説明

画像形成装置

【課題】ドライブユニット内でのギヤの位置決めとドライブユニットの装置本体に対する位置決めを容易且つ高精度に行うことができる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】用紙を搬送する複数のローラに動力を伝達するギヤ列を備えたドライブユニット25を本体に着脱可能に取り付けて成る画像形成装置において、前記ドライブユニット25を本体側ユニット25Aと反本体側ユニット25Bに2分割し、反本体側ユニット25Bに突設された位置決めボス26を本体側ユニット25Aに形成された位置決め孔27に嵌合させて両ユニット25A,25Bを位置決めして接合することによってドライブユニット25を組み付けるとともに、該ドライブユニット25の本体側ユニット25Aに形成された前記位置決め孔27に、前記本体に突設された位置決め突起を嵌合させることによって、ドライブユニット25を本体に位置決め固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙を搬送する複数のローラに動力を伝達するギヤ列を備えたドライブユニットを本体に着脱可能に取り付けて成る画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を採用する複写機やプリンタ等の画像形成装置においては、用紙等の記録材は複数の搬送ローラによって本体内の搬送経路に沿って搬送され、その過程で画像が形成されるが、複数の搬送ローラは、駆動源である電動モータからギヤ列を経て伝達される動力によって回転駆動される。
【0003】
ところで、搬送ローラに動力を伝達するギヤ列をまとめてドライブユニットとしてユニット化し、このドライブユニットを本体の側部に着脱可能に取り付ける構成を採用した画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−133744号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記構成を採用する画像形成装置においては、ドライブユニット内での複数のギヤの位置決めが容易でなく、又、ドライブユニットの装置本体に対する位置決めを正確に行うことも容易ではなかった。
【0005】
従って、本発明の第1の目的は、ドライブユニット内でのギヤの位置決めとドライブユニットの装置本体に対する位置決めを容易且つ高精度に行うことができる画像形成装置を提供することにある。
【0006】
又、従来のドライブユニットにおいては、ギヤを回転可能に支持するピンを金属切削ピンとし、これを金属プレートにかしめる方式が採用されていたため、組立工数が増大してコストアップを招く他、ピンの位置決めも容易ではないという問題があった。
【0007】
従って、本発明の第2の目的は、ドライブユニットのギヤを支持するギヤ軸を高精度に位置決めして低コストで簡単に取り付けることができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、用紙を搬送する複数のローラに動力を伝達するギヤ列を備えたドライブユニットを本体に着脱可能に取り付けて成る画像形成装置において、前記ドライブユニットを本体側ユニットと反本体側ユニットに2分割し、反本体側ユニットに突設された位置決めボスを本体側ユニットに形成された位置決め孔に嵌合させて両ユニットを位置決めして接合することによってドライブユニットを組み付けるとともに、該ドライブユニットの本体側ユニットに形成された前記位置決め孔に、前記本体に突設された位置決め突起を嵌合させることによって、ドライブユニットを本体に位置決め固定することを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記本体側ユニットに形成された樹脂ホルダの嵌合孔にギヤ軸の一端を凹凸嵌合によって固定し、該ギヤ軸に挿通されたギヤの端面から本体側に突出するギヤ軸の他端を本体に形成された嵌合孔に嵌合させることによって、ギヤ軸を両持ち支持することを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記樹脂ホルダの嵌合孔の内周に突設された凸部を前記ギヤ軸の一端外周に形成された凹溝に嵌合させることによって、該ギヤ軸の一端を樹脂ホルダに固定することを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項2又は3記載の発明において、前記ギヤのボス部の一端内周に突設された凸部を前記ギヤ軸の他端外周に形成された凹溝に嵌合させることによって、ギヤ軸に挿通されたギヤを仮止めすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によれば、ドライブユニットを本体側ユニットと反本体側ユニットに2分割し、反本体側ユニットに突設された位置決め突起を本体側ユニットに形成された位置決め孔に嵌合させて両ユニットを位置決めするようにしたため、両ユニットに支持された複数のギヤの位置決めが容易且つ高精度に行われる。