説明

画像形成装置

【課題】枠体の強度を確保するとともに、組立作業性を低下させることなく、画像形成装置を小型化する。
【解決手段】スキャナユニット3本体のうち左フレーム32aに対向する左側壁31に、スキャナユニット3と電気的な接続を行うためのスキャナ基板40を設け、スキャナユニット3本体の長さL4と第2の突起38bの長さL5との和が、左フレーム32aと右フレーム32bとの間の長さL6よりも長くなるように設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式の複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの複合機器等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式の画像形成装置は、さまざまな部品、特に電気部品に対し、故障した際に、その故障部品が可能な限り簡単に取り外せるような構成が望ましいとされている。これは、故障の原因がある電気部品に特定された場合、市場においてその故障部品をサービスマンにより交換をする為である。特許文献1では仮保持部材によってスキャナユニットを仮保持した後、開閉部材で枠体の強度を確保しつつスキャナユニットの位置決めを行っており、市場交換性が非常に良い。
【0003】
この画像形成装置からスキャナユニットへの電気的な接続は、画像形成装置の側面から、画像形成装置内に設けられたコントロール基板に接続されている束線によって接続される。
【特許文献1】特開2003−248367号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、以前にも増して画像形成装置の小型化が望まれている。そして、画像形成されたシートが積載される排出部の高さを低くする事が特に望まれている。特許文献1に記載の縦型タンデム方式をより小型化する場合、特に、装置上部に設けられた排出部の高さを低くするには、縦(上下)に並列に配置されているスキャナユニット同士及び感光体ドラム同士の間隔を詰める事が考えられる。
【0005】
図8は、縦型タンデム方式の画像形成装置の枠体130と、枠体130に取り付けられるスキャナユニット103とを示す概略斜視図である。
【0006】
画像形成装置の小型化によってスキャナユニット103同士の間隔が狭くなると、画像形成装置からスキャナユニット103へ電気的に接続する束線を通す為に開けられた枠体130の穴同士の間隔も狭くなってしまう。
【0007】
また、スキャナユニット103自身も画像形成装置の小型化に伴って小型化する。
【0008】
しかしながら、シートSの大きさは変わらないため枠体130を構成している側板132a,132b間の距離はほとんど変化しない。このため、スキャナユニット103の束線接続位置140は側板132aから離れる方向となる。
【0009】
スキャナユニット103の束線接続位置140が画像形成装置中央側に移動すると、スキャナユニット103に束線を接続する際、組立作業者がそれまでの束線経路の穴の大きさではスキャナユニット103に束線を接続できなくなる。このため、穴139を大きくしたり、特殊な工具を使用する等により、束線をスキャナユニット103に接続することが必要となってくる。
【0010】
上述のように穴同士の間隔が狭く、かつ穴を拡大した場合には、穴同士がつながってしまい、一つの大きな穴となってしまう。この場合、枠体130に大きな穴が開く事になる為、画像形成装置の枠体強度の低下が懸念される。
【0011】
特殊な工具を使用して束線をスキャナユニット103に接続する場合には、製造時の組立作業性の低下と共に、スキャナユニット103の市場交換時に各サービスマンに対し、スキャナ束線接続用の工具を支給する必要性が生じてしまうことが懸念される。
【0012】
本発明は上記したような事情に鑑みてなされたものであり、枠体の強度を確保するとともに、組立作業性を低下させることなく、画像形成装置を小型化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために本発明にあっては、
回転可能に設けられた像担持体を露光する露光ユニットと、
対向して設けられ、前記露光ユニットを保持する第1の枠体及び第2の枠体と、
を備え、
前記露光ユニットの本体から前記第1の枠体に向かって突出するように設けられた第1の突起と、前記第1の枠体に設けられた第1の穴とが係合し、
