説明

画像形成方法及び画像形成装置

【課題】一の画像と他の画像との組み合わせが正しいか否かを目視により簡単に検証する。
【解決手段】組み合わされるべきコンテンツが嵌め込まれる一又は複数のフィールドを有するフォーム画像と、フィールドに嵌め込まれるべき一又は複数のコンテンツを有するコンテンツ画像と、を合成して合成画像を形成する際に、フォーム画像の余白領域にフォーム画像の属性を示すフォーム側検出マークを配置し、コンテンツ画像の余白領域におけるフォーム画像のフォーム側検出マークに対応する位置に、コンテンツ画像とフォーム画像との組み合わせが正しい場合にフォーム側検出マークと一体化して予め定められた模様を形成するコンテンツ側検出マークを配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成方法及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、POD(Print On Demand)分野におけるバリアブル印刷の普及に伴い、バリアブル印刷された印刷物の品質確保が重要課題となりつつある。バリアブル印刷では、基本的に全てのページの内容が別々となり得るため、オフセット印刷の印刷物のような目視による全品検査は非常に困難である。
【0003】
例えば、ページ単位に異なるデータが印刷された印刷物の画像をスキャンし、それぞれ必要なマスクを施して、背景絵柄の基準画像データ(フォーム)及び可変データを抽出し、元のデータと比較することで印刷物を検査する印刷物検査装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
また、印刷物の余白領域に印刷内容を示すバーコード等の付加情報を印刷し、この付加情報をスキャンして、スキャンデータをデータベース内のデータと比較する等の検証方法が用いられている。
【特許文献1】特開2003−54096号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来技術のように、画像や付加情報をスキャンする方法は、スキャン機構と、ページ毎に異なるデータが蓄積されたデータベースとを連動させる比較的大きな規模のシステム構築が必要であり、従来、目視確認を主としてきた事業規模のユーザには、コスト的に導入が困難であった。そのため、バリアブル印刷において合成される画像の組み合わせが正しいか否かについて、従来通り、目視によって容易に全品検査を行う方法が望まれていた。
【0006】
本発明は上記の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、一の画像と他の画像との組み合わせが正しいか否かを目視により簡単に検証することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、組み合わされるべき嵌め込み画像が嵌め込まれる一又は複数の嵌め込み領域を有する一の画像と、前記嵌め込み領域に嵌め込まれるべき一又は複数の嵌め込み画像を有する他の画像と、を合成して合成画像を形成する画像形成方法であって、前記一の画像の余白領域に前記一の画像の属性を示す一の検出マークを配置する工程と、前記他の画像の余白領域における前記一の画像の一の検出マークに対応する位置に、当該他の画像と前記一の画像との組み合わせが正しい場合に前記一の検出マークと一体化して予め定められた模様を形成する他の検出マークを配置する工程と、を含む。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成方法において、前記一の画像の属性は、前記一の画像の識別情報、ページ番号又は当該一の画像の嵌め込み領域の属性を含む。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像形成方法において、前記一の検出マークは、前記一の画像の属性を表す2進数コードの各ビット値に対応した2種類の異なる濃度の図形が一方向に配列されてなり、前記他の検出マークは、前記一の検出マークの図形と同一方向に配列され濃度の関係が逆の図形である。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像形成方法において、前記一の検出マーク及び他の検出マークの2種類の異なる濃度の図形のいずれか一方は灰色であり、他方は白色である。
【0011】
請求項5に記載の発明は、組み合わされるべき嵌め込み画像が嵌め込まれる一又は複数の嵌め込み領域を有する一の画像と、前記嵌め込み領域に嵌め込まれるべき一又は複数の嵌め込み画像を有する他の画像と、を合成して合成画像を形成する画像形成装置であって、前記一の画像の余白領域に前記一の画像の属性を示す一の検出マークを配置し、前記他の画像の余白領域における前記一の画像の一の検出マークに対応する位置に、当該他の画像と前記一の画像との組み合わせが正しい場合に前記一の検出マークと一体化して予め定められた模様を形成する他の検出マークを配置し、前記一の画像と前記他の画像とを合成する制御部と、前記制御部により合成された合成画像を用紙上に印刷する印刷部と、を備える。
【0012】
請求項6に記載の発明は、組み合わされるべき嵌め込み画像が嵌め込まれる一又は複数の嵌め込み領域を有する一の画像及び当該一の画像の属性を示す一の検出マークが予め形成された用紙上に、前記嵌め込み領域に嵌め込まれるべき一又は複数の嵌め込み画像を有する他の画像を形成する画像形成装置であって、前記他の画像の余白領域における前記一の画像の一の検出マークに対応する位置に、当該他の画像と前記一の画像との組み合わせが正しい場合に前記一の検出マークと一体化して予め定められた模様を形成する他の検出マークを配置した画像を生成する制御部と、前記制御部により生成された画像を前記用紙上に印刷する印刷部と、を備える。
【発明の効果】
【0013】
