説明

画像処理装置及び画像処理方法

【課題】 複数の画像データ中に誰が撮影されているかを容易に把握するとともに、ユーザーが鑑賞を希望する画像データのみを容易に抽出できるようにする。
【解決手段】 複数の画像データ中において認識された人物の顔の特徴を示す顔情報を取得し、同じ顔情報を有する画像データをグループ化した処理単位グループを作成し、処理単位グループ毎に設定した代表画像をサムネイル表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データを顔情報毎に分類する画像処理装置及び画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラやカメラ付き携帯電話が普及してきており、撮影した画像はデジタル画像データとしてメモリ等に保存されるようになっている。そのため、従来のフィルム式カメラのようにフィルム残量を気にする必要がなく、大量の画像を手軽に撮影することができる。
【0003】
このように撮影したデジタル画像データは、プリントして鑑賞するだけではなく、パソコンのハードディスクやPDA等の携帯情報端末に保存しておくことで、撮影した画像をモニタに表示して手軽に鑑賞することができる。また、CD−RやDVD−R等の記録メディアに記録して電子アルバムを作成し、コンピュータやテレビモニタ等に写真を表示させて楽しむといった使い方がなされている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−293974号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、例えば、複数の友人と一緒に旅行したときに撮影した画像を鑑賞する場合を考えると、ユーザーとしては、撮影した画像全てを見るのは時間がかかるため、とりあえず自分が写っている画像や旅行先の風景が写っている画像だけが見られればよいと考えるのが自然である。
【0005】
すなわち、ユーザーは、自分以外の人物のみが写っている画像がモニタ画面に表示されてもあまり興味がないため、即座に次の画像を表示させるべく現在表示されている画像をスキップする操作を行うと考えられる。しかしながら、その都度スキップ操作を行うのは非常に煩わしい作業となっていた。
【0006】
また、画像を鑑賞する以外にも、例えば、撮影した画像の中から自分が写っている写真や旅行先の風景が写っている画像だけを選択してプリントする場合を考えると、大量にある画像の中からプリント希望の画像のみを探し出すことはユーザーにとって煩わしい作業であった。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数の画像データ中に誰が撮影されているかを容易に把握するとともに、ユーザーが鑑賞を希望する画像データのみを容易に抽出できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本発明では、複数の画像データ中に含まれる人物の顔情報を取得し、該顔情報に基づいて画像データを分類するようにした。
【0009】
すなわち、請求項1の発明は、静止画像を含む複数の画像データを表示する画像表示手段と、
前記複数の画像データ中の人物の顔を認識し、該認識した顔の特徴を示す顔情報を取得する画像認識手段と、
前記複数の画像データのうち同じ顔情報を有する画像データをグループ化して、該顔情報毎に処理単位グループを作成するグループ化手段と、
前記処理単位グループに含まれる画像データのうち1つを代表画像として設定する代表画像設定手段と、
前記処理単位グループ毎に設定された前記代表画像を前記画像表示手段にサムネイル表示する代表画像表示手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
従って、本発明によれば、複数の画像データ中において認識された人物の顔の特徴を示す顔情報が取得され、同じ顔情報を有する画像データが処理単位グループとしてグループ化され、処理単位グループ毎に設定された代表画像が画像表示手段にサムネイル表示される。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1に記載された画像処理装置において、
前記代表画像表示手段は、異なる前記処理単位グループの代表画像として同じ画像データが設定された場合に、重複する該代表画像を1つだけ前記画像表示手段にサムネイル表示するように構成されていることを特徴とする。
【0012】
従って、本発明によれば、異なる処理単位グループの代表画像として同じ画像データが設定された場合、重複する代表画像は1つだけが画像表示手段に表示される。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載された画像処理装置において、
