画像形成方法、プリント及び画像形成用資材
【課題】 均一な光沢性を有し、写真の表面層を形成する透明基体と裏打ちを形成する光反射体とが強固に結合したプリントを電子写真法により作成する場合に生ずるトナー飛散等の問題を解決する。
【解決手段】 透明基体にトナー像を形成し、透明基体の像担持面に光反射体を接合してプリントを作成する場合に、透明基体の領域をR1、光反射体の領域をR2、トナー像の領域をR3とするときR1⊇R2⊃R3又はR1⊃R3⊇R2という条件を満たして画像を形成する。
【解決手段】 透明基体にトナー像を形成し、透明基体の像担持面に光反射体を接合してプリントを作成する場合に、透明基体の領域をR1、光反射体の領域をR2、トナー像の領域をR3とするときR1⊇R2⊃R3又はR1⊃R3⊇R2という条件を満たして画像を形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方により画像を形成する画像形成方法、プリント及び画像形成用資材に関する。
【背景技術】
【0002】
カラー写真などでは、画像の階調性、粒状性、色再現性等のように画質の面で、文字画像や線画像に比較して優れた特性を有することが要求されるとともに、写真表面の光沢性に関して所望の特性を有することが望まれる。即ち、鏡面に仕上げられ、光沢のある写真や絹目と称されるマット面に仕上げられた写真が望まれる。
【0003】
このような表面特性は、銀塩写真では、現像・定着後の処理工程で鏡面処理又は絹目処理を施すことにより付与される。
【0004】
電子写真においては、特許文献1のように、透明フィルムに画像を形成し、該透明フィルムの画像担持面に裏打ち層を貼り合わせることにより、透明フィルムの表面が写真の表面となる写真を作成することにより、光沢性に富んだ写真を作成する方法が提案されている。
【特許文献1】特開平7−56409号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のように画像形成後の貼り合わせ工程を経て画像を形成する画像形成方法においては、貼り合わせ工程により作成されたプリントが画像形成装置内を搬送されるとともに、装置から排出された後に排紙トレイ等に集積される。接着や粘着により張り合わされたプリントでは、プリントの外面に接着層又は粘着層が露出すると、搬送ローラやベルトへの巻き付き等、プリントの搬送・集積等の取り扱いにおいて支障を来す。
【0006】
本発明は、光沢性のある画像のように所望の表面特性を備えた画像を作成することが可能であり、しかも、プリントの搬送・集積等における前記のような問題を解決することを第1の目的とする。
【0007】
また電子写真プロセスにより画像を形成する画像形成装置は、一般に、写真画像や文書画像を形成することが出来るように作られており、最大A3サイズのように、大画面の画像を形成する能力を備えている。更に、電子写真プロセスにより画像を形成する画像形成装置では、画像形成における諸工程を実行するプロセス部の構成による制約から、画像の周辺に余白が出来ることが避けられない。従って、写真画像のように比較的小サイズの画像を形成する場合や、余白のない縁なしプリントを作成する場合には、画像形成の後処理として裁断工程が必要になる。しかし貼り合わせの後に裁断される場合には、裁断後の切り屑は装置内に残留し、裁断屑の処理が問題となる。
また裁断により失われる画像情報が発生する。このように裁断により縁なしプリントを作成する場合の問題も解決することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的は下記構成により達成される。
透明基体上に電子写真プロセスにより鏡像の画像を形成する画像形成工程及び、
前記透明基体の像担持面に接着又は粘着層を有する光反射体を貼り合わせる貼り合わせ工程を有する画像形成方法において、
前記透明基体の領域をR1、前記光反射体の領域をR2とするとき、
R1⊃R2という条件を満足する前記透明基体及び前記光反射体を用いて画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、所望の表面特性を備えた画像を作成するとともに、プリントの搬送・集積をスムーズに行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に実施の形態により本発明を説明するが、本発明は該実施の形態に限られない。
1.画像形成方法
1−1.実施の形態1
図1は本発明の実施の形態1に係る画像形成方法の工程を示す図である。
【0011】
本実施の形態に係る画像形成方法は、カットシート状の透明基体及びカットシート状の光反射体を用いた例であり、画像形成工程、貼り合わせ工程及び裁断工程を有する。
【0012】
図1において、(a)〜(c)は平面図であり、(d)〜(f)は(a)におけるx方向又はy方向に沿った断面図である。
(1)画像形成工程
画像形成工程は図1(a)、(d)のように、透明基体TM上に鏡像のトナー像Gを電子写真法により形成する工程である。
【0013】
即ち、感光体を帯電し、露光することにより、感光体上に静電潜像を形成し、形成した静電潜像を現像することにより、感光体上にトナー像を形成する。
【0014】
感光体上のトナー像は透明基体TMに転写され定着される。
【0015】
感光体から透明基体TMへの転写は、直接転写又は中間転写体を介した間接転写により行われる。
【0016】
透明基体TMに形成されたトナー像Gは図示のように、W1で示す透明基体TMの像担持面側から見て、原画像を左右反転又は上下反転した鏡像である。
【0017】
透明基体TMに転写されたトナー像Gは定着される。
(2)貼り合わせ工程
画像が形成された透明基体TMは図1(b)、(e)に示すように、接着又は粘着層を有する光反射体Hと、前記透明基体TMの像担持面を前記接着又は粘着層に接合することにより張り合わされる。
(3)裁断工程
透明基体TMと光反射体Hとが張り合わされたものは図1(c)、(f)に示すように、カッタCTによる枠FLに沿って所望のサイズに裁断される。
【0018】
裁断により作成されたプリントPRを透明基体TMの側から矢印W2のように見ることにより正像が観察される。
【0019】
透明基体TMの領域をR1、光反射体Hの領域をR2、トナー像Gの領域をR3、裁断されたプリントPRの領域をR4とするとき、
R1⊃R2⊇R3⊇R4
という条件1を満足する透明基体TM及び光反射体Hが用いられ、トナー像Gが形成され、裁断される。
【0020】
できあがったプリントPRには、W2で示す方向、即ち、透明基体TMの側から見て正像が形成される。
【0021】
前記条件1は図1(c)に示す長さL1、L2、L3、L4について、
L1>L2≧L3≧L4
という条件2に置き換えることができる。
【0022】
L1〜L4を領域R1〜R4の図1(a)における互いに直角方向x、yのいずれに沿った長さとした場合にも、条件2が満足される。
【0023】
画像形成工程においては、後に説明するように画像形成装置内において、透明基体を搬送し、走行している透明基体に対して画像形成処理が行われるが、長さL1〜L4を透明基体の搬送方向における各領域のR1〜R4の最大長とした場合及び搬送方向に直角な方向における各領域R1〜R4の最大長さとした場合に前記条件が満足される。
