説明

画像形成装置及び制御方法並びに制御プログラム

【課題】ステッピングモータの共振現象を回避することができる画像形成装置及び制御方法並びに制御プログラムの提供。
【解決手段】感光体と、前記感光体に形成された潜像を用紙に転写する手段と、ステッピングモータにより前記用紙を給紙及び搬送する手段と、を少なくとも有する画像形成装置において、前記ステッピングモータの電流波形を検出し、前記電流波形の周期毎の面積のばらつき率が予め定めた基準値を超えた場合に、共振現象による振動が発生したと判断して、前記ステッピングモータの駆動条件を共振現象による振動が発生しない条件に変更する制御部を備え、前記制御部は、例えば、前記面積のばらつき率が前記基準値以下になるまで前記電流値を段階的に下げ、前記面積のばらつき率が前記基準値以下になった電流値で前記ステッピングモータを駆動させ、コピー動作又はプリント動作を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び制御方法並びに制御プログラムに関し、特に、ステッピングモータを中速共振領域で使用する画像形成装置及びステッピングモータの共振を制御する制御方法並びに制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置では、帯電装置により一様に帯電された感光体ドラムに露光装置から光を照射して静電潜像を形成し、現像装置で静電潜像にトナーを付着させてトナー像として顕像化し、そのトナー像を中間転写ベルトを介して感光体ドラム上から用紙に転写し、その後、定着装置で加熱及び加圧することによりトナー像を用紙上に定着させる処理を行っている。
【0003】
このような画像形成装置では、中間転写ベルト上に形成された画像が用紙の適切な位置に転写されるように用紙を制御する必要がある。そこで、主に用紙の給紙や搬送動作の駆動源としてステッピングモータが使われている。
【0004】
このステッピングモータは、例えば用紙の搬送動作をする場合は、駆動ICにより設定電流を決め、設定電流に基づいてモータに必要な出力トルクを印加している。また、駆動電流を、搬送速度に応じた所定パルスレートのパルス波形にすることにより、モータを所望の回転速度で回転させている。
【0005】
ここで、ステッピングモータのように、短い間隔で動作/停止を繰り替える機器は振動しやすく、この振動によって、不快な騒音が発生したり、信頼性が低下したり、場合によっては、ステッピングモータの回転数がパルスレートで規定される回転数から外れる現象(脱調と呼ぶ。)が起こる。
【0006】
特に、昨今の画像形成装置では、高速化/ワイドレンジ化の要求により、ステッピングモータを高速で回転させる必要性があり、いわゆる中速共振領域で使用される場合が多くなっている。この領域では、モータの製造ばらつきや駆動回路のばらつき等により、モータの固有振動数で共振しやすく、この共振により上記問題が顕著に現れる。
【0007】
上記脱調の問題に対して、下記特許文献1では、モータ電流を検出し、脱調が検出されるとモータの回転数を段階的に下げる方法を提案している。しかしながら、この方法は、脱調を検出した後にモータの回転数を下げるものであり、脱調の発生自体を抑制することはできない。そこで、下記特許文献2では、電流波形を検出し、固有振動を抽出した後、それを打ち消すようなフィードバック制御を行う方法を提案している。
【0008】
【特許文献1】特開平2002−199794号公報
【特許文献2】特開平11−196598号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献2の方式は、トルクリップルをモータ電流から抽出し、モータ電流が常に一定になるようにモータ設定電流にフィードバックをかけるものであり、モータコイルに電圧を印加している部分(波形の立ち上がり部分及びチョッピング部分)では効果があるが、電圧を印加せず逆起電力が発生している部分(波形の立ち下がり部分)は制御不能であり効果がなかった。
【0010】
すなわち、ステッピングモータの回転速度が比較的低い場合は、電流波形における立ち上がり及びチョッピング部分の占める割合が多いため、波形の立ち上がり部分及びチョッピング部分に基づいて制御することによって共振現象を抑制することはできるが、中速共振領域では、電流波形における立ち下がり部分の占める割合が多く、立ち下がり部分の波形の乱れが振動に大きく影響するため、上記制御では共振現象を十分に抑制することができない。
【0011】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、ステッピングモータの共振現象を回避することができる画像形成装置及び制御方法並びに制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明は、感光体と、前記感光体に形成された潜像を用紙に転写する手段と、ステッピングモータにより前記用紙を給紙及び搬送する手段と、を少なくとも有する画像形成装置において、前記ステッピングモータの電流波形を検出し、前記電流波形の周期毎の面積のばらつき率が予め定めた基準値を超えた場合に、共振現象による振動が発生したと判断して、前記ステッピングモータの駆動条件を共振現象による振動が発生しない条件に変更する制御部を備えるものである。
【0013】