前記代表画像中に複数の人物の顔が存在する場合に、該複数の人物の顔を互いに識別可能な表示形式で表示する識別表示手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0014】
従って、本発明によれば、代表画像中の複数の人物の顔が互いに識別可能な表示形式で表示される。
【0015】
請求項4の発明は、請求項1に記載された画像処理装置において、
前記代表画像設定手段は、前記処理単位グループに含まれる画像データ中の人物の顔を含む画像範囲を抽出して、該画像範囲を前記代表画像として設定するように構成されていることを特徴とする。
【0016】
従って、本発明によれば、画像データ中の人物の顔を含む画像範囲が抽出され、この画像範囲が代表画像として設定される。
【0017】
請求項5の発明は、請求項1乃至4のうち何れか1項に記載された画像処理装置において、
前記画像認識手段は、前記画像データ中の所定の大きさを有する人物の顔についてのみ認識作業を行うように構成されていることを特徴とする。
【0018】
従って、本発明によれば、画像データ中の所定の大きさを有する人物の顔についてのみ顔認識作業が行われる。
【0019】
請求項6の発明は、請求項1乃至5のうち何れか1項に記載された画像処理装置において、
前記処理単位グループに含まれる画像データの枚数に基づいて、前記画像表示手段にサムネイル表示する前記複数の代表画像の表示順序を並べ替えるソート手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0020】
従って、本発明によれば、処理単位グループに含まれる画像データの枚数に基づいて、複数の代表画像の表示順序が並べ替えられる。
【0021】
請求項7の発明は、請求項1乃至6のうち何れか1項に記載された画像処理装置において、
前記画像表示手段にサムネイル表示された前記代表画像のうち1つをユーザーが選択することで、該選択した代表画像に係る処理単位グループに含まれる画像データが該画像表示手段に表示されるようになっていることを特徴とする。
【0022】
従って、本発明によれば、サムネイル表示された代表画像のうち1つを選択すると、選択した代表画像に係る処理単位グループに含まれる画像データが表示される。
【0023】
請求項8の発明は、請求項1乃至7のうち何れか1項に記載された画像処理装置において、
前記画像データをプリントするプリント手段をさらに備え、
前記画像表示手段にサムネイル表示された前記代表画像のうち1つをユーザーが選択することで、該選択した代表画像に係る処理単位グループに含まれる画像データが前記プリント手段によりプリントされるようになっていることを特徴とする。
【0024】
従って、本発明によれば、サムネイル表示された代表画像のうち1つを選択すると、選択した代表画像に係る処理単位グループに含まれる画像データがプリントされる。
【0025】
請求項9の発明は、複数の画像データ中の人物の顔を認識し、該認識した顔の特徴を示す顔情報を取得する手順と、
前記複数の画像データのうち同じ顔情報を有する画像データをグループ化して、該顔情報毎に処理単位グループを作成する手順と、
前記処理単位グループに含まれる画像データのうち1つを代表画像として設定する手順と、
前記処理単位グループ毎に設定された前記代表画像をサムネイル表示する手順とを備えたことを特徴とする画像処理方法である。
【発明の効果】
【0026】
以上のように、請求項1に係る発明によれば、同じ顔情報を有する画像データをグループ化した処理単位グループを作成し、この処理単位グループに含まれる画像データのうち1つを代表画像として設定し、この代表画像を画像表示手段にサムネイル表示するようにしたから、全画像データ中にどのような人物が撮影されているのかを容易に把握することができる。例えば、複数の友人と旅行したときの画像データであれば、サムネイル表示された代表画像を見るだけで、そのとき一緒に旅行したメンバーを容易に想起できて好ましい。
【0027】
請求項2に係る発明によれば、代表画像として重複する画像データが設定された場合には、そのうちの1つだけをサムネイル表示するようにしたから、全画像データ中に撮影されている人物を必要最小限の表示枚数で表示することができる。
【0028】
具体的には、例えば、AさんとBさんとが2人で写っている画像データがあった場合、Aさん及びBさん双方の処理単位グループの代表画像として、この2人で写っている画像データが設定される場合が考えられる。このような場合には、同じ画像データを2枚ともサムネイル表示する必要はなく、1枚のみをサムネイル表示するようにすれば、必要最小限の表示枚数で全画像データ中に含まれる人物の人数等を把握することができて好ましい。
【0029】
請求項3に係る発明によれば、代表画像中の複数の人物の顔を互いに識別可能な表示形式で表示するから、代表画像中にどの人物が表示されているのかを容易に把握することができる。具体的に、例えば、人物の顔を含む画像範囲をそれぞれフレーム枠で囲んだり、人物の顔以外の画像範囲をグレー等の目立たない色に変更するようにすれば、代表画像中の人物の顔の位置やその人物が誰であるかが把握しやすくなり好ましい。
