説明

画像形成装置及び処理装置

【課題】効率的なメンテナンス作業を可能にする画像形成装置及び処理装置を提供する。
【解決手段】静電潜像を形成する露光装置200と、露光装置を支持する支持構造体300と、露光装置を収容する筐体と、を備え、筐体に対して挿脱可能に形成された支持構造体は、露光装置を駆動する駆動力を出力する出力要素を有する駆動部を含む駆動側板330と、駆動側板に接続され、駆動側板と協働して支持構造体を形成するフレーム要素320と、を含み、露光装置は、光を走査する光学素子を収容する収容箱体と、駆動部から前記駆動力が入力される入力要素と、を含み、収容箱体は、駆動側板に向けて突出する突出部を含み、露光装置の自重によりフレーム要素に対して変位可能な駆動側板は、突出部が収容される切欠部の輪郭を形成する縁面を含み、縁面は、突出部を摺動可能に支持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、露光装置を用いて静電潜像を形成する画像形成装置及び所定の処理を行う処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コピー機、プリンタやファクシミリ装置といった画像形成装置は、典型的には、感光体ドラムと、感光体ドラムを帯電させる帯電器と、帯電された感光体ドラムの周面に光を照射し、静電潜像を形成する露光装置と、静電潜像が形成された感光体ドラムの周面にトナーを供給し、トナー画像を形成する現像装置と、を備える。
【0003】
露光装置は、光源、光源からの光の光路を規定するミラーや光源からの光の径を調整するレンズといった様々な光学素子を備える。一般的に、光学素子は振動の影響を受けやすい。特許文献1は、光学素子への振動の影響を緩和する技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−138442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図20及び図21は、画像形成装置の筐体に対する露光装置の従来の取付方法を示す。図20は、露光装置が取り付けられる前の画像形成装置の筐体の内壁を示す概略的な斜視図である。図21は、筐体の内壁に取り付けられた露光装置を示す。
【0006】
振動の影響を受けやすい露光装置900は、一般的に、画像形成装置の筐体の内壁910に対して、高精度に位置決めされた上、例えば、ビスを用いて強固に固定される。従来の強固な露光装置900の固定は、振動や他の外力に起因する光学的な設定の変動を抑制する一方で、露光装置900或いは露光装置900の周辺に存する機器へのメンテナンス作業の非効率性をもたらす。メンテナンス作業を行う作業者は、筐体の内壁910に強固に固定された露光装置900を取り外す必要がある。対象の機器にメンテナンスを行った後、作業者は、高精度に露光装置900を位置決め並びに固定する必要がある。
【0007】
上述の課題は、比較的高い精度で筐体に取り付けられる他の処理装置にも共通する。
【0008】
本発明は、効率的なメンテナンス作業を可能にする露光装置を備える画像形成装置及び所定の処理を行う処理ユニットを備える処理装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態に係る画像形成装置は、帯電された画像形成面に光を照射し、静電潜像を形成する露光装置と、該露光装置を支持する支持構造体と、前記露光装置を収容する筐体と、を備え、該筐体に対して挿脱可能に形成された前記支持構造体は、前記露光装置を駆動する駆動力を出力する出力要素を有する駆動部を含む駆動側板と、該駆動側板に接続され、該駆動側板と協働して前記支持構造体を形成するフレーム要素と、を含み、前記露光装置は、前記光を走査する光学素子を収容する収容箱体と、前記駆動部から前記駆動力が入力される入力要素と、を含み、前記収容箱体は、前記駆動側板に向けて突出する突出部を含み、前記露光装置の自重により前記フレーム要素に対して変位可能な前記駆動側板は、前記突出部が収容される切欠部の輪郭を形成する縁面を含み、該縁面は、前記突出部を摺動可能に支持することを特徴とする(請求項1)。
【0010】
上記構成によれば、露光装置は、帯電された画像形成面に光を照射し、静電潜像を形成する。筐体に収容される露光装置を支持する支持構造体は、露光装置を駆動する駆動力を出力する出力要素を有する駆動部を含む駆動側板と、駆動側板に接続され、駆動側板と協働して支持構造体を形成するフレーム要素と、を含む。支持構造体は、筐体に対して挿脱可能に形成されるので、効率的なメンテナンス作業が達成される。駆動側板は、露光装置の自重によりフレーム要素に対して変位可能であるので、筐体及び/又は支持構造体の製造時における誤差を吸収する。この結果、露光装置は、筐体に対して適切に位置決めされる。
【0011】
露光装置は、光を走査する光学素子を収容する収容箱体と、駆動部から駆動力が入力される入力要素と、を含む。収容箱体は、駆動側板に向けて突出する突出部を含む。駆動側板は、突出部が収容される切欠部の輪郭を形成する縁面を含む。縁面は、突出部を摺動可能に支持するので、駆動側板が、露光装置の自重によりフレーム要素に対して変位しても、露光装置は、駆動側板に適切に保持され、出力要素から入力要素への駆動力の伝達が適切に行われる。
【0012】
上記構成において、前記駆動側板が前記フレーム要素に対して変位したとき、前記露光装置が前記支持構造体に対して変位するように、前記支持構造体は前記露光装置を支持することが好ましい(請求項2)。
【0013】
上記構成によれば、縁面は、突出部を摺動可能に支持するので、駆動側板がフレーム要素に対して変位したとき、露光装置が支持構造体に対して変位することができる。したがって、露光装置は、駆動側板に適切に保持される。
【0014】
上記構成において、前記突出部は、弧状の周面を含み、前記切欠部は、前記突出部の前記弧状の周面に対して相補的な弧状の輪郭を有することが好ましい(請求項3)。
【0015】
上記構成によれば、突出部は、弧状の周面を含む。切欠部は、突出部の弧状の周面に対して相補的な弧状の輪郭を有するので、露光装置は、支持構造体に対して回転変位することができる。したがって、露光装置は、駆動側板に適切に保持される。
【0016】
上記構成において、前記フレーム要素に対する前記駆動側板の変位の間、前記切欠部と前記出力要素との位置関係は一定に保たれることが好ましい(請求項4)。
【0017】
