画像形成装置
【課題】 簡便な機構によりコンパクト化が図られ、ネットワーク環境で複数ユーザが機密性を要する印刷を連続して実行することが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】 プリンタ1は、本体2に対して着脱自在に設けられ、印刷物を収容する排紙カセット40と、これを本体2に連結するための排紙カセット装着部14と、排紙カセット40に設けられた認証用IC51と、この認証用IC51により排紙カセット40の個体情報を識別するIC認証装置52と、入力された画像データを記憶する記憶部13と、印刷動作を制御する制御部12とを備える。制御部12は、排紙カセット装着部14に排紙カセット40が装着された時、IC認証装置52から受けた排紙カセット40の個体情報に基づいて、排紙カセット40に排出すべき印刷物の画像データを記憶部13から選択し、印刷動作を遂行して印刷物を排紙カセット40に排出する。
【解決手段】 プリンタ1は、本体2に対して着脱自在に設けられ、印刷物を収容する排紙カセット40と、これを本体2に連結するための排紙カセット装着部14と、排紙カセット40に設けられた認証用IC51と、この認証用IC51により排紙カセット40の個体情報を識別するIC認証装置52と、入力された画像データを記憶する記憶部13と、印刷動作を制御する制御部12とを備える。制御部12は、排紙カセット装着部14に排紙カセット40が装着された時、IC認証装置52から受けた排紙カセット40の個体情報に基づいて、排紙カセット40に排出すべき印刷物の画像データを記憶部13から選択し、印刷動作を遂行して印刷物を排紙カセット40に排出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機やプリンタに代表される画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィス等においては、ネットワーク環境の構築が進み、複数のユーザが使用する各々のパーソナルコンピュータに対して、プリンタ等の画像形成装置を共用するシステムが用いられていることが多い。
【0003】
このような環境では、1台の画像形成装置を多くのユーザが使用するので、画像形成装置の用紙排出部に排出された用紙である印刷物は、その印刷物を印刷させた本人とは異なる第三者の目に、容易に触れることとなる。しかしながら、印刷内容によっては、第三者に知られたくない内容もあるので、機密性を保持させた状態で印刷物を排出させ、回収する方法が要求されてきた。
【0004】
そこで、ロック機構等が設けられた排紙カセットを用いることにより、印刷物を第三者の目に触れないようにした画像形成装置が提案され、その例を特許文献1、及び2に見ることができる。
【特許文献1】特開平11−208969号公報(第2−3頁、図2−4)
【特許文献2】特開2004−306287号公報(第6−9頁、図1−3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1、及び2に記載の画像形成装置では、セキュリティボックスや親展トレイといった排紙カセットに対してロックを掛けることにより、その中に排出される印刷物の機密性を保持するようにしている。しかしながら、排紙カセットの中の印刷物を、印刷した本人が見るためには、ロックを解除するパスワードの入力等が必要であるので、たいへん手間が掛かる。また、そのパスワードを忘れてしまった場合には、排紙カセットのロック解除が非常に困難になる。
【0006】
さらに、複数のユーザで1台の画像形成装置を使用する場合、各々のユーザが用紙の機密性を要する印刷を連続して行うことを考慮すると、画像形成装置に、ユーザ数に対応した用紙排出箇所を設けなければならない。その結果、画像形成装置が大型化することとなり、部品点数の増加によるコストアップ、設置床面積の増大といった問題を引き起こすことになる。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、ネットワーク環境等で複数のユーザが使用する画像形成装置において、簡便な機構によりコンパクト化が図られ、各々のユーザが機密性を要する印刷を容易に連続して実行することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明は、本体と、この本体に対して着脱自在に設けられ、印刷物を収容する排紙カセットと、この排紙カセットを連結するために前記本体に設けられたカセット装着部と、前記排紙カセットに設けられた個体標識部材と、この個体標識部材により排紙カセットの個体情報を識別する認証手段と、入力された画像データを記憶する記憶部と、印刷動作を制御する制御部とを備え、この制御部は、前記カセット装着部に前記排紙カセットが装着された時、前記認証手段から受けた排紙カセットの個体情報に基づいて、排紙カセットに排出すべき印刷物の画像データを前記記憶部から選択し、印刷動作を遂行して印刷物を排紙カセットに排出することとした。
【0009】
また、前記個体標識部材は、前記排紙カセットの個体情報を記憶した認証用ICであって、前記認証手段は、認証用ICの情報を読み取り、識別するIC認証装置であることとした。
【0010】
また、前記排紙カセットは、前記カセット装着部との連結部に、所定の条件でのみ開閉する開閉部を備えるとともに、前記制御部は、排紙カセットに排出すべき用紙の画像データが前記記憶部に存在する時、前記開閉部を開放させ、印刷動作を遂行して印刷物を排紙カセットに排出した後、開閉部を閉鎖させることとした。
【0011】
また、前記個体標識部材は、前記排紙カセットの個体情報を記憶した認証用ICであって、前記認証手段は、前記本体に設けられた第1のIC認証装置と、本体とは別に独立した第2のIC認証装置とであるとともに、排紙カセットを本体に装着した時には、前記制御部が、第1のIC認証装置が読み取った認証用ICの情報に基づいて、排紙カセットの前記開閉部を開閉させ、排紙カセットを本体から取り外した時には、第2のIC認証装置が認証用ICの情報に基づいて、排紙カセットの開閉部を開閉させることとした。
【発明の効果】
【0012】
本発明の構成によれば、本体と、この本体に対して着脱自在に設けられ、印刷物を収容する排紙カセットと、この排紙カセットを連結するために本体に設けられたカセット装着部と、排紙カセットに設けられた個体標識部材と、この個体標識部材により排紙カセットの個体情報を識別する認証手段と、入力された画像データを記憶する記憶部と、印刷動作を制御する制御部とを備え、この制御部は、カセット装着部に排紙カセットが装着された時、認証手段から受けた排紙カセットの個体情報に基づいて、排紙カセットに排出すべき印刷物の画像データを記憶部から選択し、印刷動作を遂行して印刷物を排紙カセットに排出することとしたので、複数のユーザが各々専用の排紙カセットを所有し、排紙カセットを画像形成装置のカセット装着部に装着するだけで、自動的に機密性が保持された印刷物を排紙カセット内に収容させることができる。これにより、パスワード入力を行う必要もなく、たいへん便利である。また、画像形成装置に設けるカセット装着部は一つにすることが可能であるので、装置の大型化を防止することができる。その結果、簡便な機構によりコンパクト化が図られ、各々のユーザが機密性を要する印刷を容易に連続して行うことが可能な画像形成装置を得ることが可能となる。
【0013】
また、個体標識部材は、排紙カセットの個体情報を記憶した認証用ICであって、認証手段は、認証用ICの情報を読み取り、識別するIC認証装置であることとしたので、より簡便な構成で、迅速に排紙カセットの個体情報の識別を自動的に行うことが可能となる。これにより、排紙カセットを画像形成装置のカセット装着部に装着するだけで、自動的に機密性が保持された印刷物を排紙カセット内に収容させるようにすることができる。
