説明

画像処理装置及び管走行トラッキング方法

【課題】血管走行のトラッキングとともに血管断面を同時に、且つリアルタイムに評価でき、評価までに要する時間を短縮する画像処理装置を提供する。
【解決手段】被検体の立体画像データを記憶する立体画像データ記憶手段と、該立体画像データ記憶手段により記憶された立体画像データ内の所望の管状構造体の領域を前記立体画像データから設定する領域設定手段と、該領域設定手段により設定された管状構造物の芯線を前記立体画像データから設定する芯線抽出手段と、該芯線抽出手段により抽出された芯線に基づく管状構造体に直交する直交断面画像を作成する直交断面作成手段と、上記芯線設定手段により抽出された芯線及び上記直交断面作成手段により作成された直交断面画像を作成と同時に表示する表示手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置に係り、特に、X線CT装置や磁気共鳴診断装置(MRI装置)等の撮影装置から得られた被検体の3次元ボリュームデータを用いて、血管、気管支、腸管等の管腔臓器の内腔の形状表示や定量解析を行う機能を有した画像処理装置に関する。また、本発明は、斯かる画像処理装置において実行される管腔臓器の走行をトラッキングし、表示する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の医用診断において、被検体の血管などの管腔臓器に関しては、その形状を表示させたり、その走行状態を定量解析に付することが求められている。この形状表示や定量解析を行う場合、被検体の管腔臓器を含む部位の3次元ボリュームデータをX線CT装置MRI装置などの医用モダリティで取得し、この3次元ボリュームデータ(立体データ)が画像処理に付される。
【0003】
例えば、血管の狭窄等の疾患部を発見するには、血管の伸長方向に沿って多数枚の断面像を撮影し画面像を順次検索して、あたかも内視鏡が消化器官内等を進んでいくように断面像を順次画像表示しなければならない。
【0004】
この画像処理においては、管腔臓器の3次元的な芯線(例えば中心線)の位置情報を知る必要がある。3次元ボリュームデータを用いて管腔臓器の芯線を3次元的に抽出する方法として、立体画像データ内の所望の管状構造物の領域を前記立体画像データから設定し、設定された管状構造物の芯線を立体画像データから設定するものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
この方法は、より具体的には、立体画像データ上で操作者が管腔臓器(例えば血管)の抽出対象範囲として指定した1点の始点と1点又は複数点の終点を指定し、指定された範囲内において所望の管腔臓器、例えば血管の領域をクラスタリング等により3次元的に抽出し、この領域内の管腔臓器の芯線の点群を、ユークリッド距離変換等の手法を用いて探索し、これら点群を滑らかに接続した後、先端におけるベクトルを確定して次ベクトルを算出するという処理を繰り返すことにより、始点から終点までの芯線を求めるものである。
【特許文献1】特開2004−230086号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した方法では、以下の問題点がある。まず、設定された始点と終点との間で上述した処理を繰り返した後にその血管走行短軸像が表示されるので、処理に時間がかかり、処理が終わらないと結果を見ることができないので、使用者には待ち時間が長く感じられる。すなわち、リアルタイムに評価することができなかいという問題である。また、このことから、検出された部分に誤りがあっても、全処理が完了するまで修正することもできなかった。
【0007】
そして、この方法は、管方向のベクトルを決めるために、領域抽出した中の代表点(CT値)をサンプリング対象として見つけていく。そうすると、始点と終点との間にプラークの付着等による血管内腔の濃度変化の大きい箇所や造影剤濃度変化が大きい場合や、屈曲する部分があったり、或いは血管が急に細くなっていたりすると、領域抽出に失敗する可能性が高いという問題もある。
【0008】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、血管走行のトラッキングとともに血管断面を同時に、且つリアルタイムに評価でき、評価までに要する時間を短縮する画像処理装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
本発明の他の目的は、このように血管走行とともに血管断面を同時に、かつ、リアルタイムに行なわれた血管走行の検出結果を同時並行に血管の視覚的評価ができるようにユーザの操作性が向上した画像処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る画像処理装置は、上述した課題を解決するために、請求項1に記載したように、被検体の立体画像データを記憶する立体画像データ記憶手段と、該立体画像データ記憶手段により記憶された立体画像データ内の所望の管状構造体の領域を前記立体画像データから設定する領域設定手段と、該領域設定手段により設定された管状構造物の芯線を前記立体画像データから設定する芯線抽出手段と、該芯線抽出手段により抽出された芯線に基づく管状構造体に直交する直交断面画像を作成する直交断面作成手段と、上記芯線設定手段により抽出された芯線及び上記直交断面作成手段により作成された直交断面画像を表示する表示手段とを備えるものである。
