説明

画像形成装置、画像形成制御方法及び画像形成制御プログラム

【課題】本発明は、画像品質の劣化を抑制しつつ、画像形成材の消費量を適切に削減する。
【解決手段】画像形成装置1は、画像データのページ毎にγ変換部15でγ変換を施した画像データに基づいて用紙へトナーを用いて画像出力部3で画像形成する際に、γテーブル調整処理部14が、ページ毎にトナーの予測トナー消費量を算出して、該予測トナー消費量と適宜に設定される1ページ当たりのトナー消費量制限値を比較し、予測トナー消費量がトナー消費量制限値以上であると、適用するγテーブルとして、トナーの使用量を所定量削減するγテーブルを選択して、該γテーブルを用いてγ変換部15でγ変換したときの予測トナー消費量を算出して、該予測トナー消費量とトナー消費量制限値との比較結果に基づいてトナーの使用量を削減するγテーブルを選択する処理を、予測トナー消費量がトナー消費量制限値未満となるまで順次繰り返し行ってγテーブルを決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成制御方法及び画像形成制御プログラムに関し、詳細には、トナー、インク等の画像形成材の消費量を削減する画像形成装置、画像形成制御方法及び画像形成制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子写真方式、インク噴射方式等の画像形成材(トナー、インク等)を用紙等の被画像形成媒体(以下、単に、用紙という。)に付与して画像形成する画像形成装置においては、画像形成に用いるトナーやインク等の画像形成材の消費量を低減して、コストの低減化と環境対策の向上を図ることが要求されており、このような要求に応じて、画像形成材の消費量(使用量)を一律に低減させる画像形成材セーブモードを備えた画像形成装置がある。
【0003】
そして、従来、通常印刷モードで画像形成する場合のトナー消費量である通常トナー消費量とトナーセーブモードで画像形成する場合のトナー消費量であるセーフモードトナー消費量を算出し、算出結果からセーフモードを選択することで得られる効果を表示部に表示する技術が提案されている(特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記公報記載の従来技術にあっては、画像形成材の消費量を一律に低減させることが前提となっており、この画像形成材を一律に低減させる画像形成材セーフモードを選択する場合の効果を知ることはできるが、画像形成材を一律に低減させると、必ずしもユーザの意図する画像形成コストで意図する画像形成結果を得ることができるとは限らず、改良の必要があった。すなわち、画像データ自体が画像形成材の使用が十分に抑制されている場合、さらに、画像形成材セーブを行うと、画像品質が劣化するおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、画像品質の劣化を抑制しつつ、画像形成材の消費量を適切に削減することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成装置は、上記目的を達成するために、画像データに所定の画像処理内容の画像処理を施す画像処理実行手段と、前記画像処理の施された画像データに基づいてページ毎に被画像形成媒体へ画像形成材を用いて画像形成する画像形成手段と、前記画像データのページ毎に前記画像形成材の予測使用量を算出する使用量算出手段と、前記予測使用量と適宜に設定される前記画像形成材の1ページ当たりの使用限度量とを比較する比較手段と、前記予測使用量が前記使用限度量以上であると、前記画像データに対して前記画像処理実行手段で施す画像処理内容として、前記画像形成材の使用量を所定量削減する画像処理内容を選択して、該画像処理内容の画像処理を該画像処理実行手段が該画像データに施したときの予測使用量を前記使用量算出手段に算出させて、該画像処理後の該予測使用量と該使用限度量を前記比較手段に比較させ、該比較結果に基づいて該画像形成材の使用量を削減する該画像処理内容を選択する画像処理内容選択処理を、該予測使用量が該使用限度量未満となるまで順次繰り返し行って実行画像処理内容を決定して、該実行画像処理内容の画像処理を前記画像処理実行手段に実行させる画像処理制御手段と、を備えていることを特徴としている。
【0007】
また、本発明の画像形成制御方法は、上記目的を達成するために、画像データに所定の画像処理内容の画像処理を施す画像処理実行処理ステップと、前記画像処理の施された画像データに基づいてページ毎に被画像形成媒体へ画像形成材を用いて画像形成する画像形成処理ステップと、前記画像データのページ毎に前記画像形成材の予測使用量を算出する使用量算出処理ステップと、前記予測使用量と適宜に設定される前記画像形成材の1ページ当たりの使用限度量とを比較する比較処理ステップと、前記予測使用量が前記使用限度量以上であると、前記画像データに対して前記画像処理実行処理ステップで施す画像処理内容として、前記画像形成材の使用量を所定量削減する画像処理内容を選択して、該画像処理内容の画像処理を該画像処理実行処理ステップで該画像データに施したときの予測使用量を前記使用量算出処理ステップで算出させて、該画像処理後の該予測使用量と該使用限度量を前記比較処理ステップで比較させ、該比較結果に基づいて該画像形成材の使用量を削減する該画像処理内容を選択する画像処理内容選択処理を、該予測使用量が該使用限度量未満となるまで順次繰り返し行って実行画像処理内容を決定して、該実行画像処理内容の画像処理を前記画像処理実行処理ステップで実行させる画像処理制御処理ステップと、を有することを特徴としている。
【0008】
