごとに画素が有する輝度値をあらかじめ決められた条件に従いCPU911により論理和(OR)を求める。あらかじめ決められた条件は、ユーザによりマウス903やキーボード902の入力装置を使用して記憶部32に記憶されている。
画像生成部39は、第2の画像データ304と第3の画像データ305との(1,1)の座標の画素から順にそれぞれ画素の輝度値を入力してあらかじめ決められた条件に従い論理和を求め、求めた論理和に基づいてあらかじめ決められた条件との一致不一致を判定する。「あらかじめ決められた条件」とは、例えば、第2の画像データ304に含まれた複数の画素と第3の画像データ305に含まれた複数の画素とがそれぞれ1,0との2つの値に2値化されている場合には、対応する画素の輝度値を論理和する演算を行うというものである。また、2値化されていない場合には、対応する2つの画素を加算(ここでは加算することを「論理和」と称する)し、加算(論理和)した結果が所定の輝度値より大きい場合(所定の輝度値<論理和の結果)に、加算(論理和)した結果を新たな画素の輝度値とする。「あらかじめ決められた条件」とは、加算(論理和)した結果がこの所定の輝度値と同じか小さい場合(所定の輝度値≧論理和の結果)に、第2の画像データの画素の輝度値を新たな画素の輝度値とするというものである。画像生成部39は、第2の画像データ304と第3の画像データ305とのn×m個の全画素について((1,1)から(n,m)になるまで))、上記した新たな輝度値を有する画素を生成する処理を行う。
【0045】
画像生成部39は、図11に示すような特定画像データ302を新たに生成した画素を用いて生成する。画像生成部39が新たに生成する画素の数はn×mであり、特定画像データ302のX座標とY座標との画素の数は、第2の画像データ304及び第3の画像データ305と等しい。図11の特定画像データ302を見ると、強いエッジの画素に対応する部分は、白色が強く、弱いエッジの画素に対応する部分は、まだらな白となっている。白い部分の画像データの周囲にまだらな白い部分があるということから、特定画像データ302を提供されたユーザは、特定の物体のより完全な形状を認識できる。また、特定画像データ302を提供されたユーザは、特定の物体が撮像されている白い領域の周囲にも特定の物体が撮像されている可能性があることを理解し、白い部分に加えてまだらに白い部分についても特定の物体の存在を確認できる。ユーザがまだらに白い部分について特定の物体があるかないかを確認することにより、特定の物体の見落としを防止できる。
【0046】
従来からの1つの検出方法を採用して特定画像データ302を生成すると、第1の検出実行部37が生成した図9の第2の画像データ304と、第2の検出実行部38が生成した図10の第3の画像データ305とのいずれか一方の画像データが特定画像データとなるため、第2の画像データ304を提供された場合は、ユーザは白い部分については特定の物体の存在を確認できるが、まだらに白い部分については確認できない。このため、特定の物体の形状を正しく認識できない危険性がある。また、特定の物体の存在を見落とす危険性がある。また、第3の画像データ305を提供された場合は、ユーザは全体的に弱いエッジが検出されているため、特定の物体の存在を確認する領域が広く、エッジがはっきりとしていない部分があるため、特定の物体でないものを誤って特定の物体と確認する危険性がある。
【0047】
画像データ301は、X線画像データを一例とし、画素は輝度値を有すると説明した。しかし、画像データ301は、カラー画像であってもよい。この場合、各画素は色情報(R、G、B)を有するので、輝度値とともに色情報をS1,S4,S5,S6の各処理に用いる(色情報をカラー画像とも称する)。カラー画像(R、G、B)を使用する場合は、以下の式を使用してグレースケール画像に変換する。変換後のエッジ検出手順は、上記した説明と同様とする。ただし、グレースケール画像に変換するため、画素の値は2値化されていないので、画像生成部39は、上記したようなあらかじめ決められた条件に従い論理和を演算する。
<変換式> (変換後の画素値)=0.299R + 0.587G + 0.114B
R:R成分の画素値、G:G成分の画素値、B:B成分の画素値
【0048】
このように、実施の形態1の画像処理装置は、異なる2つの検出手順をそれぞれ実行して第1の画像データ(画像データ301)から生成した第2の画像データ304と第3の画像データ305とから特定画像データを生成するため、1つの検出手順を実行して特定画像データを生成するよりも、特定の物体の存在を見落としたり、特定の物体でないものを特定の物体であると誤ったりとの判断をすることを防止できる。
【0049】
実施の形態2.
