説明

画像出力装置、画像出力制御方法、画像出力制御プログラム及び記録媒体

【課題】本発明は、利用者認証を行って印刷出力、送信等の画像出力を際に脅迫的な画像出力操作に対して適切に対処する画像出力装置、画像出力制御方法、画像出力制御プログラム及び記録媒体に関する。
【解決手段】複合装置1は、利用を許可する利用者を認証する利用者認証情報をNVRAM123に登録し、利用を要求する利用者が入力する利用者認証情報とNVRAM123に登録されている利用者認証情報を比較して利用の可否を制御して、利用を許可した利用者の画像出力指示に応じて少なくとも画像出力処理を実行するとともに、脅迫スイッチ71から利用者以外の他人の脅迫によって操作部60から指示を行っていることを示す脅迫情報を受け付けると、該受け付けた画像出力指示に対して、該画像出力指示内容とは異なる予め設定されている所定の脅迫時処理動作を実行する。したがって、脅迫等による画像出力操作適切に対応することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像出力装置、画像出力制御方法、画像出力制御プログラム及び記録媒体に関し、詳細には、利用者認証を行って印刷出力、送信等の画像出力を際に脅迫的な画像出力操作に対して適切に対処する画像出力装置、画像出力制御方法、画像出力制御プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、フルカラー複写機などの画像出力装置の画質の向上に伴い、紙幣や有価証券等の複写が禁止されている原稿や機密を要する原稿(以下、特定原稿という。)の偽造行為や機密の漏洩という危険性が増加している。
【0003】
一方、近年、ATM(Automatic Teller Machine)が普及するのに伴って、ATMを利用した犯罪、特に、脅迫により本人の操作による現金の引き出しや振り込み等に対応する技術が提案されている。例えば、脅迫等による操作であるか否かを、カードのスライド方向によって判別する技術(特許文献1参照)、個人認証を行った後、複数の取引承認パスワードを生成して提示し、1つのパスワードは正規の取引を可能とし、他の1つのパスワードは、顧客が脅迫的に現金引き出しをさせられているものと判断して処理を行う技術(特許文献2参照)が提案されている。
【0004】
そして、ATMで発生しているような脅迫的な操作の問題が、画像出力装置においても発生することがあり、適切な解決策が要望されている。
【0005】
【特許文献1】特開平5−195660号公報
【特許文献2】特表2006−518518号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来技術にあっては、ATMに対する技術であり、かつ、脅迫的な操作に対して、カードのスライド方向を通常方向とは変更させる方向にスライドさせたり、複数の取引承認パスワードを提示して正規の取引とは異なる脅迫的な操作による取引に対して割り当てられている取引承認パスワードを入力するようになっているため、脅迫的な状況にあるものにとって適切に対応するのには、困難であるとともに、技術対象がATMであり、特定原稿を出力するような画像出力装置には、そのまま適用することができず、改良の必要があった。
【0007】
そこで、本発明は、脅迫等による画像出力要請に対して適切な処理を提供する画像出力装置、画像出力制御方法、画像出力制御プログラム及び記録媒体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、利用を許可する利用者を認証する利用者認証情報を認証情報登録手段に登録し、利用を要求する利用者が入力する利用者認証情報と該認証情報登録手段に登録されている利用者認証情報を比較して利用の可否を制御して、利用を許可した利用者の画像出力指示に応じて少なくとも画像出力処理を実行するとともに、所定の脅迫情報入力手段からの利用者以外の他人の脅迫によって画像出力指示を行っていることを示す脅迫情報を受け付けると、該受け付けた画像出力指示に対して、該画像出力指示内容とは異なる予め設定されている所定の脅迫時処理動作を実行することを特徴としている。
【0009】
また、本発明は、画像データを所定の画像データ登録手段に登録し、脅迫情報を受け付けたときに実行する脅迫時処理動作を該画像データ登録手段に登録されている画像データに関連づけて脅迫時処理内容登録手段に登録して、脅迫時処理動作として、画像出力指示された画像データに関連づけて該脅迫時処理内容登録手段に登録されている脅迫時処理動作を実行することを特徴としてもよい。
【0010】
さらに、本発明は、前記脅迫時処理内容登録手段に、指示された画像属性毎に前記脅迫時処理動作を登録し、前記画像データ登録手段に、画像データと指示された該画像属性を関連づけて登録し、前記脅迫時処理動作として、受け付けた出力指示に対応する画像データに対して該画像データ登録手段に登録されている画像属性に対応して該脅迫時処理内容登録手段に登録されている脅迫時処理動作を実行することを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、脅迫等によって利用権限を有する利用者が画像出力操作を行った場合に、該脅迫等による画像出力操作であることを適切かつ脅迫者に分かりにくい状態で認識して、画像出力動作として通常の画像出力動作とは異なる脅迫時処理動作を実行するので、脅迫等による画像出力要請に対して適切な処理を行うことができ、利用者の安全を図りつつ、画像データの機密を適切に保持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
【実施例1】
【0013】
図1〜図19は、本発明の画像出力装置、画像出力制御方法、画像出力制御プログラム及び記録媒体の一実施例を示す図であり、図1は、本発明の画像出力装置、画像出力制御方法、画像出力制御プログラム及び記録媒体の一実施例を適用した 1のブロック構成図である。
【0014】
図1において、複合装置1は、本体筐体2の上面部に、コンタクトガラス3が配設されており、コンタクトガラス3の下方の本体筐体2の内部に、図示しない第1キャリッジに搭載されたランプ4と第1ミラー5、図示しない第2キャリッジに搭載された第2ミラー6と第3ミラー7及びレンズ8とCCD(Charge Coupled Device )9からなるスキャナエンジンユニット10が配設されている。
【0015】
スキャナエンジンユニット10は、第1キャリッジ及び第2キャリッジが、図示しないモータにより駆動されて、図1の左右方向である副走査方向に移動し、コンタクトガラス3上に固定的にセットされた原稿を主走査及び副走査して、原稿の画像を読み取る。
【0016】
