説明

画像形成装置、画像読取方法およびプログラム

【課題】利用者の作業効率を向上させ、必要な画像データのみを読込んでパフォーマンスの向上を図る。
【解決手段】原稿を載置する載置部と、載置部に載置された原稿の画像を1ページ単位で画像データとして読込む読込部121と、読込んだ画像データに埋込情報が埋め込まれているか否かを判断する埋込情報判断部122と、埋込情報が埋め込まれていた場合、画像データから埋込情報を抽出し、抽出した埋込情報に基づいて読込みが不要である読込不要ページのページ番号を取得する埋込情報抽出部123と、次の原稿が載置されている場合、次の原稿における最初の原稿からのページ順と、取得した読込不要ページのページ番号とが一致するか否かを判断するページ番号判断部124と、を備え、読込部121は、ページ順と読込不要ページのページ番号とが一致した場合、次の原稿から画像データを読込まない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿から読込んだ画像データの画像処理を行う画像形成装置、画像読取方法およびプログラムに関するものであって、特に、読込不要なページの原稿に対する処理を行う画像形成装置、画像読取方法およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、PC(Personal Computer)やインターネットの普及に伴って、作成されるデジタル・コンテンツの量も増加している。このような状況下において、オフィスで使用される機密文書のセキュリティ管理方法の一つとして、情報埋め込み技術(電子透かし技術)が利用されている。例えば、人間が知覚できないような透かし情報を埋め込む技術として、画像データをウェーブレット変換し、周波数空間での冗長性を利用して画像データに透かし情報を埋め込む手法が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
また、文書画像のような2値画像は冗長度が少ないため、電子透かし技術を実現するのが困難であるが、文書画像特有の特徴を利用した手法が幾つか知られている。例えば、行のベースラインを動かして透かし情報を埋め込む方法(特許文献2参照)、単語間の空白長を操作して透かし情報を埋め込む方法(特許文献3参照)、白黒2値のビットマップ画像として扱って透かし情報を埋め込む方法(特許文献4参照)などが挙げられる。
【0004】
また、このようなデジタル・コンテンツは印刷を行なって紙文書として利用される場合も多く、プリンタなどの画像形成装置による高解像度出力が可能となる今日、印刷向けの情報埋め込み技術(電子透かし技術)が各種考案されている。例えば、コンテンツデータをプリンタ出力する際に、コンテンツデータの背景に地紋と呼ばれる画像を重ねて出力する技術が開示されている(特許文献5、特許文献6参照)。地紋画像とは、原本(プリンタで出力した印刷物)においては人間の目に対して単なる模様や背景色などに見えるが、その原本を複写機などで複写すると複写物上に所定の文字などが浮び上がるようなものである。これにより、複写した者に偽造防止用紙と同様の牽制効果を与えることができる。
【0005】
また、印刷物として最も広く利用される白黒の2値の文書に対する電子透かし埋め込み方法としては、情報を数値化し、基準点マークと位置判別マークとの距離(ドット数)により情報の表現を行うものなどがある(特許文献7参照)。
【0006】
このように、上記情報埋め込み技術によって埋め込まれた情報は、文書の複製又は編集に一定の制限を加えるために使用され、例えば、利用者にパスワードなどを持たせ、複写や編集を、権限をもつ利用者に制限する場合等に利用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来技術では、画像データそのものの中に埋め込まれた埋込情報を利用して不正使用の防止、著作権保護、データの改竄防止など、原画像の保護を図る目的のものである。従って、必要最小限の画像データのみを保持し、不要な画像データを消去することはできない。
【0008】
従来から、コピー、スキャン、またはFAX送信の際に、原稿束内の不要な画像データの出力や、不要な画像データのメモリへの蓄積、または不要な画像データの送信を省略することが所望されている。そのためには、利用者が予め必要なページのみを読込ませるように原稿をセットする作業が必要であり、利用者に負荷の多い作業であった。また、ページの要/不要を区別することなく画像データの読込みを行った場合、不要な画像データが蓄積され複合機などの画像形成装置のパフォーマンスが低下するといった問題があった。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、利用者の作業効率を向上させるとともに、必要な画像データのみを読込んでパフォーマンスの向上を図ることができる画像形成装置、画像読取方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、原稿から画像データを読込む読込手段と、前記読込手段により読込まれた前記画像データから読込みが不要である読込不要ページのページ情報を取得する取得手段と、を備え、前記読込手段は、前記ページ情報に対応するページの原稿から前記画像データを読込まないことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、記憶手段と、原稿から画像データを読込み、前記記憶手段に保存する読込手段と、前記読込手段により読込まれた前記画像データから読込みが不要である読込不要ページのページ情報を取得する取得手段と、前記記憶手段に記憶されている前記画像データのうち、前記ページ情報に対応するページの前記画像データを削除する削除手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、画像形成装置で実行される画像読取方法において、原稿から画像データを読込む読込ステップと、前記読込ステップにより読込まれた前記画像データから読込みが不要である読込不要ページのページ情報を取得する取得ステップと、を含み、前記読込ステップは、前記ページ情報に対応するページの原稿から前記画像データを読込まないことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、画像形成装置で実行される画像読取方法において、前記画像形成装置は、記憶手段を備え、原稿から画像データを読込み、前記記憶手段に保存する読込ステップと、前記読込ステップにより読込まれた前記画像データから読込みが不要である読込不要ページのページ情報を取得する取得ステップと、前記記憶手段に記憶されている前記画像データのうち、前記ページ情報に対応するページの前記画像データを削除する削除ステップと、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