画像形成装置および画像形成方法
【課題】弱視者や低視力者などの不特定の利用者がコピー出力やプリント出力を行う場合でも、利用者が識別しやすい状態で広告などの付加情報を提供できるようにする。
【解決手段】画像形成装置1は、ユーザによる各種入力操作を受け付ける操作パネル4と、ユーザが低視力者である場合に、操作パネル4に対するユーザの入力操作を補助するための補助機能を有効にする操作補助部23と、印刷対象となる原稿画像を取得する原稿画像取得部41と、付加情報9を記憶する付加情報記憶部19aと、付加情報記憶部19aに記憶されている付加情報9を読み出し、印刷用の付加画像を生成する付加画像生成部43と、取得された原稿画像と共に、付加画像を印刷して出力するプリンタ部16とを備えており、付加画像生成部43は、補助機能が有効に設定されている場合、付加情報9を読み出して印刷用の付加画像を生成する際に低視力者向けの付加画像を生成する構成である。
【解決手段】画像形成装置1は、ユーザによる各種入力操作を受け付ける操作パネル4と、ユーザが低視力者である場合に、操作パネル4に対するユーザの入力操作を補助するための補助機能を有効にする操作補助部23と、印刷対象となる原稿画像を取得する原稿画像取得部41と、付加情報9を記憶する付加情報記憶部19aと、付加情報記憶部19aに記憶されている付加情報9を読み出し、印刷用の付加画像を生成する付加画像生成部43と、取得された原稿画像と共に、付加画像を印刷して出力するプリンタ部16とを備えており、付加画像生成部43は、補助機能が有効に設定されている場合、付加情報9を読み出して印刷用の付加画像を生成する際に低視力者向けの付加画像を生成する構成である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置および画像形成方法に関し、特に印刷対象となる原稿画像に基づいて印刷出力を行う際、原稿画像と共に広告などの付加情報を印刷して出力するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタル複合機やMFP(Multi Function Peripheral)などと呼ばれる画像形成装置において、商業目的でコンビニエンスストアや学校校内などの特定の場所に設置され、コピー機能やプリント機能が利用されることに伴って利用者に課金を行うものが提供されている。近年は、このような画像形成装置において、コピー出力やプリント出力を行う際、出力用紙の余白部分や裏面に対して広告などの付加情報を印刷することで利用者が負担すべき課金額の一部又は全部を広告主が負担するようにしたサービスが提供されつつある。このようなサービス提供形態に関し、従来は、利用者に対して効果的な広告情報を提供するための様々な手法が提案されている(例えば特許文献1,2,3)。
【0003】
例えば、特許文献1には、利用者が所持する原稿を読み取って得られた画像データに対して文字認識処理を行い、認識した文字列からキーワードを決定し、その決定したキーワードに基づいて適当な広告などの情報を選択する技術が開示されている。また、特許文献2には、画像形成装置の設置場所に応じた広告を提供するため、画像形成装置の設置位置に基づいてその設置位置に近い地域の広告情報を選択して提供する技術が開示されている。ところが、これらの従来技術は、原稿に含まれる文字列や、画像形成装置の設置場所に応じて広告内容を選択するものであり、利用者の視覚状態に合わせた広告出力を行うものではない。
【0004】
近年の画像形成装置は、利用者が操作する操作パネルに対し、各種メニューボタンなどを拡大して表示する拡大表示機能や、音声ガイダンス機能などの補助機能を搭載したものも出現しており、視覚健常者だけでなく、弱視者や低視力者などの視覚的なハンディキャップを負った利用者でも操作を行いやすいようになっている。このような画像形成装置において広告などの付加情報を印刷する場合、視覚健常者の場合と同様に、小さい文字や画像のままで広告などの付加情報を印刷してしまうと、弱視者や低視力者にとっては非常に読み難い状態で付加情報が提供されることになる。この場合、弱視者や低視力者などに、広告を見てもらえないケースが頻発し、広告主が期待する程の広告効果が上がらないという問題が発生する。
【0005】
一方、このような問題を解決するための手法のひとつとして、例えば特許文献3のように、予めユーザ毎に広告情報を印刷出力するか、或いは音声出力するかを設定しておき、ユーザがユーザIDなどを入力することによってユーザ認証を行い、ユーザを特定することができた場合にはそのユーザに対して予め設定された出力形態で広告情報を印刷したり、或いは音声出力したりするものも提案されている。
【0006】
しかしながら、この従来技術では、ユーザ毎に予め広告情報の出力形態を登録しておく必要があるため、画像形成装置に予め登録された特定のユーザに対しては有益な広告情報を提供可能であるが、コンビニエンスストアや学校校内などに設置されて不特定のユーザによって使用される形態の場合にはそのような不特定のユーザに有益な広告情報を提供することができないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−290706号公報
【特許文献2】特開2003−281012号公報
【特許文献3】特開2005−167620号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、弱視者や低視力者などの不特定のユーザがコピー出力やプリント出力を行う場合、従来の画像形成装置では、出力用紙の余白部分や裏面に印刷される広告などの付加情報が低視力者などにとって非常に読み難い状態で印刷されてしまい、利用者によって付加情報が有効に活用されないという問題がある。
【0009】
そこで本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであり、弱視者や低視力者などの不特定の利用者がコピー出力やプリント出力を行う場合でも、それらの利用者にとって読みやすい状態で広告などの付加情報を提供できるようにした画像形成装置および画像形成方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、画像形成装置であって、ユーザが各種操作を行うための操作案内画面を表示し、ユーザによる各種入力操作を受け付ける操作入力手段と、ユーザが低視力者である場合に、前記操作入力手段に対するユーザの入力操作を補助するための補助機能を有効にする操作補助手段と、印刷対象となる原稿画像を取得する原稿画像取得手段と、前記原稿画像取得手段によって取得される原稿画像と共に印刷するための付加情報を記憶する付加情報記憶手段と、前記付加情報記憶手段に記憶されている付加情報を読み出し、印刷用の付加画像を生成する付加画像生成手段と、前記原稿画像取得手段によって取得される原稿画像と共に、前記付加画像生成手段によって生成される付加画像を印刷して出力する印刷手段と、を備え、前記付加画像生成手段は、前記操作補助手段により前記補助機能が有効に設定されている場合、前記付加情報記憶手段に記憶されている付加情報を読み出して印刷用の付加画像を生成する際に低視力者向けの付加画像を生成することを特徴とする構成である。
【0011】
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記補助機能には、前記操作案内画面を拡大して表示する拡大表示機能、前記操作案内画面の配色を変更して表示する配色変更機能、および、前記操作案内画面についての音声ガイダンスを行う音声ガイダンス機能のうちの少なくとも1つの機能が含まれることを特徴とする構成である。
【0012】
請求項3にかかる発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記付加情報記憶手段に記憶される付加情報には、画像サイズの異なる複数種類の画像データが含まれており、前記付加画像生成手段は、前記操作補助手段により前記補助機能が有効に設定されている場合、付加画像を印刷するための印刷サイズよりも小さい画像サイズの画像データを選択して読み出し、当該画像データを前記印刷サイズに拡大することによって付加画像を生成することを特徴とする構成である。
【0013】
請求項4にかかる発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記付加情報記憶手段に記憶される付加情報には、所定の印刷サイズに対応した画像データが含まれており、前記付加画像生成手段は、前記操作補助手段により前記補助機能が有効に設定されており、且つ、原稿画像に基づいて前記所定の印刷サイズに対応する印刷出力が複数ページ行われる場合、前記所定の印刷サイズに対応した画像データを分割し、複数のページに拡大して印刷するための付加画像を生成することを特徴とする構成である。
【0014】
請求項5にかかる発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記付加情報記憶手段に記憶される付加情報には、所定文字サイズの文字を含む第1の画像データと、前記所定文字サイズよりも大きなサイズの文字を含む第2の画像データとが含まれており、前記付加画像生成手段は、前記操作補助手段により前記補助機能が有効に設定されている場合、前記第2の画像データを選択して読み出し、当該第2の画像データに基づいて付加画像を生成することを特徴とする構成である。
【0015】
請求項6にかかる発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記補助機能は、前記操作案内画面を所定倍率に拡大して表示する第1拡大表示機能と、前記操作案内画面を前記所定倍率よりも更に大きな倍率で拡大して表示する第2拡大表示機能と、を有し、前記付加情報記憶手段に記憶される付加情報には、所定文字サイズの文字を含む第1の画像データと、前記所定文字サイズよりも文字サイズの大きな文字を含む第2の画像データと、前記第2の画像データに含まれる文字よりも更に文字サイズの大きな文字を含む第3の画像データとが含まれており、前記付加画像生成手段は、前記操作補助手段により前記補助機能における前記第1拡大表示機能が有効に設定されている場合に前記第2の画像データ又は前記第3の画像データを読み出して付加画像を生成し、前記操作補助手段により前記補助機能における前記第2拡大表示機能が有効に設定されている場合に前記第3の画像データを読み出して付加画像を生成することを特徴とする構成である。
【0016】
請求項7にかかる発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記補助機能は、前記操作案内画面の配色を変更して表示する配色変更機能を有し、前記付加情報記憶手段に記憶される付加情報には、前記配色変更機能によって変更される配色状態に対応する画像データが含まれており、前記付加画像生成手段は、前記操作補助手段により前記配色変更機能が有効に設定されている場合、前記画像データを読み出し、前記操作案内画面で表示される配色状態に対応した付加画像を生成することを特徴とする構成である。
【0017】
請求項8にかかる発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記補助機能は、前記操作案内画面の配色を反転させて表示する配色変更機能を有し、前記付加情報記憶手段に記憶される付加情報には、画像データが含まれており、前記付加画像生成手段は、前記操作補助手段により前記配色変更機能が有効に設定されている場合、前記画像データの色を反転させる画像処理を行うことにより付加画像を生成することを特徴とする構成である。
【0018】
請求項9にかかる発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記付加情報記憶手段に記憶される付加情報には、文字データが含まれており、前記付加画像生成手段は、前記操作補助手段により前記補助機能が有効に設定されている場合、前記文字データに含まれる文字の文字線を太くする画像処理を行って付加画像を生成することを特徴とする構成である。
【0019】
請求項10にかかる発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記付加情報記憶手段に記憶される付加情報には、低視力者が識別可能な画像データと、低視力者が識別困難な画像データとが含まれており、前記付加画像生成手段は、前記操作補助手段により前記補助機能が有効に設定されている場合、前記付加情報のうちから低視力者が識別可能な画像データを読み出し、該画像データに基づいて付加画像を生成することを特徴とする構成である。
【0020】
請求項11にかかる発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記補助機能は、前記操作案内画面についての音声ガイダンスを行う音声ガイダンス機能を有し、前記付加情報記憶手段に記憶される付加情報には、画像データが含まれており、前記付加画像生成手段は、前記操作補助手段により前記音声ガイダンス機能が有効に設定されている場合、前記画像データを読み出し、該画像データに基づいて付加画像を生成することを特徴とする構成である。
【0021】
請求項12にかかる発明は、請求項11に記載の画像形成装置において、音声を出力する音声出力手段をさらに備え、前記付加情報記憶手段に記憶される付加情報には、前記画像データに対応する音声データがさらに含まれており、前記付加画像生成手段は、前記操作補助手段により前記音声ガイダンス機能が有効に設定されている場合、前記音声データを読み出し、該音声データを前記音声出力手段に出力することを特徴とする構成である。
【0022】
請求項13にかかる発明は、画像形成方法であって、(a) 原稿画像と共に印刷するための付加情報を所定の付加情報記憶手段に予め記憶するステップと、(b) ユーザが各種操作を行うための操作案内画面を表示し、ユーザによる各種入力操作を受け付けるステップと、(c) ユーザが低視力者である場合に、ユーザの入力操作を補助するための補助機能を有効にするステップと、(d) 印刷対象となる原稿画像を取得するステップと、(e) 原稿画像の取得に伴い、前記付加情報記憶手段に記憶されている付加情報を読み出し、印刷用の付加画像を生成するステップと、(f) 取得された原稿画像と共に、前記付加画像を印刷して出力するステップと、を備え、前記ステップ(e)は、前記補助機能が有効に設定されている場合、前記付加情報記憶手段に記憶されている付加情報を読み出して印刷用の付加画像を生成するときに低視力者向けの付加画像を生成することを特徴とする構成である。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、操作補助手段によって補助機能が有効に設定されている場合には、付加情報記憶手段に記憶されている付加情報を読み出して印刷用の付加画像を生成する際に、低視力者にとって識別しやすい低視力者向けの付加画像が生成されるため、弱視者や低視力者などの不特定の利用者がコピー出力やプリント出力を行う場合でも、それらの利用者にとって読みやすい状態で広告などの付加情報を提供することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】画像形成システムの一構成例を示す図である。
【図2】画像形成装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図3】操作パネルの表示部に表示される表示画面の一例を示す図である。
【図4】第1の実施の形態において補助機能のオンオフ設定が切り替えられることに伴って表示部に表示される表示画面の切り替わりの一例を示す図である。
【図5】第1の実施の形態において付加情報記憶部に記憶される付加情報の一例を示す図である。
【図6】制御部の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図7】第1の実施の形態において制御部で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】第1の実施の形態において補助機能がオンである場合に出力用紙の裏面側に印刷される付加画像の印刷形態と、補助機能がオフである場合に出力用紙の裏面側に印刷される付加画像の印刷形態とを示す図である。
【図9】第2の実施の形態において付加情報記憶部に記憶される付加情報の一例を示す図である。
【図10】第2の実施の形態において制御部で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】第2の実施の形態において補助機能がオンである場合に出力用紙の裏面側に印刷される付加画像の印刷形態を示す図である。
【図12】第3の実施の形態において付加情報記憶部に記憶される付加情報の一例を示す図である。
【図13】第3の実施の形態において制御部で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図14】第3の実施の形態において補助機能がオンである場合に出力用紙の裏面側に印刷される付加画像の印刷形態と、補助機能がオフである場合に出力用紙の裏面側に印刷される付加画像の印刷形態とを示す図である。
【図15】第4の実施の形態において操作パネルの表示部に表示される表示画面の切り替わりの一例を示す図である。
【図16】第4の実施の形態において付加情報記憶部に記憶される付加情報の一例を示す図である。
【図17】第4の実施の形態において制御部で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図18】第4の実施の形態において出力用紙の裏面側に印刷される付加画像の印刷形態を示す図である。
【図19】第5の実施の形態において表示部に表示される表示画面の切り替わりの一例を示す図である。
【図20】第5の実施の形態において付加情報記憶部に記憶される付加情報の一例を示す図である。
【図21】第5の実施の形態において制御部で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図22】第5の実施の形態において補助機能がオンである場合に出力用紙の裏面側に印刷される付加画像の印刷形態と、補助機能がオフである場合に出力用紙の裏面側に印刷される付加画像の印刷形態とを示す図である。
【図23】第6の実施の形態において付加情報記憶部に記憶される付加情報の一例を示す図である。
【図24】第6の実施の形態において制御部で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図25】第6の実施の形態において補助機能がオンである場合に出力用紙の裏面側に印刷される付加画像の印刷形態を示す図である。
【図26】第7の実施の形態において付加情報記憶部に記憶される付加情報の一例を示す図である。
【図27】第7の実施の形態において制御部で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図28】第7の実施の形態において補助機能がオンである場合に出力用紙の裏面側に印刷される付加画像の印刷形態を示す図である。
【図29】第8の実施の形態において付加情報記憶部に記憶される付加情報の一例を示す図である。
【図30】第8の実施の形態において制御部で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図31】第9の実施の形態において付加情報記憶部に記憶される付加情報の一例を示す図である。
【図32】第9の実施の形態において制御部で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に関する幾つかの好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0026】
(第1の実施の形態)
図1は、本実施形態における画像形成システムの一構成例を示す図である。この画像形成システムは、デジタル複合機やMFP(Multi Function Peripheral)などと呼ばれる画像形成装置1と、広告サーバ3とがネットワーク2に接続された構成である。画像形成装置1は、例えばコンビニエンスストアや学校校内などの特定の場所に設置される。また広告サーバ3は、広告主によって管理されるサーバであり、例えば画像形成装置1から離れた遠隔地に設置される。
【0027】
広告サーバ3には、ハードディスク装置などの記憶装置3aが設けられている。この記憶装置3aには、広告などの付加情報9が格納される。付加情報9は、例えば商品やサービスなどを宣伝広告するための情報である。この付加情報9は、広告用の画像データや文字データ、或いは画像と文字とが組み合わせられた付加データなど、様々なデータを含んで構成される。記憶装置3aに記憶される付加情報9は、広告主によって適宜更新されるようになっている。そして広告サーバ3は、記憶装置3aに記憶されている付加情報9を定期的に、又は不定期に、ネットワーク2を介して画像形成装置1に送信する。
【0028】
画像形成装置1は、利用者(ユーザ)に対してコピーサービスやプリントサービスなどを提供する装置である。この画像形成装置1は、ハードディスク装置などで構成される記憶装置19を備えており、記憶装置19には、広告サーバ3から送信される付加情報9を保存しておくための付加情報記憶部19aが設けられている。つまり、画像形成装置1は、広告サーバ3から送信された付加情報9を受信すると、その付加情報9を付加情報記憶部19aに記憶して保存する。
【0029】
また画像形成装置1は、利用者が操作する操作パネル4を備えている。操作パネル4は、利用者が画像形成装置1を使用する際のユーザインタフェースとなるものであり、利用者が各種操作を行うための操作案内画面を表示し、その利用者による各種入力操作を受け付ける。利用者は、この操作パネル4を操作することにより、画像形成装置1に対する各種の設定操作を行うことができると共に、画像形成装置1に対してコピー出力やプリント出力を行わせるためのジョブの実行を指示することができる。
【0030】
コピー出力やプリント出力のための印刷を開始すると、画像形成装置1は、利用者によって指定された原稿画像を出力用紙の表面に印刷すると共に、付加情報記憶部19aに予め記憶されている付加情報9を読み出し、その出力用紙の余白部分や裏面に対して広告などの付加情報9に基づく画像を印刷する。尚、以下においては、出力用紙の裏面に対して付加情報を印刷する場合を例示する。このように画像形成装置1は、原稿画像と共に、付加情報9を印刷して出力することにより、利用者に対して比較的廉価に又は無料でコピーサービスやプリントサービスを提供するように構成されている。
【0031】
図2は、画像形成装置1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。画像形成装置1は、上述した操作パネル4および記憶装置19の他、制御部10と、ROM13と、スキャナ部15と、プリンタ部16と、ネットワークインタフェース17と、パネル制御部18とを備えている。これらのうち、制御部10、ROM13、スキャナ部15、プリンタ部16、ネットワークインタフェース17、パネル制御部18、および、記憶装置19は、データバス20を介して相互にデータの入出力を行うことができるように構成されている。また、操作パネル4は、パネル制御部18に接続されている。
【0032】
制御部10は、データバス20を介して各部の動作を統括的に制御する処理部である。この制御部10は、CPU11とメモリ12とを備えている。CPU11は、不揮発性メモリであるROM13に予め格納されているプログラム14を読み出して実行するものである。メモリ12は、CPU11がプログラム14に基づく処理を実行することに伴い、一時的なデータなどを記憶するためのものである。このようにCPU11がプログラム14に基づく処理を実行することにより、制御部10は、利用者に対してコピーサービスやプリントサービスを提供するための各種の機能を実現する。尚、制御部10によって実現される各種機能については後述する。
【0033】
スキャナ部15は、利用者によってセットされた原稿を自動的に読み取って原稿画像を生成する処理部である。このスキャナ部15は、複数枚の原稿の連続自動読み取りを行うことも可能であり、1枚ずつの原稿を連続的に読み取り、複数ページから成る原稿画像を生成する。
【0034】
プリンタ部16は、原稿画像に基づいて、利用者によって指定された出力用紙に印刷を行い、出力する処理部である。ここで印刷対象となる原稿画像は、スキャナ部15によって生成された原稿画像であっても良いし、またネットワークインタフェース17や図示しない外部インタフェースなどを介して入力する原稿画像であっても良い。例えば画像形成装置1においてコピー出力が行われる場合、プリンタ部16は、スキャナ部15によって生成された原稿画像を取得し、出力用紙の表面側にその原稿画像を印刷する。またプリンタ部16は、記憶装置19の付加情報記憶部19aから付加情報9を読み出し、その付加情報9に基づく付加画像を出力用紙の裏面側に印刷する。
【0035】
尚、上記のようなスキャナ部15およびプリンタ部16における動作は制御部10によって制御される。
【0036】
ネットワークインタフェース17は、画像形成装置1をネットワーク2に接続するためのものである。このネットワークインタフェース17は、広告サーバ3から付加情報9を受信すると、その付加情報9を制御部10に出力する。そして制御部10は、広告サーバ3から受信した付加情報9を記憶装置19の付加情報記憶部19aに格納保存する。
【0037】
操作パネル4は、利用者に対して各種の情報を表示する表示部5と、利用者による各種入力操作を受け付ける操作部6と、スピーカなどで構成される音声出力部7とを備えている。表示部5は、例えばカラー液晶ディスプレイなどで構成される。操作部6は、複数の操作キーを備えており、例えば、表示部5の表示画面上に配置されたタッチパネルキーと、表示部5の表示画面の周囲に配置された押しボタンキーとを備えている。これらの操作キーには、利用者が画像形成装置1に対してコピー出力やプリント出力を行わせるためにジョブの実行を指示するスタートキーも含まれている。
【0038】
音声出力部7は、例えば表示部5の表示画面に関する音声ガイダンスを出力するためのものである。この音声ガイダンスは、利用者が低視力者(弱視者を含む)である場合に、操作パネル4に対する入力操作を補助するためのものであり、表示画面に対する操作方法などを音声出力する機能である。このような音声ガイダンスは、利用者の入力操作を補助するための補助機能が有効に設定されている場合において、更に音声ガイダンス機能が有効に設定されていると出力されるようになる。そのため、補助機能が有効であっても、音声ガイダンス機能が無効に設定されている場合には出力されないようになっている。
【0039】
このような操作パネル4は、パネル制御部18によって制御される。パネル制御部18は、表示制御部21と、操作検知部22と、操作補助部23とを備えている。表示制御部21は、表示部5に表示するための表示画面を生成して表示部5に表示させる処理部である。図3は、表示部5に表示される表示画面の一例を示す図である。図3に示す表示画面は、コピー機能に関する設定操作を行うための画面であって、利用者が低視力者でない場合の通常の表示画面の一例を示している。この表示画面の中央部には、利用者がコピー機能に対する各種の設定操作を行うための操作キーが表示される。図例の場合、カラー設定を行うためのカラー設定キー31と、原稿設定を行うための原稿設定キー32と、出力用紙を設定するための用紙設定キー33と、印刷出力時の画質を設定するための画質設定キー34と、出力倍率を設定するための倍率設定キー35と、ステープルやパンチなどの仕上げ設定を行うための仕上げ設定キー36との6つの操作キーが画面中央に表示されている。また画面下部には、低視力者の入力操作を補助するための操作補助設定キー37が表示されている。図3の例では、低視力者の入力操作を補助するための補助機能はオフになっている。表示制御部21は、このような表示画面を生成し、表示部5に表示させる。
【0040】
