説明

画像形成装置

【課題】本発明の課題は、画像形成装置本体と周辺機器との位置決め精度の低下を防止しつつ、設置作業者が位置決め部材に接触して怪我することを防止でき且つ位置決め部材が画像形成装置本体に接触して画像形成装置本体が損傷することを防止できる画像形成装置を提供することである。
【解決手段】本発明に係る画像形成装置31は、画像形成装置本体33又は給紙トレイユニット(周辺機器)2の何れか一方には、画像形成装置本体33と給紙トレイユニット2との位置決めの基準となる基準孔4а、4bが形成されており、他方には一方側に突出し且つ基準孔4а、4bに嵌入する位置決めピン(位置決め部材)3が固定してあり、位置決めピン3にはその周りを囲んで位置決めピン3を被覆する被覆部材5が設けてあり、被覆部材5は位置決めピン3の軸方向基端側に移動自在としてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置本体に周辺機器を設置した画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1においては、画像形成装置本体とその下側に設置する周辺機器とを位置決めする構成が開示されている。この従来技術では、先端が尖った位置決め部材を周辺機器の天板に且つ画像形成装置本体側に突出するように固定し、画像形成装置本体の底板に形成した基準孔に嵌合させている。
【0003】
特許文献2においては、位置決め部材を画像形成装置本体の底板に且つ周辺機器側に突設し、周辺機器の天板に形成した基準孔に嵌合させている。この位置決め部材を付勢部材で付勢して上下方向に移動自在としている。
【0004】
【特許文献1】特開2006−145662号公報
【特許文献2】特開平8−262825号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1においては、位置決め部材が常に露出しているため、周辺機器の上側に画像形成装置本体を設置するときに、設置作業者が、誤って位置決め部材に手を着いたりする等、位置決め部材に接触して怪我をするおそれがある。又、画像形成装置本体を周辺機器の上側に設置するときに、位置決め部材を画像形成装置本体に接触させて画像形成装置本体を損傷させるおそれがある。
【0006】
特許文献2においては、位置決め部材を画像形成装置本体に固定した軸に対して摺動するように設けており、位置決め部材が基準孔に嵌合しているときは、位置決め部材に軸が入り込む量が少なくなっている。従って、位置決め部材と軸とのガタが生じて、画像形成装置本体と周辺機器との位置決め精度が低化するおそれがある。
【0007】
そこで、本発明は、画像形成装置本体と周辺機器との位置決め精度の低下を防止しつつ、設置作業者が位置決め部材に接触して怪我することを防止でき且つ位置決め部材が画像形成装置本体に接触して画像形成装置本体が損傷することを防止できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決する為に、請求項1に記載された発明は、画像形成装置本体に周辺機器を設置した画像形成装置であって、画像形成装置本体又は周辺機器の何れか一方には、画像形成装置本体と周辺機器との位置決めの基準となる基準孔が形成されており、他方には一方側に突出し且つ基準孔に嵌入する位置決め部材が固定してあり、位置決め部材にはその周りを囲んで位置決め部材を被覆する被覆部材が設けてあり、被覆部材は位置決め部材の軸方向基端側に移動自在であることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、位置決め部材の基端部側には被覆部材を収納する収納部が形成されており、画像形成装置本体に周辺機器を設置するときに、被覆部材は位置決め部材の軸方向に移動して収納部に収納されることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載された発明は、請求項1又は2に記載された発明において、位置決め部材を被覆する位置に向けて被覆部材を付勢する付勢部材を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載された発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載された発明において、被覆部材の先端は、画像形成装置本体を周辺機器に設置する前には、位置決め部材の先端よりも突出して位置していることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載された発明は、請求項2〜4の何れか一項に記載された発