説明

画像形成装置および画像形成制御プログラム

【課題】
処理環境に左右されることなく判読性に優れた符号情報部を画像形成することを可能とした画像形成装置および画像形成制御プログラムを提供する。
【解決手段】
モード情報判定部108でバーコード出力モードであると判定され、バーコード検索部104でバーコードが検索されると、バーコードリーダの光源波長に対するバーコードの印刷面からの反射光とバーコードの反射光によりバーコードであると認識できる色材により印刷出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置および画像形成制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
バーコードに代表されるコード情報はその特徴から所定の情報を識別することが必要であるため、正確にコード情報を読み取ることができる状態で印刷されていることが不可欠となっている。
【0003】
特許文献1に開示された技術では、印字ヘッドを構成する複数の発熱素子によって一度に形成される印字領域に含まれる情報が、文字のみであるのか、バーコードのみであるのか、それとも文字とバーコードの混在であるのかのパターンにより、印加するエネルギー量を調整することで安定した印字品質を得ることを可能にしている。
【特許文献1】特許3242256号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、処理環境に左右されることなく判読性に優れた符号情報部を画像形成することを可能とした画像形成装置および画像形成制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、符号情報部を印刷する色材として黒が指定された印刷データを受け付ける印刷データ受付手段と、黒の色材が使用可能状態かを判別する判別手段と、前記判別手段により黒の色材が使用可能状態にないと判別された場合は、前記印刷データ受付手段で受け付けた印刷データの前記符号情報部に対する黒の色材の指定を前記符号情報が符号情報読取装置で読取可能な他の色材の指定に変えた印刷データを生成する印刷データ生成手段と、前記印刷データ変更手段により変更された印刷データにより画像形成を行う画像形成手段とを具備する。
【0006】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記印刷データ生成手段は、前記符号情報部に対する黒の色材の指定をシアン色材の指定に変えた印刷データを生成する。
【0007】
また、請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記印刷データ生成手段は、前記符号情報部に対する黒の色材の指定をシアン色材を含む複数の色材の指定に変えた印刷データを生成する。
【0008】
また、請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記印刷データ生成手段は、前記符号情報部に対する黒の色材の指定をシアン色材を他の色材で挟んで重ね合せるようにした複数の色材の指定に変えた印刷データを生成する。
【0009】
また、請求項5の発明は、符号情報部を印刷する色材として黒が指定された印刷データを受け付ける印刷データ受付手段と、前記印刷データ受付手段により受け付けた印刷データが前記符号部以外に黒の色材の指定を含むかを判別する判別手段と、前記判別手段により前記符号部以外に黒の色材の指定を含むと判別された場合は、前記印刷データ受付手段で受け付けた印刷データの中の前記符号情報部に対する黒の色材の指定を前記符号情報が符号情報読取装置で読取可能な他の色材の指定に選択的に変えた印刷データを生成する印刷データ生成手段と、前記印刷データ変更手段により変更された印刷データにより画像形成を行う画像形成手段とを具備する。
【0010】
また、請求項6の発明は、請求項5の発明において、前記印刷データ生成手段は、前記符号情報部に対する黒の色材の指定をシアン色材の指定に選択的に変えた印刷データを生成する。
【0011】
また、請求項7の発明は、請求項5の発明において、前記印刷データ生成手段は、前記符号情報部に対する黒の色材の指定をシアン色材を含む複数の色材の指定に選択的に変えた印刷データを生成する。
【0012】
また、請求項8の発明は、請求項5の発明において、前記印刷データ生成手段は、前記符号情報部に対する黒の色材の指定をシアン色材を他の色材で挟んで重ね合せるようにした複数の色材の指定に選択的に変えた印刷データを生成する。
【0013】
また、請求項9の発明は、コンピュータを、符号情報部を印刷する色材として黒が指定された印刷データを受け付ける印刷データ受付手段、黒の色材が使用可能状態かを判別する判別手段、前記判別手段により黒の色材が使用可能状態にないと判別された場合は、前記印刷データ受付手段で受け付けた印刷データの前記符号情報部に対する黒の色材の指定を前記符号情報が符号情報読取装置で読取可能な他の色材の指定に変えた印刷データを生成する印刷データ生成手段、前記印刷データ変更手段により変更された印刷データにより画像形成の制御を行う画像形成制御手段として機能させる。
【0014】
また、請求項10の発明は、コンピュータを、符号情報部を印刷する色材として黒が指定された印刷データを受け付ける印刷データ受付手段、前記印刷データ受付手段により受け付けた印刷データが前記符号部以外に黒の色材の指定を含むかを判別する判別手段、前記判別手段により前記符号部以外に黒の色材の指定を含むと判別された場合は、前記印刷データ受付手段で受け付けた印刷データの中の前記符号情報部に対する黒の色材の指定を前記符号情報が符号情報読取装置で読取可能な他の色材の指定に選択的に変えた印刷データを生成する印刷データ生成手段、前記印刷データ変更手段により変更された印刷データにより画像形成を行う画像形成制御手段として機能させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の請求項1によれば、処理環境に左右されることなく判読性に優れた符号情報部を画像形成することが可能になるという効果を奏する。