又、ドライブユニットの本体側ユニットに形成された位置決め孔に、本体に突設された位置決め突起を嵌合させるようにしたため、ドライブユニットの装置本体に対する位置決めを容易且つ高精度に行うことができる。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、樹脂ホルダの嵌合孔にギヤ軸の一端を凹凸嵌合によって該ギヤ軸をドライブユニットの本体側ユニットに固定するようにしたため、ドライブユニットのギヤを支持するギヤ軸を高精度に位置決めして低コストで簡単に取り付けることができる。又、ギヤ軸に挿通されたギヤの端面から本体側に突出するギヤ軸の他端を本体に形成された嵌合孔に嵌合させるようにしたため、ギヤ軸を両持ちで確実に支持することができるとともに、該ギヤ軸に支持されたギヤを本体に対して高精度に位置決めすることができる。特に、ドライブユニットの本体側ユニットに形成された位置決め孔に本体側の位置決め突起を嵌合させるようにしたため、ドライブユニットの本体側ユニットに支持されたギヤの本体に対する位置決めが正確に行われる。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、樹脂ホルダの嵌合孔の内周に突設された凸部をギヤ軸の一端外周に形成された凹溝に嵌合させることによって、該ギヤ軸の一端を樹脂ホルダにワンタッチで簡単に固定することができる。
【0015】
請求項4記載の発明によれば、ギヤのボス部の一端内周に突設された凸部をギヤ軸の他端外周に形成された凹溝に嵌合させることによって、ギヤ軸に挿通されたギヤを仮止めするようにしたため、ドライブユニットの本体への組み込み時にギヤがギヤ軸から脱落することがなく、ドライブユニットの本体への組付性が高められる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は本発明に係るカラー画像形成装置の正断面図であり、図示の画像形成装置はタンデム型のカラー画像形成装置であって、その本体100内の中央部には、マゼンタ画像形成ユニット1M、シアン画像形成ユニット1C、イエロー画像形成ユニット1Y及びブラック画像形成ユニット1BKが一定の間隔で一列に配置されている。
【0018】
上記各画像形成ユニット1M,1C,1Y,1BKには、像担持体としての感光ドラム2a,2b,2c,2dがそれぞれ配置されており、各感光ドラム2a〜2dの周囲には、一次帯電器3a,3b,3c,3d、現像器4a,4b,4c,4d、一次帯電手段としての転写ローラ5a,5b,5c,5d、クリーニング装置6a,6b,6c,6dがそれぞれ配置されている。
【0019】
ここで、前記感光トラム2a〜2dは、ドラム状の感光体であって、不図示の駆動装置によって図示矢印方向(時計方向)に所定のプロセススピードで回転駆動される。又、前記一次帯電器3a〜3dは、不図示の帯電バイアス電源から印加される帯電バイアスによって感光ドラム2a〜2dの表面を所定の電位に均一に帯電させるものである。
【0020】
更に、前記現像器4a〜4dは、マゼンタ(M)トナー、シアン(C)トナー、イエロー(Y)トナー、ブラック(BK)トナーをそれぞれ内蔵しており、各感光ドラム2a〜2d上に形成された各静電潜像に各色のトナーを付着させて各静電潜像を各色のトナー像として可視像化するものである。
【0021】
又、一次転写手段としての前記転写ローラ5a〜5dは、各一次転写部にて中間転写ベルト7を介して各感光ドラム2a〜2dに当接可能に配置されている。ここで、中間転写ベルト7は、二次転写対向ローラ8とテンションローラ9との間に張設されて各感光ドラム2a〜2dの上面側に走行可能に配置されており、前記二次転写対向ローラ8は、二次転写部において中間転写ベルト7を介して二次転写ローラ10に当接可能に配置されている。又、テンションローラ9の近傍にはベルトクリーニング装置11が設けられている。尚、中間転写ベルト7の材質としては、例えばポリカーボネイト、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の誘電体樹脂が選定される。
