画像形成装置
【課題】 搬送路の排出部の外側面を形成する排出部外側ガイドと、排出部より上流側の外側面を形成する上流部外側ガイドとが、装置外部側へそれぞれ開閉可能に設けられた画像形成装置において、排出部外側ガイドを閉止しなければ上流部外側ガイドを閉止不能とする手段を提供する。
【解決手段】 本画像形成装置1は、主搬送路Rsの排出部の内側面を形成する排出部内側ガイド24に、上流部外側ガイド19の閉止を抑止する閉止抑止レバー27が、回動自在に軸支されるとともに、その回動を規制するレバーストッパ28が、排出部外側ガイド23の開放時に閉止抑止レバー27の回動を禁止するロック位置Lに、排出部外側ガイド23の閉止時に閉止抑止レバー27の回動を許容するロック解除位置Kにそれぞれ位置するように設けられる一方、上流部外側ガイド19に、閉止動作に伴って閉止抑止レバー27を押圧して回動させるレバー押圧突起50が設けられたものである。
【解決手段】 本画像形成装置1は、主搬送路Rsの排出部の内側面を形成する排出部内側ガイド24に、上流部外側ガイド19の閉止を抑止する閉止抑止レバー27が、回動自在に軸支されるとともに、その回動を規制するレバーストッパ28が、排出部外側ガイド23の開放時に閉止抑止レバー27の回動を禁止するロック位置Lに、排出部外側ガイド23の閉止時に閉止抑止レバー27の回動を許容するロック解除位置Kにそれぞれ位置するように設けられる一方、上流部外側ガイド19に、閉止動作に伴って閉止抑止レバー27を押圧して回動させるレバー押圧突起50が設けられたものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送路の排出部の外側面を形成する排出部外側ガイドと、排出部より上流側の外側面を形成する上流部外側ガイドとが、装置外部側へそれぞれ開閉可能に設けられた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、コピー機、ファクシミリ等には、原稿から読み取った画像データやファクシミリ受信した画像データに基づいて記録紙に文字や図形等の画像を形成する画像形成装置が搭載されている。図16は、従来例に係る画像形成装置70の構成を示す概略縦断面図である(特許文献1参照)。画像形成装置70では、帯電器71によって帯電された感光ドラム72の表面に、露光器73から画像情報に基づいた光像が露光されることで潜像が形成され、現像器74からトナーが供給されることで潜像がトナー像化される。一方、画像形成動作の開始に伴い、給紙カセット75にセットされた記録紙Pが搬送路76へと順次繰り込まれ、感光ドラム72に押圧されることで前記トナー像が記録紙Pに転写される。その後、記録紙Pは搬送路76を更に下流側へ搬送され、定着器77によって熱と圧力を印加されることにより、トナー像が記録紙Pに定着する。そして、この記録紙Pは、搬送路76の下流端に位置する排出口78から排出されて、排紙トレイ79上に積載される。
【0003】
この画像形成装置70は、搬送路76の内部で記録紙P詰まりが発生した場合に、搬送路76の内部を露呈させて詰まった記録紙Pを除去できるよう構成されている。すなわち、搬送路76は、一対のガイドが所定間隔で向かい合うことにより形成されているが、この一対のガイドのうち、搬送路76の外側面を形成する外側ガイドが、装置外側方向に開閉可能に設けられている。具体的には、図16に示すように、排出口78近傍において搬送路76の外側面を形成する排出部外側ガイド80が、ヒンジ81を支点として装置外部側へ開閉可能に設けられる一方、その上流側において搬送路の外側面を形成する上流部外側ガイド82もヒンジ83を支点として装置外部側へ開閉可能に設けられている。これにより、記録紙P詰まりの発生した位置に応じて、排出部外側ガイド80や上流部外側ガイド82を開放して搬送路76の内部を露呈させることが可能となっている。
【0004】
この画像形成装置70では、詰まった記録紙Pを搬送路76から除去した後、排出部外側ガイド80や上流部外側ガイド82が開放された状態のままで画像形成動作が開始されると、その箇所で記録紙詰まりが発生する。このような事態を回避する手段としては、排出部外側ガイド80や上流部外側ガイド82の開閉を検知するための開閉検知センサ(不図示)を設け、この開閉検知センサが排出部外側ガイド80や上流部外側ガイド82の閉止を検知するまでは画像形成動作を開始せず、図示しない操作部にエラーを表示して排出部外側ガイド80や上流部外側ガイド82を閉止するようユーザに報知する方法がある。しかし、排出部外側ガイド80と上流部外側ガイド82で開閉検知センサを個別に設置したのでは、コストアップにつながり、また装置の小型軽量化の観点からも好ましくない。
【0005】
従って、画像形成装置70では、排出部外側ガイド80と上流部外側ガイド82の双方が開放された場合に、閉止すべき順序を操作部に表示してユーザに認識させる一方、最後に閉止する方の外側ガイドだけについて、その開閉を検知する開閉検知センサを設けている。このような構成によれば、最後に閉止すべき外側ガイドの閉止を検知した時点で、排出部外側ガイド80と上流部外側ガイド82の双方が閉止されたものと判断して画像形成動作を開始することができるので、開閉検知センサの数を最小限に抑えることができる。
【0006】
【特許文献1】特開2006−301414号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来の画像形成装置70では、排出部外側ガイド80と上流部外側ガイド82を閉止する順序を操作部に表示するものの、その順序通りでなくても構造的には何ら規制なく排出部外側ガイド80と上流部外側ガイド82を閉止することが可能である。従って、例えば操作部の表示部を見落としたユーザが、表示された順序とは異なる順序で排出部外側ガイド80と上流部外側ガイド82を閉止しても、最後に閉止すべき方が閉止されていれば、他方が開放されたままであっても、双方が閉止されたものと判断されてしまう。これにより、画像形成動作が開始され、外側ガイドが開放された箇所で記録紙詰まりが発生するという問題がある。
【0008】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、搬送路の排出部の外側面を形成する排出部外側ガイドと、排出部より上流側の外側面を形成する上流部外側ガイドとが、装置外部側へそれぞれ開閉可能に設けられた画像形成装置において、排出部外側ガイドを閉止しなければ上流部外側ガイドを閉止不能とする手段を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための請求項1記載の画像形成装置は、給紙カセットから排紙トレイへ至る記録紙搬送路における排出部の外側面を形成する排出部外側ガイドと、前記記録紙搬送路における前記排出部より上流側の外側面を形成する上流部外側ガイドとが、装置外部側へそれぞれ開閉可能に設けられた画像形成装置において、前記排出部の内側面を形成する排出部内側ガイドに、前記上流部外側ガイドの閉止を抑止するための閉止抑止レバーが、その重心より基端側の位置を回動自在に軸支されるとともに、前記閉止抑止レバーの回動を規制するためのレバーストッパが、前記排出部外側ガイドの開放時に前記閉止抑止レバーの回動を禁止するロック位置に、前記排出部外側ガイドの閉止時に前記閉止抑止レバーの回動を許容するロック解除位置にそれぞれ位置するように設けられる一方、前記上流部外側ガイドに、その閉止動作に伴って前記閉止抑止レバーを押圧して回動させるレバー押圧突起が設けられたものである。
【0010】
請求項2記載の画像形成装置は、前記上流部外側ガイドの閉止時に前記閉止抑止レバーを検知する開閉検知センサを更に備えるものである。
【0011】
請求項3記載の画像形成装置は、前記レバーストッパは、その重心より先端側の位置を前記排出部内側ガイドによって回動自在に軸支され、前記上流部外側ガイドの閉止時に前記上流部外側ガイドに押圧されることで前記ロック解除位置で保持される一方、前記上流部外側ガイドの開放時に前記上流部外側ガイドの押圧力から解放されて自重により回動して前記ロック位置へと移動するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る画像形成装置によれば、排出部外側ガイドが閉止された状態では、レバーストッパがロック解除位置に位置するので、上流部外側ガイドを閉止することができるが、排出部外側ガイドが開放された状態では、レバーストッパがロック位置に位置するので、上流部外側ガイドを閉止することができない。このように、排出部外側ガイドが閉止状態でなければ上流部外側ガイドを閉止できない構造としたので、排出部外側ガイドだけが開放された状態のままで画像形成動作が開始されることがなく、記録紙詰まりの発生を未然に防止することができる。