【0016】
また、請求項2によれば、黒色の色材に類似する反射率を有するシアン色を用いて符号情報部の印刷出力が可能になり、判読性に優れるという効果を奏する。
【0017】
また、請求項3によれば、黒色の色材に類似する反射率を有するシアン色を含む色材、例えばプロセスブラックによって符号情報部の印刷出力が可能となって判読性に優れるとともに、黒色の色材と同程度の黒色の視認性を確保することが可能になるという効果を奏する。
【0018】
また、請求項4によれば、黒色の色材に類似する反射率を有するシアン色を含む色材、例えばプロセスブラックを用いた印刷出力においてもシアン色を含む色材で印刷出力することができ、符号情報部の認識することが可能になるという効果を奏する。
【0019】
また、請求項5によれば、処理環境に左右されることなく判読性に優れた符号情報部を画像形成することが可能になるという効果を奏する。
【0020】
また、請求項6によれば、黒色の色材に類似する反射率を有するシアン色を用いて符号情報部の印刷出力が可能になり、判読性に優れるという効果を奏する。
【0021】
また、請求項7によれば、黒色の色材に類似する反射率を有するシアン色を含む色材、例えばプロセスブラックによって符号情報部の印刷出力が可能となって判読性に優れるとともに、黒色の色材と同程度の黒色の視認性を確保することが可能になるという効果を奏する。
【0022】
また、請求項8によれば、黒色の色材に類似する反射率を有するシアン色を含む色材、例えばプロセスブラックを用いた印刷出力においてもシアン色を含む色材で印刷出力することができ、符号情報部の認識することが可能になるという効果を奏する。
【0023】
また、請求項9によれば、処理環境に左右されることなく判読性に優れた符号情報部を画像形成することが可能になるという効果を奏する。
【0024】
また、請求項10によれば、処理環境に左右されることなく判読性に優れた符号情報部を画像形成することが可能になるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明に係わる画像形成装置の一実施例を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0026】
本発明の画像形成装置は、例えば電子写真式のプリンタにより構成され、印刷要求された印刷データを複数の色材を用いて印刷媒体上に印刷する処理を行う。このプリンタは多色印刷に対応し、C(Cyan:シアン(藍))、M(Magenta:マゼンタ(紅))、Y(Yellow:イエロー(黄))、K(blocK:ブラック(黒))の各色材を印刷媒体上に転写する転写機構を搭載している。
【0027】
これらの色材以外の色材は、各色材を所定の割合で混合することにより生成する。例えば、シアンとイエローを1対1の割合で混合させることにより「緑色」の色材が生成され、また全ての色材を混ぜ合わせることによりグレー色や黒色の色材が生成される。このように混合させて生成した色材は、プロセスカラーと呼ばれ、特にプロセスカラーにより生成した黒色をプロセスブラックと呼ぶ。
【0028】
プロセスカラーによる印刷出力は、ブラック以外の色材であるシアン、マゼンタ、イエロー(これらを総称して「CMY色」という)を混合させた重畳印刷によって行われる。
【実施例1】
【0029】
図1は、本発明の実施の形態における画像形成装置および画像形成制御プログラムを適用して構成した画像形成装置の構成を示す図の一例である。
【0030】
本実施例1では、黒色の色材が利用できない状態、例えば残量不足や故障中にある状態で、バーコードや2次元バーコードその他の符号情報部を黒色の色材以外の色材(シアン色、マゼンタ色、イエロー色)を用いて描画する。以下では、符号情報部の一例であるバーコードを例に説明する。
【0031】
バーコードは、図5(a)に示すように複数の罫線が連続して形成されるコード情報であってその罫線の太さが異なるものがある。
【0032】
図1において、印刷要求元であるクライアントPC200にインストールされたアプリケーションにより作成された印刷対象データを、同じくインストールされたプリンタドライバに送信する。このアプリケーションにより作成された印刷対象データはR(Red:レッド(赤))、G(Green:グリーン(緑))、B(Blue:ブルー(青))の配色により構成されている。
【0033】
プリンタドライバでは、その印刷対象データを元にプリンタ100で処理が可能なPDL(Page Description Language)形式の印刷データを生成し、指定されたプリンタ100にその印刷データを送信する。
【0034】
このプリンタドライバにより生成される印刷データは、印刷データである画像情報のほかモード情報が含まれている。このモード情報は、その印刷データにバーコードが付与されているか否かを示す情報である。
【0035】
図1では、モード情報および画像情報からなる印刷データを点線で示している。
【0036】
プリンタ100は、主制御部101、PDL解析部102、ビットマップ変換部103、バーコード検索部104、バーコード色置換部105、色変換部106、階調補正部107、モード情報判定部108、色変換データ/階調補正テーブル選択部109、色変換データ/階調補正テーブル保存部110、ビデオ信号生成部111、ハーフトーン処理部112、パルス幅制御部113、出力部114、イメージ生成部115、画像形成部116、エンジン制御部117、モード情報比較部118、プロセスパラメータ設定部119を具備して構成され、クライアントPC200から送信された印刷データを通信インターフェース(図示せず)を介して主制御部101で受信する。
【0037】
この主制御部101は、コントローラとも呼ばれ、印刷要求に基づいた印刷出力を可能とする印刷制御を行う。この主制御部101で受信した印刷対象データのうち、画像情報をPDL解析部102で受信し、モード情報をモード情報判定部108で受信する。