さらに、本発明の画像形成制御プログラムは、上記目的を達成するために、コンピュータに、画像データに所定の画像処理内容の画像処理を施す画像処理実行処理と、前記画像処理の施された画像データに基づいてページ毎に被画像形成媒体へ画像形成材を用いて画像形成する画像形成処理と、前記画像データのページ毎に前記画像形成材の予測使用量を算出する使用量算出処理と、前記予測使用量と適宜に設定される前記画像形成材の1ページ当たりの使用限度量とを比較する比較処理と、前記予測使用量が前記使用限度量以上であると、前記画像データに対して前記画像処理実行処理で施す画像処理内容として、前記画像形成材の使用量を所定量削減する画像処理内容を選択して、該画像処理内容の画像処理を該画像処理実行処理で該画像データに施したときの予測使用量を前記使用量算出処理で算出させて、該画像処理後の該予測使用量と該使用限度量を前記比較処理で比較させ、該比較結果に基づいて該画像形成材の使用量を削減する該画像処理内容を選択する画像処理内容選択処理を、該予測使用量が該使用限度量未満となるまで順次繰り返し行って実行画像処理内容を決定して、該実行画像処理内容の画像処理を前記画像処理実行処理で実行させる画像処理制御処理と、を実行させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像品質の劣化を抑制しつつ、画像形成材の消費量を適切に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施例を適用した画像形成装置の要部ブロック構成図。
【図2】γテーブル調整処理を示すフローチャート。
【図3】γテーブル調整処理におけるイメージ/グラフィックオブジェクトのトナーセーブ優先処理を示すフローチャート。
【図4】イメージ/グラフィックオブジェクト用調整後γテーブルの一例を示す図。
【図5】文字オブジェクト用調整後γテーブルの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
【実施例1】
【0012】
図1〜図5は、本発明の画像形成装置、画像形成制御方法及び画像形成制御プログラムの一実施例を示す図であり、図1は、本発明の画像形成装置、画像形成制御方法及び画像形成制御プログラムの一実施例を適用した画像形成装置1の要部ブロック構成図である。
【0013】
図1において、画像形成装置1は、用紙(被画像形成媒体)へトナー(画像形成材)を用いて画像形成するプリンタ装置、複写装置、ファクシミリ装置、複合装置等の画像形成装置であり、画像処理部2と画像出力部3、画像処理部2での画像処理に必要な各種データを記憶する不揮発性メモリ(ハードディスク、NVRAM(Non-Volatile Random Access Memory)等)4及び図示しないが、揮発性メモリ(RAM(Random Access Memory)、CPU(Central Processing Unit )及び操作表示部等を備えているとともに、外部のホストコンピュータHCや管理装置KCと通信を行う通信部及び操作表示部等を備えている。画像形成装置1は、複写装置、ファクシミリ装置、複合装置等であるときには、さらに、原稿の画像を読み取るスキャナ部等を備えている。
【0014】
ホストコンピュータHCは、通常のハードウェア構成及びソフトウェア構成のパーソナルコンピュータ等であり、画像形成装置1に、任意のPDL(Page Description Language:ページ記述言語)で生成されたRGB(赤(Red)、緑(Green)、青(Blue))の画像データ及びPJL(Printer Job Language)による制御コマンド(印刷制御データ)等からなる印刷ジョブを送信する。すなわち、ホストコンピュータHCは、アプリケーションソフトウェアASで作成されたり、他のホストコンピュータHCで作成されて受信したデータに対して印刷要求操作が行われると、プリンタドライバPDによって、PJLデータとPDLデータからなる印刷ジョブを生成して、ネットワークを介して画像形成装置1に送信する。
【0015】
管理装置KCは、通常のハードウェア構成及びソフトウェア構成のパーソナルコンピュータ等が用いられ、ネットワークを介して画像形成装置1に接続されていて、画像形成装置1に、管理情報を送って画像処理部1の動作を指示したり、画像処理部1から管理情報を受信して稼働状況等を管理する。特に、管理装置KCは、画像形成装置1における画像形成で用いることを許可するトナー消費量制限値TGを、内部不揮発性メモリ(ハードディスク等)に複数記憶しており、管理者によって適宜に選択操作されたトナー消費量制限値TGを、画像形成装置1に送信する。
【0016】
画像形成装置1は、その操作表示部が、画像形成装置1を操作するのに必要な各種キーを備えるとともに、ディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ)やLED(Light Emitting Diode)等のランプを備えている。操作表示部は、操作キーにおいて、画像形成装置1を利用した画像形成処理に必要な各種操作や後述するようにトナーセーブ機能を使用した画像形成制御処理での各種操作が行われ、ディスプレイに、操作キーから入力された命令内容や画像形成装置1からユーザに通知する各種情報が表示される。
【0017】
画像処理部2は、色変換処理部11、墨生成部12、総量規制部13、γテーブル調整処理部14、γ変換部15、ディザ処理部16等を備えており、不揮発性メモリ4は、カラープロファイル21、通常γテーブル22、トナー消費量変換テーブル23及び調整後γテーブル24等を記憶している。カラープロファイル21は、LUT(Look-up Table)21a及びIN/OUTPUT(インプット/アウトプット)テーブル21b等を保持する。
【0018】
色変換処理部11は、ホストコンピュータHCから送られてきたRGBの画像データに対して、不揮発性メモリ4に格納されているカラープロファイル21が保持するLUT(Look-up Table)21a、IN/OUTPUTテーブル21bを用いてCMY信号に変換して、墨生成部12に出力する。すなわち、カラープロファイル21は、RGB画像データをCMYデータに変換するのに必要な変換情報を、LUT21a及びIN/OUTPUTテーブル21b等として備えている。