、コンピュータに実行させるためのプログラムであって、原稿から画像データを読込む読込ステップと、前記読込ステップにより読込まれた前記画像データから読込みが不要である読込不要ページのページ情報を取得する取得ステップと、を前記コンピュータに実行させ、前記読込ステップは、前記ページ情報に対応するページの原稿から前記画像データを読込まないことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、コンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記コンピュータは、画像データを記憶する記憶手段を備え、原稿から前記画像データを読込み、前記記憶手段に保存する読込ステップと、前記読込ステップにより読込まれた前記画像データから読込みが不要である読込不要ページのページ情報を取得する取得ステップと、前記記憶手段に記憶されている前記画像データのうち、前記ページ情報に対応するページの前記画像データを削除する削除ステップと、を前記コンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、読込不要ページのページ情報に基づいて原稿の読込処理を行うことで、必要なページ番号の原稿のみを載置する作業を省くことができるため、利用者が行う作業効率を向上させるとともに、必要なページ番号の画像データのみを読込んでパフォーマンスの向上を図ることができるという効果を奏する。
【0017】
また、本発明によれば、読込不要ページのページ情報に基づいて、既に読込んだ画像データのうち、読込みが不要であったページ番号の画像データを削除してパフォーマンスの向上を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施の形態1にかかる複合機の構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1にかかる複合機による画像データ読込み処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】実施の形態2にかかる複合機の構成を示すブロック図である。
【図4】実施の形態2にかかる複合機による画像データ読込み処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態3にかかる複合機の構成を示すブロック図である。
【図6】実施の形態3にかかる複合機による画像データ削除処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】実施の形態4にかかる複合機の構成を示すブロック図である。
【図8】実施の形態4にかかる複合機による画像データ削除処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態1〜4かかる複合機のハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像形成装置、画像読取方法およびプログラムの最良な実施の形態を詳細に説明する。以下の実施の形態では、コピー、ファックス、プリンタなどの複数の機能を一つの筐体に収納した複合機(MFP:Multi Function Peripherals)に本発明の画像形成装置を適用した例を示す。但し、本発明の画像形成装置は複合機に限定されることなく、複写機、スキャナ装置、ファクシミリ装置等、画像データの読込みを行うものであれば、本発明を適用することができる。また、以下の実施の形態では、原稿から読込んだ画像データを用紙に印刷する場合を例に示すが、これに限定されることはなく、原稿から読込んだ画像データをFAX送信したり、メール送信するなどの出力を行う場合にも適用することができる。
【0020】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1にかかる複合機の構成を示すブロック図である。複合機100は、原稿をスキャンして、スキャンした原稿の画像データから印刷データを生成して印刷するものであり、操作表示部101と、スキャナ部102と、プリンタ部103と、記憶部110と、制御部120とから主に構成されている。そして、制御部120は、読込部121と、埋込情報判断部122と、埋込情報抽出部123と、ページ番号判断部124と、画像処理部125と、印刷制御部126とを主に備えている。
【0021】
操作表示部101は、種々の画面が表示可能な表示部(不図示)を備えており、印刷に関する設定情報等の入力を行う入力画面を表示部に表示するとともに、その表示された入力画面や操作キー(図示せず)から利用者による設定情報等の入力が行われるものである。
【0022】
スキャナ部102は、原稿を載置する載置部(不図示)を有し、利用者によって該載置部に載置された原稿を、CCD(Charge Coupled Device)によりスキャンするものである。
【0023】
プリンタ部103は、画像処理部125によって生成された印刷データを用紙に印刷するものである。
【0024】
記憶部110は、読込部121によって利用者により載置された原稿から読込んだ画像データを記憶するものであり、HDD(Hard Disk Drive)やメモリ等の記憶媒体である。また、記憶部110は、載置され原稿のうち、読込部121による読込みが不要である読込不要ページのページ番号を記憶する。
【0025】
ここで、読込不要ページとは、利用者が予め印刷を所望しないため読込むことが不要であると定めた原稿のページである。また、ページ番号とは、利用者が載置する原稿において、最初に読込部121に読込みが行なわれる原稿を1ページとし、それ以降に読込みが行われる原稿を順に2ページ、3ページと定めた場合の番号である。つまり、10枚の原稿が載置されている場合、最初の原稿のページ番号は読込まれるページ順の「1」となり、同じく、5枚目の原稿のページ番号は「5」、最後の原稿のページ番号は「10」となる。
【0026】
読込部121は、スキャナ部102を制御して、載置部に載置された原稿の画像を1ページ単位で画像データとして読込んで、記憶部110に保存するものである。また、読込部121は、後述するページ番号判断部124により、載置部に載置された次の原稿のページ順と、記憶部110に記憶されている読込不要ページのページ番号とが一致したと判断された場合は、該次の原稿の画像データを読込まない。
【0027】
埋込情報判断部122は、読込部121により読込んだ画像データに、読込不要ページのページ番号の情報を含む埋込情報が埋め込まれているか否かを判断するものである。なお、埋込情報とは、原稿における特定の情報であり、電子透かしなどの技術によって、印刷を行なうデータと一緒に画像データに埋め込まれている。
【0028】
