画像形成装置および画像形成プログラム
【課題】用紙通過センサが故障しても、転写ロール抵抗値の測定により転写ロール付近での用紙詰まりの検出や露光開始タイミングの制御をし、また、定着ロールの温度測定により定着装置付近での用紙詰まりを検出することで、センサ故障後も印刷継続を可能にする画像形成装置および画像形成プログラムを提供する。
【解決手段】レジセンサ8或いは用紙通過センサ12が故障すると、転写ロール抵抗測定器9Yで測定される転写ロール抵抗値の変化或いは定着器温度センサ13で測定される定着ロール18の温度変化に基づき転写ロール7Y付近或いは定着器11付近の用紙詰まりが検出される。
【解決手段】レジセンサ8或いは用紙通過センサ12が故障すると、転写ロール抵抗測定器9Yで測定される転写ロール抵抗値の変化或いは定着器温度センサ13で測定される定着ロール18の温度変化に基づき転写ロール7Y付近或いは定着器11付近の用紙詰まりが検出される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置および画像形成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置では、搬送される用紙が適正な搬送路から外れてしまって用紙の搬送が不可能になってしまう状態(いわゆる用紙詰まり)が発生することがあった。
【0003】
用紙詰まりが発生したまま用紙搬送機構が動作し続けると、詰まった用紙を取り除くことが困難になり、また場合によっては装置故障につながることから、用紙詰まりの検出は印刷をするにあたって欠かせないことである。
【0004】
用紙詰まりの検出は、搬送路上の用紙の通過を検知するセンサからの信号に基づき、規則正しい用紙搬送とは違う異常状態を検知すること等により行われていた。
【0005】
また、用紙通過を検知するセンサからの信号に基づき、正常な露光開始タイミングの制御も行われていた。
【0006】
特許文献1では、紙葉類処理装置に適用される制御システムを構成する上位制御装置が、センサ異常検出に基づき異常センサからのセンサ信号をサンプリング対象から除外し、所定の正常センサからのセンサ信号のサンプリング周期を変更し、変更されたサンプリング周期に基づいて、複数センサ信号の中から各送信フレームに含めるセンサ信号を選択するための選択指示を決定し、前記制御システムを構成するユニット制御装置に対して前記選択指示を送信することにより、センサ異常によるシステムダウンを防止する紙葉類処理装置が提供されている。
【0007】
また、特許文献2では、故障したセンサの監視を縮退し、正常なセンサの出力情報をもとに故障したセンサの出力情報(ダミー出力)を加工するダミー出力手段、及び故障センサの出力監視をダミー出力手段の監視に切り替えるための切り替え手段を設け、センサが故障していても物体のジャム監視を行えるようにした搬送装置が提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−61425号公報
【特許文献2】特開平10−139214号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この発明は、用紙通過センサが故障しても、転写ロール抵抗値の測定により転写ロール付近での用紙詰まりの検出や露光開始タイミングの制御をし、また、定着ロールの温度測定により定着装置付近での用紙詰まりを検出することで、センサ故障後も印刷継続を可能にする画像形成装置および画像形成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成する為に、請求項1の発明の画像形成装置は、感光体に形成されたトナー像を搬送された用紙に転写する転写ロールと、前記転写ロールに導通する電流に基づく転写ロール抵抗を測定する転写ロール抵抗測定手段と、搬送された前記用紙に転写された前記トナー像を定着させる定着装置と、前記定着装置の温度を測定する定着装置温度測定手段と、搬送経路上の用紙の存在を検知する用紙センサにより前記用紙の搬送異常を検出する第1の搬送異常検出手段と、前記第1の搬送異常検出手段が故障した場合に、前記転写ロール抵抗測定手段で測定される転写ロール抵抗の変化或いは前記定着装置温度測定手段で測定される前記定着装置の温度変化に基づいて前記用紙の搬送異常を検出する第2の搬送異常検出手段とを備えるように構成される。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記第2の搬送異常検出手段は、前記用紙が前記転写ロールに到達する予想時間帯において前記転写ロール抵抗が上昇しない場合に前記用紙が前記転写ロールに到達しない前記搬送異常を検出するように構成される。
【0012】
また、請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記第2の搬送異常検出手段は、前記用紙が前記転写ロールから通過する予想時間帯において前記転写ロール抵抗が下降しない場合に前記用紙が前記転写ロールから抜けない前記搬送異常を検出するように構成される。
【0013】
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかの発明において、前記第2の搬送異常検出手段は、前記用紙が前記定着装置に到達する予想時間帯において前記定着装置温度測定手段で測定される前記定着装置の温度が下降しない場合に前記用紙が前記定着装置に到達しない前記搬送異常を検出するように構成される。
【0014】
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかの発明において、前記第2の搬送異常検出手段は、前記用紙が前記定着装置から通過する予想時間帯において前記定着装置温度測定手段で測定される前記定着装置の温度が上昇しない場合に前記用紙が前記定着装置から抜けない前記搬送異常を検出するように構成される。
【0015】
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかの発明において、前記用紙センサによる前記用紙の先端の到着の確認に基づき露光装置による前記感光体への露光制御を行う第1の露光制御手段と、前記第1の搬送異常検出手段が故障した場合、前記転写ロール抵抗測定手段で測定される前記転写ロール抵抗の変化に基づき前記露光装置による前記感光体への露光制御を行う第2の露光制御手段とを更に備えるように構成される。
【0016】
また、請求項7の発明の画像形成プログラムは、コンピュータを、感光体に形成されたトナー像を搬送された用紙に転写する転写ロールに導通する電流に基づく転写ロール抵抗を測定する転写ロール抵抗測定手段と、搬送された前記用紙に転写された前記トナー像を定着させる定着装置の温度を測定する定着装置温度測定手段と、搬送経路上の用紙の存在を検知することで前記用紙の搬送異常を検出する第1の搬送異常検出手段と、前記第1の搬送異常検出手段が故障した場合に、前記転写ロール抵抗測定手段で測定される転写ロール抵抗の変化或いは前記定着装置温度測定手段で測定される前記定着装置の温度変化に基づいて前記用紙の搬送異常を検出する第2の搬送異常検出手段として機能させる。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明によれば、用紙センサによる搬送異常検出機構が故障しても、転写ロール抵抗の変化或いは定着装置の温度変化に基づき用紙搬送異常が検出されるという効果を奏する。
【0018】
請求項2の発明によれば、転写ロール抵抗の変化に基づき用紙が転写ロールに到達しない搬送異常が検出されるという効果を奏する。
【0019】
請求項3の発明によれば、転写ロール抵抗の変化に基づき用紙が転写ロールから抜けない搬送異常が検出されるという効果を奏する。
【0020】
請求項4の発明によれば、定着装置の温度変化に基づき用紙が定着装置に到達しない搬送異常が検出されるという効果を奏する。
【0021】
請求項5の発明によれば、定着装置の温度変化に基づき用紙が定着装置から抜けない搬送異常が検出されるという効果を奏する。
【0022】
請求項6の発明によれば、転写ロール抵抗の変化に基づき露光装置による感光体への露光制御が行われるという効果を奏する。
【0023】
請求項7の発明によれば、用紙センサによる搬送異常検出機構が故障しても、転写ロール抵抗の変化或いは定着装置の温度変化に基づき用紙搬送異常が検出されるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は画像形成装置1の構成を示す模式図である。
【図2】図2は画像形成装置1内の構成部を示すブロック図である。
【図3】図3は転写ロール抵抗値の変化を示す模式図である。
【図4】図4は転写ロール抵抗値の測定に基づく露光開始制御を示す模式図である。
【図5】図5は転写ロール抵抗値の測定に基づく転写ロール7Y付近の用紙詰まり(ON Jam)の検出を示す模式図である。
【図6】図6は転写ロール抵抗値の測定に基づく転写ロール7Y付近の用紙詰まり(OFF Jam)の検出を示す模式図である。
【図7】図7は転写ロール抵抗値の測定に基づく転写ロール7Y付近の用紙詰まりの検出処理を示すフローチャートである。
【図8】図8は定着ロールの温度変化に基づく定着器11付近の用紙詰まり(ON Jam)の検出を示す模式図である。
【図9】図9は定着ロールの温度変化に基づく定着器11付近の用紙詰まり(OFF Jam)の検出を示す模式図である。
【図10】図10は定着ロールの温度変化に基づく定着器11付近の用紙詰まりの検出処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施例について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0026】
まず、画像形成装置1について図1を参照して説明を行う。
【0027】
図1は、画像形成装置1の構成を示す模式図である。
【0028】
図1に示すように、画像形成装置1は、給紙装置2、転写ロール抵抗測定器9(転写ロール抵抗測定器9Y、転写ロール抵抗測定器9M、転写ロール抵抗測定器9C、転写ロール抵抗測定器9K)、画像形成ユニット10(画像形成ユニット10Y、画像形成ユニット10M、画像形成ユニット10C、画像形成ユニット10K)、定着器11、用紙通過センサ12、定着器温度センサ13、操作/表示部14、画像読取部15、コントローラ16を備えている。
【0029】
画像形成ユニット10は、カラー印刷を可能にする4色のトナーの種類毎に存在し、黄色(Yellow)用の画像形成ユニット10Y、マゼンタ色(Magenta)用の画像形成ユニット10M、シアン色(Cyan)用の画像形成ユニット10C、黒色(Black)用の画像形成ユニット10Kが存在する。
【0030】
転写ロール抵抗測定器9は、4つの画像形成ユニット10のそれぞれに対応して存在し、画像形成ユニット10Yに対応する転写ロール抵抗測定器9Y、画像形成ユニット10Mに対応する転写ロール抵抗測定器9M、画像形成ユニット10Cに対応する転写ロール抵抗測定器9C、画像形成ユニット10Kに対応する転写ロール抵抗器9Kが存在する。
【0031】
各色の画像形成ユニット10は、各々、露光装置3、現像装置4、感光体5、クリーニング装置6、転写ロール7を備える。
【0032】
ここでは、黄色用の画像形成ユニット10Yについて説明するが、他の色の画像形成ユニット10の機能、構成も同様のものである。
【0033】
画像形成ユニット10Yは、露光装置3Y、現像装置4Y、感光体5Y、クリーニング装置6Y、転写ロール7Yを備える。
【0034】
露光装置3Yは、画像形成する画像データに基づき感光体5Yに静電潜像を形成する。
【0035】
現像装置4Yは、感光体5Yに露光された静電潜像をトナーにより現像する。
【0036】
感光体5Yは、露光装置3Yによって形成された静電潜像が現像装置4Yによって現像されてトナー像が形成され、搬送された用紙にそのトナー像を転写するためにトナー像を保持する機能を有する。
【0037】
クリーニング装置6Yは、感光体5Y上のトナー像が用紙に転写後に、感光体5Y上に残存する残存トナーをクリーニングする。
【0038】
転写ロール7Yは、感光体5Y上のトナー像を搬送されてくる用紙に転写させる。
【0039】
転写ロール7Yは、感光体5Y上に形成されたトナー像を用紙に転写させる為に、感光体5Y上のトナーの帯電極性と逆極性の転写バイアス電圧が、図示しない電源装置によって印加される。
【0040】
転写ロール7Yに転写バイアス電圧を印加する図示しない電源装置には、転写ロール抵抗測定器9Yが備わっており、転写ロール抵抗測定器9Yにより転写ロール7Yの転写ロール抵抗値が計測される(転写ロール抵抗値については後で詳しく説明する)。