【0014】
また、排紙カセットは、カセット装着部との連結部に、所定の条件でのみ開閉する開閉部を備えるとともに、制御部は、排紙カセットに排出すべき用紙の画像データが記憶部に存在する時、開閉部を開放させ、印刷動作を遂行して印刷物を排紙カセットに排出した後、開閉部を閉鎖させることとしたので、排紙カセットに収容した印刷物は、排紙カセットを画像形成装置から取り外した後、容易に取り出すことができないようにすることができる。これにより、機密性を要する印刷を行ったユーザが、別の第三者に画像形成装置からの印刷物の回収を依頼したとしても、その第三者は印刷物を見ることができない。したがって、機密性を要する印刷物の回収を、安心して第三者に依頼することが可能となり、たいへん使い勝手がよい画像形成装置を得ることができる。
【0015】
また、個体標識部材は、排紙カセットの個体情報を記憶した認証用ICであって、認証手段は、本体に設けられた第1のIC認証装置と、本体とは別に独立した第2のIC認証装置とであるとともに、排紙カセットを本体に装着した時には、制御部が、第1のIC認証装置が読み取った認証用ICの情報に基づいて、排紙カセットの前記開閉部を開閉させ、排紙カセットを本体から取り外した時には、第2のIC認証装置が認証用ICの情報に基づいて、排紙カセットの開閉部を開閉させることとしたので、排紙カセットを本体から取り外した後も、第2のIC認証装置により、容易に排紙カセットの開閉部を開放でき、内部に収容された印刷物を取り出すことができる。一方、第2のIC認証装置を所有しない第三者は開閉部を開放できないので、排紙カセットに収容された印刷物の機密性を堅固にすることが可能となる。したがって、機密性を要する印刷の簡便さと、印刷物の機密性とを、ともに向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図1〜図9に基づき説明する。
【0017】
最初に、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置について、図1、及び図2を用いてその構造の概略を説明する。図1は画像形成装置の一例であるプリンタの概略構造を示す模型的垂直断面左側面図、図2はプリンタの模型的斜視図にして、後方から見たものである。図1において右方がプリンタの前面側、左方が背面側である。
【0018】
図1に示すように、プリンタ1の本体2の内部下方には、用紙収容部である給紙カセット3が配置されている。給紙カセット3の内部には、用紙Pが積まれて収容されている。給紙カセット3の用紙搬送方向下流部上方には、給紙装置4が配置されている。この給紙装置4により、用紙Pは、図1において給紙カセット3の右上方に向けて送り出される。給紙カセット3は、本体2の前面側、すなわち図1において右方から水平に引き出すことが可能である。
【0019】
給紙カセット3の用紙搬送方向下流には、用紙搬送路5、レジストローラ6、画像形成部20、及び転写部30が配置されている。画像形成部20には、その中心に、像担持体である感光体ドラム21が備えられている。画像形成部20の上方には光学部7が備えられ、ここからレーザ光Lが感光体ドラム21に向かって照射される。図中の一点鎖線がレーザ光Lを示す。転写部30には、転写部材である転写ローラ31が備えられている。転写ローラ31は、感光体ドラム21に下方から圧接し、トナー像を用紙Pに転写するための転写領域である転写ニップ部を形成する。
【0020】
画像形成部20、及び転写部30の用紙搬送方向下流には、定着部8、分岐部9、用紙搬送路10、排紙トレイ11、及び排紙カセット40が配置されている。分岐部9は、定着部8から排出された用紙Pを、排紙トレイ11、或いは排紙カセット40のいずれかに振り分ける。排紙トレイ11は、本体2の上面に、印刷物である用紙Pを外部から取り出し可能な位置に設けられている。排紙カセット40は、図1、及び図2に示すように、本体2の背面に、本体2に対して着脱自在に設けられている。
【0021】
また、プリンタ1には、図1に示すように、制御部12が備えられている。制御部12は、外部コンピュータ(図示せず)から受信した情報に基づいて、予めプログラムされた手順に従い、給紙装置4やレジストローラ6、画像形成部20、定着部8等の各構成要素に対する印刷動作を制御する。制御部12近傍には、外部コンピュータから受信し、用紙Pに印刷するための画像データを記憶する記憶部13が備えられている。
【0022】
上記構成のプリンタ1は、次のように印刷動作を行う。
【0023】
印刷前の用紙Pは給紙カセット3に積み重ね状態で収容され、制御部12は、用紙Pをここから給紙装置4により1枚ずつ分離して送り出す。送り出された用紙Pは、用紙搬送路5を通ってレジストローラ6に到達する。制御部12は、レジストローラ6により用紙Pの斜め送りを矯正しつつ、画像形成部20で形成されるトナー画像とのタイミングを計り、用紙Pを転写部30へと送り出す。
【0024】
外部コンピュータからの文字や図形、模様等の画像データ信号がプリンタ1に送信され、この画像データは、記憶部13に一旦記憶される。制御部12は、記憶部13に記憶された画像データを印刷する必要に迫られた場合、光学部7にて制御されるレーザ光Lを照射させる。これにより、画像形成部20において、感光体ドラム21上に原稿画像の静電潜像が作られ、この静電潜像から感光体ドラム21上にトナー画像が形成される。トナー画像は、前記レジストローラ6によって同期をとって送られてきた用紙Pに、感光体ドラム21と転写部30の転写ローラ31とが圧接して形成される転写ニップ部にて転写される。
【0025】
その後、制御部12は、未定着トナー画像を担持した用紙Pを定着部8へと送り、熱ローラと加圧ローラとにより加熱、加圧してトナー画像を定着させる。定着部8から排出された印刷物である用紙Pは、分岐部9によりその排出方向が振り分けられる。用紙Pは、用紙搬送路10を通って上方へ送られ、本体2の上面に設けられた排紙トレイ11から機外に、或いは本体2の背面に設けられた排紙カセット40の内部に排出される。
【0026】
続いて、プリンタ1の排紙カセット40周辺の詳細な構成について、図1、図2に加えて、図3、及び図4を用いて説明する。図3は本体と排紙カセットとの連結部を示す模型的垂直断面部分拡大図、図4は図2と同様のプリンタを示す模型的斜視図にして、排紙カセットを本体から取り外した状態を示すものである。
【0027】
図1〜図4に示すように、排紙カセット40は、プリンタ1の本体2背面に設けられた排紙カセット装着部14に装着されている。排紙カセット40は、この排紙カセット装着部14に対して着脱が可能である。なお、プリンタ1はネットワーク環境において複数のユーザが共用するものであり、排紙カセット40はそれら各々のユーザが別個に専用の排紙カセット40を所有している。
【0028】
排紙カセット40は、その主たる部分が箱体をなし、本体2との連結箇所である前部に開口41が設けられている。定着部8から送り出された印刷物である用紙Pは、この開口41を通って排紙カセット40内に排出される。排紙カセット40には開口41以外に外部と通じる印刷物の出入り口はなく、排紙カセット40を本体2から取り外した後、排紙カセット40内の印刷物を取り出す時も開口41を通して取り出す。
【0029】
排紙カセット40と本体2との連結部には、認証部50が設けられている。認証部50は、排紙カセット40の前縁部に設けられた個体標識部材である認証用IC51と、本体2の排紙カセット装着部14の箇所に設けられた認証手段であるIC認証装置52とを備えている。
【0030】
認証用IC51は、排紙カセット40前縁の両側部から、前方に向かって突出するように設けられた突出部42に備えられている。ここで、前述のように、ネットワーク環境でプリンタ1を共用する複数のユーザは、各々専用の排紙カセット40を所有している。これらの排紙カセット40に設けられた認証用IC51は、各々異なる排紙カセット40の個体情報を記憶している。
