説明

画像形成装置および画像形成方法、並びに板ガラスの製造方法

【課題】 地かぶりを防止し、高品質を保つことができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 トナー121およびキャリヤ122の2成分からなる現像剤を用いる画像形成装置1であって、磁気潜像が形成される磁気ドラム103と、磁気ドラム103の磁気潜像上に現像剤を付着させる現像剤供給装置104と、磁気ドラム103の磁気潜像上に付着された現像剤に含まれるトナー121が、電気力により転写される感光体3と、が備えられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置および画像形成方法、並びに板ガラスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
トナーを用いた画像形成装置の代表例として、電子写真印刷装置が挙げられる。
電子写真印刷装置においては、レーザやLED(Light Emitting Diode)等を光源に用いて、感光体を帯電させることにより潜像を形成し、感光体の帯電極性と同極性に帯電したトナーを付着させる。
トナーを感光体に付着させる方法として、2成分現像方式が知られている。2成分現像方式は,多極磁石で構成される現像ロール上で磁力により磁性粒子であるキャリヤ(粒径40〜120μm)の磁気ブラシを形成し,このブラシで感光体表面を擦ることでキャリヤ表面に付着しているトナー(粒径6〜20μm)を感光体上に現像する方法である。これらは、キャリヤとトナーを一定の比率で混合した現像剤をマグネットローラ全面に付着させ、規制ブレードの隙間によって付着量を一定とし、感光体と現像ローラ間に形成された隙間に供給し感光体に擦りつける。
このとき、感光体には、画像データに応じた静電潜像が形成されており、現像ローラに印加された電圧との電位差により生じる静電気力を利用して、画像部ではキャリヤからトナーを引き剥がして感光体側に付着させ、非画線部では反発力で感光体にトナーが付着しないようにして、静電潜像応じたトナー像を感光体上に形成する。
他の電子写真印刷法の現像方式として、1成分現像方式や非接触型のジャンピング現像もある。
【0003】
トナーを用いた画像形成装置のもう一つの例として、磁気印刷装置が挙げられる。
磁気印刷装置においては、磁気ドラムに磁気ヘッドで磁気潜像を形成し、磁性トナーを磁気潜像に付着させる。磁性トナーを磁気ドラムに付着させる方法として、多極磁石で構成される現像ローラ上に磁性トナーの磁気ブラシを形成し,このブラシで磁気ドラム表面を擦ることで磁気ドラム面にトナーを付着現像させる方法がある。これは、磁性トナーを現像ローラ全面に付着させ、規制ブレードの隙間によって付着量を一定とし、磁気ドラムと現像ローラ間に形成された隙間に供給し磁気ドラムに擦りつける。
このとき、磁気ドラムには、画像データに応じた磁気潜像が形成されており、現像ローラと磁気ドラム潜像の磁力の差を利用して、画像部では現像ローラからトナーを引き剥がして磁気ドラム側に付着させ、非画線部では磁力の差により磁性トナーが現像ローラ側に残る。
【0004】
【特許文献1】特許第2517188号
【特許文献2】特公平3−30136号
【特許文献3】特開昭61−186977号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、2成分現像方式の電子写真印刷装置では、現像領域で、キャリヤが感光体にこすり付けられ、あるいはキャリヤ同士が擦れあうため、キャリヤ表面に静電気力で付着したトナーがキャリヤから脱落し、感光体の非画線部にもトナーが付着する、いわゆる「地かぶり」が発生する。
1成分現像方式や非接触型のジャンピング現像においても、感光体上の非画線部にトナーが接触供給されるため、同様に地かぶりが発生する。
感光体から最終の被印刷物までの画像トナー転写方式としては、静電気、圧力、熱などを利用して行われるが、画像部トナーの転写不良を防止するために、何れもお互いを密着させ空隙が生じない状態での転写が行われる。そのため、感光体に生じた地かぶりトナーは大部分が印刷物に転写される。
【0006】
また、磁気印刷装置でも、現像領域で、磁性トナーが磁気ドラム全面にこすり付けられるため、磁性トナーが非画線部の磁気ドラム面に付着する、いわゆる「地かぶり」が電子写真印刷と同様に発生する。
また、磁気ドラムから最終の被印刷物までの転写でも、電子写真方式と同様に、画像部トナーの転写不良を防止するために、お互いを密着させ空隙が生じない状態での転写が行われる。そのため、磁気ドラムに生じた地かぶりトナーは大部分が印刷物に転写される。
【0007】
通常の印刷物の場合、「地かぶり」があっても、視認されないレベルであれば許容されるが工業製品で導電性のパターンなどを形成する場合には、電気的なノイズや耐圧などの機能劣化の原因となる可能性が高いため、目に見えない場合でも地かぶりを無くす必要がある。
