説明

画像形成装置

【課題】 先に発生した異常が解除されるまでは、次に発生した異常に関する通知を行わないようにした画像形成装置を提供する。
【解決手段】 異常を検出する異常検出手段と、異常が検知されたことを通知する異常通知手段とを備えた画像形成装置において、前記異常通知手段は、先に検出された異常Aが解除されるまでは、後の異常Bの検出に基づく異常通知を実行しない構成としてある。このようにすれば、異常解除の作業中に、後の異常Bの検出をした場合には、異常Bの検出が無視され、異常通知(ブザー音等)を実行しないので、ユーザはブザー音等に影響されることなく、異常Aの解除作業に打ち込める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コピー機,スキャナ機,プリンタ機,ファクシミリ装置,複合装置などに代表される画像形成装置に関し、特に、先に発生した異常通知に基づく異常解除の作業中に、後に発生した異常通知に煩わされること無く、異常解除の作業が行えるようにした画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機やファクシミリ装置、あるいはこれらの機能を併せ持った複合機等の画像形成装置では、音,表示,発光等により異常を通知する異常通知手段が備えられている。
この異常通知手段は、原稿詰まりや印刷用紙切れなどの異常が生じると、発光部分を点灯させたり、音を発生させたりすることによって異常通知を行う。また、複合機の場合は、特定のジョブが終了した場合にも、同じように通知を行っている。
なお、異常内容としては、緊急度(重要度)の順に、例えば、図7に示すものがある。
【0003】
そして、異常通知に気付いたユーザにより異常が解除されると、異常通知も自動的に停止し、画像形成装置の動作も再開できるようになっていた。
しかし、異常が完全に解除されないと異常通知が終了しないので、いつまでも光が点滅したり音が続いたりして、異常を解除すべく作業中のユーザにとっては、目障りや耳障りになっていた(第一の不都合)。
【0004】
また、複合機においては、様々な機能が備えられているので、操作中のジョブと関係のない異常が生じることが多く、その度に音や光の点滅等による異常通知が行われると、非常に煩わしく、複合機の操作がやりにくかった(第二の不都合)。
【0005】
前記第一の不都合を解決する技術として、次の提案がある。即ち、図8に示すブロック図において、異常検知手段101が機能の異常を検知すると、異常通知実行手段102が報知装置(異常通知手段)103を制御して、異常通知を実行する。異常通知の実行としては、ライト103aの点灯やスピーカ103bからの音声出力が行われる。異常通知が実行されているときに、ボタンなどが設けられた操作部がユーザにより操作されたり、プランテンカバーの開け閉めなどの操作があると、ユーザ操作検知手段106がこれを検知する。これにより、異常通知停止手段105は、異常通知を停止させる。
【0006】
なお、104はジョブ終了通知実行手段、107は通知継続時間格納手段、108はタイマである。
このようにすれば、必ずしも異常の解除を行わなくても、ユーザの意思により異常通知を停止できる、としている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
また、前記第二の不都合を解決する技術として、次の提案がある。即ち、図9に示すブロック図において、実行状態検知手段111は、各種センサ(異常検出手段)からの信号に基づき、各機能の実行状態を検知する。この報知すべき実行状態が検知されると、報知実行制御手段112は、報知装置103を制御して実行状態の報知を実行する。報知の方法としては、報知装置103のライト103aの点灯や、スピーカ103bからの音の出力がある。
【0008】
一方、操作検知手段114は、ユーザによって操作部115が操作されていることを検知する。操作検知手段114は、例えば操作部115の何れかのボタンが押されてから、タイマ108が所定時間カウントするまでの間を操作中と判断する。タイマ108は、カウント中に新たに操作部115が操作されると、カウント値をリセットしてカウントを再開する。ユーザにより操作がなされている間は、報知停止手段116によって、報知装置103による報知が停止される。
