説明

画像形成装置、ICタグ、画像形成方法、及びプログラム

【課題】 書籍等の刊行物をコピーする際に、コピー禁止箇所をマスキングして印字(コピー)することで、例えば、商標登録されているキャラクターの絵やロゴマーク等が乱用されるのを防ぐ。
【解決手段】 本発明の画像形成装置においては、書籍1に貼り付けられたICタグ(RFID等)10に、当該書籍1についてのコピー禁止箇所の有無情報と、コピーを禁止する特定パターンに関する情報を記憶させる。そして、画像形成装置に備えたリーダ/ライタ101によりICタグ10に記憶された情報を読み取り、書籍1にコピー禁止箇所があるか否かを判定し、コピー禁止箇所がある場合には、コピー画像とコピー禁止の特定パターンとの間でパターンマッチング処理を行い、特定パターンと一致した箇所をマスキングして印字する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置、複写機等の画像形成装置に関し、特に、刊行物に印刷されている特定のパターンをマスキングして印刷することができる、画像形成装置、ICタグ、画像形成方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近時、RFID(Radio Frequency Identification)等の非接触ICタグを個々の物品(例えば、書籍等)に貼付し、このICタグ内に個々の物品に固有な情報を記録し、これらの物品の利用状況を管理する技術が開発されている。
【0003】
このRFIDを利用した先行技術として、図書館、情報ライブラリ等の自動化システムに関する発明が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1で開示された発明は、RFIDを収蔵品に貼り付けて識別を行い、貸出/返却業務、収蔵管理/業務、不正持ち出し監視業務を省略することを目的とした発明である。
【特許文献1】特開2003−216744号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、書籍等の刊行物には、その出版社や作者に対して許可なくコピーすることを禁止したい箇所(コピーを禁止したい特定のパターン)がある場合がある。例えば商標登録しているキャラターの絵やロゴマーク等が挙げられる。しかし、上述した先行技術においてはICタグ(RFID)を貼り付けた書籍に関して、コピー禁止箇所の印刷制限を行なう配慮はなされていなかった。
【0005】
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的は、書籍等の刊行物をコピーする際に、コピー禁止箇所をマスキングして印字(コピー)することで、商標登録されているキャラクターの絵やロゴマーク等が乱用されるのを防ぐことができる、画像形成装置、ICタグ、画像形成方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の画像形成装置は、書籍を含む刊行物に貼付されたICタグのリーダ/ライタを備えると共に、前記刊行物のコピー画像を印字する画像形成装置であって、前記リーダ/ライタにより、前記ICタグに予め記録された当該刊行物についてのコピー禁止箇所の有無の情報と、コピーを禁止する特定パターンに関する情報とを読み取るコピー禁止情報読取手段と、前記リーダ/ライタにより読み取ったコピー禁止箇所の有無の情報を基に、当該刊行物にコピー禁止箇所があるか否かを判定するコピー禁止箇所有無判定手段と、前記コピー禁止箇所有無判定手段によりコピー禁止箇所があると判定された場合に、前記コピーを禁止する特定パターンに関する情報を基に、前記刊行物のコピー画像中のコピーが禁止される特定パターンを検出するパターンマッチング手段と、前記パターンマッチング手段により検出されたコピーが禁止される特定パターンにマスク処理を施すマスク処理手段とを備えることを特徴とする。
これにより、コピーを禁止されている特定のパターン(マーク等)を印字しないようにできる。例えば、商標登録されているキャラクターの絵やロゴマーク等が乱用されるのを防ぐことができる。
【0007】
また、本発明の画像形成装置は、前記コピーが禁止される特定パターンに関する情報が、前記特定パターンが掲載された刊行物のページの情報と、当該ページ中の特定パターンの掲載位置の情報であることを特徴とする。
これにより、ICタグに記憶させるコピー禁止箇所に関する情報量を少なくできると共に、コピー画像中のコピー禁止箇所の検出処理が容易に行なえる。
【0008】
また、本発明の画像形成装置は、前記コピーが禁止される特定パターンに関する情報が、コピーを禁止する特定パターンの画像データであることを特徴とする。
