説明

画像形成装置

【課題】高さを低くすることができる、画像形成装置を提供すること。
【解決手段】高圧基板95およびメイン基板96を、左フレーム92の外側面に配置し、搬送経路90を、給紙ローラ9の外周面の最上部付近の供給位置Pから画像形成位置に向かって下方に傾斜するように設ける。これによって、本体ケーシング2内における画像形成部5の高さ位置を下げることができる。その結果、レーザプリンタ1の高さを低くすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザプリンタなどの画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、レーザプリンタなどの画像形成装置として、装置本体の下部に、複数枚の用紙を積層状態で収容可能なカセットを備え、装置本体の上面に、画像が形成された用紙を排紙するための排紙トレイを有するものが知られている。
このような画像形成装置では、カセット内の最上位の用紙が、装置本体の前側に向けて送り出される。そして、カセットから送り出された用紙は、装置本体の前端部で搬送方向が反対方向に折り返されて、カセットの上方において前後に延びる搬送経路を後側に向けて搬送され、この搬送経路を搬送される間に画像が形成される。画像が形成された用紙は、装置本体の後端部で搬送方向が反対方向に再び折り返されて、排紙トレイの後方から排紙トレイに排紙される。
【0003】
また、搬送経路は、ほぼ水平または後側に向かって上方に少し傾斜するように設けられている。そのため、搬送経路とカセットとの間にスペースが生じており、このスペースに制御基板や電源基板を配置することによって、装置本体内のスペースの有効的な活用が図られている(たとえば、特許文献1,2参照)。
【特許文献1】特開平7−143300号公報
【特許文献2】特開2004−77788号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、画像形成装置の小型化が要請されており、画像形成装置の高さについても、より低くすることが要請されている。しかしながら、特許文献1,2の構成では、画像形成装置の高さが十分に低くされておらず、また、搬送経路とカセットとの間に基板が配置されているために、画像形成装置の高さをより低くすることが困難である。
そこで、この発明の目的は、高さを低くすることができる、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、記録媒体をピックアップして供給するための供給手段と、記録媒体に画像を形成するための画像形成手段と、記録媒体を排出するための排出手段とを備え、前記供給手段によってピックアップされる記録媒体のピックアップ方向と、前記画像形成手段によって画像が形成される画像形成位置における記録媒体の搬送方向である画像形成時搬送方向とが、反対方向となり、前記画像形成時搬送方向と、画像が形成された記録媒体が前記排出手段によって排出される排出方向とが反対方向となるように、配置された画像形成装置において、前記画像形成手段に電力を供給するための電源が搭載され、画像形成装置における記録媒体の幅方向の端部に配置される電源基板と、前記画像形成手段を制御するための制御手段が搭載され、画像形成装置における記録媒体の幅方向の端部に配置される制御基板と、前記供給手段により供給された記録媒体が、前記供給手段から離脱する位置から、前記画像形成位置に向かって下方に傾斜する記録媒体の搬送経路とを備えていることを特徴としている。
【0006】
このような構成によると、電源基板および制御基板は、画像形成装置における記録媒体の幅方向の端部に配置されている。電源基板および制御基板が搬送経路の下方に配置されていないので、搬送経路を供給位置から画像形成位置に向かって下方に傾斜するように設けることができ、それに伴って、画像形成手段の高さ位置を下げることができる。その結果、画像形成装置の高さを低くすることができる。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記搬送経路には、搬送される記録媒体の下面に対向するガイド板が設けられており、前記ガイド板の下面には、少なくとも前記画像形成時搬送方向上流側端部に、前記ガイド板を補強するための補強板が設けられていることを特徴としている。
ガイド板の下面に電源基板などが配置されない構成では、そのガイド板の下面に電源基板などをシールドするための板金も設けられないので、ガイド板の強度が弱くなるおそれがある。しかし、このような構成によると、ガイド板の下面に補強板が設けられているので、ガイド板の強度を増すことができる。そのため、ガイド板の変形などを防止することができる。
【0008】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記ガイド板が樹脂からなり、前記補強板が板金からなることを特徴としている。
このような構成によると、補強板が板金からなるので、樹脂製のガイド板の強度を確実に向上させることができる。
また、請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の発明において、前記ガイド板には、前記画像形成時搬送方向上流側端部において、前記供給手段が支持されていることを特徴としている。
【0009】
このような構成によると、ガイド板において、記録媒体の搬送方向上流側端部に供給手段が支持されている。そのため、ガイド板における記録媒体の搬送方向上流側端部に負荷がかかるが、補強板が設けられているので、そのガイド板の搬送方向上流側端部における変形などを防止することができる。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記ガイド板は、前記画像形成時搬送方向上流側端縁から、前記供給手段が配置されている領域を切り欠くように、形成されていることを特徴としている。
【0010】
このような構成によると、ガイド板において、供給手段が配置されている領域が切り欠かれている。言い換えれば、ガイド板が切り欠かれ、その切り欠かれた領域内に供給手段が配置されている。そのため、ガイド板の下方に供給手段を配置する構成に比べて、画像形成装置の高さをさらに低くすることができる。