【0041】
転写ロール7Yの転写ロール抵抗値の計測は、転写ロール抵抗測定器9Yによって行われる。
【0042】
そして、転写ロール抵抗測定器9Mは画像形成ユニット10Mが有する転写ロール7Mの抵抗値を測定し、転写ロール抵抗測定器9Cは画像形成ユニット10Cが有する転写ロール7Cの抵抗値を測定し、転写ロール抵抗測定器9Kは画像形成ユニット10Kが有する転写ロール7Kの抵抗値を測定する。
【0043】
レジセンサ8は、用紙搬送経路の給紙装置2と画像形成ユニット10Yとの間に存在し、用紙の通過を検知する。
【0044】
レジセンサ8は、例えば、発光素子と受光素子とで構成され、発光素子から照射される光を用紙が遮る現象を受光素子が検知して、発光素子と受光素子との間に存在する用紙を検知する。
【0045】
そして、搬送経路上に搬送される用紙の先端をレジセンサ8が検知する時刻に基づき、露光装置3Yの露光開始タイミングが制御される。
【0046】
また、用紙がレジセンサ8を通過する予定時刻に用紙が通過しない場合や、レジセンサ8が一定時間以上連続して用紙の存在を検出し続ける場合などに基づき、レジセンサ8付近等の用紙詰まり(ジャム)が検出される。
【0047】
定着器11は、高温になる定着ロール18と加圧ロール19とを有しており、定着ロール18と加圧ロール19との間に搬送された用紙を加熱加圧して、用紙上の未定着トナーを用紙に定着させる処理を行う。
【0048】
用紙通過センサ12は、用紙搬送経路の定着器の後ろを通過する用紙を検出する機能を有している。用紙通過センサ12は、例えば、発光素子と受光素子とで構成され、発光素子から照射される光を用紙が遮る現象を受光素子が検知することによって、発光素子と受光素子との間に存在する用紙を検知する。
【0049】
また、用紙が用紙通過センサ12を通過する予定時刻に用紙が通過しない場合や、用紙通過センサ12が一定時間以上連続して用紙の存在を検知し続ける場合などに基づき、用紙通過センサ12付近等の用紙詰まり(ジャム)が検出される。
【0050】
定着器温度センサ13は、定着器11内に存在する定着ロール18の温度を測定する。
【0051】
操作/表示部14は、液晶のタッチパネルで構成され、ユーザに情報を提供し、ユーザからの指示を受け付ける。
【0052】
画像読取部15は、配置された原稿に走査しながら光を照射し、その反射光を受光素子で受光して、その原稿の画像データを取得する。
【0053】
コントローラ16は、画像形成装置1の各種制御を行う回路基板等が配置されている。 このように構成される画像形成装置1では、レジセンサ8や用紙通過センサ12により、搬送される用紙が検知され、露光装置3Yの露光開始タイミングの調節やジャム検出等に利用される。
【0054】
しかし、画像形成装置1では、レジセンサ8が故障しても、転写ロール抵抗測定器9Yによる測定値に基づき露光装置3Yの露光開始タイミングの調節やジャム検出が行われる。
【0055】
また、画像形成装置1では、用紙通過センサ12が故障しても、定着器温度センサ13による測定値に基づきジャム検出が行われる。
【0056】
次に、コントローラ16の構成と画像形成装置1の構成部について図2を参照して説明する。
【0057】
図2は、コントローラ16の構成と画像形成装置1内の構成部について示したブロック図である。
【0058】
コントローラ16は、CPU(Central Processing Unit)20、RAM(Random Access Memory)21、ROM(Read Only Memory)22、HDD(Hard Disk Drive)23、通信インタフェース(以下図面と共に通信I/Fと呼ぶ)24、画像処理部25、時刻部26を有し、各々はバスと電気的に導通される。
【0059】
CPU20は、画像形成装置1の統括的な制御を行う。
【0060】
RAM21は、システム変数や画像処理のためのデータを一時記憶する。
【0061】
ROM22は、画像形成装置1の全体の制御処理を行うプログラム等を格納する。
【0062】
HDD23は、画像データや各種履歴の格納を行う。
【0063】
通信I/F24は、通信回線17と接続され、通信回線を介して印刷データの受信等を行う。
【0064】
画像処理部25は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等で構成され、画像データの伸張圧縮処理や各種画像処理を行う。
【0065】
時刻部26は、時刻を計測する。
【0066】
図1を参照して説明した給紙装置2、レジセンサ8、転写ロール抵抗測定器9(転写ロール抵抗測定器9Y、転写ロール抵抗測定器9M、転写ロール抵抗測定器9C、転写ロール抵抗測定器9K)、画像形成ユニット10(画像形成ユニット10Y、画像形成ユニット10M、画像形成ユニット10C、画像形成ユニット10K)、定着器11、用紙通過センサ12、定着器温度センサ13、操作/表示部14、画像読取部15はコントローラ16内のバスと電気的に導通され、CPU20と情報の授受が可能とされる。
【0067】
次に、転写ロール抵抗測定器9Yによって測定される転写ロール抵抗値の変化について図3を参照して説明を行う。
【0068】
図3は転写ロール抵抗測定器9Yによって測定される転写ロール抵抗値の変化について示した模式図であり、図3(a)は転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が密接していない状態を示した模式図であり、図3(b)は転写ロール7Yと感光体5Yとの間に搬送された用紙が密接している状態を示した模式図であり、図3(c)は転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が密接しているか否かの状態を示すタイミングチャートとそのタイミングチャートに対応した状態における転写ロール抵抗測定器9Yによって測定される転写ロール抵抗値の変化を示したグラフとである。
【0069】
転写ロール7Yに印加される転写バイアス電圧は、図示しない電源装置によって所定の電圧に維持されている。 それで、転写ロール抵抗測定器9Yは、転写バイアス電圧を維持する回路に流れる電流を測定しオームの法則を利用することで転写ロール抵抗が測定される。
【0070】
転写ロール7Yに印加された転写バイアス電圧によって流れる電流は、図3(a)に示すように、転写ロール7Yから感光体5Yに導通する。
【0071】
それで、図3(b)に示すように、転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が密接すると、転写ロール7Yから感光体5Yへ導通する電流が変化する。
【0072】
よって、転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が密接した状態では、密接した用紙の抵抗に基づき、転写ロール抵抗測定器9Yで測定される転写ロール抵抗値が上昇する。
【0073】
このように転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が密接した状態と密接していない状態での、転写ロール抵抗測定器9Yで測定される転写ロール抵抗値の変化を示したグラフが図3(c)に示すグラフである。
【0074】
図3(c)に示すように、転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が密接していない状態では転写ロール抵抗値は低い値を示しているが(参照番号301)、トナー像が転写される用紙が搬送されて転写ロール7Yと感光体5Yとの間に密接した状態で用紙が移動し始めると、転写ロール抵抗値は用紙が密接していない状態と比べて高い値へ上昇する(参照番号302)。
【0075】
その後、転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が密接している間、転写ロール抵抗値は、用紙が密接していない間の転写ロール抵抗値と比べて高い値を維持する(参照番号303)。
【0076】
そして、トナー像が転写された用紙が転写ロール7Yと感光体5Yとの間から通過した後に、転写ロール抵抗値は下がり始める(参照番号304)。
【0077】
その後、転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が密接していない間、転写ロール抵抗値は、用紙が密接していない間の転写ロール抵抗値と比べて低い値を維持する(参照番号305)。
【0078】
このように、転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が密接している状態とそうでない状態とでは、測定される転写ロール抵抗値に違いがあるので、その測定される転写ロール抵抗値に基づき、転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が密接している状態か否かが判断される。
【0079】
よって、レジセンサ8が故障したとしても、転写ロール抵抗値が測定されることによって、搬送される用紙の先端が転写ロール7Yと感光体5Yとの間に到達したことや、搬送される用紙の後端が転写ロール7Yと感光体5Yとの間を通過したことが検知される。
【0080】
次に、測定される転写ロール抵抗値に基づいて露光装置3Yの露光開始タイミングが制御される処理について図4を参照して説明を行う。
【0081】
図4は転写ロール抵抗測定器9Yで測定される転写ロール抵抗値に基づく露光装置3Yの露光開始タイミングが制御される処理について示した模式図であり、図4(a)は給紙開始タイミングを示すタイミングチャートであり、図4(b)は転写ロール抵抗測定器9Yで測定される転写ロール7Yの転写ロール抵抗値であり、図4(c)は転写ロール抵抗測定器9Yで測定される転写ロール抵抗値に基づいて判断される転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が密接している状態か否かを示すタイミングチャートであり、図4(d)は露光装置3Yの感光体5Yへの露光開始タイミングを示すタイミングチャートである。
【0082】
CPU20は、給紙装置2で用紙の給紙が開始されたことを検知すると(参照番号401)、用紙の給紙が開始された時刻を時刻部26より取得する。
【0083】
そして、CPU20は、転写ロール抵抗測定器9Yによる転写ロール抵抗値を取得し続け、転写ロール抵抗値の変化に基づき(参照番号402)、転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙の先端が到達したことを検知すると(参照番号403)、転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙の先端が到達した時刻を時刻部26より取得する。
【0084】
CPU20は、給紙装置2で用紙の給紙が開始され始めた時刻と、転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙の先端が到達した時刻とに基づき、給紙装置2で用紙の給紙が開始されてからその用紙の先端が転写ロール7Yと感光体5Yとの間に到達するまでの時間(参照番号404)を算出する。
【0085】
給紙装置2で用紙の給紙が開始されてからその用紙の先端が転写ロール7Yと感光体5Yとの間に到達するまでの時間は、転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙の先端が到達した時刻から、給紙装置2で用紙の給紙が開始され始めた時刻が減算されて算出される。
【0086】
このようにして、CPU20は、給紙装置2で用紙の給紙が開始されてからその用紙の先端が転写ロール7Yと感光体5Yとの間に到達するまでの時間を取得する。
【0087】
露光装置3Yによる感光体5Yへの露光開始は、用紙が給紙装置2から搬送された後の、用紙の先端が転写ロール7Yと感光体5Yとの間に到達する予想時刻に基づいて行われる。
【0088】
それで、CPU20は、給紙装置2で用紙の給紙が開始されたことを検知すると(参照番号405)、その用紙の給紙が開始された時刻を時刻部26より取得し、その時刻に、前回用紙が給紙装置2から転写ロール7Yと感光体5Yとの間まで搬送された際に算出された給紙装置2で用紙の給紙が開始されてからその用紙の先端が転写ロール7Yと感光体5Yとの間に到達するまでの時間(参照番号404)を足して、給紙が開始された用紙(参照番号405での給紙)の先端が転写ロール7Yと感光体5Yとの間に到達する予想時刻を算出する(参照番号406)。
【0089】
