説明

画像形成装置及び制御プログラム

【課題】製本された各原稿の読み取りと並行して読み取った原稿の画像形成ができるようにする。
【解決手段】画像形成装置は、製本された各原稿を順次読み取り、画像データを取得する原稿読取装置10と、原稿読取装置10が順次取得した各画像データをそれぞれ前半ページの画像データと後半ページの画像データとに順次分割する画像分割部212と、原稿読取装置10による原稿の読み取り中に、前半ページの各画像データと後半ページの各画像データの一方に基づく画像形成を、前半ページの各画像データと後半ページの各画像データの他方に基づく画像形成に先立って開始する画像出力制御部210及び画像形成ユニット220と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び制御プログラムである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、製本ページ連写モードが設定されると、用紙束の用紙毎に、その用紙の一方の面の左半分の画像、その一方の面の右半分の画像、他方の面の左半分の画像、他方の面の右半分の画像を読み取るようにリーダ部が制御されるとともに、各読み取られた左半分、右半分の画像毎にその画像を1枚の記録紙に形成するようにプリンタ部を制御する画像形成装置が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、製本モードの各原稿の両面を順に読み取り、読み取った画像データを分割して記憶部に記憶し、その記憶部上で画像データを正しい順序に再配列した後に、再配列されたページを出力する画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−23329号公報
【特許文献2】特開2007−324739号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、製本された各原稿の読み取りと並行して読み取った原稿の画像形成ができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、製本された各原稿を順次読み取り、画像データを取得する取得手段と、前記取得手段が順次取得した各画像データをそれぞれ前半部分の画像データと後半部分の画像データとに順次分割する分割手段と、前記分割手段が分割した前記前半部分の各画像データ及び前記後半部分の各画像データを基に、記録媒体に画像形成する画像形成手段と、前記取得手段による前記原稿の読み取り中に、前記前半部分の各画像データと前記後半部分の各画像データとの一方に基づく前記画像形成を、前記前半部分の各画像データと前記後半部分の各画像データとの他方に基づく前記画像形成に先立って開始する開始手段と、を備える画像形成装置である。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1の記載において、前記画像形成手段は、前記前半部分の画像データ又は前記後半部分の画像データが、前記原稿において何も印刷されていない部分のものであるときは、該画像データを基に前記画像形成をしない画像形成装置である。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の記載において、前記前半部分の各画像データと前記後半部分の各画像データとの他方が蓄積される蓄積手段を備え、前記画像形成手段は、前記蓄積手段に蓄積された前記前半部分の各画像データと前記後半部分の各画像データとの他方を基に、記録媒体に画像形成する画像形成装置である。
【0008】
請求項4に記載の発明は、製本された各原稿を順次読み取り、画像データを取得する取得手段と、前記取得手段が順次取得した各画像データをそれぞれ前半部分の画像データと後半部分の画像データとに順次分割する分割手段と、前記分割手段が分割した前記前半部分の各画像データ及び前記後半部分の各画像データを基に、記録媒体に画像形成する画像形成手段と、前記取得手段による前記原稿の読み取り中に、前記前半部分の各画像データと前記後半部分の各画像データとの一方に基づく前記画像形成を、前記前半部分の各画像データと前記後半部分の各画像データとの他方に基づく前記画像形成に先立って開始する開始手段と、をコンピュータに実行させるコンピュータに読取可能な制御プログラムである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1、4に記載の発明によれば、製本された各原稿の読み取りと並行して読み取った原稿の画像形成ができる。
請求項2に記載の発明によれば、原稿において何も印刷されていない部分の画像形成も行う場合と比較して、全原稿についての画像形成完了時間を早くできる。
請求項3に記載の発明によれば、前半部分の各画像データと後半部分の各画像データとの他方だけを蓄積手段に蓄積するだけなので、本構成を備えない場合に比べ、蓄積手段の記憶容量を少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態の画像形成装置の構成を示す図である。
【図2】画像形成装置において電気的に接続される構成を示すブロック図である。
【図3】原稿読取装置の構成を示す図である。
【図4】処理装置の構成を示すブロック図である。
【図5】製本された原稿の説明に使用した図である。
【図6】製本された原稿の説明に使用した図であり、冊子の状態として示す図である。
【図7】画像出力制御部を機能的に示すブロック図である。
【図8】出力形式判定部の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】出力形式判定部が製本原稿対応の出力を行う決定をした場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】原稿読取装置が取得した画像データの説明に使用した図である。
【図11】画像出力制御部の処理内容の説明に使用した図である。
【図12】画像形成装置により画像形成された記録媒体の説明に使用した図である。
【図13】画像形成された記録媒体の排出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本実施形態の画像形成装置の概略構成図である。図2は、画像形成装置において電気的に接続される構成を示すブロック図である。
