説明

画像形成装置

【課題】出力画像のバンディングを抑制することができる画像形成装置を得る。
【解決手段】LPH20の当接ピン46の先端部は、現像ローラ24が位置決めされる第1位置決め部70から感光体ドラム16の回転方向(矢印B方向)に対して逆向きにベアリング52の外周面の周方向へ沿って40〜55度離れた第2位置決め部72と当接している。LPH20の当接ピン46が当接する第2位置決め部72は、現像器22の負荷によるベアリングの変形が最小となる変形最小位置である。よって、LPH20は振動することなく安定した状態で感光体ドラム16を露光するため、出力画像のバンディングを抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光体ドラムの表面を露光する複数個の発光素子が並べられた発光器を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の画像形成装置では、感光体ドラムの軸方向へ延びる発光器が、感光体ドラムの表面に沿って配置されている。この発光器の両端部には、感光体ドラムへ向って延びる当接ピンが設けられている。そして、この当接ピンの先端部を感光体ドラムの軸受部材と当接させることで、発光器の焦点距離を所定の距離に保つことができ、良質な出力画像を得ることが出来るようになっている。
【特許文献1】特開2001−130047公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、感光体ドラム自体が振動すると、当接ピンを通して発光器が振動し、この発光器の振動により、発光器の焦点距離が変化して、出力画像にすじ(所謂バンディング)が発生することが考えられる。
【0004】
特に、感光体ドラムの表面に形成された潜像を、トナー画像として現像する現像器は、モータ等の駆動手段を備えているため、振動源となって、感光体ドラムを振動させる場合がる。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、出力画像のバンディングを抑制することが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係る画像形成装置は、光の照射によって潜像が形成される感光体ドラムと、前記感光体ドラムの両端部に配置され、前記感光体ドラムを回転可能に支持する支持部材と、前記支持部材が当接して位置決めされるフレーム部材と、前記感光体ドラムの表面に形成された潜像を現像してトナー画像を形成する現像器と、前記現像器に設けられ、前記支持部材と当接して前記感光体ドラムの表面に形成された潜像を現像可能となる位置に、前記現像器を位置決めする現像器位置決め部材と、前記感光体ドラムの軸方向に沿って延びると共に、前記感光体ドラムの表面へ光を照射して潜像を形成する複数の発光素子が並べられた発光器と、前記発光器に設けられ、前記現像器によって前記支持部材へ与えられる荷重が変化することにより生じる前記支持部材の変形が最小となる変形最小位置に当接して前記感光体ドラムの表面へ光を照射可能となる位置に前記発光器を位置決めする発光器位置決め部材と、を有することを特徴とする。
【0007】
上記構成によれば、感光体ドラムの両端部に配置された支持部材が、光の照射によって潜像が形成される感光体ドラムを回転可能に支持している。また、支持部材は、フレーム部材と当接して位置決めされている。
【0008】
さらに、感光体ドラムの表面に形成された潜像を現像してトナー画像を形成する現像器は、現像器に設けられた位置決め部材が支持部材と当接することで感光体ドラムの表面に形成された潜像を現像可能となる位置に位置決めされている。
【0009】
また、感光体ドラムの表面へ光を照射して潜像を形成する複数の発光素子が並べられた発光器が、感光体ドラムの軸方向に沿って延びて配置されている。
【0010】
さらに、発光器に設けられた発光器位置決め部材は、現像器によって支持部材へ与えられる荷重が変化することにより生じる支持部材の変形が最小となる変形最小位置に当接している。これにより、発光器位置決め部材は、感光体ドラムの表面へ光を照射可能となる位置に発光器を位置決めしている。
【0011】
ここで、発光器位置決め部材が、支持部材の変形が大きい位置に当接している場合は、支持部材の変形に伴って発光器が振動し、出力画像にすじ(所謂バンディング)が発生する場合がある。
【0012】
しかし、前述したように、発光器位置決め部材は、支持部材の変形が最小となる変形最小位置に当接している。このため、発光器の振動を防止して出力画像のバンディングを抑制することができる。
【0013】
本発明の請求項2に係る画像形成装置は、請求項1に記載において、前記支持部材は、前記感光体ドラムの両端部に取り付けられた円形のベアリングであって、前記フレーム部材は、前記ベアリングの外周面と当接する第1当接部と、前記第1当接部から前記外周面の周方向へ沿って90度離れた第2当接部と、を備え、前記現像器位置決め部材は、前記第1当接部、又は前記第2当接部と前記ベアリング中心を跨いで対向する前記ベアリングの外周面の第1位置決め部と当接し、前記発光器位置決め部材は、前記第1位置決め部から前記感光体ドラムの回転方向に対して逆向きに前記外周面の周方向へ沿って40〜55度離れた第2位置決め部と当接することを特徴とする。
