説明

画像形成装置及び機密文書印刷方法

【課題】 搭載している機能に応じて、ファーストコピーの出力時間を調整することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 画像データに埋め込まれた付加情報を読み込み、該付加情報に従って画像データの出力を制御する画像形成装置であって、付加情報を検出する付加情報検出装置100が、画像形成装置1に装着されているか否かを検知し、この検知結果に従って、読み込んだ画像データをプリント部19に出力するタイミングを制御する制御部16を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿画像の無断コピーを防止した画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータやプリンタ、複写機など、複写機能を持つ画像形成装置の普及により、書類を複製することが極めて簡単になっている。このような状況においては、著作権が付与された原稿、あるいは“コピー禁止”、“複製厳禁”、“マル秘”などといった無断複製の禁止が要求される原稿(以下まとめて“機密原稿”ともいう)に対しても容易にコピーが行われてしまうという欠点がある。換言すれば、文字列、図形、表、グラフなどを含む原稿画像であって、重要情報が漏洩することを防止する必要がある、いわゆる“機密原稿”の印刷出力(プリントアウト)物の不正複製による重要情報(機密内容)の漏洩ということが問題となってきている。したがって、複写機能を持つ画像形成装置には、機密原稿の悪用複製を防止する機能を持たせることが必要である。
【0003】
例えば、特許文献1では、複製動作時に検知可能なコードデータをパターン画像に対応付けると共に、制御情報を表すことが可能なようにパターン画像を所定の間隔で2次元状に配列することにより、パターン画像を含む背景画像と原画像とが合成された合成画像を生成している。
【0004】
しかしながら、このような背景画像と原画像とが合成された合成画像を印刷する時には、一旦1ページ分の画像を読み込み、読み込んだ画像に複写禁止の情報が埋め込まれているか否かを判定しなければならない。このため、印刷動作の開始が原稿スキャン完了後となるため、その分FCOT(First copy out time)が長くなるという問題があった。
【0005】
そこで特許文献2では、画像を入力し、その中に特定の画像が存在するか否かの検出処理を開始する時に、計時も開始する。計時時間が予め設定された時間となると、検出処理の途中であっても画像の印刷を開始するようにしている。
【0006】
【特許文献1】特開2003−283790号公報
【特許文献2】特開2001−127976号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2に開示の技術では、特定画像の検出処理を最後まで行わずに印刷を開始してしまうので、複写禁止原稿であっても、一般原稿と誤判定し、複写されてしまう場合も起こり得る。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、搭載している機能に応じて、ファーストコピーの出力時間を調整することができる画像形成装置及び機密文書印刷方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる目的を達成するために本発明の画像形成装置は、画像データに埋め込まれた付加情報を読み込み、該付加情報に従って画像データの出力を制御する画像形成装置であって、前記付加情報を検出する付加情報検出手段が、画像形成装置に装着されているか否かによって、読み込んだ画像データを画像出力手段に出力するタイミングを制御する制御手段を有する構成を備えている。
従って、搭載している機能に応じて、ファーストコピーの出力時間を調整することができる。
【0010】
本発明の画像形成装置は、画像データに埋め込まれた付加情報を読み込み、該付加情報に従って画像データの出力を制御する画像形成装置であって、前記付加情報を検出する付加情報検出手段が、画像形成装置に装着されているか否かを検知する検知手段と、前記検知手段の検知結果に従って、読み込んだ画像データを画像出力手段に出力するタイミングを制御する制御手段とを有する構成としている。
従って、搭載している機能に応じて、ファーストコピーの出力時間を調整することができる。
【0011】
上記画像形成装置において、前記制御手段は、前記付加情報検出手段の装着を検出した場合には、画像データの読み取りが完了したタイミングで画像出力を開始させ、前記付加情報検出手段の装着を検出できなかった場合には、前記画像データの読み取りが完了するよりも早いタイミングで画像出力を開始させるとよい。
