画像形成装置制御方法および画像形成装置
【課題】データ蓄積部から揮発性記憶部に画像データをコピーして画像形成する際、ファーストコピータイムを短縮する。
【解決手段】画像を形成する画像形成部160と、データ蓄積部に蓄積されている画像データを前記画像形成部での記録紙の搬送タイミングに合わせて出力するために前記画像データを記憶する揮発性記憶部140と、ジョブ単位で画像形成を制御する制御部101と、を備え、出力すべきジョブが選択された後であって該ジョブの出力指示発生前に、前記画像データ蓄積部から前記揮発性記憶部に対して前記画像データのコピーを開始する。
【解決手段】画像を形成する画像形成部160と、データ蓄積部に蓄積されている画像データを前記画像形成部での記録紙の搬送タイミングに合わせて出力するために前記画像データを記憶する揮発性記憶部140と、ジョブ単位で画像形成を制御する制御部101と、を備え、出力すべきジョブが選択された後であって該ジョブの出力指示発生前に、前記画像データ蓄積部から前記揮発性記憶部に対して前記画像データのコピーを開始する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置内部でデータ蓄積部に蓄積されている画像データ若しくは外部のデータ蓄積部から供給される画像データを画像形成部での記録紙の搬送タイミングに合わせて出力するためにデータを記憶する揮発性記憶部を備えた状態での画像形成装置制御方法および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置では、外部機器から送られてきたページ記述言語で記述された非ビットマップ形式のRIP前のプリントデータ(RIP前プリントデータ)あるいはラスタライズされたビットマップ形式の画像データ(RIP後プリントデータ)など各種のデータを記憶しておく必要がある。
【0003】
このため、画像形成装置において、大容量の画像データを記憶するために不揮発性のデータ蓄積部としてハードディスク装置(HDD;Hard Disk Drive)が搭載されるようになってきている。
【0004】
また、このような画像形成装置においては、頁毎のビットマップ形式の画像データを、露光や給紙などの画像形成タイミングに正確に合わせて遅れることなく画像形成部に供給する必要がある。
【0005】
なお、このような画像形成装置において関連する技術は、以下の特許文献に提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−138530号公報
【特許文献2】特開2006−203874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上の特許文献1では、外部記憶装置に保存された画像データによって画像形成を行う際に、外部記憶装置に設けられたキャッシュメモリから先出しさせることで、読み出しと画像形成のパフォーマンスを向上させることが提案されている。ここで、キャッシュメモリに入れる画像データとしては、比較的最近使用されたものの優先順位を高くするようにしている。
【0008】
この場合、効果が現れるのはキャッシュメモリにヒットした場合だけであり、オペレータが任意に選択したジョブについてジョブチケットの編集が発生した場合には効果が現れないという問題がある。
【0009】
また、以上の特許文献2では、原稿をスキャンしてコピーする際に、原稿が載置された時点でスキャンを開始することで記録紙出力までの時間を短縮させるようにしている。この場合、原稿のスキャンを行う場合には有効であるが、オペレータが任意に選択したジョブについては効果が現れないという問題がある。
【0010】
ここで、印刷分野で使用される画像形成装置においては、画像形成の高画質化と高速化の要求により、大容量の画像データを高速に連続して出力する必要が生じている。また、ジャムなどの不具合からリカバリする際にも、一連の大容量の画像データを記録紙の搬送タイミングに合わせて高速に出力する必要が生じる。このような状況では、データ蓄積部としてのHDDから画像形成部へのデータ出力ではタイミング的に間に合わなくなるため、大容量のDRAM(Dynamic Random Access Memory)等のメモリに一連の画像データを蓄えておいて、メモリから画像形成部に対して画像データを出力するような構成になっている。
【0011】
なお、実際の画像形成装置では、オペレータがジョブを選択した後にスタートボタンを押下して出力開始指示を入力してから、HDDからDRAMに画像データをコピーするようにしている。ここで、オペレータがジョブを選択してから、該ジョブについてジョブチケットの編集としてNin1出力を選択した場合、画像データ1頁についてHDDからの読み出しに1秒要すると、出力1頁分についてN秒の時間を必要とする。たとえば、N=8であれば、出力1頁分について8秒の読み出し時間が必要となり、スタートボタンを押下してから実際に画像形成された記録紙の1枚目が出力されるまでの時間(First Copy Out Time(FCOT):以下、「ファーストコピータイム」)が長くなるという問題が生じる。
【0012】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、HDD等のデータ蓄積部からDRAM等の揮発性記憶部に画像データをコピーしてから画像形成部に出力して画像形成する際に、ファーストコピータイムを短縮することが可能な画像形成装置制御方法および画像形成装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
すなわち、前記した課題を解決する本発明は、以下の通りである。
【0014】
(1)第1の発明は、画像データに基づいて記録紙上に画像を形成する画像形成部と、画像形成装置内部でデータ蓄積部に蓄積されている画像データ若しくは外部のデータ蓄積部から供給される画像データを前記画像形成部での記録紙の搬送タイミングに合わせて出力するために前記画像データを記憶する揮発性記憶部と、ジョブ単位で画像形成を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、出力すべきジョブが選択された後であって該ジョブの出力指示発生前に、前記画像データ蓄積部から前記揮発性記憶部に対して前記画像データのコピーを開始することを特徴とする。
【0015】
(2)第2の発明は、上記(1)において、前記制御部は、画像形成についての制御命令であるジョブチケットに沿ってジョブ単位で画像形成を制御しており、出力すべきジョブが選択された後であって該ジョブの出力指示発生前に、前記ジョブチケットに設定されている頁順に前記画像データ蓄積部から前記揮発性記憶部に対して前記画像データをコピーを開始することを特徴とする。
【0016】
(3)第3の発明は、上記(2)において、前記制御部は、選択されたジョブについての前記ジョブチケットにおける前記画像データの出力順が、該画像データのコピー開始後に変更された場合に、前記揮発性記憶部に記憶された前記画像データのうちで不要になるデータを削除すると共に、新たに必要になるデータについて前記画像データ蓄積部から前記揮発性記憶部に対してコピーを開始することを特徴とする。
【0017】
(4)第4の発明は、上記(2)において、前記制御部は、選択されたジョブについての前記ジョブチケットにおける前記画像データの出力順が、該画像データのコピー開始後に変更された場合に、前記揮発性記憶部に記憶された前記画像データのうちで最終頁のデータを削除すると共に、新たに必要になるデータについて前記画像データ蓄積部から前記揮発性記憶部に対してコピーを開始することを特徴とする。
【0018】
(5)第5の発明は、上記(1)−(4)において、前記制御部は、前記画像データ蓄積部内のデータを前記揮発性記憶部に対してコピー中に、該データ蓄積部に対してアクセスする他のジョブが発生した場合には、前記画像データ蓄積部から前記揮発性記憶部に対する前記画像データのコピーを停止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、以下のような効果が得られる。
【0020】
(1)第1の発明では、HDD等のデータ蓄積部からDRAM等の揮発性記憶部に画像データをコピーしてから画像形成部に出力して画像形成する際に、出力すべきジョブが選択された後であって該ジョブの出力指示発生前にデータ蓄積部から揮発性記憶部に対してデータのコピーを開始することにより、スタートボタンを押下してから画像形成された記録紙の1枚目が出力されるまでのファーストコピータイムを短縮することが可能になる。
【0021】
(2)第2の発明では、HDD等のデータ蓄積部からDRAM等の揮発性記憶部に画像データをコピーしてから画像形成部に出力して画像形成する際に、画像形成についての制御命令であるジョブチケットに沿ってジョブ単位で画像形成を制御しており、出力すべきジョブが選択された後であって該ジョブの出力指示発生前に、ジョブチケットに設定されている頁順にデータ蓄積部から揮発性記憶部に対してデータをコピーを開始することにより、スタートボタンを押下してから画像形成された記録紙の1枚目が出力されるまでのファーストコピータイムを短縮することが可能になる。
【0022】
(3)第3の発明では、上記(2)で該画像データのコピー開始後に、選択されたジョブについてのジョブチケットにおけるデータの出力順が変更された場合には、揮発性記憶部に記憶されたデータのうちで不要になるデータを削除すると共に、新たに必要になるデータについてデータ蓄積部から揮発性記憶部に対してコピーを開始することにより、スタートボタンを押下してから画像形成された記録紙の1枚目が出力されるまでのファーストコピータイムを短縮することが可能になる。
【0023】
(4)第4の発明では、上記(2)で該画像データのコピー開始後に、選択されたジョブについてのジョブチケットにおけるデータの出力順が変更された場合には、揮発性記憶部に記憶されたデータのうちで最終頁のデータを削除すると共に、新たに必要になるデータについてデータ蓄積部から揮発性記憶部に対してコピーを開始することにより、スタートボタンを押下してから画像形成された記録紙の1枚目が出力されるまでのファーストコピータイムを短縮することが可能になる。
【0024】
(5)第5の発明では、上記(1)−(4)において、データ蓄積部内のデータを揮発性記憶部に対してコピー中に、該データ蓄積部に対してアクセスする他のジョブが発生した場合には、データ蓄積部から揮発性記憶部に対するデータのコピーを停止することにより、他のジョブが停止する事態を防止でき、画像形成装置全体として効率の良い処理が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態の画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態の画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態の画像形成装置の概略処理を示す説明図である。
