説明

画像形成ユニットおよびそれを備えた画像形成装置

【課題】高品質の画像を安定して形成することが可能な画像形成ユニットを提供する。
【解決手段】この画像形成ユニットは、感光体1と、感光体1に固定されることで感光体1と共に回転する回転軸53と、感光体1の外周面に残留した不要物を除去するためのクリーニングブレード41と、感光体1を回転させるとともに回転軸方向に往復移動させる駆動機構とを備えている。そして、駆動機構は、感光体1を回転させながら回転軸方向への往復移動を一時停止させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成ユニットおよびそれを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置として、像担持体の外周面にトナー像を形成し、そのトナー像を転写媒体に転写した後、像担持体の外周面に残留した不要物(たとえば、残留トナーなど)を除去するようにしたものが知られている。このような画像形成装置には、たとえば、像担持体の外周面に接触するクリーニング部材が備えられている。そして、像担持体が回転することを利用して、像担持体の外周面に残留した不要物をクリーニング部材で除去するようにしている。
【0003】
ただし、この従来の構成の場合、像担持体の回転軸方向(以下、単に回転軸方向と言う)において、像担持体とクリーニング部材との間の相対位置が固定されていると、像担持体の外周面とクリーニング部材との間に挟まった異物(たとえば、紙粉やトナー外添剤など)によって像担持体の外周面の特定箇所が削られ易くなり、像担持体の外周面に傷が入ってしまう。
【0004】
そこで、従来では、像担持体またはクリーニング部材を回転軸方向に往復移動させることによって、像担持体の外周面の特定箇所に傷が入るのを抑制するようにした構成が提案されている(たとえば、特許文献1〜3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭62−14171号公報
【特許文献2】特開昭62−273586号公報
【特許文献3】特開平8−272271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記した従来の提案された構成においては、像担持体の外周面に深い傷が形成されることは抑制できるものの、像担持体の外周面に微細な傷が付くことは避けられない。そして、像担持体の外周面の微細な傷は放電生成物が付着することで凹凸が大きい溝となり、その溝に残留トナーが入り込むと、残留トナーをクリーニング部材で除去するのが困難になってしまう。その結果、出力画像に縦方向の斑点模様(以下、ダッシュマークと言う)が発生し、高品質の画像が安定して形成されなくなる。
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、高品質の画像を安定して形成することが可能な画像形成ユニットおよびそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の画像形成ユニットは、感光層で覆われた外周面を有する円筒状の像担持体と、像担持体の外周面の周方向に回転するように支持され、かつ、像担持体に固定されることで像担持体と共に回転する回転軸と、像担持体の外周面に残留した不要物を除去するためのクリーニング部材と、像担持体を回転させるとともに回転軸方向に往復移動させる駆動機構とを備えている。そして、駆動機構は、像担持体を回転させながら回転軸方向への往復移動を一時停止させるようになっている。
【0009】
本発明の構成によれば、クリーニング部材に不要物が堆積した状態で、像担持体が回転軸方向に往復移動せずに所定の回転角度分だけ回転することになる。したがって、像担持体の外周面の微細な傷に放電生成物が付着することで凹凸が大きい溝が形成された場合において、像担持体の外周面の溝に残留トナーが入り込んだとしても、クリーニング部材に堆積した不要物によって、像担持体の外周面の溝に入り込んだ残留トナーが掻き出されて排出される。すなわち、像担持体の外周面を確実にクリーニングすることができ、ダッシュマークの発生が抑制される。その結果、高品質の画像を安定して形成することが可能となる。
【0010】
上記の構成において、駆動機構は、像担持体の1周分以上の回転が終了するまでの間、像担持体の回転軸方向への往復移動を停止させるようになっていることが好ましい。このように構成すれば、より確実に、像担持体の外周面の溝に入り込んだ残留トナーを掻き出して排出することができる。
【0011】
上記の構成において、駆動機構は、回転軸の一端に固定され、回転軸に駆動力を付与して回転軸を像担持体と共に回転させる駆動ギアと、回転軸の他端に固定され、回転軸と共に回転する第1ギアと、第1ギアと回転軸方向に隣接するように回転軸の他端に支持され、回転軸とは独立して回転可能で、かつ、回転軸方向に摺動可能になっているとともに、第1ギアの歯数とは異なる歯数を有する第2ギアと、第1ギアおよび第2ギアに噛合しているとともに、第1ギアから第2ギアに駆動力を伝達することで第2ギアを回転させるアイドルギアと、回転軸の一端側に配置され、回転軸に固定された像担持体を一端側から他端側に付勢することによって、回転軸の他端に固定された第1ギアを一端側から他端側に付勢する付勢部材とを含み、第1ギアおよび第2ギアの回転軸方向に互いに対向する一対の対向面のそれぞれに、回転方向に連続する環状とされ、かつ、回転軸方向への突出量が回転方向に沿って変位したカム形状部が形成されているとともに、付勢部材の付勢力で第1ギアが一端側から他端側に付勢されることによって、第1ギアのカム形状部が第2ギアのカム形状部に当接されており、カム形状部の一部に、回転軸方向への突出量の変位が停止された平坦部が設けられていることが好ましい。
【0012】
