説明

画像形成装置

【課題】印刷比率を検出し、該印刷比率に基づいて濃度検出用のトナー画像のパターンを作成することによって、劣化したトナーを廃棄することができ、印刷濃度の不均一や画像のかすれなどが生じることがなく、画像品質の低下を防止することができるようにする。
【解決手段】トナー画像を形成する画像形成手段と、該画像形成手段で形成されたトナー画像を担持するベルトと、該ベルト上のトナー画像を形成し、該トナー画像の濃度を検出する濃度検出手段と、前記画像形成手段の所定の動作量における印刷比率を検出する印刷比率検出手段と、該印刷比率検出手段の検出値に基づいて濃度検出用のトナー画像のパターンを作成するパターン作成手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式による画像形成装置においては、感光体ドラム上に形成された静電潜像を、粉末樹脂から成るトナーによって現像化し、現像化したトナー画像を記録媒体に転写し、転写したトナーを熱定着器によって記録媒体に定着させることによって画像が形成される。
【0003】
前記感光体ドラム上にトナー画像を現像化させる現像工程においては、帯電されたトナーを均一に担持させた現像ローラを感光体ドラムに接触させて回転させ、現像ローラ上のトナーを感光体ドラムの静電潜像部分に選択的に転写させることによって行われる(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2001−75341号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の画像形成装置においては、通常の印刷比率の印刷の場合、現像ローラに供給されたトナーが感光体ドラムに適宜供給されて消費されていくが、印刷比率の低い画像が連続した場合、現像ローラから感光体ドラムへのトナー供給量が減り、消費されないトナーがトナーボックス内に長時間滞留してしまう。この滞留したトナーは、トナーボックス内のシール材等を繰り返し通過することによって、圧力や摩擦熱を受け、物理的なダメージを受ける。そして、物理的なダメージを受けたトナーは、流動性の低下や帯電特性に変化が生じ、印刷濃度の不均一や画像の掠(かす)れなどが生じ、画像品質が低下してしまう。
【0005】
本発明は、前記従来の画像形成装置の問題点を解決して、印刷比率を検出し、該印刷比率に基づいて濃度検出用のトナー画像のパターンを作成することによって、劣化したトナーを廃棄することができ、印刷濃度の不均一や画像の掠れなどが生じることがなく、画像品質の低下を防止することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのために、本発明の画像形成装置においては、トナー画像を形成する画像形成手段と、該画像形成手段で形成されたトナー画像を担持するベルトと、該ベルト上のトナー画像を形成し、該トナー画像の濃度を検出する濃度検出手段と、前記画像形成手段の所定の動作量における印刷比率を検出する印刷比率検出手段と、該印刷比率検出手段の検出値に基づいて濃度検出用のトナー画像のパターンを作成するパターン作成手段とを有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、画像形成装置は、印刷比率を検出し、印刷比率に基づいて濃度検出用のトナー画像のパターンを作成するようになっている。そのため、劣化したトナーを廃棄することができ、印刷濃度の不均一や画像の掠れなどが生じることがなく、画像品質の低下を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0009】
図2は本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の構成を示す概略図、図3は本発明の第1の実施の形態におけるイメージドラムユニットの概略図、図4は本発明の第1の実施の形態におけるモノクロ印刷時における画像形成装置の動作を示す図である。
【0010】
図2において、10は画像形成装置であり、例えば、電子写真方式のプリンタ、ファクシミリ機、複写機、プリンタとファクシミリ機と複写機との機能を併せ持つ複合機等であるが、いかなる種類の画像形成装置であってもよく、また、モノクロ画像を形成するものであっても、カラー画像を形成するものであってもよい。ここでは、前記画像形成装置10がタンデム方式のカラープリンタであって、モノクロ画像及びカラー画像を形成することができるものである場合について説明する。
【0011】