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記補強板は、前記供給手段を、記録媒体の搬送方向に直交する方向の両側から、挟むように設けられていることを特徴としている。
【0011】
このような構成によると、補強板が、供給手段を記録媒体の搬送方向に直交する方向の両側から挟むように設けられている。そのため、ガイド板の切り欠かれた領域の周囲を確実に補強することができ、ガイド板の変形などをより一層防止することができる。
また、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記補強板には、前記供給手段を囲むように凹部が形成されていることを特徴としている。
【0012】
このような構成によると、補強板の強度を増すことができる。そのため、ガイド板の切り欠かれた領域の周囲をより確実に補強することができ、ガイド板の変形などを確実に防止することができる。
また、請求項8に記載の発明は、請求項2ないし7のいずれかに記載の発明において、前記ガイド板には、前記ガイド板を介して通気するための第1通気孔が形成されており、前記補強板には、前記補強板を介して通気し、前記第1通気孔に対する通気を許容するための第2通気孔が形成されていることを特徴としている。
【0013】
このような構成によると、補強板に第2通気孔が形成されているので、第1通気孔による通気が補強板によって妨げられることを防止することができる。
また、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明において、前記第1通気孔および前記第2通気孔は、それぞれ複数形成されており、前記第2通気孔の合計の開口面積が、前記第1通気孔の合計の開口面積よりも、大きいことを特徴としている。
【0014】
このような構成によると、第2通気孔の合計の開口面積が、第1通気孔の合計の開口面積よりも大きいので、第1通気孔による通気が補強板によって妨げられることをより確実に防止することができる。
また、請求項10に記載の発明は、請求項8または9に記載の発明において、前記第2通気孔から前記第1通気孔に向かう気流を生じさせるファンを備えていることを特徴としている。
【0015】
このような構成によると、ファンによって、画像形成装置内に第2通気孔から第1通気孔に向かう気流を生じさせることができる。そのため、画像形成装置内を十分に換気することができる。
また、請求項11に記載の発明は、請求項8ないし10のいずれかに記載の発明において、前記画像形成手段は、記録媒体の画像を転写するための転写手段を備え、前記ガイド板は、前記転写手段の下方に延びるように設けられ、前記ガイド板には、前記転写手段との対向位置に、前記ガイド板を介して通気するための第3通気孔が形成されていることを特徴としている。
【0016】
このような構成によると、ガイド板の転写手段との対向位置に第3通気孔が形成されているので、その第3通気孔を介して、転写手段の周囲の雰囲気を換気することができる。そのため、安定した転写を達成することができる。
また、請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の発明において、前記補強板における前記画像形成時搬送方向下流側端縁は、前記第3通気孔よりも、前記画像形成時搬送方向上流側に配置されていることを特徴としている。
【0017】
このような構成によると、補強板によって第3通気孔が閉鎖されることを防止することができる。そのため、第3通気孔による通気を確保することができる。
また、請求項13に記載の発明は、請求項1ないし12に記載の発明において、前記補強板が、接地されていることを特徴としている。
このような構成によると、補強板に電荷が蓄積されることを防止することができる。そのため、補強板からの放電を防止することができ、そのような放電による画像品質の劣化を防止することができる。
【0018】
また、請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の発明において、前記供給手段は、前記補強板を介して接地されていることを特徴としている。
このような構成によると、供給手段が接地されているので、供給手段に電荷が蓄積されることを防止することができる。
また、補強板が接地されているので、供給手段を補強板に対して電気的に接続すれば、供給手段を接地することができる。そのため、供給手段を接地するための配線構造を簡素化することができる。
【0019】
また、請求項15に記載の発明は、請求項1ないし14のいずれかに記載の発明において、前記電源基板と前記制御基板とは、画像形成装置における記録媒体の幅方向の同一側端部に配置されていることを特徴としている。
このような構成によると、電源基板と制御基板とが、画像形成装置における記録媒体の幅方向の同一側端部に配置されている。そのため、画像形成装置における記録媒体の幅方向のサイズを小さくすることができる。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に記載の発明によれば、画像形成装置の高さを低くすることができる。
請求項2に記載の発明によれば、ガイド板の強度を増すことができ、ガイド板の変形などを防止することができる。
請求項3に記載の発明によれば、補強板が板金からなるので、樹脂製のガイド板の強度を確実に向上させることができる。
【0021】
請求項4に記載の発明によれば、ガイド板の搬送方向上流側端部における変形などを防止することができる。
請求項5に記載の発明によれば、画像形成装置の高さをさらに低くすることができる。
請求項6に記載の発明によれば、ガイド板の変形などをより一層防止することができる。
【0022】
請求項7に記載の発明によれば、補強板の強度を増すことができ、ガイド板の変形などを確実に防止することができる。
請求項8に記載の発明によれば、第1通気孔による通気が補強板によって妨げられることを防止することができる。
