説明

画像形成装置及びその制御方式

【課題】 低コストで高機能なプロセッサ間通信を実現する。
【解決手段】 システムバスと命令コマンドを送信するための命令を生成可能なプロセッサ手段と、複数のプロセッサ間の命令コマンドを送信するためにシステムバスとは異なるバスに接続されている複数のコマンドを保持するためのコマンドキュー手段を有し、前記コマンドキュー手段と前記プロセッサ間には一時バッファ手段が接続され、前記一時バッファは、システムバスと接続されているDMAコントローラ手段とインターフェースおよび前記コマンドキュー手段内部にあるキューとのインターフェースを有し、前記キューがFull状態になると、前記2つのインターフェースに対する出力データのデータパスを切り換え、さらに、システムバスに出力したデータがEmpty状態になった後、前記インターフェースをもとの状態に戻す切り替え手段とを有するコマンドキューを有する画像処理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロセッサ間にFIFOを配置して、マルチプロセッサによるパイプラインを構成して、小リソースのプロセッサでありながらも、高速なレンダリング処理によってラスタ画像データを形成する画像形成技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電子写真方式のカラー画像形成装置におけるラスタ画像形成の方法が複雑になっている。複雑なアルゴリズムを高い品質のもとに高速に行う手段の一つとして、マルチプロセッサによるパイプライン化を実現したサブシステムが提案されている。
【0003】
マルチプロセッサをパイプライン化する場合、後段のプロセッサに対するコマンド送信の際にメインメモリを介さずに、プロセッサ間にFIFOを配置することでメモリアクセスを削減するシステム構成がある。
【0004】
この時、一つのコマンドをFIFOへ送信する時間は、各プロセッサの処理時間に依存して変化する。プロセッサ間でコマンドを送信する時間の差分があまりに大きいと、プロセッサ間のFIFOのデータがFull状態になり、Processorはデータ送信ができず、ストールしてしまう。一方、後段のプロセッサの処理時間が早すぎる場合、コマンドが送信されて来ないためのストールが発生するという問題がある。これらの問題に対処するには、システム設計時に膨大なデータを使って、動作解析を行い、FIFOの容量を最適なサイズにすることも可能であるが、コスト面では冗長となる可能性が高い。
【0005】
これらの要因に対していくつかの対処法が提案されている。
【0006】
FIFOのFull状態によるプロセッサのストールを解消することがプロセッサパイプラインを効率化する上での最大のポイントとなる。
【0007】
これまで、この対処方法として、特許文献1には、パイプライン間を結合するFIFOおよびレイテンシの大きい共有メモリを有するシステムにおいて、FIFOがFullになったことを検出して、コマンドを共有メモリへ転送を行う。そして、コマンドを受信したモジュールがデータの保持した場所へアクセスして、コマンドを読み出すと言う方法が記載されている。
【0008】
特許文献2には、マルチプロセッサ間のデュアルポートRAMを複数の記憶領域に分割し、一部にRAMのデータ量の状態をステータスとして書込み、各プロセッサはステータスとデータを交互に書込みながら、プロセッサ間通信を実現する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−256200号公報
【特許文献2】特開平5−346908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1で示されるメモリ転送方法では、後段のプロセッサはコマンドが転送されたレイテンシの大きいメモリにアクセスする必要があり、プロセッサ間にFIFOを配置した効果が半減してしまう。また、特許文献2で示されるメモリ転送方法では、FIFOに対して、ステータスを読み書きしながら、対するプロセッサのステータスを確認しながら、制御を変更するようにしている。この方法では、ステータスを確認するためのタイムロスが大きくなり、システムの高速化が期待できなくなる。さらに、FIFOがFullにならないようなFIFOサイズを決定することは、回路は規模が増大し、コストアップにつながってしまう。
【0011】
本発明は上記の課題を解決するためになされるものであり、マルチプロセッサ間に接続されるFIFOにおいて、次の2点を目的とする。
【0012】
1つ目は、DMAコントローラとのインターフェースを有するFIFOを提供すること。
【0013】
2つ目は、FIFOの前段にFIFOのステータスを確認する手段を有し、FIFOのステータスに応じてFIFOかレイテンシの大きいメモリへのデータパスかを制御する手段を有するFIFOを提供すること。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題・問題点を解決し、上述した目的を達成するための本発明の画像形成装置におけるFIFOは以下の構成を備える。