ここで、画像データに埋込情報が埋め込まれているか否かの判断方法について説明する。例えば、原稿のデータを任意のサイズの複数の矩形領域に区切り、その複数の矩形領域それぞれに64bitの埋込情報を埋め込むとする。埋込情報のサイズが64bitであると、1文字1バイトとして8バイト(8文字)分の文字情報が埋め込まれることになり、その64bitそれぞれに、埋め込む情報8バイト分の文字情報文字コードとして各bitをOFF(2進「0」)またはON(2進「1」)にして、文字コードを2進で埋め込む。そして、各矩形領域の各bitに埋込情報のコードを構成する「0」(OFF)または「1」(ON)のどちらが埋め込まれているかを、全ての矩形領域のbitごとに集計する。すなわち、全矩形領域の1bit目の「1」の個数および「0」の個数、全矩形領域の2bit目の「1」の個数および「0」の個数・・・全矩形領域の64bitの「1」の個数および「0」の個数をそれぞれカウントして集計する。そして、bitごとに、「0」と判断した個数または「1」と判断した個数が、ある所定の閾値を超えている場合、埋込情報としての0または1が埋め込まれていると判断する。
【0029】
ここで、この例によれば、矩形領域のいずれかに、不要ページ番号の文字コードが埋め込まれることになる。なお、埋め込み情報の埋め込みおよび埋め込みの判断の手法は、上記手法に限定されるものではなく、任意の電子透かし技術による手法を用いることができる。
【0030】
つまり、全矩形領域の全64bitの各bitについて、「0」および「1」の個数が所定の閾値(例えば20000個)を超える場合、「埋込情報がある」と判断する。一方、いずれか一つのbitについて、「0」または「1」の個数が所定の閾値を超えなかった場合、「埋込情報がない」と判断する。または、誤り訂正符号を用いると、全てのbitを復元しなくても判断が可能であり、その場合は、復元可能な最小bit数を基準に復元bit数から、埋込情報の有無を判断する。
【0031】
埋込情報抽出部123は、埋込情報判断部122によって、読込んだ画像データに埋込情報が埋め込まれていたと判断された場合、画像データから電子透かしの手法により埋込情報を抽出する。そして、埋込情報抽出部123は、抽出した埋込情報を解析して、埋込情報に示されている読込不要ページのページ番号を取得して、取得したページ番号を記憶部110に保存するものである。上述した矩形領域に埋込情報を埋め込む例では、矩形領域64bitに埋め込まれている埋込情報(すなわち、「0」,「1」のビット列)を読み出して、16進数の8文字分の文字コードとして扱い、その文字コードをページ番号として取得することになる。
【0032】
ページ番号判断部124は、次の原稿が載置部に載置されている場合に、次の原稿における最初の原稿からのページ順と、記憶部110に記憶されている読込不要ページのページ番号とを比較して、両者が一致するか否かを判断するものである。なお、次の原稿が載置部に載置されているか否かは、不図示のセンサにより所定位置に載置された原稿が検知されたか否かで判断できる。
【0033】
画像処理部125は、原稿から読込んだ画像データに対して画像処理を行って、プリンタ部103で印刷される印刷データを生成する処理を行うものである。
【0034】
印刷制御部126は、画像処理部125において生成された印刷データをプリンタ部103により印刷するなどの制御を行うものである。
【0035】
次に、以上のように構成された複合機100による画像データの読込み処理について説明する。図2は、実施の形態1にかかる複合機による画像データ読込み処理の手順を示すフローチャートである。
【0036】
まず、読込部121は、載置部に載置された原稿から、1ページ分の画像データを読込む(ステップS10)。埋込情報判断部122は、読込んだ画像データに埋込情報が埋め込まれているか否かの判断をする(ステップS11)。
【0037】
埋込情報が埋め込まれている場合(ステップS11:Yes)、埋込情報抽出部123は、画像データから埋込情報を抽出する(ステップS12)。そして、埋込情報抽出部123は、抽出した埋込情報から読込不要ページのページ番号を取得し(ステップS13)、取得したページ番号を記憶部110に保存する(ステップS14)。一方、埋込情報が埋め込まれていない場合(ステップS11:No)、ステップS12〜14の処理は行わず、ステップS15の処理を行う。
【0038】
次に、ページ番号判断部124は、載置部に次の原稿が載置されているか否かを判断し(ステップS15)、次の原稿が載置されていない場合(ステップS15:No)、処理を終了する。
【0039】
一方、次の原稿が載置されている場合(ステップS15:Yes)、ページ番号判断部124は、次の原稿のページ順と、記憶部110に記憶されている読込不要ページのページ番号とが一致するか否かを判断する(ステップS16)。次の原稿のページ順と読込不要ページのページ番号とが一致しなかった場合(ステップS16:No)、次の原稿は、読込みが必要なページであるため、ステップS10に戻って、読込部121が次の原稿から1ページ分の画像データを読込む。
【0040】
一方、次の原稿のページ順と読込不要ページのページ番号とが一致した場合(ステップS16:Yes)、次の原稿は、読込みが不要なページであるため、読込部121による読込みを行わず、ステップS15に戻って、ページ番号判断部124がさらに次の原稿が載置されているか否かを判断する。
【0041】
そして、画像処理部125は、原稿から読込まれた画像データから印刷データを生成し、印刷制御部126がプリンタ部103を制御することにより用紙に印刷データを印刷する。
【0042】
上述のように、載置された原稿から、読込不要ページのページ番号に対応する画像データを読込まないようにする処理は、原稿の両面に画像がある場合に、表面は印刷を所望するが裏面は印刷を所望しない場合などに有効である。
【0043】
このように、実施の形態1の複合機100は、画像データに埋め込まれた埋込情報を抽出して、読込不要ページのページ番号を取得し、載置された次の原稿のページ順と読込不要ページのページ番号とが一致した場合には、次の原稿は、読込みが不要なページであるため読込みを行わない。従って、必要なページ番号の原稿を印刷する場合に、その必要なページ番号の原稿のみを載置するという作業を省くことができるため、利用者が行う作業効率を向上させるとともに、必要なページ番号の画像データのみを読込んでパフォーマンスの向上を図ることができる。
【0044】
(実施の形態2)
実施の形態1の複合機では、原稿から読込んだ画像データに対して常に埋込情報が埋め込まれているか否かの判断を行っていた。これに対し、本実施の形態の複合機では、全ての埋込情報の抽出がされたと判断した場合に、次の原稿以降の原稿から読込んだ画像データに対しては埋込情報が埋め込まれているか否かの判断を行わないものである。