【0012】
本発明の画像形成装置は、画像データに埋め込まれた付加情報を読み込み、該付加情報に従って画像データの出力を制御する画像形成装置であって、前記付加情報を検出する付加情報検出手段のオン、オフを切り換える切換手段と、読み込んだ画像データを画像出力手段に出力するタイミングを、前記付加情報検出手段のオンとオフとで切り換える制御手段と、を有する構成としている。
【0013】
上記画像形成装置において、前記制御手段は、前記付加情報検出手段がオンである場合には、画像データの読み取りが完了したタイミングで画像出力を開始させ、前記付加情報検出手段がオフである場合には、前記画像データの読み取りが完了するよりも早いタイミングで画像出力を開始させるとよい。
【0014】
本発明の機密文書印刷方法は、付加情報を検出する付加情報検出手段が、画像形成装置に装着されているか否かを検知するステップと、前記付加情報検出手段の装着を検出した場合には、画像データの読み取りが完了したタイミングで画像出力を開始させるステップと、前記付加情報検出手段の装着を検出できなかった場合には、前記画像データの読み取りが完了するよりも早いタイミングで画像出力を開始させるステップと、を有している。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、画像形成装置の搭載している機能に応じて、ファーストコピーの出力時間を調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
添付図面を参照しながら本発明の好適な実施例を説明する。
【実施例】
【0017】
まず、図1を参照しながら本実施例の画像形成装置1の構成を説明する。図1に示す本実施例の画像形成装置1は、画像展開部10と、スキャナ部11と、スキャン画像処理部12と、画像蓄積部13と、付加情報検出装置100としての複写禁止情報検出部14と複写許可条件情報検出部15と、制御部16と、背景地紋画像生成部17と、画像合成部18と、プリント部19と、ユーザインターフェース部20とを備えている。
【0018】
画像展開部10は、LAN等のネットワークを介して、プリント記述言語(PDL)で記述されたプリントデータを入力する。画像展開部10は、入力したプリントデータの展開処理を行って、画像データを生成する。生成された画像データは画像蓄積部13に出力され蓄積される。
【0019】
スキャナ部11は、プラテンガラス上に置かれた原稿を読み取り、読み取った画像データをスキャン画像処理部12に出力する。スキャン画像処理部12は、入力した画像データに対して、色補正、色空間変換、スクリーン処理等を行い、画像処理後の画像データを画像蓄積部13に蓄積する。
【0020】
画像合成部18は、画像蓄積部13から画像データを読み出してプリント部19に出力する。また、制御部16によって背景地紋画像を合成するように設定されている場合、画像蓄積部13からの画像データの読み出しに同期して、画像合成部18内のメモリに蓄積された背景地紋画像データを読み出して、画像データの所定の色プレーンに論理和(OR)合成を行い、合成画像データをプリント部19へ出力する。プリント部19は、画像合成部18から出力される合成画像データ、または画像データを用紙上に記録する。
【0021】
本実施例の画像形成装置は、背景地紋画像が埋め込まれた機密文書から、背景地紋画像に埋め込まれた付加情報を読み取って、許可されたユーザにだけ機密文書を印刷できるように構成されている。
背景地紋画像に埋め込まれる付加情報には以下のものがある。
(A)・・・複写禁止情報(コピー禁止とするか否か)
(B)・・・複写許可条件情報(条件が合致する場合にはコピーを許可するための情報)
例えば、暗証番号、複写を許可するユーザID番号(社員番号等)、複写禁止を解除する日時、複写を許可する複写機の機械番号
(C)・・・潜像情報(コピーすると浮き上がる潜像に関する情報)
例えば、潜像の文字列、フォント種類、フォントサイズ、潜像文字列の方向(角度)、背景地紋画像色
【0022】
ここで、背景地紋画像について図2を参照しながら詳細に説明する。背景地紋画像は、潜像画像IPと、出力画像Oの全面にわたる背景パターンPBとから構成される。
【0023】
背景パターンPBと潜像画像IPとは、それぞれを構成するパターンが異なる。しかし、人間の目には全面均一のグレイ背景として見える様に、単位面積あたりの画素面積及び画素色が同一なパターンにより出力画像Oを形成する。
【0024】
潜像画像IPは、複写された文書において、潜像画像IPが人間の目で識別できる程度に画像が浮かびあがるよう、他の部分のよりも細かいドットで構成されている。
【0025】
