説明

画像形成装置及び画像形成方法

【課題】液体現像剤を用いる画像形成装置において、中間転写体上の現像剤像のキャリア液除去具合を調整して二次転写性と定着性を向上させ、転写抜けがなく、定着性のよい、高画質な画像を得る。
【解決手段】本発明では、像担持体1と、該像担持体上に形成された潜像をキャリア液中にトナーを分散した高粘性・高濃度の液体現像剤47を用いて現像する現像装置4と、該現像装置により像担持体上に形成された可視化像を中間転写体61に転写する一次転写装置6と、該一次転写装置により中間転写体上に形成された可視化像を転写材Sに転写する二次転写装置9とを有する画像形成装置100において、中間転写体上に形成された可視化像に接し、該可視化像中のトナー粒子層を圧縮するトナー粒子層圧縮手段62を設け、可視化像中のトナー粒子層を圧縮し、キャリア液の除去量を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複写機、ファクシミリ、プリンタ、プロッタ、印刷機等の画像形成装置に関し、より詳細には、現像手段に高粘性・高濃度の液体現像剤を用いた場合の転写材への定着性を向上させた画像形成装置及び画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、ファクシミリ、プリンタ、プロッタ、印刷機等の画像形成装置においては、絶縁性液体(以下キャリア液と称す)中にトナーを分散させた液体現像剤を像担持体に塗布して可視化像(トナー像)を形成し、形成された可視化像(トナー像)を中間転写体上に一次転写し、その後、中間転写体上の可視化像を転写紙等の転写材に二次転写し、定着して画像を形成する液体現像剤を用いた画像形成装置が一般的に普及されている。
【0003】
このような液体現像剤を用いた画像形成装置において、キャリア液が転写紙に付着するとコスト高になる上、不揮発性のキャリア液の場合、キャリア液がほとんど永久的に転写紙中に残り、加筆性を悪くしたり、取り扱う場合にべたべたしたり、また、定着性が悪く、転写紙上でトナーが擦れたりする。そのために、キャリア液がなるべく転写紙に付着しないようにし、また、画像形成装置外に持ち出される量をなるべく減らす必要がある。また、中間転写体上のトナー像をコート紙などの平滑性の良い転写紙や、あるいはキャリア液の浸透性の悪い転写紙等に転写するときに、現像剤像がつぶれたりするのを防ぐ必要がある。
【0004】
このような問題点を解決するものとして、例えば下記の特許文献1や特許文献2に記載のように、中間転写体上からキャリア液を除去する方法が提案されている。
(1)特許文献1:特開2002−296918号公報
2次転写前に、中間転写ベルト上に重ね合わされて転写されたトナー像から余剰なキャリア液を除去するための、液除去ローラ設け、余剰キャリア液の除去と同時に液除去ローラにバイアスを印加することで、トナーが液除去ローラに付着することを防ぎつつ、余剰キャリア液の除去のみを行う。
(2)特許文献2:特開2001−356613号公報
印刷媒体の厚みを判定し、その値が所定値以上のときに、中間転写体に対して複数本当接可能に配置した除去ローラの当接させる本数を変えることで、中間転写体上のトナー画像からのキャリア液の除去回数を増やす。
【0005】
【特許文献1】特開2002−296918号公報
【特許文献2】特開2001−356613号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載のようなキャリア液除去を行うと、転写紙に付着するキャリア液は比較的減少し、機外に持ち出されるキャリア液は減少するものの、定着性はあまり向上していない場合があった。これは、現像剤はトナー粒子とキャリア液から成るため、そのうちのキャリア液を除去することはできるが、さらにトナー粒子を膨潤させているキャリア液があり、そのキャリア液は除去できない場合があるためと考えられる。また、キャリア液を除去しすぎて二次転写性が劣る場合もある。これは、中間転写体から転写紙への転写に静電転写方法を用いた場合であり、このような転写も、現像と同様にキャリア液中を、電荷を持ったトナーが電気泳動していると考えられるためである。もしくは、現像前の現像剤も高固形分率化し、現像工程及び転写工程でキャリア液除去を繰り返し、中間転写体上ではかなり高固形分率、例えば20%〜70%になっていると考えられ、電気泳動は困難としても、トナーはキャリア液中で帯電しているので、キャリア液がないことには帯電できないためと考えられる。
【0007】
本発明は上記の問題点を解決するためになされたものであり、静電転写を用いて中間転写体から転写材に二次転写を行う場合に、キャリア液が減りすぎて二次転写性が悪くなる場合があるため、中間転写体上の現像剤像のキャリア液除去具合を調整して二次転写性を向上させ、また定着性が不足な場合には定着性を向上させ、転写抜けがなく、定着性のよい、高画質な画像を得ることができる画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。また、前述したように、転写紙にはキャリア液をなるべく付着させず、キャリア液はなるべく画像形成装置外へは持ち出さないことが良いので、本発明では上記目的に加え、電荷を与えると同時に、または電荷を与えてトナーを圧縮させた後、分離したキャリア液を回収し、転写紙上で擦られることのないようにして、高画質な画像を得ることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明では以下のような技術的手段を採っている。
本発明の第1の手段は、像担持体と、該像担持体上に形成された潜像を絶縁性液体(以下キャリア液と称す)中にトナーを分散した高粘性・高濃度の液体現像剤を用いて現像する現像装置と、該現像装置により前記像担持体上に形成された可視化像を中間転写体に転写する一次転写装置と、該一次転写装置により前記中間転写体上に形成された可視化像を転写材に転写する二次転写装置とを有する画像形成装置において、前記中間転写体上に形成された可視化像に接し、該可視化像中のトナー粒子層を圧縮するトナー粒子層圧縮手段を設けたことを特徴としている(請求項1)。
また、本発明の第2の手段は、第1の手段の画像形成装置において、前記トナー粒子層圧縮手段は、前記可視化像中のトナー粒子層を圧縮し、キャリア液の除去量を調整することを特徴としている(請求項2)。
【0009】
本発明の第3の手段は、第1または第2の手段の画像形成装置において、前記トナー粒子層圧縮手段が、前記中間転写体に対する圧力もしくは前記可視化像中のトナー粒子層にかかる圧力を可変する可変機構を有することを特徴としている(請求項3)、
また、本発明の第4の手段は、第1乃至第3のいずれか一つの手段の画像形成装置において、前記トナー粒子層圧縮手段と前記中間転写体との間にトナー粒子同士を圧縮する電界形成手段を有することを特徴としている(請求項4)。
【0010】
本発明の第5の手段は、第1乃至第4のいずれか一つの手段の画像形成装置において、前記トナー粒子層圧縮手段は、金属から成ることを特徴としている(請求項5)。
また、本発明の第6の手段は、第1乃至第5のいずれか一つの手段の画像形成装置において、前記トナー粒子層圧縮手段は、前記中間転写体に対して接離機構を持つことを特徴としている(請求項6)。
【0011】
本発明の第7の手段は、第1乃至第6のいずれか一つの手段の画像形成装置において、前記トナー粒子層圧縮手段は、クリーニング部材を持つことを特徴としている(請求項7)。
