説明

画像形成装置

【課題】安定化制御によりユーザの待ち時間が生じる機会を減少させる。
【解決手段】本発明に係る画像形成装置100によれば、WTにおける安定化制御時間考慮が有効に設定されている場合、電源OFF時に、WTで設定されている電源ON時刻t1に対し安定化制御を行う時間TAを考慮した電源ON時刻、即ち、WTで設定されている電源ON時刻t1より安定化制御に必要な処理時間TA分だけ先行した時刻t0が決定され、決定された時刻t0がRTC回路に設定され、電源がOFFされる。時刻t0にRTC回路から電源ON指令が入力されると、操作表示部以外の電源がONされ、安定化制御が実行される。安定化制御が終了し、WTで設定された時刻t1が到来すると、操作表示部の電源がONされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安定化制御機能が装備された画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置においては、電源投入時に、機械状態を安定化させ、安定した画質での画像形成が可能な状態とするための安定化制御が行われている。安定化制御は、機械の品質保持動作及び準備動作である。機械の品質保持動作としては、例えば、カラーレジスト補正、階調補正等の画質を安定化させるための調整があり、機械の準備動作としては、例えば、定着装置の温度を所定の温度に安定させるためのウォーミングアップ動作等がある。
【0003】
安定化制御は、電源投入時のほか、プリント枚数や、前回安定化制御を行った時刻からの経過時間に応じて行われる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、画像形成装置には、電源をONする(投入する)指定時刻およびOFFする(切る)指定時刻をユーザが曜日毎に設定しておくことによって、指定時刻に自動的に電源のON/OFFを行うWT(ウィークリータイマー)機能を備えたものがある(例えば、特許文献2参照)。更に、画像形成時刻を学習し、学習結果に基づいて電源のON状態とスリープ状態を切り替えるものがある(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開平5−45982号公報
【特許文献2】特開平8−137343号公報
【特許文献3】特開平7−44068号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、安定化制御には数分間かかるため、WT機能で画像形成を開始したい時刻を電源をONする指定時刻として設定しても直ちに使用することができず、ユーザに待ち時間を与えてしまうという問題があった。
【0006】
また、安定化制御は、電源投入時のほか、プリント枚数や、前回安定化制御を行った時刻からの経過時間に応じて行われるため、ジョブ中に安定化制御が割り込まれ、ジョブが中断されてしまい、ユーザに待ち時間を与えてしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、上記のような現状に鑑みてなされたものであって、安定化制御によりユーザの待ち時間が生じる機会を減少させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
電源投入時に機械状態を安定化するための安定化制御を行う安定化制御手段と、前記電源を指定時刻に自動投入するための設定入力手段とを備えた画像形成装置において、
前記設定入力手段により設定された指定時刻から前記安定化制御手段において必要な処理時間を含む時間分だけ先行して前記電源を投入するように制御する制御手段を備えたことを特徴としている。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記制御手段は、前記設定入力手段により設定された指定時刻に操作表示部の表示が開始されるように制御することを特徴としている。
【0010】
請求項3に記載の発明は、
機械状態を安定化するための安定化制御を行う安定化制御手段を備えた画像形成装置において、
前記安定化制御を開始する指定時刻を設定するための安定化制御時刻設定入力手段と、
前記安定化制御時刻設定入力手段により設定された指定時刻に前記安定化制御を開始するように制御する制御手段と、