複合装置1は、本体筐体2の上部にADF(Auto Document Feeder)20がコンタクトガラス3の上面を開閉可能に取り付けられており、ADF20は、開くことで、コンタクトガラス3上に原稿をセット可能となっていて、コンタクトガラス3上に原稿がセットされた状態で閉じられると、該原稿をコンタクトガラス3に押しつける圧板の機能をも有している。
【0017】
ADF20は、原稿台21、給送ローラ22、給送ベルト23、該給送ベルト23に沿って複数設けられた搬送ローラ24、排紙ローラ25、排紙台26及び原稿セット検知センサ27等が配設されている。
【0018】
ADF20は、原稿台21に原稿がその画像面を上にして原稿束がセットされている状態で、操作部60(図2参照)上のスタートキー64(図2参照)が押下されると、給送ローラ22により原稿台21上にセットされた原稿束の一番下の原稿から1枚ずつ分離して、給送ベルト23に送り出し、給送ベルト23に送り出した原稿を搬送ローラ24で移動される給紙ベルト23によってコンタクトガラス3上の所定の位置に給送する。
【0019】
複合装置1は、コンタクトガラス3上の原稿を、スキャナエンジンユニット10によってその画像情報を読み取った後に、給送ベルト23、排送ローラ25によって排紙台26上に排出する。
【0020】
このADF20は、一枚の原稿の給送完了毎に原稿枚数をカウントアップするカウント機能を有している。
【0021】
複写装置1は、原稿セット検知センサ27が原稿台21上に次の原稿が有ることを検知すると、上記同様に、原稿台21上の一番下の原稿を給送ローラ22及び給送ベルト23でコンタクトガラス3上の所定の位置に給送し、コンタクトガラス3上の原稿の画像情報を、スキャナエンジンユニット10で読み取った後、給送ベルト23、排送ローラ25によって排紙台26上に排出する。なお、給送ローラ22、給送ベルト23及び排送ローラ25は、図示しない搬送モータによって駆動される。
【0022】
複写装置1は、本体筐体2内のスキャナエンジンユニット10の下方に、プロッタエンジンユニット30が配設されており、プロッタエンジンユニット30は、感光体(例えば、感光体ドラム)31、書き込みユニット32、現像部33、搬送ベルト34、定着部35、搬送切り替え排紙部36、両面入紙搬送路37、反転排紙搬送路38、反転ユニット39、両面搬送ユニット40、給紙部群41、搬送ユニット42及び排紙トレイ43等が配設されている。
【0023】
プロッタエンジンユニット30は、図示しないメインモータにより図1の時計方向に回転駆動される感光体31の表面を、図示しない帯電器により一様に帯電させ、その感光体31の表面にスキャナエンジンユニット10で読み取られた画像データまたは図示しない外部装置(例えば、パーソナルコンピュータ等)から送られてきたデータに基づいて書き込みユニット32により書き込ませて、静電潜像を形成させる。プロッタエンジンユニット30は、静電潜像の形成された感光体31に、現像部33からトナーを供給して、トナー画像として顕像化し、感光体31上の顕像化したトナー画像を転写機能を兼ね備えた搬送ベルト34で、給紙部群41の1つから給紙されて搬送ユニット42で搬送されてきた用紙Pに転写させる。プロッタエンジンユニット30は、トナー画像の転写された用紙Pを搬送ベルト34で定着部35に搬送させて、定着部35で定着処理を行わせた後、搬送切り替え排紙部36に送って、搬送切り替え排紙部36で、搬送経路の切り換えを行う。搬送切り替え排紙部36は、用紙Pをそのまま排紙するときには、本体筐体2の側面に設けられた排紙トレイ43上に排紙させる。プロッタエンジンユニット30は、転写の完了した感光体31を図示しないクリーニング部でクリーニングして残留トナーを除去し、図示しない除電部で除電した後、再度、帯電部で一様に帯電させて、次の画像形成に供する。上記書き込みユニット32は、レーザ出力ユニット32a、結像レンズ32b、ミラー32cを備えており、レーザ出力ユニット32aの内部には、レーザ光源であるレーザダイオード及びモータによって高速で定速回転する回転多面鏡(ポリゴンミラー)が設けられている。書き込みユニット32は、レーザ出力ユニット32aのレーザダイオードから照射され画像データによって変調されたレーザ光を、定速回転するポリゴンミラーで偏光させて、結像レンズ32bを通過させて、ミラー32cに照射し、ミラー32cで感光体31上に集光させて結像させる。
【0024】
搬送切り替え排紙部36には、両面入紙搬送路37と反転排紙搬送路38によって、用紙Pの表裏面を反転させる反転ユニット39と反転ユニット39で反転された用紙Pを再度搬送ユニット42を介して感光体31と搬送ベルト34との間に搬送する両面搬送ユニット40が接続されており、搬送切り替え排紙部36は、反転排紙または両面記録が選択されていると、片面に画像が形成されて定着の完了した用紙Pを反転排紙搬送路38を介して反転ユニット39に送り込む。
【0025】
反転ユニット39は、反転排紙が選択されていると、搬送切り替え排紙部36から送り込まれてくる用紙Pを一旦引き込んで用紙Pの表裏面を反転させた状態で、反転排紙搬送路38を介して搬送切り替え排紙部36に送り出し、搬送切り替え排紙部36は、反転ユニット39で表裏面の反転された用紙Pを排紙トレイ43上に排出する。
【0026】
両面搬送ユニット40は、両面記録が選択されていると、反転ユニット39が一旦引き込んで表裏面を反転させた用紙Pを引き込んで、搬送ユニット42に送り出し、搬送ユニット42が、再度、感光体31と搬送ベルト34との間に搬送させて、裏面への画像形成に供する。
【0027】
上記給紙部群41は、第1給紙部51から第3給紙部53の3つの給紙部を備え、各給紙部51〜53は、それぞれ第1給紙トレイ51a〜第3給紙トレイ53aと、各給紙トレイ51a〜53a内の用紙Pを1枚ずつ分離して搬送ユニット42に送り出す給紙ローラ部51b〜53bを備えている。給紙部群41は、選択された給紙部51〜53の給紙ローラ部51b〜53bを駆動させて、該選択された給紙部51〜53の給紙トレイ51a〜53a内の用紙Pを1枚ずつ分離して搬送ユニット42に送り出す。
【0028】
搬送ユニット42は、給紙部群41の給紙部51〜53から送り出された用紙Pを感光体31と搬送ベルト34との間に搬送する。
【0029】
また、複合装置1は、本体筐体2の上部に、図2にその平面図を示すように、操作部(指示手段)60を備えており、操作部60は、液晶タッチパネル(液晶ディスプレイ)61、テンキー62、クリア/ストップキー63、スタートキー64、リセット/認証解除キー65、予熱キー66、初期設定キー67、コピーキー68及びファックスキー69等が設けられているとともに、非接触ICカードリーダユニット70及び脅迫スイッチ71等が設けられている。液晶タッチパネル61には、機能キー及びコピー部数、プリント部数や複合装置1の状態を示すメッセージ等の各種情報、例えば、装置本体2内での紙詰まり(ジャム)の発生情報、ドア・カバー類のオープン情報等が表示される。コピーキー68及びファックスキー69は、プリンタ装置1のアプリケーションの切り替えを行うキーであり、操作部60には、コピーキー68及びファックスキー69で選択されているアプリケーションを点灯して明示するLED(Light Emitting Diode)インジケータ68a、69aが設けられている。