【0011】
そして、前記芯線抽出手段は、好適には、請求項2に記載したように、前記直交断面作成手段により作成された直交断面上の芯線位置から次の芯線位置を順次求め両芯線位置を接続平滑化して芯線を抽出し、前記表示手段は、芯線が抽出されるに従って漸進的に芯線を表示する構成とすることができる。
【0012】
次に、前記直交断面作成手段は、好適には、請求項3に記載したように、作成された最後の二つの直交断面における芯線位置から次の直交断面を順次求め、前記表示手段は、前記芯線が新たに抽出されるに従って芯線先端に位置する直交断面を表示する構成とすることができる。
【0013】
また、前記表示手段は、好適には、請求項4に記載したように、前記芯線抽出手段により抽出された芯線が重畳表示された1又は2以上のCurved MPR像と、前記直交断面作成手段により作成された所望の直交断面画像とを表示するようにすることが望ましい。
【0014】
前記表示手段は、より好適には、請求項5に記載したように、前記Curved MPR像を、指定された幅で作成されたCurved Projection、MIP像、サジタル像、コロナル像、アキシャル像、及びrotate MPR像のいずれかに切り替え可能に構成されてもよい。
【0015】
さらに、前記画像処理装置は、好適には、請求項6に記載したように、前記断面の位置の変更を指示する入力手段を備え、前記表示手段に表示される断面の位置は、前記入力手段への指示に基づいて順次変更される構成とすることができる。
【0016】
また、上述した課題を解決するために、請求項7に係る管走行トラッキング方法は、立体画像データ記憶手段により記憶された被検体の立体画像データ内の所望の管状構造体の領域を前記立体画像データから設定する第1のステップと、該領域設定ステップにより設定された管状構造物の芯線を前記立体画像データから設定する第2のステップと、該芯線抽出ステップにより抽出された芯線に基づく管状構造体に直交する直交断面画像を作成する第3のステップと、上記芯線設定ステップにより抽出された芯線及び上記直交断面作成ステップにより作成された直交断面画像を表示する第4のステップとを備え、上記第1のステップから第4のステップを繰り返して芯線を漸進させるとともに芯線先端に位置する直交断面を更新するものである。
【0017】
他方、上述した課題を解決するために、請求項8に係る画像処理装置は、血管の走行方向に沿って、位置を変えながら血管断面の画像を表示する画像処理装置であって、前記血管の走行方向を求める手段として、被検体の立体画像データを記憶する立体画像データ記憶手段と、クラスタリング処理を行う対象領域を決める対象領域決定手段と、前記対象領域内の画像データから血管を抽出するクラスタリング処理手段と、クラスタリング処理の結果に基づいて得られた血管の情報に基づいて、探索方向を決める手段と、前記探索方向に基づいて、前記対象領域の位置を変更する手段とを備えるものである。
【0018】
そして、上述した課題を解決するために、請求項9に係る管走行トラッキング方法は、血管の走行方向を求める管走行トラッキング方法において、クラスタリング処理を行う対象領域を決める第1のステップと、前記対象領域内の被検体の画像データから血管をクラスタリング処理を用いて抽出する第2のステップと、前記第2のステップで得られた血管の情報に基づいて、探索方向を決める第3のステップと、前記探索方向に基づいて、前記対象領域の位置を変更する第4のステップとを備えるものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る画像処理装置によれば、血管走行のトラッキングとともに血管断面を同時に、且つリアルタイムに評価でき、評価までに要する時間を短縮することができる。
【0020】
また、本発明は、このように血管走行とともに血管断面を同時に、かつ、リアルタイムに行なわれた血管走行の検出結果を同時並行に血管の視覚的評価ができ、ユーザの操作性を向上させる効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係る画像処理装置の好ましい実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。本実施形態に係る画像処理装置は、図1に示すように、医用モダリティと一体に組みこまれたコンピュータ装置として、医用モダリティに通信ラインを介してオンライン接続されたコンピュータ装置として、又は、医用モダリティとはオフラインのコンピュータ装置として提供される。
【0022】