【0030】
請求項4に係る発明によれば、画像データ中の人物の顔を含む画像範囲を抽出して、この画像範囲を代表画像として設定するようにしたから、例えば、集合写真を代表画像として設定したときには、写っている人物の顔が小さすぎて見づらい場合があるが、集合写真の中から特定の人物の顔を含む画像範囲を抽出すれば、その人物の顔を拡大表示した画像を代表画像として設定することができ、全画像データ中にどのような人物が撮影されているかを容易に把握することができる。
【0031】
請求項5に係る発明によれば、画像データ中の所定の大きさを有する人物の顔についてのみ認識作業を行うようにしたから、一緒に旅行した人物の顔のみを認識する上で有利となる。
【0032】
具体的には、撮影した画像データ中に、通りすがりの人物や遠くにいる人物が写ってしまった場合、それらの人物を含めて顔認識作業を行うと、自分の知らない人物についての処理単位グループが作成されてサムネイル表示されてしまうことになるが、これを防止するために、画像データ中に所定の大きさ以下で写っている人物については顔認識作業を行わないようにしている。
【0033】
請求項6に係る発明によれば、処理単位グループに含まれる画像データの枚数に基づいて、画像表示手段にサムネイル表示する代表画像の表示順序を並べ替えるようにしたから、例えば、旅行中に撮影した画像データ中に登場する頻度の高い人物の代表画像を優先的に上位に表示するようにすれば、その旅行における中心人物から順番に表示されることとなり好ましい。また、仮に、旅行したメンバーとは関係のない通りすがりの人物の代表画像が表示されたとしても、その代表画像は下位に表示されることとなり、画像鑑賞に支障を来すことが少なくなる。
【0034】
請求項7に係る発明によれば、サムネイル表示された代表画像のうち1つをユーザーが選択することで、その代表画像に係る処理単位グループに含まれる画像データが画像表示手段に表示されるから、ユーザーは、サムネイル表示された代表画像のうちから、例えば自分の写っている代表画像を選択することで、画像データ鑑賞時に全ての画像データを鑑賞する必要はなく、自分の写っている画像データのみを効率良く鑑賞することができて好ましい。
【0035】
請求項8に係る発明によれば、サムネイル表示された代表画像のうち1つをユーザーが選択することで、その代表画像に係る処理単位グループに含まれる画像データがプリントされるようになっているから、ユーザーは、サムネイル表示された代表画像のうちから、例えば自分の写っている代表画像を選択することで、自分の写っている画像データのみを効率良くプリントすることができて好ましい。
【0036】
請求項9に係る発明によれば、全画像データ中にどのような人物が撮影されているのかを容易に把握することができる。例えば、複数の友人と旅行したときの画像データであれば、サムネイル表示された代表画像を見るだけで、そのとき旅行したメンバーを容易に想起できて好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
【0038】
<装置構成>
図1は、本発明の実施形態に係る画像処理装置100の全体構成を示すブロック図である。図1に示すように、10はドライブユニット、11はドライブユニット10で読み取った画像データに対する画像処理を行う画像処理部、12は画像処理部11に対して情報入力を行うための情報入力部、13は画像データや画像処理ソフトの各種メニュー等を表示するモニタ(画像表示手段)、14は画像データをプリントするプリント部である。
【0039】
前記ドライブユニット10は、デジタルカメラで撮影された写真や動画を含む画像データが保存されたフラッシュメモリ等の半導体メディアMsからのデータを取得する(読み出す)半導体ドライブ1と、CD−RやDVD−R等の複数種類の大容量のディスク状メディアMdからのデータの取得及び書き込みを可能にするディスクドライブ2とを備えている。なお、この半導体ドライブ1は、コンパクトフラッシュ(登録商標)やスマートメディア(登録商標)やメモリースティック(登録商標)等のフラッシュメモリの種類に対応できるように複数の挿入部を備えていることが好ましい。
【0040】
前記画像処理部11は、情報処理を行うCPU、メモリ及びハードディスクを含むコンピュータで構成されており、ドライブユニット10で読み取った画像データを該ハードディスクに保存し、インストールされている画像処理ソフトによって該画像データに対して様々な画像処理を行うことができるようになっている。
【0041】