しかし、現状の電子写真方式および磁気印刷方式では上記理由により、地かぶりをゼロにするのは難しいという問題があった。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、地かぶりを防止し、高品質を保つことができる画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、トナーおよびキャリヤの2成分からなる現像剤を用いる画像形成装置であって、磁気潜像が形成される磁気ドラムと、該磁気ドラムの前記磁気潜像上に前記現像剤を付着させる現像剤供給装置と、前記磁気ドラムの前記磁気潜像上に付着された現像剤に含まれるトナーが、電気力により転写される転写体と、が備えられていることを特徴とする。
【0010】
請求項10に記載の発明は、トナーおよびキャリヤの2成分からなる現像剤を用いる画像形成装置による画像形成方法であって、磁気ドラムの表面に磁気潜像を記録し、該磁気潜像上に前記現像剤を付着させ、該磁気ドラム上の現像剤を転写体に接近させ、前記現像剤中のトナーを該磁気ドラムと該転写体との間に作用する電気力により転写させることを特徴とする。
【0011】
これら構成によれば、磁気ドラムに形成された磁気潜像に2成分現像剤のキャリヤが吸着されている。このキャリヤには、接触帯電によって帯電されたトナーが付着している。このトナーが磁気ドラムと転写体との間に作用する電気力によって転写体に転写される。
このように、形成された磁気潜像の部分にのみトナーが存在し、このトナーが転写体に転写されるので、画像とならない部分、すなわち非画線部にトナーが付着することを効果的に防止することができる。
したがって、印刷物の地かぶりを防止し、高い印刷品質を保つことができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において前記磁気ドラムは転写体に対して所定間隔だけ離間して対向していることを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の画像形成方法において、前記磁気ドラムは転写体に対して所定間隔だけ離間して対向させることを特徴とする。
【0013】
これら構成によれば、磁気ドラムと転写体との間には所定間隔の隙間が設けられている。磁気ドラムの磁気潜像が形成されていない部分、すなわち、非画線部に対応する部分は、磁気潜像に吸着されたキャリヤの先端に比べて、転写体の表面との間の距離が大きくなるので、磁気ドラムと転写体との間に作用する電気力がキャリヤの部分に比べて格段に小さくなる。
このため、磁気ドラムにおける現像時に、非画線部にキャリヤから落下したトナーが付着していたとしても、このトナーに作用する電気力が小さくなるので、このトナーが転写体に転写されるのを防止でき、地かぶりの発生を防止することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の画像形成装置において、前記転写体は、前記磁気ドラムの磁気潜像と略同じ形の静電潜像が形成される担持体であり、該担持体に形成された前記静電潜像の画線部に対して前記磁気ドラムに付着した現像剤からトナーが転写されることを特徴とする。
また、請求項12に記載の発明は、請求10または11に記載の画像形成方法において、前記転写体は、前記磁気ドラムの磁気潜像と略同じ形の静電潜像が形成される担持体であり、静電潜像の画線部に対して前記磁気ドラムに付着した現像剤からトナーを転写させることを特徴とする。
【0015】
これら構成によれば、担持体の静電潜像と磁気ドラムの磁気潜像とは略同じ形とされているので、磁気潜像に吸着されたキャリヤは静電潜像の画線部に対応した位置に位置することになる。
このため、トナーは静電潜像の画線部にのみ供給されることになるので、担持体の非画線部に対してトナーが付着することを効果的に防止することができる。
さらに、転写体の静電潜像の画線部と非画線部の境界では、画線部のトナーを非画線部側から画線部側に押し込む電界の作用力が働くため、転写後の画像のエッジ部でのトナーの飛び散りが抑制される。
したがって、印刷物の地かぶりを防止し、かつ高精細の印刷品質を得ることができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像形成装置において、前記磁気ドラムには、前記担持体の画線部の電位と、前記担持体の非画線部の電位との中間の電位が与えられることを特徴とする。
また、請求項13に記載の発明は、請求項11または12に記載の画像形成方法において、前記磁気ドラムに対し、前記担持体の画線部の電位と、該担持体の非画線部の電位との中間の電位を与えることを特徴とする。
【0017】