この実施の形態では、第3の画像データのうち補完領域に該当する領域の画素を画像生成処理に用いる画像処理装置30の一例を説明する。
【0050】
図13は、この実施の形態の画像処理装置30の動作を示すフローチャートである。
図14は、図13のS6の処理を画像データを用いてイメージで説明する図である。
図13において、S5までの処理は、実施の形態1の図5と同じであるため、説明を省略する。
図13のS6の画像生成処理(画像生成工程)は、実施の形態1と異なるため、以下に画像生成処理(画像生成工程)を説明する。
【0051】
S7において、画像生成部39は、まず補完領域を決定する。補完領域とは、第2の画像データ304に含まれた画素のうち、特定の物体のエッジ(輪郭)に相当する画素(エッジ画素)からなる領域である。画像生成部39は、補完領域に含まれる画素の座標を求める。特定の物体のエッジ(輪郭)に相当するエッジ画素の抽出は、例えば、輝度値があらかじめユーザによって設定された輝度値よりも大きな輝度値である画素をエッジ画素として抽出し、抽出した画素の座標を求める。次に、画像生成部39は、抽出したエッジ画素から複数の画素数分に該当する周囲の領域を補完領域として決定する。図15に補完領域の説明を示す。図15の内側の略三角形の輪郭はエッジ画素を示し、網がけ部分が補完領域である。図のaは、補完領域がエッジ画素で囲まれた領域の面積をさらに広げる方向にあることを示している。図15の補完領域は、画像生成部39が抽出したエッジ画素の座標からaの幅に相当する画素数分の複数の画素を含む領域を補完領域とすることを示している。画像生成部39は、補完領域に含める複数の画素の座標を補完領域を示す情報として求める。例えば画素数があらかじめ「5」と設定されている場合、エッジ画素から距離5個分以内の画素を含む領域を補完領域とする。
【0052】
図14の補完領域の画像データ306は、エッジ画素により囲まれた領域の面積を広げる方向に補完領域を設けたイメージを示し(図15)、図9の第2の画像データ304に対する補完領域を示している。
ここで、図13に戻る。図13のS8において、画像生成部39は、第3の画像データの複数の画素の中から、補完領域に含まれた画素の座標と同じ座標を有する第3の画像データ305の画素を抽出して、抽出した第3の画像データの画素と第2の画像データ304の補完領域に含まれた画素とを座標毎に、あらかじめ決められた条件に従い論理積の算出を行う。あらかじめ決められた条件は、ユーザによりマウス903やキーボード902の入力装置を使用して記憶部32に記憶されている。例えば、画像生成部39は、図14の補完領域の画像データ306に含まれる複数の画素の輝度値と、第3の画像データ305に含まれる複数の画素の輝度値との論理積(AND)を求める。この場合、論理積は、補完領域の画像データ306に含まれる複数の画素の輝度値と、第3の画像データ305に含まれる複数の画素の輝度値とのそれぞれが0,1との2つの値に2値化されているときは、補完領域の画像データ306に含まれる画素と、第3の画像データ305に含まれる画素との対応する画素の輝度値から論理積を求める。例えば、第3の画像データ305の補完領域内には、輝度値が1である画素と輝度値が0である画素とが含まれる。図14の補完領域の画像データ306の白い部分は補完領域の画素を示し、輝度値は1とする。補完領域の画像データ306に含まれる画素とこの画素の座標と対応する第3の画像データ305の補完領域内の画素との論理積の結果は、対応する2つの画素の輝度値が互いに1である画素であれば1である。対応する2つの画素の輝度値の一方の画素の輝度値が0であると、論理積の結果は0である。ここでの「あらかじめ決められた条件」とは、対応する2つの画素の輝度値から論理積を求めるという条件である。画像生成部39は、論理積の結果を新たな輝度値として有する画素を生成し、補完領域内の第3の画像データ307を生成する。