【0019】
墨生成部12は、不揮発性メモリ2の図示しない墨生成テーブルを参照して、画像データに応じたK色画像データを生成し、色変換処理部11からのCMY画像データとともにCMYKの画像データとして総量規制部13に出力する。
【0020】
総量規制部13は、墨生成部12からのCMYK画像データの総量を、画像出力部3が画像生成して出力することのできる最大生成量に応じて、CMYKの画像データから一定値を減算して、γテーブル調整処理部14に出力する。
【0021】
γテーブル調整処理部(使用量算出手段、比較手段、画像処理制御手段)14は、総量規制部13から入力されるCMYK画像データに変換され画像データに基づいて、不揮発性メモリ4に格納されている通常γテーブル22を用いてγ変換を行った場合の1ページ当たりの予測トナー消費量(予測使用量)を、トナー消費量変換テーブル23を用いて求め、該予測トナー消費量が管理装置KCから通知されたトナー消費量制限値(使用制限量)TG未満であるか否かを判定する。また、γテーブル調整処理部4は、通常γテーブル22を用いてγ変換を行った場合の予測トナー消費量が、トナー消費量制限値TGを超える場合には、デフォルトで設定されている通常γテーブル22よりもトナー消費量が低減される画像処理内容であるγテーブル(予め作成されて不揮発性メモリ4に格納されている)を用いて、同様に、予測トナー消費量を算出し、該予測トナー消費量がトナー消費量制限値TG未満であるか否か判定する処理(画像処理内容選択処理)を繰り返し行って、予測トナー消費量がトナー消費量制限値TG未満となるγテーブル(実行画像処理内容)を、調整後γテーブル24としてγ変換部15に入力させる。
【0022】
γ変換部(画像処理実行手段、γ変換手段)15は、γテーブル調整処理部14で調整されて調整後γテーブル24から入力される調整後γテーブルを用いてγ変換(画像処理)を行い、γ変換したCMYK画像データをディザ処理部6に出力する。
【0023】
そして、画像形成装置1は、画像形成対象の画像データの各ページにおける各領域について、イメージオブジェクト、グラフィックオブジェクト及び文字オブジェクトのいずれのオブジェクトであるかの種類を判別するオブジェクト判別部(オブジェクト判別手段)を備えており、γ変換後のCMYKの出力値及び画像中の各オブジェクトが占める面積と実際に消費するトナー消費量の関係を示すトナー消費量変換テーブル23が予め作成されて不揮発性メモリ4に格納されている。γテーブル調整処理部4は、オブジェクト判別部の判別したオブジェクト毎に、不揮発性メモリ4の該オブジェクトに対して設定されているトナー消費量変換テーブル23を参照して予測トナー消費量を算出する。また、γテーブル調整処理部4は、γテーブルを微量に調整しながら予測トナー消費量とトナー消費量制限値TGの比較を繰り返し行って、γテーブルを、予測トナー消費量がトナー消費量制限値TG未満になる調整後γテーブル24に設定変更するとともに、トナー消費量制限値TGぎりぎりまでトナーを消費を削減して印刷するように調整後γテーブル24を設定して、トナー消費量を削減しすぎて必要以上に画像が劣化するのを防止する。
【0024】
ここで、トナー消費量制限値TGは、上述のように、1ページのCMYKの画像データに基づいて画像出力部3で用紙1枚印刷するのに要するトナー量にかかるコストを考慮して画像形成装置1の管理者によって管理装置KCで適宜設定される。なお、トナー消費量制限値TGは、管理装置KCから管理者の選択によって設定されて画像形成装置1に送られてくるものに限るものではなく、例えば、予め複数のトナー消費量制限値が不揮発性メモリ4に格納されていて、操作表示部の操作によって適宜選択されたものであってもよい。
【0025】
また、トナー消費量変換テーブル23は、設定したγテーブルによってCMYK画像データをγ変換して画像出力部3で画像形成した場合に消費されると予測される予測トナー消費量を、テーブル形式で設定されたものであり、予め画像出力部3のCMYK出力値及び画像データの画像中のオブジェクトが占める面積と用紙1枚当たりのトナー消費量の関係を求めて不揮発性メモリ4に格納されている。
【0026】
ディザ処理部16は、γ変換部5でγ変換されたCMYK画像データに対して所定のディザパターンを用いてディザデータに変換して画像出力部3に出力する。
【0027】
画像出力部(画像形成手段)3は、ディザ処理部16から入力されるCMYK画像データに基づいて、電子写真方式で、用紙にカラー画像を形成する。すなわち、画像出力部3は、CMYK各色の作像ユニットを備えており、各色の作像ユニットは、それぞれ、回転駆動される感光体を中心に、光書き込み部、現像部及び転写部、定着部、帯電部及びクリーニング部等が配設されている。各色の作像ユニットは、帯電部で一様に帯電された感光体上に、光書き込み部が、ディザ処理部16からのCMYK画像データのうち、該作像ユニットに対応する色の画像データに基づいて変調した書き込み光(レーザ光)を照射して、静電潜像を形成する。各色の作像ユニットは、この静電潜像の形成された感光体に現像部から該色のトナー(画像形成材)を供給して現像し、感光体上の該色のトナー画像を転写部と感光体との間に給紙カセットから用紙搬送部によって搬送されてきた用紙に転写して、トナー画像の転写のされた用紙を定着部に搬送して定着部で定着させる。
【0028】
なお、画像出力部3は、電子写真方式に限るものではなく、例えば、インク噴射式の画像出力部であってもよく、この場合、カラーインクを画像形成材として用紙にカラー画像を形成する。なお、本実施例では、画像出力部3が上述のように電子写真方式の画像出力部であるものとして説明する。
【0029】