これら構成によれば、磁気ドラムと担持体の電位差により、画線部においてはトナーが担持体側に移動する。非画線部においては、例え一部の地かぶりトナーが担持体に接触したとしても電位差により担持体側から磁気ドラム側に移動し、非画線部から取り除かれる。このため、地かぶりを効果的に抑えることができる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれかに記載の画像形成装置において、前記磁気ドラム及び前記転写体は略円筒形状であって軸を略平行にして対向配置され、同じ周速度で回転されることを特徴とする。
【0019】
磁気ドラムと転写体とが同じ周速度で回転することで、磁気ドラムの磁気潜像に対応したトナー画像が転写体側に形成される。
【0020】
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置において、前記転写体には、該転写体に付着した前記キャリヤを除去するキャリヤ捕集装置が設けられていることを特徴とする。
【0021】
本発明により、磁気ドラムから転写体(例えば担持体)に付着したキャリヤを回収することができる。キャリヤ捕集装置は前記転写体に付着したキャリヤを引きつけるマグネットローラを備え、該マグネットローラの磁力を前記磁気ドラムよりも大きく設定することで磁気ドラムから離れたキャリヤを捕集することができる。さらに、マグネットローラに対して電圧を印加し、該電圧の極性を前記転写体上の画像トナーを反発する向きとすることにより、トナーを転写体側へ強く付着させることができる。
【0022】
上記発明においては、前記キャリヤ捕集装置は前記転写体に付着したキャリヤを引きつけるマグネットローラを備え、該マグネットローラの磁力は前記磁気ドラムよりも大きいことが好適である。
また、前記マグネットローラに対して電圧が印加されており、該電圧の極性は前記転写体上のトナーを反発する向きであることが好適である。
【0023】
請求項9に記載の発明は、請求項3から8のいずれかに記載の画像形成装置において、前記磁気ドラムおよび前記担持体の動作を前記磁気潜像と前記静電潜像とが一致するように制御する同期補正制御装置を備えていることを特徴とする。
【0024】
本発明により、磁気ドラムに形成された磁気潜像に対応した現像剤のパターンと、静電潜像担持体に形成された静電潜像のパターンの位置合わせができ、転写体上への高精度のトナー画像形成ができる。
【0025】
請求項14に記載の発明は、トナーおよびキャリヤの2成分からなる現像剤を用いる画像形成装置によって板ガラスにパターンを形成する板ガラスの製造方法であって、磁気ドラムの表面に磁気潜像を記録するステップと、前記磁気潜像上に前記現像剤を付着させるステップと、前記現像剤中のトナーを前記磁気ドラムと転写体との間に作用する電気力によって該転写体に転写させるステップと、前記転写体のトナーを前記板ガラスに転写させるステップと、を有することを特徴とする。
【0026】
本発明によれば、磁気ドラムに形成された磁気潜像に2成分現像剤のキャリヤが吸着されている。このキャリヤには、接触帯電によって帯電されたトナーが付着している。このトナーが磁気ドラムと転写体との間に作用する電気力によって転写体に転写される。
このように、形成された磁気潜像の部分にのみトナーが存在し、このトナーが転写体に転写されるので、画像とならない部分、すなわち非画線部にトナーが付着することを効果的に防止することができる。
したがって、非画線部にトナーが付着しない状態で転写体から板ガラスに転写されるので、地かぶりのない画像が形成された板ガラスを得ることができる。
このように、地かぶりのない画像が形成された板ガラスが得られるので、特に、導電性のパターンで電気回路を形成する場合、電気的なノイズや耐圧などの機能劣化が少ない高品質の製造物を得ることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、磁気ドラムに形成された磁気潜像に現像剤のキャリヤが吸着されているので、画像とならない部分、すなわち非画線部にトナーが付着することを効果的に防止することができる。
したがって、印刷物の地かぶりを防止し、電気的なノイズ等の機能劣化もなく、高い印刷品質を保つことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置及び該画像形成装置により実現される画像形成方法について図1から図4を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の概略構成を説明する図である。
画像形成装置1は、図1に示すように、トナーを選択的に吸着して像を形成するOPC(Organic Photoconductor)感光体(担持体、転写体)3と、トナーとキャリヤからなる現像剤の内、トナーをOPC感光体3に供給する磁気ドラム103と、OPC感光体3上に吸着されたトナーをガラス板Gに転写する中間体7と、から概略構成されている。
【0029】