【0031】
IC認証装置52は、本体2の排紙カセット装着部14の箇所であって、排紙カセット40が装着された時に、その突出部42に対応する位置に設けられている。すなわち、IC認証装置52は、排紙カセット40の2箇所の突出部に対して、その各々の外側に設けられている。IC認証装置52は、排紙カセット装着部14に排紙カセット40が装着された時に、認証用IC51の情報を読み取り、識別する。IC認証装置52が識別した排紙カセット40の個体情報は、制御部12(図1参照)に送られる。
【0032】
続いて、上記第1の実施形態に係るプリンタ1の、排紙カセット40を用いた時の動作について、図5を参照しつつ説明する。図5は、排紙カセットを用いた時のプリンタの動作を示すフローチャートである。
【0033】
複数のユーザが使用する各外部コンピュータから、プリンタ1が排紙カセット40に排出すべき印刷物の画像データを受信すると、ステップS101に進み、制御部12は、記憶部13に画像データを記憶させる。その後、ステップS102では、ユーザが、専用の排紙カセット40を本体2の排紙カセット装着部14に装着する。
【0034】
排紙カセット装着部14に排紙カセット40が装着されると、ステップS103に進み、IC認証装置52が、排紙カセット40に設けられた認証用IC51から排紙カセット40の個体情報を読み取り、識別する。この排紙カセット40の個体情報は、IC認証装置52から制御部12へと送信される。制御部12は、ステップS104において、IC認証装置52から受けた排紙カセット40の個体情報に基づいて、その排紙カセット40に排出すべき印刷物の画像データを、記憶部13から検索する。
【0035】
そして、ステップS105に進み、排紙カセット40に排出すべき印刷物の画像データが記憶部13に存在する場合には、制御部12がその画像データを選択して、ステップS106に進む。ステップS106では、制御部12が選択した画像データを用紙Pに印刷する印刷動作を遂行され、引き続きステップS107において、印刷物が排紙カセット40に排出される。
【0036】
一方、ステップS105において、画像データが記憶部13に存在しない場合、制御部12は印刷動作を遂行せず、そのまま終了する。
【0037】
このようにして、本体2と、この本体2に対して着脱自在に設けられ、印刷物を収容する排紙カセット40と、この排紙カセット40を連結するために本体2に設けられた排紙カセット装着部14と、排紙カセット40に設けられた個体標識部材である認証用IC51と、この認証用IC51により排紙カセット40の個体情報を識別する認証手段であるIC認証装置52と、入力された画像データを記憶する記憶部13と、印刷動作を制御する制御部12とを備え、この制御部12は、排紙カセット装着部14に排紙カセット40が装着された時、IC認証装置52から受けた排紙カセット40の個体情報に基づいて、排紙カセット40に排出すべき印刷物の画像データを記憶部13から選択し、印刷動作を遂行して印刷物を排紙カセット40に排出するので、複数のユーザが各々専用の排紙カセット40を所有し、排紙カセット40をプリンタ1の排紙カセット装着部14に装着するだけで、自動的に機密性が保持された印刷物を排紙カセット40内に収容させることができる。これにより、パスワード入力を行う必要もなく、たいへん便利である。また、プリンタ1に設ける排紙カセット装着部14は一つにすることが可能であるので、装置の大型化を防止することができる。その結果、簡便な機構によりコンパクト化が図られ、各々のユーザが機密性を要する印刷を容易に連続して行うことが可能なプリンタ1を得ることが可能となる。
【0038】
そして、個体標識部材は、排紙カセット40の個体情報を記憶した認証用IC51であって、認証手段は、認証用IC51の情報を読み取り、識別するIC認証装置52であるので、より簡便な構成で、迅速に排紙カセット40の個体情報の識別を自動的に行うことが可能となる。これにより、排紙カセット40をプリンタ1の排紙カセット装着部14に装着するだけで、自動的に機密性が保持された印刷物を排紙カセット40内に収容させるようにすることができる。
【0039】
次に、本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置であるプリンタの構造について、図6、及び図7を用いて説明する。図6はプリンタ本体と排紙カセットとの連結部を示す模型的垂直断面部分拡大図、図7はプリンタを示す模型的斜視図にして、排紙カセットを本体から取り外した状態を示すものである。なお、この実施形態の基本的な構成は、前記第1の実施形態と同じであるので、第1の実施形態と共通する構成要素については図面の記載、及びその説明を省略するものとする。
【0040】
第2の実施形態に係るプリンタ1において、排紙カセット40は、図6に示すように、その開口41に開閉部である扉43を備えている。扉43は、その上端に設けられた略水平な支軸を中心として、垂直面内で回転可能である。排紙カセット40には、この扉43を開閉させるソレノイド等の駆動装置(図示せず)が内蔵されている。プリンタ1は、扉43が開放状態にある時、開口41を通して排紙カセット40内に印刷物を排出することができ、扉43が閉鎖状態にある時、排紙カセット40内に印刷物を排出することができない。また、扉43は、手で開放することができないようになっている。
【0041】
認証部50は、図7に示すように、排紙カセット40に設けられた個体標識部材である認証用IC51と、本体2に設けられた認証手段である第1のIC認証装置53と、本体2とは別に独立し、ユーザが携帯することが可能な認証手段である第2のIC認証装置54とを備えている。
【0042】
本体2の排紙カセット装着部14に排紙カセット40が装着された時、制御部12(図1参照)は、排紙カセット40の認証用IC51の個体情報を読み取った第1のIC認証装置53からの情報を受けて、扉43の駆動装置に対して指令を送り、扉43を開閉させる。排紙カセット40を本体2から取り外し、自席等に持ち帰ったユーザが手元で扉43を開放したい時には、携帯用の第2のIC認証装置54により、扉43の駆動装置を直接駆動させ、扉43を開閉させることができる。このようにして、開閉部である扉43は、所定の条件、すなわち認証部50による認証か成功した場合にのみ開放することが可能となる。
【0043】
続いて、上記第2の実施形態に係るプリンタ1の、排紙カセット40を用いた時の動作について、図8、及び図9を参照しつつ説明する。図8は排紙カセットを用いた時のプリンタの動作を示すフローチャート、図9は本体から取り外した時の排紙カセットの動作を示すフローチャートである。
【0044】
最初に、排紙カセット40内に印刷物である用紙Pを排出させる場合について、図8を参照しつつ説明する。複数のユーザが使用する各外部コンピュータから、プリンタ1が排紙カセット40に排出すべき印刷物の画像データを受信すると、ステップS201に進み、制御部12は、記憶部13に画像データを記憶させる。その後、ステップS202では、ユーザが、専用の排紙カセット40を本体2の排紙カセット装着部14に装着する。
【0045】
排紙カセット装着部14に排紙カセット40が装着されると、ステップS203に進み、第1のIC認証装置53が排紙カセット40の個体情報を読み取り、識別する。この排紙カセット40の個体情報は、第1のIC認証装置53から制御部12へと送信される。制御部12は、ステップS204において、第1のIC認証装置53から受けた排紙カセット40の個体情報に基づいて、その排紙カセット40に排出すべき印刷物の画像データを、記憶部13から検索する。
【0046】
