説明

画像形成装置

【課題】本発明の目的は、ほぼ鉛直な記録材搬送経路を有する画像形成装置であっても、運搬時に転写ローラと感光ドラムを確実に離間させ、且つ離間状態のまま装置が動作可能な状態にならないようにすることである。
【解決手段】ほぼ鉛直な記録材搬送経路を有する画像形成装置であって、カートリッジ装着時に装着位置に回動する第一のレバー23と、第一のレバー23の装着位置への回動に連動して搬送経路内に突出した検知可能位置に回動する第二のレバー24と、第二のレバー24が検知可能位置にある時に装置が動作可能な状態であることを検知するフォトインタラプタ25と、装置の運搬時に感光ドラム2aと転写ローラ4とを離間する離間部材14とを有し、離間部材14は、カートリッジ装着前に装置本体に取り付けることで第二のレバー24に当接し、搬送経路外に退避した退避位置に第二のレバー24を回動させる当接部14fを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、像担持体と転写部材を用いて記録材に画像を形成する画像形成装置に関し、特にプロセスカートリッジが着脱可能な画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真画像形成プロセスを用いて記録材に画像を形成する電子写真画像形成装置においては、まず露光装置により電子写真感光体(以下、感光ドラム)上に静電潜像が形成される。次に感光ドラム上の静電潜像が現像手段により現像される。その後、現像された画像が感光体に圧接する転写ローラにより記録材に転写される。このため、電子写真画像形成装置においては、通常使用時は転写ローラは常に感光ドラムに圧接した状態となっている。
【0003】
しかしながら、感光ドラムと転写ローラが圧接した状態で前記画像形成装置を運搬する場合、その運搬中に、転写ローラの永久変形、転写ローラと感光ドラム間のこすれ、転写ローラの軟化材や架橋材等による感光ドラムの汚染等が発生する可能性がある。そこで、これらの不具合を防止するために、以下のような技術が開示されている。
【0004】
例えば、感光ドラム及び感光ドラムに作用するプロセス手段を一体的にカートリッジ化して、このカートリッジを装置本体に着脱可能とするカートリッジ方式が採用されているものがある。このような画像形成装置においては、運搬するにあたって梱包の際に、一般的に装置本体にカートリッジを装着せずに、装置本体とカートリッジを別々に梱包する場合が多い。この場合、感光ドラムを有するカートリッジが装置本体とは別個に梱包されるため、前述の不具合は防止できる。しかしながら、別個に梱包されたカートリッジは、装置本体とともに一つの梱包箱内に梱包された状態で運搬されるため、梱包箱が大きくなり、輸送・運搬コストが高くなる。
【0005】
ここで、特許文献1には、画像形成部から搬送されたシートを収容するシート収容空間に、トナーカートリッジを梱包した状態で挿入配置した画像形成装置の梱包具について開示されている。しかしながら、上記特許文献1に開示された技術では、画像形成装置のシート収容空間に、梱包したトナーカートリッジを挿入配置できるだけの大きなスペースが必要であり、これらをまとめて梱包できる梱包具は必然的に大きくなる。すなわち、画像形成装置のシート収容空間にトナーカートリッジを挿入配置する構成であっても、別個に梱包したトナーカートリッジは装置本体とともに一つの梱包具内に梱包されるため、前述した場合と同様に個装箱が大きくなり、輸送・運搬コストが高くなる。
【0006】
また、画像形成装置本体内にカートリッジを装着した状態で梱包し輸送・運搬することを目的とし、その時の転写ローラおよび感光ドラムの損傷を無くすために、転写ローラと感光ドラムの間に離間部材を設ける構成が提案されている。この装置では、離間部材を記録材搬送経路上流から取り付けると記録材を検知するセンサレバーを回動させ、離間部材を取り付けた状態では装置が動作可能な状態にならないようになっている。これにより、離間部材を取り外し忘れたまま装置を作動させてしまうことがない。
【0007】
【特許文献1】特開2003−327293号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の技術は、離間部材を記録材搬送経路上流から取り付ける構成であるため、例えば装置下方から上方へ向かうほぼ鉛直な記録材搬送経路を備えた画像形成装置では、前述した従来の離間部材を使用できないという問題があった。
