説明

画像形成システム、並びに画像形成装置及び画像処理装置

【課題】 低コストのもとに複数の装置の状態を適切に表示することができる画像形成システムを提供する。
【解決手段】 画像形成システム10は、単独で動作するプリンタ装置20と単独で動作するスキャナ装置30とを接続して構成される。スキャナ装置30は、プリンタ装置20の可動レベル情報に対応した当該プリンタ装置20の状態メッセージをNVRAM34に記憶しており、主制御部31の制御のもとに、プリンタ装置20から取得した可動レベル情報に基づいて、当該プリンタ装置20の状態を表す複数の状態メッセージの中から適切な状態メッセージを表示部32bに表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿画像を光学的に読み取る機能と記録媒体に対して画像を形成する機能とを複合した画像形成システム及び画像形成装置に関する。また、本発明は、所定の記録媒体に対する画像形成を行う機能を有する画像形成装置、及び原稿画像を光学的に読み取る機能を有する画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ホストコンピュータ、画像を光学的に読み取るスキャナ装置、及び記録媒体に対して画像を形成するプリンタ装置を組み合わせることにより、スキャナ機能及びプリンタ機能に加え、複写機能を実現する画像形成システムが構築されている。かかる画像形成システムとしては、スキャナ装置及びプリンタ装置のそれぞれの状態を提示するための表示部を設けたものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開平8−297388号公報
【0004】
具体的には、この特許文献1には、原稿画像を光学的に読み取るスキャナユニットと、記録紙に画像を形成するプリンタユニットと、これらスキャナユニット及びプリンタユニットを制御する制御ユニットとを有した画像形成装置が開示されている。特に、この画像形成装置において、プリンタユニット及びスキャナユニットは、それぞれ別体の筐体に納められた装置であり、スキャナユニットには、スキャナユニット及びプリンタユニットのエラー及びステータスの表示を行うとともに、当該画像形成装置全体の操作入力を行うための操作表示手段が配置されており、プリンタユニットには、プリンタユニットのエラー及びステータスの表示を行う表示手段が配置されている。これにより、この画像形成装置においては、エラーやステータスの対象となるユニットの判別を容易にして、利便性を向上させることができるとしている。
【0005】
しかしながら、このようにスキャナ装置及びプリンタ装置のそれぞれの状態を提示するための表示部を設けた画像形成システムにおいては、例えば複写機能を利用したい場合には、スキャナ装置及びプリンタ装置の両方の稼働状態をそれぞれの表示部を用いて確認する必要があり、使い勝手が悪いという問題があった。
【0006】
そこで、かかる問題を解決するために、近年では、スキャナ装置の表示部に自機のみの状態表示を行わせるのみならず、当該スキャナ装置によってプリンタ装置の状態を取得し、これを表示させる画像形成システムが提案されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、スキャナ装置の表示部にプリンタ装置の状態表示情報を表示させる従来の画像形成システムにおいては、スキャナ装置の表示部として、当該スキャナ装置の状態を表示するための表示領域に加え、プリンタ装置の様々な状態を表示することを可能とする表示領域を備える必要がある。そのため、かかる画像形成システムにおいては、スキャナ装置の表示部の大型化や、状態に対応した絵文字(アイコン)等を表示させる複雑な構成が要求され、コストの高騰を招来するという問題があった。
【0008】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、低コストのもとに複数の装置の状態を適切に表示することができる画像形成システム及び画像形成装置を提供することを目的とする。また、本発明は、この画像形成システムに用いられる画像形成装置及び画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成する本発明にかかる画像形成システムは、原稿画像を光学的に読み取る機能を有する画像処理装置と所定の記録媒体に対する画像形成を行う機能を有する画像形成装置とを接続して構成される画像形成システムであって、前記画像形成装置は、当該画像形成装置の状態を表す画像形成状態情報を表示する第1の表示手段と、複数の前記画像形成状態情報と、これら画像形成状態情報のうち前記第1の表示手段に表示させる画像形成状態情報を選択するために用いる可動レベル情報とを対応付けて記憶する第1の記憶手段と、前記画像処理装置に対して接続するための第1のインターフェース手段と、前記画像処理装置から前記第1のインターフェース手段を介して受信した画像データを前記記録媒体に対して形成する画像形成手段と、当該画像形成装置の状態と前記第1の記憶手段に記憶されている可動レベル情報とに基づいて、前記第1の記憶手段に記憶されている複数の前記画像形成状態情報の中から前記第1の表示手段に表示させる画像形成状態情報を選択する第1の制御手段とを備え、前記画像処理装置は、当該画像処理装置の状態を表す画像処理状態情報を表示する第2の表示手段と、複数の前記画像処理状態情報と、これら画像処理状態情報のうち前記第2の表示手段に表示させる画像処理状態情報を選択するために用いる可動レベル情報とを対応付けて記憶する第2の記憶手段と、前記画像形成装置の可動レベル情報に対応した画像形成状態情報を記憶する第3の記憶手段と、前記第3の記憶手段に記憶されている画像形成状態情報を表示する第3の表示手段と、前記画像形成装置に対して接続するための第2のインターフェース手段と、画像を読み取り、得られた画像データを前記第2のインターフェース手段を介して前記画像形成装置に対して送信する画像読み取り手段と、前記画像形成装置の可動レベル情報を取得する可動レベル情報取得手段と、当該画像処理装置の状態と前記第2の記憶手段に記憶されている可動レベル情報とに基づいて、当該第2の記憶手段に記憶されている複数の前記画像処理状態情報の中から前記第2の表示手段に表示させる画像処理状態情報を選択するとともに、前記可動レベル情報取得手段によって取得した前記画像形成装置の可動レベル情報に基づいて、前記第3の記憶手段に記憶されている複数の前記画像形成状態情報の中から前記第3の表示手段に表示させる画像形成状態情報を選択する第2の制御手段とを備えることを特徴としている。
【0010】
このような本発明にかかる画像形成システムにおいては、画像処理装置の表示手段に、当該画像処理装置の状態情報に加え、接続された他の装置である画像形成装置の状態情報をも可動レベル情報に基づいて表示することにより、簡便な構成でありながら低コストのもとに、これら画像処理装置及び画像形成装置の連携による機能が利用可能であるか否かを、ユーザに極めて容易に判断させることができる。
【0011】
ここで、前記可動レベル情報は、前記画像形成装置及び/又は前記画像処理装置にて発生している複数の状態についてユーザに報知する優先順位を表すパラメータを含む。また、前記可動レベル情報は、対応する状態が発生しているときに前記画像形成装置及び/又は前記画像処理装置の機能が利用可能であるか否かを表すパラメータをさらに含むのが望ましい。
【0012】
また、前記第3の表示手段には、少なくとも前記画像形成装置の機能が利用可能であるか否かを示す画像形成状態情報が表示されるのが望ましい。これにより、本発明にかかる画像形成システムにおいては、画像形成装置の全ての状態情報を表示する表示領域を画像処理装置に設ける必要がなく、また、当該画像形成装置における表示手段に表示される全ての状態情報を画像処理装置側に記憶させておく必要もなく、さらに、状態に対応した絵文字(アイコン)等を表示させる複雑な構成とする必要もないことから、コストの低減を図ることができる。
【0013】
なお、前記画像形成装置及び前記画像処理装置は、それぞれ、単独で動作する個別の装置として構成されるものである。
【0014】
また、上述した目的を達成する本発明にかかる画像処理装置は、原稿画像を光学的に読み取る機能を有する画像処理装置であって、当該画像処理装置の状態を表す画像処理状態情報を表示する第1の表示手段と、複数の前記画像処理状態情報と、これら画像処理状態情報のうち前記第1の表示手段に表示させる画像処理状態情報を選択するために用いる可動レベル情報とを対応付けて記憶する第1の記憶手段と、所定の記録媒体に対する画像形成を行う機能を有する画像形成装置に対して接続するためのインターフェース手段と、画像を読み取り、得られた画像データを前記インターフェース手段を介して前記画像形成装置に対して送信する画像読み取り手段と、前記インターフェース手段を介して接続された前記画像形成装置の状態を表す画像形成状態情報のうち当該画像形成装置の表示手段に表示させる画像形成状態情報を選択するために用いる可動レベル情報に対応した画像形成状態情報を記憶する第2の記憶手段と、前記第2の記憶手段に記憶されている画像形成状態情報を表示する第2の表示手段と、前記画像形成装置の可動レベル情報を取得する可動レベル情報取得手段と、当該画像処理装置の状態と前記第1の記憶手段に記憶されている可動レベル情報とに基づいて、当該第1の記憶手段に記憶されている複数の前記画像処理状態情報の中から前記第1の表示手段に表示させる画像処理状態情報を選択するとともに、前記可動レベル情報取得手段によって取得した前記画像形成装置の可動レベル情報に基づいて、前記第2の記憶手段に記憶されている複数の前記画像形成状態情報の中から前記第2の表示手段に表示させる画像形成状態情報を選択する制御手段とを備えることを特徴としている。
