画像処理装置及び画像処理方法
【課題】画像処理装置に一旦保存した画像データをその後の操作入力に従って印刷する際に、保存時と印刷時との出力特定の変化により印刷物の色味が異なってしまったり、色味の異なる印刷物を出力してしまったりすることを防ぐようにする。
【解決手段】画像処理装置は、情報処理装置から送信された画像データを一旦保存し、該画像処理装置に対する所定の操作入力による印刷指示に従って印刷する親展印刷機能を備える。そして、出力特性比較部34,53は、画像処理装置に保存されている画像データの印刷指示が行われた際に、画像データが保存されたときの画像処理装置の出力特性と、印刷指示が行われた時点の画像処理装置の出力特性とを比較する。そして画像処理装置では、比較した出力特性に所定値以上の差があると判断した場合は、印刷を指示した時点の画像処理装置の出力特性を元に、印刷する画像データを生成し直す。
【解決手段】画像処理装置は、情報処理装置から送信された画像データを一旦保存し、該画像処理装置に対する所定の操作入力による印刷指示に従って印刷する親展印刷機能を備える。そして、出力特性比較部34,53は、画像処理装置に保存されている画像データの印刷指示が行われた際に、画像データが保存されたときの画像処理装置の出力特性と、印刷指示が行われた時点の画像処理装置の出力特性とを比較する。そして画像処理装置では、比較した出力特性に所定値以上の差があると判断した場合は、印刷を指示した時点の画像処理装置の出力特性を元に、印刷する画像データを生成し直す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及び画像処理方法に関し、より詳細には、親展印刷における画像生成時の出力特性と印刷時の出力特性が異なる場合でも、色味の変わらない印刷結果を得ることができる画像処理装置と画像処理方法、及び画像処理装置に保存している印刷情報を利用者が望む色合いで印刷する画像処理装置と画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プリンタなどの画像処理装置でドキュメントを印刷する際に、印刷すべき画像データをプリンタ本体にパスワード付で保存しておき、プリンタ上からパスワードを解除して印刷を行う「親展印刷」の技術が広まっている。このとき、プリンタのトナーの出力特性に合わせて生成した画像データを保存するが、トナーの出力特性は、環境、時間、トナー残量によって変更されることがあるため、画像データを生成してから印刷を行うまでに出力特性が変更され、画像データの印刷結果がユーザの所望する色味と異なってしまう場合がある。
【0003】
また、印刷ジョブを印刷せずにプリンタに保存する場合、印刷ジョブを画像データに変換したものをプリンタのHDDに保存していた。このような場合、印刷ジョブを画像データに変換する際に、情報処理装置(PC)のプリンタドライバでは、プリンタの出力特性を考慮して変換を行っている。
【0004】
特許文献1には、2値プリンタ装置であっても、画像データから特定原稿が存在するか否かの判定処理をひとつの判定部で行い、特定原稿の複写あるいはコンピユータ等の外部機器からの特定画像データの印字を未然に防止することを目的とした画像処理装置が開示されている。この特許文献1には、コンピュータから送信された出力画像の色味情報を登録することが示されている。
【特許文献1】特開平5−14683号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、親展印刷時の出力特性については考慮することはなく、最初の印刷時に画像データを生成したときの出力特性と、再印刷時に画像データを出力するときの出力特性が異なる場合、所望する印刷結果が得られない可能性がある。
例えば、プリンタ等の画像処理装置の出力特性は、時間・使用状況により動的に変化するため、保存された印刷ジョブを印刷する時点の出力特性と、印刷ジョブを画像データに変換した時点の出力特性とが必ずしも一致しないことが多い。その結果、保存された印刷ジョブを印刷するときに色味が異なってしまうという問題があった。
また、特許文献1は、登録された色味情報とコンピュータからの出力画像の色味を判定するもので、出力画像に対して画像調整を行うものではない。
【0006】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたもので、画像処理装置に一旦保存した画像データをその後の操作入力に従って印刷する際に、保存時と印刷時との出力特定の変化により印刷物の色味が異なってしまったり、色味の異なる印刷物を出力してしまったりすることを防ぐことができるようにした画像処理装置及び画像処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、画像処理装置に保存されている画像データを、画像処理装置に対する所定の操作入力による印刷指示に従って印刷する機能を備えた画像処理装置であって、画像処理装置に保存されている画像データの印刷指示が行われた際に、印刷に際して使用する特性値を定めた出力特性を比較する出力特性比較手段を有し、出力特性比較手段は、画像データが保存されたときの画像処理装置の出力特性と、印刷指示が行われた時点の画像処理装置の出力特性とを比較し、出力特性比較手段により比較した結果、比較した出力特性に所定値以上の差があると判断した場合は、印刷を指示した時点の画像処理装置の出力特性を元に、印刷する画像データを生成し直すことを特徴としたものである。
【0008】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、出力特性比較手段は、画像データを画像処理装置に保存した時から印刷の実行までの時間が所定時間以上経過している場合には、出力特性の比較を行うことを特徴としたものである。
【0009】
第3の技術手段は、第1または2の技術手段において、出力特性比較手段は、画像データを画像処理装置に保存した時から印刷の実行までに、印刷に使用するトナーを所定量以上使用していた場合に、出力特性の比較を行うことを特徴としたものである。
【0010】
第4の技術手段は、第1〜3のいずれかの技術手段において、画像処理装置は、複数色のトナーにより印刷を行う機能を備え、出力特性比較手段が出力特性を比較した際に、複数色のトナーのそれぞれに対応した出力特性のうち1色でも出力特性に所定値以上の差があれば、印刷する画像データを生成し直す処理を行い、生成し直す画像データは、出力特性に所定値以上の差があるトナーに対応した画像データとすることを特徴としたものである。
【0011】
第5の技術手段は、第1〜3のいずれかの技術手段において、画像処理装置は、複数色のトナーにより印刷を行う機能を備え、出力特性比較手段が出力特性を比較した際に、複数色のトナーのそれぞれに対応した出力特性のうち1色でも出力特性に所定値以上の差があれば、印刷する画像データを生成し直す処理を行い、生成し直す画像データは、全てのトナーに対応した全ての画像データとすることを特徴としたものである。
【0012】
第6の技術手段は、画像処理装置に保存されている画像データを、画像処理装置に対する所定の操作入力による印刷指示に従って印刷する機能を備えた画像処理装置によって実行する画像処理方法であって、画像処理装置に保存されている画像データの印刷指示が行われた際に、印刷に際して使用する特性値を定めた出力特性について、画像データが保存されたときの画像処理装置の出力特性と、印刷指示が行われた時点の画像処理装置の出力特性とを比較する出力特性比較ステップと、出力特性比較ステップにより比較した結果、比較した出力特性に所定値以上の差があると判断した場合は、印刷を指示した時点の画像処理装置の出力特性を元に、印刷する画像データを生成し直すステップとを有することを特徴としたものである。
【0013】
第7の技術手段は、画像処理装置に保存されている画像データを、画像処理装置に対する所定の操作入力による印刷指示に従って印刷をする機能を備えた画像処理装置であって、画像処理装置に保存されている画像データの印刷指示が行われた際に、画像データが保存された時点から、印刷指示が行われた時点までの所定の特徴量の変化に基づいて、画像データの1部の頁だけを印刷するか、もしくは画像データの全頁を印刷するかを決定することを特徴としたものである。
【0014】
第8の技術手段は、第7の技術手段において、画像データが保存された時点から、印刷指示が行われた時点までの画像データの保存期間を算出する期間算出部を備え、特徴量として期間算出部で算出した保存期間を用い、保存期間が、画像処理装置に予め設定されている期間を超過していた場合、画像データの1部の頁だけを印刷し、超過していない場合は、画像データの全頁を印刷することを特徴としたものである。
【0015】
第9の技術手段は、第7または8の技術手段において、特徴量として、画像データが保存された時点から、印刷指示が行われた時点までの画像処理装置の所定の使用状況の変化量を用い、使用状況の変化量が画像処理装置に予め設定されている設定値を超過していた場合、画像データの1部の頁だけを印刷し、超過していない場合は、画像データの全頁を印刷することを特徴としたものである。
【0016】
第10の技術手段は、第9の技術手段において、使用状況の変化量は、画像処理装置のトナー残量の変化量であることを特徴としたものである。
【0017】
第11の技術手段は、第9の技術手段において、使用状況の変化量は、画像処理装置が設置された場所の気温の変化量であることを特徴としたものである。
【0018】
第12の技術手段は、第9の技術手段において、使用状況の変化量は、画像処理装置が設置された場所の湿度の変化量であることを特徴としたものである。
【0019】
第13の技術手段は、第7〜12のいずれかの技術手段において、画像データの1部の頁は、画像データの最初の1頁であることを特徴としたものである。
【0020】
第14の技術手段は、画像処理装置に保存されている画像データを、画像処理装置に対する所定の操作入力による印刷指示に従って印刷をする機能を備えた画像処理装置で実行する画像処理方法であって、画像処理装置に保存されている画像データの印刷指示が行われた際に、画像データが保存された時点から、印刷指示が行われた時点までの所定の特徴量の変化を検出するステップと、検出した特徴量の変化に基づいて、画像データの表紙の1頁だけを印刷するか、もしくは画像データの全頁を印刷するかを決定するステップと、を有することを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、画像処理装置に一旦保存した画像データをその後の操作入力に従って印刷する際に、保存時と印刷時との出力特定の変化により印刷物の色味が異なってしまったり、色味の異なる印刷物を出力してしまったりすることを防ぐことができるようにした画像処理装置及び画像処理方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明による画像処理装置の実施例では、親展印刷処理などによって画像処理装置に印刷可能な状態で保存された画像データ(C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー),Bk(ブラック))に対して、ユーザが印刷を指示した際に、画像データが保存された時点の画像処理装置の出力特性と、印刷を指示した時点の画像処理装置の出力特性とが、所定値以上に差があると判断した場合は、印刷を指示した時点の画像処理装置の出力特性を元に、画像データを生成し直すようにしている。これにより、画像データを保存して長時間経過した後でも印刷物の色味が所望する色味と異なってしまうことを防ぐことができる。
【0023】
さらに本発明による画像処理装置の他の実施例では、画像処理装置に一旦保存された画像データを印刷する時に、画像データが保存された時点から利用者が印刷指示を行った時点までの保存期間を算出する期間算出部を備え、算出した保存期間が画像処理装置に予め設定されている期間を超過していた場合、画像データの一部の指定頁、例えば表紙の1頁だけを印刷し、超過していない場合は、全頁を印刷する。このような構成にすることにより、長時間の印刷放置が原因で、利用者が望まない色合いで印刷物が出力されることを防ぐことができる。
以下に本発明に係る実施例を添付された図面を参照しながら具体的に説明する。
【0024】
(実施例1)
図1は、本発明に適用できる画像処理装置をローカルネットワークに接続した状態を説明する図である。画像処理装置A,Bは、ネットワークであるローカルエリアネットワーク(LAN)を介して、情報処理装置A,Bと相互に接続されている。
ここで、画像処理装置Aと情報処理装置Aは、情報処理装置Aからプリンタ言語を使用して生成した印刷データを画像処理装置Aに送信し、画像処理装置Aで印刷する画像データを生成して印刷を行うものである。
また、画像処理装置Bと情報処理装置Bは、情報処理装置Bで画像データを含む印刷データを画像処理装置Bに送信し、画像処理装置Bで印刷データから画像データを抽出して印刷を行うものである。
【0025】
図2は、図1に示す情報処理装置と画像処理装置の装置構成例を更に詳しく説明するための図である。情報処理装置Aは、制御部11と、通信部14と、ユーザI/F部15とを備えている。また、制御部11は、印刷データ生成部12と、印刷データ送信部13とを備える。
印刷データ生成部12は、ドキュメントの印刷が指示された場合に、画像処理装置Aが指定されたドキュメントを印刷するための印刷データを生成するものである。印刷データ送信部13は、印刷データ生成部12で生成した印刷データを、通信部14を介して画像処理装置Aへ送信するものである。
通信部14は、情報処理装置Aと、情報処理装置B,及び画像処理装置A,Bとを、LAN等のネットワークを介して通信可能に接続する。
【0026】
ユーザI/F部15は、ユーザが印刷や親展印刷の設定を行うためのものである。例えば、図3は、ユーザI/F部15の表示画面の一例を示す図である。この表示画面70では、親展印刷を行うか否かを設定するチェックボックス71と、パスワードを設定するか否かを設定するチェックボックス72と、パスワード文字列を入力するパスワード入力欄73とが設けられている。
親展印刷の一種として、パスワードを設定せずに画像データを画像処理装置で保持させるホールド印刷の設定も可能とすることもできる。パスワードを設定した親展印刷処理では、画像処理装置で一旦保持させた画像データを印刷させる際に、画像処理装置に対して印刷指示とパスワードの操作入力を行う。またパスワードを必要としないホールド印刷では、画像処理装置で一旦保持させた画像データを印刷させるために、画像処理装置に印刷指示の操作入力を行う。
【0027】
次に、画像処理装置Aは、図2に示すように、制御部31と、通信部37と、記憶部38と、ユーザI/F部41とを備えている。制御部31は、出力特性取得部32と、画像生成部33と、出力特性比較部34と、画像変換部35と、画像出力部36とを備えている。また、記憶部38は、画像記憶部39と、出力特性記憶部40とを備えている。
【0028】
画像処理装置Aの出力特性取得部32は、現在の画像処理装置Aの出力特性であるトナー各色のガンマテーブルを取得するものである。
図4は、画像処理装置のガンマテーブルの一例を示している。このガンマテーブルは、印刷に際して使用する特性値を定めた本発明の出力特性の一例を示している。ここでは、シアン・マゼンタ・イエロー・ブラックの各色に関して、0〜255の256段階それぞれの画素値を出力するために必要な入力画素値を示している。例えば、図4のシアンのガンマテーブル(出力特性)は、0を出力するためには0、1を出力するためには2、2を出力するためには4、3を出力するためには6、255を出力するためには255の入力画素値が必要であることを示している。また、出力特性を生成したときの日時・トナー残量・環境についても記憶されている。ここでは、トナー残量としては、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのそれぞれのトナーの残量が記憶され、環境としては、温度と湿度とが記憶されている。
【0029】
画像生成部33は、情報処理装置Aから受信した印刷データから、出力する画像データを生成し、出力特性取得部32で取得した出力特性を元に、画像データを再生成するものである。
画像記憶部39は、ROMやRAM等のような記憶手段であり、画像生成部33で生成した画像データを記憶するものである。また、出力特性記憶部40は、ROMやRAM等のような記憶手段であり、出力特性取得部32で取得した図4のような出力特性を記憶するものである。
【0030】
出力特性比較部34は、出力特性記憶部40で記憶した出力特性と、出力特性取得部32で取得した出力特性を比較するものである。例えば、図5のような2つの出力特性がある場合、マゼンタ・イエロー・ブラックに関しては全ての値が同じであるため、出力特性が同じであると判断する。また、シアンに関しては、それぞれの出力特性が「0,2,4,6,…,255」・「0,1,3,6,…,255」となっており、2番目・3番目の値が異なる。このような場合、1つでも値が異なっていれば、出力特性が異なると判断しても良いし、全体の5%異なっていた場合に出力特性が異なるというように、基準を設けて判断してもよい。
【0031】
また、上記のような出力特性を比較するときに、図6に示すように、出力特性を比較する/しないの基準を設けても良い。図6では、画像データ生成時の出力特性と現在の出力特性の「生成日時」・「トナー残量」・「環境」によって基準を設け、これらの基準全て当てはまる場合に出力特性の比較を行う。
