説明

画像形成ユニット、シール部材及び画像形成装置

【課題】画像品位を向上させることができ、媒体が汚れたり、装置本体内が汚れたりするのを防止することができるようにする。
【解決手段】筐体と、筐体内において回転自在に配設された回転摺動体と、回転摺動体に沿って、かつ、先端を回転摺動体に当接させて筐体に取り付けられた帯状のシール部材39とを有する。シール部材39の先端を構成する縁部は、回転摺動体の軸方向における中央部が端部より回転摺動体側に突出させて形成されるので、回転摺動体の軸方向における中央部の近傍のシール部材39による押圧力が両端の押圧力より小さくなることがなくなり、軸方向においてほぼ均一にすることができ、回転摺動体の軸方向における中央部に隙間が形成されることがなくなる。したがって、現像剤が飛散してしまうことがなくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成ユニット、シール部材及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置、複合機等の画像形成装置、例えば、プリンタにおいては、感光体ドラムの表面を、帯電ローラによって帯電させ、LEDヘッドによって露光して静電潜像を形成し、該静電潜像に現像ローラ上で薄層化されたトナーを静電的に付着させてトナー像を形成し、該トナー像を転写ローラによって媒体としての用紙に転写することにより画像が形成される。また、プリンタにおいては、転写後に感光体ドラム上に残留したトナーをクリーニング装置によって除去することができるようになっている。
【0003】
ところで、前記帯電ローラ、感光体ドラム、現像ローラ、クリーニング装置等は画像形成ユニットの筐体によって支持される(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平5−224575号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来のプリンタにおいては、感光体ドラムの長手方向の中央部において、シール部材に隙間が生じることがあり、トナーが飛散してしまうことがある。その結果、画像品位が低下したり、用紙が汚れたり、プリンタの本体、すなわち、装置本体内が汚れたりしてしまうことがある。
【0005】
本発明は、前記従来のプリンタの問題点を解決して、画像品位を向上させることができ、媒体が汚れたり、装置本体内が汚れたりするのを防止することができる画像形成ユニット、シール部材及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのために、本発明の画像形成ユニットにおいては、筐体と、該筐体内において回転自在に配設された回転摺動体と、該回転摺動体に沿って、かつ、先端を回転摺動体に当接させて前記筐体に取り付けられた帯状のシール部材とを有する。
【0007】
そして、該シール部材の前記先端を構成する縁部は、前記回転摺動体の軸方向における中央部が端部より回転摺動体側に突出させて形成される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、画像形成ユニットにおいては、筐体と、該筐体内において回転自在に配設された回転摺動体と、該回転摺動体に沿って、かつ、先端を回転摺動体に当接させて前記筐体に取り付けられた帯状のシール部材とを有する。
【0009】
そして、該シール部材の前記先端を構成する縁部は、前記回転摺動体の軸方向における中央部が端部より回転摺動体側に突出させて形成される。
【0010】
この場合、シール部材の先端を構成する縁部は、回転摺動体の軸方向における中央部が端部より回転摺動体側に突出させて形成されるので、回転摺動体の軸方向における中央部の近傍のシール部材による押圧力が両端の押圧力より小さくなることがなくなり、軸方向においてほぼ均一にすることができる。そして、回転摺動体の軸方向における中央部に隙間が形成されることがなくなる。
【0011】
したがって、現像剤が飛散してしまうことがなくなるので、画像品位を向上させることができ、媒体が汚れたり、装置本体内が汚れたりするのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画像形成装置としてのプリンタについて説明する。
【0013】
図2は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの概略図である。
【0014】
図に示されるように、装置本体の下部に、媒体としての図示されない用紙を収容する媒体収容部としての給紙カセット51が配設され、該給紙カセット51の前端に隣接させて、用紙を1枚ずつ分離して給紙する媒体供給部としての給紙機構が配設される。該給紙機構は、分離ローラ52及び給紙ローラ53a、53bを備え、給紙機構によって給紙された用紙は、上部に配設された搬送ローラ部54、55に送られ、その後、搬送部材としての搬送ベルト57が走行させられるのに伴って、該搬送ベルト57によって搬送され、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各色の画像形成を行う複数の画像形成部としての画像形成ユニット10Bk、10Y、10M、10Cに送られ、該各画像形成ユニット10Bk、10Y、10M、10Cに回転自在に配設された像担持体としての感光体ドラム12Bk、12Y、12M、12Cと、転写部材としての転写ローラ24Bk、24Y、24M、24Cとの間を通過する。該各転写ローラ24Bk、24Y、24M、24Cは、各感光体ドラム12Bk、12Y、12M、12C上に形成された各色の現像剤像としてのトナー像を、順次前記用紙に転写し、カラーのトナー像を形成する。
