説明

画像出力装置及びその制御方法、プログラム

【課題】 管理者における装置の調整作業と、装置の通常動作を適確に切り分けて動作することができる画像出力装置及びその制御方法、プログラムを提供できる。
【解決手段】 画像出力装置の電源投入後の前記画像出力部の状態を監視する。記憶部上において、前記管理者モードで起動することを示すフラグの有無を判定する。判定の結果、フラグが記憶部上に存在する場合、操作部及び通信部からの入力を制限する管理者モードを実行する。管理者モード実行中に、監視の結果、画像出力部が出力可能な状態になった後、管理者モードから前記非管理者モードへの移行の指示入力がある場合に、次の処理を実行する。つまり、入力の制限を解除して操作部及び通信部からの入力を許可する非管理者モードを管理者モードから切り替えて実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像出力部、ネットワーク上の外部装置とのデータ通信を行う通信部、情報を表示しかつ指示を入力するための操作部とを備える画像処理装置に関するものである。より詳しくは、電源投入後の所定期間中の通常動作を禁止するために、管理者モードと非管理者モードとを適応的に切り替えて動作する画像出力装置及びその制御方法、プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の複写機、プリンタまたはプリンタと複写機の両方の機能を持つ複合複写機等の機器は、電源投入からコピーや印刷を行うことができる状態になるまでの時間が比較的短く、操作者がローカルUIから電源を入力しても待ち時間が短い。これは、従来の複写機、プリンタ、または複合複写機が比較的一分間あたりの印刷枚数が少ないため、複写機、プリンタ、複合複写機の中の印刷ユニットの温度調整や画像調整が短時間で済むことに起因する。
【0003】
ここで、機器への電源投入にかかる制御としては様々なものが提案されている。例えば、特許文献1では、無線伝送路を介した情報通信により他の電子機器からの識別情報を取得し、この取得した識別情報をもとにセキュリティの設定/解除を制御する。特に、電子機器の電源スイッチがオンにされた場合であっても、この識別情報が特定の電子機器の識別情報であった場合にのみ、自機器本体の電力供給を許可するような制御を行う構成が開示されている。
【特許文献1】特開2001−125661号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、現在、一分間あたりの印刷枚数の多いプロダクション系の大きな機器(POD系等の機器)の製品化が現在検討されつつあるが、このような機器では、上記のような従来機では想定していない課題が生じうると考える。例えば、POD系の機器を想定した場合、電源を入れてから実際にコピーがとれるまでは非常に時間がかる事が想定される。これは、一分間あたりの印刷枚数を増やすために、印刷ユニットそのものの温度調整に非常に時間がかかる点等に起因する。
【0005】
さらに、POD系の機器の場合、高品位の印刷を行う場合には、ユーザの使用する出力用紙に応じて機器が立ち上がってから、その機器を有する機能の動作や設定の微調整を行うことが必要であると想定される。当該ケースを想定してみると、管理者は、一般ユーザに使用させる前に調整を行わなくてはならないと思われる。しかし、そのためには、機器が立ち上がるまで待つ必要がある。また、もし、プリントに関して、ウォームアップ中にデータが送られてくると、機器が立ち上がった瞬間に、印刷が開始されてしまう可能性も考えられる。このように、例えばPOD系の機器等を想定してみると、機器の調整や電源投入に関わる各種要因により、意図せぬ動作が該機器にて起こる事が懸念されると考える。
【0006】
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、管理者における装置の調整作業と、装置の通常動作を適確に切り分けて動作することができる画像出力装置及びその制御方法、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための本発明による画像出力装置は以下の構成を備える。即ち、
画像出力部、ネットワーク上の外部装置とのデータ通信を行う通信部、情報を表示しかつ指示を入力するための操作部とを備え、電源投入後の所定期間中の通常動作を禁止するために、管理者モードと非管理者モードとを適応的に切り替えて動作する画像出力装置であって、
前記管理者モードで起動することを示すフラグを記憶するための記憶手段と、
当該画像出力装置の電源投入後の前記画像出力部の状態を監視する監視手段と、
前記記憶手段上の前記フラグの有無を判定する判定手段と、
前記判定手段の判定の結果、前記フラグが前記記憶手段上に存在する場合、前記操作部及び前記通信部からの入力を制限する管理者モードを実行する第1実行手段と、
前記管理者モード実行中に、前記監視手段の監視の結果、前記画像出力部が出力可能な状態になった後、前記管理者モードから前記非管理者モードへの移行の指示入力がある場合、前記入力の制限を解除して前記操作部及び前記通信部からの入力を許可する非管理者モードを前記管理者モードから切り替えて実行する第2実行手段と
を備える。
【0008】
また、好ましくは、前記操作部からの入力を制限する第1制限手段と、
前記通信部からの入力を制限する第2制限手段とを更に備え、
前記第1実行手段は、前記管理者モードとして、前記第1及び第2制限手段による制限を実行する。
【0009】
また、好ましくは、前記第1制限手段による制限を解除する第1解除手段と
前記第2制限手段による制限を解除する第2解除手段とを更に備え、
前記第2実行手段は、前記非管理者モードとして、前記第1及び第2解除手段による解除を実行する。
【0010】
また、好ましくは、前記フラグを前記記憶手段に設定する設定手段を更に備える。
【0011】
また、好ましくは、前記設定手段は、当該画像出力装置の電源投入後の前記操作部を介する所定の操作に基づいて、前記フラグを前記記憶手段に設定する。
【0012】
また、好ましくは、前記通信部を介して、前記ネットワーク上の外部装置より当該画像出力の電源投入指示要求を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した前記外部装置の識別情報と、当該画像出力装置に予め登録されている識別情報とを比較する比較手段とを更に備え、
前記設定手段は、前記比較手段の比較結果に基づいて、前記フラグを前記記憶手段に設定する。
【0013】
また、好ましくは、前記記憶手段は、不揮発性メモリであり、
前記設定手段は、当該画像出力装置の電源切断時の前記操作部を介する所定の操作に基づいて、前記フラグを前記記憶手段に設定する。
【0014】
また、好ましくは、当該画像出力装置の画像出力部の出力調整を指示する指示手段を更に備え、
前記指示手段による指示がある場合、前記設定手段は、前記フラグを前記記憶手段に設定し、
前記判定手段の判定の結果、前記フラグが前記記憶手段上に存在し、かつ前記指示手段により前記出力調整の終了の指示入力がある場合、前記操作部及び前記通信部からの入力を制限する管理者モードを実行する。
【0015】
また、好ましくは、前記管理者モードが実行中である場合、そのことを示す情報を前記操作部が有する表示部に表示する表示制御手段を更に備える。
【0016】
上記の目的を達成するための本発明による画像出力装置の制御方法は以下の構成を備える。即ち、
画像出力部、ネットワーク上の外部装置とのデータ通信を行う通信部、情報を表示しかつ指示を入力するための操作部とを備え、電源投入後の所定期間中の通常動作を禁止するために、管理者モードと非管理者モードとを適応的に切り替えて動作する画像出力装置の制御方法であって、
前記画像出力装置の電源投入後の前記画像出力部の状態を監視する監視工程と、
記憶部上において、前記管理者モードで起動することを示すフラグの有無を判定する判定工程と、
前記判定工程の判定の結果、前記フラグが前記記憶部上に存在する場合、前記操作部及び前記通信部からの入力を制限する管理者モードを実行する第1実行工程と、
前記管理者モード実行中に、前記監視工程の監視の結果、前記画像出力部が出力可能な状態になった後、前記管理者モードから前記非管理者モードへの移行の指示入力がある場合に、前記入力の制限を解除して前記操作部及び前記通信部からの入力を許可する非管理者モードを前記管理者モードから切り替えて実行する第2実行工程と
を備える。
【0017】
上記の目的を達成するための本発明によるプログラムは以下の構成を備える。即ち、
画像出力部、ネットワーク上の外部装置とのデータ通信を行う通信部、情報を表示しかつ指示を入力するための操作部とを備え、電源投入後の所定期間中の通常動作を禁止するために、管理者モードと非管理者モードとを適応的に切り替えて動作する画像出力装置の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記画像出力装置の電源投入後の前記画像出力部の状態を監視する監視工程と、
記憶部上において、前記管理者モードで起動することを示すフラグの有無を判定する判定工程と、
前記判定工程の判定の結果、前記フラグが前記記憶部上に存在する場合、前記操作部及び前記通信部からの入力を制限する管理者モードを実行する第1実行工程と、
前記管理者モード実行中に、前記監視工程の監視の結果、前記画像出力部が出力可能な状態になった後、前記管理者モードから前記非管理者モードへの移行の指示入力がある場合に、前記入力の制限を解除して前記操作部及び前記通信部からの入力を許可する非管理者モードを前記管理者モードから切り替えて実行する第2実行工程と
をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、管理者における装置の調整作業と、装置の通常動作を適確に切り分けて動作することができる。例えば、POD系の機器等にて、調整や電源投入に関わる各種の要因により意図せぬ動作が機器にて起こる等の問題が生じる事を未然に防止でき、適正な環境が構築可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0020】
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1の画像入出力システムの全体構成を示す図である。
【0021】
画像入出力システム100は、主に、リーダー部200、制御装置110、プリンタ部300、外部記憶装置163とで構成される。
【0022】
リーダー部(画像入力装置)200は、原稿画像を光学的に読み取り、画像データに変換する。リーダー部200は、原稿の読取機能を有するスキャナユニット210と、原稿用紙の搬送機能を有する原稿給紙ユニット250とで構成される。
【0023】
プリンタ部(画像出力装置)300は、記録紙を搬送し、その上に画像データを可視画像として印刷して装置外に排紙する。プリンタ部300は、複数種類の記録紙カセットを有する給紙ユニット360と、マーキングユニット310と、排紙ユニット360とで構成される。
【0024】
ここで、マーキングユニット310は、画像データを記録紙に転写、定着させる機能を有する。また、排紙ユニット370は、印刷された記録紙をソート、ステイプルして機外へ出力する機能を有する。
【0025】
制御装置(コントローラ部)110は、リーダー部200、プリンタ部300とを電気的に接続している。また、ネットワーク400を介して、PC(パーソナルコンピュータ)等で構成されるホストコンピュータ401、402と接続されている。
【0026】
尚、ネットワーク400は、典型的にはインターネットやLANやWANや電話回線、専用デジタル回線、ATMやフレームリレー回線、通信衛星回線、ケーブルテレビ回線、データ放送用無線回線等のいずれかである。または、これらの組み合わせにより実現されるいわゆる通信ネットワークであり、データの送受信が可能であれば良い。
【0027】
制御装置110は、リーダー部200を制御して、原稿の画像データを読込み、プリンタ部300を制御して画像データを記録用紙に出力するコピー機能を提供する。また、制御装置110は、リーダー部200から読取った画像データを、コードデータに変換し、ネットワーク400を介してホストコンピュータへ送信するネットワークスキャナ機能を提供する。更には、制御装置110は、ホストコンピュータからネットワーク400を介して受信したコードデータを画像データに変換し、プリンタ部300に出力するプリンタ機能を提供する。
【0028】
操作部150は、制御装置110に接続され、例えば、キー入力部とタッチパネル部で構成され、画像入出力システム100を操作するためのユーザI/Fを提供する。
【0029】
外部記憶装置163は、例えば、ハードディスクドライブ、CD−ROMドライブ等で構成される。
【0030】
ここで、図1の画像入出力システムを実現する装置としては、MFP(Multi Function Peripheral:マルチファンクション周辺機器)がある。
【0031】
ここで、MFPは、自装置内部に複数のジョブを記憶可能なハードディスク等の外部記憶装置163を具備している。また、例えば、リーダー部200から出力されたジョブに対し、その外部記憶装置163を介してプリンタ部300でプリント可能にするコピー機能を具備している。また、ホストコンピュータ401や402等の外部装置から出力されたジョブに対し外部記憶装置163を介してプリンタ部300でプリント可能にするプリント機能を具備している。このように、MFPは、これらの機能を含む複数の機能を具備している。
【0032】
MFPには、フルカラー機器とモノクロ機器があり、色処理機能や内部データ等を除いて、基本的な部分においては、フルカラー機器がモノクロ機器の構成を包含することが多い。そのため、ここでは、フルカラー機器に絞って説明し、必要に応じて随時モノクロ機器の説明を加えることとする。
【0033】
また、実施形態1で説明する画像入出力システムは、複数の機能を具備した複合機能型の画像形成装置(印刷装置)と、プリント機能のみを具備した単一機能型の画像形成装置(印刷装置)であるSFPを具備する構成でも良い。あるいは、いずれか一方の型の画像形成装置のみを具備する構成でも良い。また、何れのタイプの画像形成装置であっても、複数台具備する構成でも良い。いずれにしても、実施形態1の制御が実現可能な構成であればよい。
【0034】
尚、SFPとは、Single Function Peripheral:単一機能周辺機器の略称である。
【0035】
次に、リーダー部200及びプリンタ部300の詳細構成について、図2を用いて説明する。
【0036】
図2は本発明の実施形態1のリーダー部及びプリンタ部の詳細構成を示す図である。
【0037】
リーダー部200の原稿給送ユニット250は、原稿を先頭順に1枚ずつプラテンガラス211上へ給送し、原稿の読取動作終了後、プラテンガラス211上の原稿を排出する。原稿がプラテンガラス211上に搬送されると、ランプ212を点灯し、光学ユニット213の移動を開始させて、原稿を露光走査する。この時の原稿からの反射光は、ミラー214、215、216及びレンズ217によって、CCDイメージセンサ(以下CCDという)218へ導かれる。このように、走査された原稿の画像はCCD218によって読み取られる。
【0038】
222はリーダー画像処理回路部であり、CCD218から出力される画像データに所定の処理を施し、スキャナI/F140(図4)を介して制御装置110へと出力する。
【0039】
352はプリンタ画像処理回路部であり、プリンタI/F145(図4)を介して制御装置110から送られる画像信号をレーザードライバ317へと出力する。
【0040】
レーザドライバ317は、レーザ発光部313〜316を駆動するものであり、プリンタ画像処理部352から出力された画像データに応じたレーザ光をレーザ発光部313〜316で発光させる。このレーザ光は、ミラー340〜351によって感光ドラム325〜328に照射され、感光ドラム325〜328にはレーザ光に応じた潜像が形成される。321〜324は、それぞれブラック(Bk)、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)のトナーによって、潜像を現像するための現像器であり、現像された各色のトナーは用紙に転写され、フルカラーのプリントアウトがなされる。
【0041】
給紙ユニット360である、用紙カセット360a、360b及び手差しトレイ360cのいずれかより、レーザ光の照射開始と同期したタイミングで給紙された用紙は、レジストローラ333を経て、転写ベルト334上に吸着され、搬送される。そして、感光ドラム325〜328に付着された現像剤を記録紙に転写する。現像剤が転写された記録紙は定着部335に搬送され、定着部335の熱と圧力により現像剤は記像紙に定着される。定着部335を通過した記録紙は排出ローラ336によって排出され、排紙ユニット370は排出された記録紙を束ねて記録紙の仕分けをしたり、仕分けされた記録紙のステイプルを行った後、排紙トレイ371に排出される。
【0042】
また、両面記録が設定されている場合は、排出ローラ336のところまで記録紙を搬送した後、排出ローラ336の回転方向を逆転させ、フラッパ337によって再給紙搬送路338へ導く。再給紙搬送路338へ導かれた記録紙は上述したタイミングで転写ベルト334へ給紙される。
【0043】
尚、主電源スイッチ380は、画像入出力システム100全体の電源を投入するためのスイッチである。
【0044】
<リーダー画像処理部の説明>
図3は本発明の実施形態1のリーダー画像処理部の詳細構成を示すブロック図である。
【0045】
プラテンガラス211上の原稿からの反射光はCCD218に読み取られて、電気信号に変換される。ここで、CCD218が、例えば、カラーセンサの場合、RGBのカラーフィルタが1ラインCCD上にRGB順にインラインに構成されている3ラインCCDで構成される。あるいは、Rフィルタ・Gフィルタ・BフィルタをそれぞれのCCDごとに並べて構成したものでも構わない。更には、フィルタがオンチップ化又は、フィルタがCCDと別構成にしものでも構わない。
【0046】
そして、リーダー画像処理部222では、CCD218からの電気信号(アナログ画像信号)を入力する。その電気信号は、クランプ&Amp.&S/H&A/D部401で、サンプルホールド(S/H)し、アナログ画像信号のダークレベルを基準電位にクランプし、所定量に増幅し、A/D変換する。このA/D変換では、例えば、RGB各8ビットのディジタル信号に変換する。尚、クランプ&Amp.&S/H&A/D部401で実行する各種の処理順は、その表記順でなくても良い。
【0047】
そして、クランプ&Amp.&S/H&A/D部401から得られるRGB信号は、シェーディング部402で、シェーディング補正及び黒補正を実行した後、制御装置110へ出力する。
【0048】
<制御装置の説明>
図4は本発明の実施形態1の制御装置の詳細構成を示す図である。
【0049】
メインコントローラ111は、主に、CPU112と、バスコントローラ113、各種I/Fコントローラ回路とから構成される。
【0050】