そして、ステップS205に進み、排紙カセット40に排出すべき印刷物の画像データが記憶部13に存在する場合には、制御部12がその画像データを選択して、ステップS206に進む。ステップS206では、制御部12は、排紙カセット40に設けられた扉43の駆動装置に対して指令を送り、扉43を開放させる。その後、制御部12は、ステップS207において印刷動作を遂行し、ステップS208において印刷物の排紙カセット40への排出を実行する。印刷物の排出が完了すると、制御部12は、ステップS209において、排紙カセット40の扉43を閉鎖させる。
【0047】
一方、ステップS205において、画像データが記憶部13に存在しない場合、制御部12は印刷動作を遂行せず、そのまま終了する。
【0048】
続いて、排紙カセット40内の印刷物を取り出す場合について、図9を参照しつつ説明する。プリンタ1から排出された印刷物を排紙カセット40内に収容させたユーザは、自席等に排紙カセット40を持ち帰った後、扉43を開放させる必要がある。この場合、ユーザは、ステップS301において、携帯用の第2のIC認証装置54を、排紙カセット40の認証用IC51に近づける。
【0049】
第2のIC認証装置54が認証用IC51に近づけられると、ステップS302に進み、第2のIC認証装置54が排紙カセット40の個体情報を読み取り、識別する。ステップS303において認証が成功すると、ステップS304に進み、第2のIC認証装置54は、排紙カセット40に設けられた扉43の駆動装置に対して指令を送り、扉43を開放させる。
【0050】
一方、ステップS303において認証が失敗した場合、第2のIC認証装置54は扉43の駆動装置に対して開放のための指令を送ることなくそのまま終了し、扉43を開放することはできない。なお、開放状態にある扉43は、第2のIC認証装置54を認証用IC51に再度近づけることにより閉鎖することができる。
【0051】
このようにして、排紙カセット40は、排紙カセット装着部14との連結部に、所定の条件でのみ開放する開閉部である扉43を備えるとともに、制御部12は、排紙カセット40に排出すべき用紙Pの画像データが記憶部13に存在する時、開閉部43を開放させ、印刷動作を遂行して印刷物を排紙カセット40に排出した後、開閉部43を閉鎖させるので、排紙カセット40に収容した印刷物は、排紙カセット40をプリンタ1から取り外した後、容易に取り出すことができないようにすることができる。これにより、機密性を要する印刷を行ったユーザが、別の第三者にプリンタ1からの印刷物の回収を依頼したとしても、その第三者は印刷物を見ることができない。したがって、機密性を要する印刷物の回収を、安心して第三者に依頼することが可能となり、たいへん使い勝手がよいプリンタ1を得ることができる。
【0052】
また、個体標識部材は、排紙カセット40の個体情報を記憶した認証用IC51であって、認証手段は、本体2に設けられた第1のIC認証装置53と、本体2とは別に独立した第2のIC認証装置54とであるとともに、排紙カセット40を本体2に装着した時には、制御部12が、第1のIC認証装置53が読み取った認証用IC51の情報に基づいて、排紙カセット40の扉43を開閉させ、排紙カセット40を本体2から取り外した時には、第2のIC認証装置54が認証用IC51の情報に基づいて、排紙カセット40の扉43を開閉させるので、排紙カセット40を本体2から取り外した後も、第2のIC認証装置54により、容易に排紙カセット40の扉43を開放でき、内部に収容された印刷物を取り出すことができる。一方、第2のIC認証装置を所有しない第三者は扉43を開放できないので、排紙カセット40に収容された印刷物の機密性を堅固にすることが可能となる。したがって、機密性を要する印刷の簡便さと、印刷物の機密性とを、ともに向上させることができる。
【0053】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【0054】
例えば、認証部50は、認証用IC51やIC認証装置52〜54といった、電子式の個体標識部材と認証手段とで構成されるものに限定されるわけではない。他の具体的な実施例を挙げると、認証手段として、複数の透過型光センサを本体2に設けるとともに、排紙カセット40を本体2に装着した時に各光センサの光路に干渉する干渉片を個体標識部材として、場所を変えて各ユーザの排紙カセット40に設ける。これにより、排紙カセット40を本体2に装着した時、排紙カセット40毎に異なる光センサが反応するようにして、排紙カセット40の個体情報を識別することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、画像形成装置全般において利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るプリンタの模型的垂直断面左側面図である。
【図2】図1のプリンタの模型的斜視図にして、後方から見たものである。
【図3】図1のプリンタ本体と排紙カセットとの連結部を示す模型的垂直断面部分拡大図である。
【図4】図2と同様のプリンタを示す模型的斜視図にして、排紙カセットを本体から取り外した状態を示すものである。
【図5】排紙カセットを用いた時の、図4に示すプリンタの動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るプリンタの本体と排紙カセットとの連結部を示す模型的垂直断面部分拡大図である。
【図7】図6のプリンタ全体を示す模型的斜視図にして、排紙カセットを本体から取り外した状態を示すものである。
【図8】排紙カセットを用いた時の、図7に示すプリンタの動作を示すフローチャートである。
【図9】本体から取り外した時の、図7に示す排紙カセットの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0057】
1 プリンタ(画像形成装置)
2 本体
8 定着部
12 制御部
13 記憶部
14 排紙カセット装着部
40 排紙カセット
41 開口
42 突出部
43 扉(開閉部)
50 認証部
51 認証用IC(個体標識部材)
52 IC認証装置(認証手段)
53 第1のIC認証装置(認証手段)
54 第2のIC認証装置(認証手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機やプリンタに代表される画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィス等においては、ネットワーク環境の構築が進み、複数のユーザが使用する各々のパーソナルコンピュータに対して、プリンタ等の画像形成装置を共用するシステムが用いられていることが多い。
【0003】
このような環境では、1台の画像形成装置を多くのユーザが使用するので、画像形成装置の用紙排出部に排出された用紙である印刷物は、その印刷物を印刷させた本人とは異なる第三者の目に、容易に触れることとなる。しかしながら、印刷内容によっては、第三者に知られたくない内容もあるので、機密性を保持させた状態で印刷物を排出させ、回収する方法が要求されてきた。
【0004】
そこで、ロック機構等が設けられた排紙カセットを用いることにより、印刷物を第三者の目に触れないようにした画像形成装置が提案され、その例を特許文献1、及び2に見ることができる。
【特許文献1】特開平11−208969号公報(第2−3頁、図2−4)
【特許文献2】特開2004−306287号公報(第6−9頁、図1−3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1、及び2に記載の画像形成装置では、セキュリティボックスや親展トレイといった排紙カセットに対してロックを掛けることにより、その中に排出される印刷物の機密性を保持するようにしている。しかしながら、排紙カセットの中の印刷物を、印刷した本人が見るためには、ロックを解除するパスワードの入力等が必要であるので、たいへん手間が掛かる。また、そのパスワードを忘れてしまった場合には、排紙カセットのロック解除が非常に困難になる。