【0009】
つまり、実行状態検知手段111により、機能の報知すべき実行状態が検知されると、報知実行制御手段112が、報知装置103により実行状態の報知を実行する。ただし、ユーザにより操作が行われている最中に、その操作と関係のない報知すべき実行状態が操作検知手段114により検知された場合には、通知停止手段117が、操作の間だけ報知の実行を停止させる。
このようにすれば、ユーザにとって関係のない異常通知に惑わされず、操作を行えるようにする、としている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開平11−119601号公報
【特許文献2】特開平11−119605号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、或る異常Uに対する異常通知(例えば、ブザー音)をユーザが停止させても、異常解除の作業中に新たな異常Vが発生すると、異常Uの解除前(解除作業終了前)であっても、新たな異常Vの異常通知(ブザー音)がされてしまっていた。これでは、ユーザにとって、煩わしさ(例えば、耳障り等)が解消されないという問題があった。
【0011】
また、上記特許文献2に記載の技術は、例えば、複合機の機能W(例えば、スキャナ機能)の操作中は、機能X(例えば、ファクシミリの送信機能)に関する異常は報知しない技術であった。このため、機能Wの一つ目の異常(例えば、スキャナの第一の異常)が解除される前であっても、機能Wの次の異常(例えば、スキャナの第二の異常)が発生すれば、この次の異常の通知(例えば、ブザー音)が行われてしまっていた。
しかも、機能Wについての操作が行えない異常発生時における異常通知をどのように制御するかについては、開示されていなかった。これでは、ユーザにとって、煩わしさが解消されないという問題があった。
【0012】
本発明は、上記の問題を解決すべくなされたものであり、先に発生した異常通知に基づく異常解除の作業中に、後に発生した異常通知に煩わされること無く、異常解除の作業が行えるようにした画像形成装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的を達成するために本発明の画像形成装置は、異常を検出する異常検出手段(図5の第一の異常検出手段71)と、異常が検知されたことを通知する異常通知手段(ライト41,スピーカ42,ブザー43等)とを備えた画像形成装置において、異常通知手段は、先に検出された異常が解除されるまでは、後の異常検出に基づく異常通知を実行しない構成としてある。
【0014】
この構成および動作を図示すると、例えば図1,図5,図6に示すようになる。このようにすれば、図1に示すように、先の異常Aが発生した場合に(「1」)、異常検出手段(第一の異常検出手段71)が異常Aを検出し(「2」)、異常通知(例えば、ライトの点滅,スピーカからの信号音,ブザー音)をした場合に(「3」)、異常通知停止操作手段30Aを操作すれば(解除作業を開始すれば)(「4」)、異常通知は停止する(「5」)。従って、ユーザはライト点滅,信号音,ブザー音に影響されることなく、異常解除の作業に打ち込める。
【0015】
しかし、異常解除の作業中に(「1」〜「6」の間)、後の異常検出(第一の異常検出手段71が別の異常Bを検出)をした場合には、異常検出無視手段63が異常Bの検出を無視し、異常通知(ブザー音等)を実行しないので、ユーザはブザー音等(異常Aと異常Bの双方のブザー音)に影響されることなく、異常解除の作業に打ち込める。
そして、異常Aと異常Bの解除作業が終了すると(「6」)、画像形成装置は通常動作を再開するので(「7」)、ユーザは画像形成装置の使用が可能となる。
【0016】
また、本発明の画像形成装置は、請求項1記載の画像形成装置において、異常通知手段は、複数備えられた異常検出手段(図5の第一,第二の異常検出手段71,72、第一,第二のジョブ実行検出手段73,74)のうち一の異常検出手段(例えば、第一の異常検出手段71)で先に検出された異常が解除されるまでは、他の異常検出手段(例えば、第二の異常検出手段72)で後に検出された異常に基づく異常通知を実行しない構成としてある。
