説明

画像形成装置、画像形成方法、およびプログラム

【課題】照度センサにより機外の明るさを検出して省電力制御を行う画像形成装置において、装置の様々な動作状態を考慮した的確な省電力制御を実現する。
【解決手段】設置される画像形成装置の照度を検出する光量検出部28と、画像形成対象の原稿の有無を検出する原稿載置検出部27と、光量検出部28により検出した照度の変化量、原稿載置検出部27による原稿の有無情報、および画像形成装置の動作状態に基づいて通常電力モード/省電力モードの制御を行う電力モード制御部49aと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成方法、およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置では、動作していない状態(待機中)においても、定着ヒータなどに電力を供給している。このような待機中の消費電力を減らすために、照度センサにより機外の明るさを検知し、暗くなると自動的に定着ヒータなどへの電力供給をOFFする省エネモードに移行する技術が既に知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、無駄な電力を節約する目的で、記録媒体に画像を形成する画像形成部と、画像形成部に電源を供給する電源回路部と、外部の光量を検出して該光量に応じた受光信号を電源回路に出力する光量検出部と、を備え、電源回路部が、光量検出部の出力した受光信号に基づいて画像形成部への電源の供給、遮断または待機するように構成された画像形成装置が開示されている。この特許文献1で開示された画像形成装置は、光量により電源の供給、遮断等を制御するものであり確かに省電力化の効果が見込め、ユーザにとってランニングコストの節減につながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1で開示された画像形成装置にあっては、装置が設置される周囲の照度によって省電力制御を行うものの、複合機などの画像形成装置において原稿のセット状態、装置の操作・動作状態を考慮した制御を行うものではなかった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、照度センサにより機外の明るさを検出して省電力制御を行う画像形成装置において、装置の様々な動作状態を考慮した的確な省電力制御を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、設置される画像形成装置の照度を検出する照度検出手段と、画像形成対象の原稿の有無を検出する原稿検出手段と、
前記照度検出手段により検出した照度の変化量、前記原稿検出手段による原稿の有無情報、および前記画像形成装置の動作状態に基づいて通常電力モード/省電力モードの制御を行う電力モード制御手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、照度センサにより機外の明るさを検出して省電力制御を行う画像形成装置において、装置の様々な動作状態を考慮した的確な省電力制御を実現することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、実施の形態にかかる画像形成装置の概略構成を示す説明図である。
【図2】図2は、実施の形態にかかる画像形成装置の露光器の内部構成を示す説明図である。
【図3】図3は、実施の形態にかかる画像形成装置の機能構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、実施の形態にかかるADFの構成および照度センサの配置例を示す説明図である。
【図5】図5は、実施の形態における照度センサの検出レベルのパターンを示す説明図である。
【図6】図6は、実施の形態における照度センサの検出レベルに基づく電源ON/OFF制御を示す説明図である。
【図7】図7は、実施の形態にかかる画像形成装置の制御動作を示すフローチャートである。
【図8】図8は、実施の形態にかかる画像形成装置の照度センサにより検出した照度情報に基づいた制御動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像形成装置、画像形成方法、およびプログラムの一実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
(実施の形態)