【0006】
さらに、複数のユーザで1台の画像形成装置を使用する場合、各々のユーザが用紙の機密性を要する印刷を連続して行うことを考慮すると、画像形成装置に、ユーザ数に対応した用紙排出箇所を設けなければならない。その結果、画像形成装置が大型化することとなり、部品点数の増加によるコストアップ、設置床面積の増大といった問題を引き起こすことになる。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、ネットワーク環境等で複数のユーザが使用する画像形成装置において、簡便な機構によりコンパクト化が図られ、各々のユーザが機密性を要する印刷を容易に連続して実行することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明は、本体と、この本体に対して着脱自在に設けられ、印刷物を収容する排紙カセットと、この排紙カセットを連結するために前記本体に設けられたカセット装着部と、前記排紙カセットに設けられた個体標識部材と、この個体標識部材により排紙カセットの個体情報を識別する認証手段と、入力された画像データを記憶する記憶部と、印刷動作を制御する制御部とを備え、この制御部は、前記カセット装着部に前記排紙カセットが装着された時、前記認証手段から受けた排紙カセットの個体情報に基づいて、排紙カセットに排出すべき印刷物の画像データを前記記憶部から選択し、印刷動作を遂行して印刷物を排紙カセットに排出することとした。
【0009】
また、前記個体標識部材は、前記排紙カセットの個体情報を記憶した認証用ICであって、前記認証手段は、認証用ICの情報を読み取り、識別するIC認証装置であることとした。
【0010】
また、前記排紙カセットは、前記カセット装着部との連結部に、所定の条件でのみ開閉する開閉部を備えるとともに、前記制御部は、排紙カセットに排出すべき用紙の画像データが前記記憶部に存在する時、前記開閉部を開放させ、印刷動作を遂行して印刷物を排紙カセットに排出した後、開閉部を閉鎖させることとした。
【0011】
また、前記個体標識部材は、前記排紙カセットの個体情報を記憶した認証用ICであって、前記認証手段は、前記本体に設けられた第1のIC認証装置と、本体とは別に独立した第2のIC認証装置とであるとともに、排紙カセットを本体に装着した時には、前記制御部が、第1のIC認証装置が読み取った認証用ICの情報に基づいて、排紙カセットの前記開閉部を開閉させ、排紙カセットを本体から取り外した時には、第2のIC認証装置が認証用ICの情報に基づいて、排紙カセットの開閉部を開閉させることとした。
【発明の効果】
【0012】
本発明の構成によれば、本体と、この本体に対して着脱自在に設けられ、印刷物を収容する排紙カセットと、この排紙カセットを連結するために本体に設けられたカセット装着部と、排紙カセットに設けられた個体標識部材と、この個体標識部材により排紙カセットの個体情報を識別する認証手段と、入力された画像データを記憶する記憶部と、印刷動作を制御する制御部とを備え、この制御部は、カセット装着部に排紙カセットが装着された時、認証手段から受けた排紙カセットの個体情報に基づいて、排紙カセットに排出すべき印刷物の画像データを記憶部から選択し、印刷動作を遂行して印刷物を排紙カセットに排出することとしたので、複数のユーザが各々専用の排紙カセットを所有し、排紙カセットを画像形成装置のカセット装着部に装着するだけで、自動的に機密性が保持された印刷物を排紙カセット内に収容させることができる。これにより、パスワード入力を行う必要もなく、たいへん便利である。また、画像形成装置に設けるカセット装着部は一つにすることが可能であるので、装置の大型化を防止することができる。その結果、簡便な機構によりコンパクト化が図られ、各々のユーザが機密性を要する印刷を容易に連続して行うことが可能な画像形成装置を得ることが可能となる。
【0013】
また、個体標識部材は、排紙カセットの個体情報を記憶した認証用ICであって、認証手段は、認証用ICの情報を読み取り、識別するIC認証装置であることとしたので、より簡便な構成で、迅速に排紙カセットの個体情報の識別を自動的に行うことが可能となる。これにより、排紙カセットを画像形成装置のカセット装着部に装着するだけで、自動的に機密性が保持された印刷物を排紙カセット内に収容させるようにすることができる。
【0014】
また、排紙カセットは、カセット装着部との連結部に、所定の条件でのみ開閉する開閉部を備えるとともに、制御部は、排紙カセットに排出すべき用紙の画像データが記憶部に存在する時、開閉部を開放させ、印刷動作を遂行して印刷物を排紙カセットに排出した後、開閉部を閉鎖させることとしたので、排紙カセットに収容した印刷物は、排紙カセットを画像形成装置から取り外した後、容易に取り出すことができないようにすることができる。これにより、機密性を要する印刷を行ったユーザが、別の第三者に画像形成装置からの印刷物の回収を依頼したとしても、その第三者は印刷物を見ることができない。したがって、機密性を要する印刷物の回収を、安心して第三者に依頼することが可能となり、たいへん使い勝手がよい画像形成装置を得ることができる。
【0015】
また、個体標識部材は、排紙カセットの個体情報を記憶した認証用ICであって、認証手段は、本体に設けられた第1のIC認証装置と、本体とは別に独立した第2のIC認証装置とであるとともに、排紙カセットを本体に装着した時には、制御部が、第1のIC認証装置が読み取った認証用ICの情報に基づいて、排紙カセットの前記開閉部を開閉させ、排紙カセットを本体から取り外した時には、第2のIC認証装置が認証用ICの情報に基づいて、排紙カセットの開閉部を開閉させることとしたので、排紙カセットを本体から取り外した後も、第2のIC認証装置により、容易に排紙カセットの開閉部を開放でき、内部に収容された印刷物を取り出すことができる。一方、第2のIC認証装置を所有しない第三者は開閉部を開放できないので、排紙カセットに収容された印刷物の機密性を堅固にすることが可能となる。したがって、機密性を要する印刷の簡便さと、印刷物の機密性とを、ともに向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図1〜図9に基づき説明する。
【0017】
最初に、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置について、図1、及び図2を用いてその構造の概略を説明する。図1は画像形成装置の一例であるプリンタの概略構造を示す模型的垂直断面左側面図、図2はプリンタの模型的斜視図にして、後方から見たものである。図1において右方がプリンタの前面側、左方が背面側である。
【0018】
図1に示すように、プリンタ1の本体2の内部下方には、用紙収容部である給紙カセット3が配置されている。給紙カセット3の内部には、用紙Pが積まれて収容されている。給紙カセット3の用紙搬送方向下流部上方には、給紙装置4が配置されている。この給紙装置4により、用紙Pは、図1において給紙カセット3の右上方に向けて送り出される。給紙カセット3は、本体2の前面側、すなわち図1において右方から水平に引き出すことが可能である。
【0019】
給紙カセット3の用紙搬送方向下流には、用紙搬送路5、レジストローラ6、画像形成部20、及び転写部30が配置されている。画像形成部20には、その中心に、像担持体である感光体ドラム21が備えられている。画像形成部20の上方には光学部7が備えられ、ここからレーザ光Lが感光体ドラム21に向かって照射される。図中の一点鎖線がレーザ光Lを示す。転写部30には、転写部材である転写ローラ31が備えられている。転写ローラ31は、感光体ドラム21に下方から圧接し、トナー像を用紙Pに転写するための転写領域である転写ニップ部を形成する。