そして、CPU20によって算出された予想時刻に基づき、露光装置3Yによる感光体5Yへの露光開始が制御される。
【0090】
このように画像形成装置1では、レジセンサ8が故障しても、転写ロール抵抗値の測定により、前回用紙が給紙装置2で給紙されてから用紙の先端が転写ロール7Yと感光体5Yとの間に到達するまでの時間が算出されるから、露光開始タイミングの制御が可能となり、印刷の継続が可能とされる。
【0091】
次に、測定される転写ロール抵抗値に基づいて、転写ロール7Y付近で発生する用紙詰まり(転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が到達しない状態の用紙詰まり(ON Jam))が検出される処理について図5を参照して説明を行う。
【0092】
図5は転写ロール抵抗値に基づいて転写ロール7Y付近で発生する用紙詰まりが検出される処理について示す模式図であり、図5(a)は用紙詰まりが発生しない状態での転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が密接しているか否かの状態を示すタイミングチャートとそのタイミングチャートに対応した状態における転写ロール抵抗測定器9Yによって測定される転写ロール抵抗値の変化を示したグラフであり、図5(b)は転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が到達しないタイプの用紙詰まり(ON Jam)の一例を示す模式図であり、図5(c)は図5(b)に示すタイプの用紙詰まりが発生した場合に測定される転写ロール7Yの転写ロール抵抗値を示すグラフである。
【0093】
転写ロール抵抗値の測定では、図5(b)に示すように、感光体5Yの中心が接地面と接続され、転写ロール7Yの中心から感光体5Yの中心へ流れる電流の変化に基づく転写ロール抵抗値の変化が測定される。
【0094】
複数枚の印刷が行われる場合には、用紙は、所定の時間間隔で給紙装置2から給紙されて、所定の時間間隔で転写ロール7Yと感光体5Yとの間を搬送されて、トナー転写される。
【0095】
それで、用紙詰まりが発生しない状態だと、転写ロール抵抗値は、図5(a)に示すように、矩形波のような値の上昇と下降の変化の繰り返しが測定される。
【0096】
しかし、図5(b)に示すような転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が到達しない用紙詰まり(ON Jam)が発生すると、用紙が転写ロール7Yと感光体5Yとの間に搬送されないので、図5(a)に示すような転写ロール抵抗値の上昇と下降の変化の繰り返しにおける上昇の変化が測定されない(図5(c)に示す参照番号501)。
【0097】
「ON Jam」は用紙が到達しない障害の意味で使用し、「OFF Jam」は用紙が抜けない障害の意味で使用する。
【0098】
それで、用紙到達予想時刻(転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙の先端が到達する予想時刻)を過ぎて、転写ロール抵抗値の上昇が測定されない状態が特定の時間続くと、CPU20は、転写ロール7Y付近で、転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が到達しない用紙詰まり(ON Jam)が発生したと判断し、そのような用紙詰まりの検出をする。
【0099】
次に、測定される転写ロール抵抗値に基づいて、転写ロール7Y付近で発生する用特定の時間紙詰まり(転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が密接して抜けない状態の用紙詰まり(OFF Jam))が検出される処理について図6を参照して説明を行う。
【0100】
図6は転写ロール抵抗値に基づいて転写ロール7Y付近で発生する用紙詰まりが検出される処理について示す模式図であり、図6(a)は用紙詰まりが発生しない通常の場合での転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が密接しているか否かの状態を示すタイミングチャートとそのタイミングチャートに対応した状態における転写ロール抵抗測定器9Yによって測定される転写ロール抵抗値の変化を示したグラフであり、図6(b)は転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が密接した状態となるタイプの用紙詰まりの一例を示す模式図であり、図6(c)は図6(b)に示す用紙詰まり(OFF Jam)が発生した場合に測定される転写ロール7Yの転写ロール抵抗値を示す模式図である。
【0101】
用紙詰まりが発生しない状態だと、複数枚の印刷が続けて行われている場合、転写ロール抵抗値は、図6(a)に示すように、矩形波のような値の上昇と下降の変化の繰り返しが測定される。
【0102】
しかし、転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が密接して抜けない用紙詰まり(OFF Jam)が発生すると、用紙が転写ロール7Yと感光体5Yとの間から抜けずに密接したままの状態になるので、図6(a)に示すような転写ロール抵抗値の上昇と下降の変化の繰り返しにおける下降の変化が測定されない(図6(c)に示す参照番号601)。
【0103】
それで、用紙通過予想時刻(転写ロール7Yと感光体5Yとの間から用紙が通過する予想時刻)を過ぎて、転写ロール抵抗値の下降が測定されない状態が特定の時間続くと、CPU20は、転写ロール7Y付近で、転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が密接する状態の用紙詰まりが発生したと判断し、そのような用紙詰まりの検出とする。
【0104】
用紙通過予想時刻は、転写ロール抵抗値の上昇が確認されると転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が到達されたと判断される為、その到達時刻以降の一定時間後と定めることができるが、他のやり方で定めてもよい。
【0105】
次に、図5、図6を参照して説明した転写ロール抵抗値の測定に基づく用紙詰まりの検出処理を図7のフローチャートを参照して説明を行う。
【0106】
図7は、転写ロール抵抗値の測定に基づく用紙詰まりの検出処理を示すフローチャートであり、図7(a)は転写ロール抵抗値の測定に基づく転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が到達しない状態の用紙詰まりの検出処理を示すフローチャートであり、図7(b)は転写ロールの抵抗値の測定に基づく転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が密接して抜けない用紙詰まりの検出処理を示すフローチャートである。
【0107】
画像形成装置1では、レジセンサ8が故障しても、給紙装置2で用紙の給紙が開始されてからその用紙の先端が転写ロール7Yと感光体5Yとの間に到達するまでの時間を、図4を参照したように算出して、その時間に基づき露光開始タイミングを制御するので、印刷の継続が可能である。
【0108】
図7(a)に示すように、レジセンサ8が故障した後、給紙装置2での用紙の給紙が開始されると(ステップ701)、転写ロール抵抗測定器9Yが転写ロール抵抗の測定を開始する(ステップ702)。
【0109】
その後、給紙された用紙の先端が転写ロール7Yと感光体5Yとの間に到達すると予想される時間に基づく所定の時間帯(到達予想時間帯)に、転写ロール抵抗測定器9Yで測定される転写ロール抵抗値に変化(抵抗値上昇)が無かったら(ステップ703でNO)、転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が到達しない状態の用紙詰まり(ON Jam)が発生したことをCPU20が検出する(ステップ704)。
【0110】
CPU20は、ステップ704で用紙詰まりを検出すると、用紙の搬送を停止させ、操作/表示部14に用紙詰まりの発生を表示させる。
【0111】
また、給紙された用紙の先端が転写ロール7Yと感光体5Yとの間に到達すると予想される時間に基づく所定の時間の間に、転写ロール抵抗測定器9Yで測定される転写ロール抵抗値に変化があったら(ステップ703でNO)、転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が到達したことになり、用紙詰まりの検出処理は終了する。
【0112】
また、転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が密接する状態の用紙詰まり(OFF Jam)の検出については、図7(b)に示すように、レジセンサ8が故障した後、転写ロール抵抗値が測定され続け(ステップ711)、用紙通過予想時間帯に転写ロール抵抗値が変化(抵抗値下降)しなかったら(ステップ712でNO)、転写ロール7Yと感光体5Yの間に用紙が密接する状態の用紙詰まり(OFF Jam)が発生したことをCPU20が検出する(ステップ713)。
【0113】
ステップ712いおける用紙通過予想時間帯は、転写ロール抵抗値の変化に基づき転写ロール7Yへの用紙到達が確認された後の所定の時間が経過した時間帯とすることができる。
【0114】
CPU20は、ステップ713で用紙詰まりを検出すると、用紙の搬送を停止させ、操作/表示部14に用紙詰まりの発生を表示させる。
【0115】
このように画像形成装置1では、レジセンサ8が故障しても、転写ロール抵抗値の測定により、転写ロール7Y付近の転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が到達しない状態の用紙詰まり(ON Jam)と転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が密接して抜けない用紙詰まり(OFF Jam)の検出が可能であるから、印刷の継続が可能とされる。
【0116】
次に、定着器温度センサ13が測定する定着器11の温度変化に基づき、定着器11付近での用紙詰まり(定着ロール18と加圧ロール19との間に用紙が到達しない用紙詰まり)が検出される処理について図8を参照して説明を行う。
【0117】
図8は定着器温度センサ13が測定する定着ロール18の温度変化に基づき、定着ロール18と加圧ロール19との間に用紙が到達しない用紙詰まり(ON Jam)が検出される処理を示す模式図であり、図8(a)は定着ロール18と加圧ロール19との間に用紙が密接して存在することを示すタイミングチャートと用紙詰まりが発生しない通常の状態での定着ロール18の温度変化を示すグラフであり、図8(b)は定着ロール18と加圧ロールとの間に用紙が到達しないタイプの用紙詰まり(ON Jam)の一例を示す模式図であり、図8(c)は図8(b)に示すタイプの用紙詰まりが発生した場合に測定される定着ロールの温度変化を示すグラフである。
【0118】
定着ロール18には図示しないサーモスタットにより温度過昇の防止がなされており、用紙が定着器11に搬送されていない状態では、定着ロール18の温度は設定された値付近に保たれている(図8(a)に示す参照番号801)。
【0119】
そして、用紙が搬送されて、用紙が定着ロール18と加圧ロール19との間に密接して、トナーの定着が行われ始めると、定着ロール18に保持されていた熱が用紙上のトナー定着に使われて、定着ロール18の温度が下がり始める(図8(a)に示す参照番号802)。
【0120】
その後、トナー定着がされた用紙が定着ロールと加圧ロール19との間から通過すると、定着ロール18から用紙へ熱が移動する現象がなくなるので、定着ロール18の温度が上昇する(図8(a)に示す参照番号803)。
【0121】
定着ロール18の温度が上昇した後には、図示しないサーモスタットにより温度過昇防止がなされ、定着ロール18の温度は設定された温度付近に保たれる(図8(a)に示す参照番号804)。
【0122】
このように、用紙詰まりが発生しない通常の状態では、図8(a)に示すように、定着器11への用紙到達に伴って定着ロール18の温度が下がり始め、また、定着器11から用紙が通過した後に定着ロール18の温度が上昇し始める。
【0123】
しかし、図8(b)に示すような定着ロール18と加圧ロール19との間に用紙が到達しない用紙詰まり(ON Jam)が発生すると、用紙が定着ロール18と加圧ロール19との間に搬送されないので、定着ロール18の熱が用紙に移動せず、図8(a)の参照番号802を参照して説明した定着ロール18の温度が下がる現象が測定されない(図8(c)に示す参照番号805)。