本発明は、照度センサにより機外の明るさを検知し省エネモードに切り替える画像形成装置であり、以下の特徴を有する。すなわち、照度センサが画像形成装置の電源スイッチも兼ねるとともに、また、照度センサから得られる光量によって、ユーザによって電源操作がなされたか、周囲の明るさが変化したのか、原稿がセットされたのかを検知し、それぞれに場合に対応した電源ON/OFFを行って省エネモードに切り替えることが特徴になっている。以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、実施の形態にかかる画像形成装置の概略構成を示す説明図である。本実施の形態の画像形成装置は、図1に示すように、無端状移動手段である搬送ベルトに沿って各色の画像形成部が並べられた構成を備えるものであり、いわゆるタンデムタイプといわれるものである。すなわち、給紙トレイ1から給紙ローラ2により給紙される用紙(記録紙)3を搬送する搬送ベルト4に沿って、この搬送ベルト4の搬送方向の上流側から順に、複数の画像形成部(電子写真プロセス部)5BK、5M、5C、5Yが配列されている。これら複数の画像形成部5BK、5M、5C、5Yは、形成するトナー画像の色が異なるだけで内部構成は共通である。画像形成部5BKはブラックの画像を、画像形成部5Mはマゼンタの画像を、画像形成部5Cはシアンの画像を、画像形成部5Yはイエローの画像をそれぞれ形成する。
【0012】
よって、以下の説明では、画像形成部5BKについて具体的に説明するが、他の画像形成部5M、5C、5Yは画像形成部5BKと同様であるので、その画像形成部5M、5C、5Yの各構成要素については、画像形成装置5BKの各構成要素に付したBKに替えて、M、C、Yによって区別した符号を図に表示するにとどめ、説明を省略する。
【0013】
搬送ベルト4は、回転駆動される駆動ローラ7と従動ローラ8とに巻回されたエンドレスのベルトである。この駆動ローラ7は、不図示の駆動モータにより回転駆動させられ、この駆動モータと、駆動ローラ7と、従動ローラ8とが、無端状移動手段である搬送ベルト4を移動させる駆動手段として機能する。
【0014】
画像形成に際して、給紙トレイ1に収納された用紙3は最も上のものから順に送り出され、静電吸着作用により搬送ベルト4に吸着され、回転駆動される搬送ベルト4により最初の画像形成部5BKに搬送され、ここで、ブラックのトナー画像を転写される。
【0015】
画像形成部5BKは、感光体としての感光体ドラム9BK、この感光体ドラム9BKの周囲に配置された帯電器10BK、露光器11、現像器12BK、感光体クリーナ(不図示)、除電器13BK等から構成されている。露光器11は、各画像形成部5BK、5M、5C、5Yが形成する画像色に対応する露光ビームであるレーザ光14BK、14M、14C、14Yを照射するように構成されている。
【0016】
図2に露光器11の内部図を示す。各画像色の露光ビームであるレーザ光14BK、14M、14C、14Yはそれぞれ光源であるレーザダイオード24BK、24M、24C、24Yから照射される。照射されたレーザ光は、反射鏡23によって光学系25BK、25M、25C、25Yを経て、光路を調整された後、感光体ドラム9BK、9M、9C、9Yの表面へと走査される。反射鏡23は、6面体のポリゴンミラーであり、回転をすることによってポリゴンミラー1面につき主走査方向1ライン分の露光ビームを走査することができる。光源のレーザダイオード4つに対して、ポリゴンミラー1つで走査を行う。14BK、14Mと、14C、14Yの2色ずつの露光ビームに分けてポリゴンミラーの対向反射面を用いて走査を行うことによって、異なる4つの感光体ドラムへと同時に露光することを可能としている。光学系25は、反射光を等間隔に揃えるf-θレンズと、レーザ光を偏向する偏向ミラーで構成されている。
【0017】
同期検知センサ26は、主走査方向の画像領域外に配置され、1ラインの走査毎にレーザ光14BK、14Yを検出し、画像形成時の露光開始タイミングを調節する。同期検知センサ26は25BK側に配置されているため、レーザ光14Yは同期検知用折り返しミラー25Y_D1、25Y_D2、25Y_D3を経由して同期検知センサ26に入射する。レーザ光14M、14Cは同期検知センサによる書出しタイミングの調節ができないため、マゼンタの露光開始タイミングはブラックの露光開始タイミングに、シアンの露光開始タイミングはイエローの露光開始タイミングに、それぞれ一致させて各色の画像位置を揃えている。
【0018】
画像形成に際し、感光体ドラム9BKの外周面は、暗中にて帯電器10BKにより一様に帯電された後、露光器11からのブラック画像に対応したレーザ光14BKにより露光され、静電潜像を形成される。現像器12BKは、この静電潜像をブラックトナーにより可視像化し、このことにより感光体ドラム9BK上にブラックのトナー画像が形成される。
【0019】
このトナー画像は、感光体ドラム9BKと搬送ベルト4上の用紙3とが接する位置(転写位置)で、転写器15BKの働きにより用紙3上に転写される。この転写により、用紙3上にブラックのトナーによる画像が形成される。トナー画像の転写が終了した感光体ドラム9BKは、外周面に残留した不要なトナーが感光体クリーナ(不図示)により払拭された後、除電器13BKにより除電され、次の画像形成のために待機する。
【0020】