【0014】
上記構成によれば、支持部材は、感光体ドラムの両端部に取り付けられた円形のベアリングである。また、フレーム部材は、ベアリングの外周面と当接する第1当接部と、第1当接部からベアリングの外周面の周方向へ沿って90度離れた第2当接部とでベアリングの外周面と当接してベアリングを位置決めしている。
【0015】
さらに、現像器位置決め部材は、第1当接部、又は第2当接部とベアリング中心を跨いで対向するベアリングの外周面の第1位置決め部と当接して現像器を位置に位置決めしている。
【0016】
また、発光器位置決め部材は、第1位置決め部から感光体ドラムの回転方向に対して逆向きにベアリングの外周面の周方向へ沿って40〜55度離れた変形最小位置となる第2位置決め部と当接している。
【0017】
このように配置にすることで、発光器の振動を抑制し、出力画像のバンディングを抑制することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の画像形成装置によれば、出力画像のバンディングを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の実施形態を図1〜図8に従って説明する。
【0020】
図8に示されるように、画像形成装置10には、本体を構成する筐体11の内部に、複数のローラ12に張架され、モータ(図示省略)の駆動により矢印A方向に搬送される無端ベルト状の中間転写体ベルト14が設けられている。
【0021】
この画像形成装置10は、カラー画像の形成に対応しており、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色に対応するトナー像を形成する画像形成ユニット15Y、15M、15C、15Kが、中間転写体ベルト14の長手方向に沿って配置されている。
【0022】
なお、各色毎に設けられた部材については、符号の末尾に各々の色を示すアルファベット(Y/M/C/K)を付与して示すが、特に色を区別せずに説明する場合は、この符号末尾のアルファベットを省略して説明する。
【0023】
画像形成ユニット15は、図示しないモータ及びギアからなる駆動手段によって反時計方向へ回転する感光体ドラム16を備えている。
【0024】
さらに、感光体ドラム16の周面には、感光体ドラム16の表面を所定の電位に一様に帯電させるための帯電ローラ18が配置されている。帯電ローラ18は、導電性のローラであり、その周面が感光体ドラム16の周面に接触し、かつ帯電ローラ18の軸線方向と感光体ドラム16の軸線方向とが一致するように配設されている。
【0025】
また、感光体ドラム16の回転方向の帯電ローラ18よりも下流側の周面には、感光体ドラム16上に潜像を形成するための発光素子としてのLED(発光ダイオード)を光源とした発光器としてのLEDプリントヘッド(LPH)20が感光体ドラム16の軸方向に延びている。なお、以後、LEDプリントヘッド20をLPH20と記載する。
【0026】
図7に示されるように、LPH20は、多数のLEDをライン状に配列したLEDチップ30が配置されたLEDアレイ28と、LEDから出力された光を感光体表面に結像させるために、複数のロッドレンズを配列したセルフォックレンズアレイ32と、セルフォックレンズアレイ32を支持する直方体状の支持部材38を含んで構成されている。
【0027】
詳細には、LEDアレイ28は、LEDアレイ28の駆動を制御する各種信号を供給するための回路が形成されたプリント基板28Aに、LEDチップ30が複数配置されて構成されている。LEDアレイ28全体のLEDの数は、解像度に応じた画素(ドット)数分、例えば、A3サイズ(420mm×297mm)の用紙まで対応し、LEDの配列方向(LPH長手方向)について600dpiで印刷する場合には、約7020個設けられている。
【0028】
さらに、LEDチップ30は、各々のLEDの配列方向をLPH20の長手方向に一致させるとともに、取付位置を所定のピッチだけ交互にずらしてLPH20の長手方向に並べられ(千鳥配置)、プリント基板28Aに取り付けられている。
【0029】
このようにLEDチップ30を千鳥配置にしたことにより、LPH20の長手方向に隣接するLEDチップ30のLPH長手方向位置を重複させて配置することができ、各LEDの間隔にばらつきが発生することがないようになっている。
【0030】
なお、LEDチップ30の配置は、LPH長手方向のLEDの配設間隔が等間隔であれば、千鳥配置に拘らず一列に並べて配置してもよいし、LEDチップ30を複数個ではなく1つだけ配置してあってもよい。
【0031】
また、セルフォックレンズアレイ32は、結像レンズとして、LEDアレイ28と感光体ドラム16との間に設けられている。セルフォックレンズアレイ32は、屈折率分布型のロッドレンズが、例えば、解像度に応じた各画素(ドット)に対応したピッチで配列されて構成されており、各LEDから出射された光ビームを感光体ドラム16上に結像させる。
【0032】
上記構成のLPH20は、画像データに応じて光ビームを感光体ドラム16に照射することにより、感光体ドラム16上に潜像を形成するようになっている。