前記露光ユニットの本体から前記第2の枠体に向かって突出するように設けられた第2の突起と、前記第2の枠体に設けられた第2の穴とが係合することにより、
前記露光ユニットが前記第1の枠体及び前記第2の枠体に保持される画像形成装置において、
前記露光ユニットの本体のうち前記第1の枠体に対向する部分には、前記露光ユニットと電気的な接続を行うための接続部が設けられており、
前記像担持体の回転軸方向における前記露光ユニットの本体の長さと前記第2の突起の長さとの和は、前記回転軸方向における前記第1の穴と前記第2の穴との間の距離よりも長いことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、枠体の強度を確保するとともに、組立作業性を低下させることなく、画像形成装置を小型化することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
【実施例1】
【0016】
(全体構成)
図1は、本発明を適用できる画像形成装置(多色画像形成装置)の一態様であるフルカラーレーザビームプリンタ(以下、プリンタ)Aの全体構成を示す縦断面図である。
【0017】
プリンタAは、像担持体として4個の感光体ドラム1(1a〜1d)を回転可能に有している。それぞれの感光体ドラム1の周囲には回転方向に従って順に、帯電手段2(2a〜2d)、露光手段3(3a〜3d)、現像手段4(4a〜4d)、転写部材5(5a〜5d)、クリーニング手段6(6a〜6d)等が配設されて、画像形成手段が構成されている。
【0018】
ここで、帯電手段2(2a〜2d)は、感光体ドラム1表面を一様に帯電するものである。また、露光手段(以下、スキャナユニット)3(3a〜3d)は、画像情報に基づいてレーザビームを照射し感光体ドラム1上に静電潜像を形成するものであり、露光ユニットを構成している。また、現像手段4(4a〜4d)は、静電潜像にトナーを付着させて
トナー像として顕像化するものである。また、転写部材5(5a〜5d)は、感光体ドラム1上のトナー像をシートSに転写させるものである。また、クリーニング手段6(6a〜6d)は、転写後の感光体ドラム1表面に残留した転写後トナーを除去するものである。
【0019】
また、感光体ドラム1,帯電手段2,現像手段4及びクリーニング手段6は一体的にカートリッジ化され、プロセスカートリッジ7(7a〜7d)を形成している。
【0020】
給送部8から給送されたシートSは、転写搬送ベルト9aで構成した搬送手段9によって画像形成手段(画像形成部)へ搬送され、各色のトナー像が順次転写されて多色画像が形成された後、定着手段10で加熱定着される。そして、定着手段10で加熱定着されたシートSは、排出ローラ対12によって排出部13に排出、積載される。
【0021】
また、両面記録の際には、定着手段10で定着されたシートSは、排出ローラ対12によって完全に排出される前に、排出ローラ対12が逆転することで、両面搬送経路15に搬送される(矢印B方向)。両面搬送経路15に搬送されたシートSは、装置本体正面にある斜送ローラ16を通過し、Uターンローラ17まで垂直(鉛直)下方向に搬送され、Uターンローラ17及びレジストローラ8dによって画像形成手段まで搬送される。
【0022】
(給送部)
給送部8は、給送カセット8a、手差し給送トレイ8b、手差し給送部8c及びレジストローラ8dから構成されている。給送カセット8aは複数枚のシートSを収納し、装置本体内の底部に装填される。給送カセット8aから画像形成する際には、カセットピックアップローラ8a1によって一枚ずつシートSが分離給送され、カセット搬送ローラ8a2及びレジストローラ8dによって搬送手段9に搬送される。
【0023】
手差し給送トレイ8bは、通常は装置本体正面に格納されているが、使用時に装置本体から回動して開き、複数枚のシートSを積載する。手差し給送トレイ8bから画像形成する際には、手差しピックアップローラ8c1によって一枚ずつシートSが分離給送され、手差し搬送ローラ8c2及びレジストローラ8dによって搬送手段9に搬送される。
【0024】
給送カセット8a、手差し給送部8cにおけるシートSの分離や搬送は、給送部8にある図示しない給送モータによりギア駆動列を介して行われる。
【0025】
(画像形成部)
