説明

画像処理装置及び画像処理方法

【課題】人物が写っていない画像に対しても特定の部分を印象強くした画像を生成できるようにする。
【解決手段】撮像装置側で、画像データの中から高輝度ピクセルを検出し、検出した高輝度ピクセルから構成される孤立点領域を含む画像領域を所定の色及び所定の形状に置き換えた特色画像データを生成する。そして、前記画像データから単色画像データを生成し、印刷装置に送信するようにして、人物が写っていない画像に対しても印象の強い印画物を得ることができるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像処理装置、画像処理方法、プログラム、及び記録媒体に関し、特に、画像データを画像処理して印刷を行うために用いて好適な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、簡単な操作で画像を撮影し、その撮影した画像をデジタル画像データに変換できるデジタルカメラ(撮像装置)が広く使用されるようになってきている。このようなカメラで撮影した画像を印刷して写真として使用する場合には、通常、その撮影されたデジタル画像データを、デジタルカメラからPC(パーソナルコンピュータ)にいったん取り込む。そして、そのPCで画像処理を行った後に、そのPCからカラープリンタに出力して印刷するのが一般的である。
【0003】
これに対して、最近は、PCを介することなく、デジタルカメラからカラープリンタにデジタル画像データを直接伝送して印刷できるカラープリントシステム(以降ダイレクト印刷と称する)が開発されている。また、その撮像した画像を記憶しているメモリカードをデジタルカメラから取り外してカラープリンタに直接装着し、そのメモリカードに記憶されている撮影された画像を印刷できる写真専用プリンタも開発されている。
【0004】
このように最近では、ダイレクト印刷が行われるようになったため、撮影した画像に画像処理を施したい場合には、画像処理した画像データをデジタルカメラからカラープリンタに直接送る必要があった。そこで、例えば特許文献1には、カメラ付きの携帯端末装置から人物の顔を含む顔画像を表す顔画像データを受信し、受信した顔画像データを用いて合成画像データを生成して、携帯端末装置に合成画像データを送信する画像生成装置が開示されている。
【0005】
前記特許文献1に記載の技術によれば、携帯端末装置等から入力された顔画像から目の位置を検出して、前記顔画像に星画像を合成することが可能である。具体的には、パソコンまたは顔パーツ検出部から入力したデータを元に、前記星画像の配置位置、サイズ、明るさ等を規定し、前記顔画像と星画像とを合成して、携帯端末装置に送信している。これにより、顔画像の目や口を印象強くすることができる。携帯端末装置の所有者が、合成した顔画像を印刷したい場合には、このように合成した画像データをカラープリンタに直接送ればよい。
【0006】
【特許文献1】特開2005−38191号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記特許文献1に記載の技術では、顔の特徴量抽出を行って目や口の検出を行っているため、例えば風景画像などのような人物が写っていない画像に対しては印象強くする画像を合成することができない。このため、人物が写っていない画像に対しては特定の部分を印象強くした画像を生成することができないという問題点があった。
【0008】
本発明は前述の問題点に鑑み、人物が写っていない画像に対しても特定の部分を印象強くした画像を生成できるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の画像処理装置は、画像データの中から、少なくとも1つの高輝度ピクセルを検出する高輝度ピクセル検出手段と、前記高輝度ピクセル検出手段によって検出された少なくとも1つの高輝度ピクセルから構成される孤立点領域を抽出する孤立点領域抽出手段と、前記孤立点領域抽出手段によって抽出された孤立点領域を含む画像領域を所定の色の画像及び所定の形状の画像のうち少なくとも何れかに置き換えるための特色画像データを生成する特色画像データ生成手段とを有することを特徴とする。
また、本発明の画像処理装置の他の特徴とするところは、画像データの中から、複数の高輝度ピクセルを検出する高輝度ピクセル検出手段と、前記高輝度ピクセル検出手段によって検出された複数の高輝度ピクセルをグループ化した領域を抽出する領域抽出手段と、前記領域抽出手段によって抽出された領域を所定色の特定図形へ置き換える特色置換手段と、前記特色置換手段によって置き換えられた前記所定色の特定図形を、二値で構成される信号データに変換して特色画像データを生成する特色画像データ生成手段と、前記特色画像データ生成手段によって生成された特色画像データを前記画像データに上書きして印刷する印刷手段とを有することを特徴とする。
【0010】
本発明の画像処理方法は、画像データの中から、少なくとも1つの高輝度ピクセルを検出する高輝度ピクセル検出工程と、前記高輝度ピクセル検出工程において検出した少なくとも1つの高輝度ピクセルから構成される孤立点領域を抽出する孤立点領域抽出工程と、前記孤立点領域抽出工程において抽出した孤立点領域を含む画像領域を所定の色の画像及び所定の形状の画像のうち少なくとも何れかに置き換えるための特色画像データを生成する特色画像データ生成工程とを有することを特徴とする。
また、本発明の画像処理方法の他の特徴とするところは、画像データの中から、複数の高輝度ピクセルを検出する高輝度ピクセル検出工程と、前記高輝度ピクセル検出工程において検出した複数の高輝度ピクセルをグループ化した領域を抽出する領域抽出工程と、前記領域抽出工程において抽出した領域を所定色の特定図形へ置き換える特色置換工程と、前記特色置換工程において置き換えた前記所定色の特定図形を、二値で構成される信号データに変換して特色画像データを生成する特色画像データ生成工程と、前記特色画像データ生成工程において生成した特色画像データを前記画像データに上書きして印刷する印刷工程とを有することを特徴とする。
【0011】
本発明のプログラムは、画像データの中から、少なくとも1つの高輝度ピクセルを検出する高輝度ピクセル検出工程と、前記高輝度ピクセル検出工程において検出した少なくとも1つの高輝度ピクセルから構成される孤立点領域を抽出する孤立点領域抽出工程と、前記孤立点領域抽出工程において抽出した孤立点領域を含む画像領域を所定の色の画像及び所定の形状の画像のうち少なくとも何れかに置き換えるための特色画像データを生成する特色画像データ生成工程とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