【0013】
また、本発明に係る画像形成装置によれば、上流部外側ガイドの開閉を検知する開閉検知センサだけで、上流部外側ガイドと排出部外側ガイドの双方の開閉を検知することができるので、それぞれの開閉を検知するための開閉検知センサを別個独立に設置する場合と比較して、コストダウン及び装置の小型軽量化を図ることができる。
【0014】
また、本発明に係る画像形成装置によれば、レバーストッパは、上流部外側ガイドの押圧力から開放されると自重によってロック解除位置からロック位置へと移動するので、レバーストッパを駆動するための複雑な機構を設ける必要がなく、コストダウン及び装置の小型軽量化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施例に係る画像形成装置について図面に基づいて説明する。本画像形成装置は、原稿の複写機能、ファクシミリ通信機能、インターネットファクシミリ通信機能等を備えるコピー・ファクシミリ複合機である。図1は、本実施例に係る画像形成装置1の構成を示す概略縦断面図である。本画像形成装置1は、給紙カセット2から感光ドラム3を経て排紙トレイ4に至る主搬送路Rs、この主搬送路Rsの上流側分岐位置5と下流側分岐位置6とを連通する反転搬送路Rh、及び手差しトレイ7と上流側分岐位置5とを連通する手差し搬送路Rtの3つの搬送路を備えている。
【0016】
本画像形成装置1は、図1に示すように、記録紙Pを格納するための給紙カセット2と、主搬送路Rsに配置されて表面に感光層が形成された感光ドラム3と、該感光ドラム3の表面を帯電させる帯電ユニット8と、感光ドラム3の表面に光を照射する露光ユニット9と、感光ドラム3の表面にトナーを供給する現像ユニット10と、感光ドラム3に圧接された転写ローラ11と、感光ドラム3の表面を清掃する清掃ユニット12と、主搬送路Rsを搬送される記録紙Pを加熱・加圧する定着ユニット13と、主搬送路Rsの最下流部に配置され記録紙Pを反転搬送路Rhへ送り込み又は排紙トレイ4へ排出する反転・排出ユニット14と、反転搬送路Rhに適宜配置され記録紙Pを搬送する一対の搬送ローラ15と、記録紙Pを手差しで供給する場合にセットするための手差しトレイ7と、を具備してなるものである。
【0017】
このように構成される画像形成装置1で片面印字を行う場合、画像形成動作が開始されると、感光ドラム3の表面が帯電ユニット8によって一様に帯電され、露光ユニット9から光が照射されることで感光ドラム3の表面に静電潜像が形成され、この静電潜像に対して現像ユニット10からトナーが供給されることでトナー像が形成される。一方、画像形成動作の開始に伴い、給紙カセット2に格納された記録紙Pがピックアップローラ16によって取り出されて主搬送路Rsへ繰り込まれる。この記録紙Pは、主搬送路Rsを下流側へ搬送され、転写ローラ11によって感光ドラム3に押圧されることにより、感光ドラム3上のトナー像が転写される。更に、記録紙Pは主搬送路Rsを下流側へ搬送され、定着ユニット13によって加熱・加圧されることにより、トナー像が記録紙Pに定着する。その後、記録紙Pは、反転・排出ユニット14に設けられた一対の排出ローラ17によって排紙トレイ4へと排出される。一方、トナー像転写後の感光ドラム3は、その表面に残留したトナーや紙粉等が清掃ユニット12によって除去された後、再び帯電ユニット8によってその表面が帯電される。
【0018】
一方、両面印字を行う場合、まず、前述のようにして片面印字が実行され、片面印字が完了した記録紙Pは、下流側分岐位置6を越えて主搬送路Rsを下流側へ搬送される。そして、この記録紙Pが排出ローラ17に到達すると、排出ローラ17が記録紙Pをニップした状態で回転を停止し、下流側分岐位置6に設けられた分岐爪18が反転搬送路Rhを開放する状態へと切り替えられた後、排出ローラ17が逆回転を開始することにより、記録紙Pはスイッチバックして反転搬送路Rhへ送り込まれる。反転搬送路Rhへ送り込まれた記録紙Pは、印字済みの第1面を装置内側に向けた状態で、搬送ローラ15によって上流側分岐位置5に向かって搬送される。そして、この記録紙Pは、上流側分岐位置5を経て、第2面を感光ドラム3に向けた状態で主搬送路Rsへ再供給される。その後、記録紙Pは、第1面印字時と同様にして第2面の印字が行われ、反転・排出ユニット14によって排紙トレイ4へと排出される。
【0019】
ところで、この画像形成装置1では、各搬送路Rs,Rh,Rtで記録紙詰まりが発生した場合に、その内部を露呈させて詰まった記録紙Pを除去できるよう構成されている。具体的には、図1に示すように、主搬送路Rsの上流部では、その外側面を形成する上流部外側ガイド19は、反転搬送路Rhの下流部の外側面を形成するジャムアクセスカバー20と一体化され、このジャムアクセスカバー20は、その下端部の支軸ピン21を支点として装置本体22に対して回動可能に設けられている。これにより、主搬送路Rsの上流部や反転搬送路Rhの下流部で記録紙詰まりが発生した場合には、図2に示すように、ジャムアクセスカバー20を回動させて装置外部側へ開放することにより、主搬送路Rsや反転搬送路Rhの内部を露呈させることが可能となっている。
【0020】
更に、主搬送路Rsの最下流部である排出部に設けられた反転・排出ユニット14は、図1に示すように、主搬送路Rsの下流部の外側面を形成する排出部外側ガイド23と、下流部の内側面を形成する排出部内側ガイド24とを備え、排出部内側ガイド24が装置本体22に固定される一方、排出部外側ガイド23は、排出ローラ17の近傍に設けられた支軸ピン25を支点として、排出部内側ガイド24に対して回動可能に設けられている。また、図1に示すように排出部外側ガイド23とジャムアクセスカバー20の双方を閉止した状態では、ジャムアクセスカバー20の頂部から水平方向に突出した押さえ込み片(不図示)が、排出部外側ガイド23の上面に当接して開放不能に押さえ込むものとなっており、ジャムアクセスカバー20を開放してからでないと排出部外側ガイド23を開放できない構造となっている。従って、主搬送路Rsの下流部や反転搬送路Rhの上流部で記録紙詰まりが発生した場合には、図3に示すように、まずジャムアクセスカバー20を回動させて装置外部側へ開放した後、排出部外側ガイド23を回動させて装置外部側へ開放することにより、主搬送路Rsや反転搬送路Rhの内部を露呈させることが可能となっている。
【0021】
図4は、反転・排出ユニット14を装置背面側から、すなわち図1において紙面裏側から見た状態を示す分解斜視図である。前述のように、反転・排出ユニット14は、主搬送路Rsの内側面を形成する排出部内側ガイド24と、外側面を形成する排出部外側ガイド23とを備え、両者の間に排紙口26が形成されている。ここで、排出部内側ガイド24の側面24aには、上流部外側ガイド19と一体化されたジャムアクセスカバー20の閉止を抑止するための閉止抑止レバー27と、該閉止抑止レバー27の動作を規制するためのレバーストッパ28とがそれぞれ取り付けられている。
【0022】
排出部内側ガイド24の側面24aには、図4に示すように、閉止抑止レバー27の回動支軸とするためのレバー用ピン29が突設され、その先端部にはネジ孔30が穿設されている。また、レバー用ピン29の斜め下方には、レバーストッパ28の回動支軸とするためのストッパ用ピン31が突設されるとともに、該ストッパ用ピン31に隣接して、レバーストッパ28の回動範囲を規制するための長孔32が略円弧状に形成されている。
【0023】
図5及び図6は、レバーストッパ28の構成を示す概略斜視図であり、図5は表側から見た図、図6は裏側から見た図である。レバーストッパ28は、樹脂等からなるストッパ本体33に、錘ネジ34が螺合されてなるものである。ストッパ本体33は、基端側から先端側に向かって徐々に幅狭となるように形成された平板部材であって中央部にピン挿通孔35が形成された基部36と、該基部36の表面であってピン挿通孔35より基端側に突設された偏心用錘部37と、基部36の表面であってピン挿通孔35より先端側に突設されたレバー当接部38と、基部36の裏面であってピン挿通孔35と連通するように突設されたフランジ部39と、基部36の裏面であってピン挿通孔35より先端側に突設された回動範囲規制ピン40とが一体成型されたものである。