を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、設定入力手段により電源投入時刻として設定された指定時刻から安定化制御手段において必要な処理時間を含む時間分だけ先行して電源を投入する。従って、設定入力手段により電源投入時刻として設定された指定時刻が到来すると、ユーザは待ち時間なく直ちに画像形成装置を使用することが可能となる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、設定入力手段により設定された指定時刻に操作表示部の表示が開始されるので、ユーザは画像形成装置が使用可能となったことを認識することが可能となる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、安定化制御時刻設定入力手段により設定された指定時刻に安定化制御を開始することが可能となるので、ユーザが画像形成装置を使用する可能性の低い時間帯に指定時刻を設定しておくことで、ジョブ中に安定化制御が割り込みで実行されて待ち時間が生じる機会を減少させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
〔第1の実施の形態〕
まず、第1の実施の形態の構成について説明する。
図1に、本発明に係る画像形成装置100の機能構成例を示す。画像形成装置100は、例えば、電子写真方式のカラー複写機であり、図1に示すように、制御部101、操作表示制御部102、操作表示部103、エンジン制御部104、スキャナ部105、プリント部106、RTC(Real Time Clock)回路107等を備えて構成されている。
【0015】
制御部101は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等により構成される。制御部101のCPUは、操作表示制御部102からの操作信号に基づいて、ROMに格納されているシステムプログラムや各種処理プログラムを読み出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って、画像形成装置100各部の動作を集中制御し、後述する電源ON時刻セット処理、表示制御処理を始めとする各種処理を実行する。
【0016】
また、制御部101は、安定化制御手段として、CPUとROMに記憶されている安定化制御プログラムとの協働によるソフトウエア処理により、エンジン制御部104を介して画像形成装置100各部を動作させ、画像形成装置内の機械を安定化させるための安定化制御を行う。
【0017】
操作表示制御部102は、制御部101から入力される表示信号に基づいて、操作表示部103における表示制御を行う。また、操作表示部103から入力される操作信号を制御部101へ出力する。
【0018】
操作表示部103は、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、操作表示制御部102からの制御信号に従って表示画面上に各種操作項目や装置の状態表示、各機能の動作状況等の表示を行う。また、LCDの画面上は、透明電極を格子状に配置した感圧式(抵抗膜圧式)のタッチパネルが構成されており、手指やタッチペン等で押下された力点のXY座標を電圧値で検出し、検出された位置信号を操作信号として制御部101に出力する。なお、タッチパネルは、感圧式に限らず、他の静電式、光式等であってもよい。更に、操作表示部103は、電源スイッチ、数字ボタン、スタートボタン等の各種操作スイッチ及び操作ボタンを備え、これらの操作による操作信号を制御部101に出力する。
【0019】
本実施の形態において、操作表示部103は、操作表示制御部102からの制御信号に基づいて、表示画面上にWT(ウィークリータイマー)設定画面131、WT安定化制御時間考慮設定画面132を表示する。
【0020】
図2に、WT設定画面131の一例を示す。WT設定画面131は、画像形成装置100の電源を自動的にONする指定時刻(以下、電源ON時刻t1と称する)及び自動的にOFFする指定時刻(以下、電源OFF時刻と称する)を曜日毎に設定入力するための設定入力手段であり、図2に示すように、WTの時刻を設定する曜日を選択するための選択ボタンB1〜B7、テンキーT1、決定ボタンB8等を有している。選択ボタンB1〜B7の何れかが操作され、曜日が選択されると、選択された曜日の電源ON時刻欄及び電源OFF時刻欄が点滅表示となり、テンキーT1からの時刻入力が可能となる。設定したい曜日の時刻入力が終了し、決定ボタンB8が押下されると、WTが有効となり、入力された時刻がWTの時刻として設定される。
【0021】
