説明

画像形成装置、プログラム、および媒体

【課題】ユーザが見ただけではその内容が判別されにくいコード画像の形成を可能とする画像形成装置等を提供する。
【解決手段】第1パターンデータ作成部111は、乱数生成部71からの乱数に基づいてパターンデータを作成する。第2パターンデータ作成部112のパターンデータ作成部112aは、固有情報格納部76から読み出したプリンタ部の固有情報から複数のパターンデータを作成する。そして、第2パターンデータ作成部112の並べ替え部112bは、乱数生成部71からの乱数に基づき、予め定められた並べ替え手順にてこれら複数のパターンデータの並べ替えを行う。コード画像生成部113は、第1パターンデータ作成部111にて作成されたパターンデータおよび第2パターンデータ作成部112で作成され且つ並べ替えられた複数のパターンデータに基づいてコード画像を生成して出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録材に画像を形成する画像形成装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フルカラー画像信号を電気的に処理し出力画像信号を得る画像形成装置において、この出力信号に、特定パターン(コード画像)を付加する画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。ここで、コード画像は、装置固有の認識番号や符号、装置の製造日付等を含んでおり、例えば印刷物を出力した画像形成装置を特定するのに用いられる。
【0003】
【特許文献1】特開平4−294682号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ユーザが見ただけではその内容が判別されにくいコード画像の形成を可能とする画像形成装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、乱数情報を生成する乱数情報生成部と、前記乱数情報生成部にて生成された前記乱数情報を、第1暗号鍵を用いて暗号化する第1暗号化部と、前記乱数情報生成部にて生成された前記乱数情報から新たに第2暗号鍵を作成する第2暗号鍵作成部と、自らを特定するための固有情報を、前記第2暗号鍵作成部にて作成された前記第2暗号鍵を用いて暗号化する第2暗号化部と、前記第1暗号化部にて暗号化された前記乱数情報および前記第2暗号化部にて暗号化された前記固有情報に基づいてコードデータを生成するコードデータ生成部と、前記コードデータ生成部にて生成された前記コードデータに基づいたコード画像を記録材に形成する画像形成部とを含む画像形成装置である。
請求項2に記載の発明は、前記乱数情報生成部は、所定時間毎に新たな乱数情報を生成し、又は前記画像形成部が新たな記録材に対し前記コード画像を形成するに際し新たな乱数情報を生成することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項3に記載の発明は、前記画像形成部は、人間の目に識別しにくい色の色材を用いて記録材に対し前記コード画像を形成することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項4に記載の発明は、乱数情報を生成する乱数情報生成部と、前記乱数情報生成部にて生成された前記乱数情報からパターンデータを作成する第1パターンデータ作成部と、自らを特定するための固有情報から複数のパターンデータを作成し、前記乱数情報生成部にて生成された前記乱数情報に基づいて当該複数のパターンデータを並べ替える第2パターンデータ作成部と、前記第1パターンデータ作成部にて作成された前記パターンデータおよび前記第2パターンデータ作成部にて並べ替えられた前記複数のパターンデータに基づいてコードデータを生成するコードデータ生成部と、前記コードデータ生成部にて生成された前記コードデータに基づいたコード画像を記録材に形成する画像形成部とを含む画像形成装置である。
請求項5に記載の発明は、前記第2パターンデータ作成部は、前記乱数情報に基づいて前記複数のパターンデータを順次移動させることで当該複数のパターンデータの並べ替えを行うことを特徴とする請求項4記載の画像形成装置である。
請求項6に記載の発明は、前記第2パターンデータ作成部は、前記乱数情報のうちの所定桁における情報に基づき前記複数のパターンデータの移動量を決定し、当該複数のパターンデータを当該移動量分だけ順次移動させることを特徴とする請求項5記載の画像形成装置である。
請求項7に記載の発明は、画像形成装置に、乱数情報を生成する機能と、前記乱数情報をメモリから読み出した第1暗号鍵を用いて暗号化する機能と、前記乱数情報から新たに第2暗号鍵を作成する機能と、前記画像形成装置を特定するための固有情報を、前記第2暗号鍵を用いて暗号化する機能と、前記第1暗号鍵によって暗号化された前記乱数情報および前記第2暗号鍵によって暗号化された前記固有情報に基づいてコードデータを生成する機能と、を実現させるプログラムである。
請求項8に記載の発明は、画像形成装置に、乱数情報を生成する機能と、前記乱数情報からパターンデータを作成する第1のパターンデータ作成機能と、前記画像形成装置を特定するための固有情報から複数のパターンデータを作成し、前記乱数情報に基づいて当該複数のパターンデータを並べ替える第2のパターンデータ作成機能と、前記第1のパターンデータ作成機能によって作成された前記パターンデータおよび前記第2のパターンデータ作成機能によって並べ替えられた前記複数のパターンデータに基づいてコードデータを生成する生成機能と、を実現させるプログラムである。
