画像形成システム、画像形成装置、および制御プログラム
【課題】直感的かつ容易な操作でネットワークで接続された装置間で処理を実行させることが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】MFPは、タッチパネルである操作パネル15とCPU10とを有し、操作パネル15での操作と他の装置での当該他の装置の有するタッチパネルを用いた操作とに関連付けられた動作を実行する条件を記憶するためのメモリー16と、操作パネル15での第1の操作が行なわれたことを検出し、かつ、他の装置から当該他の装置の有するタッチパネルを用いた第2の操作が行なわれた旨の通知を受信すると、第1の操作および第2の操作に関連付けられた動作を実行する条件を満たしているか否かを判断するための判断部106と、その判断結果に従って動作を実行させるための実行部107とを備える。
【解決手段】MFPは、タッチパネルである操作パネル15とCPU10とを有し、操作パネル15での操作と他の装置での当該他の装置の有するタッチパネルを用いた操作とに関連付けられた動作を実行する条件を記憶するためのメモリー16と、操作パネル15での第1の操作が行なわれたことを検出し、かつ、他の装置から当該他の装置の有するタッチパネルを用いた第2の操作が行なわれた旨の通知を受信すると、第1の操作および第2の操作に関連付けられた動作を実行する条件を満たしているか否かを判断するための判断部106と、その判断結果に従って動作を実行させるための実行部107とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は画像形成システム、画像形成装置、および制御プログラムに関し、特に、タッチパネル上でのユーザーの「つまむ」操作および「離す」操作により処理が実行される画像形成システム、画像形成装置、および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コピー機やプリンターやその複合機であるMFP(Multi-Functional Peripheral)などの画像形成装置の中には、画像データーをファイルとして記憶し、ネットワークを介して接続された、携帯情報端末などの他の装置と当該ファイルをやりとりするものがある。
【0003】
一方で、タッチパネルを有する携帯情報端末などの装置が増え、タッチパネルを使用したユーザーインターフェースが普及している。その一例として、たとえば、特開2002−123369号公報(以下、特許文献1)は、通常の押下操作とは異なる操作が行なわれた場合に、画面の表示内容をスクロールさせる技術を提案している。また、特開2000−163444号公報(以下、特許文献2)は、ユーザーが指定した情報や入力した情報に日付情報を付して、自動的にファイルフォルダーに格納する機能を有する電子ブックであって、指による入力操作における指の移動履歴を用いて範囲の指定を行なう技術を開示している。また、特開2000−163193号公報(以下、特許文献3)は、ページ番号が付与された情報をページ単位に画像情報として表示部に出力可能な電子ブックであって、検出された指の接触圧力、接触面積、および指の移動方向に基づき、ページめくり入力やしおり挿入を行なう技術を開示している。さらに、特開平8−76926号公報(以下、特許文献4)は、指の接触移動の移動量と方向とに基づいてページめくりを行なったり、タッチする指の本数に応じてめくるページ数を変えたりする技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−123369号公報
【特許文献2】特開2000−163444号公報
【特許文献3】特開2000−163193号公報
【特許文献4】特開平8−76926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようにたとえばオフィス環境などにおいて複数の装置を利用し得る状態にあるときに、処理を実行させようとする装置と、その処理の実行を指示しようとする装置とが異なる場合がある。また、処理を実行させようとする装置と、その処理に用いる情報を保持している装置とが異なる場合がある。
【0006】
そういった場合に、たとえ特許文献1〜4のような技術を採用した場合であっても、双方の装置にそれぞれ異なる操作を行ない、また、それぞれの装置に対する操作を繰り返し行なう必要があり、操作が煩雑である、という問題があった。またその結果、操作を誤るなどして、ユーザーの意図しない動作が行なわれてしまうこともある、という問題もあった。
【0007】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、直感的かつ容易な操作でネットワークで接続された装置間で動作を実行させることが可能な画像形成システム、画像形成装置、および制御プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、画像形成システムは、第1のタッチパネルおよび画像に対する処理手段を有する画像形成装置と、第2のタッチパネルを有する端末装置と含んだ画像形成システムであって、第1のタッチパネル上の第1の操作に応じて、操作の種類と操作の対象とを示す第1の操作情報を生成するための第1の操作情報生成手段と、第2のタッチパネル上の第2の操作に応じて、操作の種類と操作の対象とを示す第2の操作情報を生成するための第2の操作情報生成手段と、画像形成装置の状態または操作の対象の種別を検出するための検出手段と、第1の操作情報、第2の操作情報、処理手段による処理の内容、および所定の条件を関連付けた条件判別データーを記憶するための記憶手段と、第1の操作情報、第2の操作情報、および検出手段の検出結果と、条件判別データーとに基づき、処理手段による処理を決定するための判断手段と、判断手段により決定された処理を処理手段に実行させるための処理実行手段と、処理実行手段によって実行された結果を処理データーとして端末装置に対して送信するための送信手段とを備える。
【0009】
好ましくは、検出手段は、画像形成装置が処理手段による処理を実行できる状態か否かを検出する。
【0010】
好ましくは、上記所定の条件は、画像形成装置において第1の操作を行なったログインユーザーと、端末装置において第2の操作を行なったログインユーザーのとの一致を示す条件を含む。
【0011】
好ましくは、第1の操作は、処理手段により画像データーを生成する処理に対応するアイコンに対する操作であり、第2の操作は、画像データーを処理データーとして格納する格納場所に対応するアイコンに対する操作である。
【0012】
好ましくは、第1の操作は、第1のタッチパネル上で2点がタッチされた後に連続して2点のタッチ位置がその間隔が短くなる方向に移動し、その後、移動後の2点のタッチを解除する操作であり、第2の操作は、第2のタッチパネル上で2点がタッチされた後に連続して2点のタッチ位置がその間隔が長くなる方向に移動し、その後、移動後の2点のタッチを解除する操作であり、第1の操作情報生成手段および第2の操作情報生成手段は、移動前と移動後との少なくとも一方の2点のタッチ位置で定義される範囲に含まれるオブジェクトを操作の対象と特定する。
【0013】
好ましくは、画像形成装置が判断手段を含む。
または、好ましくは、端末装置が判断手段を含む。
【0014】
または、好ましくは、画像形成システムは画像形成装置と端末装置とを仲介するためのサーバーをさらに含み、サーバーが判断手段を含む。
【0015】
好ましくは、画像形成装置の処理手段は、第1の操作により、セットされた原稿を読み取って画像データーを生成し、端末装置は生成された画像データーを第2の操作により特定された格納場所に格納する。
【0016】
好ましくは、端末装置はカメラを含んで、第2の操作により、カメラにより撮影された画像データーを生成し、画像形成装置の処理手段は、カメラにより撮影された画像データーを取得して、第1の操作により特定された格納場所に格納する。
【0017】
好ましくは、画像形成装置の処理手段は、第2の操作によって特定された画像データーを、第1の操作によって特定されたファイル形式に変換する。
【0018】
本発明のさらに他の局面に従うと、画像形成装置は、タッチパネルと、タッチパネルに接続された制御手段と、端末装置と通信するための通信手段と、画像処理を実行するための処理手段とを備える。制御手段は、タッチパネル上の操作に応じて、操作の種類と操作の対象とを示す第1の操作情報を生成するための操作情報生成手段と、当該画像形成装置の状態または操作の対象の種別を検出するための検出手段と、通信手段により端末装置のタッチパネルにおける操作の種類と操作の対象とを示す第2の操作情報を受信するための受信手段と、第1の操作情報、端末装置からの第2の操作情報、処理手段による処理の内容、および所定の条件を関連付けた条件判別データーを記憶するための記憶手段と、第1の操作情報、端末装置からの第2の操作情報、および検出手段の検出結果と、条件判別データーとに基づき、処理手段による処理を決定するための判断手段と、判断手段により決定された処理を処理手段に実行させるための処理実行手段と、処理実行手段によって実行された結果を処理データーとして端末装置に対して送信するための送信手段とを備える。
【0019】
本発明のさらに他の局面に従うと、制御プログラムはタッチパネルおよび画像に対する処理手段を有する画像形成装置に処理を実行させるための制御プログラムであって、画像形成装置は、当該画像形成装置における操作の種類および操作の対象を示す第1の操作情報と、端末装置における操作の種類および操作の対象を示す第2の操作情報と、処理の内容と、所定の条件とを関連付けた条件判別データーを記憶し、タッチパネルからの操作信号を基づいて、タッチパネルを用いた第1の操作が行なわれたことを検出するステップと、第1の操作に応じて、操作の種類と操作の対象とを示す第1の操作情報を生成するステップと、当該画像形成装置の状態または操作の対象の種別を検出するステップと、端末装置から、当該端末装置の有するタッチパネルを用いた第2の操作の種類と操作の対象とを表わす第2の操作情報を受信するステップと、第1の操作情報、第2の操作情報、および検出するステップでの検出結果と、条件判別データーとに基づき、処理手段による処理を決定するステップと、決定するステップで決定された処理を処理手段で実行するステップと、処理手段で実行された結果を処理データーとして端末装置に対して送信するステップとを画像形成装置に実行させる。
【発明の効果】
【0020】
この発明によると、直感的かつ容易な操作でネットワークで接続された装置間で動作を実行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施の形態にかかる画像形成システムの構成の具体例を示す図である。
【図2】画像形成システムに含まれるMFP(Multi-Function Peripheral)のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図3】画像形成システムに含まれる携帯端末のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図4】画像形成システムに含まれるサーバーのハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図5】「つまむ」操作を説明するための図である。
【図6】「離す」操作を説明するための図である。
【図7】MFPに記憶される動作条件の対応の具体例を示す図である。
【図8】図7において番号1で表わされた動作条件が満たされるための動作の流れを表わした図である。
【図9】画像形成システムでの動作の流れを表わす図である。
【図10】MFPの機能構成の具体例を示すブロック図である。
【図11】つまむ操作によって指定されるアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【図12】つまむ操作によって指定されるアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【図13】つまむ操作によって指定されるアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【図14】つまむ操作によって指定されるアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【図15】つまむ操作によって指定されるアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【図16】携帯端末の機能構成の具体例を示すブロック図である。
【図17】サーバーの機能構成の具体例を示すブロック図である。
【図18】MFPでの動作の具体例を示すフローチャートである。
【図19】図7において番号2で表わされた動作条件が満たされるための動作の流れを表わした図である。
【図20】図7の番号2で表わされた動作条件の例を用いた場合の、画像形成システムでの動作の流れを表わす図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
【0023】
<システム構成>
図1は、本実施の形態にかかる画像形成システムの構成の具体例を示す図である。
【0024】
図1を参照して、本実施の形態にかかる画像形成システムは、画像形成装置の一例としてのMFP(Multi-Function Peripheral)100と、端末装置として携帯端末300と、サーバー500とを含み、これらがLAN(Local Area Network)などのネットワークで接続されている。
【0025】
ネットワークは有線であっても無線であってもよい。一例として、図1に示されるように、MFP100とサーバー500とが有線LANに接続され、該有線LANにさらに無線LANアクセスポイント700が含まれ、携帯端末300が無線LANアクセスポイント700と無線LANで接続されている例が挙げられる。
【0026】
画像形成装置は操作入力を受け付けるための構成としてタッチパネルを有するものであればMFPに限定されず、どのような画像形成装置であってもよい。他の例として、複写機、プリンター、ファクシミリ装置などであってもよい。
【0027】
