画像形成システム
【課題】いわゆる電子ペーパーとそれに画像形成する画像形成装置とを含む画像形成システムにおいて電子ペーパーの不正利用を抑制する。
【解決手段】給電せずに表示画像を保持可能な電子ペーパー400(無給電画像表示装置)は、画像を形成する画像形成装置100と接続及び取り外しが可能であり、画像表示手段と、この電子ペーパー400が動作可能な期間を示す活性化期間の情報を保持する活性化期間保持手段2と、画像形成装置100より取り外された時からの時間を計測する活性化期間計時手段3と、前記時間が前記活性化期間を超えたときは前記表示手段の表示動作を停止させる制御手段30と、を備える。
【解決手段】給電せずに表示画像を保持可能な電子ペーパー400(無給電画像表示装置)は、画像を形成する画像形成装置100と接続及び取り外しが可能であり、画像表示手段と、この電子ペーパー400が動作可能な期間を示す活性化期間の情報を保持する活性化期間保持手段2と、画像形成装置100より取り外された時からの時間を計測する活性化期間計時手段3と、前記時間が前記活性化期間を超えたときは前記表示手段の表示動作を停止させる制御手段30と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システムに関し、特に、いわゆる電子ペーパーとそれに画像形成する画像形成装置とを含む画像形成システムにおいて電子ペーパーの不正利用を抑制する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
発色(顕色)剤の熱的な履歴(ヒステリシス)を利用して、何度も繰り返して画像形成を可能にするいわゆるリライタブルペーパーや、書き込み時/消去時には電力を必要とするものの、常時は無給電で表示画像を保持できるいわゆる電子ペーパーは、近年、マイクロカプセル、液晶、電子粉流体など種々の方式で開発・実用化・製品化されており、ラベル、商品の値札、広告やガイドなどに利用され始めている。
【0003】
かかる発明の例としては、例えば、特許文献1−3などがある。特許文献1においては、電子ペーパーを、生鮮食品などが賞味期限に達すると表示ラベルの表示色を変えて、視覚的に警告を発するような使い方をしている。特許文献2は、電子ペーパーの使用回数や情報の経過時間を表示することが記載されている。また、特許文献3は、書き込まれた情報に表示制限を設けることが記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、オフィス用途に供される電子ペーパーにおいては、賞味期限・消費期限など時間的にその期限を意識しなければならないものは、トナー、インキなど、いわゆるサプライ品と呼ばれるものがあるものの、その有効期限の長さは、生鮮食品の比ではなく、とりわけて厳重な管理が必要とされているわけではない。
【0005】
そのため、オフィス用途では、主として本来の目的である紙に替わるものとしての使い方がなされることが多い。しかしながら、電子ペーパーの普及に伴って、画像形成装置に備え付けの電子ペーパーを、その汎用性から、私物化・占有化したり、無断拝借したりするケースが増えている。
【0006】
本発明は、上記のような現状を鑑みてなされたものであり、電子ペーパーの不正な使用を抑制する画像形成システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、第1の態様として、給電せずに表示画像を保持可能な画像表示装置であって、画像を形成する画像形成装置と接続及び取り外しが可能な画像表示装置を含む画像形成システムにおいて、前記画像表示装置は、画像を表示させる表示手段と、前記画像表示装置が動作可能な期間を示す活性化期間の情報を保持する活性化期間保持手段と、前記画像形成装置より取り外された時からの時間を計測する計時手段と、前記時間が前記活性化期間を超えたときは前記表示手段の表示動作を停止させる停止制御手段と、を備え、前記画像形成装置は、前記画像表示装置に与える前記活性化期間の情報を設定する活性化期間設定手段と、前記画像形成装置と前記電子表示手段とが接続された際に、前記活性化期間の情報を前記画像表示装置に与え、その後再度接続された場合は設定された前記活性化期間の情報を前記画像表示装置に与え、前記計時手段を初期状態に戻す画像表示装置制御手段と、を備えることを特徴とする画像形成システムを提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電子ペーパーの不正な使用を抑制する画像形成システムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態1に係る画像形成システムが適用された画像形成装置(孔版印刷装置)の一例を示す概略図である。
【図2】実施の形態1に係る孔版印刷装置制御部のハードウェア(電装基板)構成の一例を示す概略図である。
【図3】実施の形態1に係る画像形成システムが適用された無給電画像表示装置(電子ペーパー)の一例を示す概略図である。
【図4】実施の形態1に係る画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【図5】実施の形態1に係る画像形成システムの動作時にタッチパネルに表示される画面の一例を示す図である。
【図6】実施の形態1に係る画像形成システムの動作時にタッチパネルに表示される画面の一例を示す図である。
【図7】実施の形態1に係る画像形成システムの動作を説明するための処理の流れ図である。
【図8】実施の形態1に係る画像形成システムの動作を説明するための概略図である。
【図9】実施の形態2に係る画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【図10】実施の形態2に係る電子ペーパーに関する構成管理情報の一例を示す概略図である。
【図11】実施の形態2に係る画像形成システムの動作を説明するための処理の流れ図である。
【図12】実施の形態3に係る画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【図13】実施の形態3に係る画像形成システムの動作を説明するための概略図である。
【図14】実施の形態3に係る電子ペーパーに関する構成管理情報の一例を示す概略図である。
【図15】実施の形態3に係る画像形成システムの動作時にタッチパネルに表示される画面の一例を示す図である。
【図16】実施の形態3に係る画像形成システムの動作時にタッチパネルに表示される画面の一例を示す図である。
【図17】実施の形態3に係る画像形成システムの動作時にタッチパネルに表示される画面の一例を示す図である。
【図18】実施の形態3に係る画像形成システムの動作を説明するための処理の流れ図である。
【図19】実施の形態3に係る画像形成システムの動作を説明するための処理の流れ図である。
【図20】実施の形態4に係る電子ペーパーに関する構成管理情報の一例を示す概略図である。
【図21】実施の形態5に係る画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【図22】実施の形態5に係る画像形成システムの動作を説明するための処理の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて順に説明する。各実施形態において、第1の実施形態と同一の機能を有する構成要素には、第1の実施形態と同一の符号を付し、第2の実施形態以降での重複説明は極力省略する。
【0011】
本発明にかかる画像形成システムは、画像形成装置の一形態であるデジタル式の孔版印刷装置に適用したものである。そのため、各実施形態で説明する画像形成システムが適用可能な画像形成装置としては、孔版印刷装置に限定されるものではなく、MFPやプリンタにも無論適用可能であり、また、電子写真方式やインクジェット方式などの画像形成方法にも基本的に依存しない。
【0012】
(第1の実施形態)
図1において、印刷システム1を構成する孔版印刷装置100の基本構成について説明する。孔版印刷装置100は、装置本体100Aの内部に、マスタ107が外周面に巻着される印刷ドラム101と、印圧手段となるプレスローラ102と、製版装置となるプロッタ103と、排版手段104とを備え、装置本体100Aの右側に配置された給紙手段105から給紙される記録紙106をプレスローラ102で印刷ドラム101に押し当てることで、巻着されたマスタ107の画像を記録紙106に転写し、画像転写された記録紙106を搬送手段108で装置本体100Aの左側に配置された排紙手段109へと搬送する周知の構成をとる。装置本体100Aの上部には、画像読取手段となるカラースキャナ110が配置されていて、原稿画像を読み取り、製版に用いる画像データを取得している。
【0013】
装置本体100Aの上部正面には、孔版印刷装置100の操作部となる操作パネル111が配設されている。操作パネル111には、印刷や製版の切り替えキー113、スタートキー114、表示部となる115、初期設定/プリンタ設定キー116、印刷位置調整キー117、プリントスピード設定キー118などが配備されている。表示部115は、LCDのタッチパネルで構成されていて、その画面には、各種案内情報や各種操作画面が適宜表示され、操作画面が、装置使用者(操作者/ユーザ)によって操作されると、各画面に表示されたスイッチに対応した内容が制御手段20や孔版印刷装置100に設定される。
【0014】
装置本体100A内には、孔版印刷装置100の各部を制御する制御手段20が配設されている。制御手段20は、図2に示すように、実装基板となるACU200(Application Control Unit)とECU300(Engine Control Unit)の二つに大きく分かれている。
【0015】
ACU200は、孔版印刷装置100の操作パネル(タッチパネル)111が接続される操作パネル用インターフェース205、携帯型大容量記憶メディアであるSDメモリーカード201やUSBメモリ203などが接続されるインターフェース(SDインターフェース206、USBインターフェース209)、大容量記憶装置となるハードディスク(以下「HDD」などと称す)207が接続されるHDDインターフェース208、パソコンなどの情報端末に対し、LANやインターネットなどのネットワークを介してアクセスするためのネットワークインターフェースカード(NIC)202や無線LANカードを接続するための通信インターフェース(NICインターフェース212、無線LANインターフェース214)、無給電画像表示装置である電子ペーパー400を接続するためのI/Oインターフェース221、FAXモジュールを接続するためのFAXインターフェース222、ECU300側が接続されるECUインターフェース215と、中央演算回路となるCPU216、記憶手段となるRAM217とROM218が、ASIC(Application Specific lntegrated Circuit)220に接続されている。
【0016】
ACU200は、孔版印刷装置100の製版/蓄積の制御等を行い、スキャナ110あるいはネットワーク経由で転送されてくる文書を蓄積文書としてHDD207に蓄積したり、スキャナ110あるいはHDD207に蓄積された蓄積文書あるいはネットワーク経由で転送された文書データから、最終的に製版データを作成したのち、ECU300に転送したりするという働きを受け持ち、本発明の機能は、主にこのACU200に属する。
【0017】