そして、前記画像形成装置10は、図示されない給紙ユニットにセットされた媒体としての印刷用紙16がベルトユニット19によって画像形成部にまで搬送される。この場合、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の各色に対応するそれぞれの画像形成手段としてのイメージドラムユニットが印刷用紙16の搬送経路に沿って順次並ぶように配設される。前記ベルトユニット19は、静電気力によって印刷用紙16を吸着して搬送する。
【0012】
ここで、11Kはブラックの感光体ドラム、11Yはイエローの感光体ドラム、11Mはマゼンタの感光体ドラム、11Cはシアンの感光体ドラムである。また、12KはブラックのLED(Light Emitting Diode)ヘッド、12YはイエローのLEDヘッド、12MはマゼンタのLEDヘッド、12CはシアンのLEDヘッドである。そして、LEDヘッド12K、LEDヘッド12Y、LEDヘッド12M及びLEDヘッド12Cは、それぞれ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各色に対応する画像を形成して、感光体ドラム11K、感光体ドラム11Y、感光体ドラム11M及び感光体ドラム11Cに露光する。
【0013】
また、13Kはブラックのトナーボックス、13Yはイエローのトナーボックス、13Mはマゼンタのトナーボックス、13Cはシアンのトナーボックスである。そして、トナーボックス13K、トナーボックス13Y、トナーボックス13M及びトナーボックス13Cに収納されたブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各色のトナーが感光体ドラム11K、感光体ドラム11Y、感光体ドラム11M及び感光体ドラム11Cに供給される。
【0014】
なお、前記感光体ドラム11K、感光体ドラム11Y、感光体ドラム11M及び感光体ドラム11Cを統合的に説明する場合は、感光体ドラム11として説明し、前記LEDヘッド12K、LEDヘッド12Y、LEDヘッド12M及びLEDヘッド12Cを統合的に説明する場合には、LRDヘッド12として説明し、トナーボックス13K、トナーボックス13Y、トナーボックス13M及びトナーボックス13Cを統合的に説明する場合には、トナーボックス13として説明する。
【0015】
各イメージドラムユニットは、図3に示されるように構成されている。図3において、15はトナーボックス13内に格納されているトナーであり、現像ローラ14によって感光体ドラム11の表面に供給される。この場合、露光装置としてのLEDヘッド12からの光の照射によって、像担持体としての感光体ドラム11の表面に静電潜像が形成されているので、現像ローラ14によって供給されたトナー15によって前記静電潜像が現像化される。
【0016】
そして、17は定着ローラ18が配設された定着ユニットであり、印刷用紙16の搬送方向に関して画像形成部の下流側(図2おける右側)に配設されている。各感光体ドラム11の表面に供給されたトナー15は印刷用紙16の搬送とともに、ベルトユニット19に転写電圧が印加されることによって、印刷用紙16上にトナー15が転写される。そして、次の定着プロセスにおいて、定着ローラ18によって加熱及び加圧され、トナー15が印刷用紙16に定着する。
【0017】
また、20は濃度センサ22をトナー汚れから保護するために通常印刷時には閉じていて、濃度補正時に開放するシャッタであり、21は濃度補正の際に基準値を測定する基準チップである。
【0018】
なお、前記画像形成装置10は、モノクロ画像を形成する場合には、図4に示されるように、イエロー、マゼンタ及びシアンに対応するイメージドラムユニットを上昇、すなわち、リフトアップさせるようになっている。例えば、ホストコンピュータ、パーソナルコンピュータ等の上位装置からモノクロだけのデータを受信すると、感光体ドラム11Y、感光体ドラム11M及び感光体ドラム11Cを回転させるモータを逆回転させることによって、イエロー、マゼンタ及びシアンに対応するイメージドラムユニットをリフトアップさせる。これにより、感光体ドラム11Y、感光体ドラム11M及び感光体ドラム11Cが印刷用紙16と擦(こす)れることによる影響を防止することができる。
【0019】
次に、前記画像形成装置10の制御部について説明する。
【0020】
図1は本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の制御部のブロック図である。
【0021】
図1において、33は上位装置からの印刷データ及び制御コマンドを受信するインターフェイス制御部であり、30は各種センサ35の出力結果に基づいて、印刷制御や媒体搬送モータの駆動を行うとともに、前記上位装置から受信した印刷データ及び制御コマンドに基づいて、印刷用紙16に画像を形成する画像形成装置10全体の動作を制御する印刷制御部である。該印刷制御部30は、演算手段としてのCPU31、記憶手段としてのメモリ32、図示されない入出力ポート、タイマ等を有する。なお、34はオペレータが操作を行う操作部である。
