説明

画像形成装置、及びその制御方法

【課題】複数部を印刷するジョブの場合、サンプルプリントの出力物を比較して画質の劣化の確認が容易に実行できるようにする。
【解決手段】サンプル出力機能を有する画像形成装置において、要求された印刷ジョブを実行する印刷ジョブ実行手段と、サンプル出力対象とする用紙を決定するサンプル出力対象決定手段と、排紙口以外の条件を同一として、印刷ジョブ排紙口とは異なる排紙口の1つをサンプル出力排紙口として排紙するサンプル出力手段と、を備え、前記サンプル出力対象決定手段は、部毎に同一ページの画像をサンプル出力対象に決定する(ステップS205〜ステップS209)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コピーの仕上がり状態を確認できるサンプル出力機能を有する画像形成装置と、この画像形成装置で実行される制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像形成装置は大型・高性能化し高速で短時間に大量の印刷物の生産が可能である。大量枚数の印刷が高速で行われる場合、印刷物は開閉がロックされた大容量スタッカに収容されるので、画像形成装置の稼働中に印刷物の仕上がり具合を確認することは難しい。そこで、画像形成装置の稼働中であっても印刷物の仕上がりを確認できるサンプル出力(試しコピー)機能を備えた画像形成装置が開発されている。
【0003】
サンプル出力としては、例えば、オペレータの操作により、操作と略同時に印刷中の用紙の給紙、印刷を二重に行い、一方の用紙は通常のジョブの用紙として扱い、他方の用紙を画像形成状況の確認がしやすい他の排紙トレイに排紙する、というものである。
【0004】
このような技術として、例えば特許文献1あるいは2に記載された発明が公知である。このうち、特許文献1には、ユーザから画像形成ジョブの実行中に仕上がり確認の指示がされると、画像形成装置に接続された後処理装置の制御装置が、印刷用紙の搬送部を制御して、画像形成済みの印刷物の部の区切りとなる先頭紙からの1部単位分をユーザの手取り可能な排出部へ排紙させるという発明が記載されている。また、特許文献2には、試しコピーモードを有する画像形成装置のメイン制御部が通常ジョブの開始前とジョブの中断中にコピーモードに移行することを許可し、試しコピーを実行させ、このとき両面コピーモードでのジョブの中断の際には試しコピーへ移行するのを禁止する発明が記載されている。これにより、特許文献2記載の発明では、通常のジョブの処理途中であっても試しコピーを行うことが可能であり、また、通常のジョブの処理途中に試しコピーを行っても正常なコピーを行うことができる。
【特許文献1】特開2007−041505号公報
【特許文献2】特開2000−035730号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
サンプル出力は前記特許文献記載の発明でも同様であるが、画像品質など用紙の印刷状況の確認を行うために行われる。しかし、複数部を印刷するジョブの場合、例えば、部の区切りに拘わらず一定印刷枚数間隔で自動的にサンプルプリントを行うと、サンプルプリントを行う間隔は必ずしも1部あたりの印刷枚数と一致しないため、大抵の場合、サンプルプリントとして出力される画像は同一画像ではない。同一画像でないため、サンプルプリントの出力物を比較して画質の劣化を確認することが難しくなる。
【0006】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、複数部を印刷するジョブの場合、サンプルプリントの出力物を比較し、画質の劣化の確認を容易に行うことができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、第1の手段は、サンプル出力機能を有する画像形成装置において、要求された印刷ジョブを実行する印刷ジョブ実行手段と、サンプル出力対象とする用紙を決定するサンプル出力対象決定手段と、排紙口以外の条件を同一として、印刷ジョブ排紙口とは異なる排紙口の1つをサンプル出力排紙口として排紙するサンプル出力手段と、を備え、前記サンプル出力対象決定手段は、予め設定された部の同一ページの画像をサンプル出力対象に決定することを特徴とする。
【0008】
第2の手段は、サンプル出力機能を有する画像形成装置において、要求された印刷ジョブを実行する印刷ジョブ実行手段と、サンプル出力対象とする用紙を決定するサンプル出力対象決定手段と、排紙口以外の条件を同一として、印刷ジョブ排紙口とは異なる排紙口の1つをサンプル出力排紙口として排紙するサンプル出力手段と、を備え、前記サンプル出力対象決定手段は、予め設定された部について部の印刷開始から一定枚数間隔毎のページをサンプル出力対象に決定することを特徴とする。