以上のようにして、画像形成部5BKでブラックのトナー画像を転写された用紙3は、搬送ベルト4によって次の画像形成部5Mに搬送される。画像形成部5Mでは、画像形成部5BKでの画像形成プロセスと同様のプロセスにより感光体ドラム9M上にマゼンタのトナー画像が形成され、そのトナー画像が用紙3上に形成されたブラックの画像に重畳されて転写される。
【0021】
用紙3は、さらに次の画像形成部5C、5Yに搬送され、同様の動作により、感光体ドラム9C上に形成されたシアンのトナー画像と、感光体ドラム9Y上に形成されたイエローのトナー画像とが、用紙3上に重畳されて転写される。こうして、用紙3上にフルカラーの画像が形成される。このフルカラーの重ね画像が形成された用紙3は、搬送ベルト5から剥離されて定着器16にて画像を定着された後、画像形成装置の外部に排紙される。排紙センサ6は、用紙3が正常に外部に排紙されたことを確認するためのものである。
【0022】
図3は、実施の形態にかかる画像形成装置の機能構成を示すブロック図である。本実施の形態の画像形成装置は、図3に示すように、操作部31と、電源回路部29と、制御部30と、画像形成部32と、用紙搬送部33と、光量検出部28と、原稿載置検出部27と、を有する。また、図3において、符号54はたとえばヒータを内蔵した定着ローラを有する熱定着装置、符号55は装置の制御に必要な、たとえば搬送センサなどの各種センサである。
【0023】
操作部31は、画像形成装置の各種機能をユーザ等に知らせる各種表示部と機能を実行するための機能スイッチを有しているものである。
【0024】
電源回路部29は、AC(交流)電源を入力するAC回路部43と、このAC回路部43からのAC(交流)入力からDC(直流)電源を生成するDC生成回路部44と、外部回路からのトリガ信号で制御部30へ電源の供給/遮断または制御部30への省電力モードトリガ信号の入力を行う電源起動回路部45と、を有する。
【0025】
制御部30は、各種プログラムを記憶しているROM47と、このROM47に記憶されたプログラムを実行するCPU48と、一時的にデータを記憶するRAM46と、タイマ48、操作部31、画像形成部32、用紙搬送部33、熱定着装置54、各種センサ55、CPU49に必要な信号を生成するASIC(Application Specific IC)52と、操作部31、画像形成部32、用紙搬送部33、各種センサ55とCPU48との入出力手段である外部I/F53と、を有する。また、制御部30は、画像形成装置状態信号を光量検出部28に出力する機能を備えている。画像形成装置状態信号とは、画像形成装置の待機中、印刷中などの状態を表す信号である。制御部30は、電源回路部29から省電力モードトリガ信号を受信すると省電力モード制御を実行する電力モード制御部49aの機能がプログラムがROM47に記憶されている。省電力モードの制御とは例えば、待機時よりも熱定着装置54の定着の温度を下げるなどが挙げられる。CPU48は、電源モード制御部49aの機能を有する。また、制御部30は、メモリに照度情報記憶部50、制御情報保持部51を有する。照度情報記憶部50には、光量検出部28(照度センサ20)により検出された照度を所定時間ごとに記録する。制御情報保持部51には、照度の変化のパターンとそれぞれのパターンに対応した省電力制御方法とを関連付けた制御情報を保持する。また、制御部30は、照度情報記憶部50に対して、光量検出部28(照度センサ20)による検出照度を記録する時間を任意の値に設定する時間設定機能を有する。
【0026】
画像形成部32は、たとえば、電子写真プロセスに基づいた各ユニットを有し、画像を形成する手段を有している。用紙搬送部33は、トレイから用紙を給紙し、機外へ用紙を搬送する手段を有している。
【0027】
光量検出部28は、画像形成装置外部の明るさを検知する光量受光部38と、カウンタ40への出力を行う比較回路39と、比較回路39、感応時間設定回路42、外部回路からの出力に基づいて電源回路部29をON/OFFするためのトリガ信号を出力するカウンタ40と、比較回路30の閾値を設定する光量レベル設定回路41と、電源回路部29をON/OFFするためのトリガ信号を出力する時間を設定する感応時間設定回路42と、を有する。光量検出手部28は、後述する照度センサ20(図4)に相当する手段である。カウンタ40は、原稿載置検出部27からの信号の有無により異なるカウンタ値を保持し、信号があるときは小さく、信号がないときは大きな値であることが望ましい。つまり、信号があるときは、ユーザにより電源ON/OFFするか、あるいは省エネモードに移行するときであり、約1秒〜2秒が望ましい。また、信号がないときは、画像形成装置外の明るさにより自動的に電源ON/OFFするか、あるいは省エネモードに移行するときであるため、画像形成装置外の明るさが短時間で変化した場合では移行しないように約1分とすることが望ましい。また、カウンタ40は、ユーザが変更できるようにスイッチやダイヤルなどを設ける構成にしてもよい。
【0028】