【0024】
なお、裁断によりトナー像Gの領域R3のうちの、画像領域R4から除外される部分、即ち、(L3−L4)/2の幅を有する領域はできるだけ小さくすることが望ましく、{(L3−L4)/2}≦5mmであることが望ましい。
【0025】
条件1(又は条件2)により、透明基体TMにより光反射体Hが完全に覆われるので、光反射体Hの接着又は粘着層が露出することがなく、所望の表面特性を備えた画像を作成するとともに、プリントの搬送・集積をスムーズに行うことができる。また縁なしプリントの作成において、トナーが透明基体の外の領域で転写され、トナー飛散が起こるという現象がなくなり、トナー飛散による画像汚れや機内汚れが防止される。さらに裁断屑が装置内に付着することが防止されるとともに、画像領域R3のうちの裁断により切り捨てられる部分の量が少なくなり、裁断により失われる画像情報を少なくすることができる。
1−2.実施の形態2
図2は本発明の実施の形態2に係る画像形成方法の工程を示す図である。
【0026】
本実施の形態に係る画像形成方法は、画像形成用の資材として帯状のものを用いた例であり、画像形成工程、貼り合わせ工程及び裁断工程を有する。
【0027】
図2において、(a)〜(c)は平面図であり、(d)〜(f)は帯状の透明基体TM及び光反射体Hの幅方向、即ち、x方向に沿った断面図である。
【0028】
図2(a)、(d)において、透明基体TM上にトナー像Gが形成され、図2(b)、(e)において、透明基体TMの像担持面に光反射体Hが張り合わされ、図2(c)、(f)において、張り合わされたものが枠FLに沿って裁断される。
【0029】
図2(a)において、透明基体TM上にトナー像Gが形成され、図2(b)において、透明基体TMの像担持面に光反射体Hが張り合わされ、図2(c)において、張り合わされたものが枠FLに沿って裁断される。
【0030】
図2において、R1⊃R2⊇R3⊇R4という条件1は、帯状の透明基体TM及び光反射体の幅、即ち、方向xに沿った長さL1〜L4に関する条件2
L1>L2≧L3≧L4
で置き換えることができる。
1−3.実施の形態3
図3は本発明の実施の形態3に係る画像形成方法の工程を示す図である。
【0031】
本実施の形態に係る画像形成方法は、カットシート状の透明基体及び光反射体を用いた例であり、画像形成工程、貼り合わせ工程及び裁断工程を有する。
【0032】
図3において、(a)〜(c)は平面図であり、(d)〜(f)は(a)におけるx方向又はy方向に沿った断面図である。
【0033】
画像形成工程、貼り合わせ工程及び裁断工程は、図3(a)〜(f)に示すように、図1に関して前記に説明したように行われるが、本実施の形態においては、
透明基体TMの領域R1と、光反射体Hの領域Rと2、トナー像Gの領域R3と、裁断されたプリントPRの領域R4との間に次の条件3を満足させて画像形成工程、貼り合わせ工程及び裁断工程が実行される。
【0034】
R1⊃R3⊇R2⊇R4
従って、x、y方向の各領域の最大長さL1〜L4に関しても、次の条件4を満足する。
【0035】
L1>L3≧L2≧L4
前記条件3(又は条件4)を満足することにより、透明基体TMにより光反射体Hが完全に覆われるので、光反射体Hの接着又は粘着層が露出することがなく、所望の表面特性を備えた画像を作成するとともに、プリントの搬送・集積をスムーズに行うことができる。また縁なしプリントの作成において、トナーが透明基体の外の領域で転写され、それにより、トナー飛散が起こるという現象がなくなり、トナー飛散による画像汚れや機内汚れが防止される。さらに裁断屑が装置内に付着することが防止されるとともに、裁断屑が装置内に付着することが防止されるとともに、光反射体Hが裁断工程により切り捨てられる量が少なくなり、無駄が少なくなる。
1−4.実施の形態4
図4は本発明の実施の形態4に係る画像形成方法の工程を示す図である。
【0036】
本実施の形態に係る画像形成方法は、画像形成用の資材として帯状のものを用いた例であり、画像形成工程、貼り合わせ工程及び裁断工程を有する。
【0037】
図4において、(a)〜(c)は平面図であり、(d)〜(f)は(a)におけるx方向に沿った断面図である。
【0038】
画像形成工程、貼り合わせ工程及び裁断工程は、図2(a)〜(f)に示すように、図2に関して前記に説明したように行われるが、本実施の形態においては、
透明基体TMの領域R1と、光反射体Hの領域Rと2、トナー像Gの領域R3と、裁断されたプリントPRの領域R4との間に次の条件3を満足させて画像形成工程、貼り合わせ工程及び裁断工程が実行される。
【0039】
R1⊃R3⊇R2⊇R4
従って、x、y方向の各領域の最大長さL1〜L4に関しても、次の条件4を満足する。
【0040】
L1>L3≧L2≧L4
<画像形成用資材>
本実施の形態に係る画像形成用資材は透明基体TM及び光反射体Hからなり、図5に示すように、光反射体Hは光反射基体HB及び接着又は粘着層SNを有する。
【0041】
透明基体TMとしては、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムが好ましく、その厚さ50〜500μmaが好ましい。
【0042】
厚さが50μmaよりも薄いと、トナー像による凹凸が写真プリントの表面に出る場合がある。また、500μmを超えると通常の電子写真画像形成装置内での処理に支障が出る場合がある。
【0043】
また、電子写真法により画像を形成する画像形成用記録媒体として使用する場合、透明基体TMは、表面抵抗率が、107Ω/□〜1012Ω/□であることが好ましい。抵抗率が107Ω/□より低いと、面方向の電荷のリークにより良好な転写が行われにくく、画質が低下する場合がある。1012Ω/□より高いと、不要な帯電が起こって、画像成装置内の搬送に支障が起きたり、画質が低下する場合がある。
【0044】
このように透明基体TMの抵抗値を適正にするために、透明基体TMの少なくとも1面に有機又は無機の導電性物質を含有する帯電防止層を設けることが好ましい。
【0045】
光反射体Hは図5に示すように、光反射基体HBと接着又は粘着層SNを有する。
【0046】
接着又は粘着層SNは接着剤又は粘着剤を光反射基体HB上に塗布することにより形成される。
【0047】
粘着剤としては、溶剤系アクリル系粘着材、エマルジョン系粘着材など周知の粘着材を用いることができる。
【0048】
光反射基体HBは白色、乳白色、銀色等の反射性シートであり、印刷用コート紙、合成紙(商品名ユポ等)、樹脂コート紙、樹脂フィルムが好ましい。
【0049】
コート紙がそのコート層にパラフィン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンを含有するものであれば、これらの成分がトナーのワックスと相溶し、接着層として機能するので、ワックスと相溶性のある物質を含有するコート紙を用いれば加熱接着により、透明基体と光反射体とをより強固に結合することが可能となる。このように、光を反射するコート層が接着層SNを構成する場合もある。