【0038】
モード情報判定部108では、モード情報により印刷データにバーコードが含まれていることを示すバーコード出力モードであるか否かを判定する。そして、バーコード出力モードであるか否かの判定結果を色変換データ/階調補正テーブル選択部109へ通知する。色変換データ/階調補正テーブル選択部109では、バーコード出力モードであるとの判定結果を受信することで色変換データ/階調補正テーブル保存部110で保存するバーコードの印刷出力に用いる色変換データおよび階調補正テーブルを選択する。
【0039】
それに対して、PDL解析部102は、PDL形式の印刷データを解析する処理を行う。このPDL解析部102は、ビットマップ変換部103、バーコード検索部104、バーコード色置換部105を具備し、ビットマップ変換部103では、PDL形式の印刷データをラスタライズ処理することによりビットマップ形式に変換する。
【0040】
ビットマップ変換部103によりビットマップ形式に変換された印刷データをバーコード検索部104と色変換処理部106へ送信する。バーコード検索部104では、ビットマップ形式の印刷データからバーコードの検索を行い、バーコードが検索された場合には印刷データにバーコードが含まれている旨を示す情報およびそのバーコードが印刷データのどの位置にあるかを示す位置情報をバーコード色置換部105へと送信する。バーコードが検索されない場合にもバーコードが検索できない旨をバーコード色置換部105へと通知する。
【0041】
この位置情報により、印刷データに1又は複数のバーコードを含む場合における各バーコードそれぞれに対して処理を行うことが可能となる。
【0042】
位置情報を受信したバーコード色置換部105では、その位置情報に示す位置にあるバーコードを描画する色の置換処理を行う。バーコードを描画する色をシアン色若しくはCMY色を混合させたプロセスブラックに置換する。特に、バーコードが黒色系で視認される必要がある場合にはバーコードを描画する色をシアン色ではなくプロセスブラックに置換する。
【0043】
図4は、一般的な色材であるトナーインキの吸収スペクトルを示す図であって、横軸に波長[nm]を示し、縦軸に反射率[%]を示している。
【0044】
また、バーコードの読み取りを行うバーコードリーダは、一般的に赤色波長域の光源波長620nm〜680nmを読み取りを行っている。図4に示す光源波長620nm〜680nmの各トナーの吸収スペクトルが示す反射率として、イエロー(Y)色とマゼンタ(M)色については「70%〜95%程度」の高い反射率であるのに対してシアン(C)色とブラック(K)色については「5%程度」の低い反射率であることが示されている。
【0045】
すなわち、反射率の高いイエロー(Y)色やマゼンタ(M)色によってバーコードを反射率の高い白色の印刷媒体(印刷用紙)に印刷した場合、バーコードリーダは高い確率でそのバーコードを認識することができない(バーコードを読み取ることができない)。
【0046】
それに対して、反射率の低いシアン(C)色やブラック(K)色によってバーコードを、反射率の高い白色の印刷媒体(印刷用紙)に印刷した場合、バーコードリーダは反射率の差により高い確率でそのバーコードを認識することができる。
【0047】
図1に示すプリンタでは、ブラック(K)色の色材を利用することができないことからバーコード色置換部105がシアン(C)色若しくはプロセスブラックへと印刷する色を置換する。このバーコード色置換部105で置換されるプロセスブラックは、反射率の高いイエロー(Y)色とマゼンタ(M)色に反射率の低いシアン(C)色を混合させて生成される色材である。
【0048】
なお、バーコード検索部104よりバーコードが検索されない旨が通知されると、バーコード色置換部105は、その旨を色変換処理部106へと転送する。
【0049】
バーコード色置換部105でバーコードを印刷する色がシアン色若しくはプロセスブラックに置換されると、バーコード色置換部105は、置換後の色情報を色変換処理部106へと通知する。
【0050】
色変換処理部106では、PDL解析部102のビットマップ変換部103より受信したビットマップ形式の印刷データおよびバーコード色置換部105より通知された色情報を受信することにより、色変換データ/階調補正テーブル選択部109により選択された色変換データを用いて色変換の処理を行う。
【0051】
この色変換処理部106で行われる色変換処理は、印刷データに含まれるバーコードを色情報に基づく色(シアン色若しくはプロセスブラック)に色変換するとともに、バーコード以外の他の部分をアプリケーションで指定したR(Red:レッド(赤))、G(Green:グリーン(緑))、B(Blue:ブルー(青))の色(以下、「RGB色」という)からCMY色へと色変換する。
【0052】
ちなみにバーコード色置換部105よりバーコードが検索されない旨が通知されると、色変換処理部106では印刷データ全体をその印刷データのRGB色からCMYへと色変換する処理を行う。
【0053】
色変換処理を行った色変換処理部106では、CMY色への変換処理が行われた印刷データを階調補正処理部107へと送信し、階調補正処理部107では、色変換データ/階調補正テーブル選択部109で選択された階調補正テーブルを用いて階調補正を行う。
【0054】
この階調補正において、図6(a)に示すようにシアン色のガンマ特性が乱れ、色のバランスが悪化した場合には同図6(a)に示すガンマ補正曲線からなるガンマ補正テーブルを用いてガンマ補正を行う。これによって、同図6(a)に示す理想となるガンマ特性を得ることが可能となる。また、プロセスブラックについても図6(b)、図6(c)、図6(d)に示すようなガンマ補正を行うことで最適な階調性を得ることが可能となる。
【0055】