本発明においては、前記駆動条件は、前記ステッピングモータの電流値及び/又はパルスレートとすることができる。
【0014】
また、本発明においては、前記制御部は、前記面積のばらつき率が前記基準値以下になるまで前記電流値を段階的に下げ、前記面積のばらつき率が前記基準値以下になった電流値で前記ステッピングモータを駆動させ、コピー動作又はプリント動作を行う構成とすることができる。
【0015】
また、本発明においては、前記制御部は、前記面積のばらつき率が前記基準値以下になるまで前記パルスレートを段階的に下げ、前記面積のばらつき率が前記基準値以下になったパルスレートで前記ステッピングモータを駆動させ、コピー動作又はプリント動作を行う構成とすることができる。
【0016】
また、本発明においては、前記制御部は、前記電流値を段階的に下げ、前記面積のばらつき率が前記基準値以下になる前に脱調が発生した時は、前記電流値を脱調が発生しない値に戻した後、前記面積のばらつき率が前記基準値以下になるまで前記パルスレートを段階的に下げ、前記面積のばらつき率が前記基準値以下になった電流値及びパルスレートで前記ステッピングモータを駆動させ、コピー動作又はプリント動作を行う構成とすることができる。
【0017】
また、本発明においては、前記制御部は、前記電流値を段階的に下げ、前記面積のばらつき率が前記基準値以下になる前に脱調が発生した時は、前記電流値を脱調が発生しない値に戻し、前記パルスレートを1段階下げた後、前記面積のばらつき率が前記基準値を超えているかを判断する処理を行い、前記面積のばらつき率が前記基準値を超えている場合は、脱調が発生せずに前記面積のばらつき率が前記基準値以下になるまで前記処理を繰り返し、前記面積のばらつき率が前記基準値以下になった電流値及びパルスレートで前記ステッピングモータを駆動させ、コピー動作又はプリント動作を行う構成とすることができる。
【0018】
また、本発明においては、前記電流波形の検出は、電源ON時、前記画像形成装置内の温度センサが検出した温度が予め定めた閾値を超えた時、スリープ復帰時、消耗品の補給又は交換時、予め定めた枚数をコピーした時、予め定めた時間が経過した時、前記ステッピングモータを交換した時、の中から選択される1以上の場合に行うことができる。
【0019】
また、本発明においては、前記電流波形の検出は、コピー動作中又はプリント動作中に行い、前記面積のばらつき率が前記基準値を超えた場合は、一旦コピー動作又はプリント動作を中断し、前記ステッピングモータの駆動条件を振動が発生しない条件に変更した後、コピー動作又はプリント動作を再開することもできる。
【0020】
また、本発明の制御プログラムは、前記画像形成装置で動作する制御プログラムであって、コンピュータを、上記いずれか一に記載の制御部、として機能させるものである。
【0021】
また、本発明は、感光体と、前記感光体に形成された潜像を用紙に転写する手段と、ステッピングモータにより前記用紙を給紙及び搬送する手段と、を少なくとも有する画像形成装置の制御方法であって、前記ステッピングモータの電流波形を検出し、前記電流波形の周期毎の面積のばらつき率が予め定めた基準値を超えた場合に、共振現象による振動が発生したと判断して、前記ステッピングモータの駆動条件を共振現象による振動が発生しない条件に変更するものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明の画像形成装置及び制御方法並びに制御プログラムによれば、ステッピングモータの共振現象を回避することができる。
【0023】
その理由は、制御部(制御プログラム)では、電流波形の面積を求め、面積の変化が大きい時は、ステッピングモータが共振していると判断し、設定電流を下げるか、パルスレートを下げる制御を行うからである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
背景技術で示したように、画像形成装置では、用紙の給紙や搬送動作の駆動源としてステッピングモータが使われているが、昨今の高速化/ワイドレンジ化の要求により、ステッピングモータは、モータの固有振動数で共振しやすい中速共振領域で使用される場合が多く、この共振によって、騒音の発生や信頼性の低下、脱調の発生などの問題が生じる。
【0025】
上記脱調を抑制する方法として、電流波形における立ち上がり部分及びチョッピング部分の形状を整形する方法があるが、上記中速共振領域では、電流波形における立ち下がり部分の占める割合が多く、固有振動による影響はこの部分にも現れるため、上記制御では共振現象を十分に抑制することができない。
【0026】
そこで、本発明では、ステッピングモータの中速共振領域による不安定な回転を回避するために、回転の揺らぎを駆動ICの電流検出端子で取得した電流波形の面積の変化から検出し、回転の揺らぎが大きい時(面積の変化が大きい時)はステッピングモータが共振していると判断し、共振が発生しない条件に変更する(例えば、設定電流を下げるか、パルスレートを下げる)制御を行う。
【0027】
このように、共振が発生しない条件でステッピングモータを駆動することにより、画像形成装置の不快な騒音の抑制及び信頼性の向上を図ることができる。
【実施例】
【0028】