補完領域の画像データ306に含まれる複数の画素の輝度値と、第3の画像データ305に含まれる複数の画素の輝度値とのそれぞれが0,1との2つの値に2値化されていないときは、補完領域の画像データ306に含まれる画素と、第3の画像データ305に含まれる画素との対応する画素の輝度値とを掛ける。すなわち、2つの画素の輝度値との積を算出することを論理積という。そして、2つの画素の輝度値との積、すなわち、論理積の結果が、所定の閾値よりも大きい場合は補完領域の画像データ306に含まれる画素を新たな輝度値として有する画素を生成し、論理積の結果が所定の閾値以下の場合は第3の画像データ305に含まれる画素を新たな輝度値として有する画素を生成して、補完領域内の第3の画像データ307を生成する。ここでの「あらかじめ決められた条件」とは、対応する2つの画素の輝度値の積を論理積として算出し、算出した結果が所定の閾値よりも大きい場合は補完領域の画像データ306に含まれる画素を新たな輝度値として有する画素を生成し、論理積の結果が所定の閾値以下の場合は第3の画像データ305に含まれる画素を新たな輝度値として有する画素を生成するというものである。
補完領域外の第3の画像データの画素は不要であるため、画像生成部39は、補完領域以外の領域の画素の輝度を0として、補完領域内の第3の画像データ307を生成する。
【0053】
図13に戻る。図13のS9において、画像生成部39は、第2の画像データ304に含まれた複数の画素の輝度値と、補完領域内の第3の画像データ307に含まれた複数の画素の輝度値との論理和(OR)を求める。S9での論理和は、実施の形態1の図5のS6と同様に、あらかじめ決められた条件に従い行う論理和とする。第2の画像データはn×mであり、補完領域内の第3の画像データ307はn×mである。画像生成部39は、第2の画像データ304のうちの補完領域とエッジ画素により囲まれた領域とを合わせた領域に含まれた各座標の画素の輝度値と、補完領域内の第3の画像データ307のうちの補完領域とエッジ画素により囲まれた領域とを合わせた領域に含まれた各座標の画素の輝度値とからあらかじめ決められた条件に従い論理和を求める。例えば、座標(30,12)が補完領域内の画素の座標であった場合、座標(30,12)に対応する第2の画像データ304の画素の輝度値と、同じく座標(30,12)に対応する補完領域内の第3の画像データ307の画素の輝度値とをあらかじめ決められた条件に従い論理和を行う。
画像生成部39は、求めた論理和の輝度値を有する新たな画素を生成して、図14に示すような特定画像データ302を生成する。
図14の特定画像データは、実施の形態1の図11と同様に白い部分の画像データの周囲にまだらな白い部分がある。このことから、特定画像データ302を提供されたユーザは、白い部分とまだらに白い部分の両方でひとつの物体の存在を認識できる。また、特定画像データ302を提供されたユーザは、白い部分に加えてまだらに白い部分についても特定の物体の存在を確認する。
また、強いエッジの周囲の領域を補完領域として、第3の画像データの複数の画素のうち、補完領域と対応する領域内の画素を抽出するので、強いエッジの周囲に特定の物体の画像データがあることがあらかじめ分かっているような場合には、特定の物体の画像データの画素を範囲を絞りこんで検出できる。
また、論理和は、補完領域とエッジ画素により囲まれた領域とを合わせた領域に含まれた画素を対象にして算出するため、実施の形態1のように全画素を対象に論理和を行うよりも処理時間を短縮できる。
【0054】
実施の形態3.