請求項1、5、6に記載の発明によれば、一の検出マークと他の検出マークとで形成される模様により、一の画像と他の画像との組み合わせが正しいか否かを目視により簡単に検証することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、一の画像の識別情報、ページ番号又は一の画像の嵌め込み領域の属性に基づいて、一の画像と他の画像との組み合わせが正しいか否かを検証することができる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、他の検出マークを一の検出マークの図形と濃度の関係が逆の図形とすることにより、一の画像と他の画像との組み合わせが正しい場合には一様な濃度の模様が形成されるので、一の画像と他の画像との組み合わせが正しくない場合に、目視による判断が容易になる。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、一の画像と他の画像との組み合わせが正しい場合には灰色一色の模様が形成され、一の画像と他の画像との組み合わせが正しくない場合には白色又は黒色の部分が生じるので、目視による判断が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
[第1の実施の形態]
以下、本発明に係る画像形成装置の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1に、本発明の第1の実施の形態における画像形成装置100の機能的構成を示す。
画像形成装置100は、組み合わされるべき嵌め込み画像(以下、コンテンツという。)が嵌め込まれる一又は複数の嵌め込み領域(以下、フィールドという。)を有する一の画像(以下、フォーム画像という。)と、フォーム画像の各フィールドに嵌め込まれるべき一又は複数のコンテンツを有する他の画像(以下、コンテンツ画像という。)と、を合成して合成画像を形成する。画像形成装置100は、フォーム画像に、相異なるコンテンツ画像をそれぞれ合成してバリアブル印刷を行う。
【0018】
図1に示すように、画像形成装置100は、CPU(Central Processing Unit)10、RAM(Random Access Memory)20、ROM(Read Only Memory)30、記憶部40、通信部50、印刷部60を備え、各部はバス70により接続されて構成されている。
【0019】
CPU10は、通信部50により受信した指示信号に応じて、ROM30に格納されている各種処理プログラムを読み出し、当該プログラムとの協働により、画像形成装置100の各部の処理動作を統括的に制御する。
【0020】
具体的に、CPU10は、ROM30に格納されている主制御プログラム31との協働により、画像形成装置100において実行される処理動作を統括的に制御する。
【0021】
CPU10は、ROM30に格納されているRIP(Raster Image Processor)処理プログラム32との協働により、文字列や画像のデータをラスタデータ(ビットマップ)に展開するRIP処理を行う。RIP処理により生成されたラスタデータは、RAM20のラスタデータ格納部21に格納される。
【0022】
CPU10は、ROM30に格納されているフォーム制御プログラム33との協働により、フォーム画像の属性を示す一の検出マーク(以下、フォーム側検出マークという。)を生成する。そして、CPU10は、フォーム画像の余白領域にフォーム側検出マークを配置し、フォーム画像にフォーム側検出マークを合成する。
【0023】
CPU10は、ROM30に格納されているコンテンツ制御プログラム34との協働により、コンテンツ画像とフォーム画像との組み合わせが正しい場合にフォーム側検出マークと一体化して予め定められた模様を形成する他の検出マーク(以下、コンテンツ側検出マークという。)を生成する。第1の実施の形態では、「予め定められた模様」は、一様な濃度の灰色一色の模様とする。そして、CPU10は、コンテンツ画像の余白領域におけるフォーム画像のフォーム側検出マークに対応する位置に、コンテンツ側検出マークを配置し、コンテンツ画像にコンテンツ側検出マークを合成する。
【0024】
CPU10は、ROM30に格納されている合成処理プログラム35との協働により、合成すべき画像のラスタデータ同士を合成する。例えば、CPU10は、フォーム側検出マークが合成されたフォーム画像とコンテンツ側検出マークが合成されたコンテンツ画像とを合成する。
【0025】
RAM20は、CPU10により実行される各種処理プログラム及びこれらプログラムに係るデータを一時的に記憶するワークエリアを形成する。RAM20は、ラスタデータ格納部21、情報コード格納部22を有する。
【0026】
ROM30には、CPU10により実行される主制御プログラム31、RIP処理プログラム32、フォーム制御プログラム33、コンテンツ制御プログラム34、合成処理プログラム35等の各種処理プログラムやデータ等が格納されている。
【0027】
記憶部40は、各種データを記憶するハードディスク等の記憶装置であり、コンテンツタイプテーブル41、フォントタイプテーブル42、文字数タイプテーブル43、画像サイズタイプテーブル44等が格納されている。
【0028】
図2(a)に、コンテンツタイプテーブル41の例を示す。コンテンツタイプテーブル41は、コンテンツタイプ、コンテンツ内容、コードが対応付けられたテーブルである。コンテンツタイプは、コンテンツの分類を示す。例えば、コンテンツタイプ「Chr」のコンテンツ内容は「文字列」であり、コードは「01」である。また、コンテンツタイプ「Pic」のコンテンツ内容は「画像」であり、コードは「02」である。また、コンテンツタイプ「Vec」のコンテンツ内容は「ベクタデータ」であり、コードは「03」である。
【0029】
図2(b)に、フォントタイプテーブル42の例を示す。フォントタイプテーブル42は、フォントタイプ、フォント名、コードが対応付けられたテーブルである。フォントタイプは、コンテンツが文字列の場合のフォントの分類を示す。例えば、フォントタイプ「F1」のフォント名は「MSゴシック」であり、コードは「01」である。また、フォントタイプ「F2」のフォント名は「MS明朝」であり、コードは「02」である。フォントタイプ「F3」のフォント名は「MSPゴシック」であり、コードは「03」である。
【0030】
図2(c)に、文字数タイプテーブル43の例を示す。文字数タイプテーブル43は、文字数タイプ、文字数範囲、コードが対応付けられたテーブルである。文字数タイプは、コンテンツが文字列の場合の文字列長の分類を示す。例えば、文字数タイプ「S1」の文字数範囲は「10文字以下」であり、コードは「01」である。また、文字数タイプ「S2」の文字数範囲は「11〜30文字」であり、コードは「02」である。また、文字数タイプ「S3」の文字数範囲は「31文字以上」であり、コードは「03」である。
【0031】
