説明

画像印刷装置

【課題】 複数の印刷モードが存在する印刷装置において、複数の印刷モードに対する画像の指定方法を切り替えることなく、複数の印刷モードに対応した画像指定を簡単に行うこと。
【解決手段】 本発明は、画像の指定回数によって指定の種類を変更することにより、印刷モードを切り替えることなく複数の印刷モードに対応する印刷指定を簡単に行うことが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像に対して複数種類の印刷を行う際に印刷指定を簡単に行うための印刷指定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の印刷画像指定方法には、画像を指定するための選択情報を各モードに応じた表示形態で表示手段に表示させる制御手段を備えたものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−94426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術によると、画像を指定するためにはまず複数のモードからモードを選択しモードを切り替えた上で画像指定を行うため、使用者にはモードを切り替える手間は発生してしまう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る画像印刷装置は、複数の印刷を行う印刷手段と、印刷画像を指定する手段を持ち、モードごとに印刷指定画像を指定する際、画像を指定する回数によって複数の印刷モードに対応した画像の指定を判別することを可能とする画像印刷装置である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、使用者がモードを切り替えることなく、複数の印刷モードに対応した画像指定を簡単に行うことができる。
【0007】
また、複数の印刷の種類に対応した画像指定情報から、自動プリントファイルと自動送信ファイルを作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一、二実施形態に係る印刷装置の構成を表すブロック図である。
【図2】本発明の一、二実施形態に係る印刷装置の操作部である。
【図3】本発明の一実施形態に係る印刷装置の画像に対する印刷指定の流れを示すフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態に係る印刷指定画像の処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態に係る画像選択画面である。
【図6】本発明の一実施形態に係る印刷装置の印刷確認画面である。
【図7】本発明の一実施形態に係る印刷装置で印刷された印刷結果の例である。
【図8】本発明の二実施形態に係る印刷装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の二実施形態に係る印刷指定画像を用いた自動プリントファイルと自動送信ファイルの例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】
[実施例1]
図1は本発明の一実施形態に係る印刷装置の構成を表すブロック図である。
【0011】
バス101は各ブロックを接続するバスで、ブロック間のデータのやり取りはバスを通して行われる。
【0012】
IO制御部103はメモリカード102へのデータの読み書きを制御している。
【0013】
メモリカードはバス101に直接接続できないのでIO制御部103を通して各ブロックとデータのやり取りを行う。
【0014】
104は画像再生部である。画像再生部ではIO制御部103を通してメモリカード102に保持されている画像データを読み出し、デコード処理を行って表示可能な形式に変換したあと、表示制御部106に画像を表示する。
【0015】
メモリカード102内の画像はユニークな識別番号(以下画像ID)によって管理識別を行う。
【0016】
画像再生部104において再生された画像をユーザーが印刷目的で選択した場合は、画像選択部105によって画像選択処理を行う。
【0017】
印刷画像制御部107は画像選択部105において選択された画像を印刷モードごとに判別する。
【0018】
フォトブックレイアウト部108は、印刷画像制御部においてフォトブック印刷用と判別された画像をもとに自動レイアウトを行う。
【0019】
印刷指定ファイル作成部109は、印刷画像制御部107において判別された画像指定情報をもとに、通常印刷用の自動プリントファイルとフォトブック用の自動送信ファイルに分けて作成する。
【0020】
表示制御部106は各ブロックからの表示要求に対応してLCD2005に表示する表示画面データを作成し、LCD2005に表示画面を表示させるための制御を行う。
【0021】
印刷部113は印刷データ生成部112によって生成された印刷データの各ブロックからの印刷要求に対応し、レイアウトデータ、画像データを印刷用のデータに変換する。印刷データはイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3色から構成され用紙一枚分のサイズのY/M/C各色のデータを順次作成し、Y/M/C各色の印刷データを、印刷用紙に印刷する。
【0022】
GUI操作部110は図2に示すような操作部材および表示装置(LCD2005)から構成されている。
【0023】
また、これらの各ブロックは、CPU(不図示)によって制御される。CPUはプログラムメモリ(不図示)からプログラムコードを読み出し、プログラムに基づいて各ブロックの制御を行う。
【0024】
図2は本発明の一実施形態に係る印刷装置の操作部である。
【0025】