実施の形態2では、補完領域という概念を用いて強いエッジの周囲を弱いエッジ画像データにより補完した。この実施の形態では、特定の物体とは関係ない画像データが含まれてしまう可能性がある。このため、画像生成部39は、特定画像データ302を表示部41により表示装置901に表示して、特定画像データ302からユーザに不要な画像データを判断させ、不要と判断した画像データの領域を入力装置により入力させ、不要と判断された画像データの画素の座標に該当する座標の画素の輝度値を0に変更して新たな特定画像データ302を生成する。このような処理をセグメントの除去処理と呼ぶ。
図16は、図14の特定画像データ302に対してセグメント除去処理を行った後の画像データを示す図である。図16と図14の特定画像データ302とを比較すると、図16のまだらに白い部分は、図14のまだらに白い部分よりも少ない。図14のまだらに白い部分の画素のうち、図16では黒くなっている部分の画素が、セグメント除去処理の対象となった画素である。
【0055】
画像生成部39は、セグメントの除去処理のほかに塗りつぶし処理を行う。塗りつぶし処理とは、白い部分と他の白い部分との間にできた黒い閉曲面を白く埋めて、白い部分をはっきりさせる処理である。画像生成部39は、特定画像データ302を表示部41により表示装置901に表示して、特定画像データ302からユーザに塗りつぶしたい画像データを判断させ、塗りつぶすと判断した画像データの領域を入力装置により入力させ、塗りつぶすと判断された画像データの画素の座標に該当する座標の画素の輝度値を1に変更して新たな特定画像データ302を生成する。
図17は、図14の特定画像データ302に対して塗りつぶし処理を行った後の画像データを示す図である。図17と図14の特定画像データとを比較すると、図17のまだらに白い部分は、図14のまだらに白い部分よりも少なく、図14の白い部分のなかのところどころ黒い部分が白く塗りつぶされている。
【0056】
このように、実施の形態3の画像処理装置30は、画像処理装置30が自動で生成した特定画像データに対してユーザの判断を反映させ、ユーザの判断が反映された新たな特定画像データをユーザに提供できる。
【0057】
実施の形態4.
この実施の形態では、実施の形態1とは異なるデータ形式で検出情報を記憶する例を説明する。
図18は、この実施の形態の検出情報ファイル321が記憶する検出情報を示す図である。
図18において、検出情報ファイル321は、複数のコントラスト値のそれぞれに1つの識別情報を記憶する。記憶された識別情報は、第1の検出手順に識別情報である。コントラスト値は図18の左から右へ向かって小さくなる。すなわち、検出情報ファイル321は、コントラスト値の大きい順に識別情報を記憶する。第2の検出手順の識別情報は、次に記憶されたコントラスト値の識別情報により示された検出手順とする。
図19は、この実施の形態の検出方法選択処理を説明する図である。
図19において、S21は実施の形態1の図6と同じである。図19のS31は、図6のS31と異なる。図19のS31では、検出情報読み出し部36は、S21で算出したコントラスト値をコントラスト値の範囲に含む識別情報を第1の検出手順の識別情報として検出情報ファイル321から読み出す。さらに、検出情報読み出し部36は、読み出した識別情報の次(隣)に記憶された識別情報を第2の検出情報の識別情報として読み出す。検出情報読み出し部36は、読み出した2つの識別情報に基づいて、検出手順ファイル320からそれぞれの識別情報に対応する検出手順を読み出す。
例えば、S21で求めたコントラスト値が「0.6」であると、検出情報読み出し部36は、識別情報「B」を第1の検出手順の識別情報として検出情報ファイル321から読み出し、さらに、「B」の次に記憶された検出情報から第2の検出情報の識別情報「C」を読み出す。「B」「C」は、検出手順のファイル名や検出手順が記憶されているアドレスである。そして、検出情報読み出し部36は、「B」に基づいて検出手順ファイル320から第1の検出手順を読み出し、「C」に基づいて検出手順ファイル320から第2の検出手順を読み出す。
第1の検出実行部37は、第1の検出手順を実行し、第2の画像データ304を生成する。第2の検出実行部38は、第2の検出手順を実行し、第3の画像データ305を生成する。
【0058】
このように、検出情報の記憶順に従い第2の検出手順の識別情報を読み出すことにより、第2の検出手順を変更する場合に、識別情報の変更が容易になる。例えば検出手順Cを検出手順Gに変更する場合、図18の検出情報ファイルでは、識別情報「B」を「G」に1回変更するが、図7の検出情報ファイルでは、識別情報「B,C」を「B,G」に変更し、さらに、「C,D」を「G,D」に変更するため、識別情報を2回変更する。
【0059】
実施の形態5.