この構成によれば、像担持体(回転軸)と共に第1ギアが回転すると、その第1ギアの回転速度とは異なる速度で第2ギアが回転するので、第1ギアのカム形状部と第2ギアのカム形状部との当接位置が変化し、第1ギアと第2ギアとの間の回転軸方向における相対位置が変化される。すなわち、像担持体が回転しながら回転軸方向に往復移動する。そして、第1ギアのカム形状部の平坦部が第2ギアのカム形状部に当接し、かつ、第2ギアのカム形状部の平坦部が第1ギアのカム形状部に当接すると、第1ギアと第2ギアとの間の回転軸方向における相対位置の変化が止まるので、像担持体の回転軸方向への往復移動が停止される。これにより、容易に、像担持体を回転させながら回転軸方向への往復移動を一時停止させることができる。
【0013】
なお、この構成では、像担持体の回転および回転軸方向への往復移動を1つの駆動機構で行うようにしているので、画像形成ユニットの構成が複雑になるのは抑制される。
【0014】
上記の構成において、像担持体の1周分以上の回転が終了するまでの間、第1ギアのカム形状部の平坦部が第2ギアのカム形状部に当接し、かつ、第2ギアのカム形状部の平坦部が第1ギアのカム形状部に当接し続けるようになっていることが好ましい。このように構成すれば、容易に、像担持体の1周分以上の回転が終了するまでの間、像担持体の回転軸方向への往復移動を停止させることができる。
【0015】
上記の構成において、回転軸方向への突出量が最も大きい最大突出部、および、回転軸方向への突出量が最も小さい最小部を、カム形状部が少なくとも1つずつ有しており、最大突出部および最小部が回転中心に対して対称配置されていることが好ましい。このように構成すれば、容易に、像担持体を回転軸方向に往復移動させることができる。
【0016】
上記の構成において、像担持体の両端の開口に固定される一対のフランジをさらに備え、その一対のフランジを介して回転軸が像担持体に固定されており、一対のフランジのうちの回転軸の他端に固定されたフランジが、像担持体の内側空間に向かって窪んだ凹部を有し、フランジの凹部内に、第1ギアおよび第2ギアが配置されていることが好ましい。このように構成すれば、第1ギアおよび第2ギアの2つのギアを用いるようにしたとしても、画像形成ユニットが大型化するのを抑制することができる。
【0017】
この場合、フランジの凹部にギアホルダーが設置されており、そのギアホルダーによって、第1ギアおよび第2ギアが覆われていることが好ましい。このように構成すれば、第1ギアおよび第2ギアに不要物が付着するのを抑制することができる。このため、駆動機構の動作不良が発生し難くなり、高品質の画像が安定して形成される。
【0018】
さらに、ギアホルダーの形状が、フランジの凹部の開口に嵌め込み可能な形状とされ、フランジの凹部の開口に嵌め込まれたギアホルダーが、フランジの凹部の内周面に当接していてもよい。このように構成すれば、フランジの凹部の開口の大部分がギアホルダーで塞がれるので、フランジの凹部内に不要物が侵入し難くなり、より一層、第1ギアおよび第2ギアに不要物が付着するのを抑制することができる。
【0019】
上記の構成において、回転軸の他端に固定されたフランジに、第1ギアが一体的に形成されていてもよい。このように構成すれば、部品点数および組み立て工数を削減することができる。
【0020】
上記の構成において、第1ギアおよび第2ギアのうちの一方が転位歯車であることが好ましい。このように構成すれば、第1ギアおよび第2ギアが確実にアイドルギアに噛合するので、第1ギアから第2ギアへの駆動力の伝達が正確になる。これにより、駆動機構の動作不良が発生し難くなり、高品質の画像が安定して形成される。
【0021】
上記の構成において、像担持体の外周面の所定位置が露光領域から転写領域に至るまで回動する期間における像担持体の回転軸方向への移動量が、画像を形成する色点1ドットの直径の1/2以下であることが好ましい。このように構成すれば、転写時における色ずれを許容範囲にすることができる。これにより、像担持体を回転軸方向に往復移動させるようにしたとしても、高品質の画像を安定して形成することができる。
【0022】
また、本発明の画像形成装置は、上記の画像形成ユニットが搭載されている。このように構成された画像形成装置では、像担持体の外周面が確実にクリーニングされるので、ダッシュマークの発生が抑制され、高品質の画像を安定して形成することが可能となる。
【発明の効果】
【0023】
以上のように、本発明によれば、高品質の画像を安定して形成することが可能な画像形成ユニットおよびそれを備えた画像形成装置を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施形態による画像形成ユニットを備えた画像形成装置の全体構成を概略的に表した概略図
【図2】図1に示した画像形成ユニットの構成を概略的に表した概略断面図
【図3】図1に示した画像形成ユニットの駆動機構を説明するための断面図
【図4】図3に示した像担持体に取り付けられるフランジの斜視図
【図5】図3に示した像担持体に取り付けられるフランジの平面図
【図6】図3に示した駆動機構の一部を拡大した拡大断面図
【図7】図3に示した駆動機構に含まれる第1ギアの斜視図
【図8】図3に示した駆動機構に含まれる第1ギアの斜視図
【図9】図3に示した駆動機構に含まれる第2ギアの斜視図
【図10】図3に示したフランジの凹部内に第1ギアおよび第2ギアが配置された状態を表した斜視図
【図11】図10に示した第1ギアおよび第2ギアがギアホルダーで覆われた状態を表した斜視図
【図12】図3に示した駆動機構に含まれる付勢部材の配置位置を表した斜視図
【図13】図3に示した駆動機構の動作を説明するための断面図
【図14】図3に示した駆動機構の動作を説明するための断面図
【図15】本発明の効果を説明するための斜視図(像担持体の外周面にクリーニング部材が接触した状態の斜視図)