【図4】本発明の実施形態の画像形成装置の処理例を示す説明図である。
【図5】本発明の実施形態の画像形成装置の処理例を示す説明図である。
【図6】本発明の実施形態の画像形成装置の処理例を示す説明図である。
【図7】本発明の実施形態の画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態の画像形成装置の処理例を示す説明図である。
【図9】本発明の実施形態の画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態の画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態の画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態(以下、実施形態)を詳細に説明する。
【0027】
ここでは、画像形成装置内部のHDDや画像形成装置外部のUSBメモリなどの不揮発性のデータ蓄積可能な記憶部(以下、「データ蓄積部」と言う)に蓄積されている画像データをDRAMなどの揮発性のメモリにコピーして、画像形成部の記録紙出力タイミングに合わせてメモリから画像データを出力する機能を有する画像形成装置100を具体例にして説明する。
【0028】
〈画像形成装置の構成〉
ここで、図1に示される画像形成装置100は、CPU(Central Processing Unit)等により構成されて制御プログラムに基づいて画像形成装置100内の各部を制御する制御部101と、各種ネットワークを介して他の装置と通信するための通信部102と、液晶表示部とタッチパネルとにより構成されて利用者による操作が入力される操作部105と、USBメモリやSDメモリカード等の画像形成装置外のデータ蓄積部230からの画像データが入力される入力部110と、画像形成装置100で取り扱う画像データを不揮発性の記憶装置であるハードディスク装置(HDD;Hard Disk Drive)等に蓄積するデータ蓄積部130と、画像データを画像形成部での記録紙の搬送タイミングに合わせて高速に出力するためにHDDよりも高速であるDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリにより構成された揮発性記憶部140と、画像データに対して圧縮伸長処理やRIP処理など各種画像処理を施す画像処理部150と、電子写真方式などにより画像形成出力を実行するプリントエンジンとしての画像形成部160と、を備えて構成されている。
【0029】
なお、この実施形態においては、画像形成装置100内のデータ蓄積部130のほかに、USBメモリやSDカード等の各種外部メモリが入力部110に接続される場合にはデータ蓄積部230として動作しうる状態になる。
【0030】
また、入力部110に接続された他の揮発性記憶部の記憶部や、通信部102を介してネットワーク経由で接続されうる各種コンピュータやサーバの記憶部も、データ蓄積部230として動作しうる状態になる。
【0031】
〈画像形成装置の動作(1)〉
ここで、本実施形態の画像形成の動作(1)について説明する。ここでは、制御部101による記憶アクセス制御について、図2のフローチャート、図3および図4のタイムチャートを参照して説明する。
【0032】
なお、以下の動作説明で、データ蓄積部130と言う場合には、画像形成装置内のHDD等で構成されたデータ蓄積部130だけでなく、画像形成装置外のUSBメモリや他のコンピュータの記憶部等のデータ蓄積部230も含むものとする。
【0033】
制御部101は操作部105に初期画面を表示し、オペレータの指示を待っている。ここで、初期画面では、画像形成装置100が実行可能な各種画像処理が選択肢として表示されている。
【0034】
ここで、初期画面が表示された操作部105においてオペレータからジョブ出力処理が選択される(図2中のステップS101)と、この操作部105からの操作入力を受けた制御部101は、ジョブ出力処理として出力すべきジョブ(出力ジョブ)の選択肢を操作部105に表示する。
【0035】
この際に、制御部101は、データ蓄積部130に蓄積されていて出力可能なジョブ、あるいは、入力部110に接続されている外部メモリに蓄積されていて出力可能なジョブ、のいずれか一方または両方を、出力ジョブの選択肢として操作部105に表示する。なお、この場合は、オペレータが操作部105から、画像形成装置100内部のデータ蓄積部130と画像形成装置100外部のデータ蓄積部230とを選択してもよい。
【0036】
オペレータにより操作部105において出力ジョブが選択される(図2中のステップS102)と、制御部101は、該当する出力ジョブについてデータ蓄積部130から揮発性記憶部140にコピーするため、画像データを読み出し始める。以下、頁毎の画像データをページデータと呼ぶことにする。
【0037】
なお、出力ジョブが1頁であれば1枚分のページデータを、出力ジョブが複数頁であれば該当する複数枚分のページデータをジョブチケットに設定された頁順に、データ蓄積部130から読み出して揮発性記憶部140に記憶させる(図2中のステップS103、図3(b),(c))。また、データ蓄積部130がキャッシュメモリを備える場合には、キャッシュメモリを活用する。
【0038】
また、オペレータにより操作部105において出力ジョブが選択される(図2中のステップS102)と、制御部101はジョブチケット編集画面を操作部105に表示する。これにより、オペレータは、画像形成についての制御命令であるジョブチケット編集を行い、必要に応じて頁の入れ替え,追加,削除,設定変更を行う(図2中のステップS104、図3(b))。
【0039】
すなわち、この実施形態では、オペレータによるジョブチケット編集の実行中(図3(a))に、出力ジョブのページデータをデータ蓄積部130から揮発性記憶部140にコピーさせるための読み出しを開始するように制御部101が制御している(図3(b),(c))。
【0040】
オペレータにより操作部105においてスタートボタンが押下されて画像形成出力の開始指示がなされる(図2中のステップS105)と、出力ジョブのページデータのコピーが揮発性記憶部140の空き容量上限まで完了するまで待ち(図2中のステップS106)、空き容量上限まで完了した時点(図2中のステップS106でYES)、ページデータを揮発性記憶部140から読み出して、画像形成出力のための画像処理部150による画像処理(図3(d))と画像形成部160の画像形成出力(図3(e))とを実行する(図2中のステップS107)。
【0041】
なお、図3に示されていないが、画像形成(図2中のステップS107)により揮発性記憶部140からページデータを読み出すのに合わせて、使用済みの不要なページデータを削除して、データ蓄積部130から新たなページデータを揮発性記憶部140にコピーする。
【0042】
図4は従来の処理手順によって、図1に示す画像形成装置100において出力ジョブのページデータをデータ蓄積部130から揮発性記憶部140にコピーさせるタイミングを示すタイムチャートである。
【0043】
初期画面が表示された操作部105においてオペレータからジョブ出力処理が選択されると、この操作部105からの操作入力を受けた制御部101は、ジョブ出力処理として出力すべきジョブ(出力ジョブ)の選択肢を操作部105に表示する。オペレータにより操作部105において出力ジョブが選択されると、制御部101はジョブチケット編集画面を操作部105に表示する。これにより、オペレータは、画像形成についての制御命令であるジョブチケット編集を行い、必要に応じて頁の入れ替え,追加,削除,設定変更を行う(図4(a))。そして、オペレータにより操作部105においてスタートボタンが押下されて画像形成出力の開始指示がなされると、制御部101は、該当する出力ジョブについてデータ蓄積部130から揮発性記憶部140にコピーするために、ページデータの読み出しを始める(図4(b),(c))。すなわち、従来は、オペレータによるジョブチケット編集の実行中(図4(a))に、データ蓄積部130から揮発性記憶部140へのコピーは実行していない(図4(b),(c))。さらに、出力ジョブのページデータのコピーが揮発性記憶部140の空き容量上限まで完了した時点で、ページデータを揮発性記憶部140から読み出して、画像形成出力のための画像処理部150による画像処理(図4(d))と画像形成部160の画像形成出力(図4(e))とを実行する。
【0044】
ここで、本実施形態の図3のタイムチャートと従来の図4のタイムチャートとを比較すると、本実施形態ではジョブチケット編集の実行中(図3(a))に、データ蓄積部130から揮発性記憶部140にページデータコピーを開始(図3(b),(c))しているのに対し、従来はジョブチケット編集後の画像形成開始指示によりデータ蓄積部130から揮発性記憶部140にコピーを実行するという違いがある。
【0045】
このため、本実施形態によると、スタートボタンを押下してから画像形成された記録紙の1枚目が出力されるまでの時間(ファーストコピータイム)が早まると共に、画像形成の完了時刻も早まる。なお、オペレータによるジョブチケット編集に要する時間や、揮発性記憶部140の上限までのページデータコピー時間によって若干の変化はあるものの、ファーストコピータイムと画像形成完了時刻が早まることは確実である。
【0046】
〈画像形成装置の動作(2)〉
ここで、本実施形態の画像形成の動作(2)について説明する。なお、この動作(2)は、出力ジョブのページデータをデータ蓄積部130から揮発性記憶部140にコピーする際に、ジョブチケット編集によって出力する頁順が変更された場合の処理に関するサブルーチンであり、図5−6の説明図、および図7のフローチャートを参照して説明する。
【0047】
既に説明したように、オペレータにより操作部105においてジョブ出力処理が選択され、出力ジョブが選択されると、制御部101は、該当する出力ジョブについてデータ蓄積部130から揮発性記憶部140にコピーするために、ページデータの読み出しを始める。すなわち、ページデータをジョブチケットに設定された頁順に、データ蓄積部130から読み出して揮発性記憶部140に記憶させる。
【0048】
ここで、オペレータによるジョブチケット編集によって、出力する頁順が変更される(図7中のステップS201)。たとえば、図5(a)のような1頁〜16頁の通常順序(昇順)であったものが、ブックレット出力が選択されることで、図5(b)のように1頁・16頁,2・15頁,3・14頁,4・13頁,5・12頁,6・11頁,7・10頁,8・9頁のように変更される。
【0049】
ここで、制御部101は、データ蓄積部130から揮発性記憶部140へのページデータのコピーを一時停止させる(図7中のステップS202)。
【0050】