図1及び図2に示すように、画像形成装置は、原稿読取装置10及び画像形成装置本体200を有する。また、図2に示すように、画像形成装置は、システム制御部201、記憶部202、ユーザーインターフェース203、画像出力制御部210、画像形成ユニット220、及びHDD(Hard Disk Drive)204を有する。図2に示すように、これらシステム制御部201等の相互間、及びこれらシステム制御部201等と原稿読取装置10との間は電気的に接続されデータの送受信が可能とされている。また、図2に示すように、システム制御部201、記憶部202、ユーザーインターフェース203、画像出力制御部210、画像形成ユニット220、及びHDD204は、画像形成装置本体200において構成されている。例えば、システム制御部201及び記憶部202は、画像形成装置において演算処理部として構成されている。
【0012】
システム制御部201は、画像形成装置全体の処理を行うように構成されている。記憶部202には、システム制御部201や画像出力制御部210等が処理に使用するプログラム202a及びデータ等が記憶されている。
ここで、プログラム202aは、画像形成装置の出荷時当初から記憶部202に記憶されているものとすることもできるが、出荷後に使用者等の作業によりCD−ROM等の記憶媒体から読み込まれて記憶部202に記憶されたものとすることもできる。
【0013】
ユーザーインターフェース203は、使用者に通知する内容を表示する表示デバイス(表示部)と使用者の指示内容が入力される入力部とを有する。例えば、製本された原稿を複製する場合、使用者は、ユーザーインターフェース203の表示部に表示される内容に従って原稿の複製に必要な情報を入力部に入力する。ここで、原稿の複製に必要な情報としては、原稿が製本されたものであることやその綴じ方向(右綴じ、左綴じ)、原稿読取装置10に読み取る際の原稿の画像の向き(原稿の取り込み方向)、出力形式(記録媒体の片面に1ページを出力、記録媒体の片面に集約ページを出力等)、複製部数等の情報がある。ユーザーインターフェース203からの入力情報は、システム制御部201や画像出力制御部210等に出力される。
【0014】
原稿読取装置10は、原稿を読み取って画像データを出力する。図3は、原稿読取装置10の概略構成を示す図である。図3に示すように、原稿読取装置10は、原稿送り装置20、スキャナ装置70、及び処理装置100を有する。
原稿送り装置20は、原稿供給部21、昇降支持部22、送り出しロール(ピックアップロール)23、供給ロール24、及びリタードロール25を有する。
【0015】
原稿供給部21は、原稿を置くことができるような形状をなしている。原稿供給部21は、昇降支持部22により昇降操作される。
送り出しロール23は、昇降支持部22により上昇させられた原稿供給部21上の原稿を原稿送り装置20内の第1搬送路41に送り出す。具体的には、送り出しロール23は、待機中には上昇して退避位置に保持され、原稿を送り出すときにニップ位置(原稿搬送位置)に降下して原稿供給部21上の原稿(原稿束では最上位の原稿)を第1搬送路41に送り出す。
【0016】
供給ロール24は、送り出しロール23により送り出された原稿を更に下流側に搬送する。送り出しロール23及び供給ロール24は、フィードクラッチ(図示せず)の連結によって原稿を搬送する。リタードロール25は、送り出しロール23により供給される原稿を1枚ずつ捌く。
【0017】
また、原稿送り装置20は、最初に原稿が搬送される第1搬送路41に、複数のロールを有する。具体的には、原稿送り装置20は、第1搬送路41に、テイクアウェイロール26、プレレジロール27、レジロール28、プラテンロール29、及びアウトロール30を有する。
【0018】
テイクアウェイロール26は、リタードロール25の下流側にあり、該リタードロール25により一枚ずつに捌かれた原稿を下流側のプレレジロール27に搬送する。プレレジロール27は、テイクアウェイロール26により搬送されてくる原稿を下流側のレジロール28に搬送する。
レジロール28は、原稿の読み込みの開始タイミングに合わせて回転しており、レジストレーション調整を施しながら原稿をプラテンロール29(スキャナ装置70)に供給する。
【0019】
プラテンロール29は、読み込み中の原稿の搬送を補助する。すなわち、プラテンロール29は、レジロール28により供給されてくる原稿をスキャナ装置70の後述の第2プラテンガラス73側に押圧する。アウトロール30は、読み込まれた原稿を更に下流に搬送する。
また、原稿送り装置20には、アウトロール30の下流側に、第2搬送路42及び第3搬送路43が設けられている。さらに、原稿送り装置20は、アウトロール30の下流側に、切替ゲート52及び第1排出ロール31を有する。
【0020】
切替ゲート52は、第2搬送路42と第3搬送路43との切り替えを行い、原稿の搬送方向を切り替える。具体的には、切替ゲート52は、片面原稿の読み取りを終了したときや両面原稿の両面読み取りを終了したときに、アウトロール30から供給される原稿を第2搬送路42に導くように切り替えられる。一方、切替ゲート52は、片面読み取り後の両面原稿を反転させるために、両面原稿を第3搬送路43に導くように切り替えられる。
【0021】
第1排出ロール31は、片面原稿の読み取り終了等したときに、アウトロール30から供給される原稿を排出部54に排出する。排出部54は、原稿が積載可能な形状をなしている。
また、原稿送り装置20には、第4搬送路44及び第5搬送路45が設けられている。これら第4及び第5搬送路44,45と前述の第3搬送路43は、原稿送り装置20において、原稿を反転させる搬送路を構成する。そのため、第3搬送路43と第4搬送路44とが繋がっており、第4搬送路44と第5搬送路45とが繋がっている。さらに、第5搬送路45と第1搬送路41とが繋がっている。
【0022】
原稿送り装置20は、第4搬送路44に、インバータロール32及びインバータピンチロール33を有する。インバータロール32及びインバータピンチロール33は、第3搬送路43を搬送されてきた原稿をスイッチバックさせる。具体的には、両面原稿を読み取りする際に、インバータピンチロール33は、図示しないフィードクラッチがオフの状態で退避されてニップが開放されて、第3搬送路43を搬送されてきた原稿を第4搬送路44に導いている。その後、インバータピンチロール33はニップされ、インバータロール32が、第5搬送路45を介して第1搬送路41に有るプレレジロール27に原稿を導いている。