原稿載置検出部27は、後述するADF17(図4参照)の原稿台18上にセットされている原稿の有無を検出するために、原稿に対して赤外光を発光する発光部35と、発光部35の光を受光する受光部34と、カウンタ37への出力を行う比較回路36と、を有する。原稿があるときは発光部35の光が原稿に遮蔽されて「原稿あり」の検出信号が出力され、原稿がないときは発光部35の光が受光部34に入射されて「原稿なし」が検出される。なお、この実施の形態では、原稿のセット検出として光学方式を例にとったが、たとえば、フィラーによる機械スイッチなどであってもよい。
【0029】
図4は、実施の形態にかかるADF17の構成および照度センサ20の配置例を示す説明図である。本実施の形態の照度センサ20は、ADF(Auto Document Feeder:自動原稿搬送装置)17内に設けられている。ADF17は、原稿台18、給送ローラ19、給送ベルト21、排送ローラ22を具備する。原稿台18上に原稿の画像面を上にして置かれた原稿束は、操作部31上のスタートキーが押下されることで、一番上の原稿から給送ローラ21と給送ベルト22とにより、コンタクトガラス上の所定の位置に給送され、コンタクトガラス上で読み取られた後、給送ベルト22、排送ローラ23を介して排出される。給送ローラ21、給送ベルト22、排送ローラ23は、搬送モータ(不図示)によって駆動される。このようにADF17は、原稿台18にセットされた原稿を1枚ずつコンタクトガラス上に搬送し、そこで当該原稿の光学的な画像読み取り動作が行われたのち、給送ベルト21、排送ローラ22によって排紙される。また、ADF17は、コンタクトガラスから開放できる機構(不図示)を有し、ユーザによりコンタクトガラス上に原稿をセット(マニュアル操作)することによって原稿読み取りが可能なように構成されている。
【0030】
照度センサ20の受光部付近の画像形成装置の外装は、照度センサ20が装置外の光量を測定できるように、光を透過させる透明な素材で構成されている。また、照度センサ20は、原稿をセットする位置(原稿台18において原稿が載置される位置(原稿載置面でもその裏面でも可))に設置されていて、原稿の有無と装置周囲の明るさを検出できるように構成されている。また、照度センサ20は、電源スイッチの機能を兼ねており、ユーザが照度センサ20のボタンを押下することで画像形成装置の電源ON/OFFの操作が行われる。
【0031】
図5は、実施の形態における照度センサ20の検出レベルのパターンを示す説明図である。図5(a)及び(b)に、原稿がセットされた後や原稿がなくなった後の検出レベルの変化を示す。照度センサ20は、原稿がセットされているとき最低レベル(暗い)の明るさを検出し、原稿がなくなり未セット状態となると室内の明るさを検出する。図5(c)に、電源ON/OFF操作時の検出レベルの変化を示す。電源ON/OFFの場合、ボタンの振る舞いとして、一定時間、最低レベル(暗い)の明るさを検出する期間が存在する。つまり、ユーザにより照度センサ20のボタンが押下されたとき、ユーザの指により光が遮られて最低レベルの明るさを検出し、ユーザの指が照度センサ20のボタンから離れると周囲の明るさを検出する。図5(d)及び(e)に、装置周囲(原稿がない状態)の検出レベルの変化を示す。装置周辺の明るさの検出レベルは、緩やかに変化する。
【0032】
図6は、実施の形態における照度センサ20の検出レベルに基づく電源ON/OFF制御について示す説明図である。ここで、原稿のあり/なしの検出は、原稿載置検出部27によって行う。電力モード制御部49は、画像形成装置が動作している若しくは操作部31のパネル操作がなされているときは、検出レベルが変化していても、省エネモードに移行せず、電源のON/OFFは行わない(図6(A)の「電源状態を変えない、原稿あり/原稿なし」)。また、電力モード制御部49aは、一定時間検出レベルが下がった場合、ユーザにより電源ボタンが押下されたと判断し、操作内容に従った電源のON/OFFを行う(図6(B)、(C)の「ユーザ意図による電源ON/ユーザ意図による電源OFF、原稿あり/原稿なし」)。
【0033】
一方、電力モード制御部49aは、画像形成装置が動作していない状態かつ操作部31のパネル操作がなされていない状態が一定時間継続した場合、省エネモードに移行し、電源のOFFを行う(図6(D)の「周囲の明るさ変化による電源OFF、原稿あり/原稿なし」)。また、電力モード制御部49aは、照度センサ20の検出レベルが一定以上となった場合、省エネモードから通常モードに移行し、電源のONを行う(図6(E)の「周囲の明るさ変化による電源ON」)。なお、図6(E)において、「周囲の明るさ変化による電源ON、原稿あり」が「×」印となっているのは、原稿が原稿台18に置かれている場合には周囲が明るくなっても照度センサ20の検出レベルは変化せず、この検出レベルに基づいて電源ONとすることはできないためである。このように、電力モード制御部49aは、画像形成装置が動作しているか、またはユーザのパネル操作を受付けたとき、省電力モードの制御を実行しない。一方、電力モード制御部49aは、画像形成装置が動作していないかつユーザのパネル操作を受付けたとき、省電力モードの制御を実行する。