【0050】
透明基体TMと光反射体Hとは、対で画像形成用資材として市場に提供される。
【0051】
透明基体と光反射体とがカットシートを含む画像形成用資材について、図1を用いて説明する。
【0052】
透明基体TMと光反射体Hとは、図1のように、R1⊃R2、即ち、x及びy方向に関してL1>L2の条件を満たすカットシートの対で市場に提供される。
【0053】
透明基体と光反射体とが帯状の画像形成用資材の場合について、図2を用いて説明する。
【0054】
透明基体TMと光反射体Hとは、R1⊃R2、即ち、帯の幅方向であるx方向に関してL1>L2の条件を満たす帯状材料のロールの対で市場に提供される。
【0055】
図6は画像形成用資材が、帯状の透明基体とカットシート状の光反射体とを含む場合及びカットシート状の透明基体と帯状の光反射体とを含む場合を示す。
【0056】
図6(a)では、画像形成用資材は、帯状の透明基体TMとカットシート状の光反射体Hとで構成され、このような画像形成用資材では、図1、2におけるx方向の長さL1、L2、即ち、帯状の透明基体TMの幅L1とカットシート状の光反射体Hの長辺の長さL1に関して、L1>L2の条件を満たす帯状資材とカットシートの状資材の対で市場に提供される。
【0057】
図6(b)では、画像形成用資材は、カットシート状の透明基体TMと帯状の光反射体Hとで構成され、このような画像形成用資材でも、図1、2におけるx方向の長さL1、L2、即ち、カットシート状の透明基体TMの長辺L1と、帯状の光反射体Hの幅L2に関して、L1>L2の条件を満たすカットシート状資材と帯状資材の対で市場に提供される。
3.画像形成装置
図7は本発明の実施の形態に係る画像形成方法を実行する装置の第1例であるカラー画像形成装置を示す図である。
【0058】
カラー画像形成装置は画像形成部M1、貼り合わせ部M2及び裁断部M3からなる。
【0059】
画像形成部は、イエロートナー像を形成する画像形成ユニットY、マゼンタトナー像を形成する画像形成ユニットM、シアントナー像を形成する画像形成ユニットC及び黒トナー像を形成する画像形成ユニットKを有する。
【0060】
画像形成ユニットY、M、C及びKは同じ構造を有するので、画像形成ユニットYのみに、構成部の符号を付し、他の符号を省略しており、画像形成ユニットYの作動について下記に説明するが、画像形成ユニットM、C及びKも同様な作動を行う。
【0061】
ドラム状の感光体1の周囲に、帯電手段2、露光手段3、現像手段4、1次転写手段5及びクリーニング手段6が配置される。
【0062】
画像形成時には、感光体1が時計方向に回転して、感光体1に対して、帯電手段2の帯電及び露光手段の露光により、感光体1上に静電潜像が形成され、形成された静電潜像は現像手段4により現像されて感光体1上にトナー像が形成される。
【0063】
感光体1上のトナー像は1次転写手段5により中間転写体7に転写される。
【0064】
複数の支持ローラ8に張架され矢印のように移動する中間転写体7上には、画像形成ユニットYにおいて形成されたイエロートナー像、画像形成ユニットMにおいて形成されたマゼンタトナー像、画像形成ユニットCにおいて形成されたシアントナー像及び画像形成ユニットKにおいて形成された黒トナー像が重ね合わせ転写され、多色トナー像が形成される。
【0065】
中間転写体7上の多色トナー像は、2次転写手段10により、透明フィルムFに転写される。
【0066】
透明基体としての透明フィルムFはカセット12に収納されており、給紙ローラ13により1枚ずつ転写部に供給される。
【0067】
帯電手段2としては、放電極及びグリッドを有するスコロトロン帯電器が好ましく用いられる。
【0068】
露光手段3としては、画像データに基づいて発光し、感光体1をドット露光する露光装置が好ましく用いられ、レーザ走査露光装置、LEDアレイ露光装置等が好ましく用いられる。
【0069】
現像手段4としては、前記に説明した本発明のワックス含有トナーとキャリアを主成分とする二成分現像剤を用いて反転現像を行う現像装置が好ましく用いられる。
【0070】
1次転写手段5及び2次転写手段10としては、転写電圧が印加された転写ローラ又は放電極を有するコロトロン帯電器が好ましく用いられる。
【0071】
クリーニング手段6、9としては弾性ブレードを用いたブレードクリーニング装置が好ましく用いられる。
【0072】
定着手段11としては、加熱部材及び加圧部材としてローラを用いた熱ローラ定着装置又は加熱部材及び加圧部材の少なくともいずれけにベルトを用いたベルト定着装置が用いられる。
【0073】
転写された多色トナー像を担持する透明フィルムFは定着手段11を通過して定着処理された後に、画像形成部M1から排出され、貼り合わせ部M2に送られる。貼り合わせ部M2においては、光反射体としてのロール状の用紙Pが透明フィルムFに重ねられ、圧着ローラ対21間のニップを通過する。光反射体としての用紙Pは白紙にホットメルト接着剤又は粘着剤の層を形成したものであり、透明フィルムFと用紙Pとが接着又は粘着により貼り合わされる。接着又は粘着は、圧着ローラ対21による加圧又は加熱・加圧によって行われる。
【0074】
貼り合わせにより形成された複合体、即ち、プリントFPは裁断部M3に送られ、裁断部M3において、カッタ23により裁断されシート状のプリントに形成されて排紙ローラ24により、裁断部M3から排出される。
【0075】
画像形成ユニットY、M、C、Kにおいては、それぞれ感光体1上に鏡像が形成されるように、露光装置3が露光する。このような鏡像は図7、8に示す画像処理手段の画像処理により形成される。
図8は鏡像を形成するための画像処理手段を示す。
【0076】
露光手段3を駆動するための画像データを生成する画像処理手段30は、画像メモリ31から画像データを読み出し、画像データ32bを生成するが、鏡像を形成する場合には、画像処理手段30は画像メモリ31に記憶されている画像データ32aを図9のように、書込時の順序x1と反対の順序x2で主走査方向の読み出しを行い、書込時の順序yで副走査方向の読み出しを行って画像データ32bを生成する。
【0077】
感光体1上に形成された鏡像は、中間転写体7上で正像となり、透明フィルムFに転写されることにより鏡像となる。
【0078】
透明フィルムF上の鏡像は、透明フィルムFと用紙Pとが貼り合わされたプリントFPを透明フィルムFの側から見たときに正像として観察される。
【0079】
図10は本発明の実施の形態の第2例であるカラー画像形成装置を示す図である
画像形成部は、イエロートナー像を形成する画像形成ユニットY、マゼンタトナー像を形成する画像形成ユニットM、シアントナー像を形成する画像形成ユニットC及び黒トナー像を形成する画像形成ユニットKを有する。
【0080】
画像形成ユニットY、M、C及びKは共通の構造を有するので、画像形成ユニットYのみに、構成部の符号を付し、他の符号を省略しており、画像形成ユニットYの作動について下記に説明するが、画像形成ユニットM、C及びKも同様な作動を行う。
【0081】
ドラム状の感光体1の周囲に、帯電手段2、露光手段3、現像手段4、転写手段5及びクリーニング手段6が配置される。