【0023】
また、原稿送り装置20には、第6搬送路46が設けられている。第6搬送路46は、第3搬送部43から第4搬送路44に搬送された原稿を排出部54に排出するための搬送路となる。原稿送り装置20は、第6搬送路46に、切替ゲート53及び第2排出ロール34を有する。
【0024】
切替ゲート53は、第5搬送路45と第6搬送路46との切り替えを行い、原稿の搬送方向を切り替える。具体的には、切替ゲート53は、原稿を反転して排出させようとするとき、インバータピンチロール33により搬送されてくる原稿を第6搬送路46に導くように切り替えられる。第2排出ロール34は、第6搬送路46に搬送されてきた原稿を第1排出ロール31に搬送する。第1排出ロール31は、インバータピンチロール33から供給される原稿を排出部54に排出する。
【0025】
以上のような原稿読取装置10の構成により、片面原稿を読み取るときには、原稿供給部21に置かれた原稿は、送り出しロール23により原稿送り装置20内に送り出されて、その後、第1搬送路41を供給ロール24、テイクアウェイロール26、プレレジロール27、レジロール28により搬送される。そして、原稿は、スキャナ装置70の後述の第2プラテンガラス73上を通過する際にプラテンロール29により該第2プラテンガラス73側に押圧され、アウトロール30に搬送される。その後、原稿は、アウトロール30により第2搬送路42に導かれて、第1排出ロール31により排出部54に排出される。
【0026】
また、両面原稿を読み取るときには、片面原稿の読み取りと同様にして片面が読み取られた後、原稿は、アウトロール30により第3搬送路43を搬送されて、第4搬送路44に導かれる。そして、原稿は、第4搬送路44に有るインバータロール32及びインバータピンチロール33によりスイッチバックさせられ、第1搬送路41に有るプレレジロール27に導かれる。その後、原稿は、再度、第1搬送路41をプレレジロール27、レジロール28により搬送される。そして、原稿は、スキャナ装置70の後述の第2プラテンガラス73上を通過する際に該プラテンロール29により第2プラテンガラス73側に押圧され、アウトロール30に搬送される。その後、原稿は、アウトロール30により第2搬送路42に導かれて、第1排出ロール31により排出部54に排出される。
【0027】
図3に示すように、スキャナ装置70は、原稿送り装置20によって搬送されてきた原稿の画像読み取りを行うように構成されている。スキャナ装置70は、原稿送り装置20を装置フレーム71によって支えている。
スキャナ装置70は、装置フレーム71の上側面に、第1プラテンガラス72及び第2プラテンガラス73を有する。また、スキャナ装置70は、装置フレーム71内に、フルレートキャリッジ80、ハーフレートキャリッジ90、結像用レンズ74、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ75、及び駆動基板76を有する。
【0028】
第1プラテンガラス72には、画像を読み取るべき原稿が静止させられた状態で置かれる。第2プラテンガラス73は、原稿送り装置20によって搬送中の原稿を読み取るための光の開口部を構成する。第2プラテンガラス73は、長尺の板状構造の透明なガラスプレートである。
また、原稿送り装置20の一部がスキャナ装置70に支持されている。これにより、使用者は、第1プラテンガラス72から原稿の画像を読み取る際に、原稿送り装置20を持ち上げ第1プラテンガラス72上に読み取り対象の原稿を置くことができるようになる。
【0029】
フルレートキャリッジ80は、第2プラテンガラス73の下に静止し、第1プラテンガラス72の全体に亘ってスキャンして画像を読み取るように構成されている。具体的には、フルレートキャリッジ80は、照明ランプ81及び第1ミラー82を有する。このような構成により、フルレートキャリッジ80は、照明ランプ81から原稿に光を照射し、原稿から得られた反射光を第1ミラー82で受光しハーフレートキャリッジ90側に反射させる。
【0030】
ハーフレートキャリッジ90は、フルレートキャリッジ80から得られた光を像結合部(結像用レンズ74等)側に反射するように構成されている。具体的には、ハーフレートキャリッジ90は、第1ミラー82から得られた光を結像部に反射する第2ミラー91及び第3ミラー92を有する。
【0031】
結像用レンズ74は、第3ミラー92で得られる光学像を光学的に縮小する。CCDイメージセンサ75は、結像用レンズ74によって結像された光学像を光電変換する。駆動基板76は、CCDイメージセンサ75を駆動する。CCDイメージセンサ75によって得られた画像信号は、駆動基板76を介して処理装置100に送られる。
【0032】
以上のようなスキャナ装置70の構成において、第1プラテンガラス72上に置かれた原稿の画像を読み取る際には、フルレートキャリッジ80とハーフレートキャリッジ90とが、スキャン方向(図3に示す矢印方向)に移動する。このとき、フルレートキャリッジ80の照明ランプ81の光が原稿の被読み取り面に照射されると共に、その原稿からの反射光が、第1ミラー82、第2ミラー91及び第3ミラー92の順に反射されて結像用レンズ74に導かれる。結像用レンズ74に導かれた光は、CCDイメージセンサ75の受光面上に結像される。CCDイメージセンサ75は1次元のセンサであり、1ライン分を処理している。このライン方向(スキャンの主走査方向)の1ラインの読み取りが終了すると、副走査方向にフルレートキャリッジ80を移動させ、原稿の次のラインを読み取る。これを原稿サイズ全体に亘って実行することで、1ページの原稿読み取りを完了させる。
【0033】
一方、原稿送り装置20によって搬送される原稿の画像を読み取る際には、その原稿が第2プラテンガラス73上を通過するとき、フルレートキャリッジ80及びハーフレートキャリッジ90は、図3に示す実線の位置で停止した状態にある。この状態で、フルレートキャリッジ80の照明ランプ81の光が原稿の被読み取り面に照射されると共に、その原稿の1ライン目の反射光が、第1ミラー82、第2ミラー91及び第3ミラー92を経て結像用レンズ74に導かれる。結像用レンズ74に導かれた光は、CCDイメージセンサ75の受光面上に結像される。これにより、CCDイメージセンサ75によって画像が読み込まれる。すなわち、CCDイメージセンサ75によって主走査方向の1ライン分を処理した後、原稿送り装置20によって搬送される原稿の次の主走査方向の1ラインが読み込まれる。これにより、原稿の先端が第2プラテンガラス73の読み取り位置に到達し、原稿が第2プラテンガラス73の読み取り位置を通過することによって、副走査方向に亘って1ページの読み取りが完了する。