たとえば、図6(a),(b)に示すように、揮発性記憶部140には他ジョブ使用領域を除いて、10頁分の空き容量が存在しており、通常であれば1頁〜10頁までのページデータがコピーされるところが、一時停止により途中までコピーされる(図6(b))。
【0051】
制御部101は、頁順の変更により必要なページデータが揮発性記憶部140にコピーされていない可能性があるため、揮発性記憶部140内のコピーされたページデータとジョブチケット編集後に必要になるページデータとの頁を照合し(図7中のステップS203)、必要かつ不足な頁の確認(図7中のステップS204)と不要な頁の確認(図7中のステップS205)とを行う。
【0052】
ここで、揮発性記憶部140は10頁分の記憶が可能であるとすると、ブックレット出力の最初の5出力分のために、1−5、12−16頁のページデータを記憶する必要がある。一方、揮発性記憶部140には1−9頁のページデータが記憶されているため、12−16頁のページデータが不足しており(図7中のステップS204でYES)、6−9頁の不要なページデータが存在していることになる(図7中のステップS205でYES)。
【0053】
そこで、制御部101は、揮発性記憶部140内の不要なページデータである6−9頁を削除して(図7中のステップS206)空き領域を作成し(図6(c))、揮発性記憶部140の空き領域が存在する範囲内(図7中のステップS207でYES)で、必要な頁のページデータをデータ蓄積部130から揮発性記憶部140にコピーする(図7中のステップS208、図6(d))。
【0054】
以上のようにすることで、頁順が変更された場合でも、必要な頁のページデータを揮発性記憶部140にコピーすることができ、ファーストコピータイムが早まると共に、画像形成の完了時刻も早まる。
【0055】
なお、この後は、制御部101は、編集後のジョブチケットに設定された頁順にデータ蓄積部130からページデータを読み出して揮発性記憶部140に記憶させる。
【0056】
〈画像形成装置の動作(3)〉
ここで、本実施形態の画像形成の動作(3)について説明する。なお、この動作(3)は、出力ジョブのページデータをデータ蓄積部130から揮発性記憶部140にコピーする際に、ジョブチケット編集によって挿入頁が発生した場合の処理に関するサブルーチンであり、図8の説明図、および図9のフローチャートを参照して説明する。
【0057】
既に説明したように、オペレータにより操作部105においてジョブ出力処理が選択され、出力ジョブが選択されると、制御部101は、該当する出力ジョブについてデータ蓄積部130から揮発性記憶部140にコピーするために、ページデータの読み出しを始める。すなわち、ページデータをジョブチケットに設定された頁順に、データ蓄積部130から読み出して揮発性記憶部140に記憶させる(図6(a),(b))。
【0058】
ここで、オペレータによるジョブチケット編集によって、当初の頁順の途中に挿入頁が設定される(図9中のステップS301)。たとえば、1頁目と2頁目の間に12頁が挿入頁として設定変更される場合を想定する。
【0059】
制御部101は、揮発性記憶部140で記憶している範囲内(図8(b))に挿入頁が必要になっているのにコピーされていない状態であるかを確認するため、揮発性記憶部140内のコピーされたページデータとジョブチケット編集後に必要になるページデータとの頁を照合し、必要であるのにコピーされていない挿入頁を確認する(図9中のステップS302)。
【0060】
揮発性記憶部140で記憶している範囲内(図8(b))に必要なページデータが揃っていれば(図9中のステップS302でNO)、制御部101はこのサブルーチンの処理を終了する(図9でエンド)。
【0061】
揮発性記憶部140で記憶している範囲内(図8(b))に必要であるのにコピーされていない挿入頁があれば(図9中のステップS302でYES)、制御部101は、揮発性記憶部140内に必要な挿入頁のページデータを記憶可能な空き容量が存在しているかを確認する(図9中のステップS303)。
【0062】
揮発性記憶部140内に必要な挿入頁のページデータを記憶可能な空き容量が存在していない場合(図9中のステップS303でNO)には、制御部101は、既にコピーされたページデータの最終頁を削除して空き容量を作成し(図9中のステップS304)、空き容量確認に戻る(図9中のステップS303)。
【0063】
揮発性記憶部140内に必要な挿入頁のページデータを記憶可能な空き容量が存在している場合(図9中のステップS303でYES)には、制御部101は、必要な挿入頁のページデータをデータ蓄積部130から読み出して揮発性記憶部140の空き容量領域に記憶させ(図9中のステップS305)、このサブルーチンの処理を終了する(図9でエンド)。
【0064】
なお、この後は、制御部101は、編集後のジョブチケットに設定された頁順にデータ蓄積部130からページデータを読み出して揮発性記憶部140に記憶させる。
【0065】
以上のようにすることで、ジョブチケット編集により挿入頁が発生した場合でも、必要な挿入頁のページデータを揮発性記憶部140にコピーすることができ、ファーストコピータイムが早まると共に、画像形成の完了時刻も早まる。
【0066】
〈画像形成装置の動作(4)〉
ここで、本実施形態の画像形成の動作(4)について説明する。ここでは、制御部101による記憶アクセス制御において、データ蓄積部130を使用する他のジョブが後から投入された場合について、図10のフローチャートを参照して説明する。
【0067】
なお、以下の動作説明で、データ蓄積部130と言う場合には、画像形成装置内のHDD等で構成されたデータ蓄積部130だけでなく、画像形成装置外のUSBメモリや他のコンピュータの記憶部等のデータ蓄積部230も含むものとし、その場合には、ページデータを揮発性記憶部140にコピーする際に読み出すデータ蓄積部130(または230)と他のジョブが使用するデータ蓄積部130(または230)とが同一のデータ蓄積部であることを意味する。
【0068】
制御部101は操作部105に初期画面を表示し、オペレータの指示を待っている。ここで、初期画面では、画像形成装置100が実行可能な各種画像処理が選択肢として表示されている。
【0069】
ここで、初期画面が表示された操作部105においてオペレータからジョブ出力処理が選択される(図10中のステップS401)と、この操作部105からの操作入力を受けた制御部101は、ジョブ出力処理として出力すべきジョブ(出力ジョブ)の選択肢を操作部105に表示する。
【0070】
この際に、制御部101は、データ蓄積部130に蓄積されていて出力可能なジョブ、あるいは、入力部110に接続されている外部メモリに蓄積されていて出力可能なジョブ、のいずれか一方または両方を、出力ジョブの選択肢として操作部105に表示する。なお、この場合は、オペレータが操作部105から、画像形成装置100内部のデータ蓄積部130と画像形成装置100外部のデータ蓄積部230とを選択してもよい。
【0071】
オペレータにより操作部105において出力ジョブが選択される(図10中のステップS402)と、制御部101は、該当する出力ジョブについてデータ蓄積部130から揮発性記憶部140にコピーするために、ページデータの読み出しを始める。
【0072】
なお、出力ジョブが1頁であれば1枚分のページデータを、出力ジョブが複数頁であれば該当する複数枚分のページデータをジョブチケットに設定された頁順に、データ蓄積部130から読み出して揮発性記憶部140に記憶させる(図10中のステップS403)。また、データ蓄積部130がキャッシュメモリを備える場合には、キャッシュメモリを活用する。
【0073】
また、オペレータにより操作部105において出力ジョブが選択される(図10中のステップS402)と、制御部101はジョブチケット編集画面を操作部105に表示する。これにより、オペレータは、画像形成についての制御命令であるジョブチケット編集を行い、必要に応じて頁の入れ替え,追加,削除,設定変更を行う(図10中のステップS404)。
【0074】
ここで、上述したステップS403において、揮発性記憶部140に空き領域がある限りページデータをデータ蓄積部130から読み出すために、データ蓄積部130に対して略連続した状態でアクセスし続けることになる(図3(b)参照)。したがって、このタイミングでデータ蓄積部130へのアクセスを伴う別の処理が発生した場合には、ステップS403の処理が完了するまで待たされることになる。
【0075】
そこで、制御部101は、後発の他ジョブの発生を監視し(図10中のステップS405)、後発の他ジョブが存在する場合にはデータ蓄積部130へのアクセス有無を監視する(図10中のステップS405でYES、ステップS406)。
【0076】
データ蓄積部130へのアクセスがある後発の他ジョブが存在する場合(図10中のステップS405でYES、ステップS406でYES)には、制御部101は、この実施形態によるデータ蓄積部130からのページデータの読み出し(図10中のステップS403)を停止するように制御する(図10中のステップS407)。
【0077】
また、制御部101は、データ蓄積部130からのページデータの読み出し停止(図10中のステップS407)を、データ蓄積部130へのアクセスがある後発の他ジョブが終了するまで維持する(図10中のステップS408)。そして、制御部101は、データ蓄積部130へのアクセスがある後発の他ジョブが終了した時点で(図10中のステップS408でYES)、後発の他ジョブ発生監視(図10中のステップS405)に戻る。
【0078】
後発の他ジョブが存在しない場合(図10中のステップS405でNO)、あるいは、後発の他ジョブが存在するもののデータ蓄積部130へのアクセスが無い場合(図10中のステップS405でYES、ステップS406でNO)には、制御部101は、オペレータにより操作部105においてスタートボタンが押下されて画像形成出力の開始指示がなされる(図10中のステップS409)と、出力ジョブのページデータのコピーが揮発性記憶部140の空き容量上限まで完了するまで待ち(図10中のステップS410)、空き容量上限まで完了した時点(図10中のステップS406でYES)、ページデータを揮発性記憶部140から読み出して、画像形成出力のための画像処理部150による画像処理と画像形成部160の画像形成出力とを実行する(図10中のステップS411)。なお、画像形成(図10中のステップS411)により揮発性記憶部140からページデータを読み出すのに合わせて、使用済みの不要なページデータを削除して、データ蓄積部130から新たなページデータを揮発性記憶部140にコピーする。なお、後発の他ジョブが存在するもののデータ蓄積部130へのアクセスが無い場合(図10中のステップS405でYES、ステップS406でNO)とは、後発の他ジョブのデータ蓄積部130へのアクセスが完了した場合も含む。
【0079】