図2(d)に、画像サイズタイプテーブル44の例を示す。画像サイズタイプテーブル44は、画像サイズタイプ、画像サイズ、コードが対応付けられたテーブルである。画像サイズタイプは、コンテンツが画像の場合の画像の縦横のサイズ(dot数)の分類を示す。例えば、画像サイズタイプ「P1」の画像サイズは「1280×640」であり、コードは「01」である。また、画像サイズタイプ「P2」の画像サイズは「720×720」であり、コードは「02」である。また、画像サイズタイプ「P3」の画像サイズは「640×1280」であり、コードは「03」である。
【0032】
通信部50は、LAN(Local Area Network)等のネットワークに接続し、外部機器とデータ通信を行うための機能部である。
【0033】
印刷部60は、用紙上に電子写真方式の画像形成を行うものであり、感光ドラム、感光ドラムの帯電を行う帯電部、画像データに基づいて感光ドラム表面を露光する露光部、感光ドラムにトナーを付着させる現像部、感光ドラム上に形成されたトナー像を用紙に転写する転写部、用紙上に形成されたトナー像を定着させる定着部から構成される。なお、印刷部60は、インクジェット方式、熱転写方式等であってもよい。
【0034】
画像形成装置100は、ネットワークを経由して通信部50によりバリアブル印刷の印刷命令を受信し、印刷部60により印刷出力する。具体的には、まず、画像形成装置100は、バリアブル印刷の共通部分であるフォーム画像に関する情報を含む登録用ジョブ(以下、フォーム登録ジョブという。)をネットワークを介して受信し、次に、バリアブル印刷の可変部分であるコンテンツ画像に関する情報を含む印刷ジョブ(以下、印刷ジョブという。)をネットワークを介して受信し、当該印刷ジョブの処理の中でフォーム画像とコンテンツ画像の合成及び印刷を行う。フォーム登録ジョブと印刷ジョブは、一つのジョブとして一度に受信されることとしてもよい。
【0035】
図3に、フォーム登録ジョブの構成例を示す。フォーム登録ジョブは、ジョブヘッダJ1、フォームに関する情報J2、フォーム画像データJ3を含む。ジョブヘッダJ1は、フォーム画像の用紙サイズ等の情報を含む。フォームに関する情報J2は、フォーム画像の識別情報であるフォーム識別コード(106)と各フィールドの属性情報とを含む。ここで、フィールドの属性情報は、各フィールド1〜3の識別名(Field101〜103)、コンテンツタイプ(Chr、Pic等)を含む。コンテンツタイプが文字列(Chr)の場合には、フィールドの属性情報は、さらに、フォントタイプ(F1、F2、F3)及び文字数タイプ(S1、S2、S3)を含む。一方、コンテンツタイプが画像(Pic)の場合には、フィールドの属性情報は、画像サイズタイプ(P1、P2、P3)を含む。
【0036】
図3に示すフォーム登録ジョブの例では、フィールド1のコンテンツ内容は「文字列」、フォントは「MSゴシック」、文字数は「10文字以下」である。また、フィールド2及びフィールド3のコンテンツ内容は「画像」、画像サイズは「1280×640」である。
【0037】
ここでは、コンテンツタイプテーブル41、フォントタイプテーブル42、文字数タイプテーブル43、画像サイズタイプテーブル44が予め用意されており、各テーブルの対応関係に基づいてフォーム登録ジョブのコンテンツタイプ、フォントタイプ、文字数タイプ、画像サイズタイプが記述されていることとしたが、テーブルによる分類ではなく、フォーム登録ジョブのフォームに関する情報内で直接値を指定してもよい。例えば、フォーム登録ジョブにおいて、画像サイズを縦/横のdot数の値で直接指定してもよい。
【0038】
図4(a)に、印刷ジョブの構成例を示す。印刷ジョブは、ジョブヘッダJ4、ページ情報J5、画像データJ6を含む。ジョブヘッダJ4は、ジョブ名、用紙サイズ、仕上げ情報等のジョブ全体に関する情報を含む。ページ情報J5は、各ページ1〜Mに関する情報を含む。画像データJ6は、コンテンツとして使用されるコンテンツ画像データ1〜Nを含む。コンテンツ画像データ1〜Nは、ジョブの先頭からの配置順等の一意の番号であるコンテンツ画像番号にて識別される。
【0039】
図4(b)に、ページ情報J5のうち、1ページ目のページ情報であるページ1情報の構成例を示す。ページ1情報は、ページ番号(1)、当該ページが処理されるべき対応フォーム識別コード(106)、各フィールドの属性情報を含む。ここで、フィールドの属性情報は、各フィールドの識別名(Field101〜103)、コンテンツタイプ(Chr、Pic等)を含む。コンテンツタイプが文字列(Chr)の場合には、フィールドの属性情報は、さらに、フォントタイプ(F1、F2、F3)及び文字列を含む。一方、コンテンツタイプが画像(Pic)の場合には、フィールドの属性情報は、コンテンツ画像番号(1〜N)を含む。
【0040】
次に、フォーム側検出マークの生成方法を説明する。図5に示すように、フォーム画像の属性情報は、34バイトの構造のデータである。CPU10は、フォーム識別コード、ページ番号、各フィールドの属性情報(フィールド名、コンテンツタイプ、フォントタイプ、文字数タイプ、画像サイズタイプ)の各データの値を2進数に変換し、2進数コードの各ビット値に対応した2種類の異なる濃度の図形を一方向に配列し、それをラスタライズした画像をフォーム側検出マークとする。具体的には、フォーム画像の属性情報を表す2進数コードのビット値が0であれば白色、ビット値が1であれば灰色で表した長方形を一方向に配列し、フォーム側検出マークを生成する。フォーム識別コード及び各フィールドの属性情報については、フォーム登録ジョブのフォームに関する情報J2から取得される。ページ番号については、ページ毎に異なるため、後述する印刷ジョブ受付処理(図15参照)においてフォーム画像にページ番号部分のフォーム側検出マークが付加される。
【0041】
例えば、フォーム識別コードが106の場合、106(10進)=01101010(2進)であるため、0=白色、1=灰色としてフォーム識別コードに対応する部分のフォーム側検出マークを生成する。図6(a)に、フォーム識別コードが106の場合のフォーム側検出マークの一部を示す。
【0042】