携帯端末300は操作入力を受け付けるための構成としてタッチパネルを有するものであればどのような装置であってもよい。たとえば、タッチパネルを備えた携帯電話機、パーソナルコンピューター、PDA(Personal Digital Assistants)であってもよい。
【0028】
<MFPの構成>
図2は、MFP100のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【0029】
図2を参照して、MFP100は、全体を制御するための演算装置であるCPU(Central Processing Unit)10と、CPU10で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM(Read Only Memory)11と、CPU10でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM(Random Access Memory)12と、図示しない原稿台に載置された原稿を光学的に読み取って画像データーを得るためのスキャナー13と、画像データーを印刷用紙上に固定するためのプリンター14と、情報を表示したり当該MFP100に対する操作入力を受け付けたりするためのタッチパネルを含んだ操作パネル15と、画像データーをファイルとして保存するためのメモリー16と、上記ネットワークを介した通信を制御するためのネットワークコントローラー17とを含む。
【0030】
操作パネル15は、図示しないタッチパネルと操作キー群とを含む。タッチパネルは、液晶表示装置などの表示装置と光学式タッチパネルや静電容量タッチパネルなどの位置指示装置とが重なって構成され、操作画面を表示して、その操作画面上の指示位置を特定する。CPU10は予め記憶されている画面表示をさせるためのデーターに基づいてタッチパネルに操作画面を表示させる。
【0031】
特定されたタッチパネル上での指示位置(タッチされた位置)や、押下されたキーを示す操作信号はCPU10に入力される。CPU10は押下されたキー、または表示している操作画面と指示位置とから操作内容を特定し、それに基づいて処理を実行する。
【0032】
メモリー16には、後述する動作条件を記憶するための記憶領域161が含まれる。
<携帯端末の構成>
図3は、携帯端末300のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【0033】
図3を参照して、携帯端末300は、全体を制御するための演算装置であるCPU30と、CPU30で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM31と、CPU30でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM32と、画像データーをファイルとして記憶したり他の情報を記憶したりするためメモリー33と、情報を表示したり当該携帯端末300に対する操作入力を受け付けたりするためのタッチパネルを含んだ操作パネル34と、図示しない基地局と通信することによる電話回線を介した通信を制御するための通信コントローラー35と、上記ネットワークを介した通信を制御するためネットワークコントローラー36とを含む。
【0034】
操作パネル34は、MFP100の操作パネル15と同様の構成であってよい。すなわち、一例として、液晶表示装置などの表示装置と光学式タッチパネルや静電容量タッチパネルなどの位置指示装置とが重なって構成されたタッチパネルを含む。
【0035】
CPU30は予め記憶されている画面表示をさせるためのデーターに基づいてタッチパネルに操作画面を表示させる。タッチパネルでは操作画面上の指示位置が特定され、その位置を示す操作信号がCPU30に入力される。CPU30は表示している操作画面と指示位置とから操作内容を特定し、それに基づいて処理を実行する。
【0036】
<サーバーの構成>
図4は、サーバー500のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【0037】
図4を参照して、サーバー500は上述のように一般的なコンピューター等によって構成されるものであり、一例として、全体を制御するための演算装置であるCPU50と、CPU50で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM51と、CPU50でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM52と、ファイルなどを記憶するためのHD(Hard Disk)53と、上記ネットワークを介した通信を制御するためのネットワークコントローラー54とを含む。
【0038】
<動作概要>
画像形成システムでは、つまむ操作がなされた装置および当該装置においてつまむ操作の対象となったもの(つまむ操作が行なわれた位置)と、離す操作がなされた装置および当該装置において離す操作の対象となったもの(離す操作が行なわれた位置)との組み合わせに応じた動作が行なわれる。
【0039】
ここで、つまむ操作および離す操作について説明する。
図5は、「つまむ」操作を説明するための図である。図5を参照して、「つまむ」操作とは、たとえば2本の指などを用いて操作パネル上の2点P1、P2を指定し、続いて、その位置から直線状または略直線状に指を近づけ、近づいた位置である2点P’1、P’2で2本の指を操作パネルから離す操作を指す。
【0040】
CPUは、操作パネル上の2点P1、P2が同時に指示され、さらに、それぞれの位置から連続して直線状または略直線状に位置が変化し、元の2点間の間隔よりも短い間隔である2点P’1、P’2で両指定がほぼ同時に解除されたことが検出されると、「つまむ」操作がなされたと検出する。
【0041】
図6は、「離す」操作を説明するための図である。図6を参照して、「離す」操作とは、たとえば2本の指などを用いて操作パネル上の2点Q1、Q2を指定し、続いて、その位置から直線状または略直線状に指を遠ざけ、ある程度離れた位置である2点Q’1、Q’2で2本の指を操作パネルから離す操作を指す。
【0042】
CPUは、操作パネル上の2点Q1、Q2が同時に指示され、さらに、それぞれの位置から連続して直線状または略直線状に位置が変化し、元の2点間の間隔よりも長い間隔である2点Q’1、Q’2で両指定がほぼ同時に解除されたことが検出されると、「離す」操作がなされたと検出する。
【0043】
MFP100には、つまむ操作がなされた装置および当該装置においてつまむ操作の対象となったもの(つまむ操作が行なわれた位置)と、離す操作がなされた装置および当該装置において離す操作の対象となったもの(離す操作が行なわれた位置)との組み合わせに応じた動作内容、およびその動作が可能な状態が、動作条件として記憶されている。
【0044】
図7は、MFP100に記憶される動作条件の対応を示す具体例である。この動作条件と動作とは、条件データーベースとして記憶されている。図7に示されるように、動作条件として、MFP100で実行される動作について、その動作を実行する際の条件として、つまむ操作および離す操作の組み合わせと満たすべき条件とが規定されている。
【0045】
例として、図7の番号1では、MFP100においてつまむ操作が行なわれ、かつつまむ操作の対象がスキャンであって、携帯端末300において離す操作が行なわれ、かつ、離す操作の対象がファイルフォルダーを表わすアイコンである場合であって、これら装置のログインユーザーが一致し、かつ、MFP100の図示しない原稿台に原稿がセットされているとう動作可能な状態である、という動作条件が満たされている場合、MFP100においてスキャン動作が実行されるものと規定されている。
【0046】
図8は、図7において番号1で表わされた動作条件が満たされるための動作の流れを表わした図である。
【0047】
すなわち、図7および図8を参照して、はじめにMFP100の図示しない原稿読取台に原稿をセットし(図8(A))、MFP100の操作パネル15に表示されているメニュー画面においてスキャン動作の実行を指示するためのアイコン上でのつまむ操作が行なわれ(図8(B))、その次に、携帯端末300の操作パネル34に表示されているフォルダー表示画面においてファイルフォルダーを表わすアイコン上での離す操が行なわれると(図8(C))、図8(B)のつまむ操作が行なわれた際のMFP100のログインユーザーと図8(C)の離す操作が行なわれた際の携帯端末300のログインユーザーとが一致した場合に、MFP100でスキャン動作が実行され、図8(A)で搭載された原稿が読み取られる。
【0048】
図9は、画像形成システムでの動作の流れを表わす図である。
図9を参照して、ステップS11でMFP100の操作パネル15上でのつまむ操作が検出されると、ステップS12でつまむ操作によって特定される情報が生成され、保存される。つまむ操作によって特定される情報としては少なくともつまむ操作がなされたアイコンが表わすアプリケーションを特定する情報が該当する。その他の情報として、つまむ操作が検出された日時を特定する情報、および当該つまむ操作がなされた際のログインユーザーを特定する情報、などが該当する。これらのつまむ操作に関連する情報を、以降の説明において「つまみ情報(第1の操作情報)」とも称する。また、ステップS12’では、MFP100に原稿がセットされているか等のMFP100の状態が検出、保存される。
【0049】
MFP100は予め通知先としてサーバー500を記憶しており、ステップS13で、操作パネル15上でつまむ操作がなされたことをサーバー500に対して通知する。このとき、ステップS12で保存されたつまみ情報をサーバー500に対して送信する。
【0050】
サーバー500はMFP100からのつまみ情報を受信し、ステップS21でメモリー55の所定領域に保存する。
【0051】
携帯端末300もまた、予め通知先としてサーバー500を記憶している。そして、ステップS31−1で携帯端末300の操作パネル34に表示されたオブジェクト(ファイルフォルダー等)上での離す操作が検出されると、ステップS32で、オブジェクト上で離す操作が行なわれたことをサーバー500に対して通知する。このとき、携帯端末300からは離す操作が行なわれたことと、操作対象のオブジェクトと、離す操作がなされた際の携帯端末300のログインユーザー、または当該携帯端末300に関連付けられたユーザーを特定する情報とを「離し情報(第2の操作情報)」として生成し(S31−2)、ステップS32でサーバー500に対して通知する。
【0052】
サーバー500は、携帯端末300から離す操作がなされたことを示す通知を受け取ると、それ以前に受信してメモリー55に記憶されているつまみ情報を読み出して(ステップS22)、当該つまみ情報の送信元であるMFP100に対して、携帯端末300からの通知内容を通知する(ステップS23)。
【0053】
MFP100は、サーバー500から上記通知を受け取ると、ステップS14で、上記ステップS12で保存されたつまみ情報とサーバー500からの通知内容とが予め記憶している動作条件を満たすものであるか否かを図7の条件データーベースに基づき判断する。そして、動作条件が満たされていると判断されると、ステップS15で規定された動作を実行する。
【0054】
MFP100は、上記ステップS15でたとえば上述の例ではスキャン動作を行なうなどによって得られたデーター(ジョブ実行データー)を、ステップS16で携帯端末300に対して送信する。ステップS33で携帯端末300は、上記離し情報に基づき、送信されたデーターと上記オブジェクトとを関連付ける(格納等)。
【0055】
なお、図9の例では、動作条件を満たしているか否かをMFP100が判断するものとしている。以降でも、MFP100が判断するものとして説明する。しかしながら、この判断はサーバー500において行なわれてもよい。この場合、サーバー500が、後に説明するMFP100のこの動作のための機能を備え、その判断に従って、MFP100に対して動作を実行させるためのコマンドを送信するようにすればよい。
【0056】
また、以降では、図1に表わされたように画像形成システムにサーバー500が含まれて、MFP100からのつまみ情報と携帯端末300からの離す操作の通知との処理を行なうものとしているが、サーバー500はMFP100に含まれ、MFP100がこの処理を行なってもよい。つまり、MFP100が携帯端末300から直接、離す操作が行なわれたことを示す通知を受け取って、動作条件を満たしているか否かを判断するようにしてもよい。
【0057】
または、サーバー500は携帯端末300に含まれ、携帯端末300がこの処理を行なってもよい。すなわち、携帯端末300がMFP100からつまみ情報を受け取って、離す操作が検出された際に動作条件を満たしているか否かを判断して、その結果に基づいてコマンドをMFP100に対して送信するようにしてもよい。
【0058】
この場合、MFP100または携帯端末300が、後に説明するサーバー500のこの動作のための機能を備えていればよい。
【0059】
<機能構成>
図10は、上記動作を行なうためのMFP100の機能構成の具体例を示すブロック図である。図10に示される各機能は、CPU10がROM11に記憶されるプログラムを読み出してRAM12上で実行することで、主にCPU10に形成される機能である。しかしながら、少なくとも一部の機能が図2に示されたハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0060】
図10を参照して、MFP100は、操作パネル15での指示を示す操作信号の入力を受け付けるための入力部101と、操作信号に基づいて上述のつまむ操作を検出するための検出部102と、操作信号で表わされた指定された位置に基づいてつまむ操作で指定されたアイコン(オブジェクト)が表わすアプリケーションを特定する情報や、つまむ操作が検出された日時を特定する情報、つまむ操作が検出されたときのログインユーザーを特定する情報、などのつまみ情報をメモリー16の所定領域に格納する処理を実行するための保存部103と、通知先としてサーバー500を記憶しており、つまみ情報をネットワークコントローラー17を介してサーバー500に対して送信し、つまむ操作がなされたことを通知する処理を実行するための通知部104と、ネットワークコントローラー17を介してサーバー500からの携帯端末300において離す操作が行なわれことを示す通知を受信するため受信部105と、図7の動作条件を予め記憶してその動作条件を満たすか否かを判断するための判断部106と、動作条件が満たされた場合にMFP100の各部に対して制御信号を出力して、規定された動作を実行させるための実行部107と、その動作によって得られた情報をネットワークコントローラー17を介してつまむ操作が行なわれた携帯端末300に対して送信するための送信部108と含む。