操作パネル2001上に各操作部材と表示装置(LCD)が配置されている。
【0026】
2002はPOWERボタンで本システムの電源の入切に使用される。
【0027】
2003はEDITボタンでトリミング印刷や印刷設定の変更、画像の編集に使用される。
【0028】
2004はMENUボタンでメニューの表示に使用される。
2005は表示装置(LCD)は、画像の表示、各種アイコン、印刷設定の表示などに使用される。
【0029】
2006は拡大ボタンで表示画像の拡大や、表示モードの切り換えに使用される。
【0030】
2007は縮小ボタンで拡大再生中の画像の拡大率を下げる、表示モードの切り換えに使用される。
【0031】
2008はPRINTボタンで印刷の開始に使用される。
【0032】
図3は本発明の一実施形態に係る印刷装置の画像に対する印刷指定の流れを示すフローチャートである。
【0033】
これらの処理は、CPU(不図示)の制御のもとでおこなわれる。
【0034】
POWERボタン2002を押すと本印刷装置が起動し、IO制御部103がメモリカード102内の画像を読み込む。画像再生部106がメモリカード102内の画像をLCD2005に表示を行う。
【0035】
印刷装置の起動時には、日付の新しい最新の画像をLCD2005に表示する。本発明の実施例ではLCD2005はタッチパネルとして説明を行うが必ずしもタッチパネルである必要はない。
【0036】
画像送りはLCD上に表示された上下左右ボタン(図不示)を使用して行う。上下左右ボタンを使用して指定する画像を表示したのち、画像の指定を行う(ステップS301)。画像の指定は画像をタッチすることで行うが、タッチパネルでない場合や操作部に+−ボタンなどの画像を指定する部材がある場合はそれを使用してもよい。
【0037】
指定した画像がすでに指定されている画像かどうかを判断する(ステップS302)。指定した画像が未指定の画像だった場合はチェックマークを表示する(ステップS303)。数字以外ならチェックマーク以外で表現してもよい。指定した画像がチェックマーク指定されていた場合は枚数指定を行う(ステップS304)。指定した画像に枚数指定がされていた場合は、すでに指定されている指定枚数に+1を行い、1ずつ枚数指定を増やしていく。
【0038】
所望の画像指定が終了するまで画像の選択、指定を続ける(ステップS305)。
【0039】
図4は本発明の一実施形態に係る印刷装置で指定した印刷指定画像の処理の流れを示すフローチャートである。
【0040】
印刷画像制御部107で印刷画像を指定方法によって画像の判別を行い、その結果に基づいて印刷データ生成部112により印刷データの生成が行われる。
【0041】
ステップS401で印刷指定されている画像があるかどうかを判断する。ステップS402で印刷指定されている画像がチェックかどうかを判定し、チェック指定の画像の場合はフォトブック用の画像として指定する(ステップS403)。印刷枚数指定の画像の場合は、通常の印刷用指定画像として指定する(ステップS404)。
【0042】
指定画像の振り分けは未仕分けの印刷指定画像がなくなるまで続ける(ステップS405)。指定画像の振り分けが終了したら、フォトブック用の指定画像があるかどうかを判別する(ステップS406)。フォトブック用の指定画像があった場合はフォトブックレイアウト部108により、フォトブックの自動レイアウトを行う。その後、印刷処理を行う(ステップS408)。
【0043】
図5は本発明の一実施形態に係る印刷装置の画像選択画面である。
【0044】
図5(a)はマルチ表示、図5(b)はシングル表示の画像選択画面の例である。図5(a)は複数画像を表示し、一度に多くの画像を確認しながら画像の指定が可能である。画像をタッチして画像の選択を行う。
【0045】
画像をタッチする回数によって、指定なし→チェックマーク指定→1枚指定→2枚指定・・・と指定を変更していく。図5(b)のように画像を1枚ずつ表示して選択することも可能である。図5(b)のように+−ボタンが付いている場合は+−ボタンで画像を指定してもいいし、画像をタッチすることで画像を指定してもよい。
【0046】
図6(a)は印刷指定指定後、印刷指定画像を確認するための印刷確認画面である。印刷画面では指定を行った画像の指定情報を確認することができる。チェックマーク指定画像がある場合は、印刷確認画面から図6(b)のようにフォトブックの自動レイアウトを確認することも可能である。
【0047】
図7(a)はチェックマーク画像のみをフォトブック用画像として指定した場合のフォトブックの印刷結果である。また、図7(b)のようにチェックマークと枚数指定されたものをフォトブック用画像指定としてフォトブックを作成してもよい。
【0048】
図7(c)は枚数指定を行った画像の印刷結果である。この例では印刷レイアウト設定はすべて1面配置となっているため、指定画像が印刷枚数分印刷されるが、印刷設定が1面配置以外の場合はこの通りではない。
【0049】
[実施例2]
図8は本発明の二実施形態に係る印刷装置の動作を示すフローチャートである。
【0050】
ステップS801で指定画像があるかどうかを判別する。指定画像があった場合、その指定がチェックマークか枚数指定かによって以降の処理を変更する(ステップS802)。チェック指定の画像だった場合は自動送信ファイル用の画像として記憶しておく(ステップS803)。一方チェック指定でなく枚数指定の画像であった場合は、自動プリントファイル用の画像として記憶しておく(ステップS804)。指定済みの画像の判別が終了するまでステップS802からステップS804を繰り返す(ステップS805)。印刷指定画像の処理がすべて終了したら、ステップS802で振り分けた画像で自動送信ファイルと自動プリントファイルを作成する(ステップS806)。フォトブック用の画像をチェックマーク指定と枚数指定画像の両方にした場合は、チェックマーク指定画像と枚数指定画像で自動送信ファイルを作成する。
