説明

画像処理装置

【課題】 複数の利用者が相互に妨害、協力、或いは、干渉しながら画像の編集を行うようにして、編集の操作の興趣性を高める。
【解決手段】 複数の表示手段のそれぞれに対応して編集を入力するための編集入力手段を設けた画像処理装置において、一の編集入力手段に対する所定の入力に応答して、他の一の編集入力手段の機能を変化、停止させ、又は、他の一の編集入力手段に対応する表示手段において演出画像を表示し、或いは、その表示手段に表示される画像に演出画像を合成する編集を行うよう構成する。或いは、一の編集入力手段に対する所定の入力と、他の一の編集入力手段に対する所定の入力に応答して、当該一の編集入力手段、又は、当該他の一の編集入力手段に対応する表示手段において、演出画像を表示し、或いは、当該一の編集入力手段、又は、当該他の一の編集入力手段に対応する表示手段に表示される画像に演出画像を合成する編集を行うように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、写真撮影などにより取得した利用者の画像に対する編集を受け付けて、編集された画像を印刷物などの形態で利用者に提供する画像処理装置に関し、特に、編集の入力を行うための編集入力手段を複数備えることにより、複数の利用者が同時に画像の編集を行うことが可能とされた画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、利用者の写真を装置が内蔵する電子カメラで撮影することにより、或いは、家庭用の電子カメラやカメラ付き携帯などで撮影した画像を取り込むことにより利用者の画像を取得し、取得した画像に対して、予め準備されている編集用画像や利用者による手書き画像を前景又は背景として合成するなどにより、画像の編集を行い、編集された画像を台紙上に印刷して利用者に提供し、或いは、画像データとして利用者に提供する画像処理装置が使用されている。
【0003】
このような画像処理装置では、編集用画像や手書き用の線種などとして、より魅力的な図柄、配色を取り揃え、これを多様化するなど、画像編集の興趣性を高め、利用者を飽きさせないための工夫が行われてきたが、編集用画像や線種の図柄、配色には限りがあり、このような手法のみにより利用者の興味を引き付けておくことには限界がある。
【0004】
また、近年では、例えば、特開2002−077782号公報のように、撮影した画像を表示する表示手段と、それぞれの表示手段に表示された画像に対する編集の入力を行うための編集入力手段とが複数組設けられた画像処理装置も使用されている。
【0005】
このような画像処理装置では、複数の利用者が同時に画像編集の操作を行うことができるため、画像編集に要する時間が短縮され、装置の回転率の向上が期待できるものの、画像の編集は、それぞれの表示手段上の画像に対して複数の利用者がそれぞれ別個に入力するようにされている点で、利用者から見れば、表示手段と編集入力手段が一組しか設けられていなかった従来の装置と異なるところがなく、利用者に対して新たな魅力を提供し、装置の利用を誘引する効果は期待できなかった。
【特許文献1】特開2002−077782号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述の状況に鑑みて、画像処理装置における画像編集の操作に、新たな楽しみを付加することができる画像処理装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決したものであり、利用者の画像を取得する画像取得手段と、
複数の表示手段と、前記複数の表示手段のそれぞれに対応して設けられ、対応する表示手段に表示される前記画像に対する編集を入力するための編集入力手段と、前記編集が加えられた前記画像を利用者に提供する画像提供手段と、前記画像、又は、前記編集が加えられた前記画像を、前記表示手段に表示させる制御手段とを備える画像処理装置であって、前記制御手段は、一の編集入力手段に対する所定の入力に応答して、他の一の編集入力手段に対応する表示手段において、演出画像を表示することを特徴とする画像処理装置である。
【0008】
本発明の画像処理装置は、画像取得手段が取得した編集対象の画像を表示する複数の表示手段と、当該複数の表示手段のそれぞれに対応して設けられた複数の編集入力手段を有しており、複数の利用者が、それぞれ自分に割り当てられた表示手段に表示される画像を見ながら、当該表示手段に対応する編集入力手段を操作して、同時に画像の編集を行うことが可能とされている。
【0009】
そして、本発明の画像処理装置では、制御手段が、一の編集入力手段に対する所定の入力に応答して、他の一の編集入力手段に対応する表示手段において、演出画像を、前景、又は、背景として、編集対象の画像に重ね合わせて表示し、或いは、編集対象の画像に置換して表示される。
【0010】
従って、例えば、演出画像として、利用者を驚かせたり、惑わせたりするような図柄の画像、或いは、利用者が編集を行うことが困難、又は、不可能となるような大きさ、態様の画像が表示されるものとすることにより、同時に編集を行っている複数の利用者のうちの一の利用者が他の利用者の編集の邪魔をしたり、或いは、演出画像として、編集についての賞賛やからかいなどのコメントが文字画像として表示されるものとすることにより、複数の利用者が、表示手段、及び、編集入力手段を介して、お互いにコミュニケーションを取りながら、或いは、お互いに干渉し合い、妨害し合いながら編集の操作を進めていくという、従来にない、新しい編集の楽しみ方を提供することが可能になる。
【0011】
なお、この場合、他の一の編集入力手段に対応する表示手段において演出画像の表示が行われている間など、一の編集入力手段に対する所定の入力があった時点以降の所定の時間帯において、他の一の編集入力手段からの編集の入力を受け付けないようにすることも可能であり、これにより、他の利用者に対する妨害の実効性を高めることも可能である。
【0012】
ここで、2つの表示手段と2つの編集入力手段を備える画像処理装置の場合には、演出画像は、一方の編集入力手段に対する所定の入力に応答して、他方の編集入力手段に対応する表示手段において表示されることとなるが、3以上の表示手段と3以上の編集入力手段を備える画像処理装置の場合には、一の編集入力手段に対する所定の入力に応答して、当該一の編集入力手段により選択される、或いは、予め設定された他の一の編集入力手段に対応する表示手段のみにおいて演出画像が表示されるものとすることが可能であり、当該一の編集入力手段により選択される、或いは、予め設定された他の一以上の編集入力手段に対応する表示手段において演出画像が表示されるものとすることも可能である。
【0013】
本発明における表示手段は、例えば、液晶表示装置(LCD)や陰極線管表示装置(CRT)などの表示装置を使用して構成することができ、複数の表示装置のそれぞれを本発明の表示手段とすることも可能であり、或いは、単一の表示装置に複数の画像を表示するための複数の表示部分を設け、その表示部分のそれぞれを本発明の表示手段とすることも可能である。
【0014】
また、画像取得手段が単一の画像を取得し、それぞれの表示手段に当該単一の画像が表示されるものとしても良く、或いは、画像取得手段が複数の画像を取得し、それぞれの表示手段には、それぞれ異なる画像が表示されるものとしても良い。
【0015】
また、本発明の複数の編集入力手段は、複数の表示手段のそれぞれに対応して設けられ、それぞれに対応する表示手段に表示される画像に対する編集を受け付けるものである。
【0016】
この編集入力手段は、例えば、タッチペンと表示手段に重ね合わされたタッチパネル、或いは、マウスなどのポインティングデバイスを使用して構成し、表示手段や表示手段の周辺に、フレームやスタンプ、線図の自由描画、或いは、一旦入力した編集の取消しなどの各種の編集機能が割り当てられたアイコンを表示し、ポインティングデバイスを使用していずれかのアイコンを選択することで所望の編集機能を指定し、その後、編集対象の画像上において編集を行う位置をポインティングデバイスで指定することで、編集を行うものとすることができ、或いは、キーボードやボタン式の操作パネル、或いは、ジョイスティック、十字キーなどを備えるコントローラを使用して編集機能の選択や編集位置の指定を行いうるものとすることができる。
【0017】
また、本発明の演出画像としては、静止画、又は、動画を使用することができ、画像編集装置が備える記憶手段に予めえ記憶された画像、又は、利用者がそれぞれに割り当てられた編集入力手段から入力した図形や文字などの画像を使用することができる。
【0018】
また、本発明の制御手段は、上記の演出画像を、前景や背景として、編集対象の画像に合成する編集を行うものとすることも可能であり、これにより、単に、演出画像を表示させることで、他の利用者を驚かせたり、惑わせたりするだけでなく、その演出画像を消去するための操作を別途行わない限り、演出画像が合成された画像が画像提供手段から提供されるものとすることで、他の利用者に対する妨害の効果を大きくすることができる。
【0019】
また、本発明の制御手段は、一の編集入力手段から上記のような所定の入力があった時点から所定時間内に、上記他の一の編集入力手段から所定の入力が行われた場合には、上記演出画像を変更し、例えば、編集の邪魔にならない態様、大きさに変更した演出画像を表示するものとし、或いは、上記演出画像の表示や、上記演出画像を合成する編集を中止するものとすることにより、一の利用者が他の利用者の表示手段に演出画像を表示等させて他の利用者の編集を邪魔しようとしたときに、他の利用者にこれを阻止する手段を与え、複数の利用者がお互いに妨害したり、これを防御したりして競い合いながら編集の操作を行うという、新しい編集の楽しみ方を提供することが可能となる。
