説明

画像形成装置及び画像形成方法

【課題】像担持体ベルトが伸縮した場合であっても良好に画像を形成することが可能な画像形成装置及び画像形成方法を提供する。
【解決手段】液体現像剤で現像された像を担持する像担持体ベルト40と、像担持体ベルト40の所定の位置を検知する第1の検知部91と、像担持体ベルト40を巻き掛ける第1のローラー41と、第1テンションローラー81と、第2のローラー43と、第2のローラー43と像担持体ベルト40を介して当接し、像担持体ベルト40に担持された像を転写材に転写する転写ローラー61と、像担持体ベルト40の所定の位置を検知する第2の検知部92と、前記像担持体ベルトに張力を付与する第2テンションローラー82と、像担持体ベルト40の所定の位置が第1の検知部91で検知されてから第2の検知部92で検知されるまでの像担持体ベルト40の移動時間を算出する算出部と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナーとキャリアー液とを含む液体現像剤で形成された像を担持する像担持体ベルトに対して記録紙等の転写材をローラーにより圧接させて、像担持体ベルトに担持される像を転写材に転写する画像形成装置及び画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トナーとキャリアー液とを含む液体現像剤を用いる画像形成装置として、回転可能な像担持体ベルト上に画像形成ステーションで形成された液体現像剤のトナー像を一次転写部で一次転写するとともに、この像担持体ベルト上に担持されたトナー像を二次転写部の二次転写ニップで転写材に転写する画像形成装置が多々知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の画像形成装置では、二次転写ニップより像担持体ベルトの回転方向手前側と二次転写ニップより像担持体ベルトの回転方向側とにそれぞれ像担持体ベルトのテンションを調整するテンションローラーが設けられる。これらのテンションローラーにより、二次転写部での振動が吸収緩和されて一次転写部に伝達されるのが抑制されるとともに、転写材が二次転写ニップ内に送り込まれるときに生じる衝撃が吸収緩和される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−268595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、像担持体ベルトを用いた画像形成装置では、装置内や装置周辺の温度や湿度等の雰囲気が変化すると、ベルトの線膨張等の材料の性質によって、像担持体ベルトが伸縮する場合がある。像担持体ベルトが伸縮してもテンションローラーが像担持体ベルトにテンションを与えることによって像担持体ベルトの回転は保持できる。
【0005】
しかしながら、テンションローラーが位置を変えると、像担持体ベルトの回転軌道が変化する。特に、二次転写ニップより像担持体ベルトの回転方向手前側のテンションローラーの位置が変化すると、一次転写部から二次転写部までの像担持体ベルトの移動時間が変化してしまう。したがって、像担持体ベルトに担持される画像が二次転写ニップに進入するタイミングと、当初設定されていた転写材の給紙タイミングとにずれが生じて、転写材に対する画像の見当あわせがずれてしまうおそれがあった。
【0006】
本発明は、このような事情を鑑みてなされてものであり、像担持体ベルトが伸縮した場合であっても、良好に画像を形成する画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像形成装置は、トナー及びキャリアー液を含む液体現像剤で現像された像を担持する像担持体ベルトと、前記像担持体ベルトの所定の位置を検知する第1の検知部と、前記第1の検知部で検知された前記像担持体ベルトを巻き掛ける第1のローラーと、前記第1のローラーに巻き掛けられた前記像担持体ベルトを巻き掛けるとともに、前記像担持体ベルトに張力を付与する第1テンションローラーと、前記第1テンションローラーに巻き掛けられた前記像担持体ベルトを巻き掛ける第2のローラーと、前記第2のローラーと前記像担持体ベルトを介して当接し、前記像担持体ベルトに担持された前記像を転写材に転写する転写ローラーと、前記第2のローラーに巻き掛けられた前記像担持体ベルトの所定の位置を検知する第2の検知部と、前記第2の検知部で検知された前記像担持体ベルトを巻き掛けるとともに、前記像担持体ベルトに張力を付与する第2テンションローラーと、前記像担持体ベルトの所定の位置が前記第1の検知部で検知されてから前記第2の検知部で検知されるまでの前記像担持体ベルトの移動時間を算出する算出部と、を有することを特徴とする。
【0008】
また、前記算出部で算出された前記像担持体ベルトの移動時間の情報に基づいて、前記第1テンションローラーの位置を調整する第1テンションローラー位置調整部を有する。
【0009】
また、前記算出部で算出された前記像担持体ベルトの移動時間の情報に基づいて、前記第2テンションローラーの位置を調整する第2テンションローラー位置調整部を有する。
【0010】
また、前記第1テンションローラー位置調整部は、回転角度が調整されて前記第1テンションローラーの位置を変動させるカム輪を有する。
【0011】
また、前記転写ローラーは、周面に形成された凹部と、前記凹部に配設されて前記転写材を把持する把持部材と、を有する。
【0012】
また、前記転写ローラーと前記像担持体ベルトとを離間させる離間機構を有する。
【0013】
また、前記第1のローラーを駆動させる第1ローラー駆動部を有する。
【0014】
さらに、本発明の画像形成方法は、トナー及びキャリアー液を含む液体現像剤で現像された像を担持する像担持体ベルトの所定の位置を第1の検知部で検知し、前記第1の検知部で検知された前記像担持体ベルトを第1のローラーで巻き掛け、前記第1のローラーに巻き掛けられた前記像担持体ベルトを前記像担持体ベルトに張力を付与する第1テンションローラーで巻き掛け、前記第1テンションローラーに巻き掛けられた前記像担持体を、前記像担持体ベルトを介して転写ローラーと当接する第2のローラーで巻き掛け、前記第2のローラーに巻き掛けられた前記像担持体ベルトの所定の位置を第2の検出部で検知し、前記像担持体ベルトの所定の位置が前記第1の検知部で検出されてから前記第2の検出部で検出されるまでの時間を算出することを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、像担持体ベルトが伸縮した場合であっても、一次転写部から二次転写部までの像担持体ベルトの移動時間を調整でき、良好に画像を形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示した図である。