請求項9に記載の発明は、画像形成装置によって画像が印刷された媒体であって、ユーザの印刷指示により印刷される特定画像と、前記画像形成装置を特定するための固有情報から生成され、人間の目に識別しにくい色の色材で印刷されるコード画像とを含み、前記コード画像は、前記画像形成装置にて生成された乱数情報を第1暗号鍵を用いて暗号化された暗号化乱数情報と、当該乱数情報から新たに作成された第2暗号鍵を用いて前記固有情報が暗号化された暗号化固有情報と、から生成されることを特徴とする媒体である。
請求項10に記載の発明は、画像形成装置によって画像が印刷された媒体であって、ユーザの印刷指示により印刷される特定画像と、前記画像形成装置を特定するための固有情報から生成され、人間の目に識別しにくい色の色材で印刷されるコード画像とを含み、前記コード画像は、前記画像形成装置にて生成された乱数情報から作成されたパターンデータと、前記固有情報から作成され且つ当該乱数情報に基づき並び替えの行われた複数のパターンデータと、から生成されることを特徴とする媒体である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明によれば、形成パターンが変化することで固有情報の内容が判別されにくいコード画像を記録材に形成可能となる。
請求項2記載の発明によれば、例えば記録材毎に異なるコード画像を形成することができユーザによる固有情報の判別をより困難なものとすることができる。
請求項3記載の発明によれば、例えば、コード画像以外の画像の品位がコード画像によって低下することを抑制することができる。
請求項4記載の発明によれば、乱数を用いた並べ替えによって形成パターンが変化することで固有情報の内容が判別されにくいコード画像を記録材に形成可能となる。
請求項5記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、複数のパターンデータの並べ替えを簡易に行うことができる。
請求項6記載の発明によれば、例えば、乱数情報の全ての桁を用いる場合に比べパターンデータの移動量を速やかに決定することができる。
請求項7記載の発明によれば、形成パターンが変化することで固有情報の内容が判別されにくいコード画像を生成可能となる。
請求項8記載の発明によれば、乱数情報により形成パターンが変化することで固有情報の内容が判別されにくいコード画像を生成可能となる。
請求項9記載の発明によれば、コード画像に含まれる固有情報の内容が判別しにくい媒体を提供することができる。
請求項10記載の発明によれば、コード画像に含まれる固有情報の内容が判別しにくい媒体を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態という)について詳細に説明する。
<実施の形態1>
図1は、本実施の形態が適用される画像形成装置の全体構成を示した図である。この画像形成装置は、プリンタ部1とスキャナ部60とを備える。また、プリンタ部1は、作像プロセス系10、用紙搬送系30、制御部40、および処理部50を備える。
【0008】
作像プロセス系10は、処理部50にて生成された各色の画像データに基づいて画像形成を行う。また、用紙搬送系30は、作像プロセス系10の動作に対応して記録材(媒体)としての用紙の搬送を行う。制御部40は、プリンタ部1およびスキャナ部60の動作を制御する。処理部50は、スキャナ部60や図示しないPC(Personal Computer)等からなるクライアントに接続され、受信した印刷データに処理を施し、作像プロセス系10で用いる各色の画像データに変換して出力する。なお、図1は、画像形成装置を手前側から見た図であり、スキャナ部60のフロント側には、ユーザによる操作指示を受け付け、且つ、ユーザに情報を通知するためのUI(User Interface)70が設けられている。
【0009】
作像プロセス系10は、4つの画像形成ユニット、すなわちイエロー画像形成ユニット(Yユニット)11Y、マゼンタ画像形成ユニット(Mユニット)11M、シアン画像形成ユニット(Cユニット)11C、黒画像形成ユニット(Kユニット)11K、および転写ユニット20を備える。Yユニット11Y、Mユニット11M、Cユニット11C、およびKユニット11Kは、水平方向に一定の間隔を置いて並列的に配置される。
【0010】
画像形成部として機能する各画像形成ユニット11(11Y、11M、11C、11K)は、回転可能に配設される感光体ドラム12を備える。また、感光体ドラム12の周囲には、帯電器13、露光器14、現像器15、一次転写ロール16、ドラムクリーナ17等が順次配設されている。これらのうち、帯電器13は、感光体ドラム12を所定の電位に帯電する。露光器14は、帯電器13によって所定の電位に帯電された感光体ドラム12に選択的に光ビームを照射し、静電潜像を形成する。現像器15は、対応する色成分トナー(例えばYユニット11Yではイエローのトナー)を収容し、このトナーによって感光体ドラム12上の静電潜像を現像する。
【0011】
また、一次転写ロール16は、印加される一次転写バイアスにより感光体ドラム12上に形成されたトナー像を中間転写ベルト21に一次転写する。ドラムクリーナ17は、一次転写後の感光体ドラム12上の残留物(トナー等)を除去する。ここで、本実施の形態では、露光器14が、例えば主走査方向に多数のLED(Light Emitting Diode)を配列してなるLEDプリントヘッドで構成されている。なお、露光器14には、例えばLD(Laser Diode)やポリゴンミラー等を用いた走査型露光器を用いることもできる。
【0012】
また、中間転写ベルト21を挟んだ各画像形成ユニット11(11Y、11M、11C、11K)の上部側には、4本のトナーカートリッジ19(19Y、19M、19C、19K)が設けられている。各トナーカートリッジ19(19Y、19M、19C、19K)は、対応する色の画像形成ユニット11(11Y、11M、11C、11K)に設けられた現像器15に対応する色のトナーを供給する。