請求項9に記載の発明によれば、第1通気孔による通気が補強板によって妨げられることをより確実に防止することができる。
【0023】
請求項10に記載の発明によれば、画像形成装置内に第2通気孔から第1通気孔に向かう気流を生じさせることができる。そのため、画像形成装置内を十分に換気することができる。
請求項11に記載の発明によれば、転写手段の周囲の雰囲気を換気することができる。そのため、安定した転写を達成することができる。
【0024】
請求項12に記載の発明によれば、第3通気孔による通気を確保することができる。
請求項13に記載の発明によれば、補強板からの放電を防止することができ、そのような放電による画像品質の劣化を防止することができる。
請求項14に記載の発明によれば、供給手段に電荷が蓄積されることを防止することができながら、その供給手段を接地するための配線構造の簡素化を図ることができる。
【0025】
請求項15に記載の発明によれば、画像形成装置における記録媒体の幅方向のサイズを小さくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1および図2は、本発明の画像形成装置としてのレーザプリンタの一実施形態を示す要部側断面図である。このレーザプリンタ1は、本体ケーシング2内に、記録媒体としての用紙3を給紙するためのフィーダ部4や、給紙された用紙3に画像を形成するための画像形成手段としての画像形成部5などを備えている。
本体ケーシング2において、一方側の側壁には、後述するプロセスカートリッジ18を着脱するための着脱開口部6が形成されており、その着脱開口部6を開閉するためのフロントカバー7が設けられている。
【0027】
このフロントカバー7は、その下端部に挿通された図示しないカバー軸に回動自在に支持されている。これによって、フロントカバー7をカバー軸を中心として閉じると、図1に示すように、フロントカバー7によって着脱開口部6が閉鎖され、フロントカバー7をカバー軸を支点として開くと(傾倒させると)、図2に示すように、着脱開口部6が開放され、この着脱開口部6から、プロセスカートリッジ18を本体ケーシング2に対して着脱させることができる。
【0028】
なお、以下では、このレーザプリンタ1およびプロセスカートリッジ18(後述する現像カートリッジ26を含む。)において、フロントカバー7が設けられる側を「前側」とし、その反対側を「後側」とする。
フィーダ部4は、本体ケーシング2内の底部において、前後方向にわたって開口されるトレイ収容空間110に、着脱可能に装着される給紙トレイ8と、給紙トレイ8の前端部の上方に設けられる給紙ローラ9および分離パッド10と、給紙ローラ9の後側に設けられるピックアップローラ11と、給紙ローラ9の前側下方において対向配置されるピンチローラ12と、給紙ローラ9の後側上方に設けられるレジストローラ13とを備えている。
【0029】
給紙トレイ8の内部には、用紙3を積層状に載置可能な金属製の用紙押圧板14が備えられている。この用紙押圧板14は、後端部において揺動可能に支持されることによって、前端部が上下方向に移動可能にされている。
また、給紙トレイ8の前端部には、用紙押圧板14の前端部を上方に持ち上げるためのレバー15が設けられている。このレバー15は、用紙押圧板14の前側から下側へ回り込むように断面略L字状に形成されており、その上端部が、給紙トレイ8の前端部に設けられたレバー軸16に取り付けられ、その後端部が、用紙押圧板14の下面の前端部に当接している。これによって、レバー軸16に図中時計回りの回転駆動力が入力されると、レバー15がレバー軸16を支点として回転し、レバー15の後端部が用紙押圧板14の前端部を持ち上げる。
【0030】
用紙押圧板14の前端部が持ち上げられると、用紙押圧板14上の最上位にある用紙3は、ピックアップローラ11に押圧され、そのピックアップローラ11の回転によって、ピックアップされて、ピックアップローラ11の前側やや上方に位置する給紙ローラ9と分離パッド10との間に向かうピックアップ方向D1に送り出される。
一方、給紙トレイ8を本体ケーシング2から離脱させると、用紙押圧板14は、その自重によって、前端部が下方に移動し、給紙トレイ8の底面に沿った状態になる。この状態で、用紙押圧板14上に用紙3を積層状に載置することができる。
【0031】
給紙ローラ9の前側上方には、給紙ローラ9の外周面の最前位置と最上位置との間を覆うように、断面略1/4円弧状の円弧状ガイド部材85が配置されている。より具体的には、円弧状ガイド部材85は、給紙ローラ9の外周面に沿って湾曲する断面略1/4円弧状の曲板状に形成され、給紙ローラ9の外周面における最前位置と最上位置との間に対して、微小なほぼ等間隔を隔てて設けられている。
【0032】
ピックアップローラ11によってピックアップ方向D1に送り出された用紙3は、給紙ローラ9と分離パッド10との間に挟まれたときに確実に1枚ごとに捌かれた後、給紙ローラ9の回転によって、給紙ローラ9とピンチローラ12との間に向かって搬送される。そして、給紙ローラ9とピンチローラ12との間を通過した用紙3は、給紙ローラ9と円弧状ガイド部材85との間に進入して、その給紙ローラ9と円弧状ガイド部材85との間を、給紙ローラ9の外周面に沿って搬送される。これによって、用紙3の搬送方向が、給紙ローラ9と分離パッド10との間における用紙3のピックアップ方向D1から、そのピックアップ方向D1と反対方向の後方に向かう画像形成時搬送方向D2に折り返される。
【0033】
給紙ローラ9の後方には、前後方向に延びる樹脂製のガイド板86が設けられている。ガイド板86は、給紙ローラ9の上部近傍から後方に向かって下方に傾斜する上流側部分87と、この上流側部分87の後側に連設され、後述する転写ローラ30を下方から覆う凹状に形成された中間部分88と、中間部分88の後側に連設され、後方に向かって上方に傾斜する上面を有する下流側部分89とを備えている。
【0034】
レジストローラ13は、互いに対向する上下1対のローラから構成されており、ガイド板86の上流側部分87の前端部において、下側のローラがガイド板86の上面から突出した状態に配置され、その下側のローラに上側のローラが圧接している。