【0020】
画像形成部20、及び転写部30の用紙搬送方向下流には、定着部8、分岐部9、用紙搬送路10、排紙トレイ11、及び排紙カセット40が配置されている。分岐部9は、定着部8から排出された用紙Pを、排紙トレイ11、或いは排紙カセット40のいずれかに振り分ける。排紙トレイ11は、本体2の上面に、印刷物である用紙Pを外部から取り出し可能な位置に設けられている。排紙カセット40は、図1、及び図2に示すように、本体2の背面に、本体2に対して着脱自在に設けられている。
【0021】
また、プリンタ1には、図1に示すように、制御部12が備えられている。制御部12は、外部コンピュータ(図示せず)から受信した情報に基づいて、予めプログラムされた手順に従い、給紙装置4やレジストローラ6、画像形成部20、定着部8等の各構成要素に対する印刷動作を制御する。制御部12近傍には、外部コンピュータから受信し、用紙Pに印刷するための画像データを記憶する記憶部13が備えられている。
【0022】
上記構成のプリンタ1は、次のように印刷動作を行う。
【0023】
印刷前の用紙Pは給紙カセット3に積み重ね状態で収容され、制御部12は、用紙Pをここから給紙装置4により1枚ずつ分離して送り出す。送り出された用紙Pは、用紙搬送路5を通ってレジストローラ6に到達する。制御部12は、レジストローラ6により用紙Pの斜め送りを矯正しつつ、画像形成部20で形成されるトナー画像とのタイミングを計り、用紙Pを転写部30へと送り出す。
【0024】
外部コンピュータからの文字や図形、模様等の画像データ信号がプリンタ1に送信され、この画像データは、記憶部13に一旦記憶される。制御部12は、記憶部13に記憶された画像データを印刷する必要に迫られた場合、光学部7にて制御されるレーザ光Lを照射させる。これにより、画像形成部20において、感光体ドラム21上に原稿画像の静電潜像が作られ、この静電潜像から感光体ドラム21上にトナー画像が形成される。トナー画像は、前記レジストローラ6によって同期をとって送られてきた用紙Pに、感光体ドラム21と転写部30の転写ローラ31とが圧接して形成される転写ニップ部にて転写される。
【0025】
その後、制御部12は、未定着トナー画像を担持した用紙Pを定着部8へと送り、熱ローラと加圧ローラとにより加熱、加圧してトナー画像を定着させる。定着部8から排出された印刷物である用紙Pは、分岐部9によりその排出方向が振り分けられる。用紙Pは、用紙搬送路10を通って上方へ送られ、本体2の上面に設けられた排紙トレイ11から機外に、或いは本体2の背面に設けられた排紙カセット40の内部に排出される。
【0026】
続いて、プリンタ1の排紙カセット40周辺の詳細な構成について、図1、図2に加えて、図3、及び図4を用いて説明する。図3は本体と排紙カセットとの連結部を示す模型的垂直断面部分拡大図、図4は図2と同様のプリンタを示す模型的斜視図にして、排紙カセットを本体から取り外した状態を示すものである。
【0027】
図1〜図4に示すように、排紙カセット40は、プリンタ1の本体2背面に設けられた排紙カセット装着部14に装着されている。排紙カセット40は、この排紙カセット装着部14に対して着脱が可能である。なお、プリンタ1はネットワーク環境において複数のユーザが共用するものであり、排紙カセット40はそれら各々のユーザが別個に専用の排紙カセット40を所有している。
【0028】
排紙カセット40は、その主たる部分が箱体をなし、本体2との連結箇所である前部に開口41が設けられている。定着部8から送り出された印刷物である用紙Pは、この開口41を通って排紙カセット40内に排出される。排紙カセット40には開口41以外に外部と通じる印刷物の出入り口はなく、排紙カセット40を本体2から取り外した後、排紙カセット40内の印刷物を取り出す時も開口41を通して取り出す。
【0029】
排紙カセット40と本体2との連結部には、認証部50が設けられている。認証部50は、排紙カセット40の前縁部に設けられた個体標識部材である認証用IC51と、本体2の排紙カセット装着部14の箇所に設けられた認証手段であるIC認証装置52とを備えている。
【0030】
認証用IC51は、排紙カセット40前縁の両側部から、前方に向かって突出するように設けられた突出部42に備えられている。ここで、前述のように、ネットワーク環境でプリンタ1を共用する複数のユーザは、各々専用の排紙カセット40を所有している。これらの排紙カセット40に設けられた認証用IC51は、各々異なる排紙カセット40の個体情報を記憶している。
【0031】
IC認証装置52は、本体2の排紙カセット装着部14の箇所であって、排紙カセット40が装着された時に、その突出部42に対応する位置に設けられている。すなわち、IC認証装置52は、排紙カセット40の2箇所の突出部に対して、その各々の外側に設けられている。IC認証装置52は、排紙カセット装着部14に排紙カセット40が装着された時に、認証用IC51の情報を読み取り、識別する。IC認証装置52が識別した排紙カセット40の個体情報は、制御部12(図1参照)に送られる。
【0032】
続いて、上記第1の実施形態に係るプリンタ1の、排紙カセット40を用いた時の動作について、図5を参照しつつ説明する。図5は、排紙カセットを用いた時のプリンタの動作を示すフローチャートである。
【0033】
複数のユーザが使用する各外部コンピュータから、プリンタ1が排紙カセット40に排出すべき印刷物の画像データを受信すると、ステップS101に進み、制御部12は、記憶部13に画像データを記憶させる。その後、ステップS102では、ユーザが、専用の排紙カセット40を本体2の排紙カセット装着部14に装着する。
【0034】
排紙カセット装着部14に排紙カセット40が装着されると、ステップS103に進み、IC認証装置52が、排紙カセット40に設けられた認証用IC51から排紙カセット40の個体情報を読み取り、識別する。この排紙カセット40の個体情報は、IC認証装置52から制御部12へと送信される。制御部12は、ステップS104において、IC認証装置52から受けた排紙カセット40の個体情報に基づいて、その排紙カセット40に排出すべき印刷物の画像データを、記憶部13から検索する。
【0035】
そして、ステップS105に進み、排紙カセット40に排出すべき印刷物の画像データが記憶部13に存在する場合には、制御部12がその画像データを選択して、ステップS106に進む。ステップS106では、制御部12が選択した画像データを用紙Pに印刷する印刷動作を遂行され、引き続きステップS107において、印刷物が排紙カセット40に排出される。
【0036】
一方、ステップS105において、画像データが記憶部13に存在しない場合、制御部12は印刷動作を遂行せず、そのまま終了する。
【0037】
このようにして、本体2と、この本体2に対して着脱自在に設けられ、印刷物を収容する排紙カセット40と、この排紙カセット40を連結するために本体2に設けられた排紙カセット装着部14と、排紙カセット40に設けられた個体標識部材である認証用IC51と、この認証用IC51により排紙カセット40の個体情報を識別する認証手段であるIC認証装置52と、入力された画像データを記憶する記憶部13と、印刷動作を制御する制御部12とを備え、この制御部12は、排紙カセット装着部14に排紙カセット40が装着された時、IC認証装置52から受けた排紙カセット40の個体情報に基づいて、排紙カセット40に排出すべき印刷物の画像データを記憶部13から選択し、印刷動作を遂行して印刷物を排紙カセット40に排出するので、複数のユーザが各々専用の排紙カセット40を所有し、排紙カセット40をプリンタ1の排紙カセット装着部14に装着するだけで、自動的に機密性が保持された印刷物を排紙カセット40内に収容させることができる。これにより、パスワード入力を行う必要もなく、たいへん便利である。また、プリンタ1に設ける排紙カセット装着部14は一つにすることが可能であるので、装置の大型化を防止することができる。その結果、簡便な機構によりコンパクト化が図られ、各々のユーザが機密性を要する印刷を容易に連続して行うことが可能なプリンタ1を得ることが可能となる。