この実施の形態では、検出情報を画像データのタイプごとに記憶する検出情報ファイルを説明する。
図20は、この実施の形態の検出情報ファイル321を示す図である。
図20の検出情報ファイル321は、図7の検出情報ファイル321にさらに画像タイプを追加して記憶する。
画像タイプとは、画像データのタイプを示す情報である。例えば、画像データは、風景を撮影した画像データ、人物を撮影した画像データ、人工物を撮影した画像データ等のいろいろな被写体を撮影したものがある。撮影した被写体により画像データに含まれる特定の物体の特徴を特定できる。このため、画像データのタイプごとにコントラスト値と識別情報とを記憶する。
図4において、画像処理装置30に入力する画像データのタイプはユーザが判断して、入力装置により画像タイプ情報401を入力し、入力部31は、ユーザにより入力された画像タイプ情報401を入力して、画像タイプ情報401を検出方法選択部34に出力する。検出方法選択部34の検出情報読み出し部36は、まず画像タイプ情報401と一致する画像タイプ情報を有する検出情報を検索し、検索した検出情報の中からコントラスト値が適合する検出情報を検出情報ファイル321から読み出す。記憶部32にユーザがあらかじめ複数の画像データのタイプ情報を記憶し、検出情報読み出し部36が記憶部32に記憶された複数のタイプ情報を読み出して、読み出した複数のタイプ情報を表示部41が表示装置901に表示して、ユーザに複数のタイプ情報から1つのタイプ情報を画像タイプ情報401として入力させてもかまわない。
例えば、画像タイプ情報401が「1」であり、コントラスト値が「0.6」であるとき、検出情報読み出し部36は、まず画像タイプ情報が「1」である検出情報を検出情報ファイル321から読み出し(図20の上から1つ目の検出情報)、さらに、読み出した検出情報の中から、コントラスト値が「0.75〜0.5」である識別情報「B,C」を読み出す。第1の検出手順の識別情報は「B」であり、第2の検出手順の識別情報は、「C」である。
【0060】
図21は、この実施の形態の別の検出情報ファイル321を示す図である。
図21の検出情報ファイル321は、図18の検出情報ファイル321にさらに画像タイプ情報を追加して記憶する。
検出情報読み出し部36は、まず画像タイプ情報401と一致するタイプ情報を有する検出情報を検索し、検索した検出情報の中からコントラスト値が適合する検出情報を検出情報ファイル321から読み出すとともに、読み出した検出情報の次の検出情報を読み出す。
例えば、画像タイプ情報401が「1」であり、コントラスト値が「0.6」であるとき、検出情報読み出し部36は、まず画像タイプ情報が「1」である検出情報を検出情報ファイル321から読み出し(図20の上から1つ目の検出情報)、さらに、読み出した検出情報の中から、コントラスト値が「0.75〜0.5」である識別情報「B」と次に記憶されている識別情報「C」を読み出す。第1の検出手順の識別情報は「B」であり、第2の検出手順の識別情報は、「C」である。
【0061】
このように、検出情報として画像タイプ情報を記憶し、入力する画像データのタイプを指定させると、画像データのタイプ毎に画像データに含まれた特定の物体の画像データの特徴が明確であるとき、特定の物体の画像データを検出する検出手順として有効な検出手順を選択で出来る。
【0062】
実施の形態6.