【0015】
このような本発明にかかる画像処理装置は、表示手段に、自機の状態情報に加え、接続された他の装置である画像形成装置の状態情報をも可動レベル情報に基づいて表示することにより、簡便な構成でありながら低コストのもとに、これら画像処理装置及び画像形成装置の連携による機能が利用可能であるか否かを、ユーザに極めて容易に判断させることができる。
【0016】
さらに、上述した目的を達成する本発明にかかる画像形成システムは、原稿画像を光学的に読み取る機能を有する画像処理装置と所定の記録媒体に対する画像形成を行う機能を有する画像形成装置とを接続して構成される画像形成システムであって、前記画像形成装置は、当該画像形成装置の状態を表す画像形成状態情報を表示する第1の表示手段と、複数の前記画像形成状態情報と、これら画像形成状態情報のうち前記第1の表示手段に表示させる画像形成状態情報を選択するために用いる可動レベル情報とを対応付けて記憶する第1の記憶手段と、前記画像処理装置の状態を表す複数の画像処理状態情報と、これら画像処理状態情報のうち当該画像処理装置の表示手段に表示させる画像処理状態情報を選択するために用いる可動レベル情報とを対応付けて記憶する第2の記憶手段と、前記画像形成装置の可動レベル情報に対応した画像形成状態情報を記憶する第3の記憶手段と、前記画像処理装置に対して接続するための第1のインターフェース手段と、前記画像処理装置から前記第1のインターフェース手段を介して受信した画像データを前記記録媒体に対して形成する画像形成手段と、前記画像処理装置から前記第1のインターフェース手段を介して当該画像処理装置の状態を取得する画像処理装置状態取得手段と、当該画像形成装置の状態と前記第1の記憶手段に記憶されている可動レベル情報とに基づいて、前記第1の記憶手段に記憶されている複数の前記画像形成状態情報の中から前記第1の表示手段に表示させる画像形成状態情報を選択する制御手段とを備え、前記画像処理装置は、当該画像処理装置の状態を表す画像処理状態情報を表示する第2の表示手段と、前記画像形成装置に対して接続するための第2のインターフェース手段と、画像を読み取り、得られた画像データを前記第2のインターフェース手段を介して前記画像形成装置に対して送信する画像読み取り手段と、前記第3の記憶手段に記憶されている画像形成状態情報を表示する第3の表示手段とを備え、前記制御手段は、前記画像処理装置状態取得手段によって取得した前記画像処理装置の状態と前記第2の記憶手段に記憶されている可動レベル情報とに基づいて、当該第2の記憶手段に記憶されている複数の前記画像処理状態情報の中から前記第2の表示手段に表示させる画像処理状態情報を選択するとともに、前記第1の記憶手段に記憶されている可動レベル情報に基づいて、前記第3の記憶手段に記憶されている複数の前記画像形成状態情報の中から前記第3の表示手段に表示させる画像形成状態情報を選択することを特徴としている。
【0017】
このような本発明にかかる画像形成システムにおいては、画像形成装置に接続された他の装置である画像処理装置の表示手段に、当該画像処理装置の状態情報に加え、画像形成装置の状態情報をも可動レベル情報に基づいて表示することにより、簡便な構成でありながら低コストのもとに、これら画像処理装置及び画像形成装置の連携による機能が利用可能であるか否かを、ユーザに極めて容易に判断させることができる。
【0018】
なお、前記画像処理装置は、単独で動作する前記画像形成装置に対して着脱可能に接続される単独で動作しない装置として構成されるものである。
【0019】
さらにまた、上述した目的を達成する本発明にかかる画像形成装置は、所定の記録媒体に対する画像形成を行う機能を有する画像形成装置であって、当該画像形成装置の状態を表す画像形成状態情報を表示する表示手段と、複数の前記画像形成状態情報と、これら画像形成状態情報のうち前記表示手段に表示させる画像形成状態情報を選択するために用いる可動レベル情報とを対応付けて記憶する第1の記憶手段と、原稿画像を光学的に読み取る機能を有する画像処理装置に対して接続するための第1のインターフェース手段と、前記画像処理装置から前記第1のインターフェース手段を介して受信した画像データを前記記録媒体に対して形成する画像形成手段と、前記画像処理装置から前記第1のインターフェース手段を介して当該画像処理装置の状態を取得する画像処理装置状態取得手段と、前記インターフェース手段を介して接続された前記画像処理装置の状態を表す複数の画像処理状態情報と、これら画像処理状態情報のうち当該画像処理装置の表示手段に表示させる画像処理状態情報を選択するために用いる可動レベル情報とを対応付けて記憶する第2の記憶手段と、前記画像形成装置の可動レベル情報に対応した画像形成状態情報を記憶する第3の記憶手段と、当該画像形成装置の状態と当該第1の記憶手段に記憶されている可動レベル情報とに基づいて、当該第1の記憶手段に記憶されている複数の前記画像形成状態情報の中から当該画像形成装置の前記表示手段に表示させる画像形成状態情報を選択し、さらに、前記画像処理装置状態取得手段によって取得した前記画像処理装置の状態と前記第2の記憶手段に記憶されている可動レベル情報とに基づいて、当該第2の記憶手段に記憶されている複数の前記画像処理状態情報の中から前記画像処理装置の表示手段に表示させる画像処理状態情報を選択するとともに、前記第1の記憶手段に記憶されている可動レベル情報に基づいて、前記第3の記憶手段に記憶されている複数の前記画像形成状態情報の中から前記画像処理装置の表示手段に表示させる画像形成状態情報を選択する制御手段とを備えることを特徴としている。
【0020】
このような本発明にかかる画像形成装置は、接続された他の装置である画像処理装置の表示手段に、当該画像処理装置の状態情報に加え、画像形成装置の状態情報をも可動レベル情報に基づいて表示させる。これにより、本発明にかかる画像形成装置においては、簡便な構成でありながら低コストのもとに、これら画像処理装置及び画像形成装置の連携による機能が利用可能であるか否かを、ユーザに極めて容易に判断させることができる。
【0021】
さらに、上述した目的を達成する本発明にかかる画像形成装置は、所定の記録媒体に対する画像形成を行う画像形成手段と、原稿画像を光学的に読み取る画像読み取り手段と、前記画像形成手段の状態を表す画像形成状態情報を表示する第1の表示手段と、複数の前記画像形成状態情報と、これら画像形成状態情報のうち前記第1の表示手段に表示させる画像形成状態情報を選択するために用いる可動レベル情報とを対応付けて記憶する第1の記憶手段と、前記画像読み取り手段の状態を表す画像処理状態情報を表示する第2の表示手段と、複数の前記画像処理状態情報と、これら画像処理状態情報のうち前記第2の表示手段に表示させる画像処理状態情報を選択するために用いる可動レベル情報とを対応付けて記憶する第2の記憶手段と、前記画像形成手段の状態と前記第1の記憶手段に記憶されている可動レベル情報とに基づいて、当該第1の記憶手段に記憶されている複数の前記画像形成状態情報の中から前記第1の表示手段に表示させる画像形成状態情報を選択するとともに、前記画像読みとり手段の状態と前記第2の記憶手段に記憶されている可動レベル情報とに基づいて、当該第2の記憶手段に記憶されている複数の前記画像処理状態情報の中から前記第2の表示手段に表示させる画像処理状態情報を選択する制御手段とを備えることを特徴としている。
【0022】
このような本発明にかかる画像形成装置は、画像形成機能と画像読み取り機能とをあわせて実現する一体化された装置として構成される。そして、本発明にかかる画像形成装置は、機能毎に状態情報をグループ化し、機能毎に可動レベル情報にしたがって1つ又は複数の状態を表示手段に表示する。これにより、本発明にかかる画像形成装置においては、表示内容が特定の機能に関するものに偏ってしまい、他の機能の状態表示を行うことができなくなってしまうことを回避することができ、また、表示手段に表示している状態情報に対応した可動レベル情報に基づいて、各機能毎に利用可能であるか否かをユーザに極めて容易に判断させることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明においては、簡便な構成でありながら低コストのもとに、複数の装置の状態を適切に表示することができ、これら複数の装置の連携による機能が利用可能であるか否かを、ユーザに極めて容易に判断させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0025】
この実施の形態は、原稿画像を光学的に読み取るスキャナ機能と記録媒体に対して画像を形成するプリンタ機能とを複合し、複写機能を実現する画像形成システム及び画像形成装置である。特に、これら画像形成システム及び画像形成装置は、スキャナ機能を実現するユニットの状態とプリンタ機能を実現するユニットの状態とを表示する表示部を備えるものであり、低コストのもとに各種状態を適切に表示することができるものである。
【0026】
まず、本発明の第1の実施の形態として示す画像形成システムについて説明する。
【0027】
この画像形成システムは、原稿画像を光学的に読み取るスキャナ機能を有する単独の画像処理装置であるスキャナ装置と、所定の記録媒体に対する画像形成を行うプリンタ機能を有する単独の画像形成装置であるプリンタ装置とを接続して構成され、複写機能を実現するものである。このような画像形成システムにおいては、通常、スキャナ装置とプリンタ装置との両方にそれぞれ表示部が設けられる。ここで、複写機能を利用するユーザが操作の際に視認する表示部は、スキャナ装置に設けられた表示部である。この画像形成システムは、このような観点に着目したものであり、スキャナ装置に設けられた表示部に、当該スキャナ装置の状態とともにプリンタ装置の状態をも表示するものである。