【0033】
さらに、図8に示されるように、各感光体ドラム16の回転方向のLPH20よりも下流側の周面には、感光体ドラム16上に形成された潜像を所定色(イエロー/マゼンタ/シアン/ブラック)のトナーによって現像してトナー像を形成させる現像器22が配設されている。
【0034】
現像器22は、感光体ドラム16に近接配置され、回転可能に設けられた円筒状の現像ローラ24を有している。現像ローラ24は、現像バイアスが印加され、現像器22内に装填されたトナーが周面に付着される。現像ローラ24の回転により、現像ローラ24に付着されたトナーが感光体ドラム16の表面に搬送され、トナーが感光体ドラム16に擦りつけられて、感光体ドラム16上に形成された潜像が現像される構成となっている。
【0035】
なお、LPH20、及び現像器22については、詳細を後述する。
【0036】
また、各感光体ドラム16の回転方向の現像器22よりも下流側の周面には、各感光体ドラム16上のトナー像を中間転写体ベルト14に転写する転写ローラ25が設けられている。転写ローラ25は、所定の電位に帯電されて時計方向に回転して中間転写体ベルト14を所定の速度で搬送し、感光体ドラム16に順次対向させる。これにより、転写ローラ25は、感光体ドラム16上のトナーを中間転写体ベルト14上に転写させるようになっている。
【0037】
また、感光体ドラム16の周面の転写ローラ25よりも下流側には、感光体ドラム16上の転写残トナーやリトランスファートナー等の残留トナーを回収するクリーニングブレード26が配置されている。クリーニングブレード26は、一辺が感光体ドラム16と接触するように配設されており、中間転写体ベルト14に転写されずに感光体ドラム16上に残留したトナーや、転写時に感光体ドラム16上に付着してしまった他の色のトナー等を削ぎとって回収するようになっている。
【0038】
ここで、各画像形成ユニット15により形成された互いに異なる色のトナー像は、中間転写体ベルト14のベルト面上で、互いに重なり合うように転写される。これにより、中間転写体ベルト14上にカラーのトナー像が形成される。なお、本実施形態では、このようにして4色のトナー像が重ねて転写されたトナー像を最終トナー像と称する。
【0039】
4つの画像形成ユニット15よりも中間転写体ベルト14の搬送方向下流側には、対向する2つのローラ34A、34Bからなる転写装置34が配設されている。中間転写体ベルト14上に形成された最終トナー像は、このローラ34A、34Bの間に送り込まれ、画像形成装置10の底部に設けられた用紙トレイ36から取り出されて、同じくローラ34A、34Bの間に搬送されてきたシート材Pに転写されるようになっている。
【0040】
また、最終トナー像が転写されたシート材Pの搬送経路には、加熱ローラ40Aと加圧ローラ40Bとからなる定着装置40が配設されている。定着装置40に搬送されたシート材Pは、加熱ローラ40Aと加圧ローラ40Bとによって挟持搬送されることにより、シート材P上のトナーが溶融すると共にシート材Pに圧着されて、定着される。
【0041】
一方、転写装置34よりも中間転写体ベルト14の搬送方向下流側には、転写装置34によってシート材Pに転写されずに中間転写体ベルト14上に残留したトナーを回収するクリーナ42が配設されている。クリーナ42には、中間転写体ベルト14に接するようにブレード44が備えられており、残留したトナーを擦り取ることによって回収する。
【0042】
上記構成による画像形成装置10では、次のようにして画像が形成される。
【0043】
まず、帯電ローラ18が、感光体ドラム16の表面を予定の帯電部電位で一様にマイナス帯電する。さらに、帯電された感光体ドラム16上の画像部分が予定の露光部電位になるようにLHP20で露光を行ない感光体ドラム16上に潜像が形成される。
【0044】
すなわち、図示せぬ制御部から供給される画像データに基づき、LHP20のレーザ光をオン・オフすることによって画像に対応した潜像が各感光体ドラム16上に形成される。
【0045】
さらに、回転する感光体ドラム16上の潜像が現像器22に備えられた現像ローラ24を通過すると、電気力によって現像剤Gのトナーが潜像へ付着し、潜像はトナー画像として可視化される。
【0046】
可視化された各色のトナー画像は、転写ローラ25の電気力で中間転写体ベルト14へ順次転写され、中間転写体ベルト14上にカラーの最終トナー画像が形成される。
【0047】
この最終トナー像は、転写装置34に設けられたローラ34A、34Bの間に送り込まれ、用紙トレイ36から取り出されて、同じくローラ34A、34Bの間に搬送されてきたシート材Pに転写される。
【0048】
さらに、シート材Pへ転写されたトナー画像は定着装置40で定着され、シート材Pは、装置外へ排出される。
【0049】
次に、LPH20、現像器22、及び感光体ドラム16等について詳細に説明する。
【0050】
図4に示されるように、感光体ドラム16は、両端面から外側へ突設された円柱状の軸部50を有している。この軸部50には、図示しないドラムギアが取り付けられ、ギア群を介してモータから回転力が伝達される。さらに、感光体ドラム16の両端部には、円筒形状のベアリング52がそれぞれ設けられており、ベアリング52は、感光体ドラム16を回転可能に支持している。