図3に、WT安定化制御時間考慮設定画面132の一例を示す。WT安定化制御時間考慮設定画面132は、WT安定化制御時間考慮を有効にするためのボタンB9と、WT安定化制御時間考慮を無効にするためのボタンB10、決定ボタンB11を有している。ボタンB9が押下され、決定ボタンB11が押下されると、WT安定化制御時間考慮が有効に設定される。ボタンB10が押下され、決定ボタンB11が押下されると、WT安定化制御時間考慮が無効に設定される。
【0022】
エンジン制御部104は、制御部101からの制御信号に基づいて、スキャナ部105の駆動制御、プリント部106各部の駆動制御を行う。
【0023】
スキャナ部105は、CCD(Charge-Coupled Devices)及びその駆動手段などを備え、エンジン制御部104からの駆動制御により、原稿に記録された画像を画像データとして読み取る。
【0024】
プリント部106は、エンジン制御部104からの駆動制御により、スキャナ部105で読み取られた画像データに基づいて記録媒体P上に画像を形成して出力する。
図4に、プリント部106の要部構成を示す。図3に示すように、プリント部106は、Yellow、Magenta、Cyan、Blackの各色用の感光体ドラム1〜4、感光体ドラム1〜4にレーザービームを露光して静電潜像を形成する露光手段9〜12、感光体ドラム1〜4の表面を帯電する帯電器5〜8、感光体ドラム1〜4に形成された静電潜像にトナー像を形成する現像器13〜16、感光体ドラム1〜4に形成されたトナー像を記録媒体Pに搬送する中間転写体21、記録媒体Pに中間転写体21上に形成されたトナー像を転写する転写ローラ22、及び記録媒体Pにトナー像を定着させる定着器34を含んで構成されている。
【0025】
図4において、エンジン制御部104の制御に基づき、下記のようにプリント動作が行われる。
まず、感光体ドラム1〜4が図示しないメインモータにより駆動され、その表面が図示しない電源により電圧供給される帯電器5〜8の放電により負極性に帯電され、露光手段9〜12のレーザービームの露光によりその帯電部分に各色の画像データに応じた光書き込みがなされ静電潜像が形成される。形成された静電潜像が現像器13〜16を通過すると、図示しない電源により現像器内で負極性に帯電されたトナーが負極性現像バイアスの印加により潜像部分に付着し、感光体ドラム1〜4上にトナー像が形成される。形成されたトナー像は感光体ドラム1〜4と圧着する中間転写体21に中間転写される。中間転写後に残留した感光体ドラム1〜4上のトナーは感光体クリーニング手段17〜20により清掃される。
【0026】
一方、記録媒体Pは、給紙トレイ25(a〜cの何れか)より1枚ずつ送り出され、ガイド板26より案内されてレジストローラ28、29位置まで進む。レジストローラ28、29により記録媒体Pの先端が整列された後、記録媒体Pは中間転写体21上のトナー像と画像位置が一致するタイミングで搬出され、ガイド板30により案内されて中間転写体21と転写ローラ22の接触部である転写ニップ部へ送り込まれる。転写ローラ22は、記録媒体Pを中間転写体21側へ押圧し、図示しない電源より印加されるトナーと逆極性のバイアスで発生する静電気力の作用により中間転写体21上のトナー像を記録媒体P側へ転写させる。
【0027】
トナー像を担持した記録媒体Pは、除電針からなる分離手段23により除電されて中間転写体21から分離され、加熱ローラ33、加圧ローラ32のローラ対からなる定着器34へ導入される。
【0028】
定着器34によりトナー像が熱定着された記録媒体Pは片面両面切り替えゲート31を通り機外へ排出され排紙皿40に収容される。
【0029】
なお、両面印刷の場合は片面両面切り替えゲート31を切り替える事で記録媒体Pを反転経路42へ進め反転ポイント44で記録媒体Pを表裏反転させて両面経路43上を搬送さてレジストローラ28、29の位置まで進む。レジストローラ28、29により記録媒体Pの先端が整列された後は、前述表面印刷時と同様の方法で裏面の中間転写、定着を行い、記録媒体Pを排紙させる。
【0030】
転写ニップ部通過後の中間転写体21表面は、ブレードからなるクリーニング24により残留トナーが清掃され、上記プリント動作が繰り返される。
【0031】
図1のRTC回路107は、電池を内蔵したタイマであり、制御部101によりセットされた時刻が到来するとパルスを発生し、制御部101に出力する。
【0032】
次に、第1の実施の形態における動作について説明する。