【0028】
具体的には、第1の実施の形態として示す画像形成システムは、図1に示すように構成される。すなわち、この画像形成システム10は、単独で動作するプリンタ装置20と、単独で動作するスキャナ装置30とを備える。
【0029】
プリンタ装置20は、当該プリンタ装置20を統括的に制御する制御手段である主制御部21と、各種入力操作及び表示を行うユーザインターフェースとしての操作パネル22と、画像形成を行う画像形成手段であるプリンタ部23と、当該プリンタ装置20によるプリンタ機能の動作制御を行うための各種プログラムや後述する状態メッセージ等を格納する記憶手段である電気的消去書き込み可能な不揮発性メモリ(Non-Volatile Random Access Memory;以下、NVRAMという。)24と、各種情報を格納するメモリ25と、ホストコンピュータ等の外部機器が接続されたネットワーク40に対して接続するためのネットワークインターフェース26と、スキャナ装置30に対して接続するためのインターフェース手段である接続インターフェース27とを有する。
【0030】
主制御部21は、例えばCPU(Central Processing Unit)等から構成され、NVRAM24に格納された各種プログラムを実行することにより、当該プリンタ装置20を統括的に制御する。
【0031】
操作パネル22は、当該プリンタ装置20によるプリンタ機能を実行するための例えば各種ボタンやスイッチ等の操作子からなる操作入力部22aと、プリンタ機能の状態や動作状況、その他提示すべき各種情報を表示する表示手段である表示部22bとを有する。操作パネル22は、操作入力部22aを介した入力操作を受け付け、この情報を主制御部21に供給するとともに、主制御部21の制御のもとに、各種情報を表示部22bに表示する。
【0032】
プリンタ部23は、主制御部21の制御のもとに、ヘッドやその他の各種駆動機構といった画像形成を行うために必要な各種部材を駆動制御し、記録媒体に対して画像形成を行う。
【0033】
NVRAM24は、当該プリンタ装置20によるプリンタ機能の動作制御を行うための各種プログラムを格納する。このNVRAM24に格納されたプログラムは、主制御部21によって読み出されて実行される。また、NVRAM24は、プリンタ部23にて発生する各種状態を表すメッセージ群を格納する。このNVRAM24に格納されたメッセージ群は、主制御部21の制御のもとに、操作パネル22における表示部22bに表示される。
【0034】
メモリ25は、例えばRAM等から構成され、主制御部21によるプログラムの実行に必要な各種情報を一時的に格納するワークエリアとして機能するとともに、ネットワーク40を介して外部機器から送信されてきた画像データやシステム情報等を格納する。すなわち、このメモリ25には、主制御部21の制御のもとに、各種情報が書き込み及び/又は読み出しされる。
【0035】
ネットワークインターフェース部26は、LAN(Local Area Network)等のネットワーク40に対して接続するためのインターフェースであり、主制御部21と当該ネットワーク40に接続された外部機器との間で信号の授受を行うための処理を行う。
【0036】
接続インターフェース27は、スキャナ装置30に対して接続するためのインターフェースであり、主制御部21と当該スキャナ装置30との間で信号の授受を行うための処理を行う。
【0037】
このようなプリンタ装置20は、記録紙等の所定の記録媒体に対して画像を形成する単独の装置として構成される。また、プリンタ装置20は、スキャナ装置30によって読み取られた原稿画像の画像データを接続インターフェース27を介して受信し、これを記録媒体に対して形成することにより、複写機能を実現する。
【0038】
一方、スキャナ装置30は、当該スキャナ装置30を統括的に制御する制御手段である主制御部31と、各種入力操作及び表示を行うユーザインターフェースとしての操作パネル32と、原稿画像を光学的に読み取る画像読み取り手段であるスキャナ部33と、当該スキャナ装置30によるスキャナ機能や複写機能の動作制御を行うための各種プログラムや状態メッセージ等を格納する記憶手段であるNVRAM34と、各種情報を格納するメモリ35と、プリンタ装置20に対して接続するためのインターフェース手段である接続インターフェース36とを有する。
【0039】
主制御部31は、例えばCPU等から構成され、NVRAM34に格納された各種プログラムを実行することにより、当該スキャナ装置30を統括的に制御する。
【0040】
操作パネル32は、当該スキャナ装置30によるスキャナ機能やプリンタ装置20との連携による複写機能を実行するための例えば各種ボタンやスイッチ等の操作子からなる操作入力部32aと、スキャナ機能やプリンタ機能の状態や動作状況、その他提示すべき各種情報を表示する表示手段である表示部32bとを有する。操作パネル32は、操作入力部32aを介した入力操作を受け付け、この情報を主制御部31に供給するとともに、主制御部31の制御のもとに、各種情報を表示部32bに表示する。
【0041】
スキャナ部33は、主制御部31の制御のもとに、ヘッドやその他の各種駆動機構といった原稿画像の読み取りを行うために必要な各種部材を駆動制御し、当該原稿画像を光学的に読み取る。
【0042】
NVRAM34は、当該スキャナ装置30によるスキャナ機能やプリンタ装置20との連携による複写機能の動作制御を行うための各種プログラムを格納する。このNVRAM34に格納されたプログラムは、主制御部31によって読み出されて実行される。また、NVRAM34は、スキャナ部33にて発生する各種状態及びプリンタ部23にて発生する各種状態を表すメッセージ群を格納する。このNVRAM34に格納されたメッセージ群は、主制御部31の制御のもとに、操作パネル32における表示部32bに表示される。
【0043】
メモリ35は、例えばRAM等から構成され、主制御部31によるプログラムの実行に必要な各種情報を一時的に格納するワークエリアとして機能するとともに、スキャナ部33によって読み取られた原稿の画像データやシステム情報等を格納する。すなわち、このメモリ35には、主制御部31の制御のもとに、各種情報が書き込み及び/又は読み出しされる。
【0044】
接続インターフェース36は、プリンタ装置20に対して接続するためのインターフェースであり、主制御部31と当該プリンタ装置20との間で信号の授受を行うための処理を行う。
【0045】
このようなスキャナ装置30は、記録紙等の所定の記録媒体に印刷された原稿画像を光学的に読み取る単独の装置として構成される。また、スキャナ装置30は、読み取った原稿画像の画像データを接続インターフェース36を介してプリンタ装置20に対して送信することにより、複写機能を実現する。
【0046】
このような画像形成システム10において、プリンタ装置20は、図2に示すように、当該プリンタ装置20の状態を報知するために表示部22bに表示させる状態メッセージを記憶する状態メッセージ記憶部24aがNVRAM24に形成されて構成される。この状態メッセージ記憶部24aには、プリンタ部23にて発生する状態を表すメッセージ群を記憶するプリンタ状態メッセージグループ記憶領域24aが形成される。このプリンタ状態メッセージグループ記憶領域24aに記憶される状態メッセージSTとしては、例えば、定着器の動作にエラーが生じた旨を示すメッセージ、トナーがなくなった旨を示すメッセージ、記録紙がなくなった旨を示すメッセージ、記録紙のジャムが生じた旨を示すメッセージ、トナーがなくなりかけている旨を示すメッセージ、印刷可能である旨を示すメッセージ、印刷不可能である旨を示すメッセージ等がある。これら各種状態メッセージSTは、表示部22bに表示させる状態メッセージを選択するために用いる可動レベル情報である優先度PR及び警告レベルWLが属性として対応付けられて、プリンタ状態メッセージグループ記憶領域24aに記憶される。なお、優先度PRとは、現在発生している複数の状態についてユーザに報知する優先順位を表すパラメータであり、警告レベルWLとは、例えば、対応する状態が発生しているときに印刷を行うことが可能であるか否かを表すパラメータである。同図の例においては、警告レベルWL="1"で印刷することが不可能である旨を表し、警告レベルWL="0"で印刷することが可能である旨を表している。
【0047】
プリンタ装置20は、このような各種状態メッセージSTをNVRAM24に形成された状態メッセージ記憶部24aにおけるプリンタ状態メッセージグループ記憶領域24aに記憶している。そして、プリンタ装置20は、主制御部21の制御のもとに、プリンタ状態メッセージグループ記憶領域24aに記憶されている各種状態メッセージSTの中から報知すべき必要な状態メッセージを読み出し、例えば図3に示すように、操作パネル22における表示部22bに形成されたプリンタ状態メッセージ表示領域22bに表示する。なお、同図においては、プリンタ装置20の状態について最大で3つの状態メッセージを表示可能な場合を示している。
【0048】
