説明

画像形成装置、データ処理方法、画像形成方法及びプログラム

【課題】 起動時に現在時刻を取得できなかったとしても、その後現在時刻が取得できた場合にそれ以前のジョブに関しても時刻を特定できるようにすることを課題とする。
【解決手段】 画像形成装置が起動してからの起動経過時間をカウントする起動時間処理手段(402)と、ネットワーク上のサーバ装置から現在時刻を取得する現在時刻処理手段(401,402)と、ジョブに関するログを生成して記憶するログ処理手段(405)とを有し、ログ処理手段は、現在時刻を取得する前に、起動経過時間に基づくログを生成することを特徴とする画像形成装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷ジョブなどのジョブに関するログを記録するログ記録技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ネットワークに接続され、ネットワークを介してコンピュータから指示される印刷を可能とするプリンタや複合機のようなネットワークデバイスが利用されている。このようなネットワークデバイスにおいては、誰がどのようなジョブを印刷したかといった情報を印刷ログとして保持するものもあり、保持された印刷ログは、ネットワーク経由で取得したり、デバイスのパネル上に表示させ、さらに印刷させたりする。デバイスの管理者は、この印刷ログを取得することによりデバイスの利用状況を把握することが可能となっている。通常、この印刷ログに含まれる情報としては、ユーザ名、ジョブ名、印刷ページ数、印刷結果、印刷時刻といった情報が使用されている。
【0003】
一方、ネットワークデバイスの中には、RTC(Real Time Clock)を持たず、ネットワーク上に存在するサーバから現在時刻を取得し、その後の処理に使用するものもある。サーバから時刻を取得する方法としては、例えばRFC2030で規定されているSNTP(Simple Network Time Protocol)などが知られている。SNTPにおいては、クライアントがサーバから時刻を取得する方法として3種類のモードを定義している。第一のモードはunicastモードである。unicastモードにおいては、クライアントは特定のサーバに対してrequestを送信し、サーバは時刻情報を含むresponseを返信する。第二のモードはmulticastモードである。multicastモードにおいては、サーバが定期的にローカルbroadcastアドレスまたはmulticastアドレスに時刻情報を送信し、クライアントがそれを受信する。第三のモードはanycastモードである。anycastモードにおいては、クライアントはローカルbroadcastアドレスまたはmulticastアドレスにrequestを送信し、それを受信したサーバが時刻情報を含むresponseをunicastで返信する。複数のサーバが存在した場合はクライアントは複数のresponseを受信するが、最初に返ってきたresponseを使用する。また、SNTPにおけるメッセージ形式は図1のようなものである。上記3種類のモードで使用されるrequest/responseの種類はMode領域にセットされる値で識別される。
【0004】
上記のようなSNTPクライアント機能を実装することにより、ネットワークデバイスはRTCを持たなくても現在時刻を取得することが可能であり、印刷ログにも、印刷時刻情報を含ませることが可能となっている。
【0005】
また、下記の特許文献1には、NTPを用いてサーバから時刻情報を取得する印刷制御システムが開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開平11−143665号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記のように、起動時にネットワーク上のサーバから時刻情報を取得して印刷ログ生成処理に使用するデバイスにおいては、時刻取得に失敗した場合に問題が生じる。つまり、なんらかの理由によりデバイス起動時にサーバから時刻を取得できなかった場合、印刷が実行された際に現在の時刻が特定できないため、印刷ログに時刻情報を含めることができず、デバイス管理者が後で印刷ログを見ても印刷が行われた時刻がわからなくなるという問題があった。
【0008】