【0015】
続いて、用紙は、定着装置としての定着器25に送られ、該定着器25において前記カラーのトナー像が用紙に定着させられ、カラーの画像が形成される。そして、定着器25から排出された用紙は、搬送ローラ59によって搬送された後、排出搬送ローラ60によって装置本体外に排出され、媒体積載部としての上部カバー63に積載される。
【0016】
前記各感光体ドラム12Bk、12Y、12M、12Cの表面を露光して潜像としての静電潜像を形成するために、露光装置としてのLEDヘッド27Bk、27Y、27M、27Cが、各画像形成ユニット10Bk、10Y、10M、10Cと対向させて配設される。
【0017】
該各画像形成ユニット10Bk、10Y、10M、10Cは、装置本体に対して着脱自在に配設され、そのために、装置本体の上部において前記上部カバー63が開閉自在に配設される。なお、前記各LEDヘッド27Bk、27Y、27M、27Cは上部カバー63によって保持される。
【0018】
また、画像形成ユニット10Bk、10Y、10M、10C、LEDヘッド27Bk、27Y、27M、27C、転写ローラ24Bk、24Y、24M、24C、定着器25等によってプリンタが構成される。
【0019】
次に、画像形成ユニット10Bk、10Y、10M、10Cについて説明する。この場合、各画像形成ユニット10Bk、10Y、10M、10Cは同じ構造を有するので、画像形成ユニット10Bkについてだけ説明する。
【0020】
図3は本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットの概略図である。
【0021】
画像形成ユニット10Bkは、画像形成ユニット10Bkの本体、すなわち、画像形成ユニット本体20、及び該画像形成ユニット本体20に対して着脱自在に配設された現像剤カートリッジとしてのトナーカートリッジ21を備え、該トナーカートリッジ21内に現像剤としてのトナーが収容される。
【0022】
また、画像形成ユニット10Bkは、アルミニウム等から成る導電性基層、及び有機感光体から成る表層によって構成される感光体ドラム12Bk、導電性を有する金属製のシャフトに、エピクロロヒドリンゴム等の半導電性ゴムをロール状に被覆することによって形成された帯電部材としての帯電ローラ13、導電性を有する金属製のシャフトにシリコーン等の半導電性ゴムを被覆することによって形成された現像剤担持体としての現像ローラ16、導電性を有する金属製のシャフトに、トナーの搬送性を向上させるために、発泡ゴム材料(ゴムの混練時に発泡剤を添加して形成される。)を被覆することによって形成された現像剤供給部材としてのトナー供給ローラ18、前記現像ローラ16に先端を当接させて配設され、現像ローラ16に供給されたトナーを均一に薄層化する現像剤規制部材としての現像ブレード17、トナー像が用紙Pに転写された後の前記感光体ドラム12Bkに残留したトナーを除去するクリーニング部材としてのクリーニングブレード19、前記トナー供給ローラ18の上方に形成され、トナーを貯蔵するための貯蔵室30に配設された攪拌器26等を備える。そして、前記トナーカートリッジ21内のトナーは排出口22を介して前記画像形成ユニット本体20に供給され、攪拌器26によって攪拌される。
【0023】
なお、前記画像形成ユニット本体20の筐体は、主として下方部分を構成するベースフレーム14、及び該ベースフレーム14を被うカバーフレーム15を備える。
【0024】
前記現像ブレード17は、支持部材17a、17bによって挟まれ、図示されないねじによってカバーフレーム15に固定される。また、前記クリーニングブレード19は、ウレタンゴム等のゴムを備えたブラケット33にホットメルト等の接着部材によって強力に接着され、その状態で、ベースフレーム14に取り付けられる。クリーニングブレード19の下方の隙間には、スパイラル又はコイルスプリングから成り、クリーニングブレード19によって除去されたトナーを廃棄トナーとして搬送するための廃棄トナー搬送部材40が配設される。
【0025】
前記感光体ドラム12Bkに、帯電ローラ13、現像ローラ16及びクリーニングブレード19が当接させて配設され、前記現像ローラ16に、現像ブレード17及びトナー供給ローラ18が当接させて配設される。また、前記感光体ドラム12Bk、帯電ローラ13、現像ローラ16及びトナー供給ローラ18は、図示されない回転駆動系によって矢印方向に回転駆動され、図示されない現像ローラ16用の電源、トナー供給ローラ18用の電源、及び現像ブレード17用の電源が、それぞれ現像ローラ16、トナー供給ローラ18及び現像ブレード17と接続される。
【0026】