具体的には、画像データ中の人物の顔を認識し、その人物の顔の特徴を示す顔情報(例えば、顔全体の大きさに対する目や鼻の大きさや位置等)を取得する画像認識手段、同じ顔情報を有する画像データをグループ化して処理単位グループを作成するグループ化手段、処理単位グループに含まれる画像データのうち1つを代表画像として設定する代表画像設定手段、処理単位グループ毎に設定された代表画像をモニタ13にサムネイル表示する代表画像表示手段、代表画像中に複数の人物の顔が存在する場合に、該複数の人物の顔を互いに識別可能な表示形式(例えば、人物の顔を含む画像範囲をフレーム枠で囲む等)で表示する識別表示手段、処理単位グループに含まれる画像データの枚数に基づいて、モニタ13にサムネイル表示する複数の代表画像の表示順序を並べ替えるソート手段等をソフトウェア(プログラム)として備えている。
【0042】
前記情報入力部12は、例えば、キーボード、マウス、リモコン等により構成されており、前記画像処理部11に対して必要な入力が行えるようになっている。なお、タッチパネル方式のモニタ13を用いて入力を行うようにしても構わない。
【0043】
前記モニタ13は、例えば、CRTや液晶表示装置等で構成されており、前記画像処理部11に入力された画像データを表示するとともに、画像処理ソフトの各種メニュー画面を表示してユーザーが確認できるようになっている。
【0044】
前記プリント部14は、ユーザーがプリントを希望する画像データをモニタ13画面上で選択してプリント指示することで、その画像データがプリントできるようになっている。
【0045】
なお、本実施形態では、画像処理装置100の一例としてコンピュータを用いたものについて説明しているが、この形態に限定するものではなく、例えば、画像データ中の人物の顔を認識して顔情報を取得し、顔情報に基づいて画像データを分類してその代表画像をサムネイル表示する手順をソフトウェアとして備えた再生装置(例えば、DVDプレイヤ等)であってもよい。さらに、このような手順を実行するプログラムを画像データとともに電子アルバムに記録しておき、DVDプレイヤ等で再生する際に、このプログラムに基づいて画像データの処理を行うようにしても構わない。
【0046】
<画像処理手順>
次に、本実施形態の画像処理装置100において、画像データ中の人物の顔情報に基づいて画像データを分類する手順について、図2のフローチャート図を用いて説明する。図2に示すように、ステップS101では、デジタルカメラ等で撮影した画像データを画像処理部11に入力し、続くステップS102に進む。
【0047】
ステップS102では、画像処理部11に入力された複数の画像データ毎に、その画像データ中に人物の顔が含まれているかを判定する。
【0048】
ステップS102での判定が「YES」の場合には、ステップS103に分岐し、ステップS103で、画像データ中の人物の顔を認識し、その人物の顔の特徴を示す顔情報を取得して、続くステップS104に進む。ステップS102での判定が「NO」の場合には、その画像データは風景画像であると判断して、続くステップS104に進む。
【0049】
ステップS104では、入力された全ての画像データについて人物の顔認識が行われたかを判定する。ステップS104での判定が「NO」の場合には、ステップS102に分岐し、次の画像データに対して同様の処理を繰り返す。
【0050】
ステップS104での判定が「YES」の場合には、ステップS105に分岐し、ステップS105で、同じ顔情報を有する画像データをグループ化して処理単位グループを作成し、続くステップS106に進む。
【0051】
ステップS106では、前記処理単位グループに対して風景画像を追加するかを判定する。ステップS106での判定が「YES」の場合には、ステップS107に分岐し、ステップS107で、風景画像を処理単位グループに追加して、ステップS108に進む。ステップS106での判定が「NO」の場合には、そのままステップS108に分岐する。
【0052】
このように、人物を含む画像データのみをグループとするのではなく、旅行当時に撮影した風景の画像データを処理単位グループに含めることで、この処理単位グループを再生表示したときに、人物を含む画像データの他に旅行当時の風景画像も鑑賞することができ、旅行当時の情景を想起する上で有利となり好ましい。
【0053】
ステップS108では、前記処理単位グループに含まれる画像データのうち、そのグループに含まれる人物を表すのに適当と思われる画像を代表画像として設定し、続くステップS109に進む。
【0054】
ステップS109では、処理単位グループ毎に含まれる画像データの枚数をそれぞれカウントし、続くステップS110に進む。
【0055】
ステップS110では、モニタ13に表示された後述する画像選択メニュー画面にグループ毎の代表画像をサムネイル表示する。このとき、先ほどカウントした画像データ枚数の多いグループの代表画像がメニュー画面の先頭に位置付けられるように、画像処理ソフトのソートプログラムによって並び替えて表示する。このようにすれば、全画像データの中で最も登場回数の多い人物を示す代表画像が先頭となり好ましい。
【0056】