このコンピュータ装置は、図1に示すように、CPU及びメモリを搭載した演算装置11、プログラムや処理データを記憶する記憶装置12、表示器13、及び入力器14を備える。上述したように、このコンピュータ装置は必要に応じて外部とのデータ通信を行うための機能をも有する。
【0023】
記憶装置12には、X線CT装置やMRI装置などの撮影装置(医用モダリティ)により収集された被検体の3次元(立体)画像データがオンライン又はオフラインで送られてくる。この3次元画像データは、この記憶装置に設けられた光磁気ディスク等の大容量の記録媒体に格納されている。
【0024】
また、記憶装置12のハードディスクなどの記録媒体には、本実施形態に係る管走行トラッキング法を実施するためのプログラムが予め記録されている。これにより、演算装置11は、その起動時にこのプログラムを読み出して、プログラムに記載されている手順にしたがって管走行トラッキングのための処理を順次実行する。この実行途中において、管走行トラッキングに関わる画像を表示器13に表示するとともに、入力器14を介して操作者からの管走行トラッキング処理に関わる操作情報を受け付けるようになっている。このため、演算装置11、表示器13、及び入力器14は、操作者にとって管走行トラッキングの処理を実行するためのインターフェースとしても機能することができる。
【0025】
このようなハードウエア構成により、上述した管走行トラッキングのプログラムを実行することで、機能的には、図2に示すように、立体画像データ記憶部21、始点指定部22、領域抽出部23、芯線抽出部24(芯線探索部25及び芯線平滑部26を含む)、輪郭抽出部27(輪郭平滑化部30を含む)、直交断面作成部29、及び合成表示部30が実現される。以下、この機能部21〜30の処理内容を個別に説明する。
【0026】
<立体画像データ記憶部21>
記憶装置12を主要部として実現される立体画像データ記憶部21には、上述したように、X線CT装置やMRI装置などの撮影装置から得られた3次元画像データが格納されている。
【0027】
<始点指定部22>
始点指定部22は、演算装置11、表示器13、及び入力器14を主要素して機能的に構成される。この始点指定部22では、立体画像データ上で操作者が管腔臓器(例えば血管)の抽出対象範囲として指定した1点の始点の座標が入力され、記憶される。
【0028】
<領域抽出部23>
領域抽出部23は、演算装置11の演算機能により実現される。なお、以下の機能部24〜30において、この領域抽出部23同様に演算装置11の演算機能により実現されものについては、この記載を省略する。
【0029】
領域抽出部23は、立体画像データ記憶部21から送られた3次元画像データを入力データとして所望の管腔臓器、例えば血管の領域が3次元的に自動的に抽出する。
【0030】
先ず、領域抽出部23は、クラスタリング処理を行なう対象領域の3次元画像データを抽出する。この対象領域は、始点指定部22で指定された始点位置及び探索方向を基準とした範囲とする。例えば、始点位置から数mm程度の半径をもつ球体の領域を処理対象領域とする。
【0031】
次に、この対象領域内のCT値のデータをクラスタリング処理により類似物質毎に分類する。このクラスタリング処理により、管腔臓器の領域内と領域外とに分類し、2値化された3次元の画像データとして記憶装置12に記憶される。
【0032】
次にクラスタリング処理の方法について詳述する。理想的な条件下では、脂質は−100から50のCT値、血管壁(筋肉)は50から129のCT値を示すことが知られている。しかしながら、実際の検査においては、被検体(患者)の体格、ビームハードニング、再構成関数、物質のサイズ、関心領域外の物質の状態、造影剤の濃度等の影響を受けて、CT値が変動している。このため、固定の閾値を用いた領域分けを行なう方法では、このようなCT値の変動に対応できず、良好に分類することができない。本実施の形態では、領域分けを行う閾値を画像のヒストグラムに基づくクラスタリング手法などによって自動的に決定する。
【0033】
なお、以下の説明は、CT値に応じて3つの領域に分ける場合について説明するが、この領域の数は他の数でもよい。
【0034】
図3は、領域抽出部23の構成図である。領域抽出部23は、ヒストグラム生成部23a、領域決定部23b、CT値変換部23cを備えている。
【0035】
ヒストグラム生成部23aは、入力された低コントラスト画像のヒストグラムを求める。ヒストグラムは、CT値ごとの頻度分布を表している。
【0036】
領域決定部23bは、このヒストグラムを、K−mean法を用いて3つの領域に分類する。K−mean法により、各領域内のCT値の分散値が等しくなるように、各領域を決めるための閾値を求める。各領域内のCT値の分散値が等しくなるよう各領域を決めることにより、類似性の高い物質が同じ領域内に含まれやすくなる。
【0037】
図4は、本実施の形態により領域分けされた例を表しており、−100から537のCT値が3つの領域に分類されている。領域Aの範囲のCT値を持つ画素は主に脂質の部分である。領域Bの範囲のCT値を持つ画素は主に血管壁の部分である。領域Cの範囲のCT値を持つ画素は主に血流の部分である。