この実施の形態では、領域指定情報をユーザに入力させる画像処理装置30の一例を説明する。
図22は、この実施の形態の領域指定情報を入力させる画像処理装置30のフローチャートである。
図22において、S10において、図4の表示部41は、第1の検出実行部37が生成した第2の画像データ304を表示装置901により表示して、領域指定情報402をユーザに入力させる。
S11おいて、ユーザはマウス903やキーボード902の入力装置により表示された第2の画像データ304に対して領域指定情報を入力する。図22では、ユーザは四角形をマウス903により入力している。入力部31は、入力された四角形の領域を第2の画像データ304のX座標とY座標に変換して、変換した座標を領域指定情報402として第2の検出実行部38に出力する。変換された領域指定情報は、四角形の4つの頂点の座標、すなわち、左上のX,Y座標と、右上のX,Y座標と、左下のX,Y座標と、右下のX,Y座標とを示す。
S12において、第2の検出実行部38は、第1の画像データから領域指定情報が示す座標に対応する領域に含まれる複数の画素を抽出する。図22のS12の点線の四角内が領域指定情報に対応する領域である。そして、第2の検出実行部38は、抽出した複数の画素を検出処理の対象にして第2の検出手順を実行する。この第2の検出手順を実行した結果第2の検出実行部38により生成される第3の画像データは、領域指定情報に示された領域と対応する領域内にのみ第1の画像データから検出した画像を有し、領域指定情報に示された領域以外の領域は輝度値を0とする第3の画像データを生成する。
【0063】
S11では、領域指定情報として四角形の4つの頂点の入力する例を説明したが、四角形に限らず三角形、円、台形等の形状で領域指定を行ってもかまわない。指定された領域を座標に変換できれば、形状は限定されない。
【0064】
このように領域指定情報は、ユーザに第2の画像データを参照させ、第2の検出実行部38が検出の対象とする第1の画像データの領域を指定させる。第2の検出実行部38は、第1の検出実行部37よりも弱いエッジを検出する。すなわち、領域指定が無ければ、第2の検出実行部38が検出する画素の数は、第1の検出実行部37が検出する画素よりも多くの画素を検出する。このため、第2の検出実行部38が画素を検出する領域を指定することにより、第2の検出実行部38の処理時間が短縮できる。さらに、強いエッジ(第2の画像データ304)を検出した結果をユーザに確認させてから領域指定情報を入力させているため、特定の物体が存在するであろう領域に絞り込んで検出が行え、効率よく特定の物体の画像データを検出できる。
【符号の説明】
【0065】
10 写真撮像装置、30 画像処理装置、31 入力部、32 記憶部、33 検出情報記憶部、34 検出方法選択部、35 輝度算出部、36 検出情報読み出し部、37 第1の検出実行部、38 第2の検出実行部、39 画像生成部、40 検出手順記憶部、41 表示部、50 エッジ画像処理装置、301 画像データ、302 特定画像データ、303a,303b データ、304 第2の画像データ、305 第3の画像データ、306 補完領域の画像データ、307 補完領域内の第3の画像データ、320 検出手順ファイル、321 検出情報ファイル、401 画像タイプ情報、402 領域指定情報、900 システムユニット、901 表示装置、902 キーボード、903 マウス、904 FDD、905 CDD、906 プリンタ装置、907 スキャナ装置、911 CPU911 バス、913 ROM、914 RAM、915 通信ボード、920 磁気ディスク装置、921 OS、922 ウィンドウシステム、923 プログラム群、924 ファイル群、931 電話器、932 ファクシミリ機、940 インターネット、941 ゲートウェイ、942 LAN。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の画像データを入力装置により入力する入力部と、
所定の画像データから特定の物体の画像データを検出する第1の検出手順を処理装置により実行して、上記第1の画像データから少なくとも上記特定の物体の画像データを検出して、検出した特定の物体の画像データを含む第2の画像データを処理装置により生成する第1の検出実行部と、
上記第1の検出手順とは異なる第2の検出手順を処理装置により実行して、上記第1の画像データから少なくとも上記特定の物体の画像データを検出して、検出した特定の物体の画像データを含む第3の画像データを処理装置により生成する第2の検出実行部と、
上記第1の検出実行部が生成した第2の画像データと、上記第2の検出実行部が生成した第3の画像データとを処理装置により入力して、入力した第2の画像データが含む複数の画素と入力した第3の画像データが含む複数の画素との対応する2つの画素を用いて新たな画素を生成して、生成した新たな画素を有する上記特定画像データを処理装置により生成する画像生成部と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