CPU112とバスコントローラ113は、制御装置110全体の動作を制御するものであり、CPU112はROM114からROM I/F115を経由して読み込んだプログラムに基いて動作する。また、ホストコンピュータから受信したPDL(ページ記述言語)コードデータを解釈し、ラスターイメージデータに展開する動作も、このプログラムに記述されており、ソフトウェアによって処理される。バスコントローラ113は各I/Fから入出力されるデータ転送を制御するものであり、バス競合時の調停やDMAデータ転送の制御を行う。
【0051】
DRAM116はDRAM I/F117によってメインコントローラ111と接続されており、CPU112が動作するためのワークエリアや、画像データを蓄積するためのエリアとして使用される。
【0052】
Codec118は、DRAM116に蓄積されたラスターイメージデータを、MH/MR/MMR/JBIG/JPEG等の圧縮方式で圧縮し、また逆に圧縮され蓄積されたコードデータをラスターイメージデータに伸長する。SRAM119は、Codec118の一時的なワーク領域として使用される。Codec118は、I/F120を介してメインコントローラ111と接続され、DRAM116との間のデータの転送は、バスコントローラ113によって制御されDMA転送される。
【0053】
Graphic Processor135は、DRAM116に蓄積されたラスターイメージデータに対して、画像回転、画像変倍、色空間変換、二値化の処理をそれぞれ行う。SRAM136は、Graphic Processor135の一時的なワーク領域として使用される。Graphic Processor135は、I/F137を介してメインコントローラ111と接続され、DRAM116との間のデータの転送は、バスコントローラ113によって制御されDMA転送される。
【0054】
Network Controller121は、I/F123によってメインコントローラ111と接続され、コネクタ122によって外部ネットワークと接続される。
【0055】
汎用高速バス125には、拡張ボードを接続するための拡張コネクタ124とI/O制御部126とが接続される。汎用高速バスとしては、一般的にPCIバスが挙げられる。
【0056】
I/O制御部126には、リーダー部200とプリンタ部300のそれぞれとCPU112との間で制御コマンドを送受信するための調歩同期用のシリアル通信コントローラ127が2チャンネル装備されている。そして、シリアル通信コントローラ127は、I/Oバス128によって、スキャナI/F140及びプリンタI/F145に接続されている。
【0057】
操作部I/F132は、LCDコントローラ131に接続され、操作部150上のタッチパネル部が有する液晶画面に表示を行うためのI/Fと、ハードキーやタッチパネルキーからなるキー入力部の入力を行うためのキー入力I/F130とから構成される。
【0058】
操作部150のタッチパネル部またはキー入力部により入力された信号は、操作部I/F132を介してCPU112に伝えられ、タッチパネル部は操作部I/F132から送られてきた画像データを表示する。タッチパネル部には、本画像入出力システム100の操作における機能表示や画像データ等を表示する。
【0059】
リアルタイムクロックモジュール133は、機器内で管理する日付と時刻を更新/保存するためのもので、バックアップ電池134によってバックアップされている。
【0060】
E−IDEインタフェース161は、外部記憶装置を接続するためのものである。実施形態1においては、このE−IDEインタフェース161を介して、ハードディスクドライブ160を接続し、ハードディスク162へ画像データを記憶させたり、ハードディスク162から画像データを読み込む動作を行う。
【0061】
コネクタ142と147は、それぞれリーダー部200とプリンタ部300とに接続され、同調歩同期シリアルI/F(143、148)とビデオI/F(144、149)とから構成される。
【0062】
スキャナI/F140は、コネクタ142を介してリーダー部200と接続され、また、スキャナバス141によってメインコントローラ111と接続されている。また、スキャナI/F140は、リーダー部200から受け取った画像に対して所定の処理を施す機能を有する。更に、スキャナI/F140は、リーダー部200から送られたビデオ制御信号をもとに生成した制御信号を、スキャナバス141に出力する機能も有する。
【0063】
スキャナバス141からDRAM116へのデータ転送は、バスコントローラ113によって制御される。
【0064】
プリンタI/F145は、コネクタ147を介してプリンタ部300と接続され、また、プリンタバス146によってメインコントローラ111と接続されている。また、プリンタI/F145は、メインコントローラ111から出力された画像データに所定の処理を施して、プリンタ部300へ出力する機能を有する。更に、プリンタI/F145は、プリンタ部300から送られたビデオ制御信号をもとに生成した制御信号を、プリンタバス146に出力する機能も有する。
【0065】
DRAM116上に展開されたラスターイメージデータのプリンタ部300への転送は、バスコントローラ113によって制御され、プリンタバス146、ビデオI/F149を経由して、プリンタ部300へDMA転送される。
【0066】
<スキャナI/Fの画像処理部の説明>
スキャナI/F140の画像処理を担う部分(画像処理部)についての詳細な説明を行う。
【0067】
図5は本発明の実施形態1のスキャナI/Fの画像処理部の詳細構成を示すブロック図である。
【0068】
リーダー部200から、コネクタ142を介して送られる画像信号に対して、つなぎ&MTF補正部601で補正を行う。これは、例えば、CCD218が3ラインCCDの場合、つなぎ処理はライン間の読取位置が異なるため、読取速度に応じてライン毎の遅延量を調整し、3ラインの読取位置が同じになるように信号タイミングを補正する。また、MTF補正は読取速度によって読取のMTFが変るため、つなぎ&MTF補正部601で、その変化を補正する。読取位置タイミングが補正されたデジタル信号は、入力マスキング部602によって、CCD218の分光特性及びランプ212及びミラー214〜216の分光特性を補正する。入力マスキング部602の出力は、ACSカウント部405及びメインコントローラ111へと送られる。
【0069】
<ACSカウント部の説明>
図6は本発明の実施形態1のACS(オートカラーセレクト)カウント部の詳細構成を示す図である。
【0070】
オートカラーセレクト(以下ACS)は、原稿がカラーなのか白黒なのかを判断する。具体的には、画素毎の彩度を算出して、その算出した彩度がある閾値以上の画素がどれだけ存在するかでカラー判定を行う。しかし、白黒原稿であっても、MTF等の影響により、ミクロ的に見るとエッジ周辺に色画素が多数存在し、単純に画素単位でACS判定を行うのは難しい。このACS手法は、様々な方法が提供されているが、実施形態1では、ACSの方法にはこだわらないため、ごく一般的な手法で説明を行う。
【0071】
上述したように、白黒画像でもミクロ的に見ると色画素が多数存在するわけであるから、その画素が本当に色画素であるかどうかは、注目画素に対して周辺の色画素の情報で判定する必要がある。501はそのためのフィルタであり、注目画素に対して周辺画素を参照するためにFIFOの構造をとる。領域検出回路502は、メインコントローラ111からセットされたレジスタ507〜510に設定された値と、リーダー部200から送られたビデオ制御信号512を元に、ACSをかける領域信号505を作成する。
【0072】
色判定部503は、ACSをかける領域信号505に基づき、注目画素に対してフィルタ501内のメモリ内の周辺画素を参照し、注目画素が色画素か白黒画素かを決定する。カウンタ504は、色判定部503が出力した色判定信号506の個数を数えるカウンタである。
【0073】
メインコントローラ111は、読込範囲に対してACSをかける領域を決定し、レジスタ507〜510に設定する(実施形態1では、原稿に対して独立で範囲を決める構成をとる)。また、メインコントローラ111は、ACSをかける領域内での色判定信号の個数を計数するカウンタの値を、所定の閾値と比較し、その比較結果に基づいて、当該原稿がカラーなのか白黒なのかを判断する。
【0074】
レジスタ507〜510には、主走査方向、副走査方向それぞれについて、色判定部503が判定を開始する位置、判定を終了する位置を、リーダー部200から送られたビデオ制御信号512に基づいて設定しておく。実施形態1では、実際の原稿の大きさよりもそれぞれ10mm程度小さめに設定している。
【0075】
<プリンタI/Fの画像処理部の説明>
プリンタI/F145の画像処理を担う部分(画像処理部)についての詳細な説明を行う。
【0076】
図7は本発明の実施形態1のプリンタI/Fの画像処理部の詳細構成を示すブロック図である。
【0077】
メインコントローラ111から、プリンタバス146を介して送られる画像信号は、まず、LOG変換部701に入力される。LOG変換部701では、LOG変換でRGB信号からCMY信号に変換する。次に、モアレ除去部702でモアレが除去される。UCR&マスキング部703で、モアレ除去処理されたCMY信号はUCR処理でCMYK信号が生成され、マスキング処理でプリンタの出力にあった信号に補正される。UCR&マスキング部703で処理された信号は、γ補正部704で濃度調整された後、フィルタ部705でスムージング又はエッジ処理される。これらの処理を経て、コネクタ147を介してプリンタ部300へと画像が送られる。
【0078】
<Graphic Processorの説明>