なお、本実施形態における画像形成装置1は、ガラス板Gの上に所定形状の金属配線を形成するものに適用して説明する。
本実施形態において用いられるトナーは、銀の粉とガラスの粉を樹脂に練り込み、細かく粉砕したものである。樹脂としてはスチレンやスチレンアクリルなどを例示でき、粉砕後の大きさとしては直径が10μmから20μm程度のものを例示できる。また、トナーには帯電付与剤が混ぜられていることが望ましい。ガラスの粉は、トナーをガラス板Gに固定する接着剤の働きを示すものである。
キャリヤは、フェライトや鉄などの強磁性体をコア材とし、表面を樹脂でコーティングした磁性材料を用いる。本実施形態で用いる2成分現像剤にはトナーがキャリヤに対して略20wt%混合され、トナーとキャリヤとは静電気力により結合している。
【0030】
OPC感光体3は略円柱状に形成され、その中心軸線回りに回転駆動されるように配置されている。OPC感光体3の周囲には、中間体7に対する対向領域から回転方向に向かって、クリーニング装置9と、除電装置11と、帯電装置13と、露光装置15と、磁気ドラム103とが配置されている。
【0031】
帯電装置13は、スコロトロン(scorotron)などのコロナ放電器から構成されている。帯電装置13は、OPC感光体3における円周面の全面に負の静電気を帯電させ、OPC感光体3が所定の負の電位、例えば略−1000Vを帯びるように構成されている。
【0032】
露光装置15は、OPC感光体3の中心軸線方向に配列されたLEDから構成され、LED(Light Emitting Diode)から出射された光がOPC感光体3の円周面に照射されるように配置されている。LEDは、画像信号に基づいて、光の出射が制御され、所定の像を描くように構成されている。
OPC感光体3における光が照射された領域では、負の帯電が抜けることで、電位の違いによる像が形成される。
【0033】
クリーニング装置9は、OPC感光体3の円周面上に付着した転写残りトナーを除去するファーブラシ17とブレード19とから概略構成されている。ファーブラシ17は、毛ブラシであり毛により転写残りトナーを掻き落とすように構成されている。ブレード19は板状に形成されたゴムなどの弾性体からなり、転写残りトナーを擦り落とすように配置されている。
【0034】
除電装置11は、OPC感光体3の中心軸線方向に配列されたLEDから構成され、LEDから出射された光がOPC感光体3における円周面の全面に照射されるように配置されている。
円周面の全面に光が照射されることにより、トナーの転写後もOPC感光体3に残る電位の違いによる像を消去することができる。
【0035】
キャリヤ捕集装置101は感光面に付着したキャリヤを磁力により引きつける装置であり、マグネットローラ101aがOPC感光体3と非接触に配置され、マグネットローラ101aに引きつけられたキャリヤがクリーナブレード101bにより掻き落とされる。
なお、磁力によりキャリヤを回収するために、マグネットローラ101aの磁力を磁気ドラム103よりも大きくする。さらに、マグネットローラ101aに電圧を印加し、該電圧をOPC感光体3上のトナーを反発する向きの極性とする。これによりOPC感光体3上の画像トナーを劣化させないようにする。
【0036】
磁気ドラム103はOPC感光体3に対してトナーを供給する装置であり、OPC感光体3と略平行に配置され中心軸線回りに回転自在に支持されたドラム状の回転体である。
【0037】
中間体7は、OPC感光体(担持体)3と略平行に配置され、中心軸線回りに回転自在に支持されたドラム状の回転体である。中間体7には、OPC感光体3と対向する位置から回転方向に沿ってローラ23とキャリヤ捕集装置101とが設けられ、ローラ23と中間体7との間にトナーが転写されるガラス板Gが挟み込まれるようになっている。
【0038】
中間体7が備えるキャリヤ捕集装置101は、OPC感光体3に設けられているものと同じであり、同様に磁力によりキャリヤを回収するために、マグネットローラの磁力を磁気ドラム103の磁力よりも大きくする。さらに、マグネットローラに電圧を印加し、該電圧を中間体7上のトナーを反発する向きの極性とする。これにより中間体7上のトナーを劣化させないようにする。
【0039】
次に、磁気ドラム103によってOPC感光体3にトナーを供給するための構成について、詳細に説明する。
図1に示したように、磁気ドラム103周囲には、現像剤供給装置104と、磁気ヘッド105と、キャリヤクリーナ106と、消磁ヘッド107と、現像剤回収装置108とを備える。磁気ドラム103はOPC感光体3と隙間を設けて配置されている。磁気ドラム103はその中心軸線周りに回転可能に支持され、OPC感光体3と同じ回転速度で回転するように構成されている。さらに、磁気ドラム103はOPC感光体3との隙間を調整可能とすべく、OPC3感光体3側に進退自在に支持されている。OPC感光体3対向位置から磁気ドラム103の回転方向に沿って、前記のキャリヤクリーナ106、消磁ヘッド107,磁気ヘッド105、および、現像剤供給装置104が設けられている。