【0082】
画像形成時には、感光体1が時計方向に回転し、帯電手段2の帯電及び露光手段3の露光により、感光体1上に静電潜像が形成され、形成された静電潜像は現像手段4により現像されて感光体1上にトナー像が形成される。
【0083】
感光体1上のトナー像は転写手段5により透明フィルムFに転写される。
【0084】
透明フィルムF上には、画像形成ユニットYにおいて形成されたイエロートナー像、画像形成ユニットMにおいて形成されたマゼンタトナー像、画像形成ユニットCにおいて形成されたシアントナー像及び画像形成ユニットKにおいて形成された黒トナー像が重ね合わせ転写され、多色トナー像が形成される。
【0085】
多色像が形成された透明フィルムFを定着手段11を通過して、多色トナー像が定着された後に、圧着ローラ対21へと搬送される。一方元巻きローラ20からは接着又は粘着層を有する用紙Pが供給され、圧着ローラ対21において透明フィルムFと重なる。透明フィルムFは元巻きローラ20から供給された用紙Pと重なり、圧着ローラ対21を通過して貼り合わされ、プリントFPが作成され、プリントFPはカッタ23により所定のサイズに裁断される。
【0086】
本例においては、露光手段3により感光体1上に原画像の正像のトナー像が形成され、透明フィルムFには鏡像のトナー像が形成される。
【0087】
形成された鏡像は、用紙Pにより裏打ちされ、透明フィルムFの像担持面と反対の面側から観察されるので、正像の写真ができあがる。
【0088】
本例では、図8の画像処理手段30が画像メモリ31から、書込時と同じ順序x1で画像データを読み出して画像データ32bを生成し、露光手段3を駆動する。
【0089】
図11は本発明の実施の形態の第3例であるカラー画像形成装置を示す図である。
【0090】
本実施の形態の画像形成部は実施の形態1の画像形成部と同一の構造を有する。
【0091】
本実施の形態が実施の形態1と異なるのは、貼り合わせ手段21、および接着剤又は粘着剤塗布手段25が画像形成部内に組み込まれる点である。
【0092】
前記に説明した画像形成工程により、多色トナー像が形成された透明フィルムFは定着装置11で定着処理された後に、圧着ローラ対21を通過する。また、元巻きロール20から供給された用紙Pの透明フィルムと対向する面に、接着剤又は粘着剤塗布手段25により接着剤又は粘着剤が塗布され、圧着ローラ対21において、透明フィルムFと用紙Pとが貼り合わされ、次にカッタ23によりユーザが望むサイズに裁断される。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の実施の形態1に係る画像形成方法の工程を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態2に係る画像形成方法の工程を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態3に係る画像形成方法の工程を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態4に係る画像形成方法の工程を示す図である。
【図5】光反射体の断面図である。
【図6】画像形成用資材の例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る画像形成方法を実行する装置の第1例であるカラー画像形成装置を示す図である。
【図8】鏡像を形成するための画像処理手段を示す図である。
【図9】画像メモリの読出を説明するための図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る画像形成方法を実行する装置の第2例であるカラー画像形成装置を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る画像形成方法を実行する装置の第3例であるカラー画像形成装置を示す図である。
【符号の説明】
【0094】
CT カッタ
G トナー像
H 光反射体
SN 接着又は粘着層
TM 透明基体
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方により画像を形成する画像形成方法、プリント及び画像形成用資材に関する。
【背景技術】
【0002】
カラー写真などでは、画像の階調性、粒状性、色再現性等のように画質の面で、文字画像や線画像に比較して優れた特性を有することが要求されるとともに、写真表面の光沢性に関して所望の特性を有することが望まれる。即ち、鏡面に仕上げられ、光沢のある写真や絹目と称されるマット面に仕上げられた写真が望まれる。
【0003】
このような表面特性は、銀塩写真では、現像・定着後の処理工程で鏡面処理又は絹目処理を施すことにより付与される。
【0004】
電子写真においては、特許文献1のように、透明フィルムに画像を形成し、該透明フィルムの画像担持面に裏打ち層を貼り合わせることにより、透明フィルムの表面が写真の表面となる写真を作成することにより、光沢性に富んだ写真を作成する方法が提案されている。
【特許文献1】特開平7−56409号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のように画像形成後の貼り合わせ工程を経て画像を形成する画像形成方法においては、貼り合わせ工程により作成されたプリントが画像形成装置内を搬送されるとともに、装置から排出された後に排紙トレイ等に集積される。接着や粘着により張り合わされたプリントでは、プリントの外面に接着層又は粘着層が露出すると、搬送ローラやベルトへの巻き付き等、プリントの搬送・集積等の取り扱いにおいて支障を来す。
【0006】
本発明は、光沢性のある画像のように所望の表面特性を備えた画像を作成することが可能であり、しかも、プリントの搬送・集積等における前記のような問題を解決することを第1の目的とする。
【0007】
また電子写真プロセスにより画像を形成する画像形成装置は、一般に、写真画像や文書画像を形成することが出来るように作られており、最大A3サイズのように、大画面の画像を形成する能力を備えている。更に、電子写真プロセスにより画像を形成する画像形成装置では、画像形成における諸工程を実行するプロセス部の構成による制約から、画像の周辺に余白が出来ることが避けられない。従って、写真画像のように比較的小サイズの画像を形成する場合や、余白のない縁なしプリントを作成する場合には、画像形成の後処理として裁断工程が必要になる。しかし貼り合わせの後に裁断される場合には、裁断後の切り屑は装置内に残留し、裁断屑の処理が問題となる。
また裁断により失われる画像情報が発生する。このように裁断により縁なしプリントを作成する場合の問題も解決することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的は下記構成により達成される。
透明基体上に電子写真プロセスにより鏡像の画像を形成する画像形成工程及び、
前記透明基体の像担持面に接着又は粘着層を有する光反射体を貼り合わせる貼り合わせ工程を有する画像形成方法において、
前記透明基体の領域をR1、前記光反射体の領域をR2とするとき、