上記した本発明の実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の一実施例に係る画像形成装置及び制御方法並びに制御プログラムについて、図1乃至図15を参照して説明する。図1は、本実施例の画像形成装置の構成を模式的に示す断面図であり、図2は、画像形成装置の制御基板の構成を示すブロック図である。また、図3乃至図8は、本実施例のステッピングモータの電流特性及び制御方法を示す図であり、図9乃至図15は、本実施例の制御方法の具体的な手順を示すフローチャート図である。
【0029】
まず、本実施例の画像形成装置の構造について説明する。図1は、タンデムカラープリンタの主要部の断面構造を示しており、作像部と搬送部などを主な構成要素としている。なお、図中の符番の添え字(a〜d)は、各々、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)に対応している。
【0030】
作像部は、感光体3a〜3dと感光体3a〜3dを帯電する帯電部5a〜5dと画像パターンを露光する露光部6とトナーを現像する現像部4a〜4dとが内蔵されたカートリッジ28a〜28dと、感光体3a〜3d上に形成された4色のトナー像を重ねて画像形成する中間転写ベルト2と、転写残トナーを中間転写ベルト2から分離する中間転写ベルトクリーナ7と、分離した転写残トナーを収納する廃トナーボックス15と、攪拌羽26a〜26dを動作させることでカートリッジ28a〜28dにトナーを補給させるトナーボトル25a〜25dと、現像モータ21、22、トナー補給モータ23、24などで構成されている。
【0031】
また、搬送部は、記録媒体収納部16から記録媒体を給紙する給紙ローラ8と、給紙された記録媒体を一旦停止させるタイミングローラ10と、中間転写ベルト2に画像形成されたトナー像を記録媒体上に転写する2次転写ローラ11と、2次転写ローラ11に付着したトナーを除去するクリーニング部(図示せず)と、記録媒体上に転写されたトナー像を定着する定着ローラ12a、12bと、定着後の記録媒体を排出もしくは両面搬送経路29へ搬送する排紙ローラ13と、両面搬送経路29を経由してタイミングローラ10まで搬送する両面経路搬送ローラ14a、14bと、カラーPCモータ17やメインモータ18、定着モータ19などの各種モータなどで構成されている。そして、主に用紙の給紙や搬送動作を行うモータとしてステッピングモータが使用されている。
【0032】
次に、本実施例の画像形成装置の制御基板の構成について説明する。図2に示すように、制御基板は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、データ記憶部(例えば、HDD:Hard Disk Drive)と、駆動ICなどで構成される。
【0033】
ROMは、画像形成装置全体の動作を制御するためのプログラムや制御に必要なデータ(例えば、後述するステッピングモータの駆動条件の標準値など)を記憶する。RAM及びデータ記憶部は、CPUによる制御に必要なデータ及び制御動作時に一時記憶が必要なデータ(例えば、ステッピングモータの電圧値や電圧値とサンプリング時間とを乗算した値など)を記憶する。そして、CPUは、ROM、RAM、データ記憶部と協働して画像形成装置全体の動作を制御する制御部として機能する。
【0034】
駆動ICは、ステッピングモータを駆動するための回路であり、CPU(制御部)から駆動パルスやイネーブル信号を受け取り、所定の電流値、パルスレートの信号を生成し、モータドライブラインを介してステッピングモータに送る。
【0035】
そして、制御部は、制御基板上に設けた電流検出端子の電圧をモニタし、電流値を演算し、電流波形の面積(立ち上がり部分とチョッピング部分と立ち下がり部分を含む面積)を算出し、その面積の変動が予め定めた基準値を超えた場合に、共振が発生していると判断して、共振を抑制する制御(例えば、電流値を下げたり、パルスレートを下げる制御)を行う。なお、この制御部の機能は、ハードウェアとして実行してもよいし、コンピュータを上記制御部として機能させる制御プログラムとして実行してもよい。
【0036】
以下、実際の電流波形に基づいて具体的に説明する。
【0037】
図3は、電流値を一定にし、パルスレートを徐々に上げた場合の電流波形及びその面積のばらつきを示している。図3より、パルスレートが2800ppsまでは、電流波形に乱れはなく、その面積のばらつきも小さい。しかしながら、3000ppsからは電流波形が乱れ、その面積のばらつきが大きくなっていることが分かる。ここで、ステッピングモータの出力トルクは電流に依存するため、電流波形の面積のばらつきが大きくなると出力トルクの変動が大きくなり、ステッピングモータの持つ固有振動数で振動が発生する。従って、電流波形の面積のばらつきを監視することにより、振動を検出することが可能となる。
【0038】
図4は、電流値を変化させた場合のパルスレートとプルアウトトルク(脱調せずに回る負荷トルク)との関係及びパルスレートが3200ppsの時の電流波形を示している。図4(a)より、電流値の初期設定が1.1Aの場合、パルスレートが2500pps以下の領域及び4000pps以上の領域では、パルスレートの増加に伴ってプルアウトトルクがほぼ一定の割合で低下しているが、パルスレートが2500〜4000ppsの領域(振動領域)では、図4(b)に示すように、電流波形の面積のばらつき率(79%)が予め定めた基準値(20%)を大きく超え、プルアウトトルクが著しく低下している。
【0039】