このため、本実施形態によると、スタートボタンを押下してから画像形成された記録紙の1枚目が出力されるまでの時間(ファーストコピータイム)が早まると共に、画像形成の完了時刻も早まるだけでなく、データ蓄積部130にアクセスする後発他ジョブを待たせることもなくなる。
【0080】
〈画像形成装置の動作(5)〉
ここで、本実施形態の画像形成の動作(5)について説明する。ここでは、制御部101による記憶アクセス制御において、データ蓄積部130を使用する他のジョブが先に予約されているか先に動作している場合について、図11のフローチャートを参照して説明する。
【0081】
なお、以下の動作説明で、データ蓄積部130と言う場合には、画像形成装置内のHDD等で構成されたデータ蓄積部130だけでなく、画像形成装置外のUSBメモリや他のコンピュータの記憶部等のデータ蓄積部230も含むものとし、その場合には、ページデータを揮発性記憶部140にコピーする際に読み出すデータ蓄積部130(または230)と他のジョブが使用するデータ蓄積部130(または230)とが同一のデータ蓄積部であることを意味する。
【0082】
制御部101は操作部105に初期画面を表示し、オペレータの指示を待っている。ここで、初期画面では、画像形成装置100が実行可能な各種画像処理が選択肢として表示されている。
【0083】
ここで、初期画面が表示された操作部105においてオペレータからジョブ出力処理が選択される(図11中のステップS501)と、この操作部105からの操作入力を受けた制御部101は、ジョブ出力処理として出力すべきジョブ(出力ジョブ)の選択肢を操作部105に表示する。
【0084】
この際に、制御部101は、データ蓄積部130に蓄積されていて出力可能なジョブ、あるいは、入力部110に接続されている外部メモリに蓄積されていて出力可能なジョブ、のいずれか一方または両方を、出力ジョブの選択肢として操作部105に表示する。なお、この場合は、オペレータが操作部105から、画像形成装置100内部のデータ蓄積部130と画像形成装置100外部のデータ蓄積部230とを選択してもよい。
【0085】
オペレータにより操作部105において出力ジョブが選択される(図11中のステップS502)と、制御部101は、他の先行する予約ジョブの存在を確認する(図11中のステップS503)。なお、この動作(5)では、オペレータが選択(図11中のステップS502)したジョブを「選択ジョブ」と呼び、他の先行する予約ジョブを「先行ジョブ」と呼んで、両者を区別することにする。
【0086】
先行ジョブが存在しなければ(図11中のステップS503でNO)、選択ジョブ(図11ステップS502)が最先ジョブであるため、制御部101は通常処理として選択ジョブについて上述した動作(1)〜(4)を実行する(図11中のステップS507)。
【0087】
一方、先行ジョブが存在すれば(図11中のステップS503でYES)、該先行ジョブがデータ蓄積部130にアクセスするジョブであるかを制御部101が確認する(図11中のステップS504)。
【0088】
先行ジョブがデータ蓄積部130にアクセスしないジョブであれば(図11中のステップS504でNO)、選択ジョブがデータ蓄積部130を使用可能な最先ジョブであるため、制御部101は通常処理として上述した動作(1)〜(4)を実行する(図11中のステップS507)。すなわち、ページデータをジョブチケットに設定された頁順に、データ蓄積部130から読み出して揮発性記憶部140に記憶させる。
【0089】
一方、先行ジョブがデータ蓄積部130にアクセスするジョブであれば(図11中のステップS504でYES)、選択ジョブについて画像形成出力の開始指示がオペレータからなされれば(図11中のステップS505でYES)、制御部101は選択ジョブを予約ジョブに登録する(図11中のステップS508)。これにより、選択ジョブは先行ジョブが完了してから実行されることになる(図11中のステップS503でNO、図11中のステップS507)。
【0090】
また、先行ジョブがデータ蓄積部130にアクセスするジョブであって(図11中のステップS504でYES)、選択ジョブについて画像形成出力の開始指示がオペレータからなされなければ(図11中のステップS505でNO)、制御部101は先行ジョブのデータ蓄積部130へのアクセスが終了したかを確認する(図11中のステップS506)。
【0091】
先行ジョブのデータ蓄積部130へのアクセスが終了していなければ(図11中のステップS506でNO)、制御部101は、選択ジョブについて画像形成出力の開始指示の確認(図11中のステップS505)に戻る。
【0092】
一方、先行ジョブのデータ蓄積部130へのアクセスが終了していれば(図11中のステップS506でYES)、制御部101は、制御部101は、更に他の先行ジョブの存在確認に戻る(図11中のステップS503)。
【0093】
このため、本実施形態によると、他の先行ジョブが存在しなければ、動作(1)〜(4)と同様にスタートボタンを押下してから画像形成された記録紙の1枚目が出力されるまでの時間(ファーストコピータイム)が早まると共に、画像形成の完了時刻も早まる。
【0094】
そして、他の先行ジョブが存在していれば、そのジョブのデータ蓄積部130のアクセスを妨げることなく先読みを待機し、先行ジョブのデータ蓄積部130へのアクセス終了を待ってからデータ蓄積部130からの読み出しを開始する。
【0095】
〈画像形成装置の動作(6)〉
以上の動作(1)〜(5)において、オペレータがジョブを選択した後に、その選択ジョブをキャンセルした場合には、データ蓄積部130から読み出して揮発性記憶部140に記憶させたページデータについては、(a)即時削除,(b)一定時間経過後削除,(c)他のジョブが選択されて揮発性記憶部140を使用するタイミングで削除,のいずれであってもよい。
【0096】
但し、一旦キャンセルしたジョブについて、オペレータがキャンセルを取り消す可能性もあるため、上記(c)のように他のジョブが選択されるまでページデータを残しておくことが、処理の迅速性のために望ましい。
【符号の説明】
【0097】
100 画像形成装置
101 制御部
102 通信部
105 操作部
110 入力部
130 データ蓄積部
140 揮発性記憶部
150 画像処理部
160 画像形成部
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置内部でデータ蓄積部に蓄積されている画像データ若しくは外部のデータ蓄積部から供給される画像データを画像形成部での記録紙の搬送タイミングに合わせて出力するためにデータを記憶する揮発性記憶部を備えた状態での画像形成装置制御方法および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置では、外部機器から送られてきたページ記述言語で記述された非ビットマップ形式のRIP前のプリントデータ(RIP前プリントデータ)あるいはラスタライズされたビットマップ形式の画像データ(RIP後プリントデータ)など各種のデータを記憶しておく必要がある。
【0003】
このため、画像形成装置において、大容量の画像データを記憶するために不揮発性のデータ蓄積部としてハードディスク装置(HDD;Hard Disk Drive)が搭載されるようになってきている。
【0004】
また、このような画像形成装置においては、頁毎のビットマップ形式の画像データを、露光や給紙などの画像形成タイミングに正確に合わせて遅れることなく画像形成部に供給する必要がある。
【0005】
なお、このような画像形成装置において関連する技術は、以下の特許文献に提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−138530号公報
【特許文献2】特開2006−203874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上の特許文献1では、外部記憶装置に保存された画像データによって画像形成を行う際に、外部記憶装置に設けられたキャッシュメモリから先出しさせることで、読み出しと画像形成のパフォーマンスを向上させることが提案されている。ここで、キャッシュメモリに入れる画像データとしては、比較的最近使用されたものの優先順位を高くするようにしている。
【0008】
この場合、効果が現れるのはキャッシュメモリにヒットした場合だけであり、オペレータが任意に選択したジョブについてジョブチケットの編集が発生した場合には効果が現れないという問題がある。
【0009】
また、以上の特許文献2では、原稿をスキャンしてコピーする際に、原稿が載置された時点でスキャンを開始することで記録紙出力までの時間を短縮させるようにしている。この場合、原稿のスキャンを行う場合には有効であるが、オペレータが任意に選択したジョブについては効果が現れないという問題がある。
【0010】
ここで、印刷分野で使用される画像形成装置においては、画像形成の高画質化と高速化の要求により、大容量の画像データを高速に連続して出力する必要が生じている。また、ジャムなどの不具合からリカバリする際にも、一連の大容量の画像データを記録紙の搬送タイミングに合わせて高速に出力する必要が生じる。このような状況では、データ蓄積部としてのHDDから画像形成部へのデータ出力ではタイミング的に間に合わなくなるため、大容量のDRAM(Dynamic Random Access Memory)等のメモリに一連の画像データを蓄えておいて、メモリから画像形成部に対して画像データを出力するような構成になっている。
【0011】
なお、実際の画像形成装置では、オペレータがジョブを選択した後にスタートボタンを押下して出力開始指示を入力してから、HDDからDRAMに画像データをコピーするようにしている。ここで、オペレータがジョブを選択してから、該ジョブについてジョブチケットの編集としてNin1出力を選択した場合、画像データ1頁についてHDDからの読み出しに1秒要すると、出力1頁分についてN秒の時間を必要とする。たとえば、N=8であれば、出力1頁分について8秒の読み出し時間が必要となり、スタートボタンを押下してから実際に画像形成された記録紙の1枚目が出力されるまでの時間(First Copy Out Time(FCOT):以下、「ファーストコピータイム」)が長くなるという問題が生じる。
【0012】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、HDD等のデータ蓄積部からDRAM等の揮発性記憶部に画像データをコピーしてから画像形成部に出力して画像形成する際に、ファーストコピータイムを短縮することが可能な画像形成装置制御方法および画像形成装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
すなわち、前記した課題を解決する本発明は、以下の通りである。
【0014】