Graphic Processor135についての詳細な説明を行う。
【0079】
図8は本発明の実施形態1のGraphic Processorの詳細構成を示すブロック図である。
【0080】
Graphic Processor135は、画像回転部801、画像変倍部802、LUT804を利用する色空間変換部803、画像二値化部805の処理をそれぞれ行うモジュールを有する。SRAM136はGraphic Processor135の各々のモジュールの一時的なワーク領域として使用される。各々のモジュールが用いるSRAM136のワーク領域が競合しないよう、あらかじめ各々のモジュールごとにワーク領域が静的に割り当てられているものとする。Graphic Processor135は、I/F137を介してメインコントローラ111と接続され、DRAM116との間のデータの転送は、バスコントローラ113によって制御されDMA転送される。
【0081】
バスコントローラ113は、Graphic Processor135の各々のモジュールにモード等を設定する制御及び、各々のモジュールに画像データを転送するためのタイミング制御を行う。
【0082】
<画像回転部の説明>
以下に、画像回転部801における処理手順を示す。
【0083】
I/F137を介して、CPU112からバスコントローラ113に画像回転制御のための設定を行う。この設定により、バスコントローラ113は画像回転部801に対して画像回転に必要な設定(例えば、画像サイズや回転方向・角度等)を行う。必要な設定を行った後に、再度、CPU112からバスコントローラ113に対して画像データ転送の許可を行う。この許可に従い、バスコントローラ113は、DRAM116もしくは各I/Fを介して接続されているデバイスから画像データの転送を開始する。
【0084】
尚、ここでは回転を行う画像サイズを32画素×32ラインとし、又、I/F137上に画像データを転送させる際に24byte(RGB各々8bitで1画素分)を単位とする画像転送を行うものとする。
【0085】
上述のように、32画素×32ラインの画像を得るためには、上述の単位データ転送を32×32回行う必要があり、且つ不連続なアドレスから画像データを転送する必要がある(図9参照)。
【0086】
不連続アドレッシングにより転送された画像データは、読出時に所望の角度に回転されているように、SRAM136に書き込まれる。例えば、90度反時計方向回転であれば、転送される画像データを、図10のようにY方向に書き込んでいく。読出時に、X方向に読み出すことで、画像が回転される。
【0087】
32画素×32ラインの画像回転(SRAM136への書込)が完了した後、画像回転部801はSRAM136から上述した読出方法で画像データを読み出し、バスコントローラ113に画像を転送する。
【0088】
回転処理された画像データを受け取ったバスコントローラ113は、連続アドレッシングを以て、DRAM116もしくはI/F上の各デバイスにデータを転送する。
【0089】
こうした一連の処理は、CPU112からの処理要求が無くなるまで(必要なページ数の処理が終わるまで)繰り返される。
【0090】
<画像変倍部の説明>
以下に、画像変倍部802における処理手順を示す。
【0091】
I/F137を介して、CPU112からバスコントローラ113に画像変倍制御のための設定を行う。この設定によりバスコントローラ113は画像変倍部802に対して画像変倍に必要な設定(主走査方向の変倍率、副走査方向の変倍率、変倍後の画像サイズ等)を行う。必要な設定を行った後に、再度CPU112からバスコントローラ113に対して画像データ転送の許可を行う。この許可に従い、バスコントローラ113はDRAM116もしくは各I/Fを介して接続されているデバイスから画像データの転送を開始する。
【0092】
画像変倍部802は、受け取った画像データを一時SRAM136に格納する。そして、画像変倍部802は、このSRAM136を入力バッファとして用いて、格納したデータに対して主走査、副走査の変倍率に応じて必要な画素数、ライン数の分の補間処理を行って画像を拡大もしくは縮小することで、変倍処理を実現する。変倍後のデータは再度SRAM136へ書き戻し、これを出力バッファとして画像変倍部802はSRAM136から画像データを読み出し、バスコントローラ113に転送する。
【0093】
変倍処理された画像データを受け取ったバスコントローラ113は、DRAM116もしくはI/F上の各デバイスにデータを転送する。
【0094】
<色空間変換部の説明>
以下に、色空間変換部803における処理手順を示す。
【0095】
I/F137を介して、CPU112からバスコントローラ113に色空間変換制御のための設定を行う。この設定によりバスコントローラ113は色空間変換部803及びLUT(ルック・アップ・テーブル)804に対して色空間変換処理に必要な設定(後述のマトリックス演算の係数、LUT804のテーブル値等)を行う。必要な設定を行った後に、再度CPU112からバスコントローラ113に対して画像データ転送の許可を行う。この許可に従い、バスコントローラ113はDRAM116もしくは各I/Fを介して接続されているデバイスから画像データの転送を開始する。
【0096】
色空間変換部803は、受け取った画像データ1画素ごとに対して、まず下記の式で表される3×3のマトリックス演算を施す。
【0097】
【数1】

【0098】
上式において、R、G、Bが入力、X、Y、Zが出力、a11、a12、a13、a21、a22、a23、a31、a32、a33、b1、b2、b3、c1、c2、c3がそれぞれ係数である。
【0099】
上式の演算によって、例えば、RGB色空間からYuv色空間への変換等の、各種の色空間変換を行うことができる。
【0100】
次に、マトリックス演算後のデータに対して、LUT804による変換を行う。これによって、非線形の変換をも行うことができる。当然、変換処理をスルーためのテーブルを設定することにより、実質的にLUT変換を行わないこともできる。
【0101】
その後、色空間変換部803は色空間変換処理された画像データをバスコントローラ113に転送する。
【0102】
色空間変換処理された画像データを受け取ったバスコントローラ113は、DRAM116もしくはI/F上の各デバイスにデータを転送する。
【0103】
<画像二値化部の説明>
以下に、画像二値化部805における処理手順を示す。
【0104】
I/F137を介して、CPU112からバスコントローラ113に二値化制御のための設定を行う。この設定によりバスコントローラ113は画像二値化部805に対して二値化処理に必要な設定(変換方法に応じた各種パラメータ等)を行う。必要な設定を行った後に、再度CPU112からバスコントローラ113に対して画像データ転送の許可を行う。この許可に従い、バスコントローラ113はDRAM116もしくは各I/Fを介して接続されているデバイスから画像データの転送を開始する。
【0105】
画像二値化部805は、受け取った画像データに対して二値化処理を施す。実施形態1では、二値化手法としては、画像データを所定の閾値と比較して単純に二値化するものとする。もちろん、ディザ法、誤差拡散法、誤差拡散法を改良したもの等、いずれの手法によってもかまわない。
【0106】
その後、画像二値化部805は二値化処理された画像データをバスコントローラ113に転送する。
【0107】
二値化処理された画像データを受け取ったバスコントローラ113は、DRAM116もしくはI/F上の各デバイスにデータを転送する。
【0108】
<PDL画像出力時のシーケンス>
図11は本発明の実施形態1のPDL画像出力の手順を示すフローチャートである。尚、図中のS3001〜S3008は各ステップを示す。
【0109】
PDL画像を出力する場合、ステップS3001で、ホストコンピュータ401上でユーザが当該PDL画像出力ジョブのプリント設定を行う。これにより、プリント設定パラメータが生成される。尚、プリント設定内容は、部数、用紙サイズ、片面/両面、ページ出力順序、ソート出力、ステイプル止めの有無等である。
【0110】
ステップS3002で、ホストコンピュータ401上で印刷指示を与える。これにより、ホストコンピュータ401上にインストールされているドライバソフトウェアが、印刷対象となるホストコンピュータ401上のコードデータをいわゆるPDLデータに変換する。そして、ステップS3001で設定したプリント設定パラメータとともに、制御装置110に、ネットワーク400を介してPDLデータを転送する。
【0111】
ステップS3003で、制御装置110のメインコントローラ111のCPU112が、コネクタ122及びNetwork Controller121を介して転送されたPDLデータとプリント設定パラメータを受信する。そして、受信したプリント設定パラメータに基づいて、PDLデータを画像データに展開(ラスタライズ)する。画像データの展開は、DRAM116上で行われる。画像データの展開が完了すると、ステップS3004へ進む。
【0112】
ステップS3004で、メインコントローラ111がDRAM116上に展開された画像データを、Graphic Processor135に転送する。
【0113】
ステップS3005で、Graphic Processor135が、プリント設定パラメータとは独立に画像処理を行う。例えば、プリント設定パラメータで指定された用紙サイズがA4であるにもかかわらず、プリンタ部300の給紙ユニット360にはA4Rサイズの用紙しかない場合がある。この場合には、Graphic Processor135で画像を90度回転することによって、出力用紙にあわせた画像出力を行うことができる。画像データの画像処理が完了すると、ステップS3006へ進む。