操作検知部22は、表示制御部21によって生成された表示画面が表示部5に表示されている状態で、操作部6に対して行われた利用者の操作を検知する処理部である。操作検知部22は、利用者による操作を検知すると、いずれの操作キーが操作されたかを特定し、それに対応する操作信号を、表示制御部21、操作補助部23および制御部10のいずれかに出力する。
【0041】
例えば、図3に示した表示画面が表示されているとき、利用者によってカラー設定キー31、原稿設定キー32、用紙設定キー33、画質設定キー34、倍率設定キー35および仕上げ設定キー36のいずれかが操作された場合、それらの操作キーに対応する詳細な設定画面を表示部5に表示する必要がある。そのため、操作検知部22は、これらの操作キーが操作されると、その操作信号を表示制御部21に出力する。これにより、表示制御部21は、利用者によって操作された操作キーに対応する詳細な設定画面を生成し、表示部5に表示するようになる。
【0042】
また例えば、図3に示した表示画面が表示されているとき、利用者によってスタートキーが操作されると、操作検知部22は、それに対応する操作信号を制御部10に出力する。これにより、制御部10は、コピー出力やプリント出力を行うための原稿読み取り動作および印刷動作の制御を開始する。
【0043】
さらに、例えば図3に示した表示画面が表示されているとき、利用者によって操作補助設定キー37が操作された場合、操作検知部22は、それに対応する操作信号を操作補助部23に出力する。操作補助部23は、操作検知部22から操作補助設定キー37が操作されたことを示す操作信号を入力すると、それに伴って低視力者の入力操作を補助するための補助機能のオンオフを切り替える処理部である。操作補助部23が補助機能をオンに設定すると、画像形成装置1において低視力者が入力操作を行う際の補助機能が有効になる。そして操作補助部23は、補助機能を有効にすると、それに伴い、表示制御部21に対して低視力者が判別し易い表示画面を生成するように指示する。
【0044】
表示制御部21は、この指示に基づき、表示部5に表示する表示画面を、健常者用の通常表示画面から低視力者の入力操作を補助するための補助表示画面に切り替える。また表示制御部21は、操作補助部23から補助機能を無効に切り替える指示を入力すると、それに伴い、低視力者用の補助表示画面を通常表示画面に戻す処理も行う。
【0045】
図4は、補助機能のオンオフ設定が切り替えられることに伴って表示制御部21によって表示部5に表示される表示画面の切り替わりの一例を示す図である。図4に示すように、補助機能がオフのときには、図3と同様の通常表示画面5aが表示部5に表示される。一方、補助機能がオンのときには、図4に示すように画面中央部に表示される操作キーが拡大表示された補助表示画面5bが表示部5に表示されるようになる。図4に示す補助表示画面5bでは、画像中央に原稿設定キー32と用紙設定キー33の2つの操作キーが拡大された状態で表示される。また、これら2つの操作キー32,33の左右両側には画面中央に表示される操作キーをスクロールさせるためのスクロールキー38が表示されるので、利用者はこれらのスクロールキー38を操作することにより、通常表示画面5aに含まれる他の操作キーを表示させることができるようになる。補助機能が有効のとき、このような補助表示画面5bが表示部5に表示されることにより、利用者が低視力者である場合であっても、補助表示画面5bに表示される各操作キーを容易に識別することができるようになる。つまり、利用者が低視力者である場合でも、操作しやすい表示画面が表示部5に表示される。尚、本実施形態では、利用者によって操作補助設定キー37が操作される都度、図4に示すように、表示部5に表示される表示画面が、通常表示画面5aと補助表示画面5bとの間で切り替わる。
【0046】
また操作補助部23は、補助機能をオンに設定すると、それに伴い、音声ガイダンス機能を有効にする。そのため、表示制御部21は、補助機能がオンに設定されると、上述したように表示部5の表示画面を補助表示画面5bに切り替えると共に、利用者に対して音声ガイダンスを行うための音声データを生成し、音声出力部7に出力する。これにより、操作パネル4では、補助機能がオンに設定されると、表示部5に表示される表示画面が通常表示画面5aから補助表示画面5bに切り替えられると共に、音声出力部7からその補助表示画面5bに対応する音声ガイダンスが音声出力されるようになる。
【0047】
図5は、本実施形態において付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9の一例を示す図である。図5に示すように、本実施形態では、付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9に、画像サイズの異なる複数種類の画像データ9a,9bが含まれる。これら複数種類の画像データ9a,9bは、いずれも特定の広告に関する画像データであるが、画像サイズが異なるため広告としての情報量が異なるデータとなっている。尚、図例では、付加情報9に画像データ9a,9bの2つのデータが含まれる場合を例示しているが、3つ以上のデータが含まれていても良い。
【0048】
そして制御部10は、利用者によって印刷開始が指示されると、図5に示すような複数種類の画像データ9a,9bの中から出力用紙の裏面側に印刷するための画像データを選択し、その選択した画像データに基づいて付加画像を生成する。そして、その生成した付加画像を出力用紙の裏面側に印刷して出力するように制御する。以下、このような制御部10の機能と動作について詳しく説明する。
【0049】
図6は、コピー出力を行う場合の制御部10の機能構成の一例を示すブロック図である。図6に示すように制御部10は、原稿画像取得部41、補助機能判定部42、付加画像生成部43、および、印刷制御部44として機能する。これら各部は、利用者によって操作パネル4のスタートキーが操作され、ジョブの実行開始が指示された場合に機能する。
【0050】
原稿画像取得部41は、利用者によって指定された原稿画像を取得する処理部である。コピー出力の場合、原稿画像取得部41は、スキャナ部15が原稿を読み取ることによって生成した原稿画像を取得する。このようにして取得される原稿画像は、出力用紙の表面側に印刷すべき画像となる。そして原稿画像取得部41は、取得した原稿画像を印刷制御部44に出力する。
【0051】
補助機能判定部42は、上述した操作補助部23によって低視力者の入力操作を補助するための補助機能が有効に設定されているか、或いは無効に設定されているかを判別する処理部である。この補助機能判定部42は、補助機能が有効であるか否かを判定すると、その判定結果を付加画像生成部43に出力する。
【0052】
付加画像生成部43は、付加情報記憶部19aに記憶されている付加情報9を読み出し、その付加情報9に基づいて出力用紙の裏面側に印刷するための付加画像を生成する処理部である。この付加画像生成部43は、補助機能判定部42によって行われた判定結果に応じて付加画像を生成する際の処理を切り替える。すなわち、付加画像生成部43は、補助機能判定部42において補助機能が有効に設定されていると判定された場合には、付加情報記憶部19aに記憶されている付加情報9を読み出して付加画像を生成する際に、低視力者向けの付加画像を生成する。これに対し、補助機能判定部42において補助機能が無効に設定されていると判定された場合には、付加情報記憶部19aに記憶されている付加情報9を読み出して付加画像を生成する際に、健常者向けの付加画像を生成する。
【0053】
より具体的に説明すると、本実施形態の付加画像生成部43は、補助機能が有効に設定されている場合、出力用紙に対して付加画像を印刷するための印刷サイズSを検出し、付加情報9に含まれる複数種類の画像データ9a,9bの中から、その印刷サイズSの印刷領域に対して所定の拡大率R以上の倍率で拡大して印刷することが可能な画像データを選択する。そして付加画像生成部43は、その選択した画像データが印刷サイズSと略同サイズとなるように拡大することにより、出力用紙の裏面側に印刷するための付加画像を生成する。
【0054】
また本実施形態の付加画像生成部43は、補助機能が無効に設定されている場合、出力用紙に対して付加画像を印刷するための印刷サイズSを検出し、付加情報9に含まれる複数種類の画像データ9a,9bの中から、その印刷サイズSの印刷領域に対して略等倍で印刷することが可能な画像データを選択する。そして付加画像生成部43は、その選択した画像データに基づいて出力用紙の裏面側に印刷するための付加画像を生成する。
【0055】
このように付加画像生成部43において付加画像が生成されると、その生成された付加画像が印刷制御部44に出力される。
【0056】
印刷制御部44は、原稿画像取得部41から入力する原稿画像と、付加画像生成部43から入力する付加画像とに基づいてプリンタ部16の駆動制御を行う処理部である。すなわち、本実施形態の印刷制御部44は、原稿画像を出力用紙の表面側に印刷すると共に、付加画像を出力用紙の裏面側に印刷するようにプリンタ部16を制御する。これにより、プリンタ部16は、利用者によって指定された出力用紙の表面側に、スキャナ部15が原稿を読み取って生成した原稿画像を印刷し、その出力用紙の裏面側に、付加画像生成部43によって生成された付加画像を印刷して出力する。
【0057】
このように、制御部10は、上述した各部を機能させることにより、原稿画像を出力用紙の表面側に印刷し、広告などの付加情報9に基づいて生成した付加画像を出力用紙の裏面側に印刷して出力することができるようになる。そして、利用者が画像形成装置1の操作パネル4に対する操作を行うときに補助機能を有効に設定していた場合には、低視力者向けに比較的画像サイズの小さな画像データが拡大して出力用紙の裏面側に印刷されるようになる。そのため、低視力者にとっては、読みやすい状態で広告情報などが得られることになる。一方、利用者が画像形成装置1の操作パネル4に対する操作を行うときに補助機能を無効に設定していた場合には、健常者向けに比較的画像サイズの大きな画像データがほぼ等倍で出力用紙の裏面側に印刷されるようになる。そのため、健常者にとっては、比較的情報量の大きな広告情報などが得られることとなる。
【0058】
次に図7は、制御部10によって行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部10は、この処理を開始すると、まず原稿画像を取得する(ステップS101)。そして制御部10は、利用者によって指定された出力用紙のサイズに基づき、その出力用紙の表面側および裏面側に印刷するための印刷サイズSを検出する(ステップS102)。そして制御部10は、補助機能が有効に設定されているか否かを判定し(ステップS103)、補助機能が有効である場合(ステップS103でYES)、所定の拡大率Rを取得する(ステップS104)。この拡大率Rは、例えば2倍程度の拡大率として予め設定されている。
【0059】
次に制御部10は、付加情報9に含まれる複数の画像データ9a,9bのうちから、一の画像データを選択し(ステップS105)、その選択した画像データの画像サイズKを判別する。そして制御部10は、選択した画像データの画像サイズKと、印刷サイズSと、拡大率Rとに基づき、K<S/Rの関係を満たしているか否かを判断する(ステップS107)。これにより、ステップS105で選択した画像データが、印刷サイズSの印刷領域に対して所定の拡大率R以上の倍率で拡大して印刷することが可能な画像データであるか否かを判別することができる。その結果、K<S/Rの関係を満たしていない場合(ステップS107でNO)、ステップS105に戻り、付加情報9に含まれる複数の画像データ9a,9bのうちから他の画像データを選択し、上記と同様の処理を行う。すなわち、ステップS105〜S107の処理を繰り返し実行することにより、K<S/Rの関係を満たす画像データを特定することができる。
【0060】
そしてK<S/Rの関係を満たした場合(ステップS107でYES)、制御部10は、ステップS105で選択した画像データを所定の拡大率Rで拡大し、出力用紙の裏面側に印刷するための付加画像を生成する(ステップS108)。尚、このとき適用される拡大率は、必ずしも所定の拡大率Rに限られるものではなく、所定の拡大率Rよりも大きな倍率で拡大することにより、選択した画像データが印刷サイズSと略同サイズとなるようにしても良い。
【0061】
一方、ステップS103において補助機能が無効であった場合(ステップS103でNO)、制御部10は、付加情報9に含まれる複数の画像データ9a,9bのうちから、印刷サイズSにほぼ等しい画像サイズの画像データを選択する(ステップS109)。そして制御部10は、その選択した画像データに基づいて出力用紙の裏面側に印刷するための付加画像を生成する(ステップS110)。このとき生成される付加画像は、選択された画像データの画像サイズにほぼ等しい画像となる。
【0062】
そして制御部10は、原稿画像を出力用紙の表面側に印刷すると共に、ステップS108又はS110で生成された付加画像を出力用紙の裏面側に印刷するように印刷制御を実行する(ステップS111)。そして全てのページの印刷出力が完了すると、この処理は終了する。
【0063】
制御部10において、上記のような処理が行われることにより、利用者が操作パネル4を操作する際に低視力者用の補助機能を有効に設定していれば、低視力者向けの付加画像が付加された状態で原稿画像の印刷出力が行われるようになる。また、利用者が操作パネル4を操作する際に低視力者用の補助機能を無効に設定していれば、健常者向けの付加画像が付加された状態で原稿画像の印刷出力が行われるようになる。
【0064】
図8は、本実施形態において補助機能がオンである場合に出力用紙の裏面側に印刷される付加画像の印刷形態と、補助機能がオフである場合に出力用紙の裏面側に印刷される付加画像の印刷形態とを示す図である。図8(a)は、補助機能がオンの場合の印刷形態を示している。図8(a)に示すように、補助機能がオンの場合、制御部10は、付加情報記憶部19aに記憶されている画像サイズの異なる画像データ9a,9bのうち、出力用紙に所定の拡大率R以上で拡大して印刷することが可能な画像サイズの小さな画像データ9aを選択する。そして、その画像データ9aを拡大して出力用紙に印刷するため、低視力者にとっては、広告などの画像が見やすい状態で印刷される。
【0065】
一方、図8(b)は、補助機能がオフの場合の印刷形態を示している。図8(b)に示すように、補助機能がオフの場合、制御部10は、付加情報記憶部19aに記憶されている画像サイズの異なる画像データ9a,9bのうち、出力用紙に略等倍で印刷することが可能な画像サイズの比較的大きな画像データ9bを選択する。そして、その画像データ9bをほぼ等倍のままで出力用紙に印刷するため、情報量の多い広告画像が印刷されるようになる。
【0066】
以上のように本実施形態の画像形成装置1は、利用者が低視力者である場合に、操作パネル4に対するユーザの入力操作を補助するための補助機能を有効に設定することができるようになっている。そして補助機能が有効に設定されている場合には、付加情報記憶部19aに記憶されている付加情報9を読み出して印刷用の付加画像を生成する際に低視力者向けの付加画像を生成する構成である。このような構成によれば、不特定の利用者がコピー出力やプリント出力を行う際、その利用者が低視力者である場合には、低視力者にとっても読みやすい状態で広告などの付加情報を印刷して提供することが可能である。
【0067】
また本実施形態では、付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9に、画像サイズの異なる複数種類の画像データ9a,9bが含まれており、付加画像生成部43は、補助機能が有効に設定されている場合、付加画像を印刷するための印刷サイズSよりも小さい画像サイズの画像データ9aを選択して読み出し、その画像データ9aを印刷サイズSに拡大することによって付加画像を生成するようにしている。そのため、小さい画像や文字などを識別することが困難な低視力者には、特に見やすい状態で広告などの画像を印刷することが可能である。
【0068】
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態について説明する。上述した第1の実施の形態では、付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9に、画像サイズの異なる複数種類の画像データ9a,9bが含まれており、補助機能がオンの場合に選択される画像データと、補助機能がオフの場合に選択される画像データとが異なる場合を例示した。これに対し、本実施形態では、原稿画像に基づく出力枚数が2枚以上である場合には、補助機能がオンの場合であっても補助機能がオフの場合と同じデータを選択して低視力者向けの付加画像を生成する形態について説明する。尚、本実施形態においても、画像形成装置1の構成は、第1の実施の形態で説明したものと同様である。
【0069】
図9は、第2の実施の形態において付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9の一例を示す図である。図9に示すように、本実施形態では、付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9に、例えばA4用紙サイズなどの所定の印刷サイズに対応した画像データ9cが含まれる。この画像データ9cは、特定の広告に関する画像データである。尚、図例では、付加情報9に1つの印刷サイズに対応した画像データ9cのみが含まれる場合を示しているが、第1の実施の形態と同様に、異なる印刷サイズに対応した2つ以上のデータが含まれていても良い。
【0070】
そして本実施形態の制御部10は、利用者によって印刷開始が指示されると、図9に示すような利用者によって指定された用紙サイズに対応する画像データ9cを選択して読み出し、その選択した画像データに基づいて付加画像を生成する。そして補助機能がオンに設定されており、原稿画像に基づく出力枚数が2枚以上である場合には、画像データ9cを分割し、分割された複数の画像を複数のページに拡大印刷することにより、低視力者向けの見やすい付加画像を印刷するように構成される。
【0071】
ここで本実施形態でも、制御部10が図6に示した各部の機能を実現する点については第1の実施の形態と同様である。ただし、本実施形態における付加画像生成部43は、補助機能が有効に設定されており、且つ、原稿画像に基づいて所定の印刷サイズに対応する印刷出力が複数ページ行われる場合、所定の印刷サイズに対応した画像データ9cを分割し、複数のページに拡大して印刷するための付加画像を生成する構成である。
【0072】
図10は、第2の実施の形態において制御部10で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部10は、この処理を開始すると、まず原稿画像を取得する(ステップS201)。そして制御部10は、利用者によって指定された出力用紙のサイズに基づき、その出力用紙の表面側および裏面側に印刷するための印刷サイズSを検出する(ステップS202)。そして制御部10は、補助機能が有効に設定されているか否かを判定し(ステップS203)、補助機能が有効である場合(ステップS203でYES)、取得した原稿画像に基づく出力枚数が2枚以上であるか否かを判断する(ステップS204)。
【0073】
その結果、出力枚数が2枚以上である場合(ステップS204でYES)、制御部10は、付加情報9から印刷サイズSにほぼ等しいサイズの画像データ9cを選択して読み出す(ステップS205)。そして選択した画像データ9cを所定倍に拡大処理し(ステップS206)、その拡大した画像データを2分割して2ページ分の付加画像を生成する(ステップS207)。
【0074】
一方、補助機能が無効であった場合(ステップS203でNO)、又は、出力枚数が2枚以上でなかった場合(ステップS204でNO)、制御部10は、付加情報9から印刷サイズSにほぼ等しいサイズの画像データ9cを選択して読み出す(ステップS208)。そして選択した画像データ9cに基づいて1枚の出力用紙の裏面側に印刷するための付加画像を生成する(ステップS209)。
【0075】
そして制御部10は、原稿画像を出力用紙の表面側に印刷すると共に、ステップS207又はS209で生成された付加画像を出力用紙の裏面側に印刷するように印刷制御を実行する(ステップS210)。その後、全てのページの印刷出力が完了すると、この処理は終了する。
【0076】
尚、図10の処理手順では、補助機能が有効であり、且つ、出力枚数が2枚以上でなかった場合には、補助機能が無効の場合と同様の処理(ステップS208,S209)が行われる場合を例示しているが、必ずしもこのような処理手順には限られない。例えば、補助機能が有効であり、且つ、出力枚数が2枚以上でなかった場合、第1の実施の形態と同様に、付加情報9から比較的画像サイズの小さい画像データを選択して読み出し、その画像データを印刷サイズSに拡大することによって1枚の出力用紙の裏面側に付加画像を拡大して印刷するようにしても良い。
【0077】
このように本実施形態においても、利用者が操作パネル4を操作する際に低視力者用の補助機能を有効に設定していれば、画像データ9cが拡大された低視力者向けの付加画像が原稿画像と共に印刷されるようになる。また、利用者が操作パネル4を操作する際に低視力者用の補助機能を無効に設定していれば、画像データ9cがほぼ等倍のままで生成された健常者向けの付加画像が原稿画像と共に印刷されるようになる。
【0078】
図11は、本実施形態において補助機能がオンである場合に出力用紙の裏面側に印刷される付加画像の印刷形態を示す図である。尚、補助機能がオフの場合は第1の実施の形態と同様であるので図示は省略している。
【0079】
図11に示すように、補助機能がオンの場合、制御部10は、付加情報記憶部19aに記憶されている付加情報9から印刷サイズSにほぼ等しい画像データ9cを選択する。そして、その画像データ9cを所定の倍率で拡大し、その拡大画像を2分割して2つの画像を生成する。その後、分割した2つの画像のそれぞれに対して、画像処理(画像回転、レイアウト処理、倍率調整など)を施すことによって印刷サイズSに適合する付加画像を生成し、2枚の出力用紙の裏面側にそれぞれの付加画像を印刷する。その結果、図11に示すように、補助機能がオンの場合には、画像データ9cが拡大された状態で2枚の出力用紙に分割されて印刷されるため、低視力者にとって読みやすい状態で広告情報などが提供されるようになる。
【0080】
以上のように本実施形態の画像形成装置1においても、補助機能が有効に設定されている場合、付加情報記憶部19aに記憶されている付加情報9が読み出されて印刷用の付加画像が生成される際には、低視力者向けの付加画像が生成される。そのため、不特定の利用者がコピー出力やプリント出力を行う際、その利用者が低視力者である場合には、補助機能を有効にして操作パネル4の操作を行うことにより、その利用者にとって読みやすい状態で広告などの付加情報を印刷することができる。
【0081】
また本実施形態では、付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9には、所定の印刷サイズに対応した画像データ9cが含まれており、付加画像生成部43は、補助機能が有効に設定されており、且つ、原稿画像に基づいて所定の印刷サイズに対応する印刷出力が複数ページ行われる場合、所定の印刷サイズに対応した画像データ9cを分割し、複数のページに拡大して印刷するための付加画像を生成するようにしている。そのため、低視力者に対して提供される広告などの情報は、健常者に対して提供される情報と同じ情報にすることができ、しかもその情報を低視力者に対して見やすい状態で提供することができるようになる。
【0082】
(第3の実施の形態)
次に第3の実施の形態について説明する。本実施形態では、付加情報9に複数種類の画像データが含まれており、各画像データに含まれる文字の文字サイズが異なる構成において、利用者が操作パネル4に対して操作入力を行う際に補助機能が有効であれば、文字サイズが所定サイズ以上の画像データを選択して付加画像を生成する形態について説明する。尚、本実施形態においても、画像形成装置1の構成は、第1の実施の形態で説明したものと同様である。
【0083】
図12は、第3の実施の形態において付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9の一例を示す図である。図12に示すように、本実施形態では、付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9に、文字を含んで構成される複数種類の画像データ9d,9eが含まれる。ここで、画像データ9d,9eのそれぞれに含まれる文字の文字サイズは互いに異なっている。つまり、画像データ9dには文字サイズS1の文字が含まれており、画像データ9eにはその文字サイズS1よりも大きな文字サイズS2の文字が含まれる。このように各画像データ9d,9eに含まれる文字の文字サイズが異なっている。そのため、広告などの情報量は互いに異なったものとなっている。例えば、画像データ9dは画像データ9eと比較すると文字サイズが小さいため、画像データ9eよりも広告などの情報量が多くなっている。尚、図例では、付加情報9に2種類の文字サイズの画像データ9d,9eが含まれる場合を示しているが、更に別の文字サイズの画像データが含まれていても良い。
【0084】
そして本実施形態の制御部10は、利用者によって印刷開始が指示されると、図12に示すような利用者によって指定された用紙サイズに対応する複数種類の画像データ9d,9eの中から1つの画像データを選択して読み出し、その選択した画像データに基づいて付加画像を生成する。このとき、補助機能がオンに設定されている場合には、文字サイズが所定サイズ以上の画像データ9eを読み出して付加画像を生成し、低視力者向けの見やすい付加画像を出力用紙の裏面側に印刷するように構成される。
【0085】
尚、本実施形態においても、制御部10が図6に示した各部の機能を実現する点については第1の実施の形態と同様である。ただし、本実施形態における付加画像生成部43は、補助機能が有効に設定されている場合、付加情報9に含まれる複数種類の画像データ9d,9eの文字サイズを判別し、所定文字サイズよりも文字サイズの大きな文字を含む画像データ9eを選択し、その選択した画像データ9eに基づいて付加画像を生成する構成である。
【0086】
図13は、第3の実施の形態において制御部10で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部10は、この処理を開始すると、まず原稿画像を取得する(ステップS301)。そして制御部10は、利用者によって指定された出力用紙のサイズに基づき、その出力用紙の表面側および裏面側に印刷するための印刷サイズSを検出する(ステップS302)。そして制御部10は、補助機能が有効に設定されているか否かを判定する(ステップS303)。
【0087】
その結果、補助機能が有効に設定されている場合(ステップS303でYES)、制御部10は、付加情報9に含まれる複数種類の画像データ9d,9eのそれぞれに含まれる文字の文字サイズを判別し、所定文字サイズ以上の文字を含む画像データ9eを選択する(ステップS304)。そして制御部10は、その選択した画像データ9eに基づいて出力用紙の裏面側に印刷するための付加画像を生成する(ステップS305)。
【0088】
一方、補助機能が無効であった場合(ステップS303でNO)、制御部10は、付加情報9に含まれる複数種類の画像データ9d,9eのそれぞれに含まれる文字の文字サイズを判別し、文字サイズの小さい文字を含む画像データ9dを選択する(ステップS306)。そして制御部10は、その選択した画像データ9dに基づいて出力用紙の裏面側に印刷するための付加画像を生成する(ステップS307)。
【0089】