【0030】
上記液晶タッチパネル61は、例えば、ログインの許可された利用者によってコピーキー68が押下されると、図3に示すようなコピーモード画面G0の表示を行い、このコピーモード画面G0では、例えば、液晶タッチパネル61の表示領域の左上部には、「コピーできます」、「お待ちください」等のメッセージを表示するメッセージエリア、その右側には、セットした枚数を表示するコピー枚数表示エリア、転写紙を自動的に選択する自動用紙選択キー、コピーを一部ずつページ順にそろえる処理を指定するソートキー、コピーをページ毎に仕分けする処理を指定するスタックキー、ソート処理されたものを一部ずつ綴じる処理を指定するステープルキー、倍率を等倍にセットする等倍キー、拡大/縮小倍率をセットする変倍キー、両面モードを設定する両面キー、とじ代モード等を設定する編集キー、表紙/合紙モードを設定する表紙/合紙キー等が表示される。また、液晶タッチパネル61は、選択されているモードについては、該モードのキーを網掛け表示(黒反転表示)する。
【0031】
そして、液晶タッチパネル61は、利用者が液晶タッチパネル61に表示された機能キーにタッチすることで、選択された機能を示す機能キーを黒く反転させる。また、液晶タッチパネル61は、機能の詳細を指定する場合(例えば、変倍であれば、変倍値等)に、機能キーにタッチされると、詳細機能の設定画面を表示する。このように、液晶タッチパネル61は、ドット表示器を使用しているため、そのときの最適な表示をグラフィカルに行うことができる。
【0032】
予熱キー66は、複合装置1を待機状態から電力低減状態に移行させて、定着温度を低下させたり、操作部60の表示を消灯するのに使用される。予熱状態は、国際エネルギースター計画での低電力状態を意味している。また、予熱状態、オフ状態/スリープ状態を解除し、待機状態に移行させるには、この予熱キー66を再度押下する。
【0033】
初期設定キー67は、複合装置1の初期状態を任意にカスタマイズする際に押下され、複合装置1が収納している用紙サイズを設定したり、コピー機能のモードクリアキーを押したときに設定される状態を任意に設定したり、また、一定時間操作が無いときに優先して選択されるアプリケーション等の選択設定を行ったり、国際エネルギースター計画に従った低電力への移行時間の設定やオートオフ/スリープモードへ移行する時間の設定を行ったりすることができる。特に、初期設定キー67は、後述する本発明の画像出力制御処理において脅迫的な画像出力要求に対する対応策(脅迫自動さ処理内容)を画像データの属性(金券、社外秘等)毎に登録、変更、削除を行うのに使用される。
【0034】
コピーキー68は、原稿画像のコピーを行う際に押下され、ファックスキー69は、ファクシミリ送信やファクシミリ受信を複合装置1に実行させるときに押下される。
【0035】
ICカードリーダユニット70は、例えば、ICカードリーダ70から所定の距離範囲に位置する利用者の所持するICカード(認証情報記録媒体)と通信を行って該ICカードに記録されている利用者認証情報、例えば、PIN(Personal Identity Number)コードやログイン名、パスワード等を受信する。
【0036】
脅迫スイッチ(脅迫情報入力手段)71は、操作部60の角に設けられており、脅迫者から見えにくい場所に配設されていることが望ましいが、図2では、説明上分かりやすい場所に配置されているように描かれている。脅迫スイッチ71は、プリンタ装置1の操作権限を有する利用者が操作権限を有していない脅迫者に脅迫されて画像出力操作を行う場合に、脅迫されて操作していることを通知するために使用されるスイッチである。
【0037】
そして、複合装置1は、図4に示すように、ブロック構成されており、メインコントローラ100、IPU(Image Processing Unit:画像処理ユニット)101、上記定着部35、ADF(Auto Document Feeder)20、ADF20の搬送モータ102、ADF20の原稿台への原稿のセットを検出する原稿セット検知センサ27、メインモータ103、中間クラッチ104、第1から第3給紙クラッチ105〜107及び上記操作部60、操作部60の液晶タッチパネル61、テンキー62からファックスキー69を総称するキー入力部108、脅迫スイッチ71、ICカードリーダユニット70、NIC(Network Interface Card)109及びFCU(Facsimile Control Unit)110等を備えている。上記ADF20、操作部60及びIPU101は、分散制御部としてメインコントローラ100に接続されており、これらの各分散制御部とメインコントローラ100とは、必要に応じて機器の状態や動作指示のやり取りを行う。また、メインコントローラ100には、メインモータ103、中間クラッチ104、第1〜第3給紙クラッチ105〜107、定着部35及びICカードリーダユニット70が、に直接接続されている。
【0038】
NIC109には、他の複合装置及びホスト装置等のネットワーク端末の接続されているネットワークが接続され、NIC109は、該ネットワークを介して他の複合装置やホスト装置等のネットワーク端末と通信を行う。
【0039】
FCU110には、電話回線が接続されており、FCU110は、回線の捕捉、発信先電話番号である選択信号の送出、着信の検出等を行って、回線からの発呼に対して自動着呼し、回線への自動発呼処理を行うとともに、相手ファクシミリ装置との間でファクシミリ制御信号を交換して、G3及びG4のファクシミリ通信手順を実行する。
【0040】
IPU101は、スキャナエンジンユニット10からの画像データに所定の画像処理を施して、該画像処理後の画像データを図示しない画像メモリに保存し、また、画像メモリから読み出した画像データに必要な画像処理、例えば、解像度調整、画像回転、画像拡大/縮小等の画像処理を施して、該画像処理後の画像データをメインコントローラ100に渡す。
【0041】
メインコントローラ100は、MPU(Micro Processing Unit)120、RAM(Random Access Memory)121、ROM(Read Only Memory)122及びNVRAM(Non-Volatile Random Access Memory)123等を備えている。
【0042】
ROM122は、データの処理や管理及び周辺モジュールを制御するためのプログラム、具体的には、複合装置1としての基本処理プログラム及び後述する脅迫的画像出力を制御する画像出力制御方法を実行する画像出力制御プログラム等の各種プログラムを格納しているとともに、これらの各プログラムを実行するのに必要な各種データを格納している。
