説明

画像形成装置及び画像形成方法

【課題】 カートリッジを本体に装着した状態で出荷した場合でも、転写不良、帯電不良による画像不良が発生しない画像形成装置と画像形成方法を提供することである。
【解決手段】電源を投入し、初期化処理を開始した後、通常通りの時間の初期化処理では不十分である場合、初期化処理時間を延長し、通常より長い時間をかけて初期化処理を行う。このとき、感光ドラムに帯電露光を繰り返すことによって、感光ドラムに予期せず発生した電荷を除去し、転写ローラの変形を元に戻すことができるので、初期帯電不良や初期転写不良による画像不良を防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置及び画像形成方法に関し、特に、電子写真方式に従って画像形成を行う、例えば、プリンタ、複写機、ファクシミリ等に用いられる画像形成装置及びその装置に適用される画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子写真方式に従う画像形成は、例えば、特許文献1によれば、次のように行なわれる。
【0003】
図9は電子写真方式に従うプリンタ等の画像形成装置の画像転写部近傍の概略構成を示す側断面図である。
【0004】
プロセスカートリッジC(以下、カートリッジ)内に存在する像担持体としての感光ドラム201は、画像形成装置の本体側に設けられた転写ローラ202と共に駆動手段(不図示)によって回転駆動される。さらに、帯電ローラ303によって、所定の極性、所定の電位に帯電される。その後、露光器204に露光されることによって潜像が形成され、現像器205によってトナー像が形成される。このトナー像は、転写ローラ202によって搬送路606に沿って搬送されてきた例えば、記録紙などの記録媒体(不図示)に転写される。なお、転写ローラ202には、高圧電源207によって転写バイアスが印加されている。
【0005】
このように従来より、感光ドラム201や現像器205、帯電ローラ203等を一体化して着脱自在型のカートリッジCを構成し、これを画像形成装置本体内に装着することによりメンテナンスの容易性等を向上させている。
【0006】
さて、ユーザがカートリッジCを投入した場合、感光ドラム201表面の電位の分布は不定である。これを画像形成に用いるべく均一化するために、電源投入時及び装置のドアを閉じる時に、初期化処理を行うように画像形成装置は設計されている。この初期化処理としては、帯電高圧AC成分のみを出力しながら感光ドラム201を回転させる、又は、帯電高圧のAC成分とDC成分とを重畳して出力すると共に全面露光を行うなど、機種毎にいくつかの方法が採用されている(例えば、参考文献2参照)。
【0007】
また、近年、輸送コスト削減の観点から、カートリッジCを装置本体に装着した状態で出荷するという方法も提案されている。
【特許文献1】特開平11−65241号公報
【特許文献2】特開2000−242062号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら上記従来例では、カートリッジを本体に装着した状態で出荷・販売を行うと、製品がユーザの手に渡るまでの間、長期間保存及び輸送状態が続くことがある。このため、感光ドラムと転写ローラの接点部において摩擦帯電により感光ドラムに強い電荷が生じたり、圧力により転写ローラが変形したりすることが懸念される。
【0009】
感光ドラムに強い電荷が生じていると、帯電時に帯電ローラが感光ドラムを一様に帯電させることが出来ず、帯電不良となり電荷が生じている部分の画像が濃くなってしまうという不具合が生じる。また、転写ローラが変形していると、転写バイアスにムラが生じ、転写不良となり、画像が薄くなる、ぼやけるなど、画像不良の原因となる。
【0010】
本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、カートリッジを画像形成装置本体に装着した状態で出荷した場合でも転写不良、帯電不良による画像不良が発生せず良好な画像形成が可能な画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため本発明の画像形成装置は、以下のような構成からなる。
【0012】