例えば、図6では生成日時の基準が12時間と設定されており、画像データ生成時(つまり画像処理装置に画像データが保存された時)の出力特性の生成日時と、印刷が実行された現在の日時との間に12時間以上の差がある場合に出力特性の比較を行う。
【0032】
また、図6のトナー残量の基準のようにカテゴリを設定しておいてもよい。図6において、シアンのトナー残量の場合には、0〜9%、10〜79%、80%〜100%でカテゴリ分けされている。ここで、画像データ生成時のシアンのトナー残量が95%で現在のシアンのトナー残量が80%の場合は、これらのトナー残量が同じカテゴリに属しているため、出力特性の比較は行わない。また、画像データ生成時のシアンのトナー残量が95%で現在のシアンのトナー残量が79%の場合は、これらのトナー残量が別のカテゴリとなるため、出力特性の比較を行う。
また、図6では環境の基準として温度±5度、及び湿度±30%が設定されている。この基準に従って、画像データ生成時と現在の温度、湿度の差が基準より上回っていれば、出力特性の比較を行う。
【0033】
つまり、この例では、出力特性比較部34(出力特性比較手段)は、画像データを画像処理装置Aに保存した時から印刷の実行までの時間が所定時間以上の場合に、それらの出力特性の比較を行うようにしている。さらに出力特性比較部34は、画像データを画像処理装置Aに保存した時から印刷の実行までに、印刷に使用するトナーを所定量以上使用していた場合に、出力特性の比較を行うようにしている。これら出力特性を比較するか否かは、上記の時間条件だけで判断してもよく、また使用したトナー量で判断してもよく、またその両方で判断してもよい。
【0034】
画像変換部35は、画像記憶部39で記憶した画像データに対して、現在の出力特性を元に画像データの再生成を行うものである。例えば、画像記憶部39である出力特性を考慮した画像データであった場合、その出力特性の影響を除去した後、現在の出力特性を元に再生成を行う。
画像出力部36は、画像記憶部39で記憶された画像データ、または、画像変換部35で再生成された画像データを印刷するものである。
通信部37は、画像処理装置Aと、情報処理装置A,B、画像処理装置Bとを、LAN等のネットワークを介して通信可能に接続する。
【0035】
ユーザI/F部41は、画像処理装置上に設置されたタッチパネルディスプレイ等のようなユーザI/Fであり、ユーザによる親展印刷機能の指定を可能とするものである。図7は、画像処理装置のユーザI/Fとして機能するタッチパネルディスプレイ80の表示例を示す図である。例えば、ユーザが親展印刷を行う場合、図7(A)のように、画像処理装置の操作部に設けられた表示画面80に対して、親展印刷登録されている印刷ジョブ一覧を表示する。図7(A)上でユーザが“a.doc”を選択すると、図7(B)のように選択した印刷ジョブに対して行うことができる処理一覧を表示する。図7(B)上でユーザが“印刷”を選択すると、印刷ジョブが印刷される。また、図3のように、情報処理装置のユーザI/F15部でパスワードが設定されている場合は、図7(C)のような画面でパスワードの入力を促し、パスワードが一致する場合のみ、処理を行うようにすることもできる。
【0036】
次に情報処理装置Bは、図2に示すように、制御部21と、通信部25と、記憶部26と、ユーザI/F部28とを備えている。制御部21は、出力特性取得部22と、印刷データ生成部23と、印刷データ送信部24とを備えている。また、記憶部26は、出力特性記憶部27を備えている。
【0037】
出力特性取得部22は、通信部25を介して、図4に示すような現在の画像処理装置Bの出力特性であるトナー各色のガンマテーブルを取得するものである。この処理は印刷時に毎回取得してもよいし、ユーザが指示したときにのみ取得してもよい。また、定期的に取得を行ってもよい。
【0038】
出力特性記憶部27は、ROMやRAM等のような記憶手段であり、出力特性取得部22で取得した図4に示すような出力特性を記憶するものである。
印刷データ生成部23は、ドキュメントの印刷が指示された場合に、指定されたドキュメントを画像処理装置Bで印刷するための印刷データを生成するものである。このとき、出力特性記憶部27で記憶されている出力特性に合わせて印刷データの生成を行う。
【0039】
印刷データ送信部24は、印刷データ生成部23で生成した印刷データと出力特性記憶部27で記憶している出力特性を、通信部25を介して画像処理装置Bへ送信する。
ユーザI/F部28は、ユーザが印刷の設定や、図3に示すような親展印刷の設定を行うためのもので、例えばタッチパネルディスプレイのようなものである。
通信部25は、情報処理装置Bと、情報処理装置A、画像処理装置A,Bとを、LAN等のネットワークを介して通信可能に接続する。
【0040】
次に画像処理装置Bは、図2に示すように、制御部51と、通信部56と、記憶部57と、ユーザI/F部60とを備えている。制御部51は、出力特性取得部52と、出力特性比較部53と、画像変換部54と、画像出力部55とを備えている。また、記憶部57は、画像記憶部58と、出力特性記憶部59とを備えている。
【0041】
出力特性取得部52は、現在の画像処理装置Bの出力特性であるトナー各色のガンマテーブルを取得するものである。
画像記憶部58は、ROMやRAM等のような記憶手段であり、情報処理装置Bから受信した画像データを記憶するものである。
出力特性記憶部59は、ROMやRAM等のような記憶手段であり、情報処理装置Bから受信した出力特性を記憶するものである。
【0042】
出力特性比較部53は、出力特性記憶部59で記憶した出力特性と、出力特性取得部52で取得した出力特性を比較するものである。
画像変換部54は、画像記憶部58で記憶した画像データに対して、現在の出力特性を元に画像データの再生成を行うものである。
画像出力部55は、画像記憶部58で記憶された画像データ、または、画像変換部54で再生成された画像データを印刷するものである。
通信部56は、画像処理装置Bと、情報処理装置A,B、画像処理装置Aとを、LAN等のネットワークを介して通信可能に接続する。
【0043】
情報処理装置A,画像処理装置Aのように、画像処理装置のみが出力特性を記憶し、画像データを生成してもよいし、情報処理装置B,画像処理装置Bのように、情報処理装置が画像処理装置の出力特性を取得し、画像データを生成してもよい。
図8〜12のフローチャートは、本実施例に係わる画像処理装置と情報処理装置の処理例を示している。
【0044】
図8は、情報処理装置Aで親展印刷を指示する処理例を示している。情報処理装置AのユーザI/F部15で親展印刷の設定が行われ、印刷開始が指示されると、まず画像処理装置側で印刷するための印刷データを生成する(ステップS1)。この印刷データには、印刷するドキュメントの情報に加えて、親展印刷のON/OFF、親展印刷のパスワードなどの親展印刷設定も含まれる。次に、情報処理装置Aは、生成した印刷データを画像処理装置へ送信し(ステップS2)、処理を終了する。
【0045】
図9は、図8の処理により情報処理装置Aから送信された印刷データを受信した画像処理装置Aの処理例を示している。まず、画像処理装置Aの現在の出力特性を取得し(ステップS11)、画像処理装置Aで受信した印刷データ(PDLデータ)から印刷する画像データを生成する(ステップS12)。
【0046】
次に、ステップS12で生成した画像データのそれぞれの画素に対して、ステップS11で取得した出力特性を元に画像の生成を行う(ステップS13)。例えば、現在の出力特性が図4に示す特性を持っていた場合、ステップS12で生成した画像のある画素のシアンの値が0であった場合は0に、1であった場合は2に、2であった場合は4に、3であった場合は6に、255であった場合は255というように画素の値を変更する。
【0047】
次に、画像処理装置Aでは、情報処理装置Aから受信した印刷データが親展印刷を指示しているかどうかを判断し(ステップS14)、親展印刷を指示している場合はステップS13で再生成した画像データとステップS11で取得した出力特性を保存し(ステップS15)、処理を終了する。親展印刷を指示していない場合は、ステップS13で再生成した画像データを出力する。
【0048】
図10は、情報処理装置Bで親展印刷を指示する処理例を示している。情報処理装置B側のユーザI/F部28により親展印刷の設定が行われ、印刷開始が指示されると、情報処理装置Bでは、印刷データ(GDI(Graphics Device Interface)データ)を生成する(ステップS21)。この印刷データには、親展印刷のON/OFF、親展印刷のパスワードなどの親展印刷設定も含まれる。
次に、情報処置装置Bでは、既に画像処理装置Bから取得して記憶している出力特性を読み込む(ステップS22)。または、印刷のたびにこの時点で画像処理装置Bの出力特性を取得してもよい。
【0049】
次に、ステップS21で生成した印刷データに、ステップS22で取得した出力特性をかけて印刷データの生成を行う(ステップS23)。例えば、現在の出力特性が図4に示す特性を持っていた場合、ステップS12で生成した画像のある画素のシアンの値が0であった場合は0に、1であった場合は2に、2であった場合は4に、3であった場合は6に、255であった場合は255というように画素の値を変更する。最後に、ステップS23で再生成した印刷データと出力特性とを画像処理装置Bに送信し(ステップS24)、処理を終了する。
【0050】
図11は、図10の処理により情報処理装置Bから送信された印刷データを受信した画像処理装置Bの処理例を示している。まず、画像処理装置Bでは、情報処理装置Bから受信した印刷データが親展印刷を指示しているかどうかを判断し(ステップS31)、親展印刷を指示している場合は受信した印刷データから抽出した画像データと出力特性を保存する(ステップS32)。また、受信した印刷データが親展印刷を指示していない場合は、受信した印刷データから抽出した画像データを印刷する(ステップS33)。
【0051】
図12は、画像処理装置A,Bで親展印刷が指示された場合の処理例を示している。まず、画像処置装置では、現在の画像処理装置の出力特性を取得し(ステップS41)、保存されている画像データと出力特性を取得する(ステップS42)。保存されている画像データと出力特性とは、上記図9のステップS15(画像処理装置A)、または図11のステップS32(画像処理装置B)で保存したものである。
【0052】
そして、ステップS41で取得した現在の出力特性と、ステップS42で取得した出力特性とを比較し(ステップS43)、これらが一致した場合にはステップS46へ移行する。また、一致しない場合には、画像データから過去の出力特性、つまり画像データ生成時の出力特性を除去し(ステップS44)、現在の出力特性を元に画像を再生成する。ここでは、画像データに現在の出力特性をかけで画像を再生する(ステップS45)。
【0053】
次に、画像処理装置では、親展印刷にパスワードの設定があるかどうかを判断し(ステップS46)、パスワードの設定がない場合はステップS49へ移行する。パスワードの設定がある場合は図7(C)に示すようなパスワードを要求する画面を表示する(ステップS47)。パスワードが入力されたら、そのパスワードと設定されているパスワードとが一致するかどうかを判断し(ステップS48)、一致しなければステップS47に戻る。一致した場合は画像データを印刷する(ステップS49)。
【0054】
図13は、画像処理装置A,Bで2つの出力特性を比較するときの処理例を示している。出力特性を比較するに際し、まず、双方の出力特性の生成日時の差を算出し、図6の基準以上かどうか判断を行う(ステップS51)。比較する出力特性は、保存した画像データが生成され保存された時の出力特性と、印刷が指示されて印刷を実行する時の出力特性である。つまり、出力特性比較部(手段)では、画像処理装置に画像データが保存された時の出力特性と、印刷が指示されてその画像データを出力するときの出力特性とを比較する。
【0055】
そして出力特性を比較した結果、上記の生成日時の差が基準以上(所定値以上)であれば、ステップS54へ移行する。また、出力特性の生成日時の差が基準より小さければ、双方の出力特性を生成したとき(画像データの保存時及び印刷実行時)の環境(温度・湿度)の差を算出し、図6の基準以上かどうかを判断する(ステップS52)。ここで基準以上であれば、ステップS54へ移行する。この場合、温度と湿度との両方の差が基準以上であるときに、環境の差が基準以上であると判断してもよく、また、温度と湿度のいずれか一方の差が基準以上であるときに、環境の差が基準以上であると判断するようにしてもよい。
【0056】
そして、環境の差が基準より小さいと判断した場合には、双方の出力特性を生成したときの各色のトナー残量を図6のカテゴリに分け、カテゴリが異なるかどうかを判断する(ステップS53)。
この場合、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのうち1色でもトナー残量のカテゴリが異なる場合には、ステップS54へ移行する。全色のトナー残量のカテゴリが同じである場合は出力特性の比較は行わず、一致していると見なして処理を終了する。つまり、印刷に使用するトナーを所定量以上使用していた場合に、前記出力特性の比較を行う。ステップS54では、双方の出力特性の比較を行い、処理を終了する。
【0057】
また、上記の出力特性を比較した後に、画像データを再度生成し直す処理において、出力特性比較部が出力特性を比較した際に、複数色のトナーのそれぞれに対応した出力特性のうち1色でも出力特性に所定値以上の差があれば、印刷する画像データを生成し直す処理を行うようにすることができる。そしてこのときに、生成し直す画像データは、出力特性に所定値以上の差があるトナーに対応した画像データとすることができる。
あるいは、複数色のトナーのそれぞれに対応した出力特性のうち1色でも出力特性に所定値以上の差があったときに、生成し直す画像データを、全てのトナーに対応した全ての画像データとするようにしてもよい。
【0058】
(実施例2)
本発明の第2の実施例では、情報処理装置から送られた印刷データを基に生成した画像データを画像処理装置に保存し、保存している期間が所定期間経過した場合や画像処理装置の使用状況が変化した場合、確認印刷機能が働き、予め指定された頁、例えば1頁だけ印刷する画像処理装置を提供する。
また、画像データを保存した際に、画像処理装置の色特性を画像データと共に保存し、確認印刷時に以前の色味で印刷することができる。この他に、確認印刷後、現在の画像処理装置の色特性を画像データに適用させ、印刷することもできる。これらにより、画像処理装置の使用状況の変化や長時間印刷情報を保存することが原因となる印刷物の色味が異なった場合の印刷ミスを軽減させることができる。
【0059】
本実施例による画像処理装置を、上記実施例1の図1を用いて説明する。図1の概略イメージ図に示すように、ネットワークであるローカルエリアネットワーク(LAN)を介して、情報処理装置A,Bと画像処理装置A,Bとが相互に接続されている。
実施例1と同様に、既存の技術として、情報処理装置A、画像処理装置Aを用いて印刷を行う場合、情報処理装置Aは、原稿データからプリンタ記述言語で印刷データを作成した後、画像処理装置Aに印刷データを送信し、画像処理装置Aでは、印刷データから画像データ(2値データ)を生成し、印刷を行う。
また、情報処理装置B、画像処理装置Bを用いて印刷を行う場合、情報処理装置Bは、原稿データから画像データを生成し、印刷データとして、画像処理装置Bに送信し、画像処理装置Bでは、印刷データから画像データを抽出し、印刷を行う。
【0060】
図14は、本実施例における情報処理装置と画像処理装置の装置構成例を更に詳しく説明するための図である。情報処理装置Aは、制御部101と、通信部104と、ユーザI/F部105とを備えている。また、制御部101は、印刷データ生成部102と、印刷データ送信部103とを備えている。
【0061】
ユーザI/F部105は、印刷しようとしているデータ(以降、原稿データと呼ぶ)の印刷設定をユーザが選択する画面であり、印刷データ生成命令と印刷設定を制御部101に伝える機構である。ユーザが印刷データを画像処理装置で印刷せずに、画像処理装置に印刷データを保存しておきたい場合、図16のような表示画面90を用いて、ホールド印刷の設定を行うことができる。この場合、情報処理装置で作成した印刷データを画像処理装置内部の記憶部に保存させることができる。
また、印刷設定でホールド印刷設定が行われた場合、図17の表示画面70のように、印刷データにパスワードを設定することもでき、パスワードを用いて、印刷データを保護することができる。この処理を親展印刷と呼ぶが、本実施例は、パスワードの有無に係わらず画像処理装置で一旦画像データを保持させて、所定の操作入力に従ってその画像処理装置から画像データを印刷出力させる処理に適用できる。
【0062】
通信部104は、画像処理装置Aと、情報処理装置Aとを、LAN等のネットワークを介して通信可能にし、様々なデータを送受信できる。また、情報処理装置Aの通信部104と同様の通信部118が画像処理装置Aにも設けられている。
情報処理装置Aの制御部(情報処理装置)101は、ユーザI/F部105から受けた印刷命令を元に、印刷データの生成、印刷データの送信命令を行うものである。
【0063】
次に画像処理装置Aは、図14に示すように制御部111と、通信部118と、記憶部119と、ユーザI/F部124とを備えている。制御部111は、画像生成部112、経過時刻比較部113、使用状況判断部114、出力特性取得部115、画像変換部116、画像出力部117を備えている。また記憶部119は、画像記憶部120、出力特性記憶部121、保存時間記憶部122、使用状況記憶部123を備えている。