上記画像生成部は、入力した第2の画像データが含む複数の画素と入力した第3の画像データが含む複数の画素との対応する2つの画素の輝度を用いて新たな輝度を有する画素を生成することを特徴とする請求項1記載の画像生成処理。
【請求項3】
上記画像処理装置は、
画像データから上記特定の物体の画像データを検出する検出手順であって検出識別情報により識別される検出手順を複数あらかじめ処理装置により記憶装置に記憶する検出手順記憶部と、
画像データが含む複数の画素が有する輝度の分布状態を示す輝度分布情報と、上記検出手順記憶部が記憶した複数の検出手順のうち所定の検出手順を識別する第1の検出識別情報と、上記所定の検出手順とは異なる検出手順を識別する第2の検出識別情報とを有する情報を検出情報とし、上記検出情報を複数あらかじめ処理装置により記憶装置に記憶する検出情報記憶部と、
上記入力部が入力した第1の画像データに含まれた複数の画素が有する輝度に基づいて、上記第1の画像データの輝度の分布状態を示す算出輝度情報を処理装置により算出する輝度算出部と、
上記輝度算出部が算出した算出輝度情報と適合する輝度分布情報を有する検出情報を上記検出手順記憶部が記憶装置に記憶した複数の検出情報から処理装置により読み出し、読み出した検出情報が有する第1の検出識別情報により識別される検出手順を上記第1の検出手順として上記検出手順記憶部から処理装置により読み出し、上記検出情報が有する第2の検出識別情報により識別される検出手順を上記第2の検出手順として上記検出手順記憶部から処理装置により読み出す検出情報読み出し部と
を備えたことを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】
上記画像処理装置は、
画像データから上記特定の物体の画像データを検出する検出手順であって検出識別情報により識別される検出手順を複数あらかじめ処理装置により記憶装置に記憶する検出手順記憶部と、
画像データが含む複数の画素が有する輝度の分布状態を数値で示す輝度分布情報と、上記検出手順記憶部が記憶した複数の検出手順のうち所定の検出手順を識別する検出識別情報とを有する情報を検出情報とし、上記検出情報を複数、上記輝度分布情報を示す数値の大きい順にあらかじめ処理装置により記憶装置に記憶する検出情報記憶部と、
上記入力部が入力した第1の画像データに含まれた複数の画素が有する輝度に基づいて、上記第1の画像データの輝度の分布状態を示す算出輝度情報を処理装置により算出する輝度算出部と、
上記輝度算出部が算出した算出輝度情報と適合する輝度分布情報を有する検出情報を上記検出手順記憶部が記憶装置に記憶した複数の検出情報から処理装置により読み出し、読み出した検出情報が有する検出識別情報により識別される検出手順を上記第1の検出手順として上記検出手順記憶部から処理装置により読み出し、
読み出した検出情報の次に記憶された検出情報を次検出情報として上記記憶装置から読み出し、読み出した次検出情報が有する検出識別情報により識別される検出手順を上記第2の検出手順として上記検出手順記憶部から処理装置により読み出す検出情報読み出し部と
を備えたことを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項5】
上記第1の検出実行部が実行する第1の検出手順は、上記第1の画像データに含まれた複数の全画素と複数の画素のうち一部の画素とのいずれかの画素の輝度の勾配を求め、求めた輝度の勾配があらかじめ設定された値よりも大きな値の画素を検出することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項6】
上記第2の検出実行部が実行する第2の検出手順は、上記第1の画像データに含まれた複数の全画素と複数の画素のうち一部の画素とのいずれかの画素の輝度の勾配を求め、求めた輝度の勾配が上記あらかじめ設定された値よりも小さな値の画素を検出することを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
【請求項7】
上記第1の検出実行部が実行する第1の検出手順は、上記特定の物体の輪郭を示すエッジを検出して、上記第2の画像データとして上記検出した特定の物体のエッジを表す画像データを含む画像データを生成し、
上記第2の検出実行部が実行する第2の検出手順は、上記特定の物体の輪郭示すエッジを検出して、上記第3の画像データとして上記検出した特定の物体のエッジを表す画像データを含む画像データを生成することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項8】