以上のような処理を行うことで、複数の画像データ中に含まれる人物の総人数を容易に把握することができるとともに、誰が写っているのかをサムネイル画像で容易に把握することができ、旅行当時のメンバー構成を想起する上で有利となる。
【0057】
<代表画像の表示形式>
次に、モニタ13にサムネイル表示する代表画像の表示形式の例について、図3及び図4を用いて説明する。図3は、画像処理装置100に対してNo.1〜No.5の5枚の画像データが入力された場合を示している。図3に示すように、No.1はAさん1人の画像、No.2は風景画像1、No.3はBさん1人の画像、No.4はAさんとBさんとが2人で写っている画像、No.5は風景画像2であるとする。
【0058】
ここで、前述した図2のフローチャート図におけるステップS105では、同じ顔情報を有する画像データがグループ化されて処理単位グループが作成されるが、具体的には、Aさんの処理単位グループにはNo.1及びNo.4の画像が含まれ、Bさんの処理単位グループにはNo.3及びNo.4の画像が含まれるようになっている。なお、以下、続くステップS106での風景画像のグループ化は行わないものとして説明する。
【0059】
次に、ステップS108で、処理単位グループ毎に代表画像の設定をするが、ここでは、Aさんのグループの代表画像としてNo.1の画像が設定され、Bさんのグループの代表画像としてNo.3の画像が設定されたものとする。これにより、図4に示すように、後述する画像選択メニューが表示された場合には、先ほど設定したNo.1及びNo.3の画像がサムネイル表示されるようになっている。
【0060】
なお、入力された複数の画像データに含まれる人物(図3ではAさんとBさんの2人)を最小枚数の代表画像で表示する場合には、Aさん及びBさんの代表画像としてそれぞれNo.4の画像を設定するようにし、さらに、図5に示すように、画像データ中のそれぞれの顔を識別するために、Aさん及びBさんの顔を含む画像範囲を囲むようにそれぞれフレーム枠21を表示するようにしている。これにより、No.4の画像中にAさん及びBさんの2人が写っていることが容易に把握できるようになり好ましい。
【0061】
次に、図6及び図7を用いて、代表画像の別の表示形式について説明する。図6は、画像処理装置100に対してNo.1〜No.5の5枚の画像データが入力された場合を示している。図6に示すように、No.1はAさんとBさんとが2人で写っている画像、No.2は風景画像1、No.3はBさん1人の画像、No.4はCさん1人の画像、No.5はBさんとCさんとが2人で写っている画像であるとする。
【0062】
ここで、Aさんの処理単位グループには、No.1の画像が含まれ、Bさんの処理単位グループにはNo.1、No.3及びNo.5の画像が含まれ、Cさんの処理単位グループにはNo.4及びNo.5の画像が含まれるようになっている。
【0063】
そして、Aさんのグループの代表画像としてNo.1の画像が設定され、Bさんのグループの代表画像としてNo.1の画像が設定され、Cさんのグループの代表画像としてNo.4の画像が設定されたものとする。これにより、図7に示すように画像選択メニューが表示された場合には、先ほど設定したNo.1及びNo.4の画像がサムネイル表示されるようになっている。なお、AさんとBさんの代表画像は同じNo.1の画像であるため、重複したNo.1の画像は1枚のみ表示されるようになっている。
【0064】
図7に示すように、No.1の画像には、Aさん及びBさんの2人が写っているので、それぞれの顔を識別するために、Aさん及びBさんの顔を含む画像範囲を囲むようにそれぞれフレーム枠21が表示されている。これにより、No.1の画像中にAさん及びBさんが写っていることが容易に把握できるようになっている。
【0065】
なお、画像データ中の複数の人物の顔を識別するための手段としてフレーム枠21を表示するようにしたが、この他にも、例えば、図8に示すように、Aさん及びBさんの顔を含む画像範囲以外の領域をグレー等の目立ちにくい色で表示するようにすれば、相対的に人物の顔が目立つようになり好ましい。
【0066】
次に、図9及び図10を用いて、代表画像の別の表示形式について説明する。図9は、画像処理装置100に対してNo.1〜No.5の5枚の画像データが入力された場合を示している。図9に示すように、No.1はAさんとBさんとが2人で写っている画像、No.2はAさん、Bさん及びCさんが3人で写っている画像、No.3はBさん1人の画像、No.4はAさんとBさんが2人で写っている画像、No.5は風景画像1であるとする。
【0067】
ここで、Aさんの処理単位グループには、No.1、No.2及びNo.4の画像が含まれ、Bさんの処理単位グループには、No.1、No.2、No.3及びNo.4の画像が含まれ、Cさんの処理単位グループには、No.2の画像が含まれるようになっている。
【0068】
次に、それぞれの処理単位グループ毎に代表画像を設定するのであるが、ここでは、グループに含まれる画像データ中の人物の顔を含む画像範囲を抽出し、この画像範囲を代表画像として設定するようにしている。