図5に、RTC回路107から電源OFF指令のパルスが発生した際、又は操作表示部103の電源スイッチが操作され、操作表示制御部102から電源OFF指令が入力された際に制御部101により実行される電源ON時刻セット処理について説明する。当該処理は、制御部101のCPUとROMに格納されているプログラムとの協働によるソフトウエア処理により実現されるものである。
【0033】
まず、WTが有効に設定されているか否かが判断される(ステップS1)。WTが有効に設定されていない場合は(ステップS1;NO)、電源がOFFされ、本処理は終了する。
【0034】
WTが有効に設定されている場合は(ステップS1;YES)、WT安定化制御時間考慮が有効に設定されているか否かが判断される(ステップS2)。WT安定化制御時間考慮が有効に設定されている場合は(ステップS2;YES)、WTで設定されている電源ON時刻t1に対し安定化制御に必要な処理時間TAを考慮した電源ON時刻t0、即ち、WTで設定されている電源ON時刻t1より安定化制御に必要な処理時間TA分だけ先行した時刻t0が決定され、決定された時刻t0がRTC回路107にセットされ(ステップS3)、電源がOFFされ、本処理は終了する。WT安定化制御時間考慮が設定されていない場合は(ステップS2;NO)、WTで設定されている電源ON時刻t1がRTC回路107にセットされ(ステップS4)、電源がOFFされ、本処理は終了する。
【0035】
RTC回路107においては、電源OFF後、上記処理でセットされた電源ON時刻(t0又はt1)が到来すると、制御部101のCPUに電源ON指令としてのパルスを発生する。
【0036】
図6に、RTC回路107から電源ON指令のパルスが発生した際に制御部101により実行される表示制御処理について説明する。当該処理は、制御部101のCPUとROMに格納されているプログラムとの協働によるソフトウエア処理により実現されるものである。
【0037】
まず、WT安定化制御時間考慮が有効に設定されているか否かが判断される(ステップS11)。WTにおける安定化制御時間考慮が有効に設定されていない場合は(ステップS11;NO)、画像形成装置100内の全ての電源がONされ(ステップS12)、安定化制御が実行され(ステップS13)、本処理は終了する。
【0038】
一方、WT安定化制御時間考慮が有効に設定されている場合は(ステップS11;YES)、操作表示部103以外の電源がONされ(ステップS14)、安定化制御が実行される(ステップS15)。次いで、WTの電源ON時刻t1が待機され、WTの電源ON時刻t1が到来すると(ステップS16;YES)、操作表示部103の電源がONされ(ステップS17)、本処理は終了する。
【0039】
図7(a)は、WT安定化制御時間考慮が有効に設定されていない場合の、電源ON指令からの時間経過と画像形成装置100の状態変化の関係を示す図、図7(b)は、WT安定化制御時間考慮が有効に設定されている場合の、電源ON指令からの時間経過と画像形成装置100の状態変化の関係を示す図である。
図7(a)に示すように、WT安定化制御時間考慮が有効に設定されていない場合、画像形成装置100は、WTで設定された電源ON時刻t1に電源が自動的にONとなり、安定化制御が実行され(時間TA)、安定化制御が終了した時刻t2に使用可能状態となる。安定化制御中の時刻t1〜t2においては、操作表示部103は点灯しているが、使用不可能な状態である。ユーザは電源ON時刻として設定した時刻t1から安定化制御終了時刻t2までの時間TAは、待ち状態となる。
図7(b)に示すように、WT安定化制御時間考慮が有効に設定されている場合、画像形成装置100は、WTで設定された電源ON時刻t1より安定化制御実行時間TA分先行した時刻t0に電源が自動的にONとなり、安定化制御が実行される。安定化制御処理中の時刻t0〜t1においては、操作表示部103は点灯しない。安定化制御が終了し、WTで設定された電源ON時刻t1が到来すると同時に、操作表示部103が点灯し使用可能状態となる。
【0040】
以上説明したように、画像形成装置100の制御部101よれば、WTにおける安定化制御時間考慮が有効に設定されている場合、電源OFF指令入力時に、WTで設定されている電源ON時刻t1に対し安定化制御を行う時間TAを考慮した電源ON時刻t0、即ち、WTで設定されている電源ON時刻t1より安定化制御に必要な処理時間TA分だけ先行した時刻t0が決定され、決定された時刻t0がRTC回路107に設定され、電源がOFFされる。時刻t0にRTC回路107から電源ON指令が入力されると、操作表示部103以外の電源がONされ、安定化制御が実行される。安定化制御が終了し、WTで設定された時刻t1が到来すると、操作表示部103の電源がONされる。