(1)第1の発明は、画像データに基づいて記録紙上に画像を形成する画像形成部と、画像形成装置内部でデータ蓄積部に蓄積されている画像データ若しくは外部のデータ蓄積部から供給される画像データを前記画像形成部での記録紙の搬送タイミングに合わせて出力するために前記画像データを記憶する揮発性記憶部と、ジョブ単位で画像形成を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、出力すべきジョブが選択された後であって該ジョブの出力指示発生前に、前記画像データ蓄積部から前記揮発性記憶部に対して前記画像データのコピーを開始することを特徴とする。
【0015】
(2)第2の発明は、上記(1)において、前記制御部は、画像形成についての制御命令であるジョブチケットに沿ってジョブ単位で画像形成を制御しており、出力すべきジョブが選択された後であって該ジョブの出力指示発生前に、前記ジョブチケットに設定されている頁順に前記画像データ蓄積部から前記揮発性記憶部に対して前記画像データをコピーを開始することを特徴とする。
【0016】
(3)第3の発明は、上記(2)において、前記制御部は、選択されたジョブについての前記ジョブチケットにおける前記画像データの出力順が、該画像データのコピー開始後に変更された場合に、前記揮発性記憶部に記憶された前記画像データのうちで不要になるデータを削除すると共に、新たに必要になるデータについて前記画像データ蓄積部から前記揮発性記憶部に対してコピーを開始することを特徴とする。
【0017】
(4)第4の発明は、上記(2)において、前記制御部は、選択されたジョブについての前記ジョブチケットにおける前記画像データの出力順が、該画像データのコピー開始後に変更された場合に、前記揮発性記憶部に記憶された前記画像データのうちで最終頁のデータを削除すると共に、新たに必要になるデータについて前記画像データ蓄積部から前記揮発性記憶部に対してコピーを開始することを特徴とする。
【0018】
(5)第5の発明は、上記(1)−(4)において、前記制御部は、前記画像データ蓄積部内のデータを前記揮発性記憶部に対してコピー中に、該データ蓄積部に対してアクセスする他のジョブが発生した場合には、前記画像データ蓄積部から前記揮発性記憶部に対する前記画像データのコピーを停止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、以下のような効果が得られる。
【0020】
(1)第1の発明では、HDD等のデータ蓄積部からDRAM等の揮発性記憶部に画像データをコピーしてから画像形成部に出力して画像形成する際に、出力すべきジョブが選択された後であって該ジョブの出力指示発生前にデータ蓄積部から揮発性記憶部に対してデータのコピーを開始することにより、スタートボタンを押下してから画像形成された記録紙の1枚目が出力されるまでのファーストコピータイムを短縮することが可能になる。
【0021】
(2)第2の発明では、HDD等のデータ蓄積部からDRAM等の揮発性記憶部に画像データをコピーしてから画像形成部に出力して画像形成する際に、画像形成についての制御命令であるジョブチケットに沿ってジョブ単位で画像形成を制御しており、出力すべきジョブが選択された後であって該ジョブの出力指示発生前に、ジョブチケットに設定されている頁順にデータ蓄積部から揮発性記憶部に対してデータをコピーを開始することにより、スタートボタンを押下してから画像形成された記録紙の1枚目が出力されるまでのファーストコピータイムを短縮することが可能になる。
【0022】
(3)第3の発明では、上記(2)で該画像データのコピー開始後に、選択されたジョブについてのジョブチケットにおけるデータの出力順が変更された場合には、揮発性記憶部に記憶されたデータのうちで不要になるデータを削除すると共に、新たに必要になるデータについてデータ蓄積部から揮発性記憶部に対してコピーを開始することにより、スタートボタンを押下してから画像形成された記録紙の1枚目が出力されるまでのファーストコピータイムを短縮することが可能になる。
【0023】
(4)第4の発明では、上記(2)で該画像データのコピー開始後に、選択されたジョブについてのジョブチケットにおけるデータの出力順が変更された場合には、揮発性記憶部に記憶されたデータのうちで最終頁のデータを削除すると共に、新たに必要になるデータについてデータ蓄積部から揮発性記憶部に対してコピーを開始することにより、スタートボタンを押下してから画像形成された記録紙の1枚目が出力されるまでのファーストコピータイムを短縮することが可能になる。
【0024】
(5)第5の発明では、上記(1)−(4)において、データ蓄積部内のデータを揮発性記憶部に対してコピー中に、該データ蓄積部に対してアクセスする他のジョブが発生した場合には、データ蓄積部から揮発性記憶部に対するデータのコピーを停止することにより、他のジョブが停止する事態を防止でき、画像形成装置全体として効率の良い処理が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態の画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態の画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態の画像形成装置の概略処理を示す説明図である。
【図4】本発明の実施形態の画像形成装置の処理例を示す説明図である。
【図5】本発明の実施形態の画像形成装置の処理例を示す説明図である。
【図6】本発明の実施形態の画像形成装置の処理例を示す説明図である。
【図7】本発明の実施形態の画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態の画像形成装置の処理例を示す説明図である。
【図9】本発明の実施形態の画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態の画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態の画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態(以下、実施形態)を詳細に説明する。
【0027】
ここでは、画像形成装置内部のHDDや画像形成装置外部のUSBメモリなどの不揮発性のデータ蓄積可能な記憶部(以下、「データ蓄積部」と言う)に蓄積されている画像データをDRAMなどの揮発性のメモリにコピーして、画像形成部の記録紙出力タイミングに合わせてメモリから画像データを出力する機能を有する画像形成装置100を具体例にして説明する。
【0028】
〈画像形成装置の構成〉
ここで、図1に示される画像形成装置100は、CPU(Central Processing Unit)等により構成されて制御プログラムに基づいて画像形成装置100内の各部を制御する制御部101と、各種ネットワークを介して他の装置と通信するための通信部102と、液晶表示部とタッチパネルとにより構成されて利用者による操作が入力される操作部105と、USBメモリやSDメモリカード等の画像形成装置外のデータ蓄積部230からの画像データが入力される入力部110と、画像形成装置100で取り扱う画像データを不揮発性の記憶装置であるハードディスク装置(HDD;Hard Disk Drive)等に蓄積するデータ蓄積部130と、画像データを画像形成部での記録紙の搬送タイミングに合わせて高速に出力するためにHDDよりも高速であるDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリにより構成された揮発性記憶部140と、画像データに対して圧縮伸長処理やRIP処理など各種画像処理を施す画像処理部150と、電子写真方式などにより画像形成出力を実行するプリントエンジンとしての画像形成部160と、を備えて構成されている。
【0029】
なお、この実施形態においては、画像形成装置100内のデータ蓄積部130のほかに、USBメモリやSDカード等の各種外部メモリが入力部110に接続される場合にはデータ蓄積部230として動作しうる状態になる。
【0030】
また、入力部110に接続された他の揮発性記憶部の記憶部や、通信部102を介してネットワーク経由で接続されうる各種コンピュータやサーバの記憶部も、データ蓄積部230として動作しうる状態になる。
【0031】
〈画像形成装置の動作(1)〉
ここで、本実施形態の画像形成の動作(1)について説明する。ここでは、制御部101による記憶アクセス制御について、図2のフローチャート、図3および図4のタイムチャートを参照して説明する。
【0032】
なお、以下の動作説明で、データ蓄積部130と言う場合には、画像形成装置内のHDD等で構成されたデータ蓄積部130だけでなく、画像形成装置外のUSBメモリや他のコンピュータの記憶部等のデータ蓄積部230も含むものとする。
【0033】
制御部101は操作部105に初期画面を表示し、オペレータの指示を待っている。ここで、初期画面では、画像形成装置100が実行可能な各種画像処理が選択肢として表示されている。
【0034】
ここで、初期画面が表示された操作部105においてオペレータからジョブ出力処理が選択される(図2中のステップS101)と、この操作部105からの操作入力を受けた制御部101は、ジョブ出力処理として出力すべきジョブ(出力ジョブ)の選択肢を操作部105に表示する。
【0035】
この際に、制御部101は、データ蓄積部130に蓄積されていて出力可能なジョブ、あるいは、入力部110に接続されている外部メモリに蓄積されていて出力可能なジョブ、のいずれか一方または両方を、出力ジョブの選択肢として操作部105に表示する。なお、この場合は、オペレータが操作部105から、画像形成装置100内部のデータ蓄積部130と画像形成装置100外部のデータ蓄積部230とを選択してもよい。
【0036】
オペレータにより操作部105において出力ジョブが選択される(図2中のステップS102)と、制御部101は、該当する出力ジョブについてデータ蓄積部130から揮発性記憶部140にコピーするため、画像データを読み出し始める。以下、頁毎の画像データをページデータと呼ぶことにする。
【0037】
なお、出力ジョブが1頁であれば1枚分のページデータを、出力ジョブが複数頁であれば該当する複数枚分のページデータをジョブチケットに設定された頁順に、データ蓄積部130から読み出して揮発性記憶部140に記憶させる(図2中のステップS103、図3(b),(c))。また、データ蓄積部130がキャッシュメモリを備える場合には、キャッシュメモリを活用する。
【0038】
また、オペレータにより操作部105において出力ジョブが選択される(図2中のステップS102)と、制御部101はジョブチケット編集画面を操作部105に表示する。これにより、オペレータは、画像形成についての制御命令であるジョブチケット編集を行い、必要に応じて頁の入れ替え,追加,削除,設定変更を行う(図2中のステップS104、図3(b))。
【0039】