また、本発明のプログラムの他の特徴とするところは、画像データの中から、複数の高輝度ピクセルを検出する高輝度ピクセル検出工程と、前記高輝度ピクセル検出工程において検出した複数の高輝度ピクセルをグループ化した領域を抽出する領域抽出工程と、前記領域抽出工程において抽出した領域を所定色の特定図形へ置き換える特色置換工程と、前記特色置換工程において置き換えた前記所定色の特定図形を、二値で構成される信号データに変換して特色画像データを生成する特色画像データ生成工程と、前記特色画像データ生成工程において生成した特色画像データを前記画像データに上書きして印刷する印刷工程とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0012】
本発明の記録媒体は、前記の何れかに記載のプログラムを記録したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、画像データの中から少なくとも1つの高輝度ピクセルを検出する。そして、前記検出した高輝度ピクセルから構成される孤立点領域を含む画像領域を所定の色の画像及び所定の形状の画像のうち少なくとも何れかに置き換えるための特色画像データを生成するようにした。これにより、特定の部分を印象強くすることができる。したがって、人物が写っていない画像に対しても印象の強い印画物を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(第1の実施形態)
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の詳細な実施形態について説明する。
図1は、本実施形態の全体構成の一例を示す外観図である。
印刷装置1及び撮像装置2は、それぞれのインターフェース101、216を介して、インターフェースケーブル301経由で互いに接続されている。撮像装置2側のメモリカードスロット4は、撮影画像を保存する不図示のメモリカードを装着するためのものである。一方、印刷装置1側のメモリカードスロット5は、印刷装置1に対して、印刷用の画像データが保存されている不図示のメモリカードを装着するものである。
【0015】
入力部105は、印刷装置1の操作を行うためのユーザインターフェースを指す。第1の表示部106は、前記ユーザインターフェースをLCD画面に表示するものであり、第2の表示部108は、印刷装置1のエラーステータスなどを示すためのLEDである。
【0016】
プリント実行ボタン123は、メモリカードスロット5に不図示のメモリカードが装着されているときに、印刷の開始を指示するためのものであり、電源スイッチ124は、印刷装置1のメイン電源スイッチである。給紙トレイ120は、不図示の未印画の印画媒体を載せ、印刷が開始されたときに供給するためのものであり、排紙口121は、印刷が完了した印画紙を排紙するための出口である。
【0017】
次に、撮像装置2の構成について説明する。光学系201は、被写体の光学画像を取り込むために使用するレンズユニットであり、電源スイッチ223は、撮像装置2の電源をOFF/ONするためのスイッチである。第1の表示部206は、撮影画像をプレビューしたり、ユーザインターフェースを表示したりするLCD画面である。また、第2の表示部208は、撮像装置2のエラーステータスなどを示すためのLEDである。
【0018】
図2は、本実施形態の印刷装置1の機能構成例及びハード構成例を示すブロック図である。
図2において、印刷装置1は、PC3またはメモリカードスロット5に挿入された不図示のメモリカードと、またはデジタルカメラ/デジタルビデオカメラなどの撮像装置2と、インターフェース101を介して接続されている。前記不図示のメモリカードまたは撮像装置2から入力された不図示の画像データ(例えば、JPEGフォーマット)は、インターフェース101を介して、受信バッファ102に格納される。なお、本実施形態においては、撮像装置2側でプリントデータの生成を行うため、撮像装置2から入力されたプリントデータが受信バッファ102に一旦格納される。
【0019】
受信した画像データは、第1の信号処理部103でリサイズや回転などの前処理を施された後、制御部104により、RAM114またはフレームメモリ107に画像データを格納する。ROM115には、不図示のプログラムであるグラフィック・ユーザ・インターフェース(以下、GUIと呼ぶ)が格納されている。CPU113により動作したGUIによって、第1の表示部106へプレビュー表示したり、入力部105を用いた部数指定などの印刷指示を行ったり、N−UPやトリミングなどの画像処理関連の指定を行ったりすることが可能である。
【0020】
なお、本実施形態においては、撮像装置2側でプリントデータの生成を行うため、第2の信号処理部109は、必ずしも必要な構成ではない。受信バッファ102に一旦格納されたプリントデータは、制御部104により、何も処理されずにRAM114またはフレームメモリ107に格納されるようにしてもよい。
【0021】
ユーザにより、前記GUIによって入力部105から印刷指示が行われると、第2の信号処理部109は、フレームメモリ107またはRAM114に格納された画像データを、プリンタエンジン部100が直接解釈できるフォーマットに画像変換する。そして、紙送りのタイミングにあわせてプリンタエンジン部100に送信する。なお、直接解釈できるフォーマットは、例えば3色プリンタの場合、単色のシアン面、マゼンタ面、イエロー面(以下、それぞれCy面、Mg面、Ye面と称す)に分版されたものである。
【0022】
なお、本実施形態においては、プリントデータが受信されるため、第2の信号処理部109は、必ずしも必要な構成ではなく、プリントデータをプリンタエンジン部100に直接送信するようにしてもよい。また、印刷指示については、撮像装置2から印刷のジョブが送信された場合は、このジョブに応じて制御部104が制御を行う。
【0023】
また、印刷装置1にエラーが発生した場合は、例えば、第2の表示部108にLEDを点滅させて、ユーザに注意を促す。なお、印刷装置1の中に保持して再利用したいプリントデータや、ダウンロード可能なテンプレートデータは、記録媒体制御部110を経由してハードディスクなどの記録媒体111もしくはリムーバブルディスク(拡張記録媒体)112に格納することができる。
【0024】
図3は、本実施形態の撮像装置2の機能構成例及びハード構成例を示すブロック図である。
図3において、撮像装置2は、光学系201から入力された光学画像をCCD202で受光する。そして、第1の信号処理部203でリサイズや回転などの前処理を施した後、デジタル変換した不図示のデジタル画像データを、フレームメモリ207またはRAM214に格納する。
【0025】
そして、制御部204によりデジタル画像の赤目補正処理を実行し、記録媒体制御部210を経由して、記録媒体211または拡張記録媒体212に格納する。ROM215に格納された不図示のプログラムであるGUIがCPU213により動作することによって、第1の表示部206へプレビュー表示を行うことができる。