そして制御部10は、原稿画像を出力用紙の表面側に印刷すると共に、ステップS305又はS307で生成された付加画像を出力用紙の裏面側に印刷するように印刷制御を実行する(ステップS308)。その後、全てのページの印刷出力が完了すると、この処理は終了する。
【0090】
このように本実施形態においては、付加情報記憶部19aに予め記憶される付加情報9に、文字サイズの異なる複数種類の画像データ9d,9eが含まれており、利用者が操作パネル4を操作する際に低視力者用の補助機能が有効に設定されていれば、所定文字サイズ以上の画像データ9eを選択して付加画像を生成し、その付加画像を原稿画像と共に印刷するように構成される。また、利用者が操作パネル4を操作する際に低視力者用の補助機能を無効に設定していれば、文字サイズの小さい画像データ9dを選択して付加画像を生成し、その付加画像を原稿画像と共に印刷するようになっている。
【0091】
図14は、第3の実施の形態において補助機能がオンである場合に出力用紙の裏面側に印刷される付加画像の印刷形態と、補助機能がオフである場合に出力用紙の裏面側に印刷される付加画像の印刷形態とを示す図である。図14(a)は、補助機能がオンの場合の印刷形態を示している。図14(a)に示すように、補助機能がオンの場合、制御部10は、付加情報記憶部19aに記憶されている文字サイズの異なる画像データ9d,9eのうち、所定文字サイズ以上の画像データ9eを選択する。そして、その画像データ9eをほぼ等倍のままで出力用紙の裏面側に印刷するようになっている。そのため、補助機能がオンの場合には、低視力者にとって、広告などの文字が判読しやすい状態で印刷されるようになる。尚、この場合、上述した第1および第2の実施の形態と比較すると、本実施形態では選択した画像データ9eを拡大する処理は行われないため、効率的に付加画像を生成することができるという利点もある。
【0092】
一方、図14(b)は、補助機能がオフの場合の印刷形態を示している。図14(b)に示すように、補助機能がオフの場合、制御部10は、付加情報記憶部19aに記憶されている文字サイズの異なる画像データ9d,9eのうち、文字サイズの小さな画像データ9dを選択する。そして、その画像データ9dをほぼ等倍のままで出力用紙の裏面側に印刷するようになっている。そのため、この場合は、健常者向けに情報量の多い広告画像が印刷されるようになる。
【0093】
以上のように本実施形態の画像形成装置1においては、補助機能が有効に設定されている場合、付加情報記憶部19aに記憶されている付加情報9が読み出されて印刷用の付加画像が生成される際には、低視力者向けの付加画像が生成される。特に本実施形態では、付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9には、所定文字サイズの文字を含む第1の画像データ9dと、所定文字サイズよりも大きなサイズの文字を含む第2の画像データ9eとが含まれており、付加画像生成部43は、補助機能が有効に設定されている場合、第2の画像データ9eを選択して読み出し、その画像データ9eに基づいて付加画像を生成する。そのため、不特定の利用者がコピー出力やプリント出力を行う際、その利用者が低視力者である場合には、補助機能を有効にして操作パネル4の操作を行うことにより、その利用者にとって文字の読みやすい状態で広告などの付加情報を印刷することができるようになっている。
【0094】
(第4の実施の形態)
次に第4の実施の形態について説明する。本実施形態では、低視力者用の補助機能が有効に設定された場合の操作パネル4の表示部5における表示画面を複数種類の表示画面の中から選択して表示可能な構成において、その選択された表示画面に対応する付加画像を生成する一形態について説明する。尚、本実施形態においても、画像形成装置1の構成は、第1の実施の形態で説明したものと同様である。
【0095】
図15は、この第4の実施の形態において操作補助設定キー37が操作されることに伴って表示制御部21によって表示部5に表示される表示画面の切り替わりの一例を示す図である。図15に示すように、補助機能がオフのときには、通常表示画面5aが表示部5に表示される。
【0096】
この通常表示画面5aが表示されているとき、利用者が操作補助設定キー37を1回押下する操作を行うと、補助機能がオンとなり、表示部5の表示画面は、第1段階の補助表示画面5bに切り替わる。この第1段階の補助表示画面5bでは、第1拡大表示機能が有効となり、画面中央部に表示される操作キーが第1の拡大倍率で拡大表示された状態となる。図15に示す補助表示画面5bでは、画像中央に原稿設定キー32と用紙設定キー33の2つの操作キーが拡大された状態で表示されている。
【0097】
この第1段階の補助表示画面5bが表示されているとき、利用者が更に操作補助設定キー37を1回押下する操作を行うと、補助機能のオン設定は継続した状態のままで、表示部5の表示画面が、第2段階の補助表示画面5cに切り替わる。この第2段階の補助表示画面5bでは、第2拡大表示機能が有効となり、画面中央部に表示される操作キーが第2の拡大倍率で拡大表示された状態となる。この第2の拡大倍率は、第1の拡大倍率よりも大きい倍率である。図15に示す補助表示画面5cでは、画像中央に原稿設定キー32の1つの操作キーだけが拡大された状態で表示されている。
【0098】
この第2段階の補助表示画面5cが表示されているときに、利用者が更に操作補助設定キー37を1回押下する操作を行うと、補助機能がオンに切り替わり、表示部5の表示画面が通常表示画面5aに戻るようになっている。
【0099】
このように本実施形態の画像形成装置1は、利用者が操作補助設定キー37を繰り返し操作することにより、複数の表示画面の中から最も見やすい状態の表示画面を選択して表示させることができる構成になっている。
【0100】
図16は、第4の実施の形態において付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9の一例を示す図である。図16に示すように、本実施形態では、付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9に、文字を含んで構成される複数種類の画像データ9d,9e,9fが含まれる。ここで、画像データ9d,9e,9fのそれぞれに含まれる文字の文字サイズは互いに異なっている。つまり、画像データ9dには文字サイズS1の文字が含まれており、画像データ9eには文字サイズS2の文字が含まれており、さらに画像データ9fには文字サイズS3の文字が含まれている。そして、各文字サイズS1,S2,S3は、S1<S2<S3を満たす関係にある。このように本実施形態では、操作パネル4の表示画面の種類に対応して文字サイズの異なる複数種類の画像データ9d,9e,9fが予め付加情報9に含まれている。
【0101】
そして本実施形態の制御部10は、利用者によって印刷開始が指示されると、利用者によって指定された用紙サイズに対応する複数種類の画像データ9d,9e,9eの中から1つの画像データを選択して読み出し、その選択した画像データに基づいて付加画像を生成する。このとき、補助機能がオンに設定されている場合には、操作パネル4における画面表示サイズを判別することにより、第1拡大表示機能と第2拡大表示機能のいずれが有効になっているかを特定し、その特定結果に応じて1つの画像データを選択する際の選択対象を切り替える。具体的には、第1拡大表示機能が有効である場合、制御部10は、比較的文字サイズの大きな画像データ9e,9fを選択対象とし、それらの画像データ9e,9fの中から1つの画像データを選択する。また、第2拡大表示機能が有効である場合、制御部10は、文字サイズの最も大きな画像データ9fを選択対象とし、その画像データ9fを選択する。そして制御部10は、読み出した画像データに基づいて付加画像を生成し、低視力者向けの見やすい付加画像を出力用紙の裏面側に印刷するように構成される。
【0102】
尚、本実施形態においても、制御部10が図6に示した各部の機能を実現する点については第1の実施の形態と同様である。ただし、本実施形態における付加画像生成部43は、補助機能が有効に設定されている場合、操作パネル4における画面表示サイズに基づいて、付加情報9に含まれる複数種類の画像データ9d,9e,9fの中から1つの画像データを選択する構成である。
【0103】
図17は、第4の実施の形態において制御部10で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部10は、この処理を開始すると、まず原稿画像を取得する(ステップS401)。そして制御部10は、利用者によって指定された出力用紙のサイズに基づき、その出力用紙の表面側および裏面側に印刷するための印刷サイズSを検出する(ステップS402)。そして制御部10は、補助機能が有効に設定されているか否かを判定する(ステップS403)。
【0104】
その結果、補助機能が有効に設定されている場合(ステップS403でYES)、制御部10は、操作パネル4の表示部5に表示されている表示画面の画面表示サイズを判別する(ステップS404)。すなわち、ここでは図15に示した補助表示画面5b,5cのうちのいずれが表示されているかが判別される。そして制御部10は、第1拡大表示機能が有効であるか否かを判断する(ステップS405)。
【0105】
そして第1拡大表示機能が有効である場合(ステップS405でYES)、制御部10は、その第1拡大表示機能に対応する画像データを選択する。例えば、比較的文字サイズの大きな画像データ9e,9fを選択対象とし、それらの画像データ9e,9fの中から1つの画像データを選択する(ステップS406)。このとき、選択対象である2つの画像データ9e,9fの中からいずれを選択するかは任意である。すなわち、広告などに含まれる文字をより読みやすくするために、最も文字サイズの大きな画像データ9fを選択しても良いし、また広告などの情報量をより多くするために文字サイズの小さい方の画像データ9eを選択しても良い。
【0106】
一方、第1拡大表示機能が有効でなかった場合(ステップS405でNO)、制御部10は、その第2拡大表示機能に対応する画像データ9fを選択する(ステップS407)。すなわち、このとき選択される画像データ9fは最も文字サイズの大きな画像データとなる。
【0107】
また、補助機能が無効であった場合(ステップS403でNO)、制御部10は、通常表示画面5aに対応する画像データを選択する(ステップS408)。ここでは、例えば全ての画像データ9d,9e,9fを選択対象とし、それらの画像データ9d,9e,9fの中から1つの画像データを選択する。このとき、選択対象である3つの画像データ9d,9e,9fの中からいずれを選択するかについても任意である。すなわち、広告などに含まれる文字をより読みやすくするために、文字サイズの比較的大きな画像データ9e,9fの中から1つの画像データを選択しても良いし、また広告などの情報量を最も多くするために文字サイズの最も小さい画像データ9dを選択しても良い。
【0108】
そして制御部10は、ステップS406,S407およびS408のいずれかで選択された画像データに基づいて出力用紙の裏面側に印刷するための付加画像を生成する(ステップS409)。そして、原稿画像を出力用紙の表面側に印刷すると共に、ステップS409で生成された付加画像を出力用紙の裏面側に印刷するように印刷制御を実行する(ステップS410)。その後、全てのページの印刷出力が完了すると、この処理は終了する。
【0109】
このように本実施形態においては、付加情報記憶部19aに予め記憶される付加情報9に、文字サイズの異なる複数種類の画像データ9d,9e,9fが含まれており、利用者が操作パネル4を操作する際に低視力者用の補助機能が有効に設定されていれば、その補助機能によって操作パネル4に表示される表示画面の拡大表示状態に応じて1つの画像データが選択され、付加画像が生成されるようになっている。
【0110】
図18は、第4の実施の形態において出力用紙の裏面側に印刷される付加画像の印刷形態を示す図である。図18(a)は、補助機能がオンであり、第1拡大表示機能が有効である場合の印刷形態の一例を示している。図18(a)に示すように、第1拡大表示機能が有効である場合、制御部10は、付加情報記憶部19aに記憶されている文字サイズの異なる複数の画像データ9d,9e,9fのうちから例えば中サイズの画像データ9eを選択する。そして、その画像データ9eをほぼ等倍のままで出力用紙の裏面側に印刷する。この場合、最も文字サイズの小さい画像データ9dよりも文字サイズの大きな画像データ9eに基づいて付加画像が印刷されるため、低視力者にとっても、広告などの文字が判読しやすい状態で印刷されるようになる。
【0111】
また、図18(b)は、補助機能がオンであり、第2拡大表示機能が有効である場合の印刷形態を示している。図18(b)に示すように、第2拡大表示機能が有効である場合、制御部10は、付加情報記憶部19aに記憶されている文字サイズの異なる複数の画像データ9d,9e,9fのうちから最も文字サイズの大きな画像データ9fを選択する。そして、その画像データ9fをほぼ等倍のままで出力用紙の裏面側に印刷する。この場合、最も文字サイズの大きな画像データ9fに基づいて付加画像が印刷されるため、低視力者にとっても、広告などの文字が判読しやすい状態で印刷されるようになる。
【0112】
さらに図18(c)は、補助機能がオフの場合の印刷形態を示している。図18(c)に示すように、補助機能がオフの場合、制御部10は、付加情報記憶部19aに記憶されている文字サイズの異なる複数の画像データ9d,9e,9fのうちから、例えば最も文字サイズの小さな画像データ9dを選択する。そして、その画像データ9dをほぼ等倍のままで出力用紙の裏面側に印刷する。そのため、この場合は、健常者向けに情報量の多い広告画像が印刷されるようになる。
【0113】
以上のように本実施形態の画像形成装置1は、補助機能として、操作パネル4に表示される表示画面を所定倍率に拡大して表示する第1拡大表示機能と、表示画面を所定倍率よりも更に大きな倍率で拡大して表示する第2拡大表示機能とを有している。そして付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9には、所定文字サイズの文字を含む第1の画像データ9dと、所定文字サイズよりも文字サイズの大きな文字を含む第2の画像データ9eと、第2の画像データに含まれる文字よりも更に文字サイズの大きな文字を含む第3の画像データ9fとが含まれている。そして本実施形態の付加画像生成部43は、補助機能における第1拡大表示機能が有効に設定されている場合には、第2の画像データ9e又は第3の画像データ9fを読み出して付加画像を生成し、補助機能における第2拡大表示機能が有効に設定されている場合には、第3の画像データ9fを読み出して付加画像を生成するように構成されている。
【0114】
このような構成によれば、操作パネル4の表示状態に対応する付加画像を生成して印刷出力を行うことができるため、不特定の利用者がコピー出力やプリント出力を行う際、その利用者が低視力者である場合には、その利用者にとって文字の読みやすい状態で広告などの付加情報を印刷することができるようになる。
【0115】
(第5の実施の形態)
次に第5の実施の形態について説明する。本実施形態では、低視力者が色弱者の場合であっても、判読し易い付加情報を印刷して出力する形態について説明する。尚、本実施形態においても、画像形成装置1の構成は、第1の実施の形態で説明したものと同様である。
【0116】
図19は、この第5の実施の形態において操作補助設定キー37が操作されることに伴って表示制御部21によって表示部5に表示される表示画面の切り替わりの一例を示す図である。図19に示すように、補助機能がオフのときには、通常表示画面5aが表示部5に表示される。
【0117】
この通常表示画面5aが表示されているとき、利用者が操作補助設定キー37を1回押下する操作を行うと、補助機能がオンとなる。本実施形態では、補助機能に、表示画面の配色を変更して表示する配色変更機能が含まれており、補助機能がオンになると、配色変更機能が作動して通常表示画面5aの配色を変更する。この配色変更には、例えば、通常表示画面5aの配色を反転させる処理が含まれる。そのため、補助機能がオンになると、表示部5の表示画面は、色弱者が判別し易い補助表示画面5dに切り替わる。この補助表示画面5dは、通常表示画面5aの配色を変化させたものあり、例えば通常表示画面5aの反転画像となっている。低視力者が色弱者の場合である場合、操作パネル4の表示部5に表示される表示画面を、このような補助表示画面5dに切り替えることにより、表示画面が見やすくなり、操作パネル4に対する入力操作を行い易くなる。
【0118】
そして補助表示画面5dが表示されているときに、利用者が更に操作補助設定キー37を1回押下する操作を行うと、補助機能がオンに切り替わり、表示部5の表示画面が通常表示画面5aに戻るようになっている。
【0119】
このように本実施形態の画像形成装置1は、利用者が操作補助設定キー37を操作することにより、通常表示画面5aと、通常表示画面5aの色を反転させた補助表示画面5dとのいずれか一方を選択して表示させることができる構成となっている。
【0120】
図20は、第5の実施の形態において付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9の一例を示す図である。図20に示すように、本実施形態では、付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9に、通常の色状態で表現された通常の画像データ9gと、通常の画像データ9gの色を反転させた反転画像データ9hとが含まれる。尚、画像データ9g,9hのそれぞれに含まれる広告などの情報量は同じである。
【0121】
そして本実施形態の制御部10は、利用者によって印刷開始が指示されると、画像データ9g,9hのうちから一方の画像データを選択して読み出し、その選択した画像データに基づいて付加画像を生成する。このとき、補助機能がオンに設定されている場合には、反転画像データ9hを読み出して付加画像を生成する。また、補助機能がオンに設定されていない場合には、通常の画像データ9gを読み出して付加画像を生成する。そして制御部10は、生成した付加画像を出力用紙の裏面側に印刷するように構成される。
【0122】
尚、本実施形態においても、制御部10が図6に示した各部の機能を実現する点については第1の実施の形態と同様である。
【0123】
図21は、第5の実施の形態において制御部10で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部10は、この処理を開始すると、まず原稿画像を取得する(ステップS501)。そして制御部10は、利用者によって指定された出力用紙のサイズに基づき、その出力用紙の表面側および裏面側に印刷するための印刷サイズSを検出する(ステップS502)。そして制御部10は、補助機能が有効に設定されているか否かを判定する(ステップS503)。
【0124】
その結果、補助機能が有効に設定されている場合(ステップS503でYES)、制御部10は、付加情報9に含まれる複数の画像データ9g,9hのうちから反転画像データ9hを選択する(ステップS504)。一方、補助機能が無効であった場合(ステップS503でNO)、制御部10は、付加情報9に含まれる複数の画像データ9g,9hのうちから通常の画像データ9gを選択する(ステップS505)。そして制御部10は、その選択した画像データ9g又は9hに基づいて出力用紙の裏面側に印刷するための付加画像を生成する(ステップS506)。
【0125】
そして制御部10は、原稿画像を出力用紙の表面側に印刷すると共に、ステップS506で生成された付加画像を出力用紙の裏面側に印刷するように印刷制御を実行する(ステップS507)。その後、全てのページの印刷出力が完了すると、この処理は終了する。
【0126】
このように本実施形態においては、付加情報記憶部19aに予め記憶される付加情報9に、通常の画像データ9gと、色を反転させた反転画像データ9hとが含まれており、利用者が操作パネル4を操作する際に低視力者用の補助機能が有効に設定されていれば、反転画像データ9hを選択して付加画像を生成し、その付加画像を原稿画像と共に印刷するように構成される。また、利用者が操作パネル4を操作する際に低視力者用の補助機能を無効に設定していれば、通常の画像データ9gを選択して付加画像を生成し、その付加画像を原稿画像と共に印刷するようになっている。
【0127】
図22は、第5の実施の形態において補助機能がオンである場合に出力用紙の裏面側に印刷される付加画像の印刷形態と、補助機能がオフである場合に出力用紙の裏面側に印刷される付加画像の印刷形態とを示す図である。図22(a)は、補助機能がオンの場合の印刷形態を示している。図22(a)に示すように、補助機能がオンの場合、制御部10は、付加情報記憶部19aに記憶されている反転画像データ9hを選択する。そして、その画像データ9hをほぼ等倍のままで出力用紙の裏面側に印刷する。そのため、低視力者が色弱者であっても、補助機能をオンに設定することにより、色弱者にとって、広告などの文字が判読しやすい状態で印刷されるようになる。
【0128】
一方、図22(b)は、補助機能がオフの場合の印刷形態を示している。図22(b)に示すように、補助機能がオフの場合、制御部10は、付加情報記憶部19aに記憶されている通常の画像データ9gを選択する。そして、その画像データ9gをほぼ等倍のままで出力用紙の裏面側に印刷する。そのため、この場合は、健常者向けの読みやすい広告画像が印刷されるようになる。
【0129】
以上のように本実施形態の画像形成装置1は、補助機能として、操作パネル4の表示画面の配色を変更して表示する配色変更機能を有している。また、付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9には、配色変更機能によって変更される配色状態に対応する反転画像データ9hが含まれている。そして付加画像生成部43は、補助機能が有効に設定されている場合、反転画像データ9hを読み出し、操作パネル4で表示されている配色状態に対応した付加画像を生成する構成である。そのため、本実施形態では、低視力者が色弱者である場合であっても、文字の読みやすい状態で広告などの付加情報を印刷して提供することができるようになっている。
【0130】
(第6の実施の形態)
次に第6の実施の形態について説明する。本実施形態では、付加情報9に文字が含まれている場合、補助機能がオンになっていれば、その文字の文字線を太く加工する画像処理を行って付加画像を生成する形態について説明する。
【0131】
図23は、第6の実施の形態において付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9の一例を示す図である。図23に示すように、本実施形態では、付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9に、写真などの画像データD1と、文字列で構成される文字データD2とがレイアウトされた画像である付加データ9iが含まれる。つまり、この付加データ9iは、画像と文字とが編集によって組み合わせられた、一種の画像データである。
【0132】
そして本実施形態の制御部10は、利用者によって印刷開始が指示されると、図23に示すような付加データ9iを選択して読み出し、その選択した付加データ9iに基づいて付加画像を生成する。このとき、補助機能がオンに設定されている場合、制御部10は、付加データ9iを構成する文字データD2を抽出し、その文字データD2に含まれる文字の文字線を太く加工する画像処理を行って付加画像を生成し、低視力者向けの見やすい付加画像を出力用紙の裏面側に印刷するように構成される。
【0133】
尚、本実施形態においても、制御部10が図6に示した各部の機能を実現する点については第1の実施の形態と同様である。ただし、本実施形態における付加画像生成部43は、補助機能が有効に設定されている場合、付加データ9iから文字データD2を分離して抽出し、文字データD2の文字を太くする画像処理を行った後、再び画像データD1と合成して付加画像を生成する構成である。
【0134】
図24は、第6の実施の形態において制御部10で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部10は、この処理を開始すると、まず原稿画像を取得する(ステップS601)。そして制御部10は、利用者によって指定された出力用紙のサイズに基づき、その出力用紙の表面側および裏面側に印刷するための印刷サイズSを検出する(ステップS602)。そして制御部10は、補助機能が有効に設定されているか否かを判定する(ステップS603)。
【0135】
その結果、補助機能が有効に設定されている場合(ステップS603でYES)、制御部10は、付加情報9に含まれる付加データ9iを読み出し(ステップS604)、付加データ9iを構成する画像データD1と文字データD2とを分離する処理を行う(ステップS605)。そして制御部10は、文字データD2に含まれる文字の文字線を太文字に加工する画像処理を行い(ステップS606)、加工された文字データD2を画像データD1に対して再び合成する(ステップS607)。そして制御部10は、合成処理によって得られた合成画像に基づいて出力用紙の裏面側に印刷するための付加画像を生成する(ステップS608)。
【0136】
一方、補助機能が無効であった場合(ステップS603でNO)、制御部10は、付加情報9に含まれる付加データ9iを読み出し(ステップS609)、その読み出した付加データ9iに基づいて出力用紙の裏面側に印刷するための付加画像を生成する(ステップS610)。
【0137】
そして制御部10は、原稿画像を出力用紙の表面側に印刷すると共に、ステップS608又はS610で生成された付加画像を出力用紙の裏面側に印刷するように印刷制御を実行する(ステップS611)。その後、全てのページの印刷出力が完了すると、この処理は終了する。
【0138】
このように本実施形態においては、付加情報記憶部19aに予め記憶される付加情報9に、画像と文字とが組み合わせられた付加データ9iが含まれており、利用者が操作パネル4を操作する際に低視力者用の補助機能が有効に設定されていれば、付加データ9iの文字を太文字に加工した付加画像を生成し、その付加画像を原稿画像と共に印刷するように構成される。また、利用者が操作パネル4を操作する際に低視力者用の補助機能を無効に設定していれば、付加データ9iに基づいて付加画像を生成し、その付加画像を原稿画像と共に印刷するようになっている。
【0139】
図25は、第6の実施の形態において補助機能がオンである場合に出力用紙の裏面側に印刷される付加画像の印刷形態を示す図である。図25に示すように、補助機能がオンの場合、制御部10は、付加情報記憶部19aに記憶されている付加データ9iを選択し、その付加データ9iに含まれる画像データD1と文字データD2とを分離する。そして付加データ9iから分離した文字データD2に対して文字を太くする画像処理を施した後、文字データD2と画像データD1との合成処理を行い、付加画像を生成する。そして、合成処理が行われて生成される付加画像は、出力用紙の裏面側に印刷される。尚、この例では、付加データ9iに対して、画像データD1と文字データD2とが予めレイアウトされている場合を示したが、画像データD1と文字データD2とが始めから分離された状態で付加情報9に含まれていても構わない。
【0140】
以上のように本実施形態の画像形成装置1においては、付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9に、文字データD2が含まれている。そして付加画像生成部43は、補助機能が有効に設定されている場合、その文字データD2に含まれる文字の文字線を太くする画像処理を行って付加画像を生成する構成である。そのため、不特定の利用者がコピー出力やプリント出力を行う際、その利用者が低視力者である場合には、補助機能を有効にして操作パネル4の操作を行うことにより、その利用者にとって文字の読みやすい状態で広告などの付加情報を印刷することができるようになっている。