【0043】
すなわち、複合装置1は、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Video Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている本発明の画像出力制御方法を実行する画像出力制御プログラムを読み込んでROM122や図示しないハードディスク等に導入することで、後述する脅迫的画像出力を適切に処理する画像出力制御方法を実行する画像出力装置として構築されている。この画像出力制御プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
【0044】
MPU(認証制御手段、制御手段)120は、ROM122内のプログラムに基づいて、RAM121をワークメモリとして利用しつつ、複合装置1の各部を制御して、複合装置1としての基本処理を実行するとともに、後述する脅迫的画像出力を適切に制御する画像出力制御処理を実行する。
【0045】
NVRAM(認証情報登録手段、画像データ登録手段、脅迫時処理内容登録手段)123は、複合装置1の電源が切られているときにも記憶内容を保持するメモリであり、複合装置1の電源がオフの際にも保持する必要のあるデータ、特に、後述する画像出力制御で使用する各種データや設定情報、画像データ、複合装置1の利用を許可する利用者に関する利用者認証情報や脅迫スイッチ71が押されたときの画像出力制御処理(脅迫時処理内容)の制御データ等をMPU120の制御下で記憶する。
【0046】
メインコントローラ100は、ADF20の原稿台21への原稿のセットを検出する原稿セット検知センサ27の検出結果等に基づいて搬送モータ102等の駆動を制御して、ADF20の動作を制御し、メインモータ103、中間クラッチ104及び第1〜第3給紙クラッチ105〜107等を制御して、スキャナエンジンユニット10及びプロッタエンジンユニット30を制御して、原稿読み取り動作(スキャナ動作)、画像形成動作(プリント動作)、コピー動作を制御するとともに、図示しないファクシミリユニットを制御して、ファクシミリ動作処理等を実行する。
【0047】
ICカードリーダユニット70は、上述のように、ICカードリーダユニット70から所定距離の範囲に位置する利用者の所持するICカード(認証情報記録媒体)と既知の方式で通信を行って該ICカードに記録されている利用者認証情報を受信する。また、ICカードリーダユニット70が通信する対象のICカードは、所定のフォーマット方式でフォーマットされて、該ICカードを所持して複合装置1に認証要求する利用者を特定するのに必要な利用者認証情報、例えば、PIN(Personal Identity Number)コード等が記録されている。
【0048】
メインコントローラ100は、後述するように、ICカードリーダユニット70を利用した利用者認証処理(例えば、利用者のICカードから読み取ったPINコードが予めNVRAM123に利用許可対象の利用者として登録されている利用者のPINコードと一致することを確認する処理)を行って、利用者認証に適合した利用者に対して画像出力等の複合装置1の利用を許可するが、該複合装置1の利用、特に、画像出力において、該利用者を脅迫等によって強制的に画像出力を行わせて、該出力される出力画像を横取りする脅迫者に強制的(脅迫的)に画像出力させられる場合に、脅迫スイッチ71を脅迫的に画像出力させられる利用権限を有する利用者が操作すると、予め設定されている脅迫的画像出力制御処理(脅迫時処理)を実行する。
【0049】
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例の複合装置1は、その利用に利用者認証を必要とするが、脅迫的利用に対しても適切に対応する。
【0050】
まず、利用者認証処理について、図5に基づいて説明する。複合装置1は、待機時には、操作部60の液晶タッチパネル61に、例えば、図6に示すような認証待ち受け画面G1を表示させて待機状態となっている(ステップS101)。図6の認証待ち受け画面G1では、「ICカードを認証装置に近づけてください」等の利用者認証に必要な動作を依頼する表示を行っている。
【0051】
複合装置1は、ICカードリーダユニット70がICカードを検出すると(ステップS102)、ICカードリーダユニット70がICカード内のPINコードがあるかチェックして(ステップS103)、PINコードがあるときには、該PINコードをメインコントローラ100に通知して、コントローラ100が操作部60の液晶タッチパネル61に、例えば、図7に示すようなPINコード入力画面G2を表示して、PINコードの入力を要求する(ステップS104)。図7のPINコード入力画面G2では、PINコードの入力依頼のメッセージと入力欄を表示している。
【0052】
PINコード入力画面G2でPINコードが入力されると、メインコントローラ100は、入力されたPINコードと一致するPINコードがNVRAM123に操作許可対象の利用者のPINコードとして登録されている登録PINコードと一致するかチェックし(ステップS105)、PINコードが一致しない(OKでない)ときには、図8に示すようなPINコードの認証エラーを通知する認証エラー画面G3を液晶タッチパネル61に所定時間(例えば、数秒間)表示させた後(ステップS106)、再度、ステップS101に戻って、認証待ち受け画面G1を液晶タッチパネル61に表示させる(ステップS101)。
【0053】
ステップS105で、PINコードが一致すると、メインコントローラ100は、ICカード内の利用者認証情報(ログイン名やパスワード等)を読み出し、予めNVRAM123内に利用可能認証者の該PINコードに対応して登録されているログイン名やパスワード等の利用者認証情報を照合して(ステップS108)、一致するか判断する(ステップS109)。ステップS109で、ICカードの利用者認証情報とNVRAM123に登録されている利用者認証情報が一致しないとき、認証がNGであるときには、メインコントローラ100は、図8に示した認証エラー画面G3を操作部60の液晶タッチパネル61に表示した後(ステップS106)、ステップS101に戻って、上記同様に処理する(ステップS101〜S109)。
【0054】
ステップS109で、利用者認証情報の認証結果がOKのときには、メインコントローラ100は、脅迫フラグ(脅迫的に画像出力操作が行われていることを示すフラグ)をOFF(解除)にして(ステップS110)、ログインを許可して、ログイン画面G1を消去し、指定のアプリケーションの利用画面、例えば、コピーモードでは、図3に示したようなコピーモード画面G0表示、スキャナモードでは、図9に示すようなスキャナモード画面G4、印刷モードでは、図10に示すような印刷モード画面G5を表示して、利用者認証処理を終了する。