これにより、刊行物の種類に関わらずコピーを禁止する特定パターンを一律に指定できる。また、コピーを禁止する特定パターンをICタグから直接読み出して使用できるので、コピー禁止箇所を検出するためのパターンマッチング処理が容易になる。
【0009】
また、本発明の画像形成装置は、前記コピーが禁止される特定パターンに関する情報が、コピーを禁止する特定パターンの識別情報であり、画像形成装置内には、前記特定パターンの識別情報に関連付けされた特定パターンの画像データが保存されていることを特徴とする。
これにより、ICタグに記憶させるコピー禁止箇所に関する情報量を低減できると共に、刊行物の種類に関わらずコピーを禁止する特定パターンを一律に指定できる。
【0010】
また、本発明のICタグは、書籍を含む刊行物に貼付されると共に、前記刊行物のコピー画像を印字する画像形成装置に、当該刊行物中のコピーを禁止する特定パターンを指定するためのICタグであって、当該刊行物にコピー禁止箇所があるか否かの情報と共に、前記コピーを禁止する特定パターンの刊行物中の掲載箇所の情報か、コピーを禁止する特定パターンの画像データか、またはコピーを禁止する特定パターンの識別情報のいずれかまたは全部の情報が記録されたことを特徴とする。
これにより、画像形成装置において、コピーを禁止されている特定のパターン(マーク等)を印字しないようにできる。例えば、商標登録されているキャラクターの絵やロゴマーク等が乱用されるのを防ぐことができる。
【0011】
また、本発明の画像形成方法は、書籍を含む刊行物に貼付されたICタグのリーダ/ライタを備えると共に、前記刊行物のコピー画像を印字する画像形成装置における画像形成方法であって、前記リーダ/ライタにより、前記ICタグに予め記録された当該刊行物についてのコピー禁止箇所の有無の情報と、コピーを禁止する特定パターンに関する情報とを読み取るコピー禁止情報読取手順と、前記リーダ/ライタにより読み取ったコピー禁止箇所の有無の情報を基に、当該刊行物にコピー禁止箇所があるか否かを判定するコピー禁止箇所有無判定手順と、前記コピー禁止箇所有無判定手順によりコピー禁止箇所があると判定された場合に、前記コピーを禁止する特定パターンに関する情報を基に、前記刊行物のコピー画像中のコピーが禁止される特定パターンを検出するパターンマッチング手順と、前記パターンマッチング手順により検出されたコピーが禁止される特定パターンにマスク処理を施すマスク処理手順とを含むことを特徴とする。
これにより、コピーを禁止されている特定のパターンを印字しないようにできる。例えば、商標登録されているキャラクターの絵やロゴマーク等が乱用されるのを防ぐことができる。
【0012】
また、本発明のコンピュータプログラムは、書籍を含む刊行物に貼付されたICタグのリーダ/ライタを備えると共に、前記刊行物のコピー画像を印字する画像形成装置内のコンピュータに、前記リーダ/ライタにより、前記ICタグに予め記録された当該刊行物についてのコピー禁止箇所の有無の情報と、コピーを禁止する特定パターンに関する情報とを読み取るコピー禁止情報読取手順と、前記リーダ/ライタにより読み取ったコピー禁止箇所の有無の情報を基に、当該刊行物にコピー禁止箇所があるか否かを判定するコピー禁止箇所有無判定手順と、前記コピー禁止箇所有無判定手順によりコピー禁止箇所があると判定された場合に、前記コピーを禁止する特定パターンに関する情報を基に、前記刊行物のコピー画像中のコピーが禁止される特定パターンを検出するパターンマッチング手順と、前記パターンマッチング手順により検出されたコピーが禁止される特定パターンにマスク処理を施すマスク処理手順とを実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の画像形成装置及び画像形成方法においては、刊行物に貼り付けられたICタグ(RFID等)に、その刊行物のコピー禁止箇所の有無情報と、コピー禁止箇所(コピーを禁止する特定パターン)に関する情報を記憶させ、該ICタグに記憶された情報を画像形成装置に備えたリーダ/ライタにより読み取り、刊行物にコピー禁止箇所がある場合には、コピー画像と特定パターンとの間でパターンマッチング処理を行い、特定パターンと一致した箇所をマスキングして印字(コピー)するようにしたので、これにより、コピーを禁止されている特定のパターン(マーク等)を印字しないようにできる。例えば、商標登録されているキャラクターの絵やロゴマーク等が乱用されるのを防ぐことができる。
【0014】
また、本発明の画像形成装置においては、コピー禁止箇所を、刊行物の掲載ページと、該ページ中の掲載位置により指定するようにしたので、これにより、ICタグに記憶させるコピー禁止箇所に関する情報量を少なくできると共に、コピー画像中のコピー禁止箇所の検出処理が容易に行なえる。
【0015】