明において、位置決め部材の固定側には被覆部材を係止する係止部材が設けてあり、係止部材には被覆部材を挿通する挿通孔が形成されており、被覆部材の外周には径方向外側に突出する突起が形成されており、挿通孔の周囲には突起を挿通する溝があり、突起を溝に挿通した後に被覆部材を周方向に回転させて被覆部材を係止部材に係止し、被覆部材を周方向に回転させて被覆部材の突起を溝に対向させることにより係止を解除可能としてあることを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載された発明は、請求項5に記載された発明において、被覆部材の外周には、治具の係止面が形成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載された発明は、請求項5又は6に記載された発明において、被覆部材には、他の部材と識別する着色が施されていることを特徴とする。
【0015】
請求項8に記載された発明は、請求項1〜7の何れか一項に記載された発明において、位置決め部材は金属製であり、被覆部材は硬質樹脂製であることを特徴とする。
【0016】
請求項9に記載された発明は、請求項1〜8の何れか一項に記載された発明において、位置決め部材は金属製であり、被覆部材は軟質樹脂製であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、画像形成装置本体を周辺機器に設置する前においては、位置決め部材の周りを被覆部材が囲んでいるので、画像形成装置本体が位置決め部材に接触して損傷すること及び設置作業者が位置決め部材に接触して怪我をすることを防止できる。被覆部材は位置決め部材の軸方向基端側に移動自在なので、被覆部材は位置決め部材の基準孔への嵌入を妨げないと共に被覆部材を取り外す手間が掛からない。位置決め部材を周辺機器に固定しているので、位置決め部材と周辺機器とにガタが生じない。従って、画像形成装置本体と周辺機器との位置決め精度の低下を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明の第1実施の形態を詳細に説明する。図1(a)は本実施の形態に係る画像形成装置の位置決め具周辺の縦断面図であり、給紙トレイユニット上に画像形成装置本体を設置する前の状態を示している。図1(b)は本実施の形態に係る位置決め部の縦断面図であり、給紙トレイユニット上に画像形成装置本体を設置した状態を示している。図2は本実施の形態に係る位置決め具の分解斜視図であり、図3は本実施の形態に係る画像形成装置本体と給紙トレイユニットの斜視図であり、給紙トレイユニット上に画像形成装置本体を設置する前の状態を示している。図4は本実施の形態に係る画像形成装置の概略を示す斜視図である。
【0019】
本実施の形態に係る画像形成装置31は、複写機であり、図3及び図4に示すように、画像形成装置本体33と、画像形成装置本体33の下側に設置された給紙トレイユニット(周辺機器)2と、画像形成装置本体33と給紙トレイユニット2とを位置決めする位置決め具1とを備えている。
【0020】
画像形成装置本体3には、図4に示すように、コンタクトガラス21に載置された原稿の画像を読み取る画像読取部23と、画像読取部23が読み取った原稿の画像を記録媒体(用紙)に形成する画像形成部25とが設けられている。
【0021】
給紙トレイユニット2には、図4に示すように、2つの給紙トレイ27が、各々スライドして内部に収納自在に設けられている。
【0022】
位置決め具1は、図3に示すように、給紙トレイユニット2の上部に、所定の間隔を空けて2つ設けられている。
【0023】
各位置決め具1は、図2に示すように、位置決めピン(位置決め部材)3と、位置決めピン3の周りを囲んで位置決めピン3を被覆する被覆部材5と、被覆部材5を位置決めピン3の軸方向に付勢するコイルスプリング(付勢部材)8と、被覆部材5を係止する係止板(係止部材)7とを備えている。尚、コイルスプリング8は、圧縮ばねである。
【0024】
位置決めピン3は、図2に示すように、円板形状の基端部37と、基端部37に連続する円柱形状の胴部39と、胴部39に連続する先端部41とから成る。基端部37の径は胴部39の径よりも大きくなっている。先端部41は先細りのテーパ形状となっている。尚、位置決めピン3は、金属製である。
【0025】
被覆部材5は、図2に示すように、円筒形状の基端部43と、基端部43に連続する円筒形状の胴部47とから成る。基端部43の径は胴部47の径よりも大きくなっている。被覆部材5の貫通孔45の径は、位置決めピン3の胴部39の径と略同一となっている。 被覆部材5は、ポリスチレン、ABS、ポリエチレン、及びポリプロピレン等の硬質樹脂製である。