給紙ローラ9と分離パッド10との間を搬送される用紙3は、給紙ローラ9の外周面の最上部付近の供給位置Pにおいて、給紙ローラ9の外周面から離脱し、ガイド板86の上流側部分87上に送られる。そして、ガイド板86の上流側部分87上に送られた用紙3は、レジストローラ13によるレジスト後、レジストローラ13の回転によって、ガイド板86の上流側部分87上を、その上流側部分87の上面に沿って後方に向かって下方に傾斜する方向に搬送され、画像形成部5の画像形成位置(後述する感光ドラム28と転写ローラ30との間のニップ位置であって、感光ドラム28上のトナー像を用紙3に転写する位置)に向けて搬送される。すなわち、ガイド板86の上流側部分87上には、給紙ローラ9の外周面の最上部付近の供給位置Pから画像形成位置にわたって延び、給紙ローラ9の外周面と円弧状ガイド部材85との間から感光ドラム28と転写ローラ30との間に向かって下方に傾斜する搬送経路90が形成されている。
【0035】
画像形成部5は、スキャナ部17、プロセスカートリッジ18、定着部19などを備えている。
スキャナ部17は、本体ケーシング2内の上部に設けられ、図示しないレーザ光源、回転駆動されるポリゴンミラー20、fθレンズ21、反射鏡22、レンズ23および反射鏡24などを備えている。レーザ光源から発光される画像データに基づくレーザビームは、鎖線で示すように、ポリゴンミラー20で偏向されて、fθレンズ21を通過した後、反射鏡22によって光路が折り返され、さらにレンズ23を通過した後、反射鏡24によってさらに光路が下方に屈曲されることにより、プロセスカートリッジ18の後述する感光ドラム28の表面上に高速走査にて照射される。
【0036】
プロセスカートリッジ18は、スキャナ部17の下方において、本体ケーシング2に対して着脱可能に装着されている。このプロセスカートリッジ18は、ドラムカートリッジ25と、ドラムカートリッジ25に対して着脱可能に装着される現像カートリッジ26とを備えている。
ドラムカートリッジ25は、それぞれ前後方向に延び、その前後方向に直交する方向であって、このレーザプリンタ1における用紙3の幅方向(以下、単に「幅方向」という。)において互いに対向配置された1対の側板27間において、前側に、現像カートリッジ26が装着され、その後側に、感光ドラム28、スコロトロン型帯電器29、転写手段としての転写ローラ30およびクリーニングブラシ31を備えている。
【0037】
感光ドラム28は、最表層がポリカーボネートなどからなる正帯電性の感光層により形成される円筒形状のドラム本体32と、このドラム本体32の軸心において、ドラム本体32の長手方向に沿って延びる金属製のドラム軸33とを備えている。ドラム軸33がドラムカートリッジ25の両側板27に回転不能に支持され、このドラム軸33に対してドラム本体32が回転可能に支持されることにより、感光ドラム28は、両側板27間において、ドラム軸33を中心に回転可能に設けられている。
【0038】
スコロトロン型帯電器29は、感光ドラム28の後側斜め上方において、感光ドラム28と接触しないように、間隔を隔てて対向配置されている。このスコロトロン型帯電器29は、タングステンなどの帯電用ワイヤおよびグリッドを備える正帯電用のスコロトロン型の帯電器であり、帯電用ワイヤに後述する高圧基板95から放電バイアスが印加され、グリッドに高圧基板95からグリッドバイアスが印加されることによって、コロナ放電を発生し、感光ドラム28の表面を一様に正極性に帯電させる。
【0039】
転写ローラ30は、ドラムカートリッジ25の両側板27に回転自在に支持されており、感光ドラム28と上下方向において下側から対向して接触し、感光ドラム28との間にニップを形成するように配置されている。この転写ローラ30は、金属製のローラ軸34を、導電性のゴム材料からなるローラ35で被覆することにより構成されている。転写ローラ30には、後述する高圧基板95から転写バイアスが印加される。
【0040】
クリーニングブラシ31は、感光ドラム28の後方において、ブラシの先端が感光ドラム28のドラム本体32の表面に接触する状態で配置されている。このクリーニングブラシ31には、後述する高圧基板95からクリーニングバイアスが印加される。
現像カートリッジ26は、ドラムカートリッジ25に対して着脱自在に装着されており、後側が開口されたボックス状をなす筐体36と、この筐体36内に設けられる、供給ローラ37、現像ローラ38および層厚規制ブレード39を備えている。この現像カートリッジ26は、本体ケーシング2に対してドラムカートリッジ25と一体的に着脱させることができる。
【0041】
筐体36内には、前後方向途中において、その上面から下方に向かって突出する仕切板40が幅方向に延びて設けられており、その仕切板40よりも前方の内部空間がトナー収容室41とされ、仕切板40よりも後方の内部空間が現像室42とされている。
トナー収容室41内には、現像剤として、正帯電性の非磁性1成分のトナーが収容されている。このトナーとしては、重合性単量体、たとえば、スチレンなどのスチレン系単量体や、アクリル酸、アルキル(C1〜C4)アクリレート、アルキル(C1〜C4)メタアクリレートなどのアクリル系単量体を、懸濁重合などの公知の重合方法によって共重合させることにより得られる重合トナーが使用されている。このような重合トナーは、球状をなし、流動性が極めて良好であり、高画質の画像形成を達成することができる。
【0042】
なお、このようなトナーには、カーボンブラックなどの着色剤やワックスなどが配合され、また、流動性を向上させるために、シリカなどの外添剤が添加されている。その粒子径は、約6〜10μm程度である。
また、トナー収容室41内には、このトナー収容室41内のトナーを撹拌するためのアジテータ43が設けられている。アジテータ43は、トナー収容室41の中心部において、幅方向に延びるアジテータ回転軸44に支持されており、このアジテータ回転軸44を支点として、アジテータ43が回転されることによって、トナー収容室41内のトナーは、撹拌され、仕切板40の下方のトナー放出口45から現像室42に向けて放出される。
【0043】