【0013】
転写ユニット20は、中間転写ベルト21、ドライブロール22、テンションロール23、バックアップロール24、およびベルトクリーナ25を備える。これらのうち、中間転写ベルト21は、ドライブロール22、テンションロール23、およびバックアップロール24に回転可能に張架支持される。ドライブロール22は、中間転写ベルト21を張架するとともに中間転写ベルト21を駆動して回転させる。
【0014】
テンションロール23は、中間転写ベルト21を張架することで中間転写ベルト21に所定のテンションを付与するとともにドライブロール22によって駆動される中間転写ベルト21に従動して回転する。バックアップロール24は、中間転写ベルト21を張架するとともに後述する二次転写部の構成部材として機能する。またベルトクリーナ25は、中間転写ベルト21を挟んでドライブロール22と対向する部位に取り付けられ、二次転写後の中間転写ベルト21上の残留物(トナー等)を除去する。
【0015】
用紙搬送系30は、給紙部31、取り出しロール32、フィードロール33、搬送路34、レジストロール35、二次転写ロール36、排出ロール37、および排出部38を備える。また、二次転写ロール36と排出ロール37との間には、用紙上に二次転写されたトナー像を加熱・加圧定着する定着器29が設けられる。
【0016】
給紙部31は、画像形成がなされる用紙を積載する。取り出しロール32は、給紙部31に積載される用紙を取り出して供給する。フィードロール33は、取り出しロール32によって取り出された用紙を一枚ずつに分離して搬送路34に搬送する。レジストロール35は、搬送路34を搬送されてくる用紙を一旦停止させ、二次転写位置(二次転写部)に向けてタイミングを合わせて搬送する。二次転写ロール36は、バックアップロール24とともに二次転写部を構成し、搬送される用紙上に中間転写ベルト21上の画像を二次転写する。排出ロール37は、定着器29によって画像の定着がなされた用紙を機外へと排出する。排出部38は、プリンタ部1の上部側に設けられ、排出ロール37によって排出された記録済みの用紙を積載する。
【0017】
一方、スキャナ部60は、プラテンガラス上に置かれた原稿の画像、あるいは、プラテンガラス上を搬送される原稿の画像を、図示しないCCDイメージセンサ等によって読み取る。本実施の形態では、スキャナ部60にて、原稿に形成された画像をフルカラーで読み取ることができるようになっている。
【0018】
図2は、プリンタ部1に設けられた処理部50の構成を示すブロック図である。処理部50は、出力画像処理部51、コードデータ作成部52、合成部53、およびバッファ部54を備える。
出力画像処理部51は、例えばスキャナ部60から入力されてくる読み取りデータに所定の画像処理を施し、画像データとして出力する。なお、この例では、スキャナ部60から入力されてくる赤(R)、緑(G)、および青(B)のカラー読み取りデータを出力画像処理部51にて色変換し、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)および黒(K)のフルカラー画像データとして出力している。
【0019】
コードデータ作成部52は、例えばプリンタ部1が置かれる部門コード、設置場所、プリント時刻、さらには制作者名などを含むプリンタ部1の固有情報を暗号化したコードデータを作成し、合成部53に向けて出力する。
一方、合成部53では、出力画像処理部51から出力される各色の画像データのうち、イエローの画像データと上記コードデータ作成部52から送られてくるコードデータとを合成してバッファ部54へ出力する。
【0020】
バッファ部54は、出力画像処理部51から合成部53を経由して入力されてくるイエローの画像データ、出力画像処理部51から直接入力されてくるマゼンタ、シアン、および黒の各色の画像データを一時的に蓄積し、所定のタイミングでY用露光器14Y、M用露光器14M、C用露光器14C、およびK用露光器14Kに出力する。したがって、Mユニット11M、Cユニット11C、およびKユニット11Kでは、スキャナ部60による読み取り結果に基づく各色のカラートナー像が形成される。一方、Yユニット11Yでは、スキャナ部60による読み取り結果および合成部53からのコードデータに基づくイエローのカラートナー像が形成される。このように本実施形態におけるコードデータは、人間の目には識別しにくい色の色材であるイエローを用いてトナー像とされる。
【0021】
図3は、上記コードデータ作成部52の詳細を説明するためのブロック図である。コードデータ作成部52は、乱数生成部71、第1暗号鍵格納部72、第1暗号化部73、第1データ作成部74、第2暗号鍵作成部75、固有情報格納部76、第2暗号化部77、第2データ作成部78、および合成出力部79を備える。
【0022】
乱数生成部(乱数情報生成部)71は、乱数を生成するとともにこの生成した乱数を出力する。なお、本実施形態における乱数生成部71には、一般的に使用される疑似乱数発生器を用いることができる。ここで、乱数生成部71は、所定時間毎に(例えば1分毎に)乱数の生成を行うことができる。この場合、乱数生成部71から出力される乱数は、所定時間毎に異なるようになる。また、乱数生成部71は、例えば、各画像形成ユニット11によって新たな用紙に対し画像が形成されるに際し、乱数を生成し出力を行うことができる。換言すれば、用紙の搬送が開始される度に、乱数を生成し出力を行うことができる。
第1暗号鍵格納部72は、乱数生成部71から出力される乱数を暗号化するための暗号鍵(第1暗号鍵と呼ぶ)の情報を格納するメモリとして機能している。
第1暗号化部73は、乱数生成部71から入力される乱数を、第1暗号鍵格納部72から読み出した第1暗号鍵を用いて暗号化する。