【0009】
第3の手段は、サンプル出力機能を有する画像形成装置において、要求された印刷ジョブを実行する印刷ジョブ実行手段と、サンプル出力対象とする用紙を決定するサンプル出力対象決定手段と、排紙口以外の条件を同一として、印刷ジョブ排紙口とは異なる排紙口の1つをサンプル出力排紙口として排紙するサンプル出力手段と、を備え、前記サンプル出力対象決定手段は、予め設定された部数毎に部の印刷開始から一定枚数後のページをサンプル出力対象に決定することを特徴とする。
【0010】
第4の手段は、サンプル出力機能を有する画像形成装置の制御方法において、要求された印刷ジョブを実行する第1の工程と、サンプル出力対象とする用紙を決定する第2の工程と、排紙口以外の条件を同一として、印刷ジョブ排紙口とは異なる排紙口の1つをサンプル出力排紙口として排紙する第3の工程と、を備え、前記第2の工程では、予め設定された部の同一ページの画像をサンプル出力対象に決定することを特徴とする。
【0011】
第5の手段は、サンプル出力機能を有する画像形成装置の制御方法において、要求された印刷ジョブを実行する第1の工程と、サンプル出力対象とする用紙を決定する第2の工程と、排紙口以外の条件を同一として、印刷ジョブ排紙口とは異なる排紙口の1つをサンプル出力排紙口として排紙する第3の工程と、を備え、前記第2の工程では、予め設定された部について部の印刷開始から一定枚数間隔毎のページをサンプル出力対象に決定することを特徴とする。
【0012】
第6の手段は、サンプル出力機能を有する画像形成装置の制御方法において、要求された印刷ジョブを実行する第1の工程と、サンプル出力対象とする用紙を決定する第2の工程と、排紙口以外の条件を同一として、印刷ジョブ排紙口とは異なる排紙口の1つをサンプル出力排紙口として排紙する第3の工程と、を備え、前記第2の工程では、予め設定された部数毎に部の印刷開始から一定枚数後のページをサンプル出力対象に決定することを特徴とする。
【0013】
なお、後述の実施形態では、画像形成装置は符号PRもしくは401に、印刷ジョブ実行手段は画像印刷手段403もしくはプリンタエンジン部に、サンプル出力対象決定手段は制御手段406に、サンプル出力手段は画像印刷手段403、排紙手段409もしくはスタッカ200に、サンプル出力排紙口はスタッカ200のサンプルトレイ204に、それぞれ対応する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、予め設定された部の同一ページの画像をサンプル出力対象に決定し、あるいは予め設定された部について部の印刷開始から一定枚数間隔毎のページをサンプル出力対象に決定し、あるいは予め設定された部数毎に部の印刷開始から一定枚数後のページをサンプル出力対象に決定するので、複数部を印刷するジョブの場合、サンプルプリントの出力物を比較し、画質の劣化の確認を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成システムの断面構成図である。図において、本システムは、画像形成装置PR本体及び装置本体の後段に接続される大容量スタッカ200並びにその後段に接続される後処理装置(フィニッシャ)100から構成される。
【0017】
画像形成装置PR(401)本体は、画像入力部、プリンタエンジン部、給紙部、排紙部から構成される。
【0018】
画像入力部は、読み取りユニット50を有し、読み取りユニット50では、自動原稿給送装置(ADF)1の原稿台2上に原稿束が画像面を上に向けて置かれると、一番上の原稿を給送ローラ3及び給送ベルト4によってコンタクトガラス6上の所定位置に搬送する。コンタクトガラス6上の原稿は光源51から照射された照明光の反射光を、すなわち読み取り光を第1ないし第3ミラー52,55,56で反射し、結像レンズ53を経て光電変換部54の結像面に結像し、光学的に読み取られる。読み取りが終了した原稿は、給送ベルト4及び排送ベルト5によって排出される。このとき、原稿セット検知センサ7により原稿台2に次の原稿があることが検知されると、前原稿と同様に、コンタクトガラス6上へ原稿の給送、続いて読み取り、排出の動作が行われる。光電変換部54は原稿画像を画素単位の2値化信号に変換し、デジタル化された画像情報としてプリンタエンジン部に渡す。
【0019】
プリンタエンジン部は、書き込み光学系、作像系、及び定着系の各構成要素を備えている。
書き込み光学系57では、画像入力部から渡された画像情報に応じて不図示のレーザダイオードから変調されたレーザ光が出射され、回転多面鏡58により主走査方向に光学的に走査される。走査の過程で、fθレンズ59によって等角速度走査から等速度走査に変換され、反射ミラー60で反射されて作像系に到達する。