上記構成によれば、露光装置は、支持構造体に対して回転変位するので、フレーム要素に対する駆動側板の変位の間、切欠部と出力要素との位置関係は一定に保たれる。かくして、露光装置の入力要素と出力要素との間の位置関係も一定に保たれ、出力要素から入力要素への駆動力の伝達が適切に行われる。
【0018】
上記構成において、前記収容箱体は、前記画像形成面に向かう光を透過する窓部を含み、前記露光装置は、前記窓部を清掃する清掃部を含み、前記駆動部は、前記清掃部を駆動することが好ましい(請求項5)。
【0019】
上記構成によれば、収容箱体は、画像形成面に向かう光を透過する窓部を含む。露光装置は、窓部を清掃する清掃部を含む。駆動部は、清掃部を駆動する。駆動力は、出力要素から入力要素へ適切に伝達されるので、窓部は適切に清掃される。かくして、画像形成部に向かう光は、窓部の汚れにほとんど妨げられないので、露光装置は適切に静電潜像を形成することができる。
【0020】
本発明の他の実施形態に係る処理装置は、所定の処理を行う処理ユニットと、該処理ユニットを支持する支持構造体と、前記処理ユニットを収容する筐体と、を備え、該筐体に対して挿脱可能に形成された前記支持構造体は、前記処理ユニットを駆動する駆動力を出力する出力要素を有する駆動部を含む駆動側板と、該駆動側板に接続され、該駆動側板と協働して前記支持構造体を形成するフレーム要素と、を含み、前記処理ユニットは、前記駆動側板に向けて突出する突出部と、前記駆動部から前記駆動力が入力される入力要素と、を含み、前記処理ユニットの自重により前記フレーム要素に対して変位可能な前記駆動側板は、前記突出部が収容される切欠部の輪郭を形成する縁面を含み、該縁面は、前記突出部を摺動可能に支持することを特徴とする(請求項6)。
【0021】
上記構成によれば、筐体に収容される処理ユニットを支持する支持構造体は、処理ユニットを駆動する駆動力を出力する出力要素を有する駆動部を含む駆動側板と、駆動側板に接続され、駆動側板と協働して支持構造体を形成するフレーム要素と、を含む。支持構造体は、筐体に対して挿脱可能に形成されるので、効率的なメンテナンス作業が達成される。駆動側板は、処理ユニットの自重によりフレーム要素に対して変位可能であるので、筐体及び/又は支持構造体の製造時における誤差を吸収する。この結果、所定の処理を行う処理ユニットは、筐体に対して適切に位置決めされる。
【0022】
処理ユニットは、駆動側板に向けて突出する突出部と、駆動部から駆動力が入力される入力要素と、を含む。駆動側板は、突出部が収容される切欠部の輪郭を形成する縁面を含む。縁面は、突出部を摺動可能に支持するので、駆動側板が、処理ユニットの自重によりフレーム要素に対して変位しても、処理ユニットは、駆動側板に適切に保持され、出力要素から入力要素への駆動力の伝達が適切に行われる。
【発明の効果】
【0023】
上述の如く、本発明は、効率的なメンテナンス作業を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】一実施形態に従う画像形成装置の概略的な斜視図である。
【図2】図1に示される画像形成装置の筐体から引き出された露光装置及び露光装置を支持する支持構造体の概略的な斜視図である。
【図3】図2に示される露光装置及び支持構造体が除去された画像形成装置の筐体の概略的な斜視図である。
【図4】図1に示される内部構造の概略図である。
【図5】図2に示される露光装置を支持する支持構造体の概略的な斜視図である。
【図6】図5に示される露光装置を支持する支持構造体の概略的な底面図である。
【図7】図2に示される画像形成装置の筐体に形成された挿入口から観察される画像形成装置の内部構造の概略図である。
【図8】図2に示される露光装置の概略的な斜視図である。
【図9】図5に示される支持構造体の概略的な斜視図である。
【図10】図8に示される露光装置を支持構造体に固定するための固定片の概略的な斜視図である。
【図11】図8に示される露光装置と支持構造体との接続を概略的に示す斜視図である。
【図12】図2に示される露光装置を支持する支持構造体の概略的な正面図である。
【図13】図2に示される露光装置を支持する支持構造体の概略的な斜視図である。
【図14】図2に示される露光装置を支持する支持構造体の概略的な斜視図である。
【図15】図2に示される露光装置を支持する支持構造体の概略的な斜視図である。
【図16】図2に示される露光装置を支持する支持構造体の概略的な斜視図である。
【図17】図2に示される露光装置と露光装置を駆動する駆動ユニットとの接続部の概略的な斜視図である。
【図18】図17に示される駆動ユニットの概略的な斜視図である。
【図19】図18に示される駆動ユニットが組み込まれた第2フレーム板の概略的な斜視図である。
【図20】露光装置が取り付けられる前の従来の画像形成装置の筐体の内壁を示す概略的な斜視図である。
【図21】図20に示される内壁に取り付けられた露光装置を示す概略的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付の図面を用いて、画像形成装置の一実施形態が説明される。尚、以下の説明で用いられる「上」、「下」、「左」や「右」といった方向を表す用語は、単に、説明の明瞭化を目的とするものであり、画像形成装置の原理を何ら限定するものではない。
【0026】
(画像形成装置)
図1は、一実施形態に従う画像形成装置の斜視図である。尚、図1に示される画像形成装置は、複写機である。代替的に、プリンタ、ファクシミリ、これらの機能を備える複合機やシートに画像を形成可能な他の装置が画像形成装置として用いられてもよい。
【0027】
複写機100は、シートに画像を形成するための様々な機器を収容する筐体110を備える。本実施形態の説明に用いられる「シート」との用語は、普通紙、OHPシート、厚紙、トレーシングペーパ、葉書やトナー画像が形成可能な他のシート状材料を意味する。
【0028】
筐体110は、トナー画像を形成するための様々な機器を収容する下部筐体111と、下部筐体111の上方に配設される上部筐体112と、下部筐体111と上部筐体112との間に配設される中間筐体113と、を含む。上部筐体112は、原稿の画像を読み取るための機器を主に収容する。中間筐体113は、複写機の右面及び背面に沿って形成される。したがって、下部筐体111と上部筐体112との間には、空間DRが形成される。中間筐体113は、複写処理後のシートを空間DRに排出するための排出装置を主に収容する。
【0029】
複写機100は、上部筐体112に取り付けられた操作パネル120を更に備える。操作パネル120は、例えば、複写機100の複写を開始させるためのスタートボタン121、複写枚数やコピー濃度を入力するための入力ボタン122や入力内容を使用者に表示するためのディスプレイ123を備える。使用者は、操作パネル120を通じて、所望の動作を複写機100に指示することができる。