第1データ作成部74は、第1暗号化部73にて暗号化された乱数に基づき、第1画像データ(コード画像のデータ)を作成する。
【0023】
第2暗号鍵作成部75は、乱数生成部71から入力される乱数に基づき、固有情報を暗号化するための新たな暗号鍵(第2暗号鍵と呼ぶ)を作成する。
固有情報格納部76は、例えばROM(Read Only Memory)等からなり、上述した画像形成装置(プリンタ部1)の固有情報である部門コード、設置場所、制作者、およびプリント時刻等を格納する。なお、固有情報格納部76は、固有情報として、画像形成装置自身の固有ID、シリアルナンバー等を格納することもできる。また、固有情報格納部76をフラッシュROMなどの書き換え可能なものとし、GPSにより取得した画像形成装置の設置場所情報などを格納することも可能である。
第2暗号化部77は、固有情報格納部76から読み出したプリンタ部1の固有情報を、第2暗号鍵作成部75にて作成された第2暗号鍵を用いて暗号化する。
【0024】
第2データ作成部78は、第2暗号化部77にて暗号化された固有情報に基づき、第2画像データ(コード画像のデータ)を作成する。したがって、本実施の形態では、上記第1データ作成部74およびこの第2データ作成部78がコードデータを生成するコードデータ生成部として機能する。
合成出力部79は、第1データ作成部74で作成された第1画像データと第2データ作成部78で作成された第2画像データとを合成してコードデータを作成し、合成部53(図2参照)に出力する。
なお、第1暗号鍵格納部72に格納される第1暗号鍵そのもの、および第2暗号鍵作成部75で用いられる第2暗号鍵の生成式は公開されず、秘密とされる。
【0025】
ここで、コードデータ作成部52は、コンピュータ装置にて構成することができる。そしてコンピュータに実行させるプログラムは、このコンピュータが読み取り可能に記憶した記憶媒体に格納される形態がある。この記憶媒体としては、例えばCD−ROM媒体等が該当し、コンピュータにおけるCD−ROM読取装置によってプログラムが読み取られ、例えば、コンピュータにおけるハードディスク等の各種メモリにこのプログラムが格納され、実行される形態が考えられる。また、これらのプログラムは、例えば、プログラム伝送装置によってネットワークを介してノートPCや携帯端末に提供される形態が考えられる。このようなプログラム伝送装置としては、プログラムを格納するメモリと、ネットワークを介してプログラムを提供するプログラム伝送手段とを備えていれば足りる。
【0026】
次に、このプリンタ部1による画像形成動作について説明する。
ユーザの印刷指示等により、例えばスキャナ部60から読み取りデータが入力されると、処理部50によってこの読み取りデータに処理が施される。処理部50の出力画像処理部51では、読み取りデータ(RGB)に基づいて可視各色(YMCK)の画像データ(露光用データ)が作成される。これらのうち、マゼンタ(M)、シアン(C)、および黒(K)の画像データはそのままバッファ部54に送られ、バッファ部54に一時的に格納される。一方、イエローの画像データは、合成部53において、コードデータ作成部52から出力されるコードデータと合成された後にバッファ部54に送られ、同様にバッファ部54に一時的に格納される。
【0027】
このとき、コードデータ作成部52では、次のような処理が行われる。出力画像処理部51に読み取りデータの入力が行われると、第1暗号化部73が、乱数生成部71にて生成された乱数を、第1暗号鍵格納部72から読み出した第1暗号鍵を用いて暗号化する。次いで、第1データ作成部74は、暗号化された乱数(暗号化乱数情報)に基づいて第1画像データを作成する。
【0028】
また、第2暗号鍵作成部75は、乱数生成部71が生成した乱数に基づいて第2暗号鍵を作成する。次に、第2暗号化部77が、固有情報格納部76から読み出した固有情報を、第2暗号鍵作成部75にて作成された第2暗号鍵を用いて暗号化する。そして、第2データ作成部78は、暗号化された固有情報(暗号化固有情報)に基づいて第2画像データを作成する。その後、第1データ作成部74にて作成された第1画像データおよび第2データ作成部78にて作成された第2画像データを合成出力部79で合成し、コードデータとして出力する。なお、このとき、第1暗号化部73および第2暗号鍵作成部75で用いられる乱数は同一である。
【0029】
このようにしてバッファ部54に格納された各色の画像データは、所定タイミングで対応するY用露光器14Y、M用露光器14M、C用露光器14C、およびK用露光器14Kにそれぞれ出力される。
各画像形成ユニット11(11Y、11M、11C、11K)では、感光体ドラム12が帯電器13によって所定の電位に帯電される。また、各露光器14は、処理部50より入力された画像データに応じて、対応するLEDを発光させ、感光体ドラム12に照射する。これにより、各感光体ドラム12では、帯電された表面が選択的に露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各現像器15にて、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像として現像される。
【0030】
各画像形成ユニット11の各感光体ドラム12上に形成されたトナー像は、中間転写ベルト21上に多重転写される。このとき、黒色のトナー像を形成する黒の画像形成ユニット11Kは、中間転写ベルト21の移動方向の最下流側に設けられ、黒色のトナー像は、中間転写ベルト21に対して最後に一次転写される。また、転写後の感光体ドラム12は、ドラムクリーナ17によってクリーニングされる。
【0031】