【0020】
作像系は、光導電性の感光体ドラム15、現像ユニット27、不図示の帯電チャージャ、残存トナー清掃ユニット、除電ユニット、及び搬送ベルト16を備えている。作像系では、画像情報に応じて変調されたレーザ光が感光体ドラム15上に到達することにより、感光体ドラム15上に潜像の書き込みが行われる。感光体ドラム15に書き込まれた潜像は現像ユニット27によりトナー現像され、現像により顕像化されたトナー像は、感光体ドラム15と同速で回動する搬送ベルト16で搬送される用紙に転写される。この用紙は定着系に搬送される。
【0021】
定着系は、不図示の加熱ローラ及び加圧ローラからなる定着ユニット17であり、転写画像の定着が行われる。
【0022】
給紙部は、用紙が積載される第1トレイ8、第2トレイ9、第3トレイ10、用紙を搬送する第1給紙装置11、第2給紙装置12、第3給紙装置13、及び縦搬送ユニット14を有し、第1ないし第3トレイ8,9,10のいずれかに収納された用紙は該当する用紙が第1ないし第3給紙装置11,12,13と縦搬送ユニット14により感光体ドラム15に当接する位置に搬送される。この搬送は感光体ドラム15への画像情報の書き込みと同期して行われる。
【0023】
排紙部は、画像が形成された用紙を排出する排紙ユニット18、片面に画像を形成した用紙を反転して再給紙することにより両面に画像形成する両面ユニット112を備える。定着ユニット17で画像が定着された用紙は、排紙ユニット18に導入され、搬送ローラ113により一旦両面ユニット112に搬送し、片面画像形成の場合は搬送ローラ114により再度排紙ユニット18に導入し排紙する。両面画像形成の場合は更に給送ベルト111で反転搬送し、再度感光体ドラム15に当接させもう片方の面に画像形成する。その後、同じ経路を経て排紙ユニット18から排紙する。
【0024】
大容量スタッカ200は、上段スタッカトレイ202と下段スタッカトレイ203を有する。また上部にサンプルトレイ204を有する。これらは選択的に使用が可能であり、それらのいずれも使用しないでスルーパス通路201を経由することにより後段の後処理装置100に排紙することも可能である。
【0025】
上段スタッカトレイ202と下段スタッカトレイ203には、前面に不図示の開閉ドアーが備えられ、このドアーを開けると排紙された用紙をバスケット毎取り出すことができる。また上段スタッカトレイ202と下段スタッカトレイ203には、それぞれドアー開センサ207,208、用紙有無センサ205,206、用紙満杯センサ209,210が備えられ、ドアーの開閉、用紙の有無、用紙の満杯の状態を検知する。サンプルトレイ204には満杯検知センサ211が備えられ用紙の満杯状態を検知する。
【0026】
後処理装置のフィニッシャ100は、大容量スタッカ200から排紙された用紙を、用紙の後端部等に穿孔を行うパンチユニット121を経由した後、切り替え板101を上に切り替えることにより、排紙ローラ102、搬送ローラ103により通常排紙トレイ104側に排紙する。符号120は入口ローラであり、パンチを行う場合には、レジストローラとしても機能させることができる。
【0027】
また、切り替え板101を下方向に切り替えることにより、搬送ローラ105、107によりステープル台108に搬送する。ステープル台108に搬送された用紙は、1枚排紙される毎に紙揃え用のジョガー109によって、紙端面が揃えられ、1部のコピー完了と共にステープラ106によって綴じられる。ステープラ106で綴じられた用紙群は自重によって、ステープル完了排紙トレイ110に収納される。
【0028】
一方、排紙トレイ104は前後に移動可能な通常の排紙トレイであり、原稿毎、あるいは画像メモリによってソーティングされたコピー部毎に前後に移動し、排出されてくる用紙を仕分ける。
【0029】
図2は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の動作関連の機能ブロック図である。同図において、画像形成装置401は、画像入力手段402、画像印刷手段403、画像蓄積手段404、操作手段405、制御手段406から構成されている。画像入力手段402は、原稿画像の入力手段であり、前記読み取りユニット(光学スキャナ)、あるいはネットワークI/Fなどによって構成される。入力された画像情報は画像出力手段403によって画像形成が行われるか、又は画像蓄積手段404に蓄積される。画像出力手段403は、画像入力手段402から送られてきた画像情報又は画像蓄積手段5から読み出された画像情報に基づいて画像形成を行う手段であり、前述のプリンタエンジン部に相当する。画像蓄積手段404は、揮発性又は不揮発性の記憶装置及びそのドライバであり、画像入力手段402で入力された画像情報を蓄積する。装置の電源が切れた後でも蓄積された画像情報を読み出すためにはハードディスクなどの不揮発性の記憶装置であることが望ましい。