【0017】
この構成および動作を図示すると、例えば図1,図5,図6に示すようになる。このようにすれば、図1に示すように、先の異常Aが発生した場合に(「1」)、異常検出手段(第一の異常検出手段71)が異常Aを検出し(「2」)、異常通知(例えば、ライトの点滅,スピーカからの信号音,ブザー音)をした場合に(「3」)、異常通知停止操作手段30Aを操作すれば(解除作業を開始すれば)(「4」)、異常通知は停止する(「5」)。従って、ユーザはライト点滅,信号音,ブザー音に影響されることなく、異常解除の作業に打ち込める。
【0018】
しかし、異常解除の作業中に(「1」〜「6」の間)、後の異常検出(例えば、第二の異常検出手段72が別の異常Bを検出)をした場合には、異常検出無視手段63が異常Bの検出を無視し、異常通知(ブザー音等)を実行しないので、ユーザはブザー音等に影響されることなく、異常解除の作業に打ち込める。
そして、異常Aと異常Bの解除作業が終了すると(「6」)、画像形成装置は通常動作を再開するので(「7」)、ユーザは画像形成装置の使用が可能となる。
【0019】
また、本発明の画像形成装置は、請求項1又は2記載の画像形成装置において、先に検出された異常Aが解除された場合に、後の異常検出に基づく異常Bが解除されていない場合には、該後の異常Bの検出に基づく異常通知を実行する構成としてある。
【0020】
この動作を図示すると、例えば図6に示すようになる。このようにすれば、ユーザがステップS6において先の異常Aの対応を終了(異常解除)した後、別の異常(異常B)が発生していれば(ステップS7:YES)、ステップS1に戻り、異常Bの通知(ブザー鳴動)を行なう。ユーザは、この異常Bの通知により、異常Bが解除されていないことを知り、異常Bの解除に取り掛かれる。
【0021】
また、本発明の画像形成装置は、請求項1〜請求項3記載の画像形成装置において、検出される異常の種類には複数あり、これら複数の異常には各異常の重要度に応じてそれぞれ優先順位が定められており(図7参照)、異常通知手段は、低い優先順位の異常の解除前に、より高い優先順位の異常検出があった場合でも、低い優先順位の異常が解除されるまでは、より高い優先順位の異常通知を実行しない構成としてある。
【0022】
この構成および動作を図示すると、例えば図5,図6,図7に示すようになる。このようにすれば、例えば、優先順位が低い「7位の用紙切れ」による異常通知があった場合に、優先順位の高い「1位の原稿詰まり」による異常検出があっても、それを無視して異常通知をしないので、ユーザは落ち着いた状態で「7位の用紙切れ」に対する解除作業を行うことができる。
【0023】
また、本発明の画像形成装置は、請求項1〜請求項4記載の画像形成装置において、異常通知手段は、音を発して異常通知を実行する構成としてある。
【0024】
この構成を図示すると、例えば図1,図5,図6,図7に示すようになる。異常解除の作業中のユーザにとって特に煩わしいのは、耳障りな音(例えば、ブザー音)である。しかし、本発明によれば、異常Aの解除の作業開始により「音」が消され(「4」)、後の異常Bの検出があっても先の異常Aの解除が完了するまでは、「音」は消されたままなので、落ち着いた環境下で異常解除の作業を行うことができる。同様に、異常Bを検出した場合も、異常Bの通知が実行されない環境下で、異常解除の作業を行なうことができる。
【0025】
また、本発明の画像形成装置は、請求項1〜請求項5記載の画像形成装置において、当該画像形成装置は、スキャナ機能,ファクシミリ機能,プリント機能のうち二以上の機能を備えた構成としてある。
【0026】
この構成を図示すると、例えば図1,図4,図5,図6に示すようになる。複合機では、多数の機能を有するので、異常検出の種類や回数が多い。しかし、本発明によれば、先の異常Aの解除作業を開始すると(「4」))、後の異常Bの検出に伴う異常通知が無いので、落ち着いて異常解除の作業を行うことができる。同様に、異常Bを検出した場合も、異常Bの通知が実行されない環境下で、異常解除の作業を行なうことができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、異常検出手段が異常Aを検出し、異常Aの通知を実行した場合に、異常通知停止操作手段を操作すれば(異常解除を開始すれば)、異常Aの通知は停止する。もし、異常解除の作業中に、後の異常Bを検出した場合には、異常検出無視手段が後の異常Bの検出を無視し、異常通知を実行しないので、ユーザは異常通知(特に、ブザー音)に影響されることなく、異常解除の作業に打ち込める。