【0061】
保存部103は、つまむ操作の最初に指定された2点(図5の2点P1、P2)と最後に指定された2点(図5の2点P’1、P’2)との少なくとも一方に基づいて定義される範囲に表示されるアイコンを、つまむ操作で指定されたアイコンとして特定する。
【0062】
保存部103での、つまむ操作によって指定されるアイコンを特定する方法は特定の方法に限定されない。図11〜図15は、保存部103での、つまむ操作によって指定されるアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【0063】
一例として保存部103は、図11に示されるように、最初に指定された2点P1、P2を対角とする矩形をつまむ操作で定義される範囲と特定し、その中に少なくとも一部が含まれるアイコンを指定されるアイコンとして特定してもよい。または、図12に示されるように、最初に指定された2点P1、P2を対角とする矩形をつまむ操作で定義される範囲と特定し、その矩形内に完全に含まれるアイコンを指定されるアイコンとして特定してもよい。このように特定されることで、ユーザーは意図するアイコンを挟むように2本の指を操作パネル15にタッチさせ、その状態からつまむ操作のための動作を行なうことで、当該意図するアイコンを直感的に指定することができる。また、アイコン画像が小さい場合であっても、正確に指定することが可能となる。
【0064】
他の例として保存部103は、図13に示されるように、最後に指定された2点P’1、P’2を対角とする矩形をつまむ操作で定義される範囲と特定し、その中に少なくとも一部が含まれるアイコンを指定されるアイコンとして特定してもよい。または、図14に示されるように、最後に指定された2点P’1、P’2を対角とする矩形をつまむ操作で定義される範囲と特定し、その矩形内に完全に含まれるアイコンを指定されるアイコンとして特定してもよい。このように特定されることで、ユーザーは意図するアイコンが最後に2本の指の間に挟まれるように、それよりも広く離して2本の指を操作パネル15にタッチさせた後に近づけることで、当該意図するアイコンを直感的に指定することができる。また、アイコン画像が小さい場合であっても、正確に指定することが可能となる。
【0065】
他の例として保存部103は、図15に示されるように、最初に指定された2点P1、P2から最後に指定された2点P’1、P’2までを結ぶ2本の線をつまむ操作で定義される範囲と特定し、いずれかの線が重なるアイコンを指定されるアイコンとして特定してもよい。このように特定されることで、ユーザーは意図するアイコンをつまむように2本の指を移動させることで、当該意図するアイコンを直感的に指定することができる。また、アイコン画像が小さい場合であっても、正確に指定することが可能となる。
【0066】
保存部103は、つまむ操作に関連するつまみ情報をメモリー16の所定領域に一時的に記憶する。この「一時的」な期間はたとえば24時間などと予め設定されており、その期間を経過してもサーバー500から携帯端末300でつまむ操作が行なわれた旨の通知がなかった場合には、メモリー16の所定領域から削除するようにしてもよい。さらに、上記一時的な期間内にコマンドの入力がなかった場合には、CPU10は、メモリー16の所定領域からの削除に替えて、または削除に加えて、コマンドが入力されなかった旨を表わす警告を操作パネル15に表示させてもよいし、その旨を表わすメッセージをつまみ情報に関連付けられたユーザーに対応して記憶されている携帯端末300に対して送信してもよい。
【0067】
これは、サーバー500でのつまみ情報の保存に関しても同様である。
つまみ情報を削除する他の例として、上記一時的な期間内に通知がなかった場合に替えて、または通知がなかった場合に加えて、つまむ操作の対象とされたアイコンに対する再度のつまむ操作を検出することで、保存部103は、当該つまみ情報をメモリー16の所定領域から削除するようにしてもよい。
【0068】
なお、図10には示されていないものの、MFP100は、予めユーザー情報を記憶しておき、入力部101で操作パネル15でのログイン操作に基づく操作信号の入力を受け付けて、該操作信号とユーザー情報とに基づいてユーザー認証を行なうための機能をさらに備える。そして、保存部103は、つまみ情報としてログインユーザーを特定する情報をメモリー16の所定領域に記憶させる。
【0069】
サーバー500からの通知には、後述するように、携帯端末300において離す操作の対象とされたアイコンやフォルダーを特定する情報と、当該携帯端末300に関連付けられたユーザーを特定する情報やログイン情報などのユーザー情報とが含まれている。判断部106は、サーバー500からの通知に含まれるこれら情報と、メモリー16の所定領域に記憶されたつまみ情報とを用いて、記憶している動作条件を満たすか否かを判断する。そして、条件を満たす動作がある場合、その動作を実行させるよう、実行部107に判断結果を渡す。
【0070】
図7の例の場合、つまみ情報で特定されるつまむ操作の対象(オブジェクト)がスキャナー動作を実行させるためのアイコンであって、サーバー500からの通知によって特定される離す操作の対象がファイルフォルダーであって、かつ、つまむ操作がなされたときのログインユーザーと離す操作がなされた携帯端末300に関連付けられたユーザーとが同一である場合、図7の番号1の動作条件が満たされているため、判断部106はスキャン動作を実行すると判断する。
【0071】
なお、この例の場合、判断部106は、さらに、図示しない原稿台に配置されているセンサー信号に基づいて該原稿台に原稿がセットされていることも条件として考慮した上でスキャン動作を実行すると判断してもよいし、この条件なしにスキャン動作を実行すると判断して実行部107にその結果を渡し、実行部107においてスキャン動作を実行させる際に原稿台に原稿がセットされていないとスキャン動作をエラーとして返すようにしてもよい。
【0072】
実行部107はこの判断に従ってスキャナー13に制御信号を出力してスキャン動作を実行させ、その動作によって得られた画像データーをスキャナー13から得る。該画像データーは、送信部108によって、上記通知で特定される携帯端末300に対して送信される。
【0073】
図16は、上記動作を行なうための携帯端末300の機能構成の具体例を示すブロック図である。図16に示される各機能は、CPU30がROM31に記憶されるプログラムを読み出してRAM32上で実行することで、主にCPU30に形成される機能である。しかしながら、少なくとも一部の機能が図3に示されたハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0074】
図16を参照して、携帯端末300は、操作パネル34での指示を示す操作信号の入力を受け付けるための入力部301と、操作信号に基づいて上述の離す操作を検出するための検出部302と、通常の操作パネル34での指示を示す操作信号に基づくアプリケーション処理を実行するためのアプリケーション処理部303と、離す操作の対象を特定するための特定部304と、通知先としてサーバー500を記憶しており、離す操作の対象、離す操作が検出された日時、およびログインユーザーなどの離す操作がなされたときの当該携帯端末300に関連付けられたユーザーを特定する情報などを、ネットワークコントローラー36を介してサーバー500に対して送信し、離す操作がなされたことを通知する処理を実行するための通知部305と、ネットワークコントローラー36を介してMFP100から送信された動作の実行によって得られた情報を受信するための受信部306と、離す操作の対象に基づいてMFP100から送信された情報の処理内容を特定し、その処理をMFP100から受信した情報に対して施すための情報処理部307とを含む。
【0075】
特定部304によって操作パネル34に表示されたファイルフォルダー上において離す操作がなされたことが特定されると、通知部305によってその旨がサーバー500に通知される。
【0076】
図7の番号1で表わされた動作条件が満たされる場合、MFP100では上述のように原稿台にセットされた原稿が読み取られ、画像データーがMFP100から携帯端末300に対して送信される。
【0077】
この場合、情報処理部307は、実行する処理として、MFP100から受信した画像データーを離す操作の対象となったファイルフォルダーに格納する処理を特定する。そして、受信した画像データーを離す操作の対象となったファイルフォルダーに格納する処理を実行する。
【0078】
図17は、上記動作を行なうためのサーバー500の機能構成の具体例を示すブロック図である。図17に示される各機能は、CPU50がROM51に記憶されるプログラムを読み出してRAM52上で実行することで、主にCPU50に形成される機能である。しかしながら、少なくとも一部の機能が図4に示されたハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0079】
図17を参照して、サーバー500は、ネットワークコントローラー54を介してMFP100からつまみ情報の入力を受け付けるためのつまみ情報入力部501と、当該つまみ情報をメモリー55の所定領域に格納する処理を実行するための保存部502と、ネットワークコントローラー54を介して携帯端末300から離す操作がなされた通知を受け付けるための離す通知入力部503と、離す操作がなされた通知を受け付けるとメモリー55の所定領域からつまみ情報を読み出すための読出部504と、読み出されたつまみ情報で特定されるMFP100に対して携帯端末300において離す操作がなされ旨を通知するための通知部505とを含む。
【0080】
<動作フロー>
図18は、MFP100での動作の具体例を示すフローチャートである。図18のフローチャートに示される動作は、CPU10がROM11に記憶されるプログラムを読み出してRAM12上で実行し、図9の各機能を発揮させることによって実現される。
【0081】
図18を参照して、操作パネル15に表示されたメニュー画面においてつまむ操作があったことが検出されると(ステップS103でYES)、ステップS105でCPU10はその操作の対象とされたアイコンに対応したアプリケーションを特定し、その他の情報と共につまみ情報としてメモリー16の所定領域に格納する。そして、ステップS107でCPU10は、つまみ情報を送信すると共につまむ操作がなされたことを、予め通知先として記憶しているサーバー500に対して通知する。
【0082】
その後、サーバー500から携帯端末300で離す操作がなされた旨の通知を受け取ると(ステップS109でYES)、ステップS111でCPU10は、上記ステップS105で記憶したつまみ情報および通知された離す操作で特定される情報が記憶している図7の動作条件を満たすか否かを判断する。その結果、動作条件を満たすものがあった場合(ステップS113でYES)、ステップS115で当該条件に対して規定されている動作を実行する。上の例の場合、たとえばここでスキャン動作を実行し、図示しない原稿台にセットされた原稿を読み取って画像データーを得る。
【0083】
ステップS117でCPU10は、上記ステップS115での動作によって得られた情報を、ステップS109での通知によって特定される携帯端末300に対して送信して、一連の動作を終了する。
【0084】
<実施の形態の効果>
以上の動作が画像形成システムにおいて行なわれることで、たとえば図7の番号1に表わされた動作の場合、MFP100に原稿をセットした後にスキャン動作を実行させて、その送信先をMFP100に対して入力し、さらに、携帯端末300でその画像データーを受信して所定の格納先に格納させるための操作を行なう、という煩雑な操作をすることなく、直感的で容易な操作によって、MFP100でスキャン動作を実行させ、画像データーをMFP100から携帯端末300に転送させて保存させることができる。
【0085】
さらに、上述のように、たとえばユーザー一致する場合といったような動作条件が予め記憶されており、その条件が満たされた場合に上記動作が行なわれるため、意図しない動作が行なわれたり、誤った操作によって動作が行なわれたりすることを防止することができる。
【0086】
<他の例>
なお、以上の動作例は、一例として、主に、図7の番号1に表わされた動作条件に沿って説明されたものである。しかしながら、この例は一例であって、他の条件によっては他の動作が行なわれる。すなわち、MFP100ではつまむ操作、携帯端末300では離す操作、がなされるものに限定されるものではなく、その逆であってもよいし、MFPが複数台画像形成システムに含まれる場合には、MFP間でのつまむ操作、離す操作によっていずれかのMFPで規定された動作が行なわれるものであってもよいし、携帯端末が複数台画像形成システムに含まれる場合には、携帯端末間でのつまむ操作、離す操作によっていずれかの携帯端末で規定された動作が行なわれるものであってもよい。
【0087】
たとえば、他の例として図7の番号2に表わされた動作条件に沿った動作が挙げられる。この例についても簡単に説明する。図19は、図7において番号2で表わされた動作条件が満たされるための動作の流れを表わした図である。
【0088】