【0026】
ユーザにより、前記GUIによって入力部205から印刷指示が行われると、記録媒体211または拡張記録媒体212に格納された画像データを、第2の信号処理部209で印刷装置1が解釈できるフォーマットに画像変換する。そして、インターフェース216を介して印刷装置1に送信する。なお、第2の信号処理部209では、撮像された画像データから高輝度点(高輝度ピクセル)を検出して特色画像データを生成する処理も行う。第2の信号処理部209で行う処理については図20及び図21を参照しながら後述する。なお、高輝度点で構成される領域を2つ以上抽出するようにしてもよい。
【0027】
また、撮像装置2にエラーが発生した場合は、例えば、第2の表示部208にLEDを点滅させて、ユーザに注意を促す。なお、撮像装置2側のメモリカードスロット4から拡張記録媒体212を引き抜き、印刷装置1側のメモリカードスロット5に装着して、拡張記録媒体212に格納された画像データを直接印刷指定することも可能である。
【0028】
図4〜図6は、印刷の詳しい仕組みを示す図である。
まず始めに、図5に示すように、給紙トレイ120から、給排紙ローラー128を用いて印刷装置1内に受像紙を給紙する。そして、図4に示すように、サーマルヘッド125とプラテンローラー126との間にインクシートを重ねたまま受像紙を挟み込む。
【0029】
次に、送り側のボビン131から供給されるインクシートを巻き取り側のボビン132で巻き取りながら、ピンチローラー127を用いて受像紙を同じ方向にフィードする。そして同時に、サーマルヘッド125にタイミングよく線順次で熱を加えることにより、1枚分の単色画像を受像紙に転写する。この時、受像紙は印刷装置1の外側にはみ出しているが、ピンチローラー127は受像紙を挟んだまま、受像紙の位置を固定している。
【0030】
1枚分の単色画像の転写を完了したら、受像紙を転写前の位置に戻し、次の単色画像について転写を開始する。そして、図6に示すように、全ての画像を印刷した後、排紙口121を通して、機外に排出する。
【0031】
図7は、図4に示すサーマルヘッド125の具体的な構造例を示す図である。サーマルヘッド125には、入力階調数に応じた熱エネルギー量が印画パルス数に変換されて加えられる。具体的には、発熱抵抗体130において熱に変換される。剥離板129は、受像紙とインクシートとがスムーズに剥離するようにした突起部であり、最適な大きさと角度に設計されている。
【0032】
図8は、インクシートを格納するメディアカセットの外観例を示す図である。
図8に示すように、メディアカセット122は、転写前のインクシートを供給するための送り側のボビン131と、転写後のインクシートを巻き取るための巻き取り側のボビン132とを有している。
【0033】
図9は、特色に対応していない、従来のインクシートの例を示す図である。
図9に示すように、Ye面を先頭に、Mg面、Cy面、OC面(オーバーコート)の順に並んでおり、それぞれリボンマーカー(黒い線)で区切られている。Ye面の前に関しては、画面の先頭を示す2本のリボンマーカーが付されている。
【0034】
図10は、本実施形態における特色に対応したインクシートの例を示す図である。
図10に示すように、図9に示すインクシートと比較して、OC面の後ろに特色面が追加されている。なお、これ以外の基本構成については従来のインクシートと同じである。なお、特色面は、後述する特色画像データを上書きするためのものである。
【0035】
図11は、本実施形態において、特色に対応した印画を行った後の受像紙(印画媒体)の断面を示す図である。
受像紙表面(印画面側)に染料受容層があり、昇華転写染料を受容している。前記染料受容層を覆うように、印画面全体にOC層(オーバーコート)がコートされており、その上に、必要な部分に限定して、特色面から特色層を転写している。図11では、特色ピクセル(特色層)の下地にあたる部分の染料受容層が白抜きにされている。
【0036】
図12は、特色ピクセルと重なる位置に存在する染料受容層について、下地白抜きを実行せずに印画した場合の例を示す図である。
図12に示すように、特色と染料とが重なった部分について、特色の色が下地の影響を受けてしまっている。
【0037】
図13は、本実施形態において、特色ピクセルと重なる位置に存在する染料受容層について、下地白抜きを実行してから印画した場合の例を示す図である。
図13に示すように、特色と染料とが重なった部分について、下地の影響を受けていない。このように下地の影響を受けないように印刷を行う手順については、図15のフローチャートを参照しながら後述する。
【0038】
図14は、本実施形態の撮像装置2において、特色画像データ及びプロセスカラーの単色画像データを送信する処理手順の一例を示すフローチャートである。図14に示す処理は、制御部204の制御により行われる。
撮像装置2から、インターフェース216を介して印刷装置1にプリントデータを送信する際に、まず始めに特色の単色画像データ(特色画像データ)を送信する(ステップS1601)。その後にプロセスカラーの単色画像データを、Ye面、Mg面、Cy面の順に面順次で送信し(ステップS1602)、処理を終了する。なお、単色画像データの生成方法については、図20及び図21を参照しながら後述する。
【0039】
図15は、本実施形態の印刷装置1において、特色画像データを受信してから印刷を行うまでの処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図15に示すフローチャートの処理は、制御部104による制御によってプリンタエンジン部100において行われる。
まず始めに、印刷のジョブを受信すると、図15に示したフローチャートに基づいて、撮像装置2からプリントデータが送信される。そこでまず、特色の単色画像データ(特色画像データ)を受信したか否かを判断する(ステップS1701)。この判断の結果、特色画像データを受信していない場合は、受信するまで待機する。一方、ステップS1701の判断の結果、特色画像データを受信した場合は、受信した特色の単色画像データから、特色が印刷される画素(特色オンピクセル)の座標位置を読み出し、RAM114に記録する(ステップS1702)。
【0040】
次に、プロセスカラーのYe面の単色画像データを受信したか否かを判断する(ステップS1703)。この判断の結果、Ye面の単色画像データを受信していない場合は、受信するまで待機する。一方、ステップS1703の判断の結果、Ye面の単色画像データを受信した場合は、前記特色オンピクセルの座標位置に対応するYe面のピクセルを検索して、白(信号を「0」)に置換して白抜き処理を行う(ステップS1704)。そして、一面分の置換処理(白抜き処理)が完了したら、Ye面を印画する(ステップS1705)。
【0041】