【0020】
また、本発明の制御手段は、一の編集入力手段に対する所定の入力と、他の一の編集入力手段に対する所定の入力に応答して、当該一の編集入力手段、及び/又は、当該他の一の編集入力手段に対応する表示手段において、演出画像を表示するものとすることができる。
【0021】
この場合は、例えば、演出画像として、この種の装置の利用者層が好む図柄の画像や、希少性のある、或いは、プレミアム的な画像を使用することができ、これにより、複数の利用者が協力して操作を行うことで、利用者にとって価値の高い演出画像が初めて表示されることとなり、お互いに協力することで目的を達成しながら編集を行うという、従来にない、新しい編集の楽しみ方を提供することが可能となる。
【0022】
なお、この場合も、演出画像の表示が行われている間など、一の編集入力手段に対する所定の入力と、他の一の編集入力手段に対する所定の入力があった時点以降の所定の時間帯において、演出画像が表示される表示手段に対応する編集入力手段からの編集の入力を受け付けないようにすることも可能であり、これにより、演出画像に影響されて、利用者が意図しない編集を入力してしまうことを防止することが可能になる。
【0023】
また、本発明の制御手段は、上記の演出画像を、前景や背景として、編集対象の画像に合成する編集を行うものとすることも可能であり、これにより、他の利用者と協力して表示させた自分達が好む演出画像を合成した興趣性の高い画像が画像提供手段から提供されるものとすることが可能となる。
【0024】
また、本発明の制御手段は、一の編集入力手段に対する所定の入力に応答して、他の一の表示手段に表示される前記画像に対して行われた編集と同一の編集を、当該一の編集入力手段に対応する表示手段に表示される前記画像に対して行うものとすることが可能であり、これにより、他の利用者の編集を良いと思った一の利用者が、その編集をそのまま自分の編集対象の画像に取り入れることが可能となる。
【0025】
この場合、更に、当該他の利用者がそれまでに入力した編集を消去してしまったり、或いは、当該他の利用者が行った編集と、自分が入力した編集とを交換してしまったりできるようにすることも可能であり、これによっても、複数の利用者がお互いに妨害し合ったり、驚かせ合ったりしながら編集を行う画像処理装置を提供することが可能となる。
【0026】
また、この場合、本発明の制御手段は、上記所定の入力が行われた時点から所定時間内に、上記他の一の編集入力手段から所定の入力が行われた場合には、上記他の一の編集入力手段に対応する表示手段に表示される前記画像に対して行われた編集と同一の編集を、当該一の編集入力手段に対応する表示手段に表示される前記画像に対して行うことを中止させたり、上記他の一の編集入力手段に対応する表示手段に表示される前記画像に対して行われた編集を消去することを中止させたり、上記一の編集入力手段に対応する表示手段に表示される前記画像に対して行われた編集と同一の編集を、上記他の編集入力手段に対応する表示手段に表示される前記画像に対して行うこと中止させるものとすることも可能であり、これにより、上記一の利用者に、それまでに入力した編集をコピーされたり、消去されたり、上記一の利用者の編集と交換されたりすることを防止する手段を、上記他の利用者に与えることが可能となる。
【0027】
また、本発明の制御手段は、一の編集入力手段に対する所定の入力に応答して、他の一の編集入力手段の機能を変化させ、例えば、他の一の編集入力手段を使用して、フレームやスタンプ、線図の自由描画、或いは、一旦入力した編集の取消しなどの操作を行った場合に、これらの編集が行われる代わりに、利用者を驚かせたり、戸惑わせたりするような演出画像が表示されるようにしたり、或いは、他の一の編集入力手段の動作が所定時間停止し、編集の入力を行っても、何ら編集が行われないようにすることも可能であり、これによっても、複数の利用者が、お互いに他の利用者の編集を妨害したり、驚かせたりしながら編集を進めるという、従来にない新しい編集の楽しみ方を提供することが可能となる。
【0028】
また、この場合も、本発明の制御手段は、上記所定の入力が行われた時点から所定時間内に上記他の一の編集入力手段から所定の入力が行われた場合には、他の一の編集入力手段の機能が変化、或いは、停止しないようにすることも可能である。
【0029】
なお、本発明の画像処理装置は、画像取得手段として、電子カメラなどの撮影手段を備えることが可能であり、或いは、別体の電子カメラやカメラ付き携帯電話などで撮影した画像を、有線、又は、無線方式で受信する通信手段を備えることが可能である。
【0030】
更に、本発明の画像処理装置は、画像提供手段として、編集入力手段による編集が加えられた画像を写真台紙上に印刷する印刷手段や、これを有線、又は、無線方式で伝送する通信手段を備えることが可能である。
【0031】
また、第2の発明として、本発明の画像処理装置は、利用者の画像を撮影する撮影手段と、複数のストーリーに対応する複数組の映像情報、及び、音響情報を記憶するストーリー情報記憶手段と、前記複数のストーリーに対応する複数のストーリー対応画像を記憶するストーリー対応画像記憶手段と、前記映像情報を再生する映像再生手段と、前記音響情報を再生する音響再生手段と、前記撮影手段により撮影した前記画像を表示する表示手段と、前記表示手段に表示される前記画像に対する編集を入力するための編集入力手段と、前記編集が加えられた前記画像を利用者に提供する画像提供手段と、前記複数のストーリーからいずれかのストーリーを選択するストーリー選択処理と、前記撮影手段に前記画像を撮影させる撮影処理と、当該撮影処理において撮影された前記画像に対する前記編集入力手段からの編集の入力を受け付ける編集処理とを含む一連の処理を実行する制御手段とを備える画像処理装置であって、前記撮影処理は、前記ストーリー選択処理において選択されたストーリーに対応する前記映像情報、及び、前記音響情報を前記映像再生手段、及び、前記音響再生手段から再生させつつ、前記撮影手段に画像の撮影を行わせるものであり、前記編集処理は、前記画像、又は、前記編集が加えられた前記画像を前記表示手段に表示させ、前記編集入力手段からの所定の入力に応答して、前記ストーリー対応画像を前記表示画面に表示するものであり、前記編集処理において前記表示手段に表示される前記ストーリー対応画像は、前記ストーリー選択処理において選択されたストーリーに対応するストーリー対応画像に限定されることを特徴とする画像処理装置とすることが可能である。
【0032】
また、第2の発明は、利用者の画像を撮影する撮影手段と、複数のストーリーに対応する複数組の映像情報、及び、音響情報を記憶するストーリー情報記憶手段と、前記複数のストーリーに対応する複数のストーリー対応画像を記憶するストーリー対応画像記憶手段と、前記映像情報を再生する映像再生手段と、前記音響情報を再生する音響再生手段と、前記撮影手段により撮影した前記画像を表示する表示手段と、前記表示手段に表示される前記画像に対する編集を入力するための編集入力手段と、前記編集が加えられた前記画像を利用者に提供する画像提供手段と、前記複数のストーリーからいずれかのストーリーを選択するストーリー選択処理と、前記撮影手段に前記画像を撮影させる撮影処理と、当該撮影処理において撮影された前記画像に対する前記編集入力手段からの編集の入力を受け付ける編集処理とを含む一連の処理を実行する制御手段とを備える画像処理装置であって、前記撮影処理は、前記ストーリー選択処理において選択されたストーリーに対応する前記映像情報、及び、前記音響情報を前記映像再生手段、及び、前記音響再生手段から再生させつつ、前記撮影手段に画像の撮影を行わせるものであり、前記編集処理は、前記画像、又は、前記編集が加えられた前記画像を前記表示手段に表示させ、前記編集入力手段からの所定の入力に応答して、前記画像に前記ストーリー対応画像を合成する編集を行うものであり、前記画像提供手段は、更に、当該ストーリー対応画像を合成する編集が行われた前記画像を利用者に提供するものであり、前記撮影処理において画像に合成される前記ストーリー対応画像は、前記ストーリー選択処理において選択されたストーリーに対応するストーリー対応画像に限定されることを特徴とする画像処理装置とすることも可能である。
【0033】
この第2の発明は、従来より、予め準備された複数のストーリーから利用者が選択したストーリーを、映像再生手段、及び、音響再生手段から動画やアニメーションなどの映像や音響を再生せて利用者に視聴、鑑賞させながら利用者の写真撮影を行うことで、利用者がより楽しく写真撮影が行えるようにし、その後、撮影された画像に対する編集を受け付け、編集が加えられた画像を利用者に提供する画像処理装置は存在していたが、編集処理において表示手段に表示される演出画像や、撮影した画像に合成される編集用画像としては、全てのストーリーに共通の演出画像や編集用画像が使われていたために、利用者は撮影の際に鑑賞したストーリーにより感じていた雰囲気や世界観と、編集の際に感じる雰囲気や世界観がマッチしないために、撮影と編集を一体のプレイとして楽しめなかったという問題を解決したものである。
【0034】
即ち、第2の発明は、複数のストーリーから利用者が所望のストーリーを選択できるストーリー選択処理と、LCD、CRT、或いは、映像投影機などの映像再生手段から、例えば、実写、アニメーションなどの動画や、複数の画像を所定時間毎に順次切り替えながら表示していく紙芝居方式により、映像の再生を行い、スピーカなどの音響再生手段から、例えば、音声や効果音、バックミュージックなどの音響の再生を行うことで、利用者に選択されたストーリーを視聴、鑑賞させながら、所定のタイミングで利用者の写真撮影が行われる撮影処理と、撮影処理において撮影された画像を表示手段に表示させた状態で、当該画像に対する編集の入力を編集入力手段から受け付ける編集処理とを含む一連の処理が行われる画像処理装置に関するものである。