【図16】図15に示した像担持体の外周面の一部を拡大した拡大斜視図
【図17】図3に示した画像形成ユニットにおける転写領域と露光領域との位置関係を表した模式図
【図18】図3に示した像担持体の周回数と回転軸方向への移動量との関係を示したグラフ
【図19】本発明の変形例を説明するための斜視図
【図20】本発明の変形例を説明するための斜視図
【発明を実施するための形態】
【0025】
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態による画像形成ユニットが搭載された画像形成装置の全体構成について説明する。
【0026】
この画像形成装置はタンデム方式のカラーレーザープリンターであり、互いに異なる4色(シアン、マゼンダ、イエローおよびブラック)の画像をそれぞれ形成する4つの画像形成ユニットを少なくとも備えている。これら4つの画像形成ユニット(具体的には、後述する現像装置2)のそれぞれには、シアン、マゼンダ、イエローおよびブラックの各色のトナーが充填されている。
【0027】
4つの画像形成ユニットのそれぞれは、感光体1、現像装置2、帯電装置3およびクリーニング装置4などを含んでいる。なお、感光体1は、本発明の「像担持体」の一例である。
【0028】
感光体1は、図1中の矢印方向に回転可能に支持されており、現像装置2は、感光体1と対向するように配置されている。帯電装置3は、感光体1の回転方向に対して現像装置2の上流側(感光体1の下方側)において、感光体1と対向するように配置されている。クリーニング装置4は、感光体1を挟んで現像装置2の反対側において、感光体1と対向するように配置されている。
【0029】
また、4つの画像形成ユニットの下方側には、4つの画像形成ユニットに共通で使用される露光装置5が設置され、4つの画像形成ユニットの上方側には、4つの画像形成ユニットに共通で使用される中間転写ベルト6が設置されている。
【0030】
露光装置5は、レーザー光源、ポリゴンミラー、レンズおよび反射ミラーなどからなっている。このうち、レンズおよび反射ミラーを1つずつ含む光学素子群が4つの感光体1のそれぞれに1組ずつ割り当てられている。そして、レーザー光源からレーザー光が発せられたときに、ポリゴンミラー、レンズおよび反射ミラーを介して、レーザー光が感光体1の外周面を照射するようになっている。なお、感光体1の外周面におけるレーザー光の照射位置としては、感光体1の回転方向に対して現像装置2の上流側である。
【0031】
中間転写ベルト6は、駆動ローラー6a、従動ローラー6bおよびテンションローラー6cによって張架されている。駆動ローラー6aは図1中の矢印方向に回転駆動されるようになっており、駆動ローラー6aが回転駆動されることによって、中間転写ベルト6が図1中の矢印方向に循環移動される。
【0032】
さらに、中間転写ベルト6の内側には、1次転写ローラー7が設けられている。この1次転写ローラー7の設置数は4つとされ、4つの感光体1のそれぞれに1つずつ割り当てられている。そして、中間転写ベルト6の感光体1側の部分は、感光体1と1次転写ローラー7との間に挟み込まれている。
【0033】
中間転写ベルト6の駆動ローラー6a側には、2次転写ローラー8が設けられている。この2次転写ローラー8は、駆動ローラー6aとの間で中間転写ベルト6の駆動ローラー6a側の部分を挟み込んでいる。
【0034】
また、中間転写ベルト6の従動ローラー6b側には、ベルトクリーニング装置9が設けられている。そして、中間転写ベルト6の従動ローラー6b側の部分は、従動ローラー6bとベルトクリーニング装置9との間に挟まれている。
【0035】
これら各構成部材は、画像入力部(図示せず)に文字や絵柄などの画像データが入力されることによって動作を開始する。すなわち、画像入力部に文字や絵柄などの画像データが入力されると、感光体1が回転し、帯電装置3によって感光体1の外周面が一様に帯電させられる。この後、画像データに基づいて露光装置5が駆動され、レーザー光が感光体1の外周面に照射される。これにより、画像データに基づいた静電潜像が感光体1の外周面に形成される。
【0036】
続いて、現像装置2から感光体1にトナーが供給されることで、そのトナーが感光体1の外周面に静電的に付着する。すなわち、静電潜像に応じたトナー像が感光体1の外周面に形成された状態となる。
【0037】
そして、感光体1の外周面のトナー像は、中間転写ベルト6の表面に転写される。この中間転写ベルト6に対するトナー像の転写は、4つの感光体1のそれぞれにおいて、中間転写ベルト6の移動速度に応じて順次行われる。したがって、シアン、マゼンダ、イエローおよびブラックのそれぞれのトナー像が中間転写ベルト6の表面において重ね合わされる。すなわち、中間転写ベルト6の表面には、フルカラートナー像が形成される。また、同時に、感光体1の外周面に残留した不要物(たとえば、残留トナーなど)がクリーニング装置4によって除去され、さらに、感光体1の外周面の残留電荷が除去される。
【0038】
このとき、中間転写ベルト6の駆動ローラー6a側の部分と2次転写ローラー8との間に用紙Pが搬送される。これにより、中間転写ベルト6の表面のフルカラートナー像が用紙Pに転写される。その後、ベルトクリーニング装置9によって、中間転写ベルト6の表面に残存するトナーが清掃される。そして、引き続き、中間転写ベルト6へのトナー像の転写が新たに行われる。
【0039】