【0030】
複写機100は、上部筐体112の上に配設された原稿供給装置130を更に備える。原稿供給装置130は、上部筐体112の上面に沿って横たわるカバー要素131と、カバー要素131の上方に配設されるトレイ132と、を備える。トレイ132は、右方に向けて、上方に傾斜する。原稿供給装置130は、カバー要素131とトレイ132とを接続する接続部133と、接続部133内に配設された供給ユニット(図示せず)を更に備える。
【0031】
使用者は、トレイ132上に原稿を載置することができる。使用者が、操作パネル120のスタートボタン121を押すと、接続部133内の供給ユニットは、トレイ132上の原稿を接続部133内に引き込む。供給ユニットは、その後、カバー要素131と上部筐体112との間に原稿を送り込む。上部筐体112内に配設された様々な機器は、カバー要素131と上部筐体112との間の原稿の画像を読み取る。下部筐体111内に配設された様々な機器は、読み取られた原稿の画像データに従って、トナー画像をシートに形成する。シートは、その後、中間筐体113内の排出装置によって、空間DRに排出される。
【0032】
原稿供給装置130は、上部筐体112に上下に回動可能に接続される。使用者は、必要に応じて、原稿供給装置130を上方に回動させてもよい。使用者は、その後、上部筐体112上に所望の原稿を載置することができる。使用者は、原稿供給装置130を下方に回動させ、上部筐体112上に載置された原稿を押さえてもよい。使用者がスタートボタン121を押すと、上部筐体112内の機器は、原稿の画像の読取を開始する。
【0033】
複写機100は、シートを収容するカセット140を更に備える。カセット140は、下部筐体111の下部に挿入される。下部筐体111に収容された様々な機器は、カセット140内のシートを1枚ずつ取り出す。シートは、下部筐体内で搬送される間に、画像形成処理を施与され、最終的に、空間DRに排出される。カセット140内のシートがなくなると、使用者は、カセット140を下部筐体から引き出し、シートを補充することができる。
【0034】
複写機100は、必要に応じて、追加的な搬送ユニット190を備えてもよい。搬送ユニット190は、下部筐体111の下方に配設される。搬送ユニット190は、追加的なカセット191,192を備える。使用者は、操作パネル120を操作し、シートの供給元を、カセット140,191,192の中から選択することができる。
【0035】
下部筐体111は、左面を覆う化粧板114を含む。化粧板114は、必要に応じて、複写機100から取り外される。
【0036】
図2は、化粧板114が除去された下部筐体111の拡大斜視図である。図1及び図2を用いて、複写機100が更に説明される。
【0037】
下部筐体111は、左側壁115を含む。左側壁115には、略矩形状の挿入口116が形成される。複写機100は、露光装置200と、露光装置200を支持する支持枠体300と、を更に備える。露光装置200は、読み取られた原稿の画像のデータに従って、レーザ光を照射し、静電潜像を形成する。本実施形態において、支持枠体300は、支持構造体として例示される。
【0038】
使用者は、化粧板114を除去した後、挿入口116を介して、支持枠体300を左方に引き出すことができる。露光装置200は、支持枠体300とともに筐体110外へ引き出されるので、使用者は露光装置200の清掃、調整、交換或いは修繕を比較的容易に行うことができる。使用者は、その後、挿入口116を介して、露光装置200を支持した支持枠体300を筐体110内に挿入することができる。かくして、下部筐体111内への露光装置200の収容も容易に達成される。
【0039】
図3は、露光装置200及び支持枠体300が除去された複写機100の概略的な斜視図である。図1乃至図3を用いて、複写機100が更に説明される。
【0040】
下部筐体111は、左側壁115と反対側の右側壁117、左側壁115と右側壁117と間で延びる正面壁118及び正面壁118と反対側の背面壁119を更に含む。下部筐体111は、下部筐体111に挿入された支持枠体300を支持するための上面を有する支持プレート160を更に備える。支持プレート160は、左側壁115、右側壁117、正面壁118及び背面壁119それぞれの内面に固定される周縁161を備える。支持プレート160は、上方に突出する一対の突条162を更に備える。突条162は、支持枠体300及び露光装置200の挿入方向に沿って延びる。突条162は、支持枠体300及び露光装置200の挿入方向及び/又は引出方向の移動を案内する。
【0041】
図4は、複写機100の内部構造を示す概略図である。図1、図2及び図4を用いて、複写機100が更に説明される。尚、図4には、図1に関連して説明された搬送ユニット190は示されていない。
【0042】
本実施形態において、支持枠体300は、4つの露光装置200を支持する。4つの露光装置200は、それぞれ別体に形成される。また、4つの露光装置200は、支持枠体300にそれぞれ個別に取り付けられる。
【0043】
複写機100は、支持枠体300の上方に配設された4つの画像形成ユニット400を更に備える。4つの画像形成ユニット400は、4つの露光装置200それぞれに対応する。最も左方の画像形成ユニット400は、原稿の画像のマゼンタ成分に対応する画像を形成する。マゼンタ成分に対応する画像形成ユニット400に隣接する画像形成ユニット400は、原稿の画像のシアン成分に対応する画像を形成する。最も右方の画像形成ユニット400は、原稿の画像のブラック成分に対応する画像を形成する。ブラック成分に対応する画像形成ユニット400に隣接する画像形成ユニット400は、原稿の画像のイエロ成分に対応する画像を形成する。
【0044】
画像形成ユニット400は、略円筒状の感光体ドラム410と、感光体ドラム410の下方に配設された帯電器420とを備える。帯電器420は、感光体ドラム410の周面を略一様に帯電する。露光装置200は、原稿の画像データに基づき、帯電された感光体ドラム410の周面にレーザ光を照射し、静電潜像を形成する。マゼンタ成分に対応する画像形成ユニット400の感光体ドラム410にレーザ光を照射する露光装置200は、マゼンタ成分に対応する画像データに基づき、静電潜像を形成する。シアン成分に対応する画像形成ユニット400の感光体ドラム410にレーザ光を照射する露光装置200は、シアン成分に対応する画像データに基づき、静電潜像を形成する。イエロ成分に対応する画像形成ユニット400の感光体ドラム410にレーザ光を照射する露光装置200は、イエロ成分に対応する画像データに基づき、静電潜像を形成する。ブラック成分に対応する画像形成ユニット400の感光体ドラム410にレーザ光を照射する露光装置200は、ブラック成分に対応する画像データに基づき、静電潜像を形成する。本実施形態において、感光体ドラム410の周面は、画像形成面として例示される。