【0035】
そして、第2の発明では、編集処理においては、編集入力手段から所定の入力があった場合には、利用者により選択されたストーリーであって、撮影処理において利用者が視聴したストーリーに対応して準備されているストーリー対応画像が表示手段上に演出画像として表示され、或いは、そのようなストーリー対応画像を撮影した画像に合成する編集が行われるようになっている一方、利用者により選択されたストーリーに対応しないストーリー対応画像は、表示手段上に表示され、或いは、編集に使用できないようになっており、例えば、ストーリーとして、それぞれ登場人物や舞台背景、シナリオなどの異なる4種類のアニメーションA〜Dの映像情報、音響情報がストーリー情報記憶手段に記憶され、ストーリー対応画像として、それぞれのアニメーションA〜Dの登場人物や舞台背景などをあしらった画像がストーリー対応情報記憶手段に記憶されている場合、ストーリー選択処理においてアニメーションAが選択された場合には、編集処理において表示装置上に表示され、或いは、撮影された画像に合成されるストーリー対応画像は、常に、そのアニメーションAの登場人物や舞台背景などをあしらったアニメーションAに対応するストーリー対応画像であり、他のストーリーであるアニメーションB〜Dの登場人物や舞台背景などをあしらったアニメーションB〜Dに対応するストーリー対応画像が表示装置上に表示されたり、撮影された画像に合成されるということは生じない。
【0036】
従って、ストーリー対応画像として、対応するストーリーの雰囲気や世界観とマッチするような画像を使用することにより、利用者が共通の雰囲気、世界観のなかで写真撮影、及び、画像の編集を一体のプレイとして楽しむことができる画像処理装置が提供できる。
【0037】
また、著作者や製作者が存在するストーリーを使用する場合においても、第2の発明によれば、各ストーリーに対応するストーリー対応画像として、それぞれのストーリーの登場人物や舞台背景などを使用した画像を使用することにより、撮影処理において上映され、利用者が視聴、鑑賞したストーリーの登場人物や舞台背景などを使用したストーリー対応画像が、編集処理において表示手段上に表示されたり、編集に使用されたりすることはあるが、撮影処理において上映され、利用者が視聴、鑑賞したストーリーと異なるストーリーの登場人物や舞台背景などを使用したストーリー対応画像が、編集処理において表示手段上に表示されたり、編集に使用されたりすることが起こらないようにすることができ、従って、撮影処理と編集処理をプレイすることにより、それぞれのストーリーの世界観やイメージが変わってしまったり、混乱してしまったりすることが防止され、ストーリーの著作者や製作者の利益が守られることになるという利益や、ストーリーを画像処理装置において使用するための許諾を著作者や製作者から受けやすくなるなどの利益を得ることができる。
【0038】
なお、第2の発明においても、上述した第1の発明と同様に、複数の表示装置と、当該複数の表示装置に対応する複数の編集入力手段を使用し、制御手段が、一の編集入力手段への所定の入力に応答して、他の編集入力手段に対応する表示手段に演出画像やストーリー対応画像を表示させ、或いは、その間、当該他の編集入力手段からの編集の入力を受け付けないようにし、或いは更に、他の編集入力手段に対応する表示手段に表示される編集対象の画像に演出画像やストーリー対応画像を合成する編集を行って、これを利用者に提供したり、一の編集入力手段に対する所定の入力と、他の一の編集入力手段に対する所定の入力に応答して、当該一の編集入力手段、及び/又は、当該他の一の編集入力手段に対応する表示手段において、演出画像やストーリー対応画像を表示し、或いは、その間、演出画像やストーリー対応画像が表示される表示手段に対応する編集入力手段からの編集の入力を受け付けないようにし、或いは更に、当該一の編集入力手段、及び/又は、当該他の一の編集入力手段に対応する表示手段に表示される画像に演出画像やストーリー対応画像を合成する編集を行って、これを利用者に提供したりすることも可能であるが、第2の発明の画像処理装置では、必ずしも複数の表示手段と、当該複数の表示装置に対応する複数の編集入力手段を備えることは必要ではなく、単一の表示手段と単一の編集入力手段、又は、単一の表示手段と複数の編集入力手段より構成され、利用者が一人で編集の入力を行ったり、単一の編集対象の画像に対して複数の利用者が編集の入力を行ったりするものとすることも可能である。
【0039】
また、この第2の発明においても、撮影手段に加えて、別体の電子カメラやカメラ付き携帯電話などで撮影した画像を、有線、又は、無線方式で受信する通信手段を備え、この通信手段により受信した画像に編集を加えて利用者に提供できるようにすることも可能であり、画像提供手段として、編集入力手段による編集が加えられた画像を写真台紙上に印刷する印刷手段や、これを有線、又は、無線方式で伝送する通信手段を備えることも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、本発明の実施形態を、添付の図面を参照して説明する。
【0041】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像処理装置1の内部構造を示す断面説明図であり、図2、3は、それぞれ同画像処理装置1の筐体10の正面図、及び、背面図である。
【0042】
図1に示されるように、画像処理装置1は、筐体10と、撮影ブース30より構成されており、筐体10内部には、撮影ブース30内に位置する利用者の写真を撮影して、編集対象の画像を取得するための第1、第2の電子カメラ11、12、編集後の画像を印刷して写真プリントを利用者に提供するプリンタ53、及び、後述のパーソナルコンピュータ40などが設けられている。
【0043】
また、図1中の13、14は映像再生手段としての液晶ディスプレイ、及び、ハーフミラーであり、ハーフミラー14は、液晶ディスプレイ13上の画像を表示窓15方向に反射するとともに、表示窓15からの利用者の像を第1の電子カメラ11方向に透過させる働きを有し、表示窓15からの液晶ディスプレイ13上の画像の鑑賞と、表示窓15正面に位置する利用者の第1の電子カメラ11による撮影とを可能とするものである。
【0044】
また、筐体10の前面には、フラッシュライト16、17、及び、フラッシュライトを拡散させて利用者を照明する拡散窓18、19が設けられ、更に、撮影ブース30の天井面には、フラッシュライト31、32、拡散窓33、34、及び、天井照明35が設けられ、後述の撮影セッションにおける必要な照明が行われるようにされている。
【0045】
また、図2に示されるように、筐体10正面には、上述の表示窓15、第2の電子カメラ12、拡散窓18、19の他、第1、第2の電子カメラ11、12のリアルタイムの撮影画像を表示するモニタ20、21、各種操作を入力するための操作パネル22、コイン投入を受け入れるコイン投入口23、及び、音響再生手段としてのスピーカ24が設けられている。
【0046】
また、図3に示されるように、筺体10の背面には、電子カメラ11、12により撮影した画像に対する編集の操作を行うためのタッチパネル式モニタ25と、2本のタッチペン28a、28bが設けられている。
【0047】
タッチパネル式モニタ25は、透明なタッチパネル26を液晶ディスプレイ27上に積層したものであり、液晶ディスプレイ27上におけるタッチペン28a、28bの操作位置を検知することにより、液晶ディスプレイ27上に表示される画像に対する編集入力を可能とするものである(図4参照)。
【0048】
また、タッチパネル式モニタ25のやや上方両側に、利用者が編集の操作を行っている間に、効果音やインストラクションを再生するためのスピーカ29が設けられている。
【0049】
図4は、図1に示されるパーソナルコンピュータ40等の構成を示すブロックダイアグラムである。
【0050】
パーソナルコンピュータ40は、バス41により相互に接続されるCPU42、ROM43、RAM44、インターフェース(I/F)45を備えている。インターフェース45にはハードディスク46、CD−ROMドライブ47とともに、後述の各種外部機器が接続されている。
【0051】
ハードディスク46には、後述の撮影セッションにおける電子カメラ11、12の制御や編集セッションにおける編集入力の受付処理を行うための動作プログラムや、撮影セッションにおいて液晶ディスプレイ13、スピーカ24から映像、音響を再生することで複数のストーリーを展開させるための複数組の映像データ、音響データ、更には、編集セッションにおいて使用される各種の編集用画像、演出画像などが記憶されている。また、この編集用画像、演出画像の双方、或いは、いずれか一方の少なくとも一部は、上記の複数のストーリーと対応して準備されたストーリー対応編集用画像、ストーリー対応演出画像であり、これらのストーリー対応編集用画像、ストーリー対応演出画像は、それぞれ対応するストーリーと関連づけられてハードディスク46に記憶されている。
【0052】
ROM43は、パーソナルコンピュータを制御するための基本的なプログラムを格納している。
【0053】
RAM44は、編集対象の画像や、利用者が入力した編集の内容などの作業データを一時的に記憶するものである。
【0054】
インターフェース45には、更に電子カメラ11、12、液晶ディスプレイ13、操作パネル22、タッチパネル式モニタ25、タッチペン28a、28b、フラッシュライト16、17、31、32、天井照明35などを制御する照明制御装置50、スピーカ24、29に接続された音響出力装置51、コイン処理部52、プリンタ53などの外部機器が接続されており、CPU42とこれら各機器との間における信号の授受が可能とされている。
【0055】
次に、図5のフローチャートを参照して、画像処理装置1の動作を説明する。
【0056】
撮影ブース30に入室した利用者が、コイン投入口23から所定の料金を支払うと、コイン処理部52がCPU42に所定の信号を送信し、CPU42は、撮影モード選択のステップ(ステップS1)を実行し、液晶ディスプレイ13を、デモンストレーションの表示から撮影モード選択画面に切り替える。
【0057】
撮影モード選択画面には、「人魚姫」、「白雪姫」、「シンデレラ」、「アラジンと魔法のランプ」など、それぞれジャンル、雰囲気の異なるストーリーがオプションとして表示され、利用者は、操作パネル22上のカーソルボタンと決定ボタンなどを操作して、いずれかのストーリーを選択する。
【0058】
ストーリーの選択が行われると、撮影セッション(ステップS2)が実行され、CPU42は、それぞれのストーリーに対応する映像データ、音響データ、及び、電子カメラ11、12の駆動プログラムをハードディスク46から読み込んで、映像、及び、音響を、液晶ディスプレイ13、及び、スピーカ24から出力させて選択されたストーリーを上映するとともに、ストーリー上映中の所定のタイミングにおいて、電子カメラ11、12により、利用者の写真撮影を複数回実行して、複数の画像を取得する。
【0059】
撮影セッションが終了すると、CPU42は、液晶ディスプレイ13、或いは、スピーカ24から、利用者に対して、装置の背面において撮影した画像に対する編集を行うことを促すインストラクションを出力し、その後、CPU42は、編集セッション(ステップS3)を実行する。
【0060】
編集セッションでは、液晶ディスプレイ27に、図6のような編集画面60が表示される。
【0061】
図6に示されるように、編集画面60には、編集対象の画像を表示する画像表示部61a、61b、撮影セッション(ステップS2)において取得した複数の画像を縮小サイズで表示するサムネイル表示部62、スタンプやフレーム、線引き、或いは、編集の取消しなど、編集の内容を指定するための各種のアイコンが表示される編集用アイコン表示部63a、63b、及び、後述の攻撃用アイコン表示部64a、64b、及び、コマンド入力ボタン表示部65a、65bが設けられている。
【0062】
なお、編集画面60の下部に表示される残り時間表示部66には、編集のための残り時間がカウントダウン方式で表示されており、残り時間がゼロになった時点で編集セッションが自動的に終了し、レイアウト設定の受付(ステップS4)が実行されるようになっている。
【0063】
また、残り時間がゼロになる前であっても、編集画面60の下部に表示される終了ボタン67をタッチペン28a、28bで操作することで編集セッションを終了させて、レイアウト設定の受付(ステップS4)に移行することができるようにされている。
【0064】
ここで、液晶ディスプレイ27には、前述のように、透明なタッチパネル26が積層されるとともに、左右のタッチペン28a、28bの先端が接触したタッチパネル26上の位置がパーソナルコンピュータ40において把握可能とされており、パーソナルコンピュータ40は、当該位置と液晶ディスプレイ27上のアイコンの表示位置を照らし合わせることで、利用者がタッチペン28a、28bで操作したアイコンを特定し、各アイコンに割り当てられた動作を行うようにされている。
【0065】
そして、液晶ディスプレイ27における左右の画像表示部61a、61bのそれぞれが、本発明の表示手段を構成し、タッチパネル26において、左側のタッチペン28aにより操作が行われる部分である、画像表示部61a、サムネイル表示部62、編集用アイコン表示部63a、攻撃用アイコン表示部64a、コマンド入力ボタン表示部65aに積層されている部分、及び、タッチペン28aが、画像表示部61aに対応する編集入力手段を構成し、タッチパネル26において、右側のタッチペン28bにより操作が行われる部分である、画像表示部61b、サムネイル表示部62、編集用アイコン表示部63b、攻撃用アイコン表示部64b、コマンド入力ボタン表示部65bに積層されている部分、及び、タッチペン28bが、画像表示部61bに対応する編集入力手段を構成しており、タッチパネル式モニタ25の正面左右に位置する2人の利用者が、それぞれ、左右の表示手段、及び、編集入力手段を使用して、同時に画像に対する編集を行うことが可能とされている。
【0066】
即ち、左側の利用者が、サムネイル表示部62から編集を行いたい画像をタッチペン28aで操作すると、その画像が編集対象画像68aとして画像表示部61aに拡大表示され、同様に、右側の利用者が、タッチペン28bで操作した画像は、編集対象画像68bとして画像表示部61bに拡大表示されることにより、それぞれ編集対象の画像が選択できるようになっている。
【0067】
そして、編集対象画像68a、68bを選択した後に、編集用アイコン表示部63a、63bにそれぞれ表示される6個のアイコン(以下では、左からアイコン(あ)〜(か)と表記する)のいずれかをタッチペン28a、28bで操作することにより、編集対象画像68a、68bに対して種々の編集を行うことが可能とされている。
【0068】
即ち、アイコン(あ)は、スタンプボタンであり、アイコン(あ)をタッチペン28a、又は、28bで操作すると、それぞれ、画像表示部61a、又は、61bの表示が一旦切り替えられて、図7(a)のように、ハードディスク46に編集用画像として記憶されている複数種類(図示の例では16種類)の図柄のスタンプの選択肢を一覧形式で表示するスタンプ選択画面71が、画像表示部61a、又は、61bに表示されるようになっており、スタンプ選択画面71において、いずれかのスタンプの図柄をタッチペン28a、又は、28bで選択すると、再度、画像表示部61a、又は、61bは元の編集対象画像68a、又は、68bの表示に復帰し、その後、編集対象画像68a、又は、68b上でタッチペン28a、又は、28bを操作すると、その操作が行われた位置において選択したスタンプの図柄を編集対象画像68a、又は、68bに前景として重ね合わせて合成する編集が行われるようになっている。
【0069】
なお、アイコン(あ)を操作することで使用可能となる上記のスタンプの画像は、選択可能な全てのストーリーについて共通である。
【0070】
また、アイコン(い)は、フレームボタンであり、アイコン(あ)の場合と同様に、アイコン(い)をタッチペン28a、又は、28bで操作すると、それぞれ、画像表示部61a、又は、61bの表示が一旦切り替えられて、ハードディスク46に編集用画像として記憶されている複数種類の図柄のフレームの選択肢が一覧形式で表示されるようになっており、いずれかのフレームを選択することで、画像表示部61a、又は、61bには、選択したフレームが前景として合成された状態の編集対象画像68a、又は、68bが表示されるようになっている。
【0071】
なお、アイコン(い)を操作することで使用可能となる上記のフレームの画像は、選択可能な全てのストーリーについて共通である。
【0072】
また、アイコン(う)は、線図の自由描画のためのアイコンであり、アイコン(う)をタッチペン28a、又は、28bで操作すると、それぞれ、画像表示部61a、又は、61bの表示が一旦切り替えられて、ハードディスク46に編集用画像として記憶されている色彩や太さなどが異なる複数種類の線種が一覧形式で表示され、いずれかの線種を選択すると、再度、画像表示部61a、又は、61bは元の編集対象画像68a、又は、68bの表示に復帰し、その後、編集対象画像68a、又は、68b上でタッチペン28a、又は、28bを操作すると、その位置において選択した線種で線図を自由に描画する編集が行えるようになっている。
【0073】
また、アイコン(え)は、ストーリー対応スタンプボタンであり、アイコン(え)をタッチペン28a、又は、28bで操作すると、それぞれ、画像表示部61a、又は、61bの表示が一旦切り替えられて、図7(b)のような、ハードディスク46にストーリー対応編集用画像として記憶されているそれぞれ図柄が異なる複数種類(図示の例では15種類)の図柄のストーリー対応スタンプの選択肢を一覧形式で表示するストーリー対応スタンプ選択画面72が、画像表示部61a、又は、61bに表示されるようになっており、いずれかのストーリー対応スタンプをストーリー対応スタンプ選択画面72においてタッチペン28a、又は、28bで操作すると、再度、画像表示部61a、又は、61bは元の編集対象画像68a、又は、68bの表示に復帰し、その後、編集対象画像68a、又は、68b上でタッチペン28a、又は、28bを操作すると、その操作が行われた位置において選択したストーリー対応スタンプの図柄を編集対象画像68a、又は、68bに前景として重ね合わせて合成する編集が行われるようになっている。
【0074】
ここで、上記のストーリー対応スタンプは、撮影セッションにおいて選択可能とされている「人魚姫」、「白雪姫」、「シンデレラ」、「アラジンと魔法のランプ」のそれぞれのストーリーに対応して記憶されているストーリー対応編集画像であり、アイコン(え)を操作することにより、ストーリー対応スタンプ選択画面72に表示され、編集に使用することが可能となる画像は、撮影モード選択のステップ(ステップS1)において選択したストーリーに対応するストーリー対応スタンプのみであり、撮影モード選択のステップで選択されなかったストーリーに対応するストーリー対応スタンプは編集に使用できないようになっている。
【0075】