ECU300は、中央演算回路となるCPU321、記憶手段となるRAM322とROM323、ACU200が有するECUインターフェース215と接続されるACUインターフェース324、スキャナ110が接続されるスキャナインターフェース326、プロッタ103が接続されるプロッタインターフェース328が、それぞれASIC329に接続されている。
【0018】
ECU300は、ACU200により作成された製版データをもとに、プロッタ103により、周知の孔版原紙となるマスクの感熱孔版フィルム119に、熱的プロセスによって穿孔を行うことにより、製版済みのマスタを作成し、この製版済みのマスタ107を印刷ドラム101となる版胴の外周面に巻装し、ドラム内部に設置されたインキパック120から、インキを供給しながら印刷ドラム101を回転させ、それに呼応させるように記録紙(印刷用紙)106を給紙することにより印刷成果物を得る、という一連のデジタル式の孔版印刷装置の製版から印刷に至る動作全般を制御するものである。
尚、孔版印刷装置としては、片面印刷機や両面印刷機の何れであってもよい。
【0019】
また、無給電画像表示装置は、いわゆる電子ペーパーであり、図3に示されるように、電子ペーパーの動作を制御するCPU401、プログラムや画像データを保持するROM402、RAM403、画像を表示する表示パネル406、ボタンなど電子ペーパーを操作するための操作部404、画像形成装置とのインターフェースとなる外部I/F407、電子ペーパーの動作に必要な電源を確保・制御する電源制御部408、リアルタイムクロックや計時動作を行うタイマ411などから構成される。
【0020】
本実施形態の無給電画像表示装置は、動作可能な期間が設定されており、この無給電画像表示装置が動作可能な期間のことを、以下、「活性化期間」と呼ぶ。
【0021】
本実施形態の画像形成システム1に適用される画像形成装置は、図4に示すように、当該画像形成システムの構成の一部を成す無給電画像表示装置に対して、表示動作の規制をなすか否かを指定する活性化有無指定手段4(タッチパネル115)と、前記無給電画像表示装置の活性化期間を指定する活性化期間指定手段5(タッチパネル115)と、無給電画像表示装置が、有線/無線により当該画像形成装置に接続された時、前記活性化有無指定手段4により指定された有無設定を参照し、表示動作の規制をなす旨の設定であった場合、前記活性化期間設定手段5により指定された活性化期間を、前記無給電画像表示装置に提供するように制御する画像形成装置制御手段20A(ACU200上で動作するプログラム)と、を備えている。尚、この記載の中で、括弧内の記載は、各手段の具体的実現手段を示す。
【0022】
さらに、本実施形態の画像形成システム1に適用される無給電画像表示装置は、前記画像形成装置から提供される当該無給電画像表示装置が動作できる活性化期間を保持する活性化期間保持手段2(フラッシュROM402)と、前記活性化期間を計時するための活性化期間計時手段3(タイマ411)と、画像形成装置から提供される活性化期間を、前記活性化期間保持手段2に保持し、前記活性化期間計時手段3により、最新の活性化期間更新時からの経過時間を計測し、活性化期間保持手段2に保持されている活性化期間が経過した時、当該無給電画像表示装置の表示動作を停止し、新たな活性化期間が提供された場合のみ、再び表示動作を可能とするよう制御する無給電画像表示装置制御手段30A(電子ペーパー400上で動作するプログラム)と、を備えている。尚、この記載の中で、括弧内の記載は、各手段の具体的実現手段を示す。
【0023】
次に、活性化有無指定手段4と活性化期間指定手段5について、図5〜図6を使用して説明する。これらの図は、孔版印刷装置の操作/表示用タッチパネル(以下、単に「操作パネル」、「タッチパネル」、「LCD」などと呼称する)に表示される操作/表示画面の一例である。
【0024】
図5は、図示しない「システム初期値設定」−「管理者用設定」項目の仮想ボタンを選択した時の画面を表している。ここにおいて、ユーザは、孔版印刷装置の管理者用設定に関する設定を行うことができる。尚、図5においては、「電子ペーパー活性化設定」項目が“7日”となっているが、これは後述する操作により設定された結果が表示されたものである。
【0025】
また、管理者用設定を行うためには、パスワードによる認証処理を必要とするため、必然的に電子ペーパーの管理設定にも相応の制限がかけられることになり、電子ペーパーの私物化・占有化などの不正使用を抑制する一助となっている。当該画面において、「電子ペーパー活性化設定」仮想ボタンを選択すると、図6に示すサブメニューが表示される。当該サブメニューにおいては、当該画像形成装置(孔版印刷装置)の管理下にある電子ペーパーに対する活性化設定の有無の設定と、有無設定が“設定する”の場合、活性化期間を指定する。本実施形態では、電子ペーパー活性化を“設定する”としており、その活性化の期間を“7日”に設定している。
【0026】
尚、本実施形態では、活性化期間の指定として、日単位の指定で行うようにしているが、分、時間、週間、月あるいは年月日時などによる期日指定であってもよく、この実施形態に制限されるものではない。
【0027】
以上のような設定がなされた場合の制御の詳細について、図7の流れ図を参照して説明する。
【0028】
孔版印刷装置のI/Oインターフェースに、電子ペーパーが接続されると(ST1)、孔版印刷装置はそれを検知し(ST2)、活性化有無設定を参照する(ST3)。
設定が、本実施形態では、“設定する”に指定しているため(ST4)、さらに活性化指定期間を参照する(ST5)。本実施形態では、電子ペーパーに設定される活性化期間として、7日間が読み取られる。尚、設定しない場合、活性化指定期間として、実質的に無限とみなされる時間、例えば365日間が設定値として用意される(ST6)。
【0029】
孔版印刷装置は、前記活性化期間を電子ペーパーに送信し(ST7)、一方、電子ペーパーは、その値を受信し、保持する(ST8)。
この後、孔版印刷装置は、電子ペーパーに表示させる画像データを送信し、電子ペーパーは受け取った画像データを表示したりする(図8(a))などのよく知られた動作を行うが、本実施形態の要旨からは外れるため、その詳細な説明は省略する。
【0030】
この後、孔版印刷装置から電子ペーパーが取り外されると(ST9)、電子ペーパーはタイマ値として前記活性化指定期間を設定し、タイマを起動する(ST10)。
電子ペーパーは、タイマがタイムアウトするまでは、画像表示などの処理を行っているが、活性化指定期間を経過してしまうと(ST11)、画像表示を行っている場合、その画像を消去し、活性化指定期間が経過した旨の表示をし(図8(b))、以後の画像更新動作を停止する(ST12)。
【0031】
これにより、電子ペーパーは、実質使用不可となる。再び使用できるようにするには、孔版印刷装置に接続し、活性化期間の設定を受けなければならない。
【0032】
尚、タイムアウトする前に、再び孔版印刷装置に接続すると、ステップST1から繰り返され、改めて活性化指定期間が設定されることになる。即ち、最新の更新時点から、カウントダウンが繰り返されることになる。
【0033】
尚、本実施形態では、活性化指定期間を経過した時、図8(b)に示すメッセージを表示した後、画面更新動作を停止しているが、図8(c)に示すような、時計表示あるいはカレンダ表示に強制的に切り替わり、以後、活性化処理が行われるまで、実質、通常の文書表示を行えなくするような制御を行ってもよい。
【0034】
(実施の形態2)
次に、第2の実施形態を説明する。なお、上記実施形態と同一または同様の部分は同一符号で示し、特に必要がない限り既に説明した構成上及び機能上の説明は省略して、要部のみ説明する(以下の他の実施形態において同じである)。
【0035】
本実施形態の画像形成システムは、図9のブロック図に示すように、無給電画像表示装置は、無給電画像表示装置ごとに、一意の識別情報を有し、適宜画像形成装置へ当該識別情報を提供する識別情報提供手段6(電子ペーパー上で動作するプログラムとフラッシュROM)を有し、前記画像形成装置は、当該画像形成システムが管轄する無給電画像表示装置の構成管理情報を管理する構成管理手段7(ACU上で動作するプログラムとフラッシュROM)と、当該画像形成装置に無給電画像表示装置が接続された時、前記無給電画像表示装置から供出される識別情報を取得し、その識別情報を前記構成管理手段に照らし合わせ、接続された無給電画像表示装置が当該画像形成システムの管轄下にあるものであった場合、指定されたあるいは予め設定された活性化期間を、無給電画像表示装置に提供するように制御する画像形成装置制御手段20B(ACU200上で動作するプログラム)と、を有している。尚、この記載の中で、括弧内の記載は、各手段の具体的実現手段を示す。
【0036】
尚、識別情報は、電子ペーパーのフラッシュROM上に予め格納されており、識別情報提供手段は、格納された識別情報をアクセスして、孔版印刷装置に提供する。
【0037】
図10に、当該孔版印刷装置で使用する構成管理情報の例を示す。本実施形態で使用する構成管理情報は、電子ペーパー識別情報(ID)、活性化指定期間、最終更新日、現在の電子ペーパー状態の項目よりなる。
尚、構成管理処理は、電子ペーパーが接続された時だけではなく、定期的、例えば毎日定時に行われ、状態などが更新される。例えば、図10では、活性化指定期間内のもの(“有効”)や活性化指定期間を経過したもの(“期限切れ”)などの状態管理がなされている。
【0038】
また、これらの構成管理情報は、タッチパネル上に表示したり、システム情報としてプリントアウトしたりできるので、装置管理者は、当該画像形成システム管理下の電子ペーパーの状況を把握できるようになっている。
【0039】
尚、本実施形態で使用する構成管理情報は、図10に示すようなものであるが、管理する項目やその値は、一例に過ぎず、本実施形態に限定されるものではない。
【0040】
以上のような設定がなされた場合の制御の詳細について、図11の流れ図を使用して説明する。
【0041】
孔版印刷装置のI/Oインターフェース221に、電子ペーパーが接続されると(ST1)、孔版印刷装置はそれを検知し(ST2)、接続してきた電子ペーパーに、識別情報の提供を要求する。
電子ペーパーは、識別情報を送信してくるので(ST3)、孔版印刷装置はそれを取得し(ST4)、構成管理情報と参照する(ST5)。
構成管理手段7では、図10の例に示されるように、当該画像形成システムの管理下にある電子ペーパーの識別情報(ID)と、当該電子ペーパーに設定した活性化指定期間など、種々の情報を一括管理している。
孔版印刷装置は、提供された識別情報を構成管理情報と照らし合わせ、接続された電子ペーパーが、当該画像形成システムの管理下のものかどうかを判断する(ST6)。当該電子ペーパーが、管理下のものでなければ、その旨を孔版印刷機のタッチパネル上に表示する(ST13)。
【0042】
ST6の判断における「管理下のものでない」電子ペーパーを説明するための例として、図10にIDを“XG01SR”として示した電子ペーパーを参照する。図10における電子ペーパー“TXG01SR”は、当初は登録され、当該画像形成システムの管理下にあったものの、最終更新から活性化期間10日間はおろか、既に3ヶ月以上経過しており、その状態が“所在不明”となっている。このようなものも、もはや管理下にないものとみなし(ST6)、その旨の表示をするとともに(ST13)、装置管理者へ通知される(ST14、ST15)。
【0043】
尚、本実施形態では、3ヶ月間活性化処理の更新がなされていないものを、管理下にないものとして取り扱っているが、このような基準は一例に過ぎず、装置管理者の裁量や個々の運用規則に委ねられる。
【0044】