R1⊃R2という条件を満足する前記透明基体及び前記光反射体を用いて画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、所望の表面特性を備えた画像を作成するとともに、プリントの搬送・集積をスムーズに行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に実施の形態により本発明を説明するが、本発明は該実施の形態に限られない。
1.画像形成方法
1−1.実施の形態1
図1は本発明の実施の形態1に係る画像形成方法の工程を示す図である。
【0011】
本実施の形態に係る画像形成方法は、カットシート状の透明基体及びカットシート状の光反射体を用いた例であり、画像形成工程、貼り合わせ工程及び裁断工程を有する。
【0012】
図1において、(a)〜(c)は平面図であり、(d)〜(f)は(a)におけるx方向又はy方向に沿った断面図である。
(1)画像形成工程
画像形成工程は図1(a)、(d)のように、透明基体TM上に鏡像のトナー像Gを電子写真法により形成する工程である。
【0013】
即ち、感光体を帯電し、露光することにより、感光体上に静電潜像を形成し、形成した静電潜像を現像することにより、感光体上にトナー像を形成する。
【0014】
感光体上のトナー像は透明基体TMに転写され定着される。
【0015】
感光体から透明基体TMへの転写は、直接転写又は中間転写体を介した間接転写により行われる。
【0016】
透明基体TMに形成されたトナー像Gは図示のように、W1で示す透明基体TMの像担持面側から見て、原画像を左右反転又は上下反転した鏡像である。
【0017】
透明基体TMに転写されたトナー像Gは定着される。
(2)貼り合わせ工程
画像が形成された透明基体TMは図1(b)、(e)に示すように、接着又は粘着層を有する光反射体Hと、前記透明基体TMの像担持面を前記接着又は粘着層に接合することにより張り合わされる。
(3)裁断工程
透明基体TMと光反射体Hとが張り合わされたものは図1(c)、(f)に示すように、カッタCTによる枠FLに沿って所望のサイズに裁断される。
【0018】
裁断により作成されたプリントPRを透明基体TMの側から矢印W2のように見ることにより正像が観察される。
【0019】
透明基体TMの領域をR1、光反射体Hの領域をR2、トナー像Gの領域をR3、裁断されたプリントPRの領域をR4とするとき、
R1⊃R2⊇R3⊇R4
という条件1を満足する透明基体TM及び光反射体Hが用いられ、トナー像Gが形成され、裁断される。
【0020】
できあがったプリントPRには、W2で示す方向、即ち、透明基体TMの側から見て正像が形成される。
【0021】
前記条件1は図1(c)に示す長さL1、L2、L3、L4について、
L1>L2≧L3≧L4
という条件2に置き換えることができる。
【0022】
L1〜L4を領域R1〜R4の図1(a)における互いに直角方向x、yのいずれに沿った長さとした場合にも、条件2が満足される。
【0023】
画像形成工程においては、後に説明するように画像形成装置内において、透明基体を搬送し、走行している透明基体に対して画像形成処理が行われるが、長さL1〜L4を透明基体の搬送方向における各領域のR1〜R4の最大長とした場合及び搬送方向に直角な方向における各領域R1〜R4の最大長さとした場合に前記条件が満足される。
【0024】
なお、裁断によりトナー像Gの領域R3のうちの、画像領域R4から除外される部分、即ち、(L3−L4)/2の幅を有する領域はできるだけ小さくすることが望ましく、{(L3−L4)/2}≦5mmであることが望ましい。
【0025】
条件1(又は条件2)により、透明基体TMにより光反射体Hが完全に覆われるので、光反射体Hの接着又は粘着層が露出することがなく、所望の表面特性を備えた画像を作成するとともに、プリントの搬送・集積をスムーズに行うことができる。また縁なしプリントの作成において、トナーが透明基体の外の領域で転写され、トナー飛散が起こるという現象がなくなり、トナー飛散による画像汚れや機内汚れが防止される。さらに裁断屑が装置内に付着することが防止されるとともに、画像領域R3のうちの裁断により切り捨てられる部分の量が少なくなり、裁断により失われる画像情報を少なくすることができる。
1−2.実施の形態2
図2は本発明の実施の形態2に係る画像形成方法の工程を示す図である。
【0026】
本実施の形態に係る画像形成方法は、画像形成用の資材として帯状のものを用いた例であり、画像形成工程、貼り合わせ工程及び裁断工程を有する。
【0027】
図2において、(a)〜(c)は平面図であり、(d)〜(f)は帯状の透明基体TM及び光反射体Hの幅方向、即ち、x方向に沿った断面図である。
【0028】
図2(a)、(d)において、透明基体TM上にトナー像Gが形成され、図2(b)、(e)において、透明基体TMの像担持面に光反射体Hが張り合わされ、図2(c)、(f)において、張り合わされたものが枠FLに沿って裁断される。
【0029】
図2(a)において、透明基体TM上にトナー像Gが形成され、図2(b)において、透明基体TMの像担持面に光反射体Hが張り合わされ、図2(c)において、張り合わされたものが枠FLに沿って裁断される。
【0030】
図2において、R1⊃R2⊇R3⊇R4という条件1は、帯状の透明基体TM及び光反射体の幅、即ち、方向xに沿った長さL1〜L4に関する条件2
L1>L2≧L3≧L4
で置き換えることができる。
1−3.実施の形態3
図3は本発明の実施の形態3に係る画像形成方法の工程を示す図である。
【0031】
本実施の形態に係る画像形成方法は、カットシート状の透明基体及び光反射体を用いた例であり、画像形成工程、貼り合わせ工程及び裁断工程を有する。
【0032】
図3において、(a)〜(c)は平面図であり、(d)〜(f)は(a)におけるx方向又はy方向に沿った断面図である。
【0033】
画像形成工程、貼り合わせ工程及び裁断工程は、図3(a)〜(f)に示すように、図1に関して前記に説明したように行われるが、本実施の形態においては、
透明基体TMの領域R1と、光反射体Hの領域Rと2、トナー像Gの領域R3と、裁断されたプリントPRの領域R4との間に次の条件3を満足させて画像形成工程、貼り合わせ工程及び裁断工程が実行される。
【0034】
R1⊃R3⊇R2⊇R4
従って、x、y方向の各領域の最大長さL1〜L4に関しても、次の条件4を満足する。
【0035】
L1>L3≧L2≧L4
前記条件3(又は条件4)を満足することにより、透明基体TMにより光反射体Hが完全に覆われるので、光反射体Hの接着又は粘着層が露出することがなく、所望の表面特性を備えた画像を作成するとともに、プリントの搬送・集積をスムーズに行うことができる。また縁なしプリントの作成において、トナーが透明基体の外の領域で転写され、それにより、トナー飛散が起こるという現象がなくなり、トナー飛散による画像汚れや機内汚れが防止される。さらに裁断屑が装置内に付着することが防止されるとともに、裁断屑が装置内に付着することが防止されるとともに、光反射体Hが裁断工程により切り捨てられる量が少なくなり、無駄が少なくなる。