【図2】中間転写ベルトが伸張した状態での転写装置を示す図である。
【図3】第2テンションローラーを制御した状態の転写装置を示す図である。
【図4】中間転写ベルトが収縮した状態での転写装置を示す図である。
【図5】第2テンションローラーを制御した状態の転写装置を示す図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示した図である。
【図7】中間転写ベルトが伸張した状態での転写装置を示す図である。
【図8】第1テンションローラーを制御した状態の転写装置を示す図である。
【図9】中間転写ベルトが収縮した状態での転写装置を示す図である。
【図10】第1テンションローラーを制御した状態の転写装置を示す図である。
【図11】凹部及び把持部材を有しない二次転写ローラーを用いた他の実施形態の画像形成装置を示す図である。
【図12】位置調整制御システムのブロック図である。
【図13】第1ベルト位置センサーが中間転写ベルトの検知マークを検知する状態を示す図である。
【図14】図13のA−A断面を矢印方向から見た図である。
【図15】第2ベルト位置センサーが中間転写ベルトの検知マークを検知する状態を示す図である。
【図16】図15のB−B断面を矢印方向から見た図である。
【図17】第1実施形態における第1テンションローラー又は第2実施形態における第2テンションローラーの位置調整制御のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0018】
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置1を構成する主要構成要素を示した図である。画像形成装置1は、主に画像形成ステーション2Y,2M,2C,2Kと転写装置3とを有する。
【0019】
図1に示すように、この例の画像形成装置1は、水平またはほぼ水平にタンデムに配置されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の画像形成ステーション2Y,2M,2C,2Kを備えている。各画像形成ステーション2Y,2M,2C,2Kは、像担持体としての感光体10Y,10M,10C,10Kを備えている。これらの感光体10Y,10M,10C,10Kには、それぞれ、対応する色Y,M,C,Kの静電潜像が形成されて担持される。各感光体10Y,10M,10C,10Kは、それぞれ、図示しない駆動部により駆動されて図1において矢印方向(図1において時計回り)に回転する。ここで、各感光体10Y,10M,10C,10Kにおいて、10Yはイエローの感光体、10Mはマゼンタの感光体、10Cはシアンの感光体、10Kはブラックの感光体を表す。また、他の部材についても同じように、部材の符号にそれぞれ各色のY,M,C,Kを添えて各色の部材を表す。
【0020】
感光体10Y,10M,10C,10Kの周辺は、感光体10Y,10M,10C,10Kの外周の回転方向に沿って、帯電部としてのコロナ帯電器11Y,11M,11C,11Kを基準として、ラインヘッドなどの露光部12Y,12M,12C,12K、現像部30Y,30M,30C,30Kの現像剤担持体としての現像ローラー20Y,20M,20C,20K、第1感光体スクイーズローラー13Y,13M,13C,13K、第2感光体スクイーズローラー15Y,15M,15C,15K、一次転写部50Y,50M,50C,50K、除電部としての除電ランプ17Y,17M,17C,17K及び感光体クリーニングブレード18Y,18M,18C,18Kが配置されている。なお、画像形成プロセスにおいては、コロナ帯電器11Y,11M,11C,11Kから感光体クリーニングブレード18Y,18M,18C,18Kの順に、より前段に配置される構成は、後段に配置される構成より上流にあるものと定義する。
【0021】
まず、コロナ帯電器11Y,11M,11C,11Kにより、感光体10Y,10M,10C,10Kを一様に帯電させ、露光部12Y,12M,12C,12Kにより、入力された画像信号に基づいて露光を行い、帯電された感光体10Y,10M,10C,10Kに静電潜像を形成する。
【0022】
現像部30Y,30M,30C,30Kは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)からなる各色の液体現像剤を貯蔵する現像剤容器31Y,31M,31C,31K、各色の液体現像剤を現像剤容器31Y,31M,31C,31K内で攪拌する攪拌ローラー32Y,32M,32C,32K、各色の液体現像剤を現像剤容器31Y,31M,31C,31Kから現像ローラー20Y,20M,20C,20Kへ供給する現像剤供給部材としての供給ローラー33Y,33M,33C,33K及び中間ローラー34Y,34M,34C,34K、中間ローラー34Y,34M,34C,34Kの液体現像剤をクリーニングする中間ローラークリーニング部材35Y,35M,35C,35Kを有し、各色の液体現像剤により感光体10Y,10M,10C,10K上に形成された静電潜像を現像する。
【0023】
なお、現像ローラー20Y,20M,20C,20Kは、周囲に、中間ローラー34Y,34M,34C,34Kにより供給されて、現像ローラー20Y,20M,20C,20Kに担持された液体現像剤をコンパクション状態にするコンパクションコロナ発生器22Y,22M,22C,22Kと、感光体10Y,10M,10C,10Kを現像した後、現像ローラー20Y,20M,20C,20Kのクリーニングを行う現像ローラークリーニングブレード21Y,21M,21C,21Kを有する。
【0024】