【0022】
ところで、装置本体100内の各画像形成ユニット1M,1C,1Y,1BKの上方には、前記各現像器4a〜4dにトナーを補給するためのトナーコンテナ12a,12b,12c,12dが一列に並設されている。
【0023】
又、装置本体100内の各画像形成ユニット1M,1C,1Y,1BKの下方にはレーザースキャナユニット(LSU)13が配置され、その下方の本体100の底部には給紙カセット14が着脱可能に設置されている。そして、給紙カセット14には複数枚の不図示の用紙が積層収容されており、この給紙カセット14の近傍には、給紙カセット14から用紙を1枚ずつ取り出すピックアップローラ15と、取り出された用紙を搬送パスLへと送り出すフィードローラ16とリタードローラ17が設けられている。
【0024】
又、装置本体100の側部を上下方向に延びる前記搬送パスLには、用紙を搬送する搬送ローラ18と、用紙を一時待機させて後に所定のタイミングで前記二次転写対向ローラ8と二次転写ローラ10との当接部である二次転写部へと供給するレジストローラ19が設けられている。尚、搬送パスLの横には、用紙の両面に画像を形成する場合に使用される別の搬送パスL’が形成されており、この搬送パスL’には複数の搬送ローラ20が適当な間隔で設けられている。
【0025】
ところで、装置本体100内の一側部に縦方向に配置された前記搬送パスLは、装置本体100の上面に設けられた排紙トレイ21まで延びており、その途中には定着装置22及び複数の排紙ローラ23,24が設けられている。
【0026】
次に、以上の構成を有するカラー画像形成装置による画像形成動作について説明する。
【0027】
画像形成開始信号が発せられると、各画像形成ユニット1M,1C,1Y,1BKにおいて各感光ドラム2a〜2dが図1の矢印方向(時計方向)に所定のプロセススピードで回転駆動され、これらの感光ドラム2a〜2dは、一次帯電器3a〜3dによって一様に帯電される。又、レーザースキャナユニット13は、各色毎のカラー画像信号によって変調されたレーザ光を出射し、そのレーザ光を各感光ドラム2a〜2dの表面に照射し、各感光ドラム2a〜2d上に各色のカラー画像信号に対応した静電潜像をそれぞれ形成する。
【0028】
そして、先ず、マゼンタ画像形成ユニット1Mの感光ドラム2a上に形成された静電潜像に、該感光ドラム2aの帯電極性と同極性の現像バイアスが印加された現像器4aによってマゼンタトナーを付着させ、該静電潜像をマゼンタトナー像として可視像化する。このマゼンタトナー像は、感光ドラム2aと転写ローラ5aとの間の一次転写部(転写ニップ部)において、トナーと逆極性の一次転写バイアスが印加された転写ローラ5aの作用によって、図1の矢印方向に回転駆動されている中間転写ベルト7上に一次転写される。
【0029】
上述のようにしてマゼンタトナー像が一次転写された中間転写ベルト7は、次のシアン画像形成ユニット1Cへと移動する。そして、シアン画像形成ユニット1Cにおいても、前記と同様にして、感光ドラム2b上に形成されたシアントナー像が一次転写部において中間転写ベルト7上のマゼンタトナー像に重ねて転写される。
【0030】
以下同様にして、中間転写ベルト7上に重畳転写されたマゼンタ及びシアントナー像の上に、イエロー及びブラック画像形成ユニット1Y,1BKの各感光ドラム2c,2d上にそれぞれ形成されたイエロー及びブラックトナー像が各一次転写部において順次重ね合わせられ、中間転写ベルト7上にはフルカラーのトナー像が形成される。尚、中間転写ベルト7上に転写されないで各感光ドラム2a〜2d上に残留する転写残トナーは、各クリーニング装置6a〜6dによって除去され、各感光ドラム2a〜2dは次の画像形成に備えられる。
【0031】
そして、中間転写ベルト7上のフルカラートナー像の先端が二次転写対向ローラ8と二次転写ローラ10間の二次転写部(転写ニップ部)に達するタイミングに合わせて、給紙カセット14からピックアップローラ15とフィードローラ16及びリタードローラ17によって搬送パスLへと送り出された用紙がレジストローラ19によって二次転写部へと搬送される。そして、二次転写部に搬送された用紙に、トナーと逆極性の二次転写バイアスが印加された二次転写ローラ10によってフルカラーのトナー像が中間転写ベルト7から一括して二次転写される。