【0141】
(第7の実施の形態)
次に第7の実施の形態について説明する。上述した第5の実施の形態では、付加情報9に予め通常の画像データ9gと、通常の画像データ9gの色を反転させた反転画像データ9hとが含まれており、補助機能が有効に設定されている場合には、付加情報9から反転画像データ9hを読み出して付加画像を生成する形態について説明した。本実施形態では、付加情報9に通常の画像データ9gのみを格納しておき、補助機能が有効に設定されている場合には、付加情報9から通常の画像データ9gを読み出して色を反転させた付加画像を生成する形態について説明する。尚、本実施形態においても、画像形成装置1の構成は、第1の実施の形態で説明したものと同様である。また、本実施形態において、操作パネル4の表示部5に表示される表示画面が切り替わる態様は、第5の実施の形態で説明したものと同様である。
【0142】
図26は、第7の実施の形態において付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9の一例を示す図である。図26に示すように、本実施形態では、付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9に、通常の色状態で表現された通常の画像データ9gのみが含まれる。
【0143】
そして本実施形態の制御部10は、利用者によって印刷開始が指示されると、画像データ9gを選択して読み出し、その画像データ9gに基づいて付加画像を生成する。このとき、補助機能がオンに設定されている場合には、制御部10は、通常の画像データ9gの色を反転させる画像処理を行って付加画像を生成する。また、補助機能がオンに設定されていない場合には、通常の画像データ9gを読み出し、それに基づいて付加画像を生成する。そして制御部10は、生成した付加画像を出力用紙の裏面側に印刷するように構成される。
【0144】
尚、本実施形態においても、制御部10が図6に示した各部の機能を実現する点については第1の実施の形態と同様である。ただし、本実施形態では、補助機能がオンに設定されているとき、付加画像生成部43が、通常の画像データ9gの色を反転させる画像処理を実行するように構成される。
【0145】
図27は、第7の実施の形態において制御部10で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部10は、この処理を開始すると、まず原稿画像を取得する(ステップS701)。そして制御部10は、利用者によって指定された出力用紙のサイズに基づき、その出力用紙の表面側および裏面側に印刷するための印刷サイズSを検出する(ステップS702)。そして制御部10は、補助機能が有効に設定されているか否かを判定する(ステップS703)。
【0146】
その結果、補助機能が有効に設定されている場合(ステップS703でYES)、制御部10は、付加情報9に含まれる画像データ9gを読み出し(ステップS704)、その画像データ9gの色を反転させる画像処理を行う(ステップS705)。これにより、通常の画像データ9gの色が判定した反転画像が生成される。そして制御部10は、その反転画像に基づいて出力用紙の裏面側に印刷するための付加画像を生成する(ステップS706)。
【0147】
一方、補助機能が無効であった場合(ステップS703でNO)、制御部10は、付加情報9に含まれる画像データ9gを読み出し(ステップS707)、その画像データ9gに基づいて出力用紙の裏面側に印刷するための付加画像を生成する(ステップS708)。
【0148】
そして制御部10は、原稿画像を出力用紙の表面側に印刷すると共に、ステップS706又はS708で生成された付加画像を出力用紙の裏面側に印刷するように印刷制御を実行する(ステップS709)。その後、全てのページの印刷出力が完了すると、この処理は終了する。
【0149】
このように本実施形態においては、付加情報記憶部19aに予め記憶される付加情報9に、通常の画像データ9gのみが含まれており、利用者が操作パネル4を操作する際に低視力者用の補助機能が有効に設定されていれば、その画像データ9gを読み出し、色を反転させる画像処理を行って付加画像を生成し、その付加画像を原稿画像と共に印刷するように構成される。また、利用者が操作パネル4を操作する際に低視力者用の補助機能が無効に設定されていれば、通常の画像データ9gに基づいて付加画像を生成し、その付加画像を原稿画像と共に印刷するようになっている。
【0150】
図28は、第7の実施の形態において補助機能がオンである場合に出力用紙の裏面側に印刷される付加画像の印刷形態を示す図である。図28に示すように、補助機能がオンの場合、制御部10は、付加情報記憶部19aに記憶されている画像データ9gを選択して読み出す。そして、その画像データ9gの色を反転させる画像処理を行って反転画像を生成する。そして生成された反転画像に基づいて付加画像が生成され、その付加画像が出力用紙の裏面側に印刷される。そのため、低視力者が色弱者であっても、補助機能をオンに設定することにより、色弱者にとって、広告などの文字が判読しやすい状態で印刷されるようになる。
【0151】
以上のように本実施形態の画像形成装置1は、補助機能として、操作パネル4の表示画面の配色を変更して表示する配色変更機能を有している。また、付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9には、通常の配色状態で表現された通常の画像データ9gのみが含まれる。そして付加画像生成部43は、補助機能が有効に設定されている場合、通常の画像データ9gを読み出し、その画像データ9gの色を反転させる画像処理を行うことにより、操作パネル4で表示されている配色状態に対応した付加画像を生成する構成である。そのため、本実施形態では、低視力者が色弱者である場合であっても、文字の読みやすい状態で広告などの付加情報を印刷して提供することができるようになっている。また、本実施形態を上述した第5の実施の形態と比較すると、本実施形態では、付加情報9に予め反転画像データ9hを含めておく必要がないため、付加情報記憶部19aの記憶領域を小さくすることができるという利点もある。
【0152】
(第8の実施の形態)
次に第8の実施の形態について説明する。本実施形態では、利用者が操作補助設定キー37を操作することにより、図15に示した3つの表示画面に加え、更にそれら3つの表示画面の配色を変更した補助表示画面(例えば配色を反転させた補助表示画面)を操作パネル4に表示することができるようになっており、補助機能がオンに設定されているときには、操作パネル4に表示される表示画面に応じた付加画像を生成して印刷する形態について説明する。尚、本実施形態でも画像形成装置1の構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0153】
図29は、第8の実施の形態において付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9の一例を示す図である。図29に示すように、本実施形態では、付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9に、文字サイズが小サイズである通常の画像データ9dと、文字サイズが中サイズである通常の画像データ9eと、文字サイズが大サイズである通常の画像データ9fと、通常の画像データ9dの色を反転させた反転画像データ9jと、通常の画像データ9eの色を反転させた反転画像データ9kと、通常の画像データ9fの色を反転させた反転画像データ9mとが含まれる。ここで通常の画像データ9d,9e,9fは、第4の実施の形態で説明した画像データ9d,9e,9f(図16参照)と同様である。
【0154】
通常の画像データ9dは、文字サイズが小さく、画面配色が通常の配色状態であるので、健常者には識別容易であるが、低視力者にとっては識別困難な画像データである。これに対し、画像データ9e,9f,9j,9k,9mは、低視力者の症状に適合するものが選択されれば、低視力者にとっては識別が可能な画像データとなっている。
【0155】
このように付加情報9に含まれる複数の画像データ9d,9e,9f,9j,9k,9mのそれぞれは、操作パネル4に表示される複数の表示画面のそれぞれに対応している。例えば、画像データ9dは、図15の通常表示画面5aに対応しており、画像データ9eは、図15の補助表示画面5bに対応している。また、画像データ9fは、図15の補助表示画面5cに対応している。また、反転画像データ9jは、通常表示画面5aの配色を反転させた補助表示画面に対応しており、反転画像データ9kは、補助表示画面5bの配色を反転させた補助表示画面に対応している。さらに反転画像データ9mは、補助表示画面5cの配色を反転させた補助表示画面に対応している。尚、配色を反転させた補助表示画面は、補助機能に含まれる配色変更機能によって生成される。
【0156】
本実施形態の制御部10は、利用者によって印刷開始が指示されると、付加情報9に含まれる複数の画像データ9d,9e,9f,9j,9k,9mの中から1つの画像データを選択して読み出し、その選択した画像データに基づいて付加画像を生成する。このとき、補助機能がオンに設定されていれば、画像データ9dを除き、複数の画像データ9e,9f,9j,9k,9mの中から操作パネル4に表示されている補助表示画面の種類に対応する1つの画像データを選択し、付加画像を生成する。また、補助機能がオンに設定されていない場合には、文字サイズが小サイズである通常の画像データ9dを読み出し、それに基づいて付加画像を生成する。そして制御部10は、生成した付加画像を出力用紙の裏面側に印刷するように構成される。
【0157】
尚、本実施形態においても、制御部10が図6に示した各部の機能を実現する点については第1の実施の形態と同様である。
【0158】
図30は、第8の実施の形態において制御部10で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部10は、この処理を開始すると、まず原稿画像を取得する(ステップS801)。そして制御部10は、利用者によって指定された出力用紙のサイズに基づき、その出力用紙の表面側および裏面側に印刷するための印刷サイズSを検出する(ステップS802)。そして制御部10は、補助機能が有効に設定されているか否かを判定する(ステップS803)。
【0159】
その結果、補助機能が有効に設定されている場合(ステップS803でYES)、制御部10は、操作パネル4に表示されている補助機能の種類を判別する(ステップS804)。ここでは、補助機能がオンであるときに操作パネル4に表示されている補助表示画面の種類が判別される。そして、制御部10は、複数の画像データ9e,9f,9j,9k,9mの中から操作パネル4に表示されている補助表示画面の種類に対応する1つの画像データを選択して読み出し(ステップS805)、その読み出した画像データに基づいて出力用紙の裏面側に印刷するための付加画像を生成する(ステップS806)。
【0160】
一方、補助機能が無効に設定されていた場合(ステップS803でNO)、制御部10は、付加情報9に含まれる文字サイズが小サイズの通常の画像データ9dを読み出し(ステップS807)、その画像データ9dに基づいて出力用紙の裏面側に印刷するための付加画像を生成する(ステップS808)。
【0161】
そして制御部10は、原稿画像を出力用紙の表面側に印刷すると共に、ステップS806又はS808で生成された付加画像を出力用紙の裏面側に印刷するように印刷制御を実行する(ステップS809)。その後、全てのページの印刷出力が完了すると、この処理は終了する。
【0162】
このように本実施形態においては、付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9に、健常者向けの通常の画像データ9dと、補助表示画面の種類に対応する複数種類の低視力者向けの画像データ9e,9f,9j,9k,9mが含まれている。そして利用者が操作パネル4を操作する際に低視力者用の補助機能が有効に設定されていれば、その補助機能によってどのような種類の補助表示画面が操作パネル4に表示されているかに応じて複数種類の低視力者向けの画像データ9e,9f,9j,9k,9mの中から1つの画像データを選択して付加画像を生成し、その付加画像を原稿画像と共に印刷するように構成される。また、利用者が操作パネル4を操作する際に低視力者用の補助機能が無効に設定されていれば、通常の画像データ9dに基づいて付加画像を生成し、その付加画像を原稿画像と共に印刷するようになっている。
【0163】
以上のように本実施形態の画像形成装置1では、付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9に、低視力者が識別可能な画像データ9dと、低視力者が識別困難な画像データ9e,9f,9j,9k,9mとが含まれている。そして付加画像生成部43は、補助機能が有効に設定されている場合、操作パネル4に表示されている補助表示画面の種類に応じて付加情報9のうちから低視力者が識別可能な1つの画像データを読み出し、その画像データに基づいて付加画像を生成する構成である。そのため、本実施形態では、利用者が低視力者の場合であっても、利用者が補助機能をオンに設定し、自身が見やすい補助表示画面を表示させている状態でスタートキーを押下することにより、広告などの文字が判読しやすい状態で印刷されるようになる。また、利用者が色弱者の場合でも、反転画像データ9j,9k,9mのいずれかを選択して付加画像として印刷するため、色弱者にも見やすい広告を提供することが可能である。
【0164】
(第9の実施の形態)
次に第9の実施の形態について説明する。本実施形態では、補助機能が有効に設定されており、更に音声ガイダンス機能が有効に設定されている場合における付加情報9の一出力形態について説明する。尚、本実施形態でも画像形成装置1の構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0165】
図31は、第9の実施の形態において付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9の一例を示す図である。図31に示すように、本実施形態では、付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9に、広告などの画像データ9nと、その広告を音声で表した音声データ9sとが含まれる。
【0166】
本実施形態の制御部10は、利用者によって印刷開始が指示されたとき、補助機能が有効であれば、音声ガイダンス機能が有効であるか否かを判断し、音声ガイダンス機能が有効である場合には、予め設定されている広告出力形態に応じて付加情報9に含まれるデータを読み出して広告に関する出力を行うように構成される。尚、本実施形態においても、制御部10が図6に示した各部の機能を実現する点については第1の実施の形態と同様である。ただし、本実施形態における付加画像生成部43は、音声ガイダンス機能が有効に設定されている場合に付加情報9から音声データ9sを読み出し、その音声データ9sを音声出力部7に出力して広告などの情報を音声で出力させることも可能な構成である。
【0167】
図32は、第9の実施の形態において制御部10で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部10は、この処理を開始すると、まず原稿画像を取得する(ステップS901)。そして制御部10は、利用者によって指定された出力用紙のサイズに基づき、その出力用紙の表面側および裏面側に印刷するための印刷サイズSを検出する(ステップS902)。そして制御部10は、補助機能が有効に設定されているか否かを判定する(ステップS903)。
【0168】
その結果、補助機能が有効に設定されている場合(ステップS903でYES)、制御部10は、さらに音声ガイダンス機能が有効に設定されているか否かを判定する(ステップS904)。音声ガイダンス機能が有効な場合(ステップS904でYES)、制御部10は、予め設定されている広告出力形態を判別する(ステップS905)。この広告出力形態には、例えば、音声出力のみによる音声広告の出力形態と、音声出力と共に上述した各実施の形態での付加画像を出力用紙の裏面側に印刷して出力する出力形態との2つがある。そのため、ステップS905では、これら2つの出力形態のうちのいずれが予め設定されているかを判別する。そして音声広告のみであるか否かを判断する(ステップS906)。
【0169】
音声広告のみである場合(ステップS906でYES)、制御部10は、付加情報9から音声データ9sを読み出し(ステップS907)、その音声データ9sを音声出力部7に出力して音声出力による広告の出力を開始する(ステップS908)。そして制御部10は、原稿画像に基づいて印刷制御を開始する(ステップS909)。尚、このステップS909では、原稿画像が出力用紙の表面側に印刷されるだけであり、裏面側への付加画像の印刷は行われない。
【0170】
一方、音声広告のみでない場合(ステップS906でNO)、制御部10は、付加情報9から音声データ9sを読み出し(ステップS910)、その音声データ9sを音声出力部7に出力して音声出力による広告の出力を開始する(ステップS911)その後、制御部10は、付加情報9から画像データ9nを読み出し(ステップS912)、その読み出した画像データ9nに基づいて付加画像を生成する(ステップS913)。このステップS913では、低視力者にとって見やすい付加画像が生成される。そのため、上述した各実施の形態のように画像データ9nを拡大する処理を行うようにしても良いし、文字を太文字に加工するような画像処理などを行うようにしても良い。
【0171】
また補助機能が無効に設定されていた場合(ステップS903でNO)、制御部10は、付加情報9から画像データ9nを読み出し(ステップS914)、その読み出した画像データ9nに基づいて付加画像を生成する(ステップS915)。このステップS915では、上述したステップS913と異なり、低視力者にとって見やすい付加画像は生成されず、健常者向けの付加画像が生成される。
【0172】
そして制御部10は、原稿画像を出力用紙の表面側に印刷すると共に、ステップS913又はS915で生成された付加画像を出力用紙の裏面側に印刷するように印刷制御を実行する(ステップS916)。その後、全てのページの印刷出力が完了すると、この処理は終了する。
【0173】
以上のように本実施形態の画像形成装置1では、補助機能として、操作パネル4の表示画面に関する音声ガイダンスを行う音声ガイダンス機能を有しており、付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9には、広告に関する画像データ9nと、その画像データ9nに対応する音声データ9sとが含まれている。そして付加画像生成部43は、音声ガイダンス機能が有効に設定されている場合、画像データ9nを読み出し、その画像データ9nに基づいて付加画像を生成することができる構成である。また付加画像生成部43は、音声ガイダンス機能が有効に設定されている場合、音声データ9sを読み出し、その音声データ9sを音声出力部7に出力することにより、広告音声を出力することできる構成となっている。したがって、利用者が低視力者の場合であっても、付加情報9に含まれる広告などの情報を利用者が識別できるような態様で提供することができるようになる。
【0174】
(変形例)
以上、本発明に関する幾つかの実施形態について説明したが、本発明は上述した内容に限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
【0175】
例えば、上述した実施形態では、画像形成装置1においてコピー出力を行う場合を例に挙げて説明したが、例えばプリント出力を行う場合にも上述した内容を適用することは可能である。
【符号の説明】
【0176】
1 画像形成装置
4 操作パネル(操作入力手段)
7 音声出力部(音声出力手段)
10 制御部
16 プリンタ部(印刷手段)
19 記憶装置
19a 付加情報記憶部(付加情報記憶手段)
23 操作補助部(操作補助手段)
41 原稿画像取得部(原稿画像取得手段)
43 付加画像生成部(付加画像生成手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置および画像形成方法に関し、特に印刷対象となる原稿画像に基づいて印刷出力を行う際、原稿画像と共に広告などの付加情報を印刷して出力するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタル複合機やMFP(Multi Function Peripheral)などと呼ばれる画像形成装置において、商業目的でコンビニエンスストアや学校校内などの特定の場所に設置され、コピー機能やプリント機能が利用されることに伴って利用者に課金を行うものが提供されている。近年は、このような画像形成装置において、コピー出力やプリント出力を行う際、出力用紙の余白部分や裏面に対して広告などの付加情報を印刷することで利用者が負担すべき課金額の一部又は全部を広告主が負担するようにしたサービスが提供されつつある。このようなサービス提供形態に関し、従来は、利用者に対して効果的な広告情報を提供するための様々な手法が提案されている(例えば特許文献1,2,3)。
【0003】
例えば、特許文献1には、利用者が所持する原稿を読み取って得られた画像データに対して文字認識処理を行い、認識した文字列からキーワードを決定し、その決定したキーワードに基づいて適当な広告などの情報を選択する技術が開示されている。また、特許文献2には、画像形成装置の設置場所に応じた広告を提供するため、画像形成装置の設置位置に基づいてその設置位置に近い地域の広告情報を選択して提供する技術が開示されている。ところが、これらの従来技術は、原稿に含まれる文字列や、画像形成装置の設置場所に応じて広告内容を選択するものであり、利用者の視覚状態に合わせた広告出力を行うものではない。
【0004】
近年の画像形成装置は、利用者が操作する操作パネルに対し、各種メニューボタンなどを拡大して表示する拡大表示機能や、音声ガイダンス機能などの補助機能を搭載したものも出現しており、視覚健常者だけでなく、弱視者や低視力者などの視覚的なハンディキャップを負った利用者でも操作を行いやすいようになっている。このような画像形成装置において広告などの付加情報を印刷する場合、視覚健常者の場合と同様に、小さい文字や画像のままで広告などの付加情報を印刷してしまうと、弱視者や低視力者にとっては非常に読み難い状態で付加情報が提供されることになる。この場合、弱視者や低視力者などに、広告を見てもらえないケースが頻発し、広告主が期待する程の広告効果が上がらないという問題が発生する。
【0005】
一方、このような問題を解決するための手法のひとつとして、例えば特許文献3のように、予めユーザ毎に広告情報を印刷出力するか、或いは音声出力するかを設定しておき、ユーザがユーザIDなどを入力することによってユーザ認証を行い、ユーザを特定することができた場合にはそのユーザに対して予め設定された出力形態で広告情報を印刷したり、或いは音声出力したりするものも提案されている。
【0006】
しかしながら、この従来技術では、ユーザ毎に予め広告情報の出力形態を登録しておく必要があるため、画像形成装置に予め登録された特定のユーザに対しては有益な広告情報を提供可能であるが、コンビニエンスストアや学校校内などに設置されて不特定のユーザによって使用される形態の場合にはそのような不特定のユーザに有益な広告情報を提供することができないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−290706号公報
【特許文献2】特開2003−281012号公報
【特許文献3】特開2005−167620号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、弱視者や低視力者などの不特定のユーザがコピー出力やプリント出力を行う場合、従来の画像形成装置では、出力用紙の余白部分や裏面に印刷される広告などの付加情報が低視力者などにとって非常に読み難い状態で印刷されてしまい、利用者によって付加情報が有効に活用されないという問題がある。
【0009】
そこで本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであり、弱視者や低視力者などの不特定の利用者がコピー出力やプリント出力を行う場合でも、それらの利用者にとって読みやすい状態で広告などの付加情報を提供できるようにした画像形成装置および画像形成方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、画像形成装置であって、ユーザが各種操作を行うための操作案内画面を表示し、ユーザによる各種入力操作を受け付ける操作入力手段と、ユーザが低視力者である場合に、前記操作入力手段に対するユーザの入力操作を補助するための補助機能を有効にする操作補助手段と、印刷対象となる原稿画像を取得する原稿画像取得手段と、前記原稿画像取得手段によって取得される原稿画像と共に印刷するための付加情報を記憶する付加情報記憶手段と、前記付加情報記憶手段に記憶されている付加情報を読み出し、印刷用の付加画像を生成する付加画像生成手段と、前記原稿画像取得手段によって取得される原稿画像と共に、前記付加画像生成手段によって生成される付加画像を印刷して出力する印刷手段と、を備え、前記付加画像生成手段は、前記操作補助手段により前記補助機能が有効に設定されている場合、前記付加情報記憶手段に記憶されている付加情報を読み出して印刷用の付加画像を生成する際に低視力者向けの付加画像を生成することを特徴とする構成である。
【0011】
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記補助機能には、前記操作案内画面を拡大して表示する拡大表示機能、前記操作案内画面の配色を変更して表示する配色変更機能、および、前記操作案内画面についての音声ガイダンスを行う音声ガイダンス機能のうちの少なくとも1つの機能が含まれることを特徴とする構成である。
【0012】
請求項3にかかる発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記付加情報記憶手段に記憶される付加情報には、画像サイズの異なる複数種類の画像データが含まれており、前記付加画像生成手段は、前記操作補助手段により前記補助機能が有効に設定されている場合、付加画像を印刷するための印刷サイズよりも小さい画像サイズの画像データを選択して読み出し、当該画像データを前記印刷サイズに拡大することによって付加画像を生成することを特徴とする構成である。
【0013】
請求項4にかかる発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記付加情報記憶手段に記憶される付加情報には、所定の印刷サイズに対応した画像データが含まれており、前記付加画像生成手段は、前記操作補助手段により前記補助機能が有効に設定されており、且つ、原稿画像に基づいて前記所定の印刷サイズに対応する印刷出力が複数ページ行われる場合、前記所定の印刷サイズに対応した画像データを分割し、複数のページに拡大して印刷するための付加画像を生成することを特徴とする構成である。
【0014】
請求項5にかかる発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記付加情報記憶手段に記憶される付加情報には、所定文字サイズの文字を含む第1の画像データと、前記所定文字サイズよりも大きなサイズの文字を含む第2の画像データとが含まれており、前記付加画像生成手段は、前記操作補助手段により前記補助機能が有効に設定されている場合、前記第2の画像データを選択して読み出し、当該第2の画像データに基づいて付加画像を生成することを特徴とする構成である。