一方、スキャナ装置30は、図4に示すように、当該スキャナ装置30の状態及びプリンタ装置20の状態を報知するために表示部32bに表示させる状態メッセージを記憶する状態メッセージ記憶部34aがNVRAM34に形成されて構成される。この状態メッセージ記憶部34aには、スキャナ部33にて発生する状態を表すメッセージ群を記憶するスキャナ状態メッセージグループ記憶領域34aが形成される。このスキャナ状態メッセージグループ記憶領域34aに記憶される状態メッセージSTとしては、例えば、ランプの動作にエラーが生じた旨を示すメッセージ、原稿のジャムが生じた旨を示すメッセージ、原稿を載置する原稿台のカバーが開いている旨を示すメッセージ、ウォーミングアップ中である旨を示すメッセージ、原稿が原稿台に載置されている旨を示すメッセージ、原稿の読み取りが可能である旨を示すメッセージ、原稿の読み取りが不可能である旨を示すメッセージ等がある。これら各種状態メッセージSTは、表示部32bに表示させる状態メッセージを選択するために用いる可動レベル情報である優先度PR及び警告レベルWLが属性として対応付けられて、スキャナ状態メッセージグループ記憶領域34aに記憶される。なお、優先度PRとは、現在発生している複数の状態についてユーザに報知する優先順位を表すパラメータであり、警告レベルWLとは、例えば、対応する状態が発生しているときに原稿の読み取りを行うことが可能であるか否かを表すパラメータである。同図の例においては、警告レベルWL="1"で読み取ることが不可能である旨を表し、警告レベルWL="0"で読み取ることが可能である旨を表している。また、状態メッセージ記憶部34aには、プリンタ装置20におけるプリンタ部23にて発生する状態を表すメッセージ群を記憶するプリンタ状態メッセージグループ記憶領域34aが形成される。このプリンタ状態メッセージグループ記憶領域34aに記憶される状態メッセージSTSPは、少なくとも、印刷可能である旨を示すメッセージ、印刷不可能である旨を示すメッセージ、プリンタ装置20の状態の確認を促すメッセージから構成される。これら各種状態メッセージSTSPは、状態メッセージ番号NOに対応付けられて、プリンタ状態メッセージグループ記憶領域34aに記憶される。
【0049】
スキャナ装置30は、このような各種状態メッセージSTをNVRAM34に形成された状態メッセージ記憶部34aにおけるスキャナ状態メッセージグループ記憶領域34aに記憶するとともに、各種状態メッセージSTSPをNVRAM34に形成された状態メッセージ記憶部34aにおけるプリンタ状態メッセージグループ記憶領域34aに記憶している。そして、スキャナ装置30は、主制御部31の制御のもとに、スキャナ状態メッセージグループ記憶領域34aに記憶されている各種状態メッセージSTの中から報知すべき必要な状態メッセージを読み出し、例えば図5に示すように、操作パネル32における表示部32bに形成されたスキャナ状態メッセージ表示領域32bに表示する。また、スキャナ装置30は、主制御部31の制御のもとに、接続インターフェース36を介してプリンタ装置20から取得した当該プリンタ装置20の状態に応じて、プリンタ状態メッセージグループ記憶領域34aに記憶されている各種状態メッセージSTSPの中から報知すべき必要な状態メッセージを読み出し、操作パネル32における表示部32bに形成されたプリンタ状態メッセージ表示領域32bに表示する。なお、同図においては、スキャナ装置30の状態について最大で3つの状態メッセージを表示可能であるとともに、プリンタ装置20の状態について最大で2つの状態メッセージを表示可能な場合を示している。
【0050】
さて、このような画像形成システム10において、プリンタ装置20は、図6に示すような一連の工程を経ることにより、操作パネル22における表示部22bに対する状態表示処理を行う。なお、この処理は、主制御部21によって読み出されて実行されるプログラムとしてNVRAM24に格納されており、プリンタ部23の状態に変化があった場合に実行されるものである。
【0051】
まず、主制御部21は、同図に示すように、ステップS1において、プリンタ状態メッセージグループ記憶領域24aに記憶されている優先度PRが"1"から"m"の状態メッセージSTを参照することにより、プリンタ部23にて発生している状態のうち、最も優先度PRが高い状態に対応する状態メッセージSTを抽出する。そして、主制御部21は、ステップS2において、該当する状態メッセージSTが抽出されたか否かを判定する。
【0052】
ここで、主制御部21は、該当する状態メッセージSTが抽出されたものと判定した場合には、ステップS3において、抽出した状態メッセージSTを操作パネル22における表示部22bに形成されたプリンタ状態メッセージ表示領域22bの2行目に表示し、ステップS4において、この抽出した状態メッセージSTに対応する優先度PRが"m"であるか否かを判定する。
【0053】
主制御部21は、抽出した状態メッセージSTに対応する優先度PRが"m"ではないものと判定した場合には、ステップS5において、次に優先度PRが高い状態に対応する状態メッセージSTを抽出する。そして、主制御部21は、ステップS6において、該当する状態メッセージSTが抽出されたか否かを判定する。
【0054】
ここで、主制御部21は、該当する状態メッセージSTが抽出されたものと判定した場合には、ステップS7において、抽出した状態メッセージSTをプリンタ状態メッセージ表示領域22bの3行目に表示する。そして、主制御部21は、ステップS8において、ステップS1及び/又はステップS5にて抽出した状態メッセージSTに付与されている警告レベルWLが"1"であるか否か、すなわち、"印刷することが不可能である"旨の属性を有する状態メッセージSTが存在するか否かを判定する。
【0055】
主制御部21は、"印刷することが不可能である"旨の属性を有する状態メッセージSTが存在していないものと判定した場合には、ステップS9において、優先度PRが"m+1"の状態メッセージST、すなわち、"印刷することが可能である"旨を示す状態メッセージSTをプリンタ状態メッセージ表示領域22bの1行目に表示し、一連の処理を終了する。一方、主制御部21は、"印刷することが不可能である"旨の属性を有する状態メッセージSTが存在しているものと判定した場合には、ステップS10において、優先度PRが"m+2"の状態メッセージST、すなわち、"印刷することが不可能である"旨を示す状態メッセージSTをプリンタ状態メッセージ表示領域22bの1行目に表示し、一連の処理を終了する。
【0056】
また、主制御部21は、ステップS2において、該当する状態メッセージSTが抽出されていないものと判定した場合には、ステップS11において、プリンタ状態メッセージ表示領域22bの2行目と3行目とをクリアした後、ステップS9へと処理を移行し、優先度PRが"m+1"の状態メッセージST、すなわち、"印刷することが可能である"旨を示す状態メッセージSTをプリンタ状態メッセージ表示領域22bの1行目に表示し、一連の処理を終了する。
【0057】
さらに、主制御部21は、ステップS4において、抽出した状態メッセージSTに対応する優先度PRが"m"であるものと判定した場合、又はステップS6において、該当する状態メッセージSTが抽出されていないものと判定した場合には、ステップS12へと処理を移行し、プリンタ状態メッセージ表示領域22bの3行目をクリアした後、ステップS8以降の処理へと移行する。
【0058】
プリンタ装置20においては、プリンタ部23の状態に変化があった場合には、このような一連の工程を経ることにより、可動レベル情報に基づいて、NVRAM24に記憶されている複数の状態メッセージSTの中から表示部22bに表示させる状態メッセージを選択する。すなわち、プリンタ装置20においては、このような一連の工程を経ることにより、警告レベルWLが"印刷することが不可能である"旨を表す"1"の状態メッセージを、プリンタ状態メッセージ表示領域22bに対して最優先に表示し、このような状態メッセージが存在しない場合には、優先度PRが高い状態メッセージから順次プリンタ状態メッセージ表示領域22bに対して表示することができる。なお、先に図3に示したプリンタ状態メッセージ表示領域22bに対する表示例においては、"印刷することが不可能である"旨を示すメッセージを1行目に表示し、優先度PRが"3"であり且つ警告レベルWLが"1"の"記録紙がなくなった"旨を示すメッセージを2行目に表示し、優先度PRが"m"であり且つ警告レベルWLが"0"の"トナーがなくなりかけている"旨を示すメッセージを3行目に表示している様子を示している。
【0059】
一方、スキャナ装置30は、図7及び図8に示すような一連の工程を経ることにより、操作パネル32における表示部32bに対する状態表示処理を行う。これらの処理は、主制御部31によって読み出されて実行されるプログラムとしてNVRAM34に格納されているものである。このうち、図7に示す処理は、スキャナ部33の状態に変化があった場合に実行されるものであり、図8に示す処理は、プリンタ装置20における表示部22bに形成されたプリンタ状態メッセージ表示領域22bの表示内容に変化があった場合に実行されるものである。
【0060】
まず、スキャナ部33の状態に変化があった場合に実行される処理について、図7を用いて説明する。
【0061】
主制御部31は、図7に示すように、ステップS21において、スキャナ状態メッセージグループ記憶領域34aに記憶されている優先度PRが"1"から"n"の状態メッセージSTを参照することにより、スキャナ部33にて発生している状態のうち、最も優先度PRが高い状態に対応する状態メッセージSTを抽出する。そして、主制御部31は、ステップS22において、該当する状態メッセージSTが抽出されたか否かを判定する。
【0062】
ここで、主制御部31は、該当する状態メッセージSTが抽出されたものと判定した場合には、ステップS23において、抽出した状態メッセージSTを操作パネル32における表示部32bに形成されたスキャナ状態メッセージ表示領域32bの2行目に表示し、ステップS24において、この抽出した状態メッセージSTに対応する優先度PRが"n"であるか否かを判定する。