即ち、静電潜像が形成される像担持体と前記像担持体を帯電させる帯電手段と前記静電潜像を現像して可視画像を形成する現像手段とを含んだ交換自在のカートリッジを装着し、前記カートリッジを用いて記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、前記記録媒体を搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送された記録媒体に前記現像手段により現像された前記像担持体上の可視画像を転写するために用いる転写手段と、前記転写手段に画像転写に必要な転写電圧を印加する印加手段と、電源投入時に前記カートリッジに対して初期化処理を行なう初期化手段と、前記画像形成装置の過去の使用履歴、前記装着されたカートリッジの使用履歴、或いは前記転写電圧の印加のために投入される転写電流に従って前記初期化手段により初期化処理時間を変更するよう制御する制御手段を有することを特徴とする。
【0013】
また他の発明によれば、静電潜像が形成される像担持体と前記像担持体を帯電させる帯電手段と前記静電潜像を現像して可視画像を形成する現像手段とを含んだ交換自在のカートリッジを画像形成装置に装着し、前記カートリッジを用いて記録媒体に画像形成を行う画像形成方法であって、前記画像形成装置への電源投入時に前記カートリッジに対して初期化処理を行なう初期化工程と、前記画像形成装置の使用履歴、前記装着されたカートリッジの使用履歴、或いは、搬送手段により搬送された前記記録媒体に前記現像手段により現像された前記像担持体上の可視画像を転写するために用いる転写手段に画像転写のための転写電圧を印加するために投入される転写電流に従って前記初期化工程における初期化処理時間を変更するよう制御する制御工程と、前記初期化処理が終了した前記カートリッジにより画像形成を行う画像形成工程とを有することを特徴とする画像形成方法を備える。
【発明の効果】
【0014】
従って本発明によれば、例えば、装置の電源投入履歴、カートリッジの使用履歴、或いは転写バイアスのための転写電流の値など種々の条件に従って、初期化処理を延長するように制御することができる。これにより、より長い時間をかけて初期化処理を行うことで感光ドラムに強い電荷が発生していたとしても除去でき、転写ローラが感光ドラムと接触することにより発生する圧力で変形していたとしても、形状を元に戻すことができる。
【0015】
このようにして、カートリッジを画像形成装置本体に装着した状態で出荷した場合でも画像形成開始時の帯電不良や転写不良による画像不良を防止し、良好な画像形成を行うことができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下添付図面を参照して本発明のいくつかの好適な実施例について、さらに具体的かつ詳細に説明する。
【実施例1】
【0017】
図1は本発明の実施例1である電子写真方式に従って画像形成を行う、例えば、レーザビームプリンタのような画像形成装置の概略構成を示す側断面図である。
【0018】
カートリッジC内に構成される像担持体としての感光ドラム1は、例えば、アルミニウム等の導電性の基体の外周面に、感光層としてOPC(有機光半導体)を設けたものである。感光ドラム1は、図1に示す矢印の方向に、駆動手段(不図示)によって所定のプロセススピード(周速度)で回転駆動される。
【0019】
感光ドラム1の周囲には、その回転方向に沿って順に、帯電ローラ3、露光器4、現像器5、転写ローラ2、クリーナ9が配設されている。転写ローラ2は、例えば、鉄やアルミニウム等の導電性の芯金の上に、発泡EPDMや発泡ポリウレタン中にカーボンや酸化亜鉛等の導電性付与粒子を分散させた弾性体を接着して構成されているものである。このような構成により、転写ローラ2は回転を続けると形状が均一化する性質を持つ。転写ローラ2は、感光ドラム1に対して下方から当接されて、感光ドラム1との間に転写ニップ部Tを形成している。また、転写ローラ2には高圧電源7が接続され、高圧電源7には、コントローラ14が接続されている。さらに、転写ローラ2と高圧電源7の間には、コントローラ14に接続された電流検出部8が配設されている。
【0020】