【0034】
図4は、処理装置100の概略構成を示すブロック図である。
図4に示すように、処理装置100は、信号処理部110及びスキャン動作制御部120を有する。
信号処理部110は、CCDイメージセンサ75が得た画像信号を処理する。そのため、信号処理部110は、AFE(Analog Front End)111、ADC(Analog to Digital Converter)112、ディジタル処理部113、及び画像メモリ114を有する。
【0035】
AFE111は、入力される画像信号に対してアナログ信号の処理を行う。ADC112は、AFE111が出力したアナログ信号をディジタル信号に変換する。画像メモリ114には、ADC112が出力したディジタル信号を基に画像データを書き込まれる。ディジタル処理部113は、ADC112が出力したディジタル信号、すなわち、画像メモリ114上の画像データに対してシェーディング補正やオフセット補正等の各種処理を施す。ディジタル処理部113により処理されたディジタル信号(画像データ)は、画像出力制御部210に出力される。
【0036】
スキャン動作制御部120は、スキャン動作に係る原稿送り装置20及びスキャナ装置70の動作を制御する。具体的には、スキャン動作制御部120は、両面読み取りの制御や片面読み取りの制御の各種の制御を含め、原稿送り装置20及びスキャナ装置70の全体を制御する。例えば、スキャン動作制御部120は、ユーザーインターフェース203を通じた使用者の選択(入力情報)等に基づいて、読み取りモードを設定し、原稿送り装置20及びスキャナ装置70を制御する。
【0037】
また、スキャン動作制御部120は、CCDイメージセンサ75やフルレートキャリッジ80の照明ランプ81を制御する。さらに、スキャン動作制御部120は、スキャナ装置70におけるモータのオン/オフ等を行い、フルレートキャリッジ80及びハーフレートキャリッジ90のスキャン動作を制御する。
そして、スキャン動作制御部120は、原稿送り装置20におけるモータの制御、各種ロールの動作、フィードクラッチの動作及びゲートの切り替え動作等を制御する。
【0038】
画像出力制御部210は、原稿読取装置10(処理装置100)からの画像データが入力されると、その画像データを基に、画像形成ユニット220による画像形成をするための処理を行う。なお、画像出力制御部210の処理等については後でさらに詳しく説明する。
具体的には、画像形成ユニット220は、図1に示すように、感光体ドラム221、画像書込装置222、現像器223、転写ローラ224、定着器225、及びクリーナー226を有する。このような構成からなる画像形成ユニット220の画像形成工程は次のようになる。
【0039】
感光体ドラム221では、図示しない帯電器によって表面が帯電された後、画像出力制御部210が得た画像データ(指令信号)を基に、画像書込装置222により露光され、静電潜像が形成される。一方、現像器223では、図示しないトナー収納容器からトナーが供給され、現像器223の内部で撹拌される。感光体ドラム221上に形成される静電潜像は、現像器223の例えば現像ローラを介して現像されて、感光体ドラム221上にトナー像が形成される。感光体ドラム221上に形成されたトナー像は、転写ローラ224が感光体ドラム221に接触して構成されている転写部にて記録媒体に転写され、定着器225にて加熱定着される。一方、転写後に感光体ドラム221上に残る残留トナーは、クリーナー226により感光体ドラム221上から剥ぎ取られて回収される。
【0040】
なお、画像形成装置としては、白黒の画像形成を行うもののみならず、カラーの画像形成を行うものについても本実施形態を適用することができる。
また、画像形成装置本体200には、画像形成装置本体200の下側に、記録媒体収容部241,242,243,244が内装されている。また、画像形成装置本体200内には、記録媒体搬送路261が上下方向に延びて設けられている。
【0041】
記録媒体収容部241,242,243,244は、記録媒体(例えば用紙束)が積載可能な形状をなしている。そして、記録媒体収容部241,242,243,244は、画像形成装置本体200内で上下方向に配列されて、それぞれが記録媒体搬送路261に隣り合うように配置されている。
【0042】
各記録媒体収容部241,242,243,244は、送り出しローラ251、供給ローラ252、及びリタードローラ253を有する。送り出しローラ251、供給ローラ252及びリタードローラ253は、記録媒体収容部241,242,243,244に収容されている記録媒体を記録媒体搬送路261に送り出す送出部を構成する。送り出しローラ251は、上下移動するように構成されている。
【0043】
画像形成装置本体200では、このような構成により、不図示のさばき装置が記録媒体をさばいて、送り出しローラ251、供給ローラ252及びリタードローラ253により記録媒体収容部241,242,243,244から記録媒体を1枚ずつ取り出し記録媒体搬送路261に送り出す。
【0044】
記録媒体搬送路261には、搬送ローラ262、第1及び第2切替ゲート263,264、搬送ローラ265、並びに第1、第2及び第3排出ローラ266,267,268が設けられている。また、画像形成装置本体200は、使用者が画像形成された記録媒体を取り出し可能な位置に第1、第2及び第3排出部271,272,273を有する。第1及び第2切替ゲート263,264、搬送ローラ265、並びに第1、第2、及び第3排出ローラ266,267,268は、これら第1、第2及び第3排出部271,272,273の何れかに記録媒体を排出する記録媒体の排出系を構成する。そして、記録媒体搬送路261の途中であって、この記録媒体の排出系と搬送ローラ262との間に位置するように画像形成ユニット220が配置されている。
【0045】