【0009】
そこで、本発明の目的は、ほぼ鉛直な記録材搬送経路を有する画像形成装置であっても、輸送・運搬時に転写部材と像担持体を確実に離間させ、且つ離間状態のまま装置が動作可能な状態にならないようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための本発明の代表的な構成は、像担持体と前記像担持体に作用するプロセス手段を有し画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジと、前記像担持体に圧接可能な転写部材と、ほぼ鉛直な記録材の搬送経路と、を有する画像形成装置であって、前記カートリッジの未装着時には未装着位置に付勢され、前記カートリッジの装着時に前記カートリッジが当接して前記付勢力に抗して装着位置に回動する第一のレバーと、前記第一のレバーの前記装着位置への回動に連動して前記搬送経路内に突出し記録材が当接可能な検知可能位置に回動する第二のレバーと、前記第二のレバーが検知可能位置にあるときに前記装置が動作可能な状態であることを検知する検知手段と、前記装置の運搬時に前記像担持体と前記転写部材とを離間するための離間部材と、を有し、前記離間部材は、前記カートリッジが装着される前に前記装置本体に取り付けることで前記第二のレバーに当接し、前記第一のレバーが回動しても連動せず且つ前記搬送経路外に退避し記録材が当接不能な退避位置に前記第二のレバーを回動させるレバー作動部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ほぼ鉛直な記録材搬送経路を有する画像形成装置であっても、転写部材と像担持体の間に離間部材を取り付けることで、輸送・運搬時に転写部材と像担持体を確実に離間できる。同時に、離間部材を取り付けた状態では装置が動作可能な状態にならなず、装置の破損を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。従って、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0013】
〔第1実施形態〕
図1は本実施形態に係る画像形成装置の概略断面図である。1は画像形成装置本体であり、プロセスカートリッジ2を着脱可能に備えている。27は装置本体1に開閉可能に設けられた開閉部27であり、プロセスカートリッジ2を着脱する際に開放するものである。また、画像形成装置本体1は、装置下方から装置上方に向けて記録材を搬送する、ほぼ鉛直な記録材搬送経路を備えている。なお、プロセスカートリッジ2としては、像担持体と、この像担持体に作用するプロセス手段としての帯電手段、現像手段、クリーニング手段を一体的にカートリッジ化したものを例示している。
【0014】
像担持体としての感光ドラム2aは矢印A方向に回転し、図示されない高圧電源から給電される帯電手段としての帯電ローラ2bによって一様に帯電される。レーザー露光装置3から発せられたレーザー光は反射ミラー3aで反射されて感光ドラム2aへ照射され、感光ドラム2a上には静電潜像が形成される。トナー容器2dの中にはトナーが充填されており、現像手段としての現像ローラ2cの回転に伴い、適量のトナーが適度の帯電を受けた後、感光ドラム2a上に供給される。現像ローラ2c上のトナーは感光ドラム2aの静電潜像に付着し、潜像が現像されてトナー画像として可視化される。
【0015】
一方、装置下方の給送ローラ6はタイミングをとって、給送トレイ5上の記録材Pを1枚ずつ給送する。記録材分離手段7は給送ローラ6を押圧し、その表面の摩擦係数、接触角度、形状は記録材Pを1回の給送毎に最上層の1枚のみを送るように設定されている。給送ローラ6より給送された記録材Pは、駆動回転している搬送ローラ8と搬送ローラ8に従動回転している搬送コロ9のニップを通過し、感光ドラム2aと転写部材としての転写ローラ4のニップ部へ搬送される。転写ローラ4は感光ドラム2aに対して圧接されている。
【0016】