一方、用紙搬送系30では、画像形成のタイミングに合わせて取り出しロール32が回転し、給紙部31から所定サイズの用紙が供給される。フィードロール33により1枚ずつ分離された用紙は、搬送路34を経てレジストロール35に到達し、一旦、停止される。その後、トナー像が形成された中間転写ベルト21の移動タイミングに合わせてレジストロール35が回転し、用紙は、バックアップロール24および二次転写ロール36によって形成される二次転写位置に搬送される。
【0032】
二次転写位置にて下方から上方に向けて搬送される用紙には、圧接力および所定の電界を用いて、4色が重ね合わされたトナー像が副走査方向に順次、転写される。そして、各色のトナー像が転写された用紙は、定着器29によって熱および圧力で定着処理を受けた後、排出ロール37によって本体上部に設けられた排出部38に排出される。一方、二次転写後の中間転写ベルト21は、ベルトクリーナ25によってクリーニングされ、次のプロセスに備える。
【0033】
以上により、排出部38上には、読み取りデータに基づいて作成された可視各色(YMCK)の画像(特定画像)およびコードデータに基づいて作成されたイエロー(Y)の画像が形成された用紙すなわち印刷物が出力される。
ここで、図4は、出力される印刷物の一例を示している。ただし、図4では、画像データに基づく可視各色の画像を省略し、コードデータに基づいて作成されたイエロー画像からなるコード画像Mのみを例示している。
【0034】
コード画像Mは、用紙P上に一定間隔をおいて複数形成される。そして、各コード画像Mは、上記第1画像データに対応する第1マークM1と上記第2画像データに対応する第2マークM2とを備えている。ここで、第1マークM1は暗号化された乱数を含み、第2マークM2は暗号化された固有情報を含む。なお、コード画像Mは、例えば、目には見えにくい小さなドットや、目には見えにくい細いラインで形成される。より具体的には、例えばコード画像Mが二進数を基に形成された場合、1に相当する部分に小さなドットや、細いラインを用いることで形成される。
【0035】
ところで、このようにして出力された印刷物がいつ、どこで出力されたのかを知りたいという要請がある。これは、例えばこの印刷物の元となる原稿の複写が制限されていたり、あるいは禁止されていたりする場合である。本実施の形態では、上記印刷物に付与されたコード画像Mを読み取って解析を行うことにより、このような要請に応えている。
【0036】
図5は、画像形成装置に設けられたスキャナ部60の構成を示すブロック図である。スキャナ部60は、読み取り部61と読み取り処理部62とを備えている。
読み取り部61は、例えば印刷物上の赤(R)、緑(G)、青(B)の画像を読み取り可能な3本のラインセンサを備えており、赤の読み取りデータ、緑の読み取りデータ、および青の読み取りデータを出力している。
【0037】
読み取り処理部62は、読み取り画像処理部81、色変換部82、およびコードデータ解析部83を備える。
読み取り画像処理部81は、読み取り部61から入力されてくる各色(RGB)の読み取りデータに所定の画像処理を施す。所定の画像処理としては、例えばシェーディング補正や階調補正等が挙げられる。なお、本実施の形態では、読み取り画像処理部81において各種画像処理が施されたRGB各色の画像データが、プリンタ部1に向けて出力される。
【0038】
色変換部82は、読み取り画像処理部81において各種画像処理が施されたRGB各色の画像データを、色空間が異なるYMCKの画像データに変換する。なお、色変換部82にて色変換処理がなされたYMCKの画像データを、プリンタ部1に出力することも可能である。
コードデータ解析部83は、色変換部82にて色変換が行われたYMCK各色の画像データのうち、イエロー(Y)の画像データからコードデータを取り出して解析を行う。そして、コードデータ解析部83は、解析を行うことによって得られた画像形成装置の固有情報をUI70に出力する。UI70は、入力されてくる固有情報をディスプレイ等に表示する。
【0039】
図6は、上記コードデータ解析部83のブロック図を示している。コードデータ解析部83は、データ分離部91、第1暗号鍵格納部92、第1解析部93、第2暗号鍵作成部94、および第2解析部95を備える。
データ分離部91は、入力されてくるイエロー(Y)の画像データに含まれるコードデータすなわちコード画像M(第1マークM1および第2マークM2を含む)のデータを分離して出力する。
第1暗号鍵格納部92は、コードデータ(具体的には第1マークM1のデータ)に含まれる乱数を復号化するための第1暗号鍵の情報を格納する。なお、この第1暗号鍵格納部92には、コードデータ作成部52(図2参照)の第1暗号鍵格納部72(図3参照)と同じ第1暗号鍵が格納されている。
【0040】
第1解析部93は、入力されてくるコードデータ(具体的には第1マークM1のデータ)を、第1暗号鍵格納部92から読み出した第1暗号鍵にて復号化し、乱数を得る。
暗号鍵作成部としての第2暗号鍵作成部94は、第1解析部93から出力される乱数に基づき、コードデータ(具体的には第2マークM2のデータ)に含まれる固有情報を復号化するための第2暗号鍵を作成する。したがって、この第2暗号鍵作成部94は、コードデータ作成部52の第2暗号鍵作成部75と同じ生成式を用いて第2暗号鍵を作成する。
第2解析部95は、入力されてくるコードデータ(具体的には第2マークM2のデータ)を、第2暗号鍵作成部94にて作成された第2暗号鍵を用いて復号化し、得られた固有情報を出力する。
【0041】
では、スキャナ部60を用いた印刷物における固有情報の取得動作について説明する。
印刷物が読み取り部61で読み取られると、RGB3色の読み取りデータが読み取り処理部62に入力される。読み取り処理部62では、読み取り画像処理部81においてRGBの各色読み取りデータに画像処理が施された後、色変換部82で色変換処理が行われ、YMCKの画像データとして出力される。そして、イエローの画像データを用いてコードデータ解析部83で解析が行われ、その結果得られた固有情報がUI70に表示される。