このようにして階調補正が行われると、階調補正処理部107は、ビデオ信号生成部111へとその印刷データを送信する。ビデオ信号生成部111は、印刷用紙等の印刷媒体に色材を印刷する印刷データのビデオ信号を生成する処理を行う。このビデオ信号生成部111は、ハーフトーン処理部112とパルス幅制御部113から構成され、まず、階調補正部107から送信された印刷データをハーフトーン処理部112で受信する。
【0056】
ハーフトーン処理部112では、階調補正された印刷データの中間色を表現するハーフトーン処理を行い、処理後の印刷データをパルス幅制御部113へと送信する。パルス幅制御部113では、色変換処理により変換されたCMY色を再現するために画素ごとのパルス幅を制御する。
【0057】
そして、ビデオ信号生成部111から出力部114へとその印刷データを送信する。出力部114は、印刷データを印刷用紙等の印刷媒体に印刷出力するエンジン部であって、イメージ生成部115、画像形成部116によって構成される。
【0058】
このイメージ生成部115、画像形成部116によって構成される出力部114では、エンジン制御部117からのパラメータ設定情報に基づいて処理を行う。エンジン制御部117は、モード情報比較部118、プロセスパラメータ設定部119によって構成され、モード情報比較部118は、印刷要求された印刷データのモード情報がバーコード出力モードであるかを比較し、バーコード出力モードである場合にプロセスパラメータ設定部119にその旨を通知する。
【0059】
プロセスパラメータ設定部119では、バーコードを印刷出力する際の色材の重ね合わせ順を指定したパラメータ設定情報を出力部114のイメージ生成部115、画像形成部116へ送信する。
【0060】
出力部114のイメージ生成部115では、ビデオ信号生成部111から送信された印刷データおよびプロセスパラメータ設定部119から受信したパラメータ設定情報に基づいてイメージ画像を生成する。
【0061】
そして、画像形成部116では、イメージ生成部115で生成されたイメージ画像に基づいて印刷データの画像形成(印刷出力)を行う。
【0062】
この画像形成部116で行うパラメータ設定情報に基づくイメージ画像の画像形成処理でバーコードをプロセスブラックを用いる印刷処理について説明する。
【0063】
バーコードの印刷出力を行う色変換後の色がプロセスブラックである場合には、プロセスブラックを構成するシアン色のみを細らせるような処理を行う。
【0064】
この処理として、例えば、印刷データを1ピクセル程度、細らせる処理やプロセスブラックに用いるCMY各色の使用量(露光光量)を低減させる処理のほか、各色の色材が持つ電荷と逆の電荷をかけるバイアス条件を変更する処理がある。
【0065】
また、CMYの三色からなるプロセスブラックを、図7に示すように反射率の低いシアン(C)色をマゼンタ(M)色とイエロー(Y)色で挟み込んで生成する。すなわち、三層構造の中間層としてシアン色を重ね合わせる。
【0066】
図7は、CMYの三色からなるプロセスブラックによる色の混合処理を示す図であって、特に、プリンタが4サイクル式のプリンタである場合に有効である。図7(a)、図7(b)は、感光体ドラムに乗っている色材を中間転写ベルト上で順々に重ね合わせることによってプロセスブラックを作成する例を示している。
【0067】
マゼンタ(M)色の次にシアン(C)色、その次にイエロー(Y)色を重ね合わせる若しくはイエロー(Y)色の次にシアン(C)色、その次にマゼンタ(M)色を重ね合わせてプロセスブラックを生成する処理を行う。
【0068】
図7(b)に示すようにCMY色全てを重ね合わせた場合に最上位に重ね合わせたマゼンタ色若しくはイエロー色の色材の散りが発生しても、中間層にある反射率の低いシアン(C)色についてはその影響が最小限に抑制される。
【0069】
続いて、図7(c)、図7(d)は、図7(b)に示すようなCMYの三色を重ね合わせた中間転写ベルトをさらに回転させて印刷用紙上に転写した図である。図7(c)に示すようにシアン色を中間層として重ね合わせて生成したプロセスブラックが図7(d)に示すように印刷用紙に転写される際、最上位にあるイエロー色若しくはマゼンタ色の色材の転写不良が発生した場合でも中間層のシアン色についてはその影響が最小限に抑制される。
【0070】
このようにしてバーコードをプロセスブラック若しくはシアン色によって印刷すると、そのバーコードは、図5(d)に示すような反射率となる。
【0071】
図5(a)は、上記で用いたようにバーコードの一例を示す図であって、この図5に示すバーコードの一部を拡大した図が図5(b)である。また、この図5(b)に示す拡大したバーコード部分に対する反射率を示す図が図5(c)、図5(d)、図5(e)である。
【0072】
図5(c)は、理想的な反射率のプロファイルを示す図であって、図5(d)は、プロセスブラック若しくはシアン色を用いて印刷したバーコードの反射率のプロファイルを示す図であり、図5(e)は、イエロー色、マゼンタ色若しくはイエロー色とマゼンタ色を混合させた色材を用いて印刷したバーコードの反射率のプロファイルを示す図である。
【0073】
図5(c)に示す理想的な反射率のプロファイルでは、バーコードの大きさに基づく波形となっている。また、図5(d)に示すプロセスブラック若しくはシアン色を用いて印刷したバーコードの反射率のプロファイルでは、バーコード部分の反射率とバーコード以外のその他の部分の反射率と差が大きくなっていることから、バーコードを認識することができる。
【0074】
それに対して、図5(e)に示すイエロー色、マゼンタ色の単色の色材若しくはイエロー色とマゼンタ色を混合させた色材を用いて印刷したバーコードの反射率のプロファイルでは、図5(d)に示す図に比べてバーコード部分の反射率とバーコード以外の他の部分の反射率との差が極端に小さくなり、バーコードを認識することができない。
【0075】
図2は、本発明の実施の形態における画像形成装置に印刷要求を行うクライアントPCで行われる処理の流れを示す図である。
【0076】
図2において、クライアントPCにインストールされた所定のアプリケーションによって作成された印刷対象データの印刷出力を操作すると処理が開始され、その印刷対象データを元にPDL形式の印刷データを生成する(201)。