背景パターンPBは、コードから構成される。コードは、複写許可条件情報を含むコードデータを表す条件コードCDと、複写を制限する禁複写コードCPとから構成される。
【0026】
コードは、任意のコードデータを表す斜線パターンPSから構成される。斜線パターンPSは、走査方向Dに対し反時計回りに45度傾いた半直線で表されるものがコードデータのビット0を、135度傾いたものがコードデータのビット1を表す。
【0027】
禁複写コードCPは、コード内の全斜線パターンPSがビット0を表すものとビット1を表すものとから構成される。禁複写コードCPは、2種類の禁複写コードCPを所定個数以上検出した場合に、複写が制限された原稿であると判断する為に使用される。
【0028】
条件コードCDは、同期コード領域ASとデータコード領域ACとから構成される。
同期コード領域ASとは、データコード領域ACを囲む所定サイズの矩形領域の外周がすべてビット1を表す斜線パターンPS1で構成されているコード領域を言う。
データコード領域には、暗証番号、複写を許可するユーザID番号(社員番号等)、複写禁止を解除する日時、複写を許可する複写機の機械番号等が符号化され、条件コードCDとして埋め込まれている。
【0029】
次に、複写禁止情報検出部14について図3を参照しながら説明する。図3には、複写禁止情報検出部14の詳細な構成を示す。
スキャナ部11から出力された画像データは、グレースケール変換部21に入力され、フルカラーからグレースケールに変換される。その後、2値化処理部22によって2値化される。
【0030】
2値化された画像データは、ノイズ除去処理部23に入力され、ノイズ除去処理が行われる。具体的には、黒画素が連結している画素塊を求め、その画素塊の大きさ(連結画素数)が所定の範囲に収まっていない画素塊の各画素を白画素に置き換える。上記所定の範囲は、斜線パターンは削除されず、それ以外のパターン(孤立ドットパターンや文書ン中の文字や図形等)が削除されるように適切な範囲が設定されている。
【0031】
ノイズ除去された画像データは、パターン検出部24に入力され、2種類の斜線パターンの検出処理が行われ、その結果が1画素2ビットの画像データとして出力される。具体的には、画像データ中の各画素の位置で図4(A)、(B)のパターンを当てはめて、テンプレートマッチングによって検出を行う。ここで、図4に示すパターン(A)が検出された場合、画素値0を出力し、図4に示すパターン(B)が検出された場合、画素値1を出力し、パターンが検出されない場合、画素値2を出力する。
【0032】
パターン検出処理部24から出力された画像データは、ブロック化処理部25に入力される。ここで、ブロックサイズは、複写禁止コード、条件コードのサイズの半分よりも小さいサイズとし、コードの中に1個以上のブロックが完全に含まれるようなサイズに設定されている。ブロック化処理部25は、入力された画像データを所定サイズのブロックに分割し、個数算出部26に出力する。
【0033】
個数算出部26は、ブロック内に画素値0の画素の個数、および画素値1の画素をそれぞれ算出し、その結果を比率算出部27へ出力する。また、その合計を判定処理部28へ出力する。比率算出部27は、画素値0の画素の比率を算出し、その結果を判定処理部28へ出力する。
【0034】
判定処理部28は、個数算出部26から入力された合計個数および比率算出部27から入力された比率を元にして、判定処理を行う。
【0035】
ここで、今処理しているブロックの内部が全ビット0の複写禁止コードの内部に位置している場合、ブロック内部には所定個数以上のビット0に対応する斜線パターンが検出され、かつビット1に対応する斜線パターンはほとんど検出されないため、ビット0に対応する斜線パターンの比率が高くほとんど1.0に近いはずである。
【0036】
また、今処理しているブロックの内部が全ビット1の複写禁止コードの内部に位置している場合、ブロック内部には所定個数以上のビット1に対応する斜線パターンが検出され、かつビット0に対応する斜線パターンはほとんど検出されないため、ビット0に対応する斜線パターンの比率は低くほとんど0.0に近いはずである。
【0037】
また、今処理しているブロックが条件コードの少なくとも一部を含む場合、ブロック内部には複数のビット0に対応する斜線パターンおよび複数のビット1に対応する斜線パターンが検出されるため、ビット0に対応する斜線パターンの比率は1.0よりもかなり低く、0よりもかなり高くなるはずである。
【0038】
また、もし入力された画像データが複写禁止情報を埋め込まれた画像であれば、画像中には、ブロックの内部が全ビット0の複写禁止コードと、ブロックの内部が全ビット1の複写禁止コードとがそれぞれ複数個埋め込まれているはずである。
【0039】
以上の特性を利用して、下記のような判定処理を行う。