すなわち、この実施形態では、オペレータによるジョブチケット編集の実行中(図3(a))に、出力ジョブのページデータをデータ蓄積部130から揮発性記憶部140にコピーさせるための読み出しを開始するように制御部101が制御している(図3(b),(c))。
【0040】
オペレータにより操作部105においてスタートボタンが押下されて画像形成出力の開始指示がなされる(図2中のステップS105)と、出力ジョブのページデータのコピーが揮発性記憶部140の空き容量上限まで完了するまで待ち(図2中のステップS106)、空き容量上限まで完了した時点(図2中のステップS106でYES)、ページデータを揮発性記憶部140から読み出して、画像形成出力のための画像処理部150による画像処理(図3(d))と画像形成部160の画像形成出力(図3(e))とを実行する(図2中のステップS107)。
【0041】
なお、図3に示されていないが、画像形成(図2中のステップS107)により揮発性記憶部140からページデータを読み出すのに合わせて、使用済みの不要なページデータを削除して、データ蓄積部130から新たなページデータを揮発性記憶部140にコピーする。
【0042】
図4は従来の処理手順によって、図1に示す画像形成装置100において出力ジョブのページデータをデータ蓄積部130から揮発性記憶部140にコピーさせるタイミングを示すタイムチャートである。
【0043】
初期画面が表示された操作部105においてオペレータからジョブ出力処理が選択されると、この操作部105からの操作入力を受けた制御部101は、ジョブ出力処理として出力すべきジョブ(出力ジョブ)の選択肢を操作部105に表示する。オペレータにより操作部105において出力ジョブが選択されると、制御部101はジョブチケット編集画面を操作部105に表示する。これにより、オペレータは、画像形成についての制御命令であるジョブチケット編集を行い、必要に応じて頁の入れ替え,追加,削除,設定変更を行う(図4(a))。そして、オペレータにより操作部105においてスタートボタンが押下されて画像形成出力の開始指示がなされると、制御部101は、該当する出力ジョブについてデータ蓄積部130から揮発性記憶部140にコピーするために、ページデータの読み出しを始める(図4(b),(c))。すなわち、従来は、オペレータによるジョブチケット編集の実行中(図4(a))に、データ蓄積部130から揮発性記憶部140へのコピーは実行していない(図4(b),(c))。さらに、出力ジョブのページデータのコピーが揮発性記憶部140の空き容量上限まで完了した時点で、ページデータを揮発性記憶部140から読み出して、画像形成出力のための画像処理部150による画像処理(図4(d))と画像形成部160の画像形成出力(図4(e))とを実行する。
【0044】
ここで、本実施形態の図3のタイムチャートと従来の図4のタイムチャートとを比較すると、本実施形態ではジョブチケット編集の実行中(図3(a))に、データ蓄積部130から揮発性記憶部140にページデータコピーを開始(図3(b),(c))しているのに対し、従来はジョブチケット編集後の画像形成開始指示によりデータ蓄積部130から揮発性記憶部140にコピーを実行するという違いがある。
【0045】
このため、本実施形態によると、スタートボタンを押下してから画像形成された記録紙の1枚目が出力されるまでの時間(ファーストコピータイム)が早まると共に、画像形成の完了時刻も早まる。なお、オペレータによるジョブチケット編集に要する時間や、揮発性記憶部140の上限までのページデータコピー時間によって若干の変化はあるものの、ファーストコピータイムと画像形成完了時刻が早まることは確実である。
【0046】
〈画像形成装置の動作(2)〉
ここで、本実施形態の画像形成の動作(2)について説明する。なお、この動作(2)は、出力ジョブのページデータをデータ蓄積部130から揮発性記憶部140にコピーする際に、ジョブチケット編集によって出力する頁順が変更された場合の処理に関するサブルーチンであり、図5−6の説明図、および図7のフローチャートを参照して説明する。
【0047】
既に説明したように、オペレータにより操作部105においてジョブ出力処理が選択され、出力ジョブが選択されると、制御部101は、該当する出力ジョブについてデータ蓄積部130から揮発性記憶部140にコピーするために、ページデータの読み出しを始める。すなわち、ページデータをジョブチケットに設定された頁順に、データ蓄積部130から読み出して揮発性記憶部140に記憶させる。
【0048】
ここで、オペレータによるジョブチケット編集によって、出力する頁順が変更される(図7中のステップS201)。たとえば、図5(a)のような1頁〜16頁の通常順序(昇順)であったものが、ブックレット出力が選択されることで、図5(b)のように1頁・16頁,2・15頁,3・14頁,4・13頁,5・12頁,6・11頁,7・10頁,8・9頁のように変更される。
【0049】
ここで、制御部101は、データ蓄積部130から揮発性記憶部140へのページデータのコピーを一時停止させる(図7中のステップS202)。
【0050】
たとえば、図6(a),(b)に示すように、揮発性記憶部140には他ジョブ使用領域を除いて、10頁分の空き容量が存在しており、通常であれば1頁〜10頁までのページデータがコピーされるところが、一時停止により途中までコピーされる(図6(b))。
【0051】
制御部101は、頁順の変更により必要なページデータが揮発性記憶部140にコピーされていない可能性があるため、揮発性記憶部140内のコピーされたページデータとジョブチケット編集後に必要になるページデータとの頁を照合し(図7中のステップS203)、必要かつ不足な頁の確認(図7中のステップS204)と不要な頁の確認(図7中のステップS205)とを行う。
【0052】
ここで、揮発性記憶部140は10頁分の記憶が可能であるとすると、ブックレット出力の最初の5出力分のために、1−5、12−16頁のページデータを記憶する必要がある。一方、揮発性記憶部140には1−9頁のページデータが記憶されているため、12−16頁のページデータが不足しており(図7中のステップS204でYES)、6−9頁の不要なページデータが存在していることになる(図7中のステップS205でYES)。
【0053】
そこで、制御部101は、揮発性記憶部140内の不要なページデータである6−9頁を削除して(図7中のステップS206)空き領域を作成し(図6(c))、揮発性記憶部140の空き領域が存在する範囲内(図7中のステップS207でYES)で、必要な頁のページデータをデータ蓄積部130から揮発性記憶部140にコピーする(図7中のステップS208、図6(d))。
【0054】
以上のようにすることで、頁順が変更された場合でも、必要な頁のページデータを揮発性記憶部140にコピーすることができ、ファーストコピータイムが早まると共に、画像形成の完了時刻も早まる。
【0055】
なお、この後は、制御部101は、編集後のジョブチケットに設定された頁順にデータ蓄積部130からページデータを読み出して揮発性記憶部140に記憶させる。
【0056】
〈画像形成装置の動作(3)〉
ここで、本実施形態の画像形成の動作(3)について説明する。なお、この動作(3)は、出力ジョブのページデータをデータ蓄積部130から揮発性記憶部140にコピーする際に、ジョブチケット編集によって挿入頁が発生した場合の処理に関するサブルーチンであり、図8の説明図、および図9のフローチャートを参照して説明する。
【0057】
既に説明したように、オペレータにより操作部105においてジョブ出力処理が選択され、出力ジョブが選択されると、制御部101は、該当する出力ジョブについてデータ蓄積部130から揮発性記憶部140にコピーするために、ページデータの読み出しを始める。すなわち、ページデータをジョブチケットに設定された頁順に、データ蓄積部130から読み出して揮発性記憶部140に記憶させる(図6(a),(b))。
【0058】
ここで、オペレータによるジョブチケット編集によって、当初の頁順の途中に挿入頁が設定される(図9中のステップS301)。たとえば、1頁目と2頁目の間に12頁が挿入頁として設定変更される場合を想定する。
【0059】
制御部101は、揮発性記憶部140で記憶している範囲内(図8(b))に挿入頁が必要になっているのにコピーされていない状態であるかを確認するため、揮発性記憶部140内のコピーされたページデータとジョブチケット編集後に必要になるページデータとの頁を照合し、必要であるのにコピーされていない挿入頁を確認する(図9中のステップS302)。
【0060】
揮発性記憶部140で記憶している範囲内(図8(b))に必要なページデータが揃っていれば(図9中のステップS302でNO)、制御部101はこのサブルーチンの処理を終了する(図9でエンド)。
【0061】
揮発性記憶部140で記憶している範囲内(図8(b))に必要であるのにコピーされていない挿入頁があれば(図9中のステップS302でYES)、制御部101は、揮発性記憶部140内に必要な挿入頁のページデータを記憶可能な空き容量が存在しているかを確認する(図9中のステップS303)。
【0062】
揮発性記憶部140内に必要な挿入頁のページデータを記憶可能な空き容量が存在していない場合(図9中のステップS303でNO)には、制御部101は、既にコピーされたページデータの最終頁を削除して空き容量を作成し(図9中のステップS304)、空き容量確認に戻る(図9中のステップS303)。
【0063】
揮発性記憶部140内に必要な挿入頁のページデータを記憶可能な空き容量が存在している場合(図9中のステップS303でYES)には、制御部101は、必要な挿入頁のページデータをデータ蓄積部130から読み出して揮発性記憶部140の空き容量領域に記憶させ(図9中のステップS305)、このサブルーチンの処理を終了する(図9でエンド)。
【0064】
なお、この後は、制御部101は、編集後のジョブチケットに設定された頁順にデータ蓄積部130からページデータを読み出して揮発性記憶部140に記憶させる。
【0065】
以上のようにすることで、ジョブチケット編集により挿入頁が発生した場合でも、必要な挿入頁のページデータを揮発性記憶部140にコピーすることができ、ファーストコピータイムが早まると共に、画像形成の完了時刻も早まる。
【0066】
〈画像形成装置の動作(4)〉
ここで、本実施形態の画像形成の動作(4)について説明する。ここでは、制御部101による記憶アクセス制御において、データ蓄積部130を使用する他のジョブが後から投入された場合について、図10のフローチャートを参照して説明する。
【0067】
なお、以下の動作説明で、データ蓄積部130と言う場合には、画像形成装置内のHDD等で構成されたデータ蓄積部130だけでなく、画像形成装置外のUSBメモリや他のコンピュータの記憶部等のデータ蓄積部230も含むものとし、その場合には、ページデータを揮発性記憶部140にコピーする際に読み出すデータ蓄積部130(または230)と他のジョブが使用するデータ蓄積部130(または230)とが同一のデータ蓄積部であることを意味する。