【0022】
また、41は画像形成プロセスを制御する画像形成部制御部であり、図示されないモータによって印刷用紙16を搬送するベルトユニット19や感光体ドラム11を回転駆動したり、上位装置からの印刷データに基づいて感光体ドラム11に静電潜像を形成するLEDヘッド12を駆動したり、現像、転写、定着のプロセスを制御して印刷用紙16に画像形成させるための制御を行う。
【0023】
そして、36は所定の印刷枚数における印刷ドットをカウントすることによって、印刷比率を検出する印刷比率検出手段としての印刷比率検出部、37は印刷濃度の補正制御を行う印刷濃度制御部であり、該印刷濃度制御部37の検出濃度に基づいて適切な印刷濃度となるように画像形成部制御部41を制御する。
【0024】
また、39は濃度検出用のトナー画像のパターンである濃度補正パターンを作成するパターン作成手段としての濃度補正パターン作成部であり、前記印刷比率検出部36からの情報に基づいて濃度補正パターンとしての濃度補正用画像パターンを作成する。そして、前記印刷制御部30が前記濃度補正パターン作成部39が作成した濃度補正用画像パターンに基づいてベルトユニット19上にトナー画像を作成させると、該トナー画像の反射率を濃度センサ22が検出する。
【0025】
さらに、40は前記濃度センサ22の出力からトナー画像濃度を検出する濃度検出手段としての印刷濃度検出部であり、該印刷濃度検出部40が検出した濃度は印刷濃度制御部37に出力され、印刷濃度制御に使用される。
【0026】
次に、濃度補正について説明する。
【0027】
図5は本発明の第1の実施の形態における通常の濃度補正用画像パターンを示す図である。
【0028】
図5において、25はベルトユニット19のベルトである。そして、51はベルト25の表面に作成された30〔%〕の濃度補正用画像パターンであり、52はベルト25の表面に作成された50〔%〕の濃度補正用画像パターンであり、53はベルト25の表面に作成された70〔%〕の濃度補正用画像パターンである。また、前記ベルト25の裏面に配設された濃度センサ22の位置が点線で示されている。
【0029】
そして、濃度補正は、画像形成装置10の電源投入後のウォーミングアップ時、図示されないアッパカバーやフロントカバー開閉後(カバーを開けて感光体ドラム11等を交換することがあるので)、印刷枚数が100枚になった後等に行われる。また、濃度補正において各パターンの反射率が理想線上(濃度カーブ)にない場合は、各パラメータを設定し直す。なお、図5に示される濃度補正用画像パターンは、トナー15の消費を考慮して最小限の大きさに設定してある。
【0030】
そして、前記ベルト25に転写したトナー15は、濃度センサ22によって検出された後、図示されない廃トナーボックスによって回収される。
【0031】
図6は本発明の第1の実施の形態におけるカラーの濃度補正用画像パターンを示す図、図7は本発明の第1の実施の形態におけるモノクロの濃度補正用画像パターンを示す図である。
【0032】
図6及び7は、印刷デューティが低い場合における濃度補正用画像パターンを示し、56はベルト25の表面に作成された30〔%〕の濃度補正用画像パターンであり、57はベルト25の表面に作成された50〔%〕の濃度補正用画像パターンであり、58はベルト25の表面に作成された70〔%〕の濃度補正用画像パターンである。この場合、濃度補正用画像パターン56〜58は、図5に示されるような通常の濃度補正用画像パターン51〜53より、幅が広く、印刷用紙16のサイズまで広げられている。
【0033】
次に、前記構成の画像形成装置10の動作について説明する。
【0034】
図8は本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【0035】
まず、画像形成装置10の電源を投入すると、Power ON処理に移行する。該Power ON処理は画像形成装置10のシステムチェックや、定着ユニット17のヒータを設定温度まで上昇させるためのウォーミングアップを行う。続いて、画像形成装置10は、上位装置からプリンタ言語等を受信する受信処理を行う。
【0036】
そして、画像形成装置10は、受信したプリンタ言語をメモリ32上のページバッファに画像展開する展開処理を行う。続いて、印刷処理を行い、前記ページバッファに展開した画像データの印刷を行った後、再び、受信処理を行い、前述した動作を繰り返す。
【0037】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 Power ON処理を行う。
ステップS2 受信処理を行う。
ステップS3 展開処理を行う。