次いで、可視化された感光ドラム2a上のトナー画像は転写ローラ4により記録材上に転写される。転写されずに感光ドラム2a上に残った転写残トナーは、クリーニング手段としてのクリーニングブレード2eにより廃トナー容器2fに収納される。そして、表面をクリーニングされた感光ドラム2aは繰り返し次の画像形成プロセスに入る。
【0017】
トナー画像が転写された記録材Pは定着装置10によって加熱及び加圧を受け、トナー画像が記録材上に永久定着される。そして、画像が定着された記録材は排出ローラ11と排出コロ12のニップを通過し、装置上方の排出トレイ13上へ排出される。
【0018】
図2は本実施形態に係る離間部材14を記録材搬送経路を構成する装置枠体17に取り付けた状態を示す斜視図である。離間部材14は、画像形成装置の運搬時に感光ドラム2aと転写ローラ4とを離間するためのものである。
【0019】
離間部材14には装置本体1へ取り付ける時の略位置決めのために、第一の位置決め部14dと第二の位置決め部14eが設けられている。離間部材14は、装置本体1への取り付け時に第一の位置決め部14dによって装置枠体17の側壁17aに規制されながら取り付けられる。すなわち、離間部材14は、装置枠体17の側壁17aによって記録材搬送方向と直交する方向の位置が規制されながら取り付けられる。また、離間部材14は、第二の位置決め部14eが装置枠体17の側壁17bに接触することでそれ以上下に移動せず、取り付け部付近に位置が決まる。すなわち、離間部材14は、装置枠体17の側壁17bによって下方への移動が制限される。これらによって、組立性の向上による生産スピードの向上、および組み付け時に転写ローラを傷付ける等の危険性を減らすことができる。次に離間部材14はスナップフィット部14aによって転写ローラ軸受21に位置決め固定される。このため、離間部材14は転写ローラ4に対して高い位置精度をもって装着される。また、感光ドラム2aの非画像領域(画像形成領域外)が当接する離間部材14の離間部14bは、転写ローラ4の記録材通過領域よりも外側(ここでは軸受上)に設けられている。
【0020】
また、図3は転写ローラ4、各センサレバー、フォトインタラプタの配置関係を示す斜視図である。23は第一のセンサレバーである。第一のセンサレバー23は、プロセスカートリッジが取り付けられていないときは未装着位置(図4に示す位置)にあり、プロセスカートリッジが取り付けられると装着位置(図3及び図5に示す位置)に回動する。この第一のセンサレバー23は、装着位置から未装着位置の方向に付勢されている。よって、第一のセンサレバー23は、前記カートリッジの未装着時には未装着位置に付勢され、前記カートリッジの装着時に前記カートリッジが当接して前記付勢力に抗して装着位置に回動する。また、24は第二のセンサレバーである。第二のセンサレバー24は、第一のセンサレバー23が未装着位置にあるときは図4に示す位置にあり、第一のセンサレバー23が装着位置にあるときは図3に示す記録材搬送経路内に突出した検知可能位置にある。この第二のセンサレバー24は、第一のセンサレバー23の装着位置への回動に連動して、記録材が当接可能な前記検知可能位置に回動する。また25は検知手段としてのフォトインタラプタである。このフォトインタラプタ25は、第二のセンサレバー24が図3に示す検知可能位置にあるときに受光部が遮光され、装置が動作可能な状態にあることを検知する。
【0021】
図4から図6は、第一のセンサレバー23および第二のセンサレバー24の動きを示した斜視図である。図4はプロセスカートリッジが未装着の状態であり、第二のセンサレバー24は不図示の付勢手段によって未装着位置に付勢されている。図5はプロセスカートリッジが装着された状態であり、プロセスカートリッジ2が当接して付勢力に抗して装着位置に回動された第一のセンサレバー23に連動して、第二のセンサレバー24が検知可能位置に回動する。この状態であれば、フォトインタラプタ25の受光部が遮光されており、装置本体1は動作が可能な状態である。
【0022】