そして、画像形成装置1は、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Versatile Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている本発明の画像形成制御方法を実行する画像形成制御プログラムを読み込んでROMやハードディスク等の不揮発性メモリに導入することで、後述する画像品質の劣化を抑制しつつ画像形成材であるトナーの消費量を削減する画像形成制御方法を実行する画像形成装置として構築されている。この画像形成制御プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
【0030】
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例の画像形成装置1は、画像品質の劣化を抑制しつつ、画像形成材であるトナーの消費量を適切に削減する。
【0031】
まず、画像形成装置1による印刷処理における画像処理について説明する。画像形成装置1は、ホストコンピュータHCから印刷ジョブが送られてくると、画像処理部2の色変換処理部11が、印刷ジョブのRGB画像データに対して、不揮発性メモリ4に格納されているカラープロファイル21が保持するLUT21a、IN/OUTPUTテーブル21bを用いてCMY画像データに変換し、墨生成部12が、不揮発性メモリ2の墨生成テーブルを参照して、画像データに応じたK色画像データを生成して、色変換処理部11からのCMY画像データとともにCMYKの画像データとして総量規制部13に出力する。画像処理部2の総量規制部13は、CMYK画像データの総量を、画像出力部3が画像生成して出力することのできる最大生成量に応じて、CMYKの画像データから一定値を減算して、γテーブル調整処理部14に出力し、γテーブル調整処理部14が、総量規制部13から入力されるCMYK画像データに対して、1ページ当たりの予測トナー消費量が管理装置KCから通知されたトナー消費量制限値TG未満となるように、γ変換部15で用いるγテーブルを調整する。γ変化部15は、γテーブル調整処理部4による調整後γテーブル24によってCMYK画像データをγ変換してディザ処理部16に出力し、ディザ処理部16は、γ変換部5でγ変換されたCMYK画像データに対して所定のディザパターンを用いてディザデータに変換して画像出力部3に出力する。
【0032】
画像出力部3は、ディザ処理部16から入力されるCMYK画像データに基づいて、電子写真方式で、カラートナーを用いて用紙にカラー画像を形成する。
【0033】
そして、上記γテーブル調整処理部14は、図2に示すようにγテーブル調整処理を行う。すなわち、γテーブル調整処理部14は、総量規制部13から入力されるCMYK画像データに対して、まず、デフォルトで設定されて不揮発性メモリ4に格納されている通常γテーブル22を用いてγ変換を行って(ステップS101)、この通常γテーブル22を用いたγ変換した場合の1ページ当たりの予測トナー消費量を、トナー消費量変換テーブル23を用いて求め(ステップS102)、該予測トナー消費量が管理装置KCから通知されたトナー消費量制限値TG未満であるか否かを判定する(ステップS103)。
【0034】
ステップS103で、通常γテーブル22を用いてγ変換を行った場合の予測トナー消費量が、トナー消費量制限値TG以上であると(ステップS103で、NOのとき)、γテーブル調整処理部4は、調整後γテーブル24からγ変換部15に入力させて実際にγ変換に用いる調整後γテーブル(実行画像処理内容)として、通常γテーブル22よりもトナー消費量が所定量低減されるγテーブルに設定変更し(ステップS104)、ステップS101に戻って、同様に、該設定変更後のγテーブルを用いてγ変換を行ったとしたとき(ステップS101)、消費されると予測される予測トナー消費量を算出する(ステップS102)。
【0035】
γテーブル調整処理部4は、設定変更後のγテーブルを用いた場合の予測トナー消費量を算出すると、該予測トナー消費量がトナー消費量制限値TG未満であるか否か判定し(ステップS103)、予測トナー消費量がトナー消費量制限値TG以上であると(ステップS103で、NOのとき)、γ変換部15に入力させて実際にγ変換に用いる調整後γテーブル24として、該設定変更後のγテーブルよりもトナー消費量が低減されるγテーブルを設定変更して、ステップS101に戻って、上記同様に処理する(ステップS101〜S104)。
【0036】
γテーブル調整処理部4は、ステップS103で、調整後γテーブルでγ変換したときの予測トナー消費量がトナー消費量制限値TG未満になるまで順次上記処理(画像処理内容選択処理)を繰り返し行なって、ステップS103で、調整後γテーブルでγ変換したときの予測トナー消費量がトナー消費量制限値TG未満になると(ステップS103で、YESのとき)、該設定変更後の調整後γ変換テーブル24をγ変換部15に渡して、γ変換部15が、γテーブル調整処理部14で調整された調整後γテーブル24を用いてγ変換を行い、γ変換したCMYK画像データをディザ処理部6に出力する。ディザ処理部16は、γ変換部5でγ変換されたCMYK画像データに対して所定のディザパターンを用いてディザデータに変換して画像出力部3に出力する。画像出力部3は、ディザ処理部16から入力されるCMYK画像データに基づいて、電子写真方式で、カラートナーを用いて用紙にカラー画像を形成する(ステップS105)。
【0037】
そして、γテーブル調整処理部4は、文字の認識性の劣化を抑制するために、上記γテーブル調整処理において、図3に示すように、CMYK画像データのオブジェクトの種類を判別して、イメージ(写真)オブジェクトとグラフィックオブジェクトに対するトナーセーブ処理を優先させて行なった後に、文字(テキスト)オブジェクトに対するトナーセーブ処理を行って、ページ全体の予測トナー消費量がトナー消費量制限値TG未満になるようにγテーブル調整処理を行ってもよい。この場合、画像処理部11は、画像形成対象の画像データの各ページの各領域についてオブジェクトの種類を判別するオブジェクト判別部(オブジェクト判別手段)を備えている。