【0114】
ステップS3006で、Graphic Processor135がメインコントローラ111へ画像処理後の画像データを転送する。メインコントローラ111は、転送されてきた画像データをDRAM116上に記憶する。
【0115】
ステップS3007で、メインコントローラ111はプリンタI/F145及びコネクタ147を介して、プリンタ部300を制御しつつ、適切なタイミングでDRAM116上の画像データを、プリンタ部300へと転送する。
【0116】
ステップS3008で、制御装置110が、プリンタ部300を制御して画像データをプリント出力する。画像データの転送が完了すると、即ち、当該PDLジョブが終了すると、プリント出力を終了する。
【0117】
<コピー画像出力時のシーケンス>
図12は本発明の実施形態1のコピー画像出力の手順を示すフローチャートである。尚、図中のS4001〜ステップS4007は各ステップを示す。
【0118】
コピー画像を出力する場合、ステップS4001で、操作部150上でユーザが当該コピー画像出力ジョブのコピー設定を行う。これにより、コピー設定パラメータが生成される。尚、コピー設定内容は、部数、用紙サイズ、片面/両面、拡大/縮小率、ソート出力、ステイプル止めの有無等である。
【0119】
ステップS4002で、操作部150上でコピー開始指示を与えると、制御装置110のメインコントローラ111はスキャナI/F140及びコネクタ142を介してリーダー部200を制御し、原稿の画像データの読込動作を行う。
【0120】
具体的には、まず、原稿給送ユニット250は、載置された原稿を1枚ずつプラテンガラス211上へ給送し、その際同時に原稿のサイズを検知する。検知された原稿のサイズに基づいて原稿を露光走査することにより、画像データを読み取る。読み取られた画像データは、DRAM116上に記憶される。
【0121】
ここで、従来のコピー機では、コピー設定の拡大/縮小率の設定に応じて、即ち、副走査方向の変倍率に応じて光学ユニット213の移動速度を変化させることにより副走査方向の変倍処理を実現していた。しかしながら、実施形態1では、コピー設定の拡大/縮小率の設定にかかわらず、必ず等倍(100%)で画像データを読み取る。そして、変倍処理については、主走査方向、副走査方向ともに、後述するGraphic Processor135によって行うものとする。
【0122】
ステップS4003で、メインコントローラ111がDRAM116上の画像データを、Graphic Processor135に転送する。
【0123】
ステップS4004で、Graphic Processor135が、コピー設定パラメータに基づいて画像処理を行う。例えば、拡大400%の設定がなされているときには、Graphic Processor135内のモジュールである画像変倍部を用いて主走査方向、副走査方向、双方への変倍処理を行う。画像データの画像処理が完了すると、ステップS4005へ進む。
【0124】
ステップS4005で、Graphic Processor135がメインコントローラ111へ画像処理後の画像データを転送する。メインコントローラ111は転送されてきた画像データをDRAM116上に記憶する。
【0125】
ステップS4006で、メインコントローラ111はプリンタI/F145及びコネクタ147を介して、プリンタ部300を制御しつつ、適切なタイミングでDRAM116上の画像データを、プリンタ部300へと転送する。
【0126】
ステップS4007で、制御装置110が、プリンタ部300を制御して画像データをプリント出力する。画像データの転送が完了すると、即ち、当該コピージョブが終了すると、プリント出力を終了する。
【0127】
<操作部の説明>
図13は本発明の実施形態1の操作部の一例を示す図である。
【0128】
操作部150は、キー入力部1601及びタッチパネル部1602とから構成されている。ここで、キー入力部1601は、定常的な操作設定を行うことができるキー入力部分である。
【0129】
操作部電源スイッチ701は、スタンバイモード(通常動作状態)とスリープモード(メインコントローラ111は、ネットワークプリントやファクシミリ等に備えて割込待ち状態でプログラムを停止して、消費電力を抑えている状態)を切り替えるものである。この操作部電源スイッチ701によって、システム全体の電源供給を行う主電源スイッチ380がON状態で制御することができる。
【0130】
節電キー702は、スタンバイモード時の定着部335(図2)の制御温度を下げて、プリント可能な状態まで時間は要するが、消費電力を抑えることができるキーである。節電率の設定により制御温度を下げることもできる。
【0131】
スタートキー703は、コピーや送信等の各種処理の開始を指示するキーである。また、ストップキー704は、その各種処理の開始を中断するキーである。
【0132】
テンキー705は、各種設定の置数を行うためのキーである。クリアキー706は、その置数を解除するためのキーである。IDキー707は、画像入出力システム100の操作者を認証するために、予め設定された暗証番号を入力させるためのキーである。
【0133】
リセットキー708は、各種設定を無効にし、デフォルト状態に戻すためのキーである。ヘルプキー709は、ガイダンスやヘルプを表示させるためのキーである。ユーザモードキー710は、ユーザ毎のシステム設定画面に移行するためのキーである。
【0134】
カウンタ確認キー711は、画像入出力システム100内に設けてあるプリント枚数等をカウントするソフトカウンタに記憶されている出力済枚数を表示させるためのキーである。ここでは、コピー/プリント/スキャン/ファックス等の動作モード、カラー/白黒等の色モード、ラージ/スモール等の紙サイズ等に応じて、それぞれの出力済枚数を表示させることができる。
【0135】
画像コントラストダイヤル712は、タッチパネル部1602の液晶表示のバックライトを調光する等して、画面の見易さを調整するためのダイヤルである。
【0136】
実行/メモリランプ713は、ジョブの実行中やメモリへのアクセス中に点滅して、その旨を示す通知するランプである。エラーランプ714は、ジョブの実行ができない場合やサービスマンコール等のエラー、あるいは、ジャムや消耗品切れ等を知らせるオペレータコール等の際に点滅して通知するランプである。
【0137】
一方、タッチパネル部1602は、LCD(Liquid Crystal Display:液晶表示部)とその上に貼られた透明電極からなるタッチパネルディスプレイから構成される。ここでは、LCDに表示されるキー相当の部分の透明電極を指で触れると、それを検知して別の操作画面を表示する等の処理が予めプログラムされている。図13では、スタンバイモード時の初期画面を示しており、設定操作に応じて様々な操作画面を表示することができる。
【0138】
ここでの操作画面では、画像入出力システム100の各種機能を実現するためのタブ画面が構成されている。このタブ画面としては、コピータブ801、送信タブ802、ボックスタブ803及びオプションタブ804が構成されている。
【0139】
コピータブ801は、コピー動作の操作画面に遷移するためのタブキーである。送信タブ802は、ファックスやE−mail送信等の送信(Send)動作を指示する操作画面に遷移するためのタブキーである。ボックスタブ803は、ボックス(ユーザ毎にジョブを格納する記憶手段)にジョブを入出力操作するための操作画面に遷移するためのタブキーである。オプションタブ804は、スキャナ設定、プリンタ設定等の拡張機能を設定するため設定画面に遷移するためのタブキーである。そして、これらの各タブを選択することで、それぞれの操作モードに遷移することができる。
【0140】
システムモニタキー805は、MFPの状態や状況を表示するためのキーである。色選択設定キー806は、カラーコピー、白黒コピー、あるいは自動選択を予め選択するためのキーである。倍率設定キー807は、等倍、拡大、縮小等の倍率設定を行う倍率設定画面に遷移するためのキーである。後処理設定キー808は、ステープルやパンチ等の有無、個数、位置等を設定する後処理設定画面に遷移するためのキーである。
【0141】
両面設定キー809は、片面印刷か両面印刷かを選択する両面設定画面に遷移するためのキーである。紙サイズ設定キー810は、給紙段や紙サイズ、メディアタイプを選択する紙サイズ設定画面に遷移するためのキーである。画像モード設定キー811は、文字モードや写真モード等の原稿画像の読取に適した画像モードを選択するためのキーである。濃度設定キー812は、出力画像の濃度を濃くしたり薄くしたり調整するためのキーである。
【0142】
ステータス表示部813は、スタンバイ状態、ウォームアップ中、ジャム、エラー、管理者モード、非管理者モード等の簡易的な状態表示を行う表示部である。倍率表示部814は、倍率設定キー807で設定された倍率を表示する。紙サイズ表示部815は、紙サイズ設定キー810で設定された紙サイズやメディアタイプを表示する。枚数表示部816は、テンキー705で指定された枚数を表示したり、動作中に何枚目を印刷中であるかを表示したりする。
【0143】
更に、割込キー817は、コピー動作中に別のジョブを割り込ませる場合に利用する。応用モードキー818は、ページ連写、表紙・合紙設定、縮小レイアウト、画像移動等の様々な画像処理やレイアウト等の設定を行う設定画面に遷移するためのキーである。
【0144】
次に、実施形態1の特徴的な処理について、図14を用いて説明する。
【0145】
図14は本発明の実施形態1のキー入力による操作管理制御のフローを示すフローチャートである。