【0064】
記憶部119の画像記憶部120は、画像データを保存(ホールド)するものである。
また、保存時間記憶部122は、画像データがホールドされた時のタイムスタンプと印刷制限を行う期間の設定を保存するものである。例えば、タイムスタンプや印刷制限期間として図18のような形式で保存する。
【0065】
使用状況記憶部123は、画像データがホールドされた時のトナーの残量、設置されている場所の気温、湿度などのプリンタの使用状況と制限設定を保存する。制限設定とは、使用頻度やトナー残量の変化量がこの値より大きければ、確認印刷をするという制限を設定したパラメータである。例えば、図19に示すように、使用頻度は、それまでに他の印刷物が印刷された回数を保存し、トナー残量は、50%のようにトナー残量の割合を保存する。
【0066】
制御部111は、画像データ生成処理と、画像データの保存処理、経過時間の算出・比較処理と、使用状況の判断処理と、出力特性の取得処理と、画像データの変換処理と、画像の出力処理とを行う。
画像生成部112は、画像データ生成処理及び保存処理を行う。画像データを生成する処理は、印刷データに画像処理装置の出力特性を適用し、一番出力がきれいになるように色合いを調整した画像データを生成する処理である。画像データの保存処理は、画像データを記憶部119の画像記憶部120に保存する処理である。
経過時刻比較部113では、経過時間の算出・比較処理を行う。ここでは、画像データが保存(ホールド)された時点から現在時点までの経過時間を導き出し、その経過時間と設定されている印刷制限期間とを比較して、経過時間が印刷制限期間を超えているか否かを判断する。経過時刻比較部113は、画像データが保存された時点から印刷指示が行われた時点までの保存期間を算出する本発明の期間算出部に該当するものである。
【0067】
使用状況判断処理部114では、画像処理装置Aの使用状況の判断処理を行う。この判断処理では、画像データがホールドされた時の使用状況と現在の使用状況とが大幅に変化しているか否かを検出する。例えば、画像データのホールド時の印刷回数が1000回で、現在の印刷回数が10000回であったとすると、印刷回数の変化量は9000回の増加である。この値を図19の制限設定と照らし合わせてみると、図19の制限設定一覧では、出力回数(つまり印刷回数)1000回以下が制限値となっている。この制限値を越えた場合には、使用状況が変化しているものと判断する。上記の例では、出力回数の変化量が1000回以上であるため、使用状況が大幅に変化していると判断する。
【0068】
出力特性取得部115では、出力特性の取得処理を行う。これは、ホールド時に保存した画像諸装置Aの出力特性を記憶部119から取得する処理である。また、画像変換部116では、画像データの変換処理を行う。これは、画像データから過去の出力特性を削除する処理と、現在画像処理装置が持つ出力特性を画像データに適用させる処理である。
画像出力部117では、画像出力処理を行う。ここでは、画像データを所定頁、例えば1頁だけ印刷するか全てを印刷するかを決定し、印刷を行う。例えば、使用状況の確認処理を行った際に、使用状況が大幅に変化していれば、画像データを1頁だけ印刷を行うようにし、大幅な変化がないと判断すれば、全頁を印刷するといった動作を行う。
【0069】
ユーザI/F部124は、ホールドされた画像データを印刷する際に、ユーザが図21のような表示画面160から印刷指示行うためのインターフェースである。ホールドされた画像データを画像処理装置A側で印刷する場合、まず、図21のような印刷ジョブの一覧が表示画面160に表示される。ここで表示されているジョブの1つをユーザが選択すると、図22のような表示画面161へ移行する。図21の表示画面160でa.docを選択したとすると、図22の表示画面161では、ホールドされた画像データを印刷するか、削除するかを選択することができる。ユーザが印刷を選択した場合は、印刷後にデータを削除するか、保存するかを選択することができる。
【0070】
情報処理装置Aで印刷データに親展印刷の設定をしていた場合、図23のような表示画面162で、印刷前にパスワードが要求される。また、画像処理装置Aの使用状況やホールド後の経過時間から自動で確認印刷を実行した場合、ユーザは、図24のような表示画面163により、印刷物の色が正しく出力されているか確認することを促される。ここで“そのまま印刷”を選択すれば、確認印刷を行うことなく指定された画像データをそのまま印刷し、“色味調整後、印刷”を選択すれば、1頁分などの確認印刷を行い、図25の確認用の表示画面164が表示される。
【0071】
図25の表示画面164でユーザがOKを押すと、図26の表示画面165に移行し、その後の印刷方法について、確認印刷を有効にし、画像データに最適な出力特性を適用した後印刷するか、確認印刷を無効にしてホールドされている画像データをそのまま印刷するか、あるいはホールドデータを削除するか等、を選択できる。また、この他に、図27や28のようにトナー残量の制限設定や、印刷制限期間の制限設定を行う表示画面166,167を表示させることができる。また、確認印刷を自動で行うか否かの設定なども表示させることができる。
【0072】
図15は、実施例2における情報処理装置と画像処理装置の装置構成の他の例を更に詳しく説明するための図である。
情報処理装置Bは、図15に示すように、制御部131と、通信部135と、記憶部136と、ユーザI/F部138とを備えている。制御部131は、出力特性取得部132、画像生成部133、画像送信部134を備えている。また、記憶部136は、出力特性記憶部137を備えている。
【0073】
ユーザI/F部138は、印刷しようとしている原稿データの印刷設定をユーザが選択する画面であり、印刷データ生成命令と印刷設定を制御部に伝える機構である。ユーザが印刷データを画像処理装置で印刷せずに、画像処理装置に印刷データを保存しておきたい場合、図16のような表示画面90を用いて、ホールド印刷の設定を行うことができる。これにより、情報処理装置で作成した印刷データを画像処理装置内部の記憶部に保存させることができる。また、印刷設定でホールド印刷設定が行われた場合、図17の表示画面70のようにパスワードを印刷データに設定することもでき、パスワードを用いて、印刷データを保護することができる。
通信部135は、画像処理装置Bと、情報処理装置Bとを、LAN等のネットワークを介して通信可能にし、様々なデータを送受信できる。また、情報処理装置Bの通信部135と同様の通信部147が画像処理装置Bにも設けられている。
【0074】
記憶部136は、ROMやRAM等のような記憶手段であり、あらかじめ情報処理装置Bが画像処理装置Bから取得した色味情報の出力特性を保存するものである。出力特性は、使用状況や時間の経過と共に変化し、その時々で最適な色合いで印刷物を出力できるよう設定されている。例えば、図20のように、記憶部136では、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック等の色味情報を出力特性として保存する。この出力特性のシアンの値が基準値より低い場合、制御部131で形成する画像データのシアンの諧調を低く設定し、マゼンダの値が基準値より高い場合、画像データのシアンの諧調を高く設定する。基準値は、図20に示すような画像処理装置が固有に持つ設定である。
【0075】
制御部131は、ユーザI/F部138から受けた印刷命令を元に、印刷データの生成、印刷データの送信命令、出力特性の取得、画像生成、画像送信命令を行うものである。
情報処理装置Bは、原稿データから画像データを生成し、その画像データに記憶部136に予め取得している出力特性の情報を考慮して、色の調整を行う。色の調整を行った後、画像データと印刷設定(パスワード設定やホールド設定)とを印刷データとして画像処理装置Bに送信する。
【0076】
次に画像処理装置Bは、図15に示すように制御部141と、通信部147と、記憶部148と、ユーザI/F部153とを備えている。制御部141は、経過時刻比較部142、使用状況判断部143、出力特性取得部144、画像変換部145、画像出力部146を備えている。また、記憶部148は、画像記憶部149、出力特性記憶部150、保存時間記憶部151、使用状況記憶部152を備えている。
【0077】
記憶部148の画像記憶部149は、情報処理装置Aからの印刷データに画像処理装置の出力特性を適用した画像データ、または情報処理装置Bからの画像データを保存(ホールド)するものである。出力特性記憶部150は、画像データがホールドされた時に画像処理装置に設定されている色味の情報を保存する。例えば、図20に示すように0から255まで設定することができ、色味の設定が高いときは、画像処理装置が画像データを印刷するときに、その色を濃く出力する。
【0078】
保存時間記憶部151は、画像データがホールドされた時のタイムスタンプと印刷制限を行う期間の設定を保存するものである。例えば、タイムスタンプや印刷制限期間として図20のような形式で保存する。使用状況記憶部152は、画像データがホールドされた時の出力回数(使用頻度)やトナーの残量、画像処理装置が設置されている場所の気温、湿度などの使用状況と、その各項目の制限設定を保存する。制限設定とは、出力回数やトナー残量の変化量がこの値より大きければ、確認印刷をするという制限を設定したパラメータである。例えば、図19のように、出力回数としては、それまでに他の印刷物が印刷された回数を保存し、トナー残量としては、例えば“50%”のようにトナー残量の割合を保存する。
【0079】
制御部141は、経過時間の算出・比較処理と、使用状況の確認処理と、出力特性の取得処理と、画像データの変換処理と、画像の出力処理とを行う。
経過時刻比較部142では、経過時間の算出・比較処理を行う。ここでは、画像データがホールドされた時点から現在時点までの経過時間を導き出し、経過時間と設定されている印刷制限期間とを比較して、経過時間が印刷制限期間を超えているか否かを判断する。経過時刻比較部142は、画像データが保存された時点から印刷指示が行われた時点までの保存期間を算出する本発明の期間算出部に該当するものである。
【0080】
使用状況判断部143では、画像処理装置Bの使用状況の判断処理を行う。この判断処理では、画像データがホールドされた時の使用状況と現在の使用状況とが大幅に変化しているか否かを検出する。例えば、画像データのホールド時の印刷回数が1000回で、現在の印刷回数が10000回であったとすると、印刷回数の変化量は9000回の増加である。この値を図19の制限設定と照らし合わせてみると、図19の制限設定一覧では、出力回数(つまり印刷回数)1000回以下が制限値となっている。この制限値を越えた場合には、使用状況が変化しているものと判断する。上記の例では、出力回数の変化量が1000回以上であるため、使用状況が大幅に変化していると判断する。
【0081】
出力特性取得部144では、出力特性の取得処理を行う。これは、ホールド時に保存した画像処理装置Bの出力特性を記憶部148から取得する処理である。また、画像変換部145では、画像データの変換処理を行う。これは、以前ホールドした画像データから以前の出力特性を削除する処理と、現在画像処理装置が持つ出力特性を以前の出力特性を除去した画像データに適用させる処理である。
【0082】
画像出力部146では、画像出力処理を行う。ここでは、画像データを指定された1部分だけ、例えば表紙の1頁だけ印刷するか、全頁印刷するかを決定し、印刷を行う。例えば、使用状況の確認処理を行った際に、使用状況が大幅に変化していれば、画像データを1頁だけ印刷を行うようにし、大幅な変化がないと判断すれば、全頁を印刷するといった動作を行う。
【0083】
本例では、制御部が異なる画像処理装置として、画像処理装置Aと画像処理装置Bを例に挙げている。画像処理装置Aは、情報処理装置から送信された印刷データに出力特性を適用し画像データに変換した後、画像データの保存を行う。画像処理装置Bは、情報処理装置から来た画像データを変換せずに、記憶部へ保存する。
【0084】
ユーザI/F部153は、ホールドされた画像データを印刷する際に、ユーザが図21のような表示画面160から印刷指示行うためのインターフェースである。ホールドされた画像データを画像処理装置B側で印刷する場合、まず、図21のような印刷ジョブの一覧が表示画面160に表示される。ここで表示されているジョブの1つをユーザが選択すると、図22のような表示画面161へ移行する。図21の表示画面160でa.docを選択したとすると、図22の表示画面161では、ホールドされた画像データを印刷するか、削除するかを選択することができる。印刷を選択した場合は、印刷後にデータを削除するか、保存するかを選択することができる。
【0085】
情報処理装置Bで印刷データに親展印刷の設定をしていた場合、図23のような表示画面162で、印刷前にパスワードが要求される。また、画像処理装置Bの使用状況やホールド後の経過時間から確認印刷を実行した場合は、図24のような表示画面163により、印刷物の色が正しく出力されているかの確認をユーザに促す。ここで“そのまま印刷”を選択すれば、確認印刷を行うことなく指定された画像データをそのまま印刷し、“色味調整後、印刷”を選択すれば、1頁分などの確認印刷を行い、図25の確認用の表示画面164が表示される。
【0086】
図25の表示画面164でユーザがOKを押すと、図26の表示画面165に移行し、その後の印刷方法について、確認印刷を有効にし、画像データに最適な出力特性を適用した後印刷するか、確認印刷を無効にしてホールドされている画像データをそのまま印刷するか、あるいはホールドデータを削除するか等、を選択できる。また、この他に、図27や28のようにトナー残量の制限設定や、印刷制限期間の制限設定を行う表示画面166,167を表示させることができる。また、確認印刷を自動で行うか否かの設定なども表示させることができる。
【0087】
図29〜図34のフローチャートは、本実施例に係わる画像処理装置と情報処理装置の処理例を示している。
図29は、情報処理装置Aで印刷が指示されたときの処理の一例を示している。図29において、例えば、情報処理装置Aで利用者が印刷の指示を行った場合、印刷データを生成する。この時、ユーザI/F部105から親展印刷設定が施されていれば、印刷データにそれらの設定を加える(ステップS101)。この場合、パスワードを設定しないホールド印刷の場合にもその設定を加えるようにする。次に、情報処理装置Aは、生成した印刷データを画像処理装置Aに送信する(ステップS102)。
【0088】
図30は、情報処理装置Bで印刷が指示されたときの処理の一例を示している。情報処理装置Bでは、印刷指示を受けると、画像データを生成する(ステップS111)。次に、あらかじめ画像処理装置Bから取得し、記憶部に保存している出力特性を読み込む(ステップS112)。そして、読み込んだ出力特性を考慮して、画像データの色味を調整する。つまり、生成した画像データに出力特性をかけて色味を調整する(ステップS113)。最後に、画像データと印刷設定(ホールド印刷設定と親展印刷設定)と色味調整に使用した出力特性とを画像処理装置Bへ送信する(ステップS114)。
【0089】
図31は、画像処理装置Aが情報処理装置Aから印刷データを受信した時のホールド処理の例を示している。
例えば、情報処理装置Aから印刷データが送信された場合、画像処理装置Aでは、情報処理装置Aから印刷データを受信し(ステップS121)、その時点での画像処理装置Aの出力特性を取得する(ステップS122)。次に、印刷データから画像データを生成し(ステップS123)、ステップS122で取得した出力特性を用いて、画像データの色味を調整する。つまり、画像データに出力特性をかける(ステップS124)。
【0090】
次に、情報処理装置Aでは、受信した印刷データにホールド印刷設定が施されているか判断する(ステップS125)。この場合、パスワードを必要としないホールド印刷及びパスワードを必要とする親展印刷の両方の設定情報をホールド印刷設定として判断するものとする。ここで印刷データにホールド印刷設定が施されていた場合、画像データ(ホールド印刷設定を含む)と出力特性とを記憶部に保存し(ステップS126)、さらに画像データのホールド時の時刻や使用状況を記憶部に保存する(ステップS127)。印刷データにホールド印刷設定がない場合は、そのまま画像データを印刷する(ステップS128)。
【0091】
図32は、画像処理装置Bが情報処理装置Bから印刷データを受信した時のホールド処理の1例を示している。
例えば、情報処理装置Bからデータが送信された場合、画像処理装置Bでは、情報処理装置Aから画像データを出力特性、印刷設定とともに受信する(ステップS131)。次に、印刷設定にホールド印刷設定が含まれているか、つまりホールド印刷をおこなうかどうかを判断する(ステップS132)。印刷設定にホールド印刷設定が含まれている場合、画像データ(ホールド印刷設定を含む)と出力特性を記憶部に保存し(ステップS133)、さらに画像処理装置の使用状況やホールド時刻を記憶部に保存する(ステップS134)。印刷データにホールド印刷設定がない場合は、そのまま画像データを印刷する(ステップS135)。
【0092】
図33は、画像処理装置A,Bで事前に図26に示すような画面で確認印刷の設定が有効にされていた場合の保存(ホールド)された画像データ印刷処理の一例である。ホールドされた画像データの印刷処理は、画像処理装置A,B共に同様の処理を行う。