【0015】
請求項6にかかる発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記補助機能は、前記操作案内画面を所定倍率に拡大して表示する第1拡大表示機能と、前記操作案内画面を前記所定倍率よりも更に大きな倍率で拡大して表示する第2拡大表示機能と、を有し、前記付加情報記憶手段に記憶される付加情報には、所定文字サイズの文字を含む第1の画像データと、前記所定文字サイズよりも文字サイズの大きな文字を含む第2の画像データと、前記第2の画像データに含まれる文字よりも更に文字サイズの大きな文字を含む第3の画像データとが含まれており、前記付加画像生成手段は、前記操作補助手段により前記補助機能における前記第1拡大表示機能が有効に設定されている場合に前記第2の画像データ又は前記第3の画像データを読み出して付加画像を生成し、前記操作補助手段により前記補助機能における前記第2拡大表示機能が有効に設定されている場合に前記第3の画像データを読み出して付加画像を生成することを特徴とする構成である。
【0016】
請求項7にかかる発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記補助機能は、前記操作案内画面の配色を変更して表示する配色変更機能を有し、前記付加情報記憶手段に記憶される付加情報には、前記配色変更機能によって変更される配色状態に対応する画像データが含まれており、前記付加画像生成手段は、前記操作補助手段により前記配色変更機能が有効に設定されている場合、前記画像データを読み出し、前記操作案内画面で表示される配色状態に対応した付加画像を生成することを特徴とする構成である。
【0017】
請求項8にかかる発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記補助機能は、前記操作案内画面の配色を反転させて表示する配色変更機能を有し、前記付加情報記憶手段に記憶される付加情報には、画像データが含まれており、前記付加画像生成手段は、前記操作補助手段により前記配色変更機能が有効に設定されている場合、前記画像データの色を反転させる画像処理を行うことにより付加画像を生成することを特徴とする構成である。
【0018】
請求項9にかかる発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記付加情報記憶手段に記憶される付加情報には、文字データが含まれており、前記付加画像生成手段は、前記操作補助手段により前記補助機能が有効に設定されている場合、前記文字データに含まれる文字の文字線を太くする画像処理を行って付加画像を生成することを特徴とする構成である。
【0019】
請求項10にかかる発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記付加情報記憶手段に記憶される付加情報には、低視力者が識別可能な画像データと、低視力者が識別困難な画像データとが含まれており、前記付加画像生成手段は、前記操作補助手段により前記補助機能が有効に設定されている場合、前記付加情報のうちから低視力者が識別可能な画像データを読み出し、該画像データに基づいて付加画像を生成することを特徴とする構成である。
【0020】
請求項11にかかる発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記補助機能は、前記操作案内画面についての音声ガイダンスを行う音声ガイダンス機能を有し、前記付加情報記憶手段に記憶される付加情報には、画像データが含まれており、前記付加画像生成手段は、前記操作補助手段により前記音声ガイダンス機能が有効に設定されている場合、前記画像データを読み出し、該画像データに基づいて付加画像を生成することを特徴とする構成である。
【0021】
請求項12にかかる発明は、請求項11に記載の画像形成装置において、音声を出力する音声出力手段をさらに備え、前記付加情報記憶手段に記憶される付加情報には、前記画像データに対応する音声データがさらに含まれており、前記付加画像生成手段は、前記操作補助手段により前記音声ガイダンス機能が有効に設定されている場合、前記音声データを読み出し、該音声データを前記音声出力手段に出力することを特徴とする構成である。
【0022】
請求項13にかかる発明は、画像形成方法であって、(a) 原稿画像と共に印刷するための付加情報を所定の付加情報記憶手段に予め記憶するステップと、(b) ユーザが各種操作を行うための操作案内画面を表示し、ユーザによる各種入力操作を受け付けるステップと、(c) ユーザが低視力者である場合に、ユーザの入力操作を補助するための補助機能を有効にするステップと、(d) 印刷対象となる原稿画像を取得するステップと、(e) 原稿画像の取得に伴い、前記付加情報記憶手段に記憶されている付加情報を読み出し、印刷用の付加画像を生成するステップと、(f) 取得された原稿画像と共に、前記付加画像を印刷して出力するステップと、を備え、前記ステップ(e)は、前記補助機能が有効に設定されている場合、前記付加情報記憶手段に記憶されている付加情報を読み出して印刷用の付加画像を生成するときに低視力者向けの付加画像を生成することを特徴とする構成である。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、操作補助手段によって補助機能が有効に設定されている場合には、付加情報記憶手段に記憶されている付加情報を読み出して印刷用の付加画像を生成する際に、低視力者にとって識別しやすい低視力者向けの付加画像が生成されるため、弱視者や低視力者などの不特定の利用者がコピー出力やプリント出力を行う場合でも、それらの利用者にとって読みやすい状態で広告などの付加情報を提供することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】画像形成システムの一構成例を示す図である。
【図2】画像形成装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図3】操作パネルの表示部に表示される表示画面の一例を示す図である。
【図4】第1の実施の形態において補助機能のオンオフ設定が切り替えられることに伴って表示部に表示される表示画面の切り替わりの一例を示す図である。
【図5】第1の実施の形態において付加情報記憶部に記憶される付加情報の一例を示す図である。
【図6】制御部の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図7】第1の実施の形態において制御部で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】第1の実施の形態において補助機能がオンである場合に出力用紙の裏面側に印刷される付加画像の印刷形態と、補助機能がオフである場合に出力用紙の裏面側に印刷される付加画像の印刷形態とを示す図である。
【図9】第2の実施の形態において付加情報記憶部に記憶される付加情報の一例を示す図である。
【図10】第2の実施の形態において制御部で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】第2の実施の形態において補助機能がオンである場合に出力用紙の裏面側に印刷される付加画像の印刷形態を示す図である。
【図12】第3の実施の形態において付加情報記憶部に記憶される付加情報の一例を示す図である。
【図13】第3の実施の形態において制御部で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図14】第3の実施の形態において補助機能がオンである場合に出力用紙の裏面側に印刷される付加画像の印刷形態と、補助機能がオフである場合に出力用紙の裏面側に印刷される付加画像の印刷形態とを示す図である。
【図15】第4の実施の形態において操作パネルの表示部に表示される表示画面の切り替わりの一例を示す図である。
【図16】第4の実施の形態において付加情報記憶部に記憶される付加情報の一例を示す図である。
【図17】第4の実施の形態において制御部で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図18】第4の実施の形態において出力用紙の裏面側に印刷される付加画像の印刷形態を示す図である。
【図19】第5の実施の形態において表示部に表示される表示画面の切り替わりの一例を示す図である。
【図20】第5の実施の形態において付加情報記憶部に記憶される付加情報の一例を示す図である。
【図21】第5の実施の形態において制御部で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図22】第5の実施の形態において補助機能がオンである場合に出力用紙の裏面側に印刷される付加画像の印刷形態と、補助機能がオフである場合に出力用紙の裏面側に印刷される付加画像の印刷形態とを示す図である。
【図23】第6の実施の形態において付加情報記憶部に記憶される付加情報の一例を示す図である。
【図24】第6の実施の形態において制御部で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図25】第6の実施の形態において補助機能がオンである場合に出力用紙の裏面側に印刷される付加画像の印刷形態を示す図である。
【図26】第7の実施の形態において付加情報記憶部に記憶される付加情報の一例を示す図である。
【図27】第7の実施の形態において制御部で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図28】第7の実施の形態において補助機能がオンである場合に出力用紙の裏面側に印刷される付加画像の印刷形態を示す図である。
【図29】第8の実施の形態において付加情報記憶部に記憶される付加情報の一例を示す図である。
【図30】第8の実施の形態において制御部で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図31】第9の実施の形態において付加情報記憶部に記憶される付加情報の一例を示す図である。
【図32】第9の実施の形態において制御部で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に関する幾つかの好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0026】
(第1の実施の形態)
図1は、本実施形態における画像形成システムの一構成例を示す図である。この画像形成システムは、デジタル複合機やMFP(Multi Function Peripheral)などと呼ばれる画像形成装置1と、広告サーバ3とがネットワーク2に接続された構成である。画像形成装置1は、例えばコンビニエンスストアや学校校内などの特定の場所に設置される。また広告サーバ3は、広告主によって管理されるサーバであり、例えば画像形成装置1から離れた遠隔地に設置される。
【0027】
広告サーバ3には、ハードディスク装置などの記憶装置3aが設けられている。この記憶装置3aには、広告などの付加情報9が格納される。付加情報9は、例えば商品やサービスなどを宣伝広告するための情報である。この付加情報9は、広告用の画像データや文字データ、或いは画像と文字とが組み合わせられた付加データなど、様々なデータを含んで構成される。記憶装置3aに記憶される付加情報9は、広告主によって適宜更新されるようになっている。そして広告サーバ3は、記憶装置3aに記憶されている付加情報9を定期的に、又は不定期に、ネットワーク2を介して画像形成装置1に送信する。
【0028】
画像形成装置1は、利用者(ユーザ)に対してコピーサービスやプリントサービスなどを提供する装置である。この画像形成装置1は、ハードディスク装置などで構成される記憶装置19を備えており、記憶装置19には、広告サーバ3から送信される付加情報9を保存しておくための付加情報記憶部19aが設けられている。つまり、画像形成装置1は、広告サーバ3から送信された付加情報9を受信すると、その付加情報9を付加情報記憶部19aに記憶して保存する。
【0029】
また画像形成装置1は、利用者が操作する操作パネル4を備えている。操作パネル4は、利用者が画像形成装置1を使用する際のユーザインタフェースとなるものであり、利用者が各種操作を行うための操作案内画面を表示し、その利用者による各種入力操作を受け付ける。利用者は、この操作パネル4を操作することにより、画像形成装置1に対する各種の設定操作を行うことができると共に、画像形成装置1に対してコピー出力やプリント出力を行わせるためのジョブの実行を指示することができる。
【0030】
コピー出力やプリント出力のための印刷を開始すると、画像形成装置1は、利用者によって指定された原稿画像を出力用紙の表面に印刷すると共に、付加情報記憶部19aに予め記憶されている付加情報9を読み出し、その出力用紙の余白部分や裏面に対して広告などの付加情報9に基づく画像を印刷する。尚、以下においては、出力用紙の裏面に対して付加情報を印刷する場合を例示する。このように画像形成装置1は、原稿画像と共に、付加情報9を印刷して出力することにより、利用者に対して比較的廉価に又は無料でコピーサービスやプリントサービスを提供するように構成されている。
【0031】
図2は、画像形成装置1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。画像形成装置1は、上述した操作パネル4および記憶装置19の他、制御部10と、ROM13と、スキャナ部15と、プリンタ部16と、ネットワークインタフェース17と、パネル制御部18とを備えている。これらのうち、制御部10、ROM13、スキャナ部15、プリンタ部16、ネットワークインタフェース17、パネル制御部18、および、記憶装置19は、データバス20を介して相互にデータの入出力を行うことができるように構成されている。また、操作パネル4は、パネル制御部18に接続されている。
【0032】
制御部10は、データバス20を介して各部の動作を統括的に制御する処理部である。この制御部10は、CPU11とメモリ12とを備えている。CPU11は、不揮発性メモリであるROM13に予め格納されているプログラム14を読み出して実行するものである。メモリ12は、CPU11がプログラム14に基づく処理を実行することに伴い、一時的なデータなどを記憶するためのものである。このようにCPU11がプログラム14に基づく処理を実行することにより、制御部10は、利用者に対してコピーサービスやプリントサービスを提供するための各種の機能を実現する。尚、制御部10によって実現される各種機能については後述する。
【0033】
スキャナ部15は、利用者によってセットされた原稿を自動的に読み取って原稿画像を生成する処理部である。このスキャナ部15は、複数枚の原稿の連続自動読み取りを行うことも可能であり、1枚ずつの原稿を連続的に読み取り、複数ページから成る原稿画像を生成する。
【0034】
プリンタ部16は、原稿画像に基づいて、利用者によって指定された出力用紙に印刷を行い、出力する処理部である。ここで印刷対象となる原稿画像は、スキャナ部15によって生成された原稿画像であっても良いし、またネットワークインタフェース17や図示しない外部インタフェースなどを介して入力する原稿画像であっても良い。例えば画像形成装置1においてコピー出力が行われる場合、プリンタ部16は、スキャナ部15によって生成された原稿画像を取得し、出力用紙の表面側にその原稿画像を印刷する。またプリンタ部16は、記憶装置19の付加情報記憶部19aから付加情報9を読み出し、その付加情報9に基づく付加画像を出力用紙の裏面側に印刷する。
【0035】
尚、上記のようなスキャナ部15およびプリンタ部16における動作は制御部10によって制御される。
【0036】
ネットワークインタフェース17は、画像形成装置1をネットワーク2に接続するためのものである。このネットワークインタフェース17は、広告サーバ3から付加情報9を受信すると、その付加情報9を制御部10に出力する。そして制御部10は、広告サーバ3から受信した付加情報9を記憶装置19の付加情報記憶部19aに格納保存する。
【0037】
操作パネル4は、利用者に対して各種の情報を表示する表示部5と、利用者による各種入力操作を受け付ける操作部6と、スピーカなどで構成される音声出力部7とを備えている。表示部5は、例えばカラー液晶ディスプレイなどで構成される。操作部6は、複数の操作キーを備えており、例えば、表示部5の表示画面上に配置されたタッチパネルキーと、表示部5の表示画面の周囲に配置された押しボタンキーとを備えている。これらの操作キーには、利用者が画像形成装置1に対してコピー出力やプリント出力を行わせるためにジョブの実行を指示するスタートキーも含まれている。
【0038】
音声出力部7は、例えば表示部5の表示画面に関する音声ガイダンスを出力するためのものである。この音声ガイダンスは、利用者が低視力者(弱視者を含む)である場合に、操作パネル4に対する入力操作を補助するためのものであり、表示画面に対する操作方法などを音声出力する機能である。このような音声ガイダンスは、利用者の入力操作を補助するための補助機能が有効に設定されている場合において、更に音声ガイダンス機能が有効に設定されていると出力されるようになる。そのため、補助機能が有効であっても、音声ガイダンス機能が無効に設定されている場合には出力されないようになっている。
【0039】
このような操作パネル4は、パネル制御部18によって制御される。パネル制御部18は、表示制御部21と、操作検知部22と、操作補助部23とを備えている。表示制御部21は、表示部5に表示するための表示画面を生成して表示部5に表示させる処理部である。図3は、表示部5に表示される表示画面の一例を示す図である。図3に示す表示画面は、コピー機能に関する設定操作を行うための画面であって、利用者が低視力者でない場合の通常の表示画面の一例を示している。この表示画面の中央部には、利用者がコピー機能に対する各種の設定操作を行うための操作キーが表示される。図例の場合、カラー設定を行うためのカラー設定キー31と、原稿設定を行うための原稿設定キー32と、出力用紙を設定するための用紙設定キー33と、印刷出力時の画質を設定するための画質設定キー34と、出力倍率を設定するための倍率設定キー35と、ステープルやパンチなどの仕上げ設定を行うための仕上げ設定キー36との6つの操作キーが画面中央に表示されている。また画面下部には、低視力者の入力操作を補助するための操作補助設定キー37が表示されている。図3の例では、低視力者の入力操作を補助するための補助機能はオフになっている。表示制御部21は、このような表示画面を生成し、表示部5に表示させる。
【0040】
操作検知部22は、表示制御部21によって生成された表示画面が表示部5に表示されている状態で、操作部6に対して行われた利用者の操作を検知する処理部である。操作検知部22は、利用者による操作を検知すると、いずれの操作キーが操作されたかを特定し、それに対応する操作信号を、表示制御部21、操作補助部23および制御部10のいずれかに出力する。
【0041】
例えば、図3に示した表示画面が表示されているとき、利用者によってカラー設定キー31、原稿設定キー32、用紙設定キー33、画質設定キー34、倍率設定キー35および仕上げ設定キー36のいずれかが操作された場合、それらの操作キーに対応する詳細な設定画面を表示部5に表示する必要がある。そのため、操作検知部22は、これらの操作キーが操作されると、その操作信号を表示制御部21に出力する。これにより、表示制御部21は、利用者によって操作された操作キーに対応する詳細な設定画面を生成し、表示部5に表示するようになる。
【0042】
また例えば、図3に示した表示画面が表示されているとき、利用者によってスタートキーが操作されると、操作検知部22は、それに対応する操作信号を制御部10に出力する。これにより、制御部10は、コピー出力やプリント出力を行うための原稿読み取り動作および印刷動作の制御を開始する。
【0043】
さらに、例えば図3に示した表示画面が表示されているとき、利用者によって操作補助設定キー37が操作された場合、操作検知部22は、それに対応する操作信号を操作補助部23に出力する。操作補助部23は、操作検知部22から操作補助設定キー37が操作されたことを示す操作信号を入力すると、それに伴って低視力者の入力操作を補助するための補助機能のオンオフを切り替える処理部である。操作補助部23が補助機能をオンに設定すると、画像形成装置1において低視力者が入力操作を行う際の補助機能が有効になる。そして操作補助部23は、補助機能を有効にすると、それに伴い、表示制御部21に対して低視力者が判別し易い表示画面を生成するように指示する。
【0044】
表示制御部21は、この指示に基づき、表示部5に表示する表示画面を、健常者用の通常表示画面から低視力者の入力操作を補助するための補助表示画面に切り替える。また表示制御部21は、操作補助部23から補助機能を無効に切り替える指示を入力すると、それに伴い、低視力者用の補助表示画面を通常表示画面に戻す処理も行う。
【0045】
図4は、補助機能のオンオフ設定が切り替えられることに伴って表示制御部21によって表示部5に表示される表示画面の切り替わりの一例を示す図である。図4に示すように、補助機能がオフのときには、図3と同様の通常表示画面5aが表示部5に表示される。一方、補助機能がオンのときには、図4に示すように画面中央部に表示される操作キーが拡大表示された補助表示画面5bが表示部5に表示されるようになる。図4に示す補助表示画面5bでは、画像中央に原稿設定キー32と用紙設定キー33の2つの操作キーが拡大された状態で表示される。また、これら2つの操作キー32,33の左右両側には画面中央に表示される操作キーをスクロールさせるためのスクロールキー38が表示されるので、利用者はこれらのスクロールキー38を操作することにより、通常表示画面5aに含まれる他の操作キーを表示させることができるようになる。補助機能が有効のとき、このような補助表示画面5bが表示部5に表示されることにより、利用者が低視力者である場合であっても、補助表示画面5bに表示される各操作キーを容易に識別することができるようになる。つまり、利用者が低視力者である場合でも、操作しやすい表示画面が表示部5に表示される。尚、本実施形態では、利用者によって操作補助設定キー37が操作される都度、図4に示すように、表示部5に表示される表示画面が、通常表示画面5aと補助表示画面5bとの間で切り替わる。
【0046】
また操作補助部23は、補助機能をオンに設定すると、それに伴い、音声ガイダンス機能を有効にする。そのため、表示制御部21は、補助機能がオンに設定されると、上述したように表示部5の表示画面を補助表示画面5bに切り替えると共に、利用者に対して音声ガイダンスを行うための音声データを生成し、音声出力部7に出力する。これにより、操作パネル4では、補助機能がオンに設定されると、表示部5に表示される表示画面が通常表示画面5aから補助表示画面5bに切り替えられると共に、音声出力部7からその補助表示画面5bに対応する音声ガイダンスが音声出力されるようになる。
【0047】
図5は、本実施形態において付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9の一例を示す図である。図5に示すように、本実施形態では、付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9に、画像サイズの異なる複数種類の画像データ9a,9bが含まれる。これら複数種類の画像データ9a,9bは、いずれも特定の広告に関する画像データであるが、画像サイズが異なるため広告としての情報量が異なるデータとなっている。尚、図例では、付加情報9に画像データ9a,9bの2つのデータが含まれる場合を例示しているが、3つ以上のデータが含まれていても良い。
【0048】
そして制御部10は、利用者によって印刷開始が指示されると、図5に示すような複数種類の画像データ9a,9bの中から出力用紙の裏面側に印刷するための画像データを選択し、その選択した画像データに基づいて付加画像を生成する。そして、その生成した付加画像を出力用紙の裏面側に印刷して出力するように制御する。以下、このような制御部10の機能と動作について詳しく説明する。
【0049】
図6は、コピー出力を行う場合の制御部10の機能構成の一例を示すブロック図である。図6に示すように制御部10は、原稿画像取得部41、補助機能判定部42、付加画像生成部43、および、印刷制御部44として機能する。これら各部は、利用者によって操作パネル4のスタートキーが操作され、ジョブの実行開始が指示された場合に機能する。
【0050】
原稿画像取得部41は、利用者によって指定された原稿画像を取得する処理部である。コピー出力の場合、原稿画像取得部41は、スキャナ部15が原稿を読み取ることによって生成した原稿画像を取得する。このようにして取得される原稿画像は、出力用紙の表面側に印刷すべき画像となる。そして原稿画像取得部41は、取得した原稿画像を印刷制御部44に出力する。
【0051】
補助機能判定部42は、上述した操作補助部23によって低視力者の入力操作を補助するための補助機能が有効に設定されているか、或いは無効に設定されているかを判別する処理部である。この補助機能判定部42は、補助機能が有効であるか否かを判定すると、その判定結果を付加画像生成部43に出力する。
【0052】
付加画像生成部43は、付加情報記憶部19aに記憶されている付加情報9を読み出し、その付加情報9に基づいて出力用紙の裏面側に印刷するための付加画像を生成する処理部である。この付加画像生成部43は、補助機能判定部42によって行われた判定結果に応じて付加画像を生成する際の処理を切り替える。すなわち、付加画像生成部43は、補助機能判定部42において補助機能が有効に設定されていると判定された場合には、付加情報記憶部19aに記憶されている付加情報9を読み出して付加画像を生成する際に、低視力者向けの付加画像を生成する。これに対し、補助機能判定部42において補助機能が無効に設定されていると判定された場合には、付加情報記憶部19aに記憶されている付加情報9を読み出して付加画像を生成する際に、健常者向けの付加画像を生成する。
【0053】
より具体的に説明すると、本実施形態の付加画像生成部43は、補助機能が有効に設定されている場合、出力用紙に対して付加画像を印刷するための印刷サイズSを検出し、付加情報9に含まれる複数種類の画像データ9a,9bの中から、その印刷サイズSの印刷領域に対して所定の拡大率R以上の倍率で拡大して印刷することが可能な画像データを選択する。そして付加画像生成部43は、その選択した画像データが印刷サイズSと略同サイズとなるように拡大することにより、出力用紙の裏面側に印刷するための付加画像を生成する。
【0054】
また本実施形態の付加画像生成部43は、補助機能が無効に設定されている場合、出力用紙に対して付加画像を印刷するための印刷サイズSを検出し、付加情報9に含まれる複数種類の画像データ9a,9bの中から、その印刷サイズSの印刷領域に対して略等倍で印刷することが可能な画像データを選択する。そして付加画像生成部43は、その選択した画像データに基づいて出力用紙の裏面側に印刷するための付加画像を生成する。
【0055】
このように付加画像生成部43において付加画像が生成されると、その生成された付加画像が印刷制御部44に出力される。
【0056】
印刷制御部44は、原稿画像取得部41から入力する原稿画像と、付加画像生成部43から入力する付加画像とに基づいてプリンタ部16の駆動制御を行う処理部である。すなわち、本実施形態の印刷制御部44は、原稿画像を出力用紙の表面側に印刷すると共に、付加画像を出力用紙の裏面側に印刷するようにプリンタ部16を制御する。これにより、プリンタ部16は、利用者によって指定された出力用紙の表面側に、スキャナ部15が原稿を読み取って生成した原稿画像を印刷し、その出力用紙の裏面側に、付加画像生成部43によって生成された付加画像を印刷して出力する。