次に、コンテンツ側検出マークの生成方法を説明する。コンテンツ側検出マークが示す情報も、フォーム画像の属性情報と同様、34バイトの構造のデータである。CPU10は、フォーム識別コード、ページ番号、各フィールドの属性情報(フィールド名、コンテンツタイプ、フォントタイプ、文字数タイプ、画像サイズタイプ)の各データの値を2進数に変換し、2進数コードのビット値が0であれば灰色、ビット値が1であれば白色で表した長方形を一方向に配列し、それをラスタライズした画像をコンテンツ側検出マークとする。すなわち、コンテンツ側検出マークは、フォーム側検出マークの図形と同一方向に配列され濃度の関係が逆の図形である。フォーム識別コード、ページ番号、各フィールドの属性情報は、ページ情報J5及び画像データJ6から取得される。
【0043】
例えば、フォーム識別コードが106の場合、106(10進)=01101010(2進)であるため、0=灰色、1=白色としてフォーム識別コードに対応する部分のコンテンツ側検出マークを生成する。図6(b)に、フォーム識別コードが106の場合のコンテンツ側検出マークの一部を示す。
【0044】
フォーム側検出マークとコンテンツ側検出マークの合成では、それぞれの濃度が加算合計される。フォーム側検出マークが白色でコンテンツ側検出マークが灰色の場合、又は、フォーム側検出マークが灰色でコンテンツ側検出マークが白色の場合、すなわち、フォーム側検出マークとコンテンツ側検出マークの両画像が示す情報が一致した場合には、合成結果は灰色になる。また、フォーム側検出マークが白色でコンテンツ側検出マークが白色の場合には、合成結果は白色となり、フォーム側検出マークが灰色でコンテンツ側検出マークが灰色の場合には、合成結果は黒色となる。すなわち、フォーム側検出マークとコンテンツ側検出マークの両画像が示す情報が一致しない場合には、合成結果は白色又は黒色となる。
【0045】
図7(a)に、フォーム識別コードが同じフォーム側検出マーク(フォーム識別コード=106)とコンテンツ側検出マーク(フォーム識別コード=106)が合成された場合の合成結果の例を示す。この場合、合成された画像は、一様な濃度の灰色一色の模様を形成する。また、図7(b)に、フォーム識別コードが異なるフォーム側検出マーク(フォーム識別コード=106)とコンテンツ側検出マーク(フォーム識別コード=205)が合成された場合の合成結果の例を示す。フォーム識別コード以外の情報についても同様の処理を行うことにより、全てのデータが正しい場合のみ、全体として灰色一色の模様が印刷され、一つでも間違いがあれば、白色又は黒色のノイズが生じる結果となる。
【0046】
図8に、フォーム画像の例を示す。図8に示すように、フォーム画像81上には、バリアブルデータ印刷用のフィールド1〜3がある。フィールド1は、顧客氏名のテキストが嵌め込まれる領域であり、フィールド2、フィールド3は、当該顧客に対応する画像データが嵌め込まれる領域である。フォーム画像81には、必要に応じてトンボ図形82が形成され、その外側の余白領域に、フォーム側検出マーク83が合成される。
【0047】
図9に、コンテンツ画像の例を示す。図9に示すように、フィールド1に対応する顧客氏名のラスタデータ91と、フィールド2に対応する画像データ92と、フィールド3に対応する画像データ93とが、フォーム画像81のフィールド1〜3に対応する位置に合わせて白紙画像94上に合成される。また、図8のフォーム側検出マーク83に対応する位置に、コンテンツ側検出マーク95が合成される。
【0048】
なお、コンテンツ画像は、白紙画像94上に各コンテンツのラスタデータが合成されたものではなく、フィールド1〜3のラスタデータ及びコンテンツ側検出マークの集合体であってもよい。この場合は、コンテンツ画像を白紙画像94上に合成する処理を省くことができるため、処理全体の高速化が図れる。
【0049】
図10に、正しい組み合わせのフォーム画像とコンテンツ画像が合成された場合に印刷される画像例を示す。フォーム側検出マークとコンテンツ側検出マークが合成された部分101は、一様な濃度の灰色一色の模様を形成している。
【0050】
図11に、誤った組み合わせのフォーム画像とコンテンツ画像が合成された場合に印刷される画像例を示す。フォーム側検出マークとコンテンツ側検出マークが合成された部分102には、白色又は黒色の部分が生じている。
【0051】
次に、動作を説明する。
図12は、画像形成装置100において実行されるフォーム登録ジョブ受付処理を示すフローチャートである。フォーム登録ジョブ受付処理は、CPU10と、ROM30に記憶されているプログラム(主制御プログラム31、RIP処理プログラム32、フォーム制御プログラム33、合成処理プログラム35)との協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0052】
まず、画像形成装置100の通信部50により、ネットワークを介してフォーム登録ジョブが受信されると、CPU10により、フォーム登録ジョブからジョブヘッダJ1が読み出される(ステップA1)。
【0053】
次に、CPU10により、フォーム登録ジョブからフォーム画像データJ3が読み出され(ステップA2)、ジョブヘッダJ1に含まれる用紙サイズに合わせてフォーム画像データJ3のRIP処理が行われ、フォーム画像データJ3のラスタデータ(以下、フォームラスタデータという。)が生成される(ステップA3)。この際、トンボ図形の指定等があれば、その画像も生成される。そして、CPU10により、フォームラスタデータは、ラスタデータ格納部21に格納される(ステップA4)。
【0054】
次に、CPU10により、フォーム登録ジョブからフォームに関する情報J2が読み出され、情報コード格納部22に格納される(ステップA5)。また、CPU10により、情報コード格納部22内のフォームに関する情報J2に、対応するフォームラスタデータの検索ができるようにリンク情報が付加される(ステップA6)。
【0055】
次に、CPU10により、フォームに関する情報J2に基づいてフォーム側検出マークが生成される(ステップA7)。
【0056】
ここで、図13を参照して、フォーム側検出マーク生成処理について説明する。フォーム側検出マーク生成処理は、CPU10と、ROM30に記憶されているフォーム制御プログラム33との協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0057】
図13に示すように、CPU10により、情報コード格納部22に格納されているフォームに関する情報J2からフォーム識別コードが取得され(ステップB1)、フォーム識別コードについてコードのラスタ化処理が行われる(ステップB2)。
【0058】
コードのラスタ化処理では、図14に示すように、まず、CPU10により、対象となるコードが2進数に変換される(ステップC1)。
【0059】
次に、CPU10により、2進数化されたコードについて未処理のビットがあるか否かが判断される(ステップC2)。未処理のビットがある場合には(ステップC2;YES)、処理中の検出マークがフォーム側検出マークであるか、コンテンツ側検出マークであるかが判断される(ステップC3)。
【0060】
処理中の検出マークがフォーム側検出マークである場合には(ステップC3;フォーム側検出マーク)、CPU10により、対象ビット値が1であるか否かが判断される(ステップC4)。対象ビット値が1である場合には(ステップC4;YES)、CPU10により、対象ビット値に対応する画像描画位置を灰色画像とするラスタデータが生成される(ステップC5)。対象ビット値が0である場合には(ステップC4;NO)、CPU10により、対象ビット値に対応する画像描画位置を白色画像とするラスタデータが生成される(ステップC6)。
【0061】
処理中のコードがコンテンツ側検出マークである場合には(ステップC3;コンテンツ側検出マーク)、CPU10により、対象ビット値が1であるか否かが判断される(ステップC7)。対象ビット値が1である場合には(ステップC7;YES)、CPU10により、対象ビット値に対応する画像描画位置を白色画像とするラスタデータが生成される(ステップC8)。対象ビット値が0である場合には(ステップC7;NO)、CPU10により、対象ビット値に対応する画像描画位置を灰色画像とするラスタデータが生成される(ステップC9)。
【0062】
ステップC5、ステップC6、ステップC8又はステップC9の後、画像描画位置がシフトされ(ステップC10)、ステップC2に戻り、処理が繰り返される。ステップC2において、未処理のビットがなくなった場合には(ステップC2;NO)、コードのラスタ化処理が終了する。
【0063】
次に、図13に示すように、CPU10により、情報コード格納部22に格納されているフォームに関する情報J2が参照され、未処理のフィールドがあるか否かが判断される(ステップB3)。未処理のフィールドがある場合には(ステップB3;YES)、CPU10により、フォームに関する情報J2から未処理のフィールドのフィールド名が取得され(ステップB4)、フィールド名のアスキーコードについてコードのラスタ化処理(図14参照)が行われる(ステップB5)。
【0064】
次に、CPU10により、フォームに関する情報J2から未処理のフィールドのコンテンツタイプが取得され、コンテンツタイプテーブル41から当該コンテンツタイプに対応するコードが取得される(ステップB6)。そして、コンテンツタイプのコードのラスタ化処理(図14参照)が行われる(ステップB7)。
【0065】
次に、CPU10により、フィールドのコンテンツタイプが文字列であるか、画像であるかが判断される(ステップB8)。コンテンツタイプが文字列である場合には(ステップB8;文字列)、フォームに関する情報J2から未処理のフィールドのフォントタイプが取得され、フォントタイプテーブル42から当該フォントタイプに対応するコードが取得される(ステップB9)。そして、フォントタイプのコードのラスタ化処理(図14参照)が行われる(ステップB10)。
【0066】
次に、CPU10により、フォームに関する情報J2から未処理のフィールドの文字数タイプが取得され、文字数タイプテーブル43から当該文字数タイプに対応するコードが取得される(ステップB11)。そして、文字数タイプのコードのラスタ化処理(図14参照)が行われる(ステップB12)。
【0067】
一方、ステップB8において、コンテンツタイプが画像である場合には(ステップB8;画像)、CPU10により、フォームに関する情報J2から未処理のフィールドの画像サイズタイプが取得され、画像サイズタイプテーブル44から当該画像サイズタイプに対応するコードが取得される(ステップB13)。そして、画像サイズタイプのコードのラスタ化処理(図14参照)が行われる(ステップB14)。
【0068】
ステップB12又はステップB14の後、ステップB3に戻り、未処理のフィールドがなくなるまで処理が繰り返される。ステップB3において、未処理のフィールドがなくなった場合には(ステップB3;NO)、フォーム側検出マーク生成処理が終了する。
【0069】
フォーム側検出マーク生成処理の後、図12に示すように、CPU10により、フォーム側検出マークがフォームラスタデータの余白領域に配置され、合成される(ステップA8)。そして、合成後のフォームラスタデータがラスタデータ格納部21に格納される(ステップA9)。
以上で、フォーム登録ジョブ受付処理が終了する。
【0070】
次に、印刷ジョブ受付処理を説明する。図15は、画像形成装置100において実行される印刷ジョブ受付処理を示すフローチャートである。印刷ジョブ受付処理は、CPU10と、ROM30に記憶されているプログラム(主制御プログラム31、RIP処理プログラム32、コンテンツ制御プログラム34、合成処理プログラム35)との協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0071】
まず、画像形成装置100の通信部50により、ネットワークを介して印刷ジョブが受信されると、CPU10により、印刷ジョブからジョブヘッダJ4が読み出される(ステップD1)。
【0072】
次に、CPU10により、印刷ジョブについて未処理のページがあるか否かが判断される(ステップD2)。印刷ジョブについて未処理のページがある場合には(ステップD2;YES)、CPU10により、印刷ジョブから処理対象ページのページ情報が読み出され(ステップD3)、情報コード格納部22に格納される。
【0073】
次に、CPU10により、対象ページのページラスタデータが初期化(白紙化)され(ステップD4)、ラスタデータ格納部21に格納される。
【0074】
次に、CPU10により、情報コード格納部22に格納されている処理対象ページのページ情報が参照され、未処理のフィールドがあるか否かが判断される(ステップD5)。未処理のフィールドがある場合には(ステップD5;YES)、CPU10により、ページ情報が参照され、フィールドのコンテンツタイプが文字列であるか、画像であるかが判断される(ステップD6)。
【0075】
フィールドのコンテンツタイプが文字列である場合には(ステップD6;文字列)、CPU10により、ページ情報からフォントタイプが取得され、フォントタイプテーブル42からそのフィールドのフォントタイプに対応するフォント名が取得される(ステップD7)。そして、CPU10により、ページ情報から文字列が取得され、ステップD7で取得されたフォント名のフォントで表した対象文字列のRIP処理が行われる(ステップD8)。そして、CPU10により、対象文字列のラスタデータがラスタデータ格納部21に格納され、ページラスタデータに合成される(ステップD9)。
【0076】
ステップD6において、フィールドのコンテンツタイプが画像である場合には(ステップD6;画像)、ページ情報中で指定されているコンテンツ画像番号に対応するコンテンツ画像データが印刷ジョブから読み出され(ステップD10)、コンテンツ画像データのRIP処理が行われる(ステップD11)。そして、CPU10により、コンテンツ画像データのラスタデータがラスタデータ格納部21に格納され、ページラスタデータに合成される(ステップD12)。
【0077】
ステップD9又はステップD12の後、ステップD5に戻り、未処理のフィールドがなくなるまで処理が繰り返される。未処理のフィールドがなくなった場合には(ステップD5;NO)、コンテンツ側検出マークが生成される(ステップD13)。
【0078】
ここで、図16を参照して、コンテンツ側検出マーク生成処理について説明する。コンテンツ側検出マーク生成処理は、CPU10と、ROM30に記憶されているコンテンツ制御プログラム34との協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0079】
図16に示すように、CPU10により、情報コード格納部22に格納されているページ情報から対応フォーム識別コードが取得され(ステップE1)、対応フォーム識別コードについてコードのラスタ化処理(図14参照)が行われる(ステップE2)。
【0080】
次に、CPU10により、ページ情報からページ番号が取得され(ステップE3)、ページ番号についてコードのラスタ化処理(図14参照)が行われる(ステップE4)。
【0081】
次に、CPU10により、ページ情報が参照され、未処理のフィールドがあるか否かが判断される(ステップE5)。未処理のフィールドがある場合には(ステップE5;YES)、ページ情報から未処理のフィールドのフィールド名が取得され(ステップE6)、フィールド名のアスキーコードについてコードのラスタ化処理(図14参照)が行われる(ステップE7)。
【0082】
次に、CPU10により、ページ情報から未処理のフィールドのコンテンツタイプが取得され、コンテンツタイプテーブル41から当該コンテンツタイプに対応するコードが取得される(ステップE8)。そして、コンテンツタイプのコードのラスタ化処理(図14参照)が行われる(ステップE9)。
【0083】
次に、CPU10により、フィールドのコンテンツタイプが文字列であるか、画像であるかが判断される(ステップE10)。フィールドのコンテンツタイプが文字列である場合には(ステップE10;文字列)、ページ情報から未処理のフィールドのフォントタイプが取得され、フォントタイプテーブル42から当該フォントタイプに対応するコードが取得される(ステップE11)。そして、フォントタイプのコードのラスタ化処理(図14参照)が行われる(ステップE12)。
【0084】
次に、CPU10により、ページ情報から未処理のフィールドの文字列が取得され、文字列の文字数が取得される(ステップE13)。そして、CPU10により、文字数タイプテーブル43から当該文字列の文字数に対応するコードが取得され(ステップE14)、文字数タイプのコードのラスタ化処理(図14参照)が行われる(ステップE15)。
【0085】
一方、ステップE10において、フィールドのコンテンツタイプが画像である場合には(ステップE10;画像)、ページ情報から未処理のフィールドのコンテンツ画像番号が取得され、印刷ジョブからコンテンツ画像番号に対応するコンテンツ画像データの画像サイズが取得される(ステップE16)。そして、画像サイズタイプテーブル44から当該画像サイズに対応するコードが取得され(ステップE17)、画像サイズタイプのコードのラスタ化処理(図14参照)が行われる(ステップE18)。
【0086】
ステップE15又はステップE18の後、ステップE5に戻り、未処理のフィールドがなくなるまで処理が繰り返される。ステップE5において、未処理のフィールドがなくなった場合には(ステップE5;NO)、コンテンツ側検出マーク生成処理が終了する。
【0087】
コンテンツ側検出マーク生成処理の後、図15に示すように、CPU10により、コンテンツ側検出マークがページラスタデータの余白領域に配置され、合成される(ステップD14)。コンテンツ側検出マークの位置は、フォームラスタデータにおけるフォーム側検出マークの位置に対応している。
【0088】
次に、CPU10により、ページ情報内の対応フォーム識別コードで識別されるフォームについて、情報コード格納部22からフォームに関する情報J2が検索され、フォームに関する情報J2に付加されているリンク情報に基づいてラスタデータ格納部21からフォームラスタデータが取得される(ステップD15)。ここで、CPU10により、処理対象ページのページ番号部分のフォーム側検出マークが生成され、フォームラスタデータに付加される。
【0089】
次に、CPU10により、コンテンツ画像のページラスタデータとフォームラスタデータとが合成され(ステップD16)、合成されたラスタデータがラスタデータ格納部21に格納される。
【0090】
次に、合成されたラスタデータに基づいて、印刷部60により、合成画像が用紙上に印刷される(ステップD17)。そして、ステップD2に戻り、未処理のページがなくなるまで処理が繰り返される。ステップD2において、未処理のページがなくなった場合には(ステップD2;NO)、印刷ジョブ受付処理が終了する。
【0091】
以上説明したように、第1の実施の形態における画像形成装置100によれば、フォーム画像とコンテンツ画像との合成時に、フォーム側検出マークとコンテンツ側検出マークとで形成される模様により、フォーム画像とコンテンツ画像との組み合わせが正しいか否かを目視により簡単に検証することができる。
【0092】
また、フォーム識別コード、ページ番号又はフィールドの属性情報に基づいて、フォーム画像とコンテンツ画像との組み合わせが正しいか否かを検証することができる。