【0032】
而して、フルカラーのトナー像が転写された用紙は、定着装置22へと搬送され、フルカラーのトナー像が加熱及び加圧されて用紙の表面に熱定着され、トナー像が定着された用紙は、排紙ローラ23,24によって排紙トレイ21上に排出されて一連の画像形成動作が完了する。尚、用紙上に転写されないで中間転写ベルト7上に残留する転写残トナーは、前記ベルトクリーニング装置11によって除去され、中間転写ベルト7は次の画像形成に備えられる。
【0033】
ところで、本実施の形態に係るカラー画像形成装置には、後述のドライブユニット25が装置本体100に対して着脱可能に組み付けられており、このドライブユニット25によって前記ピックアップローラ15、フィードローラ16、リタードローラ17、搬送ローラ18、レジストローラ19、搬送ローラ20、排紙ローラ23,24等の各種ローラが回転駆動される。以下、このドライブユニット25の詳細を図2〜図9に基づいて説明する。
【0034】
図2はドライブユニットの斜視図、図3は同ドライブユニットの分解斜視図、図4はドライブユニットと装置本体の分解斜視図、図5はドライブユニットと装置本体の位置決め部の断面斜視図、図6は本体側ユニットに立設されたギヤ軸を示す部分斜視図、図7は樹脂ホルダとギヤ軸の斜視図、図8はギヤ軸の支持状態を示す部分断面図、図9は図8のA−A線断面図である。
【0035】
ドライブユニット25は、図2及び図3に示すように、本体側ユニット25Aと反本体側ユニット25Bに2分割されており、本体側ユニット25Aの装置本体100に対向する面(図1及び図2の手前側の面)には複数のギヤGが回転可能に支持され、これらは各種ローラに動力を伝達するギヤ列を構成している。同様に、反本体側ユニット25Bの本体側ユニット25Aに対向する面にも複数のギヤGが回転可能に支持され、これらは各種ローラに動力を伝達するギヤ列を構成している。
【0036】
そして、図3に示すように、反本体側ユニット25Bには左右一対の筒状の位置決めボス26が本体側ユニット25Aに向かって突設されており、本体側ユニット25Aには、反本体側ユニット25Bに突設された前記位置決めボス26が嵌合するための左右一対の位置決め孔27が形成されている。
【0037】
而して、図5に示すように、反本体側ユニット25Bに突設された位置決めボス26を本体側ユニット25Aに形成された位置決め孔27に嵌合させ、両ユニット25A,25Bを位置決めして接合することによって図2に示すようにドライブユニット25が組み立てられる。
【0038】
又、図4に示すように、装置本体100のドライブユニット25が取り付けられる面には左右一対の十字形の位置決めボス28が突設されており、前述のように本体側ユニット25Aと反本体側ユニット25Bとを接合一体化して成るドライブユニット25が装置本体100に組み付けられるが、このとき、図5に示すように、ドライブユニット25の本体側ユニット25Aに形成された位置決め孔27に装置本体100の位置決めボス28が嵌合し、これによってドライブユニット25の装置本体100に対する位置決めがなされる。従って、ドライブユニット25の本体側ユニット25Aに形成された位置決め孔27には、反本体側ユニット25Bの位置決めボス26と装置本体100の位置決めボス28が共通に嵌合することとなる。
【0039】
以上のように、本実施の形態では、ドライブユニット25を本体側ユニット25Aと反本体側ユニット25Bに2分割し、反本体側ユニット25Bに突設された位置決めボス26を本体側ユニット25Aに形成された位置決め孔27に嵌合させて両ユニット25A,25Bを位置決めするようにしたため、両ユニット25A,25Bに支持された複数のギヤGの位置決めが容易且つ高精度に行われる。
【0040】
又、ドライブユニット25の本体側ユニット25Aに形成された位置決め孔27に、装置本体100に突設された位置決め突起28を嵌合させるようにしたため、ドライブユニット25の装置本体100に対する位置決めを容易且つ高精度に行うことができる、装置本体100に設けられて回転駆動されるローラに回転力を伝達する不図示のギヤとドライブユニット25に設けられたギヤGとの位置を高精度に保つことができる。
【0041】