【0045】
図3は、実施の形態2にかかる複合機の構成を示すブロック図である。複合機200は、原稿をスキャンして、スキャンした原稿の画像データから印刷データを生成して印刷するものであり、操作表示部101と、スキャナ部102と、プリンタ部103と、記憶部110と、制御部220とから主に構成されている。そして、制御部220は、読込部121と、埋込情報判断部222と、埋込情報抽出部123と、ページ番号判断部124と、画像処理部125と、印刷制御部126とを主に備えている。
【0046】
ここで、操作表示部101と、スキャナ部102と、プリンタ部103と、記憶部110の構成および機能は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する。また、制御部220における読込部121と、埋込情報抽出部123と、ページ番号判断部124と、画像処理部125と、印刷制御部126の構成および機能は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
【0047】
埋込情報判断部222は、読込部121により読込んだ画像データに、読込不要ページのページ番号の情報を含む埋込情報が埋め込まれているか否かを判断するものである。なお、埋込情報が埋め込まれているか否かの判断方法は実施の形態1と同様である。
【0048】
また、埋込情報判断部222は、載置された原稿に対する全ての埋込情報が抽出されたか否かを、埋込情報の内容に基づいて判断する。すなわち、例えば、埋込情報判断部222は、読込部121により読込んだMページの画像データに埋め込まれた埋込情報に、「M+1ページ以降には埋込情報は埋め込まれていない」という情報があった場合、全ての埋込情報が抽出されたと判断する。また、埋込情報判断部222は、全ての埋込情報が抽出されたと判断した場合に、読込部121により読込んだ次ページ以降の原稿の画像データに対して、埋込情報が埋め込まれているか否かの判断を行わない。つまり、上記の例でいえば、M+1ページ以降の原稿の画像データに対して、埋込情報が埋め込まれているか否かの判断を省略できる。
【0049】
次に、以上のように構成された複合機200による画像データの読込み処理について説明する。図4は、実施の形態2にかかる複合機による画像データ読込み処理の手順を示すフローチャートである。
【0050】
まず、読込部121による画像データの読込みから、埋込情報抽出部123によるページ番号の保存までの処理(ステップS20〜24)は、実施の形態1の処理と同様であるため説明を省略する(ステップS10〜14参照)。
【0051】
次に、埋込情報判断部222は、全ての埋込情報が抽出されたか否かの判断をする(ステップS25)。全ての埋込情報が抽出されたと判断された場合(ステップS25:Yes)、ページ番号判断部124は、載置部に次の原稿が載置されているか否かを判断し(ステップS26)、次の原稿が載置されていない場合(ステップS26:No)、処理を終了する。
【0052】
一方、次の原稿が載置されている場合(ステップS26:Yes)、ページ番号判断部124は、次の原稿のページ順と、記憶部110に記憶されている読込不要ページのページ番号とが一致するか否かを判断する(ステップS27)。次の原稿のページ順と読込不要ページのページ番号とが一致しなかった場合(ステップS27:No)、次の原稿は、読込みが必要なページであるため、読込部121は、次の原稿から1ページ分の画像データを読込む(ステップS28)。そして、全ての埋込情報が抽出されていることから、読込んだ画像データに対して埋込情報が埋め込まれているか否かの判断を行う必要がないため、ステップS26に戻って、ページ番号判断部124がさらに次の原稿が載置されているか否かを判断する。
【0053】
また、次の原稿のページ順と読込不要ページのページ番号とが一致している場合(ステップS27:Yes)、次の原稿は、読込みが不要なページであるため、ステップS26に戻って、ページ番号判断部124がさらに次の原稿が載置されているか否かを判断する。
【0054】
一方、全ての埋込情報が抽出されていないと判断された場合(ステップS25:No)、ページ番号判断部124は、載置部に次の原稿が載置されているか否かを判断し(ステップS29)、次の原稿が載置されていない場合(ステップS29:No)、処理を終了する。
【0055】
一方、次の原稿が載置されている場合(ステップS29:Yes)、ページ番号判断部124は、次の原稿のページ順と、記憶部110に記憶されている読込不要ページのページ番号とが一致するか否かを判断する(ステップS30)。次の原稿のページ順と読込不要ページのページ番号とが一致しなかった場合(ステップS30:No)、次の原稿は、読込みが必要なページであるため、ステップS20に戻って、読込部121が次の原稿から1ページ分の画像データを読込む。
【0056】
一方、次の原稿のページ順と読込不要ページのページ番号とが一致した場合(ステップS30:Yes)、次の原稿は、読込みが不要なページであるため、読込部121による読込みを行わず、ステップS29に戻って、ページ番号判断部124がさらに次の原稿が載置されているか否かを判断する。
【0057】
そして、画像処理部125は、原稿から読込まれた画像データから印刷データを生成し、印刷制御部126がプリンタ部103を制御することにより用紙に印刷データを印刷する。
【0058】
このように、実施の形態2の複合機200は、画像データに埋め込まれた埋込情報を抽出して、読込不要ページのページ番号を取得し、載置された次の原稿のページ順と読込不要ページのページ番号とが一致した場合には、次の原稿は、読込みが不要なページであるため読込みを行わない。従って、必要なページ番号の原稿を印刷する場合に、その必要なページ番号の原稿のみを載置するという作業を省くことができるため、利用者が行う作業効率を向上させるとともに、必要なページ番号の画像データのみを読込んでパフォーマンスの向上を図ることができる。
【0059】
また、任意の画像データから抽出した埋込情報において、全ての埋込情報が抽出されたと判断した場合、次ページ以降の原稿の画像データに対して埋込情報が埋め込まれているか否かの判断を行わない。従って、埋込情報が埋め込まれているか否かの判断が不要な場合にはその処理を省略することができるため、より効率的に原稿の読込み処理を行うことができる。つまり、例えば、複数の原稿が載置された場合に、原稿の1ページにのみ埋込情報が埋め込まれる場合には、2ページ以降の原稿の全てについて埋込情報が埋め込まれているか否かの判断を行うことを割愛することができる。
【0060】
(実施の形態3)
実施の形態1の複合機では、原稿から読込んだ画像データに埋め込まれた埋込情報から、読込不要ページのページ番号を取得して、該ページ番号の原稿からは画像データを読込まなかった。これに対し、本実施の形態の複合機では、さらに、読込んだ画像データのうち、読込不要ページのページ番号に対応する画像データを削除するものである。