また、本発明の第8の手段は、第1乃至第7のいずれか一つの手段の画像形成装置において、前記像担持体が、アモルファスシリコン(a−Si)から成ることを特徴としている(請求項8)。
【0012】
本発明の第9の手段は、キャリア液中にトナーを分散した高粘性・高濃度の液体現像剤を用いて現像された像担持体上の画像を、中間転写体上に一次転写し、該中間転写体上の画像を転写材へ二次転写する画像形成方法において、前記中間転写体上の現像剤中のトナー粒子層を圧縮することを特徴としている(請求項9)。
また、本発明の第10の手段は、第9の手段の画像形成方法において、前記中間転写体上の現像剤中のトナー粒子層を圧縮し、キャリア液の除去量を調整することを特徴としている(請求項10)。
さらに本発明の第11の手段は、第9または第10の手段の画像形成方法において、前記中間転写体上の現像剤中のトナー粒子層を圧縮する圧力を可変とすることを特徴としている(請求項11)。
【発明の効果】
【0013】
本発明の画像形成装置では、キャリア液が減りすぎて二次転写性が悪くならないようにし、また、キャリア液が多すぎて定着性が悪くならないようにするため、中間転写体上に形成された可視化像に接し、該可視化像中のトナー粒子層を圧縮するトナー粒子層圧縮手段を設け、該トナー粒子層圧縮手段で可視化像中のトナー粒子層を圧縮し、キャリア液の除去量を調整するようにしているので、転写抜けのない、高画質な画像を得ることができる。また、転写紙にはキャリア液をなるべく付着させず、キャリア液はなるべく機外へは持ち出さないことが良いので、本発明の画像形成装置では、圧力を加えてトナーを圧縮させた後、分離したキャリア液をクリーニング部材で回収するようにしているので、キャリア液が転写紙上で擦られることがなく、高画質な画像を得ることができる。
【0014】
本発明の画像形成方法によれば、キャリア液が減りすぎて二次転写性が悪くならないようにし、また、キャリア液が多すぎて定着性が悪くならないようにするため、中間転写体上の現像剤中のトナー粒子層を圧縮し、キャリア液の除去量を調整するようにしているので、転写抜けのない、高画質な画像を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を、液体現像剤を用いる電子写真方式の画像形成装置に適用した場合の実施形態の一例について説明する。
図1は本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示すプリンタ100の概略要部構成図である。このプリンタ100は、像担持体としての感光体ドラム1と、感光体ドラム1を均一に帯電する帯電器2と、画像情報に応じた光像Lを感光体ドラム1に露光して静電潜像を形成する露光装置3と、感光体ドラム1上に形成された静電潜像を現像する現像装置4と、感光体スイープ部5と、現像装置4により感光体ドラム1上に形成された可視化像を中間転写体である中間転写ドラム61に転写する一次転写装置6と、一次転写装置6により中間転写ドラム61上に形成された可視化像を転写紙等の転写材Sに転写する二次転写装置9と、一次転写後の感光体ドラム1上の残留電荷を除電する除電ランプ7と、除電後の感光体ドラム1表面を清掃するドラムクリーニング装置8等を備えている。また、一次転写装置6には、中間転写ドラム61上に形成された可視化像に接して該可視化像中のトナー粒子層を圧縮するトナー粒子層圧縮手段(パッキングローラ等)62と、中間転写体クリーニングブレード63等が設けられている。
【0016】
本実施形態では、感光体ドラム1は、その表面がアモルファスシリコン(a−Si)によって形成されているが、感光体ドラム1の材質としてはOPC(Organic Photoconductor;有機系感光体)等も使用することができる。
露光装置としては、発光ダイオードアレイ(LEDアレイ)と結像素子(マイクロレンズアレイ、ロッドレンズアレイ等)を用いたLED書込装置や、レーザダイオード(LD)等のレーザ光源と光偏向器及び走査結像光学系を用いたレーザ走査装置等が使用できる。
現像装置4は、絶縁性液体(キャリア液)中にトナーを分散した高粘性・高濃度の液体現像剤を用いる液体現像装置である。
【0017】
次に図1に示すプリンタ100の画像形成動作について説明する。感光体ドラム1は、図示しないモータ等の駆動手段によってプリント時には一定速度で矢印方向に回転駆動される。そして帯電器2のコロナ放電により暗中にて一様に600[V]程度に帯電される。なお、帯電器としては、このようなコロナ放電による帯電を実現する非接触方式のものの他、感光体ドラム1に接触させた帯電ローラや帯電ブラシなどの帯電部材によって所定の帯電バイアスを印加する接触方式のものを用いてもよい。
【0018】
帯電器2により一様に帯電された感光体ドラム1の表面には、画像情報に基づいて駆動される露光装置3により画像情報に応じた光像Lが露光され、感光体ドラム1の外周表面上に静電潜像が形成される。その後、感光体ドラム1上の静電潜像は、現像装置4の現像ローラ42と対向する領域を通過する間に液体現像剤のトナーによって現像され、可視化される。
【0019】
静電潜像に現像された可視化像(トナー像)は、感光体ドラム1の回転に伴い、一次転写装置6と対向する位置に達する。一次転写装置6では、中間転写ドラム61が感光体ドラム1に向けて押圧されており、一次転写ニップを形成している。この中間転写ドラム61には、トナーの帯電極性とは逆極性の転写バイアスを印加する図示しない電源等を備えており、プリント時には中間転写ドラム61を図中矢印方向に回転移動させながら転写バイアスを印加する。従って一次転写ニップには、転写バイアスが印加される中間転写ドラム61と感光体ドラム1の表面との電位差によって転写電界が形成される。感光体ドラム1の回転に伴って一次転写ニップに進入したトナー像は、この転写電界やニップ圧の作用を受けて中間転写ドラム61上に一次転写される。
【0020】
このようにして一次転写されたトナー像は、中間転写ドラム61と二次転写装置9の二次転写ローラ91との対向部で転写材としての転写紙Sに二次転写される。トナー像が転写された転写紙Sは、図示しない領域で加熱・加圧定着、溶剤定着、UV定着等の定着方式を用いる定着装置によって定着せしめられる。トナー像が定着した転写紙Sは、図示しない定着装置から排紙経路を経て機外の排紙トレイ等にへと排出される。
【0021】
一方、一次転写ニップを通過した感光体ドラム1の表面は除電ランプ7により残留電荷が除電される。除電ランプ7により除電された感光体ドラム1の表面は、ドラムクリーニング装置8のクリーニング部材(クリーニングブレード、スポンジローラ等)81によって残留している液体現像剤が掻き取り除去される。この除去により、感光体ドラム1の表面は初期化せしめられ、次の作像動作の待機状態となる。
また、二次転写後の中間転写ドラム61の表面は、中間転写体クリーニング装置(クリーニングブレード等)63によって残留している液体現像剤が掻き取り除去される。
【0022】
次に現像装置4の構造について説明する。この現像装置4は、現像剤収容タンク41、現像ローラ42、一対の攪拌スクリュー43、アニロクスローラ44、ドクターブレード45、現像クリーニングブレード46等を備えている。