当該電子ペーパーが、管理下のものであれば、活性化有無設定を参照する(ST7)。活性化有無設定が、“設定する”の場合(ST8)、さらに活性化指定期間を参照し(ST9)、活性化期間を取得する。“設定しない”場合、活性化指定期間として、実質的に無限とみなされる時間が設定値として用意される(ST10)。
【0045】
孔版印刷装置は、前記活性化期間を電子ペーパーに送信し(ST11)、その後、今回の処理結果を構成管理情報に反映する(ST12)。一方、電子ペーパーは、送られてきた活性化期間値を受信し、保持する(ST16)。
【0046】
この後、孔版印刷装置は、電子ペーパーに表示させる画像データを送信し、電子ペーパーは受け取った画像データを表示したりするなどのよく知られた動作を行うが、本実施形態の要旨からは外れるため、説明と図示を省略している。
【0047】
この後、孔版印刷装置から電子ペーパーが取り外されると(ST17)、電子ペーパーはタイマ値として前記活性化指定期間を設定し、タイマを起動する(ST18)。
タイマがタイムアウトするまでは、画像表示などの処理を行っているが、活性化指定期間を経過してしまうと(ST19)、電子ペーパーは、画像表示を行っている場合、その画像を消去し、活性化指定期間が経過した旨の表示をし、以後の画像更新動作を停止する(ST20)。
【0048】
これにより、電子ペーパーは、実質使用不可となる。再び使用できるようにするには、孔版印刷装置に接続し、活性化期間の設定を受けなければならない。
タイムアウトする前に、再び孔版印刷装置に接続すると、ステップST1から繰り返され、改めて活性化指定期間が設定されるとともに、構成管理情報が更新されることになる。
【0049】
また、本実施形態では、電子ペーパーに一意の識別情報を付与しており、その提供は、画像データの伝送に使われるI/Oインターフェース221を兼用してなされているが、RFID付きの電子ペーパーを採用し、識別情報をRFID経由で提供してもよく、本実施形態に限定されるものではない。
【0050】
(実施の形態3)
次に、第3の実施形態を説明する。なお、上記実施形態と同一または同様の部分は同一符号で示し、特に必要がない限り既に説明した構成上及び機能上の説明は省略して要部のみ説明する。
【0051】
本実施形態の適用される画像形成システムは、図12に示すように、上記実施の形態2とほとんど同じであるが、前記画像形成装置は、活性化期間を超過し、長期間の不使用または所在不明となっている無給電画像表示装置が当該画像形成装置に再接続された時の挙動を指定する再接続時動作指定手段8(タッチパネル115)と、前記構成管理手段7によって管理されている無給電画像表示装置のうち、長期間にわたって活性化されないものあるいは所在の不明のものに対して、再び当該画像形成装置に接続された場合、前記再接続時動作指定手段に指定された動作に則り、無給電画像表示装置に対して処置を施すように制御する画像形成装置制御手段20C(ACU200上で動作するプログラム)と、を有している。尚、この記載の中で、括弧内の記載は、各手段の具体的実現手段を示す。
【0052】
さらに、本実施形態に適用される画像形成システムは、図13に示すように、複数の画像形成システム(本実施形態では、孔版印刷装置と複写装置)から構成され、個々の画像形成システム管轄下にある無給電画像表示装置の構成管理情報を、画像形成システム同士で交換することにより、当該複合画像形成システムの管理下にある無給電画像表示装置(電子ペーパー)の管理を包括的に行っている。
【0053】
そのため、前記複合画像形成システムにおいて、個々の画像形成システムが当該複合画像形成システムを構成するメンバであることを識別するために、特定のグループ識別符号(本実施形態では、GRP−ID“X20A”などが該当)を用いている。
【0054】
本実施形態で、複数の画像形成システム(孔版印刷装置と複写装置)の間で交換される構成管理情報の一例を、図14(A)に示す。尚、図14(B)は、別の画像形成システム(多機能複写装置)GRP−ID“X19A”で管理されている構成管理情報の例である。
【0055】
GRP−IDは、前述のように、無給電画像表示装置(電子ペーパー)が、どの複合画像形成システムに属しているかを識別するものである。EP−IDは、個々の電子ペーパーを識別するためのものであり、少なくとも、同一GRP−ID内では、一意に定まるものである。活性化期間、最終更新日、状態は、前述の実施形態で説明の通りである。但し、異なるのは、状態が“所在不明”の場合である。前述の実施形態2では、所在不明状態の電子ペーパーは、もはや当該画像形成システムの管理下にないという扱いであったが、本実施形態においては、当該画像形成システムの管理下にあるかないかは、あくまでGRP−IDによって定まる。
【0056】
また、再接続時動作は、同一GRP−IDの画像形成装置に管理下にある任意の電子ペーパーが接続された時、どのような動作を行うかを指定するものであり、“更新”は、電子ペーパーを指定された活性化期間で活性化するよう更新する処理を行い、“更新せず”は、活性化処理を行わないことを示す。本実施形態では、その理由はともかく長い間接続されておらず、所在不明状態の扱いになっている電子ペーパーに対して、たとえ接続されても更新しないように指定している。
【0057】
但し、電子ペーパーの状態と再接続時動作の指定は、基本的に無関係であり、例えば、これまでは更新処理されて、現在有効状態であっても、“更新せず”の指定を行うと、次回の接続時には、活性化処理を行われず、活性化期間経過後は、もはや使用できない状態になる。よって、管理下にある電子ペーパーをどのように運用管理するかについては、装置管理者などの裁量や運用規則にまかせられることになる。
【0058】
また、タイムスタンプは、構成管理情報を交換する際に、どちらの情報が最新のものであるかを判断するために用いられ、対象となる電子ペーパーに対して活性化による更新や設定の更新がなされた時のタイムスタンプが保持されている。図14の例では、日付までしか表示されてないが、内部的には、より高い精度のタイムスタンプが保持されている。
【0059】
本実施形態では、電子ペーパー“TXG01SR”は、2008/09/04に最終更新がなされて以来、以後活性化処理が行われていないが、タイムスタンプは2008/12/04が記録されている。これは、図15、図16、図17に示されるような、タッチパネル上の設定メニューから、装置管理者が、電子ペーパーの状態“所在不明”を確認し、この電子ペーパーは紛失・行方不明になったものとして、“再接続時動作”を“更新せず”に変更したためである。
【0060】
以上のような構成管理情報を持った画像形成装置が、他の画像形成装置と構成管理情報を交換するためには、まずネットワークに接続されている他の画像形成装置を見つけださなければならない。これは、あるネットワークに画像形成装置、例えば孔版印刷装置を設置した時、装置管理者が、既に運用している画像形成装置をどれか一台指定してやることにより解決される。
【0061】
即ち、設置された画像形成装置は、装置管理者によって指定された画像形成装置と通信し、本来の目的である構成管理情報を交換し合うと同時に、構成管理情報を交換し合う画像形成装置群のアドレス情報も収集・交換する。指定された画像形成装置は、これまでの運用の間に、収集・交換した情報を持っているので、アメーバ式にかつ自律的に構成管理情報を交換し合う画像形成装置のネットワークを形成できる。
【0062】
構成管理情報の交換の際、もし交換先の方の情報が古ければ、自身の構成管理情報を更新しないが、逆に交換先が新しければ、新しい情報によって自身の構成管理情報を書き換える。従って、管理情報の新旧だけでなく、同一の電子ペーパーに対して異なる設定がなされても、タイムスタンプの新しいもので更新される。このようにして、グループ内の構成管理情報の同期と統一性が保たれる。
【0063】
本実施形態では、同一の複合画像形成システムに属する構成管理情報しか交換・保持していないが、例えば同一ネットワークに属する他の複合画像形成システム、GRP−ID“X19A”に関する情報を交換・保持していても構わず、本実施形態に限定されるものではない。
【0064】
このような構成/設定における複合画像形成システムにおける制御の詳細について、図18〜図19の流れ図を使用して説明する。尚、前述の実施形態で説明済みの部分については、同様なので、それらに関連する説明については簡略する。
【0065】
まず、構成管理情報の交換について説明する。孔版印刷装置の制御部は、定周期タイマが、予め設定された日時あるいは期間毎に発生するトリガイベントを検知すると(ST1)、ネットワークに接続されている同一GRP−IDに属する他の画像形成装置(本実施形態では複写装置)に、構成管理情報の交換要求を出し、自らの構成管理情報を送信する(ST2)。
【0066】
孔版印刷装置からの構成管理情報を受け取った複写装置は(ST3)、自身が持っている構成管理情報と照合し、変更すべき箇所について更新を行う(ST5)。
さらに、自身が持っている構成管理情報を、交信してきた画像形成装置(本実施形態では孔版印刷装置)に送る(ST6)。孔版印刷装置は、複写機から送られてきた構成管理情報について、同様に、自身が持っている構成管理情報と照合し、変更すべき箇所について更新を行う(ST7)。
【0067】
このようにして、同一GRP−IDに属する構成管理情報が、グループ内で共有・維持される。尚、本実施形態では、構成管理情報の交換を、画像形成装置同士の自立的なやりとりをベースとしたネットワーク形成をもとに行っているが、クライアントサーバ方式のように、集中して構成情報管理を行うサーバ役の画像形成装置を一台設定し、他の画像形成装置は、サーバ役の画像形成装置の構成管理情報に個別の情報を送信、整合・更新された情報を参照あるいはダウンロードしてくるというような方法によってもよい。
【0068】
また、本実施形態では、構成管理情報の交換時期を明示していないが、画像形成装置毎に固定的に定められていても、あるいは、別段に定める指定方法により、個別に交換日時を指定するようになっていてもよい。
【0069】
前記のような方法により、構成管理情報が維持・管理されている複合画像形成システムにおいて、電子ペーパーを接続した時の動作を、図19を用いて説明する。以下の説明においては、図13に示される複合画像形成システムGRP−ID“X20A”に属する孔版印刷装置に、電子ペーパー“TXG01SR”が接続された場合を想定して、説明を進める。
【0070】
孔版印刷装置のI/Oインターフェース221に、電子ペーパーが接続されると(ST1)、孔版印刷装置はそれを検知し(ST2)、接続してきた電子ペーパーに、識別情報の提供を要求する。
電子ペーパーは、識別情報を送信してくるので(ST3)、孔版印刷装置はそれを取得し(ST4)、構成管理情報と参照する(ST5)。
孔版印刷装置は、提供された識別情報を構成管理と照らし合わせ、接続された電子ペーパーが、当該画像形成システムの管理下のものかどうかを判断する(ST6)。
当該電子ペーパーが、管理下のものでなければ、その旨を孔版印刷機のタッチパネル上に表示する(ST16)。
【0071】
図14(A)に示されるように、電子ペーパー“TXG01SR”は、複合画像形成システムGRP−ID“X20A”で使用できるように登録されているので、当該複合画像形成システムの管理下にあるものとみなされる。
さらに、当該電子ペーパーが、管理下のものであれば、活性化有無設定を参照する(ST7)。活性化有無設定が、“設定する”の場合(ST8)、さらに再接続時動作の設定を参照する(ST9)。本実施形態では、電子ペーパー“TXG01SR”は、最終更新から活性化期間10日間はおろか、3ヶ月以上経過しており、状態が“所在不明”となっているため、後日、管理者により「再接続時動作」項目を“更新せず”に設定されている。このため、取扱いできない旨の表示がなされ(ST11,ST16)、結局当該電子ペーパーは、再登録なり、管理者による設定変更を経なければ、使用することはできない。再接続時動作の設定が“更新”のものについては、前記実施形態と同様の動作となるので、以後の説明は省略する。