【0068】
制御部101は操作部105に初期画面を表示し、オペレータの指示を待っている。ここで、初期画面では、画像形成装置100が実行可能な各種画像処理が選択肢として表示されている。
【0069】
ここで、初期画面が表示された操作部105においてオペレータからジョブ出力処理が選択される(図10中のステップS401)と、この操作部105からの操作入力を受けた制御部101は、ジョブ出力処理として出力すべきジョブ(出力ジョブ)の選択肢を操作部105に表示する。
【0070】
この際に、制御部101は、データ蓄積部130に蓄積されていて出力可能なジョブ、あるいは、入力部110に接続されている外部メモリに蓄積されていて出力可能なジョブ、のいずれか一方または両方を、出力ジョブの選択肢として操作部105に表示する。なお、この場合は、オペレータが操作部105から、画像形成装置100内部のデータ蓄積部130と画像形成装置100外部のデータ蓄積部230とを選択してもよい。
【0071】
オペレータにより操作部105において出力ジョブが選択される(図10中のステップS402)と、制御部101は、該当する出力ジョブについてデータ蓄積部130から揮発性記憶部140にコピーするために、ページデータの読み出しを始める。
【0072】
なお、出力ジョブが1頁であれば1枚分のページデータを、出力ジョブが複数頁であれば該当する複数枚分のページデータをジョブチケットに設定された頁順に、データ蓄積部130から読み出して揮発性記憶部140に記憶させる(図10中のステップS403)。また、データ蓄積部130がキャッシュメモリを備える場合には、キャッシュメモリを活用する。
【0073】
また、オペレータにより操作部105において出力ジョブが選択される(図10中のステップS402)と、制御部101はジョブチケット編集画面を操作部105に表示する。これにより、オペレータは、画像形成についての制御命令であるジョブチケット編集を行い、必要に応じて頁の入れ替え,追加,削除,設定変更を行う(図10中のステップS404)。
【0074】
ここで、上述したステップS403において、揮発性記憶部140に空き領域がある限りページデータをデータ蓄積部130から読み出すために、データ蓄積部130に対して略連続した状態でアクセスし続けることになる(図3(b)参照)。したがって、このタイミングでデータ蓄積部130へのアクセスを伴う別の処理が発生した場合には、ステップS403の処理が完了するまで待たされることになる。
【0075】
そこで、制御部101は、後発の他ジョブの発生を監視し(図10中のステップS405)、後発の他ジョブが存在する場合にはデータ蓄積部130へのアクセス有無を監視する(図10中のステップS405でYES、ステップS406)。
【0076】
データ蓄積部130へのアクセスがある後発の他ジョブが存在する場合(図10中のステップS405でYES、ステップS406でYES)には、制御部101は、この実施形態によるデータ蓄積部130からのページデータの読み出し(図10中のステップS403)を停止するように制御する(図10中のステップS407)。
【0077】
また、制御部101は、データ蓄積部130からのページデータの読み出し停止(図10中のステップS407)を、データ蓄積部130へのアクセスがある後発の他ジョブが終了するまで維持する(図10中のステップS408)。そして、制御部101は、データ蓄積部130へのアクセスがある後発の他ジョブが終了した時点で(図10中のステップS408でYES)、後発の他ジョブ発生監視(図10中のステップS405)に戻る。
【0078】
後発の他ジョブが存在しない場合(図10中のステップS405でNO)、あるいは、後発の他ジョブが存在するもののデータ蓄積部130へのアクセスが無い場合(図10中のステップS405でYES、ステップS406でNO)には、制御部101は、オペレータにより操作部105においてスタートボタンが押下されて画像形成出力の開始指示がなされる(図10中のステップS409)と、出力ジョブのページデータのコピーが揮発性記憶部140の空き容量上限まで完了するまで待ち(図10中のステップS410)、空き容量上限まで完了した時点(図10中のステップS406でYES)、ページデータを揮発性記憶部140から読み出して、画像形成出力のための画像処理部150による画像処理と画像形成部160の画像形成出力とを実行する(図10中のステップS411)。なお、画像形成(図10中のステップS411)により揮発性記憶部140からページデータを読み出すのに合わせて、使用済みの不要なページデータを削除して、データ蓄積部130から新たなページデータを揮発性記憶部140にコピーする。なお、後発の他ジョブが存在するもののデータ蓄積部130へのアクセスが無い場合(図10中のステップS405でYES、ステップS406でNO)とは、後発の他ジョブのデータ蓄積部130へのアクセスが完了した場合も含む。
【0079】
このため、本実施形態によると、スタートボタンを押下してから画像形成された記録紙の1枚目が出力されるまでの時間(ファーストコピータイム)が早まると共に、画像形成の完了時刻も早まるだけでなく、データ蓄積部130にアクセスする後発他ジョブを待たせることもなくなる。
【0080】
〈画像形成装置の動作(5)〉
ここで、本実施形態の画像形成の動作(5)について説明する。ここでは、制御部101による記憶アクセス制御において、データ蓄積部130を使用する他のジョブが先に予約されているか先に動作している場合について、図11のフローチャートを参照して説明する。
【0081】
なお、以下の動作説明で、データ蓄積部130と言う場合には、画像形成装置内のHDD等で構成されたデータ蓄積部130だけでなく、画像形成装置外のUSBメモリや他のコンピュータの記憶部等のデータ蓄積部230も含むものとし、その場合には、ページデータを揮発性記憶部140にコピーする際に読み出すデータ蓄積部130(または230)と他のジョブが使用するデータ蓄積部130(または230)とが同一のデータ蓄積部であることを意味する。
【0082】
制御部101は操作部105に初期画面を表示し、オペレータの指示を待っている。ここで、初期画面では、画像形成装置100が実行可能な各種画像処理が選択肢として表示されている。
【0083】
ここで、初期画面が表示された操作部105においてオペレータからジョブ出力処理が選択される(図11中のステップS501)と、この操作部105からの操作入力を受けた制御部101は、ジョブ出力処理として出力すべきジョブ(出力ジョブ)の選択肢を操作部105に表示する。
【0084】
この際に、制御部101は、データ蓄積部130に蓄積されていて出力可能なジョブ、あるいは、入力部110に接続されている外部メモリに蓄積されていて出力可能なジョブ、のいずれか一方または両方を、出力ジョブの選択肢として操作部105に表示する。なお、この場合は、オペレータが操作部105から、画像形成装置100内部のデータ蓄積部130と画像形成装置100外部のデータ蓄積部230とを選択してもよい。
【0085】
オペレータにより操作部105において出力ジョブが選択される(図11中のステップS502)と、制御部101は、他の先行する予約ジョブの存在を確認する(図11中のステップS503)。なお、この動作(5)では、オペレータが選択(図11中のステップS502)したジョブを「選択ジョブ」と呼び、他の先行する予約ジョブを「先行ジョブ」と呼んで、両者を区別することにする。
【0086】
先行ジョブが存在しなければ(図11中のステップS503でNO)、選択ジョブ(図11ステップS502)が最先ジョブであるため、制御部101は通常処理として選択ジョブについて上述した動作(1)〜(4)を実行する(図11中のステップS507)。
【0087】
一方、先行ジョブが存在すれば(図11中のステップS503でYES)、該先行ジョブがデータ蓄積部130にアクセスするジョブであるかを制御部101が確認する(図11中のステップS504)。
【0088】
先行ジョブがデータ蓄積部130にアクセスしないジョブであれば(図11中のステップS504でNO)、選択ジョブがデータ蓄積部130を使用可能な最先ジョブであるため、制御部101は通常処理として上述した動作(1)〜(4)を実行する(図11中のステップS507)。すなわち、ページデータをジョブチケットに設定された頁順に、データ蓄積部130から読み出して揮発性記憶部140に記憶させる。
【0089】
一方、先行ジョブがデータ蓄積部130にアクセスするジョブであれば(図11中のステップS504でYES)、選択ジョブについて画像形成出力の開始指示がオペレータからなされれば(図11中のステップS505でYES)、制御部101は選択ジョブを予約ジョブに登録する(図11中のステップS508)。これにより、選択ジョブは先行ジョブが完了してから実行されることになる(図11中のステップS503でNO、図11中のステップS507)。
【0090】
また、先行ジョブがデータ蓄積部130にアクセスするジョブであって(図11中のステップS504でYES)、選択ジョブについて画像形成出力の開始指示がオペレータからなされなければ(図11中のステップS505でNO)、制御部101は先行ジョブのデータ蓄積部130へのアクセスが終了したかを確認する(図11中のステップS506)。
【0091】
先行ジョブのデータ蓄積部130へのアクセスが終了していなければ(図11中のステップS506でNO)、制御部101は、選択ジョブについて画像形成出力の開始指示の確認(図11中のステップS505)に戻る。
【0092】
一方、先行ジョブのデータ蓄積部130へのアクセスが終了していれば(図11中のステップS506でYES)、制御部101は、制御部101は、更に他の先行ジョブの存在確認に戻る(図11中のステップS503)。
【0093】
このため、本実施形態によると、他の先行ジョブが存在しなければ、動作(1)〜(4)と同様にスタートボタンを押下してから画像形成された記録紙の1枚目が出力されるまでの時間(ファーストコピータイム)が早まると共に、画像形成の完了時刻も早まる。
【0094】
そして、他の先行ジョブが存在していれば、そのジョブのデータ蓄積部130のアクセスを妨げることなく先読みを待機し、先行ジョブのデータ蓄積部130へのアクセス終了を待ってからデータ蓄積部130からの読み出しを開始する。
【0095】
〈画像形成装置の動作(6)〉
以上の動作(1)〜(5)において、オペレータがジョブを選択した後に、その選択ジョブをキャンセルした場合には、データ蓄積部130から読み出して揮発性記憶部140に記憶させたページデータについては、(a)即時削除,(b)一定時間経過後削除,(c)他のジョブが選択されて揮発性記憶部140を使用するタイミングで削除,のいずれであってもよい。
【0096】
但し、一旦キャンセルしたジョブについて、オペレータがキャンセルを取り消す可能性もあるため、上記(c)のように他のジョブが選択されるまでページデータを残しておくことが、処理の迅速性のために望ましい。