【0040】
磁気ドラム103表面には、磁気記録媒体が設けられている。磁気記録媒体としてはマグネトグラフィー等で用いられる既知の材料を利用可能であり、具体的にはγ−Fe・Co含有、γ−Fe、CrO、Co−Ni薄膜などを利用することができる。
磁気ヘッド105は前記磁気記録媒体に対して磁気潜像を形成するヘッドである。磁気ヘッド105は不図示のコア及びコイルを備え、コイルに流される電流の極性に応じた磁界を生じて磁気ドラム103上の記録媒体を磁化する。
【0041】
現像剤供給装置104は、筐体110と、現像ローラ111とを備える。現像ローラ111は磁気ドラム103の長手方向全体に対向する長さを有し、磁気ドラム103と略平行に配置された略円筒形状のマグネットローラである。筐体110中には2成分現像剤が収容されており、現像ローラ111がその中心軸線を中心として回転することにより、筐体110中の2成分現像剤が磁気ドラム103に付着して磁気ブラシ120が形成される。
【0042】
キャリヤクリーナ106は、磁気ドラム103表面に付着したキャリヤを取り除く装置である。クリーニング装置9と同様に、ファーブラシにより転写残りトナーを掻き落とし、ブレードにより擦り落とす。
消磁ヘッド107は磁気ドラム103表面の磁気記録媒体に記録された潜像を除去する装置であり、永久磁石あるいは磁気ヘッド105と同様の電磁石を利用することができる。
現像剤回収装置108はキャリヤクリーナ106によって回収されたキャリヤ及びトナーを現像剤供給装置104に戻す装置である。キャリヤに対するトナーの割合を調整することにより、トナー濃度の調整も行う。
【0043】
画像形成装置1には、図示しない制御装置が備えられている。制御装置は、例えば、OPC感光体3および磁気ドラム103の回転速度を制御する等、画像形成装置1の各部の動作を制御するものである。
この制御装置には、OPC感光体3および磁気ドラム103の接近部分において磁気潜像と静電潜像とが一致するように、例えば、OPC感光体3および磁気ドラム103の回転速度を同期させる同期制御装置が備えられている。また、OPC感光体3および磁気ドラム103の回転速度、露光装置15,115への画像信号等を制御する同期補正制御装置が備えられていることが好ましい。
【0044】
次に、上記の構成からなる電子写真印刷装置1における作用について説明する。
OPC感光体3の円周面は、帯電装置13により略−1000Vの電位が印加される。その後、略−1000Vとされた上記円周面に対して、露光装置15から出射された光が照射される。光を照射された円周面の領域においては、電位の一部が抜けて上記領域の電位が略−150Vに低下する。露光装置15は、画像信号に基づいて光の出射が制御され、所定の像をOPC感光体3上に描いている。そのため、OPC感光体3の円筒面上に電位差による静電潜像が形成される。
【0045】
磁気ドラム103はOPC感光体3と同じ速度で(同期して)回転しており、上記OPC感光体3に形成された静電潜像と同じパターンが、磁気ヘッド105によって磁気ドラム103表層の磁気記録媒体に記録(磁気潜像)される。
【0046】
次いで、現像剤供給装置104によりトナーとキャリヤが混合した2成分現像剤が磁気ドラム103表面に供給される。現像ローラ111に付着している現像剤のキャリヤが磁気潜像の磁力に捕捉され、磁気潜像上に付着して図2に示した磁気ブラシ120が形成される。この磁気ブラシ120はOPC感光体3の画線部に対応する領域(画線部)103Bにのみ形成され、非画線部に対応する領域(非画線部)103Aには形成されない。2成分現像剤に含まれるトナー121はキャリヤとの接触帯電によって帯電されるので、その静電気力によりキャリヤに付着する。
【0047】
磁気ドラム103にはOPC感光体3の画線部の電位−150Vよりも高く、非画線部の電位−1000Vよりも低い負極性電位(例えば−800V)が印加される。
このような電位差となっているため、負極性トナーに対しては図3に矢印で示されるように画線部3Bでは、磁気ドラム103から感光体3へ向かう電界の力が作用し、一方、非画線部3Aでは、感光体3から磁気ドラム103へ向かう電界の力が作用する。
磁気ドラム103の回転に従って磁気ブラシ120がOPC感光体3に接近し、図3に示したようにOPC感光体3上の対応する画線部3Bに接触すると、磁気ドラム103から感光体3へ向かう電界の作用力によりOPC感光体3の画線部3Bにトナー121(以下、画線部3Bに転写されたトナー121を画像部トナー121と表現することもある。)が付着する。
逆に、非画線部3Aにトナー121が付着しようとしても、電界の作用力によって磁気ドラム103側に引きつけられるので、OPC感光体3からは除去される。(電界の作用力によるトナー移動方向を図3に矢印で示した。)