【0072】
(実施の形態4)
次に、第4の実施形態を説明する。なお、上記実施形態と同一または同様の部分は同一符号で示し、特に必要がない限り既に説明した構成上及び機能上の説明は省略して要部のみ説明する。
【0073】
本実施形態の適用される画像形成システムは、上記実施形態3と同じであるが、図20に示すように、構成管理情報に登録されるGRP−IDに、“COMMON”という、電子ペーパーをどのグループでも使用可能な特殊なGRP−IDを設けていることが特徴である。
これは、例えば電子ペーパー“TXG01S”を主に、複合画像形成システム20Aで使用しているが、他の複合画像形成システムX19A、或いは他の複合画像形成システムでも使いたい場合に有効である。
【0074】
通常、異なる複合画像形成システムグループ間において、異なるGRP−IDの構成管理情報を共有しないので、もし同一の電子ペーパーを、異なる複合画像形成システム毎(GRP−ID毎)において異なる設定、例えば異なる活性化期間が設定されたとしても、各々の複合画像形成システムで設定された活性化期間に従って運用される。即ち、どちらの複合画像形成システムでも使用可能であるが、見かけ上は、別物の電子ペーパーとして扱われていることになる。
【0075】
しかし、電子ペーパーを、異なる複合画像形成システム間で横断的にかつ一元的に取り扱うため、本実施形態では、“COMMON”属性を持たせている。当該属性が指定された電子ペーパーの構成管理情報は、管理情報交換に際して、構成管理情報が共有される(図20(A)、(B))。これにより、異なる複合画像形成システムにおいても、当該電子ペーパーは、統一性をもって管理される。
【0076】
万一、異なる複合画像形成システムにおいて、同一の電子ペーパーに対して、異なる設定、例えば活性化期間が設定されたとしても、前述のようにタイムスタンプの新しいもので更新される。このようにして、構成管理情報の同期と統一性が保たれる。
【0077】
(実施の形態5)
次に、第5の実施形態を説明する。なお、上記実施形態と同一または同様の部分は同一符号で示し、特に必要がない限り既に説明した構成上及び機能上の説明は省略して要部のみ説明する。
【0078】
図21に、本実施形態の機能構成を示す。
本実施形態の適用される画像形成システムは、上記実施形態3とほぼ同じであるが、無給電画像表示装置が、当該無給電画像表示装置に設定されているパスワードの有無、時限消去の有無など、自身のセキュリティ設定情報を、画像形成装置へ提供するセキュリティ設定情報提供手段9(電子ペーパー上で動作するプログラムとフラッシュROM)、を有し、前記画像形成装置が、画像形成装置側で予め規定されている無給電画像表示装置へのセキュリティ設定(パスワード、時限消去など)を強制的に行う強制セキュリティ設定手段10(ACU200上で動作するプログラムとフラッシュROM)と、当該画像形成装置に無給電画像表示装置が接続された時、前記無給電画像表示装置から供出されるセキュリティ設定情報を取得し、その設定内容を分析した結果、予め規定された以上のセキュリティ基準を満たしていない場合、前記強制セキュリティ設定手段により、当該無給電画像表示装置に強制的にセキュリティ設定を行うように制御する画像形成装置制御手段20(ACU200上で動作するプログラム)と、を有している。尚、この記載の中で、括弧内の記載は、各手段の具体的実現手段を示す。
【0079】
このような構成における画像形成システムにおける制御の詳細について、図22の流れ図を使用して説明する。尚、前述の実施形態1から3で説明済みの部分については、同様なので、それらに関連する説明については簡略する。また、図22において、ST1からST6まで、ST7からST23までは上述の図19と同様であるので、説明及び図示を簡略する。
【0080】
孔版印刷装置のI/Oインターフェース221に、電子ペーパーが接続されると(ST1)、孔版印刷装置はそれを検知し(ST2)、接続してきた電子ペーパーに、識別情報の提供を要求する。
電子ペーパーは、識別情報を送信してくるので(ST3)、孔版印刷装置はそれを取得し(ST4)、構成管理情報と参照する(ST5)。
孔版印刷装置は、提供された識別情報を構成管理と照らし合わせ、接続された電子ペーパーが、当該画像形成システムの管理下のものかどうかを判断する(ST6)。
当該電子ペーパーが、管理下のものでなければ、その旨を孔版印刷機のタッチパネル上に表示する(ST16)。
【0081】
当該電子ペーパーが、管理下のものであれば、孔版印刷装置は、電子ペーパーにセキュリティ設定情報の提供を要求するので、電子ペーパーは自身のセキュリティ設定を送信する(ST22)。
孔版印刷装置は、受け取ったセキュリティ設定情報を解析し、当該画像形成システムで運用されているセキュリティ規定に照らし合わせる。尚、本実施形態では、セキュリティ設定は、電子ペーパーのパスワード設定がなされていることとしている。
【0082】
もし、当該電子ペーパーにおいて、パスワード設定がなされていれば(ST24)、次の活性化有無設定の参照ステップに進む(ST7)。しかし、パスワードが設定されていなければ、規定のセキュリティレベルに達していないと判断し(ST24)、孔版印刷装置は、強制的に電子ペーパーのパスワード設定を有効化し、予め定められたパスワードを書き込む(ST25、ST26)。
【0083】
活性化有無設定の参照ステップ以降については、前記実施形態と同様の動作となるので、説明を省略する。
尚、本実施形態では、セキュリティ規定の例として、パスワードの設定を例示しているが、時限消去や、認証などの単独あるいはそれらの組み合わせとしてもよく、本実施形態に限定されるものではない。また、規定の例として、個別の技術ではなく、個数指定(例えば、「前述例のうちの1つ以上が設定されていること」)であってもよい。
【0084】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態において例示したデジタル孔版印刷装置等の印刷システムに適用が限定されないことは言うまでもない。本発明は、他に、複写機(PPC:Plain Paper Copier)、複合機能プリンタ(MFP:Multi−Functional Printer)、プリンタなどの画像形成装置にも適用可能である。
【符号の説明】
【0085】
1 画像形成(印刷)システム
2 活性化期間保持手段
3 活性化期間計時手段
4 活性化有無指定手段
5 活性化期間指定手段
6 識別情報提供手段
7 構成管理手段
8 再接続時動作指定手段
9 セキュリティ設定情報提供手段
10 強制セキュリティ設定手段
20 画像形成装置制御手段
30 無給電画像表示装置制御手段
100 画像形成装置(孔版印刷装置)
101 印刷ドラム
103 製版部(プロッタ)
110 画像読取り部(スキャナ)
111 操作部(操作パネル)
115 タッチパネル
200 ACU
300 ECU
400 電子ペーパー
【先行技術文献】
【特許文献】
【0086】
【特許文献1】特開2004−126374号公報
【特許文献2】特開2006−030558号公報
【特許文献3】特開2007−122377号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システムに関し、特に、いわゆる電子ペーパーとそれに画像形成する画像形成装置とを含む画像形成システムにおいて電子ペーパーの不正利用を抑制する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
発色(顕色)剤の熱的な履歴(ヒステリシス)を利用して、何度も繰り返して画像形成を可能にするいわゆるリライタブルペーパーや、書き込み時/消去時には電力を必要とするものの、常時は無給電で表示画像を保持できるいわゆる電子ペーパーは、近年、マイクロカプセル、液晶、電子粉流体など種々の方式で開発・実用化・製品化されており、ラベル、商品の値札、広告やガイドなどに利用され始めている。
【0003】
かかる発明の例としては、例えば、特許文献1−3などがある。特許文献1においては、電子ペーパーを、生鮮食品などが賞味期限に達すると表示ラベルの表示色を変えて、視覚的に警告を発するような使い方をしている。特許文献2は、電子ペーパーの使用回数や情報の経過時間を表示することが記載されている。また、特許文献3は、書き込まれた情報に表示制限を設けることが記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、オフィス用途に供される電子ペーパーにおいては、賞味期限・消費期限など時間的にその期限を意識しなければならないものは、トナー、インキなど、いわゆるサプライ品と呼ばれるものがあるものの、その有効期限の長さは、生鮮食品の比ではなく、とりわけて厳重な管理が必要とされているわけではない。
【0005】
そのため、オフィス用途では、主として本来の目的である紙に替わるものとしての使い方がなされることが多い。しかしながら、電子ペーパーの普及に伴って、画像形成装置に備え付けの電子ペーパーを、その汎用性から、私物化・占有化したり、無断拝借したりするケースが増えている。
【0006】
本発明は、上記のような現状を鑑みてなされたものであり、電子ペーパーの不正な使用を抑制する画像形成システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、第1の態様として、給電せずに表示画像を保持可能な画像表示装置であって、画像を形成する画像形成装置と接続及び取り外しが可能な画像表示装置を含む画像形成システムにおいて、前記画像表示装置は、画像を表示させる表示手段と、前記画像表示装置が動作可能な期間を示す活性化期間の情報を保持する活性化期間保持手段と、前記画像形成装置より取り外された時からの時間を計測する計時手段と、前記時間が前記活性化期間を超えたときは前記表示手段の表示動作を停止させる停止制御手段と、を備え、前記画像形成装置は、前記画像表示装置に与える前記活性化期間の情報を設定する活性化期間設定手段と、前記画像形成装置と前記電子表示手段とが接続された際に、前記活性化期間の情報を前記画像表示装置に与え、その後再度接続された場合は設定された前記活性化期間の情報を前記画像表示装置に与え、前記計時手段を初期状態に戻す画像表示装置制御手段と、を備えることを特徴とする画像形成システムを提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電子ペーパーの不正な使用を抑制する画像形成システムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態1に係る画像形成システムが適用された画像形成装置(孔版印刷装置)の一例を示す概略図である。
【図2】実施の形態1に係る孔版印刷装置制御部のハードウェア(電装基板)構成の一例を示す概略図である。
【図3】実施の形態1に係る画像形成システムが適用された無給電画像表示装置(電子ペーパー)の一例を示す概略図である。
【図4】実施の形態1に係る画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【図5】実施の形態1に係る画像形成システムの動作時にタッチパネルに表示される画面の一例を示す図である。