【0069】
具体的に、Aさんの処理単位グループでは、No.1の画像中のAさんの顔を含む画像範囲が抽出され、この画像範囲を拡大表示した画像が代表画像として設定されるようになっている。同様に、Bさんの処理単位グループでは、No.1の画像中のBさんの顔を含む画像範囲が代表画像として設定され、Cさんの処理単位グループでは、No.2の画像中のCさんの顔を含む画像範囲が代表画像として設定されている。
【0070】
これにより、図10に示すように、画像選択メニューが表示された場合には、先ほど設定したAさん、Bさん及びCさんの代表画像がサムネイル表示されるようになっている。
【0071】
このようにすれば、画像データが集合写真であり人物の顔が小さく写っている場合であっても、メニュー画面上には人物の顔を含む画像範囲が拡大表示されるため、サムネイル表示された代表画像を見るだけで誰が写っているのかを容易に把握することができる。また、全画像データ中の人物毎に顔を拡大した代表画像がサムネイル表示されるから、全画像データ中に何人の人物が写っているのかを容易に把握することができる。
【0072】
<画像再生手順>
次に、画像処理装置100に入力された複数の画像データをユーザーが鑑賞するための手順について説明する。上述したような画像データ中の人物の顔認識及び代表画像の設定作業は、画像処理装置100に画像データが入力された時点で自動的に行われるものであり、ユーザーは、画像データの入力が完了したときに、電子アルバムのメニュー画面から、画像選択メニューを起動する。
【0073】
前記モニタ13に表示された画像選択メニューには、先ほど説明した例えば図10に示すように、入力した全画像データの中に写っている人物を示す代表画像がサムネイル表示されており、ユーザーがこの代表画像のうち何れか1つを選択することにより、その代表画像に係る処理単位グループに含まれる画像データのみがモニタ13に表示されるようになっている。
【0074】
例えば、図10の画像選択メニューにおいて、Aさんの代表画像を選択した場合には、図9に示すAさんの処理単位グループに含まれるNo.1、No.2及びNo.4の画像がモニタ13にサムネイル表示されるか、又は1枚ずつスライドショー表示されるようになっている。
【0075】
これにより、ユーザーは、電子アルバムに収録された全画像データを鑑賞する必要はなく、例えば自分の写っている画像だけを選択的に鑑賞することが可能となる。すなわち、そのユーザー専用の電子アルバムの再現を行うことが可能となり、ユーザーの利便性が高まる。
【0076】
また、画像を鑑賞する以外にも、プリント部14と連動させることにより、ユーザー自身が写っている画像のみをプリントするといった使い方も可能である。すなわち、画像選択メニューにおいて代表画像のうち1つを選択し、その代表画像に係る処理単位グループに含まれる画像データをモニタ13に表示する代わりに、これら画像データをプリント部14に送信することで、その処理単位グループに含まれる画像データのみをプリントすることができる。
【0077】
これにより、ユーザーが全画像データの中から自分の写っている画像のみ(実施例では、処理単位グループの全てを選択する例を挙げたが、この形態に限定するものではない。処理単位グループからさらに任意の画像を選ぶ構成であっても、本発明の技術思想を逸脱するものではない。)をプリントしたい場合に、全画像データをわざわざチェックしてプリント希望の画像データを順次選択していくといった煩わしい作業をする必要がなくなり、ユーザーの利便性が高まる。
【0078】
以上のように、本実施形態に係る画像処理装置100によれば、複数の画像データの中からユーザーが鑑賞したい画像データのみを選択する等の煩わしい作業をすることなく、画像データ中の人物の顔情報に基づいて表示することで利便性を高めることができる。
【0079】
なお、電子アルバムを作成する際に本発明を用いれば、一緒に旅行したメンバー毎にそのメンバーの写っている画像のみを収録した電子アルバムを作成することができて、より付加価値のある電子アルバムを作成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
以上説明したように、本発明は、複数の画像データ中に誰が撮影されているかを容易に把握するとともに、ユーザーが鑑賞を希望する画像データのみを容易に抽出できるという実用性の高い効果が得られることから、きわめて有用で産業上の利用可能性は高い。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の実施形態に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係る画像処理手順を示すフローチャート図である。
【図3】処理単位グループの作成手順を説明する図である。
【図4】画像選択メニューに表示される代表画像の表示形式を示す図である。