【0034】
図7は、実施の形態にかかる画像形成装置の制御動作を示すフローチャートである。まず、電力モード制御部49aは、タイマ48がフローしたか、すなわち所定時間経過したか否かを判断する(ステップS11)。こので、フローしたと判断した場合(ステップS11/YES)、電力モード制御部49aは、照度センサ20により検出した照度情報に基づいた制御を実施する(ステップS12)。その後、電力モード制御部49aは、その他の制御を実行する(ステップS13)。電力モード制御部49aは、全ての制御が実行されたらタイマ48をリセットし(ステップS14)、その後、タイマ48のカウントアップを行う(ステップS15)。電力モード制御部49aは、他方、ステップS11においてフローしていないと判断した場合(ステップS11/NO)、継続してタイマ48のカウントアップを行う(ステップS15)。なお、上記フローチャートにおいて、照度センサ20により検出した照度情報に基づいた制御と他の制御の順序は入れ替わっても構わない。
【0035】
図8は、実施の形態にかかる画像形成装置の照度センサ20により検出した照度情報に基づいた制御動作を示すフローチャートである。まず、電力モード制御部49aは、画像形成装置の動作状態及び操作部31のパネルの操作状態を監視し(ステップS21)、装置動作中でなくかつ操作部31のパネル操作がなされていないと判断した場合(ステップS21/YES)、照度センサ20の検出レベルを照度情報記憶部50に継続して記録する(ステップS22)。なお、照度センサ20の検出レベルは、一定間隔でメモリなどの照度情報記憶部50に過去の履歴(レベル)も含めて保持する。
【0036】
そして、電力モード制御部49aは、照度情報記憶部50に記録された検出レベルとあらかじめ保持された制御情報保持部51の照度レベルパターンとのマッチングを行う(ステップS23)。続いて、電力モード制御部49aは、記録された検出レベルがいずれかの照度レベルパターンとマッチした場合(ステップS23/YES)、パターンごとに決められた仕様に基づいて電源ON/OFFを行う(ステップS24)。制御情報保持部51には、検出レベル変化のパターンとそのときに制御すべき動作(電源ON/OFF動作)とが関連付けられて保持されており、電力モード制御部49aは、この制御情報保持部51に記録された検出レベルの経歴情報を用いてパターンマッチを行い、該当するパターンが存在すれば関連付けられた動作を実施する。
【0037】
他方、電力モード制御部49aは、少なくとも装置動作中であるかまたは操作部31のパネル操作がなされている場合(ステップS21/NO)、照度センサ20の検出レベルの記録をクリアする(ステップS25)。
【0038】
したがって、上述した実施の形態によれば、照度センサ20により機外の明るさを検出して省電力制御を行う画像形成装置において、装置の様々な動作状態、すなわち、画像形成対象の原稿の有無を検出する原稿載置検出部27と、光量検出部28により検出した照度の変化量、原稿載置検出部27による原稿の有無情報、および画像形成装置の動作状態を考慮した的確な省電力制御を実現することができる。
【0039】
本実施の形態では、光量検出手段28内の各種回路といったハードウェアを用いて図8に示す照度センサ20制御のフローを実現しているが、ソフトウェアを用いて該フローを実現してもよい。この場合、例えば制御部30内のCPU49がROM47の格納されたプログラム(図8の照度センサ20制御のフローが記述されたもの)を読み出して実行することにより実現される。
【0040】
本実施の形態で実行されるプログラムは、ROM47に予め組み込まれて提供するものとしているが、これに限定されるものではない。本実施の形態で実行されるプログラムを、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録してコンピュータプログラムプロダクトとして提供してもよい。
【0041】
また、本実施の形態で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施の形態で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0042】
本実施の形態で実行されるプログラムは、上述した電力モード制御部49aを含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU49(プロセッサ)が上記記録媒体からプログラムを読み出して実行することにより上記各部がメモリ等の主記憶装置上にロードされ、電力モード制御部49aが主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0043】
なお、上述した実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であり、上記実施の形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 給紙トレイ