ユーザがプリント(画像形成)を指示すると、感光ドラム1が転写ローラ2と共に駆動手段によって回転駆動される。感光ドラム1の表面は、帯電ローラ3によって所定の極性・所定の電位に均一に帯電される。帯電後の感光ドラム1の表面は、露光器4によって画像情報に基づいた露光が行われて静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像器5によってトナーが付着されてトナー像として現像される。このように感光ドラム1の表面に形成されたトナー像は、転写ローラ2に転写バイアスを印加することで、転写ニップ部Tに搬送路6に沿って供給されてきた記録紙のような記録媒体Pに転写される。
【0021】
記録媒体Pは、給紙トレイ10から、給紙ローラ11によって搬送開始される。トナー像転写後の感光ドラム1は、その表面に残ったトナー(残留トナー)がクリーナ9によって除去される。このようにして、次回の画像形成プロセスに移行する。一方、トナー像転写後の記録媒体Pは、定着ローラ12により加熱、加圧ローラ13により加圧されて表面にトナー像が定着される。トナー像定着後の記録媒体Pは、画像形成装置本体の外部に排出され、これによりプリント(画像形成)が終了する。
【0022】
感光ドラム1の電位を均一化させるために、この実施例では、画像形成装置の電源投入時及び装置のドアを閉じる時には毎回、初期化処理を行ってからプリント指示を受け付ける状態(スタンバイ)に移行するようになっている。
【0023】
特に、この実施例では、画像形成装置本体の電源が出荷後に投入されたことがあるか否かを記憶するメモリ15が、コントローラ14の内部に搭載されている。
【0024】
図2は、実施例1に従う初期化処理を示すフローチャートである。
【0025】
まず、画像形成装置本体の電源を投入すると、ステップS11では、初期化処理を開始する。この初期化処理では、感光ドラム1と転写ローラ2を制御し、感光ドラム1と転写ローラ2を回転駆動し、帯電ローラ3によって、感光ドラム1を所定の極性・所定の電位に帯電した後、露光器4によって、感光ドラム1を露光するという動作を行なう。通常はこの動作を所定時間継続する。
【0026】
次に、ステップS12では画像形成装置本体のメモリ15の内容を参照し、画像形成装置本体に装置の出荷以後、電源が一度でも投入されたことがあるかどうかを調べる。ここで、電源が一度も投入されたことがないと判断された場合には、処理はステップS13に進み、初期化処理時間を延長する。これに対して、電源が一度でも投入されたことがあると判断された場合には、処理はステップS16に進み、初期化処理の延長を行わず、そのまま初期化処理を終了する。なお、その延長時間は、一回の延長当たり感光ドラム1又は転写ローラ2が1回転する時間の内、短い方より長くする。
【0027】
さて、転写ニップ部Tに流れる電流(転写電流)は電流検出部8によって検出される。そして、ステップS14では、転写電流が所定時間、一定の範囲に収まるまで初期化処理を延長を継続するように制御する。この延長された初期化処理でも、感光ドラム1と転写ローラ2を制御し、感光ドラム1と転写ローラ2を回転駆動し、帯電ローラ3によって、感光ドラム3を所定の極性・所定の電位に帯電した後、露光器4によって、感光ドラム1を露光するという動作を行なう。
【0028】
そして、転写電流が所定時間、一定範囲に含まれたと判断された場合、処理はステップS15に進み、メモリ15に電源が投入されたことを記憶する。その後、処理はステップS16に進み、初期化処理を終了する。
【0029】
以上説明した実施例に従えば、画像形成装置本体のメモリに格納された情報から装置の出荷後に電源投入がなされたかどうかを調べ、その結果に従って、初期化処理を延長するように制御できる。このように延長された初期化処理では、より長い時間をかけて感光ドラムに帯電露光を繰り返し、感光ドラムに予期せず発生した電荷を除去し、転写ローラの変形を元に戻すことが可能になる。
【0030】
これにより、感光ドラムと転写ローラの接点において摩擦帯電により生じた電荷を十分な時間の初期化処理により除去して、感光ドラム表面の電位を均一化することができる。また、より長い時間をかけて初期化処理を行うことで、転写ローラが感光ドラムと接触することにより生じる圧力で変形していたとしても、その形状を元に戻すことができる。
【0031】
このようにして、画像形成開始時の帯電不良や転写不良による画像不良を防止し、良好な画像形成がなされるように装置がスタンバイされる。
【実施例2】
【0032】
図3は実施例2に従うプリンタ等の画像形成装置の転写部近傍の概略構成を示す断面図である。なお、図3において、実施例1で説明したのと同じ構成要素には同じ参照番号を付し、その説明は省略する。
【0033】