また、前記感光体ドラム12Bk及び帯電ローラ13は、感光体ドラム12Bkの軸方向における左右の両端に配設された側部筐体としての図示されないサイドフレームによって回転自在に支持される。なお、前記ベースフレーム14及びカバーフレーム15は、硬度が高く、かつ、耐熱性が高い樹脂、本実施の形態においては、変性PPEによって形成される。
【0027】
前記ベースフレーム14には、前記感光体ドラム12Bkの回転方向における転写ローラ24Bkより下流側で、かつ、クリーニングブレード19より上流側に、第1の封止部としてのシール部材39が配設され、該シール部材39は、感光体ドラム12Bkとベースフレーム14との隙間を塞ぐように、先端を感光体ドラム12Bkに当接させてベースフレーム14の開口の端面、すなわち、取付面s1に貼付され(取り付けられ)る。なお、感光体ドラム12Bkは、シール部材39と摺動しながら回転する第1の回転摺動体を構成する。
【0028】
また、前記現像ローラ16の回転方向におけるトナー供給ローラ18より下流側で、かつ、感光体ドラム12Bkより上流側に、第2の封止部としてのシール部材23が配設され、該シール部材23は、現像ローラ16とベースフレーム14との隙間を塞ぐように、先端を現像ローラ16に当接させてベースフレーム14に取り付けられる。なお、現像ローラ16は、シール部材23と摺動しながら回転する第2の回転摺動体を構成する。
【0029】
次に、前記画像形成ユニット10Bkの動作について説明する。
【0030】
前記構成のプリンタにおいて、図示されない駆動モータを駆動し、電源回路を作動させると、前記現像ローラ16及びトナー供給ローラ18がいずれも時計回りに回転し、トナー供給ローラ18から現像ローラ16にトナーが供給される。現像ローラ16に供給されたトナーは、現像ローラ16の回転によって現像ローラ16と現像ブレード17との圧接部に送られ、現像ブレード17を通過した後、現像ローラ16上のトナー層の厚さは均一にされる。前記トナーは、現像ローラ16の回転に伴って感光体ドラム12Bkに搬送される。該感光体ドラム12Bkの表面は、帯電ローラ13によって一様に、かつ、均一に帯電させられ、LEDヘッド27Bkによって静電潜像が形成され、現像ローラ16上に付着したトナーが静電潜像に付着させられ、トナー像が形成される。
【0031】
そして、該トナー像が用紙Pに転写された後の前記感光体ドラム12Bkに残留したトナーは、クリーニングブレード19によって除去され、除去されたトナーは、前記クリーニングブレード19に隣接させて形成された廃現像剤収集部としてのトナー収集部91に収集され、廃棄トナー搬送部材40によって搬送され、前記トナーカートリッジ21内に形成された廃現像剤回収室としての廃トナー回収室21aに送られて回収される。その間、シール部材39は、先端を感光体ドラム12Bkに当接させ、かつ、摺動させながらトナー収集部91を密封する。
【0032】
次に、前記シール部材39の配設状態について説明する。
【0033】
図1は本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットの要部を示す斜視図、図4は本発明の第1の実施の形態におけるシール部材及び貼着部の正面図、図5は本発明の第1の実施の形態におけるシール部材及び貼着部の断面図である。
【0034】
シール部材39は、図1に示されるように、ベースフレーム14の開口の端部に形成された取付面s1(図3)に貼付され、感光体ドラム12Bkを回転させたときに、回転の負荷になったり、シール部材39を巻き込んだり、感光体ドラム12Bkの表面を損傷させたり、感光体ドラム12Bkの表層の摩耗に影響を与えたりすることがなく、プリンタの使用環境が変化しても使用することができるように、フィルム状の絶縁体、本実施の形態においては、熱可塑性のウレタンフィルムによって形成される。
【0035】
また、前記シール部材39は、図4に示されるように、前記感光体ドラム12Bkの軸方向に沿って延びるように帯状に形成され、シール部材39の一方の縁部eg1の近傍が前記取付面s1に貼付され、シール部材39の先端を構成する他方の縁部eg2が感光体ドラム12Bkに当接させられる。そして、前記縁部eg1に沿って、シール部材39にベースフレーム14に取り付けるための極めて細い帯状の貼着部28が形成され、また、前記縁部eg2は、中央部が端部より高くなる(感光体ドラム12Bk側に向けて突出する)ように湾曲させて、弧状に形成される。
【0036】
前記貼着部28は、図5に示されるように、両面が接着剤によって形成された両面貼着要素としての2枚の両面テープ28a、各両面テープ28a間に挟まれた薄板28b、及び剥離紙28cから成り、シール部材39側から順に、両面テープ28a、薄板28b、両面テープ28a及び剥離紙28cが積層され、剥離紙28cを剥がすことによって、貼着することができる。なお、前記剥離紙28cは、あらかじめ両面テープ28aに付けられる。
【0037】
また、薄板28bは、シール部材39より曲げ剛性が高い材料(例えば、ステンレス鋼(SUS)、ポリエチレン樹脂等)によって形成されるので、シール部材39をベースフレーム14に貼着する際に、シール部材39にしわが形成されるのを防止し、貼付け性を向上させることができる。