像担持体としての感光体ドラム1は、アルミニウム製シリンダの外周面に有機光導電体層(OPC)を塗布して構成したものである。感光体ドラム1はその両端部をフランジによって回転自在に支持されており、一方の端部に図示しない駆動モータから駆動力を伝達することにより、図1において反時計回り(図中矢印方向)に回転駆動される。
【0026】
帯電手段2は、ローラ状に形成された導電性のローラで、これを感光体ドラム1表面に当接させると共に、図示しない電源によって帯電バイアス電圧が印加されることにより、感光体ドラム1表面を一様に帯電させるものである。
【0027】
スキャナユニット3はポリゴンミラーを有しており、このポリゴンミラーには図示しないレーザダイオードから画像信号に対応する画像光が照射される。
【0028】
現像手段4(4a〜4d)は、トナー収納部4a1〜4d1、現像ローラ4a2〜4d2等から構成される。ここで、トナー収納部4a1〜4d1は、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色のトナーを収納するものである。現像ローラ4a2〜4d
2は、感光体ドラム表面に隣接し、図示しない駆動部により回転駆動されると共に、図示しない現像バイアス電源により現像バイアス電圧が印加されることにより現像動作を行うものである。
【0029】
また、後述する転写搬送ベルト9aの内側には、4個の感光体ドラム1a〜1dに対向して、転写搬送ベルト9aに当接する転写部材5a〜5dがそれぞれ併設されている。これら転写部材5a〜5dは、図示しない転写バイアス用電源に接続されている。そして、転写部材5a〜5dから正極性の電荷が転写搬送ベルト9aを介してシートに印加され、この電界により感光体ドラム1に接触中のシートSに、感光体ドラム1上の負極性の各色トナー像が順次転写され、多色画像が形成される。
【0030】
(シート搬送手段)
給送部8より給送されたシートSは、搬送手段9によって画像形成領域(画像形成手段)に搬送される。搬送手段9を構成するシート担持体としての転写搬送ベルト9aは、駆動ローラ9bと従動コロ9c〜9eの4本のローラで張架支持され、すべての感光体ドラム1a〜1dに対向して配設されている。
【0031】
そして、転写搬送ベルト9aは、感光体ドラム1に対向する外周面にシートSを静電吸着して感光体ドラム1にシートSを接触させるべく、駆動ローラ9bによって循環移動する。これにより、シートSは転写搬送ベルト9aにより転写位置まで搬送され、感光体ドラム1上のトナー像が転写される。
【0032】
また、転写搬送ベルト9aの最上流位置には、転写搬送ベルト9aと共にシートSを挟持し、かつシートSを転写搬送ベルト9aに吸着させる吸着ローラ9fが配設されている。シートの搬送に際しては、前記吸着ローラ9fに電圧を印加することで、対向している設置された従動コロ9cとの間に電界を形成し、転写搬送ベルト9a及びシートSの間に誘電分極を発生させて両者に静電吸着力を生じさせるようになっている。
【0033】
(定着部)
定着手段10は、シートS上に形成した画像に熱及び圧力を加えてトナー像を定着させるものであり、定着ベルト10aと弾性加圧ローラ10bとを有している。
【0034】
定着ベルト10aは電磁誘導発熱層を有する円筒状のベルトであり、励磁コイルとT型の磁性コアとからなる磁場発生手段を内蔵したベルトガイド部材10cにガイドされている。弾性加圧ローラ10bは定着ベルト10aを挟み、ベルトガイド部材10cと所定の圧接力をもって所定幅の定着ニップ部Nを形成している。
【0035】
弾性加圧ローラ10bが図示しない駆動手段によって回転駆動され、それに伴って円筒状の定着ベルト10aが回転し、図示しない励磁回路から励磁コイルへの給電により定着ベルト10aの電磁誘導発熱がなされる。
【0036】
定着ニップ部Nが所定の温度に立ち上がって温調された状態において、未定着トナー画像が形成されたシートSが画像形成部から搬送され、定着ニップ部Nに導入される。このとき、未定着トナー画像が形成されたシートSは、定着ニップ部Nの定着ベルト10aと弾性加圧ローラ10bとの間に画像面が上向き、即ち定着ベルト面に対向して導入される。そして、画像面が定着ベルト10aの外面に密着してシートSが定着ベルト10aと一緒に移動(搬送)されるようにして、シートSが定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。
