説明

画像形成装置

【課題】 各々の現像離間ポジションにおける停止直前の動作と起動直後の動作の問題を瞬時に検知することで、現像離間動作で動作不良が発生した際に画像形成装置本体を瞬時に停止し、カートリッジ寿命と電力消費に対し信頼性が高い画像形成装置を提供する。
【解決手段】 現像離間動作と同期する部材に円環状のリブ形状を設け、且つ円環状のリブ形状には、各々の現像離間ポジションの位置に合せて幅の異なるスリットを設け、且つ円環状のリブを遮蔽する位置に検知手段を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の像担持体と、像担持体に形成された静電潜像を像担持体に接触して現像する現像剤担持体を備えた現像手段とを有し、フルカラー(多色)或いはモノカラー(単色)画像の形成が可能な画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真プロセスを用いた画像形成装置においては、画像形成部(画像形成ステーション)を複数並置している。そして、これら複数の画像形成ステーションに対向配置された中間転写体としての転写ベルト(中間転写ベルト)、或いは、転写材担持体としての転写材搬送ベルト上の転写材などに順次画像を転写するインライン方式を採用したカラー画像形成装置がある。こうしたインライン型のカラー画像形成装置に使用される現像手段としては、以下の二つの方式が知られている。即ち、一般的に現像剤担持体としての現像ローラを感光体ドラムに対して回転接触させた状態で現像を行う接触現像方式と、現像ローラと感光体ドラムとの間に所定の隙間を設けた状態で現像を行う非接触現像方式である。
【0003】
上記接触現像方式においては、現像ローラを感光体ドラムの静電潜像を現像する期間のみ感光体ドラムに接触させてトナーによる現像を行う。そのために、上記現像ローラの駆動伝達経路の伝達及び解除の切換えタイミングと感光体ドラムへの当接・離間タイミングを、カートリッジ寿命を長くする観点から現像ローラの作動量、即ち、回転量が最小となるように最適化した構成が設けられていた。
【0004】
しかし、最近の動向として特許文献1に記載されたように、現像ローラの駆動伝達経路の伝達及び解除の切換えタイミングと、感光体ドラムへの当接・離間タイミングを制御する方法を変更することによって、トナーの持つ電荷を安定させ、かぶり等の問題が発生することを防止してきた。
【特許文献1】特開2006−349763号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特開2006-349763号公報の画像形成装置は、現像ローラの駆動伝達経路の伝達及び解除の切換えタイミングと感光体ドラムへの当接・離間タイミングを検知する検知ポイントが一箇所(全離間ポジション)しか存在しなかった。よって、停止したい各ポジション(全離間ポジション、フルカラーポジション、モノカラーポジション)に対して、検知できていない状態であった。その結果、例えば全離間ポジションからフルカラーポジションへ変更するときに駆動源の脱調などの問題が発生した際、本体は問題が発生したことを検知できずに画像形成が行われ、画像形成終了時の全離間ポジションへ変更した時に検知できずエラーが発生する。この場合、画像抜け等の画像不良が発生しているにも関らず、本体は画像形成を継続し、カートリッジの寿命を無駄に短くしてしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものである。その目的は、各ポジション(全離間ポジション、フルカラーポジション、モノカラーポジション)の停止直前の動作と、起動直後の動作の問題を瞬時に検知することができ、駆動源の脱調等の動作不良が発生した際でも、瞬時に本体を停止することができる。その結果、本体の停止時間を短くでき、カートリッジ寿命と電力消費に有利になる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明に係る第一の構成は、静電潜像が形成される像担持体と、前記像担持体と接触して前記静電潜像を現像剤を用いて現像する現像部材と、前記像担持体と前記現像部材を当接または離間させる接離機構と、前記接離機構に駆動源からの動力を伝達するギアと、前記ギアに設けられた、複数の切り欠き部を有する円環状のリブと、前記複数の切り欠き部を検知する検知手段とを有することを特徴とする。