【0038】
本実施の形態のシール部材39においては、長さLaが325〔mm〕に、端部の高さBaが6.5〔mm〕に、端部と中央部との高さの差ΔBaが0.5〔mm〕に、両面テープ28a及び薄板28bの高さ(幅)Btが3〔mm〕に、シール部材39の厚さが0.2〔mm〕にされる。なお、前記縁部eg2の曲率半径Rは、端部と中央部との高さの差ΔBaが0.5〔mm〕になるように設定される。
【0039】
図6は本発明の第1の実施の形態におけるシール部材及び貼着部の参考例を示す図である。
【0040】
ところで、前記シール部材39は、画像形成ユニット10Bk(図3)を組み立てる前に、あらかじめ取付面s1に前記両面テープ28a(図5)によって貼付されるようになっている。その際、前記シール部材39は、感光体ドラム12Bkを押圧するが、このとき、シール部材39は、縁部eg2が弾性変形させられ、弾性変形によって発生させられる付勢力で感光体ドラム12Bkを押す。それに伴って、反力が取付面s1に作用することによって、直線上に形成された平坦な取付面s1が、感光体ドラム12Bkから離れる方向に、弧状に撓む。したがって、前記取付面s1と感光体ドラム12Bkとの間隔が長手方向において不均一になってしまう。
【0041】
この場合、仮に、シール部材39が、図に示されるように、一方の縁部eg11と他方の縁部eg12とが直線状に、かつ、互いに平行に延びるように形成されると、取付面s1が弧状に撓むのに伴って、シール部材39が感光体ドラム12Bkを押圧する力、すなわち、押圧力にばらつきが発生してしまう。すなわち、感光体ドラム12Bkの軸方向における中央部の近傍の押圧力が両端の押圧力より小さくなったり、感光体ドラム12Bkの軸方向における中央部において、縁部eg12と感光体ドラム12Bkとの間に隙間が形成されたりする。
【0042】
そこで、本実施の形態においては、前述されたように、縁部eg2が弧状に形成される。したがって、感光体ドラム12Bkの軸方向における中央部の近傍の押圧力が両端の押圧力より小さくなることがなくなり、軸方向においてほぼ均一にすることができる。そして、感光体ドラム12Bkの軸方向における中央部に隙間が形成されることがなくなる。
【0043】
したがって、トナー収集部91内のトナーが飛散してしまうことがなくなるので、画像品位を向上させることができ、用紙Pが汚れたり、装置本体内が汚れたりするのを防止することができる。
【0044】
本実施の形態においては、第2の縁部eg2が湾曲する形状を有するので、シール部材39を成形するための金型のコストが高くなり、その結果、シール部材39のコストが高くなってしまう。そこで、シール部材39のコストを低くすることができる本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0045】
図7は本発明の第2の実施の形態におけるシール部材及び貼着部の正面図である。
【0046】
この場合、第1の封止部としてのシール部材39は一方の縁部eg21及び他方の縁部eg22を備え、該縁部eg22は、中央部が端部より高くなる(感光体ドラム12Bk側に突出する)ように台形の形状に形成される。すなわち、縁部eg22は、所定の距離にわたり、縁部eg21と平行に延在させて直線状に形成された中央部m1、及び該中央部m1の端部からシール部材39の端部にかけて直線状に傾斜させて形成された傾斜部m2を備える。
【0047】
本実施の形態のシール部材39においては、長さLbが325〔mm〕に、端部の高さBbが6.5〔mm〕に、端部と中央部との高さの差ΔBbが0.5〔mm〕に、両面テープ28a及び薄板28bの高さ(幅)Btが3〔mm〕に、シール部材39の厚さが0.2〔mm〕にされる。
【0048】
この場合も、像担持体としての感光体ドラム12Bk(図3)の軸方向における中央部の近傍の押圧力が両端の押圧力より小さくなることがなくなり、軸方向においてほぼ均一にすることができる。そして、感光体ドラム12Bkの軸方向における中央部に隙間が形成されることがなくなる。
【0049】
しかも、中央部m1及び傾斜部m2を直線状に形成することができるので、シール部材39を成形するための金型としてビク型のものを使用することができる。したがって、金型のコストを低くすることができ、その結果、シール部材39のコストを低くすることができる。
【0050】
図8本発明の第2の実施の形態におけるベースフレームの要部を示す斜視図、図9は本発明の第2の実施の形態におけるベースフレームの要部を示す平面図である。
【0051】
この場合、ベースフレーム14におけるシール部材39(図7)を貼付するための取付面s2が、中央部が端部より感光体ドラム12Bk(図3)側から離れるように湾曲させて、弧状に形成される。
【0052】
そのために、ベースフレーム14を射出成形によって成形する際の、温度、時間等の成形条件を所定の値に変更することによって、成形が終了したときの反りを利用して前記取付面s2を弧状にすることができる。また、ベースフレーム14を成形するための金型において取付面s2に対応する部分を湾曲させることができる。
【0053】