【0026】
係止板7には、図2に示すように、位置決めピン3及び被覆部材5を挿通する挿通孔49が設けられている。挿通孔49の径は、図1(a)に示すように、被覆部材5の胴部47の外径よりも大きくなっており、被覆部材の基端部43の径よりも小さくなっている。コイルスプリング8の内径は、位置決めピン3の胴部39の径よりも大きくなっている。
【0027】
給紙トレイユニット2の天板には、被覆部材5を収納する収納孔(収納部)35が、所定の間隔に2つ形成されている。収納孔35は、給紙トレイユニット2の上面6に且つ円形状に開口しており、給紙トレイユニット2の上面6から下側に円柱状に形成されている。収納孔35の径は、位置決めピン3の基端37の径と略同一となっている。
【0028】
画像形成装置本体33の底板9には、画像形成装置本体33と給紙トレイユニット2との位置決めの基準となる主基準孔4а及び従基準孔4bが形成されている。
【0029】
主基準孔4аは、円孔形状であり、図1(b)に示すように、主基準孔4аの径は位置決めピン3の胴部39の径と略同一になっている。従基準孔4bは、画像形成装置本体33の左右方向に長い長孔である。従基準孔4bの幅は位置決めピン3の径と略同一になっている。
【0030】
画像形成装置本体33の底板9には、主基準孔4аを挟む位置及び従基準孔4bを挟む位置に、ゴム足10が取り付けられている。
【0031】
以下に、本実施の形態に係る位置決め具1を給紙トレイユニット2に装着する手順を、図1(a)及び図2を参照して説明する。先ず、位置決めピン3を、基端37を下にして収納孔35に挿入し、基端37を収納孔35の底面51に固定する。コイルスプリング8を位置決めピン3に挿通して、コイルスプリング8の上から被覆部材5を位置決めピン3に挿通する。被覆部材5を係止板7の挿通孔49に挿通して、係止板7を給紙トレイユニット2の上面6に固定する。これにより、被覆部材5は係止板7に係止されて、挿通孔49から上側に抜けなくなる。このようにして、位置決め具1を給紙トレイユニット2に装着すると、図1(a)に示すように、被覆部材5は位置決めピン3の周りを囲んで、被覆部材5の上端(先端)53は位置決めピン3の先端55よりも距離Hだけ上側に位置する。
【0032】
次に、画像形成装置本体33の下側に給紙トレイユニット2を設置する手順を、図1及び図3を参照して説明する。先ず、図3に示すように、画像形成装置本体33を給紙トレイユニット2の上側に位置させる。このとき、図1(a)に示すように、被覆部材5が位置決めピン3の周囲を囲んでいるので、設置作業者が誤って位置決めピン3の上側から手を着いたり等、位置決めピン3に接触して怪我することを防止できる。
【0033】
そして、画像形成装置本体33の主基準孔4а及従基準孔4bに位置決めピン3に挿入すべく、画像形成装置本体33を給紙トレイユニット2側に降ろしていく。位置決めピン3の先端部41が各基準孔4а、4bに入り込むと略同時に、画像形成装置本体33の底板9は、被覆部材5の上端53に当接して、被覆部材5を、コイルスプリング8の弾性力に抗して且つ位置決めピン3に対し摺動させて、押下げていく。画像形成装置本体33のゴム足10が係止板7に載置された状態では、図1(b)に示すように、被覆部材5の略全体が収納孔35に収納されている。このようにして、画像形成装置本体33の下側への給紙トレイユニット2の設置が行われる。
【0034】
以下に、第1実施の形態の作用効果を説明する。本実施の形態によれば、給紙トレイユニット(周辺機器)2を画像形成装置本体33に設置する前には、位置決めピン(位置決め部材)3の周りを被覆部材5が囲んでいるので、画像形成装置本体33に位置決めピン3が接触して損傷すること、及び設置作業者が誤って位置決めピン3に手を着いたりする等、位置決めピン3に接触して怪我することを防止できる。
【0035】
被覆部材5は位置決めピン3の軸方向基端側に移動自在なので、被覆部材5が位置決めピン3の基準孔4а、4bへの嵌入を妨げないと共に、被覆部材5を取り外す手間が掛からないので設置作業を効率的に行うことができる。
【0036】
位置決めピン3を給紙トレイユニット2に固定しているので、位置決めピン3と給紙トレイユニット2とにガタが生じない。従って、画像形成装置本体33と給紙トレイユニット2との位置決め精度の低下を防止できる。
【0037】
給紙トレイユニット2を画像形成装置本体33に設置すると同時に、被覆部材5を給紙トレイユニット2の収納孔(収納部)35に収納できるので、設置作業を効率的に行うことができる。
【0038】
被覆部材5が収納孔35に収納できるので、位置決めピン3が基準孔4а、4bに嵌入する寸法を長くすることができる。