1−4.実施の形態4
図4は本発明の実施の形態4に係る画像形成方法の工程を示す図である。
【0036】
本実施の形態に係る画像形成方法は、画像形成用の資材として帯状のものを用いた例であり、画像形成工程、貼り合わせ工程及び裁断工程を有する。
【0037】
図4において、(a)〜(c)は平面図であり、(d)〜(f)は(a)におけるx方向に沿った断面図である。
【0038】
画像形成工程、貼り合わせ工程及び裁断工程は、図2(a)〜(f)に示すように、図2に関して前記に説明したように行われるが、本実施の形態においては、
透明基体TMの領域R1と、光反射体Hの領域Rと2、トナー像Gの領域R3と、裁断されたプリントPRの領域R4との間に次の条件3を満足させて画像形成工程、貼り合わせ工程及び裁断工程が実行される。
【0039】
R1⊃R3⊇R2⊇R4
従って、x、y方向の各領域の最大長さL1〜L4に関しても、次の条件4を満足する。
【0040】
L1>L3≧L2≧L4
<画像形成用資材>
本実施の形態に係る画像形成用資材は透明基体TM及び光反射体Hからなり、図5に示すように、光反射体Hは光反射基体HB及び接着又は粘着層SNを有する。
【0041】
透明基体TMとしては、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムが好ましく、その厚さ50〜500μmaが好ましい。
【0042】
厚さが50μmaよりも薄いと、トナー像による凹凸が写真プリントの表面に出る場合がある。また、500μmを超えると通常の電子写真画像形成装置内での処理に支障が出る場合がある。
【0043】
また、電子写真法により画像を形成する画像形成用記録媒体として使用する場合、透明基体TMは、表面抵抗率が、107Ω/□〜1012Ω/□であることが好ましい。抵抗率が107Ω/□より低いと、面方向の電荷のリークにより良好な転写が行われにくく、画質が低下する場合がある。1012Ω/□より高いと、不要な帯電が起こって、画像成装置内の搬送に支障が起きたり、画質が低下する場合がある。
【0044】
このように透明基体TMの抵抗値を適正にするために、透明基体TMの少なくとも1面に有機又は無機の導電性物質を含有する帯電防止層を設けることが好ましい。
【0045】
光反射体Hは図5に示すように、光反射基体HBと接着又は粘着層SNを有する。
【0046】
接着又は粘着層SNは接着剤又は粘着剤を光反射基体HB上に塗布することにより形成される。
【0047】
粘着剤としては、溶剤系アクリル系粘着材、エマルジョン系粘着材など周知の粘着材を用いることができる。
【0048】
光反射基体HBは白色、乳白色、銀色等の反射性シートであり、印刷用コート紙、合成紙(商品名ユポ等)、樹脂コート紙、樹脂フィルムが好ましい。
【0049】
コート紙がそのコート層にパラフィン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンを含有するものであれば、これらの成分がトナーのワックスと相溶し、接着層として機能するので、ワックスと相溶性のある物質を含有するコート紙を用いれば加熱接着により、透明基体と光反射体とをより強固に結合することが可能となる。このように、光を反射するコート層が接着層SNを構成する場合もある。
【0050】
透明基体TMと光反射体Hとは、対で画像形成用資材として市場に提供される。
【0051】
透明基体と光反射体とがカットシートを含む画像形成用資材について、図1を用いて説明する。
【0052】
透明基体TMと光反射体Hとは、図1のように、R1⊃R2、即ち、x及びy方向に関してL1>L2の条件を満たすカットシートの対で市場に提供される。
【0053】
透明基体と光反射体とが帯状の画像形成用資材の場合について、図2を用いて説明する。
【0054】
透明基体TMと光反射体Hとは、R1⊃R2、即ち、帯の幅方向であるx方向に関してL1>L2の条件を満たす帯状材料のロールの対で市場に提供される。
【0055】
図6は画像形成用資材が、帯状の透明基体とカットシート状の光反射体とを含む場合及びカットシート状の透明基体と帯状の光反射体とを含む場合を示す。
【0056】
図6(a)では、画像形成用資材は、帯状の透明基体TMとカットシート状の光反射体Hとで構成され、このような画像形成用資材では、図1、2におけるx方向の長さL1、L2、即ち、帯状の透明基体TMの幅L1とカットシート状の光反射体Hの長辺の長さL1に関して、L1>L2の条件を満たす帯状資材とカットシートの状資材の対で市場に提供される。
【0057】
図6(b)では、画像形成用資材は、カットシート状の透明基体TMと帯状の光反射体Hとで構成され、このような画像形成用資材でも、図1、2におけるx方向の長さL1、L2、即ち、カットシート状の透明基体TMの長辺L1と、帯状の光反射体Hの幅L2に関して、L1>L2の条件を満たすカットシート状資材と帯状資材の対で市場に提供される。
3.画像形成装置
図7は本発明の実施の形態に係る画像形成方法を実行する装置の第1例であるカラー画像形成装置を示す図である。
【0058】
カラー画像形成装置は画像形成部M1、貼り合わせ部M2及び裁断部M3からなる。
【0059】
画像形成部は、イエロートナー像を形成する画像形成ユニットY、マゼンタトナー像を形成する画像形成ユニットM、シアントナー像を形成する画像形成ユニットC及び黒トナー像を形成する画像形成ユニットKを有する。
【0060】
画像形成ユニットY、M、C及びKは同じ構造を有するので、画像形成ユニットYのみに、構成部の符号を付し、他の符号を省略しており、画像形成ユニットYの作動について下記に説明するが、画像形成ユニットM、C及びKも同様な作動を行う。
【0061】
ドラム状の感光体1の周囲に、帯電手段2、露光手段3、現像手段4、1次転写手段5及びクリーニング手段6が配置される。
【0062】
画像形成時には、感光体1が時計方向に回転して、感光体1に対して、帯電手段2の帯電及び露光手段の露光により、感光体1上に静電潜像が形成され、形成された静電潜像は現像手段4により現像されて感光体1上にトナー像が形成される。
【0063】
感光体1上のトナー像は1次転写手段5により中間転写体7に転写される。
【0064】
複数の支持ローラ8に張架され矢印のように移動する中間転写体7上には、画像形成ユニットYにおいて形成されたイエロートナー像、画像形成ユニットMにおいて形成されたマゼンタトナー像、画像形成ユニットCにおいて形成されたシアントナー像及び画像形成ユニットKにおいて形成された黒トナー像が重ね合わせ転写され、多色トナー像が形成される。
【0065】
中間転写体7上の多色トナー像は、2次転写手段10により、透明フィルムFに転写される。
【0066】
透明基体としての透明フィルムFはカセット12に収納されており、給紙ローラ13により1枚ずつ転写部に供給される。
【0067】
帯電手段2としては、放電極及びグリッドを有するスコロトロン帯電器が好ましく用いられる。
【0068】
露光手段3としては、画像データに基づいて発光し、感光体1をドット露光する露光装置が好ましく用いられ、レーザ走査露光装置、LEDアレイ露光装置等が好ましく用いられる。