【図6】実施の形態1に係る画像形成システムの動作時にタッチパネルに表示される画面の一例を示す図である。
【図7】実施の形態1に係る画像形成システムの動作を説明するための処理の流れ図である。
【図8】実施の形態1に係る画像形成システムの動作を説明するための概略図である。
【図9】実施の形態2に係る画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【図10】実施の形態2に係る電子ペーパーに関する構成管理情報の一例を示す概略図である。
【図11】実施の形態2に係る画像形成システムの動作を説明するための処理の流れ図である。
【図12】実施の形態3に係る画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【図13】実施の形態3に係る画像形成システムの動作を説明するための概略図である。
【図14】実施の形態3に係る電子ペーパーに関する構成管理情報の一例を示す概略図である。
【図15】実施の形態3に係る画像形成システムの動作時にタッチパネルに表示される画面の一例を示す図である。
【図16】実施の形態3に係る画像形成システムの動作時にタッチパネルに表示される画面の一例を示す図である。
【図17】実施の形態3に係る画像形成システムの動作時にタッチパネルに表示される画面の一例を示す図である。
【図18】実施の形態3に係る画像形成システムの動作を説明するための処理の流れ図である。
【図19】実施の形態3に係る画像形成システムの動作を説明するための処理の流れ図である。
【図20】実施の形態4に係る電子ペーパーに関する構成管理情報の一例を示す概略図である。
【図21】実施の形態5に係る画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【図22】実施の形態5に係る画像形成システムの動作を説明するための処理の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて順に説明する。各実施形態において、第1の実施形態と同一の機能を有する構成要素には、第1の実施形態と同一の符号を付し、第2の実施形態以降での重複説明は極力省略する。
【0011】
本発明にかかる画像形成システムは、画像形成装置の一形態であるデジタル式の孔版印刷装置に適用したものである。そのため、各実施形態で説明する画像形成システムが適用可能な画像形成装置としては、孔版印刷装置に限定されるものではなく、MFPやプリンタにも無論適用可能であり、また、電子写真方式やインクジェット方式などの画像形成方法にも基本的に依存しない。
【0012】
(第1の実施形態)
図1において、印刷システム1を構成する孔版印刷装置100の基本構成について説明する。孔版印刷装置100は、装置本体100Aの内部に、マスタ107が外周面に巻着される印刷ドラム101と、印圧手段となるプレスローラ102と、製版装置となるプロッタ103と、排版手段104とを備え、装置本体100Aの右側に配置された給紙手段105から給紙される記録紙106をプレスローラ102で印刷ドラム101に押し当てることで、巻着されたマスタ107の画像を記録紙106に転写し、画像転写された記録紙106を搬送手段108で装置本体100Aの左側に配置された排紙手段109へと搬送する周知の構成をとる。装置本体100Aの上部には、画像読取手段となるカラースキャナ110が配置されていて、原稿画像を読み取り、製版に用いる画像データを取得している。
【0013】
装置本体100Aの上部正面には、孔版印刷装置100の操作部となる操作パネル111が配設されている。操作パネル111には、印刷や製版の切り替えキー113、スタートキー114、表示部となる115、初期設定/プリンタ設定キー116、印刷位置調整キー117、プリントスピード設定キー118などが配備されている。表示部115は、LCDのタッチパネルで構成されていて、その画面には、各種案内情報や各種操作画面が適宜表示され、操作画面が、装置使用者(操作者/ユーザ)によって操作されると、各画面に表示されたスイッチに対応した内容が制御手段20や孔版印刷装置100に設定される。
【0014】
装置本体100A内には、孔版印刷装置100の各部を制御する制御手段20が配設されている。制御手段20は、図2に示すように、実装基板となるACU200(Application Control Unit)とECU300(Engine Control Unit)の二つに大きく分かれている。
【0015】
ACU200は、孔版印刷装置100の操作パネル(タッチパネル)111が接続される操作パネル用インターフェース205、携帯型大容量記憶メディアであるSDメモリーカード201やUSBメモリ203などが接続されるインターフェース(SDインターフェース206、USBインターフェース209)、大容量記憶装置となるハードディスク(以下「HDD」などと称す)207が接続されるHDDインターフェース208、パソコンなどの情報端末に対し、LANやインターネットなどのネットワークを介してアクセスするためのネットワークインターフェースカード(NIC)202や無線LANカードを接続するための通信インターフェース(NICインターフェース212、無線LANインターフェース214)、無給電画像表示装置である電子ペーパー400を接続するためのI/Oインターフェース221、FAXモジュールを接続するためのFAXインターフェース222、ECU300側が接続されるECUインターフェース215と、中央演算回路となるCPU216、記憶手段となるRAM217とROM218が、ASIC(Application Specific lntegrated Circuit)220に接続されている。
【0016】
ACU200は、孔版印刷装置100の製版/蓄積の制御等を行い、スキャナ110あるいはネットワーク経由で転送されてくる文書を蓄積文書としてHDD207に蓄積したり、スキャナ110あるいはHDD207に蓄積された蓄積文書あるいはネットワーク経由で転送された文書データから、最終的に製版データを作成したのち、ECU300に転送したりするという働きを受け持ち、本発明の機能は、主にこのACU200に属する。
【0017】
ECU300は、中央演算回路となるCPU321、記憶手段となるRAM322とROM323、ACU200が有するECUインターフェース215と接続されるACUインターフェース324、スキャナ110が接続されるスキャナインターフェース326、プロッタ103が接続されるプロッタインターフェース328が、それぞれASIC329に接続されている。
【0018】
ECU300は、ACU200により作成された製版データをもとに、プロッタ103により、周知の孔版原紙となるマスクの感熱孔版フィルム119に、熱的プロセスによって穿孔を行うことにより、製版済みのマスタを作成し、この製版済みのマスタ107を印刷ドラム101となる版胴の外周面に巻装し、ドラム内部に設置されたインキパック120から、インキを供給しながら印刷ドラム101を回転させ、それに呼応させるように記録紙(印刷用紙)106を給紙することにより印刷成果物を得る、という一連のデジタル式の孔版印刷装置の製版から印刷に至る動作全般を制御するものである。
尚、孔版印刷装置としては、片面印刷機や両面印刷機の何れであってもよい。
【0019】
また、無給電画像表示装置は、いわゆる電子ペーパーであり、図3に示されるように、電子ペーパーの動作を制御するCPU401、プログラムや画像データを保持するROM402、RAM403、画像を表示する表示パネル406、ボタンなど電子ペーパーを操作するための操作部404、画像形成装置とのインターフェースとなる外部I/F407、電子ペーパーの動作に必要な電源を確保・制御する電源制御部408、リアルタイムクロックや計時動作を行うタイマ411などから構成される。
【0020】
本実施形態の無給電画像表示装置は、動作可能な期間が設定されており、この無給電画像表示装置が動作可能な期間のことを、以下、「活性化期間」と呼ぶ。
【0021】
本実施形態の画像形成システム1に適用される画像形成装置は、図4に示すように、当該画像形成システムの構成の一部を成す無給電画像表示装置に対して、表示動作の規制をなすか否かを指定する活性化有無指定手段4(タッチパネル115)と、前記無給電画像表示装置の活性化期間を指定する活性化期間指定手段5(タッチパネル115)と、無給電画像表示装置が、有線/無線により当該画像形成装置に接続された時、前記活性化有無指定手段4により指定された有無設定を参照し、表示動作の規制をなす旨の設定であった場合、前記活性化期間設定手段5により指定された活性化期間を、前記無給電画像表示装置に提供するように制御する画像形成装置制御手段20A(ACU200上で動作するプログラム)と、を備えている。尚、この記載の中で、括弧内の記載は、各手段の具体的実現手段を示す。
【0022】
さらに、本実施形態の画像形成システム1に適用される無給電画像表示装置は、前記画像形成装置から提供される当該無給電画像表示装置が動作できる活性化期間を保持する活性化期間保持手段2(フラッシュROM402)と、前記活性化期間を計時するための活性化期間計時手段3(タイマ411)と、画像形成装置から提供される活性化期間を、前記活性化期間保持手段2に保持し、前記活性化期間計時手段3により、最新の活性化期間更新時からの経過時間を計測し、活性化期間保持手段2に保持されている活性化期間が経過した時、当該無給電画像表示装置の表示動作を停止し、新たな活性化期間が提供された場合のみ、再び表示動作を可能とするよう制御する無給電画像表示装置制御手段30A(電子ペーパー400上で動作するプログラム)と、を備えている。尚、この記載の中で、括弧内の記載は、各手段の具体的実現手段を示す。
【0023】
次に、活性化有無指定手段4と活性化期間指定手段5について、図5〜図6を使用して説明する。これらの図は、孔版印刷装置の操作/表示用タッチパネル(以下、単に「操作パネル」、「タッチパネル」、「LCD」などと呼称する)に表示される操作/表示画面の一例である。
【0024】
図5は、図示しない「システム初期値設定」−「管理者用設定」項目の仮想ボタンを選択した時の画面を表している。ここにおいて、ユーザは、孔版印刷装置の管理者用設定に関する設定を行うことができる。尚、図5においては、「電子ペーパー活性化設定」項目が“7日”となっているが、これは後述する操作により設定された結果が表示されたものである。
【0025】
また、管理者用設定を行うためには、パスワードによる認証処理を必要とするため、必然的に電子ペーパーの管理設定にも相応の制限がかけられることになり、電子ペーパーの私物化・占有化などの不正使用を抑制する一助となっている。当該画面において、「電子ペーパー活性化設定」仮想ボタンを選択すると、図6に示すサブメニューが表示される。当該サブメニューにおいては、当該画像形成装置(孔版印刷装置)の管理下にある電子ペーパーに対する活性化設定の有無の設定と、有無設定が“設定する”の場合、活性化期間を指定する。本実施形態では、電子ペーパー活性化を“設定する”としており、その活性化の期間を“7日”に設定している。
【0026】
尚、本実施形態では、活性化期間の指定として、日単位の指定で行うようにしているが、分、時間、週間、月あるいは年月日時などによる期日指定であってもよく、この実施形態に制限されるものではない。
【0027】
以上のような設定がなされた場合の制御の詳細について、図7の流れ図を参照して説明する。
【0028】
孔版印刷装置のI/Oインターフェースに、電子ペーパーが接続されると(ST1)、孔版印刷装置はそれを検知し(ST2)、活性化有無設定を参照する(ST3)。