各色の液体現像剤により感光体10Y,10M,10C,10Kに形成された現像は、第1感光体スクイーズローラー13Y,13M,13C,13K、及び第2感光体スクイーズローラー15Y,15M,15C,15Kによってキャリアー液の一部をスクイーズされる。なお、第1感光体スクイーズローラー13Y,13M,13C,13Kの周囲には、スクイーズしたキャリアー液をクリーニングする第1感光体スクイーズローラークリーニング部材14Y,14M,14C,14K、が配設され、第2感光体スクイーズローラー15Y,15M,15C,15Kの周囲には、スクイーズしたキャリアー液をクリーニングする第2感光体スクイーズローラークリーニング部材16Y,16M,16C,16Kが配設される。
【0025】
像担持体ベルトとしての中間転写ベルト40は、シームレスなゴム等の弾性部材で形成されたベルトである。中間転写ベルト40は、中間転写ベルト40を巻き掛けて、中間転写ベルト40を移動させる第1のローラーとしてのベルト駆動ローラー41と、ベルト駆動ローラー41に巻き掛けられた中間転写ベルト40を巻き掛けるとともに、中間転写ベルト40に張力を付与する第1テンションローラー81と、第1テンションローラー81に巻き掛けられた中間転写ベルト40を巻き掛ける第2のローラーとしてのバックアップローラー43と、バックアップローラー43に巻き掛けられた中間転写ベルト40を巻き掛けるとともに、中間転写ベルト40に張力を付与する第2テンションローラー82と、第2テンションローラー82に巻き掛けられた中間転写ベルト40を巻き掛ける張架ローラー42と、に張架される。ベルト駆動ローラー41は、図示しない第1ローラー駆動部としてのベルト駆動ローラー駆動部により駆動される。
【0026】
また、中間転写ベルト40の内側の所定の位置には、検知マーク40aが設けられており、第1の検知部としての第1ベルト位置センサー91及び第2の検知部としての第2ベルト位置センサー92が検知マーク40aを検知することにより、中間転写ベルト40の移動時間及び移動速度を取得することが可能となる。
【0027】
中間転写ベルト40は、一次転写部50Y、50M、50C、50Kで感光体10Y、10M、10C、10Kと当接しながらベルト駆動ローラー41により回転駆動される。一次転写部50Y、50M、50C、50Kは、中間転写ベルト40を挟んで感光体10Y、10M、10C、10Kと一次転写ローラー51Y、51M、51C、51Kが対向して配置され、感光体10Y、10M、10C、10Kと当接する位置を転写位置として、現像された感光体10Y、10M、10C、10K上の各色のトナー像を中間転写ベルト40上に順次重ねて転写し、フルカラーのトナー像を形成する。
【0028】
中間転写ベルト40の張架ローラー42に張架されている箇所で、像担持体ベルトクリーニング部材としての転写ベルトクリーニングブレード49が当接され、中間転写ベルト40の残りトナー及びキャリアー液をクリーニングするようになっている。
【0029】
なお、中間転写ベルト40に一次転写した後に感光体10Y、10M、10C、10Kに残った液体現像剤は、像担持体クリーニング部材としての除電部17Y、17M、17C、17Kで除電されて、像担持体クリーニング部材としての感光体クリーニングブレード18Y、18M、18C、18Kでクリーニングされる。
【0030】
二次転写部60では、図示しない転写ローラー駆動部により矢印で示す方向に回転するとともに転写バイアスが印加される転写ローラーとしての二次転写ローラー61が、中間転写ベルト40を介してバックアップローラー43と当接して転写ニップを形成し、中間転写ベルト40のトナー像を転写材搬送経路Lにて搬送される用紙、フィルム、布等の転写材に転写する。また、二次転写ローラー61は、周面に形成された凹部63と、凹部63内に回動可能に配設されて二次転写時に転写材の先端を把持する把持部材64とを有する。
【0031】
把持部材64は、回動軸64aを中心に回動可能であり、突き当て部64bに転写材を突き当てた状態で回動して、二次転写ローラー61の把持部材支持部61aと共に転写材を把持する。把持部材64を有することにより、転写材が中間転写ベルト40に貼り付くことを低減することが可能となる。
【0032】
さらに、二次転写部60は、二次転写ローラー61をクリーニングする転写ローラークリーニングブレード69等を有する。転写ローラークリーニングブレード69を有することにより、転写材の裏面の汚れを低減することが可能となる。
【0033】
転写材搬送経路Lの二次転写部60の下流には、図示しない転写材搬送部が配列されて、転写材を図示しない定着ユニットに搬送するようになっている。定着ユニットでは、図示しない加熱ローラーと、この加熱ローラー側に所定の圧力で付勢された図示しない加圧ローラーとのニップ間に転写材を挿通させることにより、用紙等の転写材上に転写された単色のトナー像やフルカラーのトナー像を用紙等の転写材に融着させ定着させる。
【0034】
画像形成装置に対する転写材の供給は、図示しない給紙装置によって行われる。このような給紙装置にセットされた転写材は、所定のタイミングにて一枚ごとに転写材搬送経路Lに送り出されるようになっている。転写材搬送経路Lでは、転写材送出部としてのゲートローラー71、71’によって転写材を二次転写位置まで搬送し、中間転写ベルト40上に形成された単色のトナー像やフルカラーのトナー像を転写材に転写する。
【0035】
現像剤容器31Y、31M、31C、31Kに収容されている液体現像剤は、従来一般的に使用されているIsopar(商標:エクソン)をキャリアー液とした低濃度(1〜3wt%程度)かつ低粘度の、常温で揮発性を有する揮発性液体現像剤ではなく、高濃度かつ高粘度の、常温で不揮発性を有する不揮発性液体現像剤である。すなわち、本発明における液体現像剤は、熱可塑性樹脂中へ顔料等の着色剤を分散させた平均粒径1μmの固形子を、有機溶媒、シリコンオイル、鉱物油又は食用油等の液体溶媒中へ分散剤とともに添加し、トナー固形分濃度を約15〜25%とした高粘度(HAAKE RheoStress RS600を用いて、25℃の時のせん断速度が1000(1/s)のときの粘弾性が30〜300mPa・s程度)の液体現像剤である。
【0036】
なお、各色Y、M、C、Kに対応する画像形成ステーション2Y,2M,2C,2Kの配置順は、図1に示す例に限定されることはなく、任意に設定することができる。
【0037】
次に、第1実施形態の転写装置3の構成を詳細に説明する。
【0038】