ところで、図6に示すように、ドライブユニット25の本体側ユニット25Aの装置本体100に対向する面には、前記ギヤGをそれぞれ回転可能に支持するための複数のギヤ軸29が樹脂ホルダ30によって立設されている。
【0042】
上記樹脂ホルダ30は、図7に示すように、樹脂にてリング状に一体成形されており、その嵌合孔30aの一部にはDカット部30bが形成され、このDカット部30bを除く内周部分には凸部30cが一体に形成されている。
【0043】
又、前記ギヤ軸29は、摺動性や耐摩耗性に優れた金属や樹脂で構成されており、その軸方向一端の外周の一部には平坦なDカット部29aが形成され、このDカット部29aを除く外周部分には凹溝29bが形成されている。そして、このギヤ軸29の軸方向他端部の外周には凹溝29cが全周に亘って形成されている。
【0044】
而して、ギヤ軸29は、その軸方向一端に形成されたDカット部29aを樹脂ホルダ30の嵌合孔30aに形成されたDカット部30bに合わせ、その軸方向一端部を樹脂ホルダ30の嵌合孔30aに嵌め込めば、図8に示すように、該ギヤ軸29の軸方向一端外周に形成された凹溝29bに樹脂ホルダ30の内周に形成された凸部30cが嵌合するため、ギヤ軸29をワンタッチで簡単に本体側ユニット25Aに取り付けることができる。尚、図8に示すように、樹脂ホルダ30の外周部には肉盗み30dが全周に亘って形成されているため、樹脂ホルダ30は弾性変形し易い。このため、ギヤ軸29が嵌め込まれた際には、該樹脂ホルダ30が容易に拡径し、該樹脂ホルダ30の凸部30cをギヤ軸29が乗り越えることができるように、嵌合孔30aの内周に形成された凸部30cの外周には前記肉盗み30dを設けている。
【0045】
以上のようにしてギヤ軸29が本体側ユニット25Aに取り付けられると、このギヤ軸29にギヤGが挿通されて支持されるが、図8及び図9に示すように、ギヤGのボス部g1の端部内周には複数(本実施の形態では3つ)の凸部g2が一体に突設されており、これらの凸部g2は、ギヤGをギヤ軸29に通すとギヤ軸29の端部に形成された凹溝29cに嵌合することによってギヤGをギヤ軸29に仮止めする。
【0046】
上述のようにギヤ軸29に複数のギヤGを仮止めした状態で、図8に示すように、ギヤ軸29のギヤGの端面から装置本体100側に突出する端部を装置本体100に形成された嵌合孔100aに嵌合させれば、ギヤ軸29をドライブユニット25と装置本体100とで両持ち支持することができ、この両持ちされたギヤ軸29によってギヤGを確実に支持することができる。
【0047】
以上のように、本実施の形態では、樹脂ホルダ30の嵌合孔30aにギヤ軸29の一端を凹凸嵌合によって該ギヤ軸29をドライブユニット25の本体側ユニット25Aに固定するようにしたため、ドライブユニット25のギヤGを支持するギヤ軸29を高精度に位置決めして低コストで簡単に取り付けることができる。
【0048】
又、ギヤGの端面から装置本体100側に突出するギヤ軸29の端部を装置本体100に形成された嵌合孔100aに嵌合させるようにしたため、ギヤ軸29を両持ちで確実に支持することができるとともに、該ギヤ軸29に支持されたギヤGを装置本体100に対して高精度に位置決めすることができる。特に、ドライブユニット25の本体側ユニット25Aに形成された位置決め孔27に装置本体100側の位置決めボス28を嵌合させるようにしたため、ドライブユニット25の本体側ユニット25Aに支持されたギヤGの装置本体100に対する位置決めが正確に行われる。
【0049】
更に、本実施の形態では、樹脂ホルダ30の嵌合孔30aの内周に突設された凸部30cをギヤ軸ピン29の一端外周に形成された凹溝29bに嵌合させるようにしたため、該ギヤ軸29の一端を樹脂ホルダ30にワンタッチで簡単に固定することができる。
【0050】
又、ギヤGのボス部g1の一端内周に突設された凸部g2をギヤ軸29の他端外周に形成された凹溝29cに嵌合させることによって、ギヤ軸29に挿通されたギヤGを仮止めするようにしたため、ドライブユニット25の装置本体100への組み込み時にギヤGがギヤ軸29から脱落することがなく、ドライブユニット25の装置本体100への組付性が高められる。
【0051】