現像装置4の現像剤収容タンク41には、着色剤と樹脂よりなる結着材を主成分とし、これに電荷制御材を添加したトナーと、高絶縁性、低誘電率の溶媒を主成分とする液体キャリアとを含有する液体現像剤47が貯留されている。また、この液体現像剤47は、一般の液体現像装置に広く用いられている低粘性・低濃度のものではなく、高粘性・高濃度のものが使用されている。高粘性・高濃度の液体現像剤とは、例えば、シリコーンオイル、ノルマルパラフィン、IsoparM(商品名:エクソン社製)、植物油、鉱物油等の絶縁性液体キャリア(キャリア液)中に、5〜40[wt%]程度の濃度のトナーを含有する50〜10000[mPa・s]程度の粘度の液体現像剤である。現像装置4に使用されるこのような高粘性・高濃度の液体現像剤47の揮発性あるいは不揮発性については、現像装置4の現像性能やプリンタの作像性能などに合わせて調整されている。
【0023】
液体現像剤として揮発性のものを用いると、不揮発性の場合に比べて定着には有利であるが、プリンタ100をしばらく使用しないと現像装置内でトナーが固着して再起動時に現像装置4にかかる負担が大きくなるおそれがある。一方、液体現像剤が不揮発性の場合には、現像装置4をしばらく使用しなくても現像装置内でトナーが固着せず、再起動時に現像装置4にかかる負担が大きくなるおそれはない。また、液体現像剤中のトナーの粒径についても、これら現像性能や作像性能などに合わせてサブミクロンから6[μm]程度までの範囲で調整されている。現像装置4では、環境を考慮し、キャリア液が空中に発散しないことや、取り扱いを考慮し、液がこぼれにくいように、常温で不揮発性・高粘性のキャリア液を用いている。
【0024】
一対の攪拌スクリュー43は、現像剤収容タンク41内の液体現像剤47中に浸るように互いに平行配設され、図中矢印で示されるように、図示しない駆動手段によって互いに逆方向に回転駆動せしめられる。現像装置4が現像動作に入ると、これら攪拌スクリュー43がこのように互いに逆回転し、現像剤収容タンク41内の液体現像剤47が攪拌せしめられる。この攪拌により、液体現像剤47は、そのトナー濃度や粘度が均一化される。また、攪拌スクリュー43が互いに逆回転することで、両者の間で液体現像剤の液面が盛り上がり、その上方に配設されたアニロクスローラ44に付着する。
【0025】
塗布ローラとしてのアニロクスローラ44は、図示しない駆動手段によって図中矢印方向に回転駆動せしめられながら、上述のようにして付着した液体現像剤47を汲み上げる。このアニロクスローラ44の周面には、図示しない複数の凹部が形成されている。アニロクスローラ44によって汲み上げられた液体現像剤47の一部は、この凹部内に収容される。
このアニロクスローラ44の表面にはステンレス等の金属で形成された規制ブレードとしてのドクターブレード45が当接しており、アニロクスローラ44上の余分な液体現像剤47を掻き取る。この掻き取りにより、アニロクスローラ44上の液体現像剤47の量が複数の凹部の容量に応じた値に正確に計量される。
【0026】
現像ローラ42は、アニロクスローラ44に接触しながら接触部でアニロクスローラ44と逆方向に表面移動するように回転する。アニロクスローラ44と現像ローラ42との接触位置であるニップでは、両ローラが互いにカウンター方向に表面移動しながら接触し、アニロクスローラ44上に形成された現像剤薄層が現像ローラ42に転移される。
また、ニップの出口側で現像ローラ42に対する液体現像剤の供給が開始される一方で、現像ローラ42上に移った液体現像剤47が供給方向とは逆方向に移動する。このような塗布により、現像ローラ42の表面には液体現像剤47からなる均一な厚みの現像剤薄層が形成される。
【0027】
現像ローラ42は、その周面に導電性のウレタンゴム等からなる導電弾性層が設けられており、感光体ドラム1と等速に回転しながらこれに接触して現像ニップを形成している。この現像ニップには、図示しない電源からトナーの帯電極性と同極性の現像バイアスが印加される現像ローラ42と、感光体ドラム1との電位差によって現像電界が形成される。具体的には、現像ニップでは、現像ローラ42、感光体ドラム1の地肌部及び静電潜像がそれぞれトナーと同極性の電位を帯び、その値が地肌部、現像ローラ42、静電潜像の順に低くなっている。このため、地肌部と現像ローラ42との間では、トナーを電位のより低い現像ローラ42に向けて静電的に移動させるような電界が形成される。また、現像ローラ42と静電潜像との間では、トナーを電位のより低い静電潜像に向けて移動させるような電界が形成される。このような現像電界が形成される現像ニップでは、現像剤薄層中のトナーが、現像ローラ42と地肌部との間で現像ローラ42の表面に向けて電気泳動して集結するとともに、現像ローラ42と静電潜像との間で静電潜像に向けて電気泳動して付着する。この付着により、静電潜像がトナーで現像されて可視化され、トナー像となる。
【0028】
次に感光体ドラム1の表面の余剰トナーを除去する感光体スイープ部5について説明する。図1に示すようにプリンタ100は現像装置4から感光体ドラム1の表面移動方向下流側、且つ、一次転写装置6から感光体ドラム1の表面移動方向上流側に感光体スイープ部5を備えている。この感光体スイープ部5は第1スイープ装置51と第2スイープ装置52とからなる。そして、それぞれ第1スイープローラ51a及び第2スイープローラ52a、第1スイープクリーニングブレード51b及び第2スイープクリーニングブレード52b、第1キャリア回収装置51c及び第2キャリア回収装置52c等を備えている。なお、ここでは、第1スイープ装置51と第2スイープ装置52とはその基本的な構造は共通であるので、以下、部材の名称の第1及び第2の記載は省略する。
【0029】
スイープ装置51,52のスイープローラ51a,52aは外周面に導電性を有する弾性体の層が設けられている。この弾性体の層の材質としてはウレタンゴムを用いることができる。この弾性体の層のゴム硬度としては、JIS−A硬度で50度以下であることが望ましい。この材質はウレタンゴムに限られるものではなく、導電性を有するものであって、且つ溶剤で膨潤したり溶解したりしない材質であればよい。
また、弾性体の層をスイープローラ51a,52aに設ける構成ではなく、弾性体の層を感光体ドラム1側に設ける構成であってもよい。さらに、感光体を無端ベルト状部材で構成してもよい。また、スイープローラ51a,52aは、コーティングもしくはチューブにより、その表面が十点平均粗さRzで3[μm]以下の平滑性を有するように構成されている。
【0030】
スイープ装置51,52のスイープローラ51a,52aを感光体ドラム1に対して適当な圧力で当接させると、スイープローラ51a,52aの弾性体の層が弾性変形し、除去ニップを形成する。当接圧力を調整することでニップ部における表面移動方向の大きさであるニップ幅を調整することができる。
【0031】
上述したように、現像ニップの現像ローラ42上の地肌部との間において、現像剤薄層中のトナーは、現像ローラ42の表面に向けて電気泳動して集結するため、理論的には感光体ドラム1の地肌部には付着しない。しかし、通常よりも帯電量の少ないトナーが他のトナーよりも遅れて電気泳動するなどして、感光体ドラム1の地肌部に付着して、いわゆるカブリ(地汚れともいう)という現象を引き起こす場合がある。
感光体スイープ部5の機能の一つとして、このようなカブリを引き起こしたカブリトナーを感光体ドラム1から除去する機能がある。具体的には、スイープ装置51,52のスイープローラ51a,52aは、感光体ドラム1と略等速に回転しながらこれに接触して除去ニップ部を形成し、この除去ニップ部には、図示しない電源からトナーの帯電極性と同極性の除去バイアスが印加され、感光体ドラム1との電位差によってスイープ電界が形成される。