供給ローラ37は、現像室42内において、前側下方に配置され、筐体36の幅方向に対向する両側板間に回転自在に支持されている。この供給ローラ37は、幅方向に延びる、金属製の供給ローラ軸46と、その供給ローラ軸46の周りを被覆する、導電性の発泡材料からなるスポンジローラ47とを備えている。
現像ローラ38は、現像室42内において、後側下方に配置され、筐体36の幅方向に対向する両側板間に回転自在に支持されている。また、現像ローラ38は、その表面の一部が筐体36から後方に突出して露出するように配置され、現像カートリッジ26がドラムカートリッジ25に装着された状態で、感光ドラム28と前後方向に対向して接触する。この現像ローラ38は、金属製の現像ローラ軸48と、その現像ローラ軸48の周りを被覆する、導電性のゴム材料からなるゴムローラ49とを備えている。ゴムローラ49は、カーボン微粒子などを含む導電性のウレタンゴムまたはシリコーンゴムからなり、その表面が、フッ素含有ウレタンゴムまたはシリコーンゴムにより被覆されている。また、ゴムローラ49は、供給ローラ37のスポンジローラ47と互いに圧縮されるように接触して配置されている。現像ローラ38には、後述する高圧基板95から現像バイアスが印加される。
【0044】
層厚規制ブレード39は、金属の板ばね材からなり、その先端部に、絶縁性のシリコーンゴムからなる断面半円形状の押圧ゴム部材50を備えている。そして、層厚規制ブレード39は、現像ローラ38の上方において筐体36に支持されて、その下端部が、現像ローラ38のゴムローラ49に対して前側から対向し、押圧ゴム部材50が、層厚規制ブレード39の弾性力によってゴムローラ49に圧接される。
【0045】
そして、アジテータ43の回転によってトナー放出口45から現像室42に放出されるトナーは、供給ローラ37の回転によって、現像ローラ38のゴムローラ49上に供給され、このとき、供給ローラ37のスポンジローラ47と現像ローラ38のゴムローラ49との間で正に摩擦帯電される。ゴムローラ49上に供給されたトナーは、現像ローラ38の回転に伴って、層厚規制ブレード39の押圧ゴム部材50とゴムローラ49との間に進入し、一定厚さの薄層となって、ゴムローラ49上に担持される。
【0046】
一方、感光ドラム28の表面は、スコロトロン型帯電器29により一様に正帯電された後、スキャナ部17からのレーザビームの高速走査により露光され、画像データに基づく静電潜像が形成される。
次いで、現像ローラ38の回転により、現像ローラ38のゴムローラ49上に担持されかつ正帯電されているトナーが、感光ドラム28に対向して接触する時に、感光ドラム28の表面上に形成される静電潜像、すなわち、一様に正帯電されている感光ドラム28の表面のうち、レーザビームによって露光され電位が下がっている露光部分に供給され、選択的に担持されることによって可視像化され、これによって反転現像によりトナー像が形成される。
【0047】
その後、感光ドラム28と転写ローラ30とが、搬送経路90から搬送されてきた用紙3を、それらの間で挟持して搬送するように回転駆動され、感光ドラム28と転写ローラ30との間を用紙3が搬送されることにより、感光ドラム28の表面に担持されているトナー像が用紙3上に転写される。
なお、転写後に、用紙3との接触によって感光ドラム28の表面に付着した紙粉は、その感光ドラム28の表面が、感光ドラム28の回転に伴って、クリーニングブラシ31のブラシと対向した時に、そのブラシによって除去される。
【0048】
定着部19は、ガイド板86の下流側部分89の後側(画像形成時搬送方向D2の下流側)に設けられ、幅方向に延びる定着フレーム51と、この定着フレーム51に回転自在に支持され、上下方向に対向配置される加熱ローラ52および押圧ローラ53とを備えている。
加熱ローラ52は、金属素管111と、その金属素管111内に加熱のためのハロゲンランプ112とを備え、図示しないモータからの動力の入力により回転駆動される。
【0049】
押圧ローラ53は、加熱ローラ52の下方において、加熱ローラ52を押圧するように対向配置されている。この押圧ローラ53は、金属製のローラ軸80を、ゴム材料からなるローラ81で被覆することにより構成されており、加熱ローラ52の回転駆動に従って従動される。
トナー像が転写された用紙3は、感光ドラム28および転写ローラ30の回転によって、ガイド板86の下流側部分89上を、その下流側部分89の上面に沿って、後方に向かって上方に傾斜する方向に搬送される。そして、その用紙3は、定着フレーム51内に進入し、加熱ローラ52と押圧ローラ53との間を通過し、このとき、用紙3上に転写されたトナーが、加熱ローラ52による加熱および押圧ローラ53による加圧によって用紙3に熱定着される。
【0050】
また、定着部19の後側には、後方に向かって延び、ガイド板86の上面よりも大きな角度で上方に傾斜する傾斜排紙パス82と、この傾斜排紙パス82の後端縁から断面略C字状に湾曲する湾曲排紙パス91とが形成されている。また、湾曲排紙パス91の上端には、排出手段としての排紙ローラ83が配置されている。
定着部19においてトナーが定着された用紙3は、加熱ローラ52および押圧ローラ53の回転によって、傾斜排紙パス82に送られ、その傾斜排紙パス82を通過し、さらに湾曲排紙パス91を通過する。そして、用紙3が排紙ローラ83に達すると、その用紙3は、排紙ローラ83の回転によって、画像形成時搬送方向D2と反対方向の前方に向かう排出方向D3に排出され、本体ケーシング2の上面に形成された排紙トレイ84上に排紙される。
【0051】
図3は、本体ケーシング2から給紙トレイ8が離脱された状態におけるトレイ収容空間110の上部を示す図である。本体ケーシング2には、幅方向に対向配置される樹脂製の左フレーム92および右フレーム93が設けられている。そして、その左フレーム92と右フレーム93との間において、ガイド板86が架設されており、また、ガイド板86の上方にプロセスカートリッジ18(図1参照)が装着される。
【0052】
左フレーム92は、図4に示すように、側面視で前後方向に延びる略長方形状をなし、その外側面には、ギアプレート94、電源基板としての高圧基板95および制御基板としてのメイン基板96が配置されている。