図1に示すように、転写装置3は、一次転写部50と二次転写部60とを有する。中間転写ベルト40は、一次転写部50で感光体10Y、10M、10C、10Kから画像を転写され、二次転写部60で転写材に画像を転写する。
【0039】
中間転写ベルト40は、ベルト駆動ローラー41、張架ローラー42、バックアップローラー43、第1テンションローラー81、及び第2テンションローラー82に張架される。
【0040】
第1テンションローラー81は、中間転写ベルト40の所定位置が一回転する間において、ベルト駆動ローラー41を通り過ぎ、バックアップローラー43に進入する前に配設される。すなわち、第1テンションローラー81は、二次転写ニップ部60aより中間転写ベルト40の移動方向手前側に配設される。
【0041】
また、第2テンションローラー82は、中間転写ベルト40の所定位置が一回転する間において、バックアップローラー43を通り過ぎ、張架ローラー42に進入する前に配設される。すなわち、第2テンションローラー82は、二次転写ニップ部60aより中間転写ベルト40の移動方向側に配設される。
【0042】
第1テンションローラー81は、第1テンションローラー回転軸81aを中心に回転可能に設けられる。第1テンションローラー回転軸81aは、第1テンションローラー支持部材としての第1テンションローラー支持レバー83に支持されている。第1テンションローラー支持レバー83は、第1レバー支持軸83aによって、図示しないフレームやケース等に回転可能に支持されている。また、第1テンションローラー支持レバー83は、第1レバー支持軸83aに対して第1テンションローラー回転軸81aとは反対側に第1スプリング取付部83bを有する。第1スプリング取付部83bには、第1スプリング84の一方が取り付けられており、第1スプリング84の他方は、図示しないフレームやケース等に支持されている。
【0043】
第2テンションローラー82は、第2テンションローラー回転軸82aを中心に回転可能に設けられる。第2テンションローラー回転軸82aは、第2テンションローラー支持部材としての第2テンションローラー支持レバー85に支持されている。第2テンションローラー支持レバー85は、第2レバー支持軸85aによって、図示しないフレームやケース等に回転可能に支持されている。また、第2テンションローラー支持レバー85は、第2レバー支持軸85aに対して第2テンションローラー回転軸85aとは反対側に第2スプリング取付部85bを有する。第2スプリング取付部85bには、第2スプリング86の一方が取り付けられている。
【0044】
カムレバー87は、カムレバー支持軸87aによって、図示しないフレームやケース等に回転可能に支持されている。第2スプリング86の他方はカムレバー87の一方に設けられた第3スプリング取付部87bに取り付けられている。カムレバー87の他方、すなわち、カムレバー支持軸87aに対して第3スプリング取付部87bの反対側は、カム輪当接部87cとなっている。カム輪当接部87cは、第2テンションローラー位置調整部としてのカム輪88の外周に当接する。カム輪88は、中心から偏心した位置にカム輪回転軸88aを有し、図示しないカム駆動部により回転可能となっている。
【0045】
なお、第2テンションローラー支持レバー85、第2スプリング86、カムレバー87及びカム輪88は、テンションローラー位置調整部を構成する。また、テンションローラー位置調整部としてカム輪88で直接第2テンションローラー82を調整してもよい。カム輪88を用いることで、簡単で低コストにテンションローラー位置調整部を構成することが可能となる。
【0046】
次に、第2テンションローラー82の移動について説明する。
【0047】
まず、中間転写ベルト40が伸張した場合について説明する。
【0048】
図2は中間転写ベルト40が伸張した状態での転写装置3を示す図、図3は第2テンションローラー82を制御した状態での転写装置3を示す図である。なお、図2中、破線は中間転写ベルト40が伸張する前の状態、実線は中間転写ベルト40が伸張した後の状態を示す。また、図3中、破線は中間転写ベルト40が伸張する前の状態、二点鎖線は第2テンションローラー82を制御する前の図2の実線と同じ状態、実線は第2テンションローラー82を制御した後の状態を示す。
【0049】
例えば、装置内の温度が高くなり、中間転写ベルト40が伸張した場合、図2に示すように、第1テンションローラー81及び第2テンションローラー82は、軌道が外側に延びる中間転写ベルト40に追随して移動する。
【0050】
中間転写ベルト40が伸張し、第1テンションローラー81の位置が中間転写ベルト40の軌道の外側方向に移動すると、ブラックの一次転写部50Kから二次転写部60まで、具体的にはブラックの一次転写ニップから二次転写ニップ部60aまでの中間転写ベルト40の軌道距離が延びて移動時間が長くなってしまう。そして、移動時間が長くなると、中間転写ベルト40に担持される画像が二次転写ニップ部60aに進入するタイミングと、当初設定されていた転写材の給紙タイミングとにずれが生じて、転写材に対する画像の見当あわせがずれてしまうおそれがある。
【0051】
そこで、第1実施形態では、図3に示すように、カム輪88を所定角度回転させて、第2テンションローラー82を、中間転写ベルト40の軌道のさらに外側方向に移動させる。その結果、第1テンションローラー81を中間転写ベルト40の軌道の内側方向に移動させて、ブラックの一次転写部50Kから二次転写部60までの中間転写ベルト40の軌道を、中間転写ベルト40が伸張する前の通常状態と同じ軌道となるように移動させる。
【0052】
図2に示す状態から、カム輪88がカム輪回転軸88aを中心に回転すると、図3に示すように、カムレバー87がカムレバー支持軸87aを中心に回転し、第3スプリング取付部87bが移動する。そして、第3スプリング取付部87bが移動することで、第2スプリング86及び第2スプリング取付部85bが移動する。第2スプリング取付部85bが移動すると、第2テンションローラー支持レバー85が第2レバー支持軸85aを中心に回転して、第2テンションローラー回転軸82a及び第2テンションローラー82が移動する。
【0053】