設定が、本実施形態では、“設定する”に指定しているため(ST4)、さらに活性化指定期間を参照する(ST5)。本実施形態では、電子ペーパーに設定される活性化期間として、7日間が読み取られる。尚、設定しない場合、活性化指定期間として、実質的に無限とみなされる時間、例えば365日間が設定値として用意される(ST6)。
【0029】
孔版印刷装置は、前記活性化期間を電子ペーパーに送信し(ST7)、一方、電子ペーパーは、その値を受信し、保持する(ST8)。
この後、孔版印刷装置は、電子ペーパーに表示させる画像データを送信し、電子ペーパーは受け取った画像データを表示したりする(図8(a))などのよく知られた動作を行うが、本実施形態の要旨からは外れるため、その詳細な説明は省略する。
【0030】
この後、孔版印刷装置から電子ペーパーが取り外されると(ST9)、電子ペーパーはタイマ値として前記活性化指定期間を設定し、タイマを起動する(ST10)。
電子ペーパーは、タイマがタイムアウトするまでは、画像表示などの処理を行っているが、活性化指定期間を経過してしまうと(ST11)、画像表示を行っている場合、その画像を消去し、活性化指定期間が経過した旨の表示をし(図8(b))、以後の画像更新動作を停止する(ST12)。
【0031】
これにより、電子ペーパーは、実質使用不可となる。再び使用できるようにするには、孔版印刷装置に接続し、活性化期間の設定を受けなければならない。
【0032】
尚、タイムアウトする前に、再び孔版印刷装置に接続すると、ステップST1から繰り返され、改めて活性化指定期間が設定されることになる。即ち、最新の更新時点から、カウントダウンが繰り返されることになる。
【0033】
尚、本実施形態では、活性化指定期間を経過した時、図8(b)に示すメッセージを表示した後、画面更新動作を停止しているが、図8(c)に示すような、時計表示あるいはカレンダ表示に強制的に切り替わり、以後、活性化処理が行われるまで、実質、通常の文書表示を行えなくするような制御を行ってもよい。
【0034】
(実施の形態2)
次に、第2の実施形態を説明する。なお、上記実施形態と同一または同様の部分は同一符号で示し、特に必要がない限り既に説明した構成上及び機能上の説明は省略して、要部のみ説明する(以下の他の実施形態において同じである)。
【0035】
本実施形態の画像形成システムは、図9のブロック図に示すように、無給電画像表示装置は、無給電画像表示装置ごとに、一意の識別情報を有し、適宜画像形成装置へ当該識別情報を提供する識別情報提供手段6(電子ペーパー上で動作するプログラムとフラッシュROM)を有し、前記画像形成装置は、当該画像形成システムが管轄する無給電画像表示装置の構成管理情報を管理する構成管理手段7(ACU上で動作するプログラムとフラッシュROM)と、当該画像形成装置に無給電画像表示装置が接続された時、前記無給電画像表示装置から供出される識別情報を取得し、その識別情報を前記構成管理手段に照らし合わせ、接続された無給電画像表示装置が当該画像形成システムの管轄下にあるものであった場合、指定されたあるいは予め設定された活性化期間を、無給電画像表示装置に提供するように制御する画像形成装置制御手段20B(ACU200上で動作するプログラム)と、を有している。尚、この記載の中で、括弧内の記載は、各手段の具体的実現手段を示す。
【0036】
尚、識別情報は、電子ペーパーのフラッシュROM上に予め格納されており、識別情報提供手段は、格納された識別情報をアクセスして、孔版印刷装置に提供する。
【0037】
図10に、当該孔版印刷装置で使用する構成管理情報の例を示す。本実施形態で使用する構成管理情報は、電子ペーパー識別情報(ID)、活性化指定期間、最終更新日、現在の電子ペーパー状態の項目よりなる。
尚、構成管理処理は、電子ペーパーが接続された時だけではなく、定期的、例えば毎日定時に行われ、状態などが更新される。例えば、図10では、活性化指定期間内のもの(“有効”)や活性化指定期間を経過したもの(“期限切れ”)などの状態管理がなされている。
【0038】
また、これらの構成管理情報は、タッチパネル上に表示したり、システム情報としてプリントアウトしたりできるので、装置管理者は、当該画像形成システム管理下の電子ペーパーの状況を把握できるようになっている。
【0039】
尚、本実施形態で使用する構成管理情報は、図10に示すようなものであるが、管理する項目やその値は、一例に過ぎず、本実施形態に限定されるものではない。
【0040】
以上のような設定がなされた場合の制御の詳細について、図11の流れ図を使用して説明する。
【0041】
孔版印刷装置のI/Oインターフェース221に、電子ペーパーが接続されると(ST1)、孔版印刷装置はそれを検知し(ST2)、接続してきた電子ペーパーに、識別情報の提供を要求する。
電子ペーパーは、識別情報を送信してくるので(ST3)、孔版印刷装置はそれを取得し(ST4)、構成管理情報と参照する(ST5)。
構成管理手段7では、図10の例に示されるように、当該画像形成システムの管理下にある電子ペーパーの識別情報(ID)と、当該電子ペーパーに設定した活性化指定期間など、種々の情報を一括管理している。
孔版印刷装置は、提供された識別情報を構成管理情報と照らし合わせ、接続された電子ペーパーが、当該画像形成システムの管理下のものかどうかを判断する(ST6)。当該電子ペーパーが、管理下のものでなければ、その旨を孔版印刷機のタッチパネル上に表示する(ST13)。
【0042】
ST6の判断における「管理下のものでない」電子ペーパーを説明するための例として、図10にIDを“XG01SR”として示した電子ペーパーを参照する。図10における電子ペーパー“TXG01SR”は、当初は登録され、当該画像形成システムの管理下にあったものの、最終更新から活性化期間10日間はおろか、既に3ヶ月以上経過しており、その状態が“所在不明”となっている。このようなものも、もはや管理下にないものとみなし(ST6)、その旨の表示をするとともに(ST13)、装置管理者へ通知される(ST14、ST15)。
【0043】
尚、本実施形態では、3ヶ月間活性化処理の更新がなされていないものを、管理下にないものとして取り扱っているが、このような基準は一例に過ぎず、装置管理者の裁量や個々の運用規則に委ねられる。
【0044】
当該電子ペーパーが、管理下のものであれば、活性化有無設定を参照する(ST7)。活性化有無設定が、“設定する”の場合(ST8)、さらに活性化指定期間を参照し(ST9)、活性化期間を取得する。“設定しない”場合、活性化指定期間として、実質的に無限とみなされる時間が設定値として用意される(ST10)。
【0045】
孔版印刷装置は、前記活性化期間を電子ペーパーに送信し(ST11)、その後、今回の処理結果を構成管理情報に反映する(ST12)。一方、電子ペーパーは、送られてきた活性化期間値を受信し、保持する(ST16)。
【0046】
この後、孔版印刷装置は、電子ペーパーに表示させる画像データを送信し、電子ペーパーは受け取った画像データを表示したりするなどのよく知られた動作を行うが、本実施形態の要旨からは外れるため、説明と図示を省略している。
【0047】
この後、孔版印刷装置から電子ペーパーが取り外されると(ST17)、電子ペーパーはタイマ値として前記活性化指定期間を設定し、タイマを起動する(ST18)。
タイマがタイムアウトするまでは、画像表示などの処理を行っているが、活性化指定期間を経過してしまうと(ST19)、電子ペーパーは、画像表示を行っている場合、その画像を消去し、活性化指定期間が経過した旨の表示をし、以後の画像更新動作を停止する(ST20)。
【0048】
これにより、電子ペーパーは、実質使用不可となる。再び使用できるようにするには、孔版印刷装置に接続し、活性化期間の設定を受けなければならない。
タイムアウトする前に、再び孔版印刷装置に接続すると、ステップST1から繰り返され、改めて活性化指定期間が設定されるとともに、構成管理情報が更新されることになる。
【0049】
また、本実施形態では、電子ペーパーに一意の識別情報を付与しており、その提供は、画像データの伝送に使われるI/Oインターフェース221を兼用してなされているが、RFID付きの電子ペーパーを採用し、識別情報をRFID経由で提供してもよく、本実施形態に限定されるものではない。
【0050】
(実施の形態3)
次に、第3の実施形態を説明する。なお、上記実施形態と同一または同様の部分は同一符号で示し、特に必要がない限り既に説明した構成上及び機能上の説明は省略して要部のみ説明する。
【0051】
本実施形態の適用される画像形成システムは、図12に示すように、上記実施の形態2とほとんど同じであるが、前記画像形成装置は、活性化期間を超過し、長期間の不使用または所在不明となっている無給電画像表示装置が当該画像形成装置に再接続された時の挙動を指定する再接続時動作指定手段8(タッチパネル115)と、前記構成管理手段7によって管理されている無給電画像表示装置のうち、長期間にわたって活性化されないものあるいは所在の不明のものに対して、再び当該画像形成装置に接続された場合、前記再接続時動作指定手段に指定された動作に則り、無給電画像表示装置に対して処置を施すように制御する画像形成装置制御手段20C(ACU200上で動作するプログラム)と、を有している。尚、この記載の中で、括弧内の記載は、各手段の具体的実現手段を示す。
【0052】
さらに、本実施形態に適用される画像形成システムは、図13に示すように、複数の画像形成システム(本実施形態では、孔版印刷装置と複写装置)から構成され、個々の画像形成システム管轄下にある無給電画像表示装置の構成管理情報を、画像形成システム同士で交換することにより、当該複合画像形成システムの管理下にある無給電画像表示装置(電子ペーパー)の管理を包括的に行っている。
【0053】
そのため、前記複合画像形成システムにおいて、個々の画像形成システムが当該複合画像形成システムを構成するメンバであることを識別するために、特定のグループ識別符号(本実施形態では、GRP−ID“X20A”などが該当)を用いている。
【0054】
本実施形態で、複数の画像形成システム(孔版印刷装置と複写装置)の間で交換される構成管理情報の一例を、図14(A)に示す。尚、図14(B)は、別の画像形成システム(多機能複写装置)GRP−ID“X19A”で管理されている構成管理情報の例である。
【0055】
GRP−IDは、前述のように、無給電画像表示装置(電子ペーパー)が、どの複合画像形成システムに属しているかを識別するものである。EP−IDは、個々の電子ペーパーを識別するためのものであり、少なくとも、同一GRP−ID内では、一意に定まるものである。活性化期間、最終更新日、状態は、前述の実施形態で説明の通りである。但し、異なるのは、状態が“所在不明”の場合である。前述の実施形態2では、所在不明状態の電子ペーパーは、もはや当該画像形成システムの管理下にないという扱いであったが、本実施形態においては、当該画像形成システムの管理下にあるかないかは、あくまでGRP−IDによって定まる。
【0056】
また、再接続時動作は、同一GRP−IDの画像形成装置に管理下にある任意の電子ペーパーが接続された時、どのような動作を行うかを指定するものであり、“更新”は、電子ペーパーを指定された活性化期間で活性化するよう更新する処理を行い、“更新せず”は、活性化処理を行わないことを示す。本実施形態では、その理由はともかく長い間接続されておらず、所在不明状態の扱いになっている電子ペーパーに対して、たとえ接続されても更新しないように指定している。
【0057】