ギアプレート94は、板金からなり、図示しないモータからの駆動力をプロセスカートリッジ18などに伝達するためのギアを支持している。このギアプレート94は、ギアが配置される側の面を左フレーム92の外側面に向けて、左フレーム92の外側面の下端縁に沿って、左フレーム92の前端縁から後方に延びるように配置されている。
【0053】
高圧基板95は、このレーザプリンタ1の外部から供給される単相100Vの電圧を昇圧させて、スコロトロン型帯電器29、転写ローラ30、クリーニングブラシ31および現像ローラ38にそれぞれ印加される高電圧のバイアスを発生するための実装された電源基板である。この高圧基板95は、左フレーム92の外側面の前上部において、トランスなどが実装された面を左フレーム92の外側面に向けて、その下端部がギアプレート94の上端部と重なるように、ギアプレート94に対して幅方向外側から対向配置されている。
【0054】
メイン基板96は、このレーザプリンタ1の各部の動作を制御するためのCPUなどを備える制御基板である。このメイン基板96は、側面視略L字状に形成されており、左フレーム92の外側面において、ギアプレート94および高圧基板95の後側に形成されたスペースに、ギアプレート94および高圧基板95と重ならないように配置されている。
一方、右フレーム93は、図5に示すように、側面視で前後方向に延びる略長方形状をなし、その外側面には、低圧基板97およびファン98が配置されている。
【0055】
低圧基板97は、このレーザプリンタ1の外部から供給される単相100Vの電圧を降圧させて、図示しないモータを駆動するための低電圧を発生するための電源基板である。この低圧基板97は、トランスなどが実装された面を右フレーム93の外側面に向けて、右フレーム93の下端縁に沿って、右フレーム93の後端縁から前方に延びるように配置されている。
【0056】
また、ファン98は、プロセスカートリッジ18や定着部19からの発熱を本体ケーシング2の外部に放熱するためのものであり、右フレーム93の前後方向途中であって、低圧基板97の上方において、右フレーム93の幅方向内側と幅方向外側とを連通するように配置されている。
ガイド板86は、図6に示すように、上流側部分87の前方に連設され、給紙ローラ9、ピックアップローラ11およびレジストローラ13を回転可能に支持するローラ支持部99を備えている。
【0057】
ローラ支持部99の幅方向中央部には、上下方向を貫通する切欠部100が形成されており、この切欠部100に、供給手段としての給紙ローラ9およびピックアップローラ11が前後方向に並べて配置されている。より具体的には、給紙ローラ9は、左フレーム92から幅方向に延びる金属製の給紙ローラ軸101の右側端部に支持されており、その給紙ローラ軸101が切欠部100の左側壁およびガイド板86の下面から垂下した軸受リブ102に回転自在に挿通されることによって、切欠部100において回転自在に設けられている。また、ピックアップローラ11は、幅方向に延びるピックアップローラ軸103に支持されており、そのピックアップローラ軸103が切欠部100の幅方向両側壁に回転自在に受け取られることによって、切欠部100において回転自在に設けられている。
【0058】
レジストローラ13は、ピックアップローラ11の上方であって、底面視でピックアップローラ11の幅方向両側に設けられており、左フレーム92から幅方向に延びる金属製のレジストローラ軸113に支持されている。
レジストローラ軸113は、左フレーム92と左側のレジストローラ13との間において、導電性材料からなる導電性軸受114に回転自在に支持されている。そして、導電性軸受114には、アース線115の一端が接続されている。このアース線115の他端は、ボス116の外周面に巻き付けられており、次に説明する補強板106がガイド板86の下面から下方に延びるボス116に当接するように取り付けられたときに、その補強板106と接触する。また、給紙ローラ軸101には、給紙ローラ用アース線117の一端が接続されており、この給紙ローラ用アース線117の他端が導電性軸受114に接続されている。これによって、給紙ローラ軸101およびレジストローラ軸113は、補強板106に対して電気的に接続され、その補強板106が配線119を介して後述する熱遮断板109と電気的に接続され、さらに熱遮断板109が図示しない配線を介して低圧基板97およびメイン基板96のアース端子に電気的に接続されることによって、接地されている。
【0059】
また、ガイド板86の上流側部分87の後部には、この上流側部分87を介して上下方向に通気するための複数の第1通気孔としての丸孔104が幅方向に一列に整列して形成されている。
さらに、ガイド板86の中間部分88には、この中間部分88を介して上下方向に通気するための複数の第3通気孔としての矩形孔105が幅方向に並べて形成されている。
【0060】
また、ガイド板86の下面には、図3に示すように、ガイド板86を補強するための板金からなる補強板106と、定着部19からの放熱を遮断するための板金からなる熱遮断板109とが設けられている。
補強板106は、ガイド板86の上流側部分87およびローラ支持部99に対向配置され、ガイド板86の幅方向にわたって延び、かつ、ガイド板86の前端縁からガイド板86の矩形孔105の形成位置の前側まで延びる略長方形板状に形成されている。すなわち、補強板106は、ガイド板86の上流側部分87およびローラ支持部99を下方から覆い、その後端縁(画像形成時搬送方向下流側端縁)がガイド板86の中間部分88に形成された矩形孔105よりも前側(画像形成時搬送方向上流側)に配置されている。
【0061】
さらに、補強板106には、切欠部100と対向する位置に、切欠孔107が、補強板106を前端縁から平面視略矩形状に切り欠くことによって形成されている。これにより、給紙ローラ9およびピックアップローラ11は、切欠孔107を介して下方に露出している。言い換えれば、補強板106は、切欠孔107の幅方向両側の部分が、給紙ローラ9およびピックアップローラ11を幅方向両外側から挟むように設けられている。