【0038】
CT値変換部23cは、領域決定部23bで求めた閾値に基づいて、入力画像のCT値を各領域に対応する値に変換する。これにより、管腔臓器の領域内と領域外とに分類した3次元の画像データを得ることができる。
【0039】
なお、この領域分類は、上述したK−mean法の外、PCNN(Pulse Coupled Neural Networks)法によることも可能である。しかし、本発明に係る管走行トラッキング法では、領域分類を行なう範囲が短いことからK−mean法とPCNN法とでは演算精度に大差がなく、であれば、演算速度の速いK−mean法を採用することが好ましい。
【0040】
<芯線抽出部24>
芯線抽出部24は、機能的に、芯線探索部25及び芯線平滑部26を含み、この順に割り当てられた処理がそれぞれ実行される。
【0041】
芯線探索部25は、始点指定部22により指定された始点を出発点として、領域抽出部23により抽出された管腔臓器の領域としての血管領域の3次元ボリュームデータに対して後述する探索処理を行い、管腔臓器の芯線が抽出される。
【0042】
<芯線探索部25>
芯線探索部25により、出発点から順次管腔臓器の芯線の点群が探索される。具体的には、最初に探索する方向(初期探索方向ベクトル)が決定されると、反復探索処理により血管の抽出領域の内部が探索される。
【0043】
すなわち、図5に示すように、始点から、3次元の全角度(4π)方向に放射される単位ベクトルのうち、血管の抽出領域の境界位置まで伸ばしたときの長さが最大であるベクトルと、それと反対方向のベクトル2をそれぞれ初期探索ベクトル1及び初期探索ベクトル2とする。このとき、初期探索ベクトル1及び初期探索ベクトル2と直交する抽出領域内の断面が探索ベクトルに直交する断面Sである。
【0044】
次いで、芯線探索部25により、探索処理が反復して行われ、探索ベクトルに直交する断面における血管抽出領域A内のユークリッド距離が最大である位置が、血管の芯線位置Oとして求められる。具体的には、図6に示すように、探索ベクトルに直交し且つベクトル先端位置を含む領域抽出データの断面画像上において、ベクトル先端位置の画素と連結している1−画素領域が領域抽出され、抽出領域内に存在する穴(0−画素領域)が穴埋め処理に付された後に、ユークリッド距離変換が行なわれる。
【0045】
このユークリッド距離変換は、抽出領域内の画素とその画素と最も近い抽出領域外の画素との距離(ユークリッド距離)をその画素の値とする変換であり、これにより抽出領域の最深部の画素の値が抽出領域内の最大値となる。この最大値の画素の位置が芯線の位置として求められる。ベクトル先端位置の画素が0−画素の場合は、ベクトル先端位置に最も近い位置の1−画素を含む領域が使用される。
【0046】
芯線位置を求める他の手法として、探索ベクトルに直交する断面Sにおける血管抽出領域Aの重心位置を血管の芯線の位置として求める手法もある。すなわち、探索ベクトルに直交し且つベクトル先端位置を含む領域抽出データの断面画像上において、ベクトル先端位置の画素と連結している1−画素(値が1の画素)領域が抽出され、この抽出領域の重心位置が芯線位置として求められる。ベクトル先端位置の画素が0−画素の場合は、ベクトル先端位置に最も近い位置の1−画素を含む領域の重心位置が求められる。
【0047】
また、これら以外の芯線探索法を実施することもできる。一例として、領域抽出部23により抽出された領域抽出データに対し、抽出領域内に存在する空洞(0−画素領域)に空洞埋め処理を施した後、3次元のユークリッド距離変換を行った、3次元ユークリッド距離変換の画像データを予め用意しておくようにしてもよい。すなわち、探索ベクトルに直交し且つベクトル先端位置を含む3次元ユークリッド距離変換された画像データによる断面画像上で、最大値をとる画素位置を芯線位置として求めるようにしてもよい。
【0048】
このように芯線の探索が終わると、芯線探索部25は、次ベクトル(次の直交断面)を求める。これは、図7に示すように、次ベクトルbnewが現在の探索ベクトルbと最後の2点の芯線点を結ぶベクトルを用いて、次の演算式を実行して求める。
【数1】

【0049】
こうして次の直交断面が求まると、続いてこの直交断面における芯線の位置を、上述した3次元ユークリッド距離変換により求める。図8は、芯線が3次元ユークリッド距離変換により次々に決定される様子を模式的に示したものである。このように血管芯線の位置の演算と次ベクトルの演算とが反復して実行される。
【0050】
なお、芯線の初期探索方向、例えば管腔臓器が血管の場合、始点から下流側へ探索を開始するのかそれとも上流側かは、表示器13上において、操作者が入力器14を介して指定することにより決定される。
【0051】
<芯線平滑化部26>
芯線平滑化部26は、芯線探索部25により抽出された3次元の芯線に平滑化を施し、滑らかな曲線にする機能を有する。すなわち、抽出された3次元の芯線に適宜な平滑化処理を施し、滑らかな曲線に整形される。
【0052】