この実施例の特徴的な構成は、図3に示すように、カートリッジCにカートリッジメモリ16が搭載され、カートリッジが使用されたことがあるか否かを記憶できる点にある。
【0034】
図4は実施例2に従う初期化処理を示すフローチャートである。なお、図4において、実施例1で説明したのと同じ処理ステップには同じステップ参照番号を付し、その説明は省略する。従って、以下ではこの実施例に特徴的な処理ステップのみ説明する。
【0035】
まず、画像形成装置本体に電源を投入し、初期化処理を開始すると、ステップS12aでは、カートリッジメモリ16の内容を参照し、カートリッジが使用されたことがあるかどうかを調べる。ここで、カートリッジメモリ16にカートリッジが使用されたことがないことが記憶されていると判断された場合に、処理はステップS13に進み初期化処理時間を延長する。これに対して、カートリッジが使用されたことがあることが記憶されていると判断された場合には、処理はステップS16に進み、初期化処理を終了する。
【0036】
さて、処理はステップS14aにおいて、所定時間が経過したかどうかを調べ、その時間が経過したと判断されれば、処理はステップS15aに進む。なお、この所定時間はカートリッジ機種ごとに定められるものである。そして、ステップS15aでは、カートリッジメモリ16にカートリッジが使用されたことを記憶して初期化処理を終了する。
【0037】
従って以上説明した実施例に従えば、カートリッジ毎にその使用がなされたかどうかの情報を記憶保持できる。
【実施例3】
【0038】
図5は実施例3に従うプリンタ等の画像形成装置の転写部近傍の概略構成を示す断面図である。なお、図5において、実施例1で説明したのと同じ構成要素には同じ参照番号を付し、その説明は省略する。
【0039】
図6は実施例3に従う初期化処理を示すフローチャートである。なお、図6において、実施例1で説明したのと同じ処理ステップには同じステップ参照番号を付し、その説明は省略する。従って、以下ではこの実施例に特徴的な処理ステップのみ説明する。
【0040】
図7は初期化処理において画像形成装置各部で用いられる各信号のタイムチャートである。なお、そのタイムチャートには、メインモータの駆動、帯電バイアス出力、露光、転写電流の検出が行われるタイミングが示されている。図7において、(a)は初期化処理の延長を行わない場合のタイムチャートを示し、(b)はその延長を行った場合のタイムチャートを示す。
【0041】
図7(a)において、時刻t=t1は、初期化処理の開始時間である。ステップS11における初期化処理開始と同時にメインモータが回転を始め、モータのスローアップが終了する時刻t=t2に帯電バイアスが出力される。感光ドラム101の帯電部分が、露光位置に移動する時刻t=t3において露光が開始された後、ステップS12bでは転写電流の検出を開始する(時刻t=t4)。
【0042】
また、ステップS12bでは、図7(a)に示すように、所定時間(T0)に渡って転写電流を繰り返し測定する。そして、測定電流値の最大値と最小値の差(転写電流のムラ)を所定値と比較する。ここで、転写電流のムラが所定値以下と判断された場合、処理はステップS16に進み、帯電バイアス出力を停止(時刻t=t6)した後、メインモータを停止し(時刻t=t7)、初期化処理を終了する。つまり、この場合には初期化処理の延長は行なわれないのである。
【0043】
次に、図7(b)の場合、初期化処理延長を行う場合について説明する。図7(a)と図7(b)とを比較すれば分かるように、この場合、時刻t=t1〜t4の処理は両者とも同じである。
【0044】
ステップS12bにおける転写電流検出の開始後、図7(b)のt=t4〜t5に対応する所定時間(T0)内に測定電流値の最大値と最小値の差(転写電流のムラ)を所定値(X)と比較する。そして、図7(b)に示すように、転写電流のムラが所定値(X)以上の場合、処理はステップS13に進み初期化処理を延長する。1回当たりの延長時間は実施例1に説明した通りである。
【0045】
さらに、初期化処理を延長しながら、ステップS14bでは引き続き転写電流の検出を行う。そして、所定時間(T0)内に転写電流のムラを所定値(X)と再び比較する。図7(b)に示す例では、初期化時間を1回延長した時刻t=t8では転写電流のムラは所定値(X)を下回るので、その時点で転写電流の検出を終了する。そして、次に帯電バイアス出力を終了(時刻t=t9)した後、ステップS16で初期化処理を終了する(時刻t=t10)。