【0028】
また、異常検出手段(例えば、第一の異常検出手段)が異常Aを検出し、異常通知を実行した場合に、異常通知停止操作手段を操作すれば(異常解除を開始すれば)、異常通知は停止する。もし、異常解除の作業中に、他の異常検出手段(例えば、第二の異常検出手段)が異常Bを検出した場合には、異常検出無視手段が後の異常Bの検出を無視し、異常通知を実行しないので、ユーザは異常通知に影響されることなく、異常解除の作業に打ち込める。
【0029】
さらに、先の異常Aの対応を終了(異常解除)した後、別の異常(異常B)が発生していれば、異常Bに基づく異常通知(ブザー鳴動)が実行されるので、ユーザは、この異常通知により、異常Bが解除されていないことを知り、異常Bの解除に取り掛かれる。
【0030】
しかも、優先順位が低い異常通知があった場合に、優先順位の高い異常検出があっても、それを無視して異常通知を実行しないので、ユーザは、落ち着いた状態で優先順位の低い異常に対する作業を行うことができる。
【0031】
また、異常解除の作業中のユーザにとって特に煩わしいのは、耳障りな「音」である。しかし、本発明によれば、先の異常Aの検出により「音」の異常通知が実行され、異常解除の作業開始により「音」が消される。もし、後の異常Bの検出があっても先の異常Aの解除が完了するまでは、「音」は消されたままなので、落ち着いた環境下で異常解除の作業を行うことができる。同様に、異常Bを検出した場合も、異常Bの通知が実行されない環境下で、異常解除の作業を行なうことができる。
【0032】
さらに、複合機の場合は、異常検出の種類や回数が多い。しかし、本発明によれば、最初の異常Aの検出に対処(解除作業)している場合に、次の異常Bの検出に伴う異常通知が無いので、落ち着いて異常解除の作業を行うことができる。同様に、異常Bを検出した場合も、異常Bの通知が実行されない環境下で、異常解除の作業を行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明の処理の流れを、図1を参照しつつ説明する。
先の異常Aが発生すると(「1」)、異常Aが検出され(「2」)、異常Aの通知(例えば、ブザー音)が出される(「3」)。ブザー音を聞いたユーザが、異常Aの解除作業を開始すると(「4」)、異常Aの通知が終了される(ブザー音が停止)(「5」)。なお、「4」と「5」の処理は、前記特許文献1に記載されている。
【0034】
ところで、先の異常Aが発生(「1」)した後に、後の異常Bが発生したと仮定する。この場合は、従来技術では異常Bの通知を実行してしまう(異常Aによるブザー音を停止させたのに、異常Bのブザー音が発生する)。これでは、例えば、異常Aのブザー音停止の下に解除作業を行っていたユーザは、異常Bの通知(ブザー音)が出されるので、煩わしい。
【0035】
そこで、本発明では、前記仮定の場合には、後の異常Bの通知(ブザー音)を実行せずに(異常Aのブザー音も停止のまま)、最初に異常Aの解除作業を行い、異常Aの解除作業が終了したら、異常Bの通知を実行する(ブザーを鳴動させる)。ユーザは異常Bの解除作業を開始すると、異常Bの通知は実行停止となり(ブザー音の停止)、ユーザは、ブザー音に煩わされること無く、解除作業を行なえる。
【0036】
そして、異常Aと異常Bの発生原因が解除された後に(「6」)、画像形成装置の通常動作が再開されるようにした(「7」)。
【0037】
[実施形態]
図2は、本実施形態の画像形成装置としての複合機の外観構成を示す図である。
同図に示すように、複合機FMは、コピー,ファクシミリ,プリンタおよびスキャナの機能を一体化したものであり、これを実現するため、イメージ入力部10と、イメージ出力部20と、操作部30と、アテンションユニット(異常通知ユニット)40とを備えて構成されている。
【0038】