【0063】
主制御部31は、抽出した状態メッセージSTに対応する優先度PRが"n"ではないものと判定した場合には、ステップS25において、次に優先度PRが高い状態に対応する状態メッセージSTを抽出する。そして、主制御部31は、ステップS26において、該当する状態メッセージSTが抽出されたか否かを判定する。
【0064】
ここで、主制御部31は、該当する状態メッセージSTが抽出されたものと判定した場合には、ステップS27において、抽出した状態メッセージSTをスキャナ状態メッセージ表示領域32bの3行目に表示する。そして、主制御部31は、ステップS28において、ステップS21及び/又はステップS25にて抽出した状態メッセージSTに付与されている警告レベルWLが"1"であるか否か、すなわち、"原稿の読み取りが不可能である"旨の属性を有する状態メッセージSTが存在するか否かを判定する。
【0065】
主制御部31は、"原稿の読み取りが不可能である"旨の属性を有する状態メッセージSTが存在していないものと判定した場合には、ステップS29において、優先度PRが"n+1"の状態メッセージST、すなわち、"原稿の読み取りが可能である"旨を示す状態メッセージSTをスキャナ状態メッセージ表示領域32bの1行目に表示し、一連の処理を終了する。一方、主制御部31は、"原稿の読み取りが不可能である"旨の属性を有する状態メッセージSTが存在しているものと判定した場合には、ステップS30において、優先度PRが"n+2"の状態メッセージST、すなわち、"原稿の読み取りが不可能である"旨を示す状態メッセージSTをスキャナ状態メッセージ表示領域32bの1行目に表示し、一連の処理を終了する。
【0066】
また、主制御部31は、ステップS22において、該当する状態メッセージSTが抽出されていないものと判定した場合には、ステップS31において、スキャナ状態メッセージ表示領域32bの2行目と3行目とをクリアした後、ステップS29へと処理を移行し、優先度PRが"n+1"の状態メッセージST、すなわち、"原稿の読み取りが可能である"旨を示す状態メッセージSTをスキャナ状態メッセージ表示領域32bの1行目に表示し、一連の処理を終了する。
【0067】
さらに、主制御部31は、ステップS24において、抽出した状態メッセージSTに対応する優先度PRが"n"であるものと判定した場合、又はステップS26において、該当する状態メッセージSTが抽出されていないものと判定した場合には、ステップS32へと処理を移行し、スキャナ状態メッセージ表示領域32bの3行目をクリアした後、ステップS28以降の処理へと移行する。
【0068】
スキャナ装置30においては、スキャナ部33の状態に変化があった場合には、可動レベル情報に基づいて、NVRAM34に記憶されている複数の状態メッセージSTの中から表示部32bに表示させる状態メッセージを選択する。すなわち、スキャナ装置30においては、このような一連の工程を経ることにより、警告レベルWLが"原稿の読み取りが不可能である"旨を表す"1"の状態メッセージを、スキャナ状態メッセージ表示領域32bに対して最優先に表示し、このような状態メッセージが存在しない場合には、優先度PRが高い状態メッセージから順次スキャナ状態メッセージ表示領域32bに対して表示することができる。なお、先に図5に示したスキャナ状態メッセージ表示領域32bに対する表示例においては、"原稿の読み取りが可能である"旨を示すメッセージを1行目に表示し、優先度PRが"n"であり且つ警告レベルWLが"0"の"原稿が原稿台に載置されている"旨を示すメッセージを2行目に表示している様子を示している。
【0069】
つぎに、プリンタ装置20における表示部22bに形成されたプリンタ状態メッセージ表示領域22bの表示内容に変化があった場合に実行される処理について、図8を用いて説明する。
【0070】
主制御部31は、かかる処理を実行するにあたって、プリンタ装置20における表示部22bに形成されたプリンタ状態メッセージ表示領域22bの表示内容に変化があったか否かを確認する必要がある。この方法としては、主制御部31が所定の時間間隔で周期的に接続インターフェース36,27を介してプリンタ装置20における主制御部21に対して問い合わせる形態や、プリンタ装置20における表示部22bに形成されたプリンタ状態メッセージ表示領域22bの表示内容に変化があったときに、当該プリンタ装置20における主制御部21が接続インターフェース27,36を介して主制御部31に対して通知する形態が考えられる。画像形成システム10においては、主制御部31がプリンタ装置20における表示部22bに形成されたプリンタ状態メッセージ表示領域22bの表示内容に変化があったか否かを確認する方法として、これらいずれの形態を用いてもよい。以下の図8を用いた説明においては、これらいずれかの形態を用いて、主制御部31がプリンタ装置20における表示部22bに形成されたプリンタ状態メッセージ表示領域22bの表示内容に変化があったことを確認しているものとする。
【0071】
まず、主制御部31は、プリンタ装置20における表示部22bに形成されたプリンタ状態メッセージ表示領域22bの表示内容に変化があったことを確認すると、可動レベル情報取得手段として動作し、プリンタ装置20の可動レベル情報を取得する。すなわち、主制御部31は、図8に示すように、ステップS41において、表示部22bに表示中の状態メッセージSTの中に、警告レベルWLが"1"の状態メッセージST、すなわち、"印刷することが不可能である"旨の属性を有する状態メッセージSTが存在するか否かを、接続インターフェース36,27を介して主制御部21に対して問い合わせる。
【0072】
この問い合わせの結果、主制御部31は、ステップS42において、表示部22bに表示中の状態メッセージSTの中に、警告レベルWLが"1"の状態メッセージSTが存在しているものと判定した場合には、ステップS43へと処理を移行し、プリンタ状態メッセージグループ記憶領域34aに記憶されている状態メッセージ番号NOが"2"の状態メッセージSTSP、すなわち、"印刷することが不可能である"旨を示す状態メッセージSTSPをプリンタ状態メッセージ表示領域32bの1行目に表示した後、ステップS44において、プリンタ状態メッセージグループ記憶領域34aに記憶されている状態メッセージ番号NOが"3"の状態メッセージSTSP、すなわち、"プリンタ装置20の状態の確認を促す"旨を示す状態メッセージSTSPをプリンタ状態メッセージ表示領域32bの2行目に表示し、一連の処理を終了する。
【0073】
一方、主制御部31は、ステップS42において、表示部22bに表示中の状態メッセージSTの中に、警告レベルWLが"1"の状態メッセージSTが存在していないものと判定した場合には、ステップS45へと処理を移行し、プリンタ状態メッセージグループ記憶領域34aに記憶されている状態メッセージ番号NOが"1"の状態メッセージSTSP、すなわち、"印刷することが可能である"旨を示す状態メッセージSTSPをプリンタ状態メッセージ表示領域32bの1行目に表示した後、ステップS46において、プリンタ状態メッセージ表示領域32bの2行目をクリアし、一連の処理を終了する。
【0074】
スキャナ装置30においては、プリンタ装置20における表示部22bに形成されたプリンタ状態メッセージ表示領域22bの表示内容に変化があった場合には、このような一連の工程を経ることにより、プリンタ装置20から取得した当該プリンタ装置20の可動レベル情報に基づいて、NVRAM34に記憶されている複数の状態メッセージSTSPの中から表示部32bに表示させる状態メッセージを選択し、当該プリンタ状態メッセージ表示領域22bの表示内容に対応した状態メッセージを、プリンタ状態メッセージ表示領域32bに対して表示することができる。なお、先に図5に示したプリンタ状態メッセージ表示領域32bに対する表示例においては、先に図3に示したプリンタ状態メッセージ表示領域22bに対する表示例における警告レベルWLが"1"の状態メッセージに対応した状態メッセージ、すなわち、"印刷することが不可能である"旨を示す状態メッセージと、"プリンタ装置20の状態の確認を促す"旨を示す状態メッセージとを表示している様子を示している。
【0075】
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態として示す画像形成システム10においては、単独で動作するプリンタ装置20とスキャナ装置30とを接続して構成した際における複写機能を利用するユーザの操作特性に着目し、スキャナ装置30に設けられた操作パネル32における表示部32bに、当該スキャナ装置30の状態メッセージに加え、プリンタ装置20によるプリンタ機能が利用可能であるか否かを示す状態メッセージをも可動レベル情報に基づいて表示する。これにより、この画像形成システム10においては、複写機能を利用しようとするユーザに、現在複写可能であるか否かを極めて容易に判断させることができる。また、画像形成システム10においては、スキャナ装置30に設けられた操作パネル32における表示部32bに表示するプリンタ装置20の状態メッセージとして、当該プリンタ装置20によるプリンタ機能が利用可能であるか否かを示す状態メッセージを表示すれば足り、当該プリンタ装置20の全ての状態メッセージを表示する表示領域をスキャナ装置30に設ける必要がなく、また、当該プリンタ装置20における表示部22bに表示される全ての状態メッセージをスキャナ装置30側に記憶させておく必要もなく、さらに、状態に対応した絵文字(アイコン)等を表示させる複雑な構成とする必要もないことから、コストの低減を図ることができる。したがって、画像形成システム10においては、プリンタ装置20とスキャナ装置30との組み合わせに制約されることがなく、これらプリンタ装置20及びスキャナ装置30のそれぞれの仕様変更にも柔軟に対応することができる。