【0045】
画像形成ユニット400は、静電潜像が形成された感光体ドラム410の周面にトナーを供給し、静電潜像を現像(可視化)する現像装置430を更に備える。現像装置430からのトナーの供給によって、感光体ドラム410の周面に、静電潜像に略合致するトナー画像が形成される。マゼンタ成分に対応する画像形成ユニットの現像装置430は、マゼンタ色のトナーを感光体ドラム410に供給する。シアン成分に対応する画像形成ユニットの現像装置430は、シアン色のトナーを感光体ドラム410に供給する。イエロ成分に対応する画像形成ユニットの現像装置430は、イエロ色のトナーを感光体ドラム410に供給する。ブラック成分に対応する画像形成ユニットの現像装置430は、ブラック色のトナーを感光体ドラム410に供給する。
【0046】
画像形成ユニット400は、クリーニング装置440を更に備える。クリーニング装置440は、トナー画像の転写後の感光体ドラム410の周面に残るトナーを除去する。感光体ドラム410からのトナー画像の転写(一次転写)は、後述される。
【0047】
クリーニング装置440によって清浄化された感光体ドラム410の周面は、再度、帯電器420に向かう。帯電器420は、感光体ドラム410の周面を、再度、帯電する。露光装置200は、帯電された感光体ドラム410の周面に静電潜像を、新たに形成する。
【0048】
複写機100は、マゼンタ色のトナーを収容するトナーコンテナ43Mと、シアン色のトナーを収容するトナーコンテナ43Cと、イエロ色のトナーを収容するトナーコンテナ43Yと、ブラック色のトナーを収容するトナーコンテナ43Bkと、を更に備える。トナーコンテナ43Mは、マゼンタ成分に対応する画像形成ユニット400の現像装置430にトナーを供給する。トナーコンテナ43Cは、シアン成分に対応する画像形成ユニット400の現像装置430にトナーを供給する。トナーコンテナ43Yは、イエロ成分に対応する画像形成ユニット400の現像装置430にトナーを供給する。トナーコンテナ43Bkは、ブラック成分に対応する画像形成ユニット400の現像装置430にトナーを供給する。
【0049】
複写機100は、トナーコンテナ43M,43C,43Y,43Bkと画像形成ユニット400との間に形成された転写部500を更に備える。転写部500は、感光体ドラム410からトナー画像を転写される転写ベルト510と、転写ベルト510を駆動する駆動ローラ520と、駆動ローラ520の左方に配設される従動ローラ530と、駆動ローラ520と従動ローラ530との間で転写ベルト510に張力を与えるテンションローラ540と、を含む。転写ベルト510は、駆動ローラ520、従動ローラ530及びテンションローラ540の周囲を走行する。
【0050】
転写部500は、4つの転写ローラ550を更に備える。4つの転写ローラ550は、4つの感光体ドラム410それぞれの上方に配設される。転写ベルト510は、転写ローラ550と感光体ドラム410とに挟まれ、ニップ部を形成する。ニップ部において、感光体ドラム410から転写ベルト510へトナー画像が転写される。
【0051】
マゼンタ成分に対応する画像形成ユニット400の感光体ドラム410と転写ローラ550との間を通過する転写ベルト510の外面にマゼンタ色のトナー画像が転写される。その後、転写ベルト510がシアン成分に対応する画像形成ユニット400の感光体ドラム410と転写ローラ550との間を通過すると、マゼンタ色のトナー画像にシアン色のトナー画像が重ね塗りされる。更にその後、転写ベルト510がイエロ成分に対応する画像形成ユニット400の感光体ドラム410と転写ローラ550との間を通過すると、イエロ色のトナー画像が更に重ね塗りされる。最後に、転写ベルト510がブラック成分に対応する画像形成ユニット400の感光体ドラム410と転写ローラ550との間を通過すると、ブラック色のトナー画像が更に重ね塗りされ、フルカラーのトナー画像が完成する。
【0052】
転写部500は、駆動ローラ520に隣接する転写ローラ560を更に備える。カセット140から搬送されたシートSは、駆動ローラ520と転写ローラ560との間を通過する。この間、上述の如く、転写ベルト510上に形成されたトナー画像はシートSに静電気的に転写される。
【0053】
転写部500は、クリーニング装置570を更に備える。クリーニング装置570は、シートSへトナー画像を転写した後の転写ベルト510の外面に残留するトナーを除去する。
【0054】
カセット140は、シートSの束が載置されるリフト板141を備える。リフト板141の基端部142は、カセット140の側壁に回動可能に取り付けられる。
【0055】
カセット140は、リフト板141を上方に付勢する付勢機構143を更に備える。複写機100は、リフト板141上のシートSの先頭縁の上方に配設されたピックアップローラ151を更に備える。付勢機構143がリフト板141の先端を上方に押し上げると、シートSの先頭縁は、ピックアップローラ151に押しつけられる。ピックアップローラ151が回転すると、シートSは、カセット140の外に搬送される。
【0056】
複写機100は、ピックアップローラ151の下流に配設される給紙ローラ152と、給紙ローラ152に隣接するリタードローラ153と、を更に備える。給紙ローラ152は、シートSを更に下流に搬送するように回転する。ピックアップローラ151が単数枚のシートSをカセット140から搬送するとき、リタードローラ153はシートSの搬送に従って回転する。ピックアップローラ151が複数枚のシートSをカセット140から搬送するとき、リタードローラ153のトルクリミッタ(図示せず)が作動し、リタードローラ153は停止する。したがって、リタードローラ153は、シートSの搬送に抗する摩擦力を生じさせる。この結果、給紙ローラ152に直接的に接触するシートSのみが更に下流に搬送される。残りのシートSは、リタードローラ153の手前で留められる。かくして、シートSは、1枚ずつ下流へ搬送される。
【0057】