本実施の形態の取付面s2においては、長さLが325〔mm〕に、端部と中央部との径方向の距離(深さ)の差ΔEaが0.5〔mm〕にされる。
【0054】
なお、シール部材39の形状は、第1の実施の形態と同様にされる。
【0055】
ところで、画像形成部としての画像形成ユニット10Bkを、組み立てたり、プリンタに搭載したりする際、ベースフレーム14は、取付面s2と反対側から押されることがあり、その場合、感光体ドラム12Bkに近づく方向に撓んで、感光体ドラム12Bkと接触してしまう。その場合、感光体ドラム10Bkが損傷すると、プリンタで印刷した場合、カラーの画像に感光体ドラム10Bkの回転の周期で白点が形成されたり、白く抜けるすじ状の痕が形成されたりしてしまうので、画像品位が低下してしまう。
【0056】
そこで、本実施の形態においては、前述されたように、取付面s2が、中央部が端部より感光体ドラム12Bk側から離れるように湾曲させて、弧状に形成されるので、感光体ドラム12Bkに接触することがなくなる。したがって、感光体ドラム10Bkが損傷するのを防止することができるので、プリンタで印刷した場合、カラーの画像に感光体ドラム10Bkの回転の周期で白点が形成されたり、白く抜けるすじ状の痕が形成されたりすることがなくなる。その結果、画像品位を向上させることができる。
【0057】
前記各実施の形態においては、シール部材39について説明しているが、本発明をシール部材23に適用することができる。
【0058】
また、前記各実施の形態においては、プリンタについて説明しているが、本発明を、複写機、ファクシミリ、複合機等に適用することができる。
【0059】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットの要部を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの概略図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットの概略図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるシール部材及び貼着部の正面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態におけるシール部材及び貼着部の断面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態におけるシール部材及び貼着部の参考例を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態におけるシール部材及び貼着部の正面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態におけるベースフレームの要部を示す斜視図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態におけるベースフレームの要部を示す平面図である。
【符号の説明】
【0061】
10Bk、10Y、10M、10C 画像形成ユニット
12Bk、12Y、12M、12C 感光体ドラム
14 ベースフレーム
15 カバーフレーム
16 現像ローラ
23、39 シール部材
24Bk、24Y、24M、24C 転写ローラ
25 定着器
27Bk、27Y、27M、27C LEDヘッド
eg2、eg22 縁部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)筐体と、
(b)該筐体内において回転自在に配設された回転摺動体と、
(c)該回転摺動体に沿って、かつ、先端を回転摺動体に当接させて前記筐体に取り付けられた帯状のシール部材とを有するとともに、
(d)該シール部材の前記先端を構成する縁部は、前記回転摺動体の軸方向における中央部が端部より回転摺動体側に突出させて形成されることを特徴とする画像形成ユニット。
【請求項2】
前記縁部は湾曲させて、弧状に形成される請求項1に記載の画像形成ユニット。
【請求項3】
前記縁部は台形の形状に形成される請求項1に記載の画像形成ユニット。
【請求項4】
前記シール部材が取り付けられる筐体の取付面は、中央部が端部より回転摺動体から離れるように形成される請求項1に記載の画像形成ユニット。
【請求項5】
前記回転摺動体は感光体ドラムである請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【請求項6】
前記回転摺動体は現像ローラである請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【請求項7】
筐体内において回転自在に配設された回転摺動体に沿って、かつ、先端を回転摺動体に当接させて前記筐体に取り付けられたシール部材において、
前記先端を構成する縁部は、前記回転摺動体の軸方向における中央部が端部より回転摺動体側に突出させて形成されることを特徴とするシール部材。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成ユニットが搭載された画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate