画像形成装置、その制御方法及びプログラム
【課題】ネットワークプリンタにおいて、色味変動に対応するために、待機プリントジョブを全てPDLと前記PDLを展開して生成したハーフトーンプリントデータの2種類の形式でプリントジョブを保持すると、必要なメモリ容量が多くなる。しかも、色味変動が生じた場合に、全ての待機プリントジョブで再度レンダリングが必要になる。
【解決手段】プリントジョブを保管する際に、受信したPDLを展開し、コントーンデータを生成し、前記コントーンデータをJPEG圧縮する。圧縮率の高い場合は、プリントジョブ(プリント画像データ)をJPEG形式で保管する。圧縮率が低い場合でも、PDLの展開時間に応じて、PDLのみ、あるいはPDL及びハーフトーンプリントデータで保管するように選択する。
【解決手段】プリントジョブを保管する際に、受信したPDLを展開し、コントーンデータを生成し、前記コントーンデータをJPEG圧縮する。圧縮率の高い場合は、プリントジョブ(プリント画像データ)をJPEG形式で保管する。圧縮率が低い場合でも、PDLの展開時間に応じて、PDLのみ、あるいはPDL及びハーフトーンプリントデータで保管するように選択する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、その制御方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ装置の消費する電力を低減するために、ホストコンピュータから受信したプリントジョブを一旦プリンタ装置内に保持しておき、保持された複数のプリントジョブをまとめて印刷処理する技術がある(特許文献1参照)。また、印刷文書の機密保持のために、プリンタ装置がプリントジョブを受信した直後に印刷処理を開始しない技術がある。すなわち、プリントジョブを受信した直後には、プリントジョブの解析或いはレンダリング処理のみを行い、プリンタ装置におけるユーザのパスワード入力等による認証動作により用紙への印刷処理を実行する技術がある(特許文献2参照)。このように、ホストコンピュータから受信したプリントジョブを一旦プリンタ装置内に保持し、直ちに印刷処理を開始しないプリンタ装置が存在する。
【0003】
一方で、温度や湿度等の環境の変化に伴う出力画像の変化を補正し、安定した画像を供給するために濃度補正を行うプリンタ装置が存在する。また、印刷装置が電子写真方式の場合には、感光ドラムやトナーカートリッジのトナー等の消耗部品における劣化などに伴う可視像の変化・劣化を補正し、安定した画像を供給するために濃度補正を行う。PDL(PageDescriptionLanguage)で受信されるプリントジョブは、一般にプリント装置内でレンダリング処理され、コントーン(continuous-tone、連続階調)ビットマップが生成される。そして前述の濃度補正の処理が施された印刷用ビットマップデータ(たとえばハーフトーンビットマップ)が生成され、この印刷用ビットマップデータをもとに記録紙への印刷が行われる。
【0004】
上記の濃度補正を考慮して印刷処理のパフォーマンスを向上させる技術として特許文献3の技術が提案されている。特許文献3の提案によると、印刷処理ごとにPDLから印刷用ビットマップデータを生成するのではなく、PDLと予め生成した印刷用ビットマップデータとを両方用意しておく。そして、濃度補正処理が新たに必要になるまでは印刷用ビットマップデータを使用し、濃度補正が必要になった場合にPDLから印刷用ビットマップデータを再度生成するプリント装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−284281号公報
【特許文献2】特開2002−187317号公報
【特許文献3】特開2002−137462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら特許文献3に記載されている技術を、特許文献1または特許文献2に開示されているようなジョブをプリンタ装置内に一旦保持する方法に適用する場合には次のような問題が生じていた。すなわち、プリント装置内に保管されている全てのプリントジョブに対して、PDLと印刷用ビットマップデータとを保持する必要があるため、記憶装置の容量を多く必要としていた。さらには、濃度補正処理が必要となった場合に、全てのプリントジョブのPDLを再度レンダリングする必要がある。レンダリング処理にかかる時間は画像によって異なるため、レンダリングに時間のかかるプリントジョブにおいては、レンダリング待ちの時間が生じてしまいプリントパフォーマンスが劣化してしまうことになる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像形成装置は、PDL(Page Description Language)データを受信するPDLデータ受信手段と、前記受信したPDLデータを解析してコントーンビットマップ画像を生成するレンダリング手段と、前記レンダリング手段の処理時間を計測するタイマ手段と、前記生成したコントーンビットマップ画像を圧縮して圧縮画像データを出力する圧縮手段と、前記出力された圧縮画像データの圧縮率が第1の閾値以下の場合に、前記圧縮画像データをプリント待機ジョブとして保持する第1の保持手段と、前記出力された圧縮画像データの圧縮率が前記第1の閾値を超える場合において、前記タイマ手段で計測された処理時間が第2の閾値以下の場合に前記PDLデータをプリント待機ジョブとして保持する第2の保持手段と、前記出力された圧縮画像データの圧縮率が第1の閾値を超える場合において、前記タイマ手段で計測された前記処理時間が前記第2の閾値を越える場合に、プリンタエンジンの濃度特性の測定結果に従って前記コントーンビットマップ画像から濃度補正したハーフトーンプリントデータを生成し、該生成した濃度補正したハーフトーンプリントデータと前記PDLデータとをプリント待機ジョブとして保持する第3の保持手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
プリント待機中のジョブを最適な形式で保持することにより、データ保持時の記憶容量の削減をしつつ、さらにプリント時のパフォーマンスの向上を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態のプリンタ装置(画像形成装置)がネットワークを介して接続されたプリントシステムの構成図である。
【図2】本実施形態のプリンタ装置の内部構成を説明するブロック図である。
【図3】本実施形態におけるプリンタ装置のプリンタエンジンの内部構造を表した断面図である。
【図4】本実施形態におけるプリンタ装置が濃度測定時に使用するテストパッチ画像を模擬的に示した図である。
【図5】本実施形態におけるプリンタ装置の入力濃度と測定濃度との関係を模擬的に示した図である。
【図6】本実施形態におけるプリンタ装置の入力濃度と補正入力濃度との関係を模擬的に示した図である。
【図7】プリンタ装置における弱節電モード時の定着器の制御温度遷移を表した図である。
【図8】本発明の実施の形態であるプリンタ装置における強節電モード時の定着器の制御温度遷移を表した図である。
【図9】本発明の実施の形態であるプリンタ装置における弱節電モード時のプリント動作制御のフローチャートを示す図である。
【図10】本発明の実施の形態であるプリンタ装置における、強節電モード時のプリント待機ジョブ管理のフローチャートを示す図である。
【図11】本発明の実施の形態であるプリンタ装置における、強節電モード時のプリント動作開始制御のフローチャートを示す図である。
【図12】本発明の実施の形態であるプリンタ装置における、強節電モード時のプリント動作制御のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
【0011】
図1は、本実施形態の画像形成装置であるプリンタ装置がネットワークを介して接続されたプリントシステムの構成図である。ネットワーク101には、コンピュータ102、103、および104と、プリンタ装置105とが接続される。コンピュータ102、103、および104は、ネットワーク101を介して、プリンタ装置に、ページ記述言語(PDL:Page Description Language)で表現されるデータと印刷要求とからなるプリントジョブを送信する。プリンタ装置105は、ネットワーク101を介して受信したプリントジョブに従いプリント実行を行う。また、プリンタ装置105は後述の節電モードを備えている。
【0012】
図2は、本実施形態のプリンタ装置(画像形成装置)105の内部構成を説明するブロック図である。プリンタ装置105は、コントローラ部201とプリンタエンジン202に大きく分けられる。内部システムバス203は、後述するコントローラ部201内の各ブロックが接続され、各ブロック間でのデータの送受信を行う。CPU204は、プリンタ装置105の全体の動作を制御する。ROM(Read Only Memory)205には、CPU204の動作を記述するプログラムが格納されている。RAM(Random Access Memory)206は、CPU204が動作するためのワークエリアであり、かつPDLおよびプリントデータ等の各種データを格納するためのものである。ネットワークIF部207は、前述のネットワーク101を介してコンピュータ102〜104から送信されるプリントジョブを受信する。レンダリング部208は、コンピュータ102〜104から受信したデータであるPDLの解析を行い、解析結果により各種画像オブジェクトを生成し、前記画像オブジェクトをコントーン(continuous-tone、連続階調)ビットマップ画像に展開する。コントーンビットマップは、例えば各ピクセルあたり8ビットのデータを有する。圧縮伸張部209は、レンダリング部208により展開されたビットマップ画像をJPEGフォーマットのデータに圧縮する。また、圧縮伸張部209は圧縮したJPEGフォーマットのデータを伸張しコントーンビットマップデータを生成する。プリントデータ生成部210は、後述の濃度特性の補正処理を行い、プリンタエンジン202に送信するためのハーフトーンプリントデータを生成する。プリンタエンジンIF部211はプリンタエンジン202へのハーフトーンプリントデータの送信およびプリンタエンジン202から濃度補正処理に必要なテストパッチの読み取り濃度情報の受信を行う。
【0013】
図3は、本実施の形態におけるプリンタ装置のプリンタエンジンの内部構造を表した断面図である。感光ドラム301は、帯電器302により帯電される。レーザーユニット303は、コントローラ部201より受信したハーフトーンプリントデータに従って、レーザー光による走査露光を行い、感光ドラム301上に静電潜像を形成する。前記静電潜像は、現像ユニット304により供給されるトナーにより、トナー像に現像される。現像ユニット304には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4つの現像器が含まれる。現像ユニット304は、中間転写ドラム305の1回転毎に1/4回転し、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順で現像行程が行われる。中間転写ドラム305は、感光ドラム301上に現像されたトナー像とは逆特性の電圧を印加することにより、トナー像を感光ドラム301上から中間転写ドラム305上へ一時転写する。このように、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと順次現像されるトナー像は、中間転写ドラム305上に多重転写される。転写器306はトナー像と逆特性のバイアスを印加して、転写紙307へカラートナー像を転写する。転写紙307に転写されたトナー像は定着器308で熱定着された後に、プリンタ装置105外に排紙される。濃度センサ309は、中間転写ドラム305上に転写されたトナー像の濃度を測定するためのセンサである。
【0014】
次に、図4、図5、および図6を用いて、濃度特性の補正について説明する。図4は濃度測定時に利用されるテストパッチ画像を模擬的に示した図である。401X(Xは、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)のいずれかを示す)は入力濃度0.25のパターンにより中間転写ドラム上にトナー像として生成されるテストパッチである。同様に、402X、403X、404Xは、それぞれ入力濃度0.5、0.75、1.0の際に生成されるテストパッチである。これらのテストパッチを濃度センサ309で読み取り、結果を測定濃度(実際に印字される濃度)とすると、その関係は、たとえばイエローで図5(横軸が入力濃度、縦軸が測定濃度)の曲線501のように得られる。前述のように各色の測定は4点であるが、この曲線501は、温度、湿度等の事前のテストにより収集されたデータにより関数化あるいはテーブル化されており、それらの値から図5のように割り出されるものである。また、破線502は、入力濃度に対して出力されるべき理想濃度を表している。濃度測定により得られた曲線501によると、イエローの入力濃度が0.25、0.5、0.75、1.0の場合に、測定濃度がそれぞれ、0.5、0.75、0.93、1.0となる。つまり、逆に入力濃度が0.5、0.75、0.93、1.0の場合に、入力濃度の補正を行い、0.25、0.5、0.75、1.0を補正入力濃度として印字してやれば、入力濃度に対して理想の出力濃度が得られる。すなわち、0.5、0.75、0.93、1.0が出力濃度として得られることになる。このように濃度補正を行う際の、入力濃度と補正入力濃度の関係を示した図が図6であり、入力濃度と補正入力濃度の関係を示す曲線が601となる。このように、中間転写ドラム305上にテストパッチを形成し、テストパッチの濃度を測定し、測定した濃度データから作成した濃度補正テーブルを利用することによって、画像の濃度補正が行われ、理想的な濃度で印字が行われる。また、上述のテストパッチの濃度測定動作、濃度補正テーブル生成は、毎プリント動作の前に行われる。各プリント動作の前とは、具体的には各ジョブの印刷処理の前や、あるいは所定のページを単位とする印刷処理の前のことである。詳細については後述する。さらに、テストパッチの濃度測定結果によっては、濃度補正テーブルを更新する必要が無い場合もある。
【0015】
次に、図7、図8を用いて、本発明の実施形態であるプリンタ装置における節電モードについて詳しく説明する。プリンタ装置105は、弱節電モード、強節電モードの2つの電力モードを持っている。これらの電力モードの切り替えは、プリンタ装置上の不図示の操作パネルによりユーザが設定する。本実施形態は強節電モードを用いる場合に有用であるが、理解促進のために以下では両方の節電モードについて説明する。図7は、本発明の実施の形態であるプリンタ装置における弱節電モード時の定着器の制御温度遷移を表したものである。701〜706は、コンピュータからプリントジョブを受信したタイミングを示している。弱節電モード時には、スタンバイ状態が707で表した一定時間(T1)以上経過すると、定着器の予熱をOFFする。これにより消費電力を抑えている。また、予熱OFFのスタンバイ状態からプリントジョブを受信する(図上の701のプリントジョブ受信タイミング)と、定着温度での制御を開始し、プリント実行を行う。図7から明らかなように、弱節電モード時はプリントジョブを受信すると、プリントジョブを保持することなく直ちにプリント動作を行う。
【0016】
図8は、本発明の実施の形態であるプリンタ装置における強節電モード時の定着器の制御温度遷移を表したものである。強節電モードとは、プリントジョブを受信後に直ちにプリント動作を開始するのではなく、決められた数のプリントジョブを受信して保持した後に、まとめてプリント動作を実行する動作モードである。これによれば、定着器の予熱保持時間を短くすることができるため、前述の弱節電モードよりも節電効果の高い電力モードとなる。強節電モード時において、プリント動作を実行するには、2つのケースが存在する。1つは、プリント待機ジョブが無い状態で、プリントジョブを受信し、その後、一定時間(図8中のT2(807)で示した時間)経過する前に予め決められた数(たとえば図8においては4つのプリントジョブ)のプリントジョブを受信した場合である。これは図8において区間808で表されている。808ではプリントジョブ受信タイミング801において、プリント待機ジョブが無い状態でのプリントジョブを受信し、一定時間T2が経過する前に、802、803、804のプリントジョブを受信している。その結果4つ目のプリント受信タイミング804直後にプリント動作が開始され、全てのプリント待機ジョブである801、802、803、804のプリントジョブに関するプリント実行が行われる。もう1つのケースは、プリント待機ジョブが無い状態でのプリントジョブを受信し、その後受信したプリントジョブ数が、予め決められた数(前述の4つのプリントジョブ)に達しないまま一致時間T2が経過した場合である。これは図8において、区間809で表されている。プリント待機ジョブが無い状態でプリントジョブを受信し(図中の805のタイミング)、一定時間T2経過中にプリントジョブの受信が無く、一定時間T2経過後にプリント待機ジョブであった805のプリント実行を行う。このようなプリント制御により、プリント実行時以外は予熱OFFとなるので、前述の弱節電モードよりも電力の消費を抑えることが可能である。
【0017】
次に図9を用いて、弱節電モード時のプリント動作について詳しく説明する。なお本フローに係るプリンタ装置のプログラムは、ROM205に格納されており、RAM206に読み出されてCPU204によって実行される。
【0018】
ネットワークIF部207は、ネットワーク101を介してプリントジョブであるPDLを受信し、RAM206に一時記憶する(S901)。レンダリング部208は、受信したPDLを解析し、コントーンビットマップである画像データを生成する(S902)。次に、プリンタエンジン202は前述したテストパッチの濃度測定を実行し(S903)、測定された濃度結果をCPU204に通知する(S904)。CPU204は、濃度補正テーブルを既に作成済みでなければ、つまり現在のプリント動作以前にプリント処理を実行していない場合、通知されたテストパッチ濃度結果から新たに濃度補正テーブルを作成する(S907)。また、濃度補正テーブルを既に作成済みである場合(S905)、通知されたテストパッチ濃度結果から、濃度補正テーブルを更新すべきであるかどうかを判断する(S906)。濃度補正テーブルを更新すべきであると判断した場合、濃度補正テーブルを更新する(S907)。また、通知されたテストパッチ濃度結果から濃度補正テーブルの更新が必要ないと判断された場合は、既に作成され、RAM206に保管されている既存の濃度補正テーブルを使用する。次に、プリントデータ生成部210は前述の濃度補正テーブルを使用し、コントーンビットマップからハーフトーンプリントデータを作成する(S908)。プリンタエンジンIF部211はハーフトーンプリントデータをプリンタエンジン202に送信し、プリンタエンジン202はハーフトーンプリントデータに従ってプリント処理を実行する。
【0019】
次に図10、図11、図12を用いて、本実施形態の特徴部分である、受信したプリントジョブを一定期間保持する強節電モード時のプリント動作について詳しく説明する。なお本フローに係るプリンタ装置のプログラムは、ROM205に格納されており、RAM206に読み出されてCPU204によって実行される。
【0020】
図10は、強節電モード時における、受信プリントジョブのジョブ管理に関するフローチャートである。ネットワークIF部207は、ネットワーク101を介してプリントジョブであるPDLを受信し、RAM206に一時記憶する(S1001:PDLデータ受信処理)。次に、CPU204はレンダリング処理にかかる時間を測定するために、タイマをスタートさせる(S1002)。レンダリング部208は、受信したPDLを解析し、コントーンビットマップである画像データ(コントーンビットマップ画像)を生成する(S1003)。CPU204は前述のタイマをストップし、レンダリング処理にかかった処理時間を取得する(S1004)。
【0021】
次に、圧縮伸張部209は、レンダリング部208が生成した前記コントーンビットマップをJPEG圧縮する(S1005)。CPU204は、圧縮前のコントーンビットマップのデータサイズと、圧縮後のJPEGのデータサイズから圧縮率を求める。圧縮率とは、以下の計算式から成り立つ。
圧縮率=圧縮後データサイズ/圧縮前データサイズ
CPU204は、圧縮率が所定の値(本実施形態では1/16であるが、装置全体のメモリ構成量で決まるものである)以下であるか判断する(S1006)。圧縮率が1/16以下の場合、すなわち少ないメモリ使用量を必要とする圧縮画像データが生成された場合、CPU204は、このプリントジョブをJPEG圧縮データでRAM206に保持し(S1007:第1の保持処理)する。そして、このプリントジョブをプリント待機ジョブリストに登録する(S1008)。プリント待機ジョブリストは、プリントジョブを識別する情報と、プリントジョブに関連付けられたデータ保存形式とを少なくとも示すリストである。なお、本実施形態においては、各コントーンビットマップに対して共通の圧縮パラメータを使用する。従って、効率よく圧縮できた場合、すなわち圧縮率が所定の値以下(第1の閾値以下)である場合の例としては、白地に単に数個の黒文字が記載されている場合が挙げられる。逆に、不規則な細かい場面を撮影した写真のような場合には、圧縮率は所定の値を超えることが予想される。
【0022】
S1006において圧縮率が1/16を超える場合、すなわち多くのメモリ使用量を必要とする圧縮データが生成された場合は、レンダリング処理に必要とした時間に関して、予め決められた時間(T3)より短いか判断する(S1009)。すなわち、S1002からS1004で測定したレンダリング処理の時間がT3より短いか判断する。この時間T3(第2の閾値)は、プリントエンジンが1ページをプリントするために必要な時間である。プリントエンジンが1ページをプリントするために必要な時間よりレンダリング処理に必要とした時間が短い場合には、プリント処理時に再度PDLをレンダリングしてもレンダリング待ち時間が生じなくて済むからである。なお、例外的に、プリントジョブを保持する一定期間の間に受信したジョブの中の最初のジョブの1ページ目については、プリント出力時のレンダリング待ち時間は生じないため、T3より長い場合であってもPDLで保管してもよい。T3は、たとえば1分間に20枚のプリント速度のプリントエンジンであるならば、60/20=3〔秒/枚〕となる。レンダリング処理に必要とした時間が、T3(上述の説明から、本実施例では3秒)以下(第2の閾値以下)であった場合(S1009)、短い時間で再度PDLからレンダリングできる。このため、CPU204は、プリントジョブをPDLでRAM206に保管し(S1010:第2の保持処理)、待機ジョブリストに登録する(S1008)。また、レンダリング処理に必要とした時間がT3以上であった場合(S1009)、コントーンビットマップから現在の濃度補正テーブルを用いてハーフトーンプリントデータを生成する(S1011)。そして、プリントジョブをPDLとハーフトーンプリントデータとの2種類の形式で保持する(S1012:第3の保持処理)。また、ハーフトーンプリントデータを保持する場合に、どの濃度補正テーブルを用いて生成したかについての情報も併せて保持する。その後、待機ジョブリストに登録する(S1008)。待機ジョブリストは、CPU204により生成、管理されており、印刷設定と保管データの形式、保管データの保管領域からなるデータを実効順にリスト化したもので、RAM206に置かれるものである。
【0023】
図11は、強節電モード時における、プリント処理動作の開始タイミングの制御フローを示したものである。CPU204は、プリント待機ジョブ数が1になると(S1101)、タイマをスタートさせる(S1102)。このタイマは、節電時の予熱OFFの時間を計測するためのタイマである。次にCPU204は、待機ジョブ数が4に到達したかどうかを判断する(S1103)。この値はプリント装置の搭載メモリ量で決まる。さらに、タイマ値が一定値に達したかどうかを判断する(S1105)。このタイマ値を、本実施例では5分とする。この値は、ユーザによって可変可能であり、不図示の操作部から設定する。CPU204は、待機ジョブの数が4に到達するか、あるいはタイマ値が5分に到達するかのいずれかの条件を満たした場合、タイマを停止/初期化した後(S1104)、プリント処理動作を開始する(プリント開始指示をする)。
【0024】
図12は、強節電モード時における、プリント処理動作制御のフローチャートである。プリンタエンジン202は前述したテストパッチの濃度特性測定を実行し(S1201)、測定された濃度結果をCPU204に通知する(S1202)。CPU204は、濃度補正テーブルを既に作成済みでなければ(S1203)、つまり現在のプリント動作以前にプリント処理を実行していない場合、通知されたテストパッチ濃度結果から新たに濃度補正テーブルを作成する(S1205)。また、濃度補正テーブルを既に作成済みである場合(S1203)、通知されたテストパッチ濃度結果から、濃度補正テーブルを更新すべきであるかどうかを判断する(S1204)。濃度補正テーブルを更新すべきであると判断した場合、濃度補正テーブルを更新する(S1205)。また、通知されたテストパッチ濃度結果から濃度補正テーブルの更新が必要ないと判断された場合は、既に作成され、RAM206に保管されている既存の濃度補正テーブルを使用する。濃度補正については、各プリント待機ジョブのプリント開始動作毎に行われる。
【0025】
CPU204は待機ジョブリストを参照し、現在プリント実行の対象のジョブがJPEG保管のジョブならば(S1206)、圧縮伸張部209は、JPEGデータを伸張し、コントーンビットマップを生成する(S1207)。次に、プリントデータ生成部210は、生成したコントーンビットマップから濃度補正されたハーフトーンプリントデータ作成し(S1208)、生成されたハーフトーンプリントデータを用いてプリント実行する(S1209)。S1206の判断において、待機ジョブの保管形式がJPEGデータではなくPDLデータのみであった場合、レンダリング部208は、PDLをレンダリングしてコントーンビットマップを生成する(S1213:第1のレンダリング処理)。次に、プリントデータ生成部210は、生成したコントーンビットマップから濃度補正されたハーフトーンプリントデータ作成し(S1208:ハーフトーンプリントデータ出力処理)、プリント実行する(S1209)。
【0026】
次に、S1212の判断において、待機ジョブがPDLデータのみでなかった場合、つまりハーフトーンプリントデータと、PDLとの2種類の形式で保管されていた場合について説明する。CPU204は、現在の濃度補正テーブルが、保持されているハーフトーンプリントデータ生成時に使用した濃度補正テーブルと同じかどうかを判断する(S1214)。この判断は、濃度補正テーブルの識別情報や更新時刻などを参照することによって行われる。濃度補正テーブルが更新されていない場合、ハーフトーンデータ生成時からの環境変動が生じていないため、保持されていたハーフトーンプリントデータをプリント対象データとしてプリントエンジンに送信し、プリント実行を行う(S1209)。濃度補正テーブルが更新されていた場合、保持されているハーフトーンデータの生成時からの環境変動が生じているため、保持されていたハーフトーンプリントデータを使用した場合には環境変動に応じて生じる色味変動を吸収することができない。従ってレンダリング部208は、保持されているPDLをレンダリングしてコントーンビットマップを生成する(S1213:第2のレンダリング処理)。次に、プリントデータ生成部210は、生成したコントーンビットマップから濃度補正されたハーフトーンプリントデータを新たに作成し(S1208:ハーフトーンプリントデータ出力処理)、プリント実行する(S1209)。その後、CPU204は対象ジョブを待機ジョブリストから削除、更新する(S1210)。前述の処理フローを更新後の待機ジョブが0になるまで繰り返し実行する。
【0027】
以上の手順により、プリント待機中のジョブを最適な形式で保存することができ、保存時の記憶容量の削減しつつ、かつプリント時のパフォーマンスの向上を実現することができる。
【0028】
本実施例では、省エネを目的としたジョブを一定期間スプールするプリントジョブ待機処理を例に説明を行ってきた。しかしながら、省エネ目的以外であっても受信したプリントジョブを一定期間、複数保持可能なプリンタ装置に対して適用できることは言うまでもない。例えば、印刷文書の機密保持のために、プリントジョブを受信した直後に印刷処理を開始せず、プリントジョブ待機処理をおこない、その後、ユーザのパスワード入力等による認証動作により用紙へのプリント動作を実行するプリント装置にも適用可能である。
【0029】
なお、上記の例においては、濃度測定処理をプリントジョブ毎に行う例について説明した。しかしながら、例えば1つのプリントジョブの中に複数ページを印刷対象とするジョブがあるような場合も考えられ、このような場合にも本発明を適用することが可能である。例えば、10ページ毎に濃度測定を行う場合や、1ページ毎に濃度測定を行う場合にも本発明を適用可能である。この場合には、例えば図10で示すジョブ管理のフローについては、各ページについてのコントーンビットマップ生成時のタイマを測定して、各ページについての圧縮率を判断することができる。また、例えば10ページを印刷対象とするPDLのうち、2〜4ページ目の圧縮率が所定の値以下の場合には、この2〜4ページ目をそれぞれJPEG圧縮し、残りのページについてはPDLで保持しておくことも可能である。この場合には、2〜4ページ目の処理部分を除いたPDLを再生成するなどしてPDLデータを保持しておくことも可能である。また、待機ジョブリストと同様に各ページについての管理テーブルを設けて、どのページがJPEG圧縮されているか等の情報を保持しておくことで、プリント処理時にもどのような形式で保持されているかを適切に判断することができる。従って、上述した「ジョブ」という用語には、通常の意味で用いられるジョブはもちろんのこと、ジョブの中に含まれる「各ページ」の概念も含むものである。
【0030】
また、上記の例においては、JPEG形式で圧縮伸張する場合について説明したが、他の圧縮形式でコントーンビットマップを圧縮伸張してもよい。
【0031】
<その他の実施例>
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、その制御方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ装置の消費する電力を低減するために、ホストコンピュータから受信したプリントジョブを一旦プリンタ装置内に保持しておき、保持された複数のプリントジョブをまとめて印刷処理する技術がある(特許文献1参照)。また、印刷文書の機密保持のために、プリンタ装置がプリントジョブを受信した直後に印刷処理を開始しない技術がある。すなわち、プリントジョブを受信した直後には、プリントジョブの解析或いはレンダリング処理のみを行い、プリンタ装置におけるユーザのパスワード入力等による認証動作により用紙への印刷処理を実行する技術がある(特許文献2参照)。このように、ホストコンピュータから受信したプリントジョブを一旦プリンタ装置内に保持し、直ちに印刷処理を開始しないプリンタ装置が存在する。
【0003】
一方で、温度や湿度等の環境の変化に伴う出力画像の変化を補正し、安定した画像を供給するために濃度補正を行うプリンタ装置が存在する。また、印刷装置が電子写真方式の場合には、感光ドラムやトナーカートリッジのトナー等の消耗部品における劣化などに伴う可視像の変化・劣化を補正し、安定した画像を供給するために濃度補正を行う。PDL(PageDescriptionLanguage)で受信されるプリントジョブは、一般にプリント装置内でレンダリング処理され、コントーン(continuous-tone、連続階調)ビットマップが生成される。そして前述の濃度補正の処理が施された印刷用ビットマップデータ(たとえばハーフトーンビットマップ)が生成され、この印刷用ビットマップデータをもとに記録紙への印刷が行われる。
【0004】
上記の濃度補正を考慮して印刷処理のパフォーマンスを向上させる技術として特許文献3の技術が提案されている。特許文献3の提案によると、印刷処理ごとにPDLから印刷用ビットマップデータを生成するのではなく、PDLと予め生成した印刷用ビットマップデータとを両方用意しておく。そして、濃度補正処理が新たに必要になるまでは印刷用ビットマップデータを使用し、濃度補正が必要になった場合にPDLから印刷用ビットマップデータを再度生成するプリント装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−284281号公報
【特許文献2】特開2002−187317号公報
【特許文献3】特開2002−137462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら特許文献3に記載されている技術を、特許文献1または特許文献2に開示されているようなジョブをプリンタ装置内に一旦保持する方法に適用する場合には次のような問題が生じていた。すなわち、プリント装置内に保管されている全てのプリントジョブに対して、PDLと印刷用ビットマップデータとを保持する必要があるため、記憶装置の容量を多く必要としていた。さらには、濃度補正処理が必要となった場合に、全てのプリントジョブのPDLを再度レンダリングする必要がある。レンダリング処理にかかる時間は画像によって異なるため、レンダリングに時間のかかるプリントジョブにおいては、レンダリング待ちの時間が生じてしまいプリントパフォーマンスが劣化してしまうことになる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像形成装置は、PDL(Page Description Language)データを受信するPDLデータ受信手段と、前記受信したPDLデータを解析してコントーンビットマップ画像を生成するレンダリング手段と、前記レンダリング手段の処理時間を計測するタイマ手段と、前記生成したコントーンビットマップ画像を圧縮して圧縮画像データを出力する圧縮手段と、前記出力された圧縮画像データの圧縮率が第1の閾値以下の場合に、前記圧縮画像データをプリント待機ジョブとして保持する第1の保持手段と、前記出力された圧縮画像データの圧縮率が前記第1の閾値を超える場合において、前記タイマ手段で計測された処理時間が第2の閾値以下の場合に前記PDLデータをプリント待機ジョブとして保持する第2の保持手段と、前記出力された圧縮画像データの圧縮率が第1の閾値を超える場合において、前記タイマ手段で計測された前記処理時間が前記第2の閾値を越える場合に、プリンタエンジンの濃度特性の測定結果に従って前記コントーンビットマップ画像から濃度補正したハーフトーンプリントデータを生成し、該生成した濃度補正したハーフトーンプリントデータと前記PDLデータとをプリント待機ジョブとして保持する第3の保持手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
プリント待機中のジョブを最適な形式で保持することにより、データ保持時の記憶容量の削減をしつつ、さらにプリント時のパフォーマンスの向上を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態のプリンタ装置(画像形成装置)がネットワークを介して接続されたプリントシステムの構成図である。
【図2】本実施形態のプリンタ装置の内部構成を説明するブロック図である。
【図3】本実施形態におけるプリンタ装置のプリンタエンジンの内部構造を表した断面図である。
【図4】本実施形態におけるプリンタ装置が濃度測定時に使用するテストパッチ画像を模擬的に示した図である。
【図5】本実施形態におけるプリンタ装置の入力濃度と測定濃度との関係を模擬的に示した図である。
【図6】本実施形態におけるプリンタ装置の入力濃度と補正入力濃度との関係を模擬的に示した図である。
【図7】プリンタ装置における弱節電モード時の定着器の制御温度遷移を表した図である。
【図8】本発明の実施の形態であるプリンタ装置における強節電モード時の定着器の制御温度遷移を表した図である。
【図9】本発明の実施の形態であるプリンタ装置における弱節電モード時のプリント動作制御のフローチャートを示す図である。
【図10】本発明の実施の形態であるプリンタ装置における、強節電モード時のプリント待機ジョブ管理のフローチャートを示す図である。
【図11】本発明の実施の形態であるプリンタ装置における、強節電モード時のプリント動作開始制御のフローチャートを示す図である。
【図12】本発明の実施の形態であるプリンタ装置における、強節電モード時のプリント動作制御のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
【0011】
図1は、本実施形態の画像形成装置であるプリンタ装置がネットワークを介して接続されたプリントシステムの構成図である。ネットワーク101には、コンピュータ102、103、および104と、プリンタ装置105とが接続される。コンピュータ102、103、および104は、ネットワーク101を介して、プリンタ装置に、ページ記述言語(PDL:Page Description Language)で表現されるデータと印刷要求とからなるプリントジョブを送信する。プリンタ装置105は、ネットワーク101を介して受信したプリントジョブに従いプリント実行を行う。また、プリンタ装置105は後述の節電モードを備えている。
【0012】
図2は、本実施形態のプリンタ装置(画像形成装置)105の内部構成を説明するブロック図である。プリンタ装置105は、コントローラ部201とプリンタエンジン202に大きく分けられる。内部システムバス203は、後述するコントローラ部201内の各ブロックが接続され、各ブロック間でのデータの送受信を行う。CPU204は、プリンタ装置105の全体の動作を制御する。ROM(Read Only Memory)205には、CPU204の動作を記述するプログラムが格納されている。RAM(Random Access Memory)206は、CPU204が動作するためのワークエリアであり、かつPDLおよびプリントデータ等の各種データを格納するためのものである。ネットワークIF部207は、前述のネットワーク101を介してコンピュータ102〜104から送信されるプリントジョブを受信する。レンダリング部208は、コンピュータ102〜104から受信したデータであるPDLの解析を行い、解析結果により各種画像オブジェクトを生成し、前記画像オブジェクトをコントーン(continuous-tone、連続階調)ビットマップ画像に展開する。コントーンビットマップは、例えば各ピクセルあたり8ビットのデータを有する。圧縮伸張部209は、レンダリング部208により展開されたビットマップ画像をJPEGフォーマットのデータに圧縮する。また、圧縮伸張部209は圧縮したJPEGフォーマットのデータを伸張しコントーンビットマップデータを生成する。プリントデータ生成部210は、後述の濃度特性の補正処理を行い、プリンタエンジン202に送信するためのハーフトーンプリントデータを生成する。プリンタエンジンIF部211はプリンタエンジン202へのハーフトーンプリントデータの送信およびプリンタエンジン202から濃度補正処理に必要なテストパッチの読み取り濃度情報の受信を行う。
【0013】
図3は、本実施の形態におけるプリンタ装置のプリンタエンジンの内部構造を表した断面図である。感光ドラム301は、帯電器302により帯電される。レーザーユニット303は、コントローラ部201より受信したハーフトーンプリントデータに従って、レーザー光による走査露光を行い、感光ドラム301上に静電潜像を形成する。前記静電潜像は、現像ユニット304により供給されるトナーにより、トナー像に現像される。現像ユニット304には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4つの現像器が含まれる。現像ユニット304は、中間転写ドラム305の1回転毎に1/4回転し、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順で現像行程が行われる。中間転写ドラム305は、感光ドラム301上に現像されたトナー像とは逆特性の電圧を印加することにより、トナー像を感光ドラム301上から中間転写ドラム305上へ一時転写する。このように、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと順次現像されるトナー像は、中間転写ドラム305上に多重転写される。転写器306はトナー像と逆特性のバイアスを印加して、転写紙307へカラートナー像を転写する。転写紙307に転写されたトナー像は定着器308で熱定着された後に、プリンタ装置105外に排紙される。濃度センサ309は、中間転写ドラム305上に転写されたトナー像の濃度を測定するためのセンサである。
【0014】
次に、図4、図5、および図6を用いて、濃度特性の補正について説明する。図4は濃度測定時に利用されるテストパッチ画像を模擬的に示した図である。401X(Xは、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)のいずれかを示す)は入力濃度0.25のパターンにより中間転写ドラム上にトナー像として生成されるテストパッチである。同様に、402X、403X、404Xは、それぞれ入力濃度0.5、0.75、1.0の際に生成されるテストパッチである。これらのテストパッチを濃度センサ309で読み取り、結果を測定濃度(実際に印字される濃度)とすると、その関係は、たとえばイエローで図5(横軸が入力濃度、縦軸が測定濃度)の曲線501のように得られる。前述のように各色の測定は4点であるが、この曲線501は、温度、湿度等の事前のテストにより収集されたデータにより関数化あるいはテーブル化されており、それらの値から図5のように割り出されるものである。また、破線502は、入力濃度に対して出力されるべき理想濃度を表している。濃度測定により得られた曲線501によると、イエローの入力濃度が0.25、0.5、0.75、1.0の場合に、測定濃度がそれぞれ、0.5、0.75、0.93、1.0となる。つまり、逆に入力濃度が0.5、0.75、0.93、1.0の場合に、入力濃度の補正を行い、0.25、0.5、0.75、1.0を補正入力濃度として印字してやれば、入力濃度に対して理想の出力濃度が得られる。すなわち、0.5、0.75、0.93、1.0が出力濃度として得られることになる。このように濃度補正を行う際の、入力濃度と補正入力濃度の関係を示した図が図6であり、入力濃度と補正入力濃度の関係を示す曲線が601となる。このように、中間転写ドラム305上にテストパッチを形成し、テストパッチの濃度を測定し、測定した濃度データから作成した濃度補正テーブルを利用することによって、画像の濃度補正が行われ、理想的な濃度で印字が行われる。また、上述のテストパッチの濃度測定動作、濃度補正テーブル生成は、毎プリント動作の前に行われる。各プリント動作の前とは、具体的には各ジョブの印刷処理の前や、あるいは所定のページを単位とする印刷処理の前のことである。詳細については後述する。さらに、テストパッチの濃度測定結果によっては、濃度補正テーブルを更新する必要が無い場合もある。
【0015】
次に、図7、図8を用いて、本発明の実施形態であるプリンタ装置における節電モードについて詳しく説明する。プリンタ装置105は、弱節電モード、強節電モードの2つの電力モードを持っている。これらの電力モードの切り替えは、プリンタ装置上の不図示の操作パネルによりユーザが設定する。本実施形態は強節電モードを用いる場合に有用であるが、理解促進のために以下では両方の節電モードについて説明する。図7は、本発明の実施の形態であるプリンタ装置における弱節電モード時の定着器の制御温度遷移を表したものである。701〜706は、コンピュータからプリントジョブを受信したタイミングを示している。弱節電モード時には、スタンバイ状態が707で表した一定時間(T1)以上経過すると、定着器の予熱をOFFする。これにより消費電力を抑えている。また、予熱OFFのスタンバイ状態からプリントジョブを受信する(図上の701のプリントジョブ受信タイミング)と、定着温度での制御を開始し、プリント実行を行う。図7から明らかなように、弱節電モード時はプリントジョブを受信すると、プリントジョブを保持することなく直ちにプリント動作を行う。
【0016】
図8は、本発明の実施の形態であるプリンタ装置における強節電モード時の定着器の制御温度遷移を表したものである。強節電モードとは、プリントジョブを受信後に直ちにプリント動作を開始するのではなく、決められた数のプリントジョブを受信して保持した後に、まとめてプリント動作を実行する動作モードである。これによれば、定着器の予熱保持時間を短くすることができるため、前述の弱節電モードよりも節電効果の高い電力モードとなる。強節電モード時において、プリント動作を実行するには、2つのケースが存在する。1つは、プリント待機ジョブが無い状態で、プリントジョブを受信し、その後、一定時間(図8中のT2(807)で示した時間)経過する前に予め決められた数(たとえば図8においては4つのプリントジョブ)のプリントジョブを受信した場合である。これは図8において区間808で表されている。808ではプリントジョブ受信タイミング801において、プリント待機ジョブが無い状態でのプリントジョブを受信し、一定時間T2が経過する前に、802、803、804のプリントジョブを受信している。その結果4つ目のプリント受信タイミング804直後にプリント動作が開始され、全てのプリント待機ジョブである801、802、803、804のプリントジョブに関するプリント実行が行われる。もう1つのケースは、プリント待機ジョブが無い状態でのプリントジョブを受信し、その後受信したプリントジョブ数が、予め決められた数(前述の4つのプリントジョブ)に達しないまま一致時間T2が経過した場合である。これは図8において、区間809で表されている。プリント待機ジョブが無い状態でプリントジョブを受信し(図中の805のタイミング)、一定時間T2経過中にプリントジョブの受信が無く、一定時間T2経過後にプリント待機ジョブであった805のプリント実行を行う。このようなプリント制御により、プリント実行時以外は予熱OFFとなるので、前述の弱節電モードよりも電力の消費を抑えることが可能である。
【0017】
次に図9を用いて、弱節電モード時のプリント動作について詳しく説明する。なお本フローに係るプリンタ装置のプログラムは、ROM205に格納されており、RAM206に読み出されてCPU204によって実行される。
【0018】
ネットワークIF部207は、ネットワーク101を介してプリントジョブであるPDLを受信し、RAM206に一時記憶する(S901)。レンダリング部208は、受信したPDLを解析し、コントーンビットマップである画像データを生成する(S902)。次に、プリンタエンジン202は前述したテストパッチの濃度測定を実行し(S903)、測定された濃度結果をCPU204に通知する(S904)。CPU204は、濃度補正テーブルを既に作成済みでなければ、つまり現在のプリント動作以前にプリント処理を実行していない場合、通知されたテストパッチ濃度結果から新たに濃度補正テーブルを作成する(S907)。また、濃度補正テーブルを既に作成済みである場合(S905)、通知されたテストパッチ濃度結果から、濃度補正テーブルを更新すべきであるかどうかを判断する(S906)。濃度補正テーブルを更新すべきであると判断した場合、濃度補正テーブルを更新する(S907)。また、通知されたテストパッチ濃度結果から濃度補正テーブルの更新が必要ないと判断された場合は、既に作成され、RAM206に保管されている既存の濃度補正テーブルを使用する。次に、プリントデータ生成部210は前述の濃度補正テーブルを使用し、コントーンビットマップからハーフトーンプリントデータを作成する(S908)。プリンタエンジンIF部211はハーフトーンプリントデータをプリンタエンジン202に送信し、プリンタエンジン202はハーフトーンプリントデータに従ってプリント処理を実行する。
【0019】
次に図10、図11、図12を用いて、本実施形態の特徴部分である、受信したプリントジョブを一定期間保持する強節電モード時のプリント動作について詳しく説明する。なお本フローに係るプリンタ装置のプログラムは、ROM205に格納されており、RAM206に読み出されてCPU204によって実行される。
【0020】
図10は、強節電モード時における、受信プリントジョブのジョブ管理に関するフローチャートである。ネットワークIF部207は、ネットワーク101を介してプリントジョブであるPDLを受信し、RAM206に一時記憶する(S1001:PDLデータ受信処理)。次に、CPU204はレンダリング処理にかかる時間を測定するために、タイマをスタートさせる(S1002)。レンダリング部208は、受信したPDLを解析し、コントーンビットマップである画像データ(コントーンビットマップ画像)を生成する(S1003)。CPU204は前述のタイマをストップし、レンダリング処理にかかった処理時間を取得する(S1004)。
【0021】
次に、圧縮伸張部209は、レンダリング部208が生成した前記コントーンビットマップをJPEG圧縮する(S1005)。CPU204は、圧縮前のコントーンビットマップのデータサイズと、圧縮後のJPEGのデータサイズから圧縮率を求める。圧縮率とは、以下の計算式から成り立つ。
圧縮率=圧縮後データサイズ/圧縮前データサイズ
CPU204は、圧縮率が所定の値(本実施形態では1/16であるが、装置全体のメモリ構成量で決まるものである)以下であるか判断する(S1006)。圧縮率が1/16以下の場合、すなわち少ないメモリ使用量を必要とする圧縮画像データが生成された場合、CPU204は、このプリントジョブをJPEG圧縮データでRAM206に保持し(S1007:第1の保持処理)する。そして、このプリントジョブをプリント待機ジョブリストに登録する(S1008)。プリント待機ジョブリストは、プリントジョブを識別する情報と、プリントジョブに関連付けられたデータ保存形式とを少なくとも示すリストである。なお、本実施形態においては、各コントーンビットマップに対して共通の圧縮パラメータを使用する。従って、効率よく圧縮できた場合、すなわち圧縮率が所定の値以下(第1の閾値以下)である場合の例としては、白地に単に数個の黒文字が記載されている場合が挙げられる。逆に、不規則な細かい場面を撮影した写真のような場合には、圧縮率は所定の値を超えることが予想される。
【0022】
S1006において圧縮率が1/16を超える場合、すなわち多くのメモリ使用量を必要とする圧縮データが生成された場合は、レンダリング処理に必要とした時間に関して、予め決められた時間(T3)より短いか判断する(S1009)。すなわち、S1002からS1004で測定したレンダリング処理の時間がT3より短いか判断する。この時間T3(第2の閾値)は、プリントエンジンが1ページをプリントするために必要な時間である。プリントエンジンが1ページをプリントするために必要な時間よりレンダリング処理に必要とした時間が短い場合には、プリント処理時に再度PDLをレンダリングしてもレンダリング待ち時間が生じなくて済むからである。なお、例外的に、プリントジョブを保持する一定期間の間に受信したジョブの中の最初のジョブの1ページ目については、プリント出力時のレンダリング待ち時間は生じないため、T3より長い場合であってもPDLで保管してもよい。T3は、たとえば1分間に20枚のプリント速度のプリントエンジンであるならば、60/20=3〔秒/枚〕となる。レンダリング処理に必要とした時間が、T3(上述の説明から、本実施例では3秒)以下(第2の閾値以下)であった場合(S1009)、短い時間で再度PDLからレンダリングできる。このため、CPU204は、プリントジョブをPDLでRAM206に保管し(S1010:第2の保持処理)、待機ジョブリストに登録する(S1008)。また、レンダリング処理に必要とした時間がT3以上であった場合(S1009)、コントーンビットマップから現在の濃度補正テーブルを用いてハーフトーンプリントデータを生成する(S1011)。そして、プリントジョブをPDLとハーフトーンプリントデータとの2種類の形式で保持する(S1012:第3の保持処理)。また、ハーフトーンプリントデータを保持する場合に、どの濃度補正テーブルを用いて生成したかについての情報も併せて保持する。その後、待機ジョブリストに登録する(S1008)。待機ジョブリストは、CPU204により生成、管理されており、印刷設定と保管データの形式、保管データの保管領域からなるデータを実効順にリスト化したもので、RAM206に置かれるものである。
【0023】
図11は、強節電モード時における、プリント処理動作の開始タイミングの制御フローを示したものである。CPU204は、プリント待機ジョブ数が1になると(S1101)、タイマをスタートさせる(S1102)。このタイマは、節電時の予熱OFFの時間を計測するためのタイマである。次にCPU204は、待機ジョブ数が4に到達したかどうかを判断する(S1103)。この値はプリント装置の搭載メモリ量で決まる。さらに、タイマ値が一定値に達したかどうかを判断する(S1105)。このタイマ値を、本実施例では5分とする。この値は、ユーザによって可変可能であり、不図示の操作部から設定する。CPU204は、待機ジョブの数が4に到達するか、あるいはタイマ値が5分に到達するかのいずれかの条件を満たした場合、タイマを停止/初期化した後(S1104)、プリント処理動作を開始する(プリント開始指示をする)。
【0024】
図12は、強節電モード時における、プリント処理動作制御のフローチャートである。プリンタエンジン202は前述したテストパッチの濃度特性測定を実行し(S1201)、測定された濃度結果をCPU204に通知する(S1202)。CPU204は、濃度補正テーブルを既に作成済みでなければ(S1203)、つまり現在のプリント動作以前にプリント処理を実行していない場合、通知されたテストパッチ濃度結果から新たに濃度補正テーブルを作成する(S1205)。また、濃度補正テーブルを既に作成済みである場合(S1203)、通知されたテストパッチ濃度結果から、濃度補正テーブルを更新すべきであるかどうかを判断する(S1204)。濃度補正テーブルを更新すべきであると判断した場合、濃度補正テーブルを更新する(S1205)。また、通知されたテストパッチ濃度結果から濃度補正テーブルの更新が必要ないと判断された場合は、既に作成され、RAM206に保管されている既存の濃度補正テーブルを使用する。濃度補正については、各プリント待機ジョブのプリント開始動作毎に行われる。
【0025】
CPU204は待機ジョブリストを参照し、現在プリント実行の対象のジョブがJPEG保管のジョブならば(S1206)、圧縮伸張部209は、JPEGデータを伸張し、コントーンビットマップを生成する(S1207)。次に、プリントデータ生成部210は、生成したコントーンビットマップから濃度補正されたハーフトーンプリントデータ作成し(S1208)、生成されたハーフトーンプリントデータを用いてプリント実行する(S1209)。S1206の判断において、待機ジョブの保管形式がJPEGデータではなくPDLデータのみであった場合、レンダリング部208は、PDLをレンダリングしてコントーンビットマップを生成する(S1213:第1のレンダリング処理)。次に、プリントデータ生成部210は、生成したコントーンビットマップから濃度補正されたハーフトーンプリントデータ作成し(S1208:ハーフトーンプリントデータ出力処理)、プリント実行する(S1209)。
【0026】
次に、S1212の判断において、待機ジョブがPDLデータのみでなかった場合、つまりハーフトーンプリントデータと、PDLとの2種類の形式で保管されていた場合について説明する。CPU204は、現在の濃度補正テーブルが、保持されているハーフトーンプリントデータ生成時に使用した濃度補正テーブルと同じかどうかを判断する(S1214)。この判断は、濃度補正テーブルの識別情報や更新時刻などを参照することによって行われる。濃度補正テーブルが更新されていない場合、ハーフトーンデータ生成時からの環境変動が生じていないため、保持されていたハーフトーンプリントデータをプリント対象データとしてプリントエンジンに送信し、プリント実行を行う(S1209)。濃度補正テーブルが更新されていた場合、保持されているハーフトーンデータの生成時からの環境変動が生じているため、保持されていたハーフトーンプリントデータを使用した場合には環境変動に応じて生じる色味変動を吸収することができない。従ってレンダリング部208は、保持されているPDLをレンダリングしてコントーンビットマップを生成する(S1213:第2のレンダリング処理)。次に、プリントデータ生成部210は、生成したコントーンビットマップから濃度補正されたハーフトーンプリントデータを新たに作成し(S1208:ハーフトーンプリントデータ出力処理)、プリント実行する(S1209)。その後、CPU204は対象ジョブを待機ジョブリストから削除、更新する(S1210)。前述の処理フローを更新後の待機ジョブが0になるまで繰り返し実行する。
【0027】
以上の手順により、プリント待機中のジョブを最適な形式で保存することができ、保存時の記憶容量の削減しつつ、かつプリント時のパフォーマンスの向上を実現することができる。
【0028】
本実施例では、省エネを目的としたジョブを一定期間スプールするプリントジョブ待機処理を例に説明を行ってきた。しかしながら、省エネ目的以外であっても受信したプリントジョブを一定期間、複数保持可能なプリンタ装置に対して適用できることは言うまでもない。例えば、印刷文書の機密保持のために、プリントジョブを受信した直後に印刷処理を開始せず、プリントジョブ待機処理をおこない、その後、ユーザのパスワード入力等による認証動作により用紙へのプリント動作を実行するプリント装置にも適用可能である。
【0029】
なお、上記の例においては、濃度測定処理をプリントジョブ毎に行う例について説明した。しかしながら、例えば1つのプリントジョブの中に複数ページを印刷対象とするジョブがあるような場合も考えられ、このような場合にも本発明を適用することが可能である。例えば、10ページ毎に濃度測定を行う場合や、1ページ毎に濃度測定を行う場合にも本発明を適用可能である。この場合には、例えば図10で示すジョブ管理のフローについては、各ページについてのコントーンビットマップ生成時のタイマを測定して、各ページについての圧縮率を判断することができる。また、例えば10ページを印刷対象とするPDLのうち、2〜4ページ目の圧縮率が所定の値以下の場合には、この2〜4ページ目をそれぞれJPEG圧縮し、残りのページについてはPDLで保持しておくことも可能である。この場合には、2〜4ページ目の処理部分を除いたPDLを再生成するなどしてPDLデータを保持しておくことも可能である。また、待機ジョブリストと同様に各ページについての管理テーブルを設けて、どのページがJPEG圧縮されているか等の情報を保持しておくことで、プリント処理時にもどのような形式で保持されているかを適切に判断することができる。従って、上述した「ジョブ」という用語には、通常の意味で用いられるジョブはもちろんのこと、ジョブの中に含まれる「各ページ」の概念も含むものである。
【0030】
また、上記の例においては、JPEG形式で圧縮伸張する場合について説明したが、他の圧縮形式でコントーンビットマップを圧縮伸張してもよい。
【0031】
<その他の実施例>
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
PDL(Page Description Language)データを受信するPDLデータ受信手段と、
前記受信したPDLデータを解析してコントーンビットマップ画像を生成するレンダリング手段と、
前記レンダリング手段の処理時間を計測するタイマ手段と、
前記生成したコントーンビットマップ画像を圧縮して圧縮画像データを出力する圧縮手段と、
前記出力された圧縮画像データの圧縮率が第1の閾値以下の場合に、前記圧縮画像データをプリント待機ジョブとして保持する第1の保持手段と、
前記出力された圧縮画像データの圧縮率が前記第1の閾値を超える場合において、前記タイマ手段で計測された処理時間が第2の閾値以下の場合に前記PDLデータをプリント待機ジョブとして保持する第2の保持手段と、
前記出力された圧縮画像データの圧縮率が第1の閾値を超える場合において、前記タイマ手段で計測された前記処理時間が前記第2の閾値を越える場合に、プリンタエンジンの濃度特性の測定結果に従って前記コントーンビットマップ画像から濃度補正したハーフトーンプリントデータを生成し、該生成した濃度補正したハーフトーンプリントデータと前記PDLデータとをプリント待機ジョブとして保持する第3の保持手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第2の閾値は、プリントエンジンが1ページをプリントするために必要な時間であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
プリントジョブをプリント待機ジョブとして複数保持可能な画像形成装置であって、
前記プリント待機ジョブのプリント開始指示を受信する受信手段と、
前記各プリント待機ジョブのプリント開始動作毎にプリンタエンジンの濃度特性を測定する濃度特性測定手段と、
プリント待機ジョブとして圧縮画像データを保持している場合において、該圧縮画像データを伸張してコントーンビットマップ画像を出力する伸張手段と、
プリント待機ジョブとしてPDL(Page Description Language)データを保持している場合において、該PDLデータを解析してコントーンビットマップ画像を生成する第1のレンダリング手段と、
プリント待機ジョブとしてPDLデータと濃度補正したハーフトーンプリントデータとを保持している場合において、前記濃度特性測定手段によって測定された濃度特性と、該ハーフトーンプリントデータを生成する際に用いられた濃度特性とが一致しない場合に、該PDLデータを解析してコントーンビットマップ画像を生成する第2のレンダリング手段と、
プリント待機ジョブとしてPDLデータと濃度補正したハーフトーンプリントデータとを保持している場合において、前記濃度特性測定手段によって測定された濃度特性と、該ハーフトーンプリントデータを生成する際に用いられた濃度特性とが一致する場合に、該保持している濃度補正したハーフトーンプリントデータをプリント対象データとして出力するハーフトーンプリントデータ出力手段と、
前記第1のレンダリング手段、または前記第2のレンダリング手段で生成されたコントーンビットマップ画像から、前記濃度特性測定手段によって測定された濃度特性の測定結果に従って濃度補正したハーフトーンプリントデータを生成するハーフトーンプリントデータ生成手段と、
前記ハーフトーンプリントデータ生成手段で生成された濃度補正したハーフトーンプリントデータ、または前記ハーフトーンプリントデータ出力手段から出力された濃度補正したハーフトーンプリントデータを用いてプリント処理を実行するプリント処理手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
PDL(Page Description Language)データを受信するPDLデータ受信ステップと、
前記受信したPDLデータを解析してコントーンビットマップ画像を生成するレンダリングステップと、
前記レンダリングステップの処理時間を計測するタイマステップと、
前記生成したコントーンビットマップ画像を圧縮して圧縮画像データを出力する圧縮ステップと、
前記出力された圧縮画像データの圧縮率が第1の閾値以下の場合に、前記圧縮画像データをプリント待機ジョブとして保持する第1の保持ステップと、
前記出力された圧縮画像データの圧縮率が前記第1の閾値を超える場合において、前記タイマステップで計測された処理時間が第2の閾値以下の場合に前記PDLデータをプリント待機ジョブとして保持する第2の保持ステップと、
前記出力された圧縮画像データの圧縮率が第1の閾値を超える場合において、前記タイマステップで計測された前記処理時間が前記第2の閾値を越える場合に、プリンタエンジンの濃度特性の測定結果に従って前記コントーンビットマップ画像から濃度補正したハーフトーンプリントデータを生成し、該生成した濃度補正したハーフトーンプリントデータと前記PDLデータとをプリント待機ジョブとして保持する第3の保持ステップと
を備えることを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項5】
前記第2の閾値は、プリントエンジンが1ページをプリントするために必要な時間であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項6】
プリントジョブをプリント待機ジョブとして複数保持可能な画像形成装置の制御方法であって、
前記プリント待機ジョブのプリント開始指示を受信する受信ステップと、
前記各プリント待機ジョブのプリント開始動作毎にプリンタエンジンの濃度特性を測定する濃度特性測定ステップと、
プリント待機ジョブとして圧縮画像データを保持している場合において、該圧縮画像データを伸張してコントーンビットマップ画像を出力する伸張ステップと、
プリント待機ジョブとしてPDL(Page Description Language)データを保持している場合において、該PDLデータを解析してコントーンビットマップ画像を生成する第1のレンダリングステップと、
プリント待機ジョブとしてPDLデータと濃度補正したハーフトーンプリントデータとを保持している場合において、前記濃度特性測定ステップによって測定された濃度特性と、該ハーフトーンプリントデータを生成する際に用いられた濃度特性とが一致しない場合に、該PDLデータを解析してコントーンビットマップ画像を生成する第2のレンダリングステップと、