【0055】
なお、複合装置1へのログイン状態(利用可能状態)を解除するには、ログインした利用者が操作部60のリセット/認証解除キー65を押下する。すなわち、メインコントローラ100は、ログイン許可中にリセット/認証解除キー65が押下されると、該ログイン許可中の利用者の利用許可を解除する。
【0056】
なお、上記説明では、ICカードから読み取ったログイン名やパスワード等の利用者認証情報とNVRAM123の利用者認証情報を照合することで、利用者認証を行っているが、利用者認証では、例えば、ログイン名やパスワード等の利用者認証情報をICカードから読み取るのではなく、例えば、操作部60のハードキーからの利用者認証情報の入力や液晶タッチパネル61のソフトキーからの利用者認証情報の入力等によって行って認証処理を行うようにしてもよい。
【0057】
そして、ログインが完了すると、次に、選択された動作モードでの処理を実行する。まず、図11に示すように、画像読み取り・蓄積処理について、図11に基づいて説明する。画像読み取り・蓄積処理では、図9に示したようなスキャナモード画面G4を操作部60の液晶タッチパネル61に表示しており、メインコントローラ100は、この状態で、スタートキー64が押下されたかチェックし(ステップS201)、スタートキー64が押下されないと、処理を終了して、スキャナモード画面G4を表示して、スタートキー64が押下されると、原稿セット検知センサ27の検知結果によるADF20の原稿台21上に原稿がセットされているか、あるいは、コンタクトガラス3上に原稿がセットされているかをチェックする(ステップS202)。なお、以下の説明では、ADF20から原稿を搬送するものとして説明する。
【0058】
ステップS202で、原稿がセットされていないときには、メインコントローラ100は、原稿セットを促す原稿セット要求画面(図示略)等を所定時間(数秒等)表示した後、ステップS201に戻って、上記同様に処理する。
【0059】
ステップS202で、原稿がセットされていると、メインコントローラ100は、搬送モータ102等の駆動を制御して、ADF20の原稿台21上から原稿をコンタクトガラス3上に給紙し(ステップS203)、コンタクトガラス3上の原稿をスキャナエンジンユニット10でスキャンして(ステップS204)、読み取った原稿の画像データをRAM121等の画像メモリへ蓄積する(ステップS205)。
【0060】
メインコントローラ100は、読み取った画像データの画像メモリへの蓄積を行うと、次原稿がADF20の原稿台21に残っているかチェックし(ステップS206)、残っているときには、ステップS203に戻って、次の原稿の搬送から上記同様に原稿の読み取りを行って、読み取った原稿の画像データの画像メモリへの蓄積を行う(ステップS203〜S206)。
【0061】
ステップS206で、次原稿がないときには、メインコントローラ100は、例えば、図12に示すような登録属性設定画面G6を入力が完了するのを待つ(ステップS208)。図12の登録属性設定画面G6では、登録データ属性設定のメッセージを表示するとともに、登録データ名称(登録データn)の入力欄と属性設定欄(図12では、「金券」と「社外秘」)及びOKボタンが表示されている。
【0062】
ステップS208で、OKボタンが押下されて入力が完了すると、メインコントローラ100は、NVRAM123等の画情報メモリに上記画像データに関連付けて該設定された属性データを登録して、処理を終了する(ステップS209)。
【0063】
この状態で、金券や社外秘の画像データの画像属性と該画像データとが関連付けられた状態で登録される。
【0064】
そして、この画像属性に対する詳細な設定については、操作部60の初期設定キー67の押下によって属性設定モードに移行して登録データ属性の詳細設定を行うことができる。すなわち、メインコントローラ100は、操作部60の初期設定キー67が押下されて登録データ属性詳細設定モードが選択されると、図13に示すような登録デコーダ属性詳細設定画面G7を操作部60の液晶タッチパネル61に表示させ、金券、社外秘等の画像データの属性毎に、各種属性、図13では、脅迫時印刷抑制の「する」、「しない」、脅迫時送信抑制の「する」、「しない」の設定と変更欄及びOKボタンが設けられており、脅迫時に、該属性の画像データを印刷抑制して印刷しないようにするのか、印刷を実行するのか、また、他の装置に送信を抑制して送信しないようにするのか、送信を実行するのかを設定することができる。なお、画像属性としては、上記説明では、「金券」と「社外秘」について説明しているが、これらに限るものではなく、また、脅迫時処理内容として、画像出力(画像形成や送信)の抑制(抑止)を「する」、「しない」の2通りのうちから選択するようになっているが、脅迫時処理内容としては、コントローラレアの2通りに限るものではない。
【0065】
次に、金券や社外秘等の画像データがNVRAM123やハードディスクに保管されている状態で、脅迫的に利用権限を有する利用者が複合装置1を操作したときの画像出力制御処理について、図14〜図19に基づいて説明する。
【0066】
まず、脅迫スイッチ71がオン/オフをチェックする脅迫スイッチチェック処理について、図14に基づいて説明する。
【0067】
複合装置1は、図14に示すように、メインコントローラ100が、上記利用権限を有する利用者によってログインが行われているか(ユーザログイン中か否か)を所定タイミング毎にチェックし(ステップS301)、ログイン中でないときには、脅迫的画像出力の制御を行う必要がないため、そのまま脅迫スイッチチェック処理を終了する。
【0068】
ステップS301で、利用者がログインしているときには、すなわち、ユーザログイン中のときには、メインコントローラ100は、脅迫スイッチ71がオンになったか否かを、所定時間間隔毎に、脅迫スイッチ71とのポーリング処理等によってチェックし(ステップS302)、オフのときには、脅迫的画像出力が行われていないと判断して、脅迫スイッチチェック処理を終了する。
【0069】
ステップS302で、脅迫スイッチ71がオンになっていると、メインコントローラ100は、利用権限を有する利用者が脅迫的に画像出力操作を行わされていることを示す脅迫フラグをオンにして、脅迫スイッチチェック処理を終了する(ステップS303)。そして、メインコントローラ100は、この脅迫フラグを、一旦オンにすると、該利用者がログオフするまで、脅迫フラグのオン状態を維持する。
【0070】
この場合、単に脅迫フラグをオンにして、後述する画像出力を行うか否か等の画像出力制御処理を行うだけでなく、図15に示すように、複合装置1の故障を装う処理を行ってもよい。
【0071】
なお、図15の説明においては、図14と同様の処理ステップには、同一のステップナンバを付して、その説明を簡略化する。