【0041】
従って、WTにおける安定化制御時間考慮が有効に設定されている場合、画像形成装置100は、WTで設定された電源ON時刻に直ちに使用可能状態となるので、従来のように、電源が投入後、ユーザに待ち時間を与えるといったことが無くなる。また、使用可能状態となるまで操作表示部103の電源はONされず、使用可能状態となった時点で操作表示部103の電源がONされるので、ユーザは、画像形成装置100が使用可能状態となったことを認識することが可能となる。
【0042】
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
まず、構成について説明する。
【0043】
操作表示部103は、操作表示制御部102からの制御信号に基づいて、表示画面上にWT設定画面131(図2参照)、安定化制御実行時刻設定画面133を表示する。
【0044】
図8に、安定化制御実行時刻設定画面133の一例を示す。安定化制御実行時刻設定画面133は、安定化制御を開始する指定時刻(以下、安定化制御時刻と称する)を設定するための安定化制御時刻設定入力手段であり、テンキーT2から時刻が入力され、決定ボタンB12が押下されると、入力された時刻が安定化制御を開始する時刻として設定される。
【0045】
画像形成装置100のその他の構成については、上述した第1の実施の形態で図1を用いて説明したのと同様であるので、その説明は省略する。
【0046】
次に、動作について説明する。
図9に、RTC回路107から電源ON指令のパルスが発生した際、又は操作表示部103から電源ON指令が入力された際に制御部101により実行される時刻管理処理について説明する。当該処理は、制御部101のCPUとROMに格納されているプログラムとの協働によるソフトウエア処理により実現されるものである。
【0047】
まず、WTが有効に設定されているか否かが判断され(ステップS21)、WTが有効に設定されている場合は(ステップS21;YES)、次回にRTC回路107にセットすべき時刻が電源OFF時刻であるか否かが判断され、電源OFF時刻である場合は(ステップS22;YES)、制御部101のRAM内に電源OFFフラグが立てられるとともに、RTC回路107に、WTの電源OFF時刻として設定されている時刻がセットされ(ステップS23)、処理はステップS26に移行する。
【0048】
一方、WTが有効に設定されていない場合(ステップS21;NO)、又は次回にRTC回路107にセットすべき時刻が電源OFF時刻ではない場合(ステップS22;NO)、安定化制御時刻が設定されているか否かが判断され(ステップS24)、安定化制御時刻が設定されていない場合は(ステップS24;NO)、当該時刻管理処理は終了する。安定化制御時刻が設定されている場合は(ステップS24;YES)、制御部101のRAM内に安定化制御フラグが立てられるとともに、RTC回路107に、安定化制御を開始する時刻として設定されている安定化制御時刻がセットされ(ステップS25)、処理はステップS26に移行する。
【0049】
ステップS26においては、ステップS23又はステップS25でRTC回路107にセットされた時刻の到来が待機される。RTC回路107にセットされた時刻が到来してパルスが入力されると(ステップS26;YES)、RAMに立てられているフラグが判定され、電源OFFフラグが立てられている場合は(ステップS27;YES)、RTC回路107にWTの電源ON時刻がセットされ、本処理は終了する。本処理後、電源はOFFされる。
【0050】
一方、ステップS27において、RAMに安定化制御フラグが立てられている場合は(ステップS27;NO)、安定化制御が実行され(ステップS29)、処理はステップS21に戻り、ステップS21以降の処理が繰り返し実行される。
【0051】
上記処理で電源ON時刻がセットされ、電源がOFFされた後、電源ON時刻が到来するとRTC回路107によりパルスが発生し、画像形成装置100に電源ON指令が入力され、電源がONされる。
【0052】
以上説明したように、画像形成装置100によれば、安定化制御を開始する時刻が設定されている場合、その時刻がRTC回路107にセットされ、時刻が到来すると、安定化制御が実行される。
【0053】