【0051】
さらに、矩形状の開口部60Aが設けられた板状のフレーム部材60が、感光体ドラム16の両端部に立設して設けられており、ベアリング52は、開口部60Aの端面と当接している。
【0052】
詳細には、夫々の開口部60Aの隅部にベアリング52が押し付けられており、ベアリング52の外周面と当接する第1当接部62と第2当接部64が、外周面の周方向へ沿って90度離れている。これにより、ベアリング52は位置決めされている。
【0053】
一方、現像器22には、現像ローラ24の軸部24Aを回転可能に軸支する板状のブラケット66が設けられている。図2に示されるように、このブラケット66の感光体ドラム16へ向いた端部は、直角に外方向へ折り曲げられており、この折り曲げられた折曲部66Aには、ベアリング52の方向へ突設した位置決め部材としてのピン68が設けられている。
【0054】
図1に示されるように、このピン68の先端部は、第2当接部64とベアリング52の中心を跨いで対向するベアリング52の外周面の第1位置決め部70と当接している。この構成により、現像ローラ24は、感光体ドラム16の表面に形成された潜像を現像可能となる位置に位置決めされている。
【0055】
また、図2、図3に示されるように、感光体ドラム16と対向するように、LPH20が配置され、LPH20の両端部には、ベアリング52へ向って延びる当接ピン46が夫々設けられている。
【0056】
図1に示されるように、この当接ピン46の先端部は、現像ローラ24が位置決めされる第1位置決め部70から感光体ドラムの回転方向(矢印B方向)に対して逆向きにベアリング52の外周面の周方向へ沿って40〜55度離れた第2位置決め部72と当接している。この構成により、LPH20は、感光体ドラム16の表面へ光を照射可能となる位置に位置決めされるようになっている。
【0057】
一方、現像器22は、現像ローラ24を回転させるため、駆動手段等を備えている。この駆動手段が振動源となって、現像器22が振動する。この振動は、ベアリング52に当てられたピン68を通してベアリング52へ伝達され、これにより、ベアリング52が変形する。
【0058】
仮に、当接ピン46は当接しているベアリング52の第2位置決め部72が、ベアリング52の変形が大きい部位であれば、ベアリング52の変形に伴ってLPH20が振動し、出力画像にすじ(所謂バンディング)が発生する。
【0059】
しかし、LPH20の当接ピン46が当接する第2位置決め部72がベアリング52の変形が最小となる変形最小位置であれば、LPH20は振動することなく安定した状態で感光体ドラム16を露光することができる。
【0060】
ここで、本願の発明者は、シュミレーション及び実験にて現像器22の振動によってベアリング52に生じる変形(振動)について調査した。
【0061】
図5にはシュミレーションの結果が示されており、横軸については、現像器22がベアリング52に当接する第1位置決め部70を0度として、感光体ドラム16が回転する方向と逆方向の角度を5度、10度、・・・と示している。
【0062】
さらに、縦軸については、ベアリング52の外周面での振幅を示している。また、実線で示されているのが、縦方向(図1に示すX方向)の振動の振幅で、点線で示されているのが、横方向(図1に示すY方向)の振動の振幅である。
【0063】
シュミレーション結果から分かるように、縦方向の振動の振幅は40度で0mmとなり、縦方向の振動の振幅は55度で0mmとなることが分かる。縦振動及び横振動を考慮すると、40度から55度の範囲が変形最小位置と言える。
【0064】
また、図6(A)(B)には実験結果を示しており、図3同様に、横軸が第1位置決め部70を0度として、感光体ドラム16が回転する方向と逆方向の角度であって、縦軸が、ベアリング52の振動の振幅を示している。
【0065】
なお、実験設備の制約上、0度から40度の振幅については測定できなかった。
【0066】
図6(A)には縦方向(図1に示すX方向)の振幅、図6(B)には横方向(図1に示すY方向)の振幅を示しているが、シュミレーション結果と同じ傾向を示しているのが分かる。
【0067】
このように、シュミレーション及び実験結果からも分かるように、第1位置決め部70から40〜55度離れた第2位置決め部72は、ベアリング52の変形が最小となる変形最小位置であることが分かる。なお、当接ピン46を当接させる位置としては、縦横の振動が小さい47.5度がさらに好ましい。
【0068】
よって、LPH20は振動することなく安定した状態で感光体ドラム16を露光するため、出力画像のバンディングを抑制することができる。
【0069】
次に第2実施形態の画像形成装置10について図9から図11に従って説明する。
【0070】
なお、第1実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0071】
この実施形態では、図9、図10、図11に示されるように、第1実施形態とは違い、LPH20は、感光体ドラム16の下方に配置されている。
【0072】
さらに、LPH20の両端部からベアリング52へ向って延びる当接ピン80はLPH20の側面から突出してL字状に折り曲げられ、当接ピン80の先端部は、第2位置決め部72と当接している。