【0069】
現像手段4としては、前記に説明した本発明のワックス含有トナーとキャリアを主成分とする二成分現像剤を用いて反転現像を行う現像装置が好ましく用いられる。
【0070】
1次転写手段5及び2次転写手段10としては、転写電圧が印加された転写ローラ又は放電極を有するコロトロン帯電器が好ましく用いられる。
【0071】
クリーニング手段6、9としては弾性ブレードを用いたブレードクリーニング装置が好ましく用いられる。
【0072】
定着手段11としては、加熱部材及び加圧部材としてローラを用いた熱ローラ定着装置又は加熱部材及び加圧部材の少なくともいずれけにベルトを用いたベルト定着装置が用いられる。
【0073】
転写された多色トナー像を担持する透明フィルムFは定着手段11を通過して定着処理された後に、画像形成部M1から排出され、貼り合わせ部M2に送られる。貼り合わせ部M2においては、光反射体としてのロール状の用紙Pが透明フィルムFに重ねられ、圧着ローラ対21間のニップを通過する。光反射体としての用紙Pは白紙にホットメルト接着剤又は粘着剤の層を形成したものであり、透明フィルムFと用紙Pとが接着又は粘着により貼り合わされる。接着又は粘着は、圧着ローラ対21による加圧又は加熱・加圧によって行われる。
【0074】
貼り合わせにより形成された複合体、即ち、プリントFPは裁断部M3に送られ、裁断部M3において、カッタ23により裁断されシート状のプリントに形成されて排紙ローラ24により、裁断部M3から排出される。
【0075】
画像形成ユニットY、M、C、Kにおいては、それぞれ感光体1上に鏡像が形成されるように、露光装置3が露光する。このような鏡像は図7、8に示す画像処理手段の画像処理により形成される。
図8は鏡像を形成するための画像処理手段を示す。
【0076】
露光手段3を駆動するための画像データを生成する画像処理手段30は、画像メモリ31から画像データを読み出し、画像データ32bを生成するが、鏡像を形成する場合には、画像処理手段30は画像メモリ31に記憶されている画像データ32aを図9のように、書込時の順序x1と反対の順序x2で主走査方向の読み出しを行い、書込時の順序yで副走査方向の読み出しを行って画像データ32bを生成する。
【0077】
感光体1上に形成された鏡像は、中間転写体7上で正像となり、透明フィルムFに転写されることにより鏡像となる。
【0078】
透明フィルムF上の鏡像は、透明フィルムFと用紙Pとが貼り合わされたプリントFPを透明フィルムFの側から見たときに正像として観察される。
【0079】
図10は本発明の実施の形態の第2例であるカラー画像形成装置を示す図である
画像形成部は、イエロートナー像を形成する画像形成ユニットY、マゼンタトナー像を形成する画像形成ユニットM、シアントナー像を形成する画像形成ユニットC及び黒トナー像を形成する画像形成ユニットKを有する。
【0080】
画像形成ユニットY、M、C及びKは共通の構造を有するので、画像形成ユニットYのみに、構成部の符号を付し、他の符号を省略しており、画像形成ユニットYの作動について下記に説明するが、画像形成ユニットM、C及びKも同様な作動を行う。
【0081】
ドラム状の感光体1の周囲に、帯電手段2、露光手段3、現像手段4、転写手段5及びクリーニング手段6が配置される。
【0082】
画像形成時には、感光体1が時計方向に回転し、帯電手段2の帯電及び露光手段3の露光により、感光体1上に静電潜像が形成され、形成された静電潜像は現像手段4により現像されて感光体1上にトナー像が形成される。
【0083】
感光体1上のトナー像は転写手段5により透明フィルムFに転写される。
【0084】
透明フィルムF上には、画像形成ユニットYにおいて形成されたイエロートナー像、画像形成ユニットMにおいて形成されたマゼンタトナー像、画像形成ユニットCにおいて形成されたシアントナー像及び画像形成ユニットKにおいて形成された黒トナー像が重ね合わせ転写され、多色トナー像が形成される。
【0085】
多色像が形成された透明フィルムFを定着手段11を通過して、多色トナー像が定着された後に、圧着ローラ対21へと搬送される。一方元巻きローラ20からは接着又は粘着層を有する用紙Pが供給され、圧着ローラ対21において透明フィルムFと重なる。透明フィルムFは元巻きローラ20から供給された用紙Pと重なり、圧着ローラ対21を通過して貼り合わされ、プリントFPが作成され、プリントFPはカッタ23により所定のサイズに裁断される。
【0086】
本例においては、露光手段3により感光体1上に原画像の正像のトナー像が形成され、透明フィルムFには鏡像のトナー像が形成される。
【0087】
形成された鏡像は、用紙Pにより裏打ちされ、透明フィルムFの像担持面と反対の面側から観察されるので、正像の写真ができあがる。
【0088】
本例では、図8の画像処理手段30が画像メモリ31から、書込時と同じ順序x1で画像データを読み出して画像データ32bを生成し、露光手段3を駆動する。
【0089】
図11は本発明の実施の形態の第3例であるカラー画像形成装置を示す図である。
【0090】
本実施の形態の画像形成部は実施の形態1の画像形成部と同一の構造を有する。
【0091】
本実施の形態が実施の形態1と異なるのは、貼り合わせ手段21、および接着剤又は粘着剤塗布手段25が画像形成部内に組み込まれる点である。
【0092】
前記に説明した画像形成工程により、多色トナー像が形成された透明フィルムFは定着装置11で定着処理された後に、圧着ローラ対21を通過する。また、元巻きロール20から供給された用紙Pの透明フィルムと対向する面に、接着剤又は粘着剤塗布手段25により接着剤又は粘着剤が塗布され、圧着ローラ対21において、透明フィルムFと用紙Pとが貼り合わされ、次にカッタ23によりユーザが望むサイズに裁断される。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の実施の形態1に係る画像形成方法の工程を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態2に係る画像形成方法の工程を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態3に係る画像形成方法の工程を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態4に係る画像形成方法の工程を示す図である。
【図5】光反射体の断面図である。
【図6】画像形成用資材の例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る画像形成方法を実行する装置の第1例であるカラー画像形成装置を示す図である。
【図8】鏡像を形成するための画像処理手段を示す図である。
【図9】画像メモリの読出を説明するための図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る画像形成方法を実行する装置の第2例であるカラー画像形成装置を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る画像形成方法を実行する装置の第3例であるカラー画像形成装置を示す図である。