下部筐体111内には、給紙ローラ152から転写ローラ560まで延びる給紙搬送路154が形成される。複写機100は、給紙搬送路154に沿って配設される搬送ローラ対155及びレジストローラ対156を更に備える。給紙ローラ152によって下流に送り出されたシートSは、搬送ローラ対155によってレジストローラ対156に送られる。レジストローラ対156は、転写ベルト510上におけるフルカラーのトナー画像の形成のタイミングと合わせて、駆動ローラ520と転写ローラ560との間にシートSを送り出す。上述の如く、フルカラーのトナー画像は、駆動ローラ520と転写ローラ560との間で、シートSに転写される。
【0058】
複写機100は、シートSにトナー画像を定着させる定着装置600を更に備える。定着装置600は、シートSに熱エネルギを与える加熱ベルト610と、加熱ベルト610を加熱する加熱ローラ620と、加熱ローラ620と協働して加熱ベルト610を駆動する定着ローラ630と、を備える。加熱ベルト610は、加熱ローラ620及び定着ローラ630の周囲を周回する。
【0059】
定着装置600は、加熱ベルト610に圧接される加圧ローラ640を更に備える。加熱ベルト610は、定着ローラ630と加圧ローラ640とに挟まれ、ニップ部を形成する。シートSがニップ部を通過するとき、トナーが溶融され、トナー画像は、シートSに定着される。
【0060】
定着装置600の下流において、シートSを案内する搬送路は、空間DRに向かう排出搬送路157と、筐体110の右側壁117に向けて湾曲する戻し搬送路158と、に分岐する。
【0061】
複写機100は、排出搬送路157の終端に配設された排出ローラ対159を更に備える。使用者が、操作パネル120を操作し、片面印刷を指示すると、排出ローラ対159は、シートSを空間DRに排出する。使用者が、操作パネル120を操作し、両面印刷を指示すると、排出ローラ対159は、所定の長さだけシートSを空間DRに送り出した後、逆回転する。この結果、シートSは、戻し搬送路158に送り出される。
【0062】
戻し搬送路158は、右側壁117に沿って下方に延び、その後、給紙搬送路154に向けて湾曲する。戻し搬送路158及び給紙搬送路154は、レジストローラ対156の手前で合流する。
【0063】
レジストローラ対156は、再度、シートSを駆動ローラ520と転写ローラ560との間に送り出す。この結果、シートSの両面に画像が形成される。シートSが定着装置600を、再度、通過すると、新たに形成されたトナー画像がシートSに定着される。その後、シートSは、排出ローラ対159によって空間DRに排出される。
【0064】
複写機100は、上部筐体112内に配設された読取装置700を更に備える。読取装置700は、上部筐体112の上面に設置された原稿に向けて光を照射する光源710と、原稿からの反射光を受け、反射光の光路を形成する複数のミラー720と、反射光を電気信号に変換し、画像データを生成する生成部730と、を備える。上述の露光装置200は、生成部730によって生成された画像データに基づき、レーザ光を走査する。
【0065】
下部筐体111は、露光装置200を支持する支持枠体300を位置決めするための位置決め壁310を更に備える。位置決め壁310は、左側壁115に対向する。図2及び図3に関連して説明された如く、挿入口116を通じて、露光装置200を支持する支持枠体300が下部筐体111に挿入されると、位置決め壁310は、支持枠体300と噛み合い、筐体110に対して、支持枠体300並びに露光装置200を位置決めする。
【0066】
(支持構造体)
図5は、露光装置200を支持する支持枠体300の概略的な斜視図である。図6は、図5に示される支持枠体300の概略的な底面図である。
【0067】
支持枠体300は、挿入方向に延びる第1フレーム板320及び第1フレーム板320に対向する第2フレーム板330を備える。露光装置200は、略平行に配置された第1フレーム板320及び第2フレーム板330の間に配置並びに支持される。本実施形態において、挿入方向に対して略直交する方向は、露光装置200の主走査方向となる。
【0068】
支持枠体300は、第1フレーム板320の右端部及び第2フレーム板330の右端部に接続される第3フレーム板340を更に備える。第1フレーム板320は、主走査方向に延びる第3フレーム板340に対して突出する垂直舌片321を含む。同様に、第2フレーム板330は、主走査方向に延びる第3フレーム板340に対して突出する垂直舌片331を含む。第3フレーム板340は、水平舌片341を含む。水平舌片341は、第3フレーム板340の長手方向の略中央から右方に突出する。垂直舌片321,331は、垂直方向の支持枠体300の位置決めに用いられる。水平舌片341は、水平方向の支持枠体300の位置決めに用いられる。
【0069】
支持枠体300は、第3フレーム板340に対向する第4フレーム板350を更に備える。第4フレーム板350は、第1フレーム板320の左端部及び第2フレーム板330の左端部に接続される。
【0070】
第2フレーム板330は、露光装置200を駆動するための駆動力を発生する駆動モータ334と、駆動モータ334の駆動力を露光装置200へ出力する駆動ユニット335と、を含む。本実施形態において、駆動ユニット335は、出力要素として例示される。また、駆動モータ334及び駆動ユニット335は、駆動部として例示される。加えて、第2フレーム板330は、駆動側板として例示される。また、第2フレーム板330に接続される第3フレーム板340及び第4フレーム板350並びに第3フレーム板340及び第4フレーム板350を介して第2フレーム板330に接続される第1フレーム板320は、フレーム要素として例示される。
【0071】
図7は、左側壁115に形成された挿入口116を通じて観察される複写機100の内部構造を示す。尚、図7に示される複写機100からは、支持枠体300並びに露光装置200は除去されている。図4乃至図7を用いて、位置決め壁310が説明される。
【0072】
位置決め壁310は、挿入口116を通じて観察される。位置決め壁310は、支持枠体300に対向する内壁面315を含む。内壁面315には、垂直方向に延びる一対の垂直スリット311及び水平方向に延びる水平スリット312が形成される。垂直スリット311は、垂直舌片321,331の断面と相補的に(略等しい高さ寸法に)形成される。支持枠体300が下部筐体111に挿入されると、垂直舌片321,331は、垂直スリット311に挿入される。この結果、支持枠体300の垂直方向の位置決めがなされる。水平スリット312は、水平舌片341の断面と相補的に(略等しい幅寸法に)形成される。支持枠体300が下部筐体111に挿入されると、水平舌片341は、水平スリット312に挿入される。この結果、支持枠体300の水平方向の位置決めがなされる。