【0037】
この定着ニップ部Nを定着ベルト10aと一緒にシートSが挟持搬送されていく過程において、定着ベルト10aの電磁誘導発熱で加熱され、シートS上の未定着トナー画像が
加熱定着される。
【0038】
トナー画像が定着されたシートSは、排出ローラ対12によって排出部13に排出、積載される。
【0039】
(スキャナユニット取り付け部)
次に、プリンタAの枠体としてのフレーム30に対するスキャナユニット3の取り付けについて図2を用いて説明する。図2は、プリンタAのフレーム30を示す概略斜視図であり、スキャナユニット3が最上段に1つだけ配置された状態を示している。また、図2に示すフレーム30の設置状態は、プリンタAが設置された状態でのフレーム30の状態を示している。また、以下の説明では、図2に示すフレーム30の状態において便宜的に左右をいうものとする。
【0040】
感光体ドラム1は、第1の枠体としての左フレーム32aと第2の枠体としての右フレーム32bに設けられたドラム位置決め部34a〜34hに位置決めされる。
【0041】
ここで、左フレーム32aと右フレーム32bは、対向して設けられている。そして、左フレーム32aと右フレーム32bとの間には、中央フレーム36が設けられており、これら左フレーム32aと右フレーム32bと中央フレーム36とが、下フレーム33の上面に設けられることで、フレーム30が構成される。
【0042】
スキャナユニット3は、フレーム30を構成する左フレーム32aと右フレーム32bに設けられた穴部35a〜35hに対し、スキャナユニット3本体の側壁から突出している突起38a,38bが係合することで感光体ドラム1に対向する位置に取り付けられる。ここで、突起38aはスキャナユニット3本体(露光ユニット本体)から左フレーム32aに向かって突出するように設けられた第1の突起を構成している。また、突起38bはスキャナユニット3本体から右フレーム32bに向かって突出するように設けられた第2の突起を構成している。また、穴部35a〜35dは第1の穴を構成し、穴部35e〜35hは第2の穴を構成している。また、スキャナユニット3本体の側壁とは、スキャナユニット3のうち左フレーム32aに対向する部分と、スキャナユニット3のうち右フレーム32bに対向する部分をいう。このうち、スキャナユニット3のうち左フレーム32aに対向する側壁を左側壁31という。
【0043】
また、スキャナユニット3においては、スキャナユニット3本体から突出している突起38cが、中央フレーム36に設けられた穴部37に係合している。
【0044】
プリンタAとスキャナユニット3の電気的な接続(電気接続)は、フレーム30の下に設けられた電気基板44に接続された束線が、スキャナユニット3本体の左側壁31に設けられた接続部としてのスキャナ基板40に接続されることで行われる。より詳しくは、電気基板44に接続された束線が、スキャナ基板40に設けられたコネクタに接続されることで、プリンタAとスキャナユニット3の電気接続が行われる。
【0045】
本実施例においては、スキャナ基板40は、スキャナユニット3本体のうち、左フレーム32aに対向する左側壁31に設けられている。このとき、フレーム30の下に設けられた電気基板44に接続された束線は、左フレーム32aに設けられた束線作業穴39a〜39dを通し、スキャナ基板40に接続される。
【0046】
次に、スキャナユニット3を小型化した場合について説明する。
【0047】
図3は、図2に示すスキャナユニット及びフレームをさらに小型化したものを示す図で
ある。
【0048】
スキャナユニット3を小型化した場合、画像形成される(通紙される)シートSの大きさは変わらないため、左フレーム32aと右フレーム32bとの相対位置、すなわち、左フレーム32aと右フレーム32bとの間の長さ(距離)も変わらない。したがって、スキャナユニット3を取り付けている突起38a,38bは小型化されず、図2同様に、穴部35a〜35hに対して係合した(嵌入した、嵌った)状態で配置される。
【0049】
しかしながら、それ以外の部分は小型化され、スキャナユニット3の左右の側壁はフレーム本体中央側に移動する。スキャナユニット3の側壁の移動に合わせ、プリンタAとの電気的な接続部であるスキャナ基板40もフレーム本体中央側に移動する。
【0050】