【0072】
すなわち、図15において、メインコントローラ100は、ユーザログイン中かチェックして、ユーザログイン中であると、脅迫スイッチ71がオンであるかチェックし(ステップS302)、脅迫スイッチ71がオンであると、脅迫フラグをオンにして(ステップS303)、図16に示すような擬似サービスコール画面G8を、操作部60の液晶タッチパネル61に表示して、脅迫者に対して複合装置1に故障が発生しているかのように思わせる表示を行って、脅迫スイッチチェック処理を終了する(ステップS304)。
【0073】
このようにすると、脅迫者に利用者が脅迫的操作を強いられる時間を短くすることができる。
【0074】
そして、複合装置1は、ログイン中の利用者による画像出力要求に対する画像出力制御処理を、図17〜図19に示すように処理する。まず、メインコントローラ100は、図17に示すように、ログイン中の利用者による実行対象選択制御処理を行う。この実行対象選択制御処理では、メインコントローラ100は、スタートキー64が押下されるのを待ち(ステップS401)、スタートキー64が押下されると、処理対象の画像データが選択済みであるかチェックし(ステップS402)、チェック済みでないときには、ステップS401に戻って、同様の処理を行う(ステップS401、S402)。このとき、処理対象の画像データの選択を促す表示を操作部60の液晶タッチパネル61に行うようにしてもよい。
【0075】
ステップS402で、処理対象の画像データの選択が行われていると、メインコントローラ100は、処理内容が、印刷処理であるのか、送信処理であるかをチェックし(ステップS403)、印刷処理が選択されているときには、印刷制御処理を実行して(ステップS404)、ログイン中である限り、ステップS401に戻って、上記同様に処理を行う。
【0076】
ステップS403で、画像データが処理内容が送信処理であるときには、メインコントローラ100は、送信制御処理を実行して(ステップS405)、ログイン中である限り、ステップS401に戻って、上記同様に処理を行う。
【0077】
そして、メインコントローラ100は、ステップS404の印刷制御処理を、図18に示すように実行する。すなわち、メインコントローラ100は、図17の実行対象選択制御処理でステップS404の印刷制御処理に移行すると、選択済みの画像データに対して脅迫フラグがセット(オン)であるかチェックし(ステップS501)、脅迫フラグがオフのときには、印刷要求が脅迫的ではないと判断して、そのまま選択されている画像データの印刷処理を実行して、処理を終了する(ステップS504)。
【0078】
ステップS501で、選択されている画像データに対して脅迫フラグがセットされているときには、メインコントローラ100は、該画像データに対する属性1が有効であるか、属性2が有効であるか、すなわち、該画像データに対して設定されている属性が属性1(金券)であるのか、属性2(社外秘)であるのかをチェックし(ステップS502、S503)、属性1が有効のとき、すなわち、金券の画像データとして設定登録されているときには、該画像データに対して印刷抑制(抑止)が設定されているかチェックする(ステップS505)。ステップS505で、印刷抑制(抑止)が設定されていないときには、メインコントローラ100は、ステップS503に移行して、属性2が有効であるかチェックし(ステップS503)、ステップS505で、該画像データに対して印刷抑制(抑止)が設定されているときには、無効画像を印刷出力して処理を終了する(ステップS506)。この無効画像としては、例えば、白紙、利用者や脅迫者にとって無意味な画像、利用者には理解できるが、脅迫者には理解できない特定の画像等を用いることができ、NVRAM123等に予め格納されている。
【0079】
ステップS503で、属性2が有効のときには、すなわち、社外秘の画像データとして設定登録されているときには、メインコントローラ100は、該画像データに対して印刷抑制(抑止)が設定されているのかチェックし(ステップS507)、印刷抑制(抑止)が設定されていないときには、印刷要求が脅迫的ではないと判断して、選択されている画像データの印刷処理を実行して、処理を終了する(ステップS504)。
【0080】
ステップS507で、該属性2の画像データ(社外秘の画像データ)に対して、印刷抑制(抑止)が設定されているときには、無効画像を印刷出力して処理を終了する(ステップS506)。
【0081】
また、メインコントローラ100は、図17のステップS405の送信制御処理を、図19に示すように実行する。すなわち、メインコントローラ100は、図17の実行対象選択制御処理でステップS405の送信制御処理に移行すると、選択済みの画像データに対して脅迫フラグがセット(オン)であるかチェックし(ステップS601)、脅迫フラグがオフのときには、送信要求が脅迫的ではないと判断して、宛先が入力されるのを待って(ステップS604)、該入力された宛先に該選択されている画像データを送信、例えば、入力されたファクシミリ電話番号先にファクシミリ送信したり、アドレス入力されたネットワークアドレス宛にデータ送信するデータ送信処理を行って、処理を終了する(ステップS605)。
【0082】
ステップS601で、選択されている画像データに対して脅迫フラグがセットされているときには、メインコントローラ100は、該画像データに対する属性1が有効であるか、属性2が有効であるか、すなわち、該画像データに対して設定されている属性が属性1(金券)であるのか、属性2(社外秘)であるのかをチェックし(ステップS602、S603)、属性1が有効のとき、すなわち、金券の画像データとして設定登録されているときには、該画像データに対して送信抑制(抑止)が設定されているかチェックする(ステップS606)。ステップS606で、印刷抑制(抑止)が設定されていないときには、メインコントローラ100は、ステップS603に移行して、属性2が有効であるかチェックし(ステップS603)、ステップS606で、該画像データに対して送信抑制(抑止)が設定されているときには、送信処理を行うことなく、そのまま処理を終了する。この場合、送信処理を行ったかのような擬似送信処理を実行したり、無効画像、例えば、白紙、利用者や脅迫者にとって無意味な画像、利用者には理解できるが、脅迫者には理解できない特定の画像等)を指定の宛先に送信したり、複合装置1の管理者宛、あるいは、警察等の予め通報先として設定されている宛先に脅迫的送信が行われている旨の画像データを送信してもよい。
【0083】
ステップS603で、属性2が有効のときには、すなわち、社外秘の画像データとして設定登録されているときには、メインコントローラ100は、該画像データに対して送信抑制(抑止)が設定されているのかチェックし(ステップS607)、送信抑制(抑止)が設定されていないときには、送信要求が脅迫的ではないと判断して、宛先が入力されるのを待って(ステップS604)、該入力された宛先に該選択されている画像データを送信、例えば、入力されたファクシミリ電話番号先にファクシミリ送信したり、アドレス入力されたネットワークアドレス宛にデータ送信するデータ送信処理を行って、処理を終了する(ステップS605)。