図33において、例えば、ユーザが図21のような画面からホールドされた画像データを選択し、図22の画面から印刷を選択した場合、画像処理装置は、記憶部から画像データを取得する(ステップS141)。同様に記憶部から、ホールド時刻と印刷制限期間を取得し、さらに使用状況、制限規定を取得する(ステップS142,S143)。
【0093】
次に、ホールド時刻と現在の時刻を比較し、ホールド時と現在の期間が印刷制限期間を越えているか判断するか、または、以前の使用状況と現在の使用状況を比較し、ホールド時と現在の使用状況の差異が制限設定を満たしているか判断する(ステップS144)。ホールド後の時間経過が印刷制限期間を超えて長時間経過した場合、もしくは、使用状況の差異が制限規定を満たさずに変化が大きいと判断した場合、指定頁、例えば1頁だけ印刷する確認印刷に進む。
【0094】
本実施例では、画像データが保持された時点から、印刷指示が行われた時点までの所定の特徴量の変化に基づいて、画像データの1部の頁(例えば1頁)だけ印刷するか、もしくは画像データの全頁を印刷するかどうかを決定するようにしている。そしてこの特徴量は、上記の例のように、画像データが保存された時点から印刷指示までの保存期間、及び画像処理情報の使用状況のいずれかまたは両方を適用することができる。そしてこの使用状況とは、トナー残量の変化量、気温、湿度の全てまたはいずれか1または複数とすることができる。
【0095】
図33において、確認印刷の処理では、画像データのホールド時に、画像データに親展印刷設定が付加されているか、つまり親展印刷情報があるかどうかを判断し(ステップS145)、親展印刷設定が画像データに付加されていた場合、ユーザ情報(パスワード)を要求する(ステップS146)。例えば、図23に示すような表示画面162によって、パスワードを要求する。
ここでユーザがパスワードを入力すると、画像処理装置では、入力されたパスワードが予め設定されているパスワードと一致するかどうか、つまりユーザ情報が正しいかどうかを判断する(ステップS147)。そして、パスワードが一致すれば、予め指定された頁、頁数で印刷する(ステップS148)。このとき指定された頁として、表紙の1頁とすることができる。そして、図24、図25に示すように印刷物の色の確認要求、印刷指示の要求を行う(ステップS149)。パスワードが一致しない場合は、画像データの印刷を行わない。
【0096】
また、ホールド時、画像データに親展印刷設定が付加されていない場合、指定頁、頁数の印刷、例えば1頁だけの印刷を行い(ステップS148)、図24、図25に示すように印刷物の色の確認要求と印刷指示の要求を行う(ステップS149)。印刷指示の要求では、図24のような画面で利用者に対して、色味を調整して印刷するか、現在の設定のまま印刷するかを選択させる。”色味を調整後、印刷”が選択された場合(ステップS150−YES)、画像処理装置は、現在の出力特性を取得し(ステップS151)、画像データから過去の出力特性を除去する(ステップS152)。次にステップS151で取得した出力特性を考慮して、出力特性を除去した画像データの色合いを調整する。つまり画像データに現在の出力特性をかける(ステップS153)。そして、画像データの全頁印刷を行う(ステップS154)。また、ステップS150で“色味を調整して印刷”が選択されず、”現在の設定のまま印刷”が選択された場合、画像の色味を調整せず、画像データの全頁印刷を行う(ステップS154)。
【0097】
ステップS144で、画像データのホールド後の経過時間が印刷制限期間を超えていない場合、つまりホールド後の時間経過が少ないと判断された場合、もしくは使用状況の差異が制限設定を満たしていて変化が小さいと判断された場合、ホールド時、画像データに親展印刷設定が付加されていたかどうか、つまり親展印刷情報があるかどうかを判断する(ステップS155)。親展印刷設定が画像データに付加されていた場合、利用者にユーザ情報としてパスワードを要求する(ステップS156)。
【0098】
ユーザが、図23に示すような表示画面162でパスワードを入力すると、画像処理装置は、入力されたパスワードと、画像処理装置に予め設定されているパスワードとが一致するかどうか、つまりユーザ情報は正しいかどうかを判断する(ステップS157)。パスワードが一致すれば、画像データをそのまま全頁印刷する(ステップS158)。パスワードが一致しない場合には、印刷を行うことなく処理を終了する。また、ステップS155で画像データに親展印刷が設定されていない場合は、画像データをそのまま全頁印刷する(ステップS158)。
【0099】
図34は、画像処理装置A,Bで事前に図26に示すような表示画面で確認印刷の設定が無効にされていた場合のホールドデータ印刷処理の一例である。ホールドデータの印刷処理は、画像処理装置A,B共に同様の処理を行う。
図34において、例えば、ユーザが図21のような表示画面160からホールドされた画像データを選択し、図22の表示画面161から印刷を選択した場合、画像処理装置は、記憶部から選択された画像データを取得する(ステップS161)。次に、画像データがホールドされた時、画像データに親展印刷設定が付加されていたかどうか、つまり親展印刷情報があるかどうかを判断する(ステップS162)。
【0100】
画像データに親展印刷設定が付加されていた場合、図23に示すような表示画面162によりユーザ情報(パスワード)を要求する(ステップS163)。この表示画面162に対してユーザがパスワードを入力すると、画像処理装置は、入力されたパスワードと、画像処理装置に予め設定されているパスワードとが一致するかどうか、つまりユーザ情報が正しいかどうかを判断する(ステップS164)。パスワードが一致すれば、画像データをそのまま全頁印刷する(ステップS165)。パスワードが一致しない場合、印刷をすることなく処理を終了する。また、ステップS162で画像データに親展印刷が設定されていない場合は、画像データをそのまま全頁印刷する(ステップS165)。
尚、本実施の形態では、フローチャートに示す処理を画像処理装置内で行う場合を例に挙げて説明したが、これらの処理がソフトウェアで提供されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明に適用可能な画像処理装置をローカルネットワークに接続した状態を説明する図である。
【図2】図1に示す情報処理装置と画像処理装置の装置構成例を更に詳しく説明するための図である。
【図3】情報処理装置のユーザI/F部の表示例を示す図である。
【図4】画像処理装置のガンマテーブルの一例を示す図である。
【図5】2つの出力特性を比較する処理を説明するための図である。
【図6】画像処理装置の出力特性比較部における出力特性の比較基準の設定例を示す図である。
【図7】画像処理装置のユーザI/F部の表示例を示す図である。
【図8】情報処理装置で親展印刷を指示する処理例を説明するためのフローチャートである。
【図9】図8の処理により情報処理装置から送信された印刷データを受信した画像処理装置の処理例を説明するためフローチャートである。
【図10】情報処理装置で親展印刷を指示する他の処理例を説明するためのフローチャートである。
【図11】図10の処理により情報処理装置から送信された印刷データを受信した画像処理装置の処理例を説明するためフローチャートである。
【図12】画像処理装置で親展印刷が指示された場合の処理例を説明するためのフローチャートである。
【図13】画像処理装置で2つの出力特性を比較するときの処理例を説明するためのフローチャートである。
【図14】情報処理装置と画像処理装置の他の装置構成例を更に詳しく説明するための図である。
【図15】情報処理装置と画像処理装置の更に他の装置構成例を更に詳しく説明するための図である。
【図16】ホールド印刷を設定するときの表示画面例を示す図である。
【図17】印刷データにパスワードを設定するときの表示画面例を示す図である。
【図18】画像データがホールドされた時のタイムスタンプと印刷制限を行う期間の設定例を示す図である。
【図19】画像データがホールドされた時の使用状況と現在の使用状況とが大幅に変化しているか否かを検出するための制限設定例を説明するための図である。
【図20】出力特性記憶部に記憶する色味情報に関する出力特性の一例を示す図である。
【図21】画像処理装置で印刷指示を行うための表示画面例を示す図である。
【図22】画像処理装置でホールド印刷を設定するための表示画面例を示す図である。
【図23】画像処理装置でパスワード入力を要求する表示画面例を示す図である。
【図24】画像処理装置で印刷方法を指定するときの表示画面例を示す図である。
【図25】画像処理装置で確認印刷を行ったことを確認する表示を行う表示画面例を示す図である。
【図26】画像処理装置で行った確認印刷の有効/無効を設定するための表示画面例を示す図である。
【図27】画像処理装置でトナー残量の制限設定を行うための表示画面例を示す図である。
【図28】画像処理装置で印刷制限期間の制限設定を行うための表示画面例を示す図である。
【図29】情報処理装置で印刷が指示されたときの処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図30】情報処理装置で印刷が指示されたときの処理の他の例を説明するためのフローチャートである。
【図31】画像処理装置が情報処理装置から印刷データを受信したときのホールド処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図32】画像処理装置が情報処理装置から印刷データを受信したときのホールド処理の他の例を説明するためのフローチャートである。
【図33】画像処理装置で確認印刷が事前に有効にされていたときのホールドデータの印刷処理例を説明するためのフローチャートである。
【図34】画像処理装置で事前に確認印刷の設定が無効にされていた場合のホールドデータ印刷処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0102】
11…制御部、12…印刷データ生成部、13…印刷データ送信部、14…通信部、15…ユーザI/F部、21…制御部、22…出力特性取得部、23…印刷データ生成部、24…印刷データ送信部、25…通信部、26…記憶部、27…出力特性記憶部、28…ユーザI/F部、31…制御部、32…出力特性取得部、33…画像生成部、34…出力特性比較部、35…画像変換部、36…画像出力部、37…通信部、38…記憶部、39…画像記憶部、40…出力特性記憶部、41…ユーザI/F部、51…制御部、52…出力特性取得部、53…出力特性比較部、54…画像変換部、55…画像出力部、56…通信部、57…記憶部、58…画像記憶部、59…出力特性記憶部、60…ユーザI/F部、70…表示画面、71…チェックボックス、72…チェックボックス、73…パスワード入力欄、101…制御部、102…印刷データ生成部、103…印刷データ送信部、104…通信部、105…ユーザI/F部、111…制御部、112…画像生成部、113…経過時刻比較部、114…使用状況判断部、115…出力特性取得部、116…画像変換部、117…画像出力部、118…通信部、119…記憶部、120…画像記憶部、121…出力特性記憶部、122…保存時間記憶部、123…使用状況記憶部、124…ユーザI/F部、131…制御部、132…出力特性取得部、133…画像生成部、134…画像送信部、135…通信部、136…記憶部、137…出力特性記憶部、138…ユーザI/F部、141…制御部、142…経過時刻比較部、143…使用状況判断部、144…出力特性取得部、145…画像変換部、146…画像出力部、147…通信部、148…記憶部、149…画像記憶部、150…出力特性記憶部、151…保存時間記憶部、152…使用状況記憶部、153…ユーザI/F部、160〜162…表示画面。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及び画像処理方法に関し、より詳細には、親展印刷における画像生成時の出力特性と印刷時の出力特性が異なる場合でも、色味の変わらない印刷結果を得ることができる画像処理装置と画像処理方法、及び画像処理装置に保存している印刷情報を利用者が望む色合いで印刷する画像処理装置と画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プリンタなどの画像処理装置でドキュメントを印刷する際に、印刷すべき画像データをプリンタ本体にパスワード付で保存しておき、プリンタ上からパスワードを解除して印刷を行う「親展印刷」の技術が広まっている。このとき、プリンタのトナーの出力特性に合わせて生成した画像データを保存するが、トナーの出力特性は、環境、時間、トナー残量によって変更されることがあるため、画像データを生成してから印刷を行うまでに出力特性が変更され、画像データの印刷結果がユーザの所望する色味と異なってしまう場合がある。
【0003】
また、印刷ジョブを印刷せずにプリンタに保存する場合、印刷ジョブを画像データに変換したものをプリンタのHDDに保存していた。このような場合、印刷ジョブを画像データに変換する際に、情報処理装置(PC)のプリンタドライバでは、プリンタの出力特性を考慮して変換を行っている。
【0004】
特許文献1には、2値プリンタ装置であっても、画像データから特定原稿が存在するか否かの判定処理をひとつの判定部で行い、特定原稿の複写あるいはコンピユータ等の外部機器からの特定画像データの印字を未然に防止することを目的とした画像処理装置が開示されている。この特許文献1には、コンピュータから送信された出力画像の色味情報を登録することが示されている。
【特許文献1】特開平5−14683号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、親展印刷時の出力特性については考慮することはなく、最初の印刷時に画像データを生成したときの出力特性と、再印刷時に画像データを出力するときの出力特性が異なる場合、所望する印刷結果が得られない可能性がある。
例えば、プリンタ等の画像処理装置の出力特性は、時間・使用状況により動的に変化するため、保存された印刷ジョブを印刷する時点の出力特性と、印刷ジョブを画像データに変換した時点の出力特性とが必ずしも一致しないことが多い。その結果、保存された印刷ジョブを印刷するときに色味が異なってしまうという問題があった。
また、特許文献1は、登録された色味情報とコンピュータからの出力画像の色味を判定するもので、出力画像に対して画像調整を行うものではない。
【0006】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたもので、画像処理装置に一旦保存した画像データをその後の操作入力に従って印刷する際に、保存時と印刷時との出力特定の変化により印刷物の色味が異なってしまったり、色味の異なる印刷物を出力してしまったりすることを防ぐことができるようにした画像処理装置及び画像処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、画像処理装置に保存されている画像データを、画像処理装置に対する所定の操作入力による印刷指示に従って印刷する機能を備えた画像処理装置であって、画像処理装置に保存されている画像データの印刷指示が行われた際に、印刷に際して使用する特性値を定めた出力特性を比較する出力特性比較手段を有し、出力特性比較手段は、画像データが保存されたときの画像処理装置の出力特性と、印刷指示が行われた時点の画像処理装置の出力特性とを比較し、出力特性比較手段により比較した結果、比較した出力特性に所定値以上の差があると判断した場合は、印刷を指示した時点の画像処理装置の出力特性を元に、印刷する画像データを生成し直すことを特徴としたものである。
【0008】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、出力特性比較手段は、画像データを画像処理装置に保存した時から印刷の実行までの時間が所定時間以上経過している場合には、出力特性の比較を行うことを特徴としたものである。
【0009】
第3の技術手段は、第1または2の技術手段において、出力特性比較手段は、画像データを画像処理装置に保存した時から印刷の実行までに、印刷に使用するトナーを所定量以上使用していた場合に、出力特性の比較を行うことを特徴としたものである。
【0010】
第4の技術手段は、第1〜3のいずれかの技術手段において、画像処理装置は、複数色のトナーにより印刷を行う機能を備え、出力特性比較手段が出力特性を比較した際に、複数色のトナーのそれぞれに対応した出力特性のうち1色でも出力特性に所定値以上の差があれば、印刷する画像データを生成し直す処理を行い、生成し直す画像データは、出力特性に所定値以上の差があるトナーに対応した画像データとすることを特徴としたものである。
【0011】
第5の技術手段は、第1〜3のいずれかの技術手段において、画像処理装置は、複数色のトナーにより印刷を行う機能を備え、出力特性比較手段が出力特性を比較した際に、複数色のトナーのそれぞれに対応した出力特性のうち1色でも出力特性に所定値以上の差があれば、印刷する画像データを生成し直す処理を行い、生成し直す画像データは、全てのトナーに対応した全ての画像データとすることを特徴としたものである。
【0012】
第6の技術手段は、画像処理装置に保存されている画像データを、画像処理装置に対する所定の操作入力による印刷指示に従って印刷する機能を備えた画像処理装置によって実行する画像処理方法であって、画像処理装置に保存されている画像データの印刷指示が行われた際に、印刷に際して使用する特性値を定めた出力特性について、画像データが保存されたときの画像処理装置の出力特性と、印刷指示が行われた時点の画像処理装置の出力特性とを比較する出力特性比較ステップと、出力特性比較ステップにより比較した結果、比較した出力特性に所定値以上の差があると判断した場合は、印刷を指示した時点の画像処理装置の出力特性を元に、印刷する画像データを生成し直すステップとを有することを特徴としたものである。