【0038】
そして、γテーブル調整処理部4は、図3に示すように、オブジェクト判別部の判別したイメージ/グラフィックオブジェクトに対して、十分にトナーセーブ処理を行ったか、例えば、予め設定されているトナーの規制使用量まで予測トナー消費量を低減させたか否か、または、予め設定されているイメージ/グラフィックオブジェクト用のγテーブルのうち最もトナーを低減させるγテーブルまでγテーブルの設定変更を行ったか否かを判断し(ステップS201)、十分にイメージ/グラフィックオブジェクトに対するトナーセーブを行うγテーブル調整処理を行っていないときには(ステップS201で、NOのとき)、イメージ/グラフィックオブジェクト用γテーブルをトナー消費量が少なくなる調整後γテーブルに設定変更する(ステップS202)。γテーブル調整処理部4は、以降、イメージ/グラフィックオブジェクトに対して、図2のγテーブル調整処理と同様に、イメージ/グラフィックオブジェクト用の調整後γテーブルを用いた場合のγ変換を行ったとしたときに(ステップS101)、トナー消費量として予測される予測トナー消費量を算出して(ステップS102)、該予測トナー消費量がトナー消費量制限値TG未満であるか判断するイメージ/グラフィックオブジェクト用γテーブル調整処理を行う。
【0039】
上記イメージ/グラフィックオブジェクト用γテーブル調整処理においては、調整後γテーブル24として、図4に示すようなイメージ/グラフィックオブジェクト用調整後γテーブルを用いる。すなわち、イメージ/グラフィックオブジェクト用調整後γテーブルは、低濃度部分の濃度を低下させるとハイライト側の画像再現性が低下するため、トナー消費量の大きい高濃度部分の濃度を、大幅に下げ、低濃度部分の濃度については、通常γテーブルに比較してあまり下げないγテーブルとなっている。すなわち、γテーブル調整処理部4は、イメージ/グラフィックオブジェクトに対して、イメージ/グラフィックオブジェクトの調整後γテーブルTBg1→調整後γテーブルTBg2→調整後γテーブルTBg3→調整後γテーブルTBg4のように高濃度部分の濃度を大幅に下げる調整後γテーブル24に変更する。
【0040】
そして、γテーブル調整処理部4は、ステップS201で、イメージ/グラフィックオブジェクトに対して十分なトナーセーブ処理を行うと(ステップS201で、YESのとき)、文字オブジェクト用のγテーブルをトナー消費量が少なくなる調整後γテーブルに設定変更する(ステップS202)。γテーブル調整処理部4は、以降、文字オブジェクトに対して、図2のγテーブル調整処理と同様に、調整後γテーブルを用いた場合のγ変換を行ったとしたときに(ステップS101)、トナー消費量として予測される予測トナー消費量を算出して(ステップS102)、該予測トナー消費量がトナー消費量制限値TG未満であるか判断する文字オブジェクト用γテーブル調整処理を行う。
【0041】
上記文字オブジェクト用γテーブル調整処理においては、調整後γテーブル24として、図5に示すような文字オブジェクト用調整後γテーブルを用いる。すなわち、文字オブジェクト用調整後γテーブルは、文字情報として比較的重要度の高い高濃度の文字、もともと濃度の薄い文字の濃度は大きく下げないようにするために、図5に示す調整後γテーブルTBm1、TBm2、TBm3のように中程度の濃度のγテーブルを優先的に下げ、低濃度、高濃度部分に対しては比較的下げ幅が小さくなっている。さらに、文字オブジェクト用調整後γテーブルは、図5に示す調整後γテーブルTBm4のように中程度の濃度のγテーブルを大きく低下させても予測トナー消費量がトナー消費量制限値TG以上である場合のみ、高濃度部分の濃度を下げるγテーブルとなっている。この文字オブジェクト用のγテーブルの設定変更処理を行うと、文字の背景部などのグラフィックスオブジェクトに対して無駄にかつ大幅にトナーが消費されている場合、トナー消費量を大きく削減することができる。
【0042】
このように、本実施例の画像形成装置1は、画像データに所定の画像処理内容の画像処理を施して、該画像処理の施された画像データに基づいてページ毎に用紙(被画像形成媒体)へトナー(画像形成材)を用いて画像出力部(画像形成手段)3で画像形成する際に、γテーブル調整処理部(使用量算出手段、比較手段、画像処理制御手段)14が、画像データのページ毎に予測トナー消費量(予測使用量)を算出して、該予測トナー消費量と適宜に設定されるトナーの1ページ当たりのトナー消費量制限値(使用限度量)TGとを比較し、該予測トナー消費量が該トナー消費量制限値TG以上であると、画像データに対して施す画像処理内容として、トナーの使用量を所定量削減する画像処理内容を選択して、該画像処理内容の画像処理を該画像データに施したときの予測トナー消費量を算出して、該画像処理後の該予測トナー消費量とトナー消費量制限値TGを比較して、該比較結果に基づいてトナーの使用量を削減する該画像処理内容を選択する画像処理内容選択処理を、該予測トナー消費量がトナー消費量制限値TG未満となるまで順次繰り返し行って実行画像処理内容を決定して、該実行画像処理内容の画像処理を実行させている。
【0043】
したがって、用紙1枚当たりの画像形成材であるトナーの消費量をトナー消費量制限値TG未満に制限するように画像処理内容を選択設定することができ、画像品質の劣化を抑制することができるとともに、トナーの消費量を適切に削減することができる。
【0044】