【図5】画像選択メニューに表示される代表画像の別の表示形式を示す図である。
【図6】処理単位グループの作成手順の別の例を説明する図である。
【図7】画像選択メニューに表示される代表画像の別の表示形式を示す図である。
【図8】画像選択メニューに表示される代表画像の別の表示形式を示す図である。
【図9】処理単位グループの作成手順の別の例を説明する図である。
【図10】画像選択メニューの別の例を示す図である。
【符号の説明】
【0082】
10 ドライブユニット
11 画像処理部
12 情報入力部
13 モニタ
14 プリント部
100 画像処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静止画像を含む複数の画像データを表示する画像表示手段と、
前記複数の画像データ中の人物の顔を認識し、該認識した顔の特徴を示す顔情報を取得する画像認識手段と、
前記複数の画像データのうち同じ顔情報を有する画像データをグループ化して、該顔情報毎に処理単位グループを作成するグループ化手段と、
前記処理単位グループに含まれる画像データのうち1つを代表画像として設定する代表画像設定手段と、
前記処理単位グループ毎に設定された前記代表画像を前記画像表示手段にサムネイル表示する代表画像表示手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載された画像処理装置において、
前記代表画像表示手段は、異なる前記処理単位グループの代表画像として同じ画像データが設定された場合に、重複する該代表画像を1つだけ前記画像表示手段にサムネイル表示するように構成されていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された画像処理装置において、
前記代表画像中に複数の人物の顔が存在する場合に、該複数の人物の顔を互いに識別可能な表示形式で表示する識別表示手段をさらに備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載された画像処理装置において、
前記代表画像設定手段は、前記処理単位グループに含まれる画像データ中の人物の顔を含む画像範囲を抽出して、該画像範囲を前記代表画像として設定するように構成されていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のうち何れか1項に記載された画像処理装置において、
前記画像認識手段は、前記画像データ中の所定の大きさを有する人物の顔についてのみ認識作業を行うように構成されていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のうち何れか1項に記載された画像処理装置において、
前記処理単位グループに含まれる画像データの枚数に基づいて、前記画像表示手段にサムネイル表示する前記複数の代表画像の表示順序を並べ替えるソート手段をさらに備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のうち何れか1項に記載された画像処理装置において、
前記画像表示手段にサムネイル表示された前記代表画像のうち1つをユーザーが選択することで、該選択した代表画像に係る処理単位グループに含まれる画像データが該画像表示手段に表示されるようになっていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のうち何れか1項に記載された画像処理装置において、
前記画像データをプリントするプリント手段をさらに備え、
前記画像表示手段にサムネイル表示された前記代表画像のうち1つをユーザーが選択することで、該選択した代表画像に係る処理単位グループに含まれる画像データが前記プリント手段によりプリントされるようになっていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
複数の画像データ中の人物の顔を認識し、該認識した顔の特徴を示す顔情報を取得する手順と、
前記複数の画像データのうち同じ顔情報を有する画像データをグループ化して、該顔情報毎に処理単位グループを作成する手順と、
前記処理単位グループに含まれる画像データのうち1つを代表画像として設定する手順と、
前記処理単位グループ毎に設定された前記代表画像をサムネイル表示する手順とを備えたことを特徴とする画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−314010(P2006−314010A)
【公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−135665(P2005−135665)
【出願日】平成17年5月9日(2005.5.9)
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)
【Fターム(参考)】