フルカラートナー像が転写される以前の用紙Pは、装置内部の下方側に設置された用紙カセット10に収容されている。そして、用紙カセット10側から2次転写ローラー8側(中間転写ベルト6の駆動ローラー6a側の部分と2次転写ローラー8との間)に至る用紙搬送路を経て、用紙カセット10に収容された用紙Pが2次転写ローラー8側にまで搬送されるようになっている。この用紙搬送路における用紙Pの搬送は、給紙ローラー11およびレジストローラー12によってなされる。給紙ローラー11は、用紙カセット10の近傍に配置され、用紙カセット10に収容された用紙Pを1枚ずつピックアップし、用紙搬送路に給紙する。レジストローラー12は、2次転写ローラー8の近傍に配置され、中間転写ベルト6の駆動ローラー6a側の部分と2次転写ローラー8との間に用紙Pを送る。
【0040】
また、この装置には、用紙カセット10とは別に、手差しの用紙Pを供給するための用紙トレイ13も設置されている。用紙トレイ13から供給される用紙Pは、用紙カセット10用の用紙搬送路とは異なる用紙搬送路を通るようになっている。なお、用紙トレイ13用の用紙搬送路および用紙カセット10用の用紙搬送路は、レジストローラー12に至る手前で合流する。
【0041】
フルカラートナー像が転写された用紙Pは、定着ユニットに搬送される。そして、定着ユニットにおいてフルカラートナー像が用紙Pに定着されることによって、用紙Pに所望の画像が形成される。
【0042】
この定着ユニットは、定着ベルト14および一対の定着ローラー15を少なくとも含んでいる。定着ベルト14は、ヒーターで加熱されるようになっており、一方の定着ローラー15に巻回されている。他方の定着ローラー15は、一方の定着ローラー15との間で定着ベルト14を挟み込むように配置されている。そして、定着ユニットに搬送された用紙Pは、一対の定着ローラー15の間に供給されることで、加熱および加圧されるとともに、一対の定着ローラー15の回転速度に応じて送り出される。これにより、フルカラートナー像が用紙Pに定着される。
【0043】
フルカラートナー像が定着された用紙Pは、排出ローラー16によって排出トレイ17に排出される。なお、用紙Pの両面に画像を形成する場合には、用紙Pは排出トレイ17には排出されず、用紙Pを反転させるための反転用の用紙搬送路に送られる。そして、その用紙Pは、反転用の用紙搬送路において反転された後、レジストローラー12によって再び2次転写ローラー8側(中間転写ベルト6の駆動ローラー6a側の部分と2次転写ローラー8との間)に送られる。
【0044】
次に、図2を参照して、画像形成ユニットに含まれる各部材の構成について説明する。
【0045】
感光体1にトナーを供給する現像装置2は、現像装置2の外郭を成し、かつ、トナーおよびキャリアを混合した2成分現像剤が充填されるハウジングを備えている。また、そのハウジングの内部には、攪拌搬送スクリュー21、磁気ローラー22および現像ローラー23などが収容されている。
【0046】
この現像装置2においては、ハウジングの内部に現像剤が充填されると、攪拌搬送スクリュー21によって現像剤が攪拌搬送されつつ磁気ローラー22に供給され、磁気ローラー22の表面に現像剤が担持される。そして、磁気ローラー22の表面に担持された現像剤のうち、トナーのみが現像ローラー23に供給され、現像ローラー23の表面にトナーが担持される。その後、現像ローラー23の表面に担持されたトナーは、感光体1に向かって飛翔する。これにより、感光体1の外周面の露光部分にトナーが付着し、静電潜像に応じたトナー像が感光体1の外周面に形成される。
【0047】
感光体1の外周面を一様に帯電させる帯電装置3は、感光体1の外周面に接触する帯電ローラー31と、帯電ローラー31の表面をクリーニングするクリーニングローラ32とを少なくとも含んでいる。そして、帯電ローラー31によって、感光体1の外周面に帯電バイアスを印加するようになっている。なお、発生するオゾン量を少なくし、かつ、帯電バイアス電源(図示せず)のコストを削減するためには、帯電バイアスが直流電圧のみからなっていることが好ましい。もちろん、直流バイアスに交流バイアスを重畳したバイアスを用いてもよい。
【0048】
感光体1の外周面に残留した不要物を除去するクリーニング装置4は、感光体1の外周面に接触するクリーニングブレード(本発明の「クリーニング部材」に相当)41と、不要物を排出する排出スクリュー42とを少なくとも含んでいる。そして、クリーニングブレード41によって、感光体1の外周面に残留した不要物を除去するようになっている。また、感光体1の回転方向に対してクリーニングブレード41の下流側には除電ランプ43が設置されており、その除電ランプ43によって、感光体1の外周面の残留電荷が除去されるようになっている。
【0049】
次に、図3〜図15を参照して、感光体1およびその感光体1を駆動させる駆動機構の構成について詳細に説明する。
【0050】
感光体1は、図3に示すように、その外周面が有機感光層(OPC)で覆われた細長状の円筒部材からなっている。そして、感光体1の一端および他端のそれぞれの開口には、フランジ51および52が嵌め込まれて固定されている。すなわち、感光体1の一端および他端のそれぞれの開口は、フランジ51および52によって塞がれている。
【0051】
フランジ51および52には、感光体1の内側空間を長手方向に貫通する回転軸53が固定されている。なお、この回転軸53は、感光体1の外周面の周方向に沿って回転するように支持されているものである。すなわち、回転軸53が回転すると、回転軸53と共に感光体1もその外周面の周方向に回転される。以下、回転軸53が延びる方向(回転軸方向)をX方向と言う。
【0052】
回転軸53の一端はフランジ51から外側に突出しており、回転軸53の他端はフランジ52から外側に突出している。そして、フランジ51に対する回転軸53の固定は、フランジ51に形成された筒状の挿入部に回転軸53の一端が挿入固定されることによってなされ、フランジ52に対する回転軸53の固定は、フランジ52に形成された筒状の挿入部に回転軸53の他端が挿入固定されることによってなされている。
【0053】