ステップS4 印刷処理を行い、ステップS2に戻る。
【0038】
次に、図8のステップS1におけるPower ON処理のサブルーチンについて説明する。
【0039】
図9は本発明の第1の実施の形態におけるPower ON処理の動作を示すフローチャートである。
【0040】
この場合、画像形成装置10は、システムチェック、ウォーミングアップ及び濃度補正処理を順に行う。
【0041】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1−1 システムチェックを行う。
ステップS1−2 ウォーミングアップを行う。
ステップS1−3 濃度補正処理を行い、処理を終了する。
【0042】
次に、図8のステップS4における印刷処理のサブルーチンについて説明する。
【0043】
図10は本発明の第1の実施の形態における印刷処理の動作を示すフローチャートである。
【0044】
この場合、画像形成装置10は印刷枚数が100枚になる毎に濃度補正処理を行う。
【0045】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS4−1 印刷枚数が100枚になったか否かを判断する。印刷枚数が100枚になった場合はステップS4−2に進み、印刷枚数が100枚になっていない場合はステップS4−3に進む。
ステップS4−2 濃度補正処理を行う。
ステップS4−3 実際の印刷を行い、処理を終了する。
【0046】
次に、カラー印刷用又はモノクロ印刷用のトナー吐出フラグを立てる動作について説明する。
【0047】
図11は本発明の第1の実施の形態におけるトナー吐出フラグを立てる動作を示すフローチャートである。
【0048】
この場合、所定の枚数(N)における印刷ドットをカウントし、所定の印刷ドット数より低い場合に、低デューティ印刷としてカラー印刷用又はモノクロ印刷用のトナー吐出フラグをオンにする。
【0049】
まず、画像形成装置10は、1ページの印刷が開始されると、印刷中の1ページについてブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各カラードットをカウントする。そして、前記1ページの印刷が終了したか否かを判断し、印刷が終了するまでカラードットをカウントし、印刷が終了すると、前記1ページの各カラードットの数を、既に印刷されたページについてカウントしたカラードットの累計に加算して、カラードットの累計を更新する。また、前記1ページのモノクロドット、すなわち、ブラックのドットの数を、既に印刷されたページについてカウントしたモノクロドットの累計に加算して、モノクロドットの累計を更新する。
【0050】
続いて、画像形成装置10は、カラードットのカウントを開始してから印刷した印刷用紙16の累計、すなわち、印刷枚数累計を更新し、該印刷枚数累計が所定値Nを超えたか否か、すなわち、所定値Nより大きいか否かを判断する。そして、画像形成装置10は、印刷枚数累計が所定値Nを超えていない場合にはそのまま処理を終了し、超えている場合には、カラードットの累計が所定値Dc未満であるか否かを判断する。ここで、カラードットの累計が所定値Dc未満である場合には、カラー印刷用のトナー吐出フラグをオンにする。また、カラードットの累計が所定値Dc未満でない場合には、モノクロドットの累計が所定値Dm未満であるか否かを判断する。そして、モノクロドットの累計が所定値Dm未満である場合には、モノクロ印刷用のトナー吐出フラグをオンにする。なお、モノクロドットの累計が所定値Dm未満でない場合には、カラー印刷用のトナー吐出フラグ及びモノクロ印刷用のトナー吐出フラグのいずれもオンにしない。
【0051】
続いて、画像形成装置10は、カラードットの累計、モノクロドットの累計及び印刷枚数累計をクリアして処理を終了する。
【0052】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS11 1ページ印刷中のブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各カラードットをカウントする。
ステップS12 印刷が終了したか否かを判断する。印刷が終了した場合はステップS13に進み、印刷が終了していない場合はステップS11に戻る。
ステップS13 カラードットの累計に1ページ印刷中の各カラードット数を加算する。
ステップS14 モノクロドットの累計に1ページ印刷中のブラックのドット数を加算する。
ステップS15 カラードットのカウントを開始した後の印刷枚数累計を更新する。
ステップS16 印刷枚数累計が所定値Nを超えたか否かを判断する。印刷枚数累計が所定値Nを超えた場合はステップS17に進み、印刷枚数累計が所定値Nを超えていない場合は処理を終了する。