また、本実施例の画像形成装置1は、画像データに所定の画像処理内容の画像処理を施す画像処理実行処理ステップと、画像処理の施された画像データに基づいてページ毎に用紙へトナーを用いて画像形成する画像形成処理ステップと、画像データのページ毎に予測トナー消費量を算出する使用量算出処理ステップと、該予測トナー消費量と適宜に設定されるトナーの1ページ当たりの使用限度量とを比較する比較処理ステップと、該予測トナー消費量がトナー消費量制限値TG以上であると、該画像データに対して前記画像処理実行処理ステップで施す画像処理内容として、トナーの使用量を所定量削減する画像処理内容を選択して、該画像処理内容の画像処理を該画像処理実行処理ステップで該画像データに施したときの予測トナー消費量を使用量算出処理ステップで算出させて、該画像処理後の該予測トナー消費量と該トナー消費量制限値TGを比較処理ステップで比較させ、該比較結果に基づいて該トナーの使用量を削減する該画像処理内容を選択する画像処理内容選択処理を、該予測トナー消費量が該トナー消費量制限値TG未満となるまで順次繰り返し行って実行画像処理内容を決定して、該実行画像処理内容の画像処理を画像処理実行処理ステップで実行させる画像処理制御処理ステップと、を有する画像形成制御方法を実行している。
【0045】
したがって、該画像形成制御方法を実行することで、用紙1枚当たりのトナーであるトナーの消費量をトナー消費量制限値TG未満に制限するように画像処理内容を選択設定することができ、画像品質の劣化を抑制することができるとともに、トナーの消費量を適切に削減することができる。
【0046】
さらに、本実施例の画像形成装置1は、コンピュータであるCPUに、画像データに所定の画像処理内容の画像処理を施す画像処理実行処理と、画像処理の施された画像データに基づいてページ毎に用紙へトナーを用いて画像形成する画像形成処理と、画像データのページ毎に予測トナー消費量を算出する使用量算出処理と、該予測トナー消費量と適宜に設定されるトナーの1ページ当たりのトナー消費量制限値TGとを比較する比較処理と、前記予測トナー消費量が前記トナー消費量制限値TG以上であると、前記画像データに対して前記画像処理実行処理で施す画像処理内容として、前記トナーの使用量を所定量削減する画像処理内容を選択して、該画像処理内容の画像処理を該画像処理実行処理で該画像データに施したときの予測トナー消費量を使用量算出処理で算出させて、該画像処理後の該予測トナー消費量と該トナー消費量制限値TGを比較処理で比較させ、該比較結果に基づいて該トナーの使用量を削減する該画像処理内容を選択する画像処理内容選択処理を、該予測トナー消費量が該トナー消費量制限値TG未満となるまで順次繰り返し行って実行画像処理内容を決定して、該実行画像処理内容の画像処理を画像処理実行処理で実行させる画像処理制御処理と、を実行させる画像形成制御プログラムを搭載している。
【0047】
したがって、該画像形成制御プログラムを実行することで、用紙1枚当たりのトナーであるトナーの消費量をトナー消費量制限値TG未満に制限するように画像処理内容を選択設定することができ、画像品質の劣化を抑制することができるとともに、トナーの消費量を適切に削減することができる。
【0048】
また、本実施例の画像形成装置1は、画像データ内のオブジェクトを判別するオブジェクト判別部(オブジェクト判別手段)と、オブジェクト毎にトナーの使用量の異なる複数種類の画像処理内容であるγテーブルを記憶する不揮発性メモリ(画像処理内容記憶手段)4と、を備えており、γテーブル調整処理部(画像処理制御手段)14が、オブジェクト判別部の判別したオブジェクト毎に、不揮発性メモリ4に記憶されているγテーブルのうち該オブジェクト用のγテーブルとして設定されているγテーブルから、トナーの使用量を削減するγテーブルを選択している。
【0049】
したがって、オブジェクトの種類毎に、該オブジェクトに対してトナーの削減割合の設定されている画像処理内容であるγテーブルを用いてトナーを削減する画像処理であるγ変換を行うことができ、画像品質の劣化をより一層抑制することができるとともに、トナーの消費量をより一層適切に削減することができる。
【0050】
さらに、本実施例の画像形成装置1は、トナーの使用量の異なる複数種類のγテーブルを不揮発性メモリ4に記憶し、γテーブル調整処理部(画像処理実行手段)14が、画像処理内容選択処理として、算出した予測トナー消費量に基づいて、トナーの使用量を所定量削減するγテーブルを不揮発性メモリ4から選択して、γテーブルを用いてγ変換部15がγ変換を該画像データに施したときの予測トナー消費量を算出して、該γテーブルを用いたときの該予測トナー消費量とトナー消費量制限値TGを比較して、該比較結果に基づいてトナーの使用量を削減する該γテーブルを選択するγテーブル選択処理を行っている。
【0051】
したがって、トナー消費量がトナー消費量制限値TG未満になるように、γテーブルを選択してγ変換後の画像データに基づいて画像形成することができ、画像品質の劣化をより一層抑制することができるとともに、トナーの消費量をより一層適切に削減することができる。
【0052】
また、本実施例の画像形成装置1は、オブジェクト画像データ内のオブジェクトを判別するオブジェクト判別部(オブジェクト判別手段)と、オブジェクト毎にトナーの使用量の異なる複数種類の画像処理内容であるγテーブルを記憶する不揮発性メモリ(画像処理内容記憶手段)4と、を備えており、γテーブル調整処理部14が、オブジェクト判別部の判別したオブジェクトがイメージオブジェクトまたはグラフィックオブジェクト及び文字オブジェクトを含む場合、画像処理内容選択処理として、イメージオブジェクトまたはグラフィックオブジェクトに対して、算出した予測トナー消費量に基づいて、不揮発性メモリ4に記憶されているγテーブルのうち該イメージオブジェクトまたはグラフィックオブジェクト用であってトナーの使用量を所定量削減するγテーブルを選択して、該γテーブルを用いてγ変換部15がγ変換を該画像データに施したときの予測トナー消費量を算出して、該γテーブルを用いたときの該予測トナー消費量とトナー消費量制限値TGを比較して、該比較結果に基づいてトナーの使用量を削減するγテーブルを選択するγテーブル選択処理を順次繰り返し行なって、該予測トナー消費量がトナー消費量制限値TGよりも該トナーの使用量が多い所定の規制使用量に到達すると、文字オブジェクトに対して、算出した予測トナー消費量に基づいて、不揮発性メモリに記憶されているγテーブルのうち文字オブジェクト用のγテーブルであってトナーの使用量を所定量削減するγテーブルを選択して、該γテーブルを用いてγ変換部15がγ変換を該画像データに施したときの予測トナー消費量を算出して、該γテーブルを用いたときの該予測トナー消費量とトナー消費量制限値TGを比較して、該比較結果に基づいてトナーの使用量を削減するγテーブルを選択するγテーブル選択処理を予測トナー消費量がトナー消費量制限値TG未満となるまで順次繰り返し行って実行画像処理内容である実行γテーブルを決定している。