【0073】
また、当接ピン80が突出するLPH20の側面と反対側の側面からは、L字状の補助当接ピン84が設けられ、補助当接ピン84の先端部はLPH20をバランスよく保持するため、第2位置決め部72に対して反対側のベアリング52の外周面と当接している。
【0074】
このようにして、LPH20を感光体ドラム16の下方へ配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置に採用されたLPH、現像器、及び感光体ドラム等を示した側面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置に採用されたLPH、現像器、及び感光体ドラム等を示した拡大斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置に採用されたLPH、現像器、及び感光体ドラム等を示した斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置に採用されたLPH、現像器、及び感光体ドラム等を示した斜視図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置に採用されたベアリングのシュミレーションによる振動結果をしめした図面である。
【図6】(A)(B)本発明の第1実施形態に係る画像形成装置に採用されたベアリングの実験による振動結果をしめした図面である。
【図7】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置に採用された、LPHを示した斜視図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置を示した概略構成図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置に採用されたLPH、現像器、及び感光体ドラム等を示した側面図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置に採用されたLPH、現像器、及び感光体ドラム等を示した拡大斜視図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置に採用されたLPH、現像器、及び感光体ドラム等を示した斜視図である。
【符号の説明】
【0076】
10 画像形成装置
16 感光体ドラム
20 LPH(発光器)
22 現像器
46 当接ピン(発光器位置決め部材)
52 ベアリング(支持部材)
60 フレーム部材
62 第1当接部
64 第2当接部
68 ピン(現像器位置決め部材)
70 第1位置きめ部
72 第2位置きめ部
80 当接ピン(発光器位置決め部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光の照射によって潜像が形成される感光体ドラムと、
前記感光体ドラムの両端部に配置され、前記感光体ドラムを回転可能に支持する支持部材と、
前記支持部材が当接して位置決めされるフレーム部材と、
前記感光体ドラムの表面に形成された潜像を現像してトナー画像を形成する現像器と、
前記現像器に設けられ、前記支持部材と当接して前記感光体ドラムの表面に形成された潜像を現像可能となる位置に、前記現像器を位置決めする現像器位置決め部材と、
前記感光体ドラムの軸方向に沿って延びると共に、前記感光体ドラムの表面へ光を照射して潜像を形成する複数の発光素子が並べられた発光器と、
前記発光器に設けられ、前記現像器によって前記支持部材へ与えられる荷重が変化することにより生じる前記支持部材の変形が最小となる変形最小位置に当接して前記感光体ドラムの表面へ光を照射可能となる位置に前記発光器を位置決めする発光器位置決め部材と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記支持部材は、前記感光体ドラムの両端部に取り付けられた円形のベアリングであって、
前記フレーム部材は、前記ベアリングの外周面と当接する第1当接部と、前記第1当接部から前記外周面の周方向へ沿って90度離れた第2当接部と、を備え、
前記現像器位置決め部材は、前記第1当接部、又は前記第2当接部と前記ベアリング中心を跨いで対向する前記ベアリングの外周面の第1位置決め部と当接し、
前記発光器位置決め部材は、前記第1位置決め部から前記感光体ドラムの回転方向に対して逆向きに前記外周面の周方向へ沿って40〜55度離れた第2位置決め部と当接することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−271223(P2009−271223A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−120199(P2008−120199)
【出願日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.セルフォック
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】