なお、回転軸53の他端に固定されたフランジ52は、図4および図5に示すように、感光体1(図3参照)の内側空間に向かって窪んだ凹部を有している。そして、フランジ52の凹部内において、筒状の挿入部(回転軸53が挿入固定される部分)の3ヶ所に係合爪52aが形成され、その3つの係合爪52aは挿入部の外周面の周方向に沿って等間隔に配置されている。
【0054】
図3に戻って、回転軸53の一端には駆動ギア54が固定されており、その駆動ギア54によって、回転軸53に対して駆動力が付与されるようになっている。これにより、駆動ギア54から回転軸53に対して駆動力が付与されると、回転軸53が回転するとともに、回転軸53と共に感光体1もその外周面の周方向に回転することになる。なお、駆動ギア54は、感光体1を駆動させる駆動機構の一構成部材である。
【0055】
感光体1を駆動させる駆動機構は、感光体1を回転させるだけでなく、感光体1をX方向に往復移動させることもでき、そのための部材も含んでいる。すなわち、駆動機構は、駆動ギア54とは別に、第1ギア55、第2ギア56、アイドルギア57および押圧部材58をさらに含んでいる。
【0056】
第1ギア55は、図6に示すように、回転軸53の他端(具体的には、フランジ52の回転軸53が挿入固定される挿入部)に固定されており、回転軸53と共に回転するようになっている。その一方、第2ギア56は、回転軸53の他端に支持されているが、回転軸53の他端に固定されてはいない。すなわち、第2ギア56は、回転軸53とは独立して回転可能で、かつ、X方向に摺動可能となっている。なお、第2ギア56は、第1ギア55とX方向に隣接するように、第1ギア55よりも外側に配置されている。
【0057】
また、第1ギア55は、図7および図8に示すような構造であり、ギア部(平歯車)55aを外周面に有している。この第1ギア55の所定の側面側には、3つの係合溝55bが形成されている。そして、図6に示す状態においては、第1ギア55の係合溝55bがフランジ52の係合爪52a(図4および図5参照)に係合される。これにより、回転軸53が回転することでフランジ52が回転し、同時に、第1ギア55も回転することになる。
【0058】
また、第2ギア56は、図9に示すような構造であり、第1ギア55よりも歯数が1つ少ないギア部(平歯車)56aを外周面に有している。そして、この第2ギア56は、転位歯車からなっている。
【0059】
なお、第2ギア56の歯数を第1ギア55の歯数よりも少なくする代わりに、第1ギア55の歯数を第2ギア56の歯数よりも少なくしてもよい。また、第1ギア55および第2ギア56のうちの一方の歯数を他方の歯数よりも2つ以上少なくしてもよい。
【0060】
これら第1ギア55および第2ギア56は、図10および図11に示すように、フランジ52の凹部内に配置され、ギアホルダー59でカバーされている。なお、ギアホルダー59は、フレーム60(図3参照)に固定される。
【0061】
ギアホルダー59は、図6に示すように、第1ギア55および第2ギア56をフランジ52との間で挟み込んでいる。また、ギアホルダー59には回転軸53が貫通しており、その貫通部分は回転軸53の他端を回転可能に支持する軸受部となっている。なお、ギアホルダー59はフレーム60(図3参照)に固定されているので、第2ギア56の一端側から他端側への移動はギアホルダー59によって規制される。
【0062】
また、ギアホルダー59の回転軸53用の軸受部に対して上方側の部分には、一対の軸受部がさらに形成されている。そして、そのギアホルダー59の一対の軸受部によって、アイドルギア57が回転可能に支持されている。
【0063】
アイドルギア57は平歯車からなっており、第1ギア55および第2ギア56に噛合している。これにより、回転軸53と共に第1ギア55が回転すると、アイドルギア57を介して第1ギア55の駆動力が第2ギア56に伝達され、第2ギア56が回転することになる。しかし、第1ギア55および第2ギア56のそれぞれの歯数は互いに異なっているため、第1ギア55および第2ギア56のそれぞれの回転速度は互いに異なったものとなる。
【0064】
また、図12に示すように、押圧部材58は、コイルスプリングからなっており、回転軸53の一端側に配置され、回転軸53の一端に固定されたフランジ51を一端側から他端側に付勢している。すなわち、押圧部材58によって、回転軸53が一端側から他端側に付勢されている。
【0065】
これにより、図6に示した状態においては、回転軸53の他端に固定された第1ギア55も一端側から他端側に付勢され、第2ギア56が第1ギア55によって一端側から他端側に押圧されている。なお、第2ギア56が第1ギア55によって一端側から他端側に押圧されたとしても、第2ギア56の一端側から他端側への移動はギアホルダー59によって規制されているので、第2ギア56が一端側から他端側に移動することはない。
【0066】
そして、本実施形態では、第1ギア55および第2ギア56のX方向に互いに対向する一対の対向面に、それぞれ、カムフォロアー61(図7参照)およびカム面62(図9参照)が形成されている。なお、第1ギア55に形成されたカムフォロアー61および第2ギア56に形成されたカム面62は、本発明の「カム形状部」の一例である。
【0067】
カムフォロアー61は、図7に示すように、第1ギア55の回転軸53(図6参照)が挿入される穴の周囲において回転方向に連続する環状とされ、かつ、X方向への突出量が回転方向に沿って変位したものである。さらに、カムフォロアー61のうちの回転方向に180°隔てた一対の部分は、それぞれ、X方向への突出量が最も大きい部分(以下、単に最大突出部と言う)およびX方向への突出量が最も小さい部分(以下、単に最小部と言う)とされている。すなわち、このカムフォロアー61においては、最大突出部および最小部が1つずつ設けられており、最大突出部および最小部が回転中心に対して対称配置されている。そして、最大突出部(または、最小部)から最小部(または、最大突出部)に向かって、X方向への突出量が連続的に滑らかに変位されている。