【0146】
ステップS1402で、ユーザの主電源スイッチ380に対する操作に基づいて、制御装置210に電源を投入する。次に、ステップS1403で、CPU112は、ROM114からDRAM116へ起動時の基本プログラムをDRAM116上のBOOTROM用メモリ領域1503にコピーして、その基本プログラムをプログラム領域1502を用いて実行する。ここで、図15は、DRAM116上の記憶領域の配置を示したものである。
【0147】
基本プログラムは、ステップS1404で、I/O制御部126、LCDコントローラ131、操作部I/F132、HDドライブ160の初期化動作を行う。
【0148】
初期化動作完了後、ステップS1405で、CPU112は操作部150のキー入力部1601上の特定のキーが押されているか否かを判定する。
【0149】
尚、特定のキーとは、例えば、キー入力部1601上に設けられた専用のキーであっても良いし、テンキー705上での所定のキーあるいは所定順序でのキー入力の組み合わせであっても良い。あるいは、主電源スイッチ308あるいは操作部電源スイッチ701を入れる際に、同時に押下するキー入力部1601上の所定のキーであっても良い。
【0150】
特定のキーが押されているとI/O制御部126経由でCPU112が判定した場合(ステップS1405でYES)、ステップS1406で、CPU112はDRAM116に管理者モード起動フラグをセットする。ここで、CPU112は、DRAM116上の起動モード保存領域1504に管理者モード起動フラグを示す所定値を書き込む。
【0151】
一方、特定のキーが押されていないとI/O制御部126経由でCPU112が判定した場合(ステップS1405でNO)、ステップS1407へ進む。
【0152】
ステップS1406の処理後、ステップS1407で、CPU112は、HDドライブ160を介してHD162に保存されているメインプログラムをDRAM116上のメインプログラム領域1501にコピーを行う。その後、そのメインプログラムの起動を行う。
【0153】
ステップS1408で、CPU112は、メインプログラムに従いながら、バスコントローラ113経由で、Graphic Processor135、Network Controller121の初期化を行う。これに加えて、CPU112は、シリアル通信コントローラ127、プリンタI/F145、スキャナI/F140の初期化を行う。このとき、CPU112は、バスコントローラ113及びシリアル通信コントローラ127経由でリーダー部200とプリンタ部300とシリアル通信を行い、リーダー部200とプリンタ部300の初期化を要求する。
【0154】
初期化を要求されたプリンタ部300とリーダー部200は、CPU112から画像の入出力が可能になるように初期化処理をスタートさせる。
【0155】
次に、ステップS1409で、CPU112は、DRAM116上の起動モード保存領域1504に所定値(管理者モード起動フラグ)が書き込まれているか否かを判定する。CPU112が、起動モード保存領域1504に所定値が書き込まれていると判定した場合(ステップS1409でYES)、管理者モードを実行するために、ステップS1410に進む。一方、CPU112が、起動モード保存領域1504に所定値が書き込まれていないと判定した場合(ステップS1409でNO)、非管理者モードを実行するために、ステップS1422に進む。
【0156】
ステップS1410で、CPU112は、ネットワーク400のオフライン処理を実行する。この処理は、バスコントローラ113経由で、Network Controller121に対して、ネットワーク400上のホストコンピュータ401や402等からのデータの受信を禁止する処理(ネットワーク通信制限処理)である。
【0157】
また、ステップS1411で、操作部I/F132からI/O制御部126経由で送られてくるタッチパネル部1602からの入力に対して制限を行う入力制限処理を実行する。同時に、ステップS1412で、I/O制御部126、LCDコントローラ131及び操作部I/F132経由で操作部150のタッチパネル部1602に、一般ユーザ(非管理者)の操作が制限されている旨を示すメッセージを表示する。
【0158】
その後、ステップS1413で、CPU112は先に初期化したシリアル通信コントローラ127経由でプリンタ部300の動作状態を監視する。次に、ステップS1414で、監視結果に基づいて、プリンタ部300が印刷可能であるか否かを判定する。プリンタ部300が印刷可能状態でない場合(ステップS1414でNO)、ステップS1413に戻る。
【0159】
一方、プリンタ部300が印刷可能状態である場合(ステップS1414でYES)、ステップS1415に進む。そして、ステップS1415で、I/O制御部126、LCDコントローラ131及び操作部I/F132経由で操作部150のタッチパネル部1602に、管理者が調整作業を行うことができることを示すメッセージを表示する。
【0160】
次に、ステップS1417で、CPU112は、操作部150上のキー入力部1601のキー操作(入力制限解除操作)を監視する。具体的には、I/O制御部126経由で操作部I/F132に入力される、DRAM116のメインプログラム領域1501のプログラムにあらかじめ設定されている入力制限を解除するためのキー入力を監視する。換言すれば、管理者モードから非管理者モードへの移動を指示するためのキー入力を監視する。
【0161】
尚、このキー入力も、管理者モードを実行するためのキー入力と同様に、所定のキー操作によって入力制限を解除する。
【0162】
ステップS1417で、監視結果に基づいて、キー入力の有無を判定する。キー入力がない場合(ステップS1417でNO)、ステップS1416に進む。一方、キー入力がある場合(ステップS1417でYES)、つまり、入力制限解除可能である場合、ステップS1418に進む。
【0163】
ステップS1418で、操作部150のタッチパネル部1602に表示されているメッセージを消去し、操作部150からの操作のすべてを実行できるように、操作部I/F132の入力制限を解除する。これに加えて、プリンタ部300、リーダー部200を用いて原稿画像の入出力を行うことで、管理者による出力画像の調整作業を受付ける。
【0164】
尚、画像の調整作業には、例えば、リーダー部200から入力した画像をプリンタ部300へ出力する場合の両者の色特性等のデバイス特性の違いを校正する作業がある。この調整作業を実行する場合には、所定の操作により調整画面を操作部150のタッチパネル部1602に表示することで実現する。
【0165】
そして、管理者は、リーダー部200とプリンタ部300を使用して画像の調整作業を行った後に、操作部150を介してCPU112にネットワーク400からのネットワーク通信制限を解除することを指示することができる。
【0166】
そこで、ステップS1419で、ネットワーク通信制限解除の解除指示を監視する。ステップS1420で、監視結果に基づいて、解除指示の有無を判定する。解除指示がない場合(ステップS1420でNO)、ステップS1419に戻る。一方、解除指示がある場合(ステップS1420でYES)、ステップS1421に進む。
【0167】
ステップS1421で、CPU112は、管理者からの解除指示に従って、ネットワーク400のオンライン処理を実行する。この処理は、バスコントローラ113を介してNetwork Controller121に対してネットワーク400経由でホストコンピュータ401やホストコンピュータ402等からのデータ受信を許可する処理である。同時に、ステップS1422で、I/O制御部126、LCDコントローラ131及び操作部I/F132を介して、操作部150のタッチパネル部1602にユーザが一般的な操作(通常操作)を行うことができる旨のメッセージを表示する。
【0168】
以上説明したように、実施形態1によれば、画像入出力システム100の電源の投入後に、操作部150上のキー入力部1601の特定のキー操作に応じて、操作部150上のタッチパネル部1602からの入力を制限する。つまり、電源投入後に、システム調整が必要な場合に、管理者のみが操作可能な管理者モードを実行して、操作画面のロックやプリント処理を禁止することができる。これにより、一般ユーザ(非管理者)が、システム調整前のシステムに対する操作を禁止して、システム調整前のシステムで、意図せぬコピーやプリント等の各種操作が実行されてしまうことを防ぐことが可能となる。
【0169】
(実施形態2)
実施形態1では、操作部150上のキー入力部1601の特定のキー操作に応じて、管理者モードと非管理者モードを適応的に切り替える構成について説明した。これに対して、実施形態2では、ホストコンピュータ等の外部装置からネットワークを介して画像入出力システム100の電源を投入する場合における、管理者モードと非管理者モードを適応的に切り替える構成について説明する。
【0170】
尚、実施形態2の画像入出力システム100における各種構成は、実施形態1と同様である。
【0171】
図16は本発明の実施形態2のネットワーク経由での電源投入時の操作管理制御のフローを示すフローチャートである。
【0172】
尚、図16に示すフローチャートは、画像入出力システム100の主電源スイッチ380が投入されているものの、操作部150からの操作が禁止されているスリープモードの状態で開始される。ここで、スリープモードは、上述したように、メインコントローラ111が、ネットワークプリントやファクシミリ等に備えて割込待ち状態でプログラムを停止して、消費電力を抑えている状態である。
【0173】