【0046】
なお、転写電流のムラが所定値Xを下回らない場合は、さらに再度所定時間(T0)初期化処理を延長して転写電流の測定を行う。
【0047】
以上説明した実施例に従えば、所定時間内に検出された転写電流値が所定の範囲内に収まるかどうかを調べ、その結果に従って、初期化処理を延長するように制御できる。
【実施例4】
【0048】
この実施例に従うプリンタ等の画像形成装置の転写部は実施例2で図5を参照して説明したのと同様なので、その説明は省略する。この実施例では転写電流を測定する電流検出部を高圧電源に接続して電流を検出する。
【0049】
図8は実施例4に従う初期化処理を示すフローチャートである。なお、図8において、実施例1〜3で説明したのと同じ処理ステップには同じステップ参照番号を付し、その説明は省略する。従って、以下ではこの実施例に特徴的な処理ステップのみ説明する。
【0050】
図8に示すように、ステップS11で初期化処理を開始し、ステップS12cでは初期化処理を行いながら一定時間毎に転写電流の検出を行う。そして、検出した転写電流の値が連続して所定回数、所定範囲に収まったかどうかを調べる。ここで、検出転写電流値が連続して所定回数、所定範囲に収まったと判断された場合は、処理はステップS15に進み、初期化処理の延長を行わずに初期化処理を終了する。
【0051】
これに対して、検出転写電流値が連続して所定回数、所定範囲に収まらなかったと判断された場合は、処理はステップS13に進み、初期化処理時間を延長する。1回当たりの延長時間は実施例1に説明した通りである。
【0052】
ステップS14cでは初期化処理を延長しながら引き続き一定時間毎に転写電流を検出する。そして、検出転写電流の値が連続して所定の回数、所定範囲に収まったかどうかを調べる。ここで、検出転写電流の値が連続して所定の回数、所定範囲に収まったと判断された場合、転写電流の検出を終了し、処理はステップS15に進み、次に帯電バイアス出力を終了した後、初期化処理を終了する。
【0053】
以上説明した実施例に従えば、一定時間毎に検出される転写電流の値が連続して所定の回数、所定範囲に収まるかどうかを調べ、その結果に従って初期化処理を延長するように制御することができる。
【0054】
なお、以上説明した実施例1〜4では、初期化処理時間の延長を開始する条件を4つ、初期化処理時間を延長した場合の延長終了条件を2つ記載した。これらの延長開始条件、延長終了条件は任意に組み合わせることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の代表的な実施例である電子写真方式に従って画像形成を行う画像形成装置の概略構成を示す側断面図である。
【図2】実施例1に従う初期化処理を示すフローチャートである。
【図3】実施例2に従う画像形成装置の転写部の概略構成を示す側断面図である。
【図4】実施例2に従う初期化処理を示すフローチャートである。
【図5】実施例3に従う画像形成装置の転写部の概略構成を示す側断面図である。
【図6】実施例3に従う初期化処理を示すフローチャートである。
【図7】実施例3に従う初期化処理に用いる各信号のタイムチャートである。
【図8】実施例4に従う初期化処理を示すフローチャートである。
【図9】従来の電子写真方式に従うプリンタ等の画像形成装置の転写部近傍の概略構成を示す側断面図である。
【符号の説明】
【0056】
1 感光ドラム
2 転写ローラ
3 帯電ローラ
4 露光器
5 現像器
6 搬送路
7 高圧電源
8 電流検出部
9 クリーナ
10 給紙トレイ
11 給紙ローラ
12 定着ローラ
13 加圧ローラ
14 コントローラ
15 メモリ
16 カートリッジメモリ
C カートリッジ
T 転写ニップ部
P 記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像が形成される像担持体と前記像担持体を帯電させる帯電手段と前記静電潜像を現像して可視画像を形成する現像手段とを含んだ交換自在のカートリッジを装着し、前記カートリッジを用いて記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、
前記記録媒体を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送された記録媒体に前記現像手段により現像された前記像担持体上の可視画像を転写するために用いる転写手段と、