また、本発明の画像形成装置においては、ICタグ中にコピーを禁止する特定のパターンの画像データを記憶させるようにしたので、これにより、刊行物の種類に関わらずコピーを禁止する特定パターンを一律に指定できる。また、コピーを禁止する特定パターンをICタグから直接読み出して使用できるので、コピー禁止箇所を検出するためのパターンマッチング処理が容易になる。
【0016】
また、本発明の画像形成装置においては、ICタグ中にコピーを禁止する特定パターンを識別する情報を記憶させるようにしたので、これにより、ICタグに記憶させるコピー禁止箇所に関する情報量を低減できると共に、刊行物の種類に関わらずコピーを禁止する特定パターンを一律に指定できる。
【0017】
また、本発明のICタグにおいては、刊行物に貼付されると共に、当該刊行物にコピー禁止箇所があるか否かの情報と、コピーが禁止される特定パターンに関する情報を記録するようにしたので、これにより、画像形成装置において、コピーを禁止されている特定のパターンを印字しないようにできる。例えば、商標登録されているキャラクターの絵やロゴマーク等が乱用されるのを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、本発明の画像形成装置における処理手順を示すフローチャートであり、コピー対象となる書籍1に貼付されたICタグ(RFID等)10の読み取りから、書籍ページのスキャニング、および書籍ページの印字(コピー)までの処理手順を示したフローチャートである。
【0020】
以下、図1を参照して、その処理の流れについて説明する。
最初に、コピー対象となる書籍1に添付されたICタグ(RFID等)10が、リーダ/ライタ101により読み取られる。ICタグ10内には、当該書籍1についての「コピー禁止箇所の有無の情報」と、「コピー禁止箇所(コピーを禁止する特定のパターン)に関する情報」とが記録されており、これらの情報がリーダ/ライタ101により読み取られる(ステップS1)。
【0021】
このコピーが禁止される特定パターンに関連する情報の種類としては、例えば、「コピー禁止箇所の頁及び特定パターンの掲載箇所(マスクエリアの座標)の情報」や、「コピーを禁止する特定パターンの画像データ(または、画像の特徴部分のデータ)」や、「コピーを禁止する特定パターンを特定(識別)するデータ」等が記憶される。
【0022】
次に、書籍1のコピー対象ページが画像形成装置のスキャナ102aにより読み取られる(ステップS2)。
【0023】
次に、画像形成装置では、ICタグ10に記憶されている「コピー禁止箇所有無情報」により、当該書籍1にコピー禁止箇所(コピーを禁止する特定パターン)があるかどうかを判定する(ステップS3)。もしコピー禁止箇所がない場合は、そのまま印字処理に移る(ステップS5)。
【0024】
ステップS3においてコピー禁止箇所があると判定された場合は、パターンマッチング処理により、コピー対象ページ中から、コピーが禁止される特定のパターンと一致するものがあるか否かを検出する(ステップS4)。なお、このパターンマッチング処理では、コピーが禁止される特定パターンを指定する情報の種類に応じて処理方法が異なる。
【0025】
例えば、コピー禁止箇所の指定情報が、「コピー禁止箇所の頁及び特定のパターンの掲載箇所(マスクエリアの座標)の情報」か、「コピーを禁止する特定パターンの画像データ(または、画像の特徴部分のデータ)」か、「コピーを禁止する特定パターンの識別情報」かに応じて処理方法が異なるが、これについては後述する画像形成装置の構成例において説明する。
【0026】
そして、パターンマッチング処理によりコピー対象ページ中に特定パターンと一致するものがない判定された場合には、そのまま印字処理に移る(ステップS5)。パターンマッチング処理により、特定パターンと一致するものがある場合には、マスク処理を行い(ステップS6)、コピー禁止箇所のマスク処理を行ってから印字処理に移る(ステップS5)。
【0027】
図2は、マスク処理による印字結果の例を示す図である。図2(a)は、コピー禁止箇所が含まれる原稿の例であり、図2(b)は、コピー禁止箇所を白紙の状態で印字した例を示している。図2(c)は、コピー禁止箇所を別パターンに置き換えて印字した例である。図2(d)は、コピー禁止箇所に警告メッセージ等のパターンを重ねて印字した例である。
【0028】
図2に示すようなマスク処理により、例えば、商標登録されているキャラクターの絵やロゴマークが乱用されるのを防ぐことができる。なお、図2に示した例の他に、例えば、コピー禁止箇所の解像度を極端に落として印字するなど、他の種々のマスク処理の方法を使用することができる。
【0029】