【0013】
第7の技術手段は、画像処理装置に保存されている画像データを、画像処理装置に対する所定の操作入力による印刷指示に従って印刷をする機能を備えた画像処理装置であって、画像処理装置に保存されている画像データの印刷指示が行われた際に、画像データが保存された時点から、印刷指示が行われた時点までの所定の特徴量の変化に基づいて、画像データの1部の頁だけを印刷するか、もしくは画像データの全頁を印刷するかを決定することを特徴としたものである。
【0014】
第8の技術手段は、第7の技術手段において、画像データが保存された時点から、印刷指示が行われた時点までの画像データの保存期間を算出する期間算出部を備え、特徴量として期間算出部で算出した保存期間を用い、保存期間が、画像処理装置に予め設定されている期間を超過していた場合、画像データの1部の頁だけを印刷し、超過していない場合は、画像データの全頁を印刷することを特徴としたものである。
【0015】
第9の技術手段は、第7または8の技術手段において、特徴量として、画像データが保存された時点から、印刷指示が行われた時点までの画像処理装置の所定の使用状況の変化量を用い、使用状況の変化量が画像処理装置に予め設定されている設定値を超過していた場合、画像データの1部の頁だけを印刷し、超過していない場合は、画像データの全頁を印刷することを特徴としたものである。
【0016】
第10の技術手段は、第9の技術手段において、使用状況の変化量は、画像処理装置のトナー残量の変化量であることを特徴としたものである。
【0017】
第11の技術手段は、第9の技術手段において、使用状況の変化量は、画像処理装置が設置された場所の気温の変化量であることを特徴としたものである。
【0018】
第12の技術手段は、第9の技術手段において、使用状況の変化量は、画像処理装置が設置された場所の湿度の変化量であることを特徴としたものである。
【0019】
第13の技術手段は、第7〜12のいずれかの技術手段において、画像データの1部の頁は、画像データの最初の1頁であることを特徴としたものである。
【0020】
第14の技術手段は、画像処理装置に保存されている画像データを、画像処理装置に対する所定の操作入力による印刷指示に従って印刷をする機能を備えた画像処理装置で実行する画像処理方法であって、画像処理装置に保存されている画像データの印刷指示が行われた際に、画像データが保存された時点から、印刷指示が行われた時点までの所定の特徴量の変化を検出するステップと、検出した特徴量の変化に基づいて、画像データの表紙の1頁だけを印刷するか、もしくは画像データの全頁を印刷するかを決定するステップと、を有することを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、画像処理装置に一旦保存した画像データをその後の操作入力に従って印刷する際に、保存時と印刷時との出力特定の変化により印刷物の色味が異なってしまったり、色味の異なる印刷物を出力してしまったりすることを防ぐことができるようにした画像処理装置及び画像処理方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明による画像処理装置の実施例では、親展印刷処理などによって画像処理装置に印刷可能な状態で保存された画像データ(C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー),Bk(ブラック))に対して、ユーザが印刷を指示した際に、画像データが保存された時点の画像処理装置の出力特性と、印刷を指示した時点の画像処理装置の出力特性とが、所定値以上に差があると判断した場合は、印刷を指示した時点の画像処理装置の出力特性を元に、画像データを生成し直すようにしている。これにより、画像データを保存して長時間経過した後でも印刷物の色味が所望する色味と異なってしまうことを防ぐことができる。
【0023】
さらに本発明による画像処理装置の他の実施例では、画像処理装置に一旦保存された画像データを印刷する時に、画像データが保存された時点から利用者が印刷指示を行った時点までの保存期間を算出する期間算出部を備え、算出した保存期間が画像処理装置に予め設定されている期間を超過していた場合、画像データの一部の指定頁、例えば表紙の1頁だけを印刷し、超過していない場合は、全頁を印刷する。このような構成にすることにより、長時間の印刷放置が原因で、利用者が望まない色合いで印刷物が出力されることを防ぐことができる。
以下に本発明に係る実施例を添付された図面を参照しながら具体的に説明する。
【0024】
(実施例1)
図1は、本発明に適用できる画像処理装置をローカルネットワークに接続した状態を説明する図である。画像処理装置A,Bは、ネットワークであるローカルエリアネットワーク(LAN)を介して、情報処理装置A,Bと相互に接続されている。
ここで、画像処理装置Aと情報処理装置Aは、情報処理装置Aからプリンタ言語を使用して生成した印刷データを画像処理装置Aに送信し、画像処理装置Aで印刷する画像データを生成して印刷を行うものである。
また、画像処理装置Bと情報処理装置Bは、情報処理装置Bで画像データを含む印刷データを画像処理装置Bに送信し、画像処理装置Bで印刷データから画像データを抽出して印刷を行うものである。
【0025】
図2は、図1に示す情報処理装置と画像処理装置の装置構成例を更に詳しく説明するための図である。情報処理装置Aは、制御部11と、通信部14と、ユーザI/F部15とを備えている。また、制御部11は、印刷データ生成部12と、印刷データ送信部13とを備える。
印刷データ生成部12は、ドキュメントの印刷が指示された場合に、画像処理装置Aが指定されたドキュメントを印刷するための印刷データを生成するものである。印刷データ送信部13は、印刷データ生成部12で生成した印刷データを、通信部14を介して画像処理装置Aへ送信するものである。
通信部14は、情報処理装置Aと、情報処理装置B,及び画像処理装置A,Bとを、LAN等のネットワークを介して通信可能に接続する。
【0026】
ユーザI/F部15は、ユーザが印刷や親展印刷の設定を行うためのものである。例えば、図3は、ユーザI/F部15の表示画面の一例を示す図である。この表示画面70では、親展印刷を行うか否かを設定するチェックボックス71と、パスワードを設定するか否かを設定するチェックボックス72と、パスワード文字列を入力するパスワード入力欄73とが設けられている。
親展印刷の一種として、パスワードを設定せずに画像データを画像処理装置で保持させるホールド印刷の設定も可能とすることもできる。パスワードを設定した親展印刷処理では、画像処理装置で一旦保持させた画像データを印刷させる際に、画像処理装置に対して印刷指示とパスワードの操作入力を行う。またパスワードを必要としないホールド印刷では、画像処理装置で一旦保持させた画像データを印刷させるために、画像処理装置に印刷指示の操作入力を行う。
【0027】
次に、画像処理装置Aは、図2に示すように、制御部31と、通信部37と、記憶部38と、ユーザI/F部41とを備えている。制御部31は、出力特性取得部32と、画像生成部33と、出力特性比較部34と、画像変換部35と、画像出力部36とを備えている。また、記憶部38は、画像記憶部39と、出力特性記憶部40とを備えている。
【0028】
画像処理装置Aの出力特性取得部32は、現在の画像処理装置Aの出力特性であるトナー各色のガンマテーブルを取得するものである。
図4は、画像処理装置のガンマテーブルの一例を示している。このガンマテーブルは、印刷に際して使用する特性値を定めた本発明の出力特性の一例を示している。ここでは、シアン・マゼンタ・イエロー・ブラックの各色に関して、0〜255の256段階それぞれの画素値を出力するために必要な入力画素値を示している。例えば、図4のシアンのガンマテーブル(出力特性)は、0を出力するためには0、1を出力するためには2、2を出力するためには4、3を出力するためには6、255を出力するためには255の入力画素値が必要であることを示している。また、出力特性を生成したときの日時・トナー残量・環境についても記憶されている。ここでは、トナー残量としては、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのそれぞれのトナーの残量が記憶され、環境としては、温度と湿度とが記憶されている。
【0029】
画像生成部33は、情報処理装置Aから受信した印刷データから、出力する画像データを生成し、出力特性取得部32で取得した出力特性を元に、画像データを再生成するものである。
画像記憶部39は、ROMやRAM等のような記憶手段であり、画像生成部33で生成した画像データを記憶するものである。また、出力特性記憶部40は、ROMやRAM等のような記憶手段であり、出力特性取得部32で取得した図4のような出力特性を記憶するものである。
【0030】
出力特性比較部34は、出力特性記憶部40で記憶した出力特性と、出力特性取得部32で取得した出力特性を比較するものである。例えば、図5のような2つの出力特性がある場合、マゼンタ・イエロー・ブラックに関しては全ての値が同じであるため、出力特性が同じであると判断する。また、シアンに関しては、それぞれの出力特性が「0,2,4,6,…,255」・「0,1,3,6,…,255」となっており、2番目・3番目の値が異なる。このような場合、1つでも値が異なっていれば、出力特性が異なると判断しても良いし、全体の5%異なっていた場合に出力特性が異なるというように、基準を設けて判断してもよい。
【0031】
また、上記のような出力特性を比較するときに、図6に示すように、出力特性を比較する/しないの基準を設けても良い。図6では、画像データ生成時の出力特性と現在の出力特性の「生成日時」・「トナー残量」・「環境」によって基準を設け、これらの基準全て当てはまる場合に出力特性の比較を行う。
例えば、図6では生成日時の基準が12時間と設定されており、画像データ生成時(つまり画像処理装置に画像データが保存された時)の出力特性の生成日時と、印刷が実行された現在の日時との間に12時間以上の差がある場合に出力特性の比較を行う。
【0032】
また、図6のトナー残量の基準のようにカテゴリを設定しておいてもよい。図6において、シアンのトナー残量の場合には、0〜9%、10〜79%、80%〜100%でカテゴリ分けされている。ここで、画像データ生成時のシアンのトナー残量が95%で現在のシアンのトナー残量が80%の場合は、これらのトナー残量が同じカテゴリに属しているため、出力特性の比較は行わない。また、画像データ生成時のシアンのトナー残量が95%で現在のシアンのトナー残量が79%の場合は、これらのトナー残量が別のカテゴリとなるため、出力特性の比較を行う。
また、図6では環境の基準として温度±5度、及び湿度±30%が設定されている。この基準に従って、画像データ生成時と現在の温度、湿度の差が基準より上回っていれば、出力特性の比較を行う。
【0033】
つまり、この例では、出力特性比較部34(出力特性比較手段)は、画像データを画像処理装置Aに保存した時から印刷の実行までの時間が所定時間以上の場合に、それらの出力特性の比較を行うようにしている。さらに出力特性比較部34は、画像データを画像処理装置Aに保存した時から印刷の実行までに、印刷に使用するトナーを所定量以上使用していた場合に、出力特性の比較を行うようにしている。これら出力特性を比較するか否かは、上記の時間条件だけで判断してもよく、また使用したトナー量で判断してもよく、またその両方で判断してもよい。
【0034】
画像変換部35は、画像記憶部39で記憶した画像データに対して、現在の出力特性を元に画像データの再生成を行うものである。例えば、画像記憶部39である出力特性を考慮した画像データであった場合、その出力特性の影響を除去した後、現在の出力特性を元に再生成を行う。
画像出力部36は、画像記憶部39で記憶された画像データ、または、画像変換部35で再生成された画像データを印刷するものである。
通信部37は、画像処理装置Aと、情報処理装置A,B、画像処理装置Bとを、LAN等のネットワークを介して通信可能に接続する。
【0035】
ユーザI/F部41は、画像処理装置上に設置されたタッチパネルディスプレイ等のようなユーザI/Fであり、ユーザによる親展印刷機能の指定を可能とするものである。図7は、画像処理装置のユーザI/Fとして機能するタッチパネルディスプレイ80の表示例を示す図である。例えば、ユーザが親展印刷を行う場合、図7(A)のように、画像処理装置の操作部に設けられた表示画面80に対して、親展印刷登録されている印刷ジョブ一覧を表示する。図7(A)上でユーザが“a.doc”を選択すると、図7(B)のように選択した印刷ジョブに対して行うことができる処理一覧を表示する。図7(B)上でユーザが“印刷”を選択すると、印刷ジョブが印刷される。また、図3のように、情報処理装置のユーザI/F15部でパスワードが設定されている場合は、図7(C)のような画面でパスワードの入力を促し、パスワードが一致する場合のみ、処理を行うようにすることもできる。
【0036】
次に情報処理装置Bは、図2に示すように、制御部21と、通信部25と、記憶部26と、ユーザI/F部28とを備えている。制御部21は、出力特性取得部22と、印刷データ生成部23と、印刷データ送信部24とを備えている。また、記憶部26は、出力特性記憶部27を備えている。
【0037】
出力特性取得部22は、通信部25を介して、図4に示すような現在の画像処理装置Bの出力特性であるトナー各色のガンマテーブルを取得するものである。この処理は印刷時に毎回取得してもよいし、ユーザが指示したときにのみ取得してもよい。また、定期的に取得を行ってもよい。
【0038】
出力特性記憶部27は、ROMやRAM等のような記憶手段であり、出力特性取得部22で取得した図4に示すような出力特性を記憶するものである。
印刷データ生成部23は、ドキュメントの印刷が指示された場合に、指定されたドキュメントを画像処理装置Bで印刷するための印刷データを生成するものである。このとき、出力特性記憶部27で記憶されている出力特性に合わせて印刷データの生成を行う。
【0039】
印刷データ送信部24は、印刷データ生成部23で生成した印刷データと出力特性記憶部27で記憶している出力特性を、通信部25を介して画像処理装置Bへ送信する。
ユーザI/F部28は、ユーザが印刷の設定や、図3に示すような親展印刷の設定を行うためのもので、例えばタッチパネルディスプレイのようなものである。
通信部25は、情報処理装置Bと、情報処理装置A、画像処理装置A,Bとを、LAN等のネットワークを介して通信可能に接続する。
【0040】
次に画像処理装置Bは、図2に示すように、制御部51と、通信部56と、記憶部57と、ユーザI/F部60とを備えている。制御部51は、出力特性取得部52と、出力特性比較部53と、画像変換部54と、画像出力部55とを備えている。また、記憶部57は、画像記憶部58と、出力特性記憶部59とを備えている。
【0041】
出力特性取得部52は、現在の画像処理装置Bの出力特性であるトナー各色のガンマテーブルを取得するものである。
画像記憶部58は、ROMやRAM等のような記憶手段であり、情報処理装置Bから受信した画像データを記憶するものである。
出力特性記憶部59は、ROMやRAM等のような記憶手段であり、情報処理装置Bから受信した出力特性を記憶するものである。
【0042】
出力特性比較部53は、出力特性記憶部59で記憶した出力特性と、出力特性取得部52で取得した出力特性を比較するものである。
画像変換部54は、画像記憶部58で記憶した画像データに対して、現在の出力特性を元に画像データの再生成を行うものである。
画像出力部55は、画像記憶部58で記憶された画像データ、または、画像変換部54で再生成された画像データを印刷するものである。
通信部56は、画像処理装置Bと、情報処理装置A,B、画像処理装置Aとを、LAN等のネットワークを介して通信可能に接続する。
【0043】
情報処理装置A,画像処理装置Aのように、画像処理装置のみが出力特性を記憶し、画像データを生成してもよいし、情報処理装置B,画像処理装置Bのように、情報処理装置が画像処理装置の出力特性を取得し、画像データを生成してもよい。
図8〜12のフローチャートは、本実施例に係わる画像処理装置と情報処理装置の処理例を示している。
【0044】
図8は、情報処理装置Aで親展印刷を指示する処理例を示している。情報処理装置AのユーザI/F部15で親展印刷の設定が行われ、印刷開始が指示されると、まず画像処理装置側で印刷するための印刷データを生成する(ステップS1)。この印刷データには、印刷するドキュメントの情報に加えて、親展印刷のON/OFF、親展印刷のパスワードなどの親展印刷設定も含まれる。次に、情報処理装置Aは、生成した印刷データを画像処理装置へ送信し(ステップS2)、処理を終了する。
【0045】
図9は、図8の処理により情報処理装置Aから送信された印刷データを受信した画像処理装置Aの処理例を示している。まず、画像処理装置Aの現在の出力特性を取得し(ステップS11)、画像処理装置Aで受信した印刷データ(PDLデータ)から印刷する画像データを生成する(ステップS12)。
【0046】