小型化する以前のプリンタでは、束線作業穴39aの長さLで束線接続作業が可能だったものが、小型化することによりスキャナ基板40がフレーム本体中央側に移動したため束線作業穴39aのままでは束線を接続する作業が困難となってしまう。
【0051】
そのため、より深いところ(フレーム本体中央側)で接続できるように、束線作業穴39aをより大きな長さL1(L<L1)にする必要がある。
【0052】
この場合、束線作業穴39aの拡大と同時に他の束線作業穴も拡大する必要が生じてしまい、束線作業穴39aの大きさによっては他の束線作業穴とつながってしまいフレーム強度の低下が懸念される。
【0053】
これを避けるために束線作業穴39aを大きくしない場合には、特殊な工具を用いて束線を接続する事が考えられるが、組立作業性が低下してしまう。
【0054】
そこで、本実施例では、組立作業性を低下させることなくプリンタを小型化するために、スキャナユニット3を左フレーム32aの束線作業穴39aに近づけて設けている。
【0055】
図4は、図3に示すスキャナユニット及びフレームを示す概略断面図であり、スキャナユニット3を左フレーム32aの束線作業穴39aに近づけた状態を示す図である。図7は、比較例として、スキャナユニットを単に小型化させた状態を示す概略図である。
【0056】
通常、スキャナユニット3を左フレーム32aの束線作業穴39aに近づけた場合、第1の突起38aと第1の穴35aは係合したままであるが、第2の突起38bと第2の穴35bは、第2の突起38bが第2の穴35bから離れてしまうことで係合しなくなる。この状態だと、スキャナユニット3の支点がなくなっていまい、スキャナユニット3が落下してしまうおそれがある(図7)。
【0057】
これを防ぐためには、第2の突起38b近辺などに保持用部材を追加すればよいが、このような場合には余計なコストがかかってしまう。
【0058】
これに対して本実施例では、スキャナユニット3がフレーム30に組付けられる場合、左フレーム32aと第1の突起38aが突出している側壁までの長さL2が、右フレーム32bと第2の突起38bの先端までの長さL3よりも短くなるように設けられている。すなわち、スキャナユニット3本体の長さL4と第2の突起38bの長さL5との和が、左フレーム32aと右フレーム32bとの間の長さL6よりも長くなるように設けられている。ここで、長さL2,L3,L4,L5,L6は、感光体ドラム1の回転軸方向の長さを示している。また、本実施例の左フレーム32aと右フレーム32bとの間の長さL6は、穴部35aと穴部35eとの間の感光体ドラム1の回転軸方向の距離となる。また
、本実施例では、左フレーム32aと右フレーム32bは、感光体ドラム1の回転軸方向に実質的に直交している。
【0059】
このように、本実施例では、第2の突起38bの長さが、スキャナユニット3本体が左フレーム32aに当接したとしても、第2の穴35bとの係合状態が維持される(解除されない)長さとなっている。
【0060】
したがって、スキャナユニット3を左フレーム32aの束線作業穴39aに近づけた(移動させた)場合であっても、スキャナユニット3は、第1の突起38aと第1の穴35aの係合、及び、第2の突起38bと第2の穴35bの係合によって保持され続ける。このため、上記のような保持用部材は必要なくなる。
【0061】
このように、組立作業時において、スキャナ基板40を左フレーム32aに近づける(移動させる)ことができるため、上述したような束線作業穴39aの大きさをL1まで大きくする必要がなくなる。
【0062】
さらに、スキャナ基板40が左フレーム32aにより近い位置となるようにスキャナユニット3を設けることで、L1をLより小さくすることも可能となり、画像形成装置を小型化してもコストアップせずにフレーム剛性を保ちつつ組立作業性を改善できる。すなわち、画像形成装置を小型化した際にも枠体剛性を確保し、組立時や市場交換時の組立性が容易な画像形成装置を提供できる。
【0063】
なお、本実施例ではスキャナユニット3は、4つ並列に使用するもので説明したが、これに限るものではなく、2つのスキャナユニットがプリンタに設けられている場合であってもよい。感光体ドラムが複数設けられることに対応して、スキャナユニットが複数設けられるものであるとよいが、1つのスキャナユニットがプリンタに設けられている場合であってもよい。
【0064】