【0048】
磁気ドラム103に現像ローラ111によって現像する際、非画線部103Aに、キャリヤから落下したトナーが付着し地かぶりトナーを形成する可能性がある。
この場合、磁気ドラム103とOPC感光体3との隙間幅を調整しておくことにより、磁気ドラム上の画線部に形成された現像剤(キャリヤ+トナー)の磁気ブラシ120とOPC感光体3は接触するが、磁気ドラム103上の非画線部103Aに付着した地かぶりトナーと感光体は接触しない状態にできる。
例えば、トナーの直径が20μm、キャリヤの直径が80μmとし、地かぶりトナーが最大で2層積み重なっているとするとその高さは40μmとなり、磁気ブラシ120はキャリヤが2〜6層積み重なっているとするとその高さは160〜480μmとなる。磁気ブラシ120は、地かぶりトナーに比べて4〜12倍の高さとなる。
したがって、磁気ドラム103とOPC感光体3との間隔を所定間隔、例えば、磁気ブラシ120の穂高さより小さく、地かぶりトナーの上面位置より大きい値に設定すると、地かぶりトナーがOPC感光体3に接触しなくなるので、地かぶりトナーがOPC感光体3へ転写するのを防止できる。
また、地かぶりトナーは、キャリヤに付着しているトナーに比べてOPC感光体3から大きく離れているので、形成される電界がより小さくなるので、一層転写され難くなる。
このように、非画線部の地かぶりトナーと感光体が物理的に接触しない状態をつくることで、感光体への地かぶりトナーの転写を確実に防止することができる。
また、磁気ブラシ120は画線部にのみ設けられているため、磁気ブラシ120がOPC感光体3の非画線部3Aに接触することがない。
【0049】
キャリヤおよび転写残りのトナーは、そのまま磁気ドラム103に付着し続け、磁気ドラム103の回転により搬送される。その後、これらはキャリヤクリーナ106により回収され、現像剤回収装置108を経て再び現像剤供給装置104に戻される。また、磁気ドラム103表層の磁気記録媒体は、消磁ヘッド107により記録された潜像が除去される。
【0050】
OPC感光体3には、トナーと共に僅かながらキャリヤが付着する可能性がある。この場合でも、キャリヤ捕集装置101により、キャリヤが除去される。このキャリヤは磁気ドラム103から静電気力に負けてOPC感光体3に付着したものである。したがってマグネットローラ101aの磁力を磁気ドラム103よりも大きく設定することにより、OPC感光体3に付着したキャリヤを引きつけることができる。
さらに、マグネットローラ101aに対して前記所定電圧が印加されていることで、負に帯電した画像トナー121はOPC感光体3側に押し付けられる。
【0051】
その後、OPC感光体3の静電潜像上に付着したトナーは、中間体7と対向する領域にOPC感光体3の回転により搬送される。この領域において、OPC感光体3に転写された負に帯電したトナーは中間体7の上に転写された後、ガラス板Gに転写される。
【0052】
トナーが転写された後のOPC感光体3は、クリーニング装置9により、転写せずに残ったトナーを除去する。具体的には、ファーブラシ17により転写残りトナーを掻き落とし、ブレード19により擦り落としている。その後、除電装置11によりOPC感光体3上に残る潜像が消される。
【0053】
ガラス板Gに転写されたトナーは後工程で加熱焼成され、接着剤として働くガラス粉によりガラス板Gに固定される。トナーには、導電性を有する銀の粉が含まれているため、例えば、所定パターンのトナーを転写することで、ガラス板G上に曇り取り用熱線などの配線を形成することができる。
【0054】
以上のように、本実施形態によれば、OPC感光体3の画線部にのみキャリヤとトナーを接触させ、OPC感光体3の非画線部3Aには地かぶりの原因となるトナーを接触させない。
また、たとえ一部のトナーが非画線部3Aに付着したとしても、磁気ドラム103と非画線部3Aの電位差により、トナーが磁気ドラム103側に引きつけられて非画線部3Aから除去される。
このように、本実施形態の電子写真印刷装置及び電子写真印刷方法によれば、地かぶりを防止して高い印刷品質を得ることができる。
【0055】
なお、図4に示したように、OPC感光体3の基材に対して電圧、例えば+800Vを印加し、磁気ドラム103を接地することにより所定の電位差を得るようにしてもよい。
これにより−1000Vの電位を持つ非画線部の電位は−200V、画線部の電位は650Vとなる。接地された磁気ドラム103の電位(0V)によって画線部3Bでは、磁気ドラム103から感光体3へ向かう電界の力が作用し、一方、非画線部3Aでは、感光体3から磁気ドラム103へ向かう電界の力が作用する。
また、現像効率やエッジのシャープネス向上のためACバイアス電流を印加してもよい。