【0008】
また、前記複数の切り欠き部のうち、他の切り欠き部とは異なる幅を有する切り欠き部が少なくとも1つ有することを特徴とする。
【0009】
また、前記検知手段は、検知光を発光する発光部と、前記円環状のリブを挟んだ位置に設けられた前記検知光を受光する受光部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
従来、検知ポジションが一箇所しか存在しなかったことにより、動作不良が発生した際でも本体は問題を検知できずにカートリッジ寿命を無駄に短くしてしまうという課題があった。本発明によれば、各ポジションに検知ポイントを設けることで本体は瞬時に問題を検知することが可能となった。結果として、カートリッジ寿命の長寿命化と電力消費の低消費化に有利な画像形成装置を提供することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に、本発明の詳細を実施例の記述に従って説明する。
【実施例1】
【0012】
以下に、本発明に係る画像形成装置の実施形態について図面により詳しく説明する。
【0013】
[画像形成装置の全体構成]
まず、画像形成装置の全体構成について、図1を参照して概要説明する。なお、図1は画像形成装置の一態様であるカラーレーザープリンタ100の全体構成を示す縦断面図である。
【0014】
図1に示すカラーレーザープリンタ100は、4個の感光体ドラム1(1a,1b,1c,1d)を備えている。そして、それぞれの感光体ドラム1の周囲には、その回転方向に従って順に、感光体ドラム1表面を均一に帯電する帯電手段2(2a,2b,2c,2d)、画像情報に基づいてレーザービームを照射し感光体ドラム1上の静電潜像を形成する露光手段3、静電潜像にトナーを付着させてトナー像として顕像化する現像手段4(4a,4b,4c,4d)、感光体ドラム1上のトナー像を中間転写材12(中間転写ベルト)に転写させる転写手段12(12a,12b,12c,12d)、転写後の感光体ドラム1表面に残った転写後トナーを除去するクリーニング手段8(8a,8b,8c,8d)等が配設された画像形成手段で構成されている。
【0015】
本実施例では、上記感光体ドラム1(1a〜1d)と、帯電手段2(2a〜2d)、現像手段4(4a〜4d)およびクリーニング手段8(8a〜8d)とを、一体的にカートリッジ化した。そして、プロセスカートリッジ7(7a〜7d)としてカラーレーザープリンタ100に着脱可能に構成されている。
【0016】
これら4個のプロセスカートリッジ7a,7b,7c,7dは、同一構造であるが、異なる色、すなわち、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(Bk)のトナーによる画像を形成する点で相違している。プロセスカートリッジ7a,7b,7c,7dは、現像ユニット4a,4b,4c,4dと、クリーナユニット5a,5b,5c,5dによって構成されている。
【0017】
このうち前者の現像ユニット4a,4b,4c,4dは、現像部材である現像ローラ24a,24b,24c,24dと、現像剤塗布ローラ25a,25b,25c,25d、及びトナー容器を有している。
【0018】
一方、後者のクリーナユニット5a,5b,5c,5dは、像担持体である感光ドラム1a,1b,1c,1dと、帯電ローラ2a,2b,2c,2dと、ドラムクリーニングブレード8a,8b,8c,8dと、廃トナー容器とを有している。
【0019】
像担持体としての感光体ドラム1a,1b,1c,1dは、アルミニウム製シリンダの外周面に有機光導伝体層(OPC)を塗布して構成したものである。そして、その両端部をフランジによって回転自在に支持されており、一方の端部に不図示の駆動モータから駆動力を伝達することにより、図1の矢印に示す時計回り方向に回転駆動される。
【0020】
帯電手段2a,2b,2c,2dは、ローラ状に形成された導電性ローラで、感光体ドラム1a,1b,1c,1d表面に接触して、不図示の電源によって帯電バイアス電圧を印加されることで、感光体ドラム1表面を一様に帯電するものである。
【0021】
露光手段3は、プロセスカートリッジ7a,7b,7c,7dの鉛直下方に配置され、画像信号に基づく露光を感光ドラム1a,1b,1c,1dに対して行う。
【0022】