【0032】
次に転写部について説明する。転写部は、感光体ドラム1から中間転写ドラム61にトナー像が転写される一次転写装置6と、中間転写ドラム61から転写紙Sにトナー像が転写される二次転写装置9とから主に構成されている。
【0033】
一次転写装置6の中間転写ドラム61の構成は、金属などの導電性のドラムに、ゴムや樹脂などからなる導電性の弾性体層を形成したものであり、それだけでもよいが、望ましくは、さらに表層に、タックや表面凹凸の少なく、抵抗を調節する層を設けるとよい。また、図1の例ではドラム状の中間転写体(中間転写ドラム)61としているが、導電性のゴムや樹脂などからなるベルト状の中間転写体を用いることもできる。ベルト状の中間転写体の場合も、表層に、上記のような層を設けると良い。
【0034】
中間転写体がドラム状の場合、回転精度が良く、位置再現性が良い、高圧力をかけやすい等の利点がある。一方、中間転写体がベルト状の場合、カラー用など、複数の感光体を使用する場合や、ニップ幅を広く形成したい場合に有利である。弾性体導電層の材料の例としては、ヒドリン、ウレタン、NBR、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、EPDM等がある。各弾性体の層の材質は上記のものに限られるものではなく、導電性を有するものであって、かつキャリア液・現像剤で膨潤したり溶解したりしない材質であればよい。また、その表面が導電性を有し、かつキャリア液・現像剤で膨潤したり溶解したりしない材質であり、その内層にキャリア液・現像剤が接触しないような構成であれば、その内層としての各弾性体の層の材質は、上記の導電性・膨潤溶解の制約はなく、弾性を有していればよい。ただし、このときは、中間転写体に印加するバイアス電圧は、中間転写体の軸からではなく、表面から印加する必要がある。弾性体の層のゴム硬度としては、JIS−A硬度で50度以下であることが望ましい。これは転写ニップを設けるためであり、ベルト状の中間転写体を用いる場合は、シートとして駆動、曲げ等の機能を有する程度の硬度であればよい。また、ベルト状の感光体を用いる場合は、中間転写体が弾性体である必要はない。
【0035】
中間転写ドラム61の表面粗さは、十点平均粗さRzで0〜4[μm]がよい。これは、中間転写ドラム61上でのトナー像の厚さは、液体現像剤を用いた場合、5[μm]以下、時には2[μm]ほどになる場合もあり、トナー像の厚さより表面が粗いと、画像が壊されてしまうためである。そして、さらに望ましくは、十点平均粗さRzで1〜2[μm]がよい。また、表面粗さが低すぎるとタックが増える場合がある。
【0036】
中間転写ドラム61の電気抵抗は、体積抵抗率が1×10〜1×1011[Ω・cm]の範囲内にあれば、感光体ドラム1からの転写(一次転写)、転写材への転写(二次転写)ともに、良好だが、望ましくは体積抵抗率が1×10〜1×1010[Ω・cm]の範囲だと転写抜けが少なく、電力も少なくて済む。また、体積抵抗率が1×10[Ω・cm]以下では、湿度等の環境によって転写ぬけする場合があり、1×1010[Ω・cm]以上では、環境によって、異常放電を起こす場合や、電力的に無駄な場合がある。表面抵抗率は1×10〜1×1012[Ω/□]、望ましくは1×1010〜1×1011[Ω/□]である。これらの体積抵抗率、表面抵抗率は、三菱化学社製の高抵抗計(ハイレスタUP MCP−HT450型、測定用プローブ:UR−SS)を用い、250[V]印加にて10秒後の値を測定した。
【0037】
中間転写体の材料について、表面粗さ、表面の滑り等の問題がある場合は、表面に別の層(表層)を設けるとよい。弾性体を用いた場合、表面粗さをよくするのは困難になり、タックも強くなってくる。そこで、そのような問題を解決できるように、例えばフッ素系樹脂を用いた厚さ数[μm]〜数[mm]のコート層や、フィルム層、別素材の弾性層を設けると良い。この場合、中間転写体の抵抗率は、基体+弾性層+表層の3層から成る。図1の中間転写ドラム61で例を挙げると、基体が金属ドラムであり、表層を設けた後の中間転写ドラム全体の抵抗率が上記体積抵抗率、表面抵抗率となるように調整し、弾性層の抵抗率は、時定数を下げるために、なるべく低い方がよい。
【0038】
感光体ドラム1から中間転写ドラム61へトナー像を転写するための一次転写バイアスは、トナーとは逆極性(−)で図示しないバイアス電源から印加される。その印加電圧は例えば+100〜+500[V]の範囲である。また、帯電トナーや中間転写ドラム61の材料によって、その適正値は変わる。
【0039】
中間転写ドラム61から転写紙Sへトナー像を転写する二次転写は、転写部材としての二次転写ローラ91及び、二次転写ローラ91に接続された不図示の二次転写電源などから構成される二次転写装置9にて行われる。二次転写ローラ91としては、金属ローラや、ヒドリンやNBR等から成るJIS−A硬度30〜70度のゴムローラが用いられる。そして、二次転写ローラ91の体積抵抗率は1×10〜1×10[Ω・cm]の範囲がよい。体積抵抗率が低すぎると、転写紙Sの抵抗が低い場合や、中間転写ドラム61との間に転写紙Sがない部分で直接中間転写ドラム61に当接した場合に、電位差を保つことができず、転写率が低下する場合がある。また、高すぎると高電圧が必要となり、異常放電を起こす等、転写率が低下する場合がある。
【0040】
中間転写ドラム61上に担持されたトナー像を転写紙Sに転写する二次転写工程では、二次転写ローラ91が中間転写ドラム61に当接される。そして、図示しない給紙カセットから中間転写ドラム61と二次転写ローラ91との当接ニップに所定のタイミングで転写紙Sが給送され、これに合わせて二次転写バイアスが図示しないバイアス電源から二次転写ローラ91に印加される。この二次転写バイアスにより、中間転写ドラム61から転写紙Sへトナー像が転写される。そして、トナー像の転写を受けた転写紙Sは図示しない定着装置へ搬送され、定着装置で加熱・加圧等の処理が施されて定着される。
【0041】
上記の二次転写工程で二次転写ローラ91に印加する二次転写電圧は、中間転写ドラム61に印加する電圧に対して、トナーと逆極性で、電位差が+200〜+3000[V]となるように印加する。ただし、湿度などの環境や、転写紙S等の転写材の厚さや素材、含水量等の状態、トナーの電荷量、現像剤量、現像剤中のキャリア液量などの色々な条件によって適正値は変化するので、各種転写材に対応できるように定電流制御するのもよい。定電流制御を行う際の電流の値は条件によって適正値は変わるが、約100〜1000[μA]くらいで適正な転写が得られることが多い。本実施形態では、200〜300[μA]の定電流制御で作像した。
【0042】
転写紙Sへの画像転写終了後、中間転写ドラム61上の転写残トナーは、中間転写体クリーニングブレード63等が当接されることによりクリーニングされる。また、二次転写ローラ91上に付着したトナーや紙粉等は、二次転写ローラクリーニングブレード92等が当接されることによりクリーニングされる。
【0043】
以上、本発明に係る画像形成装置(プリンタ)の基本的な構成と動作の一実施形態を説明したが、本発明では、このような構成の画像形成装置において、中間転写ドラム61上に形成された可視化像(現像剤像)に接し、該可視化像中のトナー粒子層を圧縮するトナー粒子層圧縮手段62を設けたものである。そして、このトナー粒子層圧縮手段62は、可視化像中のトナー粒子層を圧縮し、キャリア液の除去量を調整するものである。