プリント待機ジョブとしてPDLデータと濃度補正したハーフトーンプリントデータとを保持している場合において、前記濃度特性測定ステップによって測定された濃度特性と、該ハーフトーンプリントデータを生成する際に用いられた濃度特性とが一致する場合に、該保持している濃度補正したハーフトーンプリントデータをプリント対象データとして出力するハーフトーンプリントデータ出力ステップと、
前記第1のレンダリングステップ、または前記第2のレンダリングステップで生成されたコントーンビットマップ画像から、前記濃度特性測定ステップによって測定された濃度特性の測定結果に従って濃度補正したハーフトーンプリントデータを生成するハーフトーンプリントデータ生成ステップと、
前記ハーフトーンプリントデータ生成ステップで生成された濃度補正したハーフトーンプリントデータ、または前記ハーフトーンプリントデータ出力ステップから出力された濃度補正したハーフトーンプリントデータを用いてプリント処理を実行するプリント処理ステップと
を備えることを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項7】
請求項4または6に記載の画像形成装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項1】
PDL(Page Description Language)データを受信するPDLデータ受信手段と、
前記受信したPDLデータを解析してコントーンビットマップ画像を生成するレンダリング手段と、
前記レンダリング手段の処理時間を計測するタイマ手段と、
前記生成したコントーンビットマップ画像を圧縮して圧縮画像データを出力する圧縮手段と、
前記出力された圧縮画像データの圧縮率が第1の閾値以下の場合に、前記圧縮画像データをプリント待機ジョブとして保持する第1の保持手段と、
前記出力された圧縮画像データの圧縮率が前記第1の閾値を超える場合において、前記タイマ手段で計測された処理時間が第2の閾値以下の場合に前記PDLデータをプリント待機ジョブとして保持する第2の保持手段と、
前記出力された圧縮画像データの圧縮率が第1の閾値を超える場合において、前記タイマ手段で計測された前記処理時間が前記第2の閾値を越える場合に、プリンタエンジンの濃度特性の測定結果に従って前記コントーンビットマップ画像から濃度補正したハーフトーンプリントデータを生成し、該生成した濃度補正したハーフトーンプリントデータと前記PDLデータとをプリント待機ジョブとして保持する第3の保持手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第2の閾値は、プリントエンジンが1ページをプリントするために必要な時間であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
プリントジョブをプリント待機ジョブとして複数保持可能な画像形成装置であって、
前記プリント待機ジョブのプリント開始指示を受信する受信手段と、
前記各プリント待機ジョブのプリント開始動作毎にプリンタエンジンの濃度特性を測定する濃度特性測定手段と、
プリント待機ジョブとして圧縮画像データを保持している場合において、該圧縮画像データを伸張してコントーンビットマップ画像を出力する伸張手段と、
プリント待機ジョブとしてPDL(Page Description Language)データを保持している場合において、該PDLデータを解析してコントーンビットマップ画像を生成する第1のレンダリング手段と、
プリント待機ジョブとしてPDLデータと濃度補正したハーフトーンプリントデータとを保持している場合において、前記濃度特性測定手段によって測定された濃度特性と、該ハーフトーンプリントデータを生成する際に用いられた濃度特性とが一致しない場合に、該PDLデータを解析してコントーンビットマップ画像を生成する第2のレンダリング手段と、
プリント待機ジョブとしてPDLデータと濃度補正したハーフトーンプリントデータとを保持している場合において、前記濃度特性測定手段によって測定された濃度特性と、該ハーフトーンプリントデータを生成する際に用いられた濃度特性とが一致する場合に、該保持している濃度補正したハーフトーンプリントデータをプリント対象データとして出力するハーフトーンプリントデータ出力手段と、
前記第1のレンダリング手段、または前記第2のレンダリング手段で生成されたコントーンビットマップ画像から、前記濃度特性測定手段によって測定された濃度特性の測定結果に従って濃度補正したハーフトーンプリントデータを生成するハーフトーンプリントデータ生成手段と、
前記ハーフトーンプリントデータ生成手段で生成された濃度補正したハーフトーンプリントデータ、または前記ハーフトーンプリントデータ出力手段から出力された濃度補正したハーフトーンプリントデータを用いてプリント処理を実行するプリント処理手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
PDL(Page Description Language)データを受信するPDLデータ受信ステップと、
前記受信したPDLデータを解析してコントーンビットマップ画像を生成するレンダリングステップと、
前記レンダリングステップの処理時間を計測するタイマステップと、
前記生成したコントーンビットマップ画像を圧縮して圧縮画像データを出力する圧縮ステップと、
前記出力された圧縮画像データの圧縮率が第1の閾値以下の場合に、前記圧縮画像データをプリント待機ジョブとして保持する第1の保持ステップと、
前記出力された圧縮画像データの圧縮率が前記第1の閾値を超える場合において、前記タイマステップで計測された処理時間が第2の閾値以下の場合に前記PDLデータをプリント待機ジョブとして保持する第2の保持ステップと、
前記出力された圧縮画像データの圧縮率が第1の閾値を超える場合において、前記タイマステップで計測された前記処理時間が前記第2の閾値を越える場合に、プリンタエンジンの濃度特性の測定結果に従って前記コントーンビットマップ画像から濃度補正したハーフトーンプリントデータを生成し、該生成した濃度補正したハーフトーンプリントデータと前記PDLデータとをプリント待機ジョブとして保持する第3の保持ステップと
を備えることを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項5】
前記第2の閾値は、プリントエンジンが1ページをプリントするために必要な時間であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項6】
プリントジョブをプリント待機ジョブとして複数保持可能な画像形成装置の制御方法であって、
前記プリント待機ジョブのプリント開始指示を受信する受信ステップと、
前記各プリント待機ジョブのプリント開始動作毎にプリンタエンジンの濃度特性を測定する濃度特性測定ステップと、
プリント待機ジョブとして圧縮画像データを保持している場合において、該圧縮画像データを伸張してコントーンビットマップ画像を出力する伸張ステップと、
プリント待機ジョブとしてPDL(Page Description Language)データを保持している場合において、該PDLデータを解析してコントーンビットマップ画像を生成する第1のレンダリングステップと、
プリント待機ジョブとしてPDLデータと濃度補正したハーフトーンプリントデータとを保持している場合において、前記濃度特性測定ステップによって測定された濃度特性と、該ハーフトーンプリントデータを生成する際に用いられた濃度特性とが一致しない場合に、該PDLデータを解析してコントーンビットマップ画像を生成する第2のレンダリングステップと、
プリント待機ジョブとしてPDLデータと濃度補正したハーフトーンプリントデータとを保持している場合において、前記濃度特性測定ステップによって測定された濃度特性と、該ハーフトーンプリントデータを生成する際に用いられた濃度特性とが一致する場合に、該保持している濃度補正したハーフトーンプリントデータをプリント対象データとして出力するハーフトーンプリントデータ出力ステップと、
前記第1のレンダリングステップ、または前記第2のレンダリングステップで生成されたコントーンビットマップ画像から、前記濃度特性測定ステップによって測定された濃度特性の測定結果に従って濃度補正したハーフトーンプリントデータを生成するハーフトーンプリントデータ生成ステップと、
前記ハーフトーンプリントデータ生成ステップで生成された濃度補正したハーフトーンプリントデータ、または前記ハーフトーンプリントデータ出力ステップから出力された濃度補正したハーフトーンプリントデータを用いてプリント処理を実行するプリント処理ステップと
を備えることを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項7】
請求項4または6に記載の画像形成装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−98446(P2011−98446A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−253061(P2009−253061)
【出願日】平成21年11月4日(2009.11.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月4日(2009.11.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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