【0042】
コードデータ解析部83では、データ分離部91がイエローの画像データからコードデータを分離した後、第1解析部93が第1暗号鍵を用いてコードデータの復号化を行い、その結果コードデータ中の乱数が得られる。次に、第2暗号鍵作成部94が、得られた乱数を用いて第2暗号鍵を作成する。さらに、第2解析部95が第2暗号鍵を用いてコードデータの復号化を行い、その結果コードデータ中の固有情報が得られる。このようにして、印刷物を出力した画像形成装置(例えばプリンタ部1)の各種情報(この例では部門コード、設置場所、制作者名、プリント時刻)についての情報が得られることになる。
【0043】
なお、本実施の形態では、プリンタ部1とともに画像形成装置を構成するスキャナ部60を用いて、印刷物におけるコード画像Mの読み取りおよび解析を行っていたが、これに限られるものではなく、例えば独立したスキャナを用いることもできる。また、印刷物の読み取りは、例えば印刷物上のコード画像Mが読み取れれば十分であり、例えばペン型のスキャナやハンディスキャナなど、少なくとも印刷物の一部領域を読み取れるものであればよい。さらに、コード画像Mの読み取り結果に基づくコードデータの解析は、必ずしもスキャナ部60内にて行う必要はなく、例えばスキャナ部60にパーソナルコンピュータ等のコンピュータ装置を接続し、コンピュータ装置側でコードデータの解析を行うようにしてもよい。
【0044】
<実施の形態2>
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態1では固有情報を暗号化していたのに対し、本実施の形態では、固有情報を複数のパターンデータに変換するとともに、得られた複数のパターンデータを、乱数を用いて並べ替えるようにしている。なお、本実施の形態において、実施の形態1と同様の機能を有するものについては同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0045】
図7は、本実施の形態におけるコードデータ作成部52の詳細を説明するためのブロック図である。コードデータ作成部52は、乱数生成部71、固有情報格納部76、第1パターンデータ作成部111、第2パターンデータ作成部112、およびコード画像生成部(コードデータ生成部)113を備える。なお、第2パターンデータ作成部112は、パターンデータ作成部112aおよび並べ替え部112bを含む。なお、乱数生成部71および固有情報格納部76は実施の形態1と同様に構成されている。
【0046】
第1パターンデータ作成部111は、乱数生成部71からの乱数に基づいてパターンデータを作成する。
第2パターンデータ作成部112のパターンデータ作成部112aは、固有情報格納部76から読み出したプリンタ部1の固有情報から複数のパターンデータを作成する。そして、第2パターンデータ作成部112の並べ替え部112bは、乱数生成部71からの乱数に基づき、予め定められた並べ替え手順にてこれら複数のパターンデータの並べ替えを行う。
コード画像生成部113は、第1パターンデータ作成部111にて作成されたパターンデータおよび第2パターンデータ作成部112で作成され且つ並べ替えられた複数のパターンデータに基づいてコード画像を生成して出力する。
【0047】
図8は、コードデータ作成部52におけるコードデータ作成の一例を説明するための図である。
ここで、第1マークM1の形成領域は、5A〜5Eの計5ブロックで構成される。第1マークM1を構成する5ブロックには、乱数により構成されたパターンデータが割り当てられる。例えば、乱数「0000003841」が乱数生成部71にて生成された場合、領域5A〜5Cのそれぞれには「00」が、領域5Dには「38」が、領域5Eには「41」が割り当てられる。
【0048】
一方、第2マークM2の形成領域は1A〜1E、2A〜2E、3A〜3E、4A〜4Eの計20ブロックで構成される。この第2マークM2を構成する20ブロックには、固有情報を含むパターンデータが割り当てられる。
詳細には、第2マークM2を構成する20ブロックのうち、領域1A〜1Eの各々には、部門コードを示すデータD01〜D05が割り当てられ、領域2A〜2Eの各々には、設置場所を示すデータD06〜D10が割り当てられる。また、領域3A〜3Eの各々には、制作者を示すデータD11〜D15が割り当てられる。さらに、領域4A〜4Eの各々には、プリント時刻に関する情報が割り当てられる。なお、本実施形態では、領域4Aに年、領域4Bに月、領域4Cに日、領域4Dに時、領域4Eに分が割り当てられている。
【0049】
例えば、乱数生成部71にて乱数「0000003841」が生成された場合、第1パターンデータ作成部111は、この乱数に基づいてパターンデータ「00」、「00」、「00」、「38」、「41」を作成する。次いで、第2パターンデータ作成部112のパターンデータ作成部112aは、固有情報格納部76から読み出した固有情報すなわち部門コード、設置場所、制作者、プリント時刻に基づき、それぞれ5個で合計20個のパターンデータを作成する。そして、第2パターンデータ作成部112の並べ替え部112bは、例えば、上記乱数のうちの下一桁の値に着目して20個のパターンデータの並べ替えを行う。
【0050】
この例では、下一桁の値が1であることから、並べ替え部112bは、第2マークM2を構成する20ブロックにおける各パターンデータのシフト量を+1に決定(設定)し、パターンデータを各々右方向に+1枡ずつ順次シフトさせる。なお、例えば、1行目にてシフトが行えないパターンデータは、2行目の最上位に移動させる。また、同様に、2行目、3行目における各パターンデータもシフトさせる。さらに、4行目にてシフトが行えないパターンデータは、1行目の最上位に移動させる。