【0093】
また、コンテンツ側検出マークをフォーム側検出マークの図形と濃度の関係が逆の図形とすることにより、フォーム画像とコンテンツ画像との組み合わせが正しい場合には一様な濃度の模様が形成されるので、フォーム画像とコンテンツ画像との組み合わせが正しくない場合に、目視による判断が容易になる。
【0094】
第1の実施の形態のように、2進数コードの各ビット値に対応して灰色と白色でコンテンツ側検出マーク及びフォーム側検出マークを生成した場合には、フォーム画像とコンテンツ画像との組み合わせが正しい場合には灰色一色の模様が形成され、フォーム画像とコンテンツ画像との組み合わせが正しくない場合には白色又は黒色の部分が生じるので、目視による判断が容易になる。
【0095】
また、コンテンツ側検出マーク及びフォーム側検出マークにフォントタイプや文字数タイプを示すコードが含まれるので、バリアブルデータのフォントの種類の間違いや文字数溢れをチェックすることができる。
【0096】
[第2の実施の形態]
次に、本発明に係る画像形成装置の第2の実施の形態について説明する。
第1の実施の形態では、フォーム画像のラスタデータとコンテンツ画像のラスタデータを合成して印刷を行う場合について説明したが、第2の実施の形態では、フォーム画像とコンテンツ画像の印刷処理をそれぞれ別の装置で行う。
【0097】
第2の実施の形態における画像形成装置は、組み合わされるべきコンテンツが嵌め込まれる一又は複数のフィールドを有するフォーム画像及びフォーム画像の属性を示すフォーム側検出マークが予め形成された用紙上に、各フィールドに嵌め込まれるべき一又は複数のコンテンツを有するコンテンツ画像を形成する。用紙に予め印刷されているフォーム側検出マークの生成方法については、図13に示したフォーム側検出マーク生成処理と同様であるが、フォーム側検出マークには、ページ順に生成されたページ番号も含まれている。
【0098】
第2の実施の形態における画像形成装置は、第1の実施の形態に示した画像形成装置100と同様の構成によってなるため、同一の構成部分については同一の符号を付し、その構成については図示及び説明を省略する。以下、第2の実施の形態に特徴的な構成及び処理について説明する。
【0099】
CPU10は、ROM30に格納されているコンテンツ制御プログラム34との協働により、コンテンツ画像とフォーム画像との組み合わせが正しい場合にフォーム側検出マークと一体化して予め定められた模様を形成するコンテンツ側検出マークを生成する。第2の実施の形態においても、「予め定められた模様」は、一様な濃度の灰色一色の模様とする。そして、CPU10は、コンテンツ画像の余白領域におけるフォーム画像のフォーム側検出マークに対応する位置に、コンテンツ側検出マークを配置した画像を生成する。
【0100】
印刷部60は、CPU10の制御に従って、コンテンツ側検出マークが合成されたコンテンツ画像をフォーム画像及びフォーム側検出マークが予め印刷されている用紙上の画像に重ねて印刷する。すなわち、第2の実施の形態では、トナーやインク等が重ね合わされることにより、フォーム側検出マークとコンテンツ側検出マークが合成されることとなる。ここで、フォーム側検出マークとコンテンツ側検出マークの両画像が示す情報が一致した場合には、重ね合わされた結果は灰色になる。また、フォーム側検出マークとコンテンツ側検出マークの両画像が示す情報が一致しない場合には、重ね合わされた結果は白色又は黒色となる。
【0101】
次に、動作を説明する。
図17は、第2の実施の形態における画像形成装置において実行されるコンテンツ画像印刷処理を示すフローチャートである。コンテンツ画像印刷処理のステップG1〜ステップG14は、図15に示した印刷ジョブ受付処理のステップD1〜ステップD14と同様であるため、説明を省略する。
【0102】
ステップG14の後、コンテンツ側検出マークが合成されたページラスタデータに基づいて、印刷部60により、コンテンツ画像がフォーム画像及びフォーム側検出マークが予め印刷されている用紙上に重ねて印刷される(ステップG15)。そして、ステップG2に戻り、未処理のページがなくなるまで処理が繰り返される。ステップG2において、未処理のページがなくなった場合には(ステップG2;NO)、コンテンツ画像印刷処理が終了する。
【0103】
以上説明したように、第2の実施の形態における画像形成装置によれば、コンテンツ画像をフォーム画像に重ねて印刷した際に、フォーム側検出マークとコンテンツ側検出マークとで形成される模様により、フォーム画像とコンテンツ画像との組み合わせが正しいか否かを目視により簡単に検証することができる。
【0104】
例えば、高速な印刷を得意とするフォーム印刷業者と、データベース内のデータを差し替えながら印刷を行うコンテンツ印刷業者が異なる場合でも、それぞれのデータの入力に不整合がないかを検証することが可能となる。したがって、顧客A用のデータを誤って顧客B用のフォームに印刷してしまうといったことを防止することができる。
【0105】
なお、上記各実施の形態における記述は、本発明に係る画像形成装置の例であり、これに限定されるものではない。画像形成装置を構成する各部の細部構成及び細部動作に関しても本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0106】
例えば、上記各実施の形態では、フォーム側検出マーク及びコンテンツ側検出マークが用紙の余白領域に印刷され、ユーザが印刷物を1枚ずつめくって目視で確認して整合性を検証することとしたが、図18に示すように、フォーム側検出マークとコンテンツ側検出マークを合成したマーク103を用紙の端部に印刷することとしてもよい。この場合、X方向に重ねられた印刷物の側面にフォーム側検出マークとコンテンツ側検出マークの合成結果が現れるため、ユーザは印刷物を1枚ずつめくることなく、灰色以外のノイズとして白色部分104又は黒色部分105があるか否かを一目で確認できる。
【0107】
また、上記各実施の形態では、フォーム側検出マーク及びコンテンツ側検出マークが一方向に配列された白色又は灰色の図形で構成される場合について説明したが、データを二方向に配列してフォーム側検出マーク及びコンテンツ側検出マークを生成する等(格子状等)、他の図形であってもよい。
【0108】