すなわち、本発明の画像形成装置では、キャリア液が減りすぎて二次転写性が悪くならないようにし、また、キャリア液が多すぎて定着性が悪くならないようにするため、中間転写ドラム61上に形成された可視化像に接し、該可視化像中のトナー粒子層を圧縮するトナー粒子層圧縮手段62を設け、該トナー粒子層圧縮手段62で可視化像中のトナー粒子層を圧縮し、キャリア液の除去量を調整するようにして、転写抜けのない、高画質な画像を得ることができるようにするものである。また、転写紙Sにはキャリア液をなるべく付着させず、キャリア液はなるべく機外へは持ち出さないことが良いので、本発明の画像形成装置では、トナー粒子層圧縮手段62のトナー粒子圧縮部材62aで圧力を加えてトナーを圧縮させた後、分離したキャリア液をクリーニング部材62bで回収するようにして、キャリア液が転写紙上で擦られることがないようにし、高画質な画像を得ることができるようにするものである。
【実施例】
【0044】
以下、本発明に係る画像形成装置のトナー粒子層圧縮手段の具体的な実施例について説明する。
【0045】
<パッキングローラ構成>
図1に示すように、プリンタ100の一次転写装置6には、中間転写ドラム61上に形成された可視化像(現像剤像)に接し、該可視化像中のトナー粒子層を圧縮するトナー粒子層圧縮手段62が設けられている。そして、トナー粒子層圧縮手段62は、トナー粒子圧縮部材としてのパッキングローラ62aを備えている。このパッキングローラ62aは中間転写ドラム61に現像剤を介して接触し、表面が中間転写ドラム61と対向する位置で同方向(スラスト方向)に移動するように回転方向を制御している。パッキングローラ62aの回転速度は、表面移動速度が中間転写ドラム61の表面移動速度とほとんど同じがよい。パッキングローラ62aは、中間転写ドラム61に対して所定の圧力をかけ、中間転写ドラム61上のトナー層のトナー粒子を圧縮する。パッキングローラ62aと中間転写ドラム61間には、トナーがパッキングローラ62aになるべく付着しないよう、トナーが中間転写ドラム61に移動するような方向の電界を形成する。例えば、プラストナーの時、中間転写ドラム61に−300[V]、パッキングローラ62aには−100[V]の電圧を印加して電界を形成する。この電界によって、パッキングローラ62aが現像剤層に接触すると、キャリア液は付着するが、トナーは付着しにくくなる。
【0046】
なお、パッキングローラ62aの例としては、芯金にエピクロルヒドリンゴム弾性層を成型したものがある。この弾性層の体積抵抗率は1×10〜1×10[Ω・cm]、表面抵抗は10[Ω/□]程度としたものがよい。また、ゴム硬度は25度〜80度(JIS−A)が使用可能であるが、パッキングローラ62aと中間転写ドラム61間の圧力を高くするためには、より高硬度が好ましい。
さらに、この弾性層上に薄い(厚さ約5〜10[μm])ポリアミド樹脂の塗膜や、厚さ15[μm]のフッ素樹脂(4wt%のカーボンを含む)の表面層を設け、トナーが付着しにくく、耐久性の高いものとするとよい。また、芯金表面に、導電性で樹脂の塗膜や、被膜を設けたり、アルマイト層などを設けたりして、上記のように表面抵抗を調整したものでも良い。
また、パッキングローラ62aの表面における十箇所の平均の粗さ(十点平均粗さRz(JIS))は5[μm]以下がよい。パッキングローラ62aの表面は現像剤像面に接触するので、圧力にもよるが、表面凹凸が激しいと、その凹凸が現像剤像に転写されてしまい、凸部が現像剤像をつぶすことになり、中間転写ドラム上での現像剤層は5[μm]以下等なので、現像剤層の厚さよりローラ表面粗さは滑らかな方が良い。
【0047】
パッキングローラ62aはトナー層に接触することによりキャリア液が付着する。また、図示しないトナー粒子圧縮部材加圧機構(圧力可変機構)により、パッキングローラ62aで圧力をかけられた現像剤層ではトナー粒子が圧縮され、キャリア液を吐き出すことになり、現像剤層は高固形分のため、わずかではあるが、キャリア液とトナーとが分離気味になる。これらのキャリア液、または異常に付着してしまったトナーを除去するために、金属ブレードもしくはゴムブレードからなるクリーニング部材(クリーニングブレード)62bを備えるとよい。クリーニング部材62bは主にパッキングローラ62aに付着したキャリア液を除去するものである。クリーニング部材62bがなくても、定着性には影響しない場合もあるが、クリーニング部材62bを設けることで、転写紙Sに付着するキャリア液量を減らすことができ、装置外に持ち出されるキャリア液を減らし、転写紙の風合いをあまり変えることがないのでより好ましい。各クリーニング部材62bはブレードに限らずローラ式であってもよい。
【0048】
<二次転写性と現像剤層固形分率とスミアの関係>
ここで、本発明の画像形成装置における二次転写性と現像剤層固形分率とスミアとの関係について説明する。
転写紙Sに転写する前の中間転写ドラム61上の現像剤層中のトナー固形分率を変えて転写し、スミアとの関係を調べたところ、中間転写ドラム61上の現像剤層の固形分率が高まるとスミアがよくなることがわかった(図2の現像剤固形分率とスミアの関係を参照)。しかし、トナー粒子圧縮部材(パッキングローラ)62aのクリーニング部材(例えばクリーニングブレード)62bが有ってもなくても、定着性は変わらなかった。
【0049】
さらに、図4(a)に示すように、トナー粒子圧縮部材(パッキングローラ)62aをキャリア液に触れるだけ程度に中間転写ドラム61上の現像剤層に接触させた場合と、現像剤層に一切接触させない場合とでも定着性は変わらなかった。これはトナー粒子圧縮部材(パッキングローラ)62aを中間転写ドラム61上の現像剤層に接触させただけの場合、トナー粒子圧縮部材(パッキングローラ)62aによって現像剤層中のキャリア液が少量除去されて、現像剤層に一切接触させない場合とでは現像剤層中のキャリア液量が変わり、中間転写ドラム61上での現像剤層の現像剤固形分率に違いが生じるが、トナー粒子圧縮部材(パッキングローラ)62aを中間転写ドラム61上の現像剤層に接触させただけではトナー粒子は圧縮されないため、トナー粒子の圧縮状態については接触させない場合とほとんど差異が無く、トナー粒子圧縮部材(パッキングローラ)62aの有無によって定着性は変わらないと考えられる。
【0050】
また、トナー粒子圧縮部材(パッキングローラ)62aのクリーニングブレード62bの有無については、図4(b)に示すように、クリーニングブレード62bの有無によって、トナー粒子圧縮部材(パッキングローラ)62aで除去される現像剤層中のキャリア液の量が変わり、中間転写ドラム61上での現像剤層固形分率に違いが生じるが、この場合にもトナー粒子の圧縮状態は同じと考えられる。つまり、クリーニングブレード62bを設置すると装置外へのキャリア液の持ち出し量を減らすことはできるが、トナー粒子の圧縮状態が同じであれば、現像剤層全体の固形分率が違っても、定着性は同等と考えられる。従って、トナー粒子の圧縮状態を高め、トナー粒子間のキャリア液を除去しないことには、定着性は向上しない。
【0051】
以上のことから、図2に示した中間転写ドラム61上の現像剤層の固形分率とスミアとの関係では、トナー粒子層の圧縮状態も現像剤層の固形分率に比例して変わっていたと考えられる。