図19を参照して、はじめに携帯端末300の操作パネル34に表示されているファイル表示画面においてファイルを表わすアイコン上での離す操が行なわれ(図19(A))、次に、MFP100の操作パネル15に表示されている読込み設定画面においてファイル形式を表わすアイコン上での離す操作行なわれると(図19(B))、図19(A)のつまむ操作が行なわれた際の携帯端末300のログインユーザーと図19(B)の離す操作が行なわれた際のMFP100のログインユーザーとが一致し、かつ、つまむ操作の対象とされたファイルの形式が当該MFP100において変換可能なデーター形式である場合、MFP100は携帯端末300のつまむ操作で特定されたファイルに対して変換動作を実行して、作成したファイルを携帯端末300に送信する。
【0089】
図7の番号2で表わされた動作条件の例では、MFP100は携帯端末300のファイルをPDF変換してPDF形式となったファイルを携帯端末300に送信する。
【0090】
この動作を行なうため、MFP100のメモリー16には、図2に表わされたように、変換可能なデーター形式を記憶するための記憶領域162が含まれる。
【0091】
図20は、図7の番号2で表わされた動作条件の例を用いた場合の、画像形成システムでの動作の流れを表わす図である。
【0092】
図20を参照して、ステップS41で携帯端末300の操作パネル34に表示されたオブジェクト(ファイル等)上でのつまむ操作が検出されると、ステップS42でつまむ操作によって特定される情報が生成され、保存される。そして、ステップS43でつまむ操作によって特定される情報が、つまみ情報としてサーバー500に送信される。ここでのつまみ情報としては、つまむ操作の対象とされたファイルを特定する情報(対象データー)および当該つまむ操作がなされた際のログインユーザーを特定する情報、などが該当する。
【0093】
サーバー500は携帯端末300からのつまみ情報を受信し、ステップS21でメモリー55の所定領域に保存する。
【0094】
次に、ステップS51でMFP100の操作パネル15上での離す操作が検出されると、ステップS52で離し情報が生成されて、保存される。ステップS53で、離す操作が行なわれたことをサーバー500に対して通知する。
【0095】
サーバー500は、MFP100から離す操作がなされたことを示す通知を受け取ると、それ以前に受信してメモリー55に記憶されているつまみ情報を対象データーと共にを読み出して(ステップS22)、離す操作がなされたMFP100に対して、携帯端末300からのつまみ情報を対象データーと共に送信する(ステップS23)。
【0096】
以降は、図9と同等の動作が行なわれる。すなわち、MFP100は、サーバー500からつまみ情報を受け取ると、ステップS14’で上記携帯端末300でつまむ操作がされた対象の種別(たとえば対象のファイル形式等)を検出する。また、ステップS14で動作条件を満たすものであるか否かを図7の条件データーベースに基づき判断する。そして、動作条件が満たされていると判断されると、ステップS15で規定された動作を実行する。
【0097】
この例では、MFP100は、上記ステップS15で変換したファイルを、ステップS16で携帯端末300に対して送信する。ステップS33で携帯端末300は、送信された変換ファイルを上記離し情報に対応して格納(保存)する。
【0098】
なお、図20の例でも、動作条件を満たしているか否かをMFP100が判断するものとしたが、上述のように、この判断はサーバー500において行なわれてもよいし、携帯端末300で行なわれてもよい。
【0099】
また、サーバー500がMFP100または携帯端末300に含まれ、MFP100または携帯端末300がサーバー500の動作を行なってもよい。
【0100】
この例で説明されたような動作であっても、2つの装置を用いて動作を行なわせる際に、両方の装置をそれぞれ順に操作したり、煩雑な操作を行なったりする必要がなく、直感的な容易な操作によって動作を行なわせることができる。
【0101】
さらに、上に説明された例は、いずれも、MFP100に動作を実行させるものであるが、画像形成システムに含まれるいずれかの装置に動作を行なわせるものであればよい。つまり、上の説明において、MFP100と携帯端末300とが入れ替わってもよい。
【0102】
この例として、たとえば、図19、図20を用いて説明した動作のMFP100と携帯端末300とを入れ替える例が挙げられる。この一例として、MFP100においてユーザーまたはユーザーの属するグループに関連付けられた記憶領域であるボックスに対してつまむ操作が行なわれ、当該ユーザーに関連付けられた携帯端末300のメニュー画面においてカメラを起動させるアイコン上で離す操作が行なわれた場合を例に挙げる。これら操作を用いた動作条件として、これらつまむ操作、離す操作に加えて、これらのログインユーザーが一致し、かつ、カメラが起動可能な状態である場合の動作として、カメラアプリケーションの起動が規定されているものとする。
【0103】
この場合、携帯端末300はかかる動作条件を満たすと判断し、規定されている動作として、カメラを起動させて所定のタイミングで撮影を実行し、得られた画像データーをMFP100に対して送信する動作を実行することが考えられる。そして、MFP100は受信した画像データーをつまむ操作の対象となったボックスに格納する動作を行なうことが考えられる。
【0104】
さらには、つまむ操作がなされる装置と離す操作がなされる装置が異なる装置にも限定されず、異なるタイミングで同じ装置で行なわれてもよい。
【0105】
このように、動作の内容や動作を行なう装置は上の例に限定されず、画像形成システムに含まれる1つの装置におけるつまむ操作、異なるタイミングでの他の装置における離す操作に応じて、これら操作時のユーザーの条件、および規定される動作が実行可能な状態であるか否かの条件、を動作条件として判断することで、画像形成システムに含まれるいずれかの装置で規定される動作を実行させる。
【0106】
このようにすることで、ユーザーは直感的で容易な操作によって、意図する動作を行なわせることが可能となる。
【0107】
さらに、上述の動作をMFP100や携帯端末300やサーバー500に搭載されるコンピューターで実行させるためのプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピューターに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびメモリカードなどのコンピューター読み取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピューターに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0108】
なお、本発明にかかるプログラムは、コンピューターのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0109】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0110】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0111】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0112】
10,30,50 CPU、11,31,51 ROM、12,32,52 RAM、13 スキャナー、14 プリンター、15,34 操作パネル、16,33,55 メモリー、17,36,54 ネットワークコントローラー、35 通信コントローラー、100 MFP、101,301 入力部、102,302 検出部、103,502 保存部、104,305,505 通知部、105,306 受信部、106 判断部、107 実行部、108 送信部、161,162 記憶領域、300 携帯端末、303 アプリケーション処理部、307 情報処理部、304 特定部、500 サーバー、501 つまみ情報入力部、503 離す通知入力部、504 読出部、700 アクセスポイント。
【技術分野】
【0001】
この発明は画像形成システム、画像形成装置、および制御プログラムに関し、特に、タッチパネル上でのユーザーの「つまむ」操作および「離す」操作により処理が実行される画像形成システム、画像形成装置、および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コピー機やプリンターやその複合機であるMFP(Multi-Functional Peripheral)などの画像形成装置の中には、画像データーをファイルとして記憶し、ネットワークを介して接続された、携帯情報端末などの他の装置と当該ファイルをやりとりするものがある。
【0003】
一方で、タッチパネルを有する携帯情報端末などの装置が増え、タッチパネルを使用したユーザーインターフェースが普及している。その一例として、たとえば、特開2002−123369号公報(以下、特許文献1)は、通常の押下操作とは異なる操作が行なわれた場合に、画面の表示内容をスクロールさせる技術を提案している。また、特開2000−163444号公報(以下、特許文献2)は、ユーザーが指定した情報や入力した情報に日付情報を付して、自動的にファイルフォルダーに格納する機能を有する電子ブックであって、指による入力操作における指の移動履歴を用いて範囲の指定を行なう技術を開示している。また、特開2000−163193号公報(以下、特許文献3)は、ページ番号が付与された情報をページ単位に画像情報として表示部に出力可能な電子ブックであって、検出された指の接触圧力、接触面積、および指の移動方向に基づき、ページめくり入力やしおり挿入を行なう技術を開示している。さらに、特開平8−76926号公報(以下、特許文献4)は、指の接触移動の移動量と方向とに基づいてページめくりを行なったり、タッチする指の本数に応じてめくるページ数を変えたりする技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−123369号公報
【特許文献2】特開2000−163444号公報
【特許文献3】特開2000−163193号公報
【特許文献4】特開平8−76926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようにたとえばオフィス環境などにおいて複数の装置を利用し得る状態にあるときに、処理を実行させようとする装置と、その処理の実行を指示しようとする装置とが異なる場合がある。また、処理を実行させようとする装置と、その処理に用いる情報を保持している装置とが異なる場合がある。
【0006】
そういった場合に、たとえ特許文献1〜4のような技術を採用した場合であっても、双方の装置にそれぞれ異なる操作を行ない、また、それぞれの装置に対する操作を繰り返し行なう必要があり、操作が煩雑である、という問題があった。またその結果、操作を誤るなどして、ユーザーの意図しない動作が行なわれてしまうこともある、という問題もあった。
【0007】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、直感的かつ容易な操作でネットワークで接続された装置間で動作を実行させることが可能な画像形成システム、画像形成装置、および制御プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、画像形成システムは、第1のタッチパネルおよび画像に対する処理手段を有する画像形成装置と、第2のタッチパネルを有する端末装置と含んだ画像形成システムであって、第1のタッチパネル上の第1の操作に応じて、操作の種類と操作の対象とを示す第1の操作情報を生成するための第1の操作情報生成手段と、第2のタッチパネル上の第2の操作に応じて、操作の種類と操作の対象とを示す第2の操作情報を生成するための第2の操作情報生成手段と、画像形成装置の状態または操作の対象の種別を検出するための検出手段と、第1の操作情報、第2の操作情報、処理手段による処理の内容、および所定の条件を関連付けた条件判別データーを記憶するための記憶手段と、第1の操作情報、第2の操作情報、および検出手段の検出結果と、条件判別データーとに基づき、処理手段による処理を決定するための判断手段と、判断手段により決定された処理を処理手段に実行させるための処理実行手段と、処理実行手段によって実行された結果を処理データーとして端末装置に対して送信するための送信手段とを備える。
【0009】
好ましくは、検出手段は、画像形成装置が処理手段による処理を実行できる状態か否かを検出する。
【0010】
好ましくは、上記所定の条件は、画像形成装置において第1の操作を行なったログインユーザーと、端末装置において第2の操作を行なったログインユーザーのとの一致を示す条件を含む。
【0011】
好ましくは、第1の操作は、処理手段により画像データーを生成する処理に対応するアイコンに対する操作であり、第2の操作は、画像データーを処理データーとして格納する格納場所に対応するアイコンに対する操作である。
【0012】
好ましくは、第1の操作は、第1のタッチパネル上で2点がタッチされた後に連続して2点のタッチ位置がその間隔が短くなる方向に移動し、その後、移動後の2点のタッチを解除する操作であり、第2の操作は、第2のタッチパネル上で2点がタッチされた後に連続して2点のタッチ位置がその間隔が長くなる方向に移動し、その後、移動後の2点のタッチを解除する操作であり、第1の操作情報生成手段および第2の操作情報生成手段は、移動前と移動後との少なくとも一方の2点のタッチ位置で定義される範囲に含まれるオブジェクトを操作の対象と特定する。
【0013】
好ましくは、画像形成装置が判断手段を含む。
または、好ましくは、端末装置が判断手段を含む。
【0014】
または、好ましくは、画像形成システムは画像形成装置と端末装置とを仲介するためのサーバーをさらに含み、サーバーが判断手段を含む。
【0015】
好ましくは、画像形成装置の処理手段は、第1の操作により、セットされた原稿を読み取って画像データーを生成し、端末装置は生成された画像データーを第2の操作により特定された格納場所に格納する。
【0016】
好ましくは、端末装置はカメラを含んで、第2の操作により、カメラにより撮影された画像データーを生成し、画像形成装置の処理手段は、カメラにより撮影された画像データーを取得して、第1の操作により特定された格納場所に格納する。
【0017】
好ましくは、画像形成装置の処理手段は、第2の操作によって特定された画像データーを、第1の操作によって特定されたファイル形式に変換する。