従って、安定化制御を開始する時刻をユーザが設定可能であり、設定された時刻に安定化制御の実行が開始されるので、ユーザが、画像形成装置100を稼動させる可能性の少ない時間帯に安定化制御時刻を設定しておけば、ジョブ中に安定化制御が割り込まれて安定化制御が終了するまで待たなければならないといったことがなくなる。また、高画質な画像を出力したい場合に、その直前に安定化制御を行うように設定しておくことにより、画質の安定した出力画像を得ることが可能となる。
【0054】
なお、上記実施の形態における記述内容は、本発明に係る画像形成装置100の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
【0055】
例えば、上記第1の実施の形態において、WT安定化制御時間考慮が有効に設定されている場合、電源ON指令が入力されると、操作表示部103以外の電源をONし、WTの電源ON時刻が到来すると操作表示部103をONすることとしたが、WTの電源ON時刻が到来した際に操作表示部103の表示が開始されるように制御する方法としては、これに限定されない。例えば、電源ON指令が入力された際に画像形成装置100全体の電源をONにし、WTの電源ON時刻が到来した際に操作表示部103のバックライトをONする構成としてもよい。
【0056】
また、上記第1、2の実施の形態においては、画像形成装置100をカラー複写機として説明したが、これに限定されず、ファクシミリ、プリンタあるいはそれらの複合機等の画像形成装置においても適用可能である。
【0057】
その他、画像形成装置100を構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明に係る画像形成装置100の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】WT設定画面131の一例を示す図である。
【図3】WT安定化制御時間考慮設定時間132の一例を示す図である。
【図4】プリント部106の要部構成を示す図である。
【図5】制御部101により実行される電源ON時刻セット処理を示すフローチャートである。
【図6】制御部101により実行される表示制御処理を示すフローチャートである。
【図7】(a)は、WT安定化制御時間考慮が有効に設定されていない場合の、電源ON指令からの時間経過と画像形成装置100の状態変化の関係を示す図、(b)は、WT安定化制御時間考慮が有効に設定されている場合の、電源ON指令からの時間経過と画像形成装置100の状態変化の関係を示す図である。
【図8】安定化制御実行時刻設定画面133の一例を示す図である。
【図9】制御部101により実行される時刻管理処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0059】
100 画像形成装置
101 制御部
102 操作表示制御部
103 操作表示部
104 エンジン制御部
105 スキャナ部
106 プリント部
107 RTC回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源投入時に機械状態を安定化するための安定化制御を行う安定化制御手段と、前記電源を指定時刻に自動投入するための設定入力手段とを備えた画像形成装置において、
前記設定入力手段により設定された指定時刻から前記安定化制御手段において必要な処理時間を含む時間分だけ先行して前記電源を投入するように制御する制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記設定入力手段により設定された指定時刻に操作表示部の表示が開始されるように制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
機械状態を安定化するための安定化制御を行う安定化制御手段を備えた画像形成装置において、
前記安定化制御を開始する指定時刻を設定するための安定化制御時刻設定入力手段と、
前記安定化制御時刻設定入力手段により設定された指定時刻に前記安定化制御を開始するように制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−30252(P2006−30252A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−204453(P2004−204453)
【出願日】平成16年7月12日(2004.7.12)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】