<輪郭抽出部27>
輪郭抽出部27には輪郭平滑化部30も含まれる。この輪郭抽出部27は、芯線抽出部24により抽出された芯線に直交する断面S上で、芯線の位置から放射方向に延びる直線上の輝度値の情報又は領域抽出部23により抽出された領域の境界に基づいて、血管の輪郭の位置を検出する。
【0053】
輪郭抽出は、図9に示すように、芯線抽出部24で求められた芯線に直交する断面上で、芯線位置Oを中心として等角度間隔のl1〜lnの直線が設定され、この各直線に対する芯線位置Oから負方向及び正方向における血管の輪郭位置が検出される。
【0054】
具体的には、芯線位置cから直線の放射方向に沿って以下の3条件が成立するか否かをチェックする。3条件とは、(1)輝度値(CT値)がある閾値の範囲外となる位置があるか否か、(2)輝度値の勾配の絶対値がある閾値以上となる位置があるか否か、及び、(3)抽出領域の境界位置に到達したか否かである。このうち、最初に成立した条件に対応した位置が血管の輪郭位置として検出される。これにより、明らかに外れた位置を血管の輪郭として誤検出するという状態を殆ど無くすることができる。
【0055】
<輪郭平滑化部28>
輪郭抽出部27により抽出された輪郭は、輪郭平滑化部30により平滑化され、滑らかな曲線を有する3次元の血管の輪郭に整形される。すなわち、芯線の平滑化と同様に、求めた輪郭点の一連の群に平滑化処理を施し、滑らかな曲線にする。
【0056】
<直交断面作成部29>
直交断面作成部31は、管走行の先端におけるベクトルを決定し、この決定されたベクトルに対して直交する断面を作成する機能を有する。探索ベクトルに直交する断面は芯線抽出部24及び輪郭抽出部27においても算出されたが、管走行の先端におけるベクトルが決定して初めて芯線に直交する断面として画像として表示される断面が作成される。
【0057】
<合成表示部30>
合成表示部30は、表示器13と演算装置11の演算機能とにより実現される。この合成表示部30は、芯線抽出部24により抽出された芯線のデータと輪郭抽出部27により抽出された輪郭のデータとを、立体画像データ記憶部21に記憶されている3次元画像データ又はその3次元画像データを用いて計算された画像データに合成して表示する。
【0058】
本実施形態に係る管走行トラッキング法は、以上の機能部21〜30により、その全体処理としては、図10に示すフローチャートに従って実行される。
【0059】
芯線設定に際し、表示記13には、図11に示すMPR像の画面が表示される。ここで操作者が書くMPR像の上下左右に表示されているスライスカーソル41を入力器14を介して動かすと、対応するMPR画面が切り替わり、MPR上の矢印ボタンのいずれかを押し続けるとスライスが切り替わる。操作者は、これにより、走行をトラッキングしたい管を探し出す。
【0060】
操作者が表示器13上においてトラッキングを始めたい点を入力器14を介してクリック等すると、演算装置11は、所望の始点の指定を受け付ける(ステップS1)。
【0061】
そうすると、指定された始点Pの下流側に赤色の線分43(同図では実線で表示)、上流側には緑色の線分44(同破線で表示)が表示されるとともに、芯線初期ベクトル(線分/プローブ)選択画面42画面がポップアップしていずれかを選択するよう要求する。ここで操作者が最初のパス(下流側か上流側か)を入力器14を介してクリックすると、探索方向が指定される(ステップS2)。
【0062】
そして、操作者が、図11に示した入力画面において、入力器14を介して「進む」ボタンを押すと、演算装置11は、クラスタリング処理の対象領域を決定し、その対象領域内の3次元画像データに対してK−means法等に基づくクラスタリング処理を行い、始点から一定範囲の短い血管領域を3次元的に抽出する(ステップS3)。
【0063】
次いで、演算装置11は、血管の3次元の抽出領域に対して探索処理を施して3次元挙動の芯線を抽出し(ステップS4)、この芯線に平滑化処理を施す(ステップS5)。
【0064】
さらに、演算装置11は、抽出した芯線に直交する各点における断面に沿った処理に基づいて血管の輪郭を検出し、検出した輪郭を平滑化する(ステップS6)。ここで芯線に直交する断面が確定され、先端のベクトルに直交する断面が作成される(ステップS7)。
【0065】
この滑らかで且つ精度良く求められた芯線及び輪郭の位置情報は、例えば演算装置11から表示器13に送られて、表示器13の画面上に出力される(ステップS8)。これにより、始点46から最初の断面までの間の芯線が表示される。
【0066】
ここで「進む」ボタン45を押し続ければ、処理を継続し(ステップS9:No)、続いて次ベクトル(次の直交断面)を求めるべく、近傍に血管の分岐等がなければ(ステップS10:No)次候補点が選定され(ステップS11)、この次候補点に関して、演算装置11は、上述した一連の処理を行なう(ステップS2〜S7)。このように繰り返し行なうことにより、探索方向に沿って断面をリアルタイムで移動した画像が表示される。
【0067】