次に、プロセスカラーのMg面の単色画像データを受信したか否かを判断する(ステップS1706)。この判断の結果、Mg面の単色画像データを受信していない場合は、受信するまで待機する。一方、ステップS1706の判断の結果、Mg面の単色画像データを受信した場合は、前記特色オンピクセルの座標位置に対応するMg面のピクセルを検索して白(信号を「0」)に置換して白抜き処理を行う(ステップS1707)。そして、一面分の置換処理(白抜き処理)が完了したら、Mg面を印画する(ステップS1708)。
【0042】
次に、プロセスカラーのCy面の単色画像データを受信したか否かを判断する(ステップS1709)。この判断の結果、Cy面の単色画像データを受信していない場合は、受信するまで待機する。一方、ステップS1709の判断の結果、Cy面の単色画像データを受信した場合はそして、前記特色オンピクセルの座標位置に対応するCy面のピクセルを検索して白(信号を「0」)に置換して白抜き処理を行う(ステップS1710)。そして、一面分の置換処理(白抜き処理)が完了したら、Cy面を印画する(ステップS1711)。
【0043】
次に、有効印画領域全体に、印画物の耐侯性を向上させるためのOC面(オーバーコート)を印画する(ステップS1712)。そして最後に、特色オンピクセルの部分だけに、特色面を印画して(ステップS1713)、処理を終了する。
【0044】
図16は、PC3から印刷を指定して特色画像を印刷する際のデータの流れを示す説明図である。
PC3上で動作する不図示の画像処理アプリによって作成された画像は、RGB画像と特色画像との両方を持つ。印刷を指定すると、PC3は、前記RGB画像と特色画像とをCMYデータと特色データとに変換する。そして、印刷装置1に対して、図14に示す処理手順と同様に、まず始めに特色の単色画像データを送信し、続いてYe面、Mg面、Cy面の順に、面順次で各色の単色画像データを送信する。
【0045】
図17は、撮像装置2から印刷を指定して特色画像を印刷する際に、プリンタエンジン部100が直接解釈可能なRAW画像データを撮像装置2側で作成するケースにおける、データの流れを示す説明図である。
撮像装置2において、印刷を指定すると、撮像装置2内の記録媒体211または拡張記録媒体212に保持されたJPEG画像及び特色画像に対して、リサイズや回転を含めた各種画像処理を行う。そして、プリンタエンジン部100の仕様に合わせた画像フォーマット変換を行い、Ye、Mg、Cyの各色の単色RAW画像データと、特色の単色RAW画像データとを作成する。そして、印刷装置1に対して、図14に示す処理手順と同様に、まず始めに特色の単色RAW画像データを送信し、続いてYe面、Mg面、Cy面の順に、面順次で各色の単色RAW画像データを送信する。
【0046】
図18は、撮像装置2から印刷を指定して特色画像を印刷する際に、ファイル転送プロトコルを利用してJPEG形式の画像ファイルを印刷装置1に送るケースにおける、データの流れを示す説明図である。
撮像装置2に保持されたJPEG画像及び特色画像に対してダイレクト印刷を指定すると、前記JPEG画像に特色画像を関連付けて、印刷用にフォーマットし直したJPEG画像ファイルを生成し、印刷装置1に対して該JPEG画像ファイルを送信する。なお、本実施形態で定義するダイレクト印刷とは、PCを介さず、撮像装置2から印刷装置1にプリントデータを直接送って印刷を実行する印刷形態のことを指す。
【0047】
次に、撮像装置2において特色の単色画像データ(特色画像データ)を生成する手順について、図20及び図21を参照しながら説明する。図20は、本実施形態において、撮像した画像データから少なくとも1つの高輝度ピクセルで構成される領域を抽出し、特色画像データを生成して特色画像を印刷する処理手順の一例を示すフローチャートである。また、図21は、本実施形態の撮像装置2における第2の信号処理部209の具体的な機能構成例を示すブロック図である。なお、図20に示すフローチャートの処理(ステップS2208は除く)は、制御部204による制御によって行われる。
【0048】
まず、高輝度ピクセル検出部241において、記録媒体211または拡張記録媒体212に格納された画像データを読み出し、前記画像データの中から少なくとも1つの高輝度ピクセルを検出する(ステップS2201)。次に、孤立点領域抽出部242は輪郭線抽出手段として機能し、ステップS2201で検出した少なくとも1つの高輝度ピクセルから、点をグループ化して輪郭線を抽出する(ステップS2202)。そして、孤立点領域抽出部242は領域抽出手段として機能し、抽出した輪郭線から、星型などの特定形状の特色データに置き換えるべき領域を抽出する。本ステップでは予め決めた基準に基づき、丸くて高輝度でサイズの小さい閉領域(孤立点領域)を抽出する(ステップS2203)。なお、この基準は本実施形態に記載の基準と異なるものでもよい。
【0049】
次に、特定図形置換部243は特色置換手段として機能し、ステップS2203で抽出した丸くて高輝度でサイズの小さい閉領域を特定図形に置き換えを行う(ステップS2204)。なお、特定図形については、予め設定された特定図形を用いてもよいし、画像データの内容に応じて特定図形を変更するようにしてもよい。次に、特色置換部244は特色置換手段として機能し、置き換えた特定図形の色を所定色(例えば、より目立つ金色や銀色等の光沢色、蛍光ピンクや蛍光オレンジなどの蛍光色などの特色)に置き換える(ステップS2205)。そして、特色画像データ生成部245において、前記特色で置き換えた特定図形を、二値の信号データである特色画像データに変換し、プリントデータ生成部246に送る(ステップS2206)。
【0050】
次に、プリントデータ生成部246において、記録媒体211または拡張記録媒体212に格納された画像データを読み出して、Ye面、Mg面、及びCy面についての単色画像データをそれぞれ生成する。そして、これらの単色画像データ及び特色画像データ生成部245から送られた特色画像データをプリントデータとして記録媒体211または拡張記録媒体212に一時保管して、印刷装置1に送信する(ステップS2207)。なお、記録媒体211または拡張記録媒体212に一時保管せずに、印刷装置1に直接送信するようにしてもよい。
【0051】
次に、印刷装置1側では、プリンタエンジン部100により、図15に示すフローチャートに従って、特色以外の単色画像データを先に印刷し、後追いで前記特色画像データを上書き印刷する(ステップS2208)。そして、処理を終了する。
【0052】
なお、図19は、図20に示す処理手順を具体的な画像を用いて説明した図である。
図19(a)は、撮像装置2の記録媒体211または拡張記録媒体212に格納された未処理の画像データを示し、図19(b)は、ステップS2201で前記画像データの中から検出された高輝度ピクセルを示している。
【0053】