【0053】
したがって、イメージオブジェクトまたはグラフィックオブジェクトに対して優先してトナー消費量を削減するγテーブル選択処理を行って、規制使用量になっても予測トナー消費量がトナー消費量制限値TGに到達しないときに、文字オブジェクトに対してトナー消費量を削減するγテーブル選択処理を行って、ページ全体の予測トナー消費量がトナー消費量制限値TGとなるγテーブルを選択して、該γテーブルを用いてγ変換した後に画像形成することができ、文字の画像品質の劣化をより一層抑制することができるとともに、トナーの消費量をより一層適切に削減することができる。
【0054】
さらに、本実施例の画像形成装置1は、前記イメージオブジェクトまたは前記グラフィックオブジェクト用のγテーブルとして、該イメージオブジェクトまたは該グラフィックオブジェクトの低濃度部分のトナーの使用量の低下量が比較的小さく、高濃度部分のトナーの使用量の低下量が比較的大きい複数のγテーブルを用いている。
【0055】
したがって、イメージオブジェクト及びグラフィックオブジェクトを画像品質の劣化をより一層抑制しつつ、トナーの消費量を適切に削減することができる。
【0056】
また、本実施例の画像形成装置1は、文字オブジェクト用のγテーブルとして、該文字オブジェクトの高濃度部分におけるトナー(画像形成材)の使用量の低下量が比較的小さく、中濃度部分におけるトナーの使用量の低下量が徐々に大きくなり、その後、高濃度部分におけるトナーの使用量の低下量が比較的大きくなる複数のγテーブルを用いている。
【0057】
したがって、文字オブジェクトを画像品質の劣化をより一層抑制しつつ、トナーの消費量を適切に削減することができる。
【0058】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0059】
1 画像形成装置
2 画像処理部
3 画像出力部
4 不揮発性メモリ
11 色変換処理部
12 墨生成部
13 総量規制部
14 γテーブル調整処理部
15 γ変換部
16 ディザ処理部
21 カラープロファイル
22 通常γテーブル
23 トナー消費量変換テーブル
24 調整後γテーブル
21a LUT
21b IN/OUTPUTテーブル
TG トナー消費量制限値
HC ホストコンピュータ
AS アプリケーションソフトウェア
PD プリンタドライバ
KC 管理装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0060】
【特許文献1】特開2010−49003号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに所定の画像処理内容の画像処理を施す画像処理実行手段と、
前記画像処理の施された画像データに基づいてページ毎に被画像形成媒体へ画像形成材を用いて画像形成する画像形成手段と、
前記画像データのページ毎に前記画像形成材の予測使用量を算出する使用量算出手段と、
前記予測使用量と適宜に設定される前記画像形成材の1ページ当たりの使用限度量とを比較する比較手段と、
前記予測使用量が前記使用限度量以上であると、前記画像データに対して前記画像処理実行手段で施す画像処理内容として、前記画像形成材の使用量を所定量削減する画像処理内容を選択して、該画像処理内容の画像処理を該画像処理実行手段が該画像データに施したときの予測使用量を前記使用量算出手段に算出させて、該画像処理後の該予測使用量と該使用限度量を前記比較手段に比較させ、該比較結果に基づいて該画像形成材の使用量を削減する該画像処理内容を選択する画像処理内容選択処理を、該予測使用量が該使用限度量未満となるまで順次繰り返し行って実行画像処理内容を決定して、該実行画像処理内容の画像処理を前記画像処理実行手段に実行させる画像処理制御手段と、
を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成装置は、
前記画像データ内のオブジェクトを判別するオブジェクト判別手段と、
前記オブジェクト毎に前記画像形成材の使用量の異なる複数種類の画像処理内容を記憶する画像処理内容記憶手段と、
を備え、
前記画像処理制御手段は、
前記オブジェクト判別手段の判別した前記オブジェクト毎に、前記画像処理内容記憶手段に記憶されている画像処理内容のうち該オブジェクト用の画像処理内容として設定されている画像処理内容から、前記画像形成材の使用量を削減する画像処理内容を選択することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成装置は、
前記画像形成材の使用量の異なる複数種類のγテーブルを記憶するテーブル記憶手段を備え、
前記画像処理実行手段は、
前記γテーブルに基づいて前記画像データにγ変換を行うγ変換手段であり、
前記画像処理制御手段は、
前記画像処理内容選択処理として、前記使用量算出手段の算出した予測使用量に基づいて、前記画像形成材の使用量を所定量削減する前記γテーブルを前記テーブル記憶手段から選択して、該γテーブルを用いて前記γ変換手段がγ変換を該画像データに施したときの予測使用量を前記使用量算出手段に算出させて、該γテーブルを用いたときの該予測使用量と前記使用限度量を前記比較手段に比較させて、該比較結果に基づいて該画像形成材の使用量を削減する該γテーブルを選択するγテーブル選択処理を行うことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成装置は、