搬送ローラ262は、供給ローラ252により送り出された記録媒体を画像形成ユニット220に向けて記録媒体搬送路261を搬送する。
また、画像形成ユニット220から送り出された記録媒体は、記録媒体の排出系において、先ず第1切替ゲート263に搬送される。記録媒体の排出系では、この第1切替ゲート263と第2切替ゲート264との間に搬送ローラ265が配置されている。
【0046】
第1切替ゲート263は、画像形成ユニット220から送り出された記録媒体の搬送方向を切り替える。この第1切替ゲート263により、画像形成ユニット220から送り出された記録媒体は、搬送ローラ265及び第1排出ローラ266の何れかに搬送される。第1排出ローラ266に搬送された場合、記録媒体は、画像形成面(両面印刷の場合には、最初に画像形成された面)が下にされた状態で第2排出部272に排出される。また、搬送ローラ265に搬送された記録媒体は、第2切替ゲート264に向けて搬送される。
【0047】
第2切替ゲート264は、搬送ローラ265により搬送されてきた記録媒体の搬送方向を切り替える。この第2切替ゲート264により、搬送ローラ265により搬送されてきた記録媒体は、第2排出ローラ267及び第3排出ローラ268の何れかに搬送される。第2排出ローラ267に搬送された場合、記録媒体は、画像形成面が下にされた状態で第1排出部271に排出される。また、第3排出ローラ268に搬送された記録媒体は、画像形成面が上にされた状態で第3排出部(フェースアップ排出部)273に排出される。
【0048】
例えば、ユーザーインターフェース203に対して使用者が入力した指示内容や複製する原稿の情報を基に、第1、第2及び第3排出部271,272,273の何れかに記録媒体が排出される。
また、画像形成装置本体200は、記録媒体反転用搬送路274を有する。記録媒体反転用搬送路274は、記録媒体の両面に画像形成する場合に、片面に画像形成した後の記録媒体を転写部(感光体ドラム221と転写ローラ224との接触部)に反転して送るための搬送路である。
【0049】
また、画像形成装置本体200は、その側面に、手差し供給部275を有する。
ここで、以上のような構成の画像形成装置で製本された原稿を複製する場合を考えてみる。
【0050】
先ず、図5及び図6を用いて、ここでいう製本された原稿(又は製本モードの原稿ともいう。)について説明する。
製本された原稿とは、図5に示すように、1枚の原稿の両面に2ページずつを割り付けて画像が印刷されており、図6に示すように、その原稿を重ねて二つ折りにした冊子にしたときに正しい順序でページ(本例では8ページ)が並ぶ原稿をいう。これにより、製本された原稿では、1枚目の表面の一方に1ページ目の画像が形成され、1枚目の表面の他方に最終ページ目の画像が形成されている。なお、図5に示す製本された原稿は、左綴じで製本された原稿となる。
【0051】
以上のような構成の画像形成装置で、このような製本された原稿を複製しようとする場合、製本された各原稿を原稿読取装置10で順次読み取ってそれぞれ画像データを取得し、その各画像データをHDD等の記憶部に記憶することが考えられる。そして、記憶部内で各画像データを分割して、分割して得た各画像データを原稿のページ順に配列させてから、その配列順の画像データに従って、画像形成ユニット220で画像形成することが考えられる。
【0052】
しかし、これだと、原稿読取装置10で製本された各原稿の全てを読み込んだ後に、画像形成ユニット220で画像形成が開始されることなる。このようなことから、このような構成と比較して、複製効率がより高い構成の提供が望まれる。
【0053】
次に、そのような複製効率を高くすることを実現する本実施形態における構成を説明する。
先ず、画像出力制御部210の処理等について詳しく説明する。図7は、画像出力制御部210を機能的に示すブロック図である。
【0054】
図7に示すように、画像出力制御部210は、出力判定部211、画像分割部212、画像記憶制御部213、画像判定部214、及び出力制御部215を有する。これら各部の処理を図8及び図9を用いて説明する。
【0055】
図8は、出力判定部211の処理手順を示すフローチャートである。
図8に示すように、先ずステップS1において、出力判定部211は、使用者によりユーザーインターフェース203に入力された入力情報を取得する。
続くステップS2において、出力判定部211は、前記ステップS1で取得した入力情報から出力対象の原稿が製本されたものか否かを判定する。出力判定部211は、製本された原稿と判定すると、ステップS3に進む。また、出力判定部211は、製本された原稿でないと判定すると、すなわち、通常の原稿のとき、ステップS6に進む。
【0056】
ステップS6では、出力判定部211は、通常の出力を行う決定をする。
一方、ステップS3では、出力判定部211は、前記ステップS1で取得した入力情報から原稿の製本情報を取得する。具体的には、出力判定部211は、右綴じ又は左綴じの情報を取得する。
続くステップS4において、出力判定部211は、前記ステップS1で取得した入力情報から画像の向き情報を取得する。例えば、出力判定部211は、原稿の取り込み方向の情報を画像の向き情報として取得する。
【0057】
続くステップS5において、出力判定部211は、前記ステップS1で取得した入力情報から原稿の出力形式の情報を取得する。具体的には、出力判定部211は、記録媒体の片面に画像を1ページ単位で出力するのか、記録媒体の片面に画像を集約ページとして出力するのか、記録媒体の片面に集約ページで出力する場合にはその片面に何ページ分を出力するのか等の情報を取得する。
続くステップS10において、出力判定部211は、製本原稿対応の出力を行う決定をする。
【0058】
図9は、このステップS10のサブルーチンを示すフローチャートである。
図9に示すように、先ずステップS11において、画像分割部212は、画像データを取り込み可能か否かを判定する。具体的には、処理装置100から1枚の原稿の片面の画像データが出力されてきたか否かを判定する。画像分割部212は、画像データを取り込み可能であると判定したとき、ステップS12に進む。
【0059】
ステップS12では、画像分割部212は、処理装置100が出力してきた(画像メモリ114から出力される)画像データを取り込む。