【0061】
図5は、実施の形態3にかかる複合機の構成を示すブロック図である。複合機300は、原稿をスキャンして、スキャンした原稿の画像データから印刷データを生成して印刷するものであり、操作表示部101と、スキャナ部102と、プリンタ部103と、記憶部310と、制御部320とから主に構成されている。そして、制御部320は、読込部121と、埋込情報判断部122と、埋込情報抽出部123と、ページ番号判断部124と、画像処理部125と、印刷制御部126と、ページ番号抽出部327と、削除部328とを主に備えている。
【0062】
ここで、操作表示部101と、スキャナ部102と、プリンタ部103の構成および機能は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する。また、制御部320における読込部121と、埋込情報判断部122と、埋込情報抽出部123と、ページ番号判断部124と、画像処理部125と、印刷制御部126の構成および機能は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
【0063】
ページ番号抽出部327は、読込部121により読込んだ画像データから、読込んだ原稿のページ番号を抽出し、抽出したページ番号と読込んだ画像データとを対応付けて記憶部310に保存するものである。なお、ページ番号は、読込部121により読込まれるように定められている原稿の順番であり、原稿のいずれかの位置に付加されている。つまり、通常は原稿が読込まれる順番がページ順となるため、ページ番号抽出部327は、読込んだ原稿のページ番号を「1」「2」「3」と順番に抽出することになる。しかし、順番が誤った並びになっている原稿が載置されていた場合は、原稿の読込み順とページ番号とは異なることになり、ページ番号抽出部327は、読込まれた原稿ページ番号を、例えば「1」「3」「2」などの順番に抽出することになる。
【0064】
削除部328は、所定のタイミングで、記憶部310に記憶されている読込不要ページのページ番号を取得し、記憶部310に記憶されている画像データのうち、取得した読込不要ページのページ番号と同一のページ番号に対応する画像データがあった場合、該画像データを記憶部310から削除するものである。所定のタイミングとは、例えば、全ての原稿の読込みが終了した場合や、10枚の原稿の読込み終了ごとなど、任意のタイミングで行うことができる。なお、本実施の形態では、全ての原稿の読込みが終了した場合を所定のタイミングとする。
【0065】
次に、以上のように構成された複合機300による画像データの削除処理について説明する。図6は、実施の形態3にかかる複合機による画像データ削除処理の手順を示すフローチャートである。
【0066】
まず、読込部121は、載置部に載置された原稿から、1ページ分の画像データを読込む(ステップS40)。ページ番号抽出部327は、読込んだ画像データから、読込んだ画像データのページ番号を抽出し(ステップS41)、抽出したページ番号と読込んだ画像データとを対応付けて記憶部310に保存する(ステップS42)。
【0067】
次に、埋込情報判断部122による埋込情報が埋め込まれているか否かの判断から、ページ番号の保存までの処理(ステップS43〜46)は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する(ステップS12〜14参照)。
【0068】
次に、ページ番号判断部124は、載置部に次の原稿が載置されているか否かを判断する(ステップS47)。次の原稿が載置されている場合(ステップS47:Yes)、ページ番号判断部124は、次の原稿のページ順と、記憶部310に記憶されている読込不要ページのページ番号とが一致するか否かを判断する(ステップS48)。次の原稿のページ順と読込不要ページのページ番号とが一致しなかった場合(ステップS48:No)、次の原稿は、読込みが必要なページであるため、ステップS40に戻って、読込部121が次の原稿から1ページ分の画像データを読込む。
【0069】
一方、次の原稿のページ順と読込不要ページのページ番号とが一致した場合(ステップS48:Yes)、次の原稿は、読込みが不要なページであるため、読込部121による読込みを行わず、ステップS47に戻って、ページ番号判断部124がさらに次の原稿が載置されているか否かを判断する。
【0070】
ステップS47に戻って、次の原稿が載置されていない場合(ステップS47:No)、全ての原稿の読込みが終了したこととなるため、削除部328は、記憶部310に記憶されている読込不要ページのページ番号を取得し(ステップS49)、記憶部310に記憶されている画像データのうち、取得した読込不要ページのページ番号と同一のページ番号に対応する画像データがあった場合、該画像データを記憶部310から削除する(ステップS50)。
【0071】
そして、画像処理部125は、原稿から読込まれた画像データから印刷データを生成し、印刷制御部126がプリンタ部103を制御することにより用紙に印刷データを印刷する。
【0072】
上述のように、記憶部310から画像データを削除する場合とは、例えば以下のような場合である。まず、複合機300は、原稿を読込む際に、画像データに埋め込まれた埋込情報から読込不要ページのページ番号を取得し、該ページ番号の原稿は読込まない処理を行う(ステップS43〜48参照)。そして、原稿の3ページ目の埋込情報に読込不要ページのページ番号として5ページ目が埋め込まれていた場合に、順番が誤った並びになっている原稿が載置され、3ページ目より前に5ページ目が読込まれていたとする。そうすると、3ページ目を読込んだ際に、「5ページ目の原稿は読込まない」という情報が埋め込まれていても、既に5ページ目を読込んでいるため、その情報に従った処理を行うことができない。このような場合に、既に読込んでしまった5ページ目の画像データを記憶部310から削除する。
【0073】
なお、このような処理は、例えば、読込んだ画像データを記憶部310に順次保存して処理を行うソートコピーや予約コピー、FAX送信処理等の場合など、画像データを一旦記憶部に保存した後に行う処理に有効である。例えば、ソートコピーを行う場合には、記憶部310に保存されている不要な画像データを削除した上で、必要な画像データのみを印刷でき、FAX送信を行う場合には、記憶部310に保存される不要な画像データを削除した上で、必要な画像データのみを送信宛先に送信することができる。
【0074】