本発明は上記の問題を解決するためのものであり、その第一の目的は、起動時に時刻情報を取得できなかったとしても、その後時刻情報が取得できた場合に、それ以前のジョブに関しても時刻を特定することを可能とする技術を提供することである。また第二の目的は、起動時に時刻情報を取得できなかった場合に電子メールを使用してデバイス管理者に印刷時刻を通知することを可能とする技術を提供することである。また第三の目的は、起動時に時刻情報を取得できなかった場合は印刷機能を不可能とし、印刷時刻が不明となってしまう印刷ジョブを排除することを可能とする技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の画像形成装置は、画像形成装置が起動してからの起動経過時間をカウントする起動時間処理手段と、ネットワーク上のサーバ装置から現在時刻を取得する現在時刻処理手段と、ジョブに関するログを生成して記憶するログ処理手段とを有し、前記ログ処理手段は、前記現在時刻を取得する前に、前記起動経過時間に基づく前記ログを生成することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の画像形成装置は、ネットワーク上のホストコンピュータからジョブを受信して印刷を行う画像形成装置であって、前記ネットワーク上のホストコンピュータから受信したジョブに関する印刷ログを生成する印刷ログ処理手段と、前記印刷ログを電子メールにより送信する電子メール送信手段とを有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の画像形成装置は、ネットワーク上のサーバ装置から現在時刻を取得してカウントする現在時刻処理手段と、ジョブに関する印刷ログを生成する印刷ログ処理手段とを有し、前記印刷ログ処理手段は、前記現在時刻を取得する前には印刷を行わないことを特徴とする。
【0012】
また、本発明のデータ処理方法は、画像形成装置が起動してからの起動経過時間をカウントする起動時間処理ステップと、ネットワーク上のサーバ装置から現在時刻を取得する前に、前記起動経過時間に基づいてジョブに関するログを生成するログ処理ステップとを有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明のデータ処理方法は、ネットワーク上のホストコンピュータから受信したジョブに関する印刷ログを生成する印刷ログ処理ステップと、前記印刷ログを電子メールにより送信する電子メール送信ステップとを有することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の画像形成方法は、印刷を行うと共にジョブに関する印刷ログを生成する画像形成方法であって、ネットワーク上のサーバ装置から現在時刻を取得する前には印刷を行わない印刷ログ処理ステップを有することを特徴とする。
【0015】
また、本発明のプログラムは、上記のデータ処理方法又は画像形成方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0016】
起動時に現在時刻を取得できなかったとしても、その後現在時刻が取得できた場合に、それ以前のジョブに関しても時刻を特定することができる。また、起動時に現在時刻を取得できなかった場合に電子メールを使用してデバイス管理者に印刷時刻を通知することができる。また、起動時に現在時刻を取得できなかった場合は印刷機能を不可能とし、印刷時刻が不明となってしまう印刷ジョブを排除することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明をその好適な実施形態に基づき詳細に説明する。
(第一の実施形態)
図2は、本発明の第一の実施形態による印刷システムの構成例を示すブロック図である。画像形成装置201はネットワーク200に接続され、ホストコンピュータ202、203と通信可能である。画像形成装置201は、ホストコンピュータ202、203からプリントジョブを受信し印刷を行い、その印刷ログを保持する。また画像形成装置201はSNTPを使用してサーバ204から時刻情報を取得することが可能である。
【0018】
図3は、画像形成装置201のハードウェア構成を説明するブロック図である。なお、ここでは、レーザビームプリンタを例にして説明する。図3のプリンタ300において、301はプリンタCPU(CPU)で、ROM303のプログラム用ROMに記憶された制御プログラムに基づいてシステムバス304に接続される各種のデバイスとのアクセスを総括的に制御し、印刷インターフェース307を介して接続される印刷部(プリントエンジン)310に出力情報としての画像信号を出力する。また、このROM303のプログラム用ROMは、CPU301が実行可能な制御プログラム等を記憶する。さらに、ROM303のフォント用ROMは上記出力情報を生成する際に使用するフォントデータ(アウトラインフォントデータを含む)等を記憶し、ROM303のデータ用ROMは、ホストコンピュータ上で利用される情報等を記憶している。CPU301はLANコントローラ306を介してネットワーク上のホストコンピュータとの通信処理が可能となっている。302はRAMで、主としてCPU301の主メモリ、ワークエリア等として機能し、図示しない増設ポートに接続されるオプションRAMによりメモリ容量を拡張することができるように構成されている。