説明

画像処理装置

【課題】ユーザが設定したい画質の画像を容易に確認して所望の画質を短時間で設定でき、印刷枚数も削減できるようにする。
【解決手段】原稿を読み込んで画像データとして読み取る読取部と、前記画像データの画質を設定するために画質設定項目を表示して画質設定項目を選択させる選択部と、前記選択部で選択された画質設定項目により設定される画質で前記画像データを基に画質の異なる複数の画像データを作成する画質変更部と、前記選択部と前記画質変更部を制御するための制御部と、前記画質変更部で作成された画像データを媒体に試し印刷する印刷部を有する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画質の設定が変更可能な画像処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画質の設定が変更可能な従来の画像処理装置として、特開平05−107852の画像形成装置が提案されており、この装置は、印刷(コピー)実行時にユーザ(オペレータ)が印刷された画像を確認し、印刷画像が満足すべきものでなかった場合は、濃度アップキーまたは濃度ダウンキー等を操作して画質の設定を変更した後、変更した設定で印刷を行うものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平05−107852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の技術においては、印刷された画像を見て、所望する画質の画像が得られない場合、所望の画質の画像が得られるまで印刷を繰り返さなければならないため、煩わしく、所望の画質の画像が得られるまでに時間がかかり、印刷枚数が多くなるという問題がある。
本発明は、このような問題を解決することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのため、本発明の画像処理装置は、原稿を読み込んで画像データへ変換するためのスキャナ部と、前記画像データの画質を設定するために複数の画質設定項目を表示して少なくとも1つの画質設定項目を選択させるタッチパネル部と、前記タッチパネル部で選択された画質設定項目により設定される画質で前記画像データを基に画質の異なる複数の画像データを作成する画質変更部と、前記タッチパネル部と前記画質変更部を制御するための制御部と、前記画質変更部で作成された画像データを並べて用紙に試し印刷するプリンタ部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
このようにした本発明は、画像データをユーザが選択した画質設定項目の選択により設定された画質に基づいて画質の異なる複数の画像データを作成し、それらの画像データを試し印刷するため、ユーザが設定したい画質の画像を容易に確認することができ、それに基づいて画質を設定できるので、所望の画質を短時間で設定できるという効果が得られ、また、試し印刷の印刷形式は1枚の用紙に異なる画質の画像データを複数印刷するN−up形式を採用しているため、印刷枚数を削減することもできるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施例を示す機能ブロック図
【図2】第1の実施例におけるタッチパネル部のボタン表示例を示す図
【図3】第1の実施例の作用を示すフローチャート
【図4】第1の実施例における試し印刷結果の例を示す図
【図5】第2の実施例を示す機能ブロック図
【図6】第2の実施例におけるエリア指定画面を示す図
【図7】エリア指定画面における各エリアの寸法を示す図
【図8】第2の実施例の作用を示すフローチャート
【図9】第2の実施例における原稿の例を示す図
【図10】第2の実施例における試し印刷結果の例を示す図
【図11】分割した画像データのヒストグラムとピーク変動幅の例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明による画像処理装置の実施例を説明する。
【実施例1】
【0009】
図1は第1の実施例を示す機能ブロック図である。本実施例の画像処理装置1は、コンピュータのMFP(Multifunction Peripheral)として用いられるもので、原稿を読み込んで画像データに変換する読取部としてのスキャナ部10と、このスキャナ部10で生成された画像データに対する画質設定項目を選択する選択部としてのタッチパネル部11と、前記画像データをタッチパネル部11で選択された画質に変更するための画質変更部12と、前記画像データを保存すると共に画質変更部12が画像データの画質変更処理を行うための作業領域を提供するメモリ部13と、画質変更部12で画質変更処理された画像データを印刷するための印刷部としてのプリンタ部14と、画像データを制御する制御部15を備えており、前記スキャナ部10、タッチパネル部11、画質変更部12、及びプリンタ部14はこの制御部15に接続されている。