【0024】
偏心用錘部37は、レバーストッパ28の重心位置を、その回動中心であるピン挿通孔35の位置から基端側にずらすための錘としての役割を果たすものである。この偏心用錘部37には、図5に示すように、そのピン挿通孔35側に、前記ストッパ用ピン31との干渉を回避するための切欠き41が形成されている。また、ストッパ本体33に螺合される前記錘ネジ34は、偏心用錘部37と相俟って、レバーストッパ28の重心位置をより確実に基端側にずらすためのものである。この錘ネジ34は、図6に示すように、基部36の裏面であってピン挿通孔35より基端側の位置からねじ込まれ、その裏側に位置する偏心用錘部37にまで達している。尚、偏心用錘部37だけでレバーストッパ28の重心位置を十分に基端側にずらすことができる場合には、必ずしも錘ネジ34を設ける必要はない。
【0025】
レバー当接部38は、閉止抑止レバー27に当接することによってその回動を阻止するためのものである。このレバー当接部38は、図5に示すように、略円柱形状を有し、その周縁部から斜め上方に向かってロック解除位置保持片42が突設されている。尚、レバー当接部38の形状は、円柱形状に限定されず適宜設計変更が可能である。また、フランジ部39は、レバーストッパ28を排出部内側ガイド24の側面24aに対して位置決めするためのものである。このフランジ部39は、図6に示すように、略円筒形状を有し、その内径はピン挿通孔35の径より若干大きく形成されている。また、回動範囲規制ピン40は、レバーストッパ28の回動範囲を所定範囲内に規制するためのものである。この回動範囲規制ピン40は、図6に示すように、略円柱形状を有し、その長さは、フランジ部39の高さ寸法に前記排出部内側ガイド24の側面24aの厚み寸法を加えた大きさより長く形成されている。
【0026】
このように構成されるレバーストッパ28は、図4に示すように、そのピン挿通孔35に対し裏面側から前記ストッパ用ピン31を挿通させ、且つ、その回動範囲規制ピン40を前記長孔32に挿通させることにより、排出部内側ガイド24の側面24aに取り付けられる。この時、レバーストッパ28は、フランジ部39の端面が排出部内側ガイド24の側面24aに当接することにより、フランジ部39の高さ分だけ排出部内側ガイド24の側面24aから浮いた状態で位置決めされるとともに、ぐらつきが防止されて排出部内側ガイド24への安定した取り付けが可能となる。更に、前述のように、回動範囲規制ピン40の長さは、フランジ部39の高さ寸法に排出部内側ガイド24の側面24aの厚み寸法を加えた大きさより長く設定されているので、レバーストッパ28が位置決めされた状態では、図7に示すように、回動範囲規制ピン40は長孔32を挿通されて排出部内側ガイド24の内部へ突出した状態となっている。このようにして、レバーストッパ28は、排出部内側ガイド24の側面24aに、ストッパ用ピン31を支点として回動可能に取り付けられ、その回動範囲は、回動範囲規制ピン40が前記長孔32の上端から下端の間を移動する範囲となっている。
【0027】
図8及び図9は、前記閉止抑止レバー27の構成を示す概略斜視図であり、図8は表側から見た図、図9は裏側から見た図である。閉止抑止レバー27は、樹脂等からなる長尺な部材であって、その裏側の基端部よりに突設されたピン挿通用突部43と、その上面を裏側へ延出させてなるストッパ当接リブ44と、その先端から略90°の角度をなして表側へ突出した検知用突片45とを備えるものである。ピン挿通用突部43は、排出部内側ガイド24に突設されたレバー用ピン29を挿通させるためのものであり、図9に示すように、略円筒形状を有している。また、ストッパ当接リブ44は、前記レバーストッパ28のレバー当接部38を当接させるためのものであり、ピン挿通用突部43の先端より若干手前位置まで延出されている。更に、検知用突片45は、後述する開閉検知センサで閉止抑止レバー27を検知するためのものである。
【0028】
このように構成される閉止抑止レバー27は、図4に示すように、レバーストッパ28を排出部内側ガイド24に取り付けた更にその外側から、ピン挿通用突部43に対し裏側からレバー用ピン29を挿通させることにより、排出部内側ガイド24の側面24aに取り付けられる。この時、閉止抑止レバー27は、ピン挿通用突部43の端面が排出部内側ガイド24の側面24aに当接することにより、ピン挿通用突部43の高さ分だけ排出部内側ガイド24の側面24aから浮いた状態で位置決めされるとともに、ぐらつきが防止されて排出部内側ガイド24への安定した取り付けが可能となる。そして、図4に示すように、閉止抑止レバー27の表側から、ピン挿通用突部43を通してレバー用ピン29のネジ孔30に固定ネジ46を螺合させる。この固定ネジ46の頭部には、ピン挿通用突部43の内径より大径の鍔部47が設けられている。これにより、閉止抑止レバー27は、排出部内側ガイド24の側面24aに、レバー用ピン29を支点として回動可能に且つレバー用ピン29から脱落不能に取り付けられ、その回動範囲は、図4及び図10に示すように、排出部内側ガイド24の壁面48に閉止抑止レバー27の先端部が当接する位置から、図11に示すように、レバーストッパ28を挿通されて突出したストッパ用ピン31に、閉止抑止レバー27のストッパ当接リブ44(図11には不図示)が当接する位置までの間となっている。更に、閉止抑止レバー27をレバー用ピン29から脱落不能に固定したことにより、その内側に位置するレバーストッパ28もストッパ用ピン31から脱落不能に固定される。
【0029】
以下、排出部外側ガイド23と上流部外側ガイド19の開閉動作に伴う、閉止抑止レバー27とレバーストッパ28の動作について、図10乃至図15を用いて説明する。まず、図10は、反転・排出ユニット14を構成する排出部外側ガイド23と、上流部外側ガイド19(不図示)が一体化されたジャムアクセスカバー20の双方が閉止された状態を示す図である。この状態では、図7に示すように、排出部外側ガイド23に突設された押圧片49が、排出部内側ガイド24の内部へ突出した回動範囲規制ピン40を押圧して長孔32の下端で保持しており、図14に示すように、レバーストッパ28はロック解除位置Kに位置している。これにより、閉止抑止レバー27は、レバーストッパ28に規制されることなく、レバー用ピン29を支点として自由に回動できる状態である。そして、閉止抑止レバー27は、図10に示すように、ジャムアクセスカバー20から水平方向に突設されたレバー押圧突起50によって押圧されることにより、その先端部が排出部内側ガイド24の壁面48に当接した位置で保持されている。また、この時、図14に示すように、閉止抑止レバー27のストッパ当接リブ44が、レバーストッパ28に突設されたロック解除位置保持片42に当接することによって、レバーストッパ28はロック解除位置Kでより確実に保持される。ここで、図10に示すように、反転・排出ユニット14近傍の装置本体22(不図示)には、閉止抑止レバー27を検知するための開閉検知センサ51が設けられている。この開閉検知センサ51は、いわゆる透過型の光学センサであって、閉止抑止レバー27を検知した場合に、図示しない制御部に対して検知信号を発するものである。図10に示す状態では、この開閉検知センサ51が閉止抑止レバー27の検知用突片45を検知し、検知信号を受けた制御部は、排出部外側ガイド23とジャムアクセスカバー20の双方が閉止されていると判断し、画像形成装置1を制御して画像形成動作を開始可能な運転状態とする。
【0030】
次に、図11は、図10に示す状態から、ジャムアクセスカバー20だけを開放した状態を示す図である。ジャムアクセスカバー20を開放すると、そのレバー押圧突起50が閉止抑止レバー27から離間し、閉止抑止レバー27はジャムアクセスカバー20の押圧力から解放される。ここで、前述のように、閉止抑止レバー27はレバーストッパ28に規制されることなく回動自在な状態であるため、押圧力から解放された閉止抑止レバー27は、自重により先端側を下げるようにすなわち図10の状態から時計廻りに回動し、図11及び図14に示すように、ストッパ当接リブ44がストッパ用ピン31に当接した位置で停止する。これにより、開閉検知センサ51は閉止抑止レバー27を検知せず、制御部は、少なくともジャムアクセスカバー20が開放されていると判断し、画像形成装置1を制御して画像形成動作を開始不能な停止状態とするとともに、図示しない操作部にその旨をユーザに報知するエラーメッセージを表示する。尚、前述のように、まずジャムアクセスカバー20を開放しなければ、排出部外側ガイド23を開放できない構造となっているため、ジャムアクセスカバー20が閉止されたまま、排出部外側ガイド23のみが開放されることはない。