なお、RAM302は、出力情報展開領域、環境データ格納領域等に用いられる。ハードディスク(HD)及びICカード等の外部記憶装置311は、ディスクコントローラ(DKC)308によりアクセスが制御される。ハードディスクは、フォントデータ、エミュレーションプログラム、フォームデータ等を記憶したり、プリントジョブを一時的にスプールし、スプールされたジョブを外部から制御するためのジョブ格納領域として使用される。また、305は操作パネルで、ユーザがソフトウェアキーから各種情報を入力することが可能である。前述した外部記憶装置311は、1個に限らず、少なくとも1個以上備え、内蔵フォントに加えてオプションフォントカード、言語系の異なるプリンタ制御言語を解釈するプログラムを格納した外部メモリを複数接続できるように構成されていても良い。309は不揮発性メモリであり、操作パネル305からのプリンタ設定情報を記憶している。
【0019】
また、図示していないが、プリンタ300にはさらにオプションで、ステープルやソート機能を行うフィニッシャや、両面印刷機能を実現するための両面装置など各種拡張装置を装着することが可能となっており、それらの動作はCPU301から制御される。
【0020】
図4は、画像形成装置201のソフトウェア構成を説明するブロック図である。時刻取得部401は、SNTPを使用し、ネットワーク処理部403を介してサーバ204から時刻情報を取得する。取得した時刻情報は時刻処理部402に送信され、それ以降は時刻処理部402が時刻を管理する。ホストコンピュータからネットワーク処理部403を介してジョブを受信すると、印刷処理部404は印刷処理を行い、処理が終了すると印刷ログ処理部405に通知する。印刷ログ処理部405は、後述するように、印刷ログを生成し不揮発性メモリ309に保持したり、保持した印刷ログを更新したり、印刷ログ表示部406からの要求に従って印刷ログを取り出して送信したりする。
【0021】
図5は、時刻取得部401の内部動作を示すフローチャートである。なお本実施形態においては前述したSNTPの3つのモードのうち、unicastモードで動作するものとする。
【0022】
まずステップS501で画像形成装置201が起動すると、事前に操作パネル305から設定され不揮発性メモリ309に保持されているサーバ204のIPアドレスに対して、ステップS502で時刻取得のために図1のようなSNTPパケットをrequestとして送信する。その際、Modeとしては3(=client)を指定する。次にステップS503において、サーバ204から正常にresponseを受信したかを判別する。ネットワーク環境や設定に問題がなければ、サーバ204は図1のようなSNTPパケットをresponseとして返すためステップS505に進む。その際サーバ204からのresponseはModeとして4(=server)、Transmit Timestampとしてサーバの時刻情報を示すタイムスタンプがセットされている。一方、なんらかの理由によりresponseを受信しなかった場合はステップS504に進み、5分間waitし、その後ステップS502に戻る。ステップS505においては、受信したresponseに含まれる時刻情報を時刻処理部402に通知し、その後ステップS506において印刷ログ処理部405に時刻が取得されたことを通知し、処理を終了する。
【0023】
ここで、時刻処理部402は、内部クロックから1秒経過するたびに通知を受けており、図5のフローチャートのステップS505において現在時刻が通知された後は内部クロックからの通知に基づき現在時刻をカウント更新して保持する。また、時刻処理部(起動時間処理部)402は、内部クロックからの通知を画像形成装置が起動した時点からの起動経過時間をカウントすることにより、起動してから経過した秒数としても保持している。
【0024】
図6は、印刷処理部404の内部動作を示すフローチャートである。ステップS601においてホストコンピュータから印刷ジョブを受信すると、ステップS602において印刷処理を行い、その後ステップS603において、印刷ログ処理部405に対して印刷ログ生成要求を送信し処理を終了する。ここで、ステップS603において印刷ログ生成要求に含まれる印刷情報は図7のようなものであり、例えばジョブ名、ユーザ名、印刷ページ数及び印刷結果を含む。
【0025】
印刷ログ処理部405は、印刷ログに関するさまざまな処理を行うが、主に、後述する3種類のイベントを受信するのを待っており、各イベントを受信するとその種類に対応した処理動作を開始する。
【0026】