【0015】
システムバスと命令コマンドを送信するための命令を生成可能なプロセッサ手段と、複数のプロセッサ間の命令コマンドを送信するためにシステムバスとは異なるバスに接続されている複数のコマンドを保持するためのコマンドキュー手段を有し、前記コマンドキュー手段と前記プロセッサ間には一時バッファ手段が接続され、前記一時バッファは、システムバスと接続されているDMAコントローラ手段とインターフェースおよび前記コマンドキュー手段内部にあるキューとのインターフェースを有し、前記キューがFull状態になると、前記2つのインターフェースに対する出力データのデータパスを切り換え、さらに、システムバスに出力したデータがEmpty状態になった後、前記インターフェースをもとの状態に戻す切り替え手段とを有するコマンドキューを有する画像処理装置。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、マルチプロセッサ構成におけるプロセッサ間通信のためのコマンド用FIFOのデータ量を最大限に削減した小規模なサブシステムおよび画像形成装置及び、その内部で使用するデータ転送方式を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明のMFPのシステム構成図である。
【図2】本発明のデータ処理部の構成図である。
【図3】本発明のマルチプロセッサ構成図(−1)と、本発明のマルチプロセッササブシステムにおける各プロセッサおよびブロックの機能説明図(−2)である。
【図4】本発明のコマンドFIFO制御装置のブロック図である。
【図5】本発明のコマンドFIFO制御装置のレジスタ構成である。
【図6】本発明のモード1の内部回路の動作シーケンスである。
【図7】本発明のスレーブプロセッサの動作例である。
【図8】本発明のコマンドFIFO制御装置の回路構成である。
【図9】本発明のモード2の内部回路の動作シーケンスである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0019】
まず、本発明の各実施形態を実現する装置構成について説明する。
【0020】
[画像形成装置]
図1は本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
【0021】
画像形成装置100は、例えば、複数種類の機能を実現する複合機であるMFP(Multi Function Peripheral)で実現される。また、画像形成装置100は、ネットワーク107を介してネットワークに接続され、ネットワークを利用して画像データや装置情報をやりとりが可能である。
【0022】
図1において、原稿台とオートドキュメントフィーダ(ADF)を含む画像読取部104は、束状のあるいは1枚の原稿画像を光源(不図示)で照射し、原稿反射像をレンズで固体撮像素子上に結像する。これにより、画像読取部104は、その固体撮像素子からラスタ状の画像読取信号を所定密度(例えば、600DPI)のラスタ画像として得る。
【0023】
尚、画像読取部104で読み取られる印刷物として、紙文書を例に挙げて説明するが、紙以外の記録媒体(例えば、OHPシート、フィルム等の透過原稿、布等)からなる印刷物を画像読取部104の読取対象としても良い。
【0024】
また、画像形成装置100は、画像読取信号に対応する画像を画像印字部106で記録媒体に印刷する複写機能を有する。特に、原稿画像を1つ複写する場合には、この画像読取信号をデータ処理部101で画像処理して記録信号を生成し、これを画像印字部106によって記録媒体上に印刷させる。一方、原稿画像を複数複写する場合には、記憶部105に一旦一つ分の記録信号を記憶保持させた後、これを画像印字部106に順次出力して記録媒体上に印刷させる。
【0025】
尚、画像印字部106を用いる各種印刷制御は、デバイス制御部108によって実現される。
【0026】
画像形成装置100への操作者の指示は、画像形成装置100に装備された操作部103から行われ、これら一連の動作はデータ処理部101内の制御部のデバイス制御部108で制御される。また、操作入力の状態表示及び処理中の画像データの表示は、表示部102で行われる。
【0027】
尚、画像形成装置100では、後述する各種処理を実行するための各種操作・表示をユーザに提供するユーザインタフェースを、表示部102及び操作部103によって実現している。
【0028】
[データ処理部]
次に、データ処理部101の詳細構成について、図2を用いて説明する。
【0029】
図2は本発明の実施形態に係るデータ処理部101の詳細構成を示す図である。
【0030】