【0051】
この結果、図8(b)に示すように、領域1Aにプリント時刻(分)を示すデータD35が配置され、領域1B〜1Eおよび領域2Aに部門コードを示すデータD01〜D05が配置され、領域2B〜2Eおよび3Aに設置場所を示すデータD06〜D10が配置され、領域3B〜3Eおよび4Aに制作者を示すデータD11〜D15が配置され、領域4B〜4Eにプリント時刻を示す残りのデータD07、D02、D28、D01が配置される。この結果、例えば、シフト前において部門コードに関する情報が割り当てられていた領域(領域1A〜領域1E)には、シフト前とは異なる情報が配置される。
【0052】
本例の場合、図8(b)に示すコードデータに基づくコード画像がコード画像生成部113にて生成、出力され、これに基づいて図4に示すコード画像Mが形成される。
なお、本例においては、下一桁の値「1」からシフト量を+1と設定したが、下二桁目における「4」や下三桁目における「8」を用いてシフト量を設定することができる。さらに、得られた乱数に対して所定数の乗算、除算、加算、減算などを行い、シフト量を設定することもできる。また、本例では、右方にシフトを行ったが、左方、下方、上方へのシフトを行うこともできる。さらに、本例では乱数の一部(特定部分)を用いたが、乱数の全ての桁を用いることも可能である。
【0053】
ここで、本実施形態においても、上記スキャナ部60等を用いることで、固有情報を取得し、取得した固有情報をディスプレイ等に表示することができる。ここで、図9は、本実施形態におけるコードデータ解析部83のブロック図を示している。なお、読み取り部61、読み取り処理部62における読み取り画像処理部81および色変換部82は、実施の形態1と同様であり、説明を省略する。
【0054】
本実施形態におけるコードデータ解析部83は、データ分離部91、乱数情報取得部96、パターンデータ取得部97、固有情報取得部98を備える。
データ分離部91は、実施の形態1と同様に、入力されてくるイエロー(Y)の画像データに含まれるコードデータすなわちコード画像M(第1マークM1および第2マークM2を含む)のデータを分離して出力する。
乱数情報取得部96は、入力されてくるコードデータ(具体的には第1マークM1のデータ)から乱数を取得する。
【0055】
パターンデータ取得部97は、入力されてくるコードデータ(具体的には第2マークM2のデータ)から、上記第2パターンデータ作成部112の並べ替え部112bによって並べ替えられた複数のパターンデータを取得する。
固有情報取得部98は、乱数情報取得部96にて取得された乱数に基づき、パターンデータ取得部97によって取得された複数のパターンデータを並べ替えることで固有情報を取得し、取得した固有情報を出力する。ここで、固有情報取得部98によるパターンデータの並べ替えについて詳細に説明すると、固有情報取得部98は、乱数情報取得部96にて取得された乱数に基づき、上記並べ替え部112bがパターンデータの並べ替えを行った際の並べ替え手順とは逆の手順にて、入力されてくる複数のパターンデータの並べ替えを行う。より詳細には、上記並べ替え部112bがパターンデータの並べ替えを行った際のシフト方向とは逆方向にシフトさせるとともに、上記並べ替え部112bがパターンデータの並べ替えを行った際のシフト量と同量のシフトを行う。
【0056】
ここで、コードデータ解析部83の動作について具体的に説明する。
コードデータ解析部83では、データ分離部91がイエローの画像データからコードデータを分離した後、乱数情報取得部96が、このコードデータ(具体的には第1マークM1のデータ)から乱数を取得し、この取得した乱数を固有情報取得部98に出力する。また、パターンデータ取得部97は、データ分離部91が分離したコードデータ(具体的には第2マークM2のデータ)から、上記第2パターンデータ作成部112の並べ替え部112bによって並べ替えられた複数のパターンデータを取得し、この取得した複数のパターンデータを固有情報取得部98に出力する。そして、固有情報取得部98は、取得した乱数に基づき、上記並べ替え部112bがパターンデータの並べ替えを行った際の並べ替え手順とは逆の手順を実行し、パターンデータ取得部97から入力された複数のパターンデータの並べ替えを行い、固有情報を取得する。そして、取得した固有情報をUI70に出力する。
【0057】
例えば、固有情報取得部98は、取得した乱数が「0000003841」である場合、この乱数における下一桁の「1」に基づき、複数のパターンデータの各々を左方向に−1だけシフトさせる。そして、固有情報取得部98は、このシフトを行った後の複数のパターンデータから固有情報を取得し、取得したこの固有情報をUI70に出力する。そして、UI70は、入力されてくる固有情報をディスプレイ等に表示する。このようにして、本実施形態においても、印刷物を出力した画像形成装置(例えばプリンタ部1)の各種情報(この例では部門コード、設置場所、製造者名、プリント時刻)についての情報が得られることになる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本実施の形態が適用される画像形成装置の全体構成を示した図である。
【図2】プリンタ部に設けられた処理部の構成を示すブロック図である。
【図3】コードデータ作成部の詳細を説明するためのブロック図である。
【図4】出力される印刷物の一例を示している。
【図5】画像形成装置に設けられたスキャナ部の構成を示すブロック図である。
【図6】コードデータ解析部のブロック図を示している。
【図7】本実施の形態におけるコードデータ作成部の詳細を説明するためのブロック図である。