このように、実施の形態3の複合機300では、画像データに埋め込まれた埋込情報を抽出して、読込不要ページのページ番号を取得し、載置された次の原稿のページ順と読込不要ページのページ番号とが一致した場合には、次の原稿は、読込みが不要なページであるため読込みを行わない。従って、必要なページ番号の原稿を印刷する場合に、その必要なページ番号の原稿のみを載置するという作業を省くことができるため、利用者が行う作業効率を向上させるとともに、必要なページ番号の画像データのみを読込んでパフォーマンスの向上を図ることができる。
【0075】
また、複合機300は、さらに、読込んだ画像データのうち、読込不要ページのページ番号に対応する画像データがあった場合、該画像データを記憶部310から削除することで、さらに、印刷時のパフォーマンスの向上を図ることができる。
【0076】
(実施の形態4)
実施の形態3の複合機では、全ての原稿の読込みが終了した場合に、読込んだ画像データのうち、読込不要ページのページ番号に対応する画像データを削除するものであった。これに対し、本実施の形態の複合機では、記憶部310に空き記憶容量がない場合に、読込んだ画像データのうち、読込不要ページのページ番号に対応する画像データを削除するものである。
【0077】
図7は、実施の形態4にかかる複合機の構成を示すブロック図である。複合機400は、原稿をスキャンして、スキャンした原稿の画像データから印刷データを生成して印刷するものであり、操作表示部101と、スキャナ部102と、プリンタ部103と、記憶部310と、制御部420とから主に構成されている。そして、制御部420は、読込部421と、埋込情報判断部122と、埋込情報抽出部123と、ページ番号判断部124と、画像処理部125と、印刷制御部126と、ページ番号抽出部327と、削除部328と、検知部429と、容量判断部430とを主に備えている。
【0078】
ここで、操作表示部101と、スキャナ部102と、プリンタ部103の構成および機能は、実施の形態3と同様であるため説明を省略する。また、制御部420における埋込情報判断部122と、埋込情報抽出部123と、ページ番号判断部124と、画像処理部125と、印刷制御部126と、ページ番号抽出部327と、削除部328の構成および機能は、実施の形態3と同様であるため説明を省略する。
【0079】
読込部421は、スキャナ部102を制御して、載置部に載置された原稿の画像を1ページ単位で画像データとして読込んで、記憶部310に保存するものである。また、読込部421は、ページ番号判断部124により、載置部に載置された次の原稿のページ順と、記憶部310に記憶されている読込不要ページのページ番号とが一致したと判断された場合は、該次の原稿の画像データを読込まない。
【0080】
また、読込部421は、記憶部310の空き記憶容量(残容量)によって処理の内容を切り替えることができる。つまり、読込部421は、記憶部310の空き記憶容量が少ない場合は画像データのサイズが小さくなるように読込み処理を行うことができる。例えば、原稿がモノクロ画像であるかカラー画像であるかに応じて原稿読み取りを切り分ける処理、すなわち、原稿がモノクロ画像の場合には2値で原稿読み取りを行い、原稿がカラー画像の場合には多値で原稿読み取りを行う処理等では、処理の際に使用される画像データサイズが大きいので記憶部310の空き記憶容量が多い場合に実行される。また、原稿がカラー画像、モノクロ画像のいずれの場合でも強制的に2値で原稿読取りを行う処理などは、処理の際に使用する画像データサイズは少ないため、記憶部310空き記憶容量が少ない場合に実行される。ここで、前者のような処理するデータサイズが大きい場合の処理を処理A、後者のような処理するデータサイズが小さい場合の処理を処理Bと称する。
【0081】
検知部429は、載置部(不図示)に載置された原稿の原稿サイズを検知するものであり、例えば、赤外線の受光量の変化をもとに原稿の存在を検出するセンサなどである。
【0082】
容量判断部430は、記憶部310の空き記憶容量が、検知部429により検知した原稿サイズに対応する画像データサイズより大きいか否かの判断をする。なお、画像データサイズは、例えば、A4サイズ、B4サイズなどの所定の原稿サイズに対応するデータ容量が予め定まっている。
【0083】
次に、以上のように構成された複合機400による画像データの削除処理について説明する。図8は、実施の形態4にかかる複合機による画像データ削除処理の手順を示すフローチャートである。
【0084】
まず、検知部429は、載置部に載置された原稿の原稿サイズを検知する(ステップS60)。次に、容量判断部430は、記憶部310の空き記憶容量が、検知した原稿サイズに対応する画像データサイズより大きいか否かの判断をする(ステップS61)。記憶部310の空き記憶容量が、検知した原稿サイズに対応する画像データサイズより大きい場合(ステップS61:Yes)、読込部121は、処理Aにより原稿の読込み処理を行う(ステップS66)。
【0085】
一方、記憶部310の空き記憶容量が、検知した原稿サイズに対応する画像データサイズより小さい場合(ステップS61:No)、削除部328は、記憶部310に記憶されている読込不要ページのページ番号を取得し(ステップS62)、記憶部310に記憶されている画像データのうち、取得した読込不要ページのページ番号と同一のページ番号に対応する画像データがあった場合、該画像データを記憶部310から削除する(ステップS63)。
【0086】
そして、容量判断部430は、再度、記憶部310の空き記憶容量が、検知した原稿サイズに対応する画像データサイズより大きいか否かの判断をする(ステップS64)。ステップS63において画像データが削除されたことにより、記憶部310の空き記憶容量が、検知した原稿サイズに対応する画像データサイズより大きくなった場合(ステップS64:Yes)、読込部121は、処理Aにより原稿の読込み処理を行う(ステップS66)。
【0087】
一方、ステップS63において画像データが削除されなかったり、画像データ削除されても、記憶部310の空き記憶容量が、検知した原稿サイズに対応する画像データサイズより小さい場合(ステップS64:No)、読込部121は、処理Bにより原稿の読込み処理を行う(ステップS65)。
【0088】
そして、画像処理部125は、原稿から読込まれた画像データから印刷データを生成し、印刷制御部126がプリンタ部103を制御することにより用紙に印刷データを印刷する。
【0089】
このように、実施の形態4の複合機400では、記憶部310の空き記憶容量が原稿サイズに対応する画像データサイズより小さい場合に、読込んだ画像データのうち、読込不要ページのページ番号に対応する画像データがあった場合、該画像データを記憶部310から削除することで、記憶部310の空き記憶容量を増やして原稿の読込みを可能とすることができる。また、不要なページの画像データの保存によるメモリフル状態(空き記憶容量が全くない状態)により引き起こされる様々な問題を回避することが可能となる。例えば、ソート機能を使用して印刷する場合やコピー予約をする場合、あるいは送信予約する場合など、画像データを一旦複合機400の記憶部310に記憶させてから画像データを印刷したり送信する際、次の処理に必要な画像データだけを記憶部310に保存することで、記憶部310を効率的に活用できるようになり、メモリフル状態が招く複合機400のパフォーマンスの向上を図ることができる。