データ処理部101は、デバイス制御部108・画像読取データ処理部109・画像印字データ処理部110から構成される。デバイス制御部108は、ホストI/F部202を有する。ホストI/F部202には、データ処理部101から送出された印刷データや装置の動作を指示する設定を入力する入力バッファ(不図示)が設けられている。また、ホストI/F部202には、データ処理部101へ送出する信号や機器情報データを含む出力データを一時的に保持する出力バッファ(不図示)が設けられている。また、ホストI/F部202は、データ処理部101との間で送受信される信号や通信パケットの入出力部を構成するとともに、データ処理部101との間の通信制御を行う。
【0031】
ホストI/F部202を介して入力された印刷データは、画像データ発生部204に与えられる。ここで、入力される印刷データは、例えば、PDL(ページ記述言語)データで構成される。画像データ発生部204は、予め定められている解析部に基づき入力された印刷データの解析(例えば、PDL解析処理)、その解析結果から中間言語を生成し、更に画像印字部(プリンタエンジン)106が処理可能なビットマップデータ生成を行う。
【0032】
具体的には、印刷データの解析とその解析による中間言語情報の作成を行うとともに、その中間言語情報の作成と並行してラスタライズ処理を行う。このラスタライズ処理では、印刷データに含まれる表示色RGB(加法混色)から画像印字部106が処理可能なYMCK(減法混色)への変換がある。また、印刷データに含まれる文字コードから予め格納されているビットパターン、アウトラインフォント等のフォントデータへの変換等の処理がある。その後、ラスタライズ処理では、ページ単位あるいはバンド単位でビットマップデータを作成し、このビットマップデータに対しディザパターンを用いる疑似階調処理を施し、画像印字部106において印刷処理が可能なビットマップデータを生成する。
【0033】
[画像データ発生部]
画像データ発生部204は、図3−1に示すような構成になっている。(図では)3つのSub-CPU1/2/3(300・301・302)および専用処理モジュール303があり、各ブロックは、FIFO1/2/3(304・305・306)によって接続されている。また、FIFO1/2/3(304・305・306)および専用処理モジュール303は、DMAコントローラと接続されており、Sub-CPU1/2/3(300・301・302)と同じバスへの入出力が可能な構成となっている。各ブロックからのバスアクセスは、バスアービター307によって、アービトレーションされて、デバイス制御部108のシステムバスに接続される。
【0034】
次に図3−2を用いて、各Sub-CPU(300・301・302)の処理内容について説明を行う。Sub-CPU1(300)は、中間言語を解析して、ラスタライズするデータのオブジェクト情報を取り出して、FIFO1(304)へオブジェクトの重なり情報に対するアクセス実行コマンドを送信する。Sub-CPU2(301)は、Sub-CPU1(300)から受信したオブジェクトの重なり情報を解析して、ラスタライズに必要な情報のみを選択して、FIFO2(301)へオブジェクトの色情報に対するアクセスコマンドを送信する。Sub-CPU3(302)は、Sub-CPU2(301)から受信したオブジェクトの色情報を読み出し、専用処理モジュール304(FIFO3-306)に対して、最終画像をメモリへの出力コマンドを送信する。専用処理モジュール304は、FIFO3(306)から画素数情報と色情報を読み出して、ラスタ画像を画像メモリ203に格納する。
【0035】
図3−2の下部に示すグラフについて説明する。グラフに各コマンドFIFOのデータ量を示している。データ1(3040)は、各FIFOに出力するデータ量は比較的多いが、データ2(3050)の場合は、データ1に比べてデータ量が少ないことを示している。しかし、自明であるが、同じ画像サイズのデータをラスタライズした場合、最終の画像データ量は同じになる。これは簡単な例であり、データによっては、FIFO1(304)とFIFO2(305)でのデータ量が逆転するケースも存在する。これがFIFOのサイズを決定する上での最大の課題であり、これらをすべて満足するサイズにすると、冗長なシステムが設計されることになる。後述する本発明のコマンドFIFOは、この冗長なFIFOを必要としないシステムである。
【0036】
上記説明において作成されたビットマップデータは、画像メモリ203に格納される。画像メモリ203に格納されているビットマップデータの読出は、DMAコントローラ208・209・210で制御される。このDMAコントローラ208・209・210による画像メモリ203からのビットマップデータの読出・書込みに対する制御は、CPU205からの指示に基づき行なわれる。
【0037】