また、左フレーム32aと右フレーム32bとが、同一の部品で一体に構成されていてもよい。
【0065】
また、本実施例では、左フレーム32aと右フレーム32bは、感光体ドラム1の回転軸方向に実質的に直交し、実質的に平行に対向して設けられている場合について説明したが、これに限るものではない。左フレーム32aと右フレーム32bが、感光体ドラム1の回転軸方向に実質的に直交していない場合には、上述した長さL2,L3,L4,L5,L6を感光体ドラム1の回転軸方向の長さとすればよい。そして、上述した長さL6を、穴部35aと穴部35eとの間の感光体ドラム1の回転軸方向の距離とすればよい。すなわち、感光体ドラム1の回転軸方向において、スキャナユニット3本体の長さL4と第2の突起38bの長さL5との和が、穴部35aと穴部35eとの間の長さL6よりも長くなるようにすればよい。
【0066】
また、本実施例においては、束線を接続する接続部について説明したが、スキャナユニット3のレーザを調整する調整部や、レーザ調整後のカバー取り付け部においても本実施例を好適に適用することができる。
【実施例2】
【0067】
以下に、本発明の実施例2について説明する。
【0068】
図5は、本実施例のスキャナユニット及びフレームを示す概略断面図である。なお、本実施例においては、実施例1に対して異なる構成部分について述べることとし、実施例1
と同様の構成部分については、その説明を省略する。
【0069】
上述した実施例1において、スキャナユニット3とプリンタAの電気基板44との間の電気接続を行う際に、予めスキャナ基板40に束線が接続されていた場合には、束線が接続された状態でスキャナユニット3をプリンタAに組み込んでいかなければならない。このような場合には、スキャナユニット3に接続されている束線による作業性の低下、束線へのダメージが生じてしまうことや、束線接続が不確実となってしまうことが懸念される。
【0070】
このため、通常の組立作業時には、スキャナユニット3のスキャナ基板40に束線を接続した後に電気基板44に接続するか、元々電気基板44に接続されていた束線をスキャナ基板40に接続するかのどちらかとなる。
【0071】
この時、実施例1の状態では、スキャナユニット3は第1の穴部35aと第2の穴部35bにそれぞれ第1の突起38aと第2の突起38bが係合しているだけの状態となっている。このため、このままスキャナ基板40に束線を接続しようとすると、スキャナユニット3が固定されていないため、束線が接続される時に作業者により加えられる接続力(操作力)に負けてスキャナユニット3が動いてしまうことが懸念される。そして、このような場合には、スキャナユニット3を押さえながら束線を接続する必要が生じるなどして作業性が低下してしまうことが懸念される。
【0072】
これを防ぐため、本実施例では、スキャナユニット3に規制部としてのストッパ43a,43bを設け、束線接続時にストッパ43aは左フレーム32a、ストッパ43bは右フレーム32bにそれぞれ接触するようにしている。ストッパ43a,ストッパ43bはそれぞれ左フレーム32a,右フレーム32bに、束線接続時に接触するものであればよいが、スキャナユニット3が所定の設置位置、すなわち画像形成時の位置に設置された場合に接触するように設けられてもよい。
【0073】
このような構成により、束線接続時には、ストッパ43aは左フレーム32a、ストッパ43bは右フレーム32bにそれぞれ接触するので、スキャナユニット3の右フレーム32b側(第2の枠体側)への移動を規制することができる。このように、束線接続時の接続力に対抗してスキャナユニット3の移動を規制でき、束線をスムーズに接続することができる。
【0074】
また、実施例1と同様に、スキャナ基板40が左フレーム32aに近づいているため束線作業穴39aの大きさを小さくでき、画像形成装置を小型化してもコストアップせずに枠体剛性を保ちつつ作業性を改善できる。
【実施例3】
【0075】
以下に、本発明の実施例3について説明する。
【0076】
図6は、本実施例のスキャナユニット及びフレームを示す概略断面図である。なお、本実施例においては、実施例1に対して異なる構成部分について述べることとし、実施例1と同様の構成部分については、その説明を省略する。
【0077】