【0010】
図2は第1の実施例におけるタッチパネル部11のボタン表示例を示す図で、この図に示したようにタッチパネル部11には、画面左側に、試し印刷をするための試し印刷ボタン21と、通常の印刷(コピー)を行うための印刷ボタン22と、通常の印刷を行う際のカセットの指定や拡大/縮小等の指定を行うための印刷設定ボタン23が上下に並べて表示されていて、これらのボタン中の試し印刷ボタン21が押下された場合は、試し印刷設定画面24がタッチパネル部11の画面中の右側部分に表示されるものとなっている。
【0011】
この試し印刷設定画面24は、試し印刷で組み合わせたい画質設定を選択する画質設定部25と、用紙1枚あたりの印刷すべき画像データ数を選択するレイアウトタイプ設定部26と、試し印刷設定を中断する戻るボタン27と、試し印刷を実行するための実行ボタン28によって構成され、画質設定部25には、例えば「画像種別」、「色相」、「濃度」、「彩度」、「コントラスト」、「背景除去」の6個の画質設定項目を選択するボタンが配されていて、これらのボタンを押下することで画質設定項目を選択できるものとなっている。尚、「種別」は画像データが文字、写真、文字と写真の組み合わせなどの画像データの種別を設定するものである。また、画質設定項目は図示した6個に限らず、必要に応じて増減することが可能である。
【0012】
上述した構成による第1の実施例の作用について説明する。尚、以下に説明する各部の動作は、図示しない記憶部に格納されたプログラム(ソフトウェア)に基づいて制御部15により制御されるものとする。
図3は第1の実施例の作用を示すフローチャートで、試し印刷実行時の手順を示しており、以下、図中にSで示したステップに従って説明を進める。まず、ユーザがスキャナ部10に原稿をセットしてタッチパネル部11に表示されている試し印刷ボタン21を押下すると、スキャナ部10は原稿を読み込んで画像データへ変換する(S1)。この画像データは制御部15および画質変更部12を介してメモリ部13に送られ、メモリ部13に保存される。
【0013】
前記のようにスキャナ部10により原稿の読み込みか行われると、タッチパネル部11の画面の右側部分に試し印刷設定画面24が表示され(S2)、この試し印刷設定画面24には、画質設定部25とレイアウトタイプ設定部26が設けられているので、ユーザは画質設定部25で画質設定項目を選択すると共に、レイアウトタイプ設定部26でレイアウトタイプを選択して実行ボタン28を押下する操作を行う。
この間、制御部15はタッチパネル部11を監視して、ユーザが試し印刷実行ボタン28を押下したか否かを判断し(S3)、ユーザが試し印刷実行ボタン28を押下しない場合、試し印刷設定画面24を表示したままボタンが押下されるのを一定時間待つ。
【0014】
ユーザが試し印刷実行ボタン28を押下した場合、制御部15はユーザが試し印刷設定画面24内の画質設定部25で画質設定項目を1つ以上選択したかを判断して(S4)、ユーザが選択した画質設定項目の数が0の場合、画質設定項目を選択せずに印刷実行ボタン28を押下したものと判断し、画質設定部25で試し印刷で組み合わせたい画質設定項目を1つ以上選択しなければならないことをユーザに伝えるためのエラーメッセージを一定時間表示して(S5)、S2からの処理を繰り返す。
【0015】
ユーザが画質設定項目を1つ以上選択している場合、ユーザが試し印刷設定画面24内のレイアウトタイプ設定部26でレイアウトタイプを選択したか否かを判断して(S6)、ユーザがレイアウトタイプを選択していない場合、レイアウトタイプを選択せずに印刷実行ボタン28を押下したものと判断し、レイアウトタイプ設定部26でレイアウトタイプを選択しなければならないことをユーザに伝えるためのエラーメッセージを表示して(S7)、S2からの処理を繰り返す。
【0016】
ユーザがレイアウトタイプを選択していた場合、ユーザが選択した画質設定項目の組合せ及びレイアウトタイプに応じて、画質変更部12はメモリ部13に保存されている画像データに対して画質の変更処理とレイアウト処理を行う(S8)。このようにして画質の変更処理とレイアウト処理された画像データが制御部15に送られると、制御部15はユーザが選択した画質設定項目の組合せとレイアウトタイプを基に印刷枚数を決定し(S9)、その決定された印刷枚数及び画質の変更処理とレイアウト処理された画像データがプリンタ部14に送られて、プリンタ部14でその画像データの試し印刷を行う(S10)。
【0017】