図19(c)は、ステップS2202で前記高輝度ピクセルから点をグループ化して抽出された輪郭線を示し、図19(d)は、ステップS2203で前記輪郭線から抽出された丸くて白くサイズの小さい閉領域(孤立点領域)を示している。図19(e)は、ステップS2204で前記閉領域から置き換えた特定図形を示し、図19(f)は、ステップS2205で金色、銀色、蛍光色などの特色に置き換えた特定図形を示している。
【0054】
また、図19(g)は、ステップS2206で変換した二値の特色画像データを示し、図19(h)は、ステップS2208で特色以外の画像データの上に前記二値の特色画像データを重ね合わせた結果の画像を示している。
【0055】
以上のように本実施形態においては、撮像装置2側で、画像データの中から高輝度ピクセルを検出し、検出した高輝度ピクセルから構成される孤立点領域を含む画像領域を所定の色及び所定の形状に置き換えた特色画像データを生成する。そして、前記画像データからプロセスカラーの単色画像データを生成して、印刷装置1に送信するようにした。これにより、輝度が高くてサイズの小さい閉領域を印象強くすることができる。したがって、人物が写っていない画像に対しても印象の強い印画物を得ることができる。
【0056】
なお、本実施形態においては、撮像装置2側でプロセスカラーの単色画像データを生成するようにしたが、特色画像データのみを撮像装置2側で生成し、プロセスカラーの単色画像データの生成を印刷装置1側で行うようにしてもよい。この場合、撮像装置2の記録媒体211または拡張記録媒体212に格納された未処理の画像データを印刷装置1に送信し、印刷装置1側の第2の信号処理部109において、受信した画像データからプロセスカラーの単色画像データを生成するようにすればよい。
【0057】
また、本実施形態においては、特定図形置換部243において所定の形状に置き換え、特色置換部244において所定の色に置き換えた。一方、特定図形置換部243による特定図形への置き換えのみを行ったり、または特色置換部244による特色への置き換えのみを行ったりするようにしてもよい。なお、特色置換部244による特色への置き換えのみを行う場合は、孤立点領域抽出部242において、ステップS2201で検出した少なくとも1つの高輝度ピクセルから点をグループ化して、特定図形を形成するように孤立点領域を抽出するようにしてもよい。
【0058】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、撮像装置2側で印刷を指定すると、特色画像データ及び特色以外の単色画像データを生成して印刷装置1に送信した。ところが、特色に対応したインクシートを格納したメディアカセットが印刷装置1に装着されていない場合は、特色画像を印刷することができない。そこで本実施形態では、特色に対応したインクシートを格納したメディアカセットが印刷装置1に装着されていないときは、特色置き換え処理を実行できないように、ユーザインターフェース側で制限している。
【0059】
具体的には、例えば、印刷装置1と撮像装置2とが互いに接続された時に、撮像装置2は、特色に対応したインクシートが装着されているか否かの情報を印刷装置1から受け取る。そして、受け取った情報を基に、特色に対応したインクシートが装着されていない場合は、第1の表示部206にその旨を表示したり、特色に対応した印刷指示を行うことができないようにしたりする。
【0060】
(第3の実施形態)
撮像装置2で撮影した入力画像には、撮影情報が通常は付随されている。本実施形態では、例えば、撮影情報が「夜景モード」であった場合は、夜空に関連のある「星型印」を特定図形として選択し、「山岳モード」であれば、日の出や日の入りに関連のある「十字型印」を特定図形として選択するようにしている。
【0061】
この場合、特定図形置換部243は、画像データに追記されている撮像情報を基に特定図形を決定し、決定した特定図形を用いて孤立点領域を特定図形に置き換えるようにしている。また、撮影情報によっては特定図形に置き換えず、特色画像データを生成しないようにしてもよい。
【0062】
(第4の実施形態)
本実施形態では、置き換えに使用する特定図形の形状や大きさを、元の領域(孤立点領域)の形状や輝度条件に応じて変更することができる。例えば、元の領域の形状が通常より大きかった場合は、その大きさに比例して置き換えに使用する特定図形も大きくする。また、輝度条件が特別に高かった場合は、「十字型印」のクロスフィルター部分の伸びを、通常より長くする。
【0063】
例えば、特定図形の大きさを変更する場合には、孤立点領域抽出部242で抽出された孤立点領域の形状または大きさによって、特定図形置換部243は、特定図形の拡大または縮小を行う。この時、孤立点領域の形状または大きさに対応した倍率をテーブルとして予め保持するようにしてもよい。
【0064】
また、特定図形の形状を変更する場合には、高輝度ピクセル検出部241は、高輝度ピクセルを検出するとともに輝度情報を画像データから取得し、特定図形置換部243に渡すようにする。特定図形置換部243は、輝度情報を基に特定図形の形状を変更する。この時、輝度情報に対応した特定図形の形状をテーブルとして予め保持するようにしてもよい。
【0065】
(第5の実施形態)
第4の実施形態においては、置き換えに使用する特定図形の形状や大きさを、元の領域(孤立点領域)の形状や輝度条件に応じて変更した。本実施形態では、さらに、置き換えに使用する特定図形は、元の領域より大きく、覆いかぶさるようにする。これにより、置き換えた特定図形と下地画像との間に隙間が見えるのを防止することができる。
【0066】
(第6の実施形態)
第1〜第5の実施形態では、撮像装置2で特色領域の抽出、特色画像データへの変換、及びプリントデータの作成を行っていたが、これらの処理を印刷装置1で行ってもよい。つまり、デジタルカメラ等の撮像装置2と通信する印刷装置1が、例えばJPEG形式で圧縮された画像データを受信し、この画像データを解析する。そして、第1〜第5の実施形態と同様の画像処理を行って特色領域を抽出するように構成してもよい。なお、このような動作を行うのは、デジタルカメラ等の撮像装置から受信したジョブ中に、特色画像データへ変換することを指示する情報が記載されている場合とする。または、印刷装置1の入力部105から、特色画像データへ変換することが指示されている場合とする。
【0067】
印刷装置1において特色の単色画像データ(特色画像データ)を生成する手順について、図22及び図23を参照しながら説明する。図22は、本実施形態の印刷装置1における第2の信号処理部109の具体的な機能構成例を示すブロック図である。また、図23は、本実施形態において、撮像した画像データを受信して高輝度ピクセルを検出し、特色画像データを生成して特色画像を印刷する処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図23に示すフローチャートの処理は、制御部104による制御によって行われる。
【0068】