【0031】
次に、図12は、図11に示す状態から、更に排出部外側ガイド23を開放した状態を示す図である。排出部外側ガイド23を開放すると、図7に示すように、押圧片49が回動範囲規制ピン40から離間し、レバーストッパ28は排出部外側ガイド23の押圧力から解放される。ここで、前述のように、レバーストッパ28は、ストッパ用ピン31を支点として回動自在に取り付けられているため、押圧力から解放されたレバーストッパ28は、自重により基端側を下げるようにすなわち図11の状態から反時計廻りに回動し、図15に示すように、回動範囲規制ピン40が長孔32の上端に達する位置すなわちロック位置Lで停止する。この時、レバーストッパ28のレバー当接部38が、閉止抑止レバー27のストッパ当接リブ44の回動範囲外から回動範囲内へと入り込む。これにより、閉止抑止レバー27は、そのストッパ当接リブ44の内側面にレバーストッパ28のレバー当接部38が当接する一方、外側面にストッパ用ピン31が当接し、回動不能なロック状態となる。この状態においても、開閉検知センサ51は閉止抑止レバー27を検知しないため、画像形成装置1は停止状態のままであり、操作部にはエラーメッセージが依然として表示されている。
【0032】
次に、図13は、図12に示す状態から、排出部外側ガイド23を開放したままジャムアクセスカバー20を閉止しようとした状態を示す図である。ジャムアクセスカバー20を閉止していくと、そのレバー押圧突起50が閉止抑止レバー27の基端部に当接し、反時計廻りに回動させる方向へ押圧力を加える。しかし、前述のように、閉止抑止レバー27は、レバーストッパ28による規制を受けて回動不能なロック状態にあるため、レバー押圧突起50から押圧力を受けても回動することがなく、従ってジャムアクセスカバー20をそれ以上閉止することはできない。この状態においても、開閉検知センサ51は閉止抑止レバー27を検知しないため、画像形成装置1は停止状態のままであり、操作部にはエラーメッセージが依然として表示されている。
【0033】
他方、図12に示す状態から、ジャムアクセスカバー20を開放したまま排出部外側ガイド23を閉止していくと、図7に示すように、排出部外側ガイド23に突設された押圧片49が、排出部内側ガイド24の内部へ突出した回動範囲規制ピン40を押圧して、長孔32の上端から下端へと移動させる。これにより、レバーストッパ28は、図15に示すロック位置Lから図14に示すロック解除位置Kへと反時計廻りに回動する。この時、レバーストッパ28のレバー当接部38が、閉止抑止レバー27のストッパ当接リブ44の回動範囲内から外れ、排出部外側ガイド23を完全に閉止することにより、図11に示す状態へと復帰する。これにより、閉止抑止レバー27は、反時計廻りに回動自在となり、ロック状態が解除される。この状態においても、開閉検知センサ51は閉止抑止レバー27を検知しないため、画像形成装置1は停止状態のままであり、操作部にはエラーメッセージが依然として表示されている。
【0034】
そして、排出部外側ガイド23を完全に閉止した後、ジャムアクセスカバー20を閉止していくと、そのレバー押圧突起50が閉止抑止レバー27の基端部に当接し、反時計廻りに回動させる方向への押圧力を加える。ここで、前述のように閉止抑止レバー27はロックが解除された状態にあるため、レバー押圧突起50からの押圧力を受けて反時計廻りに回動し、ジャムアクセスカバー20を完全に閉止することにより、図10に示す状態へと復帰する。これにより、開閉検知センサ51が閉止抑止レバー27を検知し、検知信号を受けた制御部は、排出部外側ガイド23と上流部外側ガイド19の双方が閉止されていると判断し、画像形成装置1を制御して画像形成動作を開始可能な運転状態とする。
【0035】
以上のように、本画像形成装置1では、排出部の外側面を形成する排出部外側ガイド23と、排出部より上流側の外側面を形成する上流部外側ガイド19とが、装置外部側へそれぞれ開閉可能に設けられた構成において、排出部外側ガイド23を閉止しなければ上流部外側ガイド19を閉止できない構造としたので、排出部外側ガイド23だけが開放された状態のままで画像形成動作が開始されることがなく、記録紙詰まりの発生を未然に防止することができる。また、上流部外側ガイド19の開閉を検知する開閉検知センサ51を1個設置するだけで、上流部外側ガイド19と排出部外側ガイド23の双方の開閉を検知することができるので、それぞれの開閉を検知するための開閉検知センサ51を別個独立に設置する場合と比較して、コストダウン及び装置の小型軽量化を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本画像形成装置は、主搬送路、反転搬送路、及び手差し搬送路の3つの搬送路を備えた構成としたが、これに限られず、例えば搬送路を主搬送路のみで構成することも可能である。また、本画像形成装置は、コピー・ファクシミリ複合機に限られず、例えば、複写機能のみを備えるコピー専用機や、ファクシミリ通信機能のみを備えるファクシミリ専用機として構成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施例に係る画像形成装置1の構成を示す概略縦断面図。
【図2】ジャムアクセスカバー20を開放した状態を示す概略縦断面図。
【図3】ジャムアクセスカバー20と排出部外側ガイド23の双方を開放した状態を示す概略縦断面図。
【図4】反転・排出ユニット14を装置背面側から見た状態を示す分解斜視図。
【図5】レバーストッパ28を表側から見た概略斜視図。
【図6】レバーストッパ28を裏側から見た概略斜視図。
【図7】排出部外側ガイド23を開放した状態の反転・排出ユニット14を内側から見た概略斜視図。
【図8】閉止抑止レバー27を表側から見た概略斜視図。
【図9】閉止抑止レバー27を裏側から見た概略斜視図。
【図10】排出部外側ガイド23とジャムアクセスカバー20の双方が閉止された状態を示す図。
【図11】図10の状態からジャムアクセスカバー20だけを開放した状態を示す図。
【図12】図11の状態から排出部外側ガイド23を開放した状態を示す図。
【図13】図12の状態から排出部外側ガイド23を開放したままジャムアクセスカバー20を閉止しようとした状態を示す図。
【図14】閉止抑止レバー27のロック解除状態を説明するための説明図。
【図15】閉止抑止レバー27のロック状態を説明するための説明図。
【図16】従来例に係る画像形成装置70の構成を示す概略縦断面図。
【符号の説明】
【0038】
1 画像形成装置
2 給紙カセット
4 排紙トレイ
19 上流部外側ガイド
23 排出部外側ガイド
24 排出部内側ガイド
27 閉止抑止レバー
28 レバーストッパ
50 レバー押圧突起
51 開閉検知センサ
K ロック解除位置
L ロック位置
Rs 主搬送路
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送路の排出部の外側面を形成する排出部外側ガイドと、排出部より上流側の外側面を形成する上流部外側ガイドとが、装置外部側へそれぞれ開閉可能に設けられた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、コピー機、ファクシミリ等には、原稿から読み取った画像データやファクシミリ受信した画像データに基づいて記録紙に文字や図形等の画像を形成する画像形成装置が搭載されている。図16は、従来例に係る画像形成装置70の構成を示す概略縦断面図である(特許文献1参照)。画像形成装置70では、帯電器71によって帯電された感光ドラム72の表面に、露光器73から画像情報に基づいた光像が露光されることで潜像が形成され、現像器74からトナーが供給されることで潜像がトナー像化される。一方、画像形成動作の開始に伴い、給紙カセット75にセットされた記録紙Pが搬送路76へと順次繰り込まれ、感光ドラム72に押圧されることで前記トナー像が記録紙Pに転写される。その後、記録紙Pは搬送路76を更に下流側へ搬送され、定着器77によって熱と圧力を印加されることにより、トナー像が記録紙Pに定着する。そして、この記録紙Pは、搬送路76の下流端に位置する排出口78から排出されて、排紙トレイ79上に積載される。