【0124】
それで、用紙到達予想時刻(定着ロール18と加圧ロール19との間に用紙の先端が到達する予想時刻)が過ぎて、定着ロール18の設定温度付近からの温度の下降が測定されない状態が特定の時間続くと、CPU20は、定着器11付近で、定着ロール18と加圧ロール19との間に用紙が到達しない用紙詰まり(ON Jam)が発生したと判断し、そのような用紙詰まりの検出をする。
【0125】
次に、定着器温度センサ13が測定する定着器11の温度変化に基づき、定着器11付近での用紙詰まり(定着ロール18と加圧ロール19との間から用紙が抜けない用紙詰まり)が検出される処理について図8を参照して説明を行う。
【0126】
図9は定着器温度センサ13が測定する定着ロール18の温度変化に基づき、定着ロール18と加圧ロール19との間から用紙が抜けない用紙詰まり(OFF Jam)が検出される処理を示す模式図であり、図9(a)は定着ロール18と加圧ロール19との間に用紙が密接していることを示すタイミングチャートとそのタイミングチャートに対応した用紙詰まりが発生しない通常の状態での定着ロール18の温度変化を示すグラフであり、図9(b)は定着ロール18と加圧ロールとの間から用紙が抜けないタイプの用紙詰まり(OFF Jam)の一例を示す模式図であり、図9(c)は図9(b)に示すタイプの用紙詰まりが発生した場合に測定される定着ロールの温度変化を示すグラフである。
【0127】
用紙詰まりが発生しない状態だと、用紙の到達、通過に伴う定着ロール18の温度変化は、図9(a)に示すように、定着器11への用紙到達に伴って定着ロール18の温度が設定温度付近から下がり始め、定着器11から用紙が通過した後に定着ロール18の温度が設定温度付近に向けて上昇し始める現象が測定される。
【0128】
しかし、図9(b)に示すような定着ロール18と加圧ロール19との間から用紙が抜けない用紙詰まり(OFF Jam)が発生すると、用紙が定着ロール18と加圧ロール19との間に密着した状態が維持されてしまう。
【0129】
それで、定着ロール18の温度を設定された温度付近へ上昇させようとして定着ロール18を過熱する図示しない過熱源から供給される熱が、定着ロール18に密着した用紙へ移動して、定着ロール18の温度が上昇しない(図9に示す参照番号901)。
【0130】
それで、設定温度付近から一旦温度が下がった後に、用紙通過予想時刻(定着ロール18と加圧ロール19との間から用紙が通過する予想時刻)が過ぎて、図9(a)を参照して説明した設定温度付近に向けての温度上昇が特定の時間の間測定されない状態が続くと、CPU20は、定着器11付近で、定着ロール18と加圧ロール19との間から用紙が抜けない用紙詰まり(OFF Jam)が発生したと判断し、そのような用紙詰まりを検出する。
【0131】
次に、図8、図9を参照して説明した定着ロール18の温度測定に基づく用紙詰まりの検出処理を図10のフローチャートを参照して説明を行う。
【0132】
図10は、定着ロール18の温度測定に基づく用紙詰まりの検出処理を示すフローチャートであり、図10(a)は定着ロール18の温度測定に基づく定着ロール18と加圧ロール19との間に用紙が到達しない用紙詰まりが検出される処理を示すフローチャートであり、図10(b)は定着ロール18の温度測定に基づく定着ロール18と加圧ロール19との間から用紙が抜けない用紙詰まりが検出される処理を示すフローチャートである。
【0133】
画像形成装置1では、用紙通過センサ12が故障しても、定着ロール18の温度測定に基づき、定着器11付近の用紙詰まりが検出されるので、印刷の継続が可能である。
【0134】
図10(a)に示すように、用紙通過センサ12が故障した後、給紙装置2での用紙の給紙が開始されると(ステップ1001)、定着器温度センサ13による定着ロール18の温度測定が行われる(ステップ1002)。
【0135】
その後、給紙された用紙の先端が定着ロール18と加圧ロール19との間に到達すると予想される時間に基づく所定の時間帯(到達予想時間帯)に、定着器温度センサ13で測定される定着ロール18の温度変化(設定温度付近からの温度下降)が測定されなかったら(ステップ1003でNO)、定着ロール18と加圧ロール19との間に用紙が到達しない状態の用紙詰まり(ON Jam)が発生したことをCPU20が検出する(ステップ1004)。
【0136】
CPU20は、ステップ1004で用紙詰まりを検出すると、用紙の搬送と定着ロール18への加熱を停止させ、操作/表示部14に用紙詰まりの発生を表示させる。
【0137】
また、用紙通過センサ12が故障した後、給紙された用紙の先端が定着ロール18と加圧ロール19との間に到達すると予想される時間に基づく所定の時間帯(到達予想時間帯)に、定着器温度センサ13で測定される定着ロール18の温度変化(設定温度付近からの温度下降)が測定されると(ステップ1003でYES)、定着ロール18と加圧ロール19との間に用紙が到達したことになり、用紙詰まり(ON Jam)の検出処理は終了する。
【0138】
また、定着ロール18と加圧ロール19との間に用紙が密接する状態の用紙詰まり(OFF Jam)の検出については、図10(b)に示すように、用紙通過センサ12が故障した後、定着ロール18の温度が設定値付近からの下降により用紙の先端が定着ロール18と加圧ロール19の間に到達したと判断されると、その後、用紙が定着ロール18と加圧ロール19との間から抜ける予想時間に基づく所定の時間帯(通過予想時間帯)に、定着器温度センサ13で測定される定着ロール18の温度変化(設定温度付近への温度上昇)が測定されなかったら(ステップ1101でNO)、定着ロール18と加圧ロール19との間から用紙が抜けない状態の用紙詰まり(OFF Jam)が発生したことをCPU20が検出する(ステップ1102)。
【0139】
CPU20は、ステップ1102で用紙詰まりを検出すると、用紙の搬送と定着ロール18への加熱を停止させ、操作/表示部14に用紙詰まりの発生を表示させる。
【0140】
また、用紙が定着ロール18と加圧ロール19との間から抜ける予想時間に基づく所定の時間帯(通過予想時間帯)に、定着器温度センサ13で測定される定着ロール18の温度変化(設定温度付近への温度上昇)が測定されると(ステップ1101でYES)、定着ロール18と加圧ロール19との間から用紙が抜けたことになり、用紙詰まり(OFF Jam)の検出処理は終了する。
【0141】
このように、画像形成装置1では、用紙通過センサ12が故障しても、定着ロール18の温度変化の測定に基づき、用紙詰まりの検出が行われる。
【0142】
尚、定着器11付近で検出される用紙詰まりについて説明した定着ロール18と加圧ロール19との間に用紙が密着している場合とそうでない場合というのは、加圧ベルトが使用される装置では各々定着ロールとその加圧ベルトとの間に用紙が密着している場合とそうでない場合とし、その他の装置では各々定着ロール18に用紙が密着している場合とそうでない場合とする。
【0143】
尚、定着ロール18と加圧ロール19との間に用紙が到達しない用紙詰まりというのを定着器11に用紙が到達しない用紙詰まりとし、定着ロール18と加圧ロール19との間から用紙が抜けない用紙詰まりというのは定着器11から用紙が抜けない用紙詰まりとしてもよい。
【0144】
尚、露光装置3Yの露光開始制御において、給紙された用紙の先端が転写ロール7Yと感光体5Yとの間に到達する時刻は、前回の用紙搬送の用紙が給紙装置2で給紙開始されてからその用紙の先端が転写ロール7Yと感光体5Yとの間に到達するまでの時間に基づいて算出されるように説明したが、前回以前の用紙搬送の用紙が給紙装置2で給紙開始されてからその用紙の先端が転写ロール7Yと感光体5Yとの間に到達するまでの時間に基づいて算出されてもよい。
【0145】
尚、転写ロール7付近の用紙詰まりは黄色用の転写ロール7Y、感光体5Y、転写ロール抵抗測定器9Yについて説明したが、他の色用の転写ロール7、感光体5、転写ロール抵抗測定器9においても同様の機能、構成を有して同様の用紙詰まり検出が行われて良い。
【0146】
尚、用紙通過センサ12は、用紙搬送経路上の定着装置11の通過後に位置しているが、用紙搬送経路上の定着装置11の到達前に位置するように構成されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0147】
この発明は、画像形成装置および画像形成プログラムにおいて利用可能である。
【0148】
また、上記実施の形態の機能を実現するためのソフトウェアのプログラムが記録されている記憶媒体を供給し、通信装置などで記憶媒体に格納されたプログラムを読み出し実行することによっても、上記実施の形態と同様の効果を奏する。 プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えば、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、及びSDカード(Secure Digital memory card)などや、プログラムを供給するサーバなどであっても良い。
【符号の説明】
【0149】
1 画像形成装置
2 給紙装置
5(5Y、5M、5C、5K) 感光体
7(7Y、7M、7C、7K) 転写ロール
8 レジセンサ
9(9Y、9M、9C、9K) 転写ロール抵抗計測器
11 定着器
12 用紙通過センサ
13 定着器温度センサ
18 定着ロール
20 CPU
26 時刻部
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置および画像形成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置では、搬送される用紙が適正な搬送路から外れてしまって用紙の搬送が不可能になってしまう状態(いわゆる用紙詰まり)が発生することがあった。
【0003】
用紙詰まりが発生したまま用紙搬送機構が動作し続けると、詰まった用紙を取り除くことが困難になり、また場合によっては装置故障につながることから、用紙詰まりの検出は印刷をするにあたって欠かせないことである。
【0004】
用紙詰まりの検出は、搬送路上の用紙の通過を検知するセンサからの信号に基づき、規則正しい用紙搬送とは違う異常状態を検知すること等により行われていた。
【0005】
また、用紙通過を検知するセンサからの信号に基づき、正常な露光開始タイミングの制御も行われていた。
【0006】
特許文献1では、紙葉類処理装置に適用される制御システムを構成する上位制御装置が、センサ異常検出に基づき異常センサからのセンサ信号をサンプリング対象から除外し、所定の正常センサからのセンサ信号のサンプリング周期を変更し、変更されたサンプリング周期に基づいて、複数センサ信号の中から各送信フレームに含めるセンサ信号を選択するための選択指示を決定し、前記制御システムを構成するユニット制御装置に対して前記選択指示を送信することにより、センサ異常によるシステムダウンを防止する紙葉類処理装置が提供されている。
【0007】
また、特許文献2では、故障したセンサの監視を縮退し、正常なセンサの出力情報をもとに故障したセンサの出力情報(ダミー出力)を加工するダミー出力手段、及び故障センサの出力監視をダミー出力手段の監視に切り替えるための切り替え手段を設け、センサが故障していても物体のジャム監視を行えるようにした搬送装置が提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−61425号公報
【特許文献2】特開平10−139214号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この発明は、用紙通過センサが故障しても、転写ロール抵抗値の測定により転写ロール付近での用紙詰まりの検出や露光開始タイミングの制御をし、また、定着ロールの温度測定により定着装置付近での用紙詰まりを検出することで、センサ故障後も印刷継続を可能にする画像形成装置および画像形成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成する為に、請求項1の発明の画像形成装置は、感光体に形成されたトナー像を搬送された用紙に転写する転写ロールと、前記転写ロールに導通する電流に基づく転写ロール抵抗を測定する転写ロール抵抗測定手段と、搬送された前記用紙に転写された前記トナー像を定着させる定着装置と、前記定着装置の温度を測定する定着装置温度測定手段と、搬送経路上の用紙の存在を検知する用紙センサにより前記用紙の搬送異常を検出する第1の搬送異常検出手段と、前記第1の搬送異常検出手段が故障した場合に、前記転写ロール抵抗測定手段で測定される転写ロール抵抗の変化或いは前記定着装置温度測定手段で測定される前記定着装置の温度変化に基づいて前記用紙の搬送異常を検出する第2の搬送異常検出手段とを備えるように構成される。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記第2の搬送異常検出手段は、前記用紙が前記転写ロールに到達する予想時間帯において前記転写ロール抵抗が上昇しない場合に前記用紙が前記転写ロールに到達しない前記搬送異常を検出するように構成される。