続くステップS13において、画像分割部212は、前記ステップS12で取り込んだ画像データを分割する。すなわち、画像分割部212は、片面の画像データを二分割して2ページ分の画像データにする。例えば、図7に示すように、画像分割部212は、作業用メモリ212aを備えており、その作業用メモリ212a上で画像データを分割する。
【0060】
続くステップS14において、画像判定部214は、前記ステップS13で分割した画像データの一方が前半ページのものか否かを判定する。このとき、画像判定部214は、前記ステップS3及びステップS4で取得した原稿情報(綴じ方向の情報)及び画像の向き情報を基に判定をする。画像判定部214は、分割した画像データの一方が前半ページのものと判定すると、ステップS15に進む。また、画像判定部214は、分割した画像データの一方が前半ページのものでないと判定すると、すなわち、分割した画像データの一方が後半ページのものの場合、ステップS15をスキップしてステップS16に進む。
【0061】
ステップS15では、出力制御部215は、前記ステップS14で前半ページのものと判定した画像データに基づく出力処理をする。すなわち、出力制御部215は、該画像データを基に、指令信号により画像形成ユニット220を制御して記録媒体に画像形成させる。
ステップS16では、画像記憶制御部213は、前記ステップS14で前半ページのものと判定した画像データをHDD204に記憶させる。
【0062】
続くステップS17において、画像判定部214は、前記ステップS13で分割した画像データの他方が前半ページのものか否かを判定する。このとき、画像判定部214は、前記ステップS3で取得した原稿情報(綴じ方向の情報)及び画像の向き情報を基に判定をする。画像判定部214は、分割した画像データの他方が前半ページのものと判定すると、ステップS18に進む。また、画像判定部214は、分割した画像データの他方が前半ページのものでないと判定すると、すなわち、分割した画像データの一方が前半ページのものの場合、ステップS18をスキップしてステップS19に進む。
【0063】
ステップS18では、出力制御部215は、前記ステップS17で前半ページのものと判定した画像データの出力処理をする。すなわち、出力制御部215は、該画像データを基に、指令信号により画像形成ユニット220を制御して記録媒体に画像形成させる。
ステップS19では、画像記憶制御部213は、前記ステップS17で前半ページのものと判定した画像データをHDD204に記憶させる。
【0064】
続くステップS20において、画像出力制御部210(例えば画像分割部212又は画像判定部214)は、全ての画像データ(全原稿についての両面の画像データ)を読み込んだか否かを判定する。画像出力制御部210は、全ての画像データを読み込んだと判定すると、ステップS21に進む。また、画像出力制御部210は、全ての画像データを読み込んでいないと判定すると、前記ステップS11から処理を再び行う。このステップS20の判定処理により、原稿の全枚数分について両面の画像データが読み込まれることになる。
【0065】
ステップS21では、画像記憶制御部213は、HDD204内に記憶されている全画像データを原稿のページ順に並べ替える。ここで、全画像データとは、全原稿について両面の画像データであって、前半ページ及び後半ページの何れかに対応する画像データ群である。ステップS21では、画像記憶制御部213は、このような画像データ群をページ順に並べ替える。
【0066】
続くステップS22において、画像出力制御部210(例えば出力制御部215)は、前半ページの画像データの全ての出力(記録媒体への画像形成)が完了したか否かを判定する。画像出力制御部215は、前半ページの画像データの全ての出力が完了したと判定すると、ステップS23に進む。
【0067】
ステップS23では、出力制御部215は、後半ページの画像データの全ての出力処理をする。具体的には、出力制御部215は、画像記憶制御部213により、並べ替えられている後半ページの画像データをHDD204から順次読出し、出力処理をする。すなわち、出力制御部215は、順次読出した画像データを基に、指令信号により画像形成ユニット220を制御して記録媒体に画像形成させる。
【0068】
続くステップS24において、出力制御部215は、前記ステップS1で取得した入力情報を基に、複数部(n部)の出力が必要か否かを判定する。出力制御部215は、複数部(n部)の出力が必要と判定すると、ステップS25に進む。また、出力制御部215は、そうでない場合、すなわち1部の出力の場合、該図9(図8)の処理を終了する。
ステップS25では、出力制御部215は、nから1を引き算して、その値をnに戻す(n=n−1)。
【0069】
続くステップS26において、出力制御部215は、画像記憶制御部213により、並べ替えられている後半ページの画像データをHDD204から順次読出し、出力処理をする。
続くステップS27において、出力制御部215は、nが0か否かを判定する。出力制御部215は、nが0であると判定すると(n=0)、すなわち、全部数分の出力が終了したと判定すると、該図9(図8)の処理を終了する。また、出力制御部215は、nが0でないと判定すると(n≧1)、前記ステップS25から処理を開始する。
【0070】
次に、画像形成装置における製本された原稿を複製する場合の動作を説明する。
原稿供給部21に原稿が置かれて、使用者により、製本された原稿の情報(右綴じ又は左綴じの情報)、原稿の画像の向き情報、出力形式の情報、及び複製部数の情報等の原稿の複製に必要な情報がユーザーインターフェース203に入力され、ユーザーインターフェース203に印刷開始の指令がなされると(例えば、ユーザーインターフェース203の開始ボタンが押されると)、原稿読取装置10は、原稿供給部21に置かれた原稿の読み取りを開始する。
【0071】
これにより、原稿読取装置10は、原稿送り装置20により原稿供給部21に置かれている原稿を一枚ずつスキャナ装置70の第2プラテンガラス73に送り、スキャナ装置70により一枚ずつ表裏面の画像を読み取る(図3の説明参照)。そして、原稿読取装置10は、読み取って取得した画像データに対して処理装置100にて様々な処理を行う(図4の説明参照)。そして、原稿読取装置10は、処理済みの画像データを順次、画像出力制御部210に出力していく。
【0072】