【0062】
さらにまた、補強板106には、この補強板106を介して上下方向に通気し、ガイド板86に形成された丸孔104に対する通気を許容するための複数の第2通気孔としての丸孔108が形成されている。これら複数の丸孔108は、その合計の開口面積が、ガイド板86に形成された複数の丸孔104の合計の開口面積よりも大きくなるように形成されている。また、複数の丸孔104は、補強板106におけるガイド板86の上流側部分87と対向する部分において、水玉様状に形成されている。
【0063】
なお、補強板106には、切欠孔107を囲むように、補強板106の強度を増すための平面視略U字状の凹部118が下方に窪んで形成されている。
熱遮断板109は、補強板106と前後方向において所定間隔を隔てて、ガイド板86の下流側部分89に対向配置され、ガイド板86の幅方向にわたって延びる略長方形板状に形成されている。すなわち、熱遮断板109は、ガイド板86の下流側部分89を下方から覆うように設けられている。これにより、熱遮断板109は、定着部19からの放熱を遮断して、その放熱がガイド板86の下方に装着される給紙トレイ8内の用紙3に伝達されることを防止している。
【0064】
以上のように、このレーザプリンタ1では、高圧基板95およびメイン基板96は、左フレーム92の外側面に配置されており、搬送経路90の下方に配置されていないので、搬送経路90を供給位置Pから画像形成位置に向かって下方に傾斜するように設けることができ、それに伴って、本体ケーシング2内における画像形成部5の高さ位置を下げることができる。その結果、レーザプリンタ1の高さを低くすることができる。さらに、高圧基板95およびメイン基板96の両方が左フレーム92に配置されているので、レーザプリンタ1の幅方向のサイズも小さくすることができる。
【0065】
また、ガイド板86の下面に高圧基板95などが配置されない構成では、そのガイド板86の下面に高圧基板95などをシールドするための板金も設けられないので、ガイド板86の強度が弱くなるおそれがある。しかし、このレーザプリンタ1の構成によると、ガイド板86の下面に補強板106が設けられているので、ガイド板86の強度を増すことができる。そのため、ガイド板86の変形などを防止することができる。
【0066】
しかも、補強板106が板金からなるので、樹脂製のガイド板86の強度を確実に向上させることができる。
また、ガイド板86のローラ支持部99には、給紙ローラ9およびピックアップローラ11が支持されているため、これらローラの駆動時に負荷がかかるが、補強板106が設けられているので、そのローラ支持部99の変形などを防止することができる。
【0067】
さらに、給紙ローラ9およびピックアップローラ11は、ローラ支持部99の幅方向中央部に形成された切欠部100に配置されているので、給紙ローラ9およびピックアップローラ11をガイド板86の下方に配置する構成に比べて、レーザプリンタ1の高さをさらに低くすることができる。
そのうえ、補強板106に切欠孔107が形成され、その切欠孔107に対する補強板106の幅方向両側の部分が、給紙ローラ9およびピックアップローラ11を幅方向両外側から挟むように設けられているので、ガイド板86のローラ支持部99の切欠部100の周囲を確実に補強することができ、ローラ支持部99の変形などを一層防止することができる。
【0068】
さらに、補強板106に凹部118が形成されているので、補強板106の強度を増すことができる。そのため、ガイド板86のローラ支持部99の切欠部100の周囲をより確実に補強することができ、ローラ支持部99の変形などをより一層防止することができる。
また、補強板106に複数の丸孔108が形成されているので、ガイド板86の上流側部分87の後部に形成された複数の丸孔104による通気が補強板106によって妨げられることを防止することができる。
【0069】
しかも、補強板106の複数の丸孔108の合計の開口面積が、ガイド板86に形成された複数の丸孔104の合計の開口面積よりも大きいので、丸孔104による通気が補強板106によって妨げられることをより確実に防止することができる。
また、右フレーム93に配置されたファン98によって、プロセスカートリッジ18からの発熱を本体ケーシング2の外部に放熱するような気流を生じさせることができ、その気流の発生に伴って、本体ケーシング2内に丸孔108から丸孔104に向かう気流を生じさせることができる。そのため、本体ケーシング2内を十分に換気することができる。
【0070】
さらに、ガイド板86の中間部分88に複数の矩形孔105が形成されているので、その矩形孔105を介して、転写ローラ30の周囲の雰囲気を換気することができる。そのため、安定した転写を達成することができる。
また、補強板106は、その後端縁がガイド板86の中間部分88に形成された矩形孔105よりも前側に配置されているので、この補強板106によって矩形孔105が閉鎖されることを防止することができる。そのため、矩形孔105による通気を確保することができる。
【0071】
また、補強板106が接地されているので、補強板106に電荷が蓄積されることを防止することができる。そのため、補強板106からの放電を防止することができ、そのような放電による画像品質の劣化を防止することができる。
さらに、給紙ローラ軸101およびレジストローラ軸113も接地されているので、これらに電荷が蓄積されることを防止することができる。しかも、給紙ローラ軸101およびレジストローラ軸113は、これらの近傍に設けられた補強板106を介して接地されているので、給紙ローラ9およびピックアップローラ11の接地のための配線構造を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の画像形成装置としてのレーザプリンタの一実施形態を示す要部側断面図であって、フロントカバーを閉じた状態を示す。
【図2】図1に示すレーザプリンタの要部側断面図であって、フロントカバーを開いた状態を示す。
【図3】図1に示す本体ケーシングから給紙トレイが離脱された状態におけるトレイ収容空間の上部を示す図である。