【0057】
このように、制御部10は、上述した各部を機能させることにより、原稿画像を出力用紙の表面側に印刷し、広告などの付加情報9に基づいて生成した付加画像を出力用紙の裏面側に印刷して出力することができるようになる。そして、利用者が画像形成装置1の操作パネル4に対する操作を行うときに補助機能を有効に設定していた場合には、低視力者向けに比較的画像サイズの小さな画像データが拡大して出力用紙の裏面側に印刷されるようになる。そのため、低視力者にとっては、読みやすい状態で広告情報などが得られることになる。一方、利用者が画像形成装置1の操作パネル4に対する操作を行うときに補助機能を無効に設定していた場合には、健常者向けに比較的画像サイズの大きな画像データがほぼ等倍で出力用紙の裏面側に印刷されるようになる。そのため、健常者にとっては、比較的情報量の大きな広告情報などが得られることとなる。
【0058】
次に図7は、制御部10によって行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部10は、この処理を開始すると、まず原稿画像を取得する(ステップS101)。そして制御部10は、利用者によって指定された出力用紙のサイズに基づき、その出力用紙の表面側および裏面側に印刷するための印刷サイズSを検出する(ステップS102)。そして制御部10は、補助機能が有効に設定されているか否かを判定し(ステップS103)、補助機能が有効である場合(ステップS103でYES)、所定の拡大率Rを取得する(ステップS104)。この拡大率Rは、例えば2倍程度の拡大率として予め設定されている。
【0059】
次に制御部10は、付加情報9に含まれる複数の画像データ9a,9bのうちから、一の画像データを選択し(ステップS105)、その選択した画像データの画像サイズKを判別する。そして制御部10は、選択した画像データの画像サイズKと、印刷サイズSと、拡大率Rとに基づき、K<S/Rの関係を満たしているか否かを判断する(ステップS107)。これにより、ステップS105で選択した画像データが、印刷サイズSの印刷領域に対して所定の拡大率R以上の倍率で拡大して印刷することが可能な画像データであるか否かを判別することができる。その結果、K<S/Rの関係を満たしていない場合(ステップS107でNO)、ステップS105に戻り、付加情報9に含まれる複数の画像データ9a,9bのうちから他の画像データを選択し、上記と同様の処理を行う。すなわち、ステップS105〜S107の処理を繰り返し実行することにより、K<S/Rの関係を満たす画像データを特定することができる。
【0060】
そしてK<S/Rの関係を満たした場合(ステップS107でYES)、制御部10は、ステップS105で選択した画像データを所定の拡大率Rで拡大し、出力用紙の裏面側に印刷するための付加画像を生成する(ステップS108)。尚、このとき適用される拡大率は、必ずしも所定の拡大率Rに限られるものではなく、所定の拡大率Rよりも大きな倍率で拡大することにより、選択した画像データが印刷サイズSと略同サイズとなるようにしても良い。
【0061】
一方、ステップS103において補助機能が無効であった場合(ステップS103でNO)、制御部10は、付加情報9に含まれる複数の画像データ9a,9bのうちから、印刷サイズSにほぼ等しい画像サイズの画像データを選択する(ステップS109)。そして制御部10は、その選択した画像データに基づいて出力用紙の裏面側に印刷するための付加画像を生成する(ステップS110)。このとき生成される付加画像は、選択された画像データの画像サイズにほぼ等しい画像となる。
【0062】
そして制御部10は、原稿画像を出力用紙の表面側に印刷すると共に、ステップS108又はS110で生成された付加画像を出力用紙の裏面側に印刷するように印刷制御を実行する(ステップS111)。そして全てのページの印刷出力が完了すると、この処理は終了する。
【0063】
制御部10において、上記のような処理が行われることにより、利用者が操作パネル4を操作する際に低視力者用の補助機能を有効に設定していれば、低視力者向けの付加画像が付加された状態で原稿画像の印刷出力が行われるようになる。また、利用者が操作パネル4を操作する際に低視力者用の補助機能を無効に設定していれば、健常者向けの付加画像が付加された状態で原稿画像の印刷出力が行われるようになる。
【0064】
図8は、本実施形態において補助機能がオンである場合に出力用紙の裏面側に印刷される付加画像の印刷形態と、補助機能がオフである場合に出力用紙の裏面側に印刷される付加画像の印刷形態とを示す図である。図8(a)は、補助機能がオンの場合の印刷形態を示している。図8(a)に示すように、補助機能がオンの場合、制御部10は、付加情報記憶部19aに記憶されている画像サイズの異なる画像データ9a,9bのうち、出力用紙に所定の拡大率R以上で拡大して印刷することが可能な画像サイズの小さな画像データ9aを選択する。そして、その画像データ9aを拡大して出力用紙に印刷するため、低視力者にとっては、広告などの画像が見やすい状態で印刷される。
【0065】
一方、図8(b)は、補助機能がオフの場合の印刷形態を示している。図8(b)に示すように、補助機能がオフの場合、制御部10は、付加情報記憶部19aに記憶されている画像サイズの異なる画像データ9a,9bのうち、出力用紙に略等倍で印刷することが可能な画像サイズの比較的大きな画像データ9bを選択する。そして、その画像データ9bをほぼ等倍のままで出力用紙に印刷するため、情報量の多い広告画像が印刷されるようになる。
【0066】
以上のように本実施形態の画像形成装置1は、利用者が低視力者である場合に、操作パネル4に対するユーザの入力操作を補助するための補助機能を有効に設定することができるようになっている。そして補助機能が有効に設定されている場合には、付加情報記憶部19aに記憶されている付加情報9を読み出して印刷用の付加画像を生成する際に低視力者向けの付加画像を生成する構成である。このような構成によれば、不特定の利用者がコピー出力やプリント出力を行う際、その利用者が低視力者である場合には、低視力者にとっても読みやすい状態で広告などの付加情報を印刷して提供することが可能である。
【0067】
また本実施形態では、付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9に、画像サイズの異なる複数種類の画像データ9a,9bが含まれており、付加画像生成部43は、補助機能が有効に設定されている場合、付加画像を印刷するための印刷サイズSよりも小さい画像サイズの画像データ9aを選択して読み出し、その画像データ9aを印刷サイズSに拡大することによって付加画像を生成するようにしている。そのため、小さい画像や文字などを識別することが困難な低視力者には、特に見やすい状態で広告などの画像を印刷することが可能である。
【0068】
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態について説明する。上述した第1の実施の形態では、付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9に、画像サイズの異なる複数種類の画像データ9a,9bが含まれており、補助機能がオンの場合に選択される画像データと、補助機能がオフの場合に選択される画像データとが異なる場合を例示した。これに対し、本実施形態では、原稿画像に基づく出力枚数が2枚以上である場合には、補助機能がオンの場合であっても補助機能がオフの場合と同じデータを選択して低視力者向けの付加画像を生成する形態について説明する。尚、本実施形態においても、画像形成装置1の構成は、第1の実施の形態で説明したものと同様である。
【0069】
図9は、第2の実施の形態において付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9の一例を示す図である。図9に示すように、本実施形態では、付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9に、例えばA4用紙サイズなどの所定の印刷サイズに対応した画像データ9cが含まれる。この画像データ9cは、特定の広告に関する画像データである。尚、図例では、付加情報9に1つの印刷サイズに対応した画像データ9cのみが含まれる場合を示しているが、第1の実施の形態と同様に、異なる印刷サイズに対応した2つ以上のデータが含まれていても良い。
【0070】
そして本実施形態の制御部10は、利用者によって印刷開始が指示されると、図9に示すような利用者によって指定された用紙サイズに対応する画像データ9cを選択して読み出し、その選択した画像データに基づいて付加画像を生成する。そして補助機能がオンに設定されており、原稿画像に基づく出力枚数が2枚以上である場合には、画像データ9cを分割し、分割された複数の画像を複数のページに拡大印刷することにより、低視力者向けの見やすい付加画像を印刷するように構成される。
【0071】
ここで本実施形態でも、制御部10が図6に示した各部の機能を実現する点については第1の実施の形態と同様である。ただし、本実施形態における付加画像生成部43は、補助機能が有効に設定されており、且つ、原稿画像に基づいて所定の印刷サイズに対応する印刷出力が複数ページ行われる場合、所定の印刷サイズに対応した画像データ9cを分割し、複数のページに拡大して印刷するための付加画像を生成する構成である。
【0072】
図10は、第2の実施の形態において制御部10で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部10は、この処理を開始すると、まず原稿画像を取得する(ステップS201)。そして制御部10は、利用者によって指定された出力用紙のサイズに基づき、その出力用紙の表面側および裏面側に印刷するための印刷サイズSを検出する(ステップS202)。そして制御部10は、補助機能が有効に設定されているか否かを判定し(ステップS203)、補助機能が有効である場合(ステップS203でYES)、取得した原稿画像に基づく出力枚数が2枚以上であるか否かを判断する(ステップS204)。
【0073】
その結果、出力枚数が2枚以上である場合(ステップS204でYES)、制御部10は、付加情報9から印刷サイズSにほぼ等しいサイズの画像データ9cを選択して読み出す(ステップS205)。そして選択した画像データ9cを所定倍に拡大処理し(ステップS206)、その拡大した画像データを2分割して2ページ分の付加画像を生成する(ステップS207)。
【0074】
一方、補助機能が無効であった場合(ステップS203でNO)、又は、出力枚数が2枚以上でなかった場合(ステップS204でNO)、制御部10は、付加情報9から印刷サイズSにほぼ等しいサイズの画像データ9cを選択して読み出す(ステップS208)。そして選択した画像データ9cに基づいて1枚の出力用紙の裏面側に印刷するための付加画像を生成する(ステップS209)。
【0075】
そして制御部10は、原稿画像を出力用紙の表面側に印刷すると共に、ステップS207又はS209で生成された付加画像を出力用紙の裏面側に印刷するように印刷制御を実行する(ステップS210)。その後、全てのページの印刷出力が完了すると、この処理は終了する。
【0076】
尚、図10の処理手順では、補助機能が有効であり、且つ、出力枚数が2枚以上でなかった場合には、補助機能が無効の場合と同様の処理(ステップS208,S209)が行われる場合を例示しているが、必ずしもこのような処理手順には限られない。例えば、補助機能が有効であり、且つ、出力枚数が2枚以上でなかった場合、第1の実施の形態と同様に、付加情報9から比較的画像サイズの小さい画像データを選択して読み出し、その画像データを印刷サイズSに拡大することによって1枚の出力用紙の裏面側に付加画像を拡大して印刷するようにしても良い。
【0077】
このように本実施形態においても、利用者が操作パネル4を操作する際に低視力者用の補助機能を有効に設定していれば、画像データ9cが拡大された低視力者向けの付加画像が原稿画像と共に印刷されるようになる。また、利用者が操作パネル4を操作する際に低視力者用の補助機能を無効に設定していれば、画像データ9cがほぼ等倍のままで生成された健常者向けの付加画像が原稿画像と共に印刷されるようになる。
【0078】
図11は、本実施形態において補助機能がオンである場合に出力用紙の裏面側に印刷される付加画像の印刷形態を示す図である。尚、補助機能がオフの場合は第1の実施の形態と同様であるので図示は省略している。
【0079】
図11に示すように、補助機能がオンの場合、制御部10は、付加情報記憶部19aに記憶されている付加情報9から印刷サイズSにほぼ等しい画像データ9cを選択する。そして、その画像データ9cを所定の倍率で拡大し、その拡大画像を2分割して2つの画像を生成する。その後、分割した2つの画像のそれぞれに対して、画像処理(画像回転、レイアウト処理、倍率調整など)を施すことによって印刷サイズSに適合する付加画像を生成し、2枚の出力用紙の裏面側にそれぞれの付加画像を印刷する。その結果、図11に示すように、補助機能がオンの場合には、画像データ9cが拡大された状態で2枚の出力用紙に分割されて印刷されるため、低視力者にとって読みやすい状態で広告情報などが提供されるようになる。
【0080】
以上のように本実施形態の画像形成装置1においても、補助機能が有効に設定されている場合、付加情報記憶部19aに記憶されている付加情報9が読み出されて印刷用の付加画像が生成される際には、低視力者向けの付加画像が生成される。そのため、不特定の利用者がコピー出力やプリント出力を行う際、その利用者が低視力者である場合には、補助機能を有効にして操作パネル4の操作を行うことにより、その利用者にとって読みやすい状態で広告などの付加情報を印刷することができる。
【0081】
また本実施形態では、付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9には、所定の印刷サイズに対応した画像データ9cが含まれており、付加画像生成部43は、補助機能が有効に設定されており、且つ、原稿画像に基づいて所定の印刷サイズに対応する印刷出力が複数ページ行われる場合、所定の印刷サイズに対応した画像データ9cを分割し、複数のページに拡大して印刷するための付加画像を生成するようにしている。そのため、低視力者に対して提供される広告などの情報は、健常者に対して提供される情報と同じ情報にすることができ、しかもその情報を低視力者に対して見やすい状態で提供することができるようになる。
【0082】
(第3の実施の形態)
次に第3の実施の形態について説明する。本実施形態では、付加情報9に複数種類の画像データが含まれており、各画像データに含まれる文字の文字サイズが異なる構成において、利用者が操作パネル4に対して操作入力を行う際に補助機能が有効であれば、文字サイズが所定サイズ以上の画像データを選択して付加画像を生成する形態について説明する。尚、本実施形態においても、画像形成装置1の構成は、第1の実施の形態で説明したものと同様である。
【0083】
図12は、第3の実施の形態において付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9の一例を示す図である。図12に示すように、本実施形態では、付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9に、文字を含んで構成される複数種類の画像データ9d,9eが含まれる。ここで、画像データ9d,9eのそれぞれに含まれる文字の文字サイズは互いに異なっている。つまり、画像データ9dには文字サイズS1の文字が含まれており、画像データ9eにはその文字サイズS1よりも大きな文字サイズS2の文字が含まれる。このように各画像データ9d,9eに含まれる文字の文字サイズが異なっている。そのため、広告などの情報量は互いに異なったものとなっている。例えば、画像データ9dは画像データ9eと比較すると文字サイズが小さいため、画像データ9eよりも広告などの情報量が多くなっている。尚、図例では、付加情報9に2種類の文字サイズの画像データ9d,9eが含まれる場合を示しているが、更に別の文字サイズの画像データが含まれていても良い。
【0084】
そして本実施形態の制御部10は、利用者によって印刷開始が指示されると、図12に示すような利用者によって指定された用紙サイズに対応する複数種類の画像データ9d,9eの中から1つの画像データを選択して読み出し、その選択した画像データに基づいて付加画像を生成する。このとき、補助機能がオンに設定されている場合には、文字サイズが所定サイズ以上の画像データ9eを読み出して付加画像を生成し、低視力者向けの見やすい付加画像を出力用紙の裏面側に印刷するように構成される。
【0085】
尚、本実施形態においても、制御部10が図6に示した各部の機能を実現する点については第1の実施の形態と同様である。ただし、本実施形態における付加画像生成部43は、補助機能が有効に設定されている場合、付加情報9に含まれる複数種類の画像データ9d,9eの文字サイズを判別し、所定文字サイズよりも文字サイズの大きな文字を含む画像データ9eを選択し、その選択した画像データ9eに基づいて付加画像を生成する構成である。
【0086】
図13は、第3の実施の形態において制御部10で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部10は、この処理を開始すると、まず原稿画像を取得する(ステップS301)。そして制御部10は、利用者によって指定された出力用紙のサイズに基づき、その出力用紙の表面側および裏面側に印刷するための印刷サイズSを検出する(ステップS302)。そして制御部10は、補助機能が有効に設定されているか否かを判定する(ステップS303)。
【0087】
その結果、補助機能が有効に設定されている場合(ステップS303でYES)、制御部10は、付加情報9に含まれる複数種類の画像データ9d,9eのそれぞれに含まれる文字の文字サイズを判別し、所定文字サイズ以上の文字を含む画像データ9eを選択する(ステップS304)。そして制御部10は、その選択した画像データ9eに基づいて出力用紙の裏面側に印刷するための付加画像を生成する(ステップS305)。
【0088】
一方、補助機能が無効であった場合(ステップS303でNO)、制御部10は、付加情報9に含まれる複数種類の画像データ9d,9eのそれぞれに含まれる文字の文字サイズを判別し、文字サイズの小さい文字を含む画像データ9dを選択する(ステップS306)。そして制御部10は、その選択した画像データ9dに基づいて出力用紙の裏面側に印刷するための付加画像を生成する(ステップS307)。
【0089】
そして制御部10は、原稿画像を出力用紙の表面側に印刷すると共に、ステップS305又はS307で生成された付加画像を出力用紙の裏面側に印刷するように印刷制御を実行する(ステップS308)。その後、全てのページの印刷出力が完了すると、この処理は終了する。
【0090】
このように本実施形態においては、付加情報記憶部19aに予め記憶される付加情報9に、文字サイズの異なる複数種類の画像データ9d,9eが含まれており、利用者が操作パネル4を操作する際に低視力者用の補助機能が有効に設定されていれば、所定文字サイズ以上の画像データ9eを選択して付加画像を生成し、その付加画像を原稿画像と共に印刷するように構成される。また、利用者が操作パネル4を操作する際に低視力者用の補助機能を無効に設定していれば、文字サイズの小さい画像データ9dを選択して付加画像を生成し、その付加画像を原稿画像と共に印刷するようになっている。
【0091】
図14は、第3の実施の形態において補助機能がオンである場合に出力用紙の裏面側に印刷される付加画像の印刷形態と、補助機能がオフである場合に出力用紙の裏面側に印刷される付加画像の印刷形態とを示す図である。図14(a)は、補助機能がオンの場合の印刷形態を示している。図14(a)に示すように、補助機能がオンの場合、制御部10は、付加情報記憶部19aに記憶されている文字サイズの異なる画像データ9d,9eのうち、所定文字サイズ以上の画像データ9eを選択する。そして、その画像データ9eをほぼ等倍のままで出力用紙の裏面側に印刷するようになっている。そのため、補助機能がオンの場合には、低視力者にとって、広告などの文字が判読しやすい状態で印刷されるようになる。尚、この場合、上述した第1および第2の実施の形態と比較すると、本実施形態では選択した画像データ9eを拡大する処理は行われないため、効率的に付加画像を生成することができるという利点もある。
【0092】
一方、図14(b)は、補助機能がオフの場合の印刷形態を示している。図14(b)に示すように、補助機能がオフの場合、制御部10は、付加情報記憶部19aに記憶されている文字サイズの異なる画像データ9d,9eのうち、文字サイズの小さな画像データ9dを選択する。そして、その画像データ9dをほぼ等倍のままで出力用紙の裏面側に印刷するようになっている。そのため、この場合は、健常者向けに情報量の多い広告画像が印刷されるようになる。
【0093】
以上のように本実施形態の画像形成装置1においては、補助機能が有効に設定されている場合、付加情報記憶部19aに記憶されている付加情報9が読み出されて印刷用の付加画像が生成される際には、低視力者向けの付加画像が生成される。特に本実施形態では、付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9には、所定文字サイズの文字を含む第1の画像データ9dと、所定文字サイズよりも大きなサイズの文字を含む第2の画像データ9eとが含まれており、付加画像生成部43は、補助機能が有効に設定されている場合、第2の画像データ9eを選択して読み出し、その画像データ9eに基づいて付加画像を生成する。そのため、不特定の利用者がコピー出力やプリント出力を行う際、その利用者が低視力者である場合には、補助機能を有効にして操作パネル4の操作を行うことにより、その利用者にとって文字の読みやすい状態で広告などの付加情報を印刷することができるようになっている。
【0094】
(第4の実施の形態)
次に第4の実施の形態について説明する。本実施形態では、低視力者用の補助機能が有効に設定された場合の操作パネル4の表示部5における表示画面を複数種類の表示画面の中から選択して表示可能な構成において、その選択された表示画面に対応する付加画像を生成する一形態について説明する。尚、本実施形態においても、画像形成装置1の構成は、第1の実施の形態で説明したものと同様である。
【0095】
図15は、この第4の実施の形態において操作補助設定キー37が操作されることに伴って表示制御部21によって表示部5に表示される表示画面の切り替わりの一例を示す図である。図15に示すように、補助機能がオフのときには、通常表示画面5aが表示部5に表示される。
【0096】
この通常表示画面5aが表示されているとき、利用者が操作補助設定キー37を1回押下する操作を行うと、補助機能がオンとなり、表示部5の表示画面は、第1段階の補助表示画面5bに切り替わる。この第1段階の補助表示画面5bでは、第1拡大表示機能が有効となり、画面中央部に表示される操作キーが第1の拡大倍率で拡大表示された状態となる。図15に示す補助表示画面5bでは、画像中央に原稿設定キー32と用紙設定キー33の2つの操作キーが拡大された状態で表示されている。
【0097】
この第1段階の補助表示画面5bが表示されているとき、利用者が更に操作補助設定キー37を1回押下する操作を行うと、補助機能のオン設定は継続した状態のままで、表示部5の表示画面が、第2段階の補助表示画面5cに切り替わる。この第2段階の補助表示画面5bでは、第2拡大表示機能が有効となり、画面中央部に表示される操作キーが第2の拡大倍率で拡大表示された状態となる。この第2の拡大倍率は、第1の拡大倍率よりも大きい倍率である。図15に示す補助表示画面5cでは、画像中央に原稿設定キー32の1つの操作キーだけが拡大された状態で表示されている。
【0098】
この第2段階の補助表示画面5cが表示されているときに、利用者が更に操作補助設定キー37を1回押下する操作を行うと、補助機能がオンに切り替わり、表示部5の表示画面が通常表示画面5aに戻るようになっている。
【0099】
このように本実施形態の画像形成装置1は、利用者が操作補助設定キー37を繰り返し操作することにより、複数の表示画面の中から最も見やすい状態の表示画面を選択して表示させることができる構成になっている。
【0100】
図16は、第4の実施の形態において付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9の一例を示す図である。図16に示すように、本実施形態では、付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9に、文字を含んで構成される複数種類の画像データ9d,9e,9fが含まれる。ここで、画像データ9d,9e,9fのそれぞれに含まれる文字の文字サイズは互いに異なっている。つまり、画像データ9dには文字サイズS1の文字が含まれており、画像データ9eには文字サイズS2の文字が含まれており、さらに画像データ9fには文字サイズS3の文字が含まれている。そして、各文字サイズS1,S2,S3は、S1<S2<S3を満たす関係にある。このように本実施形態では、操作パネル4の表示画面の種類に対応して文字サイズの異なる複数種類の画像データ9d,9e,9fが予め付加情報9に含まれている。
【0101】
そして本実施形態の制御部10は、利用者によって印刷開始が指示されると、利用者によって指定された用紙サイズに対応する複数種類の画像データ9d,9e,9eの中から1つの画像データを選択して読み出し、その選択した画像データに基づいて付加画像を生成する。このとき、補助機能がオンに設定されている場合には、操作パネル4における画面表示サイズを判別することにより、第1拡大表示機能と第2拡大表示機能のいずれが有効になっているかを特定し、その特定結果に応じて1つの画像データを選択する際の選択対象を切り替える。具体的には、第1拡大表示機能が有効である場合、制御部10は、比較的文字サイズの大きな画像データ9e,9fを選択対象とし、それらの画像データ9e,9fの中から1つの画像データを選択する。また、第2拡大表示機能が有効である場合、制御部10は、文字サイズの最も大きな画像データ9fを選択対象とし、その画像データ9fを選択する。そして制御部10は、読み出した画像データに基づいて付加画像を生成し、低視力者向けの見やすい付加画像を出力用紙の裏面側に印刷するように構成される。
【0102】
尚、本実施形態においても、制御部10が図6に示した各部の機能を実現する点については第1の実施の形態と同様である。ただし、本実施形態における付加画像生成部43は、補助機能が有効に設定されている場合、操作パネル4における画面表示サイズに基づいて、付加情報9に含まれる複数種類の画像データ9d,9e,9fの中から1つの画像データを選択する構成である。
【0103】
図17は、第4の実施の形態において制御部10で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部10は、この処理を開始すると、まず原稿画像を取得する(ステップS401)。そして制御部10は、利用者によって指定された出力用紙のサイズに基づき、その出力用紙の表面側および裏面側に印刷するための印刷サイズSを検出する(ステップS402)。そして制御部10は、補助機能が有効に設定されているか否かを判定する(ステップS403)。
【0104】
その結果、補助機能が有効に設定されている場合(ステップS403でYES)、制御部10は、操作パネル4の表示部5に表示されている表示画面の画面表示サイズを判別する(ステップS404)。すなわち、ここでは図15に示した補助表示画面5b,5cのうちのいずれが表示されているかが判別される。そして制御部10は、第1拡大表示機能が有効であるか否かを判断する(ステップS405)。
【0105】