2 給紙ローラ
3 用紙
4 搬送ベルト
5,32 画像形成部
9 感光体ドラム
10 帯電器
11 露光器
12 現像器
13 除電器
14 レーザ光
15 転写器
16 定着器
17 ADF
18 原稿台
20 照度センサ
27 排紙センサ手段
28 光量検出手段
29 電源回路部
30 制御部
31 操作部
33 用紙搬送部
34 受光部
35 発光部
36,39 比較回路
37,40 カウンタ
38 光量受光部
41 光量レベル設定回路
42 感応時間設定回路
43 AC回路部
44 DC生成回路部
45 電源起動回路部
46 RAM
47 ROM
48 タイマ
49 CPU
49a 電力モード制御部
50 照度情報記憶部
51 制御情報保持部
54 熱定着装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0045】
【特許文献1】特開2005−088521号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置される画像形成装置の照度を検出する照度検出手段と、
画像形成対象の原稿の有無を検出する原稿検出手段と、
前記照度検出手段により検出した照度の変化量、前記原稿検出手段による原稿の有無情報、および前記画像形成装置の動作状態に基づいて通常電力モード/省電力モードの制御を行う電力モード制御手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記照度検出手段は、画像形成装置の電源ON/OFFを切り替える電源スイッチ手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記照度検出手段により検出された照度を所定時間ごとに記録する照度記録手段と、
照度の変化のパターンとそれぞれの前記パターンに対応した省電力制御方法とを関連付けた制御情報を保持する制御情報保持手段と、
を有し、
前記電力モード制御手段は、前記照度記録手段に記録された検出照度と前記制御情報保持手段に保持された前記パターンとに基づいて省電力制御方法を決定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記照度記録手段は、前記原稿検出手段による検出結果に基づいて、前記光量検出手段による検出照度を所定時間ごとに記録することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記電力モード制御手段は、画像形成装置が動作しているか、またはユーザのパネル操作を受付けたとき、省電力モードの制御を実行しないことを特徴とする請求項1〜4何れか一つに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記電力モード制御手段は、画像形成装置が動作していないかつユーザのパネル操作を受付けたとき、省電力モードの制御を実行することを特徴とする請求項1〜4何れか一つに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記照度記録手段が前記光量検出手段による検出照度を記録する時間を任意の値に設定する時間設定手段を有することを特徴とする請求項3〜5何れか一つに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御情報保持手段に保持された前記パターンにおける照度を任意の値に設定する照度設定手段を有することを特徴とする請求項3〜6何れか一つに記載の画像形成装置。
【請求項9】
設置される画像形成装置の照度を検出する照度検出手段と、画像形成対象の原稿の有無を検出する原稿検出手段と、を有する画像形成装置で実行される画像形成方法であって、
前記照度検出手段により検出した照度の変化量、前記原稿検出手段による原稿の有無情報、および前記画像形成装置の動作状態に基づいて通常電力モード/省電力モードの制御を行う電力モード制御工程を含むことを特徴とする画像形成方法。
【請求項10】
設置される画像形成装置の照度を検出する照度検出手段と、画像形成対象の原稿の有無を検出する原稿検出手段と、を有するコンピュータで実行されるプログラムであって、
前記照度検出手段により検出した照度の変化量、前記原稿検出手段による原稿の有無情報、および前記画像形成装置の動作状態に基づいて通常電力モード/省電力モードの制御を行う電力モード制御ステップを、前記コンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−137746(P2012−137746A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260596(P2011−260596)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】