【0076】
つぎに、第2の実施の形態として示す画像形成システムについて説明する。
【0077】
この第2の実施の形態として示す画像形成システムは、第1の実施の形態として示した画像形成システム10のように、プリンタ装置20及びスキャナ装置30の両方が単独で動作するものではなく、単独で動作するプリンタ装置に対して、単独では動作しないスキャナ装置をオプションユニットとして接続して構成されるものである。したがって、この第2の実施の形態の説明においては、第1の実施の形態の説明と同様の構成については同一符号を付し、その詳細な説明を省略するものとする。
【0078】
第2の実施の形態として示す画像形成システムは、図9に示すように構成される。すなわち、この画像形成システム50は、単独で動作するプリンタ装置20に対して、単独で動作しないスキャナ装置60がオプションユニットとして着脱可能に接続される。
【0079】
スキャナ装置60は、図1に示したスキャナ装置30から、主制御部31、NVRAM34、及びメモリ35を除去した構成とされる。すなわち、スキャナ装置60は、各種入力操作及び表示を行うユーザインターフェースとしての操作パネル62と、原稿画像を光学的に読み取る画像読み取り手段であるスキャナ部63と、プリンタ装置20に対して接続するためのインターフェース手段である接続インターフェース66とを有する。このうち、操作パネル62は、当該スキャナ装置60によるスキャナ機能やプリンタ装置20との連携による複写機能を実行するための例えば各種ボタンやスイッチ等の操作子からなる操作入力部62aと、スキャナ機能やプリンタ機能の状態や動作状況、その他提示すべき各種情報を表示する表示手段である表示部62bとを有する。
【0080】
このようなスキャナ装置60は、接続インターフェース66を介してプリンタ装置20に対して接続し、当該プリンタ装置20における主制御部21の制御のもとに、記録紙等の所定の記録媒体に印刷された原稿画像を光学的に読み取るように構成される。すなわち、プリンタ装置20は、スキャナ装置60によるスキャナ機能や当該プリンタ装置20との連携による複写機能の動作制御を行うための各種プログラムを、NVRAM24に格納しており、主制御部21によってこのプログラムを実行することにより、プリンタ機能に加え、当該スキャナ装置60によるスキャナ機能や当該プリンタ装置20との連携による複写機能が付加される。
【0081】
このような画像形成システム50において、プリンタ装置20は、図10に示すように、当該プリンタ装置20の状態及びスキャナ装置30の状態を報知するために表示部22b,62bに表示させる状態メッセージを記憶する状態メッセージ記憶部24aがNVRAM24に形成されて構成される。この状態メッセージ記憶部24aには、プリンタ部23にて発生する状態を表すメッセージ群を記憶する第1のプリンタ状態メッセージグループ記憶領域24aの他、スキャナ装置60におけるスキャナ部63にて発生する状態を表すメッセージ群を記憶する上述したスキャナ状態メッセージグループ記憶領域34aと同様のスキャナ状態メッセージグループ記憶領域24aと、プリンタ部23にて発生する状態を表すメッセージ群を記憶する上述したプリンタ状態メッセージグループ記憶領域34aと同様の第2のプリンタ状態メッセージグループ記憶領域24aとが形成される。
【0082】
すなわち、プリンタ装置20は、第1のプリンタ状態メッセージグループ記憶領域24aに記憶されている状態メッセージSTを、表示部22bの表示内容として用いるとともに、スキャナ状態メッセージグループ記憶領域24aに記憶されている状態メッセージST、及び第2のプリンタ状態メッセージグループ記憶領域24aに記憶されている状態メッセージSTSPを、表示部62bの表示内容として用いる。
【0083】
そして、画像形成システム50においては、プリンタ部23の状態に変化があった場合には、主制御部21の制御のもとに、先に図6に示した一連の工程を経ることにより、操作パネル22における表示部22bに対する状態表示処理を行い、先に図3に示したような表示を行う。また、画像形成システム50においては、スキャナ部63の状態に変化があった場合には、主制御部21の制御のもとに、先に図7に示した一連の工程を経ることにより、操作パネル62における表示部62bに対する状態表示処理を行い、先に図5に示したような表示を行う。さらに、画像形成システム50においては、プリンタ装置20における表示部22bに形成されたプリンタ状態メッセージ表示領域22bの表示内容に変化があった場合には、先に図8に示した一連の工程と同様の工程を経ることにより、操作パネル62における表示部62bに対する状態表示処理を行い、先に図5に示したような表示を行う。なお、画像形成システム50においては、主制御部が1つであることから、図8に示した処理を行う場合には、他の主制御部に対する問い合わせ等を行う必要はなく、ステップS41の工程を行うことはない。
【0084】
以上説明したように、本発明の第2の実施の形態として示す画像形成システム50においては、単独で動作するプリンタ装置20に対してオプションユニットとして着脱可能に接続されるスキャナ装置60に設けられた操作パネル62における表示部62bに、当該スキャナ装置60の状態メッセージに加え、プリンタ装置20によるプリンタ機能が利用可能であるか否かを示す状態メッセージをも可動レベル情報に基づいて表示する。これにより、この画像形成システム50においては、複写機能を利用しようとするユーザに、現在複写可能であるか否かを極めて容易に判断させることができる。また、画像形成システム50においては、スキャナ装置60に設けられた操作パネル62における表示部62bに表示するプリンタ装置20の状態メッセージとして、当該プリンタ装置20によるプリンタ機能が利用可能であるか否かを示す状態メッセージを表示すれば足り、当該プリンタ装置20の全ての状態メッセージを表示する表示領域をスキャナ装置60に設ける必要がなく、また、当該プリンタ装置20における表示部22bに表示される全ての状態メッセージをスキャナ装置60側に記憶させておく必要もなく、さらに、状態に対応した絵文字(アイコン)等を表示させる複雑な構成とする必要もないことから、コストの低減を図ることができる。したがって、画像形成システム50においては、プリンタ装置20とスキャナ装置60との組み合わせに制約されることがなく、これらプリンタ装置20及びスキャナ装置60のそれぞれの仕様変更にも柔軟に対応することができる。
【0085】
最後に、第3の実施の形態として示す画像形成装置について説明する。
【0086】
この第3の実施の形態として示す画像形成装置は、第1の実施の形態として示した画像形成システム10及び第2の実施の形態として示した画像形成システム50のように、個別の装置として構成されるプリンタ装置とスキャナ装置とを接続して構成されたものではなく、プリンタ機能とスキャナ機能とをあわせて実現する一体化された装置として構成されるものである。したがって、この第3の実施の形態の説明においては、第1の実施の形態及び第2の実施の形態の説明と同様の構成については同一符号を付し、その詳細な説明を省略するものとする。
【0087】
第3の実施の形態として示す画像形成装置は、図11に示すように構成される。すなわち、この画像形成装置100は、当該画像形成装置100を統括的に制御する制御手段である主制御部101と、各種入力操作及び表示を行うユーザインターフェースとしての操作パネル102と、原稿画像を光学的に読み取る画像読み取り手段であるスキャナ部103と、画像形成を行う画像形成手段であるプリンタ部104と、当該画像形成装置100によるスキャナ機能、プリンタ機能、及び複写機能の動作制御を行うための各種プログラムや状態メッセージ等を格納する記憶手段であるNVRAM105と、各種情報を格納するメモリ106と、ホストコンピュータ等の外部機器が接続されたネットワーク40に対して接続するためのネットワークインターフェース107とを備える。このうち、操作パネル102は、当該画像形成装置100によるスキャナ機能、プリンタ機能、及び複写機能を実行するための例えば各種ボタンやスイッチ等の操作子からなる操作入力部102aと、これらスキャナ機能、プリンタ機能、及び複写機能の状態や動作状況、その他提示すべき各種情報を表示する表示部102bとを有する。
【0088】
このような画像形成装置100は、主制御部101の制御のもとに、スキャナ部103を動作させ、記録紙等の所定の記録媒体に印刷された原稿画像を光学的に読み取るとともに、プリンタ部104を動作させ、記録紙等の所定の記録媒体に対して画像を形成する。また、画像形成装置100は、スキャナ部103によって読み取られた原稿画像の画像データをプリンタ部104によって記録媒体に対して形成することにより、複写機能を実現する。
【0089】