【0030】
操作手段405は、ユーザあるいはオペレータが装置の操作を行う手段であり、後述するサンプル出力の指示操作、サンプル出力時に同一ページを出力させる場合の部の指定、部の印刷開始から一定間隔毎のページをサンプル出力させる場合の部の指定、部の印刷開始から一定枚数後のページをサンプル出力させる場合の部数の間隔の指定、等も可能である。制御手段406はマイクロコンピュータなどからなり、操作手段405で指示された内容などに応じて、画像入力手段402、画像出力手段403、画像蓄積手段404の制御を行うと共に、制御結果や装置の状態を操作手段5の表示部に表示する機能を有する。また、制御手段406内の不図示のROMにはこれらの機能を実現するためのコンピュータプログラムが記憶され、不図示のRAMをワークエリアとして使用することによりプログラムに基づいた制御を実行する。
【0031】
図3は、画像印刷手段403の詳細図であり、図中、白抜きの矢印は用紙の搬送方向を示している。前述の給紙部に相当する給紙手段407から用紙が給紙され、作像手段408に搬送される。作像手段408では、インクジェット式や電子写真式などの作像要素により用紙に画像形成を行う。作像手段408で画像が形成された用紙は、複数の排紙トレイより構成される排紙手段409へ搬送され、いずれかの排紙トレイへ排紙される。
【0032】
インサータ410は給紙手段の一種であるが、ここから給紙した用紙は作像手段408を経由することなく排紙手段409へ搬送される。このインサータ410は、あらかじめ画像が形成されている用紙、あるいは白紙をセットすることにより、印刷ジョブ内に用紙を挿入し、表紙や合紙を設けるために使用される。
【0033】
図4は操作手段405の表示画面部を示す図であり、サンプル出力(試し刷り出力)を可能にする画面例を示す。図において、ユーザあるいはオペレータがコピー動作を選択すると、この画面が表示されるので、表示に従って用紙決定、倍率決定、濃度決定等の入力を行う。このときサンプル出力キー415が表示されるので、サンプル出力を行うときはこのキー415をオンにする。なお、ここでは図示していないが、サンプル出力キー415をオンにすると、サンプル出力の種類を選択するキー表示が行われ、そのキー表示及び図示しないテンキーからサンプル出力時に同一ページを出力させる場合の部の指定、部の印刷開始から一定間隔毎のページをサンプル出力させる場合の部の指定、部の印刷開始から一定枚数後のページをサンプル出力させる場合の部数の間隔の指定等を入力する。このようにして、サンプル出力する部についてサンプル出力させる前にユーザもしくはオペレータが予め設定することができる。
【0034】
図5は、サンプル出力処理の全体的な処理手順を示すフローチャートである。サンプル出力処理では、まず、サンプル出力対象となる用紙を決定する「サンプル出力対象決定」処理を実行し(ステップS101)、サンプル出力対象が決定された場合は(ステップS102−Yes)、対象ページの印刷を行い、サンプル出力用紙トレイ204に排紙する(ステップS103)。なお、サンプル出力処理、サンプル出力決定処理などの各処理は、前述のように制御手段406のマイクロコンピュータがROMに格納されたコンピュータプログラムを、RAMをワークエリアとして実行することにより行われる。
【0035】
以下、ステップS101のサンプル出力対象決定処理について、各実施例毎に説明する。
【実施例1】
【0036】
図6は実施例1に係るサンプル出力対象決定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0037】
図6は図5のステップS101の「サンプル出力対象決定」処理のサブルーチンの処理手順を示している。同図において、まず、1部目の1枚目を印刷する場合(ステップS201−Yes)は、サンプルプリント用カウンタ(フローチャートでは「サンプルカウンタ」と記載)を0に初期化する(ステップS202)。サンプルプリント用カウンタは用紙が給紙されるごとにインクリメントされる(ステップS203,S204)。サンプルプリント用カウンタが5枚に達した時点で(ステップS205−Yes)、その次に給紙する用紙をサンプル出力対象とし(ステップS206)、サンプルプリント用カウンタを0に初期化する(ステップS207)。ここではサンプル出力間隔を給紙枚数5枚としたが、枚数は他の枚数でもよいし、ユーザもしくはオペレータが操作手段405から任意に入力し、設定することができる。