【0018】
本発明のさらに他の局面に従うと、画像形成装置は、タッチパネルと、タッチパネルに接続された制御手段と、端末装置と通信するための通信手段と、画像処理を実行するための処理手段とを備える。制御手段は、タッチパネル上の操作に応じて、操作の種類と操作の対象とを示す第1の操作情報を生成するための操作情報生成手段と、当該画像形成装置の状態または操作の対象の種別を検出するための検出手段と、通信手段により端末装置のタッチパネルにおける操作の種類と操作の対象とを示す第2の操作情報を受信するための受信手段と、第1の操作情報、端末装置からの第2の操作情報、処理手段による処理の内容、および所定の条件を関連付けた条件判別データーを記憶するための記憶手段と、第1の操作情報、端末装置からの第2の操作情報、および検出手段の検出結果と、条件判別データーとに基づき、処理手段による処理を決定するための判断手段と、判断手段により決定された処理を処理手段に実行させるための処理実行手段と、処理実行手段によって実行された結果を処理データーとして端末装置に対して送信するための送信手段とを備える。
【0019】
本発明のさらに他の局面に従うと、制御プログラムはタッチパネルおよび画像に対する処理手段を有する画像形成装置に処理を実行させるための制御プログラムであって、画像形成装置は、当該画像形成装置における操作の種類および操作の対象を示す第1の操作情報と、端末装置における操作の種類および操作の対象を示す第2の操作情報と、処理の内容と、所定の条件とを関連付けた条件判別データーを記憶し、タッチパネルからの操作信号を基づいて、タッチパネルを用いた第1の操作が行なわれたことを検出するステップと、第1の操作に応じて、操作の種類と操作の対象とを示す第1の操作情報を生成するステップと、当該画像形成装置の状態または操作の対象の種別を検出するステップと、端末装置から、当該端末装置の有するタッチパネルを用いた第2の操作の種類と操作の対象とを表わす第2の操作情報を受信するステップと、第1の操作情報、第2の操作情報、および検出するステップでの検出結果と、条件判別データーとに基づき、処理手段による処理を決定するステップと、決定するステップで決定された処理を処理手段で実行するステップと、処理手段で実行された結果を処理データーとして端末装置に対して送信するステップとを画像形成装置に実行させる。
【発明の効果】
【0020】
この発明によると、直感的かつ容易な操作でネットワークで接続された装置間で動作を実行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施の形態にかかる画像形成システムの構成の具体例を示す図である。
【図2】画像形成システムに含まれるMFP(Multi-Function Peripheral)のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図3】画像形成システムに含まれる携帯端末のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図4】画像形成システムに含まれるサーバーのハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図5】「つまむ」操作を説明するための図である。
【図6】「離す」操作を説明するための図である。
【図7】MFPに記憶される動作条件の対応の具体例を示す図である。
【図8】図7において番号1で表わされた動作条件が満たされるための動作の流れを表わした図である。
【図9】画像形成システムでの動作の流れを表わす図である。
【図10】MFPの機能構成の具体例を示すブロック図である。
【図11】つまむ操作によって指定されるアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【図12】つまむ操作によって指定されるアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【図13】つまむ操作によって指定されるアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【図14】つまむ操作によって指定されるアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【図15】つまむ操作によって指定されるアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【図16】携帯端末の機能構成の具体例を示すブロック図である。
【図17】サーバーの機能構成の具体例を示すブロック図である。
【図18】MFPでの動作の具体例を示すフローチャートである。
【図19】図7において番号2で表わされた動作条件が満たされるための動作の流れを表わした図である。
【図20】図7の番号2で表わされた動作条件の例を用いた場合の、画像形成システムでの動作の流れを表わす図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
【0023】
<システム構成>
図1は、本実施の形態にかかる画像形成システムの構成の具体例を示す図である。
【0024】
図1を参照して、本実施の形態にかかる画像形成システムは、画像形成装置の一例としてのMFP(Multi-Function Peripheral)100と、端末装置として携帯端末300と、サーバー500とを含み、これらがLAN(Local Area Network)などのネットワークで接続されている。
【0025】
ネットワークは有線であっても無線であってもよい。一例として、図1に示されるように、MFP100とサーバー500とが有線LANに接続され、該有線LANにさらに無線LANアクセスポイント700が含まれ、携帯端末300が無線LANアクセスポイント700と無線LANで接続されている例が挙げられる。
【0026】
画像形成装置は操作入力を受け付けるための構成としてタッチパネルを有するものであればMFPに限定されず、どのような画像形成装置であってもよい。他の例として、複写機、プリンター、ファクシミリ装置などであってもよい。
【0027】
携帯端末300は操作入力を受け付けるための構成としてタッチパネルを有するものであればどのような装置であってもよい。たとえば、タッチパネルを備えた携帯電話機、パーソナルコンピューター、PDA(Personal Digital Assistants)であってもよい。
【0028】
<MFPの構成>
図2は、MFP100のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【0029】
図2を参照して、MFP100は、全体を制御するための演算装置であるCPU(Central Processing Unit)10と、CPU10で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM(Read Only Memory)11と、CPU10でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM(Random Access Memory)12と、図示しない原稿台に載置された原稿を光学的に読み取って画像データーを得るためのスキャナー13と、画像データーを印刷用紙上に固定するためのプリンター14と、情報を表示したり当該MFP100に対する操作入力を受け付けたりするためのタッチパネルを含んだ操作パネル15と、画像データーをファイルとして保存するためのメモリー16と、上記ネットワークを介した通信を制御するためのネットワークコントローラー17とを含む。
【0030】
操作パネル15は、図示しないタッチパネルと操作キー群とを含む。タッチパネルは、液晶表示装置などの表示装置と光学式タッチパネルや静電容量タッチパネルなどの位置指示装置とが重なって構成され、操作画面を表示して、その操作画面上の指示位置を特定する。CPU10は予め記憶されている画面表示をさせるためのデーターに基づいてタッチパネルに操作画面を表示させる。
【0031】
特定されたタッチパネル上での指示位置(タッチされた位置)や、押下されたキーを示す操作信号はCPU10に入力される。CPU10は押下されたキー、または表示している操作画面と指示位置とから操作内容を特定し、それに基づいて処理を実行する。
【0032】
メモリー16には、後述する動作条件を記憶するための記憶領域161が含まれる。
<携帯端末の構成>
図3は、携帯端末300のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【0033】
図3を参照して、携帯端末300は、全体を制御するための演算装置であるCPU30と、CPU30で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM31と、CPU30でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM32と、画像データーをファイルとして記憶したり他の情報を記憶したりするためメモリー33と、情報を表示したり当該携帯端末300に対する操作入力を受け付けたりするためのタッチパネルを含んだ操作パネル34と、図示しない基地局と通信することによる電話回線を介した通信を制御するための通信コントローラー35と、上記ネットワークを介した通信を制御するためネットワークコントローラー36とを含む。
【0034】
操作パネル34は、MFP100の操作パネル15と同様の構成であってよい。すなわち、一例として、液晶表示装置などの表示装置と光学式タッチパネルや静電容量タッチパネルなどの位置指示装置とが重なって構成されたタッチパネルを含む。
【0035】
CPU30は予め記憶されている画面表示をさせるためのデーターに基づいてタッチパネルに操作画面を表示させる。タッチパネルでは操作画面上の指示位置が特定され、その位置を示す操作信号がCPU30に入力される。CPU30は表示している操作画面と指示位置とから操作内容を特定し、それに基づいて処理を実行する。
【0036】
<サーバーの構成>
図4は、サーバー500のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【0037】
図4を参照して、サーバー500は上述のように一般的なコンピューター等によって構成されるものであり、一例として、全体を制御するための演算装置であるCPU50と、CPU50で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM51と、CPU50でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM52と、ファイルなどを記憶するためのHD(Hard Disk)53と、上記ネットワークを介した通信を制御するためのネットワークコントローラー54とを含む。
【0038】
<動作概要>
画像形成システムでは、つまむ操作がなされた装置および当該装置においてつまむ操作の対象となったもの(つまむ操作が行なわれた位置)と、離す操作がなされた装置および当該装置において離す操作の対象となったもの(離す操作が行なわれた位置)との組み合わせに応じた動作が行なわれる。
【0039】
ここで、つまむ操作および離す操作について説明する。
図5は、「つまむ」操作を説明するための図である。図5を参照して、「つまむ」操作とは、たとえば2本の指などを用いて操作パネル上の2点P1、P2を指定し、続いて、その位置から直線状または略直線状に指を近づけ、近づいた位置である2点P’1、P’2で2本の指を操作パネルから離す操作を指す。
【0040】
CPUは、操作パネル上の2点P1、P2が同時に指示され、さらに、それぞれの位置から連続して直線状または略直線状に位置が変化し、元の2点間の間隔よりも短い間隔である2点P’1、P’2で両指定がほぼ同時に解除されたことが検出されると、「つまむ」操作がなされたと検出する。
【0041】
図6は、「離す」操作を説明するための図である。図6を参照して、「離す」操作とは、たとえば2本の指などを用いて操作パネル上の2点Q1、Q2を指定し、続いて、その位置から直線状または略直線状に指を遠ざけ、ある程度離れた位置である2点Q’1、Q’2で2本の指を操作パネルから離す操作を指す。
【0042】
CPUは、操作パネル上の2点Q1、Q2が同時に指示され、さらに、それぞれの位置から連続して直線状または略直線状に位置が変化し、元の2点間の間隔よりも長い間隔である2点Q’1、Q’2で両指定がほぼ同時に解除されたことが検出されると、「離す」操作がなされたと検出する。
【0043】
MFP100には、つまむ操作がなされた装置および当該装置においてつまむ操作の対象となったもの(つまむ操作が行なわれた位置)と、離す操作がなされた装置および当該装置において離す操作の対象となったもの(離す操作が行なわれた位置)との組み合わせに応じた動作内容、およびその動作が可能な状態が、動作条件として記憶されている。
【0044】
図7は、MFP100に記憶される動作条件の対応を示す具体例である。この動作条件と動作とは、条件データーベースとして記憶されている。図7に示されるように、動作条件として、MFP100で実行される動作について、その動作を実行する際の条件として、つまむ操作および離す操作の組み合わせと満たすべき条件とが規定されている。
【0045】
例として、図7の番号1では、MFP100においてつまむ操作が行なわれ、かつつまむ操作の対象がスキャンであって、携帯端末300において離す操作が行なわれ、かつ、離す操作の対象がファイルフォルダーを表わすアイコンである場合であって、これら装置のログインユーザーが一致し、かつ、MFP100の図示しない原稿台に原稿がセットされているとう動作可能な状態である、という動作条件が満たされている場合、MFP100においてスキャン動作が実行されるものと規定されている。
【0046】
図8は、図7において番号1で表わされた動作条件が満たされるための動作の流れを表わした図である。
【0047】