ステップS1602で、Network Controller121は、ネットワーク400上のホストコンピュータ(例えば、ホストコンピュータ401)からのデータ(電源投入要求)を受信する。
【0174】
次に、ステップS1603で、Network Controller121はデータを送信してきたホストコンピュータのIPアドレス(識別情報)と、あらかじめNetwork Controller121に登録されているIPアドレスと比較する。そして、その比較結果に基づいて、ホストコンピュータのIPアドレスが登録されているIPアドレスであるか否かを判定する。
【0175】
登録されているIPアドレスでない場合(ステップS1603でNO)、ステップS1602に戻る。一方、登録されているIPアドレスである場合(ステップS1603でYES)、ステップS1604に進み、DRAM116上の起動モード保存領域1504に所定値(管理者起動モードフラグ)を書き込む。その後、ステップS1605で、制御装置210に電源を投入する。
【0176】
ステップS1606で、CPU112は、ROM114からDRAM116へ起動時の基本プログラムをDRAM116上のBOOTROM用メモリ領域1503にコピーして、その基本プログラムをプログラム領域1502を用いて実行する。
【0177】
基本プログラムは、ステップS1607で、I/O制御部126、LCDコントローラ131、操作部I/F132、HDドライブ160の初期化動作を行う。
【0178】
次に、ステップS1608で、CPU112は、HDドライブ160を介してHD162に保存されているメインプログラムをDRAM116上のメインプログラム領域1501にコピーを行う。その後、そのメインプログラムの起動を行う。
【0179】
ステップS1609で、CPU112はメインプログラムに従いながら、バスコントローラ113経由で、Graphic Processor135、シリアル通信コントローラ127、プリンタI/F145、スキャナI/F140の初期化を行う。これに加えて、CPU301は、Network Controller121の再初期化を行う。このとき、CPU112は、バスコントローラ113及びシリアル通信コントローラ127経由でリーダー部200とプリンタ部300とシリアル通信を行い、リーダー部200とプリンタ部300の初期化を要求する。
【0180】
初期化を要求されたプリンタ部300とリーダー部200は、CPU112から画像の入出力が可能になるように初期化処理をスタートさせる。
【0181】
次に、ステップS1610で、CPU112は、ネットワーク400のオフライン処理を実行する。この処理は、バスコントローラ113経由で、Network Controller121に対して、ネットワーク400上のホストコンピュータ401やホストコンピュータ402等からのデータの受信を禁止する処理(ネットワーク通信制限処理)である。
【0182】
また、ステップS1611で、操作部I/F132からI/O制御部126経由で送られてくるタッチパネル部1602からの入力に対して制限を行う入力制限処理を実行する。同時に、ステップS1612で、I/O制御部126、LCDコントローラ131及び操作部I/F132経由で操作部150のタッチパネル部1602に、一般ユーザ(非管理者)の操作が制限されている旨を示すメッセージを表示する。
【0183】
その後の処理であるステップS1613〜ステップS1622は、実施形態1の図14のステップS1413〜ステップS1422に対応するので、その説明は省略する。
【0184】
以上説明したように、実施形態2によれば、ネットワークを介してリモートで画像入出力システム100の電源が投入される場合でも、実施形態1と同様の効果を実現することができる。
【0185】
(実施形態3)
DRAM116には、不揮発性メモリまたはバックアップ電源を用いた不揮発性領域が設けられている場合がある。この場合には、DRAM116の起動モード保存領域1504に書き込まれた所定値は電源OFF/ONにかかわらず、DRAM116は、その値を保持し続けることができる。
【0186】
従って、ユーザは、操作部150を介する指示により、CPU112はDRAM116の起動モード保存領域1504に対して、あらかじめ管理者モードで立ち上がるための所定値(管理者モード起動フラグ)を設定することができる。この場合には、電源投入時には、特別な操作や処理を行わなくても、自動的に入力制限をかけることが可能となる。具体的には、操作部150のタッチパネル部1602からの操作入力とNetwork Controller121からのデータ入力のそれぞれの入力に対して、自動的に入力制限をかけることが可能となる。
【0187】
尚、所定値(管理者モード起動フラグ)を、電源OFF/ONと間で、DRAM116の起動モード保存領域1504に保持し続けるか否かの設定は、例えば、電源切断する際に、所定の操作を行うことにより実現する。この所定の操作は、例えば、操作部150のキー入力部1601上の所定のキー操作で実現することが可能である。
【0188】
また、ROM114に格納されている基本プログラムにDRAM116の起動モード保存領域1504の初期値として管理者モード起動フラグを設定することも可能である。この場合も、前述と同様に操作部I/F132からの操作入力とNetwork Controller121からのデータ入力のそれぞれの入力に対して、自動的に入力制限をかけることが可能となる。
【0189】
この時の処理フローは、実施形態1の図14の処理フローの一部のステップを省略した、図17に示す構成となる。図17に示すように、実施形態3では、実施形態1の図14のステップS1405が省略された構成となっている。
【0190】
以上説明したように、実施形態3によれば、実施形態1で説明した効果に加えて、不揮発性メモリに管理者モード起動フラグに保存する構成が実現される場合には、電源断から次回の電源投入時にも、管理者モードを自動的に起動することが可能となる。
【0191】
(実施形態4)
実施形態1〜3で説明した処理において、Network Controller121へのネットワーク通信制限をかけている場合には、Network Controller121はデータを送信してきた外部装置に対して、エラーを返す。これにより、ネットワーク経由での画像入出力システム100が使用できない旨を通知することができる。
【0192】
(実施形態5)
操作部部150のタッチパネル部1602からの操作入力とNetwork Controller121からのデータ入力のそれぞれの入力に対して、入力制限をかける処理は、次のような場合にも、CPU112が自動的に適用することも可能である。例えば、CPU112がプリンタI/F145を介してプリンタ部300の状態を監視しているときや、プリンタ部300に対する調整動作を行ったときに、CPU112が自動的に、入力制限をかける処理を適用することも可能である。
【0193】
但し、この処理を実現するためには、DRAM116の起動モード保存領域1504に書き込まれた所定値が電源OFF/ONにかかわらず、その値を保持し続けることができる状態で、ユーザが操作部150を介する指示を与える必要がある。つまり、CPU112は、DRAM116の起動モード保存領域1504に対して、あらかじめ管理者モード起動フラグを動作させることを設定する必要がある。
【0194】
以上、本発明の特徴をまとめると、次のようなことが言える。
【0195】
本発明の特徴は、画像入出力システムに対する、通常の電源投入と管理者用の電源投入の2種類の電源投入機能を構成する。そして、管理者用の電源投入時には、画像入出力システムのウォームアップ中、ウォームアップ終了後もユーザによる操作部からのオペレーションの禁止、プリンタジョブの投入等の各種操作や処理を制限する(図18)。
【0196】
管理者用の電源投入は、例えば、以下のようにする。
【0197】
(1)主電源スイッチ308による電源投入後の、操作部150のキー入力部1601上の所定のキー操作時
(2)携帯電話、携帯端末、ホストコンピュータ401や402の外部装置による電話回線経由(またはネットワーク経由)からの電源投入要求時
(3)前回の電源OFF時に、管理者モード起動フラグを記憶しておける場合で、次回の電源投入時
管理者用の電源投入後は、管理者による操作により、ユーザに対するジョブの投入の制限を解除することができる。つまり、画像入出力システムの起動後に調整が必要な場合に所定の方法により管理者用の電源投入を行い、操作部150上のタッチパネル部601の操作画面のロックやプリント処理を禁止する。これにより、ユーザがシステム調整前のシステムでのコピー操作やプリント動作を禁止することが可能となる。
【0198】
以上、実施形態例を詳述したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0199】
尚、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(実施形態では図に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
【0200】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0201】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であっても良い。
【0202】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスクがある。また、更に、記録媒体としては、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などがある。