ここで、電流値の設定を下げる(例えば、1.1Aから0.6Aに下げる)と、振動領域がパルスレートの高い方にシフトするため、図4(c)に示すように、電流波形の面積のばらつき率は9%と小さくなり、予め定めた基準値(20%)以下となる。その結果、トルク変動が小さくなり、ステッピングモータの固有振動数での振動を抑制することができる。
【0040】
図5は、電流値を初期設定(1.1A)とした場合の図4(a)の特性をステッピングモータの加速時間と速度とで表した図である。図5(a)より、パルスレートが高い(例えば、3200pps)場合、ステッピングモータは速度が大きく変化する振動領域で動作し、そのときの電流波形は図5(b)に示すようになり、電流波形の面積のばらつき率(79%)は予め定めた基準値(20%)を大きく超える。
【0041】
この場合に、パルスレートを下げる(例えば、3200ppsから2600ppsに下げる)と、ステッピングモータは振動領域の手前の領域で動作し、そのときの電流波形は図5(c)に示すようなり、電流波形の面積のばらつき率は9%と小さくなり、予め定めた基準値(20%)以下となる。その結果、トルク変動が小さくなり、ステッピングモータの固有振動数での振動を抑制することができる。
【0042】
上記図4及び図5では、電流波形の面積のばらつき率が基準値を超えた場合に、電流又はパルスレートの設定を予め定めた値に一気に下げる制御を行ったが、電流値を下げるとトルクが小さくなり、パルスレートを下げるとステッピングモータの速度が遅くなって処理能力が低下する。そこで、電流やパルスレートの値を下げすぎることによる弊害を防止するために、電流やパルスレートの値を徐々に下げるようにすることもできる。
【0043】
例えば、図6に示すように、電流波形の面積のばらつき率が基準値を超えた場合に、電流値の設定を1.1Aから一旦0.8Aに下げ、その状態でばらつき率が基準値を超えるかを判断し、その状態でもばらつき率が基準値を超える場合に、電流値の設定を更に0.6Aに下げる制御を行ってもよい。同様に、図7に示すように、電流波形の面積のばらつき率が基準値を超えた場合に、パルスレートを3200ppsから一旦3000ppsに下げ、その状態でばらつき率が基準値を超えるかを判断し、その状態でもばらつき率が基準値を超える場合に、パルスレートの設定を更に2600ppsに下げる制御を行ってもよい。
【0044】
なお、電流値又はパルスレートを何回下げるか、下げ幅をどの程度にするかは適宜設定可能であり、面積のばらつき率が基準値を超過する程度に応じて回数や下げ幅を変化させるようにしてもよい。例えば、ばらつき率が基準値を大きく超過している場合は、回数を増やし、最初の下げ幅を大きくするなどの制御を行うことができる。
【0045】
また、図4乃至図7では、電流値又はパルスレートの一方を下げる制御を行ったが、電流値を下げる制御とパルスレートを下げる制御とを組み合わせることもできる。
【0046】
例えば、図8(a)に示すように、電流値を1.1A、パルスレートを3200ppsに設定した状態で、図8(b)に示すように電流波形の面積のばらつき率が基準値を超えている場合は、パルスレートの下げ幅が許容範囲(ここでは、3200pps→2750pps)になるように、電流値の下げ幅を設定(ここでは、1.1A→0.8A)することもできる。このような制御によっても、電流波形を図8(c)に示すようなばらつき率の小さい状態にすることができる。
【0047】
なお、ここでは、電流値とパルスレートを同時に制御したが、これらは別々に制御してもよい。例えば、十分なトルクが確保できる範囲で電流値を下げ、この状態で電流波形の面積のばらつき率を調べてからパルスレートを下げる制御を行ってもよいし、十分な処理速度が確保できる範囲でパルスレートを下げ、この状態で電流波形の面積のばらつき率を調べてから電流値を下げる制御を行ってもよい。また、電流値(又はパルスレート)を下げてからパルスレート(又は電流値)を下げ、更に、電流値(又はパルスレート)を下げるなど、各々の制御を複数回行ってもよい。
【0048】
以下、本実施例の制御方法の具体的な手順について、図9乃至図15のフローチャート図を参照して説明する。
【0049】
まず、図9を参照して、ステッピングモータの振動の有無を判定する手順について説明する。なお、図9(a)及び図9(b)は作図の都合上、分図したものであり、一連の動作を示している。
【0050】
まず、制御部は、ステッピングモータの駆動条件として標準条件を設定する(ステップS101)。この駆動条件は電流値とパルスレートを含み、標準条件は、ROMやデータ記憶部等に予め記憶されている。なお、標準条件の設定は、画像形成装置に予め設けたタッチパネルやボタン等を用いてユーザが行ってもよい。
【0051】
次に、制御部は、駆動ICに駆動パルス及びイネーブル信号を送出し、駆動ICは標準条件として設定された電流値及びパルスレートの信号を生成して、ステッピングモータを駆動する(ステップS102)。
【0052】
ステッピングモータの加速が終了し、定速運転になったら(ステップS103)、制御部は、電流検出端子で得られる信号の電流波形の観測を開始する(ステップS104)。
【0053】
次に、制御部は、電流波形の波形値が”0”であるかを判断し(ステップS105)、波形値が”0”であれば、位相0度と判断して電流波形の面積の計算を開始する(ステップS106)。