イメージ入力部10では、プラテンカバー11上に原稿を載置し、図示省略の読み取り装置(スキャナ)の駆動によって、原稿面の文字や図形をイメージデータとして読み取ることができる。読み取られたイメージデータは、メモリに一時的に格納されて、後にファクシミリ信号,印刷出力用のイメージ信号などに変換される。
【0039】
イメージ出力部20は、その上部に、イメージ入力部10で読み取ったイメージデータ,他のファクシミリ装置から送られたファクシミリデータ,ユーザの端末装置などから送られた文字データやイメージデータを印刷するプリンタエンジン21を内蔵している。また、下部には、各種サイズの用紙を収容する用紙トレイ22が設けられている。
【0040】
操作部30は、イメージ入力部10と一体に設けられている。この操作部30には、後述のように、液晶表示部および各種ボタンが設けられている。この操作部30の操作設定により、コピー,ファクシミリ,プリンタ,スキャナなどの機能が使用できる。また、アテンションユニット40により異常通知がなされているときには、操作部30を操作することにより、異常通知が停止する。
【0041】
異常通知装置としてのアテンションユニット40は、ライト41,スピーカ42,ブザー43を有しており、光および音によって、ユーザに異常通知またはジョブ終了通知を行う。ライト41は、例えば2色の光を発光でき、異常内容に応じて色分けして点滅表示することができる。
【0042】
なお、異常通知(例えば、ブザー音)は長時間(例えば、5分。異常の内容によっては、異常が解除されるまで)続く場合が多く、ジョブ終了通知(例えば、スピーカからの信号音)は短時間(例えば、数秒)で終わる場合が多い。
また、異常通知およびジョブ終了通知が、表示や発光の場合は、ユーザに不快感を与えることが少ないので、表示や発光の停止操作が行われるまで、継続する場合が多い。
【0043】
異常通知の例としては、図7に示すように、原稿送り装置における原稿詰まりやミスフィード,トレイの紙詰まりやミスフィード,機械やシステムのハードウェアダウン,付属装置や付属機能の故障,消耗品の交換,ステープル切れ,用紙切れ,アウトプットトレイフルなどがある。また、ジョブ終了通知の例としては、ファクシミリ受信プリント終了,全ての自動レポート終了などがある。
【0044】
図3は、操作部30の構成の一例を示す図である。操作部30には、液晶表示部31およびボタン部32が設けられている。液晶表示部31は、タッチパネルを有しており、その画面上には、各種設定を行うときの設定案内画面が表示される。また、液晶表示部31には、異常発生時にその異常内容を示す表示が、イラストや文字を交えて行われる。画面の指示に従ってタッチパネルを操作することにより、各種操作が実行される。
【0045】
ボタン部32には、機能切り換えボタン32a,テンキー32b,音声ガイド/割り込みボタン32c,オールクリアボタン32d,スタートボタン32e,ストップボタン32f,ワンタッチダイヤルボタン32g,手動受信ボタン32hが設けられている。
【0046】
機能切り換えボタン32aは、複合機FMをコピー機として使用するか、ファクシミリとして使用するか、スキャナとして使用するかを切り換えるためのボタンである。この機能切り換えボタン32aを押す度に、液晶表示部31の表示画面が、初期メニュー画面,コピーメニュー画面,ファクシミリメニュー画面などに切り替わる。なお、プリンタとして使用する場合には、ユーザの端末装置(図4参照)で指示することができる。
【0047】
テンキー32bは、コピー枚数やコピー部数の設定,ファクシミリ送信先電話番号の入力,ワンタッチダイヤルボタン32gへの電話番号登録などに使用される。音声ガイド/割り込みボタン32cは、ジョブの割り込みを行う場合や、操作ガイドを音声ガイドにしたい場合に使用される。オールクリアボタン32dは、操作部30を通じて行った各種設定を初期の設定に戻すときに使用される。
【0048】
スタートボタン32eは、設定終了後に、その設定でコピー,ファクシミリ,スキャナの機能を開始させるボタンである。ストップボタン32fは、開始された機能を途中で中止させるボタンである。ワンタッチダイヤルボタン32gは、予め登録してある電話番号をボタン一つで呼び出すときに使用される。手動受信ボタン32hは、ファクシミリの自動受信モードを手動受信モードに切り換えるときに使用される。