【0077】
続いて、印刷出力の操作によってユーザがバーコード出力モードを選択したかを判断する(202)。バーコード出力モードを選択した場合(202でYES)には、PDL形式の印刷データのモード情報をバーコード出力モードに設定する(203)。なお、バーコード出力モードを選択しない場合(202でNO)には、モード情報として何も設定しない。
【0078】
そして、この印刷データをプリンタに送信する(204)。
【0079】
図3は、本発明の実施の形態における画像形成装置の処理の流れを示すフローチャートを示す図である。
【0080】
図3において、クライアントPCから印刷データを受信すると処理が開始され、受信した印刷データのモード情報としてバーコード出力モードが設定されているかを判断する(301)。設定されている場合(301でYES)には、印刷出力時の印刷出力におけるプロセス条件をバーコード印刷用に設定する(309)とともに、その印刷データをラスタライズ処理することによりビットマップ画像を生成する(302)。さらに、バーコードを印刷する色を設定した色変換データを選択する(310)。
【0081】
続いて、ラスタライズ処理によって生成したビットマップ画像を用いてバーコードを示すバーコード画像を検索する(303)。バーコード画像が検索されると、そのバーコード画像のバーコードを印刷する色をシアン色若しくはプロセスブラックへと置換して設定する(304)。
【0082】
そして、選択された色変換データを用いてRGB色からなるビットマップ画像の印刷データをCMY色へと色変換処理を行う(305)。色変換処理が行われると、階調補正を行う(306)。
【0083】
さらに、そのビットマップ画像の印刷データに対してハーフトーン処理(307)、パルス幅制御処理(308)を行う。
【0084】
これらの処理が行われたビットマップ画像の印刷データをバーコード印刷用に設定されたプロセス条件に基づいて印刷出力する画像形成処理を行う(314)。
【実施例2】
【0085】
図8は、本発明の実施の形態における画像形成装置および画像形成制御プログラムを適用して構成した画像形成装置の構成を示す図の一例である。
【0086】
本実施例2では、バーコードをそのバーコード以外の他の印刷データの印刷に用いる色材と異なる色材により印刷する。
【0087】
図8において、印刷要求元であるクライアントPC200にインストールされたアプリケーションにより作成された印刷対象データを、同じくインストールされたプリンタドライバに送信する。このアプリケーションにより作成された印刷対象データはR(Red:レッド(赤))、G(Green:グリーン(緑))、B(Blue:ブルー(青))の配色により構成されている。
【0088】
プリンタドライバでは、その印刷対象データからプリンタ100で処理が可能なPDL(Page Description Language)形式の印刷データを生成し、指定されたプリンタ100にその印刷データを送信する。
【0089】
このプリンタドライバにより生成される印刷データは、印刷データである画像情報のほかモード情報が含まれている。
【0090】
このモード情報には、その印刷データにバーコードが付与されているか否かを示す情報のほか、その情報によりバーコードが付与された印刷データである場合に当該バーコードよりもその印刷データを構成する文字を優先して印刷出力する「文字優先モード」であるか、そのバーコードよりもその印刷データを構成する写真を優先して印刷出力する「写真優先モード」であるかの情報を更に含む。
【0091】
文字優先モードとは、バーコードを印刷する色材よりもそのバーコード以外の他の文字情報を印刷する際に用いる色材を優先し、バーコードの印刷出力にはバーコード以外の他の文字情報の印刷出力に用いる色材以外の色材を用いて印刷出力を行う。
【0092】
また、写真優先モードとは、バーコードを印刷する色材よりもそのバーコード以外の他の写真情報を印刷する際に用いる色材を優先し、バーコードの印刷出力にはバーコード以外の他の文字情報の印刷出力に用いる色材以外の色材を用いて印刷出力を行う。
【0093】
プリンタ100は、主制御部101、PDL解析部102、ビットマップ変換部103、バーコード検索部104、バーコード色置換部105、色変換部106、階調補正部107、モード情報判定部108、色変換データ/階調補正テーブル選択部109、色変換データ/階調補正テーブル保存部110、ビデオ信号生成部111、ハーフトーン処理部112、パルス幅制御部113、出力部114、イメージ生成部115、画像形成部116、エンジン制御部117、モード情報比較部118、プロセスパラメータ設定部119、文字オブジェクト検索部801、黒オブジェクト色置換部802を具備して構成され、クライアントPC200から送信された印刷データを通信インターフェース(図示せず)を介して主制御部101で受信する。
【0094】
この主制御部101は、コントローラとも呼ばれ、クライアントPC200からの印刷要求に基づいた印刷出力を可能とする印刷制御を行う。この主制御部101で受信した印刷データの画像情報をPDL解析部102で受信し、モード情報をモード情報判定部108で受信する。
【0095】
モード情報判定部108では、モード情報により印刷データにバーコードが含まれていることを示すバーコード出力モードであるか否かを判定するとともに、バーコード出力モードである場合には、更に文字優先モード若しくは写真優先モードが指定されているかを判定する。
【0096】
そして、これらの判定結果を色変換データ/階調補正テーブル選択部109へ通知する。色変換データ/階調補正テーブル選択部109では、バーコード出力モードであって文字優先モード若しくは写真優先モードが指定されているとの判定結果を受信することで色変換データ/階調補正テーブル保存部110で保存するバーコードの印刷出力に用いる色変換データおよび階調補正テーブルを選択する。
【0097】