【0003】
この画像形成装置70は、搬送路76の内部で記録紙P詰まりが発生した場合に、搬送路76の内部を露呈させて詰まった記録紙Pを除去できるよう構成されている。すなわち、搬送路76は、一対のガイドが所定間隔で向かい合うことにより形成されているが、この一対のガイドのうち、搬送路76の外側面を形成する外側ガイドが、装置外側方向に開閉可能に設けられている。具体的には、図16に示すように、排出口78近傍において搬送路76の外側面を形成する排出部外側ガイド80が、ヒンジ81を支点として装置外部側へ開閉可能に設けられる一方、その上流側において搬送路の外側面を形成する上流部外側ガイド82もヒンジ83を支点として装置外部側へ開閉可能に設けられている。これにより、記録紙P詰まりの発生した位置に応じて、排出部外側ガイド80や上流部外側ガイド82を開放して搬送路76の内部を露呈させることが可能となっている。
【0004】
この画像形成装置70では、詰まった記録紙Pを搬送路76から除去した後、排出部外側ガイド80や上流部外側ガイド82が開放された状態のままで画像形成動作が開始されると、その箇所で記録紙詰まりが発生する。このような事態を回避する手段としては、排出部外側ガイド80や上流部外側ガイド82の開閉を検知するための開閉検知センサ(不図示)を設け、この開閉検知センサが排出部外側ガイド80や上流部外側ガイド82の閉止を検知するまでは画像形成動作を開始せず、図示しない操作部にエラーを表示して排出部外側ガイド80や上流部外側ガイド82を閉止するようユーザに報知する方法がある。しかし、排出部外側ガイド80と上流部外側ガイド82で開閉検知センサを個別に設置したのでは、コストアップにつながり、また装置の小型軽量化の観点からも好ましくない。
【0005】
従って、画像形成装置70では、排出部外側ガイド80と上流部外側ガイド82の双方が開放された場合に、閉止すべき順序を操作部に表示してユーザに認識させる一方、最後に閉止する方の外側ガイドだけについて、その開閉を検知する開閉検知センサを設けている。このような構成によれば、最後に閉止すべき外側ガイドの閉止を検知した時点で、排出部外側ガイド80と上流部外側ガイド82の双方が閉止されたものと判断して画像形成動作を開始することができるので、開閉検知センサの数を最小限に抑えることができる。
【0006】
【特許文献1】特開2006−301414号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来の画像形成装置70では、排出部外側ガイド80と上流部外側ガイド82を閉止する順序を操作部に表示するものの、その順序通りでなくても構造的には何ら規制なく排出部外側ガイド80と上流部外側ガイド82を閉止することが可能である。従って、例えば操作部の表示部を見落としたユーザが、表示された順序とは異なる順序で排出部外側ガイド80と上流部外側ガイド82を閉止しても、最後に閉止すべき方が閉止されていれば、他方が開放されたままであっても、双方が閉止されたものと判断されてしまう。これにより、画像形成動作が開始され、外側ガイドが開放された箇所で記録紙詰まりが発生するという問題がある。
【0008】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、搬送路の排出部の外側面を形成する排出部外側ガイドと、排出部より上流側の外側面を形成する上流部外側ガイドとが、装置外部側へそれぞれ開閉可能に設けられた画像形成装置において、排出部外側ガイドを閉止しなければ上流部外側ガイドを閉止不能とする手段を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための請求項1記載の画像形成装置は、給紙カセットから排紙トレイへ至る記録紙搬送路における排出部の外側面を形成する排出部外側ガイドと、前記記録紙搬送路における前記排出部より上流側の外側面を形成する上流部外側ガイドとが、装置外部側へそれぞれ開閉可能に設けられた画像形成装置において、前記排出部の内側面を形成する排出部内側ガイドに、前記上流部外側ガイドの閉止を抑止するための閉止抑止レバーが、その重心より基端側の位置を回動自在に軸支されるとともに、前記閉止抑止レバーの回動を規制するためのレバーストッパが、前記排出部外側ガイドの開放時に前記閉止抑止レバーの回動を禁止するロック位置に、前記排出部外側ガイドの閉止時に前記閉止抑止レバーの回動を許容するロック解除位置にそれぞれ位置するように設けられる一方、前記上流部外側ガイドに、その閉止動作に伴って前記閉止抑止レバーを押圧して回動させるレバー押圧突起が設けられたものである。
【0010】
請求項2記載の画像形成装置は、前記上流部外側ガイドの閉止時に前記閉止抑止レバーを検知する開閉検知センサを更に備えるものである。
【0011】
請求項3記載の画像形成装置は、前記レバーストッパは、その重心より先端側の位置を前記排出部内側ガイドによって回動自在に軸支され、前記上流部外側ガイドの閉止時に前記上流部外側ガイドに押圧されることで前記ロック解除位置で保持される一方、前記上流部外側ガイドの開放時に前記上流部外側ガイドの押圧力から解放されて自重により回動して前記ロック位置へと移動するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る画像形成装置によれば、排出部外側ガイドが閉止された状態では、レバーストッパがロック解除位置に位置するので、上流部外側ガイドを閉止することができるが、排出部外側ガイドが開放された状態では、レバーストッパがロック位置に位置するので、上流部外側ガイドを閉止することができない。このように、排出部外側ガイドが閉止状態でなければ上流部外側ガイドを閉止できない構造としたので、排出部外側ガイドだけが開放された状態のままで画像形成動作が開始されることがなく、記録紙詰まりの発生を未然に防止することができる。
【0013】
また、本発明に係る画像形成装置によれば、上流部外側ガイドの開閉を検知する開閉検知センサだけで、上流部外側ガイドと排出部外側ガイドの双方の開閉を検知することができるので、それぞれの開閉を検知するための開閉検知センサを別個独立に設置する場合と比較して、コストダウン及び装置の小型軽量化を図ることができる。
【0014】
また、本発明に係る画像形成装置によれば、レバーストッパは、上流部外側ガイドの押圧力から開放されると自重によってロック解除位置からロック位置へと移動するので、レバーストッパを駆動するための複雑な機構を設ける必要がなく、コストダウン及び装置の小型軽量化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施例に係る画像形成装置について図面に基づいて説明する。本画像形成装置は、原稿の複写機能、ファクシミリ通信機能、インターネットファクシミリ通信機能等を備えるコピー・ファクシミリ複合機である。図1は、本実施例に係る画像形成装置1の構成を示す概略縦断面図である。本画像形成装置1は、給紙カセット2から感光ドラム3を経て排紙トレイ4に至る主搬送路Rs、この主搬送路Rsの上流側分岐位置5と下流側分岐位置6とを連通する反転搬送路Rh、及び手差しトレイ7と上流側分岐位置5とを連通する手差し搬送路Rtの3つの搬送路を備えている。
【0016】
本画像形成装置1は、図1に示すように、記録紙Pを格納するための給紙カセット2と、主搬送路Rsに配置されて表面に感光層が形成された感光ドラム3と、該感光ドラム3の表面を帯電させる帯電ユニット8と、感光ドラム3の表面に光を照射する露光ユニット9と、感光ドラム3の表面にトナーを供給する現像ユニット10と、感光ドラム3に圧接された転写ローラ11と、感光ドラム3の表面を清掃する清掃ユニット12と、主搬送路Rsを搬送される記録紙Pを加熱・加圧する定着ユニット13と、主搬送路Rsの最下流部に配置され記録紙Pを反転搬送路Rhへ送り込み又は排紙トレイ4へ排出する反転・排出ユニット14と、反転搬送路Rhに適宜配置され記録紙Pを搬送する一対の搬送ローラ15と、記録紙Pを手差しで供給する場合にセットするための手差しトレイ7と、を具備してなるものである。
【0017】