図8は第一のイベントである印刷ログ生成要求を受信した際の印刷ログ処理部405の内部動作を示すフローチャートである。ステップS801において、印刷処理部404から印刷ログ生成要求を受信すると、ステップS802において時刻処理部402から現在の時刻情報を取得する。ここで、時刻処理部402から返される時刻情報は図9のようなものであり、例えば現在時刻901及び起動時間902を含む。現在時刻901には、時刻取得部401がサーバ204から時刻情報の取得に成功し時刻処理部402に通知していれば現在の時刻が入るが、そうでない場合は0が入っている。また起動時間902にはデバイスが起動してからの秒数が入っている。ステップS803においては、印刷ログ生成要求に含まれる図7の情報と、時刻処理部402から取得した図9の時刻情報を合わせて図10のようなフォーマットで印刷ログを生成し、不揮発性メモリ309に格納し、処理を終了する。その印刷ログは、印刷時刻及び印刷時時間を含み、印刷時時間は図9の起動時間902に対応する。
【0027】
すなわち、現在時刻を取得する前にジョブを受信したときには、起動時間(起動経過時間)902を印刷時時間として印刷ログを生成する。現在時刻を取得した後にジョブを受信したときには、現在時刻を印刷時刻として印刷ログを生成する。
【0028】
なお、生成した印刷ログはそれ以前に保持していた印刷ログに追記し、印刷ログが一定のサイズを超えてしまった場合は古いものから削除していく。
【0029】
図11は第二のイベントである時刻取得イベントを受信した際の印刷ログ処理部405の内部動作を示すフローチャートである。ステップS1101において、時刻取得部401から時刻が取得されたことが通知されると、ステップS1102において時刻処理部402から現在の時刻情報を取得する。時刻処理部402から返される時刻情報は図9のようなものであるが、図8のフローチャートの場合とは異なり、時刻901には必ず現在の時刻が入っている。次にステップS1103に進み、すでに不揮発性メモリ309に保持されている印刷ログの中で、デバイスが起動してから時刻取得に成功するまでの間に印刷が行われたために、印刷時刻が不定となっているジョブがあるかどうかを判定する。時刻不定のジョブがあった場合は、ステップS1104において、すべての時刻不定のジョブに関して印刷時刻を算出した後印刷ログを更新し、処理を終了する。ここで印刷時刻算出方法としては、時刻不定となっているジョブの印刷時時間をT1、ステップS1102で取得した起動時間をT2とし、ステップS1102で取得した現在時刻から(T2-T1)秒を引くことにより、印刷時刻を求めることができる。すなわち、印刷ログの時刻不定の印刷時時間を印刷時刻に変換することができる。
【0030】
また、印刷ログ処理部405が、第三のイベントである印刷ログ表示部406からの印刷ログ取得要求を受信した場合、不揮発性メモリ309に保持している印刷ログを取り出して返す。印刷ログ表示部406は返ってきた印刷ログデータを図12のように操作パネル305に表示するが、その際、時刻が入っていないジョブについては、時刻を「不定」と表示する。
【0031】
(第二の実施形態)
次に、本発明の第二の実施形態について以下に説明する。なお、本実施形態については第一の実施形態との違いのみ説明するものとする。
【0032】
本実施形態における画像形成装置のハードウェア構成としては第一の実施形態と同じく図3の構成である。図13は本実施形態における画像形成装置のソフトウェア構成を説明するブロック図である。図4の構成に加え、電子メール送信部1307が追加されており、電子メール送信部1307は印刷ログ処理部1305が生成した印刷ログデータを電子メール形式に変換し、ネットワーク処理部1303を介して電子メールとして画像形成装置の管理者に送信する機能を持つ。なお、管理者の電子メールアドレスや電子メールサーバのIPアドレスは、事前に操作パネル305から設定され不揮発性メモリ309に保持されている。
【0033】
印刷が行われ、印刷処理部1304から印刷ログ生成要求を受信すると、印刷ログ処理部1305は図6のフローチャートを実行するが、その際生成した印刷ログデータを電子メール送信部1307に送信する。電子メール送信部1307は受信した印刷ログデータを図14のような電子メール形式に変換し、管理者宛に送信する。図14の印刷ログデータは、図10の印刷ログと同様の内容である。
【0034】
管理者が実際に受信する電子メールは図15のようなものである。ここで、1501の部分は電子メールサーバが付加するヘッダであり、電子メールサーバがそのメールを処理した時刻を含んでいる。よって、画像形成装置の時刻取得部1301が時刻情報を取得する前であったとしても、この電子メールのヘッダに含まれる時刻情報により、管理者は印刷が行われた時刻を知ることが可能である。
【0035】