現像ユニット4a,4b,4c,4dは、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色のトナーを収納したトナー収納部、感光体表面に隣接し、不図示の駆動部により回転駆動される。それと共に、図示しない現像バイアス電源により現像バイアス電圧を印加することにより現像を行う現像ローラ等から構成される。
【0023】
上述の構成により,感光ドラム1a,1b,1c,1dは、帯電ローラ2a,2b,2c,2dによって所定の負極性の電位に帯電された後、スキャナユニット3によってそれぞれ静電潜像が形成される。この静電潜像は現像ユニット4a,4b,4c,4dによって反転現像されて負極性のトナーが付着され、それぞれY、M、C、Bkのトナー像が形成される。
【0024】
中間転写ベルトユニット12は、中間転写ベルト12eが駆動ローラ12f、テンションローラ12gに張架されており、該テンションローラ12gが矢印E方向に張力をかけている。また、各感光ドラム1a,1b,1c,1dに対向して、中間転写ベルト12eの内側に一次転写ローラ12a,12b,12c,12dが配設されており、不図示のバイアス印加手段により転写バイアスを印加する構成となっている。
【0025】
感光ドラム1a,1b,1c,1d上に形成されたトナー像は、各感光ドラムが矢印方向に回転し、中間転写ベルト12eが矢印F方向に回転させ、さらに一次転写ローラ12a,12b,12c,12dに正極性のバイアスを印加する。それにより、感光ドラム1a上のトナー像から順次、中間転写ベルト12e上に一次転写され、4色のトナー像が重なった状態で二次転写部15まで搬送される。
【0026】
給送装置13は、シートSを収納する給紙カセット11内からシートSを給紙する給紙ローラ9と、給紙されたシートSを搬送する搬送ローラ対10とを有している。
【0027】
給紙カセット11は図1中本体手前方向へ引き抜くことができるよう構成しており、ユーザは給紙カセット11を引き抜き、装置本体から取外した後、シートSをセットし装置本体へ挿入することでシート補給が完了する。
【0028】
給紙カセット11に収納されたシートSは、給紙ローラ9に圧接され、分離パッド23によって一枚ずつ分離され(摩擦片分離方式)搬送される。
【0029】
そして、給送装置13から搬送されたシートSはレジストローラ対17によって二次転写部15に搬送される。
【0030】
二次転写部15において、二次転写ローラ16に正極性のバイアスを印加することにより、搬送されたシートSに、中間転写ベルト12e上の4色のトナー像を二次転写する。
【0031】
定着手段である定着部14は、転写材上に形成した画像に熱及び圧力を加えて定着させるものである。
【0032】
14aは円筒状の定着ベルトであり、ヒータ等の発熱手段を接着したベルトガイド部材14cにガイドされている。14bは弾性加圧ローラであり、定着ベルト14aを挟みベルトガイド部材14cと所定の圧接力をもって所定幅の定着ニップ部Nを形成している。
【0033】
加圧ローラ14bが不図示の駆動手段により回転駆動され、それに伴って円筒状の定着ベルト14aが回転し、不図示の内部ヒータにより定着ベルト14aは加熱される。
【0034】
定着ニップ部Nが所定の温度に立ち上がって温調された状態において、画像形成部から搬送された未定着トナー画像が形成されたシートSが定着ニップ部Nの定着ベルト14aと加圧ローラ14bとの間に画像面が上向きに搬送される。即ち定着ベルト面に対向して導入され、定着ニップ部Nにおいて画像面が定着ベルト14aの外面に密着して定着ベルト14aと一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。
【0035】
この定着ニップ部Nを定着ベルト14aと一緒にシートSが挟持搬送されていく過程において定着ベルト14a内のヒータ熱で加熱され転写材S上の未定着トナー画像が加熱定着される。定着されたシートSは排紙ローラ対20によって排紙トレイ21に排出される。
【0036】
一方、トナー像転写後に、感光ドラム1a,1b,1c,1d表面に残ったトナーは、クリーニングブレード8a,8b,8c,8dによって除去され、除去されたトナーはクリーナユニット5a,5b,5c,5d内の廃トナー容器に回収される。
【0037】