【0051】
ステップS806で作成した自動送信ファイルを画像ファイルと一緒にメモリカードに入れ、本印刷装置以外の印刷装置、たとえばフォトブック作成端末などで再生すると、1から画像指定を行うことなく所望の画像で簡単にフォトブックを作成することが可能となる。
【0052】
ステップS806で作成した自動プリントファイルを用いることで、本印刷装置で設定した画像指定、指定枚数の設定と同じ設定で本印刷装置以外の印刷装置でも印刷を行うことができる。
【0053】
図9(a)は本発明の二実施形態に係る印刷装置で作成した自動送信ファイルの例である。1つのジョブがフォトブック1つ分の画像指定となる。自動送信ファイルには、DPOFバージョン、画像を撮影したカメラの機種名、自動送信ファイルが作成された日付情報、ジョブ番号、EXIFのフォーマット情報、画像指定が記載されている。必要があれば、自動送信ファイルのフォーマットにのっとり情報を追加することもできる。
【0054】
図9(b)は本発明の二実施形態に係る印刷装置で作成した自動プリントファイルの例である。自動プリントファイルには、DPOFバージョン、画像を撮影したカメラの機種名、自動プリントファイルが作成された日付情報、印刷ジョブのジョブ番号、印刷タイプ、印刷枚数情報、EXIFのフォーマット情報、画像指定が記載されている、必要があれば、自動プリントファイルのフォーマットにのっとり情報を追加することもできる。
【0055】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。上述の実施形態の一部を適宜組み合わせてもよい。また、上述の実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、記録媒体から直接、或いは有線/無線通信を用いてプログラムを実行可能なコンピュータを有するシステム又は装置に供給し、そのプログラムを実行する場合も本発明に含む。従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータに供給、インストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も本発明に含まれる。その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、ハードディスク、磁気テープ等の磁気記録媒体、光/光磁気記憶媒体、不揮発性の半導体メモリでもよい。また、プログラムの供給方法としては、コンピュータネットワーク上のサーバに本発明を形成するコンピュータプログラムを記憶し、接続のあったクライアントコンピュータはがコンピュータプログラムをダウンロードしてプログラムするような方法も考えられる。
【符号の説明】
【0056】
101 各ブロックを接続するバス
102 IO制御部
103 画像再生部
104 画像加工部
105 画像選択部
106 表示制御部
107 印刷画像制御部
108 フォトブックレイアウト部
109 印刷指定ファイル作成部
109 印刷指定ファイル作成部
110 GUI制御部
111 GUI操作部
112 印刷データ生成部
113 印刷部
2001 操作パネル
2002 POWERボタン
2003 EDITボタン
2004 DISPボタン
2005 LCD
2006 拡大ボタン
2007 縮小ボタン
2008 印刷ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の印刷を行う印刷手段と、印刷画像を指定する手段を持ち、モードごとに印刷指定画像を指定する際、画像を指定する回数によって複数の印刷モードに対応した画像の指定を判別することを可能とする画像印刷装置。
【請求項2】
前記印刷画像の指定手段は、1回目の指定をあらかじめ定めておいた印刷モードの印刷指定画像として割り当て、2回目以降は、通常の印刷指定画像として1枚指定から順に指定されるたびに指定枚数を増やしていくことを特徴とする請求項1に記載の画像印刷装置。
【請求項3】
前記指定した印刷画像の1回目に指定された画像にチェックマークをつけることを特徴とする請求項2に記載の画像印刷装置。
【請求項4】
前記指定した印刷指定画像の1回目に指定された画像をフォトブック指定画像とし、枚数指定された画像を通常の印刷用画像として印刷する請求項2に記載の画像印刷装置。
【請求項5】
前記指定した印刷指定画像の1回目に指定された画像と、枚数指定された画像をフォトブック指定画像とし、枚数指定された画像を通常の印刷用画像として印刷する請求項2に記載の画像印刷装置。
【請求項6】
複数の印刷モード用に指定された画像指定情報で、自動プリントファイルと、自動送信ファイルを作成することを特徴とする請求項1に記載の画像印刷装置。
【請求項7】
自動送信ファイルには、1回目に指定された画像の情報を記載し、自動プリントファイルには、枚数指定された画像情報を記載することを特徴とする請求項6に記載の画像印刷装置。
【請求項8】
自動送信ファイルには、1回目に指定された画像の情報と枚数指定された画像情報を記載し、自動プリントファイルには、枚数指定された画像情報を記載することを特徴とする請求項6に記載の画像印刷装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−144006(P2012−144006A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−5666(P2011−5666)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】