そこで、定着性を向上させるには、現像剤層全体の固形分率を高くするだけではなく、現像剤層中のトナー粒子層の固形分率を高くする(すなわち、トナー粒子層を圧縮し、トナー粒子間からキャリア液を排除する)ことが必要と考えられる。
【0052】
しかし、定着性は環境によって変動することがある。例えば、気温が低い場合、通常と同じ定着ローラ温度でもトナー層への熱伝導が非効率になり、定着性が悪くなるなどである。また、用途によって、より高い定着性が必要な場合や、比較的低い定着性でも良い場合もある。そこで、このような場合は、パッキングローラの圧力を調整することで、キャリア液の除去量を調整し、定着性を調整するようにする。
【0053】
また、二次転写性に関しては、トナーの帯電には、トナー粒子を膨潤させているトナー粒子のごく近傍のキャリア液が関与していることから、定着性と同様、トナー粒子間のキャリア液が関与していると考えられるが、トナー粒子層を圧縮させてトナー粒子間のキャリア液を除去しすぎると、二次転写性が劣るようになる。そこで、このような場合は、パッキングローラの圧力を調整することで、キャリア液の除去量を調整し、二次転写性を調整するようにする。
【0054】
<パッキングローラ圧力の可変機構>
次にトナー粒子圧縮部材であるパッキングローラ62aの圧力を調整する可変機構(トナー粒子圧縮部材加圧機構)の具体的な実施例を示す。
【0055】
(実施例1)
図5(a)は、パッキングローラ62aと中間転写ドラム61との間を所定の圧力とするトナー粒子圧縮部材加圧機構120の概略構成図である。また、図5(b)は図5(a)中の矢視A方向から見た上面図である。
図5(a)において、トナー粒子圧縮部材加圧機構120は、引張バネ121の長さを調整して中間転写ドラム61へのパッキングローラ110の付勢力を調整することによって、圧力を調整できるようになっている。引張バネ121はその一端が調整ネジ122先端部の溝に係合し、他端がパッキングローラユニット側板113に固設されたピン123に係合している。調整ネジ122は中間転写ドラムユニット側板114に設けられた調整ネジ保持部材124と螺合しており、回動させることで調整ネジ122は図中左右に移動する。調整ネジを回動させるには、手動でもよいが、図示しないモータ等で回動させるようにしてもよい。
【0056】
パッキングローラ62aは軸受ホルダ115を介してパッキングローラユニット側板113に回動可能に保持されており、また中間転写ドラム61は軸受ホルダ116を介して中間転写ドラムユニット側板114に回動可能に保持されている。したがって、パッキングローラユニット側板113と中間転写ドラムユニット側板114との距離が変化すると、パッキングローラ62aと中間転写ドラム61の軸間距離も変化し圧力が変化する。なお、図5(a)中において奥側のパッキングローラユニット側板と奥側の中間転写ドラムユニット側板(いずれも図示せず)との間にも同様の構成のトナー粒子圧縮部材加圧機構が設けられているものとする。
【0057】
図5(a)において、調整ネジ122を時計回り方向CWに回転させると図中左側に移動し、引張バネ121の長さが短くなって引張力が弱くなり、パッキングローラ62aは中間転写ドラム61から離れる方向(図中左側)に移動する。この結果、パッキングローラ62aと中間転写ドラム61との間の圧力が小さくなる。一方、調整ネジ122を反時計回り方向CCWに回転させると図中右側に移動し、引張バネ121の長さが長くなって引張力が大きくなり、パッキングローラ62aは中間転写ドラム61に近づく方向(図中右側)に移動する。この結果、パッキングローラ62aと中間転写ドラム61との間の圧力が大きくなる。このとき、中間転写ドラムユニット側板114に貼付されたスケール125の目盛を見ながら調整ネジ122の位置決めを行うと調整がやり易い。そして、パッキングローラ62aの圧力を所定の大きさに設定したら、固定ナット126をスパナ等の工具で締め付けて調整ネジ122が緩まないようにしておく。
【0058】
上記パッキングローラユニット側板113にはスペーサ127がネジ止めされており、その先端部が中間転写ドラムユニット側板114に突き当たることでストッパの役割を果たし、あらかじめ圧力の最大値を決めておくことができる。なお、互いに長さの異なるスペーサ127を複数用意しておき、二次転写性や定着性に応じて適宜交換し、その先端が中間転写ドラムユニット側板114に突き当たるまで、調整ネジ122を回転させて引張バネ121を引張っておくことにより、二次転写性や定着性に応じた所定の圧力を容易に得ることもできる。また、図示していないが、スペーサ127を偏芯の円盤にしておき、モータ等で回転させ、圧力の最大値を決めるようにしてもよい。
【0059】
このように、簡易な構成で所定のパッキングローラ62aの圧力を容易に設定することができ、二次転写性や定着性を調整することができる。また、調整ネジ122を回動させて圧力の大きさを調整することで、二次転写性や定着性に応じた最適な圧力を設定でき、所望の二次転写性や定着性の画像を得ることができる。また、調整ネジ122の位置を調整することで、パッキングローラ62aの軸方向両端部で加圧力に圧力差がある場合に、軸方向両端部の加圧力を微調整することができ、パッキングローラ62aの軸方向全域にわたって一定の圧力を設定することができる。
【0060】
なお、図6(a)に示す例のように、バネの長さ調整をしない場合には、上記調整ネジ122等に代えて中間転写ドラムユニット側板114にピン128を設け、このピン128とパッキングローラユニット側板113のピン123とにスプリング129の両端を係合させる構成としてもよい。また、図6(b)に示す例のように、上記スペーサ127を設けない構成としても良い。
【0061】
(変形例)
上記実施例1では、スペーサ127を用いてパッキングローラユニット側板113と中間転写ドラムユニット側板114とを所定間隔よりも狭くならないようにして、パッキングローラ62aの圧力の最大値をあらかじめ設定しておく構成について説明したが、パッキングローラ62aにスペーサ用のローラ部材を設ける構成とすることもできる。
【0062】
図7(a)は本変形例に係るパッキングローラ130の断面図である。また、図7(b)は、パッキングローラ62aを中間転写ドラム61に付勢した状態の説明図である。図8(a)において、パッキングローラ62aは、金属製の芯金131と、互いに外径寸法の等しい一対のスペーサ用ローラ132と、これらのスペーサ用ローラの外径よりも僅かに大きい外径のローラ133とから構成されている。一対のスペーサ用ローラ132とローラ133との外径の差の半分が食込み量Dとなる。このパッキングローラ62aを中間転写ドラム61に対して付勢して当接すると、図7(b)に示すように、一対のスペーサ用ローラ132が中間転写ドラム61に突き当たり、所定の圧力を設定できる。ここで、付勢力の大きさは、スペーサ用ローラ132が中間転写ドラム61に突き当たってパッキングローラ62aの移動が規制される以上の大きさに設定している。このように、一対のスペーサ用ローラ132が中間転写ドラム61に突き当たるように付勢しておけば、圧力が一定の大きさに保たれ、安定した圧力に設定することができる。また、図示していないが、中間転写ドラム61に、パッキングローラ62aのスペーサ用ローラ132のための対向ローラを設けておき、スペーサ用ローラ132と対向ローラとは回転しないようにし、スペーサ用ローラを偏芯にし、スペーサ用ローラを回転させて圧力設定できるようにしてもよい。このときの対向ローラの径は、中間転写ドラム61の径と変えてもよいが、同じでよい。スペーサ用ローラをモータ等で回転させることにより、二次転写性や定着性をセンスしフィードバックして自動で圧力を変えることができる。