【0068】
また、図9に示すように、カム面62は、第2ギア56の回転軸53(図6参照)が挿入される穴の周囲において回転方向に連続する環状とされ、かつ、X方向への突出量が回転方向に沿って変位したものである。さらに、カム面62のうちの回転方向に180°隔てた一対の部分は、それぞれ、最大突出部および最小部とされている。すなわち、このカム面62においては、最大突出部および最小部が1つずつ設けられており、最大突出部および最小部が回転中心に対して対称配置されている。そして、最大突出部(または、最小部)から最小部(または、最大突出部)に向かって、X方向への突出量が連続的に滑らかに変位されている。
【0069】
したがって、図13および図14に示すように、第1ギア55および第2ギア56が互いに異なる回転速度で回転すると、それに伴ってカムフォロアー61とカム面62との当接位置が変化し、第1ギア55と第2ギア56の間のX方向における相対位置が変化される。
【0070】
すなわち、第1ギア55および第2ギア56が互いに異なる速度で回転すると、それに伴ってカムフォロアー61とカム面62との当接位置が徐々に変化し、付勢部材58(図12参照)の付勢力に反して、第1ギア55がX方向における一端側(図中のX1方向)に向かって徐々に移動する。この後、図13に示すように、カムフォロアー61およびカム面62のそれぞれの最大突出部が互いに当接すると、第1ギア55のX1方向への移動が終了する。なお、このときには、カムフォロアー61およびカム面62のそれぞれの最小部は互いに対向しているが、それらは互いに当接しない。このため、カムフォロアー61およびカム面62のそれぞれの最小部の間に空隙が生じる。
【0071】
そして、図13に示した状態から第1ギア55および第2ギア56が引き続き互いに異なる速度で回転すると、それに伴ってカムフォロアー61とカム面62との当接位置が徐々に変化し、付勢部材58(図12参照)の付勢力により、第1ギア55がX方向における他端側(図中のX2方向)に向かって徐々に移動する。この後、図14に示すように、カムフォロアー61の最大突出部およびカム面62の最小部が互いに当接し、かつ、カムフォロアー61の最小部およびカム面62の最大突出部が互いに当接すると、第1ギア55のX2方向への移動が終了する。
【0072】
言い換えると、図6において、感光体1(回転軸53)が回転すれば、第1ギア55および第2ギア56が互いに異なる速度で回転するので、第1ギア55がX方向に移動し、その第1ギア55が固定された回転軸53もX方向に移動する。それによって、感光体1が回転しながらX方向に往復移動する。
【0073】
これにより、感光体1の外周面にクリーニングブレード41(図2参照)を接触させることで感光体1の外周面に残留した不要物を除去するようにしたとしても、感光体1とクリーニングブレード41との間のX方向における相対位置が変化するので、感光体1の外周面に傷が入り難くなる。
【0074】
しかし、感光体1の外周面とクリーニングブレード41(図2参照)との間に異物(たとえば、紙粉やトナー外添剤など)が挟まれると、感光体1の外周面に深い傷が形成されることは抑制できるものの、感光体1の外周面に微細な傷が付くことは避けられない。そして、感光体1の外周面の微細な傷は放電生成物が付着することで凹凸が大きい溝となり。その溝に残留トナーが入り込むと、残留トナーをクリーニングブレード41で除去するのが困難になってしまう。すなわち、出力画像にダッシュマークが発生する。
【0075】
そこで、本実施形態では、感光体1を回転させながらX方向に単に往復移動させるだけでなく、感光体1のX方向への往復移動が所定の回転角度分(1周分)だけ停止されるようにしている。
【0076】
具体的に言うと、本実施形態では、図7に示すように、カムフォロアー61の一部に、X方向への突出量の変位が停止された平坦部(図中のハッチングが施された部分)61aを設けている。また、図9に示すように、カム面62の一部にも、X方向への突出量の変位が停止された平坦部(図中のハッチングが施された部分)62aを設けている。
【0077】
これにより、図13に示した状態から図14に示した状態に至るまでの行程において、カムフォロアー61の平坦部61aがカム面62に当接し、かつ、カム面62の平坦部62aがカムフォロアー61に当接すれば、その状態のまま、感光体1が所定の回転角度分(1周分)だけ回転される。すなわち、感光体1の所定の回転角度分(1周分)の回転が終了するまでは、感光体1のX方向への往復移動は停止される。
【0078】
このようになっていれば、図15および図16に示すように、感光体1の外周面に凹凸が大きい溝1aが形成され、その溝1aに画像形成動作によって残留トナー100が入り込んだとすると、クリーニングブレード41に不要物101が堆積した状態で、感光体1がX方向に往復移動せずに所定の回転角度分(1周分)だけ回転する。これにより、クリーニングブレード41に堆積した不要物101によって、感光体1の外周面の溝1aに入り込んだ残留トナー100が掻き出される。そして、その掻き出された残留トナー100は、最終的に、クリーニングブレード41によって感光体1の外周面から除去される。
【0079】
ところで、図1に示した画像形成ユニットの構成においては、感光体1を回転軸方向に往復移動させるようにすると、各色のトナー像を中間転写ベルト6に1次転写して合成する際に色ずれを起こす恐れがある。
【0080】
この不都合を回避するため、本実施形態では、図17に示すように、1次転写領域(1次転写ローラー7によって1次転写がなされる領域)と露光領域(露光装置5によって露光がなされる領域)との間の回転方向の角度をWとした場合、その角度Wを162.5°に設定している。なお、帯電領域(帯電装置3によって帯電がなされる領域)とクリーニング領域(クリーニング装置4によってクリーニングがなされる領域)との間の回転方向の角度については、129.28°に設定している。