前記画像データ内のオブジェクトを判別するオブジェクト判別手段と、
前記オブジェクト毎に前記画像形成材の使用量が異なる複数種類のγテーブルを記憶するテーブル記憶手段と、
を備え、
前記画像処理実行手段は、
前記γテーブルに基づいて前記画像データにγ変換を行うγ変換手段であり、
前記画像処理制御手段は、
前記オブジェクト判別手段の判別したオブジェクトがイメージオブジェクトまたはグラフィックオブジェクト及び文字オブジェクトを含む場合、前記画像処理内容選択処理として、該イメージオブジェクトまたはグラフィックオブジェクトに対して、前記使用量算出手段の算出した予測使用量に基づいて、前記テーブル記憶手段に記憶されている前記γテーブルのうち該イメージオブジェクトまたはグラフィックオブジェクト用であって前記画像形成材の使用量を所定量削減するγテーブルを選択して、該γテーブルを用いて前記γ変換手段がγ変換を該画像データに施したときの予測使用量を前記使用量算出手段に算出させて、該γテーブルを用いたときの該予測使用量と前記使用限度量を前記比較手段に比較させて、該比較結果に基づいて該画像形成材の使用量を削減する該γテーブルを選択するγテーブル選択処理を順次繰り返し行なって、該予測使用量が該使用限度量よりも該画像形成材の使用量が多い所定の規制使用量に到達すると、前記文字オブジェクトに対して、該使用量算出手段の算出した予測使用量に基づいて、該テーブル記憶手段に記憶されている該γテーブルのうち文字オブジェクト用のγテーブルであって該画像形成材の使用量を所定量削減するγテーブルを選択して、該γテーブルを用いて該γ変換手段がγ変換を該画像データに施したときの予測使用量を該使用量算出手段に算出させて、該γテーブルを用いたときの該予測使用量と該使用限度量を該比較手段に比較させて、該比較結果に基づいて該画像形成材の使用量を削減する該γテーブルを選択するγテーブル選択処理を該予測使用量が該使用限度量未満となるまで順次繰り返し行って前記実行画像処理内容を決定することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記イメージオブジェクトまたは前記グラフィックオブジェクト用のγテーブルは、
該イメージオブジェクトまたは該グラフィックオブジェクトの低濃度部分の前記画像形成材の使用量の低下量が比較的小さく、高濃度部分の該画像形成材の使用量の低下量が比較的大きい複数のγテーブルであることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記文字オブジェクト用のγテーブルは、
該文字オブジェクトの高濃度部分における前記画像形成材の使用量の低下量が比較的小さく、中濃度部分における該画像形成材の使用量の低下量が徐々に大きくなり、その後、高濃度部分における該画像形成材の使用量の低下量が比較的大きくなる複数のγテーブルであることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項7】
画像データに所定の画像処理内容の画像処理を施す画像処理実行処理ステップと、
前記画像処理の施された画像データに基づいてページ毎に被画像形成媒体へ画像形成材を用いて画像形成する画像形成処理ステップと、
前記画像データのページ毎に前記画像形成材の予測使用量を算出する使用量算出処理ステップと、
前記予測使用量と適宜に設定される前記画像形成材の1ページ当たりの使用限度量とを比較する比較処理ステップと、
前記予測使用量が前記使用限度量以上であると、前記画像データに対して前記画像処理実行処理ステップで施す画像処理内容として、前記画像形成材の使用量を所定量削減する画像処理内容を選択して、該画像処理内容の画像処理を該画像処理実行処理ステップで該画像データに施したときの予測使用量を前記使用量算出処理ステップで算出させて、該画像処理後の該予測使用量と該使用限度量を前記比較処理ステップで比較させ、該比較結果に基づいて該画像形成材の使用量を削減する該画像処理内容を選択する画像処理内容選択処理を、該予測使用量が該使用限度量未満となるまで順次繰り返し行って実行画像処理内容を決定して、該実行画像処理内容の画像処理を前記画像処理実行処理ステップで実行させる画像処理制御処理ステップと、
を有することを特徴とする画像形成制御方法。
【請求項8】
コンピュータに、
画像データに所定の画像処理内容の画像処理を施す画像処理実行処理と、
前記画像処理の施された画像データに基づいてページ毎に被画像形成媒体へ画像形成材を用いて画像形成する画像形成処理と、
前記画像データのページ毎に前記画像形成材の予測使用量を算出する使用量算出処理と、
前記予測使用量と適宜に設定される前記画像形成材の1ページ当たりの使用限度量とを比較する比較処理と、
前記予測使用量が前記使用限度量以上であると、前記画像データに対して前記画像処理実行処理で施す画像処理内容として、前記画像形成材の使用量を所定量削減する画像処理内容を選択して、該画像処理内容の画像処理を該画像処理実行処理で該画像データに施したときの予測使用量を前記使用量算出処理で算出させて、該画像処理後の該予測使用量と該使用限度量を前記比較処理で比較させ、該比較結果に基づいて該画像形成材の使用量を削減する該画像処理内容を選択する画像処理内容選択処理を、該予測使用量が該使用限度量未満となるまで順次繰り返し行って実行画像処理内容を決定して、該実行画像処理内容の画像処理を前記画像処理実行処理で実行させる画像処理制御処理と、
を実行させることを特徴とする画像形成制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−20206(P2013−20206A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−155641(P2011−155641)
【出願日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】