【0063】
(実施例2)
上記実施例1では、引張バネ121(またはスプリング129)でパッキングローラ62aを引張って中間転写ドラム61に付勢して圧力を設定する構成について説明したが、パッキングローラ62aと中間転写ドラム61との軸間距離を調整して圧力を調整する構成とすることもできる。図8(a)は、パッキングローラ62aと中間転写ドラム61との間の圧力を調整する圧力調整機構140の概略構成図である。また、図8(b)は図8(a)中の矢視B方向から見た上面図である。
【0064】
図8(a)において、圧力調整機構140は、タイロッド141を有している。このタイロッド141は、一方の端部(図中左側)に右ネジ141aの加工が施され、他方の端部(図中右側)に一般に逆ネジといわれる左ネジ141bの加工が施されている。タイロッド141の右ネジ141aはロッドエンド142と螺合し、左ネジ141bは左ネジ用ロッドエンド143と螺合している。これらのロッドエンド142,143は、例えばリンクボールの商品名で知られるTHK(株)製のロッドエンドなどを用いることができる。ロッドエンド142はパッキングローラユニット側板113にネジ止めされており、一方、左ネジ用ロッドエンド143は中間転写ドラムユニット側板114にネジ止めされている。なお、図8(a)中において奥側のパッキングローラユニット側板と奥側の中間転写ドラムユニット側板(いずれも図示せず)との間にも同様の構成の圧力調整機構が設けられているものとする。
【0065】
上記圧力調整機構140による圧力の調整は、タイロッド141を回動させることにより行う。タイロッド141のネジ加工が施されていない本体部分の断面は六角形をなしており、スパナ等の工具で容易に回動させることができるようになっている。タイロッド141を時計回り方向CWに回転させると、右ネジ141aがロッドエンド142により深く螺合し、また左ネジ141bも左ネジ用ロッドエンド143により深く螺合する。この結果、ロッドエンド142と左ネジ用ロッドエンド143との距離が近づき、同時にパッキングローラ62aと中間転写ドラム61との軸間距離が短くなる。すると圧力が大きくなる。これに対して、タイロッド141を反時計回り方向CCWに回転させると、右ネジ141aとロッドエンド142との螺合が浅くなり、また左ネジ141bと左ネジ用ロッドエンド143との螺合も浅くなる。この結果、ロッドエンド142と左ネジ用ロッドエンド143との距離が離れ、同時にパッキングローラ62aと中間転写ドラム61との軸間距離が長くなる。すると圧力が小さくなる。二次転写性や定着性によって圧力を変える場合は、図示しないモータでタイロッドを回転させるようにしておく。上記軸間距離の長さを設定したら、タイロッド141が回らないように、固定ナット144及び左ネジ用固定ナット145を締め付けておいてもよい。
このように、タイロッド141等で構成された圧力調整機構140で圧力を調整しておくことで、安定した圧力を設定することができる。
【0066】
<パッキングローラの接離機構>
ところで、パッキングローラ62aでトナー粒子を効率よく圧縮するためには、比較的高圧力が必要とされるが、転写材の種類によってはパッキングローラ62aでトナー粒子を圧縮しない方がよい場合もある。そこで、このような場合には、パッキングローラ62aを中間転写ドラム61に対して接離させる接離機構と、転写材の種類によって接離機構の接離動作を制御する制御手段とを設けるとよい。例えば、転写材がオイルを吸収しやすい材料の場合は、パッキングローラ62aによってオイル除去しない方が比較的転写材への転写が良いので、オイル除去しないとすると、パッキングローラ62aは不必要なので接離機構により中間転写ドラム61から離間させる。
【0067】
接離機構の一例としては、例えばカムやソレノイド等を利用して、図5や図6に示したパッキングローラユニット側板113ごと、引張バネ121(またはスプリング129)の引張力に抗して中間転写ドラム61から離間する向きに移動できるように構成しておく。そして、画像形成装置の制御手段でカムやソレノイド等の駆動を制御して、パッキングローラユニット側板113の移動を制御すれば、パッキングローラ62aを中間転写ドラム61に対して容易に接離させることができる。
【0068】
<パッキングローラの電界形成手段>
パッキングローラ62aと中間転写ドラム61間には、通常、トナーがパッキングローラ62aに付着しないように、図示しない電界形成手段により、トナーが中間転写ドラム61に移動するような方向の電界を形成するが、中間転写ドラム61上のトナー層に対して放電するような電界を形成してもよい。例えば、上記実施例では、プラストナーの時、中間転写ドラム61に−300[V]、パッキングローラ62aには+4000[V]の電圧を印加することによって放電した。この電界によってトナー粒子同士はパッキングローラ62aと中間転写ドラム61との間に圧力をかけただけの時よりも、さらにトナー粒子同士が互いにより近づき圧縮され、トナー粒子間にあったキャリア液を排除し、さらに放電することによってトナー層に電荷も与えるようで、二次転写性が向上するという利点がある。
【0069】
パッキングローラ62aに印加する電圧としては、例えば直流電圧を印加しているが、交流電圧を重畳しても良い。パッキングローラ62aは、放電させるような電圧を印加した場合、チャージャ等に比べ、電源の低電圧化を図ることができ、放電処理に起因するオゾンの発生量が少ないという利点もある。また、放電させることによって、中間転写ドラム61上の現像剤層へ電荷を供給でき、転写紙等への二次転写性が向上し、抜けのない、滑らかな、高画質な画像が得られる。
【0070】
<金属パッキングローラ>
トナー粒子層圧縮手段62のパッキングローラ62aとしては、金属製のローラを用いてもよい。これはパッキングローラ62aと中間転写ドラム61間をより高圧にするためである。材質としてはステンレススチール(SUS)やアルミニウム(Al)等を用い、そのままでもよいが、中間転写ドラム61との間により安定した電界を形成するためには、表面をある程度抵抗のあるものにするとよい。一例としては、金属製ローラの表面に、導電性で樹脂の塗膜や、被膜を設けたり、アルマイト層などを設けたりして、表面抵抗を10[Ω/□]程度に調整したものを用いることにより、安定な電界と圧力をかけることができる。例えば、ゴム硬度60度、ゴム厚3mm、外径40mmのエピクロルヒドリンゴムを用いたパッキングローラ62aでは、外径100mmの中間転写ドラム61に対して、ニップが約5mmの時、約0.1MPaの圧力であったが、SUSのローラをPFAのチューブで被覆した外径40mmのパッキングローラ62aでは、ニップが約1mmの時、約2MPaの圧力となり、スミアを約0.5程度まで低下させることができた(図3参照)。
【0071】
<スミア測定方法及び圧力制御方法>
本発明に係る画像形成装置では、定着装置から排出された定着画像の定着性を評価して、パッキングローラ62aの圧力調整機構へフィードバックし、圧力を調整するようにしてもよい。定着装置から排出された定着画像の定着性を評価するためのスミア測定方法について図9を参照して説明する。
【0072】