ステップS17 カラードットの累計が所定値Dc未満であるか否かを判断する。カラードットの累計が所定値Dc未満である場合はステップS18に進み、カラードットの累計が所定値Dc以上である場合はステップS19に進む。
ステップS18 カラー印刷用のトナー吐出フラグをオンにする。
ステップS19 モノクロドットの累計が所定値Dm未満であるか否かを判断する。モノクロドットの累計が所定値Dm未満である場合はステップS20に進み、モノクロドットの累計が所定値Dm以上である場合はステップS21に進む。
ステップS20 モノクロ印刷用のトナー吐出フラグをオンにする。
ステップS21 カラードットの累計をクリアする。
ステップS22 モノクロドットの累計をクリアする。
ステップS23 印刷枚数累計をクリアし、処理を終了する。
【0053】
次に、濃度補正処理の動作について説明する。
【0054】
図12は本発明の第1の実施の形態における濃度補正処理の動作を示すフローチャートである。
【0055】
まず、画像形成装置10は、カラー印刷用のトナー吐出フラグがオンであるか否かを判断する。そして、オンである場合には、図6に示されるようなカラー印刷用の濃度補正パターンを選択し、続いて、カラー印刷用のトナー吐出フラグをクリアし、モノクロ印刷用のトナー吐出フラグをクリアする。
【0056】
また、カラー印刷用のトナー吐出フラグがオンでない場合、画像形成装置10は、モノクロ印刷用のトナー吐出フラグがオンであるか否かを判断する。そして、オンである場合には、図7に示されるようなモノクロ印刷用の濃度補正パターンを選択し、モノクロ印刷用のトナー吐出フラグをクリアする。また、モノクロ印刷用のトナー吐出フラグがオンでない場合、画像形成装置10は、図5に示されるような通常の濃度補正パターンを選択する。
【0057】
続いて、画像形成装置10は、選択した濃度補正パターンを印刷し、濃度センサ22によって濃度を検出する。そして、濃度補正が完了したか否かを判断して、完了するまで選択した濃度補正パターンを印刷と濃度の検出を繰り返し、完了すると処理を終了する。
【0058】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS4−2−1 カラー印刷用のトナー吐出フラグがオンであるか否かを判断する。カラー印刷用のトナー吐出フラグがオンである場合はステップS4−2−2に進み、カラー印刷用のトナー吐出フラグがオンでない場合はステップS4−2−4に進む。
ステップS4−2−2 カラー印刷用の濃度補正パターンを選択する。
ステップS4−2−3 カラー印刷用のトナー吐出フラグをクリアする。
ステップS4−2−4 モノクロ印刷用のトナー吐出フラグがオンであるか否かを判断する。モノクロ印刷用のトナー吐出フラグがオンである場合はステップS4−2−5に進み、モノクロ印刷用のトナー吐出フラグがオンでない場合はステップS4−2−7に進む。
ステップS4−2−5 モノクロ印刷用の濃度補正パターンを選択する。
ステップS4−2−6 モノクロ印刷用のトナー吐出フラグをクリアする。
ステップS4−2−7 通常の濃度補正パターンを選択する。
ステップS4−2−8 選択された濃度補正パターンを印刷する。
ステップS4−2−9 濃度センサ22によって濃度を検出する。
ステップS4−2−10 濃度補正が完了したか否かを判断する。濃度補正が完了した場合は処理を終了し、濃度補正が完了していない場合はステップS4−2−8に戻る。
【0059】
このように、本実施の形態においては、印刷比率、すなわち、印刷デューティを検出し、該印刷デューティに基づいて濃度検出用のトナー画像としての濃度補正用画像パターンを作成するようになっている。そのため、印刷デューティが低い場合には、低印刷デューティに起因する劣化トナーを廃棄することができるので、低印刷デューティであっても、印刷濃度の不均一や画像の掠れなどが生じることのない印刷を行うことができる。また、印刷濃度を補正する行程において、劣化トナーを廃棄することができるので、劣化トナー廃棄用の行程を設定する必要がない。そのため、印刷待ち時間が増えることがなく、消費電力もほとんど増加することがなく、画像形成装置10の寿命が短縮してしまうこともない。
【0060】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構成を有するものは、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
【0061】
図13は本発明の第2の実施の形態におけるカラー印刷時のアラーム表示の例を示す図、図14は本発明の第2の実施の形態におけるモノクロ印刷時のアラーム表示の例を示す図である。
【0062】