画像メモリ203から読み出されたビットマップデータは、DMAコントローラ208に画像処理部210に転送される。画像処理部210では、印字装置にあわせたハーフトーンなどの処理が行われ、再度DMAコントローラ208によって画像メモリ203に転送される。次に、DMAコントローラ209が、画像メモリ203から画像を読み出し、印字装置用画像処理部211へ転送する。印字装置用画像処理部211では、印字装置の特性に合わせた画像処理が行われ、DMAコントローラ209によって、再度画像メモリ203に転送される。そして、DMAコントローラ210によって、画像メモリから印字装置用画像処理が終了した画像をブレンド処理部212に転送する。画像データは、ブレンド処理部212から印字装置I/F部213を介してビデオ信号として画像印字部106に転送される。印字装置I/F部213には、画像印字部106へ転送するビデオ信号を一時的に保持する出力バッファ(不図示)と、画像印字部106から送出された信号を一時的に保持する入力バッファ(不図示)とが設けられている。また、印字装置I/F部213は、画像印字部106との間で送受信される信号の入出力部を構成するとともに、画像印字部106との間の通信制御を行う。
【0038】
操作部103から操作入力によって出されたモード設定に関する指示等の各種指示は、操作部I/F部201を介して入力され、操作部I/F部201は操作部103とCPU205との間のインターフェースを構成する。
【0039】
CPU205は、操作部103もしくはデータ処理部101から指示されたモードに応じて、上述の各ブロックに対する制御を行い、この制御はROM207に格納されている制御プログラムに基づき実行される。このROM207に格納されている制御プログラムは、システムクロックによってタスクと称されるロードモジュール単位に時分割制御を行うためのOS(オペレーティングシステム)がある。また、制御プログラムには、このOSによって機能単位に実行制御される複数のロードモジュールがある。
【0040】
CPU205による演算処理の作業領域としては、RAM206が使用される。CPU205を含む各ブロックはシステムバス214に接続されている。システムバス214は、アドレスバスとシステムバス(不図示)とから構成される。
【0041】
[コマンドFIFO]
図4を使って、本発明のDMAコントローラ付きコマンドFIFOについて説明する。FIFO1/2/3(304・305・306)のようなコマンドFIFOは、図4−1に示すようなインターフェースを持っている。第一のインターフェース(402)は、マスタプロセッサ(400)とのインターフェースであり、図に示す信号によって制御されている。第二のインターフェース(403)は、スレーブプロセッサ(401)とのインターフェースである。第一のインターフェース402はFIFOに対する入力、第二のインターフェース401はFIFOからの出力である。次に、メインCPUおよびSub-CPU1/2/3(300・301・302あるいは400・401)とは、レジスタバスによっても接続されている。レジスタバス406はバスアービター405によってアービトレーションされて、1つのレジスタバス406に集約される。続いて、ライトDMAインターフェース(411)およびリードDMAインターフェース(414)があり、それぞれライトDMA(412)・リードDMA(415)に接続されている。
【0042】
第一のインターフェース402に対しては、FIFO input control(408)部が入力制御を行っている。第二のインターフェース403に対しては、FIFO control(409)部が出力制御を行っている。レジスタバス(インターフェース)406に対しては、レジスタI/F部407がレジスタアクセスを受信している。そして、DMAインターフェース(411・412)に対しては、Data transfer control1/2部が制御を行っている。
【0043】
本発明によるコマンドFIFOモジュールは、図5に示すようなレジスタを有している。DMAは良く知られているシンプルなDMA構成でよい。この例では同じ領域をリングバッファとして使用するようなDMAを想定している。一方、メイン制御部は、DMAコントロール部で確保したメモリサイズと、DMA部へデータを転送するときの連続転送量について設定をすることができる。バーストサイズよりも小さくすることが可能であり、これによりFIFO input control部のバッファ量を削減可能である。
【実施例1】
【0044】
図6・図7を使って、コマンドFIFOの動作を説明する。FIFO input control部600のシーケンスについて説明する。まず、Commandを受信すると、Spool modeを確認する。FIFO modeとは、DMAを使わずに直接FIFO control部409にあるFIFO4000へデータを転送するモードであり、Memory modeとは、DMAを介してFIFO control部409のFIFO4000へ転送するモードである。
【0045】
FIFOモードの場合、FIFO4000の状態をチェックする。Fullでない場合は何もせず、Fullの場合はモード用フラグ信号を変更する604。Fullの場合は、FIFO modeにフラグを変更し、CommandをPointerとアクセス実行Commandに置換して、メモリに対してデータ転送を行う(606)。一方、spool modeの場合はFIFOに対してデータ転送を行う(605)。これらのデータパス制御については、FIFO input control部600が制御している。