このように構成される画像形成装置1で片面印字を行う場合、画像形成動作が開始されると、感光ドラム3の表面が帯電ユニット8によって一様に帯電され、露光ユニット9から光が照射されることで感光ドラム3の表面に静電潜像が形成され、この静電潜像に対して現像ユニット10からトナーが供給されることでトナー像が形成される。一方、画像形成動作の開始に伴い、給紙カセット2に格納された記録紙Pがピックアップローラ16によって取り出されて主搬送路Rsへ繰り込まれる。この記録紙Pは、主搬送路Rsを下流側へ搬送され、転写ローラ11によって感光ドラム3に押圧されることにより、感光ドラム3上のトナー像が転写される。更に、記録紙Pは主搬送路Rsを下流側へ搬送され、定着ユニット13によって加熱・加圧されることにより、トナー像が記録紙Pに定着する。その後、記録紙Pは、反転・排出ユニット14に設けられた一対の排出ローラ17によって排紙トレイ4へと排出される。一方、トナー像転写後の感光ドラム3は、その表面に残留したトナーや紙粉等が清掃ユニット12によって除去された後、再び帯電ユニット8によってその表面が帯電される。
【0018】
一方、両面印字を行う場合、まず、前述のようにして片面印字が実行され、片面印字が完了した記録紙Pは、下流側分岐位置6を越えて主搬送路Rsを下流側へ搬送される。そして、この記録紙Pが排出ローラ17に到達すると、排出ローラ17が記録紙Pをニップした状態で回転を停止し、下流側分岐位置6に設けられた分岐爪18が反転搬送路Rhを開放する状態へと切り替えられた後、排出ローラ17が逆回転を開始することにより、記録紙Pはスイッチバックして反転搬送路Rhへ送り込まれる。反転搬送路Rhへ送り込まれた記録紙Pは、印字済みの第1面を装置内側に向けた状態で、搬送ローラ15によって上流側分岐位置5に向かって搬送される。そして、この記録紙Pは、上流側分岐位置5を経て、第2面を感光ドラム3に向けた状態で主搬送路Rsへ再供給される。その後、記録紙Pは、第1面印字時と同様にして第2面の印字が行われ、反転・排出ユニット14によって排紙トレイ4へと排出される。
【0019】
ところで、この画像形成装置1では、各搬送路Rs,Rh,Rtで記録紙詰まりが発生した場合に、その内部を露呈させて詰まった記録紙Pを除去できるよう構成されている。具体的には、図1に示すように、主搬送路Rsの上流部では、その外側面を形成する上流部外側ガイド19は、反転搬送路Rhの下流部の外側面を形成するジャムアクセスカバー20と一体化され、このジャムアクセスカバー20は、その下端部の支軸ピン21を支点として装置本体22に対して回動可能に設けられている。これにより、主搬送路Rsの上流部や反転搬送路Rhの下流部で記録紙詰まりが発生した場合には、図2に示すように、ジャムアクセスカバー20を回動させて装置外部側へ開放することにより、主搬送路Rsや反転搬送路Rhの内部を露呈させることが可能となっている。
【0020】
更に、主搬送路Rsの最下流部である排出部に設けられた反転・排出ユニット14は、図1に示すように、主搬送路Rsの下流部の外側面を形成する排出部外側ガイド23と、下流部の内側面を形成する排出部内側ガイド24とを備え、排出部内側ガイド24が装置本体22に固定される一方、排出部外側ガイド23は、排出ローラ17の近傍に設けられた支軸ピン25を支点として、排出部内側ガイド24に対して回動可能に設けられている。また、図1に示すように排出部外側ガイド23とジャムアクセスカバー20の双方を閉止した状態では、ジャムアクセスカバー20の頂部から水平方向に突出した押さえ込み片(不図示)が、排出部外側ガイド23の上面に当接して開放不能に押さえ込むものとなっており、ジャムアクセスカバー20を開放してからでないと排出部外側ガイド23を開放できない構造となっている。従って、主搬送路Rsの下流部や反転搬送路Rhの上流部で記録紙詰まりが発生した場合には、図3に示すように、まずジャムアクセスカバー20を回動させて装置外部側へ開放した後、排出部外側ガイド23を回動させて装置外部側へ開放することにより、主搬送路Rsや反転搬送路Rhの内部を露呈させることが可能となっている。
【0021】
図4は、反転・排出ユニット14を装置背面側から、すなわち図1において紙面裏側から見た状態を示す分解斜視図である。前述のように、反転・排出ユニット14は、主搬送路Rsの内側面を形成する排出部内側ガイド24と、外側面を形成する排出部外側ガイド23とを備え、両者の間に排紙口26が形成されている。ここで、排出部内側ガイド24の側面24aには、上流部外側ガイド19と一体化されたジャムアクセスカバー20の閉止を抑止するための閉止抑止レバー27と、該閉止抑止レバー27の動作を規制するためのレバーストッパ28とがそれぞれ取り付けられている。
【0022】
排出部内側ガイド24の側面24aには、図4に示すように、閉止抑止レバー27の回動支軸とするためのレバー用ピン29が突設され、その先端部にはネジ孔30が穿設されている。また、レバー用ピン29の斜め下方には、レバーストッパ28の回動支軸とするためのストッパ用ピン31が突設されるとともに、該ストッパ用ピン31に隣接して、レバーストッパ28の回動範囲を規制するための長孔32が略円弧状に形成されている。
【0023】
図5及び図6は、レバーストッパ28の構成を示す概略斜視図であり、図5は表側から見た図、図6は裏側から見た図である。レバーストッパ28は、樹脂等からなるストッパ本体33に、錘ネジ34が螺合されてなるものである。ストッパ本体33は、基端側から先端側に向かって徐々に幅狭となるように形成された平板部材であって中央部にピン挿通孔35が形成された基部36と、該基部36の表面であってピン挿通孔35より基端側に突設された偏心用錘部37と、基部36の表面であってピン挿通孔35より先端側に突設されたレバー当接部38と、基部36の裏面であってピン挿通孔35と連通するように突設されたフランジ部39と、基部36の裏面であってピン挿通孔35より先端側に突設された回動範囲規制ピン40とが一体成型されたものである。
【0024】
偏心用錘部37は、レバーストッパ28の重心位置を、その回動中心であるピン挿通孔35の位置から基端側にずらすための錘としての役割を果たすものである。この偏心用錘部37には、図5に示すように、そのピン挿通孔35側に、前記ストッパ用ピン31との干渉を回避するための切欠き41が形成されている。また、ストッパ本体33に螺合される前記錘ネジ34は、偏心用錘部37と相俟って、レバーストッパ28の重心位置をより確実に基端側にずらすためのものである。この錘ネジ34は、図6に示すように、基部36の裏面であってピン挿通孔35より基端側の位置からねじ込まれ、その裏側に位置する偏心用錘部37にまで達している。尚、偏心用錘部37だけでレバーストッパ28の重心位置を十分に基端側にずらすことができる場合には、必ずしも錘ネジ34を設ける必要はない。
【0025】
レバー当接部38は、閉止抑止レバー27に当接することによってその回動を阻止するためのものである。このレバー当接部38は、図5に示すように、略円柱形状を有し、その周縁部から斜め上方に向かってロック解除位置保持片42が突設されている。尚、レバー当接部38の形状は、円柱形状に限定されず適宜設計変更が可能である。また、フランジ部39は、レバーストッパ28を排出部内側ガイド24の側面24aに対して位置決めするためのものである。このフランジ部39は、図6に示すように、略円筒形状を有し、その内径はピン挿通孔35の径より若干大きく形成されている。また、回動範囲規制ピン40は、レバーストッパ28の回動範囲を所定範囲内に規制するためのものである。この回動範囲規制ピン40は、図6に示すように、略円柱形状を有し、その長さは、フランジ部39の高さ寸法に前記排出部内側ガイド24の側面24aの厚み寸法を加えた大きさより長く形成されている。
【0026】
このように構成されるレバーストッパ28は、図4に示すように、そのピン挿通孔35に対し裏面側から前記ストッパ用ピン31を挿通させ、且つ、その回動範囲規制ピン40を前記長孔32に挿通させることにより、排出部内側ガイド24の側面24aに取り付けられる。この時、レバーストッパ28は、フランジ部39の端面が排出部内側ガイド24の側面24aに当接することにより、フランジ部39の高さ分だけ排出部内側ガイド24の側面24aから浮いた状態で位置決めされるとともに、ぐらつきが防止されて排出部内側ガイド24への安定した取り付けが可能となる。更に、前述のように、回動範囲規制ピン40の長さは、フランジ部39の高さ寸法に排出部内側ガイド24の側面24aの厚み寸法を加えた大きさより長く設定されているので、レバーストッパ28が位置決めされた状態では、図7に示すように、回動範囲規制ピン40は長孔32を挿通されて排出部内側ガイド24の内部へ突出した状態となっている。このようにして、レバーストッパ28は、排出部内側ガイド24の側面24aに、ストッパ用ピン31を支点として回動可能に取り付けられ、その回動範囲は、回動範囲規制ピン40が前記長孔32の上端から下端の間を移動する範囲となっている。