【0203】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、その接続先のホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0204】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0205】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。また、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0206】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0207】
【図1】本発明の実施形態1の画像入出力システムの全体構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態1のリーダー部及びプリンタ部の詳細構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態1のリーダー画像処理部の詳細構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態1の制御装置の詳細構成を示す図である。
【図5】本発明の実施形態1のスキャナI/Fの画像処理部の詳細構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施形態1のACS(オートカラーセレクト)カウント部の詳細構成を示す図である。
【図7】本発明の実施形態1のプリンタI/Fの画像処理部の詳細構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施形態1のGraphic Processorの詳細構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施形態1の画像回転部の動作を説明するための図である。
【図10】本発明の実施形態1の画像回転部の動作を説明するための図である。
【図11】本発明の実施形態1のPDL画像出力の手順を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施形態1のコピー画像出力の手順を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施形態1の操作部の一例を示す図である。
【図14】本発明の実施形態1のキー入力による操作管理制御のフローを示すフローチャートである。
【図15】本発明の実施形態1のDRAM上の記憶領域の配置例を示す図である。
【図16】本発明の実施形態2のネットワーク経由での電源投入時の操作管理制御のフローを示すフローチャートである。
【図17】本発明の実施形態3の電源投入時の操作管理制御のフローを示すフローチャートである。
【図18】本発明の特徴を説明するための図である。
【符号の説明】
【0208】
100 画像入出力システム
110 制御装置
200 リーダ部
210 スキャナユニット
250 原稿給紙ユニット
300 プリンタ部
310 マーキングユニット
360 給紙ユニット
370 排紙ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像出力部、ネットワーク上の外部装置とのデータ通信を行う通信部、情報を表示しかつ指示を入力するための操作部とを備え、電源投入後の所定期間中の通常動作を禁止するために、管理者モードと非管理者モードとを適応的に切り替えて動作する画像出力装置であって、
前記管理者モードで起動することを示すフラグを記憶するための記憶手段と、
当該画像出力装置の電源投入後の前記画像出力部の状態を監視する監視手段と、
前記記憶手段上の前記フラグの有無を判定する判定手段と、
前記判定手段の判定の結果、前記フラグが前記記憶手段上に存在する場合、前記操作部及び前記通信部からの入力を制限する管理者モードを実行する第1実行手段と、
前記管理者モード実行中に、前記監視手段の監視の結果、前記画像出力部が出力可能な状態になった後、前記管理者モードから前記非管理者モードへの移行の指示入力がある場合、前記入力の制限を解除して前記操作部及び前記通信部からの入力を許可する非管理者モードを前記管理者モードから切り替えて実行する第2実行手段と
を備えることを特徴とする画像出力装置。
【請求項2】
前記操作部からの入力を制限する第1制限手段と、
前記通信部からの入力を制限する第2制限手段とを更に備え、
前記第1実行手段は、前記管理者モードとして、前記第1及び第2制限手段による制限を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像出力装置。
【請求項3】
前記第1制限手段による制限を解除する第1解除手段と
前記第2制限手段による制限を解除する第2解除手段とを更に備え、
前記第2実行手段は、前記非管理者モードとして、前記第1及び第2解除手段による解除を実行する
ことを特徴とする請求項2に記載の画像出力装置。
【請求項4】
前記フラグを前記記憶手段に設定する設定手段を更に備える
ことを特徴とする請求項1に記載の画像出力装置。
【請求項5】
前記設定手段は、当該画像出力装置の電源投入後の前記操作部を介する所定の操作に基づいて、前記フラグを前記記憶手段に設定する
ことを特徴とする請求項4に記載の画像出力装置。
【請求項6】
前記通信部を介して、前記ネットワーク上の外部装置より当該画像出力の電源投入指示要求を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した前記外部装置の識別情報と、当該画像出力装置に予め登録されている識別情報とを比較する比較手段とを更に備え、
前記設定手段は、前記比較手段の比較結果に基づいて、前記フラグを前記記憶手段に設定する
ことを特徴とする請求項4に記載の画像出力装置。
【請求項7】
前記記憶手段は、不揮発性メモリであり、
前記設定手段は、当該画像出力装置の電源切断時の前記操作部を介する所定の操作に基づいて、前記フラグを前記記憶手段に設定する
ことを特徴とする請求項4に記載の画像出力装置。
【請求項8】
当該画像出力装置の画像出力部の出力調整を指示する指示手段を更に備え、
前記指示手段による指示がある場合、前記設定手段は、前記フラグを前記記憶手段に設定し、
前記判定手段の判定の結果、前記フラグが前記記憶手段上に存在し、かつ前記指示手段により前記出力調整の終了の指示入力がある場合、前記操作部及び前記通信部からの入力を制限する管理者モードを実行する
ことを特徴とする請求項4に記載の画像出力装置。
【請求項9】
前記管理者モードが実行中である場合、そのことを示す情報を前記操作部が有する表示部に表示する表示制御手段を更に備える
ことを特徴とする請求項1に記載の画像出力装置。
【請求項10】
画像出力部、ネットワーク上の外部装置とのデータ通信を行う通信部、情報を表示しかつ指示を入力するための操作部とを備え、電源投入後の所定期間中の通常動作を禁止するために、管理者モードと非管理者モードとを適応的に切り替えて動作する画像出力装置の制御方法であって、
前記画像出力装置の電源投入後の前記画像出力部の状態を監視する監視工程と、
記憶部上において、前記管理者モードで起動することを示すフラグの有無を判定する判定工程と、
前記判定工程の判定の結果、前記フラグが前記記憶部上に存在する場合、前記操作部及び前記通信部からの入力を制限する管理者モードを実行する第1実行工程と、
前記管理者モード実行中に、前記監視工程の監視の結果、前記画像出力部が出力可能な状態になった後、前記管理者モードから前記非管理者モードへの移行の指示入力がある場合に、前記入力の制限を解除して前記操作部及び前記通信部からの入力を許可する非管理者モードを前記管理者モードから切り替えて実行する第2実行工程と
を備えることを特徴とする画像出力装置の制御方法。
【請求項11】
画像出力部、ネットワーク上の外部装置とのデータ通信を行う通信部、情報を表示しかつ指示を入力するための操作部とを備え、電源投入後の所定期間中の通常動作を禁止するために、管理者モードと非管理者モードとを適応的に切り替えて動作する画像出力装置の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記画像出力装置の電源投入後の前記画像出力部の状態を監視する監視工程と、
記憶部上において、前記管理者モードで起動することを示すフラグの有無を判定する判定工程と、
前記判定工程の判定の結果、前記フラグが前記記憶部上に存在する場合、前記操作部及び前記通信部からの入力を制限する管理者モードを実行する第1実行工程と、
前記管理者モード実行中に、前記監視工程の監視の結果、前記画像出力部が出力可能な状態になった後、前記管理者モードから前記非管理者モードへの移行の指示入力がある場合に、前記入力の制限を解除して前記操作部及び前記通信部からの入力を許可する非管理者モードを前記管理者モードから切り替えて実行する第2実行工程と
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2007−106089(P2007−106089A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−302166(P2005−302166)
【出願日】平成17年10月17日(2005.10.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】