次に、ステップS12で生成した画像データのそれぞれの画素に対して、ステップS11で取得した出力特性を元に画像の生成を行う(ステップS13)。例えば、現在の出力特性が図4に示す特性を持っていた場合、ステップS12で生成した画像のある画素のシアンの値が0であった場合は0に、1であった場合は2に、2であった場合は4に、3であった場合は6に、255であった場合は255というように画素の値を変更する。
【0047】
次に、画像処理装置Aでは、情報処理装置Aから受信した印刷データが親展印刷を指示しているかどうかを判断し(ステップS14)、親展印刷を指示している場合はステップS13で再生成した画像データとステップS11で取得した出力特性を保存し(ステップS15)、処理を終了する。親展印刷を指示していない場合は、ステップS13で再生成した画像データを出力する。
【0048】
図10は、情報処理装置Bで親展印刷を指示する処理例を示している。情報処理装置B側のユーザI/F部28により親展印刷の設定が行われ、印刷開始が指示されると、情報処理装置Bでは、印刷データ(GDI(Graphics Device Interface)データ)を生成する(ステップS21)。この印刷データには、親展印刷のON/OFF、親展印刷のパスワードなどの親展印刷設定も含まれる。
次に、情報処置装置Bでは、既に画像処理装置Bから取得して記憶している出力特性を読み込む(ステップS22)。または、印刷のたびにこの時点で画像処理装置Bの出力特性を取得してもよい。
【0049】
次に、ステップS21で生成した印刷データに、ステップS22で取得した出力特性をかけて印刷データの生成を行う(ステップS23)。例えば、現在の出力特性が図4に示す特性を持っていた場合、ステップS12で生成した画像のある画素のシアンの値が0であった場合は0に、1であった場合は2に、2であった場合は4に、3であった場合は6に、255であった場合は255というように画素の値を変更する。最後に、ステップS23で再生成した印刷データと出力特性とを画像処理装置Bに送信し(ステップS24)、処理を終了する。
【0050】
図11は、図10の処理により情報処理装置Bから送信された印刷データを受信した画像処理装置Bの処理例を示している。まず、画像処理装置Bでは、情報処理装置Bから受信した印刷データが親展印刷を指示しているかどうかを判断し(ステップS31)、親展印刷を指示している場合は受信した印刷データから抽出した画像データと出力特性を保存する(ステップS32)。また、受信した印刷データが親展印刷を指示していない場合は、受信した印刷データから抽出した画像データを印刷する(ステップS33)。
【0051】
図12は、画像処理装置A,Bで親展印刷が指示された場合の処理例を示している。まず、画像処置装置では、現在の画像処理装置の出力特性を取得し(ステップS41)、保存されている画像データと出力特性を取得する(ステップS42)。保存されている画像データと出力特性とは、上記図9のステップS15(画像処理装置A)、または図11のステップS32(画像処理装置B)で保存したものである。
【0052】
そして、ステップS41で取得した現在の出力特性と、ステップS42で取得した出力特性とを比較し(ステップS43)、これらが一致した場合にはステップS46へ移行する。また、一致しない場合には、画像データから過去の出力特性、つまり画像データ生成時の出力特性を除去し(ステップS44)、現在の出力特性を元に画像を再生成する。ここでは、画像データに現在の出力特性をかけで画像を再生する(ステップS45)。
【0053】
次に、画像処理装置では、親展印刷にパスワードの設定があるかどうかを判断し(ステップS46)、パスワードの設定がない場合はステップS49へ移行する。パスワードの設定がある場合は図7(C)に示すようなパスワードを要求する画面を表示する(ステップS47)。パスワードが入力されたら、そのパスワードと設定されているパスワードとが一致するかどうかを判断し(ステップS48)、一致しなければステップS47に戻る。一致した場合は画像データを印刷する(ステップS49)。
【0054】
図13は、画像処理装置A,Bで2つの出力特性を比較するときの処理例を示している。出力特性を比較するに際し、まず、双方の出力特性の生成日時の差を算出し、図6の基準以上かどうか判断を行う(ステップS51)。比較する出力特性は、保存した画像データが生成され保存された時の出力特性と、印刷が指示されて印刷を実行する時の出力特性である。つまり、出力特性比較部(手段)では、画像処理装置に画像データが保存された時の出力特性と、印刷が指示されてその画像データを出力するときの出力特性とを比較する。
【0055】
そして出力特性を比較した結果、上記の生成日時の差が基準以上(所定値以上)であれば、ステップS54へ移行する。また、出力特性の生成日時の差が基準より小さければ、双方の出力特性を生成したとき(画像データの保存時及び印刷実行時)の環境(温度・湿度)の差を算出し、図6の基準以上かどうかを判断する(ステップS52)。ここで基準以上であれば、ステップS54へ移行する。この場合、温度と湿度との両方の差が基準以上であるときに、環境の差が基準以上であると判断してもよく、また、温度と湿度のいずれか一方の差が基準以上であるときに、環境の差が基準以上であると判断するようにしてもよい。
【0056】
そして、環境の差が基準より小さいと判断した場合には、双方の出力特性を生成したときの各色のトナー残量を図6のカテゴリに分け、カテゴリが異なるかどうかを判断する(ステップS53)。
この場合、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのうち1色でもトナー残量のカテゴリが異なる場合には、ステップS54へ移行する。全色のトナー残量のカテゴリが同じである場合は出力特性の比較は行わず、一致していると見なして処理を終了する。つまり、印刷に使用するトナーを所定量以上使用していた場合に、前記出力特性の比較を行う。ステップS54では、双方の出力特性の比較を行い、処理を終了する。
【0057】
また、上記の出力特性を比較した後に、画像データを再度生成し直す処理において、出力特性比較部が出力特性を比較した際に、複数色のトナーのそれぞれに対応した出力特性のうち1色でも出力特性に所定値以上の差があれば、印刷する画像データを生成し直す処理を行うようにすることができる。そしてこのときに、生成し直す画像データは、出力特性に所定値以上の差があるトナーに対応した画像データとすることができる。
あるいは、複数色のトナーのそれぞれに対応した出力特性のうち1色でも出力特性に所定値以上の差があったときに、生成し直す画像データを、全てのトナーに対応した全ての画像データとするようにしてもよい。
【0058】
(実施例2)
本発明の第2の実施例では、情報処理装置から送られた印刷データを基に生成した画像データを画像処理装置に保存し、保存している期間が所定期間経過した場合や画像処理装置の使用状況が変化した場合、確認印刷機能が働き、予め指定された頁、例えば1頁だけ印刷する画像処理装置を提供する。
また、画像データを保存した際に、画像処理装置の色特性を画像データと共に保存し、確認印刷時に以前の色味で印刷することができる。この他に、確認印刷後、現在の画像処理装置の色特性を画像データに適用させ、印刷することもできる。これらにより、画像処理装置の使用状況の変化や長時間印刷情報を保存することが原因となる印刷物の色味が異なった場合の印刷ミスを軽減させることができる。
【0059】
本実施例による画像処理装置を、上記実施例1の図1を用いて説明する。図1の概略イメージ図に示すように、ネットワークであるローカルエリアネットワーク(LAN)を介して、情報処理装置A,Bと画像処理装置A,Bとが相互に接続されている。
実施例1と同様に、既存の技術として、情報処理装置A、画像処理装置Aを用いて印刷を行う場合、情報処理装置Aは、原稿データからプリンタ記述言語で印刷データを作成した後、画像処理装置Aに印刷データを送信し、画像処理装置Aでは、印刷データから画像データ(2値データ)を生成し、印刷を行う。
また、情報処理装置B、画像処理装置Bを用いて印刷を行う場合、情報処理装置Bは、原稿データから画像データを生成し、印刷データとして、画像処理装置Bに送信し、画像処理装置Bでは、印刷データから画像データを抽出し、印刷を行う。
【0060】
図14は、本実施例における情報処理装置と画像処理装置の装置構成例を更に詳しく説明するための図である。情報処理装置Aは、制御部101と、通信部104と、ユーザI/F部105とを備えている。また、制御部101は、印刷データ生成部102と、印刷データ送信部103とを備えている。
【0061】
ユーザI/F部105は、印刷しようとしているデータ(以降、原稿データと呼ぶ)の印刷設定をユーザが選択する画面であり、印刷データ生成命令と印刷設定を制御部101に伝える機構である。ユーザが印刷データを画像処理装置で印刷せずに、画像処理装置に印刷データを保存しておきたい場合、図16のような表示画面90を用いて、ホールド印刷の設定を行うことができる。この場合、情報処理装置で作成した印刷データを画像処理装置内部の記憶部に保存させることができる。
また、印刷設定でホールド印刷設定が行われた場合、図17の表示画面70のように、印刷データにパスワードを設定することもでき、パスワードを用いて、印刷データを保護することができる。この処理を親展印刷と呼ぶが、本実施例は、パスワードの有無に係わらず画像処理装置で一旦画像データを保持させて、所定の操作入力に従ってその画像処理装置から画像データを印刷出力させる処理に適用できる。
【0062】
通信部104は、画像処理装置Aと、情報処理装置Aとを、LAN等のネットワークを介して通信可能にし、様々なデータを送受信できる。また、情報処理装置Aの通信部104と同様の通信部118が画像処理装置Aにも設けられている。
情報処理装置Aの制御部(情報処理装置)101は、ユーザI/F部105から受けた印刷命令を元に、印刷データの生成、印刷データの送信命令を行うものである。
【0063】
次に画像処理装置Aは、図14に示すように制御部111と、通信部118と、記憶部119と、ユーザI/F部124とを備えている。制御部111は、画像生成部112、経過時刻比較部113、使用状況判断部114、出力特性取得部115、画像変換部116、画像出力部117を備えている。また記憶部119は、画像記憶部120、出力特性記憶部121、保存時間記憶部122、使用状況記憶部123を備えている。
【0064】
記憶部119の画像記憶部120は、画像データを保存(ホールド)するものである。
また、保存時間記憶部122は、画像データがホールドされた時のタイムスタンプと印刷制限を行う期間の設定を保存するものである。例えば、タイムスタンプや印刷制限期間として図18のような形式で保存する。
【0065】
使用状況記憶部123は、画像データがホールドされた時のトナーの残量、設置されている場所の気温、湿度などのプリンタの使用状況と制限設定を保存する。制限設定とは、使用頻度やトナー残量の変化量がこの値より大きければ、確認印刷をするという制限を設定したパラメータである。例えば、図19に示すように、使用頻度は、それまでに他の印刷物が印刷された回数を保存し、トナー残量は、50%のようにトナー残量の割合を保存する。
【0066】
制御部111は、画像データ生成処理と、画像データの保存処理、経過時間の算出・比較処理と、使用状況の判断処理と、出力特性の取得処理と、画像データの変換処理と、画像の出力処理とを行う。
画像生成部112は、画像データ生成処理及び保存処理を行う。画像データを生成する処理は、印刷データに画像処理装置の出力特性を適用し、一番出力がきれいになるように色合いを調整した画像データを生成する処理である。画像データの保存処理は、画像データを記憶部119の画像記憶部120に保存する処理である。
経過時刻比較部113では、経過時間の算出・比較処理を行う。ここでは、画像データが保存(ホールド)された時点から現在時点までの経過時間を導き出し、その経過時間と設定されている印刷制限期間とを比較して、経過時間が印刷制限期間を超えているか否かを判断する。経過時刻比較部113は、画像データが保存された時点から印刷指示が行われた時点までの保存期間を算出する本発明の期間算出部に該当するものである。
【0067】
使用状況判断処理部114では、画像処理装置Aの使用状況の判断処理を行う。この判断処理では、画像データがホールドされた時の使用状況と現在の使用状況とが大幅に変化しているか否かを検出する。例えば、画像データのホールド時の印刷回数が1000回で、現在の印刷回数が10000回であったとすると、印刷回数の変化量は9000回の増加である。この値を図19の制限設定と照らし合わせてみると、図19の制限設定一覧では、出力回数(つまり印刷回数)1000回以下が制限値となっている。この制限値を越えた場合には、使用状況が変化しているものと判断する。上記の例では、出力回数の変化量が1000回以上であるため、使用状況が大幅に変化していると判断する。
【0068】
出力特性取得部115では、出力特性の取得処理を行う。これは、ホールド時に保存した画像諸装置Aの出力特性を記憶部119から取得する処理である。また、画像変換部116では、画像データの変換処理を行う。これは、画像データから過去の出力特性を削除する処理と、現在画像処理装置が持つ出力特性を画像データに適用させる処理である。
画像出力部117では、画像出力処理を行う。ここでは、画像データを所定頁、例えば1頁だけ印刷するか全てを印刷するかを決定し、印刷を行う。例えば、使用状況の確認処理を行った際に、使用状況が大幅に変化していれば、画像データを1頁だけ印刷を行うようにし、大幅な変化がないと判断すれば、全頁を印刷するといった動作を行う。
【0069】
ユーザI/F部124は、ホールドされた画像データを印刷する際に、ユーザが図21のような表示画面160から印刷指示行うためのインターフェースである。ホールドされた画像データを画像処理装置A側で印刷する場合、まず、図21のような印刷ジョブの一覧が表示画面160に表示される。ここで表示されているジョブの1つをユーザが選択すると、図22のような表示画面161へ移行する。図21の表示画面160でa.docを選択したとすると、図22の表示画面161では、ホールドされた画像データを印刷するか、削除するかを選択することができる。ユーザが印刷を選択した場合は、印刷後にデータを削除するか、保存するかを選択することができる。
【0070】
情報処理装置Aで印刷データに親展印刷の設定をしていた場合、図23のような表示画面162で、印刷前にパスワードが要求される。また、画像処理装置Aの使用状況やホールド後の経過時間から自動で確認印刷を実行した場合、ユーザは、図24のような表示画面163により、印刷物の色が正しく出力されているか確認することを促される。ここで“そのまま印刷”を選択すれば、確認印刷を行うことなく指定された画像データをそのまま印刷し、“色味調整後、印刷”を選択すれば、1頁分などの確認印刷を行い、図25の確認用の表示画面164が表示される。
【0071】
図25の表示画面164でユーザがOKを押すと、図26の表示画面165に移行し、その後の印刷方法について、確認印刷を有効にし、画像データに最適な出力特性を適用した後印刷するか、確認印刷を無効にしてホールドされている画像データをそのまま印刷するか、あるいはホールドデータを削除するか等、を選択できる。また、この他に、図27や28のようにトナー残量の制限設定や、印刷制限期間の制限設定を行う表示画面166,167を表示させることができる。また、確認印刷を自動で行うか否かの設定なども表示させることができる。
【0072】
図15は、実施例2における情報処理装置と画像処理装置の装置構成の他の例を更に詳しく説明するための図である。
情報処理装置Bは、図15に示すように、制御部131と、通信部135と、記憶部136と、ユーザI/F部138とを備えている。制御部131は、出力特性取得部132、画像生成部133、画像送信部134を備えている。また、記憶部136は、出力特性記憶部137を備えている。
【0073】
ユーザI/F部138は、印刷しようとしている原稿データの印刷設定をユーザが選択する画面であり、印刷データ生成命令と印刷設定を制御部に伝える機構である。ユーザが印刷データを画像処理装置で印刷せずに、画像処理装置に印刷データを保存しておきたい場合、図16のような表示画面90を用いて、ホールド印刷の設定を行うことができる。これにより、情報処理装置で作成した印刷データを画像処理装置内部の記憶部に保存させることができる。また、印刷設定でホールド印刷設定が行われた場合、図17の表示画面70のようにパスワードを印刷データに設定することもでき、パスワードを用いて、印刷データを保護することができる。
通信部135は、画像処理装置Bと、情報処理装置Bとを、LAN等のネットワークを介して通信可能にし、様々なデータを送受信できる。また、情報処理装置Bの通信部135と同様の通信部147が画像処理装置Bにも設けられている。
【0074】
記憶部136は、ROMやRAM等のような記憶手段であり、あらかじめ情報処理装置Bが画像処理装置Bから取得した色味情報の出力特性を保存するものである。出力特性は、使用状況や時間の経過と共に変化し、その時々で最適な色合いで印刷物を出力できるよう設定されている。例えば、図20のように、記憶部136では、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック等の色味情報を出力特性として保存する。この出力特性のシアンの値が基準値より低い場合、制御部131で形成する画像データのシアンの諧調を低く設定し、マゼンダの値が基準値より高い場合、画像データのシアンの諧調を高く設定する。基準値は、図20に示すような画像処理装置が固有に持つ設定である。
【0075】