【図8】コードデータ作成部におけるコードデータ作成の一例を説明するための図である。
【図9】コードデータ解析部のブロック図を示している。
【符号の説明】
【0059】
1…プリンタ部、11…画像形成ユニット、71…乱数生成部、73…第1暗号化部、74…第1データ作成部、75…第2暗号鍵作成部、77…第2暗号化部、78…第2データ作成部、111…第1パターンデータ作成部、112…第2パターンデータ作成部、113…コード画像生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乱数情報を生成する乱数情報生成部と、
前記乱数情報生成部にて生成された前記乱数情報を、第1暗号鍵を用いて暗号化する第1暗号化部と、
前記乱数情報生成部にて生成された前記乱数情報から新たに第2暗号鍵を作成する第2暗号鍵作成部と、
自らを特定するための固有情報を、前記第2暗号鍵作成部にて作成された前記第2暗号鍵を用いて暗号化する第2暗号化部と、
前記第1暗号化部にて暗号化された前記乱数情報および前記第2暗号化部にて暗号化された前記固有情報に基づいてコードデータを生成するコードデータ生成部と、
前記コードデータ生成部にて生成された前記コードデータに基づいたコード画像を記録材に形成する画像形成部と
を含む画像形成装置。
【請求項2】
前記乱数情報生成部は、所定時間毎に新たな乱数情報を生成し、又は前記画像形成部が新たな記録材に対し前記コード画像を形成するに際し新たな乱数情報を生成することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成部は、人間の目に識別しにくい色の色材を用いて記録材に対し前記コード画像を形成することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
乱数情報を生成する乱数情報生成部と、
前記乱数情報生成部にて生成された前記乱数情報からパターンデータを作成する第1パターンデータ作成部と、
自らを特定するための固有情報から複数のパターンデータを作成し、前記乱数情報生成部にて生成された前記乱数情報に基づいて当該複数のパターンデータを並べ替える第2パターンデータ作成部と、
前記第1パターンデータ作成部にて作成された前記パターンデータおよび前記第2パターンデータ作成部にて並べ替えられた前記複数のパターンデータに基づいてコードデータを生成するコードデータ生成部と、
前記コードデータ生成部にて生成された前記コードデータに基づいたコード画像を記録材に形成する画像形成部と
を含む画像形成装置。
【請求項5】
前記第2パターンデータ作成部は、前記乱数情報に基づいて前記複数のパターンデータを順次移動させることで当該複数のパターンデータの並べ替えを行うことを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第2パターンデータ作成部は、前記乱数情報のうちの所定桁における情報に基づき前記複数のパターンデータの移動量を決定し、当該複数のパターンデータを当該移動量分だけ順次移動させることを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
画像形成装置に、
乱数情報を生成する機能と、
前記乱数情報をメモリから読み出した第1暗号鍵を用いて暗号化する機能と、
前記乱数情報から新たに第2暗号鍵を作成する機能と、
前記画像形成装置を特定するための固有情報を、前記第2暗号鍵を用いて暗号化する機能と、
前記第1暗号鍵によって暗号化された前記乱数情報および前記第2暗号鍵によって暗号化された前記固有情報に基づいてコードデータを生成する機能と、
を実現させるプログラム。
【請求項8】
画像形成装置に、
乱数情報を生成する機能と、
前記乱数情報からパターンデータを作成する第1のパターンデータ作成機能と、
前記画像形成装置を特定するための固有情報から複数のパターンデータを作成し、前記乱数情報に基づいて当該複数のパターンデータを並べ替える第2のパターンデータ作成機能と、
前記第1のパターンデータ作成機能によって作成された前記パターンデータおよび前記第2のパターンデータ作成機能によって並べ替えられた前記複数のパターンデータに基づいてコードデータを生成する生成機能と、
を実現させるプログラム。
【請求項9】
画像形成装置によって画像が印刷された媒体であって、
ユーザの印刷指示により印刷される特定画像と、
前記画像形成装置を特定するための固有情報から生成され、人間の目に識別しにくい色の色材で印刷されるコード画像と
を含み、
前記コード画像は、
前記画像形成装置にて生成された乱数情報を第1暗号鍵を用いて暗号化された暗号化乱数情報と、当該乱数情報から新たに作成された第2暗号鍵を用いて前記固有情報が暗号化された暗号化固有情報と、から生成されることを特徴とする媒体。
【請求項10】
画像形成装置によって画像が印刷された媒体であって、
ユーザの印刷指示により印刷される特定画像と、
前記画像形成装置を特定するための固有情報から生成され、人間の目に識別しにくい色の色材で印刷されるコード画像と
を含み、
前記コード画像は、
前記画像形成装置にて生成された乱数情報から作成されたパターンデータと、前記固有情報から作成され且つ当該乱数情報に基づき並び替えの行われた複数のパターンデータと、から生成されることを特徴とする媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2009−118327(P2009−118327A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−290977(P2007−290977)
【出願日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】