前記転写手段に画像転写に必要な転写電圧を印加する印加手段と、
電源投入時に前記カートリッジに対して初期化処理を行なう初期化手段と、
前記画像形成装置の過去の使用履歴、前記装着されたカートリッジの使用履歴、或いは前記転写電圧の印加のために投入される転写電流に従って前記初期化手段により初期化処理時間を変更するよう制御する制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記使用履歴に関する情報を格納する第1記憶手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記使用履歴とは、前記画像形成装置に該装置の出荷後に一度でも電源が投入されたことがあるかどうかを示す情報であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記カートリッジは前記使用履歴に関する情報を格納する第2記憶手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記使用履歴とは、前記カートリッジが該カートリッジの出荷後に一度でも使用されたことがあるかどうかを示す情報であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記転写電流を検出する検出手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記検出手段に検出された電流値の推移が予め定められた条件を満たすかどうかを判別し、該判別結果に従って予め定められた時間の単位で初期化時間を延長することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記予め定められた条件とは、予め定められた時間内に、複数の時点において検出された電流値の各値が、予め定められた範囲内にあるかどうかであることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記予め定められた条件とは、予め定められた時間毎に検出した電流値が予め定められた回数連続して予め定められた範囲内にあるかどうかであることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記初期化処理とは、前記像担持体と前記転写手段を制御して回転駆動させ、前記帯電手段によって、前記像担持体を予め定められた極性・予め定められた電位に帯電した後、前記像担持体を露光する処理であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記初期化処理時間の変更とは、初期化処理時間の延長処理であって、前記延長処理1回当たり前記像担持体又は前記転写手段が夫々1回転するに要する時間の内、短い方より長いことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項12】
静電潜像が形成される像担持体と前記像担持体を帯電させる帯電手段と前記静電潜像を現像して可視画像を形成する現像手段とを含んだ交換自在のカートリッジを画像形成装置に装着し、前記カートリッジを用いて記録媒体に画像形成を行う画像形成方法であって、
前記画像形成装置への電源投入時に前記カートリッジに対して初期化処理を行なう初期化工程と、
前記画像形成装置の使用履歴、前記装着されたカートリッジの使用履歴、或いは、搬送手段により搬送された前記記録媒体に前記現像手段により現像された前記像担持体上の可視画像を転写するために用いる転写手段に画像転写のための転写電圧を印加するために投入される転写電流に従って前記初期化工程における初期化処理時間を変更するよう制御する制御工程と、
前記初期化処理が終了した前記カートリッジにより画像形成を行う画像形成工程とを有することを特徴とする画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−187847(P2007−187847A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−5399(P2006−5399)
【出願日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】