【0027】
図8及び図9は、前記閉止抑止レバー27の構成を示す概略斜視図であり、図8は表側から見た図、図9は裏側から見た図である。閉止抑止レバー27は、樹脂等からなる長尺な部材であって、その裏側の基端部よりに突設されたピン挿通用突部43と、その上面を裏側へ延出させてなるストッパ当接リブ44と、その先端から略90°の角度をなして表側へ突出した検知用突片45とを備えるものである。ピン挿通用突部43は、排出部内側ガイド24に突設されたレバー用ピン29を挿通させるためのものであり、図9に示すように、略円筒形状を有している。また、ストッパ当接リブ44は、前記レバーストッパ28のレバー当接部38を当接させるためのものであり、ピン挿通用突部43の先端より若干手前位置まで延出されている。更に、検知用突片45は、後述する開閉検知センサで閉止抑止レバー27を検知するためのものである。
【0028】
このように構成される閉止抑止レバー27は、図4に示すように、レバーストッパ28を排出部内側ガイド24に取り付けた更にその外側から、ピン挿通用突部43に対し裏側からレバー用ピン29を挿通させることにより、排出部内側ガイド24の側面24aに取り付けられる。この時、閉止抑止レバー27は、ピン挿通用突部43の端面が排出部内側ガイド24の側面24aに当接することにより、ピン挿通用突部43の高さ分だけ排出部内側ガイド24の側面24aから浮いた状態で位置決めされるとともに、ぐらつきが防止されて排出部内側ガイド24への安定した取り付けが可能となる。そして、図4に示すように、閉止抑止レバー27の表側から、ピン挿通用突部43を通してレバー用ピン29のネジ孔30に固定ネジ46を螺合させる。この固定ネジ46の頭部には、ピン挿通用突部43の内径より大径の鍔部47が設けられている。これにより、閉止抑止レバー27は、排出部内側ガイド24の側面24aに、レバー用ピン29を支点として回動可能に且つレバー用ピン29から脱落不能に取り付けられ、その回動範囲は、図4及び図10に示すように、排出部内側ガイド24の壁面48に閉止抑止レバー27の先端部が当接する位置から、図11に示すように、レバーストッパ28を挿通されて突出したストッパ用ピン31に、閉止抑止レバー27のストッパ当接リブ44(図11には不図示)が当接する位置までの間となっている。更に、閉止抑止レバー27をレバー用ピン29から脱落不能に固定したことにより、その内側に位置するレバーストッパ28もストッパ用ピン31から脱落不能に固定される。
【0029】
以下、排出部外側ガイド23と上流部外側ガイド19の開閉動作に伴う、閉止抑止レバー27とレバーストッパ28の動作について、図10乃至図15を用いて説明する。まず、図10は、反転・排出ユニット14を構成する排出部外側ガイド23と、上流部外側ガイド19(不図示)が一体化されたジャムアクセスカバー20の双方が閉止された状態を示す図である。この状態では、図7に示すように、排出部外側ガイド23に突設された押圧片49が、排出部内側ガイド24の内部へ突出した回動範囲規制ピン40を押圧して長孔32の下端で保持しており、図14に示すように、レバーストッパ28はロック解除位置Kに位置している。これにより、閉止抑止レバー27は、レバーストッパ28に規制されることなく、レバー用ピン29を支点として自由に回動できる状態である。そして、閉止抑止レバー27は、図10に示すように、ジャムアクセスカバー20から水平方向に突設されたレバー押圧突起50によって押圧されることにより、その先端部が排出部内側ガイド24の壁面48に当接した位置で保持されている。また、この時、図14に示すように、閉止抑止レバー27のストッパ当接リブ44が、レバーストッパ28に突設されたロック解除位置保持片42に当接することによって、レバーストッパ28はロック解除位置Kでより確実に保持される。ここで、図10に示すように、反転・排出ユニット14近傍の装置本体22(不図示)には、閉止抑止レバー27を検知するための開閉検知センサ51が設けられている。この開閉検知センサ51は、いわゆる透過型の光学センサであって、閉止抑止レバー27を検知した場合に、図示しない制御部に対して検知信号を発するものである。図10に示す状態では、この開閉検知センサ51が閉止抑止レバー27の検知用突片45を検知し、検知信号を受けた制御部は、排出部外側ガイド23とジャムアクセスカバー20の双方が閉止されていると判断し、画像形成装置1を制御して画像形成動作を開始可能な運転状態とする。
【0030】
次に、図11は、図10に示す状態から、ジャムアクセスカバー20だけを開放した状態を示す図である。ジャムアクセスカバー20を開放すると、そのレバー押圧突起50が閉止抑止レバー27から離間し、閉止抑止レバー27はジャムアクセスカバー20の押圧力から解放される。ここで、前述のように、閉止抑止レバー27はレバーストッパ28に規制されることなく回動自在な状態であるため、押圧力から解放された閉止抑止レバー27は、自重により先端側を下げるようにすなわち図10の状態から時計廻りに回動し、図11及び図14に示すように、ストッパ当接リブ44がストッパ用ピン31に当接した位置で停止する。これにより、開閉検知センサ51は閉止抑止レバー27を検知せず、制御部は、少なくともジャムアクセスカバー20が開放されていると判断し、画像形成装置1を制御して画像形成動作を開始不能な停止状態とするとともに、図示しない操作部にその旨をユーザに報知するエラーメッセージを表示する。尚、前述のように、まずジャムアクセスカバー20を開放しなければ、排出部外側ガイド23を開放できない構造となっているため、ジャムアクセスカバー20が閉止されたまま、排出部外側ガイド23のみが開放されることはない。
【0031】
次に、図12は、図11に示す状態から、更に排出部外側ガイド23を開放した状態を示す図である。排出部外側ガイド23を開放すると、図7に示すように、押圧片49が回動範囲規制ピン40から離間し、レバーストッパ28は排出部外側ガイド23の押圧力から解放される。ここで、前述のように、レバーストッパ28は、ストッパ用ピン31を支点として回動自在に取り付けられているため、押圧力から解放されたレバーストッパ28は、自重により基端側を下げるようにすなわち図11の状態から反時計廻りに回動し、図15に示すように、回動範囲規制ピン40が長孔32の上端に達する位置すなわちロック位置Lで停止する。この時、レバーストッパ28のレバー当接部38が、閉止抑止レバー27のストッパ当接リブ44の回動範囲外から回動範囲内へと入り込む。これにより、閉止抑止レバー27は、そのストッパ当接リブ44の内側面にレバーストッパ28のレバー当接部38が当接する一方、外側面にストッパ用ピン31が当接し、回動不能なロック状態となる。この状態においても、開閉検知センサ51は閉止抑止レバー27を検知しないため、画像形成装置1は停止状態のままであり、操作部にはエラーメッセージが依然として表示されている。
【0032】
次に、図13は、図12に示す状態から、排出部外側ガイド23を開放したままジャムアクセスカバー20を閉止しようとした状態を示す図である。ジャムアクセスカバー20を閉止していくと、そのレバー押圧突起50が閉止抑止レバー27の基端部に当接し、反時計廻りに回動させる方向へ押圧力を加える。しかし、前述のように、閉止抑止レバー27は、レバーストッパ28による規制を受けて回動不能なロック状態にあるため、レバー押圧突起50から押圧力を受けても回動することがなく、従ってジャムアクセスカバー20をそれ以上閉止することはできない。この状態においても、開閉検知センサ51は閉止抑止レバー27を検知しないため、画像形成装置1は停止状態のままであり、操作部にはエラーメッセージが依然として表示されている。
【0033】