【0073】
図8は、露光装置200の概略的な斜視図である。図9は、支持枠体300の概略的な斜視図である。図2、図5、図8及び図9を用いて、露光装置200が説明される。
【0074】
露光装置200は、静電潜像を形成する光を走査するための様々な光学素子(図示せず)と、光学素子を収容する筐体210とを備える。筐体210は、第1フレーム板320に沿う正面壁211と、第2フレーム板330に沿う背面壁212と、を含む。正面壁211は、第1フレーム板320へ向けて延出する略円筒形状の第1ボス213及び第2ボス214を備える。本実施形態において、筐体210は、収容箱体として例示される。
【0075】
第1フレーム板320の上縁には、第1ボス213の下部及び第2ボス214下部に相補的な切欠部326が形成される。第1ボス213及び第2ボス214は、第1フレーム板320の切欠部326に挿入される。第1ボス213及び第2ボス214が切欠部326に噛み合うことにより、露光装置200は、第1フレーム板320に支持される。
【0076】
第1ボス213と第2ボス214との間には取付穴215が形成される。第1フレーム板320には、取付穴215と連通する開口部327が形成される。使用者は、適切な固定具(例えば、ねじやビス)を取付穴215に螺合し、筐体210を第1フレーム板320に固定することができる。
【0077】
正面壁211には、筐体210の内部に連通する調整穴216が形成される。第1フレーム板320に形成された開口部327は、調整穴216とも連通する。使用者は、調整穴216を通じて、筐体210の内部に工具の先端を挿入し、筐体210内部の光学素子の設定を調整することができる。かくして、4つの露光装置200の光学的設定は、複写機100の筐体110に対して適切に位置決めされた支持枠体300に対して、個別に適切に調整される。
【0078】
筐体210は、防塵ガラスから形成される略矩形状の窓部219を含む。筐体210の上面の右縁に沿う窓部219は、露光装置200の主走査方向に延びる。筐体210内に配設された光源からのレーザ光線は、窓部219を透過し、感光体ドラム410の周面に照射される。
【0079】
露光装置200は、窓部219を清掃する清掃部230を含む。清掃部230は、窓部219の左縁に沿って延びるスクリュシャフト231と、スクリュシャフト231に取り付けられたリング部232と、リング部232から延出し、窓部219に接触するワイパ部233とを含む。駆動モータ334からの駆動力は、駆動ユニット335を介して、スクリュシャフト231に伝達される。この結果、スクリュシャフト231は双方向に回転する。リング部232はスクリュシャフト231の双方向の回転によって、主走査方向に往復移動可能である。かくして、窓部219はワイパ部233によって好適に清掃される。
【0080】
図10は、第1フレーム板320への露光装置200の接続に用いられる固定片の概略的な斜視図である。図2、図5、図8乃至図10を用いて、第1フレーム板320への露光装置200の接続が説明される。
【0081】
露光装置200は、上方から支持枠体300内へ挿入される。この結果、第1ボス213及び第2ボス214は、第1フレーム板320に形成された切欠部326に挿入される。
【0082】
複写機100は、略矩形状の固定片250を更に備える。支持枠体300内に挿入された露光装置200は、固定片250を用いて支持枠体300に固定される。固定片250には、第1ボス213に相補的な形状をなす第1穴部251と第2ボス214に相補的な形状をなす第2穴部252が形成される。
【0083】
第1穴部251には、第1フレーム板320に取付られた第1ボス213の先端部が挿入される。また、第2穴部252には、第1フレーム板320に取付られた第2ボス214が挿入される。
【0084】
固定片250には、貫通穴253が形成される。第1フレーム板320には、第1穴部251及び第2穴部252それぞれの下方に形成された一対の貫通穴253に連通するネジ穴328が形成されてもよい。使用者は、ビスやねじといった適切な固定具を貫通穴253に挿通させ、第1フレーム板320のネジ穴328に螺合させてもよい。この結果、固定片250は、第1フレーム板320に固定され、露光装置200の上下方向の移動は、適切に規制される。
【0085】
第1穴部251と第2穴部252との間の略中間位置に貫通穴254が更に形成される。貫通穴254は、露光装置200の正面壁211に形成された取付穴215に連通する。使用者は、ねじやビスといった適切な固定具を、貫通穴254を通じて、取付穴215に螺合させることができる。かくして、固定片250、第1フレーム板320及び露光装置200の連結が達成される。
【0086】
固定片250は、略円筒状の突出筒255を含む。突出筒255の内部空間は、露光装置200の正面壁211に形成された調整穴216に連通する。使用者は、所定の工具を突出筒255に挿入し、露光装置200の光学素子の調整することができる。
【0087】
図11は、露光装置200と第2フレーム板330との間の接続構造を示す斜視図である。図2、図5、図9及び図11を用いて、露光装置200と第2フレーム板330との間の接続が説明される。
【0088】
露光装置200の背面壁212は、第2フレーム板330に向けて延出する円筒状の第3ボス217を備える。第2フレーム板330には、第3ボス217の下部に相補的な切欠部332が形成される。第1ボス213の略反対側の位置に形成される第3ボス217は、第2フレーム板330に形成された切欠部332に挿入される。第3ボス217が、切欠部332に噛み合うことにより、露光装置200は、第2フレーム板330に支持される。本実施形態において、第3ボス217は、突出部として例示される。
【0089】
背面壁212は、第2フレーム板330に向けて延出するアーム部218を更に備える。アーム部218は、第2ボス214の略反対側の位置に形成される。アーム部218は、第2フレーム板330の上縁面333に沿って延びる。
【0090】
複写機100は、吸収部材260を更に備える。吸収部材260は、第2フレーム板330の上縁面333上に載置される。アーム部218は、吸収部材260上に据え付けられる。吸収部材260としては、例えば、ゴム板片が好適に用いられる。
【0091】
スクリュシャフト231は、入力ギア234を備える。スクリュシャフト231の端部に取り付けられた入力ギア234には、駆動モータ334からの駆動力が入力される。本実施形態において、入力ギア234は、入力要素として例示される。