【0054】
次に、制御部は、RAM等の第1の領域(メモリ1とする。)内の数値をリセットし(ステップS107)、引き続き、RAM等の第2の領域(メモリ2とする。)内の数値をリセットする(ステップS108)。
【0055】
次に、制御部は、CPUの最小サンプリング時間毎に、電流検出端子からの電圧値を電流値に読み替えてメモリ1に格納し(ステップS109)、上記最小サンプリング時間と電圧値とを乗算した値をメモリ2に加算し(ステップS110)、その後、メモリ1内の数値をリセットする(ステップS112)。
【0056】
次に、制御部は、波形値が”0”であるかを判断し(ステップS112)、”0”でなければステップS108に戻って同様の処理を繰り返し、”0”であれば、メモリ2に加算した合計値をRAM等の第3の領域(メモリ3とする。)に格納する(ステップS113)。
【0057】
次に、制御部は、波形値が”0”であるかを判断し(ステップS114)、”0”であれば、位相0度として判断し、次の波形の面積の計算を開始し(ステップS115)、上記と同様にステップS116からS121の処理を行い、メモリ2に加算した合計値をRAM等の第4の領域(メモリ4とする。)に格納する(ステップS122)。
【0058】
次に、制御部は、メモリ3に格納した値に対して、メモリ4に格納した値が予め定めた基準値(例えば、20%)を超えるかを判断する。具体的には、メモリ3に格納した値をS1、メモリ4に格納した値をS2、基準値をAとすると、
|(S4−S3)/S3|×100>A … (1)
となるかを判断する(ステップS123)。
【0059】
そして、基準値を超えていれば、制御部は、共振による振動が発生していると判断する(ステップS124)。一方、基準値を超えていなければ、制御部は、メモリ3の値をメモリ4に移動した後(ステップS125)、ステッピングモータが駆動中であるかを判断し、駆動中であればステップS114に戻って同様の処理を繰り返す。
【0060】
一方、駆動中でなければ、共振による振動なしとして信号計測を終了する(ステップS127)。
【0061】
次に、ステップS123、S124において、ステッピングモータの電流値を制御する場合の手順について、図10を参照して説明する。
【0062】
制御部は、前記した図9のフローチャート図のステップS101〜122と同様の手順で取得した波形毎の面積のばらつき率が予め定めた基準値(例えば、20%)を超えるかを判断する(ステップS201)。
【0063】
そして、面積のばらつき率が基準値を超えていれば、制御部は、共振による振動が発生していると判断し、モータの電流値を所定の値(例えば、0.1A)に下げて(ステップS203)、ステッピングモータの回転を変更した後(ステップS204)、ステップS201に戻って同様の処理を繰り返す。
【0064】
一方、面積のばらつき率が基準値以下であれば、制御部は、共振による振動なしと判断して現在の設定を動作条件として決定する(ステップS202)。
【0065】
次に、ステップS123、S124において、ステッピングモータのパルスレートを制御する場合の手順について、図11を参照して説明する。
【0066】
制御部は、前記した図9のフローチャート図のステップS101〜122と同様の手順で取得した波形毎の面積のばらつき率が予め定めた基準値(例えば、20%)を超えるかを判断する(ステップS301)。
【0067】
そして、面積のばらつき率が基準値を超えていれば、制御部は、共振による振動が発生していると判断し、モータのパルスレートを所定の値(例えば、100pps)に下げて(ステップS303)、ステッピングモータの回転を変更した後(ステップS304)、ステップS301に戻って同様の処理を繰り返す。
【0068】
一方、面積のばらつき率が基準値以下であれば、制御部は、共振による振動なしと判断して現在の設定を動作条件として決定する(ステップS302)。
【0069】
次に、ステップS123、S124において、ステッピングモータの電流値及びパルスレートを制御する場合の手順について、図12を参照して説明する。なお、本フローは電流値を変更した後にパルスレートを変更するものである。
【0070】
制御部は、前記した図9のフローチャート図のステップS101〜122と同様の手順で取得した波形毎の面積のばらつき率が予め定めた基準値(例えば、20%)を超えるかを判断する(ステップS401)。
【0071】
そして、面積のばらつき率が基準値を超えていれば、制御部は、共振による振動が発生していると判断し、モータの電流値を所定の値(例えば、0.1A)に下げて(ステップS403)、ステッピングモータが脱調しているかを判断する(ステップS404)。脱調していなければ、ステップS401に戻って同様の処理を繰り返す。
【0072】
一方、脱調していれば、制御部は、電流値を変更前の設定に戻し、再起動した後(ステップS405)、モータのパルスレートを所定の値(例えば、100pps)に下げて(ステップS406)、面積のばらつき率が基準値を超えるかを判断し(ステップS407)、面積のばらつき率が基準値を超えていれば、ステップS406に戻ってパルスレートを更に下げる。
【0073】
一方、面積のばらつき率が基準値以下であれば、制御部は、共振による振動なしと判断して現在の設定を動作条件として決定する(ステップS402)。
【0074】