また、図3は、ICタグの構成例を示す図である。図3に示すICタグは、RFIDの例であり、ICタグ10には、アンテナ11とICチップ12とが埋め込まれ、電磁波を媒体として、画像形成装置のリーダ/ライタ101とデータの交換を行う。
【0030】
また、ICチップ12内には、電源整流部13、送受信部14、CPU15、記憶部20が設けられている。電源整流部13は、アンテナ11で受信した電磁波を整流してICチップ12を駆動する電力を供給する。送受信部14は、リーダ/ライタ101との間で、電磁波によるデータの送受信を行う処理部である。また、CPU15は、ICチップ12の全体を制御する。
【0031】
記憶部20には、ICタグ属性情報(ICタグの製造メーカ、製造番号、型式などの情報)21、書籍ID情報(書籍登録番号)22、コピー禁止箇所の有無情報23、コピーが禁止される特定パターンに関する情報24が記録されている。
【0032】
また、コピーが禁止される特定パターンに関する情報24としては、「コピーを禁止する特定パターンの画像データ25」、「コピー禁止箇所の頁及び掲載箇所(マスクエリアの座標)のデータ26」、「コピーを禁止する特定パターンの識別データ27」のいずれかが記憶されている。
【0033】
また、図4は、本発明における画像形成装置の第1の構成例を示す図であり、ICタグ10に記録されている情報が、「コピー禁止箇所の有無の情報」と、「コピー禁止箇所のページ及び掲載箇所(マスクエリアの座標)の情報」の場合の例である。
【0034】
画像形成装置100のリーダ/ライタ(コピー禁止情報読取手段)101は、書籍に貼り付けられたICタグ(RFID等)10に記録された情報を、アンテナ101aを介して電磁波により読み取る。このICタグ10には、前述のごとく、コピー禁止箇所の有無の情報と、コピー禁止箇所のページ及び掲載箇所(マスクエリアの座標)の情報とが格納されている。
【0035】
ページスキャン部102は、書籍1のコピー対象ページをスキャナ102aで読み取る処理を行う。
コピー禁止箇所有無判定部(コピー禁止箇所有無判定手段)103は、リーダ/ライタ101で読み取ったICタグ10のコピー禁止箇所有無の情報から、当該書籍にコピー禁止箇所があるか否かの判定を行なう。
【0036】
パターンマッチング処理部(パターンマッチング手段)104では、コピー対象となるページがコピー禁止箇所のあるページか否かを判定する処理を行なうと共に、書籍の向きと方向を判別し、当該ページにおけるコピー禁止箇所の位置を検出する処理を行う。
【0037】
マスク処理部(マスク処理手段)105では、パターンマッチング処理部104で検出したコピー禁止箇所の位置にマスク処理を行う。マスク処理については、図2に示したように。種々のマスクパターンを選択使用できる。
【0038】
印字処理部106では、マスク処理部105によりマスク処理が施されたコピー画像の印字(コピー)を行なう。
【0039】
また、図5は、本発明における画像形成装置の第2の構成例を示す図であり、ICタグ10に記録されている情報が、「コピー禁止箇所の有無の情報」と、「コピー禁止する特定パターンの画像データ」の場合の例である。
【0040】
画像形成装置200のリーダ/ライタ201は、書籍に貼り付けられたICタグ(RFID等)10に記録された情報を、アンテナ201aを介して電磁波により読み取る。このICタグ10には、前述のごとく、当該書籍に関するコピー禁止箇所の有無の情報、コピー禁止する特定パターンの画像データ(または、画像の特徴部分のデータ)が格納されている。
【0041】
ページスキャン部202は、書籍1のコピー対象ページをスキャナ202aで読み取る処理を行う。コピー禁止箇所有無判定部203は、リーダ/ライタ201で読み取ったICタグ10のコピー禁止箇所有無の情報から、当該書籍にコピー禁止箇所があるか否かの判定を行なう。
【0042】
テンプレート画像展開処理部204では、ICタグ10から読み取ったパターンマッチング用のテンプレートデータ(コピーを禁止する特定パターンの画像データ、または、画像の特徴部分のデータ)をワークメモリ205に展開する処理を行う。
【0043】
パターンマッチング処理部206では、書籍1の向きと方向を判別すると共に、ワークメモリ205に展開されたテンプレート画像と、書籍1のページの読取画像とのパターンマッチング処理を行い、コピー禁止画像(コピーを禁止する特定パターンの画像)のページ内での位置を検出する。
【0044】
マスク処理部207では、パターンマッチング処理部206で検出したコピー禁止箇所の位置にマスク処理を行う。マスク処理については、図2に示したように。種々のマスクパターンを選択使用できる。
【0045】
印字処理部208では、マスク処理部207によりマスク処理が施されたコピー画像の印字(コピー)を行なう。
【0046】