図3に示す状態では、ブラックの一次転写部50Kから二次転写部60までの中間転写ベルト40の軌道は、中間転写ベルト40が伸張する前の通常状態と同じ軌道となり、中間転写ベルト40に担持される画像が二次転写ニップ部60aに進入するタイミングと、当初設定されていた転写材の給紙タイミングをあわせることが可能となる。なお、この時、第1テンションローラー81は、中間転写ベルト40が伸張した状態から軌道の内側へ向けて移動して、通常状態となっている。
【0054】
次に、中間転写ベルト40が収縮した場合について説明する。
【0055】
図4は中間転写ベルト40が収縮した状態での転写装置3を示す図、図5は第2テンションローラー82を制御した状態での転写装置3を示す図である。なお、図4中、破線は中間転写ベルト40が収縮する前の状態、実線は中間転写ベルト40が収縮した後の状態を示す。また、図5中、破線は中間転写ベルト40が収縮する前の状態、二点鎖線は第2テンションローラー82を制御する前の図4の実線と同じ状態、実線は第2テンションローラー82を制御した後の状態を示す。
【0056】
例えば、装置内の温度が低くなり、中間転写ベルト40が収縮した場合、図4に示すように、第1テンションローラー81及び第2テンションローラー82は、軌道が内側に縮む中間転写ベルト40に追随して移動する。
【0057】
中間転写ベルト40が収縮し、第1テンションローラー81の位置が中間転写ベルト40の軌道の内側方向に移動すると、ブラックの一次転写部50Kから二次転写部60まで、具体的にはブラックの一次転写ニップから二次転写ニップ部60aまでの中間転写ベルト40の軌道距離が縮んで移動時間が短くなってしまう。そして、移動時間が短くなると、中間転写ベルト40に担持される画像が二次転写ニップ部60aに進入するタイミングと、当初設定されていた転写材の給紙タイミングとにずれが生じて、転写材に対する画像の見当あわせがずれてしまうおそれがある。
【0058】
そこで、第1実施形態では、図5に示すように、カム輪88を所定角度回転させて、第2テンションローラー82を、中間転写ベルト40の軌道のさらに内側方向に移動させる。その結果、第1テンションローラー81を中間転写ベルト40の軌道の外側方向に移動させて、ブラックの一次転写部50Kから二次転写部60までの中間転写ベルト40の軌道を、中間転写ベルト40が伸張する前の通常状態と同じ軌道となるように移動させる。
【0059】
図4に示す状態から、カム輪88がカム輪回転軸88aを中心に回転すると、図5に示すように、カムレバー87がカムレバー支持軸87aを中心に回転し、第3スプリング取付部87bが移動する。そして、第3スプリング取付部87bが移動することで、第2スプリング86及び第2スプリング取付部85bが移動する。第2スプリング取付部85bが移動すると、第2テンションローラー支持レバー85が第2レバー支持軸85aを中心に回転して、第2テンションローラー回転軸82a及び第2テンションローラー82が移動する。
【0060】
図5に示す状態では、ブラックの一次転写部50Kから二次転写部60までの中間転写ベルト40の軌道は、中間転写ベルト40が収縮する前の通常状態と同じ軌道となり、中間転写ベルト40に担持される画像が二次転写ニップに進入するタイミングと、当初設定されていた転写材の給紙タイミングをあわせることが可能となる。なお、この時、第1テンションローラー81は、中間転写ベルト40が伸張した状態から軌道の外側へ向けて移動して、通常状態となっている。
【0061】
次に、第2実施形態の画像形成装置1の構成を説明する。図6は本発明の第2実施形態に係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示した図である。
【0062】
第1実施形態が第2テンションローラー82を移動させるためにテンションローラー位置調整部を配設した構造であったのに対し、第2実施形態の画像形成装置1は、図6に示すように、第1テンションローラー81を移動させるためにテンションローラー位置調整部を配設した構造であり、その他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0063】
第2実施形態では、第1テンションローラー81は、第1テンションローラー回転軸81aを中心に回転可能に設けられる。第1テンションローラー回転軸81aは、第1テンションローラー支持部材としての第1テンションローラー支持レバー83に支持されている。第1テンションローラー支持レバー83は、第1レバー支持軸83aによって、図示しないフレームやケース等に回転可能に支持されている。また、第1テンションローラー支持レバー83は、第1レバー支持軸83aに対して第1テンションローラー回転軸81aとは反対側に第1スプリング取付部83bを有する。第1スプリング取付部83bには、第1スプリング84の一方が取り付けられている。
【0064】
カムレバー87は、カムレバー支持軸87aによって、図示しないフレームやケース等に回転可能に支持されている。第1スプリング84の他方はカムレバー87の一方に設けられた第3スプリング取付部87bに取り付けられている。カムレバー87の他方、すなわち、カムレバー支持軸87aに対して第3スプリング取付部87bの反対側は、カム輪当接部87cとなっている。カム輪当接部87cは、第1テンションローラー位置調整部としてのカム輪88の外周に当接する。カム輪88は、中心から偏心した位置にカム輪回転軸88aを有し、図示しないカム駆動部により回転可能となっている。
【0065】
なお、第1テンションローラー支持レバー83、第1スプリング84、カムレバー87及びカム輪88は、テンションローラー位置調整部を構成する。また、テンションローラー位置調整部としてカム輪88で直接第1テンションローラー81を調整してもよい。カム輪88を用いることで、簡単で低コストにテンションローラー位置調整部を構成することが可能となる。
【0066】
第2テンションローラー82は、第2テンションローラー回転軸82aを中心に回転可能に設けられる。第2テンションローラー回転軸82aは、第2テンションローラー支持部材としての第2テンションローラー支持レバー85に支持されている。第2テンションローラー支持レバー85は、第2レバー支持軸85aによって、図示しないフレームやケース等に回転可能に支持されている。また、第2テンションローラー支持レバー85は、第2レバー支持軸85aに対して第2テンションローラー回転軸85aとは反対側に第2スプリング取付部85bを有する。第2スプリング取付部85bには、第2スプリング86の一方が取り付けられており、第2スプリング84の他方は、図示しないフレームやケース等に支持されている。