図9はスミア測定装置の一例を示しており、白綿布ローラ201、白綿布ウエブ202、摩擦子203、画像濃度センサ204、白綿布巻取りローラ205などで構成されている。摩擦子203の転写材206への当接圧は8.8Nとし、白綿布ウエブ202には、JIS−L0803染色堅ろう度試験用添付白布の白綿布を使用し、これをシート状とし、ローラ201に巻きつけて摩擦子203と転写材206との間を通し、巻取りローラ205で巻き取るような構成とした。
【0073】
白綿布ウエブ202の速度vCは400mm/sとし、白綿布の幅は15mm、摩擦子203の幅は30mmとした。転写材206上の画像207を擦った白綿布ウエブ202の画像濃度(スミア濃度)を画像濃度センサ204で測定し、あらかじめ制御部208のメモリ等に画像濃度と一次転写装置6のパッキングローラ62aの圧力との換算テーブルを用意しておき、画像濃度センサ204で測定されたスミア濃度が高い場合は、制御部208で一次転写装置6のパッキングローラ62aの圧力調整機構209を駆動して、圧力を高くする等の制御を行う。
【0074】
ここでは、下記の式に示すように、スミア濃度(Dcrk)から布濃度(Dcls)を差し引いた値を元の画像濃度(Dinit)で除した値Dsmrをスミア法における評価値(=スミア)とする。Dsmrの値は小さい程、定着性が良く、現状の目標値は0.1以下である。
Dsmr=(Dcrk−Dcls)/Dinit
【0075】
スミア測定は、プリント動作の前または後に行い、結果に基づき定着性を調整する。例えばプリント時には、1000枚毎、1万枚毎等の一定枚数毎にスミア測定を行って、制御部208で定着画像の定着性を評価し、パッキングローラ62aの圧力調整機構209へフィードバックしても良い。なお、ここでは、スミア値が0.1程度以下で、問題ないレベルとしている。
【0076】
以上、本発明の実施形態及び実施例について説明したが、本発明はこれらの実施形態及び実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内であれば多種の変形や置換が可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示すプリンタの概略要部構成図である。
【図2】現像剤層固形分率とスミアの関係を示す図である。
【図3】パッキングローラ圧(PR圧)とスミアの関係を示す図である。
【図4】(a)はトナー粒子圧縮部材の有無と定着性の関係を説明するための図、(b)はトナー粒子圧縮部材のクリーニング部材の有無と定着性の関係を説明するための図である。
【図5】パッキングローラ圧力調整機構の一例を示す構成説明図である。
【図6】パッキングローラ圧力調整機構の別の例を示す構成説明図である。
【図7】パッキングローラ圧力調整機構の別の例を示す構成説明図である。
【図8】パッキングローラ圧力調整機構の別の例を示す構成説明図である。
【図9】スミア測定装置の一例を示す構成説明図である。
【符号の説明】
【0078】
1:感光体ドラム(像担持体)
2:帯電器
3:露光装置
4:現像装置
5:感光体スイープ部
6:一次転写装置
7:除電ランプ
8:ドラムクリーニング装置
9:二次転写装置
41:現像剤収容タンク
42:現像ローラ
43:攪拌スクリュー
44:アニスローラ
45:ドクタブレード
46:クリーニングブレード
47:現像剤
51:第1スイープ装置
52:第2スイープ装置
61:中間転写ドラム(中間転写体)
62:トナー粒子層圧縮手段
62a:パッキングローラ(トナー粒子圧縮部材)
62b:クリーニングブレード(クリーニング部材)
63:中間転写体クリーニングブレード
91:二次転写ローラ
92:二次転写ローラクリーニングブレード
100:プリンタ(画像形成装置)
120:トナー粒子圧縮部材加圧機構(圧力可変機構)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体と、該像担持体上に形成された潜像を絶縁性液体(以下キャリア液と称す)中にトナーを分散した高粘性・高濃度の液体現像剤を用いて現像する現像装置と、該現像装置により前記像担持体上に形成された可視化像を中間転写体に転写する一次転写装置と、該一次転写装置により前記中間転写体上に形成された可視化像を転写材に転写する二次転写装置とを有する画像形成装置において、
前記中間転写体上に形成された可視化像に接し、該可視化像中のトナー粒子層を圧縮するトナー粒子層圧縮手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、
前記トナー粒子層圧縮手段は、前記可視化像中のトナー粒子層を圧縮し、キャリア液の除去量を調整することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の画像形成装置において、
前記トナー粒子層圧縮手段が、前記中間転写体に対する圧力もしくは前記可視化像中のトナー粒子層にかかる圧力を可変する可変機構を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一つに記載の画像形成装置において、
前記トナー粒子層圧縮手段と前記中間転写体との間にトナー粒子同士を圧縮する電界形成手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一つに記載の画像形成装置において、
前記トナー粒子層圧縮手段は、金属から成ることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一つに記載の画像形成装置において、
前記トナー粒子層圧縮手段は、前記中間転写体に対して接離機構を持つことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一つに記載の画像形成装置において、
前記トナー粒子層圧縮手段は、クリーニング部材を持つことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一つに記載の画像形成装置において、
前記像担持体が、アモルファスシリコン(a−Si)から成ることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
キャリア液中にトナーを分散した高粘性・高濃度の液体現像剤を用いて現像された像担持体上の画像を、中間転写体上に一次転写し、該中間転写体上の画像を転写材へ二次転写する画像形成方法において、
前記中間転写体上の現像剤中のトナー粒子層を圧縮することを特徴とする画像形成方法。
【請求項10】
請求項9記載の画像形成方法において、
前記中間転写体上の現像剤中のトナー粒子層を圧縮し、キャリア液の除去量を調整することを特徴とする画像形成方法。
【請求項11】
請求項9または10記載の画像形成方法において、
前記中間転写体上の現像剤中のトナー粒子層を圧縮する圧力を可変とすることを特徴とする画像形成方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2007−65336(P2007−65336A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−251705(P2005−251705)
【出願日】平成17年8月31日(2005.8.31)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】