図13は、この芯線抽出の様子を示す図である。画面左下のアキシャル像及び左上のコロナル像において、始点46から赤色等で表示された芯線47が断面が作成される毎に漸進し、その先端、すなわち、現在の芯点48は青色で識別される。それととともに、画面右上には、サジタル像に換わって現在の芯点48における血管垂直断面短軸像(以下「SA像」という。)が表示される。
【0068】
これにより、操作者は、走行トラッキングの様子をリアルタイムで観察することができ、進行する芯線と同時に、芯線先端の血管垂直断面も見ることができるので、血管走行の検出と同時並行で血管の視覚的評価が可能となる。
【0069】
管走行をトラッキングしようとする経路途中に、分岐等が存在する場合(ステップS10:Yes)、演算装置11は、操作者から指示がなければ(ステップS12:No)、太い方の経路に沿って処理を継続して、次候補点の選定を行なう(ステップS11)。
【0070】
このとき操作者が細い方の経路について走行トラッキングをさせるべく、図11に示した心線設定画面において、「戻る」ボタン49を押せば、演算装置11は、芯線が伸長してきた経路を逆行させて縮退させる(ステップS12:Yes)。そして、芯線が分分岐点より前まで戻ったところで、「戻る」ボタン49を押し続けることをやめて、細い方の経路内の分岐点近傍に次候補点をマニュアルで設定することにより、演算装置11は、次候補点の指定を受け付ける(ステップS13:Yes)。
【0071】
このように、管走行トラッキングは、特に指示がなければ自動的に行なわれるが、操作者の所望と異なる経路を辿るような場合は、これを修正することができる。
【0072】
最終的に、芯線46が所望の長さまで伸長して、操作者により「進む」ボタン45を押すことをやめられると、演算装置11は操作を終了する(ステップS9:Yes)。
【0073】
以上の処理を行なうことにより、演算装置11は、管走行の抽出及び先端のベクトルに垂直な断面を得ることができる。得られたデータは、記憶装置12に保存され、操作者はこのデータを記憶装置12から読み出して、種々の表示形態で表示させて、芯線が管中央を通過しているか否かを確認することができる。以下に、幾つかの確認形態について説明する。
【0074】
図14は、curved MPR像(左上)、SA像(右上)及びアキシャル像(左下)が表示される例を示すものである。curved MPR像は、MPR像の芯線上の各点を通り、MPR像の平面に垂直な直線の集合として表される曲面で3次元画像を切断したグレースケール画像を2次元平面に引き伸ばした画像である。MPR像では、血管が3次元的に屈曲していると画像には血管の全範囲が表示されるとは限らないが、血管芯線が血管内部を通る線であるため、curved MPR像では芯線が定義されている全範囲にわたって血管が描画される。このため、curved MPR像を観察することで、血管の全範囲にわたって太さなどの情報を得ることができる。
【0075】
操作者が、通過状態を確認したい断面の位置をcurved MPR像上の芯線47(例えば赤色で表示)上でクリックすると、クリックされた位置のSA像50aが表示される。curved MPR像上ではその位置は青色で表示される。SA像50a上の十字カーソルが芯線の通過点を示す。また、クリックされた位置のSA像50aとともに、その直前の断面のSA像50b及び直後の断面のSA像50cも表示される。
【0076】
なお、SA像は、これら3枚に限られず、例えば図15に示すように、連続した9枚のSA像を一度に表示することも可能である。この場合、表示されている先頭及び末尾のスライス位置がcurved MPR像上に表示される。
【0077】
これにより、操作者は、任意の断面において、芯線が管中央を通過しているか否かを確認することができる。通過点を修正する必要がある場合は、SA像上で円ROIが血管の輪郭を囲むように移動させ、十字カーソルが芯線の通過点になるように設定して修正を行なう。
【0078】
図16は、この管走行確認を、コロナル像(左上)、リファレンス像(右上)及びアキシャル像(左下)を組み合わせた画面上で行なう場合の例を示すものである。
【0079】
リファレンス像上では、血管内腔がワイヤフレームとして表示され、このリファレンス像を、マウス等を用いてドラッグすると、コロナル像及びアキシャル像がドラッグした方向に切り替わり、血管芯線が投影される。
【0080】
これにより、任意の方向から観察することが可能になる。通過点を修正する必要がある場合は、その箇所をマウス等を用いてグラグし、所望の位置までドラッグすることにより、表示されている芯線を直接編集する。
【0081】
こうして血管芯線が確定すると、続いて血管性状を評価する。この血管性状評価を行なう場合の表示画面の一例を、図17に示す。画面上段左側が水平長軸方向のcurved MPR像、同右側が垂直長軸方向のcurved MPR像である。また、画面下段には、向かって左から、SA像、評価結果及びリファレンス像が表示される。
【0082】