【符号の説明】
【0097】
100 画像形成装置
101 制御部
102 通信部
105 操作部
110 入力部
130 データ蓄積部
140 揮発性記憶部
150 画像処理部
160 画像形成部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに基づいて記録紙上に画像を形成する画像形成部と、
画像形成装置内部でデータ蓄積部に蓄積されている画像データ若しくは外部のデータ蓄積部から供給される画像データを前記画像形成部での記録紙の搬送タイミングに合わせて出力するために前記画像データを記憶する揮発性記憶部と、
ジョブ単位で画像形成を制御する制御部と、
を備えた画像形成装置における画像形成装置制御方法であって、
出力すべきジョブが選択された後であって該ジョブの出力指示発生前に、前記画像データ蓄積部から前記揮発性記憶部に対して前記画像データのコピーを開始する、
ことを特徴とする画像形成装置制御方法。
【請求項2】
画像形成についての制御命令であるジョブチケットに沿ってジョブ単位で画像形成が制御される画像形成装置制御方法であって、
出力すべきジョブが選択された後であって該ジョブの出力指示発生前に、前記ジョブチケットに設定されている頁順に前記画像データ蓄積部から前記揮発性記憶部に対して前記画像データのコピーを開始する、
ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置制御方法。
【請求項3】
選択されたジョブについての前記ジョブチケットにおける前記画像データの出力順が、該画像データのコピー開始後に変更された場合に、
前記揮発性記憶部に記憶された前記画像データのうちで不要になるデータを削除すると共に、新たに必要になるデータについて前記画像データ蓄積部から前記揮発性記憶部に対してコピーを開始する、
ことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置制御方法。
【請求項4】
選択されたジョブについての前記ジョブチケットにおける前記画像データの出力順が、該画像データのコピー開始後に変更された場合に、
前記揮発性記憶部に記憶された前記画像データのうちで最終頁のデータを削除すると共に、新たに必要になるデータについて前記画像データ蓄積部から前記揮発性記憶部に対してコピーを開始する、
ことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置制御方法。
【請求項5】
前記画像データ蓄積部内のデータを前記揮発性記憶部に対してコピー中に、該データ蓄積部に対してアクセスする他のジョブが発生した場合には、前記画像データ蓄積部から前記揮発性記憶部に対する前記画像データのコピーを停止する、
ことを特徴とする請求項1−4のいずれか一項に記載の画像形成装置制御方法。
【請求項6】
画像データに基づいて記録紙上に画像を形成する画像形成部と、
画像形成装置内部でデータ蓄積部に蓄積されている画像データ若しくは外部のデータ蓄積部から供給される画像データを前記画像形成部での記録紙の搬送タイミングに合わせて出力するために前記画像データを記憶する揮発性記憶部と、
ジョブ単位で画像形成を制御する制御部と、
を備えた画像形成装置であって、
前記制御部は、出力すべきジョブが選択された後であって該ジョブの出力指示発生前に、前記画像データ蓄積部から前記揮発性記憶部に対して前記画像データのコピーを開始する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、画像形成についての制御命令であるジョブチケットに沿ってジョブ単位で画像形成を制御しており、
出力すべきジョブが選択された後であって該ジョブの出力指示発生前に、前記ジョブチケットに設定されている頁順に前記画像データ蓄積部から前記揮発性記憶部に対して前記画像データをコピーを開始する、
ことを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御部は、選択されたジョブについての前記ジョブチケットにおける前記画像データの出力順が、該画像データのコピー開始後に変更された場合に、前記揮発性記憶部に記憶された前記画像データのうちで不要になるデータを削除すると共に、新たに必要になるデータについて前記画像データ蓄積部から前記揮発性記憶部に対してコピーを開始する、
ことを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記制御部は、選択されたジョブについての前記ジョブチケットにおける前記画像データの出力順が、該画像データのコピー開始後に変更された場合に、前記揮発性記憶部に記憶された前記画像データのうちで最終頁のデータを削除すると共に、新たに必要になるデータについて前記画像データ蓄積部から前記揮発性記憶部に対してコピーを開始する、
ことを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記画像データ蓄積部内のデータを前記揮発性記憶部に対してコピー中に、該データ蓄積部に対してアクセスする他のジョブが発生した場合には、前記画像データ蓄積部から前記揮発性記憶部に対する前記画像データのコピーを停止する、
ことを特徴とする請求項6−9のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項1】
画像データに基づいて記録紙上に画像を形成する画像形成部と、
画像形成装置内部でデータ蓄積部に蓄積されている画像データ若しくは外部のデータ蓄積部から供給される画像データを前記画像形成部での記録紙の搬送タイミングに合わせて出力するために前記画像データを記憶する揮発性記憶部と、
ジョブ単位で画像形成を制御する制御部と、
を備えた画像形成装置における画像形成装置制御方法であって、
出力すべきジョブが選択された後であって該ジョブの出力指示発生前に、前記画像データ蓄積部から前記揮発性記憶部に対して前記画像データのコピーを開始する、
ことを特徴とする画像形成装置制御方法。
【請求項2】
画像形成についての制御命令であるジョブチケットに沿ってジョブ単位で画像形成が制御される画像形成装置制御方法であって、
出力すべきジョブが選択された後であって該ジョブの出力指示発生前に、前記ジョブチケットに設定されている頁順に前記画像データ蓄積部から前記揮発性記憶部に対して前記画像データのコピーを開始する、
ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置制御方法。
【請求項3】
選択されたジョブについての前記ジョブチケットにおける前記画像データの出力順が、該画像データのコピー開始後に変更された場合に、
前記揮発性記憶部に記憶された前記画像データのうちで不要になるデータを削除すると共に、新たに必要になるデータについて前記画像データ蓄積部から前記揮発性記憶部に対してコピーを開始する、
ことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置制御方法。
【請求項4】
選択されたジョブについての前記ジョブチケットにおける前記画像データの出力順が、該画像データのコピー開始後に変更された場合に、
前記揮発性記憶部に記憶された前記画像データのうちで最終頁のデータを削除すると共に、新たに必要になるデータについて前記画像データ蓄積部から前記揮発性記憶部に対してコピーを開始する、
ことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置制御方法。
【請求項5】
前記画像データ蓄積部内のデータを前記揮発性記憶部に対してコピー中に、該データ蓄積部に対してアクセスする他のジョブが発生した場合には、前記画像データ蓄積部から前記揮発性記憶部に対する前記画像データのコピーを停止する、
ことを特徴とする請求項1−4のいずれか一項に記載の画像形成装置制御方法。
【請求項6】
画像データに基づいて記録紙上に画像を形成する画像形成部と、
画像形成装置内部でデータ蓄積部に蓄積されている画像データ若しくは外部のデータ蓄積部から供給される画像データを前記画像形成部での記録紙の搬送タイミングに合わせて出力するために前記画像データを記憶する揮発性記憶部と、
ジョブ単位で画像形成を制御する制御部と、
を備えた画像形成装置であって、
前記制御部は、出力すべきジョブが選択された後であって該ジョブの出力指示発生前に、前記画像データ蓄積部から前記揮発性記憶部に対して前記画像データのコピーを開始する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、画像形成についての制御命令であるジョブチケットに沿ってジョブ単位で画像形成を制御しており、
出力すべきジョブが選択された後であって該ジョブの出力指示発生前に、前記ジョブチケットに設定されている頁順に前記画像データ蓄積部から前記揮発性記憶部に対して前記画像データをコピーを開始する、
ことを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御部は、選択されたジョブについての前記ジョブチケットにおける前記画像データの出力順が、該画像データのコピー開始後に変更された場合に、前記揮発性記憶部に記憶された前記画像データのうちで不要になるデータを削除すると共に、新たに必要になるデータについて前記画像データ蓄積部から前記揮発性記憶部に対してコピーを開始する、
ことを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記制御部は、選択されたジョブについての前記ジョブチケットにおける前記画像データの出力順が、該画像データのコピー開始後に変更された場合に、前記揮発性記憶部に記憶された前記画像データのうちで最終頁のデータを削除すると共に、新たに必要になるデータについて前記画像データ蓄積部から前記揮発性記憶部に対してコピーを開始する、
ことを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記画像データ蓄積部内のデータを前記揮発性記憶部に対してコピー中に、該データ蓄積部に対してアクセスする他のジョブが発生した場合には、前記画像データ蓄積部から前記揮発性記憶部に対する前記画像データのコピーを停止する、
ことを特徴とする請求項6−9のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−62709(P2013−62709A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−200306(P2011−200306)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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