【0038】
そして、個体標識部材は、排紙カセット40の個体情報を記憶した認証用IC51であって、認証手段は、認証用IC51の情報を読み取り、識別するIC認証装置52であるので、より簡便な構成で、迅速に排紙カセット40の個体情報の識別を自動的に行うことが可能となる。これにより、排紙カセット40をプリンタ1の排紙カセット装着部14に装着するだけで、自動的に機密性が保持された印刷物を排紙カセット40内に収容させるようにすることができる。
【0039】
次に、本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置であるプリンタの構造について、図6、及び図7を用いて説明する。図6はプリンタ本体と排紙カセットとの連結部を示す模型的垂直断面部分拡大図、図7はプリンタを示す模型的斜視図にして、排紙カセットを本体から取り外した状態を示すものである。なお、この実施形態の基本的な構成は、前記第1の実施形態と同じであるので、第1の実施形態と共通する構成要素については図面の記載、及びその説明を省略するものとする。
【0040】
第2の実施形態に係るプリンタ1において、排紙カセット40は、図6に示すように、その開口41に開閉部である扉43を備えている。扉43は、その上端に設けられた略水平な支軸を中心として、垂直面内で回転可能である。排紙カセット40には、この扉43を開閉させるソレノイド等の駆動装置(図示せず)が内蔵されている。プリンタ1は、扉43が開放状態にある時、開口41を通して排紙カセット40内に印刷物を排出することができ、扉43が閉鎖状態にある時、排紙カセット40内に印刷物を排出することができない。また、扉43は、手で開放することができないようになっている。
【0041】
認証部50は、図7に示すように、排紙カセット40に設けられた個体標識部材である認証用IC51と、本体2に設けられた認証手段である第1のIC認証装置53と、本体2とは別に独立し、ユーザが携帯することが可能な認証手段である第2のIC認証装置54とを備えている。
【0042】
本体2の排紙カセット装着部14に排紙カセット40が装着された時、制御部12(図1参照)は、排紙カセット40の認証用IC51の個体情報を読み取った第1のIC認証装置53からの情報を受けて、扉43の駆動装置に対して指令を送り、扉43を開閉させる。排紙カセット40を本体2から取り外し、自席等に持ち帰ったユーザが手元で扉43を開放したい時には、携帯用の第2のIC認証装置54により、扉43の駆動装置を直接駆動させ、扉43を開閉させることができる。このようにして、開閉部である扉43は、所定の条件、すなわち認証部50による認証か成功した場合にのみ開放することが可能となる。
【0043】
続いて、上記第2の実施形態に係るプリンタ1の、排紙カセット40を用いた時の動作について、図8、及び図9を参照しつつ説明する。図8は排紙カセットを用いた時のプリンタの動作を示すフローチャート、図9は本体から取り外した時の排紙カセットの動作を示すフローチャートである。
【0044】
最初に、排紙カセット40内に印刷物である用紙Pを排出させる場合について、図8を参照しつつ説明する。複数のユーザが使用する各外部コンピュータから、プリンタ1が排紙カセット40に排出すべき印刷物の画像データを受信すると、ステップS201に進み、制御部12は、記憶部13に画像データを記憶させる。その後、ステップS202では、ユーザが、専用の排紙カセット40を本体2の排紙カセット装着部14に装着する。
【0045】
排紙カセット装着部14に排紙カセット40が装着されると、ステップS203に進み、第1のIC認証装置53が排紙カセット40の個体情報を読み取り、識別する。この排紙カセット40の個体情報は、第1のIC認証装置53から制御部12へと送信される。制御部12は、ステップS204において、第1のIC認証装置53から受けた排紙カセット40の個体情報に基づいて、その排紙カセット40に排出すべき印刷物の画像データを、記憶部13から検索する。
【0046】
そして、ステップS205に進み、排紙カセット40に排出すべき印刷物の画像データが記憶部13に存在する場合には、制御部12がその画像データを選択して、ステップS206に進む。ステップS206では、制御部12は、排紙カセット40に設けられた扉43の駆動装置に対して指令を送り、扉43を開放させる。その後、制御部12は、ステップS207において印刷動作を遂行し、ステップS208において印刷物の排紙カセット40への排出を実行する。印刷物の排出が完了すると、制御部12は、ステップS209において、排紙カセット40の扉43を閉鎖させる。
【0047】
一方、ステップS205において、画像データが記憶部13に存在しない場合、制御部12は印刷動作を遂行せず、そのまま終了する。
【0048】
続いて、排紙カセット40内の印刷物を取り出す場合について、図9を参照しつつ説明する。プリンタ1から排出された印刷物を排紙カセット40内に収容させたユーザは、自席等に排紙カセット40を持ち帰った後、扉43を開放させる必要がある。この場合、ユーザは、ステップS301において、携帯用の第2のIC認証装置54を、排紙カセット40の認証用IC51に近づける。
【0049】
第2のIC認証装置54が認証用IC51に近づけられると、ステップS302に進み、第2のIC認証装置54が排紙カセット40の個体情報を読み取り、識別する。ステップS303において認証が成功すると、ステップS304に進み、第2のIC認証装置54は、排紙カセット40に設けられた扉43の駆動装置に対して指令を送り、扉43を開放させる。
【0050】
一方、ステップS303において認証が失敗した場合、第2のIC認証装置54は扉43の駆動装置に対して開放のための指令を送ることなくそのまま終了し、扉43を開放することはできない。なお、開放状態にある扉43は、第2のIC認証装置54を認証用IC51に再度近づけることにより閉鎖することができる。
【0051】
このようにして、排紙カセット40は、排紙カセット装着部14との連結部に、所定の条件でのみ開放する開閉部である扉43を備えるとともに、制御部12は、排紙カセット40に排出すべき用紙Pの画像データが記憶部13に存在する時、開閉部43を開放させ、印刷動作を遂行して印刷物を排紙カセット40に排出した後、開閉部43を閉鎖させるので、排紙カセット40に収容した印刷物は、排紙カセット40をプリンタ1から取り外した後、容易に取り出すことができないようにすることができる。これにより、機密性を要する印刷を行ったユーザが、別の第三者にプリンタ1からの印刷物の回収を依頼したとしても、その第三者は印刷物を見ることができない。したがって、機密性を要する印刷物の回収を、安心して第三者に依頼することが可能となり、たいへん使い勝手がよいプリンタ1を得ることができる。
【0052】