【0049】
次に、複合機FMの制御部の構成について説明する。図4は、複合機FMの制御部50の構成を示すブロック図である。
メイン制御部51は、CPU,ROM,RAMなどから構成されており、ROMに格納されたシステムプログラムに従ってCPUが動作する。イメージデータなどは、RAMに格納される。あるいは、大量のデータを扱えるように、ハードディスクなどの大容量記憶装置を接続することもできる。
【0050】
また、メイン制御部51には、タイマ51aが内蔵されており、時間のカウントが行われる。さらに、メイン制御部51には、スピーカ52が接続されており、このスピーカ52を介して、操作のための音声ガイドが行われる。
さらにまた、メイン制御部51には、後述の本発明の要旨に係わる異常通知抑制制御部60(図5参照)が内蔵されている。
【0051】
メイン制御部51には、バス53を介して、操作部30,NCU(ネットワーク・コントロール・ユニット)54,インターフェース(I/F)55,機械駆動部56,アテンションユニット40などが接続されている。操作部30は、メイン制御部51から操作ガイド表示や異常表示用のイメージデータを受けて液晶表示部31上で表示させるとともに、ボタン部32の各種ボタンの入力を受け付けて、その情報をメイン制御部51に送る。
【0052】
NCU54は、複合機FMをファクシミリとして使用する場合に、電話回線をメイン制御部51へ接続し、ハンドセット57をオフフックした場合には、電話回線をハンドセット57に接続する。インターフェース55は、ユーザ側の端末装置と接続され、端末装置側らの印刷指令およびイメージデータを受け取り、メイン制御部51側に送る。
【0053】
メイン制御部51は、操作部30や端末装置で指令された機能の実行を行うため、各種の機械駆動部56を制御する。機械駆動部56としては、スキャナ機構部,ドラム回転機構部,紙送り機構部など複合機に必要な機構部の駆動に必要な装置がある。また、機械駆動部56には、各種センサが設けられており、このセンサからの信号に基づいて、メイン制御部51は異常検知やユーザ操作の検知を行う。異常検知が行われると、メイン制御部51は、アテンションユニット40のライト41,スピーカ42,ブザー43を使用して異常通知を行う。
【0054】
次に、図1,図5を参照しつつ、本実施形態の要部を説明する。
図5は、本実施形態の要部をなす異常通知抑制制御装置ARのブロック図である。なお、図5においては、アテンションユニット40等を、図4と重複記載してある。
【0055】
図5に示すように、異常通知抑制制御装置ARは、異常通知停止操作手段30Aと、アテンションユニット40等と、異常通知抑制制御部60と、第一の異常検出手段71と、第二の異常検出手段72と、第一のジョブ実行検出手段73と、第二のジョブ実行検出手段74とを備えてなる。
【0056】
異常通知停止操作手段30Aは、異常通知(ブザー鳴動)があった場合に、例えば、操作部30を操作して異常通知の停止操作を行う手段である。操作部30の操作以外に、例えば、イメージ出力部20のカバーの開放,用紙トレイ22の引き出し等がある。
【0057】
アテンションユニット40は、異常通知装置であり、ライト41,スピーカ42,ブザー43が接続されている。
異常通知抑制制御部60は、異常通知開始手段61と、異常解除開始検出手段62と、異常検出無視手段63と、異常解除終了確認手段64と、異常通知停止手段65とを備える。
【0058】
異常通知開始手段61は、第一,第二の異常検出手段71,72や第一,第二のジョブ実行検出手段73,74が異常検出,ジョブ実行検出をした場合に、ライト41の点滅,スピーカ42からの信号音やアナウンス,ブザー43を鳴動させる等の機能(異常通知開始機能)を有する。
【0059】
異常解除開始検出手段62は、異常通知停止操作手段30Aによるライト点滅,信号音,ブザー鳴動等の停止操作が開始された場合に(異常解除開始)、その異常解除開始を検出する機能を有する。異常通知停止操作手段30Aの操作以外に、例えば、イメージ出力部20のカバーの開放,用紙トレイ22の引き出し等によっても、異常解除開始を検出する機能を有する。
【0060】