すなわち、図7および図8を参照して、はじめにMFP100の図示しない原稿読取台に原稿をセットし(図8(A))、MFP100の操作パネル15に表示されているメニュー画面においてスキャン動作の実行を指示するためのアイコン上でのつまむ操作が行なわれ(図8(B))、その次に、携帯端末300の操作パネル34に表示されているフォルダー表示画面においてファイルフォルダーを表わすアイコン上での離す操が行なわれると(図8(C))、図8(B)のつまむ操作が行なわれた際のMFP100のログインユーザーと図8(C)の離す操作が行なわれた際の携帯端末300のログインユーザーとが一致した場合に、MFP100でスキャン動作が実行され、図8(A)で搭載された原稿が読み取られる。
【0048】
図9は、画像形成システムでの動作の流れを表わす図である。
図9を参照して、ステップS11でMFP100の操作パネル15上でのつまむ操作が検出されると、ステップS12でつまむ操作によって特定される情報が生成され、保存される。つまむ操作によって特定される情報としては少なくともつまむ操作がなされたアイコンが表わすアプリケーションを特定する情報が該当する。その他の情報として、つまむ操作が検出された日時を特定する情報、および当該つまむ操作がなされた際のログインユーザーを特定する情報、などが該当する。これらのつまむ操作に関連する情報を、以降の説明において「つまみ情報(第1の操作情報)」とも称する。また、ステップS12’では、MFP100に原稿がセットされているか等のMFP100の状態が検出、保存される。
【0049】
MFP100は予め通知先としてサーバー500を記憶しており、ステップS13で、操作パネル15上でつまむ操作がなされたことをサーバー500に対して通知する。このとき、ステップS12で保存されたつまみ情報をサーバー500に対して送信する。
【0050】
サーバー500はMFP100からのつまみ情報を受信し、ステップS21でメモリー55の所定領域に保存する。
【0051】
携帯端末300もまた、予め通知先としてサーバー500を記憶している。そして、ステップS31−1で携帯端末300の操作パネル34に表示されたオブジェクト(ファイルフォルダー等)上での離す操作が検出されると、ステップS32で、オブジェクト上で離す操作が行なわれたことをサーバー500に対して通知する。このとき、携帯端末300からは離す操作が行なわれたことと、操作対象のオブジェクトと、離す操作がなされた際の携帯端末300のログインユーザー、または当該携帯端末300に関連付けられたユーザーを特定する情報とを「離し情報(第2の操作情報)」として生成し(S31−2)、ステップS32でサーバー500に対して通知する。
【0052】
サーバー500は、携帯端末300から離す操作がなされたことを示す通知を受け取ると、それ以前に受信してメモリー55に記憶されているつまみ情報を読み出して(ステップS22)、当該つまみ情報の送信元であるMFP100に対して、携帯端末300からの通知内容を通知する(ステップS23)。
【0053】
MFP100は、サーバー500から上記通知を受け取ると、ステップS14で、上記ステップS12で保存されたつまみ情報とサーバー500からの通知内容とが予め記憶している動作条件を満たすものであるか否かを図7の条件データーベースに基づき判断する。そして、動作条件が満たされていると判断されると、ステップS15で規定された動作を実行する。
【0054】
MFP100は、上記ステップS15でたとえば上述の例ではスキャン動作を行なうなどによって得られたデーター(ジョブ実行データー)を、ステップS16で携帯端末300に対して送信する。ステップS33で携帯端末300は、上記離し情報に基づき、送信されたデーターと上記オブジェクトとを関連付ける(格納等)。
【0055】
なお、図9の例では、動作条件を満たしているか否かをMFP100が判断するものとしている。以降でも、MFP100が判断するものとして説明する。しかしながら、この判断はサーバー500において行なわれてもよい。この場合、サーバー500が、後に説明するMFP100のこの動作のための機能を備え、その判断に従って、MFP100に対して動作を実行させるためのコマンドを送信するようにすればよい。
【0056】
また、以降では、図1に表わされたように画像形成システムにサーバー500が含まれて、MFP100からのつまみ情報と携帯端末300からの離す操作の通知との処理を行なうものとしているが、サーバー500はMFP100に含まれ、MFP100がこの処理を行なってもよい。つまり、MFP100が携帯端末300から直接、離す操作が行なわれたことを示す通知を受け取って、動作条件を満たしているか否かを判断するようにしてもよい。
【0057】
または、サーバー500は携帯端末300に含まれ、携帯端末300がこの処理を行なってもよい。すなわち、携帯端末300がMFP100からつまみ情報を受け取って、離す操作が検出された際に動作条件を満たしているか否かを判断して、その結果に基づいてコマンドをMFP100に対して送信するようにしてもよい。
【0058】
この場合、MFP100または携帯端末300が、後に説明するサーバー500のこの動作のための機能を備えていればよい。
【0059】
<機能構成>
図10は、上記動作を行なうためのMFP100の機能構成の具体例を示すブロック図である。図10に示される各機能は、CPU10がROM11に記憶されるプログラムを読み出してRAM12上で実行することで、主にCPU10に形成される機能である。しかしながら、少なくとも一部の機能が図2に示されたハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0060】
図10を参照して、MFP100は、操作パネル15での指示を示す操作信号の入力を受け付けるための入力部101と、操作信号に基づいて上述のつまむ操作を検出するための検出部102と、操作信号で表わされた指定された位置に基づいてつまむ操作で指定されたアイコン(オブジェクト)が表わすアプリケーションを特定する情報や、つまむ操作が検出された日時を特定する情報、つまむ操作が検出されたときのログインユーザーを特定する情報、などのつまみ情報をメモリー16の所定領域に格納する処理を実行するための保存部103と、通知先としてサーバー500を記憶しており、つまみ情報をネットワークコントローラー17を介してサーバー500に対して送信し、つまむ操作がなされたことを通知する処理を実行するための通知部104と、ネットワークコントローラー17を介してサーバー500からの携帯端末300において離す操作が行なわれことを示す通知を受信するため受信部105と、図7の動作条件を予め記憶してその動作条件を満たすか否かを判断するための判断部106と、動作条件が満たされた場合にMFP100の各部に対して制御信号を出力して、規定された動作を実行させるための実行部107と、その動作によって得られた情報をネットワークコントローラー17を介してつまむ操作が行なわれた携帯端末300に対して送信するための送信部108と含む。
【0061】
保存部103は、つまむ操作の最初に指定された2点(図5の2点P1、P2)と最後に指定された2点(図5の2点P’1、P’2)との少なくとも一方に基づいて定義される範囲に表示されるアイコンを、つまむ操作で指定されたアイコンとして特定する。
【0062】
保存部103での、つまむ操作によって指定されるアイコンを特定する方法は特定の方法に限定されない。図11〜図15は、保存部103での、つまむ操作によって指定されるアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【0063】
一例として保存部103は、図11に示されるように、最初に指定された2点P1、P2を対角とする矩形をつまむ操作で定義される範囲と特定し、その中に少なくとも一部が含まれるアイコンを指定されるアイコンとして特定してもよい。または、図12に示されるように、最初に指定された2点P1、P2を対角とする矩形をつまむ操作で定義される範囲と特定し、その矩形内に完全に含まれるアイコンを指定されるアイコンとして特定してもよい。このように特定されることで、ユーザーは意図するアイコンを挟むように2本の指を操作パネル15にタッチさせ、その状態からつまむ操作のための動作を行なうことで、当該意図するアイコンを直感的に指定することができる。また、アイコン画像が小さい場合であっても、正確に指定することが可能となる。
【0064】
他の例として保存部103は、図13に示されるように、最後に指定された2点P’1、P’2を対角とする矩形をつまむ操作で定義される範囲と特定し、その中に少なくとも一部が含まれるアイコンを指定されるアイコンとして特定してもよい。または、図14に示されるように、最後に指定された2点P’1、P’2を対角とする矩形をつまむ操作で定義される範囲と特定し、その矩形内に完全に含まれるアイコンを指定されるアイコンとして特定してもよい。このように特定されることで、ユーザーは意図するアイコンが最後に2本の指の間に挟まれるように、それよりも広く離して2本の指を操作パネル15にタッチさせた後に近づけることで、当該意図するアイコンを直感的に指定することができる。また、アイコン画像が小さい場合であっても、正確に指定することが可能となる。
【0065】
他の例として保存部103は、図15に示されるように、最初に指定された2点P1、P2から最後に指定された2点P’1、P’2までを結ぶ2本の線をつまむ操作で定義される範囲と特定し、いずれかの線が重なるアイコンを指定されるアイコンとして特定してもよい。このように特定されることで、ユーザーは意図するアイコンをつまむように2本の指を移動させることで、当該意図するアイコンを直感的に指定することができる。また、アイコン画像が小さい場合であっても、正確に指定することが可能となる。
【0066】
保存部103は、つまむ操作に関連するつまみ情報をメモリー16の所定領域に一時的に記憶する。この「一時的」な期間はたとえば24時間などと予め設定されており、その期間を経過してもサーバー500から携帯端末300でつまむ操作が行なわれた旨の通知がなかった場合には、メモリー16の所定領域から削除するようにしてもよい。さらに、上記一時的な期間内にコマンドの入力がなかった場合には、CPU10は、メモリー16の所定領域からの削除に替えて、または削除に加えて、コマンドが入力されなかった旨を表わす警告を操作パネル15に表示させてもよいし、その旨を表わすメッセージをつまみ情報に関連付けられたユーザーに対応して記憶されている携帯端末300に対して送信してもよい。
【0067】
これは、サーバー500でのつまみ情報の保存に関しても同様である。
つまみ情報を削除する他の例として、上記一時的な期間内に通知がなかった場合に替えて、または通知がなかった場合に加えて、つまむ操作の対象とされたアイコンに対する再度のつまむ操作を検出することで、保存部103は、当該つまみ情報をメモリー16の所定領域から削除するようにしてもよい。
【0068】
なお、図10には示されていないものの、MFP100は、予めユーザー情報を記憶しておき、入力部101で操作パネル15でのログイン操作に基づく操作信号の入力を受け付けて、該操作信号とユーザー情報とに基づいてユーザー認証を行なうための機能をさらに備える。そして、保存部103は、つまみ情報としてログインユーザーを特定する情報をメモリー16の所定領域に記憶させる。
【0069】
サーバー500からの通知には、後述するように、携帯端末300において離す操作の対象とされたアイコンやフォルダーを特定する情報と、当該携帯端末300に関連付けられたユーザーを特定する情報やログイン情報などのユーザー情報とが含まれている。判断部106は、サーバー500からの通知に含まれるこれら情報と、メモリー16の所定領域に記憶されたつまみ情報とを用いて、記憶している動作条件を満たすか否かを判断する。そして、条件を満たす動作がある場合、その動作を実行させるよう、実行部107に判断結果を渡す。
【0070】
図7の例の場合、つまみ情報で特定されるつまむ操作の対象(オブジェクト)がスキャナー動作を実行させるためのアイコンであって、サーバー500からの通知によって特定される離す操作の対象がファイルフォルダーであって、かつ、つまむ操作がなされたときのログインユーザーと離す操作がなされた携帯端末300に関連付けられたユーザーとが同一である場合、図7の番号1の動作条件が満たされているため、判断部106はスキャン動作を実行すると判断する。
【0071】
なお、この例の場合、判断部106は、さらに、図示しない原稿台に配置されているセンサー信号に基づいて該原稿台に原稿がセットされていることも条件として考慮した上でスキャン動作を実行すると判断してもよいし、この条件なしにスキャン動作を実行すると判断して実行部107にその結果を渡し、実行部107においてスキャン動作を実行させる際に原稿台に原稿がセットされていないとスキャン動作をエラーとして返すようにしてもよい。
【0072】
実行部107はこの判断に従ってスキャナー13に制御信号を出力してスキャン動作を実行させ、その動作によって得られた画像データーをスキャナー13から得る。該画像データーは、送信部108によって、上記通知で特定される携帯端末300に対して送信される。
【0073】
図16は、上記動作を行なうための携帯端末300の機能構成の具体例を示すブロック図である。図16に示される各機能は、CPU30がROM31に記憶されるプログラムを読み出してRAM32上で実行することで、主にCPU30に形成される機能である。しかしながら、少なくとも一部の機能が図3に示されたハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0074】
図16を参照して、携帯端末300は、操作パネル34での指示を示す操作信号の入力を受け付けるための入力部301と、操作信号に基づいて上述の離す操作を検出するための検出部302と、通常の操作パネル34での指示を示す操作信号に基づくアプリケーション処理を実行するためのアプリケーション処理部303と、離す操作の対象を特定するための特定部304と、通知先としてサーバー500を記憶しており、離す操作の対象、離す操作が検出された日時、およびログインユーザーなどの離す操作がなされたときの当該携帯端末300に関連付けられたユーザーを特定する情報などを、ネットワークコントローラー36を介してサーバー500に対して送信し、離す操作がなされたことを通知する処理を実行するための通知部305と、ネットワークコントローラー36を介してMFP100から送信された動作の実行によって得られた情報を受信するための受信部306と、離す操作の対象に基づいてMFP100から送信された情報の処理内容を特定し、その処理をMFP100から受信した情報に対して施すための情報処理部307とを含む。