現在時刻を取得する前にジョブを受信したときには、印刷ログを電子メールにより送信する。電子メールは、電子メールサーバにより時刻情報がヘッダに付加され、その付加された時刻情報が印刷時刻として送信される。現在時刻を取得した後にジョブを受信したときには、現在時刻を印刷時刻として印刷ログを生成する。
【0036】
(第三の実施形態)
次に、本発明の第三の実施形態について以下に説明する。なお、本実施形態については第一の実施形態との違いのみ説明するものとする。
【0037】
本実施形態における画像形成装置のハードウェア構成としては第一の実施形態と同じく図3の構成である。図16は本実施形態における画像形成装置のソフトウェア構成を説明するブロック図である。時刻取得部1601は、時刻の取得に成功すると、時刻処理部1602に通知後、印刷処理部1604に対して通知を行う。印刷処理部1604は、ホストコンピュータから印刷ジョブを受信すると、時刻取得部1601からの通知をすでに受信しているかどうかを判定し、受信していた場合のみ図6のフローチャートを実行し、そうでない場合はホストコンピュータに対してエラーを返し印刷は行わない。そのため、印刷ログには必ず印刷時刻が含まれることが保証される。
【0038】
現在時刻を取得する前にジョブを受信したときには印刷を行わずにエラーを返す。現在時刻を取得した後にジョブを受信したときには、現在時刻を印刷時刻として印刷ログを生成する。
【0039】
以上説明したように、第一の実施形態によれば、起動時に時刻情報を取得できなかったとしても、その後時刻情報が取得できた場合に、それ以前に印刷されたジョブに関しても印刷時刻を特定することを可能とする画像形成装置を提供することが可能となる。また第二の実施形態によれば、起動時に時刻情報を取得できなかった場合に電子メールを使用してデバイス管理者に印刷時刻を通知することを可能とする画像形成装置を提供することが可能となる。また第三の実施形態によれば、起動時に時刻情報を取得できなかった場合は印刷機能を不可能とし、印刷時刻が不明となってしまう印刷ジョブを排除することを可能とする画像形成装置を提供することが可能となる。
【0040】
本実施形態は、図3の画像形成装置のコンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、プログラムをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムを記録したCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体又はかかるプログラムを伝送するインターネット等の伝送媒体も本発明の実施形態として適用することができる。また、上記のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体等のコンピュータプログラムプロダクトも本発明の実施形態として適用することができる。上記のプログラム、記録媒体、伝送媒体及びコンピュータプログラムプロダクトは、本発明の範疇に含まれる。記録媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0041】
なお、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】SNTPにおけるメッセージのパケット構造を示す図である。
【図2】本発明の第一の実施形態による印刷システムの構成例を示すブロック図である。
【図3】画像形成装置のハードウェア構成を説明するブロック図である。
【図4】第一の実施形態における画像形成装置のソフトウェア構成を説明するブロック図である。
【図5】時刻取得部401の内部動作を示すフローチャートである。
【図6】印刷処理部404の内部動作を示すフローチャートである。
【図7】印刷ログ生成要求に含まれる印刷情報の例を示す図である。
【図8】印刷ログ生成要求を受信した際の印刷ログ処理部405の内部動作を示すフローチャートである。
【図9】時刻処理部402から返される時刻情報の例を示す図である。
【図10】生成する印刷ログの例を示す図である。
【図11】時刻取得イベントを受信した際の印刷ログ処理部405の内部動作を示すフローチャートである。
【図12】操作パネル上に表示する印刷ログの例を示す図である。
【図13】第二の実施形態における画像形成装置のソフトウェア構成を説明するブロック図である。
【図14】第二の実施形態において画像形成装置が送信する電子メールの例を示す図である。
【図15】第二の実施形態において管理者が受信する電子メールの例を示す図である。
【図16】第三の実施形態における画像形成装置のソフトウェア構成を説明するブロック図である。
【符号の説明】
【0043】
401 時刻取得部
402 時刻処理部
403 ネットワーク処理部
404 印刷処理部
405 印刷ログ処理部
406 印刷ログ表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置が起動してからの起動経過時間をカウントする起動時間処理手段と、