上述した実施例1において、プリンタAの小型化をさらに行う場合、スキャナユニット3の下側に配置されている電気基板44を移動させる事が考えられる。電気基板44を移動する場所としては、プリンタ本体高さを小さくするという目的から、左フレーム32a又は右フレーム32bの側面側が考えられる。
【0078】
しかしながら、スキャナユニット3との電気接続を考えると、束線の接続長さを短くすることができる左フレーム32a側に移動する事が望ましい。
【0079】
そのため、本実施例においては、図6に示すように、電気基板44を左フレーム32a側に配置している。
【0080】
このような構成により、上述した実施例1,2よりもプリンタAの小型化を行う事ができる。
【0081】
本実施例においては、電気基板44を左フレーム32a側に配置するものであったが、電気基板44のコネクタ(接続部)が、左フレーム32a近傍(第1の枠体近傍)に設けられるものであればよい。これにより、電気基板44とスキャナユニット3との間の束線の接続長さを短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明を適用できる画像形成装置の全体構成を示す概略断面図。
【図2】本発明の実施例1においてスキャナユニットのフレームへの取り付けについて説明するための概略図。
【図3】図2に示すスキャナユニット及びフレームを小型化させた状態を示す概略図。
【図4】図3に示すスキャナユニット及びフレームを示す概略断面図。
【図5】本発明の実施例2のスキャナユニット及びフレームを示す概略断面図。
【図6】本発明の実施例3のスキャナユニット及びフレームを示す概略断面図。
【図7】実施例1において比較例を示す概略図。
【図8】従来例を示す概略図。
【符号の説明】
【0083】
1a,1b,1c,1d 感光体ドラム(像担持体)
3a,3b,3c,3d スキャナユニット(露光ユニット)
31 左側壁
32a 左フレーム(第1の枠体)
32b 右フレーム(第2の枠体)
35a,35b,35c,35d 穴部(第1の穴)
35e,35f,35g,35h 穴部(第2の穴)
38a 突起(第1の突起)
38b 突起(第2の突起)
40 スキャナ基板
A 画像形成装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能に設けられた像担持体を露光する露光ユニットと、
対向して設けられ、前記露光ユニットを保持する第1の枠体及び第2の枠体と、
を備え、
前記露光ユニットの本体から前記第1の枠体に向かって突出するように設けられた第1の突起と、前記第1の枠体に設けられた第1の穴とが係合し、
前記露光ユニットの本体から前記第2の枠体に向かって突出するように設けられた第2の突起と、前記第2の枠体に設けられた第2の穴とが係合することにより、
前記露光ユニットが前記第1の枠体及び前記第2の枠体に保持される画像形成装置において、
前記露光ユニットの本体のうち前記第1の枠体に対向する部分には、前記露光ユニットと電気的な接続を行うための接続部が設けられており、
前記像担持体の回転軸方向における前記露光ユニットの本体の長さと前記第2の突起の長さとの和は、前記回転軸方向における前記第1の穴と前記第2の穴との間の距離よりも長いことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1の突起と前記第2の突起とのうち少なくともいずれか一方に、前記露光ユニットの前記第2の枠体側への移動を規制する規制部を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記露光ユニットと電気的な接続を行う電気基板の接続部が、前記第1の枠体近傍に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記像担持体は複数設けられており、
前記露光ユニットは、前記第1の枠体及び前記第2の枠体に、複数の前記像担持体に対応して複数設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2009−139393(P2009−139393A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−312183(P2007−312183)
【出願日】平成19年12月3日(2007.12.3)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】