【0084】
ステップS607で、該属性2の画像データ(社外秘の画像データ)に対して、送信抑制(抑止)が設定されているときには、メインコントローラ100は、送信処理を行うことなく、そのまま処理を終了する。この場合、上記属性1の場合と同様に、送信処理を行ったかのような擬似送信処理を実行したり、無効画像、例えば、白紙、利用者や脅迫者にとって無意味な画像、利用者には理解できるが、脅迫者には理解できない特定の画像等)を指定の宛先に送信したり、複合装置1の管理者宛、あるいは、警察等の予め通報先として設定されている宛先に脅迫的送信が行われている旨の画像データを送信してもよい。
【0085】
このように、本実施例の複合装置1は、利用を許可する利用者を認証する利用者認証情報をNVRAM123に登録し、利用を要求する利用者が入力する利用者認証情報とNVRAM123に登録されている利用者認証情報を比較して利用の可否を制御して、利用を許可した利用者の画像出力指示に応じて少なくとも画像出力処理を実行するとともに、脅迫スイッチ71から利用者以外の他人の脅迫によって操作部60から指示を行っていることを示す脅迫情報を受け付けると、該受け付けた画像出力指示に対して、該画像出力指示内容とは異なる予め設定されている所定の脅迫時処理動作を実行している。
【0086】
したがって、脅迫等によって利用権限を有する利用者が画像出力操作を行った場合に、該脅迫等による画像出力操作であることを適切かつ脅迫者に分かりにくい状態で認識して、画像出力動作として通常の画像出力動作とは異なる脅迫時処理動作を実行し、脅迫等による画像出力要請に対して適切な処理を行うことができ、利用者の安全を図りつつ、画像データの機密を適切に保持することができる。
【0087】
また、本本実施例の複合装置1は、画像データをNVRAM123に登録し、脅迫情報を受け付けたときに実行する脅迫時処理動作をNVRAM123に登録されている画像データに関連づけてNVRAM123に登録して、脅迫時処理動作として、画像出力指示された画像データに関連づけてNVRAM123に登録されている脅迫時処理動作を実行している。
【0088】
したがって、利用環境等に応じて脅迫時処理動作を設定して、脅迫時に該登録した処理を実行することができ、より一層利用性を向上させることができるとともに、脅迫時により一層適切な処理を行うことができる。
【0089】
さらに、本実施例の複合装置1は、NVRAM123に、操作部60によって指示された画像属性(金券、社外秘等)毎に脅迫時処理動作を登録し、また、画像データと操作部60によって指示された該画像属性を関連づけて登録し、脅迫時処理動作として、受け付けた出力指示に対応する画像データに対してNVRAM123に登録されている画像属性に対応して登録されている脅迫時処理動作を実行している。
【0090】
したがって、利用環境等に応じてより一層きめ細かく脅迫時処理動作を設定して、脅迫時に該登録した処理を実行することができ、より一層利用性を向上させることができるとともに、脅迫時により一層適切な処理を行うことができる。
【0091】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明は、脅迫的な画像出力を適切に処理する画像出力制御処理を行う複写装置、プリンタ装置、ファクシミリ装置、複合装置等の画像出力装置、画像出力制御方法、画像出力制御プログラム及び記録媒体に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の一実施例を適用した複合装置の正面概略構成図。
【図2】図1の複合装置の操作部の平面図。
【図3】図2の操作部の液晶タッチパネルのコピーモード画面の一例を示す図。
【図4】図1の複合装置の要部ブロック構成図。
【図5】図1の複合装置による利用者認証処理を示すフローチャート。
【図6】液晶タッチパネルの認証待ち受け画面の一例を示す図。
【図7】液晶タッチパネルのPINコード入力画面の一例を示す図。
【図8】液晶タッチパネルの認証エラー画面の一例を示す図。
【図9】液晶タッチパネルのスキャナモード画面の一例を示す図。
【図10】液晶タッチパネルの印刷モード画面の一例を示す図。
【図11】図1の複合装置による画像読み取り・蓄積処理を示すフローチャート。
【図12】液晶タッチパネルの登録データ属性設定画面の一例を示す図。
【図13】液晶タッチパネルの登録データ属性詳細設定画面の一例を示す図。
【図14】図1の複合装置による脅迫スイッチチェック処理を示すフローチャート。
【図15】図1の複合装置によるサービスコール表示を伴う脅迫スイッチチェック処理を示すフローチャート。
【図16】液晶タッチパネルの擬似サービスコール画面の一例を示す図。
【図17】図1の複合装置による実行対象選択制御処理を示すフローチャート。
【図18】図17の印刷制御処理の詳細な処理を示すフローチャート。
【図19】図17の送信制御処理の詳細な処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0094】
1 複合装置
2 本体筐体
3 コンタクトガラス
4 ランプ
5 第1ミラー
6 第2ミラー
7 第3ミラー
8 レンズ
9 CCD
10 スキャナエンジンユニット
20 ADF
21 原稿台
22 給送ローラ
23 給送ベルト
24 搬送ローラ
25 排紙ローラ
26 排紙台
27 原稿セット検知センサ
30 プロッタエンジンユニット
31 感光体
32 書き込みユニット
32a レーザ出力ユニット
32b 結像レンズ
32c ミラー
33 現像部
34 搬送ベルト
35 定着部
36 搬送切り替え排紙部
37 両面入紙搬送路
38 反転排紙搬送路
39 反転ユニット
40 両面搬送ユニット
41 給紙部群
42 搬送ユニット
43 排紙トレイ
51〜53 給紙部
51a〜53a 給紙トレイ
P 用紙
51b〜53b 給紙ローラ部
60 操作部
61 液晶タッチパネル
62 テンキー
63 クリア/ストップキー
64 スタートキー
65 リセット/認証解除キー
66 予熱キー
67 初期設定キー
68 コピーキー
69 ファックスキー
68a、69a LEDインジケータ
70 ICカードリーダユニット
71 脅迫スイッチ
100 メインコントローラ
101 IPU
102 搬送モータ
103 メインモータ
104 中間クラッチ
105〜107 第1〜第3給紙クラッチ
108 キー入力部
109 NIC
110 FCU
120 MPU
121 RAM
122 ROM
123 NVRAM
G0 コピーモード画面