【0092】
図12は、支持枠体300の概略的な正面図である。図3、図5、図6及び図12を用いて、露光装置200の冷却が説明される。以下の第1フレーム板320に関連する説明は、第2フレーム板330にも同様に適用される。
【0093】
露光装置200は、典型的には、レーザ光を作り出す光源(図示せず)やレーザ光を走査するためのポリゴンミラーを回転させるためのモータ(図示せず)を備える。露光装置200の光学的な構造は、既知の画像形成装置に用いられる露光装置と同様であってもよい。
【0094】
図6に示される如く、露光装置200は、上述の光源やモータからの熱を筐体210の外に放出するためのヒートシンク220を更に備える。ヒートシンク220は、筐体210の底面に取り付けられる。
【0095】
第1フレーム板320は、下方に隆起する隆起部322と、隆起部322に対して外方に折り曲げられた下帯部323とを更に備える。支持枠体300が下部筐体111に挿入されている間或いは支持枠体300が下部筐体111から引き出されている間、下帯部323の外縁324は、図3に関連して説明された突条162の内面163上を摺動する。かくして、下部筐体111内での支持枠体300の移動が適切に制御される。
【0096】
上述のヒートシンク220からの熱は、第1フレーム板320の隆起部322、第2フレーム板330の隆起部、支持プレート160及び露光装置200の筐体210の底面に囲まれる空間内に放出される。
【0097】
複写機100は、ファンといった送風装置(図示せず)を更に備えてもよい。送風装置は、複写機100の筐体110内での空気の流動を引き起こす。隆起部322には、多数の通風口325が形成される。通風口325は、第1フレーム板320の隆起部322、第2フレーム板330の隆起部、支持プレート160及び露光装置200の筐体210の底面に囲まれた空間内への空気の流入及び/又は当該空間からの空気の流出を促す。かくして、露光装置200の放熱効率が向上する。
【0098】
図13は、露光装置200を支持する支持枠体300の概略的な斜視図である。図5及び図13を用いて、支持枠体300が更に説明される。
【0099】
第1フレーム板320は、第4フレーム板350に対して水平方向に嵌入される単数の水平ビス361と、垂直方向に嵌入される単数の垂直ビス362とを用いて接続される。また、同様に、第1フレーム板320は、第3フレーム板340に対して水平方向に嵌入される単数の水平ビス361と、垂直方向に嵌入される単数の垂直ビス362とを用いて接続される。
【0100】
第2フレーム板330は、第4フレーム板350に対して水平方向に嵌入される単数の水平ビス361と、垂直方向に嵌入される単数の垂直ビス362とを用いて接続される。また、同様に、第2フレーム板330は、第3フレーム板340に対して水平方向に嵌入される単数の水平ビス361と、垂直方向に嵌入される単数の垂直ビス362とを用いて接続される。
【0101】
水平ビス361及び垂直ビス362の挿入のために、第1フレーム板320、第2フレーム板330、第3フレーム板340及び/又は第4フレーム板350にそれぞれ形成された貫通穴の公差は、支持枠体300に支持される露光装置200の自重による第1フレーム板320、第2フレーム板330、第3フレーム板340及び/又は第4フレーム板350の微少変位を許容する。したがって、支持枠体300は、露光装置200の自重によって、複写機100の筐体110の形状に合わせて変形可能である。
【0102】
図14は、露光装置200を支持する支持枠体300の概略的な斜視図である。図15は、複写機100の筐体110内に収容された支持枠体300の概略的な斜視図である。図5、図7、図13乃至図15を用いて、支持枠体300が更に説明される。
【0103】
第1フレーム板320は、第4フレーム板350に対して突出する舌片329を含む。同様に、第2フレーム板330は、第4フレーム板350に対して突出する舌片339を含む。支持枠体300は、第4フレーム板350に隣接する取付板370を更に備える。取付板370には、スリット穴371が形成される。舌片339は、スリット穴371を通じて、取付板370から突出する。
【0104】
上述の如く、支持枠体300は、露光装置200の自重によって、変形する。したがって、舌片329,339は、スリット穴371の輪郭をなす周縁の下端に当接される。同様に、垂直舌片321,331は、垂直スリット311の輪郭をなす周縁の下端に当接される。図15に示される如く、取付板370は、複写機100の筐体110に取り付けられる。かくして、支持枠体300は、筐体110に対して、適切に固定される。
【0105】
図16は、支持プレート160上に載置された支持枠体300の概略的な斜視図である。図4、図5及び図16を用いて、支持枠体300が更に説明される。
【0106】
支持枠体300は、上述の如く、露光装置200の自重に従って、微少変形する。したがって、支持枠体300は、支持プレート160の上面からほとんど浮き上がることなく、支持プレート160によって適切に支持される。
【0107】
露光装置のような高精度の設置が要求される処理装置を支持する支持構造体の構成要素は、一般的に、溶接によって接合される。したがって、一般的な支持構造体は、比較的高い剛性を有する。高い剛性を有する支持構造体は、それ自体で、処理装置の支持面を規定する。したがって、支持構造体によって支持される処理装置の位置は、処理装置を収容する筐体に対してではなく、支持構造体によって規定される支持面に対して定められる。このことは、処理装置を収容する筐体内に収容される他の装置との相対位置に対して、ずれを生じさせる。
【0108】
本実施形態において、支持枠体300の剛性は比較的低い。支持枠体300は、支持プレート160に沿うので、露光装置200は、筐体110内の感光体ドラム410に対する位置が適切に定められる。
【0109】
舌片329,339及び垂直舌片321,331を用いた支持枠体300に対する支持は、比較的低い剛性の支持枠体300の支持に好適である。4或いはそれ以上の点で支持枠体300が支持される結果、筐体110内での支持枠体300の安定性が保たれる。
【0110】
(駆動部と露光装置との接続)
図17は、露光装置200と駆動ユニット335との接続を示す概略的な斜視図である。図18は、駆動ユニット335の概略的な斜視図である。図19は、駆動ユニット335が組み込まれた第2フレーム板330の概略的な斜視図である。図5、図9乃至図11、図17乃至図19を用いて、露光装置200と駆動ユニット335との接続が説明される。