【0012】
また、請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記第2の搬送異常検出手段は、前記用紙が前記転写ロールから通過する予想時間帯において前記転写ロール抵抗が下降しない場合に前記用紙が前記転写ロールから抜けない前記搬送異常を検出するように構成される。
【0013】
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかの発明において、前記第2の搬送異常検出手段は、前記用紙が前記定着装置に到達する予想時間帯において前記定着装置温度測定手段で測定される前記定着装置の温度が下降しない場合に前記用紙が前記定着装置に到達しない前記搬送異常を検出するように構成される。
【0014】
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかの発明において、前記第2の搬送異常検出手段は、前記用紙が前記定着装置から通過する予想時間帯において前記定着装置温度測定手段で測定される前記定着装置の温度が上昇しない場合に前記用紙が前記定着装置から抜けない前記搬送異常を検出するように構成される。
【0015】
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかの発明において、前記用紙センサによる前記用紙の先端の到着の確認に基づき露光装置による前記感光体への露光制御を行う第1の露光制御手段と、前記第1の搬送異常検出手段が故障した場合、前記転写ロール抵抗測定手段で測定される前記転写ロール抵抗の変化に基づき前記露光装置による前記感光体への露光制御を行う第2の露光制御手段とを更に備えるように構成される。
【0016】
また、請求項7の発明の画像形成プログラムは、コンピュータを、感光体に形成されたトナー像を搬送された用紙に転写する転写ロールに導通する電流に基づく転写ロール抵抗を測定する転写ロール抵抗測定手段と、搬送された前記用紙に転写された前記トナー像を定着させる定着装置の温度を測定する定着装置温度測定手段と、搬送経路上の用紙の存在を検知することで前記用紙の搬送異常を検出する第1の搬送異常検出手段と、前記第1の搬送異常検出手段が故障した場合に、前記転写ロール抵抗測定手段で測定される転写ロール抵抗の変化或いは前記定着装置温度測定手段で測定される前記定着装置の温度変化に基づいて前記用紙の搬送異常を検出する第2の搬送異常検出手段として機能させる。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明によれば、用紙センサによる搬送異常検出機構が故障しても、転写ロール抵抗の変化或いは定着装置の温度変化に基づき用紙搬送異常が検出されるという効果を奏する。
【0018】
請求項2の発明によれば、転写ロール抵抗の変化に基づき用紙が転写ロールに到達しない搬送異常が検出されるという効果を奏する。
【0019】
請求項3の発明によれば、転写ロール抵抗の変化に基づき用紙が転写ロールから抜けない搬送異常が検出されるという効果を奏する。
【0020】
請求項4の発明によれば、定着装置の温度変化に基づき用紙が定着装置に到達しない搬送異常が検出されるという効果を奏する。
【0021】
請求項5の発明によれば、定着装置の温度変化に基づき用紙が定着装置から抜けない搬送異常が検出されるという効果を奏する。
【0022】
請求項6の発明によれば、転写ロール抵抗の変化に基づき露光装置による感光体への露光制御が行われるという効果を奏する。
【0023】
請求項7の発明によれば、用紙センサによる搬送異常検出機構が故障しても、転写ロール抵抗の変化或いは定着装置の温度変化に基づき用紙搬送異常が検出されるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は画像形成装置1の構成を示す模式図である。
【図2】図2は画像形成装置1内の構成部を示すブロック図である。
【図3】図3は転写ロール抵抗値の変化を示す模式図である。
【図4】図4は転写ロール抵抗値の測定に基づく露光開始制御を示す模式図である。
【図5】図5は転写ロール抵抗値の測定に基づく転写ロール7Y付近の用紙詰まり(ON Jam)の検出を示す模式図である。
【図6】図6は転写ロール抵抗値の測定に基づく転写ロール7Y付近の用紙詰まり(OFF Jam)の検出を示す模式図である。
【図7】図7は転写ロール抵抗値の測定に基づく転写ロール7Y付近の用紙詰まりの検出処理を示すフローチャートである。
【図8】図8は定着ロールの温度変化に基づく定着器11付近の用紙詰まり(ON Jam)の検出を示す模式図である。
【図9】図9は定着ロールの温度変化に基づく定着器11付近の用紙詰まり(OFF Jam)の検出を示す模式図である。
【図10】図10は定着ロールの温度変化に基づく定着器11付近の用紙詰まりの検出処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施例について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0026】
まず、画像形成装置1について図1を参照して説明を行う。
【0027】
図1は、画像形成装置1の構成を示す模式図である。
【0028】
図1に示すように、画像形成装置1は、給紙装置2、転写ロール抵抗測定器9(転写ロール抵抗測定器9Y、転写ロール抵抗測定器9M、転写ロール抵抗測定器9C、転写ロール抵抗測定器9K)、画像形成ユニット10(画像形成ユニット10Y、画像形成ユニット10M、画像形成ユニット10C、画像形成ユニット10K)、定着器11、用紙通過センサ12、定着器温度センサ13、操作/表示部14、画像読取部15、コントローラ16を備えている。
【0029】
画像形成ユニット10は、カラー印刷を可能にする4色のトナーの種類毎に存在し、黄色(Yellow)用の画像形成ユニット10Y、マゼンタ色(Magenta)用の画像形成ユニット10M、シアン色(Cyan)用の画像形成ユニット10C、黒色(Black)用の画像形成ユニット10Kが存在する。
【0030】
転写ロール抵抗測定器9は、4つの画像形成ユニット10のそれぞれに対応して存在し、画像形成ユニット10Yに対応する転写ロール抵抗測定器9Y、画像形成ユニット10Mに対応する転写ロール抵抗測定器9M、画像形成ユニット10Cに対応する転写ロール抵抗測定器9C、画像形成ユニット10Kに対応する転写ロール抵抗器9Kが存在する。
【0031】
各色の画像形成ユニット10は、各々、露光装置3、現像装置4、感光体5、クリーニング装置6、転写ロール7を備える。
【0032】
ここでは、黄色用の画像形成ユニット10Yについて説明するが、他の色の画像形成ユニット10の機能、構成も同様のものである。
【0033】
画像形成ユニット10Yは、露光装置3Y、現像装置4Y、感光体5Y、クリーニング装置6Y、転写ロール7Yを備える。
【0034】
露光装置3Yは、画像形成する画像データに基づき感光体5Yに静電潜像を形成する。
【0035】
現像装置4Yは、感光体5Yに露光された静電潜像をトナーにより現像する。
【0036】
感光体5Yは、露光装置3Yによって形成された静電潜像が現像装置4Yによって現像されてトナー像が形成され、搬送された用紙にそのトナー像を転写するためにトナー像を保持する機能を有する。
【0037】
クリーニング装置6Yは、感光体5Y上のトナー像が用紙に転写後に、感光体5Y上に残存する残存トナーをクリーニングする。
【0038】
転写ロール7Yは、感光体5Y上のトナー像を搬送されてくる用紙に転写させる。
【0039】
転写ロール7Yは、感光体5Y上に形成されたトナー像を用紙に転写させる為に、感光体5Y上のトナーの帯電極性と逆極性の転写バイアス電圧が、図示しない電源装置によって印加される。
【0040】
転写ロール7Yに転写バイアス電圧を印加する図示しない電源装置には、転写ロール抵抗測定器9Yが備わっており、転写ロール抵抗測定器9Yにより転写ロール7Yの転写ロール抵抗値が計測される(転写ロール抵抗値については後で詳しく説明する)。
【0041】
転写ロール7Yの転写ロール抵抗値の計測は、転写ロール抵抗測定器9Yによって行われる。
【0042】
そして、転写ロール抵抗測定器9Mは画像形成ユニット10Mが有する転写ロール7Mの抵抗値を測定し、転写ロール抵抗測定器9Cは画像形成ユニット10Cが有する転写ロール7Cの抵抗値を測定し、転写ロール抵抗測定器9Kは画像形成ユニット10Kが有する転写ロール7Kの抵抗値を測定する。
【0043】
レジセンサ8は、用紙搬送経路の給紙装置2と画像形成ユニット10Yとの間に存在し、用紙の通過を検知する。
【0044】
レジセンサ8は、例えば、発光素子と受光素子とで構成され、発光素子から照射される光を用紙が遮る現象を受光素子が検知して、発光素子と受光素子との間に存在する用紙を検知する。
【0045】
そして、搬送経路上に搬送される用紙の先端をレジセンサ8が検知する時刻に基づき、露光装置3Yの露光開始タイミングが制御される。
【0046】
また、用紙がレジセンサ8を通過する予定時刻に用紙が通過しない場合や、レジセンサ8が一定時間以上連続して用紙の存在を検出し続ける場合などに基づき、レジセンサ8付近等の用紙詰まり(ジャム)が検出される。
【0047】
定着器11は、高温になる定着ロール18と加圧ロール19とを有しており、定着ロール18と加圧ロール19との間に搬送された用紙を加熱加圧して、用紙上の未定着トナーを用紙に定着させる処理を行う。
【0048】
用紙通過センサ12は、用紙搬送経路の定着器の後ろを通過する用紙を検出する機能を有している。用紙通過センサ12は、例えば、発光素子と受光素子とで構成され、発光素子から照射される光を用紙が遮る現象を受光素子が検知することによって、発光素子と受光素子との間に存在する用紙を検知する。
【0049】
また、用紙が用紙通過センサ12を通過する予定時刻に用紙が通過しない場合や、用紙通過センサ12が一定時間以上連続して用紙の存在を検知し続ける場合などに基づき、用紙通過センサ12付近等の用紙詰まり(ジャム)が検出される。
【0050】
定着器温度センサ13は、定着器11内に存在する定着ロール18の温度を測定する。
【0051】
操作/表示部14は、液晶のタッチパネルで構成され、ユーザに情報を提供し、ユーザからの指示を受け付ける。
【0052】
画像読取部15は、配置された原稿に走査しながら光を照射し、その反射光を受光素子で受光して、その原稿の画像データを取得する。
【0053】
コントローラ16は、画像形成装置1の各種制御を行う回路基板等が配置されている。 このように構成される画像形成装置1では、レジセンサ8や用紙通過センサ12により、搬送される用紙が検知され、露光装置3Yの露光開始タイミングの調節やジャム検出等に利用される。
【0054】
しかし、画像形成装置1では、レジセンサ8が故障しても、転写ロール抵抗測定器9Yによる測定値に基づき露光装置3Yの露光開始タイミングの調節やジャム検出が行われる。
【0055】
また、画像形成装置1では、用紙通過センサ12が故障しても、定着器温度センサ13による測定値に基づきジャム検出が行われる。
【0056】
次に、コントローラ16の構成と画像形成装置1の構成部について図2を参照して説明する。
【0057】
図2は、コントローラ16の構成と画像形成装置1内の構成部について示したブロック図である。
【0058】
コントローラ16は、CPU(Central Processing Unit)20、RAM(Random Access Memory)21、ROM(Read Only Memory)22、HDD(Hard Disk Drive)23、通信インタフェース(以下図面と共に通信I/Fと呼ぶ)24、画像処理部25、時刻部26を有し、各々はバスと電気的に導通される。
【0059】
CPU20は、画像形成装置1の統括的な制御を行う。
【0060】
RAM21は、システム変数や画像処理のためのデータを一時記憶する。
【0061】
ROM22は、画像形成装置1の全体の制御処理を行うプログラム等を格納する。
【0062】
HDD23は、画像データや各種履歴の格納を行う。
【0063】