尚、本実施の形態では、本発明をカラー画像形成装置に適用した例について説明したが、本発明は、カラー画像形成のみならずモノクロ画像形成装置に対しても同様に適用可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明に係る画像形成装置(カラー画像形成装置)の正断面図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置のドライブユニットの斜視図である。
【図3】本発明に係る画像形成装置のドライブユニットの分解斜視図である。
【図4】本発明に係る画像形成装置のドライブユニットと装置本体の分解斜視図である。
【図5】本発明に係る画像形成装置のドライブユニットと装置本体の位置決め部の断面斜視図である。
【図6】本発明に係る画像形成装置の本体側ユニットに立設されたギヤ軸を示す部分斜視図である。
【図7】本発明に係る画像形成装置の樹脂ホルダとギヤ軸の斜視図である。
【図8】本発明に係る画像形成装置におけるギヤ軸の支持状態を示す部分断面図である。
【図9】図8のA−A線断面図である。
【符号の説明】
【0053】
1M マゼンタ画像形成ユニット
1C シアン画像形成ユニット
1Y イエロー画像形成ユニット
1BK ブラック画像形成ユニット
2a〜2d 感光ドラム(像担持体)
3a〜3d 一次帯電器
4a〜4d 現像器
5a〜5d 転写ローラ
6a〜6d クリーニング装置
7 中間転写ベルト
8 二次転写対向ローラ
9 テンションローラ
10 二次転写ローラ
11 ベルトクリーニング装置
12a〜12d トナーコンテナ
13 レーザースキャナユニット(LSU)
14 給紙カセット
15 ピックアップローラ
16 フィードローラ
17 リタードローラ
18 搬送ローラ
19 レジストローラ
20 搬送ローラ
21 排紙トレイ
22 定着装置
23,24 排紙ローラ
25 ドライブユニット
25A 本体側ユニット
25B 反本体側ユニット
26 位置決めボス(位置決め突起)
27 位置決め孔
28 位置決めボス(位置決め突起)
29 ギヤ軸
29a ギヤ軸のDカット部
29b,29c ギヤ軸の凹溝
30 樹脂ホルダ
30a 樹脂ホルダの嵌合孔
30b 樹脂ホルダのDカット部
30c 樹脂ホルダの凸部
30d 樹脂ホルダの肉盗み
100 装置本体
100a 装置本体の嵌合孔
G ギヤ
g1 ギヤのボス部
g2 ギヤの凸部
L,L’ 搬送パス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙を搬送する複数のローラに動力を伝達するギヤ列を備えたドライブユニットを本体に着脱可能に取り付けて成る画像形成装置において、
前記ドライブユニットを本体側ユニットと反本体側ユニットに2分割し、反本体側ユニットに突設された位置決めボスを本体側ユニットに形成された位置決め孔に嵌合させて両ユニットを位置決めして接合することによってドライブユニットを組み付けるとともに、該ドライブユニットの本体側ユニットに形成された前記位置決め孔に、前記本体に突設された位置決め突起を嵌合させることによって、ドライブユニットを本体に位置決め固定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記本体側ユニットに形成された樹脂ホルダの嵌合孔にギヤ軸の一端を凹凸嵌合によって固定し、該ギヤ軸に挿通されたギヤの端面から本体側に突出するギヤ軸の他端を本体に形成された嵌合孔に嵌合させることによって、ギヤ軸を両持ち支持することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記樹脂ホルダの嵌合孔の内周に突設された凸部を前記ギヤ軸の一端外周に形成された凹溝に嵌合させることによって、該ギヤ軸の一端を樹脂ホルダに固定することを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ギヤのボス部の一端内周に突設された凸部を前記ギヤ軸の他端外周に形成された凹溝に嵌合させることによって、ギヤ軸に挿通されたギヤを仮止めすることを特徴とする請求項2又は3記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−174362(P2008−174362A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−10284(P2007−10284)
【出願日】平成19年1月19日(2007.1.19)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】