図23において、まず、インターフェース101を介して撮像装置2と接続されたか否かを判断する(ステップS2301)。この判断の結果、撮像装置2と接続されていない場合は、接続されるまで待機する。一方、ステップS2301の判断の結果、撮像装置2と接続された場合は、撮像装置2とネゴシエーションして通信を確立する(ステップS2302)。この時、撮像装置2から撮像装置の能力(解像度など)を取得する。
【0069】
次に、印刷を指示するジョブを撮像装置2から受信したか否かを判断する(ステップS2303)。この判断の結果、ジョブを受信していない場合は、受信するまで待機する。一方、ステップS2303の判断の結果、ジョブを受信した場合は、画像データ(前述した撮影情報などの画像属性データを含む)を撮像装置2に対して要求する。
【0070】
次に、要求した画像データを受信したか否かを判断する(ステップS2305)。この判断の結果、画像データを受信していない場合は、画像データを受信するまで待機する。一方、ステップS2305の判断の結果、画像データを受信した場合は、ステップS2303で受信したジョブを解析し、特色画像データを生成するように特色変換の指示があるか否かを判断する(ステップS2306)。この判断の結果、特色変換の指示がない場合は、特色画像データを作成しないため、ステップS2311に進む。
【0071】
一方、ステップS2306の判断の結果、特色変換の指示がある場合は、ステップS2305で受信した画像属性データの中の撮影情報から画像データの撮影モードを解析する(ステップS2307)。次に、高輝度ピクセル検出部141において、画像解析を行い、ステップS2305で受信した画像データの中から少なくとも1つの高輝度ピクセルを検出する(ステップS2308)。
【0072】
次に、孤立点領域抽出部142は輪郭線抽出手段として機能し、ステップS2308で検出した少なくとも1つの高輝度ピクセルから、点をグループ化して輪郭線を抽出する。そして、孤立点領域抽出部142は領域抽出手段として機能し、抽出した輪郭線から、丸くて白くサイズの小さい閉領域(孤立点領域)を抽出する(ステップS2309)。次に、特定図形置換部143は特色置換手段として機能し、ステップS2309で抽出した丸くて白くサイズの小さい閉領域をステップS2307で解析した撮影モードに応じた特定図形に置き換える。そして、特色置換部144は特色置換手段として機能し、置き換えた特定図形の色を、より目立つ金色、銀色、蛍光色などの特色に置き換える。そして、特色画像データ生成部145において、前記特色で置き換えた特定図形を、二値の信号データである特色画像データに変換して、プリントデータ生成部146に送る(ステップS2310)。
【0073】
次に、プリントデータ生成部146において、ステップS2305で受信した画像データを基に、Ye面、Mg面、及びCy面についての単色画像データをそれぞれ生成する。そして、これらの単色画像データ及び特色画像データ生成部145から送られた特色画像データをプリントデータとしてプリンタエンジン部100に送る(ステップS2311)。
【0074】
次に、プリンタエンジン部100において、図15に示すフローチャートに従って、特色以外の単色画像データを先に印刷し、後追いで前記特色画像データを上書き印刷する(ステップS2208)。そして、処理を終了する。なお、特色画像データを生成しない場合は、特色以外の単色画像データを印刷して処理を終了する。
【0075】
なお、ステップS2306において、ジョブを解析した結果、特色変換の指示がない場合であっても、印刷装置1の入力部105から、特色画像データへ変換することが指示されている場合は、ステップS2307に進むようにする。
【0076】
以上のように本実施形態においては、印刷装置1側で特色領域の抽出、特色画像データへの変換、及びプリントデータの生成を行うようにしたので、撮像装置2側では、撮像した画像データを送信するだけで、印象の強い印刷画像を得ることができる。
【0077】
(第7の実施形態)
第1〜第5の実施形態では、撮像装置2側で特色領域の抽出、特色画像データへの変換、及びプリントデータの作成を行い、第6の実施形態では、印刷装置1側で特色領域の抽出、特色画像データへの変換、及びプリントデータの生成を行った。一方、特色領域の抽出までを撮像装置2で行い、特色変換すべき領域の中心位置情報と、特定図形の形状(星型、十字クロス、丸、三角、四角等)、及び特定図形の大きさについての情報とを印刷装置1にジョブと一緒に通知するようにしてもよい。
【0078】
この場合、このジョブを受けた印刷装置1は、特色変換すべき領域の中心位置情報と、特定図形の形状(星型、十字クロス、丸、三角、四角等)、及び特定図形の大きさについての情報とに基づいて、特色画像データへの変換及びプリントデータの生成を行う。そして、第6の実施形態と同様に印刷処理を行う。
【0079】
以上のように第6及び第7の実施形態によれば、カメラからのダイレクト印刷においても、ユーザが難しい画像処理プログラムを操作しなくても、簡単な指示のみで特色を使った楽しいプリントを実現することが可能となる。なお、カメラ及びプリンタの能力を比較して、第6の実施形態のようにプリンタ側で特色領域を抽出するか、第7の実施形態のようにカメラ側で特色領域を抽出するかを設定できるようにしてもよい。
【0080】
(本発明に係る他の実施形態)
前述した本発明の実施形態における画像処理装置を構成する各手段、並びに画像処理方法の各工程は、コンピュータのRAMやROMなどに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は本発明に含まれる。
【0081】
また、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施形態も可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0082】
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(実施形態では図14、15、20、23に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システムまたは装置に直接、または遠隔から供給する場合も含む。そして、そのシステムまたは装置のコンピュータが前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
【0083】
したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、前記コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0084】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