それに対して、PDL解析部102は、PDL形式の印刷データを解析する処理を行う。このPDL解析部102は、ビットマップ変換部103、バーコード検索部104、バーコード色置換部105、文字オブジェクト検索部801、黒オブジェクト色置換部802を具備し、ビットマップ変換部103では、PDL形式の印刷データをラスタライズ処理することによりビットマップ形式に変換する。
【0098】
ビットマップ変換部103によりビットマップ形式に変換された印刷データをバーコード検索部104、文字オブジェクト検索部801、色変換処理部106へ送信する。文字オブジェクト検索部801へは、文字優先モードが指定されている場合に送信し、色変換処理部106へは、写真優先モードが指定されている場合に送信する。
【0099】
まず、バーコード検索部104では、ビットマップ形式の印刷データからバーコードの検索を行い、バーコードが検索された場合には印刷データにバーコードが含まれている旨を示す情報およびそのバーコードが印刷データのどの位置にあるかを示す位置情報をバーコード色置換部105へと送信する。バーコードが検索されない場合にもバーコードが検索できない旨をバーコード色置換部105へと通知する。
【0100】
この位置情報により、印刷データに1又は複数のバーコードを含む場合における各バーコードそれぞれに対して処理を行うことが可能となる。
【0101】
位置情報を受信したバーコード色置換部105では、その位置情報に示す位置にあるバーコードを描画する色の置換処理を行う。
【0102】
この色の置換処理は、まず、モード情報として「文字優先モード」が指定されている場合、文字の印刷出力に用いる色材とは異なる色材を選択する。例えば、文字が黒色の色材で印刷することが指定されている場合には、バーコードを印刷する色材として、シアン色もしくはシアン色を含む色材を重ね合わせたプロセスブラック色を選択する。
【0103】
それに対して、モード情報として「写真優先モード」が指定されている場合には、バーコードを印刷する色材として単色の黒色を選択する。
【0104】
なお、バーコード検索部104よりバーコードが検索されない旨が通知されたバーコード色置換部105では、その旨を色変換処理部106へと転送する。
【0105】
バーコード色置換部105でバーコードを印刷する色材が決定して置換されると、バーコード色置換部105は、置換後の色情報を色変換処理部106へと通知する。
【0106】
次に、文字オブジェクト検索部801では、文字優先モードが指定されている場合に印刷データを受信し、その印刷データから文字オブジェクトを検索する。この検索処理では、印刷データを構成する画像情報をオブジェクトごとに分解することで文字オブジェクトを検索する。検索処理が行われると、続いて、文字オブジェクト色置換部802では、その文字オブジェクトを印刷する色の置換を行う。通常、単色の黒色が選択される。
【0107】
もちろん、この文字オブジェクト色置換部802がバーコード色置換部105と連動し、双方で異なる色が選択されるように処理を行うような構成であってもよい。
【0108】
そして、文字オブジェクト色置換部802で置換された置換後の色情報を色変換処理部106へと送信する。
【0109】
この色変換処理部106は、ビットマップ変換部103より印刷データを受信する。文字優先モードが指定されている場合には、文字オブジェクト色置換部802より文字オブジェクトを印刷する色情報を受信し、バーコード色置換部105よりバーコードを印刷する色情報を受信する。
【0110】
色変換処理部106は、受信した色情報に基づいて、色変換データ/階調補正テーブル選択部109で選択されたバーコードの印刷出力に用いる色変換データおよび階調補正テーブルを用いて印刷データのRGB色をCMY色へと変換する色変換処理を行う。
【0111】
文字優先モードが指定されており、文字を印刷する色情報が単色の黒色であってバーコードを印刷する色情報がプロセスブラックである場合、CMY色を用いてプロセスブラックを生成する。また、写真優先モードが指定されており、写真を印刷する色情報がフルカラーであってバーコードを印刷する色情報が単色の黒色である場合、CMY色を用いたフルカラーの配色を行う。
【0112】
このようにして色変換処理が行われた印刷データを階調補正部107へ送信し、階調補正部107で上記実施例1で示すような階調補正を行う。
【0113】
階調補正が行われると、階調補正処理部107は、ビデオ信号生成部111へとその印刷データを送信する。ビデオ信号生成部111は、印刷用紙等の印刷媒体に色材を印刷する印刷データのビデオ信号を生成する処理を行う。このビデオ信号生成部111は、ハーフトーン処理部112とパルス幅制御部113から構成され、まず、階調補正部107から送信された印刷データをハーフトーン処理部112で受信する。
【0114】
ハーフトーン処理部112では、階調補正された印刷データの中間色を表現するハーフトーン処理を行い、処理後の印刷データをパルス幅制御部113へと送信する。パルス幅制御部113では、色変換処理により変換されたCMY色を再現するために画素ごとのパルス幅を制御する。
【0115】
そして、ビデオ信号生成部111から出力部114へとその印刷データを送信する。出力部114は、印刷データを印刷用紙等の印刷媒体に印刷出力するエンジン部であって、イメージ生成部115、画像形成部116によって構成される。
【0116】
このイメージ生成部115、画像形成部116によって構成される出力部114では、エンジン制御部117からのパラメータ設定情報に基づいて処理を行う。エンジン制御部117は、モード情報比較部118、プロセスパラメータ設定部119によって構成され、モード情報比較部118は、印刷要求された印刷データのモード情報がバーコード出力モードであるかを比較し、バーコード出力モードである場合にプロセスパラメータ設定部119にその旨を通知する。
【0117】
プロセスパラメータ設定部119では、バーコードを印刷出力する際の色材の重ね合わせ順を指定したパラメータ設定情報を出力部114のイメージ生成部115、画像形成部116へ送信する。