制御部131は、ユーザI/F部138から受けた印刷命令を元に、印刷データの生成、印刷データの送信命令、出力特性の取得、画像生成、画像送信命令を行うものである。
情報処理装置Bは、原稿データから画像データを生成し、その画像データに記憶部136に予め取得している出力特性の情報を考慮して、色の調整を行う。色の調整を行った後、画像データと印刷設定(パスワード設定やホールド設定)とを印刷データとして画像処理装置Bに送信する。
【0076】
次に画像処理装置Bは、図15に示すように制御部141と、通信部147と、記憶部148と、ユーザI/F部153とを備えている。制御部141は、経過時刻比較部142、使用状況判断部143、出力特性取得部144、画像変換部145、画像出力部146を備えている。また、記憶部148は、画像記憶部149、出力特性記憶部150、保存時間記憶部151、使用状況記憶部152を備えている。
【0077】
記憶部148の画像記憶部149は、情報処理装置Aからの印刷データに画像処理装置の出力特性を適用した画像データ、または情報処理装置Bからの画像データを保存(ホールド)するものである。出力特性記憶部150は、画像データがホールドされた時に画像処理装置に設定されている色味の情報を保存する。例えば、図20に示すように0から255まで設定することができ、色味の設定が高いときは、画像処理装置が画像データを印刷するときに、その色を濃く出力する。
【0078】
保存時間記憶部151は、画像データがホールドされた時のタイムスタンプと印刷制限を行う期間の設定を保存するものである。例えば、タイムスタンプや印刷制限期間として図20のような形式で保存する。使用状況記憶部152は、画像データがホールドされた時の出力回数(使用頻度)やトナーの残量、画像処理装置が設置されている場所の気温、湿度などの使用状況と、その各項目の制限設定を保存する。制限設定とは、出力回数やトナー残量の変化量がこの値より大きければ、確認印刷をするという制限を設定したパラメータである。例えば、図19のように、出力回数としては、それまでに他の印刷物が印刷された回数を保存し、トナー残量としては、例えば“50%”のようにトナー残量の割合を保存する。
【0079】
制御部141は、経過時間の算出・比較処理と、使用状況の確認処理と、出力特性の取得処理と、画像データの変換処理と、画像の出力処理とを行う。
経過時刻比較部142では、経過時間の算出・比較処理を行う。ここでは、画像データがホールドされた時点から現在時点までの経過時間を導き出し、経過時間と設定されている印刷制限期間とを比較して、経過時間が印刷制限期間を超えているか否かを判断する。経過時刻比較部142は、画像データが保存された時点から印刷指示が行われた時点までの保存期間を算出する本発明の期間算出部に該当するものである。
【0080】
使用状況判断部143では、画像処理装置Bの使用状況の判断処理を行う。この判断処理では、画像データがホールドされた時の使用状況と現在の使用状況とが大幅に変化しているか否かを検出する。例えば、画像データのホールド時の印刷回数が1000回で、現在の印刷回数が10000回であったとすると、印刷回数の変化量は9000回の増加である。この値を図19の制限設定と照らし合わせてみると、図19の制限設定一覧では、出力回数(つまり印刷回数)1000回以下が制限値となっている。この制限値を越えた場合には、使用状況が変化しているものと判断する。上記の例では、出力回数の変化量が1000回以上であるため、使用状況が大幅に変化していると判断する。
【0081】
出力特性取得部144では、出力特性の取得処理を行う。これは、ホールド時に保存した画像処理装置Bの出力特性を記憶部148から取得する処理である。また、画像変換部145では、画像データの変換処理を行う。これは、以前ホールドした画像データから以前の出力特性を削除する処理と、現在画像処理装置が持つ出力特性を以前の出力特性を除去した画像データに適用させる処理である。
【0082】
画像出力部146では、画像出力処理を行う。ここでは、画像データを指定された1部分だけ、例えば表紙の1頁だけ印刷するか、全頁印刷するかを決定し、印刷を行う。例えば、使用状況の確認処理を行った際に、使用状況が大幅に変化していれば、画像データを1頁だけ印刷を行うようにし、大幅な変化がないと判断すれば、全頁を印刷するといった動作を行う。
【0083】
本例では、制御部が異なる画像処理装置として、画像処理装置Aと画像処理装置Bを例に挙げている。画像処理装置Aは、情報処理装置から送信された印刷データに出力特性を適用し画像データに変換した後、画像データの保存を行う。画像処理装置Bは、情報処理装置から来た画像データを変換せずに、記憶部へ保存する。
【0084】
ユーザI/F部153は、ホールドされた画像データを印刷する際に、ユーザが図21のような表示画面160から印刷指示行うためのインターフェースである。ホールドされた画像データを画像処理装置B側で印刷する場合、まず、図21のような印刷ジョブの一覧が表示画面160に表示される。ここで表示されているジョブの1つをユーザが選択すると、図22のような表示画面161へ移行する。図21の表示画面160でa.docを選択したとすると、図22の表示画面161では、ホールドされた画像データを印刷するか、削除するかを選択することができる。印刷を選択した場合は、印刷後にデータを削除するか、保存するかを選択することができる。
【0085】
情報処理装置Bで印刷データに親展印刷の設定をしていた場合、図23のような表示画面162で、印刷前にパスワードが要求される。また、画像処理装置Bの使用状況やホールド後の経過時間から確認印刷を実行した場合は、図24のような表示画面163により、印刷物の色が正しく出力されているかの確認をユーザに促す。ここで“そのまま印刷”を選択すれば、確認印刷を行うことなく指定された画像データをそのまま印刷し、“色味調整後、印刷”を選択すれば、1頁分などの確認印刷を行い、図25の確認用の表示画面164が表示される。
【0086】
図25の表示画面164でユーザがOKを押すと、図26の表示画面165に移行し、その後の印刷方法について、確認印刷を有効にし、画像データに最適な出力特性を適用した後印刷するか、確認印刷を無効にしてホールドされている画像データをそのまま印刷するか、あるいはホールドデータを削除するか等、を選択できる。また、この他に、図27や28のようにトナー残量の制限設定や、印刷制限期間の制限設定を行う表示画面166,167を表示させることができる。また、確認印刷を自動で行うか否かの設定なども表示させることができる。
【0087】
図29〜図34のフローチャートは、本実施例に係わる画像処理装置と情報処理装置の処理例を示している。
図29は、情報処理装置Aで印刷が指示されたときの処理の一例を示している。図29において、例えば、情報処理装置Aで利用者が印刷の指示を行った場合、印刷データを生成する。この時、ユーザI/F部105から親展印刷設定が施されていれば、印刷データにそれらの設定を加える(ステップS101)。この場合、パスワードを設定しないホールド印刷の場合にもその設定を加えるようにする。次に、情報処理装置Aは、生成した印刷データを画像処理装置Aに送信する(ステップS102)。
【0088】
図30は、情報処理装置Bで印刷が指示されたときの処理の一例を示している。情報処理装置Bでは、印刷指示を受けると、画像データを生成する(ステップS111)。次に、あらかじめ画像処理装置Bから取得し、記憶部に保存している出力特性を読み込む(ステップS112)。そして、読み込んだ出力特性を考慮して、画像データの色味を調整する。つまり、生成した画像データに出力特性をかけて色味を調整する(ステップS113)。最後に、画像データと印刷設定(ホールド印刷設定と親展印刷設定)と色味調整に使用した出力特性とを画像処理装置Bへ送信する(ステップS114)。
【0089】
図31は、画像処理装置Aが情報処理装置Aから印刷データを受信した時のホールド処理の例を示している。
例えば、情報処理装置Aから印刷データが送信された場合、画像処理装置Aでは、情報処理装置Aから印刷データを受信し(ステップS121)、その時点での画像処理装置Aの出力特性を取得する(ステップS122)。次に、印刷データから画像データを生成し(ステップS123)、ステップS122で取得した出力特性を用いて、画像データの色味を調整する。つまり、画像データに出力特性をかける(ステップS124)。
【0090】
次に、情報処理装置Aでは、受信した印刷データにホールド印刷設定が施されているか判断する(ステップS125)。この場合、パスワードを必要としないホールド印刷及びパスワードを必要とする親展印刷の両方の設定情報をホールド印刷設定として判断するものとする。ここで印刷データにホールド印刷設定が施されていた場合、画像データ(ホールド印刷設定を含む)と出力特性とを記憶部に保存し(ステップS126)、さらに画像データのホールド時の時刻や使用状況を記憶部に保存する(ステップS127)。印刷データにホールド印刷設定がない場合は、そのまま画像データを印刷する(ステップS128)。
【0091】
図32は、画像処理装置Bが情報処理装置Bから印刷データを受信した時のホールド処理の1例を示している。
例えば、情報処理装置Bからデータが送信された場合、画像処理装置Bでは、情報処理装置Aから画像データを出力特性、印刷設定とともに受信する(ステップS131)。次に、印刷設定にホールド印刷設定が含まれているか、つまりホールド印刷をおこなうかどうかを判断する(ステップS132)。印刷設定にホールド印刷設定が含まれている場合、画像データ(ホールド印刷設定を含む)と出力特性を記憶部に保存し(ステップS133)、さらに画像処理装置の使用状況やホールド時刻を記憶部に保存する(ステップS134)。印刷データにホールド印刷設定がない場合は、そのまま画像データを印刷する(ステップS135)。
【0092】
図33は、画像処理装置A,Bで事前に図26に示すような画面で確認印刷の設定が有効にされていた場合の保存(ホールド)された画像データ印刷処理の一例である。ホールドされた画像データの印刷処理は、画像処理装置A,B共に同様の処理を行う。
図33において、例えば、ユーザが図21のような画面からホールドされた画像データを選択し、図22の画面から印刷を選択した場合、画像処理装置は、記憶部から画像データを取得する(ステップS141)。同様に記憶部から、ホールド時刻と印刷制限期間を取得し、さらに使用状況、制限規定を取得する(ステップS142,S143)。
【0093】
次に、ホールド時刻と現在の時刻を比較し、ホールド時と現在の期間が印刷制限期間を越えているか判断するか、または、以前の使用状況と現在の使用状況を比較し、ホールド時と現在の使用状況の差異が制限設定を満たしているか判断する(ステップS144)。ホールド後の時間経過が印刷制限期間を超えて長時間経過した場合、もしくは、使用状況の差異が制限規定を満たさずに変化が大きいと判断した場合、指定頁、例えば1頁だけ印刷する確認印刷に進む。
【0094】
本実施例では、画像データが保持された時点から、印刷指示が行われた時点までの所定の特徴量の変化に基づいて、画像データの1部の頁(例えば1頁)だけ印刷するか、もしくは画像データの全頁を印刷するかどうかを決定するようにしている。そしてこの特徴量は、上記の例のように、画像データが保存された時点から印刷指示までの保存期間、及び画像処理情報の使用状況のいずれかまたは両方を適用することができる。そしてこの使用状況とは、トナー残量の変化量、気温、湿度の全てまたはいずれか1または複数とすることができる。
【0095】
図33において、確認印刷の処理では、画像データのホールド時に、画像データに親展印刷設定が付加されているか、つまり親展印刷情報があるかどうかを判断し(ステップS145)、親展印刷設定が画像データに付加されていた場合、ユーザ情報(パスワード)を要求する(ステップS146)。例えば、図23に示すような表示画面162によって、パスワードを要求する。
ここでユーザがパスワードを入力すると、画像処理装置では、入力されたパスワードが予め設定されているパスワードと一致するかどうか、つまりユーザ情報が正しいかどうかを判断する(ステップS147)。そして、パスワードが一致すれば、予め指定された頁、頁数で印刷する(ステップS148)。このとき指定された頁として、表紙の1頁とすることができる。そして、図24、図25に示すように印刷物の色の確認要求、印刷指示の要求を行う(ステップS149)。パスワードが一致しない場合は、画像データの印刷を行わない。
【0096】
また、ホールド時、画像データに親展印刷設定が付加されていない場合、指定頁、頁数の印刷、例えば1頁だけの印刷を行い(ステップS148)、図24、図25に示すように印刷物の色の確認要求と印刷指示の要求を行う(ステップS149)。印刷指示の要求では、図24のような画面で利用者に対して、色味を調整して印刷するか、現在の設定のまま印刷するかを選択させる。”色味を調整後、印刷”が選択された場合(ステップS150−YES)、画像処理装置は、現在の出力特性を取得し(ステップS151)、画像データから過去の出力特性を除去する(ステップS152)。次にステップS151で取得した出力特性を考慮して、出力特性を除去した画像データの色合いを調整する。つまり画像データに現在の出力特性をかける(ステップS153)。そして、画像データの全頁印刷を行う(ステップS154)。また、ステップS150で“色味を調整して印刷”が選択されず、”現在の設定のまま印刷”が選択された場合、画像の色味を調整せず、画像データの全頁印刷を行う(ステップS154)。
【0097】
ステップS144で、画像データのホールド後の経過時間が印刷制限期間を超えていない場合、つまりホールド後の時間経過が少ないと判断された場合、もしくは使用状況の差異が制限設定を満たしていて変化が小さいと判断された場合、ホールド時、画像データに親展印刷設定が付加されていたかどうか、つまり親展印刷情報があるかどうかを判断する(ステップS155)。親展印刷設定が画像データに付加されていた場合、利用者にユーザ情報としてパスワードを要求する(ステップS156)。
【0098】
ユーザが、図23に示すような表示画面162でパスワードを入力すると、画像処理装置は、入力されたパスワードと、画像処理装置に予め設定されているパスワードとが一致するかどうか、つまりユーザ情報は正しいかどうかを判断する(ステップS157)。パスワードが一致すれば、画像データをそのまま全頁印刷する(ステップS158)。パスワードが一致しない場合には、印刷を行うことなく処理を終了する。また、ステップS155で画像データに親展印刷が設定されていない場合は、画像データをそのまま全頁印刷する(ステップS158)。
【0099】
図34は、画像処理装置A,Bで事前に図26に示すような表示画面で確認印刷の設定が無効にされていた場合のホールドデータ印刷処理の一例である。ホールドデータの印刷処理は、画像処理装置A,B共に同様の処理を行う。
図34において、例えば、ユーザが図21のような表示画面160からホールドされた画像データを選択し、図22の表示画面161から印刷を選択した場合、画像処理装置は、記憶部から選択された画像データを取得する(ステップS161)。次に、画像データがホールドされた時、画像データに親展印刷設定が付加されていたかどうか、つまり親展印刷情報があるかどうかを判断する(ステップS162)。
【0100】
画像データに親展印刷設定が付加されていた場合、図23に示すような表示画面162によりユーザ情報(パスワード)を要求する(ステップS163)。この表示画面162に対してユーザがパスワードを入力すると、画像処理装置は、入力されたパスワードと、画像処理装置に予め設定されているパスワードとが一致するかどうか、つまりユーザ情報が正しいかどうかを判断する(ステップS164)。パスワードが一致すれば、画像データをそのまま全頁印刷する(ステップS165)。パスワードが一致しない場合、印刷をすることなく処理を終了する。また、ステップS162で画像データに親展印刷が設定されていない場合は、画像データをそのまま全頁印刷する(ステップS165)。
尚、本実施の形態では、フローチャートに示す処理を画像処理装置内で行う場合を例に挙げて説明したが、これらの処理がソフトウェアで提供されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明に適用可能な画像処理装置をローカルネットワークに接続した状態を説明する図である。
【図2】図1に示す情報処理装置と画像処理装置の装置構成例を更に詳しく説明するための図である。
【図3】情報処理装置のユーザI/F部の表示例を示す図である。
【図4】画像処理装置のガンマテーブルの一例を示す図である。
【図5】2つの出力特性を比較する処理を説明するための図である。
【図6】画像処理装置の出力特性比較部における出力特性の比較基準の設定例を示す図である。
【図7】画像処理装置のユーザI/F部の表示例を示す図である。
【図8】情報処理装置で親展印刷を指示する処理例を説明するためのフローチャートである。
【図9】図8の処理により情報処理装置から送信された印刷データを受信した画像処理装置の処理例を説明するためフローチャートである。
【図10】情報処理装置で親展印刷を指示する他の処理例を説明するためのフローチャートである。
【図11】図10の処理により情報処理装置から送信された印刷データを受信した画像処理装置の処理例を説明するためフローチャートである。
【図12】画像処理装置で親展印刷が指示された場合の処理例を説明するためのフローチャートである。
【図13】画像処理装置で2つの出力特性を比較するときの処理例を説明するためのフローチャートである。