ここで、離間部材14は、プロセスカートリッジ2が装着される前に装置本体1に取り付ける。離間部材14は、装置本体1に取り付けられた時に第二のセンサレバー24に当接して該第二のセンサレバー24を回動させるレバー作動部14fを有している。よって、図4の状態で離間部材14を取り付けると、図6のように離間部材14によって第二のセンサレバー24が記録材が当接不能な記録材搬送経路外に退避した退避位置に押し下げられる。この退避位置は、第一のセンサレバー23が回動しても第二のセンサレバー24が連動しない位置(図6に示す位置)である。離間部材14の取り付け後にプロセスカートリッジ2を装置本体1に装着しても、第二のセンサレバー24は図5に示す検知可能位置には回動されず、第二のセンサレバー24と一体に回動するセンサフラグ26がフォトインタラプタ25の受光部を遮光しない。よって、離間部材14を取り付けたまま装置の電源を入れたとしても、フォトインタラプタ25が記録材を検知した状態となっているため、記録材のジャム時と同様に処理され、装置本体1は作動しない。よって、離間部材14を取り外すのを忘れて装置を動かそうとした場合でも、装置が破損するようなことはない。また、ほぼ鉛直な記録材搬送経路を有する画像形成装置であっても下流から離間部材14を取り付けかつ離間部材14を取り付けた状態では装置を動作不可能な状態にすることができる。
【0023】
次に、離間部材14が取り付けられた状態でプロセスカートリッジ2を装置本体1に装着した状態について説明する。
【0024】
図6に示すように離間部材14が取り付けられた後、プロセスカートリッジ2が装置本体1の所定の位置に装着されると、感光ドラム2aが離間部材14の離間部14bの上面部を押し下げる。同時に、離間部14bの下面部によって転写ローラ軸受21が押し下げられる。この結果、転写ローラ4も押し下げられ、感光ドラム2aと転写ローラ4は離間する。この離間部材14の2ヶ所の離間部14bは感光ドラム2aの非画像領域(画像形成領域外)に当接する。この離間部14bの感光ドラム2aとの当接部には、感光ドラム2aを保護する不図示の保護シートが粘着材により取り付けられている。保護シートは帯電防止処理が施されたポリエチレン材などの帯電防止部材である。このため、感光ドラム2aは電気的に帯電することがなく、また感光ドラム2a表面で離間部14bとの当接面に傷等が付くこともない。このように、この保護シートは帯電防止処理が施され、感光ドラム表面に傷を付けないような材質であればよい。プロセスカートリッジ2が装置本体1に装着された状態では、離間部材14が装置本体1に固定されているため、離間部材14を取り外すことは出来ない。また、離間部材14によって感光ドラム2aと転写ローラ4は離間状態となっているため、装置の輸送・運搬時において転写ローラ4の永久変形、感光ドラム2aと転写ローラ4間でのこすれなどが発生することはない。
【0025】
上記状態で装置がユーザ先まで輸送・運搬された後、ユーザは開梱を行ないプロセスカートリッジ2を装置本体1から取り外す。この際の離間部材14を取り外す動作について説明する。
【0026】
ユーザは図2に示す開閉部27を開けプロセスカートリッジ2を取り出す。このプロセスカートリッジ2を取り出した開口部からは離間部材14を容易に認識することができる。離間部材14には取り外し部14cが設けられており、この取り外し部14cを持って離間部材14を装置本体1から容易に取り外すことができる。この取り外し部14cには角穴も設けられており、そこにテープ、シート材等のシート状部材(不図示)を取り付けることによってユーザが取り外しやすい構成としてもよい。離間部材14を取り外した後にプロセスカートリッジ2を再び装置本体1に装着すると、感光ドラム2aと転写ローラ4は所定の動作位置(当接位置)となり、装置本体1およびプロセスカートリッジ2は正常に動作することができる。離間部材14を取り外すことを忘れて装置本体1の電源スイッチをオンとした場合には、例えプロセスカートリッジ2が装着されていても装置は動作しない。この場合、離間部材14によって退避位置(図6に示す位置)に回動された第二のセンサレバー24のセンサフラグ26がフォトインタラプタ25の遮光部遮光していない状態となっている。すなわち、フォトインタラプタ25が記録材を検知した状態となっているため、装置本体1はジャムと判断し、装置本体1を駆動するモータは動作することはない。このため、装置本体1、プロセスカートリッジ2、離間部材14に損傷を与えることはない。
【0027】
〔第2実施形態〕
次に第2実施形態に係る画像形成装置について説明する。なお、本実施形態において、前述した第1実施形態と同等の機能を有する部材には同一符号を付し、その詳しい説明は前述した第1実施形態の説明を援用するものとする。以下、本実施形態の特徴部分についてのみ説明する。