【0067】
次に、第1テンションローラー81の移動について説明する。
【0068】
まず、中間転写ベルト40が伸張した場合について説明する。
【0069】
図7は中間転写ベルト40が伸張した状態での転写装置3を示す図、図8は第1テンションローラー81を制御した状態での転写装置3を示す図である。なお、図7中、破線は中間転写ベルト40が伸張する前の状態、実線は中間転写ベルト40が伸張した後の状態を示す。また、図8中、破線は中間転写ベルト40が伸張する前の状態、二点鎖線は第1テンションローラー81を制御する前の図7の実線と同じ状態、実線は第1テンションローラー81を制御した後の状態を示す。
【0070】
例えば、装置内の温度が高くなり、中間転写ベルト40が伸張した場合、図7に示すように、第1テンションローラー81及び第2テンションローラー82は、軌道が外側に延びる中間転写ベルト40に追随して移動する。
【0071】
中間転写ベルト40が伸張し、第1テンションローラー81の位置が図7に示すように移動すると、ブラックの一次転写部50Kから二次転写部60まで、具体的にはブラックの一次転写ニップから二次転写ニップ60aまでの中間転写ベルト40の軌道距離が延びて移動時間が長くなってしまう。そして、移動時間が長くなると、中間転写ベルト40に担持される画像が二次転写ニップ60aに進入するタイミングと、当初設定されていた転写材の給紙タイミングとにずれが生じて、転写材に対する画像の見当あわせがずれてしまうおそれがある。
【0072】
そこで、第2実施形態では、図8に示すように、カム輪88を所定角度回転させてブラックの一次転写部50Kから二次転写部60までの中間転写ベルト40の軌道を、中間転写ベルト40が伸張する前の通常状態と同じ軌道となるように移動させる。
【0073】
図7に示す状態から、カム輪88がカム輪回転軸88aを中心に回転すると、図8に示すように、カムレバー87がカムレバー支持軸87aを中心に回転し、第3スプリング取付部87bが移動する。そして、第3スプリング取付部87bが移動することで、第1スプリング84及び第1スプリング取付部83bが移動する。第1スプリング取付部83bが移動すると、第1テンションローラー支持レバー83が第1レバー支持軸83aを中心に回転して、第1テンションローラー回転軸81a及び第1テンションローラー81が移動する。
【0074】
図8に示す状態では、ブラックの一次転写部50Kから二次転写部60までの中間転写ベルト40の軌道は、中間転写ベルト40が伸張する前の通常状態と同じ軌道となり、中間転写ベルト40に担持される画像が二次転写ニップ60aに進入するタイミングと、当初設定されていた転写材の給紙タイミングをあわせることが可能となる。この時、第2テンションローラー82は、中間転写ベルト40が伸張した状態からさらに軌道の外側へ向けて移動している。
【0075】
次に、中間転写ベルト40が収縮した場合について説明する。
【0076】
図9は中間転写ベルト40が収縮した状態での転写装置3を示す図、図10は第1テンションローラー81を制御した状態での転写装置3を示す図である。なお、図9中、破線は中間転写ベルト40が収縮する前の状態、実線は中間転写ベルト40が収縮した後の状態を示す。また、図10中、破線は中間転写ベルト40が収縮する前の状態、二点鎖線は第1テンションローラー81を制御する前の図9の実線と同じ状態、実線は第1テンションローラー81を制御した後の状態を示す。
【0077】
例えば、装置内の温度が低くなり、中間転写ベルト40が収縮した場合、図9に示すように、第1テンションローラー81及び第2テンションローラー82は、軌道が内側に縮む中間転写ベルト40に追随して移動する。
【0078】
中間転写ベルト40が収縮し、第1テンションローラー81の位置が図9に示すように移動すると、ブラックの一次転写部50Kから二次転写部60まで、具体的にはブラックの一次転写ニップから二次転写ニップ部60aまでの中間転写ベルト40の軌道距離が縮んで移動時間が短くなってしまう。そして、移動時間が短くなると、中間転写ベルト40に担持される画像が二次転写ニップに進入するタイミングと、当初設定されていた転写材の給紙タイミングとにずれが生じて、転写材に対する画像の見当あわせがずれてしまうおそれがあった。
【0079】
そこで、第2実施形態では、図10に示すように、カム輪88を所定角度回転させてブラックの一次転写部50Kから二次転写部60までの中間転写ベルト40の軌道を、中間転写ベルト40が収縮する前の通常状態と同じ軌道となるように移動させる。
【0080】
図9に示す状態から、カム輪88がカム輪回転軸88aを中心に回転すると、図10に示すように、カムレバー87がカムレバー支持軸87aを中心に回転し、第3スプリング取付部87bが移動する。そして、第3スプリング取付部87bが移動することで、第1スプリング84及び第1スプリング取付部83bが移動する。第1スプリング取付部83bが移動すると、第1テンションローラー支持レバー83が第1レバー支持軸83aを中心に回転して、第1テンションローラー回転軸81a及び第1テンションローラー81が移動する。
【0081】
図10に示す状態では、ブラックの一次転写部50Kから二次転写部60までの中間転写ベルト40の軌道は、中間転写ベルト40が収縮する前の通常状態と同じ軌道となり、中間転写ベルト40に担持される画像が二次転写ニップ部60aに進入するタイミングと、当初設定されていた転写材の給紙タイミングをあわせることが可能となる。なお、この時、第2テンションローラー82は、中間転写ベルト40が収縮した状態からさらに軌道の内側へ向けて移動している。
【0082】
図11は、凹部及び把持部材を有しない二次転写ローラー61を用いた他の実施形態の画像形成装置1を示す図である。このような凹部及び把持部材を有しない二次転写ローラー61を用いた場合であっても、図1〜図10に示した第1実施形態及び第2実施形態の画像形成装置1の構成を用いることが可能である。この場合、画像形成装置1は、二次転写ローラー61と中間転写ベルト40とを離間させる離間機構を有するとよい。