通信I/F24は、通信回線17と接続され、通信回線を介して印刷データの受信等を行う。
【0064】
画像処理部25は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等で構成され、画像データの伸張圧縮処理や各種画像処理を行う。
【0065】
時刻部26は、時刻を計測する。
【0066】
図1を参照して説明した給紙装置2、レジセンサ8、転写ロール抵抗測定器9(転写ロール抵抗測定器9Y、転写ロール抵抗測定器9M、転写ロール抵抗測定器9C、転写ロール抵抗測定器9K)、画像形成ユニット10(画像形成ユニット10Y、画像形成ユニット10M、画像形成ユニット10C、画像形成ユニット10K)、定着器11、用紙通過センサ12、定着器温度センサ13、操作/表示部14、画像読取部15はコントローラ16内のバスと電気的に導通され、CPU20と情報の授受が可能とされる。
【0067】
次に、転写ロール抵抗測定器9Yによって測定される転写ロール抵抗値の変化について図3を参照して説明を行う。
【0068】
図3は転写ロール抵抗測定器9Yによって測定される転写ロール抵抗値の変化について示した模式図であり、図3(a)は転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が密接していない状態を示した模式図であり、図3(b)は転写ロール7Yと感光体5Yとの間に搬送された用紙が密接している状態を示した模式図であり、図3(c)は転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が密接しているか否かの状態を示すタイミングチャートとそのタイミングチャートに対応した状態における転写ロール抵抗測定器9Yによって測定される転写ロール抵抗値の変化を示したグラフとである。
【0069】
転写ロール7Yに印加される転写バイアス電圧は、図示しない電源装置によって所定の電圧に維持されている。 それで、転写ロール抵抗測定器9Yは、転写バイアス電圧を維持する回路に流れる電流を測定しオームの法則を利用することで転写ロール抵抗が測定される。
【0070】
転写ロール7Yに印加された転写バイアス電圧によって流れる電流は、図3(a)に示すように、転写ロール7Yから感光体5Yに導通する。
【0071】
それで、図3(b)に示すように、転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が密接すると、転写ロール7Yから感光体5Yへ導通する電流が変化する。
【0072】
よって、転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が密接した状態では、密接した用紙の抵抗に基づき、転写ロール抵抗測定器9Yで測定される転写ロール抵抗値が上昇する。
【0073】
このように転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が密接した状態と密接していない状態での、転写ロール抵抗測定器9Yで測定される転写ロール抵抗値の変化を示したグラフが図3(c)に示すグラフである。
【0074】
図3(c)に示すように、転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が密接していない状態では転写ロール抵抗値は低い値を示しているが(参照番号301)、トナー像が転写される用紙が搬送されて転写ロール7Yと感光体5Yとの間に密接した状態で用紙が移動し始めると、転写ロール抵抗値は用紙が密接していない状態と比べて高い値へ上昇する(参照番号302)。
【0075】
その後、転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が密接している間、転写ロール抵抗値は、用紙が密接していない間の転写ロール抵抗値と比べて高い値を維持する(参照番号303)。
【0076】
そして、トナー像が転写された用紙が転写ロール7Yと感光体5Yとの間から通過した後に、転写ロール抵抗値は下がり始める(参照番号304)。
【0077】
その後、転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が密接していない間、転写ロール抵抗値は、用紙が密接していない間の転写ロール抵抗値と比べて低い値を維持する(参照番号305)。
【0078】
このように、転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が密接している状態とそうでない状態とでは、測定される転写ロール抵抗値に違いがあるので、その測定される転写ロール抵抗値に基づき、転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が密接している状態か否かが判断される。
【0079】
よって、レジセンサ8が故障したとしても、転写ロール抵抗値が測定されることによって、搬送される用紙の先端が転写ロール7Yと感光体5Yとの間に到達したことや、搬送される用紙の後端が転写ロール7Yと感光体5Yとの間を通過したことが検知される。
【0080】
次に、測定される転写ロール抵抗値に基づいて露光装置3Yの露光開始タイミングが制御される処理について図4を参照して説明を行う。
【0081】
図4は転写ロール抵抗測定器9Yで測定される転写ロール抵抗値に基づく露光装置3Yの露光開始タイミングが制御される処理について示した模式図であり、図4(a)は給紙開始タイミングを示すタイミングチャートであり、図4(b)は転写ロール抵抗測定器9Yで測定される転写ロール7Yの転写ロール抵抗値であり、図4(c)は転写ロール抵抗測定器9Yで測定される転写ロール抵抗値に基づいて判断される転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が密接している状態か否かを示すタイミングチャートであり、図4(d)は露光装置3Yの感光体5Yへの露光開始タイミングを示すタイミングチャートである。
【0082】
CPU20は、給紙装置2で用紙の給紙が開始されたことを検知すると(参照番号401)、用紙の給紙が開始された時刻を時刻部26より取得する。
【0083】
そして、CPU20は、転写ロール抵抗測定器9Yによる転写ロール抵抗値を取得し続け、転写ロール抵抗値の変化に基づき(参照番号402)、転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙の先端が到達したことを検知すると(参照番号403)、転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙の先端が到達した時刻を時刻部26より取得する。
【0084】
CPU20は、給紙装置2で用紙の給紙が開始され始めた時刻と、転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙の先端が到達した時刻とに基づき、給紙装置2で用紙の給紙が開始されてからその用紙の先端が転写ロール7Yと感光体5Yとの間に到達するまでの時間(参照番号404)を算出する。
【0085】
給紙装置2で用紙の給紙が開始されてからその用紙の先端が転写ロール7Yと感光体5Yとの間に到達するまでの時間は、転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙の先端が到達した時刻から、給紙装置2で用紙の給紙が開始され始めた時刻が減算されて算出される。
【0086】
このようにして、CPU20は、給紙装置2で用紙の給紙が開始されてからその用紙の先端が転写ロール7Yと感光体5Yとの間に到達するまでの時間を取得する。
【0087】
露光装置3Yによる感光体5Yへの露光開始は、用紙が給紙装置2から搬送された後の、用紙の先端が転写ロール7Yと感光体5Yとの間に到達する予想時刻に基づいて行われる。
【0088】
それで、CPU20は、給紙装置2で用紙の給紙が開始されたことを検知すると(参照番号405)、その用紙の給紙が開始された時刻を時刻部26より取得し、その時刻に、前回用紙が給紙装置2から転写ロール7Yと感光体5Yとの間まで搬送された際に算出された給紙装置2で用紙の給紙が開始されてからその用紙の先端が転写ロール7Yと感光体5Yとの間に到達するまでの時間(参照番号404)を足して、給紙が開始された用紙(参照番号405での給紙)の先端が転写ロール7Yと感光体5Yとの間に到達する予想時刻を算出する(参照番号406)。
【0089】
そして、CPU20によって算出された予想時刻に基づき、露光装置3Yによる感光体5Yへの露光開始が制御される。
【0090】
このように画像形成装置1では、レジセンサ8が故障しても、転写ロール抵抗値の測定により、前回用紙が給紙装置2で給紙されてから用紙の先端が転写ロール7Yと感光体5Yとの間に到達するまでの時間が算出されるから、露光開始タイミングの制御が可能となり、印刷の継続が可能とされる。
【0091】
次に、測定される転写ロール抵抗値に基づいて、転写ロール7Y付近で発生する用紙詰まり(転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が到達しない状態の用紙詰まり(ON Jam))が検出される処理について図5を参照して説明を行う。
【0092】
図5は転写ロール抵抗値に基づいて転写ロール7Y付近で発生する用紙詰まりが検出される処理について示す模式図であり、図5(a)は用紙詰まりが発生しない状態での転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が密接しているか否かの状態を示すタイミングチャートとそのタイミングチャートに対応した状態における転写ロール抵抗測定器9Yによって測定される転写ロール抵抗値の変化を示したグラフであり、図5(b)は転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が到達しないタイプの用紙詰まり(ON Jam)の一例を示す模式図であり、図5(c)は図5(b)に示すタイプの用紙詰まりが発生した場合に測定される転写ロール7Yの転写ロール抵抗値を示すグラフである。
【0093】
転写ロール抵抗値の測定では、図5(b)に示すように、感光体5Yの中心が接地面と接続され、転写ロール7Yの中心から感光体5Yの中心へ流れる電流の変化に基づく転写ロール抵抗値の変化が測定される。
【0094】
複数枚の印刷が行われる場合には、用紙は、所定の時間間隔で給紙装置2から給紙されて、所定の時間間隔で転写ロール7Yと感光体5Yとの間を搬送されて、トナー転写される。
【0095】
それで、用紙詰まりが発生しない状態だと、転写ロール抵抗値は、図5(a)に示すように、矩形波のような値の上昇と下降の変化の繰り返しが測定される。
【0096】
しかし、図5(b)に示すような転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が到達しない用紙詰まり(ON Jam)が発生すると、用紙が転写ロール7Yと感光体5Yとの間に搬送されないので、図5(a)に示すような転写ロール抵抗値の上昇と下降の変化の繰り返しにおける上昇の変化が測定されない(図5(c)に示す参照番号501)。
【0097】
「ON Jam」は用紙が到達しない障害の意味で使用し、「OFF Jam」は用紙が抜けない障害の意味で使用する。
【0098】
それで、用紙到達予想時刻(転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙の先端が到達する予想時刻)を過ぎて、転写ロール抵抗値の上昇が測定されない状態が特定の時間続くと、CPU20は、転写ロール7Y付近で、転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が到達しない用紙詰まり(ON Jam)が発生したと判断し、そのような用紙詰まりの検出をする。
【0099】
次に、測定される転写ロール抵抗値に基づいて、転写ロール7Y付近で発生する用特定の時間紙詰まり(転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が密接して抜けない状態の用紙詰まり(OFF Jam))が検出される処理について図6を参照して説明を行う。
【0100】