【0028】
図7に示すように、本実施形態に係る離間部材20は、プロセスカートリッジ2が装着される前に装置本体1に取り付ける。離間部材20は、装置本体1に取り付けられた時に第一のセンサレバー23に当接して該第一のセンサレバー23を回動させるレバー作動部20fを有している。よって、プロセスカートリッジの装着前(図4の状態)に離間部材14を装置本体1に取り付けると、図7のように離間部材20のレバー作動部20fが第一のセンサレバー23に当接し、付勢力に抗して第一のセンサレバー23が装着位置(図5に示す位置)から更に回動する。この第一のセンサレバー23の回動に連動して、第二のセンサレバー24が記録材が当接不能な記録材搬送経路外に退避した退避位置に回動する。離間部材20の取り付け後にプロセスカートリッジ2を装置本体1に装着しても、第一のセンサレバー23は装着位置には来ず、また第二のセンサレバー24も図5に示す検知可能位置には回動されず、第二のセンサレバー24と一体に回動するセンサフラグ26がフォトインタラプタ25の受光部を遮光しない。よって、離間部材20を取り付けたまま装置の電源を入れたとしても、フォトインタラプタ25が記録材を検知した状態となっているため、記録材のジャム時と同様に処理され、装置本体1は作動しない。よって、離間部材20を取り外すのを忘れて装置を動かそうとした場合でも、装置が破損するようなことはない。また、ほぼ鉛直な記録材搬送経路を有する画像形成装置でも下流から離間部材20を取り付けかつ離間部材20を取り付けた状態では装置を動作不可能な状態にすることができる。また、この構成では記録材を検知する第二のセンサレバー24に直接離間部材20が作用せず、記録材検知機構が変形する等の可能性を減らすことができる。
【0029】
また図7において、20bは離間部材14における離間部14bと同様の離間部である。また、20cは離間部材14における取り外し部14cと同様の取り外し部である。また、本実施形態に係る離間部材20も、第1実施形態に係る離間部材14の第一の位置決め部14d、第二の位置決め部14e、スナップフィット部14aと同様に、第一の位置決め部20d、第二の位置決め部20e、スナップフィット部20aを有している。
【0030】
なお、離間部材20が取り付けられた状態でプロセスカートリッジ2を装置本体1に装着した状態、および離間部材20を取り外す動作については、前述した第1実施形態と同様なため、ここでは説明を省略する。
【0031】
〔第3実施形態〕
次に第3実施形態に係る画像形成装置について説明する。なお、本実施形態において、前述した第1及び第2実施形態と同等の機能を有する部材には同一符号を付し、その詳しい説明は前述した第1及び第2実施形態の説明を援用するものとする。以下、本実施形態の特徴部分についてのみ説明する。
【0032】
図8は本実施形態に係る離間部材22を記録材搬送経路を構成する装置枠体17に取り付けた状態を示す斜視図である。離間部材22は、画像形成装置の運搬時に感光ドラム2aと転写ローラ4とを離間するためのものである。また、図9は離間部材22のスナップフィット部22hと装置枠体との係合部を示す部分断面図である。図10は離間部材22のガイド部22gと転写ローラ軸受21との係合部を示す部分斜視図である。
【0033】
図8に示すように、本実施形態に係る離間部材22は、装置本体1へ取り付ける時の略位置決めのために、第一の位置決め部22dと第二の位置決め部22eが設けられている。離間部材22は、装置本体1への取り付け時に第一の位置決め部22dによって装置枠体17の側壁17aに規制されながら取り付けられる。すなわち、離間部材22は、装置枠体17の側壁17aによって記録材搬送方向と直交する方向の位置が規制されながら取り付けられる。また、離間部材22は、第二の位置決め部22eが装置枠体17の側壁17bに接触することでそれ以上下に移動せず、取り付け部付近に位置が決まる。すなわち、離間部材22は、装置枠体17の側壁17bによって下方への移動が制限される。これらによって、組立性の向上による生産スピードの向上、および組み付け時に転写ローラを傷付ける等の危険性を減らすことができる。次に、離間部材22は、図10に示すようにガイド部22gによって転写ローラ軸受21に対して上下方向のみ位置決めされ、更に図9に示すようにスナップフィット部22hによって装置枠体17に対して固定される。このため、離間部材22は転写ローラ4に対して高い位置精度をもって装着される。更に固定部であるスナップフィット部22hを取り外し部22cのある長手方向中央部に設けることで、離間部材22を取り外す力が固定部に対してダイレクトに伝わり、離間部材22が撓んで外れにくい等の問題が減り、着脱性が向上する。また、感光ドラム2aの非画像領域(画像形成領域外)が当接する離間部材22の離間部22bは、転写ローラ4の記録材通過領域よりも外側(ここでは軸受上)に設けられている。