【0038】
サンプルプリント用カウンタがサンプル出力間隔の5枚に達する前(ステップS205−No)に部の最終ページを印刷したとき(ステップS208−Yes)、この部でサンプルプリントを印刷していない場合(ステップS209−No)は、その次に給紙する用紙をサンプル出力対象とし(ステップS206)、サンプルプリント用カウンタを0に初期化する(ステップS207)。ステップS208で部の最終ページでなければ、また、ステップS209でサンプルプリントを印刷済みであれば、リターンする。
【0039】
この例では、サンプル出力対象をその次に給紙する用紙にしたが、その部の先頭ページや、全ページの中でトナーカバレッジ率が最も高いページなどにしてもよい。
【0040】
図7は実施例1における印刷物、サンプルプリント、及びサンプルプリント用カウンタの具体例を示した図である。この例では、1部あたり4枚の印刷物を2部印刷するジョブを示している。
【0041】
まず、1部目の1枚目を印刷する前に、サンプルプリント用カウンタを0に初期化する(ステップS202、C1)。最終ページの4枚目を印刷するとき(C2)にサンプルプリント用カウンタは4になる(C3)が、サンプル出力間隔の5枚に達していない(ステップS205−No)上に1部目でのサンプルプリントの出力を行っていないので、4枚目をサンプルプリントとして印刷し(ステップS206、C4)、サンプルプリント用カウンタを0に初期化する(ステップS207)。2部目も同様の動作になり、4枚目をサンプルプリントとして印刷する。最終的には、各部の4枚目がサンプルプリントとして出力される。
【0042】
なお、前記操作手段405からサンプル出力する部、部の間隔、部の印刷開始からの枚数、この枚数の間隔なども設定することが可能である。
【実施例2】
【0043】
図8は実施例2に係るサンプル出力対象決定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0044】
図8は図5のステップS101の「サンプル出力対象決定」処理のサブルーチンの処理手順を示している。同図において、まず、部の1枚目を印刷する場合(ステップS301−Yes)は、サンプルプリント用カウンタを0に初期化する(ステップS302)。サンプルプリント用カウンタは用紙が給紙されるごとにインクリメントされる(ステップS303,304)。そして、サンプルプリント用カウンタが5枚に達した時点で(ステップS305−Yes)、その次に給紙する用紙をサンプル出力対象とし(ステップS306)、サンプルプリント用カウンタを0に初期化する(ステップS307)。この例では実施例1と同様にサンプル出力間隔を給紙枚数5枚としたが、ユーザもしくはオペレータが操作手段405から任意に入力し、設定することができる。
【0045】
図9は実施例2における印刷物、サンプルプリント、及びサンプルプリント用カウンタの具体例を示した図である。この例では、1部あたり12枚の印刷物を2部印刷するジョブを示している。
【0046】
まず、1部目の1枚目を印刷する前に、サンプルプリント用カウンタを0に初期化する(ステップS302、C11)。5枚目の印刷をするときにサンプルプリント用カウンタが5になるので(ステップS305−Yes、C12)、5枚目をサンプルプリントとして印刷し(ステップS306、C13)、サンプルプリント用カウンタを0に初期化する(ステップS307、C14)。次に10枚目の印刷をするときにサンプルプリント用カウンタが5になるので(ステップS305−Yes、C15)、10枚目をサンプルプリントとして印刷し(ステップS306、C16)、サンプルプリント用カウンタを0に初期化する(ステップS307、C17)。
【0047】
1部目の最終ページの12枚目を印刷した時点では(C18)、サンプルプリント用カウンタは2になる(C19)。2部目の1枚目を印刷する前に、サンプルプリント用カウンタを0に初期化し(ステップS302)、1部目と同様に印刷を行う。最終的には、各部の5枚目と10枚目がサンプルプリントとして出力される。
【0048】
なお、実施例1と同様に、前記操作手段405からサンプル出力する部、部の間隔、部の印刷開始からの枚数、この枚数の間隔なども設定することが可能である。
【実施例3】
【0049】
図10は実施例3に係るサンプル出力対象決定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0050】