【0081】
また、感光体1の駆動機構の一構成部材である第1ギア55の歯数を24歯としているとともに、第2ギア56の歯数を23歯に設定している。さらに、第1ギア55の回転軸方向の移動量の最大値、すなわち、感光体1の回転軸方向の移動量の最大値を0.5mmに設定している。
【0082】
このように設定すると、感光体1の回転軸方向の移動量(スラスト量)は、図18に示すようになる。すなわち、感光体1は、23周分の回転(8280°分の回転)が終了することで回転軸方向に1往復し、その途中の1周分の回転(360°分の回転)の間において回転軸方向への移動を停止する。
【0083】
この場合、感光体1が角度Wだけ回転する期間(すなわち、感光体1の外周面の所定位置が露光領域から1次転写領域に至るまで回動する期間)における感光体1の回転軸方向の移動量は、(162.5°/7920°)×0.5mm×2≒0.0205mm=20.5μmとなる。つまり、露光処理から1次転写処理が行われるまでの期間における感光体1の回転軸方向の移動量が20.5μmとなる。このため、1次転写時における任意の2色間の最大のずれ量は、20.5μm×2=41μmとなる。
【0084】
ここで、1次転写時における任意の2色間の最大のずれ量としては、画像を形成する色点1ドットの直径(ここでは、42μm)以下であれば実用上問題はない。したがって、本実施形態では、露光処理から1次転写処理が行われるまでの期間における感光体1の回転軸方向の移動量を21μm以下に設定したことにより、1次転写時における任意の2色間のずれが許容範囲になると言える。
【0085】
本実施形態では、上記のように構成することによって、感光体1の外周面に凹凸が大きい溝が形成されてしまった場合において、感光体1の外周面の溝に残留トナーが入り込んだとしても、その残留トナーを除去することができる。すなわち、感光体1の外周面を確実にクリーニングすることができ、ダッシュマークの発生が抑制される。その結果、高品質の画像を安定して形成することが可能となる。
【0086】
また、本実施形態では、感光体1の1周分の回転が終了するまで感光体1の回転軸方向への往復移動を停止しているので、より確実に、感光体1の外周面の溝に入り込んだ残留トナーを掻き出して排出することができる。
【0087】
また、本実施形態では、回転中心に対して対称配置された最大突出部および最小部をカムフォロアー61に設け、かつ、回転中心に対して対称配置された最大突出部および最小部をカム面62に設けているので、容易に、感光体1を回転軸方向に往復移動させることができる。
【0088】
また、本実施形態では、第1ギア55および第2ギア56をフランジ52の凹部内に配置しているので、第1ギア55および第2ギア56の2つのギアを用いるようにしたとしても、画像形成ユニットが大型化するのを抑制することができる。
【0089】
また、本実施形態では、第1ギア55および第2ギア56をギアホルダー59で覆っているので、第1ギア55および第2ギア56に不要物が付着するのを容易に抑制することができる。このため、駆動機構の動作不良が発生し難くなる。
【0090】
さらに、本実施形態では、第1ギア55および第2ギア56のうちの一方が転位歯車であるので、第1ギア55および第2ギア56が確実にアイドルギア57に噛合し、第1ギア55から第2ギア56への駆動力の伝達が正確になる。これによっても、駆動機構の動作不良の発生を抑制することができる。
【0091】
なお、本実施形態では、感光体1の回転および回転軸方向への往復移動を1つの駆動機構で行うようにしているので、画像形成ユニットの構成が複雑になるのは抑制される。
【0092】
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0093】
たとえば、上記実施形態では、カラーレーザープリンターに本発明を適用する場合について説明したが、本発明はこれに限らず、カラーレーザープリンター以外の画像形成装置にも本発明を適用することができる。すなわち、複写機、ファクシミリおよびプリンターや、それらの複合機などの種々の画像形成装置に本発明は適用可能である。
【0094】
また、上記実施形態では、感光体の1周分の回転が終了するまで感光体の回転軸方向の往復移動を停止するようにしたが、本発明はこれに限らず、感光体の回転軸方向の往復移動を停止する期間が感光体の2周分の回転が終了するまでの間であってもよいし、3周分の回転が終了するまでの間であってもよい。すなわち、感光体の1周分以上の回転が終了するまで感光体の回転軸方向の往復移動が停止されていればよい。
【0095】
また、上記実施形態の構成において、図19に示すように、ギアホルダー59の形状をフランジ52の凹部の開口に嵌め込み可能な形状とし、ギアホルダー59をフランジ52の凹部の内周面に当接させてもよい。このようにすれば、フランジ52の凹部の開口の大部分がギアホルダー59で塞がれるので、フランジ52の凹部内に不要物が侵入し難くなり、より一層、第1ギア55および第2ギア56に不要物が付着するのを抑制することができる。
【0096】
また、上記実施形態の構成において、図20に示すように、フランジ52と第1ギア55とを一体化してもよい。このようにすれば、部品点数および組み立て工数を削減することができる。
【符号の説明】
【0097】
1 感光体(像担持体)
41 クリーニングブレード(クリーニング部材)
51、52 フランジ
53 回転軸
54 駆動ギア
55 第1ギア
56 第2ギア
57 アイドルギア
58 コイルスプリング(付勢部材)
59 ギアホルダー
61 カムフォロアー(カム形状部)
61a、62a 平坦部