そして、ストーリー対応スタンプとしては、例えば、「人魚姫」のストーリーに対応するものとして、図7(b)に示すような、「人魚姫」のストーリーの登場人物(キャラクタ)である「人魚姫」や「王子様」、「魚達」、或いは、海草や気泡など海中の情景をあしらった図柄のものとし、同様に、「白雪姫」のストーリーに対応するものとして、その登場人物(キャラクタ)である「白雪姫」、「王子様」、「小人」、或いは、魔法の鏡、リンゴ、森の景色などをあしらった図柄のものを使用するなど、それぞれのストーリーに関連し、或いは、それぞれのストーリーを想起させるような図柄を使用したストーリー対応スタンプを準備することで、利用者は、撮影セッションで撮影を行いつつ鑑賞したストーリーの雰囲気や余韻を楽しんだり、想起したりしながら編集の入力を行うことになり、写真の撮影と編集の入力を一体のプレイとして楽しむことが可能になり、また、いずれかのストーリーに著作者、製作者がいる場合には、撮影セッションで展開されたストーリーとは異なるストーリーを想起させるような図柄が編集の操作で使用されたり、表示手段上に表示されたりすることがないために、ストーリーに対する利用者のイメージが損なわれたり、変わってしまったりすることが防止され、著作者、製作者の利益が保護されることになり、従って、画像処理装置においてストーリーを使用することについての、著作者や製作者の許可を得易くなるなどの効果も得ることができる。
【0076】
また、アイコン(お)は、ストーリー対応フレームボタンであり、アイコン(え)の場合と同様に、アイコン(お)をタッチペン28a、又は、28bで操作すると、それぞれ、画像表示部61a、又は、61bの表示が一旦切り替えられて、ハードディスク46にストーリー対応編集用画像として記憶されているそれぞれ図柄が異なる複数種類のストーリー対応フレームの選択肢が画像表示部61a、又は、61bに表示されるようになっており、いずれかのストーリー対応フレームを選択すると、編集対象画像68a、又は、68bに、選択したフレームを前景として合成する編集が行われ、画像表示部61a、又は、61bが再度切り替えられて、当該編集が行われた状態の編集対象画像68a、又は、68bが表示される。
【0077】
このストーリー対応フレームも、ストーリー対応スタンプと同様に、撮影セッションにおいて選択可能とされている「人魚姫」、「白雪姫」、「シンデレラ」、「アラジンと魔法のランプ」のそれぞれのストーリーに対応して記憶されているストーリー対応編集画像であり、アイコン(お)を操作することにより、編集に使用することが可能となる画像は、撮影モード選択のステップ(ステップS1)において選択したストーリーに対応するストーリー対応フレームのみであり、撮影モード選択のステップで選択されなかったストーリーに対応するストーリー対応フレームは編集に使用できないようになっている。
【0078】
また、ストーリー対応フレームについても、それぞれのストーリーに関連し、或いは、それぞれのストーリーを想起させるような図柄を使用することで、利用者は、撮影セッションで撮影を行いつつ鑑賞したストーリーの雰囲気や余韻を楽しんだり、想起したりしながら編集の入力を行うことになり、写真の撮影と編集の入力を一体のプレイとして楽しむことが可能になるなど、上記と同様の効果を得ることができる。
【0079】
また、アイコン(か)は、消しゴムアイコンであり、アイコン(か)をタッチペン28a、又は、28bで選択した後に、画像表示部61a、又は、61b上で操作することにより、一旦入力した編集を消去できるようになっている。
【0080】
また、上記のような方法で、選択した編集対象画像68a、68bに対する編集を行っている途中、或いは、編集が完了した後に、タッチペン28a、28bを操作して、サムネイル表示部62から別の画像を選択することも可能とされており、この場合は、それまで編集していた編集対象画像68a、68bは、それまでに入力された編集が施された状態でハードディスク46に記録され、その後、新たに選択した画像が新たな編集対象画像68a、68bとして画像表示部61a、61bに表示され、編集の操作を受け付けるようにされている。
【0081】
図6に示されるように、攻撃用アイコン表示部64a、64bには、それぞれの20個のアイコン(以下では、上から順にアイコン(ア)乃至(ト)と表記する)が表示されており、以下に説明する通り、タッチペン28a、28bでこれらのアイコンを操作することにより、各利用者が、お互いに、相手の利用者の編集を邪魔し、或いは、編集に対するコメントを述べるなど、表示手段と編集入力手段を介して、相手の利用者が行っている編集に干渉することが可能とされている。
【0082】
なお、(ア)〜(ト)のアイコンの機能は、攻撃用アイコン表示部64aと64bで対称になっており、攻撃用アイコン表示部64aのアイコンをタッチペン28aで操作した場合に画像表示部61bにおいて行われる演出画像の表示や編集などの動作は、攻撃用アイコン表示部64bのアイコンをタッチペン28bで操作した場合に画像表示部61aにおいて行われる演出画像の表示や編集などの動作と同一であり、以下では、説明の簡単のため、いずれか一方についてのみ説明を行う。
【0083】
また、左側の利用者がタッチペン28aを使用して攻撃用アイコン表示部64aのアイコン(ア)〜(ト)を操作することを、単に、左側の利用者がアイコン(ア)〜(ト)を操作すると表現し、右側の利用者がタッチペン28bを使用して攻撃用アイコン表示部64bのアイコン(ア)〜(ト)を操作することを、単に、右側の利用者がアイコン(ア)〜(ト)を操作すると表現する。
【0084】
まず、アイコン(ア)は、ミサイル攻撃ボタンであり、左側の利用者がアイコン(ア)を操作した場合には、画像表示部61bにおいて、編集対象画像68bに重ね合わせてミサイルが飛来してくるアニメーションによる演出画像が表示され、その後、図6に示すように、所定時間、爆発のシーンの演出画像が表示されるようにされている。
【0085】
従って、右側の利用者は、その間、編集対象画像68bを十分に見ることができなくなって編集の操作が妨害されることになる。
【0086】
一方、ミサイルが飛来するアニメーションに気付いた右側の利用者が、十分早いタイミングで(左側の利用者によるアイコン(ア)の操作から所定時間内に)アイコン(ア)を操作することができた場合には、画像表示部61bにおいて、迎撃ミサイルで飛来するミサイルを打ち落とすアニメーション画像が表示され、爆発の画像は表示されない。これにより、右側の利用者は、左側の利用者による編集の妨害を回避することができ、そのまま編集を続けることができる。
【0087】
また、アイコン(イ)〜(エ)は、それぞれ、津波攻撃ボタン、火炎攻撃ボタン、煙攻撃ボタンであり、左側の利用者がアイコン(イ)〜(エ)を操作した場合には、画像表示部61bにおいて、編集対象画像68bに重ね合わせて、津波が押し寄せてきて全てを洗い流してしまうアニメーション、炎が襲い掛かってきて、全てを焼き尽くしてしまうアニメーション、煙が立ちこめて煙以外何も見えなくなってしまうアニメーションによる演出画像が所定時間表示されて、それぞれ、津波、炎、煙が無くなるまで、右側の利用者が編集を出来ないようにすることができる。
【0088】
一方、右側の利用者が、これに気付き、十分早いタイミングでアイコン(イ)〜(エ)を操作することができた場合には、画像表示部61bにおいて、それぞれ、津波、炎、煙が消滅するアニメーション画像が表示され、短時間で画像表示部61bは元の状態に復帰し、すぐに編集を続行することが可能になる。
【0089】
また、アイコン(オ)、(カ)は、それぞれ、スモール攻撃ボタン、ビッグ攻撃ボタンであり、左側の利用者がアイコン(オ)、(カ)を操作した場合には、画像表示部61bの編集対象画像68bが所定時間、極めて小さいサイズ、及び、極めて大きいサイズに変更されて表示され、画像のサイズが変更されている間は、右側の利用者は編集対象の画像が小さすぎるか、或いは、大きすぎて、編集の操作ができなくなる。
【0090】
一方、右側の利用者が、これに気付き、十分早いタイミングでアイコン(オ)、(カ)を操作することができた場合には、編集対象画像68bのサイズは、短時間で元のサイズに戻り、右側の利用者は、すぐに編集を続行することができる。
【0091】
また、アイコン(キ)は、虫攻撃ボタンであり、左側の利用者がアイコン(キ)を操作した場合には、画像表示部61bに、所定時間、編集対象画像68bに重ね合わせて、多数の虫が走り回るアニメーションによる演出画像が表示される。従って、右側の利用者は、走り回る虫のアニメーションに惑わされて落ち着いて編集ができなくなる。
【0092】
更に、所定時間経過後、虫の動きがストップし、そのときの虫の画像がそのまま編集対象画像68bに合成されて編集として残ってしまう。
【0093】
従って、そのままの状態で編集セッションが終了した場合には、虫の画像が合成された状態で写真プリントが作成されることになり、これを望まない場合には、右側の利用者は、編集用アイコン表示部63bの消しゴムのアイコン(か)を操作してからタッチペン28bの先端を虫の画像に触れさせることで、一つずつ虫の画像を消去しなければならない。
【0094】
一方、虫の画像が現れ始めたことに気付いた右側の利用者が、十分早いタイミングでアイコン(キ)を操作することができた場合には、迎撃虫が発射されて、襲ってきた虫を追い払ってしまうアニメーション画像が表示され、短時間で画像表示部61bの表示は元の状態に復帰し、右側の利用者は、すぐに編集を続行することができる。
【0095】
また、アイコン(ク)は、メッセージ送り込み攻撃ボタンであり、左側の利用者が、アイコン(ク)の横のメッセージ欄Mにメッセージを書き込んだ後に、アイコン(ク)を操作した場合には、画像表示部61bにおいて、編集対象画像68bにそのメッセージを文字画像として合成する編集が行われる。
【0096】
このように、各利用者は、アイコン(ク)を操作することにより、相手の利用者が行っている編集に応じて、感想やからかいのメッセージを相手の画面上に編集として記入することが可能である。
【0097】