また、シートSへの二次転写後に中間転写ベルト12e上に残ったトナーは、転写ベルトクリーニング装置22によって除去され、除去されたトナーは、廃トナー搬送路(不図示)を通過し、装置奥面部に配置された廃トナー回収容器(不図示)へと回収される。
【0038】
〔感光体ドラム1への現像ローラ24の当接・離間切換え動作についての説明〕
次に、本実施例による感光体ドラム1への現像ローラ24の接離機構8について、図2〜図5を参照して詳細に説明する。
【0039】
図2は本実施例に使用する画像形成装置本体の縦断面図である。図3は本実施例に使用するプロセスカートリッジ7(7a、7c、7d、7d)の主断面である。図4は本実施例に係る感光体ドラム1への現像ローラ24の接離機構8の概略斜視図である。図5は、本発明に従った離間カムと現像クラッチの関係を示すカム線図である。
【0040】
本実施例に使用するプロセスカートリッジ7は、図2のように、感光体ドラム1と、帯電手段2及びクリーニング手段8とを備えた第一枠体としての感光体ドラムユニット5、及び、現像手段を有する第二枠体としての現像ユニット4に分かれている。現像ユニット4は、支持軸(支点)23にて揺動可能に感光体ドラムユニット5に取り付けられており、バネ55の押圧力により、現像ローラ24は感光体ドラム1に当接している。
【0041】
一方、本実施例では、図3に示すように、画像形成装置本体100の不図示の装着部に装着されたプロセスカートリッジ7に隣接して、現像ローラ当接・離間切換え手段、即ち、接離機構8が配置される。
【0042】
本実施例における接離機構8は、現像ローラ24の感光体ドラム1に対する当接・離間切換え手段として、各色の現像ユニット4(4a、4b、4c、4d)に設けられたボス46(46a、46b、46c、46d)の左右動作をするための離間カム80(80a、80b、80c、80d)を有する。
【0043】
各離間カム80(80a、80b、80c、80d)の一端には、図4に示すように、離間歯車94(94a、94b、94c、94d)が取り付けられている。そして、離間歯車94はウォーム歯車93(93a、93b、93c、93d)に噛合し、各ウォーム歯車93は駆動軸92に固定されている。また、歯車91はウォーム歯車93と同様に、駆動軸92に固定されている。
【0044】
上記構成にて、装置本体100に設けた一つの駆動源であるステッピングモータ90から歯車91に駆動が伝達されると、離間カム80が回転する。そして、この回転に伴い現像ユニット4のボス46が左右運動を行い、現像ローラ24が感光体ドラム1に当接する位置及び現像ローラ40が感光体ドラム1より離間する位置を作り出す。
【0045】
つまり、離間カム80と係合してボス46が左右方向に移動することにより、現像ユニット4をバネ55の付勢力に抗して支持軸23(図3)の周りに揺動し、感光体ドラム1に対する現像ローラ24の当接又は離間動作を行う。
【0046】
本実施例では、接離機構8は、以下の3つの状態を選択可能とする。
【0047】
(1)全色の離間カム80の最大半径でボス46と接し、全ての現像ローラ24と感光体ドラム1とが離間する待機状態。
【0048】
(2)全色の離間カム80がボス46と離間し全ての現像ローラ24と感光体ドラム1とが当接するフルカラー状態。
【0049】
(3)イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3色の離間カム80a、80b、80cが最大半径でボス46a、46b、46cと接し、かつブラック(Bk)の離間カム80dがボス46dと離間することで、ブラック(Bk)の現像ローラ24dのみが感光体ドラム1dと当接するモノカラー状態。
【0050】
図5のカム線図に示すように、各色の離間カム80(80a、80b、80c、80d)にそれぞれプロフィールを持たせ、なおかつ、各色の離間カム80(80a、80b、80c、80d)の位相をずらすことで、次のようなモード切換えが可能となる。
【0051】
つまり、フルカラーモードにおいては、イエロー(Y)画像形成ステーション(1st)→マタゼン(M)画像形成ステーション(2st)→シアン(C)画像形成ステーション(3st)→ブラック(Bk)画像形成ステーション(4st)の順に現像ローラ40が感光体ドラム1に当接していき現像動作を行う。それと共に、現像動作終了後には、イエロー(Y)画像形成ステーション(1st)→マタゼン(M)画像形成ステーション(2st)→シアン(C)画像形成ステーション(3st)→ブラック(Bk)画像形成ステーション(4st)の順に、現像ローラ24が感光体ドラム1から離間していき、印字を終了する。