各curved MPR像には、血管芯線が赤色等の実線で表示され、芯線には、始点を基点として一定間隔のマーカがつけられている。そして、表示されているSA像の位置は青色等の点で表示される。
【0083】
SA像のスライス位置を切り替えるには、SA像を表示したい位置をcurved MPR像の芯線上でクリックすると、その位置のSA像が表示される。また、SA像の下にあるスライドバーを左右に移動させてもSA像のスライスが切り替わる。或いは、curved MPR像上で、芯線の走行に沿うようにマウスをドラッグし、その動きに対応させて左下のSA像を切り替えることも可能である。一方、curved MPR像のスライスは、curved MPR像脇のスライドバーを上下に移動させて切り替える。
【0084】
また、画面下段には、図18に示すように、SA像と、このSA像上に赤色等で表示された直線におけるプロファイルを表示させてもよい。
【0085】
右側の垂直長軸のcurved MPR像は、画像の右上方にあるメニューボタンで他の表示モードに切り替えることも可能である。それらは、第3の長軸方向のcurved MPR像、空間上の曲線を視線方向に投影したCurved Projection、指定された幅で作成されたMIP像、サジタル像、コロナル像、アキシャル像、及び 任意断面MPR像等である。
【0086】
これらの内、任意断面MPR像を表示した例を図19に示す。この画面上では、右下のリファレンス像(SA)上で緑色等で表示された法線をドラッグしながら回転し、MPRR面を設定する。SA像の回転中心は芯線、つまりROIの中心であり、中心を変更したいときは、角ROIを選択し、左下のSA像上に円RPIを描画して、そのROI中心を目的の位置に移動させて行なう。
【0087】
以上のように、本実施形態に係る管走行トラッキング法を用いれば、被検体内に3次元的に存在する血管の芯線が自動的に抽出され、それと同時に、この芯線に基づいて血管の輪郭が自動的に抽出される。
【0088】
本実施形態の方法では、血管の走行方向に沿って表示断面の位置を変えると共に、クラスタリング処理を行なう対象領域の位置を順次変えてクラスタリング処理を行なっている。例えば、広い範囲の画像データに対してクラスタリング処理を行なうと画像の濃度値のばらつきから血管領域の抽出が良好にできないことがあるが、本実施形態の方法では比較的小さな対象領域ごととにクラスタリング処理を行っているので良好に血管部分の抽出を行うことができる。また、これにより芯線の抽出精度を上げることができる。
【0089】
これにより、血管などのような管腔臓器の芯線及び直交断面の3次元的な位置情報を短い処理時間で精度良く抽出でき、診断に有用な情報を確実に提供することができる。
【0090】
以上に説明した実施態様は説明のためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものによって置換した実施態様を採用することが可能であるが、これらの実施態様も本発明の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明に係る画像処理装置の一例に係るコンピュータ装置のブロック図。
【図2】本発明に係る3次元血管自動抽出法を実施する場合の、画像処理装置の機能ブロック図。
【図3】本実施形態に係る輪郭抽出部の構成図。
【図4】クラスタリング処理を説明する図。
【図5】本発明に係る管走行トラッキング法における初期探索ベクトルを決めるための処理を説明する図。
【図6】探索ベクトルに直交する断面上でユークリッド距離変換により芯線を求める方法を説明する図。
【図7】本発明に係る管走行トラッキング法における反復処理に必要な次ベクトル(次の直交断面)の計算法を説明する図。
【図8】3次元ユークリッド距離変換により次々に芯線が決定される様子を示す模式図。
【図9】芯線に直交する断面上における輪郭位置の検出を説明する図。
【図10】本発明に係る管走行トラッキング法の処理手順を示すフローチャート。
【図11】芯線設定画面の一例を示す図。
【図12】探索方向設定画面の一例を示す図。
【図13】芯線抽出の様子を示す図。
【図14】管走行を確認する画面の一例を示す図。
【図15】管走行を確認する画面の変形例を示す図。
【図16】管走行を確認する画面の他の例を示す図。
【図17】血管性状の評価を行なう画面の一例を示す図。
【図18】血管性状の評価を行なう画面の変形例を示す図。
【図19】血管性状の評価を行なう画面の他の例を示す図。
【符号の説明】
【0092】
11 演算装置
12 記憶装置
13 表示器
14 入力器
21 立体画像データ記憶部
22 始点指定部
23 領域抽出部
23a ヒストグラム生成部
23b 領域決定部
23c CT値変換部
24 芯線抽出部
25 芯線探索部
26 芯線平滑部
27 輪郭抽出部
28 輪郭平滑部
29 直交断面作成部
30 合成表示部
41 スライスカーソル
42 芯線初期ベクトル(線分/プローブ)選択画面
43,44 線分
45 「進む」ボタン
46 始点
47 芯線
48 現在の芯点
49 「戻る」ボタン
50 SA像
A 血管抽出領域