【符号の説明】
【0094】
CT カッタ
G トナー像
H 光反射体
SN 接着又は粘着層
TM 透明基体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基体上に電子写真プロセスにより鏡像の画像を形成する画像形成工程及び、
前記透明基体の像担持面に接着又は粘着層を有する光反射体を貼り合わせる貼り合わせ工程を有する画像形成方法において、
前記透明基体の領域をR1、前記光反射体の領域をR2とするとき、
R1⊃R2という条件を満足する前記透明基体及び前記光反射体を用いて画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
【請求項2】
前記貼り合わせ工程により作成された画像担持体を裁断する裁断工程を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
【請求項3】
前記鏡像の画像の領域をR3とし、前記裁断工程により裁断されたプリントの領域をR4とするとき、R3⊇R4を満足することを特徴とする請求項2に記載の画像形成方法。
【請求項4】
前記R1,R2,R3及びR4が
R1⊃R2⊇R3⊇R4という条件を満足することを特徴とする請求項3に記載の画像形成方法。
【請求項5】
前記R1,R2,R3及びR4が
R1⊃R3⊇R2⊇R4という条件を満足することを特徴とする請求項3に記載の画像形成方法。
【請求項6】
前記画像は、複数の画像が重ね合わされた多色画像からなることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載の画像形成方法。
【請求項7】
前記透明基体は、透明樹脂フィルムからなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【請求項8】
前記光反射体は、白色、乳白色又は銀色の紙又はプラスチックフィルムからなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【請求項9】
前記光反射体は、接着又は粘着層を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【請求項10】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像形成方法により作成されたことを特徴とするプリント。
【請求項11】
カットシート状の透明基体とカットシート状の光反射体とを含み、前記光反射体の領域が前記透明基体の領域に含まれる大きさであることを特徴とする画像形成用資材。
【請求項12】
帯状の透明基体と帯状の光反射体とを含み、前記光反射体の幅が前記透明基体の幅よりも狭いことを特徴とする画像形成用資材。
【請求項13】
カットシート状の透明基体と帯状の光反射体を含み、前記光反射体の幅が前記透明基体の長辺の長さよりも狭いことを特徴とする画像形成用資材。
【請求項14】
帯状の透明基体とカットシートの光反射体を含み、前記光反射体長辺の長さが少なくとも前記透明基体の長辺の幅よりも狭いことを特徴とする画像形成用資材。
【請求項15】
前記光反射体が接着又は粘着層を有することを特徴とする請求項11〜14に記載の画像形成用資材。
【請求項1】
透明基体上に電子写真プロセスにより鏡像の画像を形成する画像形成工程及び、
前記透明基体の像担持面に接着又は粘着層を有する光反射体を貼り合わせる貼り合わせ工程を有する画像形成方法において、
前記透明基体の領域をR1、前記光反射体の領域をR2とするとき、
R1⊃R2という条件を満足する前記透明基体及び前記光反射体を用いて画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
【請求項2】
前記貼り合わせ工程により作成された画像担持体を裁断する裁断工程を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
【請求項3】
前記鏡像の画像の領域をR3とし、前記裁断工程により裁断されたプリントの領域をR4とするとき、R3⊇R4を満足することを特徴とする請求項2に記載の画像形成方法。
【請求項4】
前記R1,R2,R3及びR4が
R1⊃R2⊇R3⊇R4という条件を満足することを特徴とする請求項3に記載の画像形成方法。
【請求項5】
前記R1,R2,R3及びR4が
R1⊃R3⊇R2⊇R4という条件を満足することを特徴とする請求項3に記載の画像形成方法。
【請求項6】
前記画像は、複数の画像が重ね合わされた多色画像からなることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載の画像形成方法。
【請求項7】
前記透明基体は、透明樹脂フィルムからなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【請求項8】
前記光反射体は、白色、乳白色又は銀色の紙又はプラスチックフィルムからなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【請求項9】
前記光反射体は、接着又は粘着層を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【請求項10】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像形成方法により作成されたことを特徴とするプリント。
【請求項11】
カットシート状の透明基体とカットシート状の光反射体とを含み、前記光反射体の領域が前記透明基体の領域に含まれる大きさであることを特徴とする画像形成用資材。
【請求項12】
帯状の透明基体と帯状の光反射体とを含み、前記光反射体の幅が前記透明基体の幅よりも狭いことを特徴とする画像形成用資材。
【請求項13】
カットシート状の透明基体と帯状の光反射体を含み、前記光反射体の幅が前記透明基体の長辺の長さよりも狭いことを特徴とする画像形成用資材。
【請求項14】
帯状の透明基体とカットシートの光反射体を含み、前記光反射体長辺の長さが少なくとも前記透明基体の長辺の幅よりも狭いことを特徴とする画像形成用資材。
【請求項15】
前記光反射体が接着又は粘着層を有することを特徴とする請求項11〜14に記載の画像形成用資材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−337899(P2006−337899A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−165325(P2005−165325)
【出願日】平成17年6月6日(2005.6.6)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月6日(2005.6.6)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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