【0090】
図9は、実施の形態1〜4にかかる複合機100〜400のハードウェア構成を示すブロック図である。本図に示すように、この複合機100〜400は、コントローラ10とエンジン部(Engine)60とをPCI(Peripheral Component Interconnect)バスで接続した構成となる。コントローラ10は、複合機100〜400全体の制御と描画、通信、図示しない操作部からの入力を制御するコントローラである。エンジン部60は、PCIバスに接続可能なプリンタエンジンなどであり、たとえば白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタ、4ドラムカラープロッタ、スキャナまたはファックスユニットなどである。なお、このエンジン部60には、プロッタなどのいわゆるエンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれる。
【0091】
コントローラ10は、CPU11と、ノースブリッジ(NB)13と、システムメモリ(MEM−P)12と、サウスブリッジ(SB)14と、ローカルメモリ(MEM−C)17と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)16と、ハードディスクドライブ(HDD)18とを有し、ノースブリッジ(NB)13とASIC16との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス15で接続した構成となる。また、MEM−P12は、ROM(Read Only Memory)12aと、RAM(Random Access Memory)12bとをさらに有する。
【0092】
CPU11は、複合機100〜400の全体制御をおこなうものであり、NB13、MEM−P12およびSB14からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
【0093】
NB13は、CPU11とMEM−P12、SB14、AGP15とを接続するためのブリッジであり、MEM−P12に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを有する。
【0094】
MEM−P12は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、ROM12aとRAM12bとからなる。ROM12aは、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM12bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
【0095】
SB14は、NB13とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このSB14は、PCIバスを介してNB13と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインターフェース(I/F)部なども接続される。
【0096】
ASIC16は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGP15、PCIバス、HDD18およびMEM−C17をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC16は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC16の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C17を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などをおこなう複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、エンジン部60との間でPCIバスを介したデータ転送をおこなうPCIユニットとからなる。このASIC16には、PCIバスを介してFCU(Fax Control Unit)30、USB(Universal Serial Bus)40、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)インターフェース50が接続される。操作表示部101はASIC16に直接接続されている。
【0097】
MEM−C17は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、HDD(Hard Disk Drive)18は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
【0098】
AGP15は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースであり、MEM−P12に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速にするものである。
【0099】
なお、実施の形態1〜4の複合機100〜400で実行される画像形成プログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。
【0100】
実施の形態1〜4の複合機100〜400で実行される画像形成プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0101】
さらに、実施の形態1〜4の複合機100〜400で実行される画像形成プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、実施の形態1〜4の複合機100〜400で実行される画像形成プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0102】
実施の形態1〜4の複合機100〜400で実行される画像形成プログラムは、上述した各部(読込部121,421、埋込情報判断部122,222、埋込情報抽出部123、ページ番号判断部124、画像処理部125、印刷制御部126、ページ番号抽出部327、削除部328、検知部429、容量判断部430)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMから画像形成プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、読込部121,421、埋込情報判断部122,222、埋込情報抽出部123、ページ番号判断部124、画像処理部125、印刷制御部126、ページ番号抽出部327、削除部328、検知部429、容量判断部430が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【符号の説明】