ネットワーク上のサーバ装置から現在時刻を取得する現在時刻処理手段と、
ジョブに関するログを生成して記憶するログ処理手段とを有し、
前記ログ処理手段は、前記現在時刻を取得する前に、前記起動経過時間に基づく前記ログを生成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ログ処理手段は、前記現在時刻を取得後、その取得した現在時刻及び前記起動経過時間を基に、印刷ログに含まれる印刷時時間を印刷時刻に変換することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ログ処理手段は、前記現在時刻を取得した後に前記ジョブを受信したときには、前記現在時刻を印刷時刻として印刷ログを生成することを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
ネットワーク上のホストコンピュータからジョブを受信して印刷を行う画像形成装置であって、
前記ネットワーク上のホストコンピュータから受信したジョブに関する印刷ログを生成する印刷ログ処理手段と、
前記印刷ログを電子メールにより送信する電子メール送信手段と
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
さらに、ネットワーク上のサーバ装置から現在時刻を取得してカウントする現在時刻処理手段を有し、
前記電子メール送信手段は、前記現在時刻を取得する前に前記ジョブを受信したときには、前記印刷ログを電子メールにより送信することを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記電子メールは電子メールサーバにより時刻情報がヘッダに付加され、その付加された時刻情報が印刷時刻として送信されることを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記印刷ログ処理手段は、前記現在時刻を取得した後に前記ジョブを受信したときには、前記現在時刻を印刷時刻として前記印刷ログを生成することを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
【請求項8】
ネットワーク上のサーバ装置から現在時刻を取得してカウントする現在時刻処理手段と、
ジョブに関する印刷ログを生成する印刷ログ処理手段とを有し、
前記印刷ログ処理手段は、前記現在時刻を取得する前には印刷を行わないことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
前記印刷ログ処理手段は、前記現在時刻を取得した後に前記ジョブを受信したときには、前記現在時刻を印刷時刻として前記印刷ログを生成することを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記現在時刻処理手段は、SNTPを使用して現在時刻を取得することを特徴とする請求項1〜3、5〜9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記ログは、印刷を行ったユーザ名、ジョブ名、印刷ページ数及び印刷結果を含む印刷ログであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
画像形成装置が起動してからの起動経過時間をカウントする起動時間処理ステップと、
ネットワーク上のサーバ装置から現在時刻を取得する前に、前記起動経過時間に基づいてジョブに関するログを生成するログ処理ステップと
を有することを特徴とするデータ処理方法。
【請求項13】
ネットワーク上のホストコンピュータから受信したジョブに関する印刷ログを生成する印刷ログ処理ステップと、
前記印刷ログを電子メールにより送信する電子メール送信ステップと
を有することを特徴とするデータ処理方法。
【請求項14】
印刷を行うと共にジョブに関する印刷ログを生成する画像形成方法であって、
ネットワーク上のサーバ装置から現在時刻を取得する前には印刷を行わない印刷ログ処理ステップを有することを特徴とする画像形成方法。
【請求項15】
請求項12〜14のいずれか1項に記載のデータ処理方法又は画像形成方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−155367(P2006−155367A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−347073(P2004−347073)
【出願日】平成16年11月30日(2004.11.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】