【0083】
次に、テンションローラーの位置を調整する制御方法について説明する。
【0084】
図12は位置調整制御システムのブロック図である。
【0085】
第1実施形態の第2テンションローラー82又は第2実施形態の第1テンションローラー81の位置調整制御では、第1ベルト位置センサー91及び第2ベルト位置センサー92からの検知信号に基づいて、第1ベルト位置センサー91から第2ベルト位置センサー92までの中間転写ベルト40の所定の位置の移動時間を制御部100に含まれる算出部100aが算出し、算出された移動時間の情報に基づいて、制御部100がカム輪88の回転角度を制御する。カム輪88は、図1に示した第2テンションローラー82又は図6に示した第1テンションローラー81の位置を変動させる。例えば、第1ベルト位置センサー91から第2ベルト位置センサー92までの中間転写ベルト40の所定の位置の移動時間が予め定めた所定時間になるように制御する。
【0086】
まず、第1ベルト位置センサー91から第2ベルト位置センサー92までの中間転写ベルト40の移動時間を取得するための、第1ベルト位置センサー91及び第2ベルト位置センサー92について説明する。
【0087】
図13は第1ベルト位置センサー91が中間転写ベルト40の検知マーク40aを検知する状態を示す図、図14は図13のA−A断面を矢印方向から見た図、図15は第2ベルト位置センサー92が中間転写ベルト40の検知マーク40aを検知する状態を示す図、図16は図15のB−B断面を矢印方向から見た図である。
【0088】
第1実施形態及び第2実施形態の画像形成装置1は、第1ベルト位置センサー91から第2ベルト位置センサー92までの中間転写ベルト40の移動時間を取得するための第1ベルト位置センサー91及び第2ベルト位置センサー92を有する。
【0089】
第1ベルト位置センサー91は、中間転写ベルト40に設けた検知マーク40a等の印を読み取るセンサーである。第1ベルト位置センサー91は、図13に示すように、ブラックの一次転写部50Kに対して中間転写ベルト40の回転方向側、且つ、ベルト駆動ローラー41に対して中間転写ベルト40の回転方向手前側に配設する。また、第1ベルト位置センサー91は、図14に示すように、中間転写ベルト40の画像を担持する面と反対側の軌道内側に配設する。
【0090】
第2ベルト位置センサー92は、中間転写ベルト40に設けた検知マーク40a等の印を読み取るセンサーである。図15に示すように、バックアップローラー43に対して中間転写ベルト40の回転方向側、且つ、図示しない張架ローラー42に対して中間転写ベルト40の回転方向手前側に配設する。また、第2ベルト位置センサー92は、図16に示すように、中間転写ベルト40の画像を担持する面と反対側の軌道内側に配設する。
【0091】
次に、図12に示した制御部100による第1実施形態の第2テンションローラー82又は第2実施形態の第1テンションローラー81の位置調整制御のフローチャートについて説明する。
【0092】
図17は、第1実施形態における第2テンションローラー82又は第2実施形態における第1テンションローラー81の位置調整制御のフローチャートである。
【0093】
まず、ステップ1で、カム輪回転軸88aを中心にカム輪88を回転させて、カム輪88を初期状態とする。初期状態は、あらかじめ所定の回転位置に設定することが可能である。例えば、設置場所の周囲の温度や湿度等に応じて設定するとよい(ST1)。
【0094】
次に、ステップ2で、ベルト駆動ローラー41と二次転写ローラー61を回転駆動する(ST2)。
【0095】
続いて、ステップ3で、図3、図5、図8、及び図10に示すように、二次転写ローラー61の凹部63を中間転写ベルト40に対向させて、二次転写ローラー61と中間転写ベルト40とが離間した状態で二次転写ローラー61の回転駆動を停止する(ST3)。
【0096】
次に、ステップ4で、第1ベルト位置センサー91が検知マーク40aを検知してから第2ベルト位置センサー92が検知マーク40aを検知するまでの時間を計測する(ST4)。
【0097】
次に、ステップ5で、ステップ4において計測した時間とあらかじめ設定した所定時間とが等しいか否かを判断する(ST5)。あらかじめ設定した所定時間は、ステップ1において使用した初期状態で、第1ベルト位置センサー91が検知マーク40aを検知してから第2ベルト位置センサー92が検知マーク40aを検知するまでの時間が好ましい。
【0098】
ステップ5において、ステップ4において計測した時間とあらかじめ設定した所定時間とが等しい場合、ステップ6で、ベルト駆動ローラー41の回転を停止し(ST6)、第1実施形態における第2テンションローラー82又は第2実施形態における第1テンションローラー81の位置調整制御を終了する。
【0099】
ステップ5において、ステップ4において計測した時間とあらかじめ設定した所定時間とが異なる場合、ステップ7で、カム輪回転軸88aを中心にカム輪88を回転させて、第1実施形態における第2テンションローラー82又は第2実施形態における第1テンションローラー81の位置を調整し(ST7)、ステップ4に戻る。
【0100】
このように、中間転写ベルト40が伸縮した場合であっても、第1実施形態における第2テンションローラー82又は第2実施形態における第1テンションローラー81の位置を調整することで、ブラックの一次転写部50Kから二次転写部60までの中間転写ベルト40の軌道が、中間転写ベルト40が伸縮する前の通常状態と同じ軌道となり、中間転写ベルト40に担持される画像が二次転写ニップに進入するタイミングと、当初設定されていた転写材の給紙タイミングをあわせることができて、良好に画像を形成することが可能となる。
【0101】
また、第1実施形態における第2テンションローラー82の位置の調整では、中間転写ベルト40のテンションを一定に保持することが可能となる。
【0102】
なお、第1実施形態では第2テンションローラー82の位置を調整し、第2実施形態では第1テンションローラー81の位置を調整する構成としたが、第1テンションローラー81及び第2テンションローラー82の両方にテンションローラー支持レバー、スプリング、カムレバー及びカム輪等からなるテンションローラー位置調整部を設けて、第1テンションローラー81及び第2テンションローラー82の両方を制御できる構成としてもよい。