また、図6は、本発明における画像形成装置の第3の構成例を示す図であり、ICタグ10に記録されている情報が、「コピー禁止箇所の有無の情報」と、「コピーを禁止する特定パターンの識別情報」の場合の例である。なお、データベース305には、ICタグ10に記録された「コピーを禁止する特定パターンの識別情報」に対応するパターン画像データ305aが予め格納されている。
【0047】
画像形成装置300のリーダ/ライタ301は、書籍に貼り付けられたICタグ(RFID等)10に記録された情報を、アンテナ301aを介して電磁波により読み取る。このICタグ10には、前述のごとく、当該書籍に関するコピー禁止箇所の有無の情報、コピーを禁止する特定パターンの識別情報が格納されている。
【0048】
ページスキャン部302は、書籍1のコピー対象ページをスキャナ302aで読み取る処理を行う。コピー禁止箇所有無判定部303は、リーダ/ライタ301で読み取ったICタグ10のコピー禁止箇所有無の情報から、当該書籍にコピー禁止箇所があるか否かの判定を行なう。
【0049】
画像抽出処理部304では、ICタグから読み取った「コピーを禁止する特定パターンの識別情報(例えば、マークの識別番号等)」を基に、データベース305から該当する特定パターンの画像データを抽出し、ワークメモリ306に展開する処理を行う。
【0050】
パターンマッチング処理部307では、書籍1の向きと方向を判別すると共に、ワークメモリ306に展開された特定パターン画像と、書籍1のページの読取画像とのパターンマッチング処理を行い、コピー禁止画像の位置を検出する。
【0051】
マスク処理部308では、パターンマッチング処理部307により検出したコピー禁止箇所の位置にマスク処理を行う。マスク処理については、図2に示したように。種々のマスクパターンを選択使用できる。
【0052】
印字処理部309では、マスク処理部308によりマスク処理が施されたコピー画像の印字(コピー)を行なう。
【0053】
なお、上述した画像形成装置100、200、300は内部にコンピュータシステムを有している。そして、上述した処理に関する一連の処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。
【0054】
すなわち、画像形成装置100、200、300における、各処理は、CPU等の中央演算処理装置がROMやRAM等の主記憶装置に上記プログラムを読み出して、情報の加工、演算処理を実行することにより、実現されるものである。
【0055】
ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0056】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の画像形成装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、書籍等の刊行物をコピーする際に、コピー禁止箇所をマスキングして印字(コピー)することで、例えば商標登録されているキャラクターの絵やロゴマークが乱用されるのを防ぐ効果を奏するので、本発明は、画像形成装置、ICタグ、画像形成方法、及びプログラム等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の画像形成装置における処理手順を示すフローチャートである。
【図2】マスク処理の例を示す図である。
【図3】ICタグの構成例を示す図である。
【図4】本発明の画像形成装置の第1の構成例を示す図である。
【図5】本発明の画像形成装置の第2の構成例を示す図である。
【図6】本発明の画像形成装置の第3の構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0059】
1 書籍(刊行物)
10 ICタグ
11 アンテナ
12 ICチップ
20 記憶部
100、200、300 画像形成装置
101、201、301 リーダ/ライタ
101a、201a、301a アンテナ
102、202、302 ページスキャン部
102a、202a、302a スキャナ
103、203、303 コピー禁止箇所有無判定部
104 パターンマッチング処理部
105 マスク処理部
106 印字処理部
204 テンプレート画像展開処理部
205 ワークメモリ
206 パターンマッチング処理部
207 マスク処理部
208 印字処理部
304 画像抽出処理部
305 データベース
305a パターン画像データ
306 ワークメモリ
307 パターンマッチング処理部
308 マスク処理部
309 印字処理部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