そして第1拡大表示機能が有効である場合(ステップS405でYES)、制御部10は、その第1拡大表示機能に対応する画像データを選択する。例えば、比較的文字サイズの大きな画像データ9e,9fを選択対象とし、それらの画像データ9e,9fの中から1つの画像データを選択する(ステップS406)。このとき、選択対象である2つの画像データ9e,9fの中からいずれを選択するかは任意である。すなわち、広告などに含まれる文字をより読みやすくするために、最も文字サイズの大きな画像データ9fを選択しても良いし、また広告などの情報量をより多くするために文字サイズの小さい方の画像データ9eを選択しても良い。
【0106】
一方、第1拡大表示機能が有効でなかった場合(ステップS405でNO)、制御部10は、その第2拡大表示機能に対応する画像データ9fを選択する(ステップS407)。すなわち、このとき選択される画像データ9fは最も文字サイズの大きな画像データとなる。
【0107】
また、補助機能が無効であった場合(ステップS403でNO)、制御部10は、通常表示画面5aに対応する画像データを選択する(ステップS408)。ここでは、例えば全ての画像データ9d,9e,9fを選択対象とし、それらの画像データ9d,9e,9fの中から1つの画像データを選択する。このとき、選択対象である3つの画像データ9d,9e,9fの中からいずれを選択するかについても任意である。すなわち、広告などに含まれる文字をより読みやすくするために、文字サイズの比較的大きな画像データ9e,9fの中から1つの画像データを選択しても良いし、また広告などの情報量を最も多くするために文字サイズの最も小さい画像データ9dを選択しても良い。
【0108】
そして制御部10は、ステップS406,S407およびS408のいずれかで選択された画像データに基づいて出力用紙の裏面側に印刷するための付加画像を生成する(ステップS409)。そして、原稿画像を出力用紙の表面側に印刷すると共に、ステップS409で生成された付加画像を出力用紙の裏面側に印刷するように印刷制御を実行する(ステップS410)。その後、全てのページの印刷出力が完了すると、この処理は終了する。
【0109】
このように本実施形態においては、付加情報記憶部19aに予め記憶される付加情報9に、文字サイズの異なる複数種類の画像データ9d,9e,9fが含まれており、利用者が操作パネル4を操作する際に低視力者用の補助機能が有効に設定されていれば、その補助機能によって操作パネル4に表示される表示画面の拡大表示状態に応じて1つの画像データが選択され、付加画像が生成されるようになっている。
【0110】
図18は、第4の実施の形態において出力用紙の裏面側に印刷される付加画像の印刷形態を示す図である。図18(a)は、補助機能がオンであり、第1拡大表示機能が有効である場合の印刷形態の一例を示している。図18(a)に示すように、第1拡大表示機能が有効である場合、制御部10は、付加情報記憶部19aに記憶されている文字サイズの異なる複数の画像データ9d,9e,9fのうちから例えば中サイズの画像データ9eを選択する。そして、その画像データ9eをほぼ等倍のままで出力用紙の裏面側に印刷する。この場合、最も文字サイズの小さい画像データ9dよりも文字サイズの大きな画像データ9eに基づいて付加画像が印刷されるため、低視力者にとっても、広告などの文字が判読しやすい状態で印刷されるようになる。
【0111】
また、図18(b)は、補助機能がオンであり、第2拡大表示機能が有効である場合の印刷形態を示している。図18(b)に示すように、第2拡大表示機能が有効である場合、制御部10は、付加情報記憶部19aに記憶されている文字サイズの異なる複数の画像データ9d,9e,9fのうちから最も文字サイズの大きな画像データ9fを選択する。そして、その画像データ9fをほぼ等倍のままで出力用紙の裏面側に印刷する。この場合、最も文字サイズの大きな画像データ9fに基づいて付加画像が印刷されるため、低視力者にとっても、広告などの文字が判読しやすい状態で印刷されるようになる。
【0112】
さらに図18(c)は、補助機能がオフの場合の印刷形態を示している。図18(c)に示すように、補助機能がオフの場合、制御部10は、付加情報記憶部19aに記憶されている文字サイズの異なる複数の画像データ9d,9e,9fのうちから、例えば最も文字サイズの小さな画像データ9dを選択する。そして、その画像データ9dをほぼ等倍のままで出力用紙の裏面側に印刷する。そのため、この場合は、健常者向けに情報量の多い広告画像が印刷されるようになる。
【0113】
以上のように本実施形態の画像形成装置1は、補助機能として、操作パネル4に表示される表示画面を所定倍率に拡大して表示する第1拡大表示機能と、表示画面を所定倍率よりも更に大きな倍率で拡大して表示する第2拡大表示機能とを有している。そして付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9には、所定文字サイズの文字を含む第1の画像データ9dと、所定文字サイズよりも文字サイズの大きな文字を含む第2の画像データ9eと、第2の画像データに含まれる文字よりも更に文字サイズの大きな文字を含む第3の画像データ9fとが含まれている。そして本実施形態の付加画像生成部43は、補助機能における第1拡大表示機能が有効に設定されている場合には、第2の画像データ9e又は第3の画像データ9fを読み出して付加画像を生成し、補助機能における第2拡大表示機能が有効に設定されている場合には、第3の画像データ9fを読み出して付加画像を生成するように構成されている。
【0114】
このような構成によれば、操作パネル4の表示状態に対応する付加画像を生成して印刷出力を行うことができるため、不特定の利用者がコピー出力やプリント出力を行う際、その利用者が低視力者である場合には、その利用者にとって文字の読みやすい状態で広告などの付加情報を印刷することができるようになる。
【0115】
(第5の実施の形態)
次に第5の実施の形態について説明する。本実施形態では、低視力者が色弱者の場合であっても、判読し易い付加情報を印刷して出力する形態について説明する。尚、本実施形態においても、画像形成装置1の構成は、第1の実施の形態で説明したものと同様である。
【0116】
図19は、この第5の実施の形態において操作補助設定キー37が操作されることに伴って表示制御部21によって表示部5に表示される表示画面の切り替わりの一例を示す図である。図19に示すように、補助機能がオフのときには、通常表示画面5aが表示部5に表示される。
【0117】
この通常表示画面5aが表示されているとき、利用者が操作補助設定キー37を1回押下する操作を行うと、補助機能がオンとなる。本実施形態では、補助機能に、表示画面の配色を変更して表示する配色変更機能が含まれており、補助機能がオンになると、配色変更機能が作動して通常表示画面5aの配色を変更する。この配色変更には、例えば、通常表示画面5aの配色を反転させる処理が含まれる。そのため、補助機能がオンになると、表示部5の表示画面は、色弱者が判別し易い補助表示画面5dに切り替わる。この補助表示画面5dは、通常表示画面5aの配色を変化させたものあり、例えば通常表示画面5aの反転画像となっている。低視力者が色弱者の場合である場合、操作パネル4の表示部5に表示される表示画面を、このような補助表示画面5dに切り替えることにより、表示画面が見やすくなり、操作パネル4に対する入力操作を行い易くなる。
【0118】
そして補助表示画面5dが表示されているときに、利用者が更に操作補助設定キー37を1回押下する操作を行うと、補助機能がオンに切り替わり、表示部5の表示画面が通常表示画面5aに戻るようになっている。
【0119】
このように本実施形態の画像形成装置1は、利用者が操作補助設定キー37を操作することにより、通常表示画面5aと、通常表示画面5aの色を反転させた補助表示画面5dとのいずれか一方を選択して表示させることができる構成となっている。
【0120】
図20は、第5の実施の形態において付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9の一例を示す図である。図20に示すように、本実施形態では、付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9に、通常の色状態で表現された通常の画像データ9gと、通常の画像データ9gの色を反転させた反転画像データ9hとが含まれる。尚、画像データ9g,9hのそれぞれに含まれる広告などの情報量は同じである。
【0121】
そして本実施形態の制御部10は、利用者によって印刷開始が指示されると、画像データ9g,9hのうちから一方の画像データを選択して読み出し、その選択した画像データに基づいて付加画像を生成する。このとき、補助機能がオンに設定されている場合には、反転画像データ9hを読み出して付加画像を生成する。また、補助機能がオンに設定されていない場合には、通常の画像データ9gを読み出して付加画像を生成する。そして制御部10は、生成した付加画像を出力用紙の裏面側に印刷するように構成される。
【0122】
尚、本実施形態においても、制御部10が図6に示した各部の機能を実現する点については第1の実施の形態と同様である。
【0123】
図21は、第5の実施の形態において制御部10で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部10は、この処理を開始すると、まず原稿画像を取得する(ステップS501)。そして制御部10は、利用者によって指定された出力用紙のサイズに基づき、その出力用紙の表面側および裏面側に印刷するための印刷サイズSを検出する(ステップS502)。そして制御部10は、補助機能が有効に設定されているか否かを判定する(ステップS503)。
【0124】
その結果、補助機能が有効に設定されている場合(ステップS503でYES)、制御部10は、付加情報9に含まれる複数の画像データ9g,9hのうちから反転画像データ9hを選択する(ステップS504)。一方、補助機能が無効であった場合(ステップS503でNO)、制御部10は、付加情報9に含まれる複数の画像データ9g,9hのうちから通常の画像データ9gを選択する(ステップS505)。そして制御部10は、その選択した画像データ9g又は9hに基づいて出力用紙の裏面側に印刷するための付加画像を生成する(ステップS506)。
【0125】
そして制御部10は、原稿画像を出力用紙の表面側に印刷すると共に、ステップS506で生成された付加画像を出力用紙の裏面側に印刷するように印刷制御を実行する(ステップS507)。その後、全てのページの印刷出力が完了すると、この処理は終了する。
【0126】
このように本実施形態においては、付加情報記憶部19aに予め記憶される付加情報9に、通常の画像データ9gと、色を反転させた反転画像データ9hとが含まれており、利用者が操作パネル4を操作する際に低視力者用の補助機能が有効に設定されていれば、反転画像データ9hを選択して付加画像を生成し、その付加画像を原稿画像と共に印刷するように構成される。また、利用者が操作パネル4を操作する際に低視力者用の補助機能を無効に設定していれば、通常の画像データ9gを選択して付加画像を生成し、その付加画像を原稿画像と共に印刷するようになっている。
【0127】
図22は、第5の実施の形態において補助機能がオンである場合に出力用紙の裏面側に印刷される付加画像の印刷形態と、補助機能がオフである場合に出力用紙の裏面側に印刷される付加画像の印刷形態とを示す図である。図22(a)は、補助機能がオンの場合の印刷形態を示している。図22(a)に示すように、補助機能がオンの場合、制御部10は、付加情報記憶部19aに記憶されている反転画像データ9hを選択する。そして、その画像データ9hをほぼ等倍のままで出力用紙の裏面側に印刷する。そのため、低視力者が色弱者であっても、補助機能をオンに設定することにより、色弱者にとって、広告などの文字が判読しやすい状態で印刷されるようになる。
【0128】
一方、図22(b)は、補助機能がオフの場合の印刷形態を示している。図22(b)に示すように、補助機能がオフの場合、制御部10は、付加情報記憶部19aに記憶されている通常の画像データ9gを選択する。そして、その画像データ9gをほぼ等倍のままで出力用紙の裏面側に印刷する。そのため、この場合は、健常者向けの読みやすい広告画像が印刷されるようになる。
【0129】
以上のように本実施形態の画像形成装置1は、補助機能として、操作パネル4の表示画面の配色を変更して表示する配色変更機能を有している。また、付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9には、配色変更機能によって変更される配色状態に対応する反転画像データ9hが含まれている。そして付加画像生成部43は、補助機能が有効に設定されている場合、反転画像データ9hを読み出し、操作パネル4で表示されている配色状態に対応した付加画像を生成する構成である。そのため、本実施形態では、低視力者が色弱者である場合であっても、文字の読みやすい状態で広告などの付加情報を印刷して提供することができるようになっている。
【0130】
(第6の実施の形態)
次に第6の実施の形態について説明する。本実施形態では、付加情報9に文字が含まれている場合、補助機能がオンになっていれば、その文字の文字線を太く加工する画像処理を行って付加画像を生成する形態について説明する。
【0131】
図23は、第6の実施の形態において付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9の一例を示す図である。図23に示すように、本実施形態では、付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9に、写真などの画像データD1と、文字列で構成される文字データD2とがレイアウトされた画像である付加データ9iが含まれる。つまり、この付加データ9iは、画像と文字とが編集によって組み合わせられた、一種の画像データである。
【0132】
そして本実施形態の制御部10は、利用者によって印刷開始が指示されると、図23に示すような付加データ9iを選択して読み出し、その選択した付加データ9iに基づいて付加画像を生成する。このとき、補助機能がオンに設定されている場合、制御部10は、付加データ9iを構成する文字データD2を抽出し、その文字データD2に含まれる文字の文字線を太く加工する画像処理を行って付加画像を生成し、低視力者向けの見やすい付加画像を出力用紙の裏面側に印刷するように構成される。
【0133】
尚、本実施形態においても、制御部10が図6に示した各部の機能を実現する点については第1の実施の形態と同様である。ただし、本実施形態における付加画像生成部43は、補助機能が有効に設定されている場合、付加データ9iから文字データD2を分離して抽出し、文字データD2の文字を太くする画像処理を行った後、再び画像データD1と合成して付加画像を生成する構成である。
【0134】
図24は、第6の実施の形態において制御部10で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部10は、この処理を開始すると、まず原稿画像を取得する(ステップS601)。そして制御部10は、利用者によって指定された出力用紙のサイズに基づき、その出力用紙の表面側および裏面側に印刷するための印刷サイズSを検出する(ステップS602)。そして制御部10は、補助機能が有効に設定されているか否かを判定する(ステップS603)。
【0135】
その結果、補助機能が有効に設定されている場合(ステップS603でYES)、制御部10は、付加情報9に含まれる付加データ9iを読み出し(ステップS604)、付加データ9iを構成する画像データD1と文字データD2とを分離する処理を行う(ステップS605)。そして制御部10は、文字データD2に含まれる文字の文字線を太文字に加工する画像処理を行い(ステップS606)、加工された文字データD2を画像データD1に対して再び合成する(ステップS607)。そして制御部10は、合成処理によって得られた合成画像に基づいて出力用紙の裏面側に印刷するための付加画像を生成する(ステップS608)。
【0136】
一方、補助機能が無効であった場合(ステップS603でNO)、制御部10は、付加情報9に含まれる付加データ9iを読み出し(ステップS609)、その読み出した付加データ9iに基づいて出力用紙の裏面側に印刷するための付加画像を生成する(ステップS610)。
【0137】
そして制御部10は、原稿画像を出力用紙の表面側に印刷すると共に、ステップS608又はS610で生成された付加画像を出力用紙の裏面側に印刷するように印刷制御を実行する(ステップS611)。その後、全てのページの印刷出力が完了すると、この処理は終了する。
【0138】
このように本実施形態においては、付加情報記憶部19aに予め記憶される付加情報9に、画像と文字とが組み合わせられた付加データ9iが含まれており、利用者が操作パネル4を操作する際に低視力者用の補助機能が有効に設定されていれば、付加データ9iの文字を太文字に加工した付加画像を生成し、その付加画像を原稿画像と共に印刷するように構成される。また、利用者が操作パネル4を操作する際に低視力者用の補助機能を無効に設定していれば、付加データ9iに基づいて付加画像を生成し、その付加画像を原稿画像と共に印刷するようになっている。
【0139】
図25は、第6の実施の形態において補助機能がオンである場合に出力用紙の裏面側に印刷される付加画像の印刷形態を示す図である。図25に示すように、補助機能がオンの場合、制御部10は、付加情報記憶部19aに記憶されている付加データ9iを選択し、その付加データ9iに含まれる画像データD1と文字データD2とを分離する。そして付加データ9iから分離した文字データD2に対して文字を太くする画像処理を施した後、文字データD2と画像データD1との合成処理を行い、付加画像を生成する。そして、合成処理が行われて生成される付加画像は、出力用紙の裏面側に印刷される。尚、この例では、付加データ9iに対して、画像データD1と文字データD2とが予めレイアウトされている場合を示したが、画像データD1と文字データD2とが始めから分離された状態で付加情報9に含まれていても構わない。
【0140】
以上のように本実施形態の画像形成装置1においては、付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9に、文字データD2が含まれている。そして付加画像生成部43は、補助機能が有効に設定されている場合、その文字データD2に含まれる文字の文字線を太くする画像処理を行って付加画像を生成する構成である。そのため、不特定の利用者がコピー出力やプリント出力を行う際、その利用者が低視力者である場合には、補助機能を有効にして操作パネル4の操作を行うことにより、その利用者にとって文字の読みやすい状態で広告などの付加情報を印刷することができるようになっている。
【0141】
(第7の実施の形態)
次に第7の実施の形態について説明する。上述した第5の実施の形態では、付加情報9に予め通常の画像データ9gと、通常の画像データ9gの色を反転させた反転画像データ9hとが含まれており、補助機能が有効に設定されている場合には、付加情報9から反転画像データ9hを読み出して付加画像を生成する形態について説明した。本実施形態では、付加情報9に通常の画像データ9gのみを格納しておき、補助機能が有効に設定されている場合には、付加情報9から通常の画像データ9gを読み出して色を反転させた付加画像を生成する形態について説明する。尚、本実施形態においても、画像形成装置1の構成は、第1の実施の形態で説明したものと同様である。また、本実施形態において、操作パネル4の表示部5に表示される表示画面が切り替わる態様は、第5の実施の形態で説明したものと同様である。
【0142】
図26は、第7の実施の形態において付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9の一例を示す図である。図26に示すように、本実施形態では、付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9に、通常の色状態で表現された通常の画像データ9gのみが含まれる。
【0143】
そして本実施形態の制御部10は、利用者によって印刷開始が指示されると、画像データ9gを選択して読み出し、その画像データ9gに基づいて付加画像を生成する。このとき、補助機能がオンに設定されている場合には、制御部10は、通常の画像データ9gの色を反転させる画像処理を行って付加画像を生成する。また、補助機能がオンに設定されていない場合には、通常の画像データ9gを読み出し、それに基づいて付加画像を生成する。そして制御部10は、生成した付加画像を出力用紙の裏面側に印刷するように構成される。
【0144】
尚、本実施形態においても、制御部10が図6に示した各部の機能を実現する点については第1の実施の形態と同様である。ただし、本実施形態では、補助機能がオンに設定されているとき、付加画像生成部43が、通常の画像データ9gの色を反転させる画像処理を実行するように構成される。
【0145】
図27は、第7の実施の形態において制御部10で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部10は、この処理を開始すると、まず原稿画像を取得する(ステップS701)。そして制御部10は、利用者によって指定された出力用紙のサイズに基づき、その出力用紙の表面側および裏面側に印刷するための印刷サイズSを検出する(ステップS702)。そして制御部10は、補助機能が有効に設定されているか否かを判定する(ステップS703)。
【0146】
その結果、補助機能が有効に設定されている場合(ステップS703でYES)、制御部10は、付加情報9に含まれる画像データ9gを読み出し(ステップS704)、その画像データ9gの色を反転させる画像処理を行う(ステップS705)。これにより、通常の画像データ9gの色が判定した反転画像が生成される。そして制御部10は、その反転画像に基づいて出力用紙の裏面側に印刷するための付加画像を生成する(ステップS706)。
【0147】
一方、補助機能が無効であった場合(ステップS703でNO)、制御部10は、付加情報9に含まれる画像データ9gを読み出し(ステップS707)、その画像データ9gに基づいて出力用紙の裏面側に印刷するための付加画像を生成する(ステップS708)。
【0148】
そして制御部10は、原稿画像を出力用紙の表面側に印刷すると共に、ステップS706又はS708で生成された付加画像を出力用紙の裏面側に印刷するように印刷制御を実行する(ステップS709)。その後、全てのページの印刷出力が完了すると、この処理は終了する。
【0149】
このように本実施形態においては、付加情報記憶部19aに予め記憶される付加情報9に、通常の画像データ9gのみが含まれており、利用者が操作パネル4を操作する際に低視力者用の補助機能が有効に設定されていれば、その画像データ9gを読み出し、色を反転させる画像処理を行って付加画像を生成し、その付加画像を原稿画像と共に印刷するように構成される。また、利用者が操作パネル4を操作する際に低視力者用の補助機能が無効に設定されていれば、通常の画像データ9gに基づいて付加画像を生成し、その付加画像を原稿画像と共に印刷するようになっている。
【0150】
図28は、第7の実施の形態において補助機能がオンである場合に出力用紙の裏面側に印刷される付加画像の印刷形態を示す図である。図28に示すように、補助機能がオンの場合、制御部10は、付加情報記憶部19aに記憶されている画像データ9gを選択して読み出す。そして、その画像データ9gの色を反転させる画像処理を行って反転画像を生成する。そして生成された反転画像に基づいて付加画像が生成され、その付加画像が出力用紙の裏面側に印刷される。そのため、低視力者が色弱者であっても、補助機能をオンに設定することにより、色弱者にとって、広告などの文字が判読しやすい状態で印刷されるようになる。
【0151】
以上のように本実施形態の画像形成装置1は、補助機能として、操作パネル4の表示画面の配色を変更して表示する配色変更機能を有している。また、付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9には、通常の配色状態で表現された通常の画像データ9gのみが含まれる。そして付加画像生成部43は、補助機能が有効に設定されている場合、通常の画像データ9gを読み出し、その画像データ9gの色を反転させる画像処理を行うことにより、操作パネル4で表示されている配色状態に対応した付加画像を生成する構成である。そのため、本実施形態では、低視力者が色弱者である場合であっても、文字の読みやすい状態で広告などの付加情報を印刷して提供することができるようになっている。また、本実施形態を上述した第5の実施の形態と比較すると、本実施形態では、付加情報9に予め反転画像データ9hを含めておく必要がないため、付加情報記憶部19aの記憶領域を小さくすることができるという利点もある。
【0152】
(第8の実施の形態)
次に第8の実施の形態について説明する。本実施形態では、利用者が操作補助設定キー37を操作することにより、図15に示した3つの表示画面に加え、更にそれら3つの表示画面の配色を変更した補助表示画面(例えば配色を反転させた補助表示画面)を操作パネル4に表示することができるようになっており、補助機能がオンに設定されているときには、操作パネル4に表示される表示画面に応じた付加画像を生成して印刷する形態について説明する。尚、本実施形態でも画像形成装置1の構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0153】
図29は、第8の実施の形態において付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9の一例を示す図である。図29に示すように、本実施形態では、付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9に、文字サイズが小サイズである通常の画像データ9dと、文字サイズが中サイズである通常の画像データ9eと、文字サイズが大サイズである通常の画像データ9fと、通常の画像データ9dの色を反転させた反転画像データ9jと、通常の画像データ9eの色を反転させた反転画像データ9kと、通常の画像データ9fの色を反転させた反転画像データ9mとが含まれる。ここで通常の画像データ9d,9e,9fは、第4の実施の形態で説明した画像データ9d,9e,9f(図16参照)と同様である。
【0154】
通常の画像データ9dは、文字サイズが小さく、画面配色が通常の配色状態であるので、健常者には識別容易であるが、低視力者にとっては識別困難な画像データである。これに対し、画像データ9e,9f,9j,9k,9mは、低視力者の症状に適合するものが選択されれば、低視力者にとっては識別が可能な画像データとなっている。
【0155】
このように付加情報9に含まれる複数の画像データ9d,9e,9f,9j,9k,9mのそれぞれは、操作パネル4に表示される複数の表示画面のそれぞれに対応している。例えば、画像データ9dは、図15の通常表示画面5aに対応しており、画像データ9eは、図15の補助表示画面5bに対応している。また、画像データ9fは、図15の補助表示画面5cに対応している。また、反転画像データ9jは、通常表示画面5aの配色を反転させた補助表示画面に対応しており、反転画像データ9kは、補助表示画面5bの配色を反転させた補助表示画面に対応している。さらに反転画像データ9mは、補助表示画面5cの配色を反転させた補助表示画面に対応している。尚、配色を反転させた補助表示画面は、補助機能に含まれる配色変更機能によって生成される。
【0156】