合計個数>第1しきい値、かつ、比率>第2しきい値の場合は、そのブロックは複写禁止コード0と判定する。
合計個数>第1しきい値、かつ。(1−比率)>第2しきい値の場合は、そのブロックは複写禁止コード1と判定する。
上記以外の場合は、そのブロックは複写禁止コードではないと判定する。また、第1しきい値は、ブロックサイズとパターンサイズからブロックに含まれる理論的なパターン個数にマージンを加味して設定する。第2しきい値は、1.0に近い値を設定する。
【0040】
判定処理部28は、複写禁止コード0と判定されたブロック数、および複写禁止コード1と判定されたブロック数をそれぞれ別々にカウントする。複写禁止コード0と判定されたブロック数がしきい値3以上となり、かつ複写禁止コード0と判定されたブロック数がしきい値3以上となった場合、その画像を複写禁止文書と判定し、その判定結果を制御部16へ出力する。
【0041】
次に、複写許可条件情報検出部15の詳細について図5を参照しながら説明する。
スキャナ部11から出力された画像データはグレースケール変換部31に入力され、フルカラーからグレースケールに変換された後に、2値化処理部32によって2値化される。
【0042】
2値化された画像データはノイズ除去処理部33に入力され、ノイズ除去処理33が行われる。ノイズが除去された画像データは、パターン検出処理部34に入力され、2種類の斜線パターンの検出処理が行われ、その処理結果のデータがバッファメモリ35に格納される。この画像データは、ビット0に対応する斜線パターンが検出された位置の画素値は0、ビット1に対応する斜線パターンが検出された位置の画素値は1、それ以外は2の値を持った1画素2ビットの画像データとなっている。
【0043】
バッファメモリ35に格納された画像データは、スキュー角検出処理部36に入力され、スキュー角度の検出が行われる。ここでは、入力画像データのスキュー角度を求める。具体的な方式としては、画素値0または1のみの画素のハフ変換を行い、その角度軸上への投影分布のピークを求めることによって行われる。求めたスキュー角度はコード検出部37へ出力される。
【0044】
また、バッファメモリ35に格納された画像データが読み出されてコード検出部37へ入力され、2次元コードの検出が行われる。具体的には、求めたスキュー角度に画像をスキャンして0または1の画素値(ビットの0または1に対応している)を取り出す。取り出された、ビット列から同期コードを見つけ出す。同期コードは、所定の縦横サイズの矩形領域の外周がすべてビット1で構成されているコードとして定義されている。この同期コードに囲まれたビット配列が2次元コード(条件コード)となっている。このビット配列を1次元のビット列に並べ替えて誤り訂正復号部38へ出力する。
【0045】
誤り訂正復号部38では、入力されたビット列に対して、所定の誤り訂正復号処理を行い、条件情報として復号する。復号された複写許可条件情報は制御部16へ出力される。
【0046】
次に、図6を参照しながら背景地紋画像生成部17について説明する。
。背景地紋画像生成部17には、制御部16から付加情報(複写禁止情報、条件情報、潜像情報)が入力される。このうち複写禁止情報と複写許可条件情報は付加情報符号化部42へ入力され、潜像情報は潜像生成部41に入力される。
【0047】
潜像生成部41は、入力された潜像情報を元に潜像画像を生成する。潜像情報とは、パターン画像の中にどのような潜像文字を埋め込むかを示す情報であり、具体的には潜像の文字列、フォント種類、フォントサイズ、潜像文字列の方向(角度)等の情報からなる。潜像生成部41は、潜像情報を受け取ると、指定されたフォント種類、フォントサイズで、指定された方向に潜像文字列の描画を行い、2値の潜像画像として生成する。生成した潜像画像は付加情報符号化部42へ出力される。なお、潜像画像の解像度は、プリンタの解像度を後述するパターンのサイズで割った解像度となる。例えば、プリンタ解像度が600dpi、パターンのサイズが12画素×12画素の場合、潜像画像の解像度は50dpiとなる。
【0048】
付加情報符号化部42は、入力された複写禁止情報及び条件情報の符号化を行う。まず、複写禁止情報がプリント出力を行った文書を画像形成装置で複写させないようにすること示す場合、図7(A)、(B)に示す2種類の複写禁止コードを生成する。ここで、図7(A)の複写禁止コードは、コード内部が全てビット0となっており、図7(B)の複写禁止コードは、コード内部が全てビット1となっていることが特徴である。複写禁止情報が入力されない場合、もしくはプリント出力を行った文書を画像形成装置で複写させないようにすることを示すものではない場合、図7(A)および(B)に示す2種類のコードの生成は行われない。
【0049】