書籍を含む刊行物に貼付されたICタグのリーダ/ライタを備えると共に、前記刊行物のコピー画像を印字する画像形成装置であって、
前記リーダ/ライタにより、前記ICタグに予め記録された当該刊行物についてのコピー禁止箇所の有無の情報と、コピーを禁止する特定パターンに関する情報とを読み取るコピー禁止情報読取手段と、
前記リーダ/ライタにより読み取ったコピー禁止箇所の有無の情報を基に、当該刊行物にコピー禁止箇所があるか否かを判定するコピー禁止箇所有無判定手段と、
前記コピー禁止箇所有無判定手段によりコピー禁止箇所があると判定された場合に、前記コピーを禁止する特定パターンに関する情報を基に、前記刊行物のコピー画像中のコピーが禁止される特定パターンを検出するパターンマッチング手段と、
前記パターンマッチング手段により検出されたコピーが禁止される特定パターンにマスク処理を施すマスク処理手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記コピーが禁止される特定パターンに関する情報が、前記特定パターンが掲載された刊行物のページの情報と、当該ページ中の特定パターンの掲載位置の情報であること
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記コピーが禁止される特定パターンに関する情報が、コピーを禁止する特定パターンの画像データであること
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記コピーが禁止される特定パターンに関する情報が、コピーを禁止する特定パターンの識別情報であり、
画像形成装置内には、前記特定パターンの識別情報に関連付けされた特定パターンの画像データが保存されていること
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
書籍を含む刊行物に貼付されると共に、前記刊行物のコピー画像を印字する画像形成装置に、当該刊行物中のコピーを禁止する特定パターンを指定するためのICタグであって、
当該刊行物にコピー禁止箇所があるか否かの情報と共に、
前記コピーを禁止する特定パターンの刊行物中の掲載箇所の情報か、コピーを禁止する特定パターンの画像データか、またはコピーを禁止する特定パターンの識別情報のいずれかまたは全部の情報が
記録されたことを特徴とするICタグ。
【請求項6】
書籍を含む刊行物に貼付されたICタグのリーダ/ライタを備えると共に、前記刊行物のコピー画像を印字する画像形成装置における画像形成方法であって、
前記リーダ/ライタにより、前記ICタグに予め記録された当該刊行物についてのコピー禁止箇所の有無の情報と、コピーを禁止する特定パターンに関する情報とを読み取るコピー禁止情報読取手順と、
前記リーダ/ライタにより読み取ったコピー禁止箇所の有無の情報を基に、当該刊行物にコピー禁止箇所があるか否かを判定するコピー禁止箇所有無判定手順と、
前記コピー禁止箇所有無判定手順によりコピー禁止箇所があると判定された場合に、前記コピーを禁止する特定パターンに関する情報を基に、前記刊行物のコピー画像中のコピーが禁止される特定パターンを検出するパターンマッチング手順と、
前記パターンマッチング手順により検出されたコピーが禁止される特定パターンにマスク処理を施すマスク処理手順と
を含むことを特徴とする画像形成方法。
【請求項7】
書籍を含む刊行物に貼付されたICタグのリーダ/ライタを備えると共に、前記刊行物のコピー画像を印字する画像形成装置内のコンピュータに、
前記リーダ/ライタにより、前記ICタグに予め記録された当該刊行物についてのコピー禁止箇所の有無の情報と、コピーを禁止する特定パターンに関する情報とを読み取るコピー禁止情報読取手順と、
前記リーダ/ライタにより読み取ったコピー禁止箇所の有無の情報を基に、当該刊行物にコピー禁止箇所があるか否かを判定するコピー禁止箇所有無判定手順と、
前記コピー禁止箇所有無判定手順によりコピー禁止箇所があると判定された場合に、前記コピーを禁止する特定パターンに関する情報を基に、前記刊行物のコピー画像中のコピーが禁止される特定パターンを検出するパターンマッチング手順と、
前記パターンマッチング手順により検出されたコピーが禁止される特定パターンにマスク処理を施すマスク処理手順と
を実行させるためのプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−94346(P2006−94346A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−279937(P2004−279937)
【出願日】平成16年9月27日(2004.9.27)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】