【0052】
モノカラーモードにおいては、駆動源をフルカラーモードと逆方向に回転することによりブラック(Bk)画像形成ステーション(4st)のみの現像ローラ24dを感光体ドラム1dに当接していき現像動作を行う。それと共に、現像動作終了後には、フルカラーモードと同じ方向に回転することによりブラック(Bk)の現像ローラ24dを感光体ドラム1dから離間して、印字を終了する。
【0053】
〔現像ローラ24の駆動切換え動作についての説明〕
次に、本実施例に係る現像ローラ24の駆動伝達経路の伝達及び解除の切換え手段としての駆動ユニット200について、図6を参照して詳細に説明する。図6は、ブラック(Bk)画像ステーション(4st)における現像ローラ24dの駆動ユニット200の概略斜視図である。他の画像ステーションも同様の駆動ユニットを有している。
【0054】
プロセスカートリッジ7を駆動する装置本体100に設けた駆動ユニット200は、図6のように、各色毎に一つずつ設けた駆動手段としての駆動モータ70dから、感光体ドラム1を駆動する系列71dと現像ローラ24dを駆動する系列72dに分岐している。そして、現像ローラ24dの駆動側に経路の伝達及び解除の切換え手段としての現像クラッチ74d、75dを設け、感光体ドラム1が回転している時に現像ローラ24の回転・停止を切換えられるようになっている。
【0055】
つまり、現像ローラ24dの感光体ドラム1dに対する当接、離間切換えは、図4に示す接離機構8により行い、現像ローラ40dの駆動及び切換えは、図6に示す現像クラッチ機構74d、75dにより行われる。即ち、プロセスカートリッジ毎に設けられた駆動モータ70dが駆動しても現像ローラ24dが駆動されることはない。そして、図4に示す接離機構8における一つの駆動源(ステッピングモータ)90が駆動することにより現像クラッチ74d、75dが作動し、現像ローラ24dが駆動される。
【0056】
更に説明すると、現像クラッチ74d、75dは、スラスト方向にカム形状があるクラッチギア97dの回転に伴い不図示のクラッチカムがスラスト方向に移動する。それに伴いクラッチ75dがスラスト方向に移動することで、クラッチ74dとの接続と断絶を行っている。
【0057】
クラッチギア97dは、離間歯車94dと連結されており、クラッチギア97d、離間歯車94dは同じ歯数になっているので、離間歯車94dに取り付けられた離間カム80dの回転とクラッチギア97dの位相関係は常に同じとなる。
【0058】
これにより、離間カム80の回転とクラッチ74d、75dのON・OFF動作が同期するため、離間カム80が現像離間位置から現像当接位置に回転移動する。それに伴い、現像クラッチ74d、75dがOFF→ON状態へと移行し、離間カム80が現像当接位置から現像離間位置に回転移動する。さらに、現像クラッチ74d、75dがON→OFF状態へと移行していき、本実施例では、現像ローラ24が回転してから感光体ドラム1に当接し、現像ローラ24が感光体ドラム1から離間してから、回転が止まる構成となっている。
【0059】
図6は、上述のように、ブラック(Bk)画像形成ステーション(4st)のみについて表示しているが、他の色(イエロー、マゼンタ、シアン)の画像形成ステーション(1st)、(2st)、(3st)とも同様の構成をしており、動作も同じである。
【0060】
〔現像離間ポジションの検知動作についての説明〕
次に、本実施例に係る現像ローラ24の駆動伝達経路の伝達及び解除の切換えタイミングと、感光体ドラム1への当接・離間タイミングの検知方法について、図7を参照して詳細に説明する。図7は、本実施例に係る感光体ドラム1への現像ローラ24の接離機構8における現像離間ポジションの検知動作の概略斜視図である。
【0061】
図7のように、接離機構8における一つの駆動源(ステッピングモータ)90からギアを介して駆動が伝達されるクラッチギア97dには、円環状のリブ98が設けられていている。そして、この円環状のリブ98を遮蔽する位置に、検知手段であるフォトインタラプタ99が画像形成装置本体100に固定されている。フォトインタラプタ99は、検知光を発光する発光部(不図示)と、検知光を受光する受光部(不図示)と、を有する。また、上記円環状のリブ98には、幅の異なる三種類の切り欠き部であるスリットが設けられており、各々のスリット幅の比率は、誤検知防止のため一定以上になっている。その結果、本実施例における離間カムと現像クラッチとフォトインタラプタの検知信号の関係は、図8のようなカム線図となり、画像形成装置本体100は、現像離間動作を絶えず把握することができる。