【0039】
設置作業者や画像形成装置本体33が被覆部材5に接触することにより、被覆部材5が移動して位置決めピン3が露出しても、被覆部材5が、コイルスプリング8によりに付勢されて、位置決めピン3を被覆する位置に戻るので、被覆部材5を、位置決めピン3を被覆する位置に戻す手間が省けると共に、安全性を即座に回復できる。また、周辺機器を画像形成装置本体に一端設置した後、再度設置し直すような場合に、画像形成装置本体33を持ち上げると同時に、被覆部材5は位置決めピン3を被覆する位置に戻るので、安全性を保持したまま、再度の設置作業に取り掛かることができる。
【0040】
被覆部材5の上端53は、画像形成装置本体33を給紙トレイユニット2に設置する前には、位置決めピン3の先端55よりも突出して位置しているので、設置作業者及び画像形成装置本体33が位置決めピン3の先端55に接触することを防止できる。従って、設置作業者が怪我すること及び画像形成装置本体33が損傷することを確実に防止できる。
【0041】
被覆部材5が位置決めピン3よりも軟らかいので、設置作業者が被覆部材5に接触して怪我することを防止できると共に画像形成装置本体33が被覆部材5に接触して損傷することを確実に防止できる。被覆部材5が硬質樹脂製なので高精度で被覆部材5を作製できる。従って、位置決めピン3に対し被覆部材5を円滑に移動させることができる
次に、本発明の他の実施の形態を説明するが、以下の説明において、上述した第1実施の形態と同一の作用効果を奏する部分には同一の符号を付することにより、その部分の詳細な説明を省略し、以下の説明では上述の第1実施の形態と異なる点を主に説明する。
【0042】
以下に、図5〜図7を参照して、本発明の第2実施の形態について説明する。図5(a)は本実施の形態の給紙トレイユニット2の位置決め具周辺を抜き出した平面図であり、被覆部材が係止板に係止された状態を示している。図5(b)は図5(a)のA−A断面図であり、被覆部材が係止板に係止された状態を示している。図5(c)は図5(a)のC−C断面図であり、被覆部材が係止板に係止された状態を示している。図6(a)は本実施の形態の給紙トレイユニットの位置決め具周辺を抜き出した平面図であり、被覆部材と係止板との係止が解除された状態を示している。図6(b)は図6(a)のB−B断面図である。図7は本実施の形態に係る位置決め具の分解斜視図である。
【0043】
第2実施の形態では、図7に示すように、被覆部材5の外周に、係止板7に係止する突起11а、11bが形成されている。また、被覆部材5の外周には、互いに平行な平面(治具の係止面)13а、13bが対向する位置に形成されている。
【0044】
係止板7の挿通孔49の周囲には、図7に示すように、突起11а、11bを挿通する溝12а、12bが形成されている。
【0045】
本実施の形態では、被覆部材5は、天然ゴム、ブタジェンゴム、クロロプレンゴム、及びポリウレタン等の軟質樹脂製である。また、被覆部材5には、他の部材と識別するように赤色の着色が施されている。
【0046】
突起11а、11bは、図7に示すように、被覆部材5の径方向外方に突出している。突起11а、11bは、図5(a)に示すように、被覆部材5の軸に対称な位置に形成されている。突起11の下面と、被覆部材5の基端部43の上面との距離は、図6(b)に示すように、係止板7の厚みと略同一である。平面13а、13bは、図5(b)に示すように、被覆部材5の貫通孔45を挟んだ位置に形成されている。
【0047】
即ち、図5(a)、図5(b)、及び図5(c)に示すように突起11а、11bが、溝12а、12bと対向した位置にない場合は、突起11а、11bが係止板7に係止されて、被覆部材5に荷重が掛かっても、被覆部材5は下側に移動しない。一方、図6(a)及び図6(b)に示すように、突起11а、11bが、溝12а、12bと対向した位置にある場合は、突起11а、11bと係止板7との係止が解除されて、被覆部材5に荷重が掛かると、被覆部材5は下側に移動する。
【0048】
従って、突起11а、11bを溝12а、12bに挿通した後に、被覆部材5の平面13а、13bにスパナ等を嵌めて、被覆部材5を被覆部材5の周方向に回転させることにより、被覆部材5を係止板7に係止すること及び被覆部材5と係止板7との係止を解除することができる。
【0049】
本実施の形態によれば、被覆部材5の突起11а、11bを係止板(係止部材)7の溝12а、12bに挿通して被覆部材5を回転させることにより、被覆部材5を係止板7に係止することができるので、被覆部材5に外部から荷重が掛かっても被覆部材5が移動しない。従って、設置作業者が誤って被覆部材5に手を着いたりする等、位置決めピン3に接触しても、位置決めピン3が露出しないので、設置作業者が怪我することを確実に防止できる。