【0034】
本実施形態に係る離間部材22は、た第1実施形態の離間部材14のレバー作動部14fと同様の機能を有するレバー作動部22fを有する構成を例示しているが、前述した第2実施形態における離間部材20のレバー作動部20fと同様の構成であっても良い。
【0035】
なお、プロセスカートリッジ2の装着前に離間部材22を装置本体1に装着したときの各センサレバーの動作は前述した第1実施形態と同様なため、ここでは説明を省略する。また、離間部材22が取り付けられた状態でプロセスカートリッジ2を装置本体1に装着した状態、および離間部材22を取り外す動作についても、前述した第1実施形態と同様なため、ここでは説明を省略する。
【0036】
〔他の実施形態〕
前述した実施形態では、画像形成装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジが1つである構成を例示しているが、この使用個数は限定されるものではなく、必要に応じて適宜設定すれば良い。
【0037】
また前述した実施形態では、画像形成形成装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジとして、像担持体と、該像担持体に作用するプロセス手段としての帯電手段,現像手段,クリーニング手段を一体に有するプロセスカートリッジを例示した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、像担持体の他に、帯電手段、現像手段、クリーニング手段のうち、いずれか1つを一体に有するプロセスカートリッジであっても良い。
【0038】
また前述した実施形態では、画像形成装置としてプリンタを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば複写機、ファクシミリ装置等の他の画像形成装置や、或いはこれらの機能を組み合わせた複合機等の他の画像形成装置であっても良い。これらの画像形成装置に本発明を適用することにより同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】画像形成装置の概略断面図
【図2】第1実施形態に係る離間部材の配置図
【図3】転写ローラ、各センサレバー、フォトインタラプタの配置図
【図4】カートリッジ未装着時の各センサレバーの動作図
【図5】カートリッジ装着時の各センサレバーの動作図
【図6】第1実施形態に係る離間部材装着時の各センサレバーの動作図
【図7】第2実施形態に係る離間部材装着時の各センサレバーの動作図
【図8】第3実施形態に係る離間部材の配置図
【図9】第3実施形態に係る離間部材のガイド部の係合状態を示す部分断面図
【図10】第3実施形態に係る離間部材のスナップフィット部の係合状態を示す部分斜視図
【符号の説明】
【0040】
1 …画像形成装置本体
2 …プロセスカートリッジ
2a …感光ドラム(像担持体)
2b …帯電ローラ(帯電手段)
2c …現像ローラ(現像手段)
2e …クリーニングブレード(クリーニング手段)
4 …転写ローラ(転写部材)
14,20,22 …離間部材
14a,20a,22h …スナップフィット部
14b,20b,22b …離間部
14c,20c,22c …取り外し部
14d,20d,22d …第一の位置決め部
14e,20e,22e …第二の位置決め部
14f,20f,22f …レバー作動部
17 …装置枠体
17a,17b …側壁
21 …転写ローラ軸受
22g …ガイド部
23 …第一のセンサレバー(第一のレバー)
24 …第二のセンサレバー(第二のレバー)
25 …フォトインタラプタ