次に、ステップS123、S124において、ステッピングモータの電流値及びパルスレートを制御する場合の他の手順について、図13を参照して説明する。なお、本フローは電流値とパルスレートの変更を繰り返すものである。
【0075】
制御部は、前記した図9のフローチャート図のステップS101〜122と同様の手順で取得した波形毎の面積のばらつきが予め定めた基準値(例えば、20%)を超えるかを判断する(ステップS501)。
【0076】
そして、面積のばらつき率が基準値を超えていれば、制御部は、共振による振動が発生していると判断し、モータの電流値を所定の値(例えば、0.1A)に下げて(ステップS503)、ステッピングモータが脱調しているかを判断する(ステップS504)。脱調していなければ、ステップS501に戻って同様の処理を繰り返す。
【0077】
一方、脱調していれば、制御部は、電流値を変更前の設定に戻し、再起動した後(ステップS505)、モータのパルスレートを所定の値(例えば、100pps)に下げて(ステップS506)、面積のばらつき率が基準値を超えるかを判断する(ステップS507)。そして、面積のばらつき率が基準値を超えていれば、ステップS401に戻って同様の処理を繰り返す。
【0078】
一方、面積のばらつき率が基準値以下であれば、制御部は、共振による振動なしと判断して現在の設定を動作条件として決定する(ステップS502)。
【0079】
次に、図14を参照して、ステッピングモータの振動を検出するタイミングの判断について説明する。
【0080】
まず、制御部は、現在の状態がステッピングモータの振動を検出するタイミングであるかを判断する(ステップS601)。
【0081】
具体的には、電源投入時はステッピングモータの動作を確認する必要があることから、電源が投入されたかを判断する。また、装置内の温度が上昇するとステッピングモータの動作が不安定になることから、装置内に設けた温度センサで検出した温度が予め定めた閾値を超えたかを判断する。また、ステッピングモータの動作条件が変わった時は振動が発生しやすいことから、スリーブ復帰時であるかを判断する。また、用紙トレイに給紙したり、トナーを交換したときに振動が発生しやすいことから、補充/交換時であるかを判断する。また、ステッピングモータを長時間動作させると振動が発生しやすくなることから、予め設定した枚数(例えば、2000枚)のコピーをしたか、予め設定した時間(例えば、720時間)が経過したかを判断する。また、ステッピングモータを交換した時も動作を確認する必要があることから、サービス対応でモータが交換されたかを判断する。
【0082】
そして、制御部は、現在の状態がステッピングモータの振動を検出するタイミングでなければ、通常のマシンシーケンスで動作させ(ステップS602)、振動を検出するタイミングであれば、前記した図10乃至図13のフローチャートに従った制御を行う。
【0083】
次に、図15を参照して、コピー動作の制御手順について説明する。
【0084】
制御部は、前記した図9のフローチャート図のステップS101〜122と同様の手順で取得した波形毎の面積のばらつき率が予め定めた基準値(例えば、20%)を超えるかを判断する(ステップS701)。
【0085】
そして、面積のばらつき率が基準値を超えていれば、制御部は、共振による振動が発生していると判断し、コピー動作を一旦中断させ(ステップS703)、図10乃至図13のフローチャートに従った制御を行った後(ステップS704)、コピー動作を再開する(ステップS705)。
【0086】
一方、面積のばらつき率が基準値以下、又は、図10乃至図13のフローチャートに従った制御を行った後であれば、制御部は、共振による振動なしと判断して現在の設定を動作条件として決定する(ステップS702)。
【0087】
このように、制御部(制御プログラム)は、電流波形の面積を求め、面積のばらつき率が基準値を超える時に、ステッピングモータが共振していると判断し、電流値を下げるか、パルスレートを下げる制御を行うことにより、ステッピングモータの共振現象を回避することができる。
【0088】
なお、上記実施例では、本発明の制御を画像形成装置に適用する場合を示したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、ステッピングモータを使用する任意の装置に対して同様に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、ステッピングモータを使用する複合機、複写機などの画像形成装置及び画像形成装置の制御方法並びに制御プログラムに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の一実施例に係る画像形成装置の構成を模式的に示す図である。
【図2】本発明の一実施例に係る画像形成装置の制御基板の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施例に係るステッピングモータの電流波形の一例を示す図であり、(a)、(b)は共振が発生していない状態、(c)、(d)は共振が発生している状態を示している。
【図4】本発明の一実施例に係るステッピングモータの制御方法の一例(電流値を下げる方法)を説明する図である。
【図5】本発明の一実施例に係るステッピングモータの制御方法の一例(パルスレートを下げる方法)を説明する図である。