【0062】
本実施例においては円環状のリブに複数のスリットが設けられている構成になっているが、突起形状でも良い。
【0063】
以上説明したように、現像ローラの駆動伝達経路の伝達及び解除の切換えタイミングと感光体ドラムへの当接・離間タイミングを検知する円環状のリブ形状を、現像離間動作と同期する歯車に設ける。更に、円環状のリブ形状には幅の異なる三種類のスリットが、各ポジション(全離間ポジション、フルカラーポジション、モノカラーポジション)に設けられることによって、各々のポジションにおける誤検知を防止するとともに、画像形成装置本体は現像離間動作を絶えず把握することが可能となった。
【0064】
これによって、従来の課題であった現像離間ポジションの検知ポイントが一箇所しか存在しないことにより、本体が動作不良を検知するためには一定時間(離間カムが約一回転する時間)がかかってしまい、カートリッジ寿命が短くなってしまうという課題を解決できる。即ち、画像形成装置本体は、各ポジション(全離間ポジション、フルカラーポジション、モノカラーポジション)の停止直前の動作と、起動直後の動作の問題を瞬時(動作開始から離間カムが少なくとも20°回転する時間)に検知することが可能となった。結果として、駆動源の脱調等の動作不良が発生した際でも、瞬時(動作開始から離間カムが少なくとも20°回転する時間)に画像形成装置本体を停止することができるので、カートリッジ寿命と電力消費に有利になる画像形成装置を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明に係る多色画像形成装置の実施例を示す断面図。
【図2】第一の実施形態の画像形成装置本体の縦断面図。
【図3】プロセスカートリッジの断面図。
【図4】第一の実施形態の現像ローラの接離機構の斜視図。
【図5】第一の実施形態の離間カムと現像クラッチの関係を示すカム線図。
【図6】第一の実施形態のプロセスカートリッジの駆動部の斜視図。
【図7】第一の実施形態の現像離間ポジションの検知手段の斜視図。
【図8】第一の実施形態の離間カムと現像クラッチと検知信号の関係を示すカム線図。
【符号の説明】
【0066】
1a、1b、1c、1d 感光ドラム
3 露光装置
7a、7b、7c、7d プロセスカートリッジ
11 給紙カセット
12 中間転写ベルトユニット
12a、12b、12c、12d 転写ローラ
12e 中間転写ベルト
14 定着装置
16 二次転写ローラ
90 ステッピングモータ
98 円環状リブ
99 フォトインタラプタ
100 カラーレーザープリンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像が形成される像担持体と、前記像担持体と接触して前記静電潜像を現像剤を用いて現像する現像部材と、前記像担持体と前記現像部材を当接または離間させる接離機構と、前記接離機構に駆動源からの動力を伝達するギアと、前記ギアに設けられた、複数の切り欠き部を有する円環状のリブと、前記複数の切り欠き部を検知する検知手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ギアに設けられた複数の切り欠き部のうち、他の切り欠き部とは異なる幅を有する切り欠き部が少なくとも1つ有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記複数の切り欠き部を検知する検知手段は、検知光を発光する発光部と、前記円環状のリブを挟んだ位置に設けられた前記検知光を受光する受光部とを有することを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−204700(P2009−204700A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−44513(P2008−44513)
【出願日】平成20年2月26日(2008.2.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】