異常検出無視手段63は、例えば、第一の異常検出手段71によるブザー鳴動に基づき(図1における先の異常Aの検出)、ユーザが異常解除の作業中の場合に、第二の異常検出手段72が異常検出(後の異常Bの検出)をしても、異常Bの検出を無視してブザー鳴動等をさせない機能を有する。異常Bの検出以降の異常検出に対しても、先の異常Aの検出に基づく異常解除の作業中であれば、同様に後の異常検出に対するブザー鳴動等は、行わない。
【0061】
なお、「異常検出無視」の対象としては、ライト(表示,点滅等)は、異常解除の作業中のユーザにとって煩わしいと感じない場合もあるので、異常検出無視の対象外とすることも可能である。
【0062】
異常解除終了確認手段64は、ユーザが異常解除を終了し、例えば、操作部30に異常解除の所定の入力をした場合に、その異常解除の所定入力を確認する機能を有する。
異常通知停止手段65は、ユーザが異常解除の作業を開始した場合、および異常解除終了確認手段64により異常解除を確認後、ブザー鳴動等の停止を行う機能を有する。
【0063】
次に、図1,図5,図6を参照しつつ、本実施形態の動作を説明する。図6は、本実施形態のフローチャート図である。
例えば、第一の異常検出手段71が先の異常Aを検出すると(図1の「2」)、異常通知開始手段61によりブザー43が鳴動され、異常通知がされる(「3」)(ステップS1)。
【0064】
ユーザがブザー鳴動を聞き、異常通知停止操作手段30Aにより、異常通知停止の操作を行うと(「4」)(ステップS2:YES)、異常通知停止手段65によりブザー鳴動が停止され(「5」)、ユーザは異常解除の作業に入る(ステップS3)。ステップS2において、異常通知停止の操作を行わない場合は(ステップS2:NO)、ステップS1に戻り、ブザーは鳴動し続ける。なお、ブザー音は喧しいので、例えば、5分間だけブザーを鳴動させ、その後は、ブザー音から、表示やライト点滅に切替えてもよい。
【0065】
ユーザが異常解除の作業に入っている間に、後の異常検出(例えば、第二の異常検出手段72による異常Bの検出)があった場合には(ステップS4:YES)、異常検出無視手段63により、その異常Bの検出を無視する。従って、異常通知は実行されない(ステップS5)。
【0066】
そして、後の異常Bの検出が無いか(ステップS4:NO)、または、異常Bの検出を無視した場合は(ステップS5)、異常解除終了確認手段64がユーザによる異常の対応が終了(異常解除)したことを確認し(ステップS6:YES)、別の異常検出(異常Bを含む)が無ければ(ステップS7:NO)、リターンとなる。
【0067】
ステップS6において、ユーザによる異常Aへの対応が終了しなければ(ステップS6:NO)、ステップS4〜ステップS6を繰り返す。
ステップS7において、別の異常(例えば、図示省略の異常C)が発生していれば(ステップS7:YES)、ステップS1に戻る。この場合は、異常Cに基づく異常通知がされる(ステップS1)。
【0068】
なお、図6のフローチャート図の説明では、ブザー鳴動の場合のみを示したが、ライト41やスピーカ42についても、同様の処理を行えばよい。
また、第一,第二のジョブ実行検出手段73,74がジョブ実行を検出した場合にも、同様の処理を行えばよい。但し、ジョブ実行検出手段の場合は、信号音等が比較的短時間なので、異常解除作業中の目障り,耳障りには、殆どならない。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明では画像形成装置の場合を説明したが、異常通知手段(例えば、ブザー)を備えた装置であれば、本発明を適用可能なのは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の処理の流れを説明するタイムチャート図である。
【図2】本発明の画像形成装置(複合機)の外観構成を示す図である。
【図3】画像形成装置(複合機)における、操作部の一例を示す図である。
【図4】画像形成装置(複合機)における、制御部のブロック図である。
【図5】同制御部を構成する異常通知抑制制御装置のブロック図である。
【図6】画像形成装置(複合機)の動作のフローチャート図である。
【図7】従来の画像形成装置の異常内容を、緊急度順に例示した図である。
【図8】第一の従来例のブロック図である。