【0050】
被覆部材5の突起11а、11bを溝12а、12bに対向させることにより、被覆部材5と係止板7との係止を解除することができるので、被覆部材5に荷重を掛けて被覆部材5を位置決めピン3の基端部37側に移動させることができる。従って、画像形成装置本体33を給紙トレイユニット2に設置するときに、被覆部材5が位置決めピン3の基準孔4а、4bへの嵌入を妨げない。
【0051】
被覆部材5の平面13а、13bにスパナ等を嵌めて被覆部材5を周方向に回転させることにより、被覆部材5を係止板7に容易に係止でき且つ被覆部材5と係止板7との係止を容易に解除できる。従って、設置作業を効率的に行うことができる。
【0052】
被覆部材5には、被覆部材5と他の部材とを識別する着色が施されているので、画像形成装置本体33を給紙トレイユニット2に設置するときに、被覆部材5と係止板7との係止解除を忘れることを防止できる。従って、設置作業を効率的に行うことができる。
【0053】
被覆部材5が位置決めピン3に比べて非常に軟らかいので、画像形成装置本体33が被覆部材5に接触して損傷することを確実に防止でき且つ設置作業者が被覆部材5に接触して怪我することを確実に防止できる。
【0054】
本発明は、上述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変形が可能である。
【0055】
上述の実施の形態では、給紙トレイユニット(周辺機器)2を画像形成装置本体33の下側に設置しているが、これに代えて、用紙折り機能及び用紙綴じ機能等を有する用紙後処理装置(周辺機器)を画像形成装置本体33の側面に設置しても良い。
【0056】
上述の実施の形態では、給紙トレイユニット(周辺機器)2を画像形成装置本体33の下側に設置しているが、これに代えて、両面ユニット(周辺機器)を画像形成装置本体33の下側に設置してもよい。
【0057】
上述の実施の形態では、複写機(画像形成装置)本体33の下側に給紙トレイユニット2を設置しているが、これに代えて、ファクシミリ(画像形成装置)や複写機とファクシミリの複合機(画像形成装置)等の下側に給紙トレイユニット2や両面ユニットを設置しても良い。
【0058】
上述の実施の形態では、コイルスプリング8を設けているが、これに代えて、コイルスプリング8を設けない構成も可能である。
【0059】
上述の実施形態では、給紙トレイユニット2に収納孔35を形成しているが、これに代えて、収納孔35を形成しないで、ゴム足10の厚みを増して、被覆部材5が画像形成装置本体33の底板9と給紙トレイユニット2の上面6との間に位置するようにしても良い。
【0060】
上述の実施の形態では、画像形成装置本体33に基準孔4а、4bを形成して、給紙トレイユニット2に収納孔35を形成して且つ位置決め具1を装着しているが、これに代えて、給紙トレイユニット2に基準孔4а、4bを形成して、画像形成装置本体33に収納孔35を形成して且つ位置決め具1を装着しても良い。
【0061】
第1実施の形態では、給紙トレイユニット2の上側に画像形成装置本体33を設置する前において、被覆部材5で位置決めピン3の先端55から胴部39の略半分に亘る範囲を囲むようにしているが、これに代えて、被覆部材5を胴部の短い円筒状に形成して、被覆部材5で位置決めピン3の先端部41のみを囲むようにしても良い。この場合、被覆部材5にコイルスプリング8を固定すると良い
第2実施の形態では、被覆部材5に突起を2つ形成して、係止板7の各突起に対向した位置に溝を形成しているが、これに限らず、例えば、被覆部材5に突起を3つ形成して、係止板7の各突起に対向した位置に溝を形成しても良い。即ち、被覆部材5に形成する突起の数は、係止板7の各突起に対向した位置に溝を形成すれば、特に限定されない。
【0062】
第2実施の形態では、被覆部材5に赤色の着色を施しているが、これに限らず、被覆部材5と他の部材(主に金属製の部材)とを識別できる色であれば良く、例えば、黄色や緑等であってもよい。
【0063】
第2実施の形態では、治具の係止面を平面13а、13bとしているが、これに代えて、被覆部材5の外周を一周する凹凸面(治具の係止面)を形成して、凹凸面をプライヤー等で挟んで、被覆部材5を回転させるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】(a)は第1実施の形態に係る画像形成装置の位置決め具の縦断面図であり、給紙トレイユニット上に画像形成装置本体を設置する前の状態を示している。(b)は第1実施の形態に係る位置決め具の縦断面図であり、給紙トレイユニット上に画像形成装置本体を設置した状態を示している。