【0056】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、上記第1実施形態のOPC感光体3を省略し、磁気ドラム103から転写体としての中間体7へ直接トナーを転写させる技術である。なお、上記第1実施形態と同様の構成については同一の符号を用い、その説明を省略する。
【0057】
図5の電子写真印刷装置1は、磁気ドラム103が中間体7と軸を略平行に延在させて近接配置されている。磁気ドラム103と中間体7との間には隙間が設けられており、その隙間幅を調節可能なように、磁気ドラム103は中間体7に対して軸を略平行としたまま進退自在に支持されている。磁気ドラム103周囲には、上記第1実施形態と同様に、現像剤供給装置104と、磁気ヘッド105と、キャリヤクリーナ106と、消磁ヘッド107と、現像剤回収装置108とを備える。
中間体7にはキャリヤ捕集装置101が設けられている。また、磁気ドラム103には中間体7よりも低い電位が印加される。
中間体7が接地(0V)されている場合には、磁気ドラム103は負(例えば−800V)の電位(図6参照)が与えられる。また、磁気ドラムが接地(0V)されている場合には、中間体7には正(例えば+800V)の電位(図6参照)が与えられる。
【0058】
本実施形態においては、上記の実施形態と同様に磁気ドラム103に対して磁気潜像が形成され、この磁気潜像の画線部にトナーを含むキャリヤによる磁気ブラシ120が付着される(図6参照)。
磁気ドラム103の回転に従って磁気ブラシ120が中間体7に接近し、図6に示したように中間体7に接触すると、磁気ドラム103と中間体7の電位差で発生する電界によって、中間体7にトナーのみが付着する。
すなわち、中間体7は磁気潜像の画線部103Bに対応する位置にトナーが転写されることになる。
【0059】
次いで、トナーが転写された中間体7から、中間体7に対して僅かに付着したキャリヤをキャリヤ捕集装置101により除去する。このキャリヤは磁気ドラム103から静電気力に負けて中間体7に付着したものである。したがってマグネットローラ101aの磁力を磁気ドラム103よりも大きく設定することにより、中間体7に付着したキャリヤを引きつけることができる。
さらに、マグネットローラ101aに対して前記所定電圧が印加されていることで、負に帯電した画像部トナー121は中間体7側に押し付けられる。
その後、中間体7の回転によって中間体7からガラス板Gに対してトナーが転写される。
【0060】
以上のように、本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様に地かぶりを防止することができると共に、OPC感光体を不要とすることができる。また、磁気ドラム103と中間体7との間に隙間が形成されており、磁気ドラム103の非画線部に付着している可能性のあるトナーは、中間体7に対して接触せず、転写されることが抑制される。
また、中間体7にトナーと一緒に転写されたキャリヤは、キャリヤ捕集装置101により回収することができる。
【0061】
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記の各実施形態においては、銀の粉を含むトナーをガラス板に転写する構成に適用して説明したが、この構成に限られることなく、その他各種の材料を含有するトナーを他の部材に転写する構成に適用することができるものである。また、第1実施形態においてトナーとしては磁性トナーでも非磁性トナーでも適用することができる。
【0062】
また、OPC感光体3上に潜像を形成する手段の代替としては、静電荷を保持可能な誘電体上にイオンフローヘッドなどによる静電荷パターンを形成してもよい。その場合の除電は交流コロナ、軟X線の照射により行う。
【0063】
また、上記実施形態では、担持体の静電潜像と磁気ドラムの磁気潜像とは略同じ形としたが、担持体の静電潜像より磁気ドラムの磁気潜像を大きく、或いは小さくしてもよい。磁気潜像に吸着されたキャリヤは静電潜像の画線部に対応した位置に位置することに変わりないが、担持体の静電潜像より磁気ドラムの磁気潜像を大きくした場合、略同じ形とした場合に比して、よりシャープな画像が得られる。また、担持体の静電潜像より磁気ドラムの磁気潜像を小さくした場合、略同じ形とした場合に比して、画像を崩すことなくトナーの飛散を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明第1実施形態にかかる画像形成装置の概略構成を説明する図である。
【図2】同画像形成装置が備える磁気ドラム上に形成された磁気ブラシを示した図である。
【図3】同磁気ブラシによりOPC感光体の画線部にトナーが付着される状態について示した図である。
【図4】OPC感光体と磁気ドラムの電位差の他の例について示した図である。
【図5】本発明の第2実施形態にかかる画像形成装置の概略構成を説明する図である。
【図6】同画像形成装置が備える磁気ドラム上に形成された磁気ブラシにより、中間体にトナーが付着される状態について示した図である。