62 カム面(カム形状部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光層で覆われた外周面を有する円筒状の像担持体と、
前記像担持体の外周面の周方向に回転するように支持され、かつ、前記像担持体に固定されることで前記像担持体と共に回転する回転軸と、
前記像担持体の外周面に残留した不要物を除去するためのクリーニング部材と、
前記像担持体を回転させるとともに回転軸方向に往復移動させる駆動機構とを備え、
前記駆動機構は、前記像担持体を回転させながら回転軸方向への往復移動を一時停止させることを特徴とする画像形成ユニット。
【請求項2】
前記駆動機構は、前記像担持体の1周分以上の回転が終了するまでの間、前記像担持体の回転軸方向への往復移動を停止させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成ユニット。
【請求項3】
前記駆動機構は、
前記回転軸の一端に固定され、前記回転軸に駆動力を付与して前記回転軸を前記像担持体と共に回転させる駆動ギアと、
前記回転軸の他端に固定され、前記回転軸と共に回転する第1ギアと、
前記第1ギアと回転軸方向に隣接するように前記回転軸の他端に支持され、前記回転軸とは独立して回転可能で、かつ、回転軸方向に摺動可能になっているとともに、前記第1ギアの歯数とは異なる歯数を有する第2ギアと、
前記第1ギアおよび前記第2ギアに噛合しているとともに、前記第1ギアから前記第2ギアに駆動力を伝達することで前記第2ギアを回転させるアイドルギアと、
前記回転軸の一端側に配置され、前記回転軸に固定された前記像担持体を一端側から他端側に付勢することによって、前記回転軸の他端に固定された前記第1ギアを一端側から他端側に付勢する付勢部材とを含み、
前記第1ギアおよび前記第2ギアの回転軸方向に互いに対向する一対の対向面のそれぞれに、回転方向に連続する環状とされ、かつ、回転軸方向への突出量が回転方向に沿って変位したカム形状部が形成されているとともに、前記付勢部材の付勢力で前記第1ギアが一端側から他端側に付勢されることによって、前記第1ギアのカム形状部が前記第2ギアのカム形状部に当接されており、
前記カム形状部の一部に、回転軸方向への突出量の変位が停止された平坦部が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成ユニット。
【請求項4】
前記像担持体の1周分以上の回転が終了するまでの間、前記第1ギアのカム形状部の平坦部が前記第2ギアのカム形状部に当接し、かつ、前記第2ギアのカム形状部の平坦部が前記第1ギアのカム形状部に当接し続けることを特徴とする請求項3に記載の画像形成ユニット。
【請求項5】
回転軸方向への突出量が最も大きい最大突出部、および、回転軸方向への突出量が最も小さい最小部を、前記カム形状部が少なくとも1つずつ有しており、
前記最大突出部および前記最小部が回転中心に対して対称配置されていることを特徴とする請求項3または4に記載の画像形成ユニット。
【請求項6】
前記像担持体の両端の開口に固定される一対のフランジをさらに備え、
前記一対のフランジを介して前記回転軸が前記像担持体に固定されており、
前記一対のフランジのうちの前記回転軸の他端に固定されたフランジが、前記像担持体の内側空間に向かって窪んだ凹部を有し、
前記フランジの凹部内に、前記第1ギアおよび前記第2ギアが配置されていることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の画像形成ユニット。
【請求項7】
前記フランジの凹部にギアホルダーが設置されており、
前記ギアホルダーによって、前記第1ギアおよび前記第2ギアが覆われていることを特徴とする請求項6に記載の画像形成ユニット。
【請求項8】
前記ギアホルダーの形状が、前記フランジの凹部の開口に嵌め込み可能な形状とされ、
前記フランジの凹部の開口に嵌め込まれた前記ギアホルダーが、前記フランジの凹部の内周面に当接していることを特徴とする請求項7に記載の画像形成ユニット。
【請求項9】
前記回転軸の他端に固定された前記フランジに、前記第1ギアが一体的に形成されていることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の画像形成ユニット。
【請求項10】
前記第1ギアおよび前記第2ギアのうちの一方が転位歯車であることを特徴とする請求項3〜9のいずれかに記載の画像形成ユニット。
【請求項11】
前記像担持体の外周面の所定位置が露光領域から転写領域に至るまで回動する期間における前記像担持体の回転軸方向への移動量が、画像を形成する色点1ドットの直径の1/2以下であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の画像形成ユニット。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれかに記載の画像形成ユニットが搭載されていることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図17】
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【図18】
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【図3】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−173682(P2012−173682A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−38033(P2011−38033)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】