26 …センサフラグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体と前記像担持体に作用するプロセス手段を有し画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジと、前記像担持体に圧接可能な転写部材と、ほぼ鉛直な記録材の搬送経路と、を有する画像形成装置であって、
前記カートリッジの未装着時には未装着位置に付勢され、前記カートリッジの装着時に前記カートリッジが当接して前記付勢力に抗して装着位置に回動する第一のレバーと、
前記第一のレバーの前記装着位置への回動に連動して前記搬送経路内に突出し記録材が当接可能な検知可能位置に回動する第二のレバーと、
前記第二のレバーが検知可能位置にあるときに前記装置が動作可能な状態であることを検知する検知手段と、
前記装置の運搬時に前記像担持体と前記転写部材とを離間するための離間部材と、を有し、
前記離間部材は、前記カートリッジが装着される前に前記装置本体に取り付けることで前記第二のレバーに当接し、前記第一のレバーが回動しても連動せず且つ前記搬送経路外に退避し記録材が当接不能な退避位置に前記第二のレバーを回動させるレバー作動部を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
像担持体と前記像担持体に作用するプロセス手段を有し画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジと、前記像担持体に圧接可能な転写部材と、ほぼ鉛直な記録材の搬送経路と、を有する画像形成装置であって、
前記カートリッジの未装着時には未装着位置に付勢され、前記カートリッジの装着時に前記カートリッジが当接して前記付勢力に抗して装着位置に回動する第一のレバーと、
前記第一のレバーの前記装着位置への回動に連動して前記搬送経路内に突出し記録材が当接可能な検知可能位置に回動する第二のレバーと、
前記第二のレバーが検知可能位置にあるときに前記装置が動作可能な状態であることを検知する検知手段と、
前記装置の運搬時に前記像担持体と前記転写部材とを離間するための離間部材と、を有し、
前記離間部材は、前記カートリッジが装着される前に前記装置本体に取り付けることで前記第一のレバーに当接し、前記第一のレバーを付勢力に抗して装着位置より更に回動させることで、これに連動して前記第二のレバーを前記搬送経路外に退避し記録材が当接不能な退避位置に回動させるレバー作動部を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記転写部材は軸受に回動可能に保持された転写ローラであり、前記離間部材は前記転写ローラ軸受に位置決め固定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記記録材の搬送経路を構成する装置枠体を有し、前記離間部材は前記転写ローラ軸受に位置決めされ、前記装置枠体に固定されることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記離間部材は、前記像担持体の画像形成領域外の部分が当接する位置に前記像担持体を保護する保護シートが取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記離間部材は、前記離間部材を装置本体から取り外し易くするためのシート状部材が取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記離間部材は、装置本体に取り付けるときに、前記装置枠体によって前記離間部材の搬送方向と直交する方向の位置が規制される第一の位置決め部と、前記装置枠体によって前記離間部材の下方への移動が制限される第二の位置決め部とを有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−328097(P2007−328097A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−158470(P2006−158470)
【出願日】平成18年6月7日(2006.6.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】