次に、条件情報が入力されている場合、その条件情報に対して誤り訂正符号を行い、図7(C)に示すような条件コードを生成する。図7(C)のコードは、ビット0およびビット1の配列によって、符号化された条件情報のビット列を表している。コードの外周は、コードの同期を取るのを容易にするために特殊なビットパターンとなっている。
【0050】
次に、生成したコードを図8(A)に示すように複数個繰り返し配置し、潜像画像の大きさと同じ大きさのパターン番号配列を生成する。ここで、図の斜線ハッチングされた矩形が図7(A)の複写禁止コード、縦線ハッチングされた矩形が図7(B)の複写禁止コード、ドットハチングされた矩形が図7(C)の条件コードとなっている。もし、複写禁止コードが生成されなかった場合には、図中の複写禁止コードの部分には条件コードを配置する。また、もし条件コードが生成されなかった場合には、図中の条件コードの部分には複写禁止コードを配置する。この時点で、パターン番号配列の各要素の値は0または1になっている。
【0051】
次に、潜像画像を参照し、潜像画像中の黒画素の座標に対応するパターン番号配列の要素のパターン番号を2に変更する。これを潜像画像中の全ての黒画素について行うと、パターン番号配列は、複写禁止コード、条件コードが並べて配置された背景にパターン番号2で潜像文字が描かれた状態となる。この状態を図8(B)に示す。図中の黒色の「COPY」の部分が、パターン配列番号を2に変更された部分を示す。このパターン番号配列をパターン画像生成部44へ出力する。
【0052】
パターン画像生成部44は、入力されたパターン番号配列の各要素を参照し、そのパターン番号に対応したパターンをパターン格納部43から読み出してパターン画像に変換することで、背景地紋画像を生成する。生成された背景地紋画像は、画像合成部18内のメモリ(不図示)に格納される。
【0053】
本実施例は、付加情報検出装置100が画像形成装置本体に装着されているか否かを検出し、装着されていない場合には、FCOTを短縮するため、スキャナ部11で画像を読み込み終わる前に、プリントを開始する。
また、付加情報検出装置100が画像形成装置本体に装着されている場合には、原稿画像に埋め込まれた付加情報に従ったプリント動作を行うため、原稿画像の読み込みが完了するまでプリントを開始しない。
【0054】
オプション装置としての付加情報検出装置100の検出方法には種々の方法がある。例えば、付加情報検出装置100に、オプション装置の装着を特定するパルス信号を発生させるパルス発生部を設けて、画像形成装置本体側でこのパルス信号を検出することで、付加情報検出装置の有無を判定する方法がある。また、画像形成装置本体に新たにオプション装置として付加情報検出装置100が接続されると、本体装置がそのオプション装置への制御信号端子にパルス信号を出力し、オプション装置ではそのパルス信号を本体装置側へ出力し、本体装置でそのパルス信号に対応するパルス信号波形が入力されたことを検出すると、オプション装置が接続されていると判別する方法も挙げられる。
さらに、付加情報検出装置100とシリアル通信を行うことができれば装着と判別する方法、サービスマンがセットアップ時に装着された付加情報検出装置100に関する情報を、ユーザインターフェース20の操作パネルなどから入力して不揮発性メモリに記憶させる方法等がある。
【0055】
また、ユーザインターフェース部20から設定が入力されると、制御部16は、この設定に従って、付加情報検出装置100をオン又はオフに切り替えることもできる。付加情報検出装置100をオフにした場合、制御部16は、FCOTを短縮するため、スキャナ部11で画像を読み込み終わる前に、プリントを開始する。また付加情報検出装置100をオンにした場合には、制御部16は、原稿画像の読み込みが完了するまでプリントを開始しない。
【0056】
図9には、付加情報検出装置100が画像形成装置本体に装着されていない場合、又は付加情報検出装置100をオフ設定した場合の制御部16の信号出力タイミングが示されている。
制御部16はスキャナ部11へ画像読み取り用のページシンク信号を出力し、画像の読み込みを開始する。付加情報検出装置100が装置本体に装着されていない場合、付加情報検出装置100から装着を通知する通知信号が入力されることはない。このような場合、制御部16は、原稿画像の読み込みが終了する前に、プリント部19へプリント出力ページシンク信号を出力する。
【0057】
図10には、付加情報検出装置100の本体装置への装着を検出し、原稿画像に埋め込まれた付加情報に従って、プリントを行うか否かを制御するときの制御部16の制御タイミングが示されている。