【図14】情報処理装置と画像処理装置の他の装置構成例を更に詳しく説明するための図である。
【図15】情報処理装置と画像処理装置の更に他の装置構成例を更に詳しく説明するための図である。
【図16】ホールド印刷を設定するときの表示画面例を示す図である。
【図17】印刷データにパスワードを設定するときの表示画面例を示す図である。
【図18】画像データがホールドされた時のタイムスタンプと印刷制限を行う期間の設定例を示す図である。
【図19】画像データがホールドされた時の使用状況と現在の使用状況とが大幅に変化しているか否かを検出するための制限設定例を説明するための図である。
【図20】出力特性記憶部に記憶する色味情報に関する出力特性の一例を示す図である。
【図21】画像処理装置で印刷指示を行うための表示画面例を示す図である。
【図22】画像処理装置でホールド印刷を設定するための表示画面例を示す図である。
【図23】画像処理装置でパスワード入力を要求する表示画面例を示す図である。
【図24】画像処理装置で印刷方法を指定するときの表示画面例を示す図である。
【図25】画像処理装置で確認印刷を行ったことを確認する表示を行う表示画面例を示す図である。
【図26】画像処理装置で行った確認印刷の有効/無効を設定するための表示画面例を示す図である。
【図27】画像処理装置でトナー残量の制限設定を行うための表示画面例を示す図である。
【図28】画像処理装置で印刷制限期間の制限設定を行うための表示画面例を示す図である。
【図29】情報処理装置で印刷が指示されたときの処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図30】情報処理装置で印刷が指示されたときの処理の他の例を説明するためのフローチャートである。
【図31】画像処理装置が情報処理装置から印刷データを受信したときのホールド処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図32】画像処理装置が情報処理装置から印刷データを受信したときのホールド処理の他の例を説明するためのフローチャートである。
【図33】画像処理装置で確認印刷が事前に有効にされていたときのホールドデータの印刷処理例を説明するためのフローチャートである。
【図34】画像処理装置で事前に確認印刷の設定が無効にされていた場合のホールドデータ印刷処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0102】
11…制御部、12…印刷データ生成部、13…印刷データ送信部、14…通信部、15…ユーザI/F部、21…制御部、22…出力特性取得部、23…印刷データ生成部、24…印刷データ送信部、25…通信部、26…記憶部、27…出力特性記憶部、28…ユーザI/F部、31…制御部、32…出力特性取得部、33…画像生成部、34…出力特性比較部、35…画像変換部、36…画像出力部、37…通信部、38…記憶部、39…画像記憶部、40…出力特性記憶部、41…ユーザI/F部、51…制御部、52…出力特性取得部、53…出力特性比較部、54…画像変換部、55…画像出力部、56…通信部、57…記憶部、58…画像記憶部、59…出力特性記憶部、60…ユーザI/F部、70…表示画面、71…チェックボックス、72…チェックボックス、73…パスワード入力欄、101…制御部、102…印刷データ生成部、103…印刷データ送信部、104…通信部、105…ユーザI/F部、111…制御部、112…画像生成部、113…経過時刻比較部、114…使用状況判断部、115…出力特性取得部、116…画像変換部、117…画像出力部、118…通信部、119…記憶部、120…画像記憶部、121…出力特性記憶部、122…保存時間記憶部、123…使用状況記憶部、124…ユーザI/F部、131…制御部、132…出力特性取得部、133…画像生成部、134…画像送信部、135…通信部、136…記憶部、137…出力特性記憶部、138…ユーザI/F部、141…制御部、142…経過時刻比較部、143…使用状況判断部、144…出力特性取得部、145…画像変換部、146…画像出力部、147…通信部、148…記憶部、149…画像記憶部、150…出力特性記憶部、151…保存時間記憶部、152…使用状況記憶部、153…ユーザI/F部、160〜162…表示画面。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理装置に保存されている画像データを、該画像処理装置に対する所定の操作入力による印刷指示に従って印刷する機能を備えた画像処理装置であって、
該画像処理装置に保存されている画像データの印刷指示が行われた際に、印刷に際して使用する特性値を定めた出力特性を比較する出力特性比較手段を有し、該出力特性比較手段は、前記画像データが保存されたときの前記画像処理装置の出力特性と、前記印刷指示が行われた時点の画像処理装置の出力特性とを比較し、
該出力特性比較手段により比較した結果、該比較した出力特性に所定値以上の差があると判断した場合は、前記印刷を指示した時点の前記画像処理装置の出力特性を元に、印刷する画像データを生成し直すことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記出力特性比較手段は、前記画像データを前記画像処理装置に保存した時から前記印刷の実行までの時間が所定時間以上経過している場合には、前記出力特性の比較を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記出力特性比較手段は、前記画像データを前記画像処理装置に保存した時から前記印刷の実行までに、印刷に使用するトナーを所定量以上使用していた場合に、前記出力特性の比較を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記画像処理装置は、複数色のトナーにより印刷を行う機能を備え、前記出力特性比較手段が出力特性を比較した際に、前記複数色のトナーのそれぞれに対応した出力特性のうち1色でも出力特性に所定値以上の差があれば、前記印刷する画像データを生成し直す処理を行い、該生成し直す画像データは、前記出力特性に所定値以上の差があるトナーに対応した画像データとすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記画像処理装置は、複数色のトナーにより印刷を行う機能を備え、前記出力特性比較手段が出力特性を比較した際に、前記複数色のトナーのそれぞれに対応した出力特性のうち1色でも出力特性に所定値以上の差があれば、前記印刷する画像データを生成し直す処理を行い、該生成し直す画像データは、全てのトナーに対応した全ての画像データとすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
画像処理装置に保存されている画像データを、該画像処理装置に対する所定の操作入力による印刷指示に従って印刷する機能を備えた画像処理装置によって実行する画像処理方法であって、
該画像処理装置に保存されている画像データの印刷指示が行われた際に、印刷に際して使用する特性値を定めた出力特性について、前記画像データが保存されたときの前記画像処理装置の出力特性と、前記印刷指示が行われた時点の画像処理装置の出力特性とを比較する出力特性比較ステップと、
該出力特性比較ステップにより比較した結果、該比較した出力特性に所定値以上の差があると判断した場合は、前記印刷を指示した時点の前記画像処理装置の出力特性を元に、印刷する画像データを生成し直すステップとを有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項7】
画像処理装置に保存されている画像データを、該画像処理装置に対する所定の操作入力による印刷指示に従って印刷をする機能を備えた画像処理装置であって、
該画像処理装置に保存されている画像データの印刷指示が行われた際に、前記画像データが保存された時点から、前記印刷指示が行われた時点までの所定の特徴量の変化に基づいて、前記画像データの1部の頁だけを印刷するか、もしくは前記画像データの全頁を印刷するかを決定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
前記画像データが保存された時点から、前記印刷指示が行われた時点までの前記画像データの保存期間を算出する期間算出部を備え、前記特徴量として前記期間算出部で算出した前記保存期間を用い、該保存期間が、前記画像処理装置に予め設定されている期間を超過していた場合、前記画像データの1部の頁だけを印刷し、超過していない場合は、前記画像データの全頁を印刷することを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記特徴量として、前記画像データが保存された時点から、前記印刷指示が行われた時点までの前記画像処理装置の所定の使用状況の変化量を用い、前記使用状況の変化量が前記画像処理装置に予め設定されている設定値を超過していた場合、前記画像データの1部の頁だけを印刷し、超過していない場合は、前記画像データの全頁を印刷することを特徴とする請求項7または8に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記使用状況の変化量は、前記画像処理装置のトナー残量の変化量であることを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記使用状況の変化量は、前記画像処理装置が設置された場所の気温の変化量であることを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記使用状況の変化量は、前記画像処理装置が設置された場所の湿度の変化量であることを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記画像データの1部の頁は、該画像データの最初の1頁であることを特徴とする請求項7〜12のいずれか1に記載の画像処理装置。
【請求項14】
画像処理装置に保存されている画像データを、該画像処理装置に対する所定の操作入力による印刷指示に従って印刷をする機能を備えた画像処理装置で実行する画像処理方法であって、
該画像処理装置に保存されている画像データの印刷指示が行われた際に、前記画像データが保存された時点から、前記印刷指示が行われた時点までの所定の特徴量の変化を検出するステップと、
該検出した特徴量の変化に基づいて、前記画像データの表紙の1頁だけを印刷するか、もしくは前記画像データの全頁を印刷するかを決定するステップと、を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項1】
画像処理装置に保存されている画像データを、該画像処理装置に対する所定の操作入力による印刷指示に従って印刷する機能を備えた画像処理装置であって、
該画像処理装置に保存されている画像データの印刷指示が行われた際に、印刷に際して使用する特性値を定めた出力特性を比較する出力特性比較手段を有し、該出力特性比較手段は、前記画像データが保存されたときの前記画像処理装置の出力特性と、前記印刷指示が行われた時点の画像処理装置の出力特性とを比較し、
該出力特性比較手段により比較した結果、該比較した出力特性に所定値以上の差があると判断した場合は、前記印刷を指示した時点の前記画像処理装置の出力特性を元に、印刷する画像データを生成し直すことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記出力特性比較手段は、前記画像データを前記画像処理装置に保存した時から前記印刷の実行までの時間が所定時間以上経過している場合には、前記出力特性の比較を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記出力特性比較手段は、前記画像データを前記画像処理装置に保存した時から前記印刷の実行までに、印刷に使用するトナーを所定量以上使用していた場合に、前記出力特性の比較を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記画像処理装置は、複数色のトナーにより印刷を行う機能を備え、前記出力特性比較手段が出力特性を比較した際に、前記複数色のトナーのそれぞれに対応した出力特性のうち1色でも出力特性に所定値以上の差があれば、前記印刷する画像データを生成し直す処理を行い、該生成し直す画像データは、前記出力特性に所定値以上の差があるトナーに対応した画像データとすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記画像処理装置は、複数色のトナーにより印刷を行う機能を備え、前記出力特性比較手段が出力特性を比較した際に、前記複数色のトナーのそれぞれに対応した出力特性のうち1色でも出力特性に所定値以上の差があれば、前記印刷する画像データを生成し直す処理を行い、該生成し直す画像データは、全てのトナーに対応した全ての画像データとすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
画像処理装置に保存されている画像データを、該画像処理装置に対する所定の操作入力による印刷指示に従って印刷する機能を備えた画像処理装置によって実行する画像処理方法であって、
該画像処理装置に保存されている画像データの印刷指示が行われた際に、印刷に際して使用する特性値を定めた出力特性について、前記画像データが保存されたときの前記画像処理装置の出力特性と、前記印刷指示が行われた時点の画像処理装置の出力特性とを比較する出力特性比較ステップと、
該出力特性比較ステップにより比較した結果、該比較した出力特性に所定値以上の差があると判断した場合は、前記印刷を指示した時点の前記画像処理装置の出力特性を元に、印刷する画像データを生成し直すステップとを有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項7】
画像処理装置に保存されている画像データを、該画像処理装置に対する所定の操作入力による印刷指示に従って印刷をする機能を備えた画像処理装置であって、
該画像処理装置に保存されている画像データの印刷指示が行われた際に、前記画像データが保存された時点から、前記印刷指示が行われた時点までの所定の特徴量の変化に基づいて、前記画像データの1部の頁だけを印刷するか、もしくは前記画像データの全頁を印刷するかを決定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
前記画像データが保存された時点から、前記印刷指示が行われた時点までの前記画像データの保存期間を算出する期間算出部を備え、前記特徴量として前記期間算出部で算出した前記保存期間を用い、該保存期間が、前記画像処理装置に予め設定されている期間を超過していた場合、前記画像データの1部の頁だけを印刷し、超過していない場合は、前記画像データの全頁を印刷することを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記特徴量として、前記画像データが保存された時点から、前記印刷指示が行われた時点までの前記画像処理装置の所定の使用状況の変化量を用い、前記使用状況の変化量が前記画像処理装置に予め設定されている設定値を超過していた場合、前記画像データの1部の頁だけを印刷し、超過していない場合は、前記画像データの全頁を印刷することを特徴とする請求項7または8に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記使用状況の変化量は、前記画像処理装置のトナー残量の変化量であることを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記使用状況の変化量は、前記画像処理装置が設置された場所の気温の変化量であることを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記使用状況の変化量は、前記画像処理装置が設置された場所の湿度の変化量であることを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記画像データの1部の頁は、該画像データの最初の1頁であることを特徴とする請求項7〜12のいずれか1に記載の画像処理装置。
【請求項14】
画像処理装置に保存されている画像データを、該画像処理装置に対する所定の操作入力による印刷指示に従って印刷をする機能を備えた画像処理装置で実行する画像処理方法であって、
該画像処理装置に保存されている画像データの印刷指示が行われた際に、前記画像データが保存された時点から、前記印刷指示が行われた時点までの所定の特徴量の変化を検出するステップと、
該検出した特徴量の変化に基づいて、前記画像データの表紙の1頁だけを印刷するか、もしくは前記画像データの全頁を印刷するかを決定するステップと、を有することを特徴とする画像処理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【公開番号】特開2009−296212(P2009−296212A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−146757(P2008−146757)
【出願日】平成20年6月4日(2008.6.4)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月4日(2008.6.4)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]