本実施の形態においては、印刷比率が低い印刷、すなわち、低デューティの印刷が連続した場合、画像形成装置10に接続されている上位装置の表示手段の画面に、図13及び14に示されるようなアラーム表示が行われ、オペレータに注意を促すようになっている。なお、カラー印刷が行われている場合には図13に示されるようなアラーム表示が行われ、モノクロ印刷が行われている場合には図14に示されるようなアラーム表示が行われるようになっている。そして、オペレータは、劣化トナーを吐き出すためにドライバに備えられたベタ印刷を実行する。すなわち、モノクロ印刷である場合にはブラックのトナーでベタ印刷を、カラー印刷である場合にはブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンのトナーでベタ印刷を実行する。
【0063】
次に、本実施の形態における画像形成装置10の動作について説明する。ここでは、受信処理の動作について説明する。
【0064】
図15は本発明の第2の実施の形態における画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【0065】
ここでは、前記第1の実施の形態において説明したように、カラー印刷用又はモノクロ印刷用のトナー吐出フラグを立てられているものとする。まず、画像形成装置10は、カラー印刷用のトナー吐出フラグがオンであるか否かを判断する。そして、オンである場合には、カラーのアラームを上位装置に送信する。すると、該上位装置の表示手段の画面には、図13に示されるようなカラー印刷時のアラーム表示が行われ、オペレータに注意を促す。そして、オペレータが上位装置上のドライバによってテスト印刷を指示すると、カラーのベタ印刷データが作成されて画像形成装置10に転送される。これにより、劣化トナーを吐き出すためにカラーのベタ印刷データが行われ、アラームが解除され、カラー印刷用のトナー吐出フラグがクリアされてオフになる。
【0066】
また、カラー印刷用のトナー吐出フラグがオンであるか否かを判断してカラー印刷用のトナー吐出フラグがオンでない場合、画像形成装置10は、モノクロ印刷用のトナー吐出フラグがオンであるか否かを判断する。そして、オンである場合には、モノクロのアラームを上位装置に送信する。すると、該上位装置の表示手段の画面には、図14に示されるようなモノクロ印刷時のアラーム表示が行われ、オペレータに注意を促す。そして、オペレータが上位装置上のドライバによってテスト印刷を指示すると、モノクロのベタ印刷データが作成されて画像形成装置10に転送される。これにより、劣化トナーを吐き出すためにモノクロのベタ印刷データが行われ、アラームが解除され、モノクロ印刷用のトナー吐出フラグがクリアされてオフになる。なお、モノクロ印刷用のトナー吐出フラグがオンでない場合には、アラームを上位装置に送信しない。
【0067】
次に、画像形成装置10は、通常のデータ受信を行ってデータを受信し、受信したデータを受信バッファに格納する。そして、データの受信が終了するまで前述された動作を繰り返し、受信が終了すると処理を終了する。
【0068】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS2−1 カラー印刷用のトナー吐出フラグがオンであるか否かを判断する。カラー印刷用のトナー吐出フラグがオンである場合はステップS2−2に進み、カラー印刷用のトナー吐出フラグがオンでない場合はステップS2−3に進む。
ステップS2−2 カラーのアラームを上位装置に送信する。
ステップS2−3 モノクロ印刷用のトナー吐出フラグがオンであるか否かを判断する。モノクロ印刷用のトナー吐出フラグがオンである場合はステップS2−4に進み、モノクロ印刷用のトナー吐出フラグがオンでない場合はステップS2−6に進む。
ステップS2−4 モノクロのアラームを上位装置に送信する。
ステップS2−5 カラー又はモノクロ印刷用のトナー吐出フラグがオフにされる。
ステップS2−6 通常のデータ受信を行う。
ステップS2−7 受信データを受信バッファに格納する。
ステップS2−8 データの受信が終了したか否かを判断する。データの受信が終了した場合は処理を終了し、データの受信が終了してしない場合はステップS2−6に戻る。
【0069】
このように、本実施の形態においては、オペレータに対してアラームを通報して注意を促すことによって、低印刷デューティでも掠れのない印刷を行うことができる。
【0070】
なお、前記第1の実施の形態においては、印刷デューティが低い場合、濃度補正用画像パターンの幅を、30〔%〕、50〔%〕及び70〔%〕のすべてについて、拡張したが、オペレータが多少の掠れを許容するのであれば、幅を拡張する濃度補正用画像パターンを限定することもできる。
【0071】