図4は試し印刷実行の印刷結果の例を示したもので、この例では、ユーザは画質設定部25で「濃度」及び「背景除去」を選択し、レイアウトタイプ設定部26で「9up」を選択したものとする。この場合、濃度設定が−2、−1、0、+1、+2の5通り、背景除去が0、1、2、3の4通りとすると、組合せ結果は5×4=20通りとなり、20通りの画像データを画質変更部12で作成し、メモリ部13に保存する。これを9up形式(用紙1枚に9通りの印刷を行う形式)で印刷するため、印刷枚数は3枚となり、図4に示すように濃度と背景除去の度合いが異なる画像が2枚の用紙にそれぞれ九つ印刷され、また1枚の用紙に二つ印刷される。
ユーザはこの印刷結果を見て、所望の画質をタッチパネル部11で設定し、印刷を実行する。
【0018】
以上説明したように、第1の実施例では、画像データをユーザが選択した画質設定項目の選択により設定された画質に基づいて画質の異なる複数の画像データを作成し、それらの画像データを媒体としての用紙に試し印刷するため、ユーザが設定したい画質の画像を容易に確認することができ、それに基づいて画質を設定できるので、所望の画質を短時間で設定できるという効果が得られ、また、試し印刷の印刷形式は1枚の用紙に異なる画質の画像データを複数印刷するN−up形式を採用しているため、印刷枚数を削減することもできるという効果が得られる。
【実施例2】
【0019】
図5は本発明の第2の実施例を示す機能ブロック図で、コンピュータのMFPとして用いられるものである。この第2の実施例は、第1の実施例の構成に加えて画像データのヒストグラムの作成を行うヒストグラム作成部16と、画像データのエリアの抽出を行う抽出部17を設けたもので、第1の実施例と同一の部分は同一の符号を付してその説明を省略する。
【0020】
図6はエリア指定画面を示す図、図7はエリア指定画面における各エリアの寸法を示す図である。図6に示すエリア指定画面60には、試し印刷で確認したい画像データの分割された5個のエリアすなわち中央のエリアA、左上のエリアB、右上のエリアC、左下のエリアD、右下のエリアEのいずれかをユーザが手動選択するためのエリア指定ボタン61と、試し印刷で確認したいエリアを装置自身が自動選択するためのエリア指定自動ボタン62が表示されるものとなっている。
【0021】
画像データの各エリアA、B、C、D、Eは同一の大きさに設定され、図7に示したように画像データの横方向の長さをa、縦方向の長さをbとするとエリアA、B、C、D、Eのそれぞれの横方向の長さはa/2、縦方向の長さはb/2であり、画像データの左辺(または右辺)から中央のエリアAの左辺(または右辺)までの長さはa/4、画像データの上辺(または下辺)から中央のエリアAの上辺(または下辺)までの長さはb/4となっている。
【0022】
上述した構成による第2の実施例の作用について説明する。この第2の実施例においても、以下に説明する各部の動作は、図示しない記憶部に格納されたプログラム(ソフトウェア)に基づいて制御部15により制御されるものとする。
図8は第2の実施例の作用を示すフローチャートで、試し印刷実行時の手順を示しており、以下、図中にSで示したステップに従って説明を進める。まず、ユーザがスキャナ部10に原稿をセットしてタッチパネル部11に表示されている試し印刷ボタン21を押下すると、スキャナ部10は原稿を読み込んで画像データへ変換する(S21)。この画像データは制御部15および画質変更部12を介してメモリ部13に送られ、メモリ部13に保存される。
【0023】
前記のようにスキャナ部10により原稿の読み込みか行われると、タッチパネル部11の画面の右側部分に図2に示す試し印刷設定画面24が表示される(S22)。この試し印刷設定画面は、図2に示す試し印刷設定画面24のレイアウトタイプ設定部26を省略したもので、画質設定部25と試し印刷設定を中断する戻るボタン27と、試し印刷を実行するための実行ボタン28によって構成されているので、ユーザは画質設定部25で画質設定項目を選択し、実行ボタン28を押下する操作を行う。
この間、制御部15はタッチパネル部11を監視して、ユーザが試し印刷実行ボタン28を押下したか否かを判断し(S23)、ユーザが試し印刷実行ボタン28を押下しない場合、試し印刷設定画面24を表示したままボタンが押下されるのを一定時間待つ。
【0024】
ユーザが試し印刷実行ボタン28を押下した場合、制御部15はユーザが試し印刷設定画面24内の画質設定部25で画質設定項目を1つ以上選択したかを判断して(S24)、ユーザが選択した画質設定項目の数が0の場合、画質設定項目を選択せずに印刷実行ボタン28を押下したものと判断し、画質設定部25で試し印刷で組み合わせたい画質設定項目を1つ以上選択しなければならないことをユーザに伝えるためのエラーメッセージを一定時間表示して(S25)、S2からの処理を繰り返す。
【0025】