本実施形態の制御部10は、利用者によって印刷開始が指示されると、付加情報9に含まれる複数の画像データ9d,9e,9f,9j,9k,9mの中から1つの画像データを選択して読み出し、その選択した画像データに基づいて付加画像を生成する。このとき、補助機能がオンに設定されていれば、画像データ9dを除き、複数の画像データ9e,9f,9j,9k,9mの中から操作パネル4に表示されている補助表示画面の種類に対応する1つの画像データを選択し、付加画像を生成する。また、補助機能がオンに設定されていない場合には、文字サイズが小サイズである通常の画像データ9dを読み出し、それに基づいて付加画像を生成する。そして制御部10は、生成した付加画像を出力用紙の裏面側に印刷するように構成される。
【0157】
尚、本実施形態においても、制御部10が図6に示した各部の機能を実現する点については第1の実施の形態と同様である。
【0158】
図30は、第8の実施の形態において制御部10で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部10は、この処理を開始すると、まず原稿画像を取得する(ステップS801)。そして制御部10は、利用者によって指定された出力用紙のサイズに基づき、その出力用紙の表面側および裏面側に印刷するための印刷サイズSを検出する(ステップS802)。そして制御部10は、補助機能が有効に設定されているか否かを判定する(ステップS803)。
【0159】
その結果、補助機能が有効に設定されている場合(ステップS803でYES)、制御部10は、操作パネル4に表示されている補助機能の種類を判別する(ステップS804)。ここでは、補助機能がオンであるときに操作パネル4に表示されている補助表示画面の種類が判別される。そして、制御部10は、複数の画像データ9e,9f,9j,9k,9mの中から操作パネル4に表示されている補助表示画面の種類に対応する1つの画像データを選択して読み出し(ステップS805)、その読み出した画像データに基づいて出力用紙の裏面側に印刷するための付加画像を生成する(ステップS806)。
【0160】
一方、補助機能が無効に設定されていた場合(ステップS803でNO)、制御部10は、付加情報9に含まれる文字サイズが小サイズの通常の画像データ9dを読み出し(ステップS807)、その画像データ9dに基づいて出力用紙の裏面側に印刷するための付加画像を生成する(ステップS808)。
【0161】
そして制御部10は、原稿画像を出力用紙の表面側に印刷すると共に、ステップS806又はS808で生成された付加画像を出力用紙の裏面側に印刷するように印刷制御を実行する(ステップS809)。その後、全てのページの印刷出力が完了すると、この処理は終了する。
【0162】
このように本実施形態においては、付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9に、健常者向けの通常の画像データ9dと、補助表示画面の種類に対応する複数種類の低視力者向けの画像データ9e,9f,9j,9k,9mが含まれている。そして利用者が操作パネル4を操作する際に低視力者用の補助機能が有効に設定されていれば、その補助機能によってどのような種類の補助表示画面が操作パネル4に表示されているかに応じて複数種類の低視力者向けの画像データ9e,9f,9j,9k,9mの中から1つの画像データを選択して付加画像を生成し、その付加画像を原稿画像と共に印刷するように構成される。また、利用者が操作パネル4を操作する際に低視力者用の補助機能が無効に設定されていれば、通常の画像データ9dに基づいて付加画像を生成し、その付加画像を原稿画像と共に印刷するようになっている。
【0163】
以上のように本実施形態の画像形成装置1では、付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9に、低視力者が識別可能な画像データ9dと、低視力者が識別困難な画像データ9e,9f,9j,9k,9mとが含まれている。そして付加画像生成部43は、補助機能が有効に設定されている場合、操作パネル4に表示されている補助表示画面の種類に応じて付加情報9のうちから低視力者が識別可能な1つの画像データを読み出し、その画像データに基づいて付加画像を生成する構成である。そのため、本実施形態では、利用者が低視力者の場合であっても、利用者が補助機能をオンに設定し、自身が見やすい補助表示画面を表示させている状態でスタートキーを押下することにより、広告などの文字が判読しやすい状態で印刷されるようになる。また、利用者が色弱者の場合でも、反転画像データ9j,9k,9mのいずれかを選択して付加画像として印刷するため、色弱者にも見やすい広告を提供することが可能である。
【0164】
(第9の実施の形態)
次に第9の実施の形態について説明する。本実施形態では、補助機能が有効に設定されており、更に音声ガイダンス機能が有効に設定されている場合における付加情報9の一出力形態について説明する。尚、本実施形態でも画像形成装置1の構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0165】
図31は、第9の実施の形態において付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9の一例を示す図である。図31に示すように、本実施形態では、付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9に、広告などの画像データ9nと、その広告を音声で表した音声データ9sとが含まれる。
【0166】
本実施形態の制御部10は、利用者によって印刷開始が指示されたとき、補助機能が有効であれば、音声ガイダンス機能が有効であるか否かを判断し、音声ガイダンス機能が有効である場合には、予め設定されている広告出力形態に応じて付加情報9に含まれるデータを読み出して広告に関する出力を行うように構成される。尚、本実施形態においても、制御部10が図6に示した各部の機能を実現する点については第1の実施の形態と同様である。ただし、本実施形態における付加画像生成部43は、音声ガイダンス機能が有効に設定されている場合に付加情報9から音声データ9sを読み出し、その音声データ9sを音声出力部7に出力して広告などの情報を音声で出力させることも可能な構成である。
【0167】
図32は、第9の実施の形態において制御部10で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部10は、この処理を開始すると、まず原稿画像を取得する(ステップS901)。そして制御部10は、利用者によって指定された出力用紙のサイズに基づき、その出力用紙の表面側および裏面側に印刷するための印刷サイズSを検出する(ステップS902)。そして制御部10は、補助機能が有効に設定されているか否かを判定する(ステップS903)。
【0168】
その結果、補助機能が有効に設定されている場合(ステップS903でYES)、制御部10は、さらに音声ガイダンス機能が有効に設定されているか否かを判定する(ステップS904)。音声ガイダンス機能が有効な場合(ステップS904でYES)、制御部10は、予め設定されている広告出力形態を判別する(ステップS905)。この広告出力形態には、例えば、音声出力のみによる音声広告の出力形態と、音声出力と共に上述した各実施の形態での付加画像を出力用紙の裏面側に印刷して出力する出力形態との2つがある。そのため、ステップS905では、これら2つの出力形態のうちのいずれが予め設定されているかを判別する。そして音声広告のみであるか否かを判断する(ステップS906)。
【0169】
音声広告のみである場合(ステップS906でYES)、制御部10は、付加情報9から音声データ9sを読み出し(ステップS907)、その音声データ9sを音声出力部7に出力して音声出力による広告の出力を開始する(ステップS908)。そして制御部10は、原稿画像に基づいて印刷制御を開始する(ステップS909)。尚、このステップS909では、原稿画像が出力用紙の表面側に印刷されるだけであり、裏面側への付加画像の印刷は行われない。
【0170】
一方、音声広告のみでない場合(ステップS906でNO)、制御部10は、付加情報9から音声データ9sを読み出し(ステップS910)、その音声データ9sを音声出力部7に出力して音声出力による広告の出力を開始する(ステップS911)その後、制御部10は、付加情報9から画像データ9nを読み出し(ステップS912)、その読み出した画像データ9nに基づいて付加画像を生成する(ステップS913)。このステップS913では、低視力者にとって見やすい付加画像が生成される。そのため、上述した各実施の形態のように画像データ9nを拡大する処理を行うようにしても良いし、文字を太文字に加工するような画像処理などを行うようにしても良い。
【0171】
また補助機能が無効に設定されていた場合(ステップS903でNO)、制御部10は、付加情報9から画像データ9nを読み出し(ステップS914)、その読み出した画像データ9nに基づいて付加画像を生成する(ステップS915)。このステップS915では、上述したステップS913と異なり、低視力者にとって見やすい付加画像は生成されず、健常者向けの付加画像が生成される。
【0172】
そして制御部10は、原稿画像を出力用紙の表面側に印刷すると共に、ステップS913又はS915で生成された付加画像を出力用紙の裏面側に印刷するように印刷制御を実行する(ステップS916)。その後、全てのページの印刷出力が完了すると、この処理は終了する。
【0173】
以上のように本実施形態の画像形成装置1では、補助機能として、操作パネル4の表示画面に関する音声ガイダンスを行う音声ガイダンス機能を有しており、付加情報記憶部19aに記憶される付加情報9には、広告に関する画像データ9nと、その画像データ9nに対応する音声データ9sとが含まれている。そして付加画像生成部43は、音声ガイダンス機能が有効に設定されている場合、画像データ9nを読み出し、その画像データ9nに基づいて付加画像を生成することができる構成である。また付加画像生成部43は、音声ガイダンス機能が有効に設定されている場合、音声データ9sを読み出し、その音声データ9sを音声出力部7に出力することにより、広告音声を出力することできる構成となっている。したがって、利用者が低視力者の場合であっても、付加情報9に含まれる広告などの情報を利用者が識別できるような態様で提供することができるようになる。
【0174】
(変形例)
以上、本発明に関する幾つかの実施形態について説明したが、本発明は上述した内容に限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
【0175】
例えば、上述した実施形態では、画像形成装置1においてコピー出力を行う場合を例に挙げて説明したが、例えばプリント出力を行う場合にも上述した内容を適用することは可能である。
【符号の説明】
【0176】
1 画像形成装置
4 操作パネル(操作入力手段)
7 音声出力部(音声出力手段)
10 制御部
16 プリンタ部(印刷手段)
19 記憶装置
19a 付加情報記憶部(付加情報記憶手段)
23 操作補助部(操作補助手段)
41 原稿画像取得部(原稿画像取得手段)
43 付加画像生成部(付加画像生成手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが各種操作を行うための操作案内画面を表示し、ユーザによる各種入力操作を受け付ける操作入力手段と、
ユーザが低視力者である場合に、前記操作入力手段に対するユーザの入力操作を補助するための補助機能を有効にする操作補助手段と、
印刷対象となる原稿画像を取得する原稿画像取得手段と、
前記原稿画像取得手段によって取得される原稿画像と共に印刷するための付加情報を記憶する付加情報記憶手段と、
前記付加情報記憶手段に記憶されている付加情報を読み出し、印刷用の付加画像を生成する付加画像生成手段と、
前記原稿画像取得手段によって取得される原稿画像と共に、前記付加画像生成手段によって生成される付加画像を印刷して出力する印刷手段と、
を備え、
前記付加画像生成手段は、前記操作補助手段により前記補助機能が有効に設定されている場合、前記付加情報記憶手段に記憶されている付加情報を読み出して印刷用の付加画像を生成する際に低視力者向けの付加画像を生成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記補助機能には、前記操作案内画面を拡大して表示する拡大表示機能、前記操作案内画面の配色を変更して表示する配色変更機能、および、前記操作案内画面についての音声ガイダンスを行う音声ガイダンス機能のうちの少なくとも1つの機能が含まれることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記付加情報記憶手段に記憶される付加情報には、画像サイズの異なる複数種類の画像データが含まれており、
前記付加画像生成手段は、前記操作補助手段により前記補助機能が有効に設定されている場合、付加画像を印刷するための印刷サイズよりも小さい画像サイズの画像データを選択して読み出し、当該画像データを前記印刷サイズに拡大することによって付加画像を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記付加情報記憶手段に記憶される付加情報には、所定の印刷サイズに対応した画像データが含まれており、
前記付加画像生成手段は、前記操作補助手段により前記補助機能が有効に設定されており、且つ、原稿画像に基づいて前記所定の印刷サイズに対応する印刷出力が複数ページ行われる場合、前記所定の印刷サイズに対応した画像データを分割し、複数のページに拡大して印刷するための付加画像を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記付加情報記憶手段に記憶される付加情報には、所定文字サイズの文字を含む第1の画像データと、前記所定文字サイズよりも大きなサイズの文字を含む第2の画像データとが含まれており、
前記付加画像生成手段は、前記操作補助手段により前記補助機能が有効に設定されている場合、前記第2の画像データを選択して読み出し、当該第2の画像データに基づいて付加画像を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記補助機能は、前記操作案内画面を所定倍率に拡大して表示する第1拡大表示機能と、前記操作案内画面を前記所定倍率よりも更に大きな倍率で拡大して表示する第2拡大表示機能と、を有し、
前記付加情報記憶手段に記憶される付加情報には、所定文字サイズの文字を含む第1の画像データと、前記所定文字サイズよりも文字サイズの大きな文字を含む第2の画像データと、前記第2の画像データに含まれる文字よりも更に文字サイズの大きな文字を含む第3の画像データとが含まれており、
前記付加画像生成手段は、前記操作補助手段により前記補助機能における前記第1拡大表示機能が有効に設定されている場合に前記第2の画像データ又は前記第3の画像データを読み出して付加画像を生成し、前記操作補助手段により前記補助機能における前記第2拡大表示機能が有効に設定されている場合に前記第3の画像データを読み出して付加画像を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記補助機能は、前記操作案内画面の配色を変更して表示する配色変更機能を有し、
前記付加情報記憶手段に記憶される付加情報には、前記配色変更機能によって変更される配色状態に対応する画像データが含まれており、
前記付加画像生成手段は、前記操作補助手段により前記配色変更機能が有効に設定されている場合、前記画像データを読み出し、前記操作案内画面で表示される配色状態に対応した付加画像を生成することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記補助機能は、前記操作案内画面の配色を反転させて表示する配色変更機能を有し、
前記付加情報記憶手段に記憶される付加情報には、画像データが含まれており、
前記付加画像生成手段は、前記操作補助手段により前記配色変更機能が有効に設定されている場合、前記画像データの色を反転させる画像処理を行うことにより付加画像を生成することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記付加情報記憶手段に記憶される付加情報には、文字データが含まれており、
前記付加画像生成手段は、前記操作補助手段により前記補助機能が有効に設定されている場合、前記文字データに含まれる文字の文字線を太くする画像処理を行って付加画像を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記付加情報記憶手段に記憶される付加情報には、低視力者が識別可能な画像データと、低視力者が識別困難な画像データとが含まれており、
前記付加画像生成手段は、前記操作補助手段により前記補助機能が有効に設定されている場合、前記付加情報のうちから低視力者が識別可能な画像データを読み出し、該画像データに基づいて付加画像を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記補助機能は、前記操作案内画面についての音声ガイダンスを行う音声ガイダンス機能を有し、
前記付加情報記憶手段に記憶される付加情報には、画像データが含まれており、
前記付加画像生成手段は、前記操作補助手段により前記音声ガイダンス機能が有効に設定されている場合、前記画像データを読み出し、該画像データに基づいて付加画像を生成することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項12】
音声を出力する音声出力手段をさらに備え、
前記付加情報記憶手段に記憶される付加情報には、前記画像データに対応する音声データがさらに含まれており、
前記付加画像生成手段は、前記操作補助手段により前記音声ガイダンス機能が有効に設定されている場合、前記音声データを読み出し、該音声データを前記音声出力手段に出力することを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
(a) 原稿画像と共に印刷するための付加情報を所定の付加情報記憶手段に予め記憶するステップと、
(b) ユーザが各種操作を行うための操作案内画面を表示し、ユーザによる各種入力操作を受け付けるステップと、
(c) ユーザが低視力者である場合に、ユーザの入力操作を補助するための補助機能を有効にするステップと、
(d) 印刷対象となる原稿画像を取得するステップと、
(e) 原稿画像の取得に伴い、前記付加情報記憶手段に記憶されている付加情報を読み出し、印刷用の付加画像を生成するステップと、
(f) 取得された原稿画像と共に、前記付加画像を印刷して出力するステップと、
を備え、
前記ステップ(e)は、前記補助機能が有効に設定されている場合、前記付加情報記憶手段に記憶されている付加情報を読み出して印刷用の付加画像を生成するときに低視力者向けの付加画像を生成することを特徴とする画像形成方法。
【請求項1】
ユーザが各種操作を行うための操作案内画面を表示し、ユーザによる各種入力操作を受け付ける操作入力手段と、
ユーザが低視力者である場合に、前記操作入力手段に対するユーザの入力操作を補助するための補助機能を有効にする操作補助手段と、
印刷対象となる原稿画像を取得する原稿画像取得手段と、
前記原稿画像取得手段によって取得される原稿画像と共に印刷するための付加情報を記憶する付加情報記憶手段と、
前記付加情報記憶手段に記憶されている付加情報を読み出し、印刷用の付加画像を生成する付加画像生成手段と、
前記原稿画像取得手段によって取得される原稿画像と共に、前記付加画像生成手段によって生成される付加画像を印刷して出力する印刷手段と、
を備え、
前記付加画像生成手段は、前記操作補助手段により前記補助機能が有効に設定されている場合、前記付加情報記憶手段に記憶されている付加情報を読み出して印刷用の付加画像を生成する際に低視力者向けの付加画像を生成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記補助機能には、前記操作案内画面を拡大して表示する拡大表示機能、前記操作案内画面の配色を変更して表示する配色変更機能、および、前記操作案内画面についての音声ガイダンスを行う音声ガイダンス機能のうちの少なくとも1つの機能が含まれることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記付加情報記憶手段に記憶される付加情報には、画像サイズの異なる複数種類の画像データが含まれており、
前記付加画像生成手段は、前記操作補助手段により前記補助機能が有効に設定されている場合、付加画像を印刷するための印刷サイズよりも小さい画像サイズの画像データを選択して読み出し、当該画像データを前記印刷サイズに拡大することによって付加画像を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記付加情報記憶手段に記憶される付加情報には、所定の印刷サイズに対応した画像データが含まれており、
前記付加画像生成手段は、前記操作補助手段により前記補助機能が有効に設定されており、且つ、原稿画像に基づいて前記所定の印刷サイズに対応する印刷出力が複数ページ行われる場合、前記所定の印刷サイズに対応した画像データを分割し、複数のページに拡大して印刷するための付加画像を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記付加情報記憶手段に記憶される付加情報には、所定文字サイズの文字を含む第1の画像データと、前記所定文字サイズよりも大きなサイズの文字を含む第2の画像データとが含まれており、
前記付加画像生成手段は、前記操作補助手段により前記補助機能が有効に設定されている場合、前記第2の画像データを選択して読み出し、当該第2の画像データに基づいて付加画像を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記補助機能は、前記操作案内画面を所定倍率に拡大して表示する第1拡大表示機能と、前記操作案内画面を前記所定倍率よりも更に大きな倍率で拡大して表示する第2拡大表示機能と、を有し、
前記付加情報記憶手段に記憶される付加情報には、所定文字サイズの文字を含む第1の画像データと、前記所定文字サイズよりも文字サイズの大きな文字を含む第2の画像データと、前記第2の画像データに含まれる文字よりも更に文字サイズの大きな文字を含む第3の画像データとが含まれており、
前記付加画像生成手段は、前記操作補助手段により前記補助機能における前記第1拡大表示機能が有効に設定されている場合に前記第2の画像データ又は前記第3の画像データを読み出して付加画像を生成し、前記操作補助手段により前記補助機能における前記第2拡大表示機能が有効に設定されている場合に前記第3の画像データを読み出して付加画像を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記補助機能は、前記操作案内画面の配色を変更して表示する配色変更機能を有し、
前記付加情報記憶手段に記憶される付加情報には、前記配色変更機能によって変更される配色状態に対応する画像データが含まれており、
前記付加画像生成手段は、前記操作補助手段により前記配色変更機能が有効に設定されている場合、前記画像データを読み出し、前記操作案内画面で表示される配色状態に対応した付加画像を生成することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記補助機能は、前記操作案内画面の配色を反転させて表示する配色変更機能を有し、
前記付加情報記憶手段に記憶される付加情報には、画像データが含まれており、
前記付加画像生成手段は、前記操作補助手段により前記配色変更機能が有効に設定されている場合、前記画像データの色を反転させる画像処理を行うことにより付加画像を生成することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記付加情報記憶手段に記憶される付加情報には、文字データが含まれており、
前記付加画像生成手段は、前記操作補助手段により前記補助機能が有効に設定されている場合、前記文字データに含まれる文字の文字線を太くする画像処理を行って付加画像を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記付加情報記憶手段に記憶される付加情報には、低視力者が識別可能な画像データと、低視力者が識別困難な画像データとが含まれており、
前記付加画像生成手段は、前記操作補助手段により前記補助機能が有効に設定されている場合、前記付加情報のうちから低視力者が識別可能な画像データを読み出し、該画像データに基づいて付加画像を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記補助機能は、前記操作案内画面についての音声ガイダンスを行う音声ガイダンス機能を有し、
前記付加情報記憶手段に記憶される付加情報には、画像データが含まれており、
前記付加画像生成手段は、前記操作補助手段により前記音声ガイダンス機能が有効に設定されている場合、前記画像データを読み出し、該画像データに基づいて付加画像を生成することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項12】
音声を出力する音声出力手段をさらに備え、
前記付加情報記憶手段に記憶される付加情報には、前記画像データに対応する音声データがさらに含まれており、
前記付加画像生成手段は、前記操作補助手段により前記音声ガイダンス機能が有効に設定されている場合、前記音声データを読み出し、該音声データを前記音声出力手段に出力することを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
(a) 原稿画像と共に印刷するための付加情報を所定の付加情報記憶手段に予め記憶するステップと、
(b) ユーザが各種操作を行うための操作案内画面を表示し、ユーザによる各種入力操作を受け付けるステップと、
(c) ユーザが低視力者である場合に、ユーザの入力操作を補助するための補助機能を有効にするステップと、
(d) 印刷対象となる原稿画像を取得するステップと、
(e) 原稿画像の取得に伴い、前記付加情報記憶手段に記憶されている付加情報を読み出し、印刷用の付加画像を生成するステップと、
(f) 取得された原稿画像と共に、前記付加画像を印刷して出力するステップと、
を備え、
前記ステップ(e)は、前記補助機能が有効に設定されている場合、前記付加情報記憶手段に記憶されている付加情報を読み出して印刷用の付加画像を生成するときに低視力者向けの付加画像を生成することを特徴とする画像形成方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図2】
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【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
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【図11】
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【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
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【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【公開番号】特開2012−65212(P2012−65212A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−208702(P2010−208702)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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