但し、電子ペーパーの状態と再接続時動作の指定は、基本的に無関係であり、例えば、これまでは更新処理されて、現在有効状態であっても、“更新せず”の指定を行うと、次回の接続時には、活性化処理を行われず、活性化期間経過後は、もはや使用できない状態になる。よって、管理下にある電子ペーパーをどのように運用管理するかについては、装置管理者などの裁量や運用規則にまかせられることになる。
【0058】
また、タイムスタンプは、構成管理情報を交換する際に、どちらの情報が最新のものであるかを判断するために用いられ、対象となる電子ペーパーに対して活性化による更新や設定の更新がなされた時のタイムスタンプが保持されている。図14の例では、日付までしか表示されてないが、内部的には、より高い精度のタイムスタンプが保持されている。
【0059】
本実施形態では、電子ペーパー“TXG01SR”は、2008/09/04に最終更新がなされて以来、以後活性化処理が行われていないが、タイムスタンプは2008/12/04が記録されている。これは、図15、図16、図17に示されるような、タッチパネル上の設定メニューから、装置管理者が、電子ペーパーの状態“所在不明”を確認し、この電子ペーパーは紛失・行方不明になったものとして、“再接続時動作”を“更新せず”に変更したためである。
【0060】
以上のような構成管理情報を持った画像形成装置が、他の画像形成装置と構成管理情報を交換するためには、まずネットワークに接続されている他の画像形成装置を見つけださなければならない。これは、あるネットワークに画像形成装置、例えば孔版印刷装置を設置した時、装置管理者が、既に運用している画像形成装置をどれか一台指定してやることにより解決される。
【0061】
即ち、設置された画像形成装置は、装置管理者によって指定された画像形成装置と通信し、本来の目的である構成管理情報を交換し合うと同時に、構成管理情報を交換し合う画像形成装置群のアドレス情報も収集・交換する。指定された画像形成装置は、これまでの運用の間に、収集・交換した情報を持っているので、アメーバ式にかつ自律的に構成管理情報を交換し合う画像形成装置のネットワークを形成できる。
【0062】
構成管理情報の交換の際、もし交換先の方の情報が古ければ、自身の構成管理情報を更新しないが、逆に交換先が新しければ、新しい情報によって自身の構成管理情報を書き換える。従って、管理情報の新旧だけでなく、同一の電子ペーパーに対して異なる設定がなされても、タイムスタンプの新しいもので更新される。このようにして、グループ内の構成管理情報の同期と統一性が保たれる。
【0063】
本実施形態では、同一の複合画像形成システムに属する構成管理情報しか交換・保持していないが、例えば同一ネットワークに属する他の複合画像形成システム、GRP−ID“X19A”に関する情報を交換・保持していても構わず、本実施形態に限定されるものではない。
【0064】
このような構成/設定における複合画像形成システムにおける制御の詳細について、図18〜図19の流れ図を使用して説明する。尚、前述の実施形態で説明済みの部分については、同様なので、それらに関連する説明については簡略する。
【0065】
まず、構成管理情報の交換について説明する。孔版印刷装置の制御部は、定周期タイマが、予め設定された日時あるいは期間毎に発生するトリガイベントを検知すると(ST1)、ネットワークに接続されている同一GRP−IDに属する他の画像形成装置(本実施形態では複写装置)に、構成管理情報の交換要求を出し、自らの構成管理情報を送信する(ST2)。
【0066】
孔版印刷装置からの構成管理情報を受け取った複写装置は(ST3)、自身が持っている構成管理情報と照合し、変更すべき箇所について更新を行う(ST5)。
さらに、自身が持っている構成管理情報を、交信してきた画像形成装置(本実施形態では孔版印刷装置)に送る(ST6)。孔版印刷装置は、複写機から送られてきた構成管理情報について、同様に、自身が持っている構成管理情報と照合し、変更すべき箇所について更新を行う(ST7)。
【0067】
このようにして、同一GRP−IDに属する構成管理情報が、グループ内で共有・維持される。尚、本実施形態では、構成管理情報の交換を、画像形成装置同士の自立的なやりとりをベースとしたネットワーク形成をもとに行っているが、クライアントサーバ方式のように、集中して構成情報管理を行うサーバ役の画像形成装置を一台設定し、他の画像形成装置は、サーバ役の画像形成装置の構成管理情報に個別の情報を送信、整合・更新された情報を参照あるいはダウンロードしてくるというような方法によってもよい。
【0068】
また、本実施形態では、構成管理情報の交換時期を明示していないが、画像形成装置毎に固定的に定められていても、あるいは、別段に定める指定方法により、個別に交換日時を指定するようになっていてもよい。
【0069】
前記のような方法により、構成管理情報が維持・管理されている複合画像形成システムにおいて、電子ペーパーを接続した時の動作を、図19を用いて説明する。以下の説明においては、図13に示される複合画像形成システムGRP−ID“X20A”に属する孔版印刷装置に、電子ペーパー“TXG01SR”が接続された場合を想定して、説明を進める。
【0070】
孔版印刷装置のI/Oインターフェース221に、電子ペーパーが接続されると(ST1)、孔版印刷装置はそれを検知し(ST2)、接続してきた電子ペーパーに、識別情報の提供を要求する。
電子ペーパーは、識別情報を送信してくるので(ST3)、孔版印刷装置はそれを取得し(ST4)、構成管理情報と参照する(ST5)。
孔版印刷装置は、提供された識別情報を構成管理と照らし合わせ、接続された電子ペーパーが、当該画像形成システムの管理下のものかどうかを判断する(ST6)。
当該電子ペーパーが、管理下のものでなければ、その旨を孔版印刷機のタッチパネル上に表示する(ST16)。
【0071】
図14(A)に示されるように、電子ペーパー“TXG01SR”は、複合画像形成システムGRP−ID“X20A”で使用できるように登録されているので、当該複合画像形成システムの管理下にあるものとみなされる。
さらに、当該電子ペーパーが、管理下のものであれば、活性化有無設定を参照する(ST7)。活性化有無設定が、“設定する”の場合(ST8)、さらに再接続時動作の設定を参照する(ST9)。本実施形態では、電子ペーパー“TXG01SR”は、最終更新から活性化期間10日間はおろか、3ヶ月以上経過しており、状態が“所在不明”となっているため、後日、管理者により「再接続時動作」項目を“更新せず”に設定されている。このため、取扱いできない旨の表示がなされ(ST11,ST16)、結局当該電子ペーパーは、再登録なり、管理者による設定変更を経なければ、使用することはできない。再接続時動作の設定が“更新”のものについては、前記実施形態と同様の動作となるので、以後の説明は省略する。
【0072】
(実施の形態4)
次に、第4の実施形態を説明する。なお、上記実施形態と同一または同様の部分は同一符号で示し、特に必要がない限り既に説明した構成上及び機能上の説明は省略して要部のみ説明する。
【0073】
本実施形態の適用される画像形成システムは、上記実施形態3と同じであるが、図20に示すように、構成管理情報に登録されるGRP−IDに、“COMMON”という、電子ペーパーをどのグループでも使用可能な特殊なGRP−IDを設けていることが特徴である。
これは、例えば電子ペーパー“TXG01S”を主に、複合画像形成システム20Aで使用しているが、他の複合画像形成システムX19A、或いは他の複合画像形成システムでも使いたい場合に有効である。
【0074】
通常、異なる複合画像形成システムグループ間において、異なるGRP−IDの構成管理情報を共有しないので、もし同一の電子ペーパーを、異なる複合画像形成システム毎(GRP−ID毎)において異なる設定、例えば異なる活性化期間が設定されたとしても、各々の複合画像形成システムで設定された活性化期間に従って運用される。即ち、どちらの複合画像形成システムでも使用可能であるが、見かけ上は、別物の電子ペーパーとして扱われていることになる。
【0075】
しかし、電子ペーパーを、異なる複合画像形成システム間で横断的にかつ一元的に取り扱うため、本実施形態では、“COMMON”属性を持たせている。当該属性が指定された電子ペーパーの構成管理情報は、管理情報交換に際して、構成管理情報が共有される(図20(A)、(B))。これにより、異なる複合画像形成システムにおいても、当該電子ペーパーは、統一性をもって管理される。
【0076】
万一、異なる複合画像形成システムにおいて、同一の電子ペーパーに対して、異なる設定、例えば活性化期間が設定されたとしても、前述のようにタイムスタンプの新しいもので更新される。このようにして、構成管理情報の同期と統一性が保たれる。
【0077】
(実施の形態5)
次に、第5の実施形態を説明する。なお、上記実施形態と同一または同様の部分は同一符号で示し、特に必要がない限り既に説明した構成上及び機能上の説明は省略して要部のみ説明する。
【0078】
図21に、本実施形態の機能構成を示す。
本実施形態の適用される画像形成システムは、上記実施形態3とほぼ同じであるが、無給電画像表示装置が、当該無給電画像表示装置に設定されているパスワードの有無、時限消去の有無など、自身のセキュリティ設定情報を、画像形成装置へ提供するセキュリティ設定情報提供手段9(電子ペーパー上で動作するプログラムとフラッシュROM)、を有し、前記画像形成装置が、画像形成装置側で予め規定されている無給電画像表示装置へのセキュリティ設定(パスワード、時限消去など)を強制的に行う強制セキュリティ設定手段10(ACU200上で動作するプログラムとフラッシュROM)と、当該画像形成装置に無給電画像表示装置が接続された時、前記無給電画像表示装置から供出されるセキュリティ設定情報を取得し、その設定内容を分析した結果、予め規定された以上のセキュリティ基準を満たしていない場合、前記強制セキュリティ設定手段により、当該無給電画像表示装置に強制的にセキュリティ設定を行うように制御する画像形成装置制御手段20(ACU200上で動作するプログラム)と、を有している。尚、この記載の中で、括弧内の記載は、各手段の具体的実現手段を示す。
【0079】
このような構成における画像形成システムにおける制御の詳細について、図22の流れ図を使用して説明する。尚、前述の実施形態1から3で説明済みの部分については、同様なので、それらに関連する説明については簡略する。また、図22において、ST1からST6まで、ST7からST23までは上述の図19と同様であるので、説明及び図示を簡略する。
【0080】
孔版印刷装置のI/Oインターフェース221に、電子ペーパーが接続されると(ST1)、孔版印刷装置はそれを検知し(ST2)、接続してきた電子ペーパーに、識別情報の提供を要求する。
電子ペーパーは、識別情報を送信してくるので(ST3)、孔版印刷装置はそれを取得し(ST4)、構成管理情報と参照する(ST5)。
孔版印刷装置は、提供された識別情報を構成管理と照らし合わせ、接続された電子ペーパーが、当該画像形成システムの管理下のものかどうかを判断する(ST6)。
当該電子ペーパーが、管理下のものでなければ、その旨を孔版印刷機のタッチパネル上に表示する(ST16)。
【0081】
当該電子ペーパーが、管理下のものであれば、孔版印刷装置は、電子ペーパーにセキュリティ設定情報の提供を要求するので、電子ペーパーは自身のセキュリティ設定を送信する(ST22)。
孔版印刷装置は、受け取ったセキュリティ設定情報を解析し、当該画像形成システムで運用されているセキュリティ規定に照らし合わせる。尚、本実施形態では、セキュリティ設定は、電子ペーパーのパスワード設定がなされていることとしている。
【0082】