一方、画像出力制御部210は、ユーザーインターフェース203からの入力情報を基に出力対象の原稿が製本されたものと判定すると、入力情報から製本された原稿の情報、画像の向き情報及び原稿の出力形式の情報を取得して、製本原稿対応の出力を行う(図8、図9参照)。
【0073】
すなわち、画像出力制御部210は、処理装置100から画像データ(画像メモリ114から出力される処理済みの画像データ)が出力されてくると、その画像データを取り込み、取り込んだ画像データを分割する(前記ステップS11、ステップS12、ステップS13)。
【0074】
そして、画像出力制御部210は、分割した画像データの一方が前半ページのものであるとき、その画像データを基に出力処理するとともにその画像データをHDD204に記憶させる(前記ステップS14、ステップS15、ステップS16)。一方、画像出力制御部210は、分割した画像データの一方が前半ページのものでないと判定すると、その画像データ、すなわち、後半ページの画像データをHDD204に記憶させる(前記ステップS14、ステップS16)。
【0075】
また、画像出力制御部210は、分割した画像データの他方が前半ページのものであるとき、その画像データを基に出力処理するとともにその画像データをHDD204に記憶させる(前記ステップS17、ステップS18、ステップS19)。一方、画像出力制御部210は、分割した画像データの他方が前半ページのものでないと判定すると、その画像データ、すなわち、後半ページの画像データをHDD204に記憶させる(前記ステップS17、ステップS19)。
【0076】
そして、画像出力制御部210は、原稿読取装置10が出力してくる全ての画像データを分割して、その画像データについての処理(出力処理及び記憶処理)を終了すると、HDD204内に記憶されている全画像データを原稿のページ順に並べ替える処理を行う(前記ステップS20、ステップS21)。
【0077】
そして、画像出力制御部210は、前半ページの画像データの全てについて出力処理(記録媒体への画像形成)が完了したとき、HDD204に記憶されている後半ページの画像データの全てについて出力処理をする(前記ステップS22、ステップS23)。そして、画像出力制御部210は、必要に応じて複数部数の出力処理を行う(前記ステップS24、ステップS25、ステップS26、ステップS27)。
【0078】
なお、製本された原稿でない通常の原稿の画像を記録媒体に形成するときには、通常の出力処理(前記ステップS5)として、ユーザーインターフェース203からの入力情報等に応じた出力処理を行う。
画像形成ユニット220では、以上のような画像出力制御部210の処理の結果、該画像出力制御部210から順次送られてくる指令信号(画像データ)を基に、電子写真方式により記録媒体に画像形成する。画像形成された記録媒体は、記録媒体の搬送系により第1、第2及び第3排出部271,272,273の何れかに排出される。
【0079】
図10乃至図12は、以上の動作により、図5に一例として示した製本された原稿が読み込まれ、記録媒体に画像形成されるまでの流れを示す。
原稿読取装置10は、図5に示した製本された各原稿を読み取りながら、図10に示すように、原稿の一枚毎にその表裏面毎に画像データを取得する。そして、原稿読取装置10は、その取得した画像データに対して処理装置100にて様々な処理を行い、処理済みの画像データを順次、画像出力制御部210に出力していく。
【0080】
画像出力制御部210は、処理装置100から画像データが出力されてくると、その画像データを順次取り込む。そして、画像出力制御部210は、図11に示すように、順次取り込んだ画像データを分割し、前半ページの画像データを基に出力処理するとともに該画像データをHDD204に記憶させ、後半ページの画像データをHDD204に記憶させていく。
【0081】
そして、画像出力制御部210は、原稿読取装置10が出力する全ての画像データ(本例では、「4」及び「5」の原稿面の画像データ)についてそれらの処理を終了すると、HDD204内に記憶している画像データを原稿のページ順に並べ替える処理を行う。
これにより、原稿読取装置10による原稿の読み取り中に、すなわち、原稿全てが読み取り完了する前に、画像形成ユニット220にて前半ページの画像データを基に順次記録媒体に画像形成され、その画像形成された記録媒体が、図12に示すように、排出部に順次排出されていく。
【0082】
そして、画像形成ユニット220にて前半ページの画像データを基に順次記録媒体に画像形成された後、HDD204に記憶された後半ページの画像データを基に画像形成されるため、その画像形成された記録媒体が、図12に示すように、前半ページの画像データに基づいて画像形成された記録媒体の排出に続いて排出部に順次排出されていく。例えば、第1排出部271又は第2排出部272に、画像形成された記録媒体が順次排出されていく。
【0083】
このように、画像形成装置では、原稿読取装置10が製本された各原稿を順次読み取り取得した画像データを分割し、分割により取得した各画像データを前半ページの画像データと後半ページの画像データとに分けていくとともに、原稿の読み取り中に、前半ページの各画像データに基づく画像形成を、後半ページの各画像データに基づく画像形成に先立って開始している。
【0084】
これにより、製本された各原稿の読み取りと並行して読み取った原稿の画像形成ができる。
なお、実施形態では、取得手段として原稿読取装置10を用いている。また、分割手段として画像分割部212を用いている。また、画像形成手段及び開始手段として、画像出力制御部210(出力制御部215)及び画像形成ユニット220を用いている。
【0085】
また、本実施形態の変形例として次のようなものが挙げられる。
本実施形態では、前半ページの画像データに基づく出力処理をしながら、その画像データをHDD204に記憶している。これに対して、本実施形態の変形例では、後半ページの画像データに基づく出力処理をしながら、その画像データをHDD204に記憶することもできる。すなわち、本実施形態の変形例では、原稿の読み取り中に、後半ページの各画像データに基づく画像形成を、前半ページの各画像データに基づく画像形成に先立って開始することもできる。
【0086】