G1 認証待ち受け画面
G2 PINコード入力画面
G3 認証エラー画面
G4 スキャナモード画面
G5 印刷モード画面
G6 登録属性設定画面
G7 登録デコーダ属性詳細設定画面
G8 擬似サービスコール画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用を許可する利用者を認証する利用者認証情報の登録される認証情報登録手段と、利用を要求する利用者が入力する利用者認証情報と該認証情報登録手段に登録されている利用者認証情報を比較して利用の可否を制御する認証制御手段と、該認証制御手段が利用を許可した利用者の要請に応じて少なくとも画像出力処理を実行する画像出力手段と、少なくとも画像出力に関する各種画像出力指示を行う指示手段と、利用者以外の他人からの脅迫によって該指示手段から指示を行っていることを示す脅迫情報を入力する脅迫情報入力手段と、該指示手段からの画像出力指示に応じて画像出力手段に画像の出力を行わせるとともに、該脅迫情報入力手段から脅迫情報が入力されると、該指示手段からの画像出力指示に対して、該画像出力指示内容とは異なる予め設定されている所定の脅迫時処理動作を実行することを特徴とする制御手段と、を備えていることを特徴とする画像出力装置。
【請求項2】
前記画像出力装置は、画像データを登録する画像データ登録手段と、前記脅迫情報入力手段から脅迫情報が入力されたときに実行する脅迫時処理動作を該画像データ登録手段に登録されている画像データに関連づけて登録する脅迫時処理内容登録手段と、を備え、前記制御手段は、前記脅迫時処理動作として、該指示手段によって出力指示された画像データに関連づけて該脅迫時処理内容登録手段に登録されている脅迫時処理動作を実行することを特徴とする請求項1記載の画像出力装置。
【請求項3】
前記脅迫時処理内容登録手段は、前記指示手段によって指示された画像属性毎に前記脅迫時処理動作を記憶し、前記画像データ登録手段は、画像データと指示手段によって指示された該画像属性を関連づけて記憶し、前記制御手段は、前記脅迫時処理動作として、指示手段によって出力指示された該画像データに対して該画像データ登録手段に登録されている画像属性に対応して該脅迫時処理内容登録手段に登録されている脅迫時処理動作を実行することを特徴とする請求項2記載の画像出力装置。
【請求項4】
前記脅迫時処理動作は、その処理動作として、故障等の異常を装って出力指定された画像データの出力を抑止する処理動作を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像出力装置。
【請求項5】
前記脅迫時処理動作は、その処理動作として、空データを出力する処理動作を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像出力装置。
【請求項6】
利用を許可する利用者を認証する利用者認証情報を認証情報登録手段に登録する認証情報登録処理ステップと、利用を要求する利用者が入力する利用者認証情報と該認証情報登録手段に登録されている利用者認証情報を比較して利用の可否を制御する認証制御処理ステップと、該認証制御処理ステップで利用を許可された利用者の要請に応じて少なくとも画像出力処理を実行する画像出力処理ステップと、所定の指示手段からの少なくとも画像出力に関する各種画像出力指示を受け付ける指示受付処理ステップと、所定の脅迫情報入力手段からの利用者以外の他人の脅迫によって該指示手段から指示を行っていることを示す脅迫情報を受け付ける脅迫情報受付処理ステップと、該指示受付処理ステップで受け付けた画像出力指示に応じて画像出力処理ステップで画像の出力を行わせるとともに、該脅迫情報受付処理ステップで該脅迫情報入力手段から脅迫情報を受け付けると、該指示受付処理ステップで受け付けた画像出力指示に対して、該画像出力指示内容とは異なる予め設定されている所定の脅迫時処理動作を実行する制御処理ステップと、を有していることを特徴とする画像出力制御方法。
【請求項7】
前記画像出力制御方法は、画像データを所定の画像データ登録手段に登録する画像データ登録処理ステップと、前記脅迫情報受付処理ステップで脅迫情報を受け付けたときに実行する脅迫時処理動作を該画像データ登録手段に登録されている画像データに関連づけて脅迫時処理内容登録手段に登録する脅迫時処理内容登録処理ステップと、を有し、前記制御処理ステップは、前記脅迫時処理動作として、該指示受付処理ステップで受け付けた画像出力指示された画像データに関連づけて該脅迫時処理内容登録手段に登録されている脅迫時処理動作を実行することを特徴とする請求項6記載の画像出力制御方法。
【請求項8】
前記脅迫時処理内容登録処理ステップは、前記脅迫時処理内容登録手段に、前記指示手段によって指示された画像属性毎に前記脅迫時処理動作を登録し、画像データ登録処理ステップは、前記画像データ登録手段に、画像データと指示手段によって指示された該画像属性を関連づけて登録し、前記制御処理ステップは、前記脅迫時処理動作として、前記指示受付処理ステップで受け付けた出力指示に対応する画像データに対して該画像データ登録手段に登録されている画像属性に対応して該脅迫時処理内容登録手段に登録されている脅迫時処理動作を実行することを特徴とする請求項7記載の画像出力制御方法。
【請求項9】
コンピュータに、利用を許可する利用者を認証する利用者認証情報を認証情報登録手段に登録する認証情報登録処理、利用を要求する利用者が入力する利用者認証情報と該認証情報登録手段に登録されている利用者認証情報を比較して利用の可否を制御する認証制御処理と、該認証制御処理で利用を許可された利用者の要請に応じて少なくとも画像出力処理を実行する画像出力処理と、所定の指示手段からの少なくとも画像出力に関する各種画像出力指示を受け付ける指示受付処理と、所定の脅迫情報入力手段からの利用者以外の他人の脅迫によって該指示手段から指示を行っていることを示す脅迫情報を受け付ける脅迫情報受付処理と、該指示受付処理で受け付けた画像出力指示に応じて画像出力処理で画像の出力を行わせるとともに、該脅迫情報受付処理で該脅迫情報入力手段から脅迫情報を受け付けると、該指示受付処理で受け付けた画像出力指示に対して、該画像出力指示内容とは異なる予め設定されている所定の脅迫時処理動作を実行する制御処理と、を実行させることを特徴とする画像出力制御プログラム。
【請求項10】
請求項9記載の画像出力制御プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−45600(P2010−45600A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−208286(P2008−208286)
【出願日】平成20年8月12日(2008.8.12)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】