ユーザが画質設定項目を1つ以上選択している場合、タッチパネル部11の画面の右側部分に図6に示すエリア指定画面60が表示され(S26)、このエリア指定画面60には、試し印刷で確認したいエリアA、B、C、D、Eのいずれかをユーザが手動選択するためのエリア指定ボタン61と、試し印刷で確認したいエリアを装置自身が自動選択するためのエリア指定自動ボタン62が表示されるので、ユーザはエリア指定ボタン61のA、B、C、D、Eのエリアのいずれかを押下するか、エリア指定自動ボタン62を押下する操作を行う。
【0026】
この間、制御部15はタッチパネル部11を監視して、ユーザがエリア指定ボタン61のA、B、C、D、Eのエリアのいずれかを押下したか否かを判断し(S27)、押下した場合、抽出部17がメモリ部13に保存された画像データから、ユーザが指定した部分を切り取って抽出し(S28)、そして抽出した画像データを画質変更部12が画質変更処理して濃度設定最小から最大までの複数の画像データを作成する(S35)。
【0027】
このようにして作成した濃度設定最小から最大の複数の画像データが制御部15に送られると、制御部15は左上から右下の順に結合(配列)して(S36)、その結合した画像データをプリンタ部14に送り、プリンタ部15でその複数の画像データを1枚の用紙に試し印刷する(S37)。
【0028】
図9は原稿の例を示す図で、この原稿をスキャナ部10で読み取り、ユーザがエリア指定ボタン61の右上部分Cを選択したとする。そして、濃度設定が−2〜+2に変更可能である場合、画質変更部12がエリアCの画像データを−2、−1、+1、+2の濃度で画質変更処理して各濃度の画像データを作成する。
各濃度の画像データを作成されると、制御部15は濃度−2の画像データを左上、濃度−1の画像データを右上、濃度+1の画像データを左下、濃度+2の画像データを右下の順に結合(配列)し、結合した画像データをプリンタ部14が試し印刷する。
【0029】
図10はその試し印刷結果の例を示す図で、濃度−2の画像データを左上、濃度−1の画像データを右上、濃度+1の画像データを左下、濃度+2の画像データを右下の順に結合した画像データが元の画像データと等倍の大きさで1枚の用紙に印刷されている。
一方、ユーザがエリア指定ボタン61を押下しない場合、制御部15はエリア指定自動ボタン62が押下されたか否かを判断し(S29)、エリア指定自動ボタン62も押下していない場合は、S27に戻ってボタンが押下されるのを待つ。
【0030】
ユーザがエリア指定自動ボタン62を押下した場合、画質変更部12はメモリ部13に保存された画像データに対して画質変更処理を行って濃度設定最少と最大の画像データを作成する(S30)。
濃度設定最小と最大の画像データが作成されると、制御部15はその2つの画像データをそれぞれ図7に示したA、B、C、D、Eのエリアに分割し(S31)、分割した画像データの全てのヒストグラムをヒストグラム作成部16が作成する(S32)。
【0031】
分割した画像データの全てのヒストグラムが作成されると、制御部15は分割された濃度設定最小と最大の画像データのヒストグラムのピーク変動幅を、分割したエリア毎に計算して(S33)、ピーク変動幅が最大のエリアを濃度設定の変更結果が顕著に現れるエリアとして決定する。これに基づいて抽出部17が元の画像データからピーク変動幅が最大のエリア部分を切り出して抽出し(S34)、そしてこの抽出した画像データを画質変更部12が画質変更処理して濃度設定最小から最大までの複数の画像データを作成する(S35)。
【0032】
このようにして作成した濃度設定最小から最大までの複数の画像データが制御部15に送られると、制御部15は左上から右下の順に結合(配列)して(S36)、その結合した画像データをプリンタ部14に送り、プリンタ部14でその複数の画像データを1枚の用紙に試し印刷する(S37)。
上記の説明では、ユーザがエリアを指定して、指定したエリアの画像を印刷することとしたが、下記では、画質変更の影響が大きいエリアを抽出して、抽出したエリアの画像を印刷する例について説明する。
【0033】
図11は分割した画像データのヒストグラムとピーク変動幅の例を示す図、図9に示した原稿をスキャナ部10で読み込むことにより得られた画像データに対してヒストグラム作成部16で作成した図10におけるエリアAからEのヒストグラムを左から順に並べたもので、上段部に濃度設定最小の場合のヒストグラムを、下部に濃度設定最大の場合のヒストグラムを、中段部にピーク変動幅を示している。
【0034】
この図に示したように、ヒストグラムのピーク変動幅が最大となるのはエリアCであるので、抽出部17で元の画像データの右上部分のエリアCの部分を抽出してメモリ部13に保存し、画質変更部12でそのエリアCの画像データの濃度を−2に変更した画像データ、濃度を−1に変更した画像データ、濃度を+1に変更した画像データ、濃度を+2に変更した画像データを作成し、メモリ部13に保存する。