図6は転写ロール抵抗値に基づいて転写ロール7Y付近で発生する用紙詰まりが検出される処理について示す模式図であり、図6(a)は用紙詰まりが発生しない通常の場合での転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が密接しているか否かの状態を示すタイミングチャートとそのタイミングチャートに対応した状態における転写ロール抵抗測定器9Yによって測定される転写ロール抵抗値の変化を示したグラフであり、図6(b)は転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が密接した状態となるタイプの用紙詰まりの一例を示す模式図であり、図6(c)は図6(b)に示す用紙詰まり(OFF Jam)が発生した場合に測定される転写ロール7Yの転写ロール抵抗値を示す模式図である。
【0101】
用紙詰まりが発生しない状態だと、複数枚の印刷が続けて行われている場合、転写ロール抵抗値は、図6(a)に示すように、矩形波のような値の上昇と下降の変化の繰り返しが測定される。
【0102】
しかし、転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が密接して抜けない用紙詰まり(OFF Jam)が発生すると、用紙が転写ロール7Yと感光体5Yとの間から抜けずに密接したままの状態になるので、図6(a)に示すような転写ロール抵抗値の上昇と下降の変化の繰り返しにおける下降の変化が測定されない(図6(c)に示す参照番号601)。
【0103】
それで、用紙通過予想時刻(転写ロール7Yと感光体5Yとの間から用紙が通過する予想時刻)を過ぎて、転写ロール抵抗値の下降が測定されない状態が特定の時間続くと、CPU20は、転写ロール7Y付近で、転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が密接する状態の用紙詰まりが発生したと判断し、そのような用紙詰まりの検出とする。
【0104】
用紙通過予想時刻は、転写ロール抵抗値の上昇が確認されると転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が到達されたと判断される為、その到達時刻以降の一定時間後と定めることができるが、他のやり方で定めてもよい。
【0105】
次に、図5、図6を参照して説明した転写ロール抵抗値の測定に基づく用紙詰まりの検出処理を図7のフローチャートを参照して説明を行う。
【0106】
図7は、転写ロール抵抗値の測定に基づく用紙詰まりの検出処理を示すフローチャートであり、図7(a)は転写ロール抵抗値の測定に基づく転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が到達しない状態の用紙詰まりの検出処理を示すフローチャートであり、図7(b)は転写ロールの抵抗値の測定に基づく転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が密接して抜けない用紙詰まりの検出処理を示すフローチャートである。
【0107】
画像形成装置1では、レジセンサ8が故障しても、給紙装置2で用紙の給紙が開始されてからその用紙の先端が転写ロール7Yと感光体5Yとの間に到達するまでの時間を、図4を参照したように算出して、その時間に基づき露光開始タイミングを制御するので、印刷の継続が可能である。
【0108】
図7(a)に示すように、レジセンサ8が故障した後、給紙装置2での用紙の給紙が開始されると(ステップ701)、転写ロール抵抗測定器9Yが転写ロール抵抗の測定を開始する(ステップ702)。
【0109】
その後、給紙された用紙の先端が転写ロール7Yと感光体5Yとの間に到達すると予想される時間に基づく所定の時間帯(到達予想時間帯)に、転写ロール抵抗測定器9Yで測定される転写ロール抵抗値に変化(抵抗値上昇)が無かったら(ステップ703でNO)、転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が到達しない状態の用紙詰まり(ON Jam)が発生したことをCPU20が検出する(ステップ704)。
【0110】
CPU20は、ステップ704で用紙詰まりを検出すると、用紙の搬送を停止させ、操作/表示部14に用紙詰まりの発生を表示させる。
【0111】
また、給紙された用紙の先端が転写ロール7Yと感光体5Yとの間に到達すると予想される時間に基づく所定の時間の間に、転写ロール抵抗測定器9Yで測定される転写ロール抵抗値に変化があったら(ステップ703でNO)、転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が到達したことになり、用紙詰まりの検出処理は終了する。
【0112】
また、転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が密接する状態の用紙詰まり(OFF Jam)の検出については、図7(b)に示すように、レジセンサ8が故障した後、転写ロール抵抗値が測定され続け(ステップ711)、用紙通過予想時間帯に転写ロール抵抗値が変化(抵抗値下降)しなかったら(ステップ712でNO)、転写ロール7Yと感光体5Yの間に用紙が密接する状態の用紙詰まり(OFF Jam)が発生したことをCPU20が検出する(ステップ713)。
【0113】
ステップ712いおける用紙通過予想時間帯は、転写ロール抵抗値の変化に基づき転写ロール7Yへの用紙到達が確認された後の所定の時間が経過した時間帯とすることができる。
【0114】
CPU20は、ステップ713で用紙詰まりを検出すると、用紙の搬送を停止させ、操作/表示部14に用紙詰まりの発生を表示させる。
【0115】
このように画像形成装置1では、レジセンサ8が故障しても、転写ロール抵抗値の測定により、転写ロール7Y付近の転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が到達しない状態の用紙詰まり(ON Jam)と転写ロール7Yと感光体5Yとの間に用紙が密接して抜けない用紙詰まり(OFF Jam)の検出が可能であるから、印刷の継続が可能とされる。
【0116】
次に、定着器温度センサ13が測定する定着器11の温度変化に基づき、定着器11付近での用紙詰まり(定着ロール18と加圧ロール19との間に用紙が到達しない用紙詰まり)が検出される処理について図8を参照して説明を行う。
【0117】
図8は定着器温度センサ13が測定する定着ロール18の温度変化に基づき、定着ロール18と加圧ロール19との間に用紙が到達しない用紙詰まり(ON Jam)が検出される処理を示す模式図であり、図8(a)は定着ロール18と加圧ロール19との間に用紙が密接して存在することを示すタイミングチャートと用紙詰まりが発生しない通常の状態での定着ロール18の温度変化を示すグラフであり、図8(b)は定着ロール18と加圧ロールとの間に用紙が到達しないタイプの用紙詰まり(ON Jam)の一例を示す模式図であり、図8(c)は図8(b)に示すタイプの用紙詰まりが発生した場合に測定される定着ロールの温度変化を示すグラフである。
【0118】
定着ロール18には図示しないサーモスタットにより温度過昇の防止がなされており、用紙が定着器11に搬送されていない状態では、定着ロール18の温度は設定された値付近に保たれている(図8(a)に示す参照番号801)。
【0119】
そして、用紙が搬送されて、用紙が定着ロール18と加圧ロール19との間に密接して、トナーの定着が行われ始めると、定着ロール18に保持されていた熱が用紙上のトナー定着に使われて、定着ロール18の温度が下がり始める(図8(a)に示す参照番号802)。
【0120】
その後、トナー定着がされた用紙が定着ロールと加圧ロール19との間から通過すると、定着ロール18から用紙へ熱が移動する現象がなくなるので、定着ロール18の温度が上昇する(図8(a)に示す参照番号803)。
【0121】
定着ロール18の温度が上昇した後には、図示しないサーモスタットにより温度過昇防止がなされ、定着ロール18の温度は設定された温度付近に保たれる(図8(a)に示す参照番号804)。
【0122】
このように、用紙詰まりが発生しない通常の状態では、図8(a)に示すように、定着器11への用紙到達に伴って定着ロール18の温度が下がり始め、また、定着器11から用紙が通過した後に定着ロール18の温度が上昇し始める。
【0123】
しかし、図8(b)に示すような定着ロール18と加圧ロール19との間に用紙が到達しない用紙詰まり(ON Jam)が発生すると、用紙が定着ロール18と加圧ロール19との間に搬送されないので、定着ロール18の熱が用紙に移動せず、図8(a)の参照番号802を参照して説明した定着ロール18の温度が下がる現象が測定されない(図8(c)に示す参照番号805)。
【0124】
それで、用紙到達予想時刻(定着ロール18と加圧ロール19との間に用紙の先端が到達する予想時刻)が過ぎて、定着ロール18の設定温度付近からの温度の下降が測定されない状態が特定の時間続くと、CPU20は、定着器11付近で、定着ロール18と加圧ロール19との間に用紙が到達しない用紙詰まり(ON Jam)が発生したと判断し、そのような用紙詰まりの検出をする。
【0125】
次に、定着器温度センサ13が測定する定着器11の温度変化に基づき、定着器11付近での用紙詰まり(定着ロール18と加圧ロール19との間から用紙が抜けない用紙詰まり)が検出される処理について図8を参照して説明を行う。
【0126】
図9は定着器温度センサ13が測定する定着ロール18の温度変化に基づき、定着ロール18と加圧ロール19との間から用紙が抜けない用紙詰まり(OFF Jam)が検出される処理を示す模式図であり、図9(a)は定着ロール18と加圧ロール19との間に用紙が密接していることを示すタイミングチャートとそのタイミングチャートに対応した用紙詰まりが発生しない通常の状態での定着ロール18の温度変化を示すグラフであり、図9(b)は定着ロール18と加圧ロールとの間から用紙が抜けないタイプの用紙詰まり(OFF Jam)の一例を示す模式図であり、図9(c)は図9(b)に示すタイプの用紙詰まりが発生した場合に測定される定着ロールの温度変化を示すグラフである。
【0127】
用紙詰まりが発生しない状態だと、用紙の到達、通過に伴う定着ロール18の温度変化は、図9(a)に示すように、定着器11への用紙到達に伴って定着ロール18の温度が設定温度付近から下がり始め、定着器11から用紙が通過した後に定着ロール18の温度が設定温度付近に向けて上昇し始める現象が測定される。
【0128】
しかし、図9(b)に示すような定着ロール18と加圧ロール19との間から用紙が抜けない用紙詰まり(OFF Jam)が発生すると、用紙が定着ロール18と加圧ロール19との間に密着した状態が維持されてしまう。
【0129】
それで、定着ロール18の温度を設定された温度付近へ上昇させようとして定着ロール18を過熱する図示しない過熱源から供給される熱が、定着ロール18に密着した用紙へ移動して、定着ロール18の温度が上昇しない(図9に示す参照番号901)。
【0130】
それで、設定温度付近から一旦温度が下がった後に、用紙通過予想時刻(定着ロール18と加圧ロール19との間から用紙が通過する予想時刻)が過ぎて、図9(a)を参照して説明した設定温度付近に向けての温度上昇が特定の時間の間測定されない状態が続くと、CPU20は、定着器11付近で、定着ロール18と加圧ロール19との間から用紙が抜けない用紙詰まり(OFF Jam)が発生したと判断し、そのような用紙詰まりを検出する。
【0131】
次に、図8、図9を参照して説明した定着ロール18の温度測定に基づく用紙詰まりの検出処理を図10のフローチャートを参照して説明を行う。
【0132】
図10は、定着ロール18の温度測定に基づく用紙詰まりの検出処理を示すフローチャートであり、図10(a)は定着ロール18の温度測定に基づく定着ロール18と加圧ロール19との間に用紙が到達しない用紙詰まりが検出される処理を示すフローチャートであり、図10(b)は定着ロール18の温度測定に基づく定着ロール18と加圧ロール19との間から用紙が抜けない用紙詰まりが検出される処理を示すフローチャートである。
【0133】
画像形成装置1では、用紙通過センサ12が故障しても、定着ロール18の温度測定に基づき、定着器11付近の用紙詰まりが検出されるので、印刷の継続が可能である。
【0134】
図10(a)に示すように、用紙通過センサ12が故障した後、給紙装置2での用紙の給紙が開始されると(ステップ1001)、定着器温度センサ13による定着ロール18の温度測定が行われる(ステップ1002)。
【0135】
その後、給紙された用紙の先端が定着ロール18と加圧ロール19との間に到達すると予想される時間に基づく所定の時間帯(到達予想時間帯)に、定着器温度センサ13で測定される定着ロール18の温度変化(設定温度付近からの温度下降)が測定されなかったら(ステップ1003でNO)、定着ロール18と加圧ロール19との間に用紙が到達しない状態の用紙詰まり(ON Jam)が発生したことをCPU20が検出する(ステップ1004)。