B 抽出領域の境界
C 血管の輪郭
S 探索ベクトルに直交する断面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の立体画像データを記憶する立体画像データ記憶手段と、
該立体画像データ記憶手段により記憶された立体画像データ内の所望の管状構造体の領域を前記立体画像データから設定する領域設定手段と、
該領域設定手段により設定された管状構造物の芯線を前記立体画像データから設定する芯線抽出手段と、
該芯線抽出手段により抽出された芯線に基づく管状構造体に直交する直交断面画像を作成する直交断面作成手段と、
上記芯線設定手段により抽出された芯線及び上記直交断面作成手段により作成された直交断面画像を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記芯線抽出手段は、前記直交断面作成手段により作成された直交断面上の芯線位置から次の芯線位置を順次求め両芯線位置を接続平滑化して芯線を抽出し、前記表示手段は、芯線が抽出されるに従って漸進的に芯線を表示することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記直交断面作成手段は、作成された最後の二つの直交断面における芯線位置から次の直交断面を順次求め、
前記表示手段は、前記芯線が新たに抽出されるに従って芯線先端に位置する直交断面を作成と同時に表示することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記表示手段は、前記芯線抽出手段により抽出された芯線が重畳表示された1又は2以上のCurved MPR像と、前記直交断面作成手段により作成された所望の直交断面画像とを表示することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記表示手段は、前記Curved MPR像を、指定された幅で作成されたCurved Projection、MIP像、サジタル像、コロナル像、アキシャル像、及びrotate MPR像のいずれかに切り替え可能に構成されたことを特徴とする請求項4記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記断面の位置の変更を指示する入力手段を備え、
前記表示手段に表示される断面の位置は、前記入力手段への指示に基づいて順次変更されることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項7】
立体画像データ記憶手段により記憶された被検体の立体画像データ内の所望の管状構造体の領域を前記立体画像データから設定する第1のステップと、
該領域設定ステップにより設定された管状構造物の芯線を前記立体画像データから設定する第2のステップと、
該芯線抽出ステップにより抽出された芯線に基づく管状構造体に直交する直交断面画像を作成する第3のステップと、
上記芯線設定ステップにより抽出された芯線及び上記直交断面作成ステップにより作成された直交断面画像を表示する第4のステップと、
を備え、上記第1のステップから第4のステップを繰り返して芯線を漸進させるとともに芯線先端に位置する直交断面を更新することを特徴とする管走行トラッキング方法。
【請求項8】
血管の走行方向に沿って、位置を変えながら血管断面の画像を表示する画像処理装置であって、
前記血管の走行方向を求める手段として、
被検体の立体画像データを記憶する立体画像データ記憶手段と、
クラスタリング処理を行う対象領域を決める対象領域決定手段と、
前記対象領域内の画像データから血管を抽出するクラスタリング処理手段と、
クラスタリング処理の結果に基づいて得られた血管の情報に基づいて、探索方向を決める手段と、
前記探索方向に基づいて、前記対象領域の位置を変更する手段とを備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
血管の走行方向を求める管走行トラッキング方法において、
クラスタリング処理を行う対象領域を決める第1のステップと、
前記対象領域内の被検体の画像データから血管をクラスタリング処理を用いて抽出する第2のステップと、
前記第2のステップで得られた血管の情報に基づいて、探索方向を決める第3のステップと、
前記探索方向に基づいて、前記対象領域の位置を変更する第4のステップとを備えることを特徴とする管走行トラッキング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2006−246941(P2006−246941A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−63902(P2005−63902)
【出願日】平成17年3月8日(2005.3.8)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【出願人】(594164531)東芝医用システムエンジニアリング株式会社 (892)
【Fターム(参考)】