【0075】
特定部304によって操作パネル34に表示されたファイルフォルダー上において離す操作がなされたことが特定されると、通知部305によってその旨がサーバー500に通知される。
【0076】
図7の番号1で表わされた動作条件が満たされる場合、MFP100では上述のように原稿台にセットされた原稿が読み取られ、画像データーがMFP100から携帯端末300に対して送信される。
【0077】
この場合、情報処理部307は、実行する処理として、MFP100から受信した画像データーを離す操作の対象となったファイルフォルダーに格納する処理を特定する。そして、受信した画像データーを離す操作の対象となったファイルフォルダーに格納する処理を実行する。
【0078】
図17は、上記動作を行なうためのサーバー500の機能構成の具体例を示すブロック図である。図17に示される各機能は、CPU50がROM51に記憶されるプログラムを読み出してRAM52上で実行することで、主にCPU50に形成される機能である。しかしながら、少なくとも一部の機能が図4に示されたハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0079】
図17を参照して、サーバー500は、ネットワークコントローラー54を介してMFP100からつまみ情報の入力を受け付けるためのつまみ情報入力部501と、当該つまみ情報をメモリー55の所定領域に格納する処理を実行するための保存部502と、ネットワークコントローラー54を介して携帯端末300から離す操作がなされた通知を受け付けるための離す通知入力部503と、離す操作がなされた通知を受け付けるとメモリー55の所定領域からつまみ情報を読み出すための読出部504と、読み出されたつまみ情報で特定されるMFP100に対して携帯端末300において離す操作がなされ旨を通知するための通知部505とを含む。
【0080】
<動作フロー>
図18は、MFP100での動作の具体例を示すフローチャートである。図18のフローチャートに示される動作は、CPU10がROM11に記憶されるプログラムを読み出してRAM12上で実行し、図9の各機能を発揮させることによって実現される。
【0081】
図18を参照して、操作パネル15に表示されたメニュー画面においてつまむ操作があったことが検出されると(ステップS103でYES)、ステップS105でCPU10はその操作の対象とされたアイコンに対応したアプリケーションを特定し、その他の情報と共につまみ情報としてメモリー16の所定領域に格納する。そして、ステップS107でCPU10は、つまみ情報を送信すると共につまむ操作がなされたことを、予め通知先として記憶しているサーバー500に対して通知する。
【0082】
その後、サーバー500から携帯端末300で離す操作がなされた旨の通知を受け取ると(ステップS109でYES)、ステップS111でCPU10は、上記ステップS105で記憶したつまみ情報および通知された離す操作で特定される情報が記憶している図7の動作条件を満たすか否かを判断する。その結果、動作条件を満たすものがあった場合(ステップS113でYES)、ステップS115で当該条件に対して規定されている動作を実行する。上の例の場合、たとえばここでスキャン動作を実行し、図示しない原稿台にセットされた原稿を読み取って画像データーを得る。
【0083】
ステップS117でCPU10は、上記ステップS115での動作によって得られた情報を、ステップS109での通知によって特定される携帯端末300に対して送信して、一連の動作を終了する。
【0084】
<実施の形態の効果>
以上の動作が画像形成システムにおいて行なわれることで、たとえば図7の番号1に表わされた動作の場合、MFP100に原稿をセットした後にスキャン動作を実行させて、その送信先をMFP100に対して入力し、さらに、携帯端末300でその画像データーを受信して所定の格納先に格納させるための操作を行なう、という煩雑な操作をすることなく、直感的で容易な操作によって、MFP100でスキャン動作を実行させ、画像データーをMFP100から携帯端末300に転送させて保存させることができる。
【0085】
さらに、上述のように、たとえばユーザー一致する場合といったような動作条件が予め記憶されており、その条件が満たされた場合に上記動作が行なわれるため、意図しない動作が行なわれたり、誤った操作によって動作が行なわれたりすることを防止することができる。
【0086】
<他の例>
なお、以上の動作例は、一例として、主に、図7の番号1に表わされた動作条件に沿って説明されたものである。しかしながら、この例は一例であって、他の条件によっては他の動作が行なわれる。すなわち、MFP100ではつまむ操作、携帯端末300では離す操作、がなされるものに限定されるものではなく、その逆であってもよいし、MFPが複数台画像形成システムに含まれる場合には、MFP間でのつまむ操作、離す操作によっていずれかのMFPで規定された動作が行なわれるものであってもよいし、携帯端末が複数台画像形成システムに含まれる場合には、携帯端末間でのつまむ操作、離す操作によっていずれかの携帯端末で規定された動作が行なわれるものであってもよい。
【0087】
たとえば、他の例として図7の番号2に表わされた動作条件に沿った動作が挙げられる。この例についても簡単に説明する。図19は、図7において番号2で表わされた動作条件が満たされるための動作の流れを表わした図である。
【0088】
図19を参照して、はじめに携帯端末300の操作パネル34に表示されているファイル表示画面においてファイルを表わすアイコン上での離す操が行なわれ(図19(A))、次に、MFP100の操作パネル15に表示されている読込み設定画面においてファイル形式を表わすアイコン上での離す操作行なわれると(図19(B))、図19(A)のつまむ操作が行なわれた際の携帯端末300のログインユーザーと図19(B)の離す操作が行なわれた際のMFP100のログインユーザーとが一致し、かつ、つまむ操作の対象とされたファイルの形式が当該MFP100において変換可能なデーター形式である場合、MFP100は携帯端末300のつまむ操作で特定されたファイルに対して変換動作を実行して、作成したファイルを携帯端末300に送信する。
【0089】
図7の番号2で表わされた動作条件の例では、MFP100は携帯端末300のファイルをPDF変換してPDF形式となったファイルを携帯端末300に送信する。
【0090】
この動作を行なうため、MFP100のメモリー16には、図2に表わされたように、変換可能なデーター形式を記憶するための記憶領域162が含まれる。
【0091】
図20は、図7の番号2で表わされた動作条件の例を用いた場合の、画像形成システムでの動作の流れを表わす図である。
【0092】
図20を参照して、ステップS41で携帯端末300の操作パネル34に表示されたオブジェクト(ファイル等)上でのつまむ操作が検出されると、ステップS42でつまむ操作によって特定される情報が生成され、保存される。そして、ステップS43でつまむ操作によって特定される情報が、つまみ情報としてサーバー500に送信される。ここでのつまみ情報としては、つまむ操作の対象とされたファイルを特定する情報(対象データー)および当該つまむ操作がなされた際のログインユーザーを特定する情報、などが該当する。
【0093】
サーバー500は携帯端末300からのつまみ情報を受信し、ステップS21でメモリー55の所定領域に保存する。
【0094】
次に、ステップS51でMFP100の操作パネル15上での離す操作が検出されると、ステップS52で離し情報が生成されて、保存される。ステップS53で、離す操作が行なわれたことをサーバー500に対して通知する。
【0095】
サーバー500は、MFP100から離す操作がなされたことを示す通知を受け取ると、それ以前に受信してメモリー55に記憶されているつまみ情報を対象データーと共にを読み出して(ステップS22)、離す操作がなされたMFP100に対して、携帯端末300からのつまみ情報を対象データーと共に送信する(ステップS23)。
【0096】
以降は、図9と同等の動作が行なわれる。すなわち、MFP100は、サーバー500からつまみ情報を受け取ると、ステップS14’で上記携帯端末300でつまむ操作がされた対象の種別(たとえば対象のファイル形式等)を検出する。また、ステップS14で動作条件を満たすものであるか否かを図7の条件データーベースに基づき判断する。そして、動作条件が満たされていると判断されると、ステップS15で規定された動作を実行する。
【0097】
この例では、MFP100は、上記ステップS15で変換したファイルを、ステップS16で携帯端末300に対して送信する。ステップS33で携帯端末300は、送信された変換ファイルを上記離し情報に対応して格納(保存)する。
【0098】
なお、図20の例でも、動作条件を満たしているか否かをMFP100が判断するものとしたが、上述のように、この判断はサーバー500において行なわれてもよいし、携帯端末300で行なわれてもよい。
【0099】
また、サーバー500がMFP100または携帯端末300に含まれ、MFP100または携帯端末300がサーバー500の動作を行なってもよい。
【0100】
この例で説明されたような動作であっても、2つの装置を用いて動作を行なわせる際に、両方の装置をそれぞれ順に操作したり、煩雑な操作を行なったりする必要がなく、直感的な容易な操作によって動作を行なわせることができる。
【0101】
さらに、上に説明された例は、いずれも、MFP100に動作を実行させるものであるが、画像形成システムに含まれるいずれかの装置に動作を行なわせるものであればよい。つまり、上の説明において、MFP100と携帯端末300とが入れ替わってもよい。
【0102】
この例として、たとえば、図19、図20を用いて説明した動作のMFP100と携帯端末300とを入れ替える例が挙げられる。この一例として、MFP100においてユーザーまたはユーザーの属するグループに関連付けられた記憶領域であるボックスに対してつまむ操作が行なわれ、当該ユーザーに関連付けられた携帯端末300のメニュー画面においてカメラを起動させるアイコン上で離す操作が行なわれた場合を例に挙げる。これら操作を用いた動作条件として、これらつまむ操作、離す操作に加えて、これらのログインユーザーが一致し、かつ、カメラが起動可能な状態である場合の動作として、カメラアプリケーションの起動が規定されているものとする。
【0103】
この場合、携帯端末300はかかる動作条件を満たすと判断し、規定されている動作として、カメラを起動させて所定のタイミングで撮影を実行し、得られた画像データーをMFP100に対して送信する動作を実行することが考えられる。そして、MFP100は受信した画像データーをつまむ操作の対象となったボックスに格納する動作を行なうことが考えられる。
【0104】
さらには、つまむ操作がなされる装置と離す操作がなされる装置が異なる装置にも限定されず、異なるタイミングで同じ装置で行なわれてもよい。
【0105】
このように、動作の内容や動作を行なう装置は上の例に限定されず、画像形成システムに含まれる1つの装置におけるつまむ操作、異なるタイミングでの他の装置における離す操作に応じて、これら操作時のユーザーの条件、および規定される動作が実行可能な状態であるか否かの条件、を動作条件として判断することで、画像形成システムに含まれるいずれかの装置で規定される動作を実行させる。
【0106】
このようにすることで、ユーザーは直感的で容易な操作によって、意図する動作を行なわせることが可能となる。
【0107】
さらに、上述の動作をMFP100や携帯端末300やサーバー500に搭載されるコンピューターで実行させるためのプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピューターに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびメモリカードなどのコンピューター読み取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピューターに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0108】
なお、本発明にかかるプログラムは、コンピューターのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0109】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0110】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0111】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0112】
10,30,50 CPU、11,31,51 ROM、12,32,52 RAM、13 スキャナー、14 プリンター、15,34 操作パネル、16,33,55 メモリー、17,36,54 ネットワークコントローラー、35 通信コントローラー、100 MFP、101,301 入力部、102,302 検出部、103,502 保存部、104,305,505 通知部、105,306 受信部、106 判断部、107 実行部、108 送信部、161,162 記憶領域、300 携帯端末、303 アプリケーション処理部、307 情報処理部、304 特定部、500 サーバー、501 つまみ情報入力部、503 離す通知入力部、504 読出部、700 アクセスポイント。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のタッチパネルおよび画像に対する処理手段を有する画像形成装置と、第2のタッチパネルを有する端末装置と含んだ画像形成システムであって、