この場合、この変形例に応じた処理を行うことは言うまでもない。例えば、記録媒体の排出について、図13に示すような処理を行う。図13に示すように、記録媒体の排出系の駆動を制御する駆動制御部(例えばシステム制御部201内の駆動制御部)は、先ずステップS31において、始めに前半ページの画像データに基づいて記録媒体に画像形成されているか否かを判定する。駆動制御部は、始めに前半ページの画像データに基づいて記録媒体に画像形成されていると判定すると、ステップS32に進む。また、駆動制御部は、始めに前半ページの画像データに基づいて記録媒体に画像形成されていない、すなわち、後半ページの画像データに基づいて記録媒体に画像形成されていると判定すると、ステップS33に進む。
【0087】
ステップS32では、駆動制御部は、画像形成ユニット220で画像形成が終了した記録媒体が搬送されてくると、第1切替ゲート263等を制御して、第1排出部271又は第2排出部272にその記録媒体を排出する。また、ステップS33では、駆動制御部は、画像形成ユニット220で画像形成が終了した記録媒体が搬送されてくると、第1切替ゲート263等を制御して、第3排出部273にその記録媒体を排出する。これにより、予め定められた順序として記録媒体が最後のページ側のものから排出されていくようになる。
【0088】
また、本実施形態では、予め定められた順序を原稿のページの順番として画像形成した記録媒体を出力している。これに対して、本実施形態の変形例では、使用者等の指定した順序で画像形成した記録媒体を出力することもできる。
また、本実施形態の変形例として、前半ページや後半ページの画像データが原稿において何も印刷されていない部分(白紙面)のものであるときは、その画像データに基づく出力処理をしないようにすることもできる。この場合の画像データに基づく印刷の有無の判定については、画像出力制御部210は、画像データの画像濃度を基に行う。
【0089】
この変形例により、原稿において何も印刷されていない部分の画像形成も行う場合と比較して、全原稿についての画像形成完了時間を早くできる。
また、本実施形態では、画像データを分割したりHDD204に記憶させたりするための構成を画像出力制御部210のものとして構成している。これに対して、本実施形態の変形例では、画像データを分割したりHDD204に記憶させたりするための構成を、画像出力制御部210とは別個のもの、例えば、処理装置100側のものとして構成することもできる。
【0090】
例えば、処理装置100で画像データを分割する場合には、画像メモリ114において各種処理後に画像データを分割してもよい。
また、本実施形態の変形例として、1部だけ複製する場合には、前半ページ及び後半ページの画像データのうち先に画像形成する方をHDD204に記憶させることなく、前半ページ及び後半ページの画像データのうち後に画像形成する方をHDD204に記憶させるようにしてもよい。すなわち、前半ページ及び後半ページの画像データのうち後に画像形成する方だけをHDD204を経由させて画像形成する。
【0091】
これにより、前半ページ及び後半ページの画像データのうち先に画像形成する方もHDD204に記憶させる場合と比較して、HDD204の記憶容量を少なくすることができる。
また、本実施形態では、電子写真方式により画像形成している。これに対して、本実施形態の変形例では、インクジェット記録方式等の他の印刷方式により画像形成することとしてもよい。
【0092】
また、前述のような各種処理を実現可能とするコンピュータの制御プログラムを通信手段により提供することはもちろん、CD−ROM等の記憶媒体に格納して提供することもできる。
【符号の説明】
【0093】
10 原稿読取装置、100 処理装置、210 画像出力制御部、212 画像分割部、215 出力制御部、220 画像形成ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製本された各原稿を順次読み取り、画像データを取得する取得手段と、
前記取得手段が順次取得した各画像データをそれぞれ前半部分の画像データと後半部分の画像データとに順次分割する分割手段と、
前記分割手段が分割した前記前半部分の各画像データ及び前記後半部分の各画像データを基に、記録媒体に画像形成する画像形成手段と、
前記取得手段による前記原稿の読み取り中に、前記前半部分の各画像データと前記後半部分の各画像データとの一方に基づく前記画像形成を、前記前半部分の各画像データと前記後半部分の各画像データとの他方に基づく前記画像形成に先立って開始する開始手段と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成手段は、前記前半部分の画像データ又は前記後半部分の画像データが、前記原稿において何も印刷されていない部分のものであるときは、該画像データを基に前記画像形成をしない請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記前半部分の各画像データと前記後半部分の各画像データとの他方が蓄積される蓄積手段を備え、
前記画像形成手段は、前記蓄積手段に蓄積された前記前半部分の各画像データと前記後半部分の各画像データとの他方を基に、記録媒体に画像形成する請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
製本された各原稿を順次読み取り、画像データを取得する取得手段と、
前記取得手段が順次取得した各画像データをそれぞれ前半部分の画像データと後半部分の画像データとに順次分割する分割手段と、
前記分割手段が分割した前記前半部分の各画像データ及び前記後半部分の各画像データを基に、記録媒体に画像形成する画像形成手段と、
前記取得手段による前記原稿の読み取り中に、前記前半部分の各画像データと前記後半部分の各画像データとの一方に基づく前記画像形成を、前記前半部分の各画像データと前記後半部分の各画像データとの他方に基づく前記画像形成に先立って開始する開始手段と、
をコンピュータに実行させるコンピュータに読取可能な制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−188251(P2011−188251A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−51624(P2010−51624)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】