一方、これに気付いた右側の利用者が、十分早いタイミングでアイコン(ク)を操作することができた場合には、その文字画像を追加した編集が消去され、画像表示部61bの表示は、すぐに元の状態に復帰するようになっている。
【0098】
また、アイコン(ケ)は、取替え攻撃ボタンであり、左側の利用者がアイコン(ケ)を操作した場合には、その時点までに編集対象画像68aに対して入力された編集と同一の編集が、編集対象画像68bに対して行われ、同時に、編集対象画像68bに対して入力された編集と同一の編集が、編集対象画像68aに対して行われるようになっている。
【0099】
従って、各利用者は、相手の編集が良いと思った場合には、アイコン(ケ)を操作することにより、自分が行った編集と、相手が行った編集を取り替えてしまうことが可能である。
【0100】
また、アイコン(コ)は、盗み攻撃ボタンであり、左側の利用者がアイコン(コ)を操作した場合には、編集対象画像68bに対して入力された編集と同一の編集が、編集対象画像68aに対して行われ、同時に、編集対象画像68bに対して行われた編集は消去されて、その消去された部分は白抜きになってしまう。
【0101】
従って、アイコン(コ)は、相手の行った編集を自分の画像に取り込むことが可能である点ではアイコン(ケ)と同様であるが、アイコン(コ)の場合は、これに加えて、相手の編集を消去して白抜きの画像にしてしまうことで、相手の編集の邪魔をすることができるようになっている。
【0102】
また、アイコン(サ)、(シ)は、それぞれ、落とし込みボタン、穴あきボタンであり、左側の利用者がアイコン(サ)、(シ)を操作した場合には、その後の所定時間は、右側の利用者が、編集用アイコン表示部63bにおいてアイコン(あ)〜(か)のいずれを選択しても、画像表示部61b上においてタッチペン28bを操作した部分には、選択したアイコンに対応する編集が行われる代わりに、陥没した画像、又は、穴が開いた画像が演出画像として表示されるようになっている。
【0103】
また、アイコン(ス)は、強風ボタンであり、左側の利用者がアイコン(ス)を操作した場合には、編集用アイコン表示部63bにおいて、強風が吹いてアイコン(あ)〜(か)が飛ばされてしまうアニメーション画像が表示され、その後所定時間、編集用アイコン表示部63bのアイコン(あ)〜(か)が無くなってしまい、その間、右側の利用者は、編集の操作を行うことが出来ないようにされている。
【0104】
また、アイコン(セ)は、氷ボタンであり、左側の利用者がアイコン(セ)を操作した場合には、編集用アイコン表示部63bにおいてアイコン(あ)〜(か)が凍ってしまう画像が表示され、所定時間、編集用アイコン表示部63bのアイコン(あ)〜(か)をタッチペン28bで操作しても、動作しないようになっており、その間、右側の利用者は、編集の操作を行うことが出来ないようにされている。
【0105】
このように、各利用者は、アイコン(サ)〜(セ)を操作することにより、相手の利用者が使用している編集入力手段の機能を変化、又は、停止させ、これにより、相手の利用者を戸惑わせたり、所定時間編集ができないようにして、編集の邪魔をすることが可能とされている。
【0106】
また、アイコン(ソ)は、協力ボタンであり、左右の利用者が、同時にアイコン(ソ)を操作した場合には、その後、左右の画像表示部61a、61bのタッチペン28a、28bで操作した部分において、編集用アイコン表示部63a、63bのアイコンの操作によっては出現することのない、特別な図柄のスタンプを編集対象画像68a、68bに合成する編集が行なわれるようになっている。
【0107】
このように、2人の利用者が所定の操作を同時に行った場合に、通常では使用できないスタンプを用いた編集を可能とすることで、画像処理装置における編集に、他の利用者と協力しながら編集を行うという新しい楽しみを盛り込むことができる。
【0108】
なお、この場合、スタンプの図柄を、期間限定のものにしたり、著作権などの関係で使用料が高額であるために通常使用されていないキャラクターの図柄などにするなどにより、他の利用者と協力して編集を行うことの楽しみを一層大きなものとすることができる。
【0109】
また、アイコン(タ)〜(ト)は、それぞれ、お邪魔キャラ攻撃ボタン、恐怖ボタン、赤ちゃんボタン、先生ボタン、切り裂きボタンであり、左側の利用者がアイコン(タ)〜(ト)を操作することにより、それぞれ、画像表示部61bに、フェードイン、フェードアウトする態様で、お邪魔キャラクターの画像、呪いの言葉の文字画像、赤ちゃんのらくがきのような意味不明の画像、100点の文字と花丸の画像よりなる演出画像が編集対象の画像に重ね合わせて表示され、或いは、編集対象の画像が2つに切り裂かれてしまった演出画像が表示されるようになっている。
【0110】
従って、各利用者は、アイコン(タ)〜(ト)を操作して、これらの様々な図柄の演出画像を相手の画像表示部61a、61bに表示させることによっても、相手の利用者を驚かせたり、怖がらせたり、戸惑わせたり、或いは、面白がらせたりしながら楽しく編集の操作を行うことが可能である。
【0111】
また、図6に示されるように、コマンド入力ボタン表示部65a、65bには、それぞれ5個のアイコン(以下では、左から順にアイコン(ナ)乃至(ノ)と表記する)が表示されており、以下に説明する通り、タッチペン28a、28bを使用してこれらのアイコンに対して所定の操作を行うことにより、通常では表示されない特別な図柄のスタンプでの編集が可能となったり、通常では表示されない特別な図柄の画像が所定時間表示されるようになっている。
【0112】
なお、以下では、左側の利用者がタッチペン28aを使用してコマンド入力ボタン表示部65aのアイコン(ナ)〜(ノ)を操作することを、単に、左側の利用者がアイコン(ナ)〜(ノ)を操作すると表現し、右側の利用者がタッチペン28bを使用してコマンド入力ボタン表示部65bのアイコン(ナ)〜(ノ)を操作することを、単に、右側の利用者がアイコン(ナ)〜(ノ)を操作すると表現する。
【0113】
まず、左右の利用者が、アイコン(ナ)〜(ノ)の所定のアイコンを、同時に所定時間(例えば、3秒以上)継続して操作することで、通常では使用することができない特別な図柄のスタンプであるスペシャルスタンプを使用して編集を行うことができるようになっている。
【0114】
スペシャルスタンプは、それぞれ図柄が異なるA〜Eの5種類のスタンプが準備されており、左右の利用者が、表1の「左の利用者」、「右の利用者」欄に示す組み合わせのアイコンを、同時に所定時間継続して押し続けた場合、表1の「出現スタンプ」欄に示すスペシャルスタンプA〜Eが、「画像表示部」欄に示す画像表示部において使用可能となる。
【0115】
【表1】

【0116】
スペシャルスタンプが使用可能になったことは、スピーカ29から大音響が出力されるとともに、スペシャルスタンプが使用可能となった画像表示部61a、又は、61bにおいて、「スペシャルスタンプ登場」などの文字が所定時間表示されることにより利用者に告知され、その後、タッチペン28a、又は、28bを画像表示部61a、又は、61bの所望の位置で操作することで、当該位置において編集対象画像68a、又は、68bにスペシャルスタンプA〜Eのいずれかを合成する編集が行われる。
【0117】
このように、それぞれの利用者は、自分が使用している画像表示部61a、61bにおいてスペシャルスタンプを使用した編集を行うためには、相手の利用者にもアイコン(ナ)〜(ノ)を操作して貰うことが必要であり、従って、希望のスペシャルスタンプを使用するために2人の利用者が協力して操作を行う楽しみや、スペシャルスタンプを使用するまでは相手の編集を邪魔することを控えるなど駆け引きの面白味が編集の操作に盛り込まれることになる。
【0118】
なお、スペシャルスタンプを使用した編集の魅力を高めるために、例えば、スペシャルスタンプを、期間限定ものにしたり、著作権などの関係で使用料が高額であるために通常使用されていないキャラクターを使用した図柄にするなどが考えられる。
【0119】
また、他の態様として、上記のスペシャルスタンプA〜Eとして、ストーリー対応編集用画像を使用することも可能である。
【0120】
即ち、選択可能な4種類のそれぞれのストーリーに対応させて、5種類づつのストーリー対応編集用画像をスペシャルスタンプA〜Eとしてハードディスク46に記憶しておき、左右の利用者が表1に示すアイコン(ナ)〜(ノ)の操作を行ったときに、撮影モード選択のステップ(ステップS1)において選択されたストーリーに対応するストーリー対応編集用画像が使用可能となるものとすることができる。
【0121】
図7(c)は、かかる態様において、左右の利用者が表1に示すアイコン(ナ)〜(ノ)の操作を行ったときに、表1の「画像表示部」欄に示される画像表示部61a、又は、61bに表示されるストーリー対応スタンプ選択画面73の1例を示している。
【0122】
図7(c)においては、編集用アイコン表示部62のアイコン(え)を操作したときに選択可能とされる15種類のストーリー対応スタンプに加えて、利用者に特に高い好感を与えるような図柄のストーリー対応スタンプがスペシャルスタンプ74として追加されており、また、「スペシャルスタンプ登場」の文字75が表示されて、スペシャルスタンプが使用可能になったことが利用者に告知されている。
【0123】
そして、図7(c)のストーリー対応スタンプ選択画面73において、スペシャルスタンプ74、又は、他のストーリー対応スタンプをタッチペン28a、又は、28bで操作すると、再度、画像表示部61a、又は、61bは元の編集対象画像68a、又は、68bの表示に復帰し、その後、編集対象画像68a、又は、68b上でタッチペン28a、又は、28bを操作すると、その操作が行われた位置においてスペシャルスタンプ74、又は、他のストーリー対応スタンプの図柄を編集対象画像68a、又は、68bに前景として重ね合わせて合成する編集が行われる。