このような画像形成装置100は、図12に示すように、当該画像形成装置100の状態を報知するために表示部102bに表示させる状態メッセージを記憶する状態メッセージ記憶部105aがNVRAM105に形成されて構成される。この状態メッセージ記憶部105aには、スキャナ部103にて発生する状態を表すメッセージ群を記憶する上述したスキャナ状態メッセージグループ記憶領域34a,24aと同様のスキャナ状態メッセージグループ記憶領域105aと、プリンタ部104にて発生する状態を表すメッセージ群を記憶する上述したプリンタ状態メッセージグループ記憶領域24aと同様のプリンタ状態メッセージグループ記憶領域105aとが形成される。そして、画像形成装置100は、主制御部101の制御のもとに、スキャナ状態メッセージグループ記憶領域105aに記憶されている各種状態メッセージSTの中から報知すべき必要な状態メッセージを読み出し、例えば図13に示すように、操作パネル102における表示部102bに形成されたスキャナ状態メッセージ表示領域102bに表示する。また、画像形成装置100は、主制御部101の制御のもとに、プリンタ状態メッセージグループ記憶領域105aに記憶されている各種状態メッセージSTの中から報知すべき必要な状態メッセージを読み出し、操作パネル102における表示部102bに形成されたプリンタ状態メッセージ表示領域102bに表示する。なお、同図においては、スキャナ部103及びプリンタ部104のそれぞれの状態について最大で3つの状態メッセージを表示可能な場合を示している。
【0090】
そして、画像形成装置100においては、プリンタ部104の状態に変化があった場合には、主制御部101の制御のもとに、先に図6に示した一連の工程を経ることにより、操作パネル102における表示部102bに対する状態表示処理を行い、図13に示したように、プリンタ状態メッセージ表示領域102bに対して状態メッセージSTを表示する。また、画像形成装置100においては、スキャナ部103の状態に変化があった場合には、主制御部101の制御のもとに、先に図7に示した一連の工程を経ることにより、操作パネル102における表示部102bに対する状態表示処理を行い、図13に示したように、スキャナ状態メッセージ表示領域102bに対して状態メッセージSTを表示する。なお、図13に示したスキャナ状態メッセージ表示領域102bに対する表示例においては、"原稿の読み取りが不可能である"旨を示すメッセージを1行目に表示し、優先度PRが"2"であり且つ警告レベルWLが"1"の"原稿のジャムが生じた"旨を示すメッセージを2行目に表示し、優先度PRが"3"であり且つ警告レベルWLが"1"の"原稿を載置する原稿台のカバーが開いている"旨を示すメッセージを3行目に表示している様子を示している。また、図13に示したプリンタ状態メッセージ表示領域102bに対する表示例においては、"印刷することが可能である"旨を示すメッセージを1行目に表示し、優先度PRが"m"であり且つ警告レベルWLが"0"の"トナーがなくなりかけている"旨を示すメッセージを2行目に表示している様子を示している。
【0091】
以上説明したように、本発明の第3の実施の形態として示す画像形成装置100においては、機能毎に状態メッセージをグループ化し、機能毎に表示優先度にしたがって1つ又は複数の状態を表示部102bに表示する。これにより、この画像形成装置100においては、表示内容が特定の機能に関するものに偏ってしまい、他の機能の状態表示を行うことができなくなってしまうことが一切発生しない。また、画像形成装置100においては、表示部102bに表示している状態メッセージに対応した警告レベルに基づいて、各機能毎に利用可能であるか否かをユーザに極めて容易に判断させることができる。
【0092】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施の形態では、プリンタ装置の状態メッセージに対応する警告レベルとして、"0"と"1"の2段階の値を用い、スキャナ装置側でプリンタ装置が利用可能であるか否かの状態を表示させるものとして説明したが、本発明は、プリンタ装置において"トナーがなくなりかけている"状態や"感光体ドラムが寿命である"状態等、形成される画像の品質の低下を招来するおそれがある状態を第3の警告レベルとして設定し、この情報をスキャナ装置に対して通知し、当該スキャナ装置における表示部に、プリンタ装置の第3の警告レベルの状態として、"印刷することが可能である(画像品質注意)"といった表示を行わせるようにしてもよい。
【0093】
また、上述した実施の形態では、各表示部に複数行の表示領域を設けるものとして説明したが、本発明は、かかる表示形態に限定されるものではなく、任意の形態の表示領域を設けるようにしてもよい。
【0094】
このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の第1の実施の形態として示す画像形成システムの構成を説明するブロック図である。
【図2】同画像形成システムにおけるプリンタ装置が有するNVRAMに形成された状態メッセージ記憶部に記憶される情報の例を説明する図である。
【図3】同画像形成システムにおけるプリンタ装置が有する表示部に形成されたプリンタ状態メッセージ表示領域の表示例を説明する図である。
【図4】同画像形成システムにおけるスキャナ装置が有するNVRAMに形成された状態メッセージ記憶部に記憶される情報の例を説明する図である。
【図5】同画像形成システムにおけるスキャナ装置が有する表示部に形成されたスキャナ状態メッセージ表示領域及びプリンタ状態メッセージ表示領域の表示例を説明する図である。
【図6】同画像形成システムにおけるプリンタ装置において、プリンタ部の状態に変化があった場合に実行される一連の処理を説明するフローチャートである。
【図7】同画像形成装置におけるスキャナ装置において、スキャナ部の状態に変化があった場合に実行される一連の処理を説明するフローチャートである。
【図8】同画像形成装置におけるスキャナ装置において、プリンタ装置における表示部に形成されたプリンタ状態メッセージ表示領域の表示内容に変化があった場合に実行される一連の処理を説明するフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施の形態として示す画像形成システムの構成を説明するブロック図である。
【図10】同画像形成システムにおけるプリンタ装置が有するNVRAMに形成された状態メッセージ記憶部に記憶される情報の例を説明する図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態として示す画像形成装置の構成を説明するブロック図である。
【図12】同画像形成装置におけるNVRAMに形成された状態メッセージ記憶部に記憶される情報の例を説明する図である。
【図13】同画像形成装置における表示部に形成されたスキャナ状態メッセージ表示領域及びプリンタ状態メッセージ表示領域の表示例を説明する図である。
【符号の説明】
【0096】
10,50 画像形成システム
20 プリンタ装置
21,31,101 主制御部
22,32,62,102 操作パネル
22a,32a,62a,102a 操作入力部
22b,32b,62b,102b 表示部
22b,32b,102b プリンタ状態メッセージ表示領域
23,104 プリンタ部
24,34,105 NVRAM
24a,34a,105a 状態メッセージ記憶部
24a,24a,34a,105a プリンタ状態メッセージグループ記憶領域
24a,34a,105a スキャナ状態メッセージグループ記憶領域
25,35,106 メモリ
26,107 ネットワークインターフェース
27,36,66 接続インターフェース
30,60 スキャナ装置
32b,102b スキャナ状態メッセージ表示領域
33,63,103 スキャナ部
40 ネットワーク
100 画像形成装置
NO 状態メッセージ番号
PR,PR 優先度
ST,ST,STSP 状態メッセージ
WL,WL 警告レベル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿画像を光学的に読み取る機能を有する画像処理装置と所定の記録媒体に対する画像形成を行う機能を有する画像形成装置とを接続して構成される画像形成システムであって、
前記画像形成装置は、
当該画像形成装置の状態を表す画像形成状態情報を表示する第1の表示手段と、
複数の前記画像形成状態情報と、これら画像形成状態情報のうち前記第1の表示手段に表示させる画像形成状態情報を選択するために用いる可動レベル情報とを対応付けて記憶する第1の記憶手段と、
前記画像処理装置に対して接続するための第1のインターフェース手段と、
前記画像処理装置から前記第1のインターフェース手段を介して受信した画像データを前記記録媒体に対して形成する画像形成手段と、
当該画像形成装置の状態と前記第1の記憶手段に記憶されている可動レベル情報とに基づいて、前記第1の記憶手段に記憶されている複数の前記画像形成状態情報の中から前記第1の表示手段に表示させる画像形成状態情報を選択する第1の制御手段とを備え、
前記画像処理装置は、
当該画像処理装置の状態を表す画像処理状態情報を表示する第2の表示手段と、
複数の前記画像処理状態情報と、これら画像処理状態情報のうち前記第2の表示手段に表示させる画像処理状態情報を選択するために用いる可動レベル情報とを対応付けて記憶する第2の記憶手段と、
前記画像形成装置の可動レベル情報に対応した画像形成状態情報を記憶する第3の記憶手段と、
前記第3の記憶手段に記憶されている画像形成状態情報を表示する第3の表示手段と、
前記画像形成装置に対して接続するための第2のインターフェース手段と、
画像を読み取り、得られた画像データを前記第2のインターフェース手段を介して前記画像形成装置に対して送信する画像読み取り手段と、
前記画像形成装置の可動レベル情報を取得する可動レベル情報取得手段と、
当該画像処理装置の状態と前記第2の記憶手段に記憶されている可動レベル情報とに基づいて、当該第2の記憶手段に記憶されている複数の前記画像処理状態情報の中から前記第2の表示手段に表示させる画像処理状態情報を選択するとともに、前記可動レベル情報取得手段によって取得した前記画像形成装置の可動レベル情報に基づいて、前記第3の記憶手段に記憶されている複数の前記画像形成状態情報の中から前記第3の表示手段に表示させる画像形成状態情報を選択する第2の制御手段とを備えること