上記画像生成部は、上記第2の画像データが含む特定の物体のエッジを表す画像データに含まれた画素からあらかじめ設定された画素数分に対応する領域であって上記特定の物体のエッジを表す画像データの周囲の領域を補完領域とし、上記第3の画像データのうち上記補完領域に対応する領域に含まれる複数の画素が有する輝度と、上記第2の画像データが含む複数の画素との対応する2つの画素の輝度を用いて新たな輝度を有する画素を生成して、生成した新たな画素を有する上記特定画像データを処理装置により生成することを特徴とする請求項7記載の画像処理装置。
【請求項9】
上記画像処理装置は、上記第1の検出実行部が生成した第2の画像データを出力装置により表示装置に表示する表示部を備え、
上記入力部は、上記表示部が表示した第2の画像データの少なくとも上記特定の物体の画像データを含む所定の領域を示す領域指定情報を入力させ、入力された上記領域指定情報を入力し、
上記第2の検出実行部は、上記入力部が入力した領域指定情報が示す第2の画像データの所定の領域に対応する上記第1の画像データの領域内の画像データから上記第2の検出手順により少なくとも上記特定の物体の画像データを検出して、検出した特定の物体の画像データを含む上記第3の画像データを処理装置により生成することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項10】
上記検出情報記憶部は、複数の所定の画像データごとの画像のタイプを示す複数の画像タイプ情報の各画像タイプ情報に対応させて上記検出情報を処理装置により記憶装置に記憶し、
上記入力部は、上記第1の画像データのタイプを示す第1のタイプ情報を入力装置により入力し、
上記検出情報読み出し部は、上記入力部が入力した第1のタイプ情報と一致する画像タイプ情報に対応する検出情報であって、かつ、上記算出輝度情報と適合する輝度分布情報を有する検出情報を上記記憶装置から処理装置により読み出すことを特徴とする請求項3または4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項11】
入力部により、第1の画像データを入力装置により入力する入力工程と、
第1の検出実行部により、所定の画像データから特定の物体の画像データを検出する第1の検出手順を処理装置により実行して、上記第1の画像データから少なくとも上記特定の物体の画像データを検出して、検出した特定の物体の画像データを含む第2の画像データを処理装置により生成する第1の検出実行工程と、
第2の検出実行部により、上記第1の検出手順とは異なる第2の検出手順を処理装置により実行して、上記第1の画像データから少なくとも上記特定の物体の画像データを検出して、検出した特定の物体の画像データを含む第3の画像データを処理装置により生成する第2の検出実行工程と、
画像生成部により、上記第1の検出実行工程により生成した第2の画像データと、上記第2の検出実行工程により生成した第3の画像データとを処理装置により入力して、入力した第2の画像データが含む複数の画素と入力した第3の画像データが含む複数の画素との対応する2つの画素を用いて新たな画素を生成して、生成した新たな画素を有する上記特定画像データを処理装置により生成する画像生成工程と
を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項12】
入力部により、第1の画像データを入力装置により入力する入力処理と、
第1の検出実行部により、所定の画像データから特定の物体の画像データを検出する第1の検出手順を処理装置により実行して、上記第1の画像データから少なくとも上記特定の物体の画像データを検出して、検出した特定の物体の画像データを含む第2の画像データを処理装置により生成する第1の検出実行処理と、
第2の検出実行部により、上記第1の検出手順とは異なる第2の検出手順を処理装置により実行して、上記第1の画像データから少なくとも上記特定の物体の画像データを検出して、検出した特定の物体の画像データを含む第3の画像データを処理装置により生成する第2の検出実行処理と、
画像生成部により、上記第1の検出実行処理により生成した第2の画像データと、上記第2の検出実行処理により生成した第3の画像データとを処理装置により入力して、入力した第2の画像データが含む複数の画素と入力した第3の画像データが含む複数の画素との対応する2つの画素を用いて新たな画素を生成して、生成した新たな画素を有する上記特定画像データを処理装置により生成する画像生成処理と
をコンピュータに実行させることを特徴とする画像処理プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−231738(P2010−231738A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−81591(P2009−81591)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(591102095)三菱スペース・ソフトウエア株式会社 (148)
【Fターム(参考)】