【0103】
以上、種々の実施形態について説明したが、本実施例はこれらの実施形態のみに限られるものではなく、それぞれの実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した実施形態も本発明の範疇となるものである。
【符号の説明】
【0104】
1…画像形成装置、2Y,2M,2C,2K…画像形成ステーション、3…転写装置、10Y,10M,10C,10K…感光体(像担持体)、11Y,11M,11C,11K…コロナ帯電器(帯電部)、12Y,12M,12C,12K…露光ユニット(露光部)、13Y,13M,13C,13K…第1感光体スクイーズローラー、15Y,15M,15C,15K…第2感光体スクイーズローラー、18Y,18M,18C,18K…感光体クリーニングブレード、20Y,20M,20C,20K…現像ローラー(現像剤担持体)、30Y,30M,30C,30K…現像装置(現像部)、31Y,31M,31C,31K…現像剤容器、32Y,32M,32C,32K…攪拌ローラー、33Y,33M,33C,33K…供給ローラー、34Y,34M,34C,34K…中間ローラー、40…中間転写ベルト(像担持体ベルト)、41…ベルト駆動ローラー(第1のローラー)、42…張架ローラー、43…バックアップローラー(第2のローラー)、49…中間転写ベルトクリーニングブレード、50…一次転写部、51…一次転写ローラー、60…二次転写部、60a…二次転写ニップ部(転写ニップ部)、61…二次転写ローラー(転写ローラー)、63…凹部、64…把持部材、69…転写ローラークリーニングブレード(転写ローラークリーニング部材)、71,71’…ゲートローラー(転写材送出部)、81…第1テンションローラー、82…第2テンションローラー、83…第1テンションローラー支持レバー、84…第1スプリング、85…第2テンションローラー支持レバー、86…第2スプリング、87…カムレバー、88…カム輪(第1テンションローラー位置調整部、第2テンションローラー位置調整部)、91…第1ベルト位置センサー(第1の検知部)、92…第2ベルト位置センサー(第2の検知部)、100…制御部、100a…算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー及びキャリアー液を含む液体現像剤で現像された像を担持する像担持体ベルトと、
前記像担持体ベルトの所定の位置を検知する第1の検知部と、
前記第1の検知部で検知された前記像担持体ベルトを巻き掛ける第1のローラーと、
前記第1のローラーに巻き掛けられた前記像担持体ベルトを巻き掛けるとともに、前記像担持体ベルトに張力を付与する第1テンションローラーと、
前記第1テンションローラーに巻き掛けられた前記像担持体ベルトを巻き掛ける第2のローラーと、
前記第2のローラーと前記像担持体ベルトを介して当接し、前記像担持体ベルトに担持された前記像を転写材に転写する転写ローラーと、
前記第2のローラーに巻き掛けられた前記像担持体ベルトの所定の位置を検知する第2の検知部と、
前記第2の検知部で検知された前記像担持体ベルトを巻き掛けるとともに、前記像担持体ベルトに張力を付与する第2テンションローラーと、
前記像担持体ベルトの所定の位置が前記第1の検知部で検知されてから前記第2の検知部で検知されるまでの前記像担持体ベルトの移動時間を算出する算出部と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記算出部で算出された前記像担持体ベルトの移動時間の情報に基づいて、前記第1テンションローラーの位置を調整する第1テンションローラー位置調整部を有する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記算出部で算出された前記像担持体ベルトの移動時間の情報に基づいて、前記第2テンションローラーの位置を調整する第2テンションローラー位置調整部を有する請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1テンションローラー位置調整部は、回転角度が調整されて前記第1テンションローラーの位置を変動させるカム輪を有する請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記転写ローラーは、周面に形成された凹部と、前記凹部に配設されて前記転写材を把持する把持部材と、を有する請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記転写ローラーと前記像担持体ベルトとを離間させる離間機構を有する請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第1のローラーを駆動させる第1ローラー駆動部を有する請求項1乃至請求項6のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項8】
トナー及びキャリアー液を含む液体現像剤で現像された像を担持する像担持体ベルトの所定の位置を第1の検知部で検知し、
前記第1の検知部で検知された前記像担持体ベルトを第1のローラーで巻き掛け、
前記第1のローラーに巻き掛けられた前記像担持体ベルトを前記像担持体ベルトに張力を付与する第1テンションローラーで巻き掛け、
前記第1テンションローラーに巻き掛けられた前記像担持体を、前記像担持体ベルトを介して転写ローラーと当接する第2のローラーで巻き掛け、
前記第2のローラーに巻き掛けられた前記像担持体ベルトの所定の位置を第2の検出部で検知し、
前記像担持体ベルトの所定の位置が前記第1の検知部で検出されてから前記第2の検出部で検出されるまでの時間を算出することを特徴とする画像形成方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2012−132963(P2012−132963A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−282649(P2010−282649)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】