前記第1のタッチパネル上の第1の操作に応じて、操作の種類と操作の対象とを示す第1の操作情報を生成するための第1の操作情報生成手段と、
前記第2のタッチパネル上の第2の操作に応じて、操作の種類と操作の対象とを示す第2の操作情報を生成するための第2の操作情報生成手段と、
前記画像形成装置の状態または前記操作の対象の種別を検出するための検出手段と、
前記第1の操作情報、前記第2の操作情報、前記処理手段による処理の内容、および所定の条件を関連付けた条件判別データーを記憶するための記憶手段と、
前記第1の操作情報、前記第2の操作情報、および前記検出手段の検出結果と、前記条件判別データーとに基づき、前記処理手段による処理を決定するための判断手段と、
前記判断手段により決定された処理を前記処理手段に実行させるための処理実行手段と、
前記処理実行手段によって実行された結果を処理データーとして前記端末装置に対して送信するための送信手段とを備える、画像形成システム。
【請求項2】
前記検出手段は、前記画像形成装置が前記処理手段による処理を実行できる状態か否かを検出する、請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記所定の条件は、前記画像形成装置において前記第1の操作を行なったログインユーザーと、前記端末装置において前記第2の操作を行なったログインユーザーのとの一致を示す条件を含む、請求項1または2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記第1の操作は、前記処理手段により画像データーを生成する処理に対応するアイコンに対する操作であり、
前記第2の操作は、前記画像データーを前記処理データーとして格納する格納場所に対応するアイコンに対する操作である、請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記第1の操作は、前記第1のタッチパネル上で2点がタッチされた後に連続して前記2点のタッチ位置がその間隔が短くなる方向に移動し、その後、前記移動後の前記2点のタッチを解除する操作であり、
前記第2の操作は、前記第2のタッチパネル上で2点がタッチされた後に連続して前記2点のタッチ位置がその間隔が長くなる方向に移動し、その後、前記移動後の前記2点のタッチを解除する操作であり、
前記第1の操作情報生成手段および前記第2の操作情報生成手段は、前記移動前と前記移動後との少なくとも一方の前記2点のタッチ位置で定義される範囲に含まれるオブジェクトを前記操作の対象と特定する、請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記画像形成装置が前記判断手段を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記端末装置が前記判断手段を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項8】
前記画像形成装置と前記端末装置とを仲介するためのサーバーをさらに含み、
前記サーバーが前記判断手段を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項9】
前記画像形成装置の前記処理手段は、前記第1の操作により、セットされた原稿を読み取って画像データーを生成し、
前記端末装置は生成された前記画像データーを前記第2の操作により特定された格納場所に格納する、請求項1〜8のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項10】
前記端末装置はカメラを含んで、前記第2の操作により、前記カメラにより撮影された画像データーを生成し、
前記画像形成装置の前記処理手段は、前記カメラにより撮影された画像データーを取得して、前記第1の操作により特定された格納場所に格納する、請求項1〜9のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項11】
前記画像形成装置の前記処理手段は、前記第2の操作によって特定された画像データーを、前記第1の操作によって特定されたファイル形式に変換する、請求項1〜9のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項12】
タッチパネルと、
前記タッチパネルに接続された制御手段と、
端末装置と通信するための通信手段と、
画像処理を実行するための処理手段とを備え、
前記制御手段は、
前記タッチパネル上の操作に応じて、操作の種類と操作の対象とを示す第1の操作情報を生成するための操作情報生成手段と、
当該画像形成装置の状態または前記操作の対象の種別を検出するための検出手段と、
前記通信手段により前記端末装置のタッチパネルにおける操作の種類と操作の対象とを示す第2の操作情報を受信するための受信手段と、
前記第1の操作情報、前記端末装置からの前記第2の操作情報、前記処理手段による処理の内容、および所定の条件を関連付けた条件判別データーを記憶するための記憶手段と、
前記第1の操作情報、前記端末装置からの前記第2の操作情報、および前記検出手段の検出結果と、前記条件判別データーとに基づき、前記処理手段による処理を決定するための判断手段と、
前記判断手段により決定された処理を前記処理手段に実行させるための処理実行手段と、
前記処理実行手段によって実行された結果を処理データーとして前記端末装置に対して送信するための送信手段とを備える、画像形成装置。
【請求項13】
タッチパネルおよび画像に対する処理手段を有する画像形成装置に処理を実行させるための制御プログラムであって、
前記画像形成装置は、当該画像形成装置における操作の種類および操作の対象を示す第1の操作情報と、端末装置における操作の種類および操作の対象を示す第2の操作情報と、処理の内容と、所定の条件とを関連付けた条件判別データーを記憶し、
前記タッチパネルからの操作信号を基づいて、前記タッチパネルを用いた第1の操作が行なわれたことを検出するステップと、
前記第1の操作に応じて、操作の種類と操作の対象とを示す前記第1の操作情報を生成するステップと、
当該画像形成装置の状態または前記操作の対象の種別を検出するステップと、
前記端末装置から、当該端末装置の有するタッチパネルを用いた第2の操作の種類と操作の対象とを表わす前記第2の操作情報を受信するステップと、
前記第1の操作情報、前記第2の操作情報、および前記検出するステップでの検出結果と、前記条件判別データーとに基づき、前記処理手段による処理を決定するステップと、
前記決定するステップで決定された処理を前記処理手段で実行するステップと、
前記処理手段で実行された結果を処理データーとして前記端末装置に対して送信するステップとを前記画像形成装置に実行させる、制御プログラム。
【請求項1】
第1のタッチパネルおよび画像に対する処理手段を有する画像形成装置と、第2のタッチパネルを有する端末装置と含んだ画像形成システムであって、
前記第1のタッチパネル上の第1の操作に応じて、操作の種類と操作の対象とを示す第1の操作情報を生成するための第1の操作情報生成手段と、
前記第2のタッチパネル上の第2の操作に応じて、操作の種類と操作の対象とを示す第2の操作情報を生成するための第2の操作情報生成手段と、
前記画像形成装置の状態または前記操作の対象の種別を検出するための検出手段と、
前記第1の操作情報、前記第2の操作情報、前記処理手段による処理の内容、および所定の条件を関連付けた条件判別データーを記憶するための記憶手段と、
前記第1の操作情報、前記第2の操作情報、および前記検出手段の検出結果と、前記条件判別データーとに基づき、前記処理手段による処理を決定するための判断手段と、
前記判断手段により決定された処理を前記処理手段に実行させるための処理実行手段と、
前記処理実行手段によって実行された結果を処理データーとして前記端末装置に対して送信するための送信手段とを備える、画像形成システム。
【請求項2】
前記検出手段は、前記画像形成装置が前記処理手段による処理を実行できる状態か否かを検出する、請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記所定の条件は、前記画像形成装置において前記第1の操作を行なったログインユーザーと、前記端末装置において前記第2の操作を行なったログインユーザーのとの一致を示す条件を含む、請求項1または2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記第1の操作は、前記処理手段により画像データーを生成する処理に対応するアイコンに対する操作であり、
前記第2の操作は、前記画像データーを前記処理データーとして格納する格納場所に対応するアイコンに対する操作である、請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記第1の操作は、前記第1のタッチパネル上で2点がタッチされた後に連続して前記2点のタッチ位置がその間隔が短くなる方向に移動し、その後、前記移動後の前記2点のタッチを解除する操作であり、
前記第2の操作は、前記第2のタッチパネル上で2点がタッチされた後に連続して前記2点のタッチ位置がその間隔が長くなる方向に移動し、その後、前記移動後の前記2点のタッチを解除する操作であり、
前記第1の操作情報生成手段および前記第2の操作情報生成手段は、前記移動前と前記移動後との少なくとも一方の前記2点のタッチ位置で定義される範囲に含まれるオブジェクトを前記操作の対象と特定する、請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記画像形成装置が前記判断手段を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記端末装置が前記判断手段を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項8】
前記画像形成装置と前記端末装置とを仲介するためのサーバーをさらに含み、
前記サーバーが前記判断手段を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項9】
前記画像形成装置の前記処理手段は、前記第1の操作により、セットされた原稿を読み取って画像データーを生成し、
前記端末装置は生成された前記画像データーを前記第2の操作により特定された格納場所に格納する、請求項1〜8のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項10】
前記端末装置はカメラを含んで、前記第2の操作により、前記カメラにより撮影された画像データーを生成し、
前記画像形成装置の前記処理手段は、前記カメラにより撮影された画像データーを取得して、前記第1の操作により特定された格納場所に格納する、請求項1〜9のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項11】
前記画像形成装置の前記処理手段は、前記第2の操作によって特定された画像データーを、前記第1の操作によって特定されたファイル形式に変換する、請求項1〜9のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項12】
タッチパネルと、
前記タッチパネルに接続された制御手段と、
端末装置と通信するための通信手段と、
画像処理を実行するための処理手段とを備え、
前記制御手段は、
前記タッチパネル上の操作に応じて、操作の種類と操作の対象とを示す第1の操作情報を生成するための操作情報生成手段と、
当該画像形成装置の状態または前記操作の対象の種別を検出するための検出手段と、
前記通信手段により前記端末装置のタッチパネルにおける操作の種類と操作の対象とを示す第2の操作情報を受信するための受信手段と、
前記第1の操作情報、前記端末装置からの前記第2の操作情報、前記処理手段による処理の内容、および所定の条件を関連付けた条件判別データーを記憶するための記憶手段と、
前記第1の操作情報、前記端末装置からの前記第2の操作情報、および前記検出手段の検出結果と、前記条件判別データーとに基づき、前記処理手段による処理を決定するための判断手段と、
前記判断手段により決定された処理を前記処理手段に実行させるための処理実行手段と、
前記処理実行手段によって実行された結果を処理データーとして前記端末装置に対して送信するための送信手段とを備える、画像形成装置。
【請求項13】
タッチパネルおよび画像に対する処理手段を有する画像形成装置に処理を実行させるための制御プログラムであって、
前記画像形成装置は、当該画像形成装置における操作の種類および操作の対象を示す第1の操作情報と、端末装置における操作の種類および操作の対象を示す第2の操作情報と、処理の内容と、所定の条件とを関連付けた条件判別データーを記憶し、
前記タッチパネルからの操作信号を基づいて、前記タッチパネルを用いた第1の操作が行なわれたことを検出するステップと、
前記第1の操作に応じて、操作の種類と操作の対象とを示す前記第1の操作情報を生成するステップと、
当該画像形成装置の状態または前記操作の対象の種別を検出するステップと、
前記端末装置から、当該端末装置の有するタッチパネルを用いた第2の操作の種類と操作の対象とを表わす前記第2の操作情報を受信するステップと、
前記第1の操作情報、前記第2の操作情報、および前記検出するステップでの検出結果と、前記条件判別データーとに基づき、前記処理手段による処理を決定するステップと、
前記決定するステップで決定された処理を前記処理手段で実行するステップと、
前記処理手段で実行された結果を処理データーとして前記端末装置に対して送信するステップとを前記画像形成装置に実行させる、制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2013−89066(P2013−89066A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229535(P2011−229535)
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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