【0046】
一方、Data transfer control1のシーケンス610について説明する。FIFO input control部600のメモリに対するデータ転送606が実行されると、内部のカウンタをカウントアップさせて、メモリ上にデータの残量があるかを確認する611。データ残量が0の場合、Wait状態になり、データがメモリ上に存在している場合は、リードDMAに対してデータ転送要求を行う(612)。
【0047】
この方法では、FIFO4000が一度Fullになると、DMAつまり、メモリを介したモードに切り替わり、CPUによりAbortされるまで、DMAを介すことになる。
【0048】
一方、スレーブプロセッサ402の制御についてシーケンス700を用いて説明する。コマンドを受信する(701)と、コマンド内容が実行可能コマンドかコマンドへのポインタ情報であるかを確認する702。コマンドの場合、さらに終了コマンドであるか否かを確認する703。この終了コマンドはレジスタとして定義しておき、あらかじめレジスタバス406を経由して設定しておくことが可能である。終了コードの場合、コマンドFIFOブロック全体の動作をAbortして動作を終了させる706。一方、終了コードでない場合は、通常にコマンドを実行704して、再度次のコマンドを受信する。
【0049】
コマンド内容がポインタ情報である場合、コマンドにはDMA部に対する転送データの開始コマンドとなっており、レジスタバス406を経由して、DMA設定および動作開始命令をする705。すると、メモリへ退避していたデータが読み出されることになる。この時、一度Memory modeに変更されると、Abortされるまでメモリを介したデータ転送を実行する。
【実施例2】
【0050】
実施例1の動作に追加して、前述したMemory modeとFIFO modeを自動で切り換えられるように対応したものが図8である。
【0051】
Data Transfer Control2(413)がモード切り換えの機能を持つ。FIFO4000のFull状態をw4_fifo_full信号で検知すると、w3_act_mode信号をアサートして、データパスを切り換える。すると、Data Transfer Control1(410)は、データを転送する際のデータ送信先を意識することなく、データを転送する機能だけを実行することができる。データ転送要求w2_reqを出すと、Data Transfer Control2は、FIFO(4000)のFull信号と、Memory spool先のFull信号を検知して、モードに応じてデータの転送をメモリかFIFO4000に行う。また、wr_cnr_i/ rd_cnr_iは、メモリに転送したデータ量をカウントしており、FIFO4000がFullでなく、wr_cnr_i - rd_cnr_i = 0となった時点でFIFO modeへ再度切り換えることが可能である。
【0052】
FIFO input control部のシーケンス800は次の通りである。コマンドを受信801した後、最終コマンドか(DMAブロック412・415への)連続転送サイズ分のデータがバッファにたまるまでコマンド受信801を繰り返す(802)。続いて、FIFO4000のステータスを確認して、FIFOもMemoryのいずれもFullでなければ(803)、データ転送を行う(804)。
【0053】
Data transfer control1部のシーケンス810は次の通りである。FIFO4000のステータスがFullでない場合、つまり、w3_act_modeが0の場合はidle状態となっている(811)。Fullになると、データパスを切り換える(812)。Full modeにおけるデータ転送が行われたことを確認して、データ転送量を変更する(813・814)。
【0054】
Data transfer control2部のシーケンス820は次の通りである。FIFO4000のステータスがFullでない場合は、Idle状態となる(821)。転送データ量が0になると、FIFO4000が再度Fullになるのを待つ。一方、最終コマンドを受信した信号を受信するか、バーストサイズ分のデータがメモリにたまるとリードDMA(415)に対して、データリードの転送要求を行う(823)。リードDMA(415)からデータが転送されてから、FIFO4000の状態を確認して、Fullの場合はそのまま待ち、Fullでない場合FIFO4000へデータを転送する(825)。
【0055】
本機能を持つFIFOブロックを利用すると、各FIFO1/2/3のサイズを小さくしても、FIFOからデータがあふれる場合はメモリに転送することで、実質的なFull状態を回避することが可能となる。また、アプリケーションを変更した際は、退避用メモリサイズを各FIFOに対して適切に変更することで効率的にメモリを使用するシステムを実現することが可能となる。