また、上記各実施の形態では、2進数化したデータのビット値が0であれば白色、ビット値が1であれば灰色としてフォーム側検出マークを生成し、ビット値が0であれば灰色、ビット値が1であれば白色としてコンテンツ側検出マークを生成することとしたが、2進数化したデータについて1の補数を求め、このビット値が0であれば白色、ビット値が1であれば灰色としてコンテンツ側検出マークを生成することとしてもよい。また、白色と灰色の対応関係は逆であってもよい。
【0109】
また、上記各実施の形態では、フォーム側検出マーク及びコンテンツ側検出マークを構成する2種類の異なる濃度の図形を灰色と白色としたが、重ね合わされた場合に黒色以外の色を形成する淡い赤色、淡い青色等と白色とを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】(a)は、コンテンツタイプテーブルの例である。(b)は、フォントタイプテーブルの例である。(c)は、文字数タイプテーブルの例である。(d)は、画像サイズタイプテーブルの例である。
【図3】フォーム登録ジョブの構成例である。
【図4】(a)は、印刷ジョブの構成例である。(b)は、ページ1情報の構成例である。
【図5】フォーム画像の属性情報のデータ構成例である。
【図6】(a)は、フォーム識別コードが106の場合のフォーム側検出マークの一部を示す図である。(b)は、フォーム識別コードが106の場合のコンテンツ側検出マークの一部を示す図である。
【図7】(a)は、フォーム識別コードが同じフォーム側検出マークとコンテンツ側検出マークが合成された場合の合成結果の例である。(b)は、フォーム識別コードが異なるフォーム側検出マークとコンテンツ側検出マークが合成された場合の合成結果の例である。
【図8】フォーム画像の例である。
【図9】コンテンツ画像の例である。
【図10】正しい組み合わせのフォーム画像とコンテンツ画像が合成された場合に印刷される画像例である。
【図11】誤った組み合わせのフォーム画像とコンテンツ画像が合成された場合に印刷される画像例である。
【図12】第1の実施の形態における画像形成装置において実行されるフォーム登録ジョブ受付処理を示すフローチャートである。
【図13】フォーム側検出マーク生成処理を示すフローチャートである。
【図14】コードのラスタ化処理を示すフローチャートである。
【図15】第1の実施の形態における画像形成装置において実行される印刷ジョブ受付処理を示すフローチャートである。
【図16】コンテンツ側検出マーク生成処理を示すフローチャートである。
【図17】第2の実施の形態における画像形成装置において実行されるコンテンツ画像印刷処理を示すフローチャートである。
【図18】フォーム側検出マークとコンテンツ側検出マークを合成したマークを用紙の端部に印刷する場合の例である。
【符号の説明】
【0111】
10 CPU
20 RAM
21 ラスタデータ格納部
22 情報コード格納部
30 ROM
31 主制御プログラム
32 RIP処理プログラム
33 フォーム制御プログラム
34 コンテンツ制御プログラム
35 合成処理プログラム
40 記憶部
41 コンテンツタイプテーブル
42 フォントタイプテーブル
43 文字数タイプテーブル
44 画像サイズタイプテーブル
50 通信部
60 印刷部
70 バス
100 画像形成装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組み合わされるべき嵌め込み画像が嵌め込まれる一又は複数の嵌め込み領域を有する一の画像と、前記嵌め込み領域に嵌め込まれるべき一又は複数の嵌め込み画像を有する他の画像と、を合成して合成画像を形成する画像形成方法であって、
前記一の画像の余白領域に前記一の画像の属性を示す一の検出マークを配置する工程と、
前記他の画像の余白領域における前記一の画像の一の検出マークに対応する位置に、当該他の画像と前記一の画像との組み合わせが正しい場合に前記一の検出マークと一体化して予め定められた模様を形成する他の検出マークを配置する工程と、
を含む画像形成方法。
【請求項2】
前記一の画像の属性は、前記一の画像の識別情報、ページ番号又は当該一の画像の嵌め込み領域の属性を含む、
請求項1に記載の画像形成方法。
【請求項3】
前記一の検出マークは、前記一の画像の属性を表す2進数コードの各ビット値に対応した2種類の異なる濃度の図形が一方向に配列されてなり、
前記他の検出マークは、前記一の検出マークの図形と同一方向に配列され濃度の関係が逆の図形である、
請求項1又は2に記載の画像形成方法。
【請求項4】
前記一の検出マーク及び他の検出マークの2種類の異なる濃度の図形のいずれか一方は灰色であり、他方は白色である、
請求項3に記載の画像形成方法。
【請求項5】
組み合わされるべき嵌め込み画像が嵌め込まれる一又は複数の嵌め込み領域を有する一の画像と、前記嵌め込み領域に嵌め込まれるべき一又は複数の嵌め込み画像を有する他の画像と、を合成して合成画像を形成する画像形成装置であって、
前記一の画像の余白領域に前記一の画像の属性を示す一の検出マークを配置し、前記他の画像の余白領域における前記一の画像の一の検出マークに対応する位置に、当該他の画像と前記一の画像との組み合わせが正しい場合に前記一の検出マークと一体化して予め定められた模様を形成する他の検出マークを配置し、前記一の画像と前記他の画像とを合成する制御部と、
前記制御部により合成された合成画像を用紙上に印刷する印刷部と、
を備える画像形成装置。
【請求項6】
組み合わされるべき嵌め込み画像が嵌め込まれる一又は複数の嵌め込み領域を有する一の画像及び当該一の画像の属性を示す一の検出マークが予め形成された用紙上に、前記嵌め込み領域に嵌め込まれるべき一又は複数の嵌め込み画像を有する他の画像を形成する画像形成装置であって、
前記他の画像の余白領域における前記一の画像の一の検出マークに対応する位置に、当該他の画像と前記一の画像との組み合わせが正しい場合に前記一の検出マークと一体化して予め定められた模様を形成する他の検出マークを配置した画像を生成する制御部と、
前記制御部により生成された画像を前記用紙上に印刷する印刷部と、
を備える画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−83265(P2009−83265A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−255481(P2007−255481)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】