【0085】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスクなどがある。さらに、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM、DVD−R)などもある。
【0086】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する方法がある。そして、前記ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。
【0087】
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0088】
また、その他の方法として、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記録媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0089】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。さらに、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0090】
さらに、その他の方法として、まず記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。そして、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の第1の実施形態における全体構成の一例を示す外観図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における印刷装置の機能構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態における撮像装置の機能構成例を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態において、印刷の詳しい仕組みの一例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態において、印刷装置の給紙の仕組みの一例を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態において、印刷装置の排紙の仕組みの一例を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態において、サーマルヘッドの詳細な構造の一例を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施形態において、メディアカセットの仕組みの一例を示す外観図である。
【図9】従来のメディアカセットに含まれるインクシートの一例を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施形態におけるメディアカセットに含まれるインクシートの一例を示す図である。
【図11】本発明の第1の実施形態において、印字後の受像紙の断面の一例を示す図である。
【図12】下地を白抜きしなかった場合における特色の印刷例を示す図である。
【図13】下地を白抜きした場合における特色の印刷例を示す図である。
【図14】本発明の第1の実施形態において、特色画像データ及びプロセスカラーの単色画像を撮像装置から印刷装置に送信する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第1の実施形態の印刷装置において、特色画像データを受信してから印刷を行う処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第1の実施形態において、PCから印刷を指定して特色画像を印刷する際のデータの流れを示す説明図である。
【図17】本発明の第1の実施形態において、撮像装置から印刷を指定して特色画像を印刷する際に、撮像装置側でプリンタエンジン部が直接解釈可能なRAW画像データを作成するケースにおける、データの流れを示す説明図である。
【図18】本発明の第1の実施形態において、撮像装置から印刷を指定して特色画像を印刷する際に、ファイル転送プロトコルを利用してJPEG形式の画像ファイルを印刷装置に送るケースにおけるデータの流れを示す説明図である。
【図19】本発明の第1の実施形態において、撮像した画像データから高輝度ピクセルを検出し、特色画像データを生成して特色画像を印刷する処理手順の一例を具体的な画像を用いて説明した図である。
【図20】本発明の第1の実施形態において、撮像した画像データから高輝度ピクセルを検出し、特色画像データを生成して特色画像を印刷する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図21】本発明の第1の実施形態の撮像装置の第2の信号処理部の具体的な機能構成例を示すブロック図である。
【図22】本発明の第6の実施形態の印刷装置の第2の信号処理部の具体的な機能構成例を示すブロック図である。
【図23】本発明の第6の実施形態の印刷装置において、撮像した画像データから高輝度ピクセルを検出し、特色画像データを生成して特色画像を印刷する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0092】
1 印刷装置
2 撮像装置
3 PC
4 メモリカードスロット
5 メモリカードスロット
101 インターフェース
102 受信バッファ
103 第1の信号処理部
104 制御部
105 入力部
106 第1の表示部
107 フレームメモリ
108 第2の表示部
109 第2の信号処理部
110 記録媒体制御部
111 記録媒体
112 拡張記録媒体
113 CPU
114 RAM
115 ROM
120 給紙トレイ
121 排紙口
122 メディアカセット
123 プリント実行ボタン
124 電源スイッチ
125 サーマルヘッド
126 プラテンローラー
127 ピンチローラー
128 給排紙ローラー
129 剥離板
130 発熱抵抗体
131 送り側のボビン
132 巻き取り側のボビン
141 高輝度ピクセル検出部
142 孤立点領域抽出部
143 特定図形置換部
144 特色置換部
145 特色画像データ生成部
146 プリントデータ生成部
201 光学系
202 CCD
203 第1の信号処理部
204 制御部
205 入力部
206 第1の表示部
207 フレームメモリ
208 第2の表示部
209 第2の信号処理部
210 記録媒体制御部
211 記録媒体
212 拡張記録媒体
213 CPU
214 RAM
215 ROM
216 インターフェース
223 電源スイッチ
241 高輝度ピクセル検出部
242 孤立点領域抽出部
243 特定図形置換部
244 特色置換部