【0118】
出力部114のイメージ生成部115では、ビデオ信号生成部111から送信された印刷データおよびプロセスパラメータ設定部119から受信したパラメータ設定情報に基づいてイメージ画像を生成する。
【0119】
そして、画像形成部116では、イメージ生成部115で生成されたイメージ画像に基づいて印刷データの画像形成(印刷出力)を行う。
【0120】
図9は、本発明の実施の形態における画像形成装置に印刷要求を行うクライアントPCで行われる処理の流れを示す図である。
【0121】
図9において、クライアントPCにインストールされた所定のアプリケーションによって作成された印刷対象データの印刷操作を行うと処理が開始され、その印刷対象データを元にPDL形式の印刷データを生成する(901)。
【0122】
そして、印刷出力の操作によってユーザがバーコード出力モードを選択したかを判断する(902)。バーコード出力モードを選択した場合(902でYES)には、続いて、文字優先モード若しくは写真優先モードのいずれかが指定されているかを判断し(903)、文字優先モード若しくは写真優先モードが指定されている場合(903でYES)には、そのPDL形式の印刷データのモード情報として、バーコード出力モードと、文字優先モード若しくは写真優先モードのいずれか一方の優先モードとを設定する。
【0123】
そして、印刷データにこれらのモード情報が設定されると、このモード情報を含む印刷データをプリンタ(画像形成装置)に送信する(905)。
【0124】
それに対して、バーコード出力モードが選択されていない場合(902でNO)や、バーコード出力モードが設定されたが文字優先モード若しくは写真優先モードのいずれも設定されていない場合(903でNO)には、生成したPDL形式の印刷データをプリンタに送信する(905)。
【0125】
図10は、本発明の実施の形態における画像形成装置の処理の流れを示すフローチャートを示す図である。
【0126】
図10において、クライアントPCから印刷データを受信すると処理が開始され、受信した印刷データのモード情報としてバーコード出力モードが設定されているかを判断する(1001)。設定されていない場合(1001でNO)には、図3に示すB地点へと移行する。
【0127】
また、バーコード出力モードが設定されている場合(1001でYES)には、続いて、そのモード情報にさらに文字優先モード若しくは写真優先モードのいずれかが設定されているかを判断する(1002)。いずれの優先モードも指定されていない場合(1002でNO)には、図3に示すA地点へと移行する。
【0128】
文字優先モード若しくは写真優先モードのいずれかが設定されている場合(1002でYES)には、印刷出力時の印刷出力におけるプロセス条件をバーコード印刷用に設定する(1011)とともに、その印刷データをラスタライズ処理することによりビットマップ画像を生成する(1003)。
【0129】
さらに、バーコードを印刷する色を設定した色変換データを選択する(1012)。
【0130】
続いて、ラスタライズ処理によって生成したビットマップ画像を用いて、文字優先モードである場合には文字オブジェクトを、写真優先モードである場合にはイメージ(写真)オブジェクトを検索する(1004)。続いて、ラスタライズ処理したビットマップ画像からバーコードを検索する(1005)。
【0131】
バーコードが検索されると、各優先モードで指定された文字および写真とは異なる色材をそのバーコードの色材に置換する(1006)。例えば、文字優先モードで文字が単色の黒色により印刷することが指定されている場合にはバーコードをシアン色、マゼンタ色、イエロー色、プロセスブラックのいずれかに置換する。また、写真優先モードでイメージ(写真)がフルカラーにより印刷することが指定されている場合にはバーコードの色を単色の黒色に置換する。
【0132】
そして、置換後の色をCMY色へ変換し(1007)、階調補正を行う(1008)。この階調補正では、上記のようにガンマ補正を行うことで最適な階調性を得ることが可能となる。
【0133】
さらに、そのビットマップ画像の印刷データに対してハーフトーン処理(1009)、パルス幅制御処理(1010)を行う。これらの処理が行われたビットマップ画像の印刷データをバーコード印刷用に設定されたプロセス条件に基づいて印刷出力する画像形成処理を行う(1013)。
【0134】
なお、本発明は、通信機能を備えた画像制御システムで上述の動作を実行させ、あるいは上述の手段を構成させるためのプログラムを格納した記録媒体(CD−ROM、DVD−ROM等)から該プログラムをコンピュータにインストールし、これを実行させることにより、上述の処理を実行する画像制御システムを構成することも可能である。画像制御システムを構成するコンピュータは、システムバスを介してCPU(Central Processor Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクが接続されている。CPUは、ROMまたはハードディスクに記憶されているプログラムに従い、RAMを作業領域にして処理を行う。
【0135】
また、プログラムを供給するための媒体は、通信媒体(通信回線、通信システムのように一時的または流動的にプログラムを保持する媒体)でもよい。例えば、通信ネットワークの電子掲示板(BBS:Bulletin Board Service)に該プログラムを掲示し、これを通信回線を介して配信するようにしてもよい。
【0136】
本発明は、上記し、且つ図面に示す実施例に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0137】
【図1】本発明の実施の形態における画像形成装置および画像形成制御プログラムを適用して構成した画像形成装置の構成を示す図の一例
【図2】本発明の実施の形態における画像形成装置に印刷要求を行うクライアントPCで行われる処理の流れを示す図