図10は図5のステップS101の「サンプル出力対象決定」処理のサブルーチンの処理手順を示している。同図において、まず、1部目の1枚目を印刷する場合(ステップS401−Yes)は、サンプルプリント用カウンタを0に初期化する(ステップS402)。サンプルプリント用カウンタは用紙が給紙されるごとにインクリメントされる(ステップS403,S404)。そして、サンプルプリント用カウンタが5枚に達した時点で(ステップS405−Yes)、その次に給紙する用紙をサンプル出力対象とし(ステップS406)、サンプルプリント用カウンタを0に初期化する(ステップS407)。この例では実施例1と同様にサンプル出力間隔を給紙枚数5枚としたが、ユーザもしくはオペレータが操作手段405から任意に入力し、設定することができる。
【0051】
サンプルプリント用カウンタがサンプル出力間隔の5枚に達する前(ステップS405−No)に最終ページを印刷したとき(ステップS408−Yes)、この部でサンプルプリントを印刷した場合(ステップS409−Yes)は、サンプルプリント用カウンタを0に初期化する(ステップS407)。
【0052】
図11は実施例3における印刷物、サンプルプリント、及びサンプルプリント用カウンタの具体例を示した図である。この例では、1部あたり4枚の印刷物を4部印刷するジョブを示す。
【0053】
まず、1部目の1枚目を印刷する前に、サンプルプリント用カウンタを0に初期化する(ステップS402、C21)。最終ページの4枚目を印刷するときに(C22)サンプルプリント用カウンタは4になるが(C23)、サンプル出力間隔の5枚に達していないので、1部目はサンプルプリントの出力を行わない。
【0054】
2部目の1枚目の印刷をするときにサンプルプリント用カウンタが5になるので(ステップS405−Yes)、1枚目をサンプルプリントとして印刷し(ステップS406、C25)、サンプルプリント用カウンタを0に初期化する(ステップS407、C26)。2部目の最終ページの4枚目を印刷した時点では(C27)、サンプルプリント用カウンタは3になっているが(C28)、2部目でサンプルプリントを印刷しているので(ステップS408,S409)、サンプルプリント用カウンタを0に初期化する(ステップS407、C29)。
【0055】
3部目は、サンプルプリント用カウンタは0から始まり(C30)4で終わり(C31)、サンプルプリントは印刷されない。4部目は、サンプルプリント用カウンタは4から始まる(C32)ので、2部目と同様の動作になり、4部目の1枚目(C33)がサンプルプリントとして印刷される(C34)。最終的には、2部目と4部目の1枚目がサンプルプリントとして出力される。
【0056】
なお、実施例1と同様に、前記操作手段405からサンプル出力する部、部の間隔、部の印刷開始からの枚数、この枚数の間隔なども設定することが可能である。
【0057】
以上のように、本実施形態によれば、
1)サンプル出力対象決定手段は部毎に同一ページの画像をサンプル出力対象に決定するため、複数部を印刷するジョブの場合でも、サンプルプリントの出力物を比較して画質の劣化の確認が容易となる。
2)サンプル出力対象決定手段は各部の印刷開始から一定枚数間隔毎のページをサンプル出力対象に決定するため、複数部を印刷するジョブの場合でも、サンプルプリントの出力物を比較して画質の劣化の確認が容易となる。
3)サンプル出力対象決定手段は一定部数毎に、部の印刷開始から一定枚数後のページをサンプル出力対象に決定するため、複数部を印刷するジョブの場合でも、サンプルプリントの出力物を比較して画質の劣化の確認が容易となるとともに、無駄なサンプルプリントを防ぐことができる。
等の効果を奏する。
【0058】
なお、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが対象となることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成システムの断面構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置の動作手段の関連を示す図である。
【図3】図2における画像出力手段の動作プロセスの説明図である。
【図4】図2における操作手段の表示画面部を示す図である。
【図5】サンプル出力処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】実施例1に係るサンプル出力対象決定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】実施例1における印刷物、サンプルプリント、及びサンプルプリント用カウンタの具体例を示した図である。
【図8】実施例2に係るサンプル出力対象決定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】実施例2における印刷物、サンプルプリント、及びサンプルプリント用カウンタの具体例を示した図である。