制御部16は、付加情報検出装置100が本体に装着されていることを検出すると、図10(A)に示すように原稿画像の読み込みが終了するまで、プリント部19へプリント命令を出力することがない。また、図10(B)に示すように、複写禁止情報を検出すると、スキャナ部11、プリント部19に動作中止命令を出して、プリント動作を停止させる。
【0058】
このように本実施例では、画像形成装置の搭載している機能に応じて、ファーストコピーの出力時間を調整することができる。
【0059】
上述した実施例は本発明の好適な実施例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】背景地紋画像を示す図である。
【図3】複写禁止情報検出部の構成を示すブロック図である。
【図4】テンプレートマッチングに使用される画像の一例を示す図である。
【図5】複写許可条件情報検出部の構成を示すブロック図である。
【図6】背景地紋画像生成部の構成を示すブロック図である。
【図7】複写禁止情報及び条件情報を示す図である。
【図8】パターン番号配列を示す図である。
【図9】付加情報検出装置が装着されていない場合の制御部の制御タイミングを示す図である。
【図10】付加情報検出装置が装着されている場合の制御部の制御タイミングを示す図である。
【符号の説明】
【0061】
1 画像形成装置
10 画像展開部
11 スキャナ部
12 スキャン画像処理部
13 画像蓄積部
14 複写禁止情報検出部
15 複写許可条件情報検出部
16 制御部
17 背景地紋画像生成部
18 画像合成部
19 プリント部
20 ユーザインターフェース部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに埋め込まれた付加情報を読み込み、該付加情報に従って画像データの出力を制御する画像形成装置であって、
前記付加情報を検出する付加情報検出手段が、画像形成装置に装着されているか否かによって、読み込んだ画像データを画像出力手段に出力するタイミングを制御する制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
画像データに埋め込まれた付加情報を読み込み、該付加情報に従って画像データの出力を制御する画像形成装置であって、
前記付加情報を検出する付加情報検出手段が、画像形成装置に装着されているか否かを検知する検知手段と、
前記検知手段の検知結果に従って、読み込んだ画像データを画像出力手段に出力するタイミングを制御する制御手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記付加情報検出手段の装着を検出した場合には、画像データの読み取りが完了したタイミングで画像出力を開始させ、前記付加情報検出手段の装着を検出できなかった場合には、前記画像データの読み取りが完了するよりも早いタイミングで画像出力を開始させることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
画像データに埋め込まれた付加情報を読み込み、該付加情報に従って画像データの出力を制御する画像形成装置であって、
前記付加情報を検出する付加情報検出手段のオン、オフを切り換える切換手段と、
読み込んだ画像データを画像出力手段に出力するタイミングを、前記付加情報検出手段のオンとオフとで切り換える制御手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記付加情報検出手段がオンである場合には、画像データの読み取りが完了したタイミングで画像出力を開始させ、前記付加情報検出手段がオフである場合には、前記画像データの読み取りが完了するよりも早いタイミングで画像出力を開始させることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項6】
付加情報を検出する付加情報検出手段が、画像形成装置に装着されているか否かを検知するステップと、
前記付加情報検出手段の装着を検出した場合には、画像データの読み取りが完了したタイミングで画像出力を開始させるステップと、
前記付加情報検出手段の装着を検出できなかった場合には、前記画像データの読み取りが完了するよりも早いタイミングで画像出力を開始させるステップと、を有することを特徴とする機密文書印刷方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−166220(P2007−166220A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−359644(P2005−359644)
【出願日】平成17年12月13日(2005.12.13)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】