を特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記可動レベル情報は、前記画像形成装置及び/又は前記画像処理装置にて発生している複数の状態についてユーザに報知する優先順位を表すパラメータを含むこと
を特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記可動レベル情報は、対応する状態が発生しているときに前記画像形成装置及び/又は前記画像処理装置の機能が利用可能であるか否かを表すパラメータを含むこと
を特徴とする請求項2記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記第3の表示手段には、少なくとも前記画像形成装置の機能が利用可能であるか否かを示す画像形成状態情報が表示されること
を特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記画像形成装置及び前記画像処理装置は、それぞれ、単独で動作する個別の装置として構成されること
を特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
【請求項6】
原稿画像を光学的に読み取る機能を有する画像処理装置であって、
当該画像処理装置の状態を表す画像処理状態情報を表示する第1の表示手段と、
複数の前記画像処理状態情報と、これら画像処理状態情報のうち前記第1の表示手段に表示させる画像処理状態情報を選択するために用いる可動レベル情報とを対応付けて記憶する第1の記憶手段と、
所定の記録媒体に対する画像形成を行う機能を有する画像形成装置に対して接続するためのインターフェース手段と、
画像を読み取り、得られた画像データを前記インターフェース手段を介して前記画像形成装置に対して送信する画像読み取り手段と、
前記インターフェース手段を介して接続された前記画像形成装置の状態を表す画像形成状態情報のうち当該画像形成装置の表示手段に表示させる画像形成状態情報を選択するために用いる可動レベル情報に対応した画像形成状態情報を記憶する第2の記憶手段と、
前記第2の記憶手段に記憶されている画像形成状態情報を表示する第2の表示手段と、
前記画像形成装置の可動レベル情報を取得する可動レベル情報取得手段と、
当該画像処理装置の状態と前記第1の記憶手段に記憶されている可動レベル情報とに基づいて、当該第1の記憶手段に記憶されている複数の前記画像処理状態情報の中から前記第1の表示手段に表示させる画像処理状態情報を選択するとともに、前記可動レベル情報取得手段によって取得した前記画像形成装置の可動レベル情報に基づいて、前記第2の記憶手段に記憶されている複数の前記画像形成状態情報の中から前記第2の表示手段に表示させる画像形成状態情報を選択する制御手段とを備えること
を特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
原稿画像を光学的に読み取る機能を有する画像処理装置と所定の記録媒体に対する画像形成を行う機能を有する画像形成装置とを接続して構成される画像形成システムであって、
前記画像形成装置は、
当該画像形成装置の状態を表す画像形成状態情報を表示する第1の表示手段と、
複数の前記画像形成状態情報と、これら画像形成状態情報のうち前記第1の表示手段に表示させる画像形成状態情報を選択するために用いる可動レベル情報とを対応付けて記憶する第1の記憶手段と、
前記画像処理装置の状態を表す複数の画像処理状態情報と、これら画像処理状態情報のうち当該画像処理装置の表示手段に表示させる画像処理状態情報を選択するために用いる可動レベル情報とを対応付けて記憶する第2の記憶手段と、
前記画像形成装置の可動レベル情報に対応した画像形成状態情報を記憶する第3の記憶手段と、
前記画像処理装置に対して接続するための第1のインターフェース手段と、
前記画像処理装置から前記第1のインターフェース手段を介して受信した画像データを前記記録媒体に対して形成する画像形成手段と、
前記画像処理装置から前記第1のインターフェース手段を介して当該画像処理装置の状態を取得する画像処理装置状態取得手段と、
当該画像形成装置の状態と前記第1の記憶手段に記憶されている可動レベル情報とに基づいて、前記第1の記憶手段に記憶されている複数の前記画像形成状態情報の中から前記第1の表示手段に表示させる画像形成状態情報を選択する制御手段とを備え、
前記画像処理装置は、
当該画像処理装置の状態を表す画像処理状態情報を表示する第2の表示手段と、
前記画像形成装置に対して接続するための第2のインターフェース手段と、
画像を読み取り、得られた画像データを前記第2のインターフェース手段を介して前記画像形成装置に対して送信する画像読み取り手段と、
前記第3の記憶手段に記憶されている画像形成状態情報を表示する第3の表示手段とを備え、
前記制御手段は、前記画像処理装置状態取得手段によって取得した前記画像処理装置の状態と前記第2の記憶手段に記憶されている可動レベル情報とに基づいて、当該第2の記憶手段に記憶されている複数の前記画像処理状態情報の中から前記第2の表示手段に表示させる画像処理状態情報を選択するとともに、前記第1の記憶手段に記憶されている可動レベル情報に基づいて、前記第3の記憶手段に記憶されている複数の前記画像形成状態情報の中から前記第3の表示手段に表示させる画像形成状態情報を選択すること
を特徴とする画像形成システム。
【請求項8】
前記画像処理装置は、単独で動作する前記画像形成装置に対して着脱可能に接続される単独で動作しない装置として構成されること
を特徴とする請求項7記載の画像形成システム。
【請求項9】
所定の記録媒体に対する画像形成を行う機能を有する画像形成装置であって、
当該画像形成装置の状態を表す画像形成状態情報を表示する表示手段と、
複数の前記画像形成状態情報と、これら画像形成状態情報のうち前記表示手段に表示させる画像形成状態情報を選択するために用いる可動レベル情報とを対応付けて記憶する第1の記憶手段と、
原稿画像を光学的に読み取る機能を有する画像処理装置に対して接続するための第1のインターフェース手段と、
前記画像処理装置から前記第1のインターフェース手段を介して受信した画像データを前記記録媒体に対して形成する画像形成手段と、
前記画像処理装置から前記第1のインターフェース手段を介して当該画像処理装置の状態を取得する画像処理装置状態取得手段と、
前記インターフェース手段を介して接続された前記画像処理装置の状態を表す複数の画像処理状態情報と、これら画像処理状態情報のうち当該画像処理装置の表示手段に表示させる画像処理状態情報を選択するために用いる可動レベル情報とを対応付けて記憶する第2の記憶手段と、
前記画像形成装置の可動レベル情報に対応した画像形成状態情報を記憶する第3の記憶手段と、
当該画像形成装置の状態と当該第1の記憶手段に記憶されている可動レベル情報とに基づいて、当該第1の記憶手段に記憶されている複数の前記画像形成状態情報の中から当該画像形成装置の前記表示手段に表示させる画像形成状態情報を選択し、さらに、前記画像処理装置状態取得手段によって取得した前記画像処理装置の状態と前記第2の記憶手段に記憶されている可動レベル情報とに基づいて、当該第2の記憶手段に記憶されている複数の前記画像処理状態情報の中から前記画像処理装置の表示手段に表示させる画像処理状態情報を選択するとともに、前記第1の記憶手段に記憶されている可動レベル情報に基づいて、前記第3の記憶手段に記憶されている複数の前記画像形成状態情報の中から前記画像処理装置の表示手段に表示させる画像形成状態情報を選択する制御手段とを備えること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
所定の記録媒体に対する画像形成を行う画像形成手段と、
原稿画像を光学的に読み取る画像読み取り手段と、
前記画像形成手段の状態を表す画像形成状態情報を表示する第1の表示手段と、
複数の前記画像形成状態情報と、これら画像形成状態情報のうち前記第1の表示手段に表示させる画像形成状態情報を選択するために用いる可動レベル情報とを対応付けて記憶する第1の記憶手段と、
前記画像読み取り手段の状態を表す画像処理状態情報を表示する第2の表示手段と、
複数の前記画像処理状態情報と、これら画像処理状態情報のうち前記第2の表示手段に表示させる画像処理状態情報を選択するために用いる可動レベル情報とを対応付けて記憶する第2の記憶手段と、
前記画像形成手段の状態と前記第1の記憶手段に記憶されている可動レベル情報とに基づいて、当該第1の記憶手段に記憶されている複数の前記画像形成状態情報の中から前記第1の表示手段に表示させる画像形成状態情報を選択するとともに、前記画像読みとり手段の状態と前記第2の記憶手段に記憶されている可動レベル情報とに基づいて、当該第2の記憶手段に記憶されている複数の前記画像処理状態情報の中から前記第2の表示手段に表示させる画像処理状態情報を選択する制御手段とを備えること
を特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−86656(P2006−86656A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−267538(P2004−267538)
【出願日】平成16年9月14日(2004.9.14)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】