【図10】実施例3に係るサンプル出力対象決定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】実施例3における印刷物、サンプルプリント、及びサンプルプリント用カウンタの具体例を示した図である。
【符号の説明】
【0060】
100 後処理装置(フィニッシャ)
200 スタッカ
204 サンプルトレイ
PR,401 画像形成装置
402 画像入力手段
403 画像印刷手段
404 画像蓄積手段
405 操作手段
406 制御手段
409 排紙手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプル出力機能を有する画像形成装置において、
要求された印刷ジョブを実行する印刷ジョブ実行手段と、
サンプル出力対象とする用紙を決定するサンプル出力対象決定手段と、
排紙口以外の条件を同一として、印刷ジョブ排紙口とは異なる排紙口の1つをサンプル出力排紙口として排紙するサンプル出力手段と、
を備え、
前記サンプル出力対象決定手段は、予め設定された部の同一ページの画像をサンプル出力対象に決定すること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
サンプル出力機能を有する画像形成装置において、
要求された印刷ジョブを実行する印刷ジョブ実行手段と、
サンプル出力対象とする用紙を決定するサンプル出力対象決定手段と、
排紙口以外の条件を同一として、印刷ジョブ排紙口とは異なる排紙口の1つをサンプル出力排紙口として排紙するサンプル出力手段と、
を備え、
前記サンプル出力対象決定手段は、予め設定された部について部の印刷開始から一定枚数間隔毎のページをサンプル出力対象に決定すること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
サンプル出力機能を有する画像形成装置において、
要求された印刷ジョブを実行する印刷ジョブ実行手段と、
サンプル出力対象とする用紙を決定するサンプル出力対象決定手段と、
排紙口以外の条件を同一として、印刷ジョブ排紙口とは異なる排紙口の1つをサンプル出力排紙口として排紙するサンプル出力手段と、
を備え、
前記サンプル出力対象決定手段は、予め設定された部数毎に部の印刷開始から一定枚数後のページをサンプル出力対象に決定すること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
サンプル出力機能を有する画像形成装置の制御方法において、
要求された印刷ジョブを実行する第1の工程と、
サンプル出力対象とする用紙を決定する第2の工程と、
排紙口以外の条件を同一として、印刷ジョブ排紙口とは異なる排紙口の1つをサンプル出力排紙口として排紙する第3の工程と、
を備え、
前記第2の工程では、予め設定された部の同一ページの画像をサンプル出力対象に決定すること
を特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項5】
サンプル出力機能を有する画像形成装置の制御方法において、
要求された印刷ジョブを実行する第1の工程と、
サンプル出力対象とする用紙を決定する第2の工程と、
排紙口以外の条件を同一として、印刷ジョブ排紙口とは異なる排紙口の1つをサンプル出力排紙口として排紙する第3の工程と、
を備え、
前記第2の工程では、予め設定された部について部の印刷開始から一定枚数間隔毎のページをサンプル出力対象に決定する
ことを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項6】
サンプル出力機能を有する画像形成装置の制御方法において、
要求された印刷ジョブを実行する第1の工程と、
サンプル出力対象とする用紙を決定する第2の工程と、
排紙口以外の条件を同一として、印刷ジョブ排紙口とは異なる排紙口の1つをサンプル出力排紙口として排紙する第3の工程と、
を備え、
前記第2の工程では、予め設定された部数毎に部の印刷開始から一定枚数後のページをサンプル出力対象に決定する
ことを特徴とする画像形成装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−64388(P2010−64388A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−233439(P2008−233439)
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】