【図4】図3に示す左フレームの外側面図である。
【図5】図3に示す右フレームの内側面図である。
【図6】図1に示す本体ケーシングから給紙トレイが離脱された状態におけるトレイ収容空間の上部を示す図であり、補強板が取り外された状態を示す。
【符号の説明】
【0073】
1 レーザプリンタ
2 本体ケーシング
3 用紙
5 画像形成部
9 給紙ローラ
11 ピックアップローラ
30 転写ローラ
83 排紙ローラ
86 ガイド板
90 搬送経路
95 高圧基板
96 メイン基板
98 ファン
104 丸孔
105 矩形孔
106 補強板
108 丸孔
D1 ピックアップ方向
D2 画像形成時搬送方向
D3 排出方向
P 供給位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体をピックアップして供給するための供給手段と、記録媒体に画像を形成するための画像形成手段と、記録媒体を排出するための排出手段とを備え、
前記供給手段によってピックアップされる記録媒体のピックアップ方向と、前記画像形成手段によって画像が形成される画像形成位置における記録媒体の搬送方向である画像形成時搬送方向とが、反対方向となり、
前記画像形成時搬送方向と、画像が形成された記録媒体が前記排出手段によって排出される排出方向とが反対方向となるように、配置された画像形成装置において、
前記画像形成手段に電力を供給するための電源が搭載され、画像形成装置における記録媒体の幅方向の端部に配置される電源基板と、
前記画像形成手段を制御するための制御手段が搭載され、画像形成装置における記録媒体の幅方向の端部に配置される制御基板と、
前記供給手段により供給された記録媒体が、前記供給手段から離脱する位置から、前記画像形成位置に向かって下方に傾斜する記録媒体の搬送経路とを備えていることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項2】
前記搬送経路には、搬送される記録媒体の下面に対向するガイド板が設けられており、
前記ガイド板の下面には、少なくとも前記画像形成時搬送方向上流側端部に、前記ガイド板を補強するための補強板が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ガイド板が樹脂からなり、前記補強板が板金からなることを特徴とする、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ガイド板には、前記画像形成時搬送方向上流側端部において、前記供給手段が支持されていることを特徴とする、請求項2または3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ガイド板は、前記画像形成時搬送方向上流側端縁から、前記供給手段が配置されている領域を切り欠くように、形成されていることを特徴とする、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記補強板は、前記供給手段を、記録媒体の搬送方向に直交する方向の両側から、挟むように設けられていることを特徴とする、請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記補強板には、前記供給手段を囲むように凹部が形成されていることを特徴とする、請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記ガイド板には、前記ガイド板を介して通気するための第1通気孔が形成されており、
前記補強板には、前記補強板を介して通気し、前記第1通気孔に対する通気を許容するための第2通気孔が形成されていることを特徴とする、請求項2ないし7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第1通気孔および前記第2通気孔は、それぞれ複数形成されており、
前記第2通気孔の合計の開口面積が、前記第1通気孔の合計の開口面積よりも、大きいことを特徴とする、請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記第2通気孔から前記第1通気孔に向かう気流を生じさせるファンを備えていることを特徴とする、請求項8または9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記画像形成手段は、記録媒体の画像を転写するための転写手段を備え、
前記ガイド板は、前記転写手段の下方に延びるように設けられ、
前記ガイド板には、前記転写手段との対向位置に、前記ガイド板を介して通気するための第3通気孔が形成されていることを特徴とする、請求項8ないし10のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記補強板における前記画像形成時搬送方向下流側端縁は、前記第3通気孔よりも、前記画像形成時搬送方向上流側に配置されていることを特徴とする、請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記補強板が、接地されていることを特徴とする、請求項1ないし12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記供給手段は、前記補強板を介して接地されていることを特徴とする、請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記電源基板と前記制御基板とは、画像形成装置における記録媒体の幅方向の同一側端部に配置されていることを特徴とする、請求項1ないし14のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−53254(P2006−53254A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−233699(P2004−233699)
【出願日】平成16年8月10日(2004.8.10)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】