そして制御部15は濃度−2の画像データを左上、濃度−1の画像データを右上、濃度+1の画像データを左下、濃度+2の画像データを右下の順に結合(配列)した後、プリンタ部14に送り、プリンタ部14はその結合された複数の画像データを用紙に試し印刷する。
【0035】
以上説明したように、第2の実施例では、ユーザに画像データの画質設定項目を選択させると共に、画像データの特定のエリアをユーザに選択させるか自動的に選択して、選択したエリアの画像データを画質設定項目の選択により設定された画質に基づいて画質の異なる複数の画像として作成し、それらの画像データを試し印刷するため、ユーザが設定したい画質の画像を容易に確認することができ、また、この第2の実施例においても印刷形式として1枚の用紙に異なる画質の画像データを複数印刷するN−up形式を採用できるので、印刷枚数を削減することもできるという効果が得られる。
【0036】
また、この第2の実施例によれば、選択されたエリアも画像データを下の画像データに対して等倍の大きさで試し印刷できるので、画質の確認をより容易に確実に行うことができるという効果も得られる。
尚、上述した各実施例では画質の変更として濃度を例にして説明したが、色相、濃度、彩度、コントラスト等による画質の変更も可能である。
また、上述した各実施例では印刷機能に適用した例を説明したが、スキャン機能、FAX機能での利用も可能である。
【符号の説明】
【0037】
1 画像処理装置
10 スキャナ部
11 タッチパネル部
12 画質変更部
13 メモリ部
14 プリンタ部
15 制御部
16 ヒストグラム作成部
17 抽出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を読み込んで画像データとして読み取る読取部と、
前記画像データの画質を設定するために画質設定項目を表示して画質設定項目を選択させる選択部と、
前記選択部で選択された画質設定項目により設定される画質で前記画像データを基に画質の異なる複数の画像データを作成する画質変更部と、
前記選択部と前記画質変更部を制御するための制御部と、
前記画質変更部で作成された画像データを媒体に試し印刷する印刷部を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理装置において、
前記選択部で媒体1枚あたりの印刷すべき画像データ数を選択させ、前記画質変更部で作成された画像データを選択された1枚あたりの印刷すべき画像データ数に基づいて前記印刷部により印刷することを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像処理装置において、
前記画像データの画質を設定するために複数の画質設定項目と前記媒体1枚あたりの印刷すべき画像データ数を選択させるボタンとを前記選択部に1つの画面で表示することを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の画像処理装置において、
抽出部とヒストグラム作成部を備え、
前記選択部で前記画像データを分割したエリアの中から印刷すべきエリアをユーザに選択させるか、自動選択の指定を行わせ、
ユーザがエリアを選択した場合、前記画像データから前記抽出部が前記ユーザにより選択されたエリアの画像データを抽出して、その抽出した画像データを基に画質変更部が画質の異なる複数の画像データを作成し、
自動選択の指定が行われた場合は、前記画像データを基に画質設定最小と最大の画像データを作成して、その作成した画質設定最小と最大の画像データのエリア毎の前記ヒストグラムをヒストグラム作成部で作成し、ピーク変動幅が最大のエリアの画像データを前記抽出部で抽出して、その抽出した画像データを基に画質変更部が画質の異なる複数の画像データを作成することを特徴とする画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図11】
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【図4】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−203269(P2012−203269A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−69020(P2011−69020)
【出願日】平成23年3月26日(2011.3.26)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】