【0124】
また、左右の利用者のいずれかが、アイコン(ナ)〜(ノ)を所定の順序に従って操作することにより、相手の利用者が使用している画像表示部61a、61bの全面に、フェードイン、フェードアウトする所定の演出画像が、所定時間(例えば、5秒程度)表示されるようになっている。
【0125】
表2は、左右の利用者のアイコン(ナ)〜(ノ)の操作順序と、当該順序で操作を行った場合に相手の利用者が使用する画像表示部に表示される演出画像の種類と、その際に、スピーカ29から出力される効果音の種類を示したものであり、例えば、左の利用者が、アイコン(ナ)を3回連続操作した場合には、効果音1とともに演出画像Aが画像表示部61bにおいて、編集用画像68bが殆ど見えなくなってしまう程度の大きさで表示され、右の利用者が、アイコン(ナ)、(ニ)、(ヌ)をこの順序で連続して操作した場合には、効果音12とともに演出画像Lが画像表示部61aにおいて、編集用画像68aが殆ど見えなくなってしまう程度の大きさで表示され、これにより、相手の利用者の編集を邪魔できるようになっている。
【0126】
【表2】

【0127】
なお、演出画像が所定時間相手の画像表示部61a、61bにおいて表示されて編集対象画像68a、68bが殆ど見えなくなってしまう点は、例えば、アイコン(ア)〜(エ)や(タ)〜(テ)を操作した場合と同様であるが、複数のアイコン(ナ)〜(ノ)を所定の順序で操作した場合に演出画像が表示されるようにすることで、少ないアイコン数でより多種類の演出画像を選択可能とすることができ、また、利用者には、好みの演出画像を表示させるためのアイコンの操作順序を見つける楽しみが与えられることになる。
【0128】
また、他の態様として、表2に示す演出画像A〜Sとして、ストーリー対応演出画像を使用することも可能である。
【0129】
即ち、選択可能な4種類のストーリーに対応させて、それぞれ19種類のストーリー対応演出画像A〜Sをハードディスク46に記憶しておき、左右の利用者が表1に示すアイコン(ナ)〜(ノ)の操作を行ったときに、撮影モード選択のステップ(ステップS1)において選択されたストーリーに対応するストーリー対応演出画像A〜Sが、相手の利用者が使用している画像表示部において表示されるものとすることが可能である。
【0130】
図7(d)は、かかる態様において、例えば、ストーリーとして「人魚姫」が選択されている場合に、左右いずれかの利用者が、表2に示すアイコン(ナ)〜(ノ)の操作を行ったときに、相手の利用者が使用している画像表示部61a、又は、61bにおいて表示される画像76の例を示している。
【0131】
図7(d)においては、編集対象画像68a、又は、68bの前景として、「人魚姫」に対応してハードディスク46に記録されているストーリー対応演出画像である「人魚姫」の登場キャラクタをあしらった画像77(ストーリー対応演出画像A〜Sのいずれか)が所定時間(例えば、5秒間)表示されることで、編集対象画像68a、又は、68bが殆ど見えなくなってしまっい、編集の操作の邪魔ができるようになっている。
【0132】
編集のための残り時間がゼロとなり、又は、終了ボタン67が操作されると、レイアウト設定のステップ(ステップS4)が実行される。
【0133】
このステップでは、撮影され、或いは更に、スタンプ、フレームなどの編集や、演出画像を合成する編集が加えられた複数の画像、及び、推奨レイアウトがタッチパネル式モニタ25上に表示され、利用者が印刷を希望する画像、及び、レイアウトをタッチペン28a、28bで選択することにより、画像印刷のレイアウトを設定できるようにされている。
【0134】
レイアウトの設定の終了後、選択された画像、及び、レイアウトのデータは、パーソナルコンピュータ40によりプリンタ53に伝送され、プリンタ53により印刷された写真プリントが利用者に提供される。
【0135】
以上、本発明の一実施形態に係る画像処理装置を例に取り本発明の説明を行ったが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲において、種々の改変が可能である。
【0136】
例えば、上記実施形態では、画像取得手段として画像処理装置に内蔵される電子カメラを使用する場合を説明したが、家庭用の電子カメラやカメラ付き携帯電話により撮影した画像のデータを、有線、無線方式の通信により受信し、或いは、そのような画像のデータを記録した記録媒体を読み取ることにより画像を取得する手段を使用することも可能である。
【0137】
また、上記実施形態では、液晶ディスプレイの表示面上の2つの画像表示部のそれぞれを表示手段として使用する場合につき説明したが、液晶ディスプレイやCRTなどの表示装置を複数使用し、この表示装置のそれぞれを表示手段として使用することも可能である。
【0138】
また、複数の表示手段は、必ずしも上記実施形態のように隣接して配置する必要はなく、例えば、編集のためのブースを異なる場所に複数設け、それぞれのブース内に表示手段を設けるなど、複数の表示手段を離間した位置に配置することも可能である。
【0139】
また、上記実施形態では、タッチペンとタッチパネルの所定部分を編集入力手段として使用する場合につき説明したが、例えば、これに代えて、マウスや複数の押しボタン、ジョイスティックなどを使用して編集入力手段を構成することも可能である。
【0140】
また、上記実施形態では、表示手段とこれに対応する編集入力手段を2組使用する場合につき説明したが、3組以上の表示手段と編集入力手段を使用して画像処理装置を構成することも可能である。
【0141】
また、上記実施形態では、画像提供手段として、画像を印刷して写真プリントを提供するプリンタを使用する場合につき説明したが、これに代えて、画像を記録媒体に記録して利用者に提供する記録媒体ドライブや、画像のデータを有線、無線方式で利用者の携帯電話、パソコンなどの情報処理端末に送信する送信手段を画像提供手段として使用することも可能である。
【0142】
また、上記実施形態では、編集用画像、演出画像の一部が、撮影セッションにおいて展開される複数種類のストーリーに対応するストーリー対応編集用画像、ストーリー対応演出画像である場合につき説明したが、必ずしも、ストーリー対応編集用画像、ストーリー対応演出画像を使用することは必要ではなく、全ての編集用画像、演出画像を全てのストーリーに共通のものとすることも可能であり、或いは、編集用画像、演出画像の全てを、それぞれのストーリーに対応するストーリー対応編集用画像、ストーリー対応演出画像とすることも可能である。
【0143】
また、上記実施形態では、表示手段に表示される演出画像、或いは、ストーリー対応演出画像によって、編集対象の画像を見えにくくすることで、相手の利用者の編集の邪魔ができるようになっている場合について説明したが、更に、演出画像、或いは、ストーリー対応演出画像が表示されている間、相手の利用者が使用している編集入力手段からの編集入力の受付を停止させることで、更に、効果的に相手の利用者の編集を妨害できるようにすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像処理装置の構造を示す断面説明図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る画像処理装置の筐体の正面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る画像処理装置の筐体の背面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る画像処理装置が備えるパーソナルコンピュータ等の構成を示すブロックダイアグラムである。
【図5】本発明の一実施形態に係る画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態に係る画像処理装置が撮影セッションにおいて表示する編集画面を示す説明図である。
【図7】図7(a)〜(d)は、本発明の一実施形態に係る画像処理装置における編集画面の画像表示部に表示される画像であり、(a)は、スタンプ選択画面、(b)、(c)は、ストーリー対応スタンプ選択画面を示す説明図であり、(d)は、当該画像表示部において編集対象画像にストーリー対応演出画像が重ね合わせて表示された状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0145】
1 画像処理装置
10 筐体
11、12 電子カメラ
13 液晶ディスプレイ
14 ハーフミラー
15 表示窓
16、17、31、32 フラッシュライト
18、19 拡散窓
20、21 モニタ
22 操作パネル
23 コイン投入口
24 スピーカ
25 タッチパネル式モニタ
26 タッチパネル
27 液晶ディスプレイ
28a、28b タッチペン
29 スピーカ
30 撮影ブース
33、34 拡散窓
35 天井照明
40 パーソナルコンピュータ
41 バス
42 CPU
43 ROM
44 RAM44
45 インターフェース
46 ハードディスク
47 CD−ROMドライブ
50 照明制御装置
51 音響出力装置
52 コイン処理部
53 プリンタ
60 編集画面
61a、61b 画像表示部
62 サムネイル表示部
63a、63b 編集用アイコン表示部
64a、64b 攻撃用アイコン表示部
65a、65b コマンド入力ボタン表示部
66 残り時間表示部
67 終了ボタン
68a、68b 編集対象画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の画像を取得する画像取得手段と、
複数の表示手段と、
前記複数の表示手段のそれぞれに対応して設けられ、対応する表示手段に表示される前記画像に対する編集を入力するための編集入力手段と、