【0056】
本機能を持つFIFOブロックは、図のようにプロセッサのシステムバスとは別であってもよい。また、同一のシステムバス上のメインメモリとは異なるメモリ空間に対して、FIFOブロック用のアドレスをシステムとして定義する構成も可能である。
【符号の説明】
【0057】
100 画像形成装置
101 データ処理部
102 表示部
103 操作部
104 画像読取部
105 記憶部
106 画像印字部
107 ネットワークI/F
108 デバイス制御部
109 画像読取データ処理部
110 画像印字データ処理部
208 DMAコントローラ
209 DMAコントローラ
210 画像処理部
211 印字装置用画像処理部
212 ブレンド処理部
213 印字装置I/F
214 システムバス
300 Sub−CPU1
301 Sub−CPU2
302 Sub−CPU1
303 専用処理モジュール
304 FIFO1
305 FIFO2
306 FIFO3
307 バスアービター
400 マスタプロセッサ
401 スレーブプロセッサ
402 第一のインターフェース
403 第二のインターフェース
406 レジスタバス(インターフェース)
407 レジスタインターフェース部
408 FIFO Input Control部
409 FIFO Control部
410 Data Transfer Control1部
411 ライトDMAバス
412 ライトDMAコントローラ部
413 Data Transfer Control2部
414 リードDMAバス
415 リードDMAコントローラ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムバスと命令コマンドを送信するための命令を生成可能なプロセッサ手段と、複数のプロセッサ間の命令コマンドを送信するためにシステムバスとは異なるバスに接続されている複数のコマンドを保持するためのコマンドキュー手段を有し、前記コマンドキュー手段と前記プロセッサ間には一時バッファ手段が接続され、前記一時バッファは、システムバスと接続されているDMAコントローラ手段とインターフェースおよび前記コマンドキュー手段内部にあるキューとのインターフェースを有し、前記キューがFull状態になると、前記2つのインターフェースに対する出力データのデータパスを切り換え、さらに、システムバスに出力したデータがEmpty状態になった後、前記インターフェースをもとの状態に戻す切り替え手段とを有するコマンドキューを有する画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理装置において、前記システムバス上に接続されるメモリは前記プロセッサ手段が共通でアクセスすることが可能な記憶手段であることを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像処理装置において、前記コマンドキュー内のキューがFull状態になると、コマンドの内容をDMAの設定コマンドに置換する手段を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の画像処理装置において、前記コマンドキュー内のキューがFull状態になると、あらかじめ前記プロセッサあるいはシステムのメインプロセッサによって設定された情報に基づき、コマンドの内容はシステムバスを介して、前記記憶手段に転送する手段を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の画像処理装置において、前記記憶手段に移動したデータを読み出すために前記プロセッサが前記コマンドキューのレジスタインターフェースを通じてDMA転送コマンドを転送することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1に記載の画像処理装置において、前記記憶手段に存在するデータ量に応じて前記データパスの切り替え手段を自動で行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1に記載の画像処理装置において、前記記憶手段に転送するデータ量を前記プロセッサあるいは前記メインプロセッサによって指定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1に記載の画像処理装置において、前記コマンドキュー手段を有するマルチプロセッササブシステムはレンダリングを行うことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−56703(P2011−56703A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−206860(P2009−206860)
【出願日】平成21年9月8日(2009.9.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】