【図3】本発明の実施の形態における画像形成装置の処理の流れを示すフローチャートを示す図
【図4】各色材の反射率を示す図。
【図5】色材を用いてバーコードを印刷出力した際の反射率を示す図。
【図6】階調特性を示す図。
【図7】色材の重ね合わせによる印刷出力を示す図。
【図8】本発明の実施の形態における画像形成装置および画像形成制御プログラムを適用して構成した画像形成装置の構成を示す図の一例
【図9】本発明の実施の形態における画像形成装置に印刷要求を行うクライアントPCで行われる処理の流れを示す図
【図10】本発明の実施の形態における画像形成装置の処理の流れを示すフローチャートを示す図
【符号の説明】
【0138】
10 クライアントPC
100 プリンタ(画像形成装置)
101 主制御部
102 PDL解析部
103 ビットマップ変換部
104 バーコード検索部
105 バーコード色置換部
106 色変換部
107 階調補正部
108 モード情報判定部
109 色変換データ/階調補正テーブル管理部
110 ビデオ信号生成部
111 ハーフトーン処理部
112 パルス幅制御部
113 出力部、
114 イメージ生成部
115 画像形成部
116 エンジン制御部
117 モード情報比較部
118 プロセスパラメータ設定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
符号情報部を印刷する色材として黒が指定された印刷データを受け付ける印刷データ受付手段と、
黒の色材が使用可能状態かを判別する判別手段と、
前記判別手段により黒の色材が使用可能状態にないと判別された場合は、前記印刷データ受付手段で受け付けた印刷データの前記符号情報部に対する黒の色材の指定を前記符号情報が符号情報読取装置で読取可能な他の色材の指定に変えた印刷データを生成する印刷データ生成手段と、
前記印刷データ変更手段により変更された印刷データにより画像形成を行う画像形成手段と
を具備する画像形成装置。
【請求項2】
前記印刷データ生成手段は、
前記符号情報部に対する黒の色材の指定をシアン色材の指定に変えた印刷データを生成する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記印刷データ生成手段は、
前記符号情報部に対する黒の色材の指定をシアン色材を含む複数の色材の指定に変えた印刷データを生成する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記印刷データ生成手段は、
前記符号情報部に対する黒の色材の指定をシアン色材を他の色材で挟んで重ね合せるようにした複数の色材の指定に変えた印刷データを生成する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
符号情報部を印刷する色材として黒が指定された印刷データを受け付ける印刷データ受付手段と、
前記印刷データ受付手段により受け付けた印刷データが前記符号部以外に黒の色材の指定を含むかを判別する判別手段と、
前記判別手段により前記符号部以外に黒の色材の指定を含むと判別された場合は、前記印刷データ受付手段で受け付けた印刷データの中の前記符号情報部に対する黒の色材の指定を前記符号情報が符号情報読取装置で読取可能な他の色材の指定に選択的に変えた印刷データを生成する印刷データ生成手段と、
前記印刷データ変更手段により変更された印刷データにより画像形成を行う画像形成手段と
を具備する画像形成装置。
【請求項6】
前記印刷データ生成手段は、
前記符号情報部に対する黒の色材の指定をシアン色材の指定に選択的に変えた印刷データを生成する請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記印刷データ生成手段は、
前記符号情報部に対する黒の色材の指定をシアン色材を含む複数の色材の指定に選択的に変えた印刷データを生成する請求項5記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記印刷データ生成手段は、
前記符号情報部に対する黒の色材の指定をシアン色材を他の色材で挟んで重ね合せるようにした複数の色材の指定に選択的に変えた印刷データを生成する請求項5記載の画像形成装置。
【請求項9】
コンピュータを、
符号情報部を印刷する色材として黒が指定された印刷データを受け付ける印刷データ受付手段、
黒の色材が使用可能状態かを判別する判別手段、
前記判別手段により黒の色材が使用可能状態にないと判別された場合は、前記印刷データ受付手段で受け付けた印刷データの前記符号情報部に対する黒の色材の指定を前記符号情報が符号情報読取装置で読取可能な他の色材の指定に変えた印刷データを生成する印刷データ生成手段、
前記印刷データ変更手段により変更された印刷データにより画像形成の制御を行う画像形成制御手段
として機能させる画像形成制御プログラム。
【請求項10】
コンピュータを、
符号情報部を印刷する色材として黒が指定された印刷データを受け付ける印刷データ受付手段、
前記印刷データ受付手段により受け付けた印刷データが前記符号部以外に黒の色材の指定を含むかを判別する判別手段、
前記判別手段により前記符号部以外に黒の色材の指定を含むと判別された場合は、前記印刷データ受付手段で受け付けた印刷データの中の前記符号情報部に対する黒の色材の指定を前記符号情報が符号情報読取装置で読取可能な他の色材の指定に選択的に変えた印刷データを生成する印刷データ生成手段、
前記印刷データ変更手段により変更された印刷データにより画像形成を行う画像形成制御手段
として機能させる画像形成制御プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2010−76193(P2010−76193A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−245856(P2008−245856)
【出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】