【符号の説明】
【0065】
1 画像形成装置
3 OPC感光体
7 中間体
101 キャリヤ捕集装置
103 磁気ドラム
104 現像剤供給装置
105 磁気ヘッド
106 キャリヤクリーナ
107 消磁ヘッド
111 現像ローラ
120 磁気ブラシ
121 トナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーおよびキャリヤの2成分からなる現像剤を用いる画像形成装置であって、
磁気潜像が形成される磁気ドラムと、
該磁気ドラムの前記磁気潜像上に前記現像剤を付着させる現像剤供給装置と、
前記磁気ドラムの前記磁気潜像上に付着された現像剤に含まれるトナーが、電気力により転写される転写体と、が備えられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記磁気ドラムは前記転写体に対して所定間隔だけ離間して対向していることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記転写体は、前記磁気ドラムの磁気潜像と略同じ形の静電潜像が形成される担持体であり、該担持体に形成された前記静電潜像の画線部に対して前記磁気ドラムに付着した現像剤からトナーが転写されることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記磁気ドラムには、前記担持体の画線部の電位と、前記担持体の非画線部の電位との中間の電位が与えられることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記磁気ドラム及び前記転写体は略円筒形状であって軸を略平行にして対向配置され、同じ周速度で回転されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記転写体には、該転写体に付着した前記キャリヤを除去するキャリヤ捕集装置が設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記キャリヤ捕集装置は前記転写体に付着したキャリヤを引きつけるマグネットローラを備え、該マグネットローラの磁力は前記磁気ドラムよりも大きいことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記マグネットローラに対して電圧が印加されており、該電圧の極性は前記転写体上のトナーを反発する向きであることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記磁気ドラムおよび前記担持体の動作を前記磁気潜像と前記静電潜像とが一致するように制御する同期補正制御装置を備えていることを特徴とする請求項3から8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
トナーおよびキャリヤの2成分からなる現像剤を用いる画像形成装置による画像形成方法であって、
磁気ドラムの表面に磁気潜像を記録し、該磁気潜像上に前記現像剤を付着させ、該磁気ドラム上の現像剤を転写体に接近させ、前記現像剤中のトナーを該磁気ドラムと該転写体との間に作用する電気力により転写させることを特徴とする画像形成方法。
【請求項11】
前記磁気ドラムは転写体に対して所定間隔だけ離間して対向させることを特徴とする請求項10に記載の画像形成方法。
【請求項12】
前記転写体は、前記磁気ドラムの磁気潜像と略同じ形の静電潜像が形成される担持体であり、静電潜像の画線部に対して前記磁気ドラムに付着した現像剤からトナーを転写させることを特徴とする請求項10または11に記載の画像形成方法。
【請求項13】
前記磁気ドラムに対し、前記担持体の画線部の電位と、該担持体の非画線部の電位との中間の電位を与えることを特徴とする請求項12に記載の画像形成方法。
【請求項14】
トナーおよびキャリヤの2成分からなる現像剤を用いる画像形成装置によって板ガラスにパターンを形成する板ガラスの製造方法であって、
磁気ドラムの表面に磁気潜像を記録するステップと、
前記磁気潜像上に前記現像剤を付着させるステップと、
前記現像剤中のトナーを前記磁気ドラムと転写体との間に作用する電気力により該転写体に転写させるステップと、
前記転写体のトナーを前記板ガラスに転写させるステップと、を有することを特徴とする板ガラスの製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−212808(P2007−212808A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−33279(P2006−33279)
【出願日】平成18年2月10日(2006.2.10)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】