【図2】第1実施の形態に係る位置決め具の分解斜視図である。
【図3】第1実施の形態に係る画像形成装置本体と給紙トレイユニットの斜視図であり、給紙トレイユニット上に画像形成装置本体を設置する前の状態を示している。
【図4】第1実施の形態に係る画像形成装置の概略を示す斜視図である。
【図5】(a)は第2実施の形態に係る位置決め具の周辺を抜き出した平面図であり、被覆部材が係止板に係止された状態を示している。(b)は図5(a)のA―A断面図である。(c)は図5(a)のC−C断面図であり、被覆部材が係止板に係止された状態を示している。
【図6】(a)は第2実施の形態に係る位置決め具周辺を抜き出した平面図であり、被覆部材と係止板との係止が解除された状態を示している。図6(b)は図6(a)のB−B断面図ある。
【図7】第2実施の形態に係る位置決め具の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0065】
2 給紙トレイユニット(周辺機器)
3 位置決めピン(位置決め部材)
4а、4b 主基準孔、従基準孔
5 被覆部材
8 コイルスプリング(付勢部材)
11а、11b 突起
12а、12b 溝
13а、13b 平面(治具の係止面)
31 画像形成装置
33 画像形成装置本体
35 収納孔(収納部)
49 挿通孔
53 被覆部材の上端(被覆部材の先端)
55 位置決めピンの先端(位置決め部材の先端)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体に周辺機器を設置した画像形成装置であって、画像形成装置本体又は周辺機器の何れか一方には、画像形成装置本体と周辺機器との位置決めの基準となる基準孔が形成されており、他方には一方側に突出し且つ基準孔に嵌入する位置決め部材が固定してあり、位置決め部材にはその周りを囲んで位置決め部材を被覆する被覆部材が設けてあり、被覆部材は位置決め部材の軸方向基端側に移動自在であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
位置決め部材の基端部側には被覆部材を収納する収納部が形成されており、画像形成装置本体に周辺機器を設置するときに、被覆部材は位置決め部材の軸方向に移動して収納部に収納されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
位置決め部材を被覆する位置に向けて被覆部材を付勢する付勢部材を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
被覆部材の先端は、画像形成装置本体を周辺機器に設置する前には、位置決め部材の先端よりも突出して位置していることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
位置決め部材の固定側には被覆部材を係止する係止部材が設けてあり、係止部材には被覆部材を挿通する挿通孔が形成されており、被覆部材の外周には径方向外側に突出する突起が形成されており、挿通孔の周囲には突起を挿通する溝があり、突起を溝に挿通した後に被覆部材を周方向に回転させて被覆部材を係止部材に係止し、被覆部材を周方向に回転させて被覆部材の突起を溝に対向させることにより係止を解除可能としてあることを特徴とする請求項2〜4の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
被覆部材の外周には、治具の係止面が形成されていることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
被覆部材には、他の部材と識別する着色が施されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
位置決め部材は金属製であり、被覆部材は硬質樹脂製であることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
位置決め部材は金属製であり、被覆部材は軟質樹脂製であることを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−157147(P2009−157147A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−335836(P2007−335836)
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】