前記編集が加えられた前記画像を利用者に提供する画像提供手段と、
前記画像、又は、前記編集が加えられた前記画像を、前記表示手段に表示させる制御手段とを備える画像処理装置であって、
前記制御手段は、一の編集入力手段に対する所定の入力に応答して、他の一の編集入力手段に対応する表示手段において、演出画像を表示することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記所定の入力に応答して、更に、前記他の一の編集入力手段に対応する表示手段に表示される画像に対して演出画像を合成する編集を行い、前記画像提供手段は、更に、当該演出画像を合成する編集が行われた前記画像を利用者に提供することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記所定の入力から所定時間内に、前記他の一の編集入力手段に対する所定の入力があった場合には、前記演出画像を変更し、又は、前記演出画像の表示、又は、前記演出画像を合成する編集を中止することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
利用者の画像を取得する画像取得手段と、
複数の表示手段と、
前記複数の表示手段のそれぞれに対応して設けられ、対応する表示手段に表示される前記画像に対する編集を入力するための編集入力手段と、
前記編集が加えられた前記画像を利用者に提供する画像提供手段と、
前記画像、又は、前記編集が加えられた前記画像を、前記表示手段に表示させる制御手段とを備える画像処理装置であって、
前記制御手段は、一の編集入力手段に対する所定の入力と、他の一の編集入力手段に対する所定の入力に応答して、当該一の編集入力手段、及び/又は、当該他の一の編集入力手段に対応する表示手段において、演出画像を表示することを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
前記制御手段は、一の編集入力手段に対する前記所定の入力と、他の一の編集入力手段に対する前記所定の入力に応答して、更に、当該一の編集入力手段、及び/又は、当該他の一の編集入力手段に対応する表示手段に表示される前記画像に対して、演出画像を合成する編集を行い、前記画像提供手段は、更に、当該演出画像を合成する編集が行われた前記画像を利用者に提供することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記演出画像が、文字画像であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記演出画像が、前記画像のサイズを拡大又は縮小した画像であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
利用者の画像を取得する画像取得手段と、
複数の表示手段と、
前記複数の表示手段のそれぞれに対応して設けられ、対応する表示手段に表示される前記画像に対する編集を入力するための編集入力手段と、
前記編集が加えられた前記画像を利用者に提供する画像提供手段と、
前記画像、又は、前記編集が加えられた前記画像を、前記表示手段に表示させる制御手段とを備える画像処理装置であって、
前記制御手段は、一の編集入力手段に対する所定の入力に応答して、他の一の編集入力手段に対応する表示手段に表示される前記画像に対して行われた編集と同一の編集を、当該一の編集入力手段に対応する表示手段に表示される前記画像に対して行うことを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記所定の入力に応答して、前記一の編集入力手段に対応する表示手段に表示される前記画像に対して行われた編集と同一の編集を、前記他の一の編集入力手段に対応する表示手段に表示される前記画像に対して行うことを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記制御手段は、前記所定の入力に応答して、前記他の一の編集入力手段に対応する表示手段に表示される前記画像に対して行われた編集を消去することを特徴とする請求項8又は9に記載の画像処理装置。
【請求項11】
利用者の画像を取得する画像取得手段と、
複数の表示手段と、
前記複数の表示手段のそれぞれに対応して設けられ、対応する表示手段に表示される前記画像に対する編集を入力するための編集入力手段と、
前記編集が加えられた前記画像を利用者に提供する画像提供手段と、
前記画像、又は、前記編集が加えられた前記画像を、前記表示手段に表示させる制御手段とを備える画像処理装置であって、
前記制御手段は、一の編集入力手段に対する所定の入力に応答して、他の一の編集入力手段の機能を所定時間変化、又は、停止させることを特徴とする画像処理装置。
【請求項12】
前記画像取得手段が、電子カメラであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記画取得供手段は、有線、又は、無線の通信手段を介して前記画像を取得することを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項14】
前記画像提供手段は、前記編集を反映させた前記画像を写真台紙上に印刷して利用者に提供することを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項15】
前記画像提供手段は、有線、又は、無線の通信手段を介して前記編集を反映させた前記画像を利用者に提供することを特徴とする請求項1〜14に記載の画像処理装置。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の画像を撮影する撮影手段と、
複数のストーリーに対応する複数組の映像情報、及び、音響情報を記憶するストーリー情報記憶手段と、
前記複数のストーリーに対応する複数のストーリー対応画像を記憶するストーリー対応画像記憶手段と、
前記映像情報を再生する映像再生手段と、
前記音響情報を再生する音響再生手段と、
前記撮影手段により撮影した前記画像を表示する表示手段と、
前記表示手段に表示される前記画像に対する編集を入力するための編集入力手段と、
前記編集が加えられた前記画像を利用者に提供する画像提供手段と、
前記複数のストーリーからいずれかのストーリーを選択するストーリー選択処理、前記撮影手段に前記画像を撮影させる撮影処理、及び当該撮影処理において撮影された前記画像に対する前記編集入力手段からの編集の入力を受け付ける編集処理を含む一連の処理を実行する制御手段と、
を備える画像処理装置であって、
前記撮影処理は、前記ストーリー選択処理において選択されたストーリーに対応する前記映像情報、及び、前記音響情報を前記映像再生手段、及び、前記音響再生手段から再生させつつ、前記撮影手段に画像の撮影を行わせるものであり、
前記編集処理は、前記画像、又は、前記編集が加えられた前記画像を前記表示手段に表示させ、前記編集入力手段からの所定の入力に応答して、前記ストーリー対応画像を前記表示画面に表示するものであり、
前記編集処理において前記表示手段に表示される前記ストーリー対応画像は、前記ストーリー選択処理において選択されたストーリーに対応するストーリー対応画像に限定されることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
利用者の画像を撮影する撮影手段と、
複数のストーリーに対応する複数組の映像情報、及び、音響情報を記憶するストーリー情報記憶手段と、
前記複数のストーリーに対応する複数のストーリー対応画像を記憶するストーリー対応画像記憶手段と、
前記映像情報を再生する映像再生手段と、
前記音響情報を再生する音響再生手段と、
前記撮影手段により撮影した前記画像を表示する表示手段と、
前記表示手段に表示される前記画像に対する編集を入力するための編集入力手段と、
前記編集が加えられた前記画像を利用者に提供する画像提供手段と、
前記複数のストーリーからいずれかのストーリーを選択するストーリー選択処理、前記撮影手段に前記画像を撮影させる撮影処理、及び、当該撮影処理において撮影された前記画像に対する前記編集入力手段からの編集の入力を受け付ける編集処理を含む一連の処理を実行する制御手段と、
を備える画像処理装置であって、
前記撮影処理は、前記ストーリー選択処理において選択されたストーリーに対応する前記映像情報、及び、前記音響情報を前記映像再生手段、及び、前記音響再生手段から再生させつつ、前記撮影手段に画像の撮影を行わせるものであり、
前記編集処理は、前記画像、又は、前記編集が加えられた前記画像を前記表示手段に表示させ、前記編集入力手段からの所定の入力に応答して、前記画像に前記ストーリー対応画像を合成する編集を行うものであり、
前記画像提供手段は、更に、当該ストーリー対応画像を合成する編集が行われた前記画像を利用者に提供するものであり、
前記撮影処理において画像に合成される前記ストーリー対応画像は、前記ストーリー選択処理において選択されたストーリーに対応するストーリー対応画像に限定されることを特徴とする画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−135958(P2006−135958A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−302448(P2005−302448)
【出願日】平成17年10月18日(2005.10.18)
【分割の表示】特願2003−387296(P2003−387296)の分割
【原出願日】平成15年11月17日(2003.11.17)
【出願人】(500413629)株式会社アトラス (13)
【Fターム(参考)】