【0103】
100,200,300,400 複合機
101 操作表示部
102 スキャナ部
103 プリンタ部
110,310 記憶部
120,220,320,420 制御部
121,421 読込部
122,222 埋込情報判断部
123 埋込情報抽出部
124 ページ番号判断部
125 画像処理部
126 印刷制御部
327 ページ番号抽出部
328 削除部
429 検知部
430 容量判断部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0104】
【特許文献1】特開2000−106624号公報
【特許文献2】特許第3136061号
【特許文献3】特開平9−186603号公報
【特許文献4】特許第3373811号
【特許文献5】特開2001−197297号公報
【特許文献6】特開2001−238075号公報
【特許文献7】特開平9−179494号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿から画像データを読込む読込手段と、
前記読込手段により読込まれた前記画像データから読込みが不要である読込不要ページのページ情報を取得する取得手段と、を備え、
前記読込手段は、前記ページ情報に対応するページの原稿から前記画像データを読込まないことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ページ情報に基づいて、前記読込手段による前記画像データの読込みを行うか否かを判断する判断手段をさらに備え、
前記取得手段は、前記読込手段により読込まれた1ページの前記画像データから前記ページ情報を取得し、
前記判断手段は、前記ページ情報が取得された前記画像データの次ページ以降の原稿のページ番号と、前記取得手段により取得された前記ページ情報のページ番号とが一致するか否かを判断し、
前記読取手段は、前記判断手段により一致すると判断されたページ番号に対応する原稿から前記画像データを読込まないことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
記憶手段と、
原稿から画像データを読込み、前記記憶手段に保存する読込手段と、
前記読込手段により読込まれた前記画像データから読込みが不要である読込不要ページのページ情報を取得する取得手段と、
前記記憶手段に記憶されている前記画像データのうち、前記ページ情報に対応するページの前記画像データを削除する削除手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
前記取得手段により取得された前記ページ情報のページ番号と、前記記憶手段に記憶されている前記画像データのページ番号とが一致するか否かを判断する判断手段をさらに備え、
前記削除手段は、前記記憶手段に記憶されている前記画像データのうち、前記判断手段により一致すると判断されたページ番号に対応する前記画像データを削除することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記読込手段により読込まれた前記画像データから埋込情報を抽出する抽出手段をさらに備え、
前記取得手段は、前記画像データから前記抽出手段により抽出された前記埋込情報に基づいて前記ページ情報を取得することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の画像形成装置。
【請求項6】
原稿をスキャンするスキャナ手段をさらに備え、
前記読込手段は、前記スキャナ手段によりスキャンされた前記原稿の画像をページ単位で前記画像データとして読込むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の画像形成装置。
【請求項7】
画像形成装置で実行される画像読取方法において、
原稿から画像データを読込む読込ステップと、
前記読込ステップにより読込まれた前記画像データから読込みが不要である読込不要ページのページ情報を取得する取得ステップと、を含み、
前記読込ステップは、前記ページ情報に対応するページの原稿から前記画像データを読込まないことを特徴とする画像読取方法。
【請求項8】
画像形成装置で実行される画像読取方法において、
前記画像形成装置は、記憶手段を備え、
原稿から画像データを読込み、前記記憶手段に保存する読込ステップと、
前記読込ステップにより読込まれた前記画像データから読込みが不要である読込不要ページのページ情報を取得する取得ステップと、
前記記憶手段に記憶されている前記画像データのうち、前記ページ情報に対応するページの前記画像データを削除する削除ステップと、
を含むことを特徴とする画像読取方法。
【請求項9】
コンピュータに実行させるためのプログラムであって、
原稿から画像データを読込む読込ステップと、
前記読込ステップにより読込まれた前記画像データから読込みが不要である読込不要ページのページ情報を取得する取得ステップと、を前記コンピュータに実行させ、
前記読込ステップは、前記ページ情報に対応するページの原稿から前記画像データを読込まないことを特徴とするプログラム。
【請求項10】
コンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記コンピュータは、画像データを記憶する記憶手段を備え、
原稿から前記画像データを読込み、前記記憶手段に保存する読込ステップと、
前記読込ステップにより読込まれた前記画像データから読込みが不要である読込不要ページのページ情報を取得する取得ステップと、
前記記憶手段に記憶されている前記画像データのうち、前記ページ情報に対応するページの前記画像データを削除する削除ステップと、
を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−65344(P2012−65344A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−244708(P2011−244708)
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【分割の表示】特願2008−587(P2008−587)の分割
【原出願日】平成20年1月7日(2008.1.7)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】