他方、図12に示す状態から、ジャムアクセスカバー20を開放したまま排出部外側ガイド23を閉止していくと、図7に示すように、排出部外側ガイド23に突設された押圧片49が、排出部内側ガイド24の内部へ突出した回動範囲規制ピン40を押圧して、長孔32の上端から下端へと移動させる。これにより、レバーストッパ28は、図15に示すロック位置Lから図14に示すロック解除位置Kへと反時計廻りに回動する。この時、レバーストッパ28のレバー当接部38が、閉止抑止レバー27のストッパ当接リブ44の回動範囲内から外れ、排出部外側ガイド23を完全に閉止することにより、図11に示す状態へと復帰する。これにより、閉止抑止レバー27は、反時計廻りに回動自在となり、ロック状態が解除される。この状態においても、開閉検知センサ51は閉止抑止レバー27を検知しないため、画像形成装置1は停止状態のままであり、操作部にはエラーメッセージが依然として表示されている。
【0034】
そして、排出部外側ガイド23を完全に閉止した後、ジャムアクセスカバー20を閉止していくと、そのレバー押圧突起50が閉止抑止レバー27の基端部に当接し、反時計廻りに回動させる方向への押圧力を加える。ここで、前述のように閉止抑止レバー27はロックが解除された状態にあるため、レバー押圧突起50からの押圧力を受けて反時計廻りに回動し、ジャムアクセスカバー20を完全に閉止することにより、図10に示す状態へと復帰する。これにより、開閉検知センサ51が閉止抑止レバー27を検知し、検知信号を受けた制御部は、排出部外側ガイド23と上流部外側ガイド19の双方が閉止されていると判断し、画像形成装置1を制御して画像形成動作を開始可能な運転状態とする。
【0035】
以上のように、本画像形成装置1では、排出部の外側面を形成する排出部外側ガイド23と、排出部より上流側の外側面を形成する上流部外側ガイド19とが、装置外部側へそれぞれ開閉可能に設けられた構成において、排出部外側ガイド23を閉止しなければ上流部外側ガイド19を閉止できない構造としたので、排出部外側ガイド23だけが開放された状態のままで画像形成動作が開始されることがなく、記録紙詰まりの発生を未然に防止することができる。また、上流部外側ガイド19の開閉を検知する開閉検知センサ51を1個設置するだけで、上流部外側ガイド19と排出部外側ガイド23の双方の開閉を検知することができるので、それぞれの開閉を検知するための開閉検知センサ51を別個独立に設置する場合と比較して、コストダウン及び装置の小型軽量化を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本画像形成装置は、主搬送路、反転搬送路、及び手差し搬送路の3つの搬送路を備えた構成としたが、これに限られず、例えば搬送路を主搬送路のみで構成することも可能である。また、本画像形成装置は、コピー・ファクシミリ複合機に限られず、例えば、複写機能のみを備えるコピー専用機や、ファクシミリ通信機能のみを備えるファクシミリ専用機として構成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施例に係る画像形成装置1の構成を示す概略縦断面図。
【図2】ジャムアクセスカバー20を開放した状態を示す概略縦断面図。
【図3】ジャムアクセスカバー20と排出部外側ガイド23の双方を開放した状態を示す概略縦断面図。
【図4】反転・排出ユニット14を装置背面側から見た状態を示す分解斜視図。
【図5】レバーストッパ28を表側から見た概略斜視図。
【図6】レバーストッパ28を裏側から見た概略斜視図。
【図7】排出部外側ガイド23を開放した状態の反転・排出ユニット14を内側から見た概略斜視図。
【図8】閉止抑止レバー27を表側から見た概略斜視図。
【図9】閉止抑止レバー27を裏側から見た概略斜視図。
【図10】排出部外側ガイド23とジャムアクセスカバー20の双方が閉止された状態を示す図。
【図11】図10の状態からジャムアクセスカバー20だけを開放した状態を示す図。
【図12】図11の状態から排出部外側ガイド23を開放した状態を示す図。
【図13】図12の状態から排出部外側ガイド23を開放したままジャムアクセスカバー20を閉止しようとした状態を示す図。
【図14】閉止抑止レバー27のロック解除状態を説明するための説明図。
【図15】閉止抑止レバー27のロック状態を説明するための説明図。
【図16】従来例に係る画像形成装置70の構成を示す概略縦断面図。
【符号の説明】
【0038】
1 画像形成装置
2 給紙カセット
4 排紙トレイ
19 上流部外側ガイド
23 排出部外側ガイド
24 排出部内側ガイド
27 閉止抑止レバー
28 レバーストッパ
50 レバー押圧突起
51 開閉検知センサ
K ロック解除位置
L ロック位置
Rs 主搬送路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給紙カセットから排紙トレイへ至る記録紙搬送路における排出部の外側面を形成する排出部外側ガイドと、前記記録紙搬送路における前記排出部より上流側の外側面を形成する上流部外側ガイドとが、装置外部側へそれぞれ開閉可能に設けられた画像形成装置において、
前記排出部の内側面を形成する排出部内側ガイドに、前記上流部外側ガイドの閉止を抑止するための閉止抑止レバーが、その重心より基端側の位置を回動自在に軸支されるとともに、前記閉止抑止レバーの回動を規制するためのレバーストッパが、前記排出部外側ガイドの開放時に前記閉止抑止レバーの回動を禁止するロック位置に、前記排出部外側ガイドの閉止時に前記閉止抑止レバーの回動を許容するロック解除位置にそれぞれ位置するように設けられる一方、
前記上流部外側ガイドに、その閉止動作に伴って前記閉止抑止レバーを押圧して回動させるレバー押圧突起が設けられたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記上流部外側ガイドの閉止時に前記閉止抑止レバーを検知する開閉検知センサを更に備えることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記レバーストッパは、その重心より先端側の位置を前記排出部内側ガイドによって回動自在に軸支され、前記上流部外側ガイドの閉止時に前記上流部外側ガイドに押圧されることで前記ロック解除位置で保持される一方、前記上流部外側ガイドの開放時に前記上流部外側ガイドの押圧力から解放されて自重により回動して前記ロック位置へと移動することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項1】
給紙カセットから排紙トレイへ至る記録紙搬送路における排出部の外側面を形成する排出部外側ガイドと、前記記録紙搬送路における前記排出部より上流側の外側面を形成する上流部外側ガイドとが、装置外部側へそれぞれ開閉可能に設けられた画像形成装置において、
前記排出部の内側面を形成する排出部内側ガイドに、前記上流部外側ガイドの閉止を抑止するための閉止抑止レバーが、その重心より基端側の位置を回動自在に軸支されるとともに、前記閉止抑止レバーの回動を規制するためのレバーストッパが、前記排出部外側ガイドの開放時に前記閉止抑止レバーの回動を禁止するロック位置に、前記排出部外側ガイドの閉止時に前記閉止抑止レバーの回動を許容するロック解除位置にそれぞれ位置するように設けられる一方、
前記上流部外側ガイドに、その閉止動作に伴って前記閉止抑止レバーを押圧して回動させるレバー押圧突起が設けられたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記上流部外側ガイドの閉止時に前記閉止抑止レバーを検知する開閉検知センサを更に備えることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記レバーストッパは、その重心より先端側の位置を前記排出部内側ガイドによって回動自在に軸支され、前記上流部外側ガイドの閉止時に前記上流部外側ガイドに押圧されることで前記ロック解除位置で保持される一方、前記上流部外側ガイドの開放時に前記上流部外側ガイドの押圧力から解放されて自重により回動して前記ロック位置へと移動することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2008−162771(P2008−162771A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−355285(P2006−355285)
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]