【0136】
CPU20は、ステップ1004で用紙詰まりを検出すると、用紙の搬送と定着ロール18への加熱を停止させ、操作/表示部14に用紙詰まりの発生を表示させる。
【0137】
また、用紙通過センサ12が故障した後、給紙された用紙の先端が定着ロール18と加圧ロール19との間に到達すると予想される時間に基づく所定の時間帯(到達予想時間帯)に、定着器温度センサ13で測定される定着ロール18の温度変化(設定温度付近からの温度下降)が測定されると(ステップ1003でYES)、定着ロール18と加圧ロール19との間に用紙が到達したことになり、用紙詰まり(ON Jam)の検出処理は終了する。
【0138】
また、定着ロール18と加圧ロール19との間に用紙が密接する状態の用紙詰まり(OFF Jam)の検出については、図10(b)に示すように、用紙通過センサ12が故障した後、定着ロール18の温度が設定値付近からの下降により用紙の先端が定着ロール18と加圧ロール19の間に到達したと判断されると、その後、用紙が定着ロール18と加圧ロール19との間から抜ける予想時間に基づく所定の時間帯(通過予想時間帯)に、定着器温度センサ13で測定される定着ロール18の温度変化(設定温度付近への温度上昇)が測定されなかったら(ステップ1101でNO)、定着ロール18と加圧ロール19との間から用紙が抜けない状態の用紙詰まり(OFF Jam)が発生したことをCPU20が検出する(ステップ1102)。
【0139】
CPU20は、ステップ1102で用紙詰まりを検出すると、用紙の搬送と定着ロール18への加熱を停止させ、操作/表示部14に用紙詰まりの発生を表示させる。
【0140】
また、用紙が定着ロール18と加圧ロール19との間から抜ける予想時間に基づく所定の時間帯(通過予想時間帯)に、定着器温度センサ13で測定される定着ロール18の温度変化(設定温度付近への温度上昇)が測定されると(ステップ1101でYES)、定着ロール18と加圧ロール19との間から用紙が抜けたことになり、用紙詰まり(OFF Jam)の検出処理は終了する。
【0141】
このように、画像形成装置1では、用紙通過センサ12が故障しても、定着ロール18の温度変化の測定に基づき、用紙詰まりの検出が行われる。
【0142】
尚、定着器11付近で検出される用紙詰まりについて説明した定着ロール18と加圧ロール19との間に用紙が密着している場合とそうでない場合というのは、加圧ベルトが使用される装置では各々定着ロールとその加圧ベルトとの間に用紙が密着している場合とそうでない場合とし、その他の装置では各々定着ロール18に用紙が密着している場合とそうでない場合とする。
【0143】
尚、定着ロール18と加圧ロール19との間に用紙が到達しない用紙詰まりというのを定着器11に用紙が到達しない用紙詰まりとし、定着ロール18と加圧ロール19との間から用紙が抜けない用紙詰まりというのは定着器11から用紙が抜けない用紙詰まりとしてもよい。
【0144】
尚、露光装置3Yの露光開始制御において、給紙された用紙の先端が転写ロール7Yと感光体5Yとの間に到達する時刻は、前回の用紙搬送の用紙が給紙装置2で給紙開始されてからその用紙の先端が転写ロール7Yと感光体5Yとの間に到達するまでの時間に基づいて算出されるように説明したが、前回以前の用紙搬送の用紙が給紙装置2で給紙開始されてからその用紙の先端が転写ロール7Yと感光体5Yとの間に到達するまでの時間に基づいて算出されてもよい。
【0145】
尚、転写ロール7付近の用紙詰まりは黄色用の転写ロール7Y、感光体5Y、転写ロール抵抗測定器9Yについて説明したが、他の色用の転写ロール7、感光体5、転写ロール抵抗測定器9においても同様の機能、構成を有して同様の用紙詰まり検出が行われて良い。
【0146】
尚、用紙通過センサ12は、用紙搬送経路上の定着装置11の通過後に位置しているが、用紙搬送経路上の定着装置11の到達前に位置するように構成されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0147】
この発明は、画像形成装置および画像形成プログラムにおいて利用可能である。
【0148】
また、上記実施の形態の機能を実現するためのソフトウェアのプログラムが記録されている記憶媒体を供給し、通信装置などで記憶媒体に格納されたプログラムを読み出し実行することによっても、上記実施の形態と同様の効果を奏する。 プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えば、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、及びSDカード(Secure Digital memory card)などや、プログラムを供給するサーバなどであっても良い。
【符号の説明】
【0149】
1 画像形成装置
2 給紙装置
5(5Y、5M、5C、5K) 感光体
7(7Y、7M、7C、7K) 転写ロール
8 レジセンサ
9(9Y、9M、9C、9K) 転写ロール抵抗計測器
11 定着器
12 用紙通過センサ
13 定着器温度センサ
18 定着ロール
20 CPU
26 時刻部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体に形成されたトナー像を搬送された用紙に転写する転写ロールと、
前記転写ロールに導通する電流に基づく転写ロール抵抗を測定する転写ロール抵抗測定手段と、
搬送された前記用紙に転写された前記トナー像を定着させる定着装置と、
前記定着装置の温度を測定する定着装置温度測定手段と、
搬送経路上の用紙の存在を検知する用紙センサにより前記用紙の搬送異常を検出する第1の搬送異常検出手段と、
前記第1の搬送異常検出手段が故障した場合に、前記転写ロール抵抗測定手段で測定される転写ロール抵抗の変化或いは前記定着装置温度測定手段で測定される前記定着装置の温度変化に基づいて前記用紙の搬送異常を検出する第2の搬送異常検出手段と
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記第2の搬送異常検出手段は、
前記用紙が前記転写ロールに到達する予想時間帯において前記転写ロール抵抗が上昇しない場合に前記用紙が前記転写ロールに到達しない前記搬送異常を検出する
請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第2の搬送異常検出手段は、
前記用紙が前記転写ロールから通過する予想時間帯において前記転写ロール抵抗が下降しない場合に前記用紙が前記転写ロールから抜けない前記搬送異常を検出する
請求項1または2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2の搬送異常検出手段は、
前記用紙が前記定着装置に到達する予想時間帯において前記定着装置温度測定手段で測定される前記定着装置の温度が下降しない場合に前記用紙が前記定着装置に到達しない前記搬送異常を検出する
請求項1乃至3のいずれか記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第2の搬送異常検出手段は、
前記用紙が前記定着装置から通過する予想時間帯において前記定着装置温度測定手段で測定される前記定着装置の温度が上昇しない場合に前記用紙が前記定着装置から抜けない前記搬送異常を検出する
請求項1乃至4のいずれか記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記用紙センサによる前記用紙の先端の到着の確認に基づき露光装置による前記感光体への露光制御を行う第1の露光制御手段と、
前記第1の搬送異常検出手段が故障した場合、前記転写ロール抵抗測定手段で測定される前記転写ロール抵抗の変化に基づき前記露光装置による前記感光体への露光制御を行う第2の露光制御手段と
を更に備える請求項1乃至5のいずれか記載の画像形成装置。
【請求項7】
コンピュータを、
感光体に形成されたトナー像を搬送された用紙に転写する転写ロールに導通する電流に基づく転写ロール抵抗を測定する転写ロール抵抗測定手段と、
搬送された前記用紙に転写された前記トナー像を定着させる定着装置の温度を測定する定着装置温度測定手段と、
搬送経路上の用紙の存在を検知することで前記用紙の搬送異常を検出する第1の搬送異常検出手段と、
前記第1の搬送異常検出手段が故障した場合に、前記転写ロール抵抗測定手段で測定される転写ロール抵抗の変化或いは前記定着装置温度測定手段で測定される前記定着装置の温度変化に基づいて前記用紙の搬送異常を検出する第2の搬送異常検出手段と
して機能させるための画像形成プログラム。
【請求項1】
感光体に形成されたトナー像を搬送された用紙に転写する転写ロールと、
前記転写ロールに導通する電流に基づく転写ロール抵抗を測定する転写ロール抵抗測定手段と、
搬送された前記用紙に転写された前記トナー像を定着させる定着装置と、
前記定着装置の温度を測定する定着装置温度測定手段と、
搬送経路上の用紙の存在を検知する用紙センサにより前記用紙の搬送異常を検出する第1の搬送異常検出手段と、
前記第1の搬送異常検出手段が故障した場合に、前記転写ロール抵抗測定手段で測定される転写ロール抵抗の変化或いは前記定着装置温度測定手段で測定される前記定着装置の温度変化に基づいて前記用紙の搬送異常を検出する第2の搬送異常検出手段と
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記第2の搬送異常検出手段は、
前記用紙が前記転写ロールに到達する予想時間帯において前記転写ロール抵抗が上昇しない場合に前記用紙が前記転写ロールに到達しない前記搬送異常を検出する
請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第2の搬送異常検出手段は、
前記用紙が前記転写ロールから通過する予想時間帯において前記転写ロール抵抗が下降しない場合に前記用紙が前記転写ロールから抜けない前記搬送異常を検出する
請求項1または2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2の搬送異常検出手段は、
前記用紙が前記定着装置に到達する予想時間帯において前記定着装置温度測定手段で測定される前記定着装置の温度が下降しない場合に前記用紙が前記定着装置に到達しない前記搬送異常を検出する
請求項1乃至3のいずれか記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第2の搬送異常検出手段は、
前記用紙が前記定着装置から通過する予想時間帯において前記定着装置温度測定手段で測定される前記定着装置の温度が上昇しない場合に前記用紙が前記定着装置から抜けない前記搬送異常を検出する
請求項1乃至4のいずれか記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記用紙センサによる前記用紙の先端の到着の確認に基づき露光装置による前記感光体への露光制御を行う第1の露光制御手段と、
前記第1の搬送異常検出手段が故障した場合、前記転写ロール抵抗測定手段で測定される前記転写ロール抵抗の変化に基づき前記露光装置による前記感光体への露光制御を行う第2の露光制御手段と
を更に備える請求項1乃至5のいずれか記載の画像形成装置。
【請求項7】
コンピュータを、
感光体に形成されたトナー像を搬送された用紙に転写する転写ロールに導通する電流に基づく転写ロール抵抗を測定する転写ロール抵抗測定手段と、
搬送された前記用紙に転写された前記トナー像を定着させる定着装置の温度を測定する定着装置温度測定手段と、
搬送経路上の用紙の存在を検知することで前記用紙の搬送異常を検出する第1の搬送異常検出手段と、
前記第1の搬送異常検出手段が故障した場合に、前記転写ロール抵抗測定手段で測定される転写ロール抵抗の変化或いは前記定着装置温度測定手段で測定される前記定着装置の温度変化に基づいて前記用紙の搬送異常を検出する第2の搬送異常検出手段と
して機能させるための画像形成プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2011−186058(P2011−186058A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−49352(P2010−49352)
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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