【0111】
図19に示される如く、第2フレーム板330は、駆動ユニット335を支持するフレーム板金336を含む。駆動ユニット335は、スクリュシャフト231の端部に設けられた入力ギア234と噛み合う出力ギア337と、駆動モータ334からの駆動力を出力ギア337へ伝達するための伝達ギア群(図示せず)と、伝達ギア群を収容する筐体338と、を含む。
【0112】
フレーム板金336には、略U字形のノッチ392が形成される。筐体338は、ノッチ392に連なる支持面391を含む。ノッチ392及び支持面391は、上述の第2フレーム板330の切欠部332を形成する。露光装置200の第3ボス217は、切欠部332の輪郭を形成する弧状の支持面391によって支持される。本実施形態において、支持面391は、縁面として例示される。
【0113】
露光装置200の第1ボス213と第1フレーム板320に形成された切欠部326及び/又は固定片250の第1穴部251との間の公差並びに露光装置200の第2ボス214と第1フレーム板320に形成された切欠部326及び/又は固定片250の第2穴部252との間の公差は、上述の支持枠体300の変形の間の支持枠体300に対する露光装置200の微少変位を許容する。切欠部332(支持面391)は、第3ボス217の弧状の周面と相補的な弧状輪郭を有する。露光装置200が支持枠体300に対して変位している間、支持面391は第3ボス217を摺動可能に支持する。
【0114】
図11に示される如く、入力ギア234と第3ボス217との位置関係は、露光装置200の筐体210によって規定される。また、切欠部332と出力ギア337との位置関係は、駆動ユニット335の筐体338によって規定される。したがって、第3ボス217が切欠部332に収容されている間、入力ギア234と出力ギア337との位置関係は略一定に保たれる。かくして、支持枠体300に対して露光装置200が変位しても、入力ギア234と出力ギア337との位置関係は適切に保たれる。
【0115】
上述の実施形態の原理は、画像形成装置以外の装置にも適用可能である。上述の実施形態において、複写機100は処理装置として例示され、露光装置200は、処理ユニットとして例示されている。代替的に、露光装置200に代えて、所定の処理を行う他の処理装置が用いられてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0116】
本実施形態の原理は、所定の処理を行う処理装置に好適に適用される。
【符号の説明】
【0117】
100・・・・・複写機(画像形成装置:処理装置)
110・・・・・筐体
200・・・・・露光装置(処理ユニット)
210・・・・・筐体(収容箱体)
217・・・・・第3ボス(突出部)
219・・・・・窓部
230・・・・・清掃部
234・・・・・入力ギア(入力要素)
300・・・・・支持枠体(支持構造体)
320・・・・・第1フレーム板(フレーム要素)
330・・・・・第2フレーム板(駆動側板)
332・・・・・切欠部
334・・・・・駆動モータ(駆動部)
335・・・・・駆動ユニット(出力要素:駆動部)
340・・・・・第3フレーム板(フレーム要素)
350・・・・・第4フレーム板(フレーム要素)
391・・・・・支持面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯電された画像形成面に光を照射し、静電潜像を形成する露光装置と、
該露光装置を支持する支持構造体と、
前記露光装置を収容する筐体と、を備え、
該筐体に対して挿脱可能に形成された前記支持構造体は、前記露光装置を駆動する駆動力を出力する出力要素を有する駆動部を含む駆動側板と、該駆動側板に接続され、該駆動側板と協働して前記支持構造体を形成するフレーム要素と、を含み、
前記露光装置は、前記光を走査する光学素子を収容する収容箱体と、前記駆動部から前記駆動力が入力される入力要素と、を含み、
前記収容箱体は、前記駆動側板に向けて突出する突出部を含み、
前記露光装置の自重により前記フレーム要素に対して変位可能な前記駆動側板は、前記突出部が収容される切欠部の輪郭を形成する縁面を含み、
該縁面は、前記突出部を摺動可能に支持することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記駆動側板が前記フレーム要素に対して変位したとき、前記露光装置が前記支持構造体に対して変位するように、前記支持構造体は前記露光装置を支持することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記突出部は、弧状の周面を含み、
前記切欠部は、前記突出部の前記弧状の周面に対して相補的な弧状の輪郭を有することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記フレーム要素に対する前記駆動側板の変位の間、前記切欠部と前記出力要素との位置関係は一定に保たれることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記収容箱体は、前記画像形成面に向かう光を透過する窓部を含み、
前記露光装置は、前記窓部を清掃する清掃部を含み、
前記駆動部は、前記清掃部を駆動することを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
所定の処理を行う処理ユニットと、
該処理ユニットを支持する支持構造体と、
前記処理ユニットを収容する筐体と、を備え、
該筐体に対して挿脱可能に形成された前記支持構造体は、前記処理ユニットを駆動する駆動力を出力する出力要素を有する駆動部を含む駆動側板と、該駆動側板に接続され、該駆動側板と協働して前記支持構造体を形成するフレーム要素と、を含み、
前記処理ユニットは、前記駆動側板に向けて突出する突出部と、前記駆動部から前記駆動力が入力される入力要素と、を含み、
前記処理ユニットの自重により前記フレーム要素に対して変位可能な前記駆動側板は、前記突出部が収容される切欠部の輪郭を形成する縁面を含み、
該縁面は、前記突出部を摺動可能に支持することを特徴とする処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−159622(P2012−159622A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−18284(P2011−18284)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】