【図6】本発明の一実施例に係るステッピングモータの制御方法の一例(電流値を複数回下げる方法)を説明する図である。
【図7】本発明の一実施例に係るステッピングモータの制御方法の一例(パルスレートを複数回下げる方法)を説明する図である。
【図8】本発明の一実施例に係るステッピングモータの制御方法の一例(電流値及びパルスレートを下げる方法)を説明する図である。
【図9(a)】本発明の一実施例に係るステッピングモータの制御方法の具体的手順(ステッピングモータの振動の有無を判定する手順)を示すフローチャート図である。
【図9(b)】本発明の一実施例に係る制御方法の具体的手順(ステッピングモータの振動の有無を判定する手順)を示すフローチャート図である。
【図10】本発明の一実施例に係る制御方法の具体的手順(ステッピングモータの電流値を制御する手順)を示すフローチャート図である。
【図11】本発明の一実施例に係る制御方法の具体的手順(ステッピングモータのパルスレートを制御する手順)を示すフローチャート図である。
【図12】本発明の一実施例に係る制御方法の具体的手順(ステッピングモータの電流値及びパルスレートを制御する手順)を示すフローチャート図である。
【図13】本発明の一実施例に係る制御方法の具体的手順(ステッピングモータの電流値及びパルスレートを制御する手順)を示すフローチャート図である。
【図14】本発明の一実施例に係る制御方法の具体的手順(ステッピングモータの振動を検出するタイミングの判断)を示すフローチャート図である。
【図15】本発明の一実施例に係る制御方法の具体的手順(コピー動作の制御手順)を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0091】
1 画像形成装置(タンデムカラープリンタ)
2 中間転写ベルト
3a〜3d 感光体(イエロー、マゼンダ、シアン、ブラック)
4a〜4d 現像器(イエロー、マゼンダ、シアン、ブラック)
5a〜5d 帯電装置(イエロー、マゼンダ、シアン、ブラック)
6 露光装置(イエロー、マゼンダ、シアン、ブラック)
7 中間転写ベルトクリーナ
8 給紙ローラ
9 手差し給紙ローラ
10 タイミングローラ
11 2次転写ローラ
12a 定着ローラ(加熱ローラ)
12b 定着ローラ(加圧ローラ)
13 排紙ローラ
14a、14b 両面経路搬送ローラ
15 廃トナーボックス
16 記録媒体収納部
17 カラーPCモータ
18 メインモータ
19 定着モータ
20 カラー現像モータ
21 現像モータ
22 両面搬送モータ
23 トナー補給モータ(イエロー、マゼンダ用)
24 トナー補給モータ(シアン、ブラック用)
25a〜25d トナーボトル(イエロー、マゼンダ、シアン、ブラック)
26a〜26d 攪拌羽(イエロー、マゼンダ、シアン、ブラック)
27 定着ループセンサ
28a〜28d カートリッジ(イエロー、マゼンダ、シアン、ブラック)
29 両面搬送経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体と、前記感光体に形成された潜像を用紙に転写する手段と、ステッピングモータにより前記用紙を給紙及び搬送する手段と、を少なくとも有する画像形成装置において、
前記ステッピングモータの電流波形を検出し、前記電流波形の周期毎の面積のばらつき率が予め定めた基準値を超えた場合に、共振現象による振動が発生したと判断して、前記ステッピングモータの駆動条件を共振現象による振動が発生しない条件に変更する制御部を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記駆動条件は、前記ステッピングモータの電流値及び/又はパルスレートであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記面積のばらつき率が前記基準値以下になるまで前記電流値を段階的に下げ、前記面積のばらつき率が前記基準値以下になった電流値で前記ステッピングモータを駆動させ、コピー動作又はプリント動作を行うことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記面積のばらつき率が前記基準値以下になるまで前記パルスレートを段階的に下げ、前記面積のばらつき率が前記基準値以下になったパルスレートで前記ステッピングモータを駆動させ、コピー動作又はプリント動作を行うことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記電流値を段階的に下げ、前記面積のばらつき率が前記基準値以下になる前に脱調が発生した時は、前記電流値を脱調が発生しない値に戻した後、前記面積のばらつき率が前記基準値以下になるまで前記パルスレートを段階的に下げ、前記面積のばらつき率が前記基準値以下になった電流値及びパルスレートで前記ステッピングモータを駆動させ、コピー動作又はプリント動作を行うことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記電流値を段階的に下げ、前記面積のばらつき率が前記基準値以下になる前に脱調が発生した時は、前記電流値を脱調が発生しない値に戻し、前記パルスレートを1段階下げた後、前記面積のばらつき率が前記基準値を超えているかを判断する処理を行い、前記面積のばらつき率が前記基準値を超えている場合は、脱調が