【図9】第二の従来例のブロック図である。
【符号の説明】
【0071】
AR 異常通知抑制制御装置
FM 複合機
10 イメージ入力部
11 プラテンカバー
20 イメージ出力部
21 プリンタエンジン
22 用紙トレイ
30 操作部
30A 異常通知停止操作手段
31 液晶表示部
32 ボタン部
32a 機能切り換えボタン
32b テンキー
32c 音声ガイド/割り込みボタン
32d オールクリアボタン
32e スタートボタン
32f ストップボタン
32g ワンタッチダイヤルボタン
32h 手動受信ボタン
40 アテンションユニット
41 ライト
42 スピーカ
43 ブザー
50 制御部
51 メイン制御部
51a タイマ
52 スピーカ
53 バス
54 NCU(ネットワーク・コントロール・ユニット)
55 インターフェース(I/F)
56 機械駆動部
57 ハンドセット
60 異常通知抑制制御部
61 異常通知開始手段
62 異常解除開始検出手段
63 異常検出無視手段
64 異常解除終了確認手段
65 異常通知停止手段
71 第一の異常検出手段
72 第二の異常検出手段
73 第一のジョブ実行検出手段
74 第二のジョブ実行検出手段
101 異常検知手段
102 異常通知実行手段
103 報知装置
103a ライト
103b スピーカ
104 ジョブ終了通知実行手段
105 異常通知停止手段
106 ユーザ操作検知手段
107 通知継続時間格納手段
108 タイマ
111 実行状態検知手段
112 報知実行制御手段
114 操作検知手段
115 操作部
116 報知停止手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異常を検出する異常検出手段と、異常が検出されたことを通知する異常通知手段とを備えた画像形成装置において、
前記異常通知手段は、先に検出された異常が解除されるまでは、後の異常検出に基づく異常通知を実行しない
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、
前記異常通知手段は、複数備えられた前記異常検出手段のうち一の異常検出手段で先に検出された異常が解除されるまでは、他の異常検出手段で後に検出された異常に基づく異常通知を実行しない
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の画像形成装置において、
前記先に検出された異常が解除された場合に、前記後の異常検出に基づく異常が解除されていないときは、該後の異常検出に基づく異常通知を実行する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3記載の画像形成装置において、
検出される異常の種類には複数あり、これら複数の異常には各異常の重要度に応じてそれぞれ優先順位が定められており、
前記異常通知手段は、低い優先順位の異常の解除前に、より高い優先順位の異常検出があった場合でも、前記低い優先順位の異常が解除されるまでは、前記より高い優先順位の異常通知を実行しない
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4記載の画像形成装置において、
前記異常通知手段は、音を発して異常通知を実行する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5記載の画像形成装置において、
当該画像形成装置は、スキャナ機能,ファクシミリ機能,プリント機能のうち二以上の機能を備えた
ことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−18590(P2009−18590A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−215079(P2008−215079)
【出願日】平成20年8月25日(2008.8.25)
【分割の表示】特願2003−372310(P2003−372310)の分割
【原出願日】平成15年10月31日(2003.10.31)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】