245 特色画像データ生成部
246 プリントデータ生成部
301 インターフェースケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データの中から、少なくとも1つの高輝度ピクセルを検出する高輝度ピクセル検出手段と、
前記高輝度ピクセル検出手段によって検出された少なくとも1つの高輝度ピクセルから構成される孤立点領域を抽出する孤立点領域抽出手段と、
前記孤立点領域抽出手段によって抽出された孤立点領域を含む画像領域を所定の色の画像及び所定の形状の画像のうち少なくとも何れかに置き換えるための特色画像データを生成する特色画像データ生成手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記孤立点領域抽出手段は、前記少なくとも1つの高輝度ピクセルで構成される点を囲う輪郭線の形状を判断して前記孤立点領域を抽出することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記特色画像データ生成手段は、二値で構成される信号データとして前記特色画像データを生成することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記所定の色は、光沢色、または蛍光色の何れかであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記特色画像データ生成手段は、前記画像データが生成された撮影モードによって、変換するか否かを決定することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記特色画像データ生成手段によって生成された特色画像データと前記画像データとを合成して印刷を行う印刷手段を有することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記所定の形状は、星型または十字型の形状であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
画像データの中から、複数の高輝度ピクセルを検出する高輝度ピクセル検出手段と、
前記高輝度ピクセル検出手段によって検出された複数の高輝度ピクセルをグループ化した領域を抽出する領域抽出手段と、
前記領域抽出手段によって抽出された領域を所定色の特定図形へ置き換える特色置換手段と、
前記特色置換手段によって置き換えられた前記所定色の特定図形を、二値で構成される信号データに変換して特色画像データを生成する特色画像データ生成手段と、
前記特色画像データ生成手段によって生成された特色画像データを前記画像データに上書きして印刷する印刷手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
前記特色置換手段は、前記所定の色を印刷するためのカセットが前記画像処理装置に装着されているときに置き換えを行うことを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記特色置換手段は、画像データに付随する撮影情報に応じて特定図形を変更することを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記特色置換手段は、置き換えに使用する図形の形状または大きさを、元の領域の形状または輝度条件に応じて変更することを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記特色置換手段は、元の領域より大きく上書きすることを特徴とする請求項11に記載の画像処理装置。
【請求項13】
画像データの中から、少なくとも1つの高輝度ピクセルを検出する高輝度ピクセル検出工程と、
前記高輝度ピクセル検出工程において検出した少なくとも1つの高輝度ピクセルから構成される孤立点領域を抽出する孤立点領域抽出工程と、
前記孤立点領域抽出工程において抽出した孤立点領域を含む画像領域を所定の色の画像及び所定の形状の画像のうち少なくとも何れかに置き換えるための特色画像データを生成する特色画像データ生成工程とを有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項14】
画像データの中から、複数の高輝度ピクセルを検出する高輝度ピクセル検出工程と、
前記高輝度ピクセル検出工程において検出した複数の高輝度ピクセルをグループ化した領域を抽出する領域抽出工程と、
前記領域抽出工程において抽出した領域を所定色の特定図形へ置き換える特色置換工程と、
前記特色置換工程において置き換えた前記所定色の特定図形を、二値で構成される信号データに変換して特色画像データを生成する特色画像データ生成工程と、
前記特色画像データ生成工程において生成した特色画像データを前記画像データに上書きして印刷する印刷工程とを有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項15】
画像データの中から、少なくとも1つの高輝度ピクセルを検出する高輝度ピクセル検出工程と、
前記高輝度ピクセル検出工程において検出した少なくとも1つの高輝度ピクセルから構成される孤立点領域を抽出する孤立点領域抽出工程と、
前記孤立点領域抽出工程において抽出した孤立点領域を含む画像領域を所定の色の画像及び所定の形状の画像のうち少なくとも何れかに置き換えるための特色画像データを生成する特色画像データ生成工程とをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項16】
画像データの中から、複数の高輝度ピクセルを検出する高輝度ピクセル検出工程と、
前記高輝度ピクセル検出工程において検出した複数の高輝度ピクセルをグループ化した領域を抽出する領域抽出工程と、
前記領域抽出工程において抽出した領域を所定色の特定図形へ置き換える特色置換工程と、
前記特色置換工程において置き換えた前記所定色の特定図形を、二値で構成される信号データに変換して特色画像データを生成する特色画像データ生成工程と、
前記特色画像データ生成工程において生成した特色画像データを前記画像データに上書きして印刷する印刷工程とをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項17】
請求項15または16に記載のプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2008−283574(P2008−283574A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−127283(P2007−127283)
【出願日】平成19年5月11日(2007.5.11)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】