発生せずに前記面積のばらつき率が前記基準値以下になるまで前記処理を繰り返し、前記面積のばらつき率が前記基準値以下になった電流値及びパルスレートで前記ステッピングモータを駆動させ、コピー動作又はプリント動作を行うことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記電流波形の検出は、電源ON時、前記画像形成装置内の温度センサが検出した温度が予め定めた閾値を超えた時、スリープ復帰時、消耗品の補給又は交換時、予め定めた枚数をコピーした時、予め定めた時間が経過した時、前記ステッピングモータを交換した時、の中から選択される1以上の場合に行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記電流波形の検出は、コピー動作中又はプリント動作中に行い、前記面積のばらつき率が前記基準値を超えた場合は、一旦コピー動作又はプリント動作を中断し、前記ステッピングモータの駆動条件を振動が発生しない条件に変更した後、コピー動作又はプリント動作を再開することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記画像形成装置で動作する制御プログラムであって、
コンピュータを、
請求項1乃至8のいずれか一に記載の制御部、として機能させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項10】
感光体と、前記感光体に形成された潜像を用紙に転写する手段と、ステッピングモータにより前記用紙を給紙及び搬送する手段と、を少なくとも有する画像形成装置の制御方法であって、
前記ステッピングモータの電流波形を検出し、前記電流波形の周期毎の面積のばらつき率が予め定めた基準値を超えた場合に、共振現象による振動が発生したと判断して、前記ステッピングモータの駆動条件を共振現象による振動が発生しない条件に変更することを特徴とする制御方法。
【請求項11】
前記駆動条件は、前記ステッピングモータの電流値及び/又はパルスレートであることを特徴とする請求項10に記載の制御方法。
【請求項12】
前記面積のばらつき率が前記基準値以下になるまで前記電流値を段階的に下げ、前記面積のばらつき率が前記基準値以下になった電流値で前記ステッピングモータを駆動させ、コピー動作又はプリント動作を行うことを特徴とする請求項11に記載の制御方法。
【請求項13】
前記面積のばらつき率が前記基準値以下になるまで前記パルスレートを段階的に下げ、前記面積のばらつき率が前記基準値以下になったパルスレートで前記ステッピングモータを駆動させ、コピー動作又はプリント動作を行うことを特徴とする請求項11に記載の制御方法。
【請求項14】
前記電流値を段階的に下げ、前記面積のばらつき率が前記基準値以下になる前に脱調が発生した時は、前記電流値を脱調が発生しない値に戻した後、前記面積のばらつき率が前記基準値以下になるまで前記パルスレートを段階的に下げ、前記面積のばらつき率が前記基準値以下になった電流値及びパルスレートで前記ステッピングモータを駆動させ、コピー動作又はプリント動作を行うことを特徴とする請求項11に記載の制御方法。
【請求項15】
前記電流値を段階的に下げ、前記面積のばらつき率が前記基準値以下になる前に脱調が発生した時は、前記電流値を脱調が発生しない値に戻し、前記パルスレートを1段階下げた後、前記面積のばらつき率が前記基準値を超えているかを判断する処理を行い、前記面積のばらつき率が前記基準値を超えている場合は、脱調が発生せずに前記面積のばらつき率が前記基準値以下になるまで前記処理を繰り返し、前記面積のばらつき率が前記基準値以下になった電流値及びパルスレートで前記ステッピングモータを駆動させ、コピー動作又はプリント動作を行うことを特徴とする請求項11に記載の制御方法。
【請求項16】
前記電流波形の検出は、電源ON時、前記画像形成装置内の温度センサが検出した温度が予め定めた閾値を超えた時、スリープ復帰時、消耗品の補給又は交換時、予め定めた枚数をコピーした時、予め定めた時間が経過した時、前記ステッピングモータを交換した時、の中から選択される1以上の場合に行うことを特徴とする請求項10乃至15のいずれか一に記載の制御方法。
【請求項17】
前記電流波形の検出は、コピー動作中又はプリント動作中に行い、前記面積のばらつき率が前記基準値を超えた場合は、一旦コピー動作又はプリント動作を中断し、前記ステッピングモータの駆動条件を振動が発生しない条件に変更した後、コピー動作又はプリント動作を再開することを特徴とする請求項10乃至15のいずれか一に記載の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9(a)】
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【図9(b)】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−4592(P2010−4592A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−158763(P2008−158763)
【出願日】平成20年6月18日(2008.6.18)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】