また、個体標識部材は、排紙カセット40の個体情報を記憶した認証用IC51であって、認証手段は、本体2に設けられた第1のIC認証装置53と、本体2とは別に独立した第2のIC認証装置54とであるとともに、排紙カセット40を本体2に装着した時には、制御部12が、第1のIC認証装置53が読み取った認証用IC51の情報に基づいて、排紙カセット40の扉43を開閉させ、排紙カセット40を本体2から取り外した時には、第2のIC認証装置54が認証用IC51の情報に基づいて、排紙カセット40の扉43を開閉させるので、排紙カセット40を本体2から取り外した後も、第2のIC認証装置54により、容易に排紙カセット40の扉43を開放でき、内部に収容された印刷物を取り出すことができる。一方、第2のIC認証装置を所有しない第三者は扉43を開放できないので、排紙カセット40に収容された印刷物の機密性を堅固にすることが可能となる。したがって、機密性を要する印刷の簡便さと、印刷物の機密性とを、ともに向上させることができる。
【0053】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【0054】
例えば、認証部50は、認証用IC51やIC認証装置52〜54といった、電子式の個体標識部材と認証手段とで構成されるものに限定されるわけではない。他の具体的な実施例を挙げると、認証手段として、複数の透過型光センサを本体2に設けるとともに、排紙カセット40を本体2に装着した時に各光センサの光路に干渉する干渉片を個体標識部材として、場所を変えて各ユーザの排紙カセット40に設ける。これにより、排紙カセット40を本体2に装着した時、排紙カセット40毎に異なる光センサが反応するようにして、排紙カセット40の個体情報を識別することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、画像形成装置全般において利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るプリンタの模型的垂直断面左側面図である。
【図2】図1のプリンタの模型的斜視図にして、後方から見たものである。
【図3】図1のプリンタ本体と排紙カセットとの連結部を示す模型的垂直断面部分拡大図である。
【図4】図2と同様のプリンタを示す模型的斜視図にして、排紙カセットを本体から取り外した状態を示すものである。
【図5】排紙カセットを用いた時の、図4に示すプリンタの動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るプリンタの本体と排紙カセットとの連結部を示す模型的垂直断面部分拡大図である。
【図7】図6のプリンタ全体を示す模型的斜視図にして、排紙カセットを本体から取り外した状態を示すものである。
【図8】排紙カセットを用いた時の、図7に示すプリンタの動作を示すフローチャートである。
【図9】本体から取り外した時の、図7に示す排紙カセットの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0057】
1 プリンタ(画像形成装置)
2 本体
8 定着部
12 制御部
13 記憶部
14 排紙カセット装着部
40 排紙カセット
41 開口
42 突出部
43 扉(開閉部)
50 認証部
51 認証用IC(個体標識部材)
52 IC認証装置(認証手段)
53 第1のIC認証装置(認証手段)
54 第2のIC認証装置(認証手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、この本体に対して着脱自在に設けられ、印刷物を収容する排紙カセットと、この排紙カセットを連結するために前記本体に設けられたカセット装着部と、前記排紙カセットに設けられた個体標識部材と、この個体標識部材により排紙カセットの個体情報を識別する認証手段と、入力された画像データを記憶する記憶部と、印刷動作を制御する制御部とを備え、この制御部は、前記カセット装着部に前記排紙カセットが装着された時、前記認証手段から受けた排紙カセットの個体情報に基づいて、排紙カセットに排出すべき印刷物の画像データを前記記憶部から選択し、印刷動作を遂行して印刷物を排紙カセットに排出することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記個体標識部材は、前記排紙カセットの個体情報を記憶した認証用ICであって、前記認証手段は、認証用ICの情報を読み取り、識別するIC認証装置であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記排紙カセットは、前記カセット装着部との連結部に、所定の条件でのみ開閉する開閉部を備えるとともに、前記制御部は、排紙カセットに排出すべき用紙の画像データが前記記憶部に存在する時、前記開閉部を開放させ、印刷動作を遂行して印刷物を排紙カセットに排出した後、開閉部を閉鎖させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記個体標識部材は、前記排紙カセットの個体情報を記憶した認証用ICであって、前記認証手段は、前記本体に設けられた第1のIC認証装置と、本体とは別に独立した第2のIC認証装置とであるとともに、排紙カセットを本体に装着した時には、前記制御部が、第1のIC認証装置が読み取った認証用ICの情報に基づいて、排紙カセットの前記開閉部を開閉させ、排紙カセットを本体から取り外した時には、第2のIC認証装置が認証用ICの情報に基づいて、排紙カセットの開閉部を開閉させることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項1】
本体と、この本体に対して着脱自在に設けられ、印刷物を収容する排紙カセットと、この排紙カセットを連結するために前記本体に設けられたカセット装着部と、前記排紙カセットに設けられた個体標識部材と、この個体標識部材により排紙カセットの個体情報を識別する認証手段と、入力された画像データを記憶する記憶部と、印刷動作を制御する制御部とを備え、この制御部は、前記カセット装着部に前記排紙カセットが装着された時、前記認証手段から受けた排紙カセットの個体情報に基づいて、排紙カセットに排出すべき印刷物の画像データを前記記憶部から選択し、印刷動作を遂行して印刷物を排紙カセットに排出することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記個体標識部材は、前記排紙カセットの個体情報を記憶した認証用ICであって、前記認証手段は、認証用ICの情報を読み取り、識別するIC認証装置であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記排紙カセットは、前記カセット装着部との連結部に、所定の条件でのみ開閉する開閉部を備えるとともに、前記制御部は、排紙カセットに排出すべき用紙の画像データが前記記憶部に存在する時、前記開閉部を開放させ、印刷動作を遂行して印刷物を排紙カセットに排出した後、開閉部を閉鎖させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記個体標識部材は、前記排紙カセットの個体情報を記憶した認証用ICであって、前記認証手段は、前記本体に設けられた第1のIC認証装置と、本体とは別に独立した第2のIC認証装置とであるとともに、排紙カセットを本体に装着した時には、前記制御部が、第1のIC認証装置が読み取った認証用ICの情報に基づいて、排紙カセットの前記開閉部を開閉させ、排紙カセットを本体から取り外した時には、第2のIC認証装置が認証用ICの情報に基づいて、排紙カセットの開閉部を開閉させることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2007−7994(P2007−7994A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−191554(P2005−191554)
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
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