また、前記第2の実施の形態においては、上位装置の表示手段の画面でアラームを通報するようになっているが、画像形成装置10のオペレーションパネルの画面でアラームを通報することもできる。
【0072】
さらに、前記第1及び第2の実施の形態においては、画像形成装置10がカラープリンタである場合について説明したが、画像形成装置10はモノクロプリンタである場合にも適用することができる。
【0073】
そして、前記第1及び第2の実施の形態においては、濃度補正用画像パターンを記録媒体搬送用のベルト19上に形成する場合について説明したが、中間転写方式の転写ベルト上に形成することもできる。
【0074】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の制御部のブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の構成を示す概略図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるイメージドラムユニットの概略図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるモノクロ印刷時における画像形成装置の動作を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における通常の濃度補正用画像パターンを示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態におけるカラーの濃度補正用画像パターンを示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態におけるモノクロの濃度補正用画像パターンを示す図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第1の実施の形態におけるPower ON処理の動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第1の実施の形態における印刷処理の動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第1の実施の形態におけるトナー吐出フラグを立てる動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第1の実施の形態における濃度補正処理の動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第2の実施の形態におけるカラー印刷時のアラーム表示の例を示す図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態におけるモノクロ印刷時のアラーム表示の例を示す図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態における画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0076】
10 画像形成装置
15 トナー
25 ベルト
36 印刷比率検出部
39 濃度補正パターン作成部
40 印刷濃度検出部
51、52、53、56、57、58 濃度補正用画像パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)トナー画像を形成する画像形成手段と、
(b)該画像形成手段で形成されたトナー画像を担持するベルトと、
(c)該ベルト上のトナー画像を形成し、該トナー画像の濃度を検出する濃度検出手段と、
(d)前記画像形成手段の所定の動作量における印刷比率を検出する印刷比率検出手段と、
(e)該印刷比率検出手段の検出値に基づいて濃度検出用のトナー画像のパターンを作成するパターン作成手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
所定枚数以上の印刷が行われた場合に前記印刷比率が所定値未満であると、前記パターン作成手段は、トナー消費量の多いパターンを作成する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
所定枚数以上の印刷が行われた場合に前記印刷比率が所定値未満であると、アラームを通報する請求項1に記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2006−64897(P2006−64897A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−246111(P2004−246111)
【出願日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】