もし、当該電子ペーパーにおいて、パスワード設定がなされていれば(ST24)、次の活性化有無設定の参照ステップに進む(ST7)。しかし、パスワードが設定されていなければ、規定のセキュリティレベルに達していないと判断し(ST24)、孔版印刷装置は、強制的に電子ペーパーのパスワード設定を有効化し、予め定められたパスワードを書き込む(ST25、ST26)。
【0083】
活性化有無設定の参照ステップ以降については、前記実施形態と同様の動作となるので、説明を省略する。
尚、本実施形態では、セキュリティ規定の例として、パスワードの設定を例示しているが、時限消去や、認証などの単独あるいはそれらの組み合わせとしてもよく、本実施形態に限定されるものではない。また、規定の例として、個別の技術ではなく、個数指定(例えば、「前述例のうちの1つ以上が設定されていること」)であってもよい。
【0084】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態において例示したデジタル孔版印刷装置等の印刷システムに適用が限定されないことは言うまでもない。本発明は、他に、複写機(PPC:Plain Paper Copier)、複合機能プリンタ(MFP:Multi−Functional Printer)、プリンタなどの画像形成装置にも適用可能である。
【符号の説明】
【0085】
1 画像形成(印刷)システム
2 活性化期間保持手段
3 活性化期間計時手段
4 活性化有無指定手段
5 活性化期間指定手段
6 識別情報提供手段
7 構成管理手段
8 再接続時動作指定手段
9 セキュリティ設定情報提供手段
10 強制セキュリティ設定手段
20 画像形成装置制御手段
30 無給電画像表示装置制御手段
100 画像形成装置(孔版印刷装置)
101 印刷ドラム
103 製版部(プロッタ)
110 画像読取り部(スキャナ)
111 操作部(操作パネル)
115 タッチパネル
200 ACU
300 ECU
400 電子ペーパー
【先行技術文献】
【特許文献】
【0086】
【特許文献1】特開2004−126374号公報
【特許文献2】特開2006−030558号公報
【特許文献3】特開2007−122377号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給電せずに表示画像を保持可能な画像表示装置であって、画像を形成する画像形成装置と接続及び取り外しが可能な画像表示装置を含む画像形成システムにおいて、
前記画像表示装置は、
画像を表示させる表示手段と、
前記画像表示装置が動作可能な期間を示す活性化期間の情報を保持する活性化期間保持手段と、
前記画像形成装置より取り外された時からの時間を計測する計時手段と、
前記時間が前記活性化期間を超えたときは前記表示手段の表示動作を停止させる停止制御手段と、を備え、
前記画像形成装置は、
前記画像表示装置に与える前記活性化期間の情報を設定する活性化期間設定手段と、
前記画像形成装置と前記電子表示手段とが接続された際に、前記活性化期間の情報を前記画像表示装置に与え、その後再度接続された場合は設定された前記活性化期間の情報を前記画像表示装置に与え、前記計時手段を初期状態に戻す画像表示装置制御手段と、
を備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記画像形成装置は、
前記画像表示装置の前記停止制御手段による表示動作の停止をするか否かの設定を記憶する活性化有無指定手段を備え、
前記活性化期間設定手段は、前記活性化有無指定手段の設定を参照して、表示動作の停止をしない場合に、前記活性化期間の情報として、無期限とみなせる期間を設定することを特徴とする、請求項1記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記画像表示装置は、
前記停止制御手段に代えて、前記時間が前記活性化期間を超えたときは前記表示手段の表示コントラストを下げていく表示動作をする表示制御手段を備えることを特徴とする、請求項1又は2記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記画像表示装置は、画像表示装置ごとに一意の識別情報を有し、
前記画像形成装置は、当該画像形成装置が管轄下に置く画像表示装置の識別情報のデータベースである構成管理手段を備え、
前記画像表示装置制御手段は、接続された画像表示装置の識別情報を前記構成管理手段に照合し、照合の結果、前記接続された画像表示装置が管轄下のものであった場合に、前記活性化期間の情報を前記画像表示装置に与え、前記計時手段を初期状態に戻すことを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記画像形成装置は、
前記画像表示装置制御手段による識別情報の照合の結果、前記接続された画像表示装置が所在不明の画像表示装置であることが判明した場合に、前記画像形成装置の管理者にその旨を通知することを特徴とする、請求項4記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記識別情報として、複数の画像形成装置の管轄下に入っていることを示す識別情報を有することを特徴とする、請求項4又は5記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記画像表示装置は、当該画像表示装置のセキュリティ設定に関する情報を提供するセキュリティ設定情報提供手段を備え、
前記画像表示装置制御手段は、提供された前記セキュリティ設定に関する情報を分析して規定のセキュリティ基準を満たしていないと判断された場合に、設定された前記活性化期間の情報を前記画像表示装置に与える処理を実行しないことを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項記載の画像形成システム。
【請求項8】
前記画像形成装置は、提供された前記セキュリティ設定に関する情報を分析して規定のセキュリティ基準を満たしていないと判断された場合に、前記規定のセキュリティ基準を満たすように前記画像表示装置のセキュリティ設定を変更する制御を行う強制セキュリティ設定手段を備えることを特徴とする、請求項7記載の画像形成システム。
【請求項9】
前記画像表示装置は、
前記停止制御手段に代えて、前記時間が前記活性化期間を超えたときは前記表示手段に日時に関する情報を表示させる表示制御手段を備えることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項記載の画像形成システム。
【請求項1】
給電せずに表示画像を保持可能な画像表示装置であって、画像を形成する画像形成装置と接続及び取り外しが可能な画像表示装置を含む画像形成システムにおいて、
前記画像表示装置は、
画像を表示させる表示手段と、
前記画像表示装置が動作可能な期間を示す活性化期間の情報を保持する活性化期間保持手段と、
前記画像形成装置より取り外された時からの時間を計測する計時手段と、
前記時間が前記活性化期間を超えたときは前記表示手段の表示動作を停止させる停止制御手段と、を備え、
前記画像形成装置は、
前記画像表示装置に与える前記活性化期間の情報を設定する活性化期間設定手段と、
前記画像形成装置と前記電子表示手段とが接続された際に、前記活性化期間の情報を前記画像表示装置に与え、その後再度接続された場合は設定された前記活性化期間の情報を前記画像表示装置に与え、前記計時手段を初期状態に戻す画像表示装置制御手段と、
を備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記画像形成装置は、
前記画像表示装置の前記停止制御手段による表示動作の停止をするか否かの設定を記憶する活性化有無指定手段を備え、
前記活性化期間設定手段は、前記活性化有無指定手段の設定を参照して、表示動作の停止をしない場合に、前記活性化期間の情報として、無期限とみなせる期間を設定することを特徴とする、請求項1記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記画像表示装置は、
前記停止制御手段に代えて、前記時間が前記活性化期間を超えたときは前記表示手段の表示コントラストを下げていく表示動作をする表示制御手段を備えることを特徴とする、請求項1又は2記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記画像表示装置は、画像表示装置ごとに一意の識別情報を有し、
前記画像形成装置は、当該画像形成装置が管轄下に置く画像表示装置の識別情報のデータベースである構成管理手段を備え、
前記画像表示装置制御手段は、接続された画像表示装置の識別情報を前記構成管理手段に照合し、照合の結果、前記接続された画像表示装置が管轄下のものであった場合に、前記活性化期間の情報を前記画像表示装置に与え、前記計時手段を初期状態に戻すことを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記画像形成装置は、
前記画像表示装置制御手段による識別情報の照合の結果、前記接続された画像表示装置が所在不明の画像表示装置であることが判明した場合に、前記画像形成装置の管理者にその旨を通知することを特徴とする、請求項4記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記識別情報として、複数の画像形成装置の管轄下に入っていることを示す識別情報を有することを特徴とする、請求項4又は5記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記画像表示装置は、当該画像表示装置のセキュリティ設定に関する情報を提供するセキュリティ設定情報提供手段を備え、
前記画像表示装置制御手段は、提供された前記セキュリティ設定に関する情報を分析して規定のセキュリティ基準を満たしていないと判断された場合に、設定された前記活性化期間の情報を前記画像表示装置に与える処理を実行しないことを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項記載の画像形成システム。
【請求項8】
前記画像形成装置は、提供された前記セキュリティ設定に関する情報を分析して規定のセキュリティ基準を満たしていないと判断された場合に、前記規定のセキュリティ基準を満たすように前記画像表示装置のセキュリティ設定を変更する制御を行う強制セキュリティ設定手段を備えることを特徴とする、請求項7記載の画像形成システム。
【請求項9】
前記画像表示装置は、
前記停止制御手段に代えて、前記時間が前記活性化期間を超えたときは前記表示手段に日時に関する情報を表示させる表示制御手段を備えることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項記載の画像形成システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2011−64733(P2